(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028459
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】回転往復駆動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 33/16 20060101AFI20240226BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H02K33/16 B
G02B26/08 E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002555
(22)【出願日】2024-01-11
(62)【分割の表示】P 2022112473の分割
【原出願日】2019-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2018121167
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】北村 泰隆
(72)【発明者】
【氏名】加賀美 雅春
(72)【発明者】
【氏名】稲本 繁典
(57)【要約】
【課題】製造性が高く、組立精度がよく、可動対象が大型ミラーであっても高振幅で駆動できること。
【解決手段】回転往復駆動アクチュエータは、可動対象物を支持する軸部と、軸方向において可動対象物の片側で軸部に固定され、リング形状を有し、軸方向に直交する方向に延在する磁極切り替わり部により区分されるリング形状の第1半部及び第2半部が相異なる極に着磁された可動マグネットと、を有する可動体と、片側に配置され、可動マグネットとの電磁相互作用により軸部を中心に可動体を往復回転させる固定コイルと、軸方向において可動対象物の両側で軸受けを介して軸部を軸支するベースと、有し、ベースは、軸受けをそれぞれ備え、互いに対向して両側に配置される一対の軸受け配置面部と、一対の軸受け配置面部のそれぞれに接合する接合面部と、によりU字形状をなす部材であり、接合面部は、軸受けに挿通された軸部と平行である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動対象物を支持する軸部と、軸方向において前記可動対象物の片側で前記軸部に固定され、リング形状を有し、前記軸方向に直交する方向に延在する磁極切り替わり部により区分される前記リング形状の第1半部及び第2半部が相異なる極に着磁された可動マグネットと、を有する可動体と、
前記片側に配置され、前記可動マグネットとの電磁相互作用により前記軸部を中心に前記可動体を往復回転させる固定コイルと、
前記軸方向において前記可動対象物の両側で軸受けを介して前記軸部を軸支するベースと、有し、
前記ベースは、前記軸受けをそれぞれ備え、互いに対向して前記両側に配置される一対の軸受け配置面部と、前記一対の軸受け配置面部のそれぞれに接合する接合面部と、によりU字形状をなす部材であり、
前記接合面部は、前記軸受けに挿通された前記軸部と平行である、
回転往復駆動アクチュエータ。
【請求項2】
前記一対の配置面部にはそれぞれ、前記軸受けが配置される切欠部が形成されている、
請求項1に記載の回転往復駆動アクチュエータ。
【請求項3】
前記可動対象物は、ミラーを含む、
請求項1に記載の回転往復駆動アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転往復駆動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転往復駆動アクチュエータとして、複合機、レーザービームプリンタ等においてレーザー光を反射して走査対象に照射するミラーの反射角度を変更するガルバノモータが知られている。
【0003】
ガルバノモータとしては、コイルをミラーに取り付けてコイル可動構造としたタイプ(「コイル可動タイプ」と称する)の他、特許文献1に開示の構造等の様々なタイプのものが知られている。
【0004】
特許文献1には、4つの永久磁石が、ミラーが取り付けられる回転軸に、回転軸径方向に着磁するように設けられ、コイルが巻回された磁極を有するコアが、回転軸を挟むように配置されたビーススキャナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コイル可動タイプでは、駆動時のコイルの発熱により、ミラーの表面状態、回転軸へのミラーの接合状態、または反りを含むミラーの形状等に悪影響を与える恐れがある。また、コイル可動タイプでは、通電時のコイルの発熱を考慮するとコイルへの入力電流も大きくしにくく、可動体であるミラーの大型化や高振幅化が困難であるという問題がある。更に、可動体であるミラーに対して、コイルへの配線を固定体側に引き出す必要があり組み立て性が悪いという問題がある。
【0007】
また、特許文献1では、マグネットを可動体側に配置しているので、上述したコイル可動タイプでの問題を解消できるものの、マグネットをコアに対して中立位置に静止させる、つまり、マグネットの磁極の切り替わり部をコアのセンターに位置させるために、コア1極あたりに2極のマグネット、都合、4極のマグネットが必要となっている。
【0008】
これにより、例えば、2極のマグネットを用いて同様のスキャナを構成する場合と比較して、可動体の振幅が小さくなる、つまり、揺動範囲が減少するという問題がある。また、少なくとも4つのマグネットを用いるので、部品点数が多く複雑な構成であり組立が難しい。
これらを踏まえ、近年、スキャナに用いられる回転往復駆動アクチュエータとして、可動体であるミラーの大型化等を想定して、剛性を備え、耐衝撃性、耐振動性を有するとともに、組み立て性の向上が図られ、高振幅化を実現可能な回転往復駆動アクチュエータが望まれている。
【0009】
本発明の目的は、製造性が高く、組立精度がよく、可動対象が大型ミラーであっても高振幅で駆動できる回転往復駆動アクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の回転往復駆動アクチュエータは、
可動対象物を支持する軸部と、軸方向において前記可動対象物の片側で前記軸部に固定され、リング形状を有し、前記軸方向に直交する方向に延在する磁極切り替わり部により区分される前記リング形状の第1半部及び第2半部が相異なる極に着磁された可動マグネットと、を有する可動体と、
前記片側に配置され、前記可動マグネットとの電磁相互作用により前記軸部を中心に前記可動体を往復回転させる固定コイルと、
前記軸方向において前記可動対象物の両側で軸受けを介して前記軸部を軸支するベースと、有し、
前記ベースは、前記軸受けをそれぞれ備え、互いに対向して前記両側に配置される一対の軸受け配置面部と、前記一対の軸受け配置面部のそれぞれに接合する接合面部と、によりU字形状をなす部材であり、
前記接合面部は、前記軸受けに挿通された前記軸部と平行である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、製造性が高く、組立精度がよく、可動対象が大型ミラーであっても高振幅で駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの要部構成を示す平面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの減衰部を示す縦断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの減衰部を示す分解斜視図である。
【
図6】
図6Aは、減衰部による機能によりリンギングが抑制された波形を示す図であり、
図6Bは、リンギングがある波形を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの磁気回路による回転往復駆動アクチュエータの動作を示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの磁気回路による回転往復駆動アクチュエータの動作を示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態2に係る回転往復駆動アクチュエータの外観斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態2に係る回転往復駆動アクチュエータの分解斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態3に係る回転往復駆動アクチュエータの外観斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態3に係る回転往復駆動アクチュエータの要部構成を示す縦断面図である。
【
図14】本発明の実施の形態4に係る回転往復駆動アクチュエータの外観斜視図である。
【
図15】回転往復駆動アクチュエータを有するスキャナシステムの第1例の要部構成を示すブロック図である。
【
図16】回転往復駆動アクチュエータを有するスキャナシステムの第2例の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
以下、本実施形態の回転往復駆動アクチュエータ1を構成する各部については、回転往復駆動アクチュエータ1が駆動しておらず、非動作状態である通常状態時を基準として説明する。また、本実施形態の回転往復駆動アクチュエータ1の構造を説明するにあたり、直交座標系(X,Y,Z)を使用する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。なお、軸方向はZ方向とともに-Z方向も含む。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータ1の外観斜視図であり、
図2は、本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータ1の分解斜視図であり、
図3は、本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータ1の要部構成を示す平面図である。
【0016】
回転往復駆動アクチュエータ1は、可動対象物が接続される可動体10を軸部13周りに往復回転駆動させる。回転往復駆動アクチュエータ1は、例えば、可動体10に可動対象物としてのミラー16を備え、ライダー(「光検出と測拒」LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)等において、走査対象に、ミラー16でレーザー光等を照射して、その反射光を取得して走査対象の情報を取得する光スキャナとして用いられる。なお、回転往復駆動アクチュエータ1は、複合機、レーザービームプリンタ等の走査装置に適用可能である。特に、回転往復駆動アクチュエータ1は、外力を受ける状況においても好適に機能することができ、走行時に衝撃を受ける可能性のある装置、例えば、車載可能なスキャナ装置に適用されることが好ましい。
【0017】
回転往復駆動アクチュエータ1は、可動マグネット30及び軸部13を有する可動体10と、軸部13を回転自在に支持し、コイル43、及び可動マグネット30の回転角度位置保持部(以下、「マグネット位置保持部」という)24を有する固定体20とを有する。
【0018】
回転往復駆動アクチュエータ1では、マグネット位置保持部24と可動マグネット30との磁気吸引力、所謂、磁気バネにより、常態時では、可動体10は、動作基準位置に位置するように、回動自在に保持されている。ここで、常態時は、コイル43に通電されていない状態である。可動体10が動作基準位置に位置することは、本実施の形態では、可動マグネット30がコイル43の励磁する磁極412a、412bに対して中立な位置に位置することを意味し、軸回りの一方向と他方向(軸部13側から見て正転及び逆転)の双方のいずれの方向にも同様な回転が可能な位置である。可動体10が動作基準位置に位置するとき、可動マグネット30において磁極が切り替わる部位である磁極の切り替わり部(「磁極切り替わり部」ともいう)34が、コイル43側の磁極と対向する位置に位置する。磁極切り替わり部34は、可動マグネット30の外周部分に2箇所設けられている。動作基準位置は、可動マグネット30が軸部13を中心に回転往復駆動する際に、右回り左回りに同様なトルクで回転可能な位置である。
【0019】
可動マグネット30とコイル43との協働により、可動体10の軸部13は、固定体20に対して動作基準位置から軸回りの一方向と他方向とに適宜移動、本実施の形態では、往復回転駆動、つまり、揺動或いは振動する。
【0020】
[可動体10]
可動体10は、軸部13、軸部13に固定された可動マグネット30の他、後述する回転角度位置検出部70のエンコーダディスク72を有し、軸部13には、ミラーホルダ15を介してミラー16が固定されている。ミラー16は、入射される光であるレーザー光を反射して出射し走査する。なお、本実施の形態の可動体10ではミラー16が取り付けられ、ミラーを可動対象物として、軸部13周りに往復回転振動可能としているが、可動対象物は、ミラー16でなくてもよいことは勿論である。
【0021】
軸部13は、固定体20に対して軸回りに回転自在に支持されている。軸部13は、固定体20に可動自在に軸支されていれば、どのように軸支されてもよく、本実施の形態では、軸受け23a、23bを介して軸支されている。
【0022】
軸部13は、耐久性を有する金属(例えば、SUS420J2)等により形成され、可動対象に接続される。可動対象とは、往復回転駆動対象となる部材であり、可動体10自体でもよい。
【0023】
軸部13は、軸方向に離れた位置で軸受け23a、23bを介して固定体20により軸支されている。軸受け23a、23bの間の部位(ここでは中央部分)には、可動対象であるミラー16がミラーホルダ15を介して固定されている。また、軸受け23aの位置に着目すると、軸受け23aは、軸部13において、可動マグネット30と可動対象物としてのミラー16との間に配置されている。
【0024】
なお、ミラー16は、反射面16aを軸部13の接線方向に位置するように取り付けられており、軸部13の回転により、反射面16aの角度が変更自在となっている。
【0025】
軸部13に取り付けられるミラー16は、軸部13の全長において、両端部13a、13bのうちの一方側に寄った位置(変位した位置)に取り付けられても良い。その場合、軸部13の他端部13b側で軸受け232、234(
図12及び
図13の回転往復駆動アクチュエータ1B参照)を介して固定体20Bに軸支されることが好ましい。
【0026】
本実施の形態では、軸部13は、ミラー16を挟むように、両端部13a、13b側で軸受け23a、23bを介してベース22に軸支されている。これにより、片持ちで固定するよりもミラー16の保持が強固となり、耐衝撃性や対振動が高まるよう構成されている。
【0027】
また、本実施の形態では、軸部13の一端部13aには可動マグネット30が固定され、他端部13bには、減衰部の一例であり、固定体20に取り付けられた減衰器60が接続されている。
【0028】
可動マグネット30は、軸部13の外周で、軸部13の回転軸方向と直交する方向に、S極及びN極で交互に着磁された偶数の磁極を有する。可動マグネット30は、本実施の形態では、2極に着磁されているが、可動時の振幅に応じて2極以上着磁されてもよい。
【0029】
可動マグネット30は、リング形状をなしている。可動マグネット30では、軸部13の外周で、S極及びN極を成す偶数の磁極31、32が交互に着磁されている。
本実施の形態では、可動マグネット30は、軸部13を挟み互いに反対側に向く異なる極性の着磁面をそれぞれ有する偶数の磁極31,32を有する。磁極31、32は、本実施の形態では、軸部13の軸方向に沿う平面を境界として異なる極性である。
また、これら偶数の磁極31、32は、可動マグネット30において、軸部13の外周で、等間隔に着磁されて構成されている。
このように可動マグネット30では、軸部13の外周に、S極及びN極をなす偶数の磁極31、32が交互に配置され、且つ、それぞれの磁極31、32は等間隔に配置されている。
【0030】
可動マグネット30は、
図3に示すように平面視して、それぞれの半円状の部位が異なる磁極31、32を構成している。本実施形態の可動マグネット30では、半円状の部位の円弧状の湾曲面が、異なる磁極31、32の着磁面であり、軸回りに周方向に延在するように構成されている。言い換えれば、磁極31、32の着磁面は、軸部13の軸方向と直交する方向に並び、且つ、回転してそれぞれ第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bに対向可能に配置される。
可動マグネット30の磁極数は、コアの磁極数と等しい。
【0031】
可動マグネット30の外周面における磁極31、32の切り替わりは、軸部13の延在方向に沿う磁極切り替わり部34で切り替わる。
【0032】
可動マグネット30の磁極31、32の磁極切り替わり部34は、コイル43への非通電時において、第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bの幅方向の中心位置と対向する位置に位置する。磁極切り替わり部34は、磁極412a、412bのそれぞれに対して、回転方向の領域が対称となる位置に配置されている。
【0033】
可動マグネット30は、軸部13の回転により、軸回りに磁極31、32及び磁極切り替わり部34が周方向に移動自在である。
【0034】
[固定体20]
固定体20は、軸部13を軸支して可動体10を可動自在に支持する。
固定体20は、ベース22、軸受け23a、23b、マグネット位置保持部24、コア固定プレート27、コイル43を有するコアユニット40、を有する。
【0035】
ベース22は、回転往復駆動アクチュエータ1において、可動体10の軸部13を回動自在に軸支する。ベース22は、本実施の形態では、軸部13の軸方向、つまりZ方向で離間し、且つ、対向配置された一端面部222及び他端面部224のそれぞれの一辺部(ここでは-Y方向側の一端部)側を、軸方向で延在する本体面部226の両端部で接合した形状をなしている。具体的には、ベース22は、一端面部222、他端面部224及び本体面部226はそれぞれ面状に形成され、本体面部226において、軸部13の軸方向で離間する両端部のそれぞれから一端面部222及び他端面部224が対向するように突設された形状を有する。すなわち、ベース22は、全体で側面視略U字状に形成されている。
【0036】
軸方向で離間する一端面部222及び他端面部224にはそれぞれ対向して軸方向(Z方向)で貫通する切欠穴222a、224aを有する。これら切欠穴222a、224aのそれぞれには軸受け23a、23bを介して軸部13が挿通されている。
【0037】
一端面部222と他端面部224間には、ミラー16が回動自在に配置され、ミラー16は、ベース22内で回動自在である。
【0038】
ベース22の一端面部222の軸方向外方の外面(ここでは左面)側には、可動マグネット30にエアギャップGを空けて対向するコアユニット40が配置されている。
【0039】
コアユニット40は、コア固定プレート27に固定され、コア固定プレート27は、止着材28を介して一端面部222の左面側に固定されている。
【0040】
他端面部224側には、軸部13の回転角度を検出する回転角度位置検出部70が配置されている。本実施の形態における回転角度位置検出部70は、所謂、光エンコーダセンサであり、軸部13に取り付けられるエンコーダディスク72とともに、エンコーダディスク72を用いて軸部13の回転角度を検出する光学センサ74が実装されたセンサ用基板76を有する。
【0041】
他端面部224には、光学センサ74を実装するセンサ用基板76が配置される。本実施の形態では、センサ用基板76はビス等の止着材28により他端面部224に固定されている。回転角度位置検出部70は、光学センサ74でエンコーダディスク72から反射される光を受光することにより軸部13の回転角度、つまり、ミラー16の回転角度を検出する。これにより、検出結果を用いて、軸部13及びミラー16が往復回転駆動(揺動)する際の揺動範囲を、例えば、固定体20側に設けられる制御部で制御できる。
【0042】
コアユニット40は、コイル43と、コイル43が巻回される第1コア41a、第2コア41b及び架設コア41cを含むコア41とを有する。
本実施形態では、コアユニット40の架設コア41cにマグネット位置保持部24が設けられている。
【0043】
コイル43は、通電により、コアを励磁する。コイル43は、本実施の形態では、コイル43a、43bから構成され、それぞれボビン44に巻回されている。ボビン44は、第1コア41aの芯部411a、第2コア41bの芯部411bに外挿される。
【0044】
このように、コイル43a、43bは、可動マグネット30を挟む位置に配置されたコアの双方に各1つ配置されているため、コイル43寸法を小型化でき、また、コイル43により発生する磁力バランスの向上を図ることができる。
【0045】
第1コア41a、第2コア41b及び架設コア41cは、それぞれ積層コアであり、例えば、フェライト系磁性ステンレス鋼板を積層してなる。
【0046】
第1コア41a、第2コア41bは、コイル43が通電されることにより、励磁される偶数(ここでは、2つ)の異なる磁極412a、412bを有する。なお、コア41の磁極の数は、偶数であり、可動マグネット30の磁極31、32と同じ数であれば2つ以上有する構成してもよい。
【0047】
第1コア41a、第2コア41bは、本実施の形態では、可動マグネット30を回転軸方向と直交する方向で挟むように、且つ、回転軸方向と直交する方向で平行に配置される芯部(411a、411b)を有する。芯部(411a、411b)のそれぞれには、コイル43が巻回されたボビン44が外挿されている。芯部(411a、411b)の一方の端部間に架設コア41cが架設され、芯部(411a、411b)の他方の端部に連続して磁極412a、412bが形成されている。
【0048】
2つの磁極412a,412bは、可動マグネット30の回転方向に並ぶように配置される。
【0049】
2つの磁極412a、412bは、本実施の形態では、可動マグネット30の外周(磁極31、32に相当)から、可動マグネット30における回転軸と直交する方向で、エアギャップGを空けて可動マグネット30を挟むように対向して配置される。
【0050】
磁極412a、412bのそれぞれにおいて、可動マグネット30の回転方向に沿う長さの中心(以下、それぞれ磁極412a、412bの「中心位置」という)どうしが、軸部の軸を挟み対向している。
【0051】
磁極412a、412bの中心位置のそれぞれに対して、可動マグネット30の磁極切り替わり部34が対向して配置される。本実施の形態では、磁極412a、412bの中心位置と、軸部13の軸とは平面視して同一直線上に配置されている。
【0052】
磁極412a、412bは、本実施の形態では、可動マグネット30の外周面に対応して円弧状に形成され、可動マグネット30をX方向で囲むように配置されている。
【0053】
架設コア41cは、第1コア41a、第2コア41bとともに、可動マグネット30を、回転軸と直交する方向で囲むように配置される。
【0054】
架設コア41cには、可動マグネット30にエアギャップGを空けて対向して配置されるマグネット位置保持部24が、可動マグネット30側に突出して取り付けられている。
【0055】
マグネット位置保持部24は、可動マグネット30との間に発生する磁気吸引力により、可動マグネット30とともに磁気バネとして機能し、回転する可動マグネット30の位置を動作基準位置(所定の回転角度位置)に位置させて保持する。
【0056】
マグネット位置保持部24は、マグネット或いは磁性体である。本実施の形態では、マグネット位置保持部24は、可動マグネット30側に向けて着磁されたマグネットであり、磁性体で構成した場合と比較して可動マグネット30との間の磁気吸引力を増加させている。本実施の形態では、可動マグネット30側を着磁方向としたマグネットを適用している。
【0057】
マグネット位置保持部24は、マグネットであり、本実施の形態では、動作基準位置において、可動マグネット30の磁極切り替わり部34を、磁極412a、412bと対向する位置に位置させる。このように、マグネット位置保持部24は、可動マグネット30と互いに吸引し合い、可動マグネット30を動作基準位置に位置させることができる。これにより、可動マグネット30の磁極切り替わり部34が、第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bの中心位置と対向する。これにより、可動マグネット30は動作基準位置で安定し、且つ、その位置で、コイル43(43a、43b)は通電されて、最大トルクを発生して可動体10を駆動できる。
【0058】
また、可動マグネット30は、2極着磁されているので、コイル43との協働により高振幅しやすく、振動性能の向上を図ることができる。
【0059】
マグネット位置保持部24は、可動マグネット30の外周面にエアギャップGを空けて対向する対向面を有する。対向面は、可動マグネット30の外周面の形状に対応した湾曲面としている。
マグネット位置保持部24は、架設コア41cから可動マグネット30に向かって突出する凸状に形成され、その先端面を対向面としている。
【0060】
マグネット位置保持部24は、例えば、対向面をN極(
図8及び
図9参照)に着磁されたマグネットである。
【0061】
マグネット位置保持部24の磁極となる対向面は、可動マグネット30の回転方向に沿う部位であって、第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bとが対向する可動マグネット30の外周面の部位の間の部位に対して、可動マグネット30の径方向外側で対向する。
【0062】
マグネット位置保持部24を磁性体とする場合、架設コア41cに一体的に形成してもよい。これにより、少ない部品点数で磁気バネとしての機能を好適に実現できる。
【0063】
動作基準位置における可動マグネット30は、可動マグネット30の磁極の一方がマグネット位置保持部24に対向し、可動マグネット30の磁極の磁極切り替わり部34が、第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bの中心位置と対向する。
【0064】
本実施の形態では、コイル43が励磁するコア41を、磁極412aを有する第1コア41a、磁極412bを有する第2コア41b及び、第1コア41a及び第2コア41bの各磁極412a、412b側とは反対側の端部間に架設される架設コア41cで構成している。すなわち、コア41は3つの分割体により構成されている。これら分割体のうち、架設コア41cにマグネット位置保持部24が設けられている。このように、コア41において、マグネット位置保持部24を配置するコア部分を別体としているので、マグネット位置保持部24をコイル43が巻回される部分を含むコアに一体で構成した場合と比較して、コイル43、コア41、可動マグネット30における相互の組み付けが行いやすく、組立性の向上を図ることができる。
【0065】
図4は、本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの減衰部を示す縦断面図であり、
図5は、本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの減衰器を示す分解斜視図である。
【0066】
減衰部は、コイル43が通電されることで可動体10が往復回転駆動する際に鋭い共振が発生する場合、その鋭い共振を減衰する。本実施の形態では、減衰部として減衰器60は、軸部13とベース22との間に設けられ、軸部13の回転に負荷を与えることで、共振を減衰する。
【0067】
減衰器60は、例えば、ベース22に固定されるケース62と、マグネット63と、ケース62内で回動自在に配置され、軸部13に固定される回転体64と、上蓋部65と、下蓋部66とを有する。
【0068】
ケース62は筒状体であり、内周面にリング状のマグネット63が周方向に沿って取り付けられている。マグネット63の内側には、回転体64がエアギャップG2を空けて配置されている。
【0069】
回転体64は、円盤部641と、円盤部641の中央から突出する凹部642と、円盤部641の外縁側から突出し、凹部642の外周側に同心円状に配置される外筒部644とを有する磁性体である。回転体64の凹部642内に、軸部13の他端部13bが挿入されるとともに固定される。外筒部644は、ケース62内においてマグネット63と、上蓋部65の内筒部652との間で周方向に移動自在に配置される。
【0070】
ケース62の下面側は、下蓋部66により閉塞され、ケース62の上面側は、回転体64がケース62から抜脱しないように、且つ、回転体64の中央に設けられた凹部642の開口端を露出させた状態で、リング状の上蓋部65により閉塞されている。減衰器60は、ケース62の上面側のフランジで、他端面部224にネジ等の止着材29(
図2参照)を介して固定されている。本実施の形態では、ケース62は、他端面部224において外面側に突出する図示しないボス部に止着材29を介して固定され、減衰器60は、他端面部224との間で回転角度位置検出部70を挟むように配置されている。
【0071】
ケース62内には、マグネット63と回転体64との間と、上蓋部65の内筒部652と回転体64との間には磁性流体Rが充填されている。
【0072】
減衰器60は、可動体10が往復回転駆動する際に、軸部13の他端部13bに固定された回転体64がケース62内で磁性流体Rに接触することによりマグネット63の磁気吸引力により磁性流体Rにより荷重を付与しつつ往復回転駆動することになる。これにより、可動体10の可動時に、共振が鋭い場合に発生する
図6Bに示すリンギングを抑制し、
図6Aのようにリンギングがなく好適な波形、所謂、のこぎり波で駆動して、制御し易い振動を実現できる。また、本実施の形態の減衰器60は、回転体64と、ケース62側との間に磁性流体Rを介在させた構成として、磁性流体Rがマグネット63により、減衰器60の外部に漏れることがなく、減衰器60としての信頼性の向上を図ることができる。
【0073】
なお、本実施の形態の回転往復駆動アクチュエータ1では、減衰部としての減衰器60は、所謂、回転体64と、固定体側であるケース62との間に磁性流体Rを介在させた回転ダンパーとしたが、磁性流体Rに換えて、ケース62に対する回転体64の回転力を減衰させる流体であってもよい。すなわち、減衰器60は、可動体10に接続される回転体64の回転を減衰し、可動体10が往復回転駆動する際に発生する鋭い共振を減衰するものであれば、どのように構成されてもよい。
【0074】
例えば、減衰器60の構成において、マグネット63を外し、ケース62、上蓋部65及び下蓋部66との密閉性をシーリングなどにより高めて、磁性流体Rの代わりに、オイルを用いた構成としてもよい。
【0075】
この構成によれば、減衰器60において、マグネット63が不要となり、減衰器自体の小型化を図ることができるとともに、組み立て性の向上を図ることができる。
【0076】
また、減衰部を磁性流体自体とし、可動マグネット30と磁極412a、412bとの間のエアギャップGや、可動マグネット30とマグネット位置保持部24との間のエアギャップGに配置してもよい。この構成によれば、本実施の形態の減衰器60のような回転ダンパーを別部品として用いる必要がない。また、磁性流体を、可動マグネット30と磁極412a、412bのそれぞれのエアギャップGを挟む部位や、可動マグネット30とマグネット位置保持部24のそれぞれのエアギャップGを挟む部位に塗布することで、これらエアギャップG間に磁性流体を容易に配置して、共振を減衰する減衰機能を、低コストかつ省スペースで実現できる。
【0077】
また、減衰部として、例えば、
図7に示すように、回転往復駆動アクチュエータ1に駆動信号を供給する電源供給部(駆動信号供給部77)と回転往復駆動アクチュエータ1との間に、ローパスフィルタ、帯域除去フィルタ、或いはノッチフィルタなどの電気的フィルタ78を設けて、リンギングが発生する周波数成分を除去するようにしてもよい。なお、電気的フィルタ78は、コイル43を駆動する図示しない駆動基板に実装され、駆動基板は固定体20に設けられる。
【0078】
電気的フィルタ78を設けて、共振を減衰することにより、機械的な減衰構造と比較して,温度の影響を受けたり、構成部品の個体差等の影響を受けることなく、好適にリンギングを抑制できる。
【0079】
[回転往復駆動アクチュエータ1の磁気回路構成]
図8及び
図9は、本発明の実施の形態1に係る回転往復駆動アクチュエータの磁気回路による回転往復駆動アクチュエータの動作を示す図であり、
図9は、
図8においてコイルへの通電方向を逆方向にした場合の回転往復駆動アクチュエータの動作を示している。
【0080】
回転往復駆動アクチュエータ1では、コイル43への非通電時において、可動マグネット30は、マグネット位置保持部24と可動マグネット30との磁気吸引力、つまり、磁気ばねにより、可動マグネット30は動作基準位置(所定の回転角度位置)に位置する。
【0081】
常態時、つまり、動作基準位置では、可動マグネット30の磁極31、32の一方がマグネット位置保持部24に吸引されて、磁極切り替わり部34が、第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bの中心位置と対向する位置に位置する。
【0082】
図8に示すように、例えば、マグネット位置保持部24が、可動マグネット30に対向する対向面をN極に着磁されている構成では、可動マグネット30のS極に着磁された磁極32と互いに引き合うように、可動マグネット30を回転する磁気バネトルク(
図8では矢印FMで示す)を発生する。
【0083】
このように本実施の形態の回転往復駆動アクチュエータ1は、常態時において、つまり、可動マグネット30が動作基準位置に位置する場合において、可動マグネット30の磁極切り替わり部34(詳細には線状の磁極切り替わり部34の両端部)が、第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bに対して向く位置に配置される。これにより、コイル43が通電された際に、コイル43の通電方向に応じたコイル43の励磁により、可動体10を所望の回転方向で駆動でき、また、可動体10を回転駆動するトルクの最大化を実現できる。
【0084】
コイル43では、コイル43に通電が行われると、コイル43(43a、43b)は、第1コア41a、第2コア41bを励磁して、第1コア41a、第2コア41bの磁極412a、412bがそれぞれ異なる極性となるように巻回されている。
本実施の形態では、
図8に示す方向でコイル43(43a、43b)が通電されると、コイル43(43a、43b)は、第1コア41a、第2コア41bを励磁して、磁極412aはN極に磁化され、磁極412bはS極に磁化される。
【0085】
詳細には、通電されたコイル43a、43bは、それぞれが巻回する芯部(411a、411b)を磁化する。第1コア41aでは、例えば、N極である磁極412aから可動マグネット30に出射して、可動マグネット30、マグネット回転位置保持部24、架設コア41cを順に流れ、芯部411aに入射する磁束が形成される。
【0086】
また、第2コア41bでは、芯部411bから架設コア41c側に出射して、架設コア41c、マグネット回転位置保持部24、可動マグネット30を順に流れ、磁極412bに入射する磁束が形成される。
【0087】
これにより、N極に磁化された磁極412aは、可動マグネット30のS極と引き合い、S極に磁化された磁極412bは、可動マグネット30のN極と引き合い、可動マグネット30には、軸部13の軸回りのF方向のトルクが発生し、F方向に回転する。これに伴い、軸部13も回転し、軸部13に固定されるミラー16も回転する。
【0088】
また、コイル43の通電方向が逆方向に切り替わると、コイル43により、励磁される第1コア41a、第2コア41bでは、磁極412a、412bは、先のコイル43への通電方向の場合と、異なる磁極で着時される。具体的には、
図8に示す通電方向とは異なる方向で通電する(
図9参照)と、磁極412aはS極に磁化され、磁極412bはN極に磁化され、磁束の流れも逆になる。通電方向の切り替わり時では、マグネット回転位置保持部24と可動マグネット30との間の磁気吸引力、つまり磁気バネにより、磁気バネトルクFMが発生し可動マグネット30は動作基準位置に移動する。
【0089】
これにより、
図9に示すように、S極に磁化された磁極412aは、可動マグネット30のN極と引き合い、N極に磁化された磁極412bは、可動マグネット30のS極と引き合い、可動マグネット30には、軸部13の軸回りのF方向とは逆回りの方向のトルクが発生し、可動マグネット30はF方向とは逆の方向(-F方向)に回転する。これに伴い、軸部13も逆方向(-F方向)に回転移動し、軸部13に固定されるミラー16も先の移動方向とは逆の方向(-F方向)に回転する。これを繰り返すことで、ミラー16は往復回転駆動する。
【0090】
このように、回転往復駆動アクチュエータ1は、電源供給部(例えば、
図7の駆動信号供給部77と同様の機能を有する電源供給部)からコイル43へ入力される交流波によって駆動される。つまり、コイル43の通電方向は周期的に切り替わり、可動体10には、軸回りのF方向のトルクによるF方向の推力と、F方向とは逆の方向(-F方向)のトルクによる推力が交互に作用する。これにより、可動体10は、軸部13を中心に往復回転駆動、つまり、振動する。なお、可動体10にF方向のトルク及び-F方向のトルクによる推力が交互に作用する際の切替時では、可動体10の動作基準位置への移動は、磁気バネトルクFM、-FMが作用する。
【0091】
以下に、回転往復駆動アクチュエータ1の駆動原理について簡単に説明する。本実施の形態の回転往復駆動アクチュエータ1では、可動体10の慣性モーメントをJ[kg・m2]、磁気ばね(磁極412a、412b、マグネット位置保持部24及び可動マグネット30)のねじり方向のバネ定数をKspとした場合、可動体10は、固定体20に対して、下式(1)によって算出される共振周波数Fr[Hz]で振動する。
【0092】
【0093】
可動体10は、バネ-マス系の振動モデルにおけるマス部を構成するので、コイル43に可動体10の共振周波数Frに等しい周波数の交流波が入力されると、可動体10は共振状態となる。すなわち、電源供給部からコイル43に対して、可動体10の共振周波数Frと略等しい周波数の交流波を入力することにより、可動体10を効率良く振動させることができる。
【0094】
回転往復駆動アクチュエータ1の駆動原理を示す運動方程式及び回路方程式を以下に示す。回転往復駆動アクチュエータ1は、下式(2)で示す運動方程式及び下式(3)で示す回路方程式に基づいて駆動する。
【0095】
【0096】
【0097】
すなわち、回転往復駆動アクチュエータ1における可動体10の慣性モーメントJ[kg・m2]、回転角度θ(t)[rad]、トルク定数Kt[N・m/A]、電流i(t)[A]、バネ定数Ksp[N・m/rad]、減衰係数D[N・m/(rad/s)]、負荷トルクTLoss[N・m]等は、式(2)を満たす範囲内で適宜変更できる。また、電圧e(t)[V]、抵抗R[Ω]、インダクタンスL[H]、逆起電力定数Ke[V/(rad/s)]は、式(3)を満たす範囲内で適宜変更できる。
【0098】
このように、回転往復駆動アクチュエータ1では、可動体10の慣性モーメントJと磁気ばねのバネ定数Kspにより決まる共振周波数Frに対応する交流波によりコイル43への通電を行った場合に、効率的に大きな振動出力を得ることができる。
【0099】
本実施の形態の回転往復駆動アクチュエータによれば、トルクの発生効率高く、可動対象であるミラーに熱が伝達しにくく、ミラー16の反射面16aの平面度の精度を確保できる。また、製造性が高く、組立精度がよく、可動対象が大型ミラーであっても高振幅で駆動できる。
【0100】
なお、実施の形態1の回転往復駆動アクチュエータ1及び後述する回転往復駆動アクチュエータ1A、1B、1Cは、共振駆動が可能であるが、非共振駆動も可能である。また、減衰部を用いて減衰係数を大きくすることにより、リンギングの抑制も可能である。
【0101】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係る回転往復駆動アクチュエータ1Aの外観斜視図であり、
図11は、本発明の実施の形態2に係る回転往復駆動アクチュエータ1Aの分解斜視図である。
【0102】
図10及び
図11に示す回転往復駆動アクチュエータ1Aは、回転往復駆動アクチュエータ1の構成において回転角度位置検出部70である光学センサに変えて磁気センサを用いた構成としており、その他の構成は、回転往復駆動アクチュエータ1と同様である。よって、回転往復駆動アクチュエータ1Aの説明において回転往復駆動アクチュエータ1と同様の構成要素については同名称及び同符号を付して説明は省略する。
【0103】
回転往復駆動アクチュエータ1Aは、可動マグネット30A及び軸部13Aを有する可動体10Aと、軸部13Aを回転自在に支持し、コイル43及びマグネット位置保持部24を有する固定体20Aとを有する。回転往復駆動アクチュエータ1Aでは、可動体10Aにおける可動マグネット30Aは、リング形状を成し、軸部13Aの外周で、S極及びN極を成す偶数の磁極が交互に着磁されて構成されている。固定体20Aにおけるコア41の2つ偶数の磁極412a、412bは、可動マグネット30Aと、軸部13Aの外周側でエアギャップGを挟み各々対向して配置されている。また、コア41の磁極数と可動マグネット30Aの磁極数は等しい。
【0104】
回転往復駆動アクチュエータ1Aでは、マグネット位置保持部24と可動マグネット30Aとの磁気吸引力、所謂、磁気バネにより、常態時では、可動体10Aは、動作基準位置に位置するように、固定体20Aに回動自在に保持されている。ここで、常態時は、コイル43に通電されていない状態である。可動体10Aが動作基準位置に位置する状態とは、可動マグネット30Aがコイル43の励磁する磁極に対して中立な位置に位置する状態であり、可動マグネット30Aの磁極切り替わり部34が、コイル43側の磁極と対向する位置である。
【0105】
可動体10Aは、軸部13A、軸部13Aに固定された可動マグネット30Aの他、回転角度位置検出部70Aの磁気センサ74Aにセンシングされる磁気センサ用マグネット72Aを有する。
【0106】
軸部13Aには、ミラーホルダ15Aを介してミラー16が固定されている。
【0107】
固定体20Aは、ベース22A、軸受け23a、23b、マグネット位置保持部24、コア固定プレート27A、コイル43を有するコアユニット40を有する。
【0108】
ベース22Aは、軸方向(Z方向)に離間して対向して配置される一端面部222A及び他端面部224Aを、軸方向に延びる本体面部226Aで接合した形状を有する。なお、ベース22Aの一端面部222Aには、コアユニット40が固定されたコア固定プレート27Aが、ビス等の止着材28Aを介して固定されている。
【0109】
ベース22Aでは、一端面部222A及び他端面部224Aの切欠部には軸受け23a、23bが嵌め込まれている。軸受け23a、23bに軸部13Aが挿通され、軸部13Aは、軸受け23a、23bを介して、ベース22Aに回動自在に軸支されている。
【0110】
他端面部224Aは、軸方向外側に軸部13Aを回動自在に支持する。
他端面部224Aの軸方向外側には、回転角度位置検出部70Aが配置されている。
【0111】
回転角度位置検出部70Aは、磁気センサ用マグネット72A、磁気センサ74A、磁気センサ74Aが実装されるセンサ用基板76Aを有する。
【0112】
磁気センサ用マグネット72Aは、他端面部224Aから軸方向外方に突出する軸部13Aの他端部13bの端面にホルダ73Aを介して一体的に固定されている。
【0113】
磁気センサ74Aは、駆動することにより、軸部13Aとともに回転する磁気センサ用マグネット72Aをセンシングして、軸部13A、ひいてはミラー16の回転角度を検出する。センサ用基板76Aは、ビス等の止着材28Aを介して固定部材75Aに固定されている。固定部材75Aは、ビス等の止着材29Aを介して他端面部224Aに固定されている。これにより、磁気センサ74Aは、他端面部224Aにおいて、磁気センサ用マグネット72Aと、軸方向で対向する位置に配置される。センサ用基板76Aは、磁気センサ74Aを駆動し、磁気センサ74Aにより取得した軸部13Aの回転角度、つまり、回転角度に対応する位置を電源供給部(例えば、
図7の駆動信号供給部77と同様の機能を有する電源供給部)にフィードバック可能にする。
【0114】
本実施の形態では、回転往復駆動アクチュエータ1と同様の基本的な作用効果を奏することができるとともに、光学センサを用いた場合と比較して簡易な構造となり、また製品コストの削減を図ることができる。
【0115】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る回転往復駆動アクチュエータ1Bの外観斜視図であり、
図13は、本発明の実施の形態3に係る回転往復駆動アクチュエータ1Bの要部構成を示す縦断面図である。
【0116】
図12及び
図13に示す回転往復駆動アクチュエータ1Bは、回転往復駆動アクチュエータ1と同様の磁気回路構成を有し、ミラー16Bを軸部13Bの一端部側に固定し、軸部13Bの他端部13b側でベース22Bにより軸支されている。なお、回転往復駆動アクチュエータ1Bにおいても、可動体10Bにおけるリング形状の可動マグネット30は、軸部13Bの外周で、S極及びN極を成す偶数の磁極が交互に着磁されて構成され、固定体20Bにおける2つ偶数の磁極412a、412bは、可動マグネット30の磁極数と等しく、可動マグネット30と、軸部13Bの外周側でエアギャップGを挟み各々対向して配置されている。
【0117】
回転往復駆動アクチュエータ1Bは、ミラー16Bを、所謂、ピボット構造にて往復回転駆動可能に構成されている。
【0118】
具体的には、軸部13Bと、軸部13Bに固定される可動マグネット30を有する可動体10Bにおいて、軸部13Bにはエンコーダディスク72と、走査用のミラー16Bとが固定されている。走査用のミラー16Bは、ミラーホルダ15Bを介して軸部13Bに固定されている。
コアユニット40を有する固定体20Bでは、ベース22Bに形成された貫通部に、軸受け232、234が隣接して嵌め込まれ、この軸受け232、234に挿通されている。
【0119】
ベース22Bは、XY平面上に配置される板状のベースであり、ベース22Bの一端面側(左側面側)には、コア固定プレート27を介して、コアユニット40が固定されている。
【0120】
ベース22Bの他端面(右側面)、つまり、ベース部22Bにおいてコアユニット40が設けられる面とは反対側の面には、回転角度位置検出部70が配置されている。ベース22Bの他端面(右側面)側に、軸部13Bに取り付けられたエンコーダディスク72と、センサ用基板76とが配置され、エンコーダディスク72と対向する光学センサ74により軸部13Bの回転角度を検出可能となっている。また、ベース22Bの右側面側には、回転角度位置検出部70よりも右側に位置する減衰器60が設けられている。
【0121】
実施の形態1と同様の減衰器60の回転体64(
図6及び
図7参照)には、軸受け232,234を介してベース22Bを挿通された軸部13Bの他端部13bが接合されている。
【0122】
このように回転往復駆動アクチュエータ1Bでは、軸部13Bは、一端部側でミラー16Bを固定し、他端部側でベース22Bに往復回転可能に支持されている。ベース22B側では、軸部13Bにおいて、ベース22Bの一端面側に可動マグネット30が固定され、軸受け234、232を介して、ベース22Bの他端面側に回転角度位置検出部70のエンコーダディスク72、減衰器60の回転体が固定されている。
【0123】
エンコーダディスク72は、軸受け234に隣接して配置されており、回転往復駆動アクチュエータ1Bは、ミラー16Bに固定される軸部13Bの長さを、実施の形態1の回転往復駆動アクチュエータ1の軸部13よりも短くして、ミラー16Bを往復回転駆動させることができる。
【0124】
回転往復駆動アクチュエータ1Bは、軸部13Bの一端部13a側にミラー16Bを固定し、軸部13Bの他端部13b側で2つの軸受け232、234により軸支している。これにより、軸部13Bに沿って配置されるミラー16B、可動マグネット30、軸受け232、234をそれぞれ順に隣接して配置させることができ、軸受け232、234を離間して配置する構成と比較して、回転往復駆動アクチュエータ1B自体を小型化できる。回転往復駆動アクチュエータ1Bは、回転往復駆動アクチュエータ1と同様に、トルクの発生効率高く、可動対象であるミラーに熱が伝達しにくく、ミラー16Bの反射面の平面度の精度を確保できる。また、製造性が高く、組立精度がよく、ミラー16Bを高振幅で駆動できる。
【0125】
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係る回転往復駆動アクチュエータの外観斜視図である。
【0126】
図14に示す回転往復駆動アクチュエータ1Cは、回転往復駆動アクチュエータ1と同様の磁気回路構成を有し、回転往復駆動アクチュエータ1と同様の構成において、一軸方向で駆動するミラー16に代えて、2軸方向で駆動するミラー16Cを適用したものある。よって、回転往復駆動アクチュエータ1Cにおいて、回転往復駆動アクチュエータ1と同様の構成要素には同符号同名称を付して説明は省略する。
【0127】
回転往復駆動アクチュエータ1Cでは、電磁相互作用を用いたコアユニット40及び可動マグネット30を含むによる駆動源により、二軸で往復回転駆動する反射ミラー部162を有するミラー16Cが、軸部13の軸方向と直交する方向で往復回転駆動可能に設けられている。
【0128】
ミラー16Cは、ミラー16Cの反射ミラー部162を軸部13に対して、軸部13の回転方向と直交方向で駆動する別駆動部を含む。
別駆動部を有するミラー16Cは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーであり、例えば、垂直駆動信号供給部207(
図16参照)により供給される駆動信号に基づいて、ミラー16Cの反射ミラー部162を軸部13と直交する1軸を中心として高速に回転可能に構成される。これにより、ミラー16Cの反射ミラー部162は、コアユニット40と可動マグネット30との駆動により軸部13を軸に往復回転駆動されるとともに、別駆動部により軸方向と直交する方向でも往復回転駆動される。
回転往復駆動アクチュエータ1Cは、トルクの発生効率高く、可動対象であるミラー16Cに熱が伝達しにくく、反射面である反射ミラー部162の平面度の精度を確保できる。また、製造性が高く、組立精度がよく、ミラー16Cが大型ミラーであっても高振幅で駆動できる。
【0129】
[スキャナシステムの概略構成]
図15は、回転往復駆動アクチュエータを有するスキャナシステム200Aの第1例の要部構成を示すブロック図であり、
図16は、回転往復駆動アクチュエータを有するスキャナシステム200Bの第2例の要部構成を示すブロック図である。
【0130】
図15に示すスキャナシステム200Aは、スキャナシステム200は、レーザー発光部201、レーザー制御部202、アクチュエータ203、駆動信号供給部204、位置制御信号計算部205を有する。
【0131】
スキャナシステム200Aでは、ミラーを一軸で往復回転駆動可能な回転往復駆動アクチュエータ203を用いて対象物を走査するものであり、回転往復駆動アクチュエータ203としては、例えば、本実施の形態の回転往復駆動アクチュエータ1~1Bを適用できる。
【0132】
レーザー制御部202は、レーザー発光部201を駆動して照射するレーザーを制御する。レーザー発光部201は、例えば、光源となるLD(レーザーダイオード)並びに出力されるレーザー収束の為のレンズ等である。光源からのレーザー光を、レンズ系を介して、アクチュエータ203のミラー16に出射する。
【0133】
位置制御信号計算部205は、回転角度位置検出部70が取得した実際の軸部13(ミラー16)の角度位置と、目標角度位置とを参照して、軸部13(ミラー16)を目標角度位置となるように制御する駆動信号を生成して出力する。例えば、位置制御信号計算部205は、取得した実際の軸部13(ミラー16)の角度位置と、図示しない波形メモリに格納されるのこぎり波形(
図6A参照)データ等を用いて変換された目標角度位置を示す信号とに基づいて位置制御信号を生成して、駆動信号供給部204に出力する。
【0134】
駆動信号供給部204は、アクチュエータ203のコイル43に、所望の駆動信号を供給して、アクチュエータ203を回転往復駆動して、対象物を走査する。
【0135】
図16に示すスキャナシステム200Bは、スキャナシステム200Aと同様のレーザー発光部201及びレーザー制御部202の他、アクチュエータ203A、アクチュエータ203Aが備える水平走査角度位置検出部702、水平駆動信号供給部204A、位置制御信号計算部205、垂直走査角度位置検出部206、垂直駆動信号供給部207、位置制御信号計算部208を有する。
【0136】
スキャナシステム200Bでは、ミラー(具体的には反射ミラー部162)を二軸で往復回転駆動可能なアクチュエータ203Aを用いて、対象物を走査するものであり、アクチュエータ203Aとしては、本実施の形態の回転往復駆動アクチュエータ1Cを適用できる。
【0137】
アクチュエータ203Aとしての回転往復駆動アクチュエータ1Cは、軸部13を中心に往復回転駆動することにより、ミラー16Cの反射ミラー部162により反射するレーザー光を水平に出射させる。また、回転往復駆動アクチュエータ1Cでは、反射ミラー部162を、軸部13と直交する方向に延在する軸を中心に往復回転駆動させる。
【0138】
水平走査角度位置検出部702は、回転角度位置検出部70と同様の機能を有し、軸部13、ひいては反射ミラー部162の軸部13周りでの回転角度位置を検出し、位置制御信号計算部205に出力する。
【0139】
位置制御信号計算部205は、水平走査角度位置検出部702が取得した実際の軸部13の角度位置(ミラー16の水平走査における角度位置)と、図示しない波形メモリに格納されるのこぎり波形(
図6A参照)データ等を用いて、目標角度位置となるように制御する位置制御信号を生成して、水平駆動信号供給部204Aに出力する。水平駆動信号供給部204Aは、駆動信号供給部204と同様の機能を有し、アクチュエータ203Aのコイル43に、駆動信号を出力して、アクチュエータ203の反射ミラー部162を水平走査方向に回転往復駆動して、対象物を水平走査する。
【0140】
垂直走査角度位置検出部206は、反射ミラー部162において、軸部13と直交する軸(ここではX軸)を中心に回転移動する回転角度位置を検出し、位置制御信号計算部208に出力する。
【0141】
位置制御信号計算部208は、垂直走査角度位置検出部206が取得した実際の軸部13、つまりミラー16の実際の垂直走査における角度位置と、図示しない波形メモリに格納される垂直走査用ののこぎり波形データ等を用いて変換された目標角度位置を示す情報とに基づいて、目標角度位置となるように制御する位置制御信号を生成して、垂直駆動信号供給部207に出力する。垂直駆動信号供給部207は、アクチュエータ203Aに駆動信号を出力して、アクチュエータ203Aの反射ミラー部162を垂直走査方向に回転往復駆動して、対象物を垂直走査する。
【0142】
なお、本実施の形態において減衰部として機能する構成は,実施の形態の回転往復駆動アクチュエータ1、1A、1B、1Cにおいて適宜、変更して適用してもよく、また、適宜、組み合わせて適用してもよい。例えば、磁性流体Rを用いた回転ダンパーである減衰器60、減衰器60において磁性流体に換えてオイルを用いた回転ダンパーと、ローパスフィルタ、帯域除去フィルタ、或いはノッチフィルタなどの電気フィルタ78とを組み合わせて備えるようにしてもよい。これにより、共振に対して、一層大きな減衰を得ることができ、リンギングを抑制して制御性の高い回転往復駆動アクチュエータ1、1A、1B、1Cとなる。よって、回転往復駆動アクチュエータ1、1A、1B、1Cとしての信頼性の向上を図ることができる。
【0143】
また、本実施の形態では、固定体20、20B側のコイル43は、コアユニット40に設けられた構成したが、これに限らず、コアを有さずに、本実施の形態の回転往復駆動アクチュエータ1、1A、1B、1Cを構成してもよい。例えば、振動アクチュエータ1において、コア41を有することなく、軸部13及び軸部13に固定された可動マグネット30を有する可動体と、コイル43を有し軸部13を回転自在に支持する固定体とを有し、コイル43と可動マグネット30との電磁相互作用により固定体に対して軸部13を中心に可動体10を往復回転駆動する回転往復駆動アクチュエータとしてもよい。このとき、可動マグネットは、可動マグネット30と同様に、リング形状を成し、軸部13の外周で、S極及びN極を成す偶数の磁極31、32が交互に着磁されて形成される。また、コイルは、コイル43と同様に、固定体において、可動マグネットに対して電磁相互作用により前記可動マグネットを回転するトルクが発生する位置に配置されている。例えば、コイルは、可動マグネットとの間の電磁相互作用により偶数の磁極のそれぞれとで、可動マグネットを往復回転させるトルクを発生する位置に配置されている。
【0144】
よって、コア41を有さず、その他の構成は振動アクチュエータ1と同様に構成される振動アクチュエータにおいて、可動マグネットは、可動マグネット30と同様の作用効果を得ることができる。また、この振動アクチュエータにおいて、コイル43により磁化される磁極数と可動マグネットの磁極数は等しい。また、コイルにより磁化される偶数の磁極は、可動マグネット30と、軸部の径方向でエアギャップGを挟み各々対向して配置される。加えて、固定体には、可動マグネット30とエアギャップGを挟み対向して配置され、可動マグネット30間で発生する磁気吸引力により、可動マグネット30の回転角度位置を保持する回転角度位置保持部24を有する構成とする。この構成により、製造性が高く、組立精度がよく、可動対象を高振幅で駆動できる。
【0145】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【0146】
2018年6月26日出願の特願2018-121167の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明に係る回転往復駆動アクチュエータは、製造性が高く、組立精度がよく、可動対象が大型ミラーであっても高振幅で駆動できる効果を有し、特に、耐久性が必要な、ミラーを回転させるスキャナに用いるものとして有用である。
【符号の説明】
【0148】
1、1A、1B、1C 回転往復駆動アクチュエータ
10、10A、10B 可動体
13、13A、13B 軸部
13a 一端部
13b 他端部
15、15A、15B ミラーホルダ
16、16B、16C ミラー
162 反射ミラー部
16a 反射面
20、20B 固定体
22、22A、22B ベース
222、222A 一端面部
222a、224a 切欠穴
224、224A 他端面部
226、226A 本体面部
23a、23b、232、234 軸受け
24 マグネット位置保持部
27、27A コア固定プレート
28、28A、29、29A 止着材
30 可動マグネット
31、32 磁極
34 磁極切り替わり部
40 コアユニット
41 コア
41a 第1コア
41b 第2コア
41c 架設コア
411a、411b 芯部
412a、412b 磁極
43、43a、43b コイル
44 ボビン
60 減衰器
62 ケース
63 マグネット
64 回転体
641 円盤部
642 凹部
644 外筒部
65 上蓋部
652 内筒部
66 下蓋部
70、70A 回転角度位置検出部
702 水平走査角度位置検出部
72 エンコーダディスク
72A 磁気センサ用マグネット
73A ホルダ
74 光学センサ
74A 磁気センサ
75A 固定部材
76、76A センサ用基板
77 駆動信号供給部
78 電気フィルタ
200A、200B スキャナシステム
201 レーザー発光部
202 レーザー制御部
203、203A アクチュエータ
204 駆動信号供給部
204A 水平駆動信号供給部
205、208 位置制御信号計算部
206 垂直走査角度位置検出部
207 垂直駆動信号供給部