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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002851
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】油性クレンジング化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20231228BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231228BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20231228BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61K8/25
A61Q19/10
A61K8/31
A61K8/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022112057
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】399091120
【氏名又は名称】株式会社ピカソ美化学研究所
(72)【発明者】
【氏名】柚口 耕二
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AB431
4C083AB432
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC331
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC842
4C083BB12
4C083BB32
4C083CC23
4C083DD22
4C083DD47
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】製剤安定性に各段に優れた効果を発揮する油性クレンジング化粧料の提供。特に、チューブ容器での使用にも耐え得る製剤安定性を有する油性クレンジング化粧料の提供。
【解決手段】
成分A:室温で固形のロウおよび/又は室温で固形の炭化水素油、成分B:室温で液状のエステル油、成分C:有機変性粘土鉱物、成分D:ダイマージリノール酸水添ヒマシ油を含有することを特徴とする油性クレンジング化粧料とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A、成分B、成分C、並びに成分Dを含有することを特徴とする油性クレンジング化粧料。
成分A:室温で固形のロウおよび/又は室温で固形の炭化水素油
成分B:室温で液状のエステル油
成分C:有機変性粘土鉱物
成分D:ダイマージリノール酸水添ヒマシ油
【請求項2】
さらに、下記成分Eを含有することを特徴とする請求項1に記載の油性クレンジング化粧料。
成分E:非イオン性界面活性剤
【請求項3】
前記成分Bが、室温で液状のモノエステル油、室温で液状のジエステル油および室温で液状のトリエステル油から選ばれる少なくとも2種である請求項1又は2に記載の油性クレンジング化粧料。
【請求項4】
前記成分Cが、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイトおよび/又はジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトである請求項1又は2に記載の油性クレンジング化粧料。
【請求項5】
半固形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油性クレンジング化粧料。
【請求項6】
チューブ容器に充填されることを特徴とする請求項1又は2に記載の油性クレンジング化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性クレンジング化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
メイク汚れや皮脂汚れを除去するクレンジング化粧料は、水クレンジングと称される水性クレンジング化粧料と、オイルクレンジングと称される油性クレンジング化粧料に大別される。クレンジング化粧料の中でも、油性クレンジング化粧料は、多量の油剤が配合されていることから、メイク汚れとの馴染みがよく、優れたクレンジング力を発揮させることができる。その反面、クレンジング後の肌に油特有のべたつき感が残り、使用感が悪いという欠点がある。しかし、メイク汚れをしっかりと落としたいと望む人にとって、油性クレンジング化粧料は魅力的な商品であると言える。
【0003】
近年、油性クレンジング化粧料の一形態として、クレンジングバームと称される半固形状~固形状のクレンジング化粧料が注目を浴びている。クレンジングバームは、メイク汚れとの馴染みが非常によく、格段に優れたクレンジング効果を発揮させることができるという特徴を有する。また、固められた油剤が使用時に肌上で柔らかくなり、とろけるような独特な使用感も得られる。このような機能と使用感が人気の理由となっている。そのため、近年、これら半固形状のクレンジング化粧料の開発が盛んに行われている。
【0004】
具体的には、特定の融点を有する固形油、液状油、並びに非イオン性界面活性剤を含有する油性固形クレンジング料(例えば、特許文献1を参照)、特定の融点を有する炭化水素油を特定量、特定量のエステル油、並びに特定のHLB値を有するノニオン界面活性剤を特定量含有する固形状油性クレンジング化粧料(例えば、特許文献2を参照)、特定の融点を有する固形油分を特定量、特定量の液状油分、特定のHLB値を有する非イオン性界面活性剤を特定量、特定粒子径の粉体を特定量、並びに特定量に煙霧状シリカを含む油性固形クレンジング化粧料(例えば、特許文献3を参照)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、バームと称される剤型は半固形状~固形状の性状であることから、取り出し口の広いジャー容器に充填されることが多い。そのため、使用する度に蓋を開けて剤の表面を指先でなぞり内容物を取り出すという行為が手間であるという課題があった。そこで、使い勝手に優れるチューブ容器内にクレンジングバームを充填するアイデアも考えられるが、チューブ容器特有の圧し出すという使用行為により、内容物に過度な圧がかかるため、バーム剤型の安定性が著しく悪化するといった問題があった。そのため、チューブ容器を採用する際には、製剤の安定性や、バーム特有のとろけるような使用感に悪影響を及ぼさない製剤にするための創意工夫が必要不可欠であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-213726号公報
【特許文献2】特開2012-206974号公報
【特許文献3】特開2020-026420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものである。すなわち、製剤安定性に各段に優れた効果を発揮する油性クレンジング化粧料を提供することを課題とする。特に、チューブ容器での使用にも耐え得る製剤安定性を有する油性クレンジング化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、下記成分A、成分B、成分C、並びに成分Dを含有することを特徴とする油性クレンジング化粧料を提供する。
成分A:室温で固形のロウおよび/又は室温で固形の炭化水素油
成分B:室温で液状のエステル油
成分C:有機変性粘土鉱物
成分D:ダイマージリノール酸水添ヒマシ油
【0009】
さらに、上記油性クレンジング化粧料は、下記成分Eを含有することが好ましい。
成分E:非イオン性界面活性剤
【0010】
上記成分Bが、室温で液状のモノエステル油、室温で液状のジエステル油および室温で液状のトリエステル油から選ばれる少なくとも2種であることが好ましい。
【0011】
上記成分Cが、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイトおよび/又はジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトであることが好ましい。
【0012】
上記油性クレンジング化粧料は、半固形状であることが好ましい。
【0013】
上記油性クレンジング化粧料は、チューブ容器に充填されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の油性クレンジング化粧料は、上記構成要件を満たすことにより、各段に優れた製剤安定性を有する。特に、この製剤の安定性は、チューブ容器に充填した際にも発揮され、チューブから圧し出すという使用行為による過度な圧にも耐え得るものである。
【0015】
また、本発明の油性クレンジング化粧料は、如何なる容器形態であっても、各段に優れた製剤安定性を有することから、バーム剤型特有の延展時にとろけるような独特な使用感が得られ、格段に優れたクレンジング効果(汚れ除去効果)を発揮させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の油性クレンジング化粧料は、成分A:室温で固形のロウおよび/又は室温で固形の炭化水素油と、成分B:室温で液状のエステル油と、成分C:有機変性粘土鉱物と、成分D:ダイマージリノール酸水添ヒマシ油とを含有する。
【0017】
以下、本発明の油性クレンジング化粧料に用いられる各成分の詳細を説明する。
【0018】
[成分A]
上記成分Aは、室温で固形のロウおよび/又は室温で固形の炭化水素油である。すなわち、上記成分Aは、室温で固形のロウおよび室温で固形の炭化水素油のうちの一方又は両方である。本発明では、上記成分Aを用いることにより、製剤安定性に優れる油性クレンジング化粧料へと調製することが可能となる。また、後述する成分Bと組み合わせることで、バーム剤型特有の延展時にとろけるような独特な使用感が得られ、皮脂汚れやメイク汚れとの馴染みを良好にし、格段に優れたクレンジング効果を発揮させることができるようになる。
【0019】
なお、本明細書において、「室温で固形」とは、1~30℃の温度範囲で流動性がない性状をいう。また、本明細書において、上記室温で固形のロウを「成分A1」、上記室温で固形の炭化水素油を「成分A2」と称することがある。
【0020】
具体的な成分A1としては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、セラックロウ、鯨ロウ、ラノリンなどが挙げられる。これら成分A1は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0021】
具体的な成分A2としては、例えば、セレシン、パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン末、ワセリンなどが挙げられる。これら成分A2は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0022】
上記成分Aの中でも、製剤安定性を付与する観点、延展時に独特の使用感を発揮させる観点、並びにメイクなどの汚れとの馴染みを良好にする観点から、少なくとも上記成分A2を用いることが好ましい。本発明では、これら成分A2の中でも、フィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)、ポリエチレンワックス、ポリエチレン末を用いることがより好ましく、フィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)を用いることが最も好ましい。
【0023】
なお、本発明においては、上記成分Aは市販品を用いることができる。成分Aの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
【0024】
本発明の油性クレンジング化粧料中の成分Aの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を付与する観点、並びに延展時の使用感と、汚れとの馴染みの観点から、化粧料100質量%中、4質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、製剤が硬くなりすぎることを抑える観点から、化粧料100質量%中、10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Aの含有量は、純分に換算した量である。
【0025】
[成分B]
上記成分Bは、室温で液状のエステル油である。本発明では、上記成分Bを用いることにより、皮脂汚れやメイク汚れとの馴染みを良好にし、優れたクレンジング効果を発揮させることができる。なお、本明細書において、「室温で液状」とは、1~30℃の温度範囲で流動性がある性状をいう。また、成分Bのエステル油とは、後述する成分Dを包含しないものを言う。
【0026】
本発明においては、クレンジング効果を十分に発揮させる観点から、室温で液状のエステル油の中でも、室温で液状のモノエステル油、室温で液状のジエステル油および室温で液状のトリエステル油から選ばれる少なくとも2種を用いることがより好ましい。特に、延展時にとろけるような独特の使用感を発揮させ、格段に優れたクレンジング効果を付与する観点から、室温で液状のモノエステル油、室温で液状のジエステル油および室温で液状のトリエステル油の何れも含有させることが最も好ましい。
【0027】
なお、本明細書において、上記室温で液状のモノエステル油を「成分B1」、上記室温で液状のジエステル油を「成分B2」、上記室温で液状のトリエステル油を「成分B3」と称することがある。
【0028】
具体的な成分B1としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピルなどの直鎖脂肪酸と低級アルコールとのモノエステル油;カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイルなどの直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールとのモノエステル油;カプリル酸プロピルヘプチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノール酸オクチルドデシルなどの直鎖脂肪酸と分岐アルコールとのモノエステル油;2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、イソステアリン酸ヘキシルなどの分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールとのモノエステル油;ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソスエアリン酸オクチルドデシルなどの分岐脂肪酸と分岐アルコールとのモノエステル油などが挙げられる。これら成分B1は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0029】
具体的な成分B2としては、例えば、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコールなどの脂肪酸と多価アルコールとのジエステル油;コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシルなどの二塩基酸のジエステル油;炭酸ジカプリリルなどの炭酸のジエステル油などが挙げられる。これら成分B2は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0030】
具体的な成分B3としては、例えば、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンなどの脂肪酸と多価アルコールとのトリエステル油などが挙げられる。これら成分B3は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0031】
なお、本発明においては、上記成分Bは市販品を用いることができる。成分Bの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
【0032】
本発明の油性クレンジング化粧料中の成分Bの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、皮脂汚れやメイク汚れとの馴染みを良好にし、格段に優れたクレンジング効果を発揮させる観点、並びに延展時に独特の使用感を発揮させる観点から、化粧料100質量%中、45質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。また、製剤が柔らかくなりすぎることによる製剤安定性の低下や使用感の悪化を抑える観点から、化粧料100質量%中、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Bの含有量は、純分に換算した量である。
【0033】
本発明では、クレンジング効果をより一層高める観点から、上記成分Bの総量に対する上記成分B1の量の質量比(成分B1の量/成分Bの総量)が、0.1~1.0の範囲を満たし調製されることが好ましく、0.5~0.8の範囲で調製されることがより好ましい。
【0034】
また、皮脂汚れやメイク汚れとの馴染みをより一層高める観点から、上記成分Bの総量に対する上記成分B2の量の質量比(成分B2の量/成分Bの総量)が、0.01~0.5の範囲を満たし調製されることが好ましく、0.05~0.2の範囲で調製されることがより好ましい。
【0035】
さらに、延展時にとろけるような独特の使用感と厚みのある使用感をより一層高める観点から、上記成分Bの総量に対する上記成分B3の量の質量比(成分B3の量/成分Bの総量)が、0.05~0.5の範囲を満たし調製されることが好ましく、0.1~0.3の範囲で調製されることがより好ましい。
【0036】
本発明では、優れた効果を発揮させるには上記した成分Bの総量に対する各エステル油(成分B1、成分B2、成分B3)の量の質量比の何れかを満たし調製すればよいが、本発明の延展時における特有の効果を更に一層高める観点から、成分Bの総量に対する各エステル油(成分B1、成分B2、成分B3)の量の質量比の全てを満たし調製されることがより好ましい。
【0037】
加えて、本発明においては、格段に優れた製剤安定性を発揮させるとともに、延展時に独特な使用感を存分に発揮させ、皮脂汚れやメイク汚れとの馴染みを格段に良好とし、優れたクレンジング効果を十分に発揮させる観点から、上記成分Aに対する上記成分Bの含有量の比(成分B/成分A)が、5~25の範囲を満たし調製されることが好ましく、6~20の範囲を満たし調製されることがより好ましく、8~15の範囲を満たし調製されることが最も好ましい。
【0038】
上記含有量の比(成分B/成分A)が5未満の場合には、製剤が硬くなりすぎるため、ジャー容器に充填すると容器からの指取れが悪くなる。また、チューブ容器に充填すると吐出し難くなる。加えて、皮脂汚れやメイク汚れとの馴染みに劣り、クレンジング時の使用感が悪化し易くなる。一方、上記含有量の比(成分B/成分A)が25よりも大きい場合には、製剤が柔らかくなりすぎるため、延展時にとろけるような独特な感触が得られにくく、使用感に劣るために好ましくない。
【0039】
[成分C]
上記成分Cは、有機変性粘土鉱物である。本発明では、上記成分Cを用いることにより、本発明の油性クレンジング化粧料において良好な製剤安定性を付与することができる。この製剤安定性は、ジャー容器に充填した場合のみならず、チューブ容器に充填した場合においても十分に発揮させることが可能となる。
【0040】
上記成分Cとしては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントナイト、サポナイト、ヘクトライト、ルーセンタイトなどのスメクタイト族粘土鉱物や、バーミキュライトなどのバーミキュライト族粘土鉱物を、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理したものが挙げられる。これら成分Cは1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0041】
より具体的な成分Cとしては、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトなどが挙げられる。本発明においては、より良好な製剤安定性を付与する観点から、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトを用いることが好ましい。
【0042】
なお、本発明においては、上記成分Cは市販品を用いることができる。成分Cの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
【0043】
本発明の油性クレンジング化粧料中の成分Cの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を付与する観点から、化粧料100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、製剤安定性の低下や使用感の悪化を抑える観点から、化粧料100質量%中、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Cの含有量は、純分に換算した量である。
【0044】
[成分D]
上記成分Dは、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油である。本発明では、上記成分Dを用いることにより、製剤安定性をより高めることができる。本発明の油性クレンジング化粧料では、上記成分Dと上記成分Cとを組み合わせて用いることで各段に優れた製剤安定性を発揮させることが可能となる。
【0045】
上記成分Dであるダイマージリノール酸水添ヒマシ油とは、ジリノール酸と水添ヒマシ油のエステルであり、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第1巻,2014年,p.1528):HYDROGENATED CASTOR OIL DIMER DILINOLEATEと称される、室温で流動性のないペースト状を呈する化合物である。なお、本発明においては、上記成分Dは市販品を用いることができる。成分Dの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
【0046】
本発明の油性クレンジング化粧料中の成分Dの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を更に高める観点から、化粧料100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、使用感の悪化を抑える観点から、化粧料100質量%中、8質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Dの含有量は、純分に換算した量である。
【0047】
[成分E]
本発明の油性クレンジング化粧料には、成分Eとして非イオン性界面活性剤を更に含有させることが好ましい。上記成分Eを用いることにより、製剤安定性を高めるだけでなく、油性クレンジング化粧料の洗い落ちを良好にして、クレンジング後の肌に特有のべたつき感が残らないようにすることができる。加えて、クレンジング効果をより一層高めることもできるようになる。
【0048】
上記成分Eとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0049】
上記成分EのHLB値は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、洗い落ちを高める観点から、2~20であることが好ましく、2~16であることがより好ましい。これら成分Eは1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0050】
上記成分Eの中でも、製剤安定性を高める観点、並びにクレンジング効果をより一層高めるとともに、クレンジング後の洗い落ちをより一層良好にする観点から、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いることが好ましく、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いることがより好ましい。
【0051】
なお、本明細書において、上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを「成分E1」、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルを「成分E2」、上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを「成分E3」と称することがある。
【0052】
上記成分E1、成分E2、並びに成分E3を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であっても、不飽和脂肪酸であっても、これら脂肪酸の縮合体(重合体)であっても、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されない。また、前記脂肪酸は、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であっても、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されない。加えて、前記脂肪酸は、単鎖型であっても、多鎖型であっても、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されない。
【0053】
好適な成分E1としては、例えば、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ラウリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、オレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。これら好適な成分E1は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0054】
上記成分E1における酸化エチレンの平均付加モル数は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、2~60であることが好ましく、2~40であることがより好ましい。上記成分E1の酸化エチレンの平均付加モル数が上記範囲内であると、本発明の油性クレンジング化粧料のクレンジング効果を高め、クレンジング後の洗い落ちを良好にすることができる。
【0055】
好適な成分E2としては、例えば、カプリン酸ポリグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル、ミリスチン酸ポリグリセリル、パルミチン酸ポリグリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、ジカプリン酸ポリグリセリル、ジミリスチン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ジオレイン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリミリスチン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、テトララウリン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、デカイソステアリン酸ポリグリセリルなどが挙げられる。これら好適な成分E2は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0056】
上記成分E2におけるポリグリセリンの平均重合度は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、2~12であることが好ましく、2~10であることがより好ましい。上記成分E2のポリグリセリンの平均重合度が上記範囲内であると、本発明の油性クレンジング化粧料のクレンジング効果を高め、クレンジング後の洗い落ちを良好にすることができるだけでなく、製剤安定性も高めることができる。
【0057】
好適な成分E3としては、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどが挙げられる。これら好適な成分E3は1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0058】
上記成分E3における酸化エチレンの平均付加モル数は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、2~60であることが好ましく、2~40であることがより好ましい。上記成分E3の酸化エチレンの平均付加モル数が上記範囲内であると、本発明の油性クレンジング化粧料のクレンジング効果を高め、クレンジング後の洗い落ちを良好にすることができる。
【0059】
なお、本発明においては、上記成分Eは市販品を用いることができる。成分Eの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。
【0060】
本発明の油性クレンジング化粧料中の成分Eの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を高める観点、クレンジング効果を高める観点、並びにクレンジング後の洗い落ちを高める観点から、化粧料100質量%中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、製剤安定性の観点から、化粧料100質量%中、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。なお、上記成分Eの含有量は、純分に換算した量である。
【0061】
[その他成分]
本発明の油性クレンジング化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に、室温で固形又は液状の油剤を目的に応じて適宜配合することができる。上記成分A、成分Bおよび成分D以外に配合可能な油剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコン油、植物油脂などが挙げられる。また、これら成分以外にも、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などの上記成分E以外の界面活性剤;増粘性高分子、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、防腐剤、美白剤、抗炎症剤、清涼剤、植物油、植物抽出エキス、植物発酵エキス、pH調整剤、中和剤、香料などを目的や用途に応じて適宜配合することができる。
【0062】
本発明の油性クレンジング化粧料は、油性とする観点から、水を含まないか、又は水を含み且つ化粧料100質量%中の水の含有量が5質量%以下であることが好ましい。すなわち、本発明の油性クレンジング化粧料中の水の含有量は、0~5質量%であることが好ましく、0~4質量%であることがより好ましい。
【0063】
本発明の油性クレンジング化粧料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、上記各構成成分を混合し、例えば、ディスパーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミルなどを用いて撹拌する方法などが挙げられるが、本発明はこれら製造方法にのみ限定されるものではない。
【0064】
本発明の油性クレンジング化粧料は、固められた油剤が使用時に肌上で柔らかくなり、とろけるような独特な使用感が得られる半固形状、所謂、クレンジングバームの形態へと調製することが好ましい。なお、本明細書において、「半固形状」とは、流動性がなく指の押圧などの応力により変形する固形状の剤型を意味する。また、「流動性がない」とは、化粧料を広口容器に充填し、該容器を斜め45度に30秒間傾けた際に、該化粧料が広口容器から垂れ落ちない状態をいう。
【0065】
また、本発明の油性クレンジング化粧料は、上記構成を充足することで各段に優れた製剤安定性を有することから、クレンジングバームが一般的に充填されるジャー容器のみならず、チューブ容器に充填することも可能である。特に、本発明の油性クレンジング化粧料は、チューブから圧し出すという使用行為による過度な圧にも耐え得る製剤安定性を有することから、チューブ容器に充填することが最も好ましい。なお、本発明の油性クレンジング化粧料は、化粧品、医薬部外品、指定医薬部外品、雑貨などの形態をとり得る。
【実施例0066】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
なお、配合量は、特記しない限り「質量%」を表し、表中の成分の配合量は全て純分に換算した値である。また、評価は全て恒温下(25±2℃)で実施した。
【0067】
実施例および比較例では、下記成分を用いた。
【0068】
[成分A]
成分A1)ミツロウ:商品名「精製ミツロウ CY-100」(横関油脂工業社製)
成分A2)フィッシャー・トロプシュワックス:商品名「Sasolwax C80」(サゾール社製)
【0069】
[成分B]
成分B1)パルミチン酸2-エチルヘキシル:商品名「コーヨーPOC」(交洋ファインケミカル社製)
成分B1)カプリル酸プロピルヘプチル:商品名「CETIOL Sensoft」(BASFジャパン社製)
成分B2)セバシン酸ジエチルヘキシル:商品名「FineNeo-EHS」(日本精化社製)
成分B2)炭酸ジカプリリル:商品名「CETIOL CC」(BASFジャパン社製)
成分B3)トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル:商品名「MIGLYOL 812N(F)」(IOI Oleo GmbH社製)
【0070】
[成分C]
ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト(クオタニウム-18ベントナイト):商品名「モイストナイトWO」(クニミネ工業社製)
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(クオタニウム-18ヘクトライト):商品名「スメクトン-SAN-P」(クニミネ工業社製)
【0071】
[成分D]
ダイマージリノール酸水添ヒマシ油:商品名「リソカスタ DA-L」(高級アルコール工業社製)
【0072】
[成分E]
成分E1)PEG-7(カプリル/カプリン酸)グリセリズ:商品名「CETIOL HE810」(BASFジャパン社製)
成分E1)トリイソステアリン酸PEG-5グリセリル:商品名「EMALEX GWIS-305」(日本エマルジョン社製)
成分E1)トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル:商品名「MファインオイルISG-20T」(ミヨシ油脂社製)
成分E2)トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2:商品名「コスモール 43V」(日清オイリオ社製)
成分E2)テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2:商品名「コスモール 44V」(日清オイリオ社製)
成分E3)テトラオレイン酸ソルベス-30:商品名「レオドール430V」(花王社製)
【0073】
(試料の調製1)
表1および表2に記した組成に従い、実施例1~8および比較例1~8の化粧料を常法に準じて調製し、下記評価に供した。結果を表1および表2に併記する。
【0074】
(試験例1:製剤安定性の評価)
実施例および比較例で得られた各試料を、120g容量のPP製チューブ容器にそれぞれ充填し、40℃の恒温槽に保管した。次いで、保管1日後、4日後、7日後において、当該チューブ容器から3g圧し出す吐出試験を行い、7日後の吐出した剤の状態を目視観察し、下記評価基準に従い評価した。なお、評価は、5名の専門評価員が実施し、各評価員の評価を総合して決定した。
【0075】
<製剤安定性の評価の評価基準>
○(良好):吐出時において、製造直後の性状と同様の均一状態を維持し続けている(変化が全く認められない)
△(不十分):吐出時において、製造直後の性状と対比して均一状態を維持しているが、表面に僅かな離液が認められる
×(不良):吐出時において、製造直後の性状と対比して均一状態を維持しておらず、明らかな離液が認められる、若しくは半固形状とならない、又は吐出できない
【0076】
上記試験例1の製剤安定性の評価において、「○(良好)」、「△(不十分)」の結果が得られた各試料について下記試験に供した。
【0077】
(試験例2:延展時の使用感の評価)
各試料1gを、口紅で汚した手の甲に吐出し、指先で小さな円を描くように延び広げた時の「剤の変化とその感触」、並びに「メイク汚れとの馴染み」について、下記評価基準に従って官能評価した。なお、評価は、5名の専門評価員が実施し、各評価員の評価を総合して決定した。
【0078】
<延展時の使用感の評価基準>
○(良好):半固形状の剤がとろける様に崩れさる使用感が得られる
△(不十分):半固形状の剤がとろける様に崩れさる使用感に劣る
×(不良):半固形状の剤がとろける様に崩れさる使用感が得られない
【0079】
<メイクとの馴染みの評価基準>
○(良好):指に力を入れなくとも、メイク(汚れ)と容易に馴染む
△(不十分):メイク(汚れ)と馴染ませるには、若干指に力を入れて擦る必要がある
×(不良):メイク(汚れ)と馴染ませるには、かなりの力で擦る必要がある
【0080】
(試験例3:クレンジング時の評価)
各試料3gを、メイクを施した顔全体に塗布後、メイク汚れが気になる箇所を中心に指先で小さな円を描くように1分間クレンジングを行い、その後、40℃の温水で十分に洗い流してタオルドライにより顔の水分を拭き取ってもらった。
【0081】
使用試験は、洗浄時の剤の「洗い落ち」、タオルドライ後の「クレンジング効果(メイク汚れ、皮脂汚れの除去効果)」について行い、下記評価基準に従って官能評価した。なお、評価は、5名の専門評価員が実施し、各評価員の評価を総合して決定した。
【0082】
<洗い落ちの評価基準>
○(良好):洗い落ちに優れる
△(不十分):洗い落ちに劣る
×(不良):洗い落ちが悪い
【0083】
<クレンジング効果の評価基準>
○(良好):クレンジング行為により、メイク汚れだけでなく、皮脂汚れまでも除去できた感覚が得られる
△(不十分):クレンジング行為により、メイク汚れは除去できるものの、皮脂汚れまでも十分に除去できた感覚が得られない
×(不良):クレンジング行為により、メイク汚れや皮脂汚れを十分に除去できない
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
表1および表2に示された結果から、各実施例で得られた本発明の油性クレンジング化粧料は、各比較例で得られたものと対比して、製剤の分離や離液がなく、格段に優れた製剤安定性を有していることが分かる。従って、本発明の油性クレンジング化粧料は、チューブから圧し出すという使用行為による過度な圧にも耐え得るものであると言える。
【0087】
また、本発明の油性クレンジング化粧料は、延展時にとろけるような独特な使用感を生み出し、皮脂汚れやメイク汚れとの馴染みが非常に良好であり、メイク汚れを単に取り除くだけでなく、皮脂汚れまでをも取り除くことできることから、従来のクレンジング化粧料に比べて格段に優れたクレンジング効果を発揮するものであることが分かる。
【0088】
これに対し、本発明の必須構成成分を充足しない比較例1~8では、本発明の特有の効果を十分に発揮できていないことが分かる。これら結果からも明らかな通り、本発明の必須構成成分を充足することで初めて本発明の特有の効果を最大限に発揮できると言える。