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特開2024-28482レオロジー修飾ポリマーの調製及びその使用のための合成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028482
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】レオロジー修飾ポリマーの調製及びその使用のための合成方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 222/38 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
C08F222/38
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024003790
(22)【出願日】2024-01-15
(62)【分割の表示】P 2021502986の分割
【原出願日】2019-07-17
(31)【優先権主張番号】62/699,033
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521021270
【氏名又は名称】ポリアナリティク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パケット、ジョセフ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】オイエネイエ、オラボード オー.
(72)【発明者】
【氏名】ランドリー、エリック ディー.
(72)【発明者】
【氏名】エビード、アメール
(57)【要約】
【課題】水性レオロジー調整剤として使用することができるターポリマーを与える。
【解決手段】本発明は、水溶液中で疎水性会合性ターポリマーを製造するためのUV開始RAFT型重合に関する。この方法で製造されたターポリマーは、水性レオロジー調整剤として使用することができる。具体的には、本発明は、疎水性会合性ターポリマー、及び光開始イニファーターを使用してターポリマーを製造する方法に関する。本発明で使用されるモノマーは、以下:水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマー、イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマー、及び水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができるモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーから選択される。イニファーターは、250~400nmの波長の光で開始される。得られたターポリマーは、費用効果が高く、単純で、ワンステップのプロセスで製造され、現在利用可能な量よりも少ないか等しい量のポリマーで水性媒体を増粘するように使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
i.水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
ii.イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーB、及び
iii.水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーC
から選択されるモノマーの混合物の重合から生じるターポリマー。
【請求項2】
淡水中で1000cPを超える粘度を有する、請求項1に記載のターポリマー。
【請求項3】
重量平均分子量≧1.0×10g/molを有する、請求項1に記載のターポリマー。
【請求項4】
モノマーAが、R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R)-Rからなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エポキシメチル、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルエチル、PEG(分子量は、50~1000g/mol)、ベンジル、フェニルであり、
は、H、メチル、又はエチルであり、
は、H、メチル、エチル、イソプロピル、プロパン-2-オールである、
請求項1に記載のターポリマー。
【請求項5】
モノマーBが、以下のモノマー及びそれらの混合物:R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R)-R又はR-(C=C)-(C=O)-Rからなる群から選択され、式中、
は、H、又はメチルであり、
は、H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、C9~C24の直鎖又は分岐鎖であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、
は、O、OH、NH 、ナトリウム塩、又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸である、
請求項1に記載のターポリマー。
【請求項6】
モノマーCが、以下のモノマー及びそれらの混合物:R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R10)-R11又はR(C=C)-R12からなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、O、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
10は、H、O、OH、NH 、ナトリウム塩、又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
11は、O、OH、NH 、ナトリウム塩、又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
12は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である、
請求項1に記載のターポリマー。
【請求項7】
それぞれコポリマー中のすべての成分の総モル量に基づいて、前記モノマーAが、25.0~99.9モル%の量で存在し、前記モノマーBが25.0~99.9モル%の量で存在し、前記モノマーCが、0.1~5.0モル%の量で存在する、請求項1に記載のターポリマー。
【請求項8】
ターポリマーの調製プロセスであって、以下のステップ:
i.以下の群:
水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーB、及び
水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーC
から選択されるモノマーの混合物を、
-(C=S)-S-Z又はR-S-(C=S)-S-Z
(式中、
は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ベンジル、フェニル、N-メチルアニリンであり、
は、プロパン酸、プロパノアート、フェニルプロパン-2-イル、シアノメチル、シアノプロパン-2-イルであり、
は、直鎖又は分岐アルキル鎖(C1~C12の炭素長)、ベンジル、フェニル、イソブチロニトリル、プロパノアート、プロパン酸、イソ酪酸ベンジル、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルプロピオナートであり、
は、プロパノアート、プロパン酸、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、イソ酪酸ベンジル、PEG化2-シアノプロパン酸である。)を含む群から選択されるイニファーターと組み合わせて、反応混合物を生成するステップ、
ii.前記反応混合物に不活性ガスを散布するステップ、及び
iii.250~400nmの波長の光で前記イニファーターを開始するステップ
を含む、プロセス。
【請求項9】
前記イニファーターが、250~400nmの波長の光で開始される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記調製が、水および極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒からなる溶媒系であって、水と極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒との範囲が100/0~51/49である溶媒系において実施される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項11】
前記ターポリマーが、ゲルの形態で製造される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項12】
水性溶液を増粘するために、請求項1に記載の十分な量のターポリマーを前記水性溶液に添加することにより、前記水性溶液を増粘することを含む方法。
【請求項13】
前記溶液を使用して、地下の鉱油鉱床又は天然ガス床を開発し、又は最後まで利用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記溶液が、プロッパント、典型的には砂、処理された砂、又は人工セラミック材料を輸送するために使用される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記プロッパントが、誘発された水圧破砕を開放したままにするように機能する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
鉱油鉱床に少なくとも1つの圧入井を通じて0.01~5重量%の濃度の前記水性溶液を圧入することによって油回収を増強する、及び少なくとも1つの生産井を通じて前記鉱床から原油を除去するための、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
化粧品産業で使用するための混合物の粘度を増加させるための、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
医薬品添加剤として使用するための粘性混合物を作成するための、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記ターポリマーを0.01~5重量%の濃度で含む前記水性溶液を、少なくとも1つの圧入井を通じて鉱油鉱床に圧入することによって油回収を増強する、及び少なくとも1つの生産井を通じて前記鉱床から原油を除去するための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項20】
化粧品調製物の粘度を調整するための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項21】
医薬品添加剤又は医薬品製剤の粘度を調整するための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項22】
微細繊維及び顔料を組み込むための保持助剤として、及び製紙中の乾燥強度剤としての、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項23】
水、廃水の処理における電荷中和及び粒子架橋を介した凝集剤として、又は溶液からの不要な不純物の除去のための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
係属中の出願への参照
この出願は、先に提出された米国仮特許出願第62/699,033号の利益を主張する。
本開示は、水性で容易な合成方法で疎水性会合性ターポリマーを製造するための新規のUV開始RAFT型重合に関し、特に、水性レオロジー調整剤として使用するためのポリマーの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の用途に合わせた所望の粘度を得るための水溶液のレオロジー修飾には、多くの工業的に関連する用途がある。これらのレオロジー調整剤は、多くの場合ポリマーであり、いくつか例を挙げると、化粧品の添加剤、廃水処理プラントの洗浄剤、製紙の保持剤、石油増進回収のレオロジー調整剤として使用することができる。
【0003】
この一般的な例は、油井及びガス井の刺激に使用され、割れ目を開き、プロッパントを割れ目に輸送するように設計された、流体に向けられている。水だけを使用した場合、粘度が比較的低いため、効率的な輸送ができない。レオロジー調整剤は、貯留層内の全体的な炭化水素捕捉を改善するために使用される。所望のレオロジー特性を達成するために、多くの場合、流体の粘度を増加させるポリマーが使用される。
【0004】
水性媒体の粘度を高めるためにさまざまなポリマーが使用されており、典型的には、アクリラート又はスルファートベースのアクリルアミドからなるイオン部分を含むポリアクリルアミドベース系である。これらのコポリマーは、総溶解固形分(TDS)が低い水中で優れた性能を発揮するが、特に二価のカチオン性塩の存在下で、TDSが高い井戸に遭遇すると、増粘特性が大幅に低下する。この影響を打ち消すために、これらのポリマーに疎水性基を導入すると、TDSが高い井戸の粘度を上げることができる。これらのポリマーは、水溶液中で疑似架橋剤として振る舞う分子間疎水性相互作用に基づいて溶液中で会合し、淡水中での粘度の増加、及び溶液中の一価及び二価カチオンの存在下での粘度の大幅な改善が観察された。
【0005】
ターゲット溶液の粘度を増加させるポリマーの現在の技術には、最終的な目標の物理的特性を正常に達成するために、添加剤(すなわち、界面活性剤、両親媒性非重合性化合物、RED/OX開始系)又はいくつかの合成ステップ(すなわち、マクロ開始剤又はマクロ連鎖移動剤:マクロCTAの合成)が必要である。本発明は、水性媒体中での添加剤又は追加の合成ステップを必要とせずに、超高分子量ポリマー(>1.0×10g/mol)を製造することを目標とする。
【0006】
現在、両親媒性ポリマー又は会合性ポリマーとしても知られている、これらの疎水性会合性水溶性ポリマー(HAP)を合成する最も一般的な方法の1つは、制御されたフリーラジカル重合を使用することである。より具体的には、キサンタートの交換による可逆的付加開裂連鎖移動/高分子設計(RAFT/MADIX)である。
【0007】
このプロセスを説明する先行技術としては、Tatonら、Macromol.Rapid Commun.22,1497-1503,2001が挙げられ、この文献では、アクリル酸及びアクリルアミドモノマー単位に基づく明確なコポリマーを得るためにMADIX技術を使用する方法が開発された。例として、典型的な実験では、1.0g(4.86×10-3mol)のキサンタート1{メチル2-[(エトキシカルボノチオイル)チオ]-プロパノアート}、24.2g(0.336mol)のアクリル酸、0.250g(9.66×10-4mol)の4,49-アゾ(4-シアノペンタン酸)、及び73gの脱イオン水とイソプロピルアルコールとの混合物(4:1 v/v)を、窒素下で脱気した2つ口フラスコに導入し、70℃で8時間加熱した。MADIX法でのキサンタートの使用は、アクリルアミド及びアクリル酸単位を含む、明確に定義された官能性統計ジブロック及びトリブロックコポリマーの直接かつ容易な合成のための代替ルートとして説明されている。ただし、この重合では、Mnが約10,000g/molのポリマーにアクセスするのみであり、有機溶媒であるイソプロピルアルコールを使用する必要があった。
【0008】
Readら、Polym.Chem.5,2202-2207,2014は、10~10g/molの範囲のp(AM-stat-AMPS)統計コポリマーを製造することができた。重合は、疎水性O-エチル-S-(1-メトキシカルボニル)エチルジチオカルボナート剤(Solvay社のRhodixan A1(登録商標))から合成され、媒介剤として使用された、低モル質量の親水性マクロ-RAFT/MADIX剤(DPが約7のオリゴ(アクリルアミド)についてP7-XA1と表記)を含む純粋な水性媒体で行った。合成は、酸化剤/還元剤のペアとして過硫酸アンモニウム/ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム二水和物(APS/NaFS、50/50、w/w)に基づく低温のレドックス開始に依存していた。
【0009】
Cadixら、SPE-174210-MSは、一定量の界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を水に可溶化することによって調製された界面活性剤のミセル溶液について記載している。次に、疎水性モノマー(通常、アクリルアミド基、疎水性成分、及び2つの間の接続からなる重合性成分を含む)をミセル溶液に添加し、混合物を周囲温度又は温水浴(35℃)で撹拌した。次に、親水性モノマー(AM及びAMPS)の溶液を、必要なモノマー組成及び通常10~35重量%の範囲の固形分で水中に調製した。この溶液に疎水性モノマーのミセル溶液を添加し、添加する量は、最終ポリマー中の疎水性モノマーの必要な理論的組成を達成するように計算した(Mn theoretical=2.0×10g/mol)。反応混合物を、均質な溶液が得られるまで周囲温度で撹拌し、その後、Rhodixan A1 O-エチル-S-(1-メトキシカルボニルエチル)キサンタート(MADIX移動剤)を、目標とする理論分子量から計算された量で添加した。次に、水性ベースのRED/OX型の開始系を使用して反応混合物を開始し、「疑似断熱」条件下で一晩重合させた。
【0010】
米国特許出願公開第2012/0129739A1号では、モノエチレン性不飽和、水溶性、界面活性モノマー(a)、及びモノマー(a)とは異なるモノエチレン性不飽和、親水性モノマー(b)を含む水溶性HAPについて説明された。コポリマーは、非重合性界面活性剤の存在下で調製され、水系において顕著な増粘特性を有する。ただし、この系では、大幅な増粘挙動を実現するために、非重合性の添加剤が必要である。
【0011】
Carmeanら、Chem2,93-101,2017は、アクリルアミドモノマーの存在下でチオカルボニルチオ及びキサンタート化合物の穏やかなUV照射を利用して、超高分子量(UHMW)ポリマーを製造する方法について記載している。それらは水性条件を使用し、その結果、制御されたラジカル重合(すなわち、RAFT重合)のための十分に制御されたUHMWポリマーが得られる。この光媒介RAFT重合アプローチは、85,000を超える重合度で8x10g/molを超える数平均分子量に達する。この開示は、特にポリ(ジメチルアクリルアミド)(PDMA)の合成を扱う。説明された光媒介重合では、RAFT剤を使用して、UHMW範囲のポリマーを、低温及び比較的速い反応時間でも製造する。ただし、この方法論では、ポリ(ジメチルアクリルアミド)以外のポリマーの合成については説明していない。
【0012】
RAFT/MADIX重合法は、炭化水素捕捉における流体のレオロジー性能を改善するために、さまざまな疎水性会合性コポリマー及びターポリマーを作成するために使用されてきた。ただし、これらの重合では、RED/OXを介した開始の使用、高温(例えば、70℃)の要件、ポリマーの分子量制御に必要なミセルを製造するためのマクロCTA又は界面活性剤の使用が必要である。これらの方法では、ポリマーの調製により多くのステップ及びより大きなコストがかかる。
【0013】
HAP及びRAFT重合の分野におけるすべての先行技術にもかかわらず、複雑なミセル系、RED/OX開始剤、又はマクロCTAを必要とせずにHAPの分子量を増加させることに関して、特定の課題が残っている。特に、本発明は、疎水性会合性相互作用、加工性、合成の容易さ、及びターポリマー系の開始/伝播を実行する単一のイニファーターにより、優れた増粘特性を達成するワンポット水性反応においてターポリマーを製造するための要素の新規な組み合わせを提供するポリマー及び方法論を提案する。
【0014】
参照されるすべての文書の内容は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、水溶液のレオロジー修飾のためのターポリマーを作製するための合成方法を提供することである。
【0016】
本発明の一態様によれば、以下:水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーB、及び水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーCから選択されるモノマーの混合物の重合から生じるターポリマーが提供される。
【0017】
本発明の追加の態様によれば、ターポリマーの調製プロセスであって、以下のステップ:
i.以下の群:
水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーB、及び
水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーC
から選択されるモノマーの混合物を、
-(C=S)-S-Z又はR-S-(C=S)-S-Z
(式中、
は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ベンジル、フェニル、N-メチルアニリンであり、
は、プロパン酸、プロパノアート、フェニルプロパン-2-イル、シアノメチル、シアノプロパン-2-イルであり、
は、直鎖又は分岐アルキル鎖(C1~C12の炭素長)、ベンジル、フェニル、イソブチロニトリル、プロパノアート、プロパン酸、イソ酪酸ベンジル、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルプロピオナートであり、
は、プロパノアート、プロパン酸、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、イソ酪酸ベンジル、PEG化2-シアノプロパン酸である。)を含む群から選択されるイニファーターと組み合わせて、反応混合物を生成するステップ、
ii.反応混合物に不活性ガスを散布するステップ、及び
iii.250~400nmの波長の光でイニファーターを開始するステップ
を含む、プロセスが提供される。
【0018】
本発明の追加の態様によれば、本発明の一態様による、水性溶液を増粘するのに十分な量のターポリマーを水性溶液に添加することによって、水性溶液を増粘する方法が提供される。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明の水性溶液を使用して、プロッパント、典型的には砂、処理された砂、又は人工セラミック材料を輸送し、プロッパントが誘発された水圧破砕を開いたままにするように機能するようにする方法が提供される。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、ターポリマーを0.01~5重量%の濃度で含む水性溶液を、少なくとも1つの圧入井を通じて鉱油鉱床に圧入することによって油回収を増強する、及び少なくとも1つの生産井を通じて鉱床から原油を除去するための、本発明の一態様によるターポリマーの使用が提供される。
【0021】
本発明のさらなる実施形態によれば、それぞれコポリマー中のすべての成分の総モル量に基づいて、モノマーAが、25.0~99.9モル%の量で存在し、モノマーBが25.0~99.9モル%の量で存在し、モノマーCが、0.1~5.0モル%の量で存在する、ターポリマーが提供される。
【0022】
本発明のさらなる実施形態によれば、調製が、水と、水から極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒までの範囲が100/0~51/49である極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒とからなる溶媒系で実施される、ターポリマーの調製プロセスが提供される。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態によれば、化粧品調製物又は医薬品添加剤又は医薬品製剤の粘度を調整するための本発明の一態様によるターポリマーの使用が提供される。
【0024】
本発明の追加の実施形態によれば、溶液から不要な不純物を除去するための、水、廃水の処理における本発明の一態様によるターポリマーの使用が提供される。
【0025】
本発明の追加の実施形態によれば、製紙における本発明の一態様によるターポリマーの、保持助剤及び強化剤としての使用が提供される。
【0026】
本開示の前述の追加の態様及び実施形態は、図面を参照して行われ、その簡単な説明が以下に提供されるさまざまな実施形態及び/又は態様の詳細な説明を考慮して、当業者には明らかになるであろう。
【0027】
本開示の前述及び他の利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】疎水性会合性ターポリマーを製造するための合成方法の例である。
【0029】
図2】反応の速度論を示す重水素化水中での重合のH-NMRである。
【0030】
図3】120分までほぼ線形の挙動を示す疑似一次速度論プロット(98%の変換)である。
【0031】
図4】例5、6、及び7について、異なる標的重量平均分子量を有するポリマーの分子量を表示するRI応答のGPCトレースである。
【0032】
図5】すべてのターポリマー水溶液の(A)周波数掃引試験、(B)流動曲線、及び(C)ひずみ掃引試験である。四角及び丸は、それぞれ、25℃及び70℃を表す。分析されたポリマーには、例9、例2、例8、及び例4が含まれる。すべてのレオロジー試験は、各溶液について3回又は4回実施され、各結果の平均がこの研究に提示されている。両対数スケールの数値の場合、エラーはデータポイントマーカー内にあり、観察できない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、さまざまな修正及び代替形態の影響を受けやすいが、特定の実施形態又は実装は、例として図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される発明の精神及び範囲内にあるすべての修正、同等物、及び代替物を網羅することである。
【0034】
本発明の実施形態の目的は、現在利用可能な量よりも少ない又は等しい量のポリマーで水性媒体を増粘することができる、費用効果が高い、単純で、ワンステップのプロセスで、疎水性会合性ターポリマーを提供することである。
【0035】
この目的は、水溶性のUV開始イニファーターをワンポット合成で周囲温度で使用して、通常2時間以内に、以下:
水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
モノマーAとは異なる、イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーB、及び
水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件で可溶であるモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーC、
からなるUHMWポリマーを与えることによって達成され、式中、
モノマーAは、R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R)-Rであり、
モノマーBは、R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R)-R又はR-(C=C)-(C=O)-Rであり、
モノマーCは、R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R10)-R11又はR(C=C)-R12であり、
は、H又はメチルであり、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エポキシメチル、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルエチル、PEG(分子量は、50~1000g/mol)、ベンジル、フェニルであり、
は、H、メチル、又はエチルであり、
は、H、メチル、エチル、イソプロピル、プロパン-2-オールであり、
は、H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、C9~C24の直鎖又は分岐鎖であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、O、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
10は、H、O、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
11は、O、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
12は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。
【0036】
イニファーターは、以下:
-(C=S)-S-Z:式中、
は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、t-ブトキシ、ベンジル、フェニル、N-メチルアニリンであり、
は、プロパン酸、プロパノアート、フェニルプロパン-2-イル、シアノメチル、シアノプロパン-2-イルである、及び
-S-(C=S)-S-Z:式中、
は、直鎖又は分岐アルキル鎖(C1~C12の炭素長)、ベンジル、フェニル、イソブチロニトリル、プロパノアート、プロパン酸、イソ酪酸ベンジル、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルプロピオナートであり、
は、プロパノアート、プロパン酸、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、イソ酪酸ベンジル、PEG化2-シアノプロパン酸(PEG 50~1000g/mol)である、
からなる群から選択される。
【0037】
イニファーターは、250~400nm、好ましくは365nmの波長の光で開始される。
【0038】
重合濃度は、0.5~4.0Mである。
【0039】
一般的な実験手順は次のとおりである。
【0040】
この反応には、モル比が10~98%のモノマーA、モル比が5~90%のモノマーB、及びモル比が0.05~10%のモノマーC、並びに水溶性のUV開始イニファーター組み合わせが含まれる。反応混合物は、開始前に約5~60分間、不活性ガス(すなわち、窒素、アルゴン、ヘリウム)が散布される。開始光源は250~400nm、温度は5~95℃で、溶媒混合物は水と有機溶媒との比率が好ましくは100:0~1:99で、二次溶媒は水と高度からいくらか程度に混和性があり、極性プロトン性又は極性非プロトン性である。モノマーの種類及びモノマーの比率によって、反応には通常1~12時間かかる。
【0041】
以下は、本発明の実施形態によるターポリマー合成の非限定的な例と見なされるべきである。
【0042】
図1の疎水性会合性ターポリマーを製造するための合成方法の例を参照されたい。
【0043】
例1:
【0044】
モノマーAは74.5mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは0.5mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.30g)、アクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.08g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。15分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0045】
例2:
【0046】
モノマーAは74.0mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは1.0mmolで、モノマーAはアクリルアミド(5.26g)、モノマーBはアクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.016g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0047】
例3:
【0048】
モノマーAは73.0mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは2.0mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.19g)、アクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.324g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。15分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0049】
例4:
【0050】
モノマーAは71.0mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは4.0mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.05g)、アクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.065g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0051】
例4に基づく反応の速度論を示す図2の重水素化水中での重合のH-NMRを参照されたい。反応の進行は、0、30、60、120、及び180分の時間間隔で下から上に向かう。
【0052】
例5:
【0053】
モノマーAは37.25mmol、モノマーBは12.5mmol、モノマーCは0.25mmol、より具体的にはアクリルアミド(2.65g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩(4.75mLの50%水溶液)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.041g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0054】
例6:
【0055】
モノマーAは74.5mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは0.5mmol、より具体的にはアクリルアミド(2.65g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩(4.78mLの50%水溶液)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.405g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0056】
例7:
【0057】
モノマーAは74.9mmol、モノマーBは5.0mmol、モノマーCは0.1mmol、より具体的にはアクリルアミド(10.60g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩(19mLの50%水溶液)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.162g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0058】
例8:
【0059】
モノマーAは73.0mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは2.0mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.19g)、アクリル酸(1.80g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.324g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。15分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0060】
例9:
【0061】
モノマーAは74.5mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは0.5mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.30g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(5.18g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.081g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、3時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0062】
例10:
【0063】
モノマーAは74.9mmol、モノマーBは25.0mmol、モノマーCは0.1mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.33g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(5.18g)、及びポリ(オキシエチレン)12ノニルフェニルエーテルアクリラート(0.109g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、3時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【0064】
驚くべきことに、本発明の実施形態は、疎水性会合性ターポリマーのすべての所望の特性に対処することができた。
【0065】
【表1】
【0066】
重水素化水中のH-NMRで反応速度をモニタリングすることにより、反応性のプロファイルを決定することができた(図2、及び)。
【0067】
本発明は、2時間の反応時間内にモノマーからポリマーへの98%の変換を実証する。疑似一次反応速度論スタイルでプロットした場合の反応媒体中のモルに基づくモノマーの総消費量は、ほぼ線形の挙動を示す(エラー!参照元不明。)
【0068】
図3は、120分までほぼ線形の挙動を示す疑似一次速度論プロットを示し、反応は180分(93%)で完了に近づき、300分で完全な変換に達する。直線性からの逸脱は、粘性ゲルが形成された後の反応の拡散律速の欠如が原因である可能性が最も高い。
【0069】
120分後、反応は直線性から逸脱し、これは、合成されるポリマーの粘性が原因で、反応媒体内の拡散律速が失われたためと考えられる。これらの結果は、RAFT反応が制御されたラジカル重合として振る舞うことを示唆している。これにより、ポリマーの分子量を制御して、特定の用途の粘度要件に合うように分子量を調整することができた。
【0070】
これらのポリマーの分子量特性を調べるために、三重検出ゲル浸透クロマトグラフィー(TD-GPC)を使用した。屈折率(RI)検出器及びデュアルフローテクノロジーを備えた東ソーのアンビエントGPC model 8220を使用し、粘度計、低角度及び直角光散乱検出器(それぞれ、LALS及びRALS)を含むViscotek社のTDA302を使用して、絶対分子量を測定した。GPCには、TSKgel αMサンプルカラム及びTSKgel superH-RCを参照カラムとして装備した。サンプル流量は0.750mL/分に設定し、参照流量は0.325mL/分に設定し、すべての検出器の温度は30℃に設定した。ターポリマーサンプルは2%KClで調製し、ロッカー(rocker)で24時間溶解し、ナイロン0.45μmシリンジフィルターでろ過した。TD-GPCは、20kDaのポリ(エチレンオキシド)ナロー標準及び72kDaのデキストランブロード標準を使用して較正した。
【0071】
粘度測定値は、ターポリマーサンプルを淡水で3.5g/Lの濃度に希釈することによって取得した。スタンドミキサーで溶液を1~5分間混合し、静置して気泡を除去することにより、溶解プロセスを促進した。溶液の粘度は、ポリマー溶液の相対粘度に適したスピンドルを備えたBrookfield粘度計を使用する回転粘度計によって測定した。ポリマーの塩溶液は、溶解した淡水溶液に2%KCl又は2%海水(w/w)を添加することによって調製した。
【0072】
例1の場合、ポリマーを0.1mg/mLの濃度で2%KCl水溶液に溶解し、以下の絶対分子量パラメーター:Mw=2.20×10g/mol、及びD=1.255で、TD-GPCシステムに注入した。GPC粘度測定データに基づいて、固有粘度(IV)は、8.52dl/gと測定された。
【0073】
0.1mg/mLの濃度でTD-GPC分析用に調製し、以下の絶対分子量パラメーター:M=4.62×10g/mol、及びD=1.059を与えた、モノマーA対モノマーB対モノマーCのモル比が73.0:25.0:2.0(例8)のターポリマー。このターポリマーのIVは、12.4dl/gと測定された。
【0074】
【表2】
【0075】
示されるように、本発明の方法の実施形態は、モノマーA、モノマーB、モノマーC、及びUV活性イニファーターを含む試薬の特定の組み合わせ、並びに上述の条件及び濃度を使用して、制御されたラジカル重合と一致するように分子量を制御することができる。
【0076】
例2、9、4、及び8のポリマーについて、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、及び流動曲線を分析した。サンプルは、ポリマーの乾燥粉末形態を4000ppmの濃度で水中で48時間撹拌することによって調製した。レオロジー測定は、同軸シリンダー形状のAnton Paar社のMCR302回転レオメーター及びRheoplus/32V3.62ソフトウェアで実行した。回転レオメトリーを使用すると、サンプルを動的(正弦波)又は定常せん断変形のいずれかにさらしてから、加えられた変形に対するトルク応答を測定することができる。測定ボブ及び計量カップの半径は、それぞれ外径13.329mm及び内径14.463mmであった。すべてのレオロジー測定は、固定温度(T=25℃)で行った。高温溶液の温度は、T=70℃であった。周波数掃引試験は、線形粘弾性領域(LVR)内で実行した。0.1rad/s~10rad/sの角周波数範囲での周波数掃引試験では、ひずみ振幅は0.1%に設定した。振動実験のひずみ振幅は、サンプルが常にLVRに留まるように選択した。一方、ひずみ振幅試験は、LVR及び非線形粘弾性領域(非LVR)の両方で行った。ひずみ振幅掃引試験は、大振幅振動せん断(LAOS)流下の非線形粘弾性を調査することを目的としていた。流れの不安定性、トルクの過負荷、及び壁面滑りの影響を回避するために、角周波数は0.5rad/sに設定し、ひずみ振幅は1%~1000%で変化した。小及び大の瞬間ひずみ及びひずみ速度での材料の局所的な弾性及び粘性応答を、各ひずみ振幅値について5~7サイクル後に収集し、定常粘弾性応答を確実に達成できるようにした。これらの測定値の平均は、レオメーターソフトウェアによって報告した。
【0077】
例2、9、4、及び8に関する図5のデータは、高周波数ではG’>G’’を示し、低周波数ではG’’>G’を示し、これは、4000ppmで粘弾性挙動を示すことを示している。例2、9、4、及び8に提示されたポリマーの温度変化の影響を調査するために、周波数掃引、ひずみ掃引及び流動曲線試験を2つの異なる温度(25℃及び70℃)で実施した。25℃と70℃との間の粘度の変化は、すべての例で約10%の減少を示している。これらの試験は、これらのポリマーが粘弾性挙動を示し、伝播剤としての潜在的な用途に理想的であることを示す。
【0078】
分子量の制御を実証するために、溶液中のモノマーA、モノマーB、及びモノマーCの濃度をそれぞれ、1.0、2.0及び4.0の存在総モル数に変化させながら、反応混合物中のイニファーター(例5、6、及び7)の量の維持を変化させることによって3つの実験を行った。これらの実験により、例5、6、及び7について、それぞれ2.09、3.65、及び4.40×10g/molの異なる実験分子量のターポリマーが得られた。これらの実験は、この合成方法論により、分子量を調整する能力が付与され、したがって目的の機能に基づいてレオロジー特性を調整する能力が付与されることを示す(図4)。
【0079】
図4は、例5(黒)、6(濃い灰色)、及び7(薄い灰色)について、異なる標的重量平均分子量を有するポリマーの分子量を表示するRI応答のGPCトレースを示す。
【0080】
ターポリマーの溶液の粘度測定データは、Brookfield回転粘度計を使用して、3.5g/Lの濃度で脱イオン水中の溶液を調製することによって取得した。モノマーA対モノマーB対モノマーCのモル比が74.5:25.0:0.5の例1からのターポリマーは、0.1s-1で1100cPの値を与えた。2%KCl(w/w)及び2%海水(w/w)を含む水性混合物に塩を導入すると、それぞれ、32及び24cPの粘度が導入された。
【0081】
【表3】
【0082】
レオロジー修飾ポリマーの分野における先行技術は、同様の組成を有するポリマーを製造することができるが、先行技術は、本発明の多くの実施形態が包含するすべての解決策に対処するわけではない。
【0083】
Tatonらは、RAFT/MADIX技術を使用した系によるジブロック及びトリブロックコポリマーの合成について説明した。しかしながら、発明者らは、分子量が約10,000g/molのポリマーを製造できたのみであった。本発明の実施形態は、より速い反応時間及びより少ない試薬で、1~10×10g/molの範囲の分子量を有するポリマーを製造することができる。
【0084】
Carmeanらによる先行技術に記載されているように、彼らは、UV開始RAFT剤でポリマーを合成してUHMWでポリマーを製造できることを示した。しかしながら、使用されるモノマーの種類を変更する能力を実証したものの、コポリマー又はターポリマーの合成については実証していない。水溶液を増粘するように設計されたポリマーの水性合成の主な問題の1つは、これらの高分子を処理及び特性評価する能力である。本発明は、この難しい技術に関する合成を詳述しているが、これらのターポリマーの分子量特性を完全に特徴評価することも可能にした。
【0085】
Readら及びCadixらを含む以前の発明は、UHMWを用いてターポリマーを製造したが、これらのポリマーは、発明者が疎水性基を統合できるようにするためにミセルを作成するための試薬の使用を必要とした(本発明の実施形態として、モノマーCを記載)。これらの手順には、低温及び多成分のRED/OX開始剤系も必要である。ミセルを製造するためのこれらの追加の試薬及びステップは、コストを増加させ、それらの反応の効率を低下させる。
【0086】
本発明のさまざまな実施形態は、ターポリマーを製造するための新規の方法論のために、従来の発明に勝る利点を提供する。試薬及び条件の特定の組み合わせにより、本発明は、異なる標的分子量のターポリマーを製造する能力、狭いPDI、水性媒体中での簡単で比較的速い合成を可能にする。さらに、イニファーター系では、さまざまなモノマーをさまざまなモル比で組み込んで、ワンポット合成戦略で所望のレオロジー特性を備えたターポリマーを作成することもできる。
【0087】
本開示の特定の実装及び適用が図示及び説明されているが、本開示は、本明細書に開示される正確な構造及び組成物に限定されず、さまざまな修正、変更、及び変形が、添付の特許請求の範囲で定義される発明の精神及び範囲から逸脱することなく、前述の説明から明らかになり得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
.モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
ii.モノエチレン性不飽和基を有するモノマー、及び
iii.モノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマー
から選択されるモノマーの混合物の重合から生じるターポリマーであって、
前記モノマーAは、R -(HC=CH)-(C=O)-O-R 又はR -(HC=CH)-(C=O)-N(R )(R )からなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、メチル、エチル、エポキシメチル、メタノールから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、エタノールから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、N,N-ジメチルアミノエチル、又はPEG(分子量は、50~1000g/molの間である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、H、メチル、又はエチルであり、
は、H、メチル、エチル、イソプロピル、又はプロパン-2-オールから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
前記モノマーBは、以下のモノマー及びそれらの混合物:R -(HC=CH)-(C=O)-O-R 又はR -(HC=CH)-(C=O)-N(R )(R )又はR -(HC=CH)-(C=O)-R からなる群から選択され、式中、
は、H、又はメチルであり、
は、H、メチル又はエチルであり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
ただし、前記モノマーBは、前記モノマーAと同一のものではなく、
前記モノマーCは、以下のモノマー及びそれらの混合物:R -(HC=CH)-(C=O)-O-R 又はR -(HC=CH)-(C=O)-N(R 10 )(R 11 )又はR (HC=CH)-R 12 からなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、O 、OH、NH 、ナトリウム塩もしくは中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
10 は、H、O 、OH、NH 、又は、ナトリウム塩もしくは中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
11 は、O 、OH、NH 、又は、ナトリウム塩もしくは中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
12 は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
ただし、前記モノマーCは、前記モノマーAと同一のものではなく、かつ前記モノマーBと同一のものではなく、
前記ターポリマーは、淡水中で1000cPを超える粘度を有し、
ここでの粘度は、ターポリマーを淡水で3.5g/Lの濃度に希釈し、スタンドミキサーで溶液を1~5分間混合し、静置して気泡を除去することにより、溶解プロセスを促進し、ポリマー溶液の相対粘度に適したスピンドルを備えたBrookfield粘度計を使用する回転粘度計によって溶液の粘度を測定することによる値である、
ターポリマー
【請求項2】
重量平均分子量≧1.0×10g/molを有する、請求項1に記載のターポリマー。
【請求項3】
それぞれコポリマー中のすべての成分の総モル量に基づいて、前記モノマーAが、25.0~74.9モル%の量で存在し、前記モノマーが25.0~74.9モル%の量で存在し、前記モノマーが、0.1~5.0モル%の量で存在する、請求項1に記載のターポリマー。
【請求項4】
ターポリマーの調製プロセスであって、以下のステップ:
i.以下の群:
ノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
ノエチレン性不飽和基を有するモノマー、及び
ノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマー
から選択されるモノマーの混合物を、
1’ -(C=S)-S-Z又は 2’ -S-(C=S)-S-Z
(式中、
1’ は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ベンジル、フェニル、N-メチルアニリンから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、プロパン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、プロパノアートから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、フェニルプロパン-2-イル、シアノメチル、シアノプロパン-2-イルであり、
2’ は、直鎖又は分岐アルキル鎖(C1~C12の炭素長)、ベンジル、フェニル、イソブチロニトリルから炭素原子(-CNの炭素原子以外のもの)に結合した水素原子を除いた残基、プロパノアートから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、プロパン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、イソ酪酸ベンジルから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルプロピオナートから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、プロパノアートから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、プロパン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、イソ酪酸ベンジルから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、PEG化2-シアノプロパン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基である。)を含む群から選択されるイニファーターと組み合わせて、反応混合物を生成するステップ、
ii.前記反応混合物に不活性ガスを散布するステップ、及び
iii.250~400nmの波長の光で前記イニファーターを開始するステップ
を含
ここで、前記モノマーAは、R -(HC=CH)-(C=O)-O-R 又はR -(HC=CH)-(C=O)-N(R )(R )からなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、メチル、エチル、エポキシメチル、メタノールから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、エタノールから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、N,N-ジメチルアミノエチル、又はPEG(分子量は、50~1000g/molの間である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、H、メチル、又はエチルであり、
は、H、メチル、エチル、イソプロピル、又はプロパン-2-オールから炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
前記モノマーBは、以下のモノマー及びそれらの混合物:R -(HC=CH)-(C=O)-O-R 又はR -(HC=CH)-(C=O)-N(R )(R )又はR -(HC=CH)-(C=O)-R からなる群から選択され、式中、
は、H、又はメチルであり、
は、H、メチル又はエチルであり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
ただし、前記モノマーBは、前記モノマーAと同一のものではなく、
前記モノマーCは、以下のモノマー及びそれらの混合物:R -(HC=CH)-(C=O)-O-R 又はR -(HC=CH)-(C=O)-N(R 10 )(R 11 )又はR (HC=CH)-R 12 からなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、O 、OH、NH 、ナトリウム塩もしくは中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
10 は、H、O 、OH、NH 、又は、ナトリウム塩もしくは中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
11 は、O 、OH、NH 、又は、ナトリウム塩もしくは中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
12 は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基、又は、PEG化炭化水素(ここで炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。)から炭素原子に結合した水素原子を除いた残基であり、
ただし、前記モノマーCは、前記モノマーAと同一のものではなく、かつ前記モノマーBと同一のものではなく、
前記ターポリマーは、淡水中で1000cPを超える粘度を有し、
ここでの粘度は、ターポリマーを淡水で3.5g/Lの濃度に希釈し、スタンドミキサーで溶液を1~5分間混合し、静置して気泡を除去することにより、溶解プロセスを促進し、ポリマー溶液の相対粘度に適したスピンドルを備えたBrookfield粘度計を使用する回転粘度計によって溶液の粘度を測定することによる値である、
プロセス。
【請求項5】
前記イニファーターが、250~400nmの波長の光で開始される、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記調製が、水および極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒からなる溶媒系であって、水と極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒との範囲が100/0~51/49である溶媒系において実施される、請求項4に記載のプロセス。
【請求項7】
前記ターポリマーが、ゲルの形態で製造される、請求項4に記載のプロセス。
【請求項8】
水性溶液を増粘するために、請求項1に記載の十分な量のターポリマーを前記水性溶液に添加することにより、前記水性溶液を増粘することを含む方法。
【請求項9】
前記溶液を使用して、地下の鉱油鉱床又は天然ガス床を開発し、又は最後まで利用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記溶液が、砂、処理された砂、及び人工セラミック材料からなる群から選択されるプロッパントを輸送するために使用される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記プロッパントが、誘発された水圧破砕を開放したままにするように機能する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
鉱油鉱床に少なくとも1つの圧入井を通じて0.01~5重量%の濃度の前記水性溶液を圧入することによって油回収を増強する、及び少なくとも1つの生産井を通じて前記鉱床から原油を除去するための、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
化粧品産業で使用するための混合物の粘度を増加させるための、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
医薬品添加剤として使用するための粘性混合物を作成するための、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記ターポリマーを0.01~5重量%の濃度で含む前記水性溶液を、少なくとも1つの圧入井を通じて鉱油鉱床に圧入することによって油回収を増強する、及び少なくとも1つの生産井を通じて前記鉱床から原油を除去するための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項16】
化粧品調製物の粘度を調整するための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項17】
医薬品添加剤又は医薬品製剤の粘度を調整するための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項18】
微細繊維及び顔料を組み込むための保持助剤として、及び製紙中の乾燥強度剤としての、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【請求項19】
水、廃水の処理における電荷中和及び粒子架橋を介した凝集剤として、又は溶液からの不要な不純物の除去のための、請求項1に記載のターポリマーの使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の一態様によれば、以下:水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマー、及び水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーから選択されるモノマーの混合物の重合から生じるターポリマーが提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明の追加の態様によれば、ターポリマーの調製プロセスであって、以下のステップ:
i.以下の群:
水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマー、及び
水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマー
から選択されるモノマーの混合物を、
1’ -(C=S)-S-Z又は 2’ -S-(C=S)-S-Z
(式中、
1’ は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ベンジル、フェニル、N-メチルアニリンであり、
は、プロパン酸、プロパノアート、フェニルプロパン-2-イル、シアノメチル、シアノプロパン-2-イルであり、
2’ は、直鎖又は分岐アルキル鎖(C1~C12の炭素長)、ベンジル、フェニル、イソブチロニトリル、プロパノアート、プロパン酸、イソ酪酸ベンジル、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルプロピオナートであり、
は、プロパノアート、プロパン酸、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、イソ酪酸ベンジル、PEG化2-シアノプロパン酸である。)を含む群から選択されるイニファーターと組み合わせて、反応混合物を生成するステップ、
ii.反応混合物に不活性ガスを散布するステップ、及び
iii.250~400nmの波長の光でイニファーターを開始するステップ
を含む、プロセスが提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明のさらなる実施形態によれば、それぞれコポリマー中のすべての成分の総モル量に基づいて、モノマーAが、25.0~99.9モル%の量で存在し、モノマーが25.0~99.9モル%の量で存在し、モノマーが、0.1~5.0モル%の量で存在する、ターポリマーが提供される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
この目的は、水溶性のUV開始イニファーターをワンポット合成で周囲温度で使用して、通常2時間以内に、以下:
水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
モノマーAとは異なる、イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマー、及び
水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件で可溶であるモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマー
からなるUHMWポリマーを与えることによって達成され、式中、
モノマーAは、R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R)-Rであり、
モノマーBは、R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R)-R又はR-(C=C)-(C=O)-Rであり、
モノマーCは、R-(C=C)-(C=O)-O-R又はR-(C=C)-(C=O)-N-(R10)-R11又はR(C=C)-R12であり、
は、H又はメチルであり、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エポキシメチル、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルエチル、PEG(分子量は、50~1000g/mol)、ベンジル、フェニルであり、
は、H、メチル、又はエチルであり、
は、H、メチル、エチル、イソプロピル、プロパン-2-オールであり、
は、H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、C9~C24の直鎖又は分岐鎖であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、H、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、O、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
10は、H、O、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸、ナトリウム塩の2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
11は、存在しないか、、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
12は、ポリ(エチレングリコール)(nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
イニファーターは、以下:
1’ -(C=S)-S-Z:式中、
1’ は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、t-ブトキシ、ベンジル、フェニル、N-メチルアニリンであり、
は、プロパン酸、プロパノアート、フェニルプロパン-2-イル、シアノメチル、シアノプロパン-2-イルである、及び
2’ -S-(C=S)-S-Z:式中、
2’ は、直鎖又は分岐アルキル鎖(C1~C12の炭素長)、ベンジル、フェニル、イソブチロニトリル、プロパノアート、プロパン酸、イソ酪酸ベンジル、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルプロピオナートであり、
は、プロパノアート、プロパン酸、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、イソ酪酸ベンジル、PEG化2-シアノプロパン酸(PEG 50~1000g/mol)である、
からなる群から選択される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
この反応には、モル比が10~98%のモノマーA、モル比が5~90%のモノマー、及びモル比が0.05~10%のモノマー、並びに水溶性のUV開始イニファーター組み合わせが含まれる。反応混合物は、開始前に約5~60分間、不活性ガス(すなわち、窒素、アルゴン、ヘリウム)が散布される。開始光源は250~400nm、温度は5~95℃で、溶媒混合物は水と有機溶媒との比率が好ましくは100:0~1:99で、二次溶媒は水と高度からいくらか程度に混和性があり、極性プロトン性又は極性非プロトン性である。モノマーの種類及びモノマーの比率によって、反応には通常1~12時間かかる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
モノマーAは74.5mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは0.5mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.30g)、アクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.08g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。15分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
モノマーAは74.0mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは1.0mmolで、モノマーAはアクリルアミド(5.26g)、モノマーはアクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.016g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
モノマーAは73.0mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは2.0mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.19g)、アクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.324g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。15分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
モノマーAは71.0mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは4.0mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.05g)、アクリル酸ナトリウム(2.42g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.065g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
モノマーAは37.25mmol、モノマーは12.5mmol、モノマーは0.25mmol、より具体的にはアクリルアミド(2.65g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩(4.75mLの50%水溶液)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.041g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
モノマーAは74.5mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは0.5mmol、より具体的にはアクリルアミド(2.65g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩(4.78mLの50%水溶液)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.405g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
モノマーAは74.9mmol、モノマーは5.0mmol、モノマーは0.1mmol、より具体的にはアクリルアミド(10.60g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩(19mLの50%水溶液)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.162g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
モノマーAは73.0mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは2.0mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.19g)、アクリル酸(1.80g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.324g)をターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、6時間撹拌した。15分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
モノマーAは74.5mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは0.5mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.30g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(5.18g)、及びN-(イソブトキシメチル)アクリルアミド(0.081g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、3時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
モノマーAは74.9mmol、モノマーは25.0mmol、モノマーは0.1mmol、より具体的にはアクリルアミド(5.33g)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(5.18g)、及びポリ(オキシエチレン)12ノニルフェニルエーテルアクリラート(0.109g)を、それぞれ、ターポリマーの合成に使用した。モノマーを100mLシュレンクフラスコ内の50mLのHOに溶解した。開始剤ストック溶液(DMSO中1mg/mLの416μL)をモノマー溶液に添加した。反応混合物にNを30分間散布した後、365nmの波長の光を照射して反応を開始し、3時間撹拌した。30分後、混合物は透明な粘性ゲルになった。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
【表1】
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
重水素化水中のH-NMRで反応速度をモニタリングすることにより、反応性のプロファイルを決定することができた(図2及び表1)。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
本発明は、2時間の反応時間内にモノマーからポリマーへの98%の変換を実証する。疑似一次反応速度論スタイルでプロットした場合の反応媒体中のモルに基づくモノマーの総消費量は、ほぼ線形の挙動を示す(図3
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
0.1mg/mLの濃度でTD-GPC分析用に調製し、以下の絶対分子量パラメーター:M=4.62×10g/mol、及びD=1.059を与えた、モノマーA対モノマー対モノマーのモル比が73.0:25.0:2.0(例8)のターポリマー。このターポリマーのIVは、12.4dl/gと測定された。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
示されるように、本発明の方法の実施形態は、モノマーA、モノマー、モノマー、及びUV活性イニファーターを含む試薬の特定の組み合わせ、並びに上述の条件及び濃度を使用して、制御されたラジカル重合と一致するように分子量を制御することができる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
分子量の制御を実証するために、溶液中のモノマーA、モノマー、及びモノマーの濃度をそれぞれ、1.0、2.0及び4.0の存在総モル数に変化させながら、反応混合物中のイニファーター(例5、6、及び7)の量の維持を変化させることによって3つの実験を行った。これらの実験により、例5、6、及び7について、それぞれ2.09、3.65、及び4.40×10g/molの異なる実験分子量のターポリマーが得られた。これらの実験は、この合成方法論により、分子量を調整する能力が付与され、したがって目的の機能に基づいてレオロジー特性を調整する能力が付与されることを示す(図4)。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
ターポリマーの溶液の粘度測定データは、Brookfield回転粘度計を使用して、3.5g/Lの濃度で脱イオン水中の溶液を調製することによって取得した。モノマーA対モノマー対モノマーのモル比が74.5:25.0:0.5の例1からのターポリマーは、0.1s-1で1100cPの値を与えた。2%KCl(w/w)及び2%海水(w/w)を含む水性混合物に塩を導入すると、それぞれ、32及び24cPの粘度が導入された。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
Readら及びCadixらを含む以前の発明は、UHMWを用いてターポリマーを製造したが、これらのポリマーは、発明者が疎水性基を統合できるようにするためにミセルを作成するための試薬の使用を必要とした(本発明の実施形態として、モノマーを記載)。これらの手順には、低温及び多成分のRED/OX開始剤系も必要である。ミセルを製造するためのこれらの追加の試薬及びステップは、コストを増加させ、それらの反応の効率を低下させる。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
本開示の特定の実装及び適用が図示及び説明されているが、本開示は、本明細書に開示される正確な構造及び組成物に限定されず、さまざまな修正、変更、及び変形が、添付の特許請求の範囲で定義される発明の精神及び範囲から逸脱することなく、前述の説明から明らかになり得ることを理解されたい。
なお、本発明に包含され得る諸態様または諸実施形態は、以下のように要約される。
[1].
以下:
i.水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
ii.イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーB、及び
iii.水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーC
から選択されるモノマーの混合物の重合から生じるターポリマー。
[2].
淡水中で1000cPを超える粘度を有する、上記項目1に記載のターポリマー。
[3].
重量平均分子量≧1.0×10 g/molを有する、上記項目1に記載のターポリマー。
[4].
モノマーAが、R -(C=C)-(C=O)-O-R 又はR -(C=C)-(C=O)-N-(R )-R からなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エポキシメチル、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルエチル、PEG(分子量は、50~1000g/mol)、ベンジル、フェニルであり、
は、H、メチル、又はエチルであり、
は、H、メチル、エチル、イソプロピル、プロパン-2-オールである、
上記項目1に記載のターポリマー。
[5].
モノマーBが、以下のモノマー及びそれらの混合物:R -(C=C)-(C=O)-O-R 又はR -(C=C)-(C=O)-N-(R )-R 又はR -(C=C)-(C=O)-R からなる群から選択され、式中、
は、H、又はメチルであり、
は、H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、C9~C24の直鎖又は分岐鎖であり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、
は、O 、OH、NH 、ナトリウム塩、又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸である、
上記項目1に記載のターポリマー。
[6].
モノマーCが、以下のモノマー及びそれらの混合物:R -(C=C)-(C=O)-O-R 又はR -(C=C)-(C=O)-N-(R 10 )-R 11 又はR (C=C)-R 12 からなる群から選択され、式中、
は、H又はメチルであり、
は、O 、OH、NH 、ナトリウム塩又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基であり、
10 は、H、O 、OH、NH 、ナトリウム塩、又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
11 は、O 、OH、NH 、ナトリウム塩、又は中性型の2-アミノ-2-メチルプロパン-1-スルホン酸であり、
12 は、ポリ(エチレングリコール) (nは2~20単位)、PEG化炭化水素、N-メトキシイソブチルであり、炭化水素は、長さが4~20炭素の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する芳香族基である、
上記項目1に記載のターポリマー。
[7].
それぞれコポリマー中のすべての成分の総モル量に基づいて、前記モノマーAが、25.0~99.9モル%の量で存在し、前記モノマーBが25.0~99.9モル%の量で存在し、前記モノマーCが、0.1~5.0モル%の量で存在する、上記項目1に記載のターポリマー。
[8].
ターポリマーの調製プロセスであって、以下のステップ:
i.以下の群:
水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーA、
イオン性の水溶性モノエチレン性不飽和基を有するモノマーB、及び
水性媒体中で疎水性会合性結合を形成することができ、水性重合条件に適したモノエチレン性不飽和モノマーを有するモノマーC
から選択されるモノマーの混合物を、
-(C=S)-S-Z 又はR -S-(C=S)-S-Z
(式中、
は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ベンジル、フェニル、N-メチルアニリンであり、
は、プロパン酸、プロパノアート、フェニルプロパン-2-イル、シアノメチル、シアノプロパン-2-イルであり、
は、直鎖又は分岐アルキル鎖(C1~C12の炭素長)、ベンジル、フェニル、イソブチロニトリル、プロパノアート、プロパン酸、イソ酪酸ベンジル、2-(ピリジン-2-イルジスルファニル)エチルプロピオナートであり、
は、プロパノアート、プロパン酸、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、イソ酪酸ベンジル、PEG化2-シアノプロパン酸である。)を含む群から選択されるイニファーターと組み合わせて、反応混合物を生成するステップ、
ii.前記反応混合物に不活性ガスを散布するステップ、及び
iii.250~400nmの波長の光で前記イニファーターを開始するステップ
を含む、プロセス。
[9].
前記イニファーターが、250~400nmの波長の光で開始される、上記項目8に記載のプロセス。
[10].
前記調製が、水および極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒からなる溶媒系であって、水と極性プロトン性又は極性非プロトン性溶媒との範囲が100/0~51/49である溶媒系において実施される、上記項目8に記載のプロセス。
[11].
前記ターポリマーが、ゲルの形態で製造される、上記項目8に記載のプロセス。
[12].
水性溶液を増粘するために、上記項目1に記載の十分な量のターポリマーを前記水性溶液に添加することにより、前記水性溶液を増粘することを含む方法。
[13].
前記溶液を使用して、地下の鉱油鉱床又は天然ガス床を開発し、又は最後まで利用する、上記項目12に記載の方法。
[14].
前記溶液が、プロッパント、典型的には砂、処理された砂、又は人工セラミック材料を輸送するために使用される、上記項目12に記載の方法。
[15].
前記プロッパントが、誘発された水圧破砕を開放したままにするように機能する、上記項目14に記載の方法。
[16].
鉱油鉱床に少なくとも1つの圧入井を通じて0.01~5重量%の濃度の前記水性溶液を圧入することによって油回収を増強する、及び少なくとも1つの生産井を通じて前記鉱床から原油を除去するための、上記項目12に記載の方法。
[17].
化粧品産業で使用するための混合物の粘度を増加させるための、上記項目12に記載の方法。
[18].
医薬品添加剤として使用するための粘性混合物を作成するための、上記項目12に記載の方法。
[19].
前記ターポリマーを0.01~5重量%の濃度で含む前記水性溶液を、少なくとも1つの圧入井を通じて鉱油鉱床に圧入することによって油回収を増強する、及び少なくとも1つの生産井を通じて前記鉱床から原油を除去するための、上記項目1に記載のターポリマーの使用。
[20].
化粧品調製物の粘度を調整するための、上記項目1に記載のターポリマーの使用。
[21].
医薬品添加剤又は医薬品製剤の粘度を調整するための、上記項目1に記載のターポリマーの使用。
[22].
微細繊維及び顔料を組み込むための保持助剤として、及び製紙中の乾燥強度剤としての、上記項目1に記載のターポリマーの使用。
[23].
水、廃水の処理における電荷中和及び粒子架橋を介した凝集剤として、又は溶液からの不要な不純物の除去のための、上記項目1に記載のターポリマーの使用。
【外国語明細書】