(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028604
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】はしごの道路標示
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240226BHJP
E01F 9/518 20160101ALI20240226BHJP
【FI】
G08G1/00 X
E01F9/518
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024008905
(22)【出願日】2024-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】522043747
【氏名又は名称】石黒 稜人
(72)【発明者】
【氏名】石黒 稜人
(57)【要約】
【課題】タグを埋め込む作業を必要としない自動運転車用ラインを提供する。
【解決手段】はしご型のラインに、バーコードといった様々な情報を付与する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦棒を2本有し、2本の縦棒を繋ぐ踏桟を有し、3段以上のはしごの規制標示(符号の説明ー説明0)であって、
前記はしごは、
横断歩道のように歩道と歩道を結ぶのではなく、交差点と交差点とを結ぶという特徴と、を有し、
前記縦棒は、
ペアとなる2本(符号の説明ー説明1)は平行であるという特徴と、
ペアとなる2本は一部が曲線または直線であるという特徴と、
0つ以上(符号の説明ー説明2)の分岐(符号の説明ー説明6)を有するという特徴と、を有し
前記踏桟は、
1つ以上の踏桟の幅(符号の説明ー説明3)が、他の踏桟の幅と10cm以上異なるという特徴か、
1つ以上の踏桟の間隔(符号の説明ー説明4)が、他の踏桟の間隔と10cm以上異なるという特徴か、
のどちらか1つの特徴と、
0つ以上の踏桟が切断されている(符号の説明ー説明5)という特徴と、
を有するはしごの規制標示
【請求項2】
前記はしごの規制標示は、
踏桟が1色の踏桟であるという特徴と、
前記縦棒または踏桟が、
1つ以上のバーコードといった、1次元または2次元のコードを有するという特徴と、
を有する請求項1に記載のはしごの規制標示
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転車が道路をライントレースするための規制標示であり、特に交差点を自動運転するための規制標示である。
【背景技術】
【0002】
下記7つの背景がある。
1.参考文献1から9に示すように従来の技術として、制限速度が周波数の変化で表されるはしごを、ライントレースする方式の自動運転車が考案されている。しかし、従来の技術では、道路にタグを埋める必要があり、道路に穴を空けるという工事が必要とされていた。
2.参考文献に記される自動バレーパーキングシステム(AVPS)は、車両が交差点で右に曲がる必要があり、事故の可能性が高い。
3.自動運転車の経路全てに磁気テープを貼るのは予算的な問題で現実的ではないため、塗料のラインをライントレースに用いる。その場合、車と道路の間には20センチ程度の隙間があり、一般的なフォトリフレクタでは数センチ以上離れると読み取りができなくなる。自動運転車が300km/hで走行する場合には、最低でも1kHz程度の周期でラインを読み取ってハンドルを動かす必要がある。
4.ラインが2つに分かれる場合、従来の発明には何も書かれていなかった。
5.分岐させる場合など、ちょっとした情報を車両に伝える方法が無かった。
6.自動車の下部に付けられたセンサ類を汚れから守りたいが、ワイパーよりも強い何かが無かった。
7.参考文献5のはしごの発明の範囲は踏桟が2色以上であった。そして範囲が若干不明瞭っぽい気がするため、審査請求しても特許にならないかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2022-195491
【特許文献2】特願2023-91455
【特許文献3】特願2023-130625
【特許文献4】特願2023-151777
【特許文献5】特願2023-208096
【特許文献6】意願2023-025713
【特許文献7】意願2023-025714
【特許文献8】意願2023-026595
【特許文献9】意願2018-12603
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
下記7つの問題がある。
1.道路に穴を空けるといった工事を必要としない方法で自動運転車を実現したい。また、今日の天気に応じた最高速度などの情報を車に伝えたい。
2.交差点で1回も右に曲がらずに高速道路とパーキングエリアを接続する方法が欲しい。
3.数センチ離れた場所にある塗料のラインを用いてライントレースしたい。
4.ラインが2つに分かれる場合にどうしたらいいか分からない。
5.ここから先に急カーブがあるといった、ちょっとした情報を車両に伝えたい。
6.センサに汚れが付着した場合などに掃除が大変である。
7.前回のはしごの発明が特許にならなかった時のために予備を出願したい。ついでに補足をしたい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
7つの問題に対して、それぞれ解決方法を示した上で、最後に2024年問題の解決に必要な技術をまとめる。
【0007】
1つ目の問題を解決する手段を示す。
はしごの端部にタグを埋めるのではなく、はしごの縦棒や踏桟に情報を持たせることで解決する。具体的には、はしごの端部の踏桟をバーコードといった、情報を多く保有する踏桟にすることが挙げられる。
デメリットとしては、道路標示シートで実現するのが現実的なため、道路標示シートの企業に印刷をお願いして、届くまでにタイムラグが発生する。タグの場合、埋めるのに時間はかかるが、その場で書き換えして終わりである。また、タグでない場合は、誰でも書き換えやすい状態となる点が注意ポイントである。塗料のバケツでインクを巻けば簡単に書き換えられる。書き換えやすさは、はしごと同じぐらいである。また、信号機との連携が取れなくなる。信号機は従来の画像処理で判別といった形になる。
メリットとしては、道路に穴を空ける工事が無くなることである。また、タグの情報が電磁パルスで消滅しない点である。また、書き換えられたかが目視や画像処理で確認し易い点である。
【0008】
2つ目の問題を解決する手段を示す。
図1に示すような配置で、高速の出入口とパーキングエリアを配置する。
前提条件として、自動運転車が走行する時は一番左の車線を走行するものとし、道路にははしごの道路標示が描かれているものとする。
高速を降りてパーキングエリアまで到達する順序を説明する。
高速出口1から出た場合、交差点5を左折して交差点3を左折することでパーキングエリアに侵入する。
高速出口2から出た場合、交差点6を左折して、交差点8を左折して、交差点7を左折して、交差点5を直進して、交差点3で左折する。
高速入口1から入る場合、右側のパーキングエリアから出て、交差点4を左折して、交差点6を左折して高速入口1から高速に入る。
高速入口2から入る場合、右側のパーキングエリアから出て、交差点4を左折して、交差点6を直進して、交差点8を左折して、交差点7を左折して、交差点5を左折して、高速入口2から高速に入る。
海外の右側通行の場合は左右反転すれば良い。
図1の配置の場合、右折せずとも、高速に4方向から乗ることができる。
【0009】
3つ目の問題を解決する手段を示す。
車の下部に取り付けたラインカメラでライントレースを行う。試験の場合は標準的な4096画素のラインカメラでも問題ないが、実際には256画素のカメラといったカメラでも問題ないと思われる。カメラの撮影口にゴミが付着した場合を考えて、カメラは数列にしておいた方がより安全である。
【0010】
4つ目の問題を解決する手段を示す。
ラインを2つに分ける場合は、
図3のように踏桟の無い部分で、縦棒2本を分岐させる。ライントレースの大会ではクロスした線があるが、本発明のはしごのラインはクロスすることが無いため、分岐させても問題ない。
【0011】
5つ目の問題を解決する手段を示す。
ライントレースの大会でも、急なカーブにはマークが記されている。はしごの縦棒の内側にバーコード等を追加することで、ちょっとした情報を車両に知らせる事ができる。ちょっとした情報とは、はしごがどちらに分岐するかどうか、パーキングスポットのタグ番号、といった情報である。
図3の四角の突起は、分かれ道の手前に、事前に分かれ道があることを知らせるコードや印である。例えば、右側に分岐する場合は右の縦棒にバーコードを付けても良い。自動バレーパーキングシステム(AVPS)を実現する一つの方法として、はしごの両側にバーコードでタグ番号を記すという手段がある。駐車場で交差点全てにタグを埋め込むのは費用の面で問題がある。そこで、例えば両側にバーコードで「1、1」とした場合は「右に分岐があります」、バーコードで「1、2」とした場合は「左に分岐があります」、2次元コードで「2、0000000000001」とした場合は「右に0000000000001番のパーキングスポットがあります」、2次元コードで「2、0000000000002」とした場合は「右に0000000000002番のパーキングスポットがあります」とすることで、スムーズに目的のパーキングスポットに行くことができる。
従来の発明に登場したタグBは段になったバーコードや2次元コードで問題ない。タグの番号という単一の情報を2次元コードなどで表すだけである。目的地に付いたかどうかはタグの番号で判断する。
【0012】
6つ目の問題を解決する手段を示す。
ワイパではセンサにワイパが映って画像処理の邪魔になる。また、ワイパを変えるのは大変である。そこでセンサに付着した汚れを落とすために、回転するガラスの円柱を用意する。中に入れられたラインカメラ等は動かさず、円柱だけ回転させることで汚れを落とすことができる。また、ラインカメラといった点や線のセンサの場合は、どうしても落ちない汚れが付着した場合でも、その部分以外のガラスである程度ライントレースができるため、外乱に対するロバスト性が高くなる。90度回転させた後に10度戻すといった方法を取った方が良いと思われる。従来は車両の上にセンサを付けるが、センサを車両の下に付けることで、雨や雪の影響を少なくすることができる。
【0013】
7つ目の問題を解決する手段を示す。
独立項で1色以上、従属項で1色と規定することで、参考文献5が特許となった場合は1色、ならなかった場合は1色以上とする。
【0014】
以上のことから、2024年問題を解決するのに必要な具体的な技術は、以下のとおりである。
ーーーーーーーーーー
1.信号を識別して、未知の交差点を左折する技術(人間は歩道橋で排除し、交差点までの道路と、交差点終了後の道路の開始点から、はしごが引かれているものとする)
2.前に車両がいる場合に適度な車間距離をあける技術
3.車両の下側に20cm程度距離をあけてラインカメラを搭載した車両でライントレースをする技術
4.バーコードやQRコードが付与されたはしごを道路に印刷する技術
5.前方のはしごの近くに障害物があった場合に停止または横に回避する技術(今までの道路の上に...みたいなふわふわした対象物ではない)
6.回転タイプのスプリンクラーをイメージした、水を回転散布する消雪パイプを作る技術(道路の雪をはしごが見えるぐらいまで溶かせられれば良い)
7.ガラスの円筒の中にカメラ等のセンサを入れて、ガラスの円筒だけ回転させて汚れを落とす、自動運転車のセンサ用ガラスを作る技術(既にありそう)
ーーーーーーーーーー
本発明は無くても実現はできるが、より効率と安全の両方を重視する場合には必要となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】自動バレーパーキングシステムの周囲環境の例
【
図4】曲がったはしごの踏桟の幅と踏桟の間隔について
【発明を実施するための形態】
【0016】
1つ目の問題を解決する手段の実施例を
図5に示す。
図5の左から6列目と7列目にバーコードやQRコード(登録商標)といった1次元コードか2次元コードを付与したはしごを示す。また、踏桟を
図5の一番下の行の一番右の形とするためには、参考文献9の意匠の利用許可を得る必要があると思われる。レーシングゲームのダッシュ板の形の踏桟のはしごを道路に描いた場合、1色にも関わらず、自動運転車の逆走防止が可能となる。また、2色以上のダッシュ板の形の踏桟とした場合、運転時に非常に視認性が良くなる。製作コストを考えると、
図5の一番上の行の形の踏桟が良い。少しコストを払ってロマンと美しさを求めるなら2色のダッシュ板の形の踏桟とした方が良い。
【0017】
中央に切れ目を入れる理由は、水はけとバイク対策である。はしごの標示の上をバイクが通ることで、少しだけガタガタとなるのを防ぐことができる。
また、2次元コード等は中央を避けることで、バイクによる掠れを防ぐことができる。また、どちらかが読み取れなくなった場合に自動で再印刷を要望するプログラムを組むこともできる。
【0018】
はしごを道路に印刷した後に、上から透明な塗料をかけても良いと思われる。
また、はしごの印刷を従来よりも分厚く印刷することで掠れによる不慮の事故を防ぐことができる。
【0019】
切れ目として、
図5の左から4列目は切れすぎだと思われる。理由としては、手動運転車のドライバーからの視認性が悪くなるからである。
【0020】
縦棒に平行な向きのバーコードを読み取る場合、車両の下側にライントレースするためのラインカメラとは90度回転させてラインカメラを取り付ける。
【0021】
高速道路を運転する長距離の運転手が不要となるだけで、高速道路近くの各物流拠点から物を配送する中距離のドライバーは、今まで以上に必要になると思われる。
【0022】
2つ目の問題を解決する手段の実施例を
図1に示す。未知の道路で路駐を100%上手く避ける手段が無い場合、その道路を駐車も停車も禁止にし、自動運転車に停車車両の通報機能を付与する。そして自動運転車以外が10秒間停車していた場合に問答無用でレッカーの手配をすれば、ほぼ100%安全にやりすごせる。自動運転車かどうか、背後から判別する方法は、自動運転車に尻尾でも付ければよい。(特願2023-91456)
【0023】
6つ目の問題を解決する手段の実施例を
図6に示す。固定台の入り口を大きくするために、ガラスは円錐形状の先端を切り落とした形状としても良い。理由としては、固定台が車の振動で揺れるためである。
CADが使えたらちゃんとした図を提出できるが、手書きの図で我慢して欲しい。
【符号の説明】
【0024】
(説明0)
「道路標示」ではなく「規制標示」とした理由は、横断歩道を請求項の範囲から除外するためである。
(説明1)
「ペアとなる2本」とは、踏桟で接続するはしごの左右の縦棒のペアである。「ペアとなる」と書いた理由は、
図3のように道路の分かれ目で縦棒が分岐した場合、ペアとなった縦棒同士しか平行ではなくなるからである。
(説明2)
「0つ以上」とは、一つもない、または、1つ以上あるということである。つまり、あっても無くても良いという意味である。書く理由としては、請求項の範囲を明確にし、発明が何なのか分かりやすくするためである。従属項ではない。
(説明3)
「踏桟の幅」とは、
図2のA、C、Eに示される幅である。例えばAとCの幅が10cm以上異なれば異なるという判定である。
曲がったはしごの踏桟の幅と間隔について
図4に示す。幅はaとcで、間隔がbである。
(説明4)
「踏桟の間隔」とは、
図2のB、Dに示される幅である。例えばBとDの幅が10cm以上異なれば異なるという判定である。10cmとした理由は、規制標示には立ち入り禁止部分や停止禁止部分といった、はしごに近い形の規制標示があるが、それと異なるものであると示すためである。
(説明5)
「踏桟が切断されている」の具体例とは
図5の左から2列目、3列目、4列目である。縦棒と縦棒を繋ぐ切断領域を持つ場合は段数が増えるものとする。