(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028617
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】廃プラスチックの解重合のためのプロセスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
C08J 11/10 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
C08J11/10 ZAB
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009278
(22)【出願日】2024-01-25
(62)【分割の表示】P 2022544292の分割
【原出願日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】62/964,948
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521117861
【氏名又は名称】プレミア プラスティックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マシュー クレイグ パロット
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ クリストファー ラフト
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド ビー. シューピン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディーン マティアス
(57)【要約】
【課題】廃プラスチックの解重合のためのプロセスおよびシステムの提供。
【解決手段】プラスチックを解重合するための連続フロープロセスおよびシステム。プラスチック粒子、溶媒、および触媒の不均質な混合物が、プラスチック粒子を懸濁させて保つのに十分に高い粒子速度を維持するためにちょうど十分に高い流量で、加熱ゾーンに連続的にポンプで送られる。加熱ゾーンで不均質な混合物の温度が上げられ、保持ゾーンで維持されて混合物の解重合を完了させ、液化した反応生成物を含む均質な溶液にする。均質な溶液を冷却して固化させ、固体の反応生成物を沈殿させる。固体の反応生成物は溶媒から分離され、再利用される。溶媒は再循環され、不均質な混合物の成分として再利用される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2020年1月23日に出願された米国仮出願第62/964,948号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
本発明は、一般に、樹脂、プラスチック、またはポリマーの解重合に関するものである。より詳細には、連続プロセスにおける廃プラスチックの解重合に関するものである。
【0003】
従来、プラスチックの解重合は、加熱ジャケットと撹拌機を通常備えた大型の反応容器で行われていた。解重合反応は、解重合が完了するまで容器に封じ込められる。解重合後、容器は空にされ、再充填される。各バッチは、解重合を促進するために加熱され、その後、新しいポリマーの実行可能な原料を生成するために冷却(cool)される。バッチ処理には、通常20分間から800分間かかる。連続運転は、ラウンドロビン方式で反応容器群を順次空にし、再充填することでシミュレートされる。充填、加熱、冷却、空にすることおよび繰り返すことを継続的に必要とすることはエネルギーを浪費し、パラレルバッチプロセスで実際に連続的に流れているように見せ続けるためには、追加の装置が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
プラスチックを解重合するための本発明の特徴を具現化するプロセスは、(a)溶媒中に固体プラスチック粒子を含む混合物を、プラスチック粒子が溶媒中に懸濁した状態を維持し、プラスチック粒子が凝集してラインを詰まらせないように十分に大きな粒子速度で加熱室内のラインを通して連続的に流すステップ;および(b)加熱室内のラインを通して熱伝達して混合物を反応温度に加熱して、溶媒中のプラスチック粒子の解重合を開始させ、液化した反応生成物を含む均質な溶液にするステップを含む。
【0005】
プラスチックの連続解重合のための本発明の特徴を具現化するシステムは、ポンプ流量で作動するポンプと、ポンプが溶媒中のプラスチックの粒子を含む不均質な混合物を粒子速度で連続的に供給するラインとを備える。加熱ゾーンは、ラインを流れる不均質な混合物の温度を少なくとも150℃の反応温度まで上昇させる。プラスチック粒子を含む不均質な混合物を、モノマー、ダイマー、オリゴマー、および/または反応副生成物を含む液化した反応生成物を含む均質な溶液に変換するのは、加熱ゾーンで開始される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、プラスチックを解重合するための本発明の特徴を具現化したシステムのブロック図である。
【0007】
【
図2】
図2は、
図1のシステムにおいて、解重合プロセスを受けるある体積のプラスチックの進行を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
プラスチックを解重合するためのシステムおよびプロセスを
図1および
図2に示す。このシステムおよびプロセスは、PET、変性PET、PETブレンド、PEN、PBT、PET-G、PLA、PGA、PLGA、PEF、コポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)、ポリウレタン、ならびに組み合わせおよびブレンドなどの様々なプラスチックと共に使用することができるが、これらに限定されるわけではない。プラスチックを以下のもの(ただし、これらに限定されない)に解重合する:(ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)、ジメチルテレフタレート(DMT)、テレフタル酸(TA)、(ビス(2-ヒドロキシエチル)ナフタレート(BHEN)、(ビス(2-ヒドロキシエチル)フラノエート(BHEF))、それぞれのオリゴマー、酸、ハーフエステル、混合エステルなど。さらに、テレフタル酸ジオクチル(DOTP)、テレフタル酸ジイソブチル(DITP)、テレフタル酸ジブチル(DBTP)、ビスフェノールA(BPA)、ラクテート、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタルアミド(BHETA)および他のテレフタルアミドなどの、化学的に有用な化合物を挙げることができる。
【0009】
フレーク、微粉、粒、微粒、グラノーラ、塊、チャンク、および/または粉末の形態の廃ポリエステル材料の固体プラスチック粒子を、混合機10で溶媒および触媒と混合して不均質な混合物12を生成する。混合機10は、プロペラ13、スターラー、もしくは他の撹拌機などの撹拌機、または再循環溶媒を使用して混合を行うことができる。あるいは、混合物は予め混合しておくことができる。溶媒の例は、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、グリコールエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、テトラメチルシクロブタンジオール(CBDM)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、アルコール類、エタノールアミン、イオン液体、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒および水であるが、それらに限定されない。好適な触媒の例としては、限定されないが、亜鉛塩、酢酸亜鉛;塩化亜鉛;チタン塩;マンガン塩;マグネシウム塩;水酸化ナトリウム;水酸化カリウム;1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(TBD);1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU);酢酸マグネシウム、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP);アミン;トリアルキルアミン;およびこれらの触媒の組み合わせが挙げられる。不均質な混合物12は、ポンプ14によって、チューブまたはパイプのような一連の接続されたラインを通して送られる。システムを通して混合物を前進させるために、撹拌機、オーガー、または押出機は必要ない。ポンプ14は、粒子を溶媒に懸濁させたまま、粒子が凝集してラインを詰まらせるのを防ぐのに十分に大きい粒子速度で、システムを通して混合物12を動かすのに十分に大きい流量で動作する。ポンプ14は停止することなく連続的に作動することにより、不均質な混合物をシステムを通して安定した速度で流し、プラスチックの液化製品への変換をバッチシステムのような時間の関数ではなく、システム内での位置の関数にすることができる。
【0010】
必要に応じた予熱用熱交換器(予熱器)16は、不均質な混合物12を予熱するために使用される。予熱器16は、火炎、蒸気、熱油、または循環する伝熱流体などの熱源によって、不均質な混合物12を加熱することができる。あるいは、解重合反応後の液化生成物を含む高温の均質な溶液を予熱器16で使用して、不均質な混合物に熱を伝達し、その過程で自身を冷却することができる。
【0011】
予熱された不均質な混合物12’は、下流の加熱室18に連続的に流入し、そこを通過してその中で解重合が開始される。加熱室18は、不均質な混合物の温度を少なくとも150℃の反応温度まで上昇させる反応器熱交換器として実現することができる。不均質な混合物は、反応用熱交換器18において、熱源20によって加熱される。熱源20は、いくつかの例として、マイクロ波放射、直火、電気加熱パイプ、誘導加熱パイプ、地熱、マグノンドラッグ熱電、またはオームで不均質な混合物を直接加熱してよい。あるいは、熱源20は、加熱室18の外部にある伝熱流体を直接加熱することによって、不均質な混合物を間接的に加熱してもよい。適切な伝達流体の例としては、熱油、熱流体、溶融塩、および蒸気が挙げられる。加熱された伝熱流体は、次に、加熱室18内の不均質な混合物を含むラインを通過するようにポンプで送られる。伝熱流体から不均質な混合物に熱が伝達され、解重合が開始される。加熱室18を流れる不均質な混合物は、伝熱流体によって直接接触されない。
【0012】
加熱室18の後の保持チューブ22は、プラスチックを含む不均質な混合物を液化生成物を含む均質な溶液24に変換するのを完了するために少なくとも1分間反応温度を維持する。保持チューブ22は、パイプまたはチューブの絶縁スプールまたはコイルによって、あるいはジャケット付きパイプまたは容器として実現することができる。あるいは、保持チューブは、独立したコンポーネントではなく、加熱室の一部であってもよい。反応は保持チューブ内で完了する。出てくる均質な溶液は、溶媒、使用済み触媒、および液化した反応生成物の形態の解重合プラスチックを含み、典型的にはモノマー、オリゴマー、および/または反応からのマイナーな副生成物(例えば、ハーフエステル、ハーフアミド、混合エステル、混合アミド)を含む。
【0013】
均質な溶液24は、それ自身を冷却し、流入する不均質な混合物12を予熱するために、必要に応じた予熱用熱交換器16を通して連続的にポンプで送られる。背圧レギュレータ26は、反応温度における溶媒の蒸気圧を上回るシステム圧力、例えば100psi~400psiを維持する。
【0014】
背圧レギュレータ26を流れた後、均質な溶液24は、必要に応じた冷却用(chilling)熱交換器(冷却装置)28を流れ、これは、冷えたリザーバー30から冷水または他の冷却用(cooling)伝熱流体を用いて、予熱器16が再生しなかったあらゆる余分な熱を
除去する。
【0015】
溶液が冷却された後、これは沈殿槽または晶析槽に注がれ、液化生成物が固体の反応生成物34として沈殿するまで冷却される。その後、溶媒をデカンテーションし、濾過し、遠心分離し、または蒸留して固体の反応生成物から取り除く。固体の反応生成物は、その後、残存する溶媒からさらに分離するためにフィルタープレスされてもよい。溶液24中の固体の反応生成物34を溶媒36から分離するための溶媒のデカンテーション、濾過、遠心分離または蒸留、次いでプレスは、
図1では分離器32で表されている。
【0016】
分離された溶媒36は、再使用のために再循環されてミキサー10に戻される。後続の不均質な混合物12に供給する溶媒から反応汚染物を除去するために、必要に応じた溶媒洗浄、精製または再生ステップが必要とされる場合がある。反応汚染物質は、微粒子、イオン塩、アニオン、カチオン、使用済み触媒、染料、接着剤、ブレンドからの成分、充填剤および/または分解された溶媒を含むことができる。汚染除去42は、分離された溶媒36を、フィルターに通すこと、ならびに/あるいは活性炭、イオン交換樹脂、珪藻土、砂、ゼオライト、粘土、シリカ、アルミナ、酸化物、サイズ排除および/または接線流濾過などの吸着剤の上で行うことによって生じてもよい。溶媒36の汚染除去42は、インラインまたはオフラインのプロセスであってよい。汚染除去42は、分離された溶媒ステップ36または均質な溶液ステップ24で生じてもよい。
【0017】
したがって、システムは、4つのゾーンを通して不均質な混合物12を移動させる。すなわち、Z1-混合物がポンプ14によってシステムに供給されるコールドエントリーゾーン、Z2-混合物が予熱器16で加熱される予熱ゾーン、Z3-混合物が加熱されてその温度を反応温度まで上げる加熱ゾーン、およびZ4-混合物が反応温度に維持されて不均質な混合物の均質な溶液24への変換を完了させる保持ゾーンである。均質な溶液24は、冷却装置28で、または予熱器16で流入する不均質な混合物12への熱の伝達によって、均質な溶液が冷却される冷却ゾーンZ5を通って移動される。ポンプ14は、粒子を懸濁させて保つのに十分大きい不均質な混合物の粒子速度を保証するシステムを通る連続的な流量を維持する。そのようにして、プラスチック粒子がライン内に沈降してシステムを詰まらせることはない。
【0018】
システムを通してポンプで送られるプラスチック粒子のサイズは様々であり得るが、通常、少なくとも1つの寸法で0.1μmから20,000μmの間である。粒子を懸濁させて維持するために、ポンプ14の流量は、システムを通して少なくとも20cm/sの粒子速度を保証するように設定される。20cm/sまたは30cm/sを超える粒子速度は、安全マージンを提供する。ポンプ流量は、所望の粒子速度と、混合物がポンプで送られるライン(パイプまたはチューブ)の断面積の積に等しく設定される。ポンプ14とレギュレータ26の間のラインにミキサーを設置すれば、より低い粒子速度も可能である。
【0019】
加熱ゾーンZ3では、加熱室18が温度を反応温度またはそれより高温に昇温させて解重合反応を開始させ、この解重合反応は保持ゾーンZ4で完了する。保持ゾーンZ4における保持チューブ22の長さLは、その断面積A、ポンプの流量Q、反応を完了させるために反応温度で必要な保持時間Tに依存し、すなわち、L=QT/Aである。保持時間は5分間~10分間、あるいは1分間~60分間の範囲とすることができる。ゾーン内を通るラインの直径は1cmから10cmであるが、100cm程度に大きくてもよい。ジャケット付き配管を使用する場合、ジャケットの直径は、混合物がポンプで送られる内管の直径の1.1倍から5.0倍までの範囲とすることができる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
プラスチックを解重合するための連続フロープロセスであって、前記プロセスは、以下:
(a)溶媒中の固体プラスチック粒子を含む混合物を、前記溶媒中のプラスチック粒子の懸濁を維持し、前記プラスチック粒子が凝集してラインを詰まらせるのを防ぐのに十分な粒子速度で加熱室内のラインを通して連続的に流すステップであって、前記固体プラスチック粒子が、変性PET、PETブレンド、PEN、PBT、PET-G、PLA、PGA、PLGA、PEF、コポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタンまたはこれらの任意の組み合わせからなる、ステップ、
(b)前記加熱室の前記ラインを通して熱を伝達し、前記混合物を反応温度に加熱して、前記溶媒中の前記プラスチック粒子の解重合を開始させ、液化した反応生成物を含む均質な溶液にするステップ
を含む、連続フロープロセス。
(項目2)
前記溶媒が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリコールエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、テトラメチルシクロブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、アルコール類、エタノールアミン、イオン液体、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、水またはこれらの組み合わせからなる項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目3)
前記液化した反応生成物は、モノマー、ダイマー、またはオリゴマーを含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目4)
前記液化した反応生成物が、(ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート、ジメチルテレフタレート、テレフタル酸、(ビス(2-ヒドロキシエチル)ナフタレート、(ビス(2-ヒドロキシエチル)フラノエート、それらのそれぞれのオリゴマー、酸、ハーフエステル、混合エステル、ジオクチルテレフタレート、ジイソブチルテレフタレート、ジブチルテレフタレート、ビスフェノールA、ラクテート、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタルアミド、他のテレフタルアミド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目5)
前記反応温度が少なくとも150℃である、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目6)
ステップ(b)が、前記混合物を前記反応温度で少なくとも1分間保持することをさらに含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目7)
ステップ(a)が、前記混合物を前記加熱室に流す前に、前記混合物を予熱用熱交換器で予熱することをさらに含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目8)
(c)前記均質な溶液が前記加熱室を出た後、前記均質な溶液を前記予熱用熱交換器内の通路に流し、前記均質な溶液が前記予熱用熱交換器内の前記混合物に熱を伝達するステップ
をさらに含む、項目7に記載の連続フロープロセス。
(項目9)
前記溶媒が蒸発することを防止するために、前記反応温度において前記溶媒の蒸気圧より高いシステム圧力を維持することをさらに含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目10)
ステップ(a)が、前記固体プラスチック粒子および前記溶媒を触媒と混合して前記混合物を形成することをさらに含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目11)
前記触媒が、亜鉛塩、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、チタン塩、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)n-ブトキシド、マンガン塩、マグネシウム塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、酢酸マグネシウム、4-ジメチルアミノピリジン、アミン、トリアルキルアミンまたはこれらの任意の組み合わせからなる、項目10に記載の連続フロープロセス。
(項目12)
(c)前記均質な溶液を冷却用熱交換器で50℃より低い温度に冷却するステップ
をさらに含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目13)
(d)前記冷却した均質な溶液を室温で約0.5時間から100時間の間の時間沈降させて、前記液化した反応生成物を固体の反応生成物に固化させるステップ
をさらに含む、項目12に記載の連続フロープロセス。
(項目14)
(e)デカンテーション、濾過、遠心分離、プレス、および蒸留のうちの1つまたはそれより多くによって、前記固体の反応生成物を前記溶媒から分離するステップ
をさらに含む、項目13に記載の連続フロープロセス。
(項目15)
(f)前記固体の反応生成物から分離した前記溶媒を前記プロセス内で再利用するステップ
をさらに含む、項目14に記載の連続フロープロセス。
(項目16)
(c)前記反応生成物から前記溶媒を分離するステップ;
(d)濾過、吸着剤、またはそれらの組み合わせによって、前記溶媒から汚染物質を除去するステップ;および
(e)再利用される溶媒に固体プラスチック粒子を混合して前記混合物を形成することにより、前記溶媒を前記プロセス内で再利用するステップ
をさらに含む、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目17)
前記吸着剤が、活性炭、イオン交換樹脂、珪藻土、砂、ゼオライト、粘土、シリカ、アルミナ、酸化物、またはそれらの任意の組み合わせからなる、項目16に記載の連続フロープロセス。
(項目18)
前記プラスチック粒子が、少なくとも1つの次元で0.1μm~20,000μmの間のサイズを有する、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目19)
前記固体プラスチック粒子が、フレーク、微粉、粒、微粒、グラノーラ、塊、チャンク、粉末、またはそれらの任意の組み合わせの形態である、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目20)
前記粒子速度が前記ラインを通して少なくとも30cm/sである、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目21)
ステップ(b)において、高温の伝熱流体をポンプで送って前記ラインに通過させることにより、前記混合物を前記加熱室の前記ライン内で間接的に加熱する、項目1に記載の連続フロープロセス。
(項目22)
プラスチックの連続解重合のためのシステムであって、
ある流量で動作するポンプ、
前記ポンプが、溶媒中の固体プラスチック粒子を含む不均質な混合物を粒子速度で連続的に供給するラインであって、前記固体プラスチック粒子が、変性PET、PETブレンド、PEN、PBT、PET-G、PLA、PGA、PLGA、PEF、コポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、またはこれらの任意の組み合わせからなる、ライン、および
前記ラインを流れる前記不均質な混合物の温度を少なくとも150℃の反応温度まで上げる加熱ゾーン
を含み、ここで、前記固体プラスチック粒子を含む前記不均質な混合物の、液化した反応生成物を含む均質な溶液への変換が、前記加熱ゾーンで開始される、システム。
(項目23)
保持チューブが、前記固体プラスチック粒子を含む前記不均質な混合物を前記液化した反応生成物を含む前記均質な溶液に完全に変換するために、前記流量で少なくとも1分間の保持時間の間前記反応温度を維持するために、前記加熱ゾーンから、前記加熱された不均質な混合物を受け取る、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記保持チューブが断熱パイプまたはチュービングである、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記保持チューブの長さは、前記不均質な混合物の、前記液化した反応生成物を含む前記均質な溶液への前記変換が完了することを確実にするのに十分に長い、項目24に記載のシステム。
(項目26)
前記保持チューブ内での前記保持時間が1分間~60分間の間である、項目25に記載のシステム。
(項目27)
前記保持チューブ内での前記保持時間が5分間~10分間の間である、項目25に記載のシステム。
(項目28)
撹拌機または再循環溶媒を使用して前記不均質な混合物を撹拌する、前記加熱ゾーンの上流にある混合機をさらに含む、項目22に記載のシステム。
(項目29)
前記不均質な混合物が、前記固体プラスチック粒子、前記溶媒、および触媒を含む、項目22に記載のシステム。
(項目30)
前記固体プラスチック粒子が、少なくとも1つの次元で0.1μm~20,000μmの間のサイズを有する、項目22に記載のシステム。
(項目31)
前記ポンプが、前記固体プラスチック粒子の前記粒子速度が30cm/sを超えるように前記流量を維持する、項目22に記載のシステム。
(項目32)
前記流量が、所望の粒子速度と前記ラインの断面積の積に等しく設定される、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記液化した反応生成物を含む前記均質な溶液で間接的に前記不均質な混合物を予熱し、前記加熱ゾーン内での前記不均質な混合物の保持時間を減少させ、前記均質な溶液を冷却する予熱用熱交換器をさらに含む、項目22に記載のシステム。
(項目34)
前記加熱ゾーン内に、前記不均質な混合物の温度を前記反応温度まで上昇させる反応器熱交換器をさらに含む、項目22に記載のシステム。
(項目35)
熱源が、前記反応器熱交換器中の前記不均質な混合物を過ぎて流れる伝熱流体を加熱して、前記不均質な混合物に熱を伝達するように構成されている、項目34に記載のシステム。
(項目36)
前記加熱ゾーンの下流に、システム圧力を前記反応温度において前記溶媒の前記蒸気圧より高く維持する背圧レギュレータをさらに含む、項目22に記載のシステム。
(項目37)
前記加熱ゾーンの下流に、冷却用熱交換器を含む冷却装置をさらに備え、前記熱交換器の一方の側の前記均質な溶液が、他方の側の冷たい液体によって間接的に冷却され、前記冷却装置が前記均質な溶液の温度を50℃未満に低下させる、項目22に記載のシステム。
(項目38)
沈殿槽または晶析槽を含む分離器をさらに含み、前記沈殿槽または晶析槽内で、前記均質な溶液中の前記液化した反応生成物が固体の反応生成物に固化して沈殿する、項目22に記載のシステム。
(項目39)
前記分離器が、デカンテーション、濾過、遠心分離、プレス、および蒸留のうちの1つまたはそれより多くによって、前記固体の反応生成物から前記溶媒を分離する、項目38に記載のシステム。
(項目40)
前記分離器の下流に汚染物質除去部をさらに備え、前記汚染物質除去部が前記溶媒から反応汚染物質を除去し、前記汚染物質除去部がフィルターまたは吸着剤を含む、項目38に記載のシステム。
(項目41)
前記フィルターがサイズ排除フィルターまたはタンジェンシャルフローフィルターを含む、項目40に記載のシステム。
(項目42)
前記吸着剤が、活性炭、イオン交換樹脂、珪藻土、砂、ゼオライト、粘土、シリカ、アルミナ、酸化物、またはそれらの任意の組み合わせからなる、項目40に記載のシステム。
(項目43)
前記加熱ゾーンの上流にある予熱器と、前記加熱ゾーンの後にある保持チューブをさらに含み;前記予熱器、前記加熱ゾーン、および前記保持チューブはそれぞれ熱交換器を含む、項目22に記載のシステム。
(項目44)
各熱交換器が、チューブインシェル、チューブスインシェル、コイルインシェル、チューブインチューブ、ジャケット付き配管、プラトゥラー、プレートアンドシェル、またはプレートアンドフレーム熱交換器である、項目43に記載のシステム。
(項目45)
前記加熱ゾーンの上流にある予熱器と、前記加熱ゾーンの後にある保持チューブとをさらに含み;前記予熱器、前記加熱ゾーン、および前記保持チューブが、内管の周りにジャケットを有する複数のジャケット付き配管を含み、前記ジャケット付き配管が接続されている、項目22に記載のシステム。
(項目46)
前記ジャケット付き配管における前記内管の内径が1cm~100cmの間であり、前記ジャケットの直径が前記内管の直径の1.1倍~5.0倍の間である、項目45に記載のシステム。
【外国語明細書】