(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002854
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ヘッド着用の医療機器及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20231228BHJP
A61H 31/00 20060101ALI20231228BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20231228BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G16H20/00
A61H31/00
A61B5/11 110
A61B5/11 120
A61B5/00 M
A61B5/00 101A
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118645
(22)【出願日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】202210722753.8
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522301599
【氏名又は名称】蘇州維偉思医療科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鄭傑
(72)【発明者】
【氏名】徐海山
【テーマコード(参考)】
4C038
4C074
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C038VA05
4C038VB04
4C038VB19
4C038VB22
4C038VB33
4C038VC05
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4C117XE75
4C117XJ13
4C117XJ34
4C117XJ45
5L099AA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】救急の標準化を大幅に向上させ、さらに、救急の成功率を向上できるヘッド着用の医療機器を提供する。
【解決手段】ヘッド着用の医療機器は、情報収集モジュールと、リモートインタラクションモジュールと、情報出力モジュールとを含み、情報収集モジュールは、患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を収集するように構成され、リモートインタラクションモジュールは、外部の無線伝送モジュールとインタラクションを行い、外部の無線伝送モジュールに前記情報収集モジュールにより収集されたデータを伝送し、外部の無線伝送モジュールにより医療機器に送信されたデータを受信するように構成され、情報出力モジュールは、外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを表示し又は医療機器の着用者に送信するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報収集モジュールと、リモートインタラクションモジュールと、情報出力モジュールとを含むヘッド着用の医療機器であって、
前記情報収集モジュールは、患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を収集するように構成され、
前記リモートインタラクションモジュールは、外部の無線伝送モジュールとインタラクションを行い、外部の無線伝送モジュールに前記情報収集モジュールにより収集されたデータを伝送し、外部の無線伝送モジュールにより医療機器に送信されたデータを受信するように構成され、
前記情報出力モジュールは、外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを表示し又は医療機器の着用者に送信するように構成される
ことを特徴とするヘッド着用の医療機器。
【請求項2】
前記生体情報は、患者の胸郭起伏データ、瞳孔データ及び皮膚状態データのうちの少なくとも1つを含み、
前記操作情報は、CPR押圧深度、CPR押圧頻度、CPR押圧保持深度、CPR押圧中断期間及びCPR押圧合計期間のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項3】
前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項4】
前記情報収集モジュールは、さらに、画像収集モジュール及び/又はオーディオ収集モジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項5】
前記医療機器は、さらに、診断モジュールを含み、
前記診断モジュールは、前記情報収集モジュールにより収集されたデータを受信し、前記データに基づいて診断結果及び/又は治療案を提供するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項6】
前記診断モジュールは、トレーニングされた第1のアルゴリズムモデル及び/又は第2のアルゴリズムモデルを含み、
前記情報収集モジュールは、さらに、画像収集モジュールを含み、
前記第1のアルゴリズムモデルは、前記画像収集モジュールにより収集された患者の皮膚画像に従って、患者がチアノーゼを患っているかどうかを判断するように構成され、
前記第2のアルゴリズムモデルは、前記画像収集モジュールにより収集された患者の眼球画像に従って、患者の瞳孔が拡大されているかどうかを判断するように構成される
ことを特徴とする請求項5に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項7】
前記情報収集モジュールは、さらに、医療機器の着用者の地理位置情報を収集するように構成される位置決定モジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項8】
前記情報出力モジュールは、画像出力モジュール及び/又はオーディオ出力モジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項9】
前記情報出力モジュールは、さらに、医療機器の着用者の人体に接触すると警告情報を送信するように構成される警告モジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項10】
前記医療機器は、さらに、光源を提供するように構成される照明モジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項11】
前記医療機器は、さらに、前記情報収集モジュールにより収集されたデータの位置を指示するように構成される視覚指示モジュールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項12】
前記リモートインタラクションモジュールは、さらに、事前設定された時間周期に従って外部の記憶モジュールにデータを伝送するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項13】
前記医療機器は、眼鏡形態の機器であり、
前記眼鏡形態の機器は、眼鏡レンズ及び眼鏡脚を含み、
前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含み、前記距離測定モジュールは、少なくとも1つの電磁波距離測定装置を含み、前記少なくとも1つの電磁波距離測定装置は、前記眼鏡レンズの周囲位置に設けられ、及び/又は、
前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、前記眼鏡レンズの周囲位置にそれぞれ設けられた2つのカメラを含み、及び/又は、
前記情報収集モジュールは、オーディオ収集モジュールを含み、前記オーディオ収集モジュールは、前記眼鏡脚又は前記眼鏡レンズの周囲位置に設けられた少なくとも1つのピックアップカートリッジを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項14】
前記情報出力モジュールは、画像出力モジュールを含み、前記画像出力モジュールは、ディスプレイを含み、医療機器から画像が出力される場合、前記ディスプレイが前記眼鏡レンズの位置に移動することができ、及び/又は、
前記情報出力モジュールは、オーディオ出力モジュールを含み、前記オーディオ出力モジュールは、前記眼鏡脚に設けられた少なくとも1つのスピーカーを含み、及び/又は、
前記情報出力モジュールは、警告モジュールを含み、前記警告モジュールは、前記眼鏡脚に設けられた少なくとも1つのバイブレーターを含む
ことを特徴とする請求項13に記載のヘッド着用の医療機器。
【請求項15】
請求項1に記載のヘッド着用の医療機器に応用される制御方法であって、
医療機器で患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を取得することと(S100)、
医療機器で患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を外部の無線伝送モジュールに送信することと(S200)、
医療機器で外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを受信し該データを表示し又は医療機器の着用者に送信することと(S300)を含む
ことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含み、前記距離測定モジュールは、少なくとも1つの電磁波距離測定装置を含み、
前記生体情報が患者の胸郭起伏データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
前記少なくとも1つの電磁波距離測定装置で1つの期間の各時刻の患者の胸郭の位置情報Hを取得することと、
各時刻の患者の胸郭の位置情報Hに従って該期間内の患者の胸郭起伏データを取得することとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項17】
前記距離測定モジュールは、第1の電磁波距離測定装置及び第2の電磁波距離測定装置を含み、
前記第1の電磁波距離測定装置及び前記第2の電磁波距離測定装置を介して該時刻の患者の胸郭の位置情報H1及びH2をそれぞれ取得し、
該時刻の患者の胸郭の位置情報Hは、H1とH2との平均値である
ことを特徴とする請求項16に記載の制御方法。
【請求項18】
1つの期間内の患者の胸郭起伏データを取得した後、前記制御方法は、さらに、
患者の胸郭起伏データに従って前後時刻の患者の胸郭の位置をそれぞれ取得することと、
前後時刻の患者の胸郭の位置の差が第1の閾値よりも大きいかどうかを判断することと、
第1の閾値よりも大きい場合、患者が自発呼吸状態にあると判断することと、
第1の閾値以下である場合、患者が心拍停止状態にあると判断することとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項19】
医療機器の着用者が患者に対してCPRを行う場合、前記制御方法は、さらに、
CPRを行う時の患者の胸郭起伏データを取得することと、
CPRを行う時の患者の胸郭起伏データに従って、CPR押圧深度、CPR押圧頻度、CPR押圧保持深度、CPR押圧中断期間及びCPR押圧合計期間のうちの少なくとも1つを取得することとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項20】
前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、少なくとも1つのカメラを含み、
前記生体情報が患者の胸郭起伏データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
1つの期間の各時刻の患者の胸郭画像情報を取得し、各時刻の患者の胸郭画像情報に従って該期間内の患者の胸郭起伏データを取得することを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項21】
前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、少なくとも1つのカメラを含み、
前記生体情報は、さらに、瞳孔データを含み、
前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
患者の少なくとも1つの眼球画像情報を取得し、前記少なくとも1つの眼球画像情報に従って患者の瞳孔/眼球の比例を取得することを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項22】
前記医療機器は、さらに、視覚指示モジュールを含み、前記視覚指示モジュールは、指示フレアスポットを発射し、前記制御方法は、さらに、
指示フレアスポットの画像情報を取得することと、
前記指示フレアスポットの画像情報及び少なくとも1つの眼球画像情報に従って瞳孔サイズ及び眼球サイズ、及び/又は瞳孔と眼球との比例を取得することとを含む
ことを特徴とする請求項21に記載の制御方法。
【請求項23】
前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、少なくとも1つのカメラを含み、
前記医療機器は、さらに、診断モジュールを含み、前記診断モジュールに各皮膚画像と各皮膚状態とのマッピング関係を含む皮膚状態データベースが含まれ、
前記生体情報は、皮膚状態データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
患者の少なくとも1つの皮膚画像情報を取得することと、
前記少なくとも1つの皮膚画像情報及び前記診断モジュールを介して患者の皮膚状態データを取得することとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項24】
前記情報収集モジュールは、さらに、医療機器の着用者の地理位置情報を収集するように構成される位置決定モジュールを含み、前記制御方法は、さらに、
外部の無線伝送モジュールに医療機器の着用者の地理位置情報を送信することを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特に、ヘッド着用の医療機器及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「中国の心血管の健康と病気のレポート2019」の統計的推定によると、中国の心臓突然死(Sudden Cardiac Death、SCD)の症例数は毎年544,000に達し、このようなSCD患者で心拍停止が発生した場合、高品質で効果的なCPR(Cardiopulmonary Resuscitation)をタイムリーに実施することがSCD患者を蘇生するための鍵となり、胸外部押圧は心肺蘇生法の中心的なプロセスの1つであり、胸外部押圧の品質の効果は、救助の成功率と退院生存率に直接関係している。一部の権威あるレスキューガイドライン、例えば、米国心臓協会(American Heart Association 、AHA)ガイドラインでは、心肺蘇生や胸外部押圧に対して特定の治療パラメーターが推奨され、長年の臨床研究の蓄積とデータ統計の後、胸外部押圧を行う時に、1、押圧深度が5cm以上6cm以下であり、2、押圧頻度は100-120(回/分)であり、3、押圧の中断を可能な限り最小限に抑え、4、保持せずに完全に解放し、毎回の押圧後に、胸郭を完全に深度0まで解放してから次の押圧を開始すると推奨されている。したがって、臨床応用では、これらのパラメータの監視とフィードバックは、CPRの品質と救助の成功率を改善するための重要な手段である。
【0003】
一方、SCDの発生は非常に偶発的であり、現場環境は複雑であり、遭遇する救助者の救助及び対処能力は非常に異なり、一部の社会的要因及び不完全な法的要因により、特に自分の救助能力に自信がない一部の非専門家等の傍観者は救助を実施したくなく、これらの理由により、SCD患者はしばしば最良の救助の機会を逃した。
【0004】
したがって、現場の情報をプロセス全体で記録及び保存し、救助ガイダンスをリモート共同救助で提供できると同時に、患者の状態をインテリジェントに識別及び診断し、情報を伝達し共有し、CPRの監視とフィードバックを実行できれば、上記のSCDが発生した後の課題を大幅に解決できる。
【0005】
なお、上記の背景に開示された情報は、本発明の背景の理解を高めるためだけのものであり、したがって、当業者に知られている先行技術を形成しない情報を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術の課題に対し、本発明の目的は、ヘッド着用の医療機器及び制御方法を提供することである。該ヘッド着用の医療機器は、急性心拍停止などの突然や危険の救急シナリオにおいて使用することができ、医療機器は、着用者に支援して、患者の生理学的状態をインテリジェントに識別し、インテリジェントに収集し、又はリモートの診断、ガイダンス、提示などを行うことで、救急の標準化と成功率を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態は、情報収集モジュールと、リモートインタラクションモジュールと、情報出力モジュールとを含むヘッド着用の医療機器を提供し、
情報収集モジュールは、患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を収集するように構成され、
リモートインタラクションモジュールは、外部の無線伝送モジュールとインタラクションを行い、外部の無線伝送モジュールに前記情報収集モジュールにより収集されたデータを伝送し、外部の無線伝送モジュールにより医療機器に送信されたデータを受信するように構成され、
情報出力モジュールは、外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを表示し又は医療機器の着用者に送信するように構成される。
【0008】
本発明の第1の態様により、前記生体情報は、患者の胸郭起伏データ、瞳孔データ及び皮膚状態データのうちの少なくとも1つを含み、
前記操作情報は、CPR押圧深度、CPR押圧頻度、CPR押圧保持深度、CPR押圧中断期間及びCPR押圧合計期間のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
本発明の第1の態様により、前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含む。
【0010】
本発明の第1の態様により、前記情報収集モジュールは、さらに、画像収集モジュール及び/又はオーディオ収集モジュールを含む。
【0011】
本発明の第1の態様により、前記医療機器は、さらに、診断モジュールを含み、
診断モジュールは、前記情報収集モジュールにより収集されたデータを受信し、前記データに基づいて診断結果及び/又は治療案を提供するように構成される。
【0012】
本発明の第1の態様により、前記診断モジュールは、トレーニングされた第1のアルゴリズムモデル及び/又は第2のアルゴリズムモデルを含み、
前記情報収集モジュールは、さらに、画像収集モジュールを含み、
前記第1のアルゴリズムモデルは、前記画像収集モジュールにより収集された患者の皮膚画像に従って、患者がチアノーゼを患っているかどうかを判断するように構成され、
前記第2のアルゴリズムモデルは、前記画像収集モジュールにより収集された患者の眼球画像に従って、患者の瞳孔が拡大されているかどうかを判断するように構成される。
【0013】
本発明の第1の態様により、前記情報収集モジュールは、さらに、医療機器の着用者の地理位置情報を収集するように構成される位置決定モジュールを含む。
【0014】
本発明の第1の態様により、前記情報出力モジュールは、画像出力モジュール及び/又はオーディオ出力モジュールを含む。
【0015】
本発明の第1の態様により、前記情報出力モジュールは、さらに、医療機器の着用者の人体に接触すると警告情報を送信するように構成される警告モジュールを含む。
【0016】
本発明の第1の態様により、前記医療機器は、さらに、光源を提供するように構成される照明モジュールを含む。
【0017】
本発明の第1の態様により、前記医療機器は、さらに、前記情報収集モジュールにより収集されたデータの位置を指示するように構成される視覚指示モジュールを含む。
【0018】
本発明の第1の態様により、前記リモートインタラクションモジュールは、さらに、事前設定された時間周期に従って外部の記憶モジュールにデータを伝送するように構成される。
【0019】
本発明の第1の態様により、前記医療機器は、眼鏡形態の機器であり、
前記眼鏡形態の機器は、眼鏡レンズ及び眼鏡脚を含み、
前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含み、前記距離測定モジュールは、少なくとも1つの電磁波距離測定装置を含み、前記少なくとも1つの電磁波距離測定装置は、前記眼鏡レンズの周囲位置に設けられ、及び/又は、
前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、前記眼鏡レンズの周囲位置にそれぞれ設けられた2つのカメラを含み、及び/又は、
前記情報収集モジュールは、オーディオ収集モジュールを含み、前記オーディオ収集モジュールは、前記眼鏡脚又は前記眼鏡レンズの周囲位置に設けられた少なくとも1つのピックアップカートリッジを含む。
【0020】
本発明の第1の態様により、前記情報出力モジュールは、画像出力モジュールを含み、前記画像出力モジュールは、ディスプレイを含み、医療機器から画像が出力される場合、前記ディスプレイが前記眼鏡レンズの位置に移動することができ、及び/又は、
前記情報出力モジュールは、オーディオ出力モジュールを含み、前記オーディオ出力モジュールは、前記眼鏡脚に設けられた少なくとも1つのスピーカーを含み、及び/又は、
前記情報出力モジュールは、警告モジュールを含み、前記警告モジュールは、前記眼鏡脚に設けられた少なくとも1つのバイブレーターを含む。
【0021】
本発明の第2の形態は、前記ヘッド着用の医療機器に応用される制御方法を提供し、前記制御方法は、
医療機器で患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を取得することと(S100)、
医療機器で患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を外部の無線伝送モジュールに送信することと(S200)、
医療機器で外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを受信し該データを表示し又は医療機器の着用者に送信することと(S300)を含む。
【0022】
本発明の第2の態様により、前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含み、前記距離測定モジュールは、少なくとも1つの電磁波距離測定装置を含み、
前記生体情報が患者の胸郭起伏データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
前記少なくとも1つの電磁波距離測定装置で1つの期間の各時刻の患者の胸郭の位置情報Hを取得することと、
各時刻の患者の胸郭の位置情報Hに従って該期間内の患者の胸郭起伏データを取得することとを含む。
【0023】
本発明の第2の態様により、前記距離測定モジュールは、第1の電磁波距離測定装置及び第2の電磁波距離測定装置を含み、
前記第1の電磁波距離測定装置及び前記第2の電磁波距離測定装置を介して該時刻の患者の胸郭の位置情報H1及びH2をそれぞれ取得し、
該時刻の患者の胸郭の位置情報Hは、H1とH2との平均値である。
【0024】
本発明の第2の態様により、1つの期間内の患者の胸郭起伏データを取得した後、前記制御方法は、さらに、
患者の胸郭起伏データに従って前後時刻の患者の胸郭の位置をそれぞれ取得することと、
前後時刻の患者の胸郭の位置の差が第1の閾値よりも大きいかどうかを判断することと、
第1の閾値よりも大きい場合、患者が自発呼吸状態にあると判断することと、
第1の閾値以下である場合、患者が心拍停止状態にあると判断することとを含む。
【0025】
本発明の第2の態様により、医療機器の着用者が患者に対してCPRを行う場合、前記制御方法は、さらに、
CPRを行う時の患者の胸郭起伏データを取得することと、
CPRを行う時の患者の胸郭起伏データに従って、CPR押圧深度、CPR押圧頻度、CPR押圧保持深度、CPR押圧中断期間及びCPR押圧合計期間のうちの少なくとも1つを取得することとを含む。
【0026】
本発明の第2の態様により、前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、少なくとも1つのカメラを含み、
前記生体情報が患者の胸郭起伏データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
1つの期間の各時刻の患者の胸郭画像情報を取得し、各時刻の患者の胸郭画像情報に従って該期間内の患者の胸郭起伏データを取得することを含む。
【0027】
本発明の第2の態様により、前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、少なくとも1つのカメラを含み、
前記生体情報は、さらに、瞳孔データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
患者の少なくとも1つの眼球画像情報を取得し、前記少なくとも1つの眼球画像情報に従って患者の瞳孔/眼球の比例を取得することを含む。
【0028】
本発明の第2の態様により、前記医療機器は、さらに、視覚指示モジュールを含み、前記視覚指示モジュールは、指示フレアスポットを発射し、前記制御方法は、さらに、
指示フレアスポットの画像情報を取得することと、
前記指示フレアスポットの画像情報及び少なくとも1つの眼球画像情報に従って瞳孔サイズ及び眼球サイズ、及び/又は瞳孔と眼球との比例を取得することとを含む。
【0029】
本発明の第2の態様により、前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、少なくとも1つのカメラを含み、
前記医療機器は、さらに、診断モジュールを含み、前記診断モジュールに各皮膚画像と各皮膚状態とのマッピング関係を含む皮膚状態データベースが含まれ、
前記生体情報は、皮膚状態データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
患者の少なくとも1つの皮膚画像情報を取得することと、
前記少なくとも1つの皮膚画像情報及び前記診断モジュールを介して患者の皮膚状態データを取得することとを含む。
【0030】
本発明の第2の態様により、前記情報収集モジュールは、さらに、医療機器の着用者の地理位置情報を収集するように構成される位置決定モジュールを含み、前記制御方法は、さらに、
外部の無線伝送モジュールに医療機器の着用者の地理位置情報を送信することを含む。
【発明の効果】
【0031】
本発明のヘッド着用の医療機器は、以下の利点を有する。
【0032】
1、リモートインタラクションモジュールは、救助現場とリモート120又は医療センターなどの間のインタラクション、現場データ共有、救助サポートを実現し、現場救助のための専門的な救助ガイダンスを提供し、救助者をより自信を持って救助する意欲を高め、SCDの救急時間を大幅に前倒し、SCD救急の成功率を向上させる。
【0033】
2、該医療機器は、着用者がCPRを実行しているときに同時に押圧フィードバックを実行し、CPRの押圧ガイダンスを着用者に提供できるため、救助者の押圧操作はガイドラインの要件を満たし、上記のリモート共有ガイダンスと組み合わせて、患者は最高の品質であるCPR治療を得ることができる。
【0034】
3、該医療機器は、患者の生理状態をリアルタイムで伝送し又はインテリジェントに識別し、例えば、患者の自発呼吸の有無、患者の瞳孔が拡大しているかどうか、患者の皮膚がチアノーゼを患っているかどうかの判断などであり、さらに、患者がSCDの重大な危険な段階に属しているかどうかを決定し、救助者とリモートエンドは患者の状態をできるだけ早く確認し、最適な救急案を決定できる。
【0035】
4、リモートインタラクションモジュールと位置決定モジュールを介して、患者の位置情報をすばやく取得でき、その後に無人航空機よるAED(Automated External Defibrillator)の配送や緊急車両や要員の派遣などのオブジェクトとリソースの配送に便利になり、患者の待ち時間が大幅に短縮され、蘇生の成功率を向上させる。
【0036】
5、医療機器のヘッド着用の構造により、救助者は該医療機器で患者の生理状態情報を取得するとともに、救助者の手を解放して救助者は現場の監視情報、リモートガイダンスからの命令を集中に取得できるため、CPR、呼吸、除細動等の治療操作を全力に実行でき、CPRの中断時間を大幅に短縮させる。
【0037】
6、現場のすべての情報を記録、リモート保存することで、救助者が心配している社会的要因や不完全な法的要因による事故紛争を回避し、救助者が安心して救助を行うことができ、救助を提供したい救助者を増加させる。
【0038】
7、現場の情報データをリモート記憶と保存し、これらのデータの分析と統計により、緊急時の操作の開発と最適化に役立つ完全な救助プロセスを取得できる。
【0039】
以上のように、本発明のヘッド着用の医療機器は、急性心拍停止(SCD)等の非常に突然で危険なシナリオなどの緊急シナリオで使用することができる。患者が地面に倒れると、救助者は本発明の医療機器を着用し、医療機器は、着用者を支援して、患者の生理状態をインテリジェントに識別し、インテリジェント取得し又は遠隔診断、ガイダンス、及び提示を行う。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以下の図面を参照して非限定的な実施例の詳細な説明を読むと、より明らかになるであろう。
【
図1】本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の構成のブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の構成の模式図である。
【
図3】
図2の実施例におけるヘッド着用の医療機器の側面図である。
【
図4】本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の構成の模式図である。
【
図5】本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の使用シナリオの模式図である。
【
図6】本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の他の使用シナリオの模式図である。
【
図7】本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器制御方法のフローチャートである。
【
図8】本発明の他の実施例におけるヘッド着用の医療機器の他の使用シナリオの模式図である。
【
図9】本発明の他の実施例における患者の胸郭起伏データの模式図である。
【
図10】本発明の他の実施例におけるヘッド着用の医療機器の使用シナリオの模式図である。
【
図11】本発明の他の実施例におけるヘッド着用の医療機器の使用シナリオの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に、例示的な実施例を、添付の図面を参照してより完全に説明する。しかしながら、例示的な実施例は、様々な形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は、本開示が完全かつ完全であり、例示的な実施例の概念を当業者に完全に伝えるように提供される。図面中の同じ参照番号は、同じ又は類似の構造を示しているため、それらの繰り返しの説明は省略されます。本明細書における「又は」及び「あるいは」は、すべて「及び」又は「又は」を意味する場合がある。本明細書では、「上」、「下」、「間」などの用語を使用して、本発明の様々な例示的な特徴及び要素を説明することができるが、これらの用語は、本明細書では、例えば、説明されている例の方向。本明細書のいかなるものも、構造の特定の三次元配向が本発明の範囲内に入る必要があると解釈されるべきではない。この仕様では、「第1」や「第2」などは特定の機能を表すために使用されますが、機能を表すため、及び特定の機能の数と重要性を制限するためにのみ使用される。
【0042】
救急シナリオでの救助効率と救助の成功率を向上させるために、本発明は、ヘッド着用の医療機器及び制御方法を提供し、該ヘッド着用の医療機器は、情報収集モジュールと、リモートインタラクションモジュールと、情報出力モジュールとを含み、情報収集モジュールは、患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を収集するように構成され、リモートインタラクションモジュールは、外部の無線伝送モジュールとインタラクションを行い、外部の無線伝送モジュールに前記情報収集モジュールにより収集されたデータを伝送し、外部の無線伝送モジュールにより医療機器に送信されたデータを受信するように構成され、情報出力モジュールは、外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを表示し又は医療機器の着用者に送信するように構成される。本発明のヘッド着用の医療機器は、急性心拍停止(SCD)等の非常に突然で危険なシナリオなどの救急シナリオで使用することができる。患者が地面に倒れると、救助者は本発明の医療機器を着用し、医療機器は、着用者を支援して、患者の生理状態をインテリジェントに識別し、インテリジェント取得し又は遠隔診断、ガイダンス、及び提示等を行う。
【0043】
以下、本発明のヘッド着用の医療機器及び制御方法は、添付の図面及び特定の実施例を参照して以下でさらに説明され、なお、各特定の実施例は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0044】
図1は本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の構成のブロック図であり、具体的に、該ヘッド着用の医療機器は、情報収集モジュールM10を含み、
情報収集モジュールM10は、患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を収集するように構成され、前記情報収集モジュールM10は、距離測定モジュールM110を含んでもよく、画像収集モジュールM120とオーディオ収集モジュールM130を含んでもよい。距離測定モジュールM110、画像収集モジュールM120及びオーディオ収集モジュールM130等により、情報収集モジュールM10が収集する前記生体情報は、患者の胸郭起伏データ、瞳孔データ及び皮膚状態データのうちの少なくとも1つを含む。医療機器の着用者が患者に対してCPRを行う場合、医療機器の着用者の操作情報を収集することができ、これらの操作情報は、医療機器の着用者のCPR押圧深度、CPR押圧頻度、CPR押圧保持深度、CPR押圧中断期間及びCPR押圧合計期間のうちの少なくとも1つを含むことができる。勿論、画像収集モジュールM120とオーディオ収集モジュールM130を介して、現場のオーディオ又はビデオ情報などを取得してもよい。
【0045】
いくつかの実施例では、情報収集モジュールM10は、医療機器の着用者の地理位置情報を取得するための位置決定モジュールM140を含み、位置決定モジュールM140で救助現場の位置を共有することで、リモートエンドが無人航空機によるAEDを現場に派遣するなど、物質の派遣を制御することができる。
【0046】
リモートインタラクションモジュールM20は、外部の無線伝送モジュールとインタラクションを行い、外部の無線伝送モジュールに前記情報収集モジュールにより収集されたデータを伝送し、外部の無線伝送モジュールにより医療機器に送信されたデータを受信するように構成され、リモートインタラクションモジュールM20は、医療機器により収集されたデータをリモートエンドとリアルタイムに共有し、医療機器により収集されたデータは、上記の患者の生体情報及び医療機器の着用者の操作情報に限定されなく、リモートエンドは、ある特定の医療センターであってもよく、ある特定の専門家などであってもよい。前記リモートインタラクションモジュールM20は、さらに、事前設定された時間周期に従って外部の記憶モジュールにデータを伝送するように構成され、上記の記憶モジュールのデータは、患者の生体情報及び医療機器の着用者の操作情報を含み、即ち、完全の救急プロセスの情報を含み、上記の情報の処理と分析は、救急時の操作手順をさらに改善及び標準化し、救急時の成功率を向上させるのに役立つ。勿論、リモートインタラクションモジュールM20の外部の無線伝送モジュールへの伝送は、患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報等に限定されなく、画像収集モジュールM120及びオーディオ収集モジュールM130により取得された現場の画像及びビデオ等の第1の救助現場に対する記録であってもよい。
【0047】
情報出力モジュールM30は、外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを表示し又は医療機器の着用者に送信するように構成される。前記情報出力モジュールM30は、画像出力モジュールM310及びオーディオ出力モジュールM320等を含む。情報出力モジュールM30からの出力は、リモートエンドのある特定の医療センター又はある特定の専門家の診断意見又は救急操作のガイダンスなどであってもよく、画像出力モジュールM310から出力された画像、文字及びビデオ等の情報であってもよく、オーディオ出力モジュールM320からの音声、又は両者の組合せであっても良い。いくつかの実施例では、前記情報出力モジュールは、さらに、警告モジュールM330を含み、警告モジュールM330は、医療機器の着用者の人体に接触すると警告情報を送信するように構成される。救急の環境を考慮すると、救助者は重要な指示や情報を見逃す可能性があり、さらに、振動やその他の形態で救助者に思い出させることができ、情報出力モジュールM30の出力情報は、視覚、聴覚、触覚の組み合わせであってもよい。
【0048】
いくつかの他の実施例では、前記医療機器は、医療機器の着用者が不十分な照明環境で動作するのを容易にするための光源を提供するための照明モジュールM50をさらに含むことができる。また、前記医療機器は、視覚指示モジュールM60を含み、視覚指示モジュールM60は、レーザー発射装置を含み得、それによって発射されたレーザービームは、前記情報収集モジュールによって収集されたデータの位置を示すために使用される。
【0049】
図2と
図3とは本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の正面の構成図及び側面図であり、この実施例では、前記医療機器1は、眼鏡形態の機器であり、前記眼鏡形態の機器は、眼鏡レンズ19及び眼鏡脚18を含む。前記情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、前記画像収集モジュールは、2つのカメラ111を含み、前記カメラ111は、前記眼鏡レンズ19の両側にそれぞれ設けられ、着用者の前方の画像又はビデオ情報を容易に撮り、例えば、現場の環境画像を収集し、患者の皮膚画像情報、眼球画像情報等を収集することができる。勿論、2つのカメラ111は、医療機器の眼鏡レンズの周囲の任意の位置、例えば、医療機器の眼鏡レンズの上方に設けられてもよい。
【0050】
この実施例では、前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含み、前記距離測定モジュールは、少なくとも1つの電磁波距離測定装置を含み、前記少なくとも1つの電磁波距離測定装置は、前記眼鏡レンズの上方に設けられ、例えば、
図2の112aと112bは、それぞれ電磁波距離測定装置の電磁波送信ユニット及び電磁波受信ユニットである。好ましくは、該電磁波送信ユニットは、ミリ波帯のレーダー装置であり、その帯は、周波数60GHZのミリ波である。他のいくつかの実施例では、2つの電磁波距離測定装置を含めることができ、特定の周波数の電磁波距離測定装置を112aの位置に設定し、別の周波数の電磁波距離測定装置を112bの位置に設定する。本発明の医療機器は、複数の電磁波距離測定装置を介して測定距離の精度を補正することができるため、医療機器に構成された距離測定モジュールの数及び位置は、ここでは限定されず、具体な医療機器の形状と実際の状況に応じて決定することができる。
【0051】
この実施例では、前記情報収集モジュールM10は、オーディオ収集モジュールM130を含み、前記オーディオ収集モジュールは、少なくとも1つのピックアップカートリッジ113を含み、前記少なくとも1つのピックアップカートリッジ113は、前記眼鏡脚に設けられている。
図3に示すように、眼鏡脚18の両側にピックアップカートリッジ113(マイク)をそれぞれ設けてもよく、現場環境の録音又は着用者の声の収集に使用され、勿論、少なくとも1つのピックアップカートリッジ113は、医療機器の眼鏡レンズの周囲の任意の位置に設けられることができる。
【0052】
この実施例では、前記情報出力モジュールM30は、画像出力モジュールM310を含み、前記画像出力モジュールは、ディスプレイを含み、この実施例では、眼鏡レンズ19は、透明なディスプレイであってもよく、即ち、医療機器の着用者は、眼鏡レンズを介して直接に観察することができ、また、眼鏡レンズ19が画像出力デバイスとしてもよく、医療機器に表示される必要がある情報を該眼鏡レンズ19の領域に表示し、情報の表示が着用者の透視観察に影響しない。さらに、眼鏡レンズ19は、様々な医療機器の着用者のニーズを満たすために、視力矯正機能を備えたカスタマイズされたレンズであっても良い。
【0053】
他のいくつかの実施例では、画像出力モジュールのディスプレイはまた、眼鏡形態の医療機器上に移動可能に配置することができる。
図4は、本発明の他の実施例におけるヘッド着用の医療機器の概略構造図であり、ここで、画像出力モジュールのディスプレイ311は、眼鏡脚18に回転可能に接続することができ、医療機器が画像を出力するとき、前記ディスプレイは、眼鏡レンズ19の位置に移動し、画像出力が必要でない場合、それは、操作者の視力に影響を及ぼさないように、眼鏡レンズ19の上部に移動することができる。
【0054】
図4の実施例では、ディスプレイ311が小さいため、表示された文字、画像、ビデオ等の情報が明確でないという問題がある可能性があり、他の実施例では、画像出力モジュールのディスプレイ311は、バーチャルリアリティ技術(Virtual Reality、VR)の表示装置であってもよく、このとき、出力される文字、画像、ビデオなどの情報は、VR表示装置によって拡大され、出力される文字、画像、ビデオなどの情報を拡大して医療機器の装着者の前の特定の位置に投影することに相当する。
【0055】
勿論、本発明の医療機器に構成された画像出力モジュールは、投影装置であってもよく、着用者は、表示される文字、画像、ビデオ等の情報を、投影装置を介してある位置に直接投影することができ、
図5に示されるように、医療機器1は、表示される文字、画像、ビデオなどの情報を視覚の前の地面S4に投影することができる。本発明は、出力される必要がある情報を表示できる限り、グラフィック表示モジュールの特定の形態を限定しない。
【0056】
この実施例では、前記情報出力モジュールM30は、オーディオ出力モジュールM320を含み、前記オーディオ出力モジュールM320は、少なくとも1つのスピーカーを含み、スピーカーは、前記眼鏡脚に配置される。
図3の実施例では、眼鏡脚18の端部は、スピーカー、イヤホンなどのようなスピーカー132を備え得ることができ、眼鏡脚18の端部は、着用者の耳の周りに適合する湾曲した弧であってもよく、着用者が医療機器を着用する特にスピーカー132が着用者の耳の近くにあり、該眼鏡脚18の湾曲した弧状の端部は、柔軟なシリコーンゴムなどのような柔軟で変形可能な材料で作ることができ、着用者は、着用する時に湾曲した弧状の端部の形状を調整することで、本発明の医療機器を医療機器の異なる着用者に適合させることができ、又は着用者がより快適に着用できる。オーディオ出力モジュールは、音声の形で注意する必要がある医療情報、警告情報などを着用者に出力できる。
【0057】
同時に、該医療機器の情報出力モジュールは、警告モジュールをさらに含むことができ、前記警告モジュールは、少なくとも1つのバイブレーターを含み、前記少なくとも1つのバイブレーターは、着用者と接触している前記眼鏡脚に配置される。救助者に注意を喚起する必要がある場合、該バイブレーターが振動を発生させ、リモートコマンドに従ってこの振動を発生し、又は、医療機器自体が発する警告情報であってもよい。
【0058】
通常、本発明のヘッド着用の医療機器が使用される場合、それは、照明が不十分な環境などの異なる環境にある可能性がある。いくつかの実施例では、ヘッド着用の医療機器は、照明モジュールをさらに備え、照明モジュールは、
図2に示されるLEDスポットライト16であってもよく、それが眼鏡レンズ19の上に配置され、又は、一周の照明LEDライトであってもよい。補助照明モジュールを備えた医療機器は、夜間の救急操作に非常に便利である。
【0059】
前記医療機器の視覚指示モジュールは、レーザー発射装置15であってもよく、それによって発射されたレーザービームは、情報収集モジュールによって収集されたデータを示すために使用され、2つの眼鏡レンズ19の中心軸上に配置され、レーザービームが患者の体に照射されると、赤又は緑のレーザービームのスポットなどの明らかなマーク(レーザービームスポット)が患者に表示され、それは、照明モジュールからの光源の位置の中心になり、収集される画像の位置を示すことができる。
【0060】
図6は本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の使用シナリオの模式図であり、救助者がヘッド着用の医療機器を着用すると、照明モジュールによって提供される光源の境界2a及び2bであり、視覚指示モジュールによって発射されるマーク点3aの発射経路3であり、胸外部押圧を実行する必要がある場合、該マーク点3aは、CPR救急を行う時に押圧する必要がある患者の位置である。救助者が移動すると、該ヘッド着用の医療機器も移動し、それに応じて照明領域、画像収集領域、及び距離測定モジュールによって監視される位置も変化するため、該視覚指示モジュールのマーカー点は、救助者がヘッド着用の医療機器を特定の目的の位置と方向に向けるように誘導できる。
【0061】
さらに、本発明の医療機器は、さらに、診断モジュールM40を含み、診断モジュールM40は、前記情報収集モジュールM10により収集されたデータを受信し前記データに基づいて診断結果及び/又は治療案を提供するように構成される。例えば、いくつかの実施例では、前記診断モジュールM40は、トレーニングされた第1のアルゴリズムモデル及び/又は第2のアルゴリズムモデルを含み、前記情報収集モジュールは、さらに、画像収集モジュールを含み、前記第1のアルゴリズムモデルは、前記画像収集モジュールにより収集された患者の皮膚画像に従って、患者がチアノーゼを患っているかどうかを判断するように構成され、前記第2のアルゴリズムモデルは、前記画像収集モジュールにより収集された患者の眼球画像に従って、患者の瞳孔が拡大されているかどうかを判断するように構成される。本発明の医療機器は、情報収集モジュールにより収集された患者の生体情報に従って患者の症状を識別することができ、例えば、患者が自発呼吸しているのか、心拍停止状態にあるのか、患者の瞳孔が拡大されているか、患者にチアノーゼが発生するかどうかを判断すると同時に、患者の症状に対応する救急対処を提供することができ、患者がSCDの重大な危険な段階に属していることが確認された場合、CPR救急を実行するための指示を救助者に送信し、さらに、画像出力モジュール及び/又はオーディオ出力モジュールにより救助者にCPR救急の特定の手順を出力する。上記の診断モジュールにより、医療機器でリモートエンドからの指示がない状況でも、救助者が救急案に関連するガイダンスと支援を得ることができる。
【0062】
本発明の医療機器は、患者情報を取得するとともに、操作者に救急時の操作案をフィードバックし、さらに、無人航空機によるAEDなどの外部リソースを配備することができ、SCDシナリオを除いて、意識的な失神、急性外傷、溺死、火災窒息、自動車事故等の救急状態において、本発明の医療機器は、リモートエンドの専門医療チームとのインタラクション医療サポートを容易かつ迅速に確立することができ、同時に、第1の救助現場の記録は、起こりうる医学的紛争の解決にも役立つ。
【0063】
なお、上記の各機能モジュールの構成位置は、ヘッド着用の医療機器のさまざまな形式に応じて調整できる。実施例のヘッド着用の医療機器の各機能モジュールの機能実装は、以下のヘッド着用の医療機器の制御方法の各ステップの特定の実装方法によって実現することができる。上記のモジュールの機能は、ヘッド着用の医療機器の制御方法を説明することにより、以下でさらに説明される。
【0064】
図7は本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の制御方法のフローチャートであり、該制御方法は、前記ヘッド着用の医療機器に応用され、
医療機器で患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を取得することと(S100)、
医療機器で患者の生体情報及び/又は医療機器の着用者の操作情報を外部の無線伝送モジュールに送信することと(S200)、
医療機器で外部の無線伝送モジュールにより送信されたデータを受信し該データを表示し又は医療機器の着用者に送信することと(S300)を含む。
【0065】
図8は本発明の一実施例におけるヘッド着用の医療機器の使用シナリオの模式図であり、この実施例では、医療機器1は、眼鏡形態であり、ここで、前記情報収集モジュールは、距離測定モジュールを含み、前記距離測定モジュールは、電磁波距離測定装置を含み、電磁波距離測定装置は、電磁波送信ユニット及び電磁波受信ユニットを含み、
図2に示すように、電磁波送信ユニット112aと電磁波受信ユニット112bとは、医療機器の眼鏡レンズの上方にそれぞれ設けられ、且つ2つの眼鏡レンズの中心軸に対して対称配置され、この時、電磁波送信ユニット112aにより発射された電磁波41が患者の体表に接触すると、患者の体表で電磁波42を反射し、電磁波受信ユニット112bが反射された電磁波42を受信し、電磁波送信ユニット112aを介して電磁波を反射し、電磁波受信ユニット112bを介して電磁波の時間差を受信し、電磁波送信ユニット及び電磁波受信ユニットの位置に基づいて患者の体表の反射点と医療機器との相対距離を計算する。この反射点が患者胸郭の胸骨中心である場合、異なる時刻の反射点と医療機器との相対距離を記録することで、胸郭の胸骨中心と医療機器との相対距離を取得し、即ち、1つの期間内の各時刻の患者の胸郭の位置情報Hを取得し、各時刻の患者の胸郭の位置情報Hに従って該期間内の患者の胸郭起伏データを取得する。勿論、電磁波送信ユニット112aと電磁波受信ユニット112bとは、医療機器の眼鏡レンズの周囲の任意の位置にそれぞれ設けられてもよく、例えば、医療機器の眼鏡レンズの両側にそれぞれ設けられる。
【0066】
患者の胸郭起伏データは、時間に従って変化される胸郭の位置情報の波形図であってもよく、1つの期間内の患者の胸郭起伏データを取得した後、前記制御方法は、さらに、以下のステップを含み、
S10において、患者の胸郭起伏データに従って前後時刻の患者の胸郭の位置をそれぞれ取得し、
S20において、前後時刻の患者の胸郭の位置の差が第1の閾値よりも大きいかどうかを判断し、
第1の閾値よりも大きい場合、S31、患者が自発呼吸状態にあると判定し、
第1の閾値以下である場合、S32、患者が心拍停止状態にあると判定する。ここの第1の閾値は、臨床的に得られた経験データであってもよい。
【0067】
なお、ここでの患者の胸郭起伏データは、救助者が救助前に取得した気絶した患者のデータであってもよく、又は、救助後の患者のデータであってもよい。心肺蘇生法の救急対処では、人工呼吸による患者胸郭起伏を監視し、人工呼吸が効果的であるか基準を満たしているかを判断できる。患者が自発呼吸状態などにあるかどうかを判断することにより、救助者が採用した救助案、さらなる救助が必要かどうかを判断し、又は、救助案の有効性を評価することができる。
【0068】
他のいくつかの実施例では、医療機器は、視覚指示モジュールを含み、例えば、視覚指示モジュールがレーザー発射装置を含むことを例とし、それにより発射されたレーザービーム(レーザースポット)は、物体を照射してレーザービームスポットを表示し、レーザー発射装置は、2つの眼鏡レンズ19の中心軸上に配置しても良い。このとき、そのレーザービームの経路は、基本的に救助者の視線方向と一致する。
【0069】
図8の電磁波距離測定装置を例とし、このとき、レーザービームは、CPR胸外部押圧を行う救助者の手の甲に照射し、胸外部押圧が進行すると、患者の胸郭が押圧されて沈下と解放回復の間で繰り返し、電磁波送信ユニット112aから発射される電磁波41の反射点は、レーザービームスポットと重なるように設定され、このとき、電磁波距離測定装置によって得られる反射点の位置情報は、救助者の手の甲の位置情報であり、つまり、患者が受動的に押されたとき胸郭の位置情報であり、
図9は本発明の他の実施例における患者の胸郭起伏データ図であり、ここで、医療機器の着用者が患者に対してCPRを行う場合、CPRを行う時の患者の胸郭起伏データを取得した後、CPRを行う時の患者の胸郭起伏データに従って、CPR押圧深度、CPR押圧頻度、CPR押圧保持深度、CPR押圧中断期間及びCPR押圧合計期間のうちの少なくとも1つを取得することができる。
【0070】
具体的には、医療機器の着用者が患者にCPR胸外部押圧を行う場合、各押圧周期において、患者の胸郭と医療機器は、距離が最大の位置と距離が最小の位置があり、両者の差はCPR押圧深度であり、
図9の波形図では、ピークと隣接するトラフに対応する位置情報の差であり、AHAガイドラインで推奨されているCPR押圧深度は、5~6cmである。実際の医療環境では、CPR押圧深度が変動する場合があり、
図9に示すように、救助者が押圧する時、患者の胸郭が必要な深さに達してなく、このとき、CPR押圧保持深度R(502)があり、もちろん、実際には胸郭が完全に回復していないか、押圧が完全に解放されていない状況がある(503)。同時に、胸外部押圧も中断することがあり(504)、つまり、患者の胸郭の位置は、特定の押圧周期を超える期間において何にも変化しない。501は、2回の押圧の開始点間の時間、つまり押圧周期を表し、その逆数は押圧頻度であり、AHAガイドラインでは、押圧頻度は100~120回/分、つまり、押圧周期は0.5~0.6秒である。実際の医療環境では、CPR押圧が完全に解除されず、CPR押圧が保持され、押圧の中断されることは、非常に一般的であり、本発明の医療機器におけるCPR操作時の患者の胸郭起伏データの図に従って、医学的臨床的意味で必要とされる胸外部押圧の4つのパラメータを取得することができ、同時に、救助者のCPR動作が標準化されているかどうかを監視し、医療機器の診断モジュール又はリモートエンドは、対応する提示又は改良案を提供でき、救助者はそれに応じて救助操作を改善できるため、救助の成功率を向上させる。
【0071】
他のいくつかの実施例では、前記距離測定モジュールは、複数の距離測定デバイスを含み、
図10に示すように、距離測定モジュールは、第1の電磁波距離測定装置と第2の電磁波距離測定装置を含み、第1の電磁波距離測定装置と第2の電磁波距離測定装置とは、発射する電磁波が平行するように設定し、前記第1の電磁波距離測定装置及び前記第2の電磁波距離測定装置を介して該時刻の患者の胸郭の位置情報H1及びH2をそれぞれ取得し、
該時刻の患者の胸郭の位置情報Hは、H1とH2との平均値である。
【0072】
平行に設定された2パスの電磁波(43と44)を介して距離測定し、2つのパスの平均値を取得して測定誤差を減らし、それによって患者の胸郭起伏データの精度を向上させることができる。
【0073】
CPR胸外部押圧の過程で、医療機器の装着者は、頭部の動きにより測定誤差を生じ、すなわち、医療機器自体の動きにより、医療機器と反射点との間の距離測定値が変化する。もちろん、距離測定モジュールの1つの電磁波距離測定装置の反射点は固定の物体であってもよく、その位置情報の変化は着用者のヘッド部の変位の変化を表すことができ、別の電磁波距離測定装置が患者の胸郭位置情報を表すために使用され、両者が重ね合わせた後に患者の胸郭起伏データを取得できる。
【0074】
他の実施例では、この問題を解決するために、上記の画像認識技術を導入することができ、すなわち、医療機器の情報収集モジュールは、画像収集モジュールを含み、同時に、医療機器は、ビームスポットを生成することができる視覚指示モジュールを構成し、視覚指示モジュールを例とし、そのレーザー発射装置のレーザービームは、物体に照射してレーザービームスポットを表示し、物理空間では、特定のレーザー発射装置の場合、それによって生成されるレーザービームスポットの面積S0は、レーザー発射装置とビームスポットの間の距離は一対一の対応関係であり、つまり、2つの間に既知の関数関係であり、この時、レーザービームスポットの面積S0は、レーザー発射装置とビームスポット間の距離Lから計算でき、逆でも同様である。
【0075】
上記の実施例では、患者の前記生体情報が瞳孔データを含む場合、前記医療機器が患者の少なくとも1つの眼球画像情報を取得し、
指示フレアスポットの画像情報を取得し、
前記指示フレアスポットの画像情報及び少なくとも1つの眼球画像情報に従って瞳孔サイズ及び眼球サイズ、及び/又は瞳孔と眼球との比例を取得する。
【0076】
具体的には、
図11に示すように、ある位置の指示フレアスポット画像を画像収集モジュールを介して取得することができ、同時に、レーザービームスポットと医療機器との間の距離を医療機器の距離測定モジュールを介して取得し、さらに、実際の物理空間のレーザービームスポットの面積S0を取得し、画像システムにおけるレーザービームスポットの面積と物理空間のレーザービームスポットの面積S0との間の対応する関係を画像認識技術によって確立される。画像システムにおける瞳孔の面積と眼球の面積は、画像認識技術を介して眼球画像から取得され、患者の瞳孔サイズと眼球サイズは、確立された画像システムと物理空間との対応関係を介して取得され、医学的に正常な人の瞳孔サイズは2~3cm、拡大された瞳孔サイズは3~5cmである。しかしながら、医療システムの診断モジュールが得られた患者の瞳孔サイズが医学的正常値よりも大きいと判断した場合、患者が瞳孔拡大の状態にあると判断することができる。もちろん、医学では、瞳孔/眼球の比例が第2の閾値より大きいかどうかを判断して、患者が瞳孔拡大の状態にあるかどうかを判断することもでき、同様に、ここでの第2の閾値は、臨床的に得られる経験データであってもよい。瞳孔/眼球の比例は、上記のスキームによって得られた瞳孔サイズ及び眼球サイズから計算することができ、画像認識技術を介して眼球画像から画像システムにおける瞳孔の面積及び眼球の面積を直接取得することによって、瞳孔/眼球の比例を決定することができる。
【0077】
この実施例では、前記生体情報が患者の胸郭起伏データを含む場合、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
1つの期間の各時刻の患者の胸郭画像情報を取得し、各時刻の患者の胸郭画像情報に従って該期間内の患者の胸郭起伏データを取得することを含む。具体的には、胸郭と医療機器の間の距離は、胸郭画像の特定の指標物の面積の変化を通じて推定することができる。理想的には、物理的空間における患者の座標は、医療機器の画像取得システム及び視覚指示モジュールを介して構築でき、環境内のいくつかの固定オブジェクトの距離によって医療機器の動作に起因する測定誤差又は他の測定誤差を消す。例えば、画像収集モジュールと画像認識技術により、固定物体の連続画像を取得し、固定物体(静的特徴)のピクセルブロックの変化により、ヘッド着用の医療機器の位置変化ΔHを分析し、該画像により分析されたヘッド着用の医療機器の位置変化ΔHは、距離測定モジュールによって取得された患者の胸郭位置情報を修正するために使用され、着用者のヘッド部の動きによって引き起こされる測定誤差を低減し、さらに、患者の胸郭起伏データと瞳孔データの生理学的特徴情報の精度をさらに向上させ、診断の精度を向上させる。
【0078】
医療機器に画像収集モジュールが配置された実施例では、前記医療機器は、さらに、診断モジュールを含み、前記診断モジュールに各皮膚画像と各皮膚状態とのマッピング関係を含む皮膚状態データベースが含まれ、
前記生体情報は、皮膚状態データを含み、前記医療機器で患者の生体情報を取得することは、
患者の少なくとも1つの皮膚画像情報を取得することと、
前記少なくとも1つの皮膚画像情報及び前記診断モジュールを介して患者の皮膚状態データを取得し、患者の皮膚状態データに基づいて患者がチアノーゼを患ってるかどうかを判定することとを含む。
【0079】
もちろん、前記情報収集モジュールは、位置決定モジュールを含んでもよく、医療機器の着用者の地理位置情報を収集するために、GPSナビゲーション位置決定モジュール又はBeidouナビゲーション位置決定モジュールを構成する。前記制御方法は、さらに、外部の無線伝送モジュールに医療機器の着用者の地理位置情報を送信することを含む。上記の手順により、リモートエンドは取得した位置情報に基づいて物質の発送とスケジューリングを制御でき、通常、無人航空機によるAEDが救助現場に派遣される場合、無人航空機によるAEDはターゲットとして医療機器を使用し、救助現場に正確に案内する。同様に、救急車や無人航空機による薬など、他のものも現場の情報を共有することができる。
【0080】
上記の内容は、特定の好ましい実施例と組み合わせた本発明のさらに詳細な説明であり、本発明の特定の実施がこれらの説明に限定されると考えることはできない。本発明の技術分野の通常の技術者にとって、本発明の概念から逸脱することなく、いくつかの単純な推論又は置換を行うことができ、これは、本発明の保護範囲に属すると見なされるべきである。