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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028634
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】サーバ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240226BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009767
(22)【出願日】2024-01-25
(62)【分割の表示】P 2022117448の分割
【原出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二宮 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 尚樹
(57)【要約】
【課題】プロモーションの対象となる消費者の選定を多様な条件で行うことが可能なサーバ装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】タッチポイント装置を介して消費者が行う所定のアクションを検出する検出手段と、前記検出手段がアクションを検出した場合に、当該アクションを行った消費者の状況又は当該アクションが行われた位置周辺の状況を示す状況情報を取得する第1取得手段と、前記状況情報が所定の条件を満たす場合に、前記アクションを行った消費者に対しプロモーションを行うプロモーション手段と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチポイント装置を介して消費者が行う所定のアクションを検出する検出手段と、
前記検出手段がアクションを検出した場合に、当該アクションを行った消費者の状況又は当該アクションが行われた位置周辺の状況を示す状況情報を取得する第1取得手段と、
前記状況情報が所定の条件を満たす場合に、前記アクションを行った消費者に対しプロモーションを行うプロモーション手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
外部のサービスと連携し、前記第1取得手段が取得した状況情報から前記条件と比較可能な判定材料を導出する導出手段と、
前記導出手段が導出した前記判定材料が、前記条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を更に備え、
前記プロモーション手段は、前記条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、前記アクションを行った消費者に対しプロモーションを行う、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第1取得手段は、前記消費者を撮像した画像データを前記状況情報として取得し、
前記導出手段は、前記画像データから前記消費者に同行する同行者の人数又は同行者の属性を前記判定材料として導出する、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記第1取得手段は、前記アクションが行われた位置を示す位置情報を前記状況情報として取得し、
前記導出手段は、前記位置情報が示す位置周辺の天気を前記判定材料として導出する、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
プロモーション対象の商品又は前記アクションの対象となった商品を識別可能な商品識別情報を取得する第2取得手段を更に備え、
前記第1取得手段は、前記アクションが行われた店舗を識別可能な店舗識別情報を前記状況情報として取得し、
前記導出手段は、前記店舗識別情報と前記商品識別情報とから、前記店舗識別情報に対応する店舗で販売される前記商品識別情報に対応する商品の販売状況を前記判定材料として導出する、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項6】
サーバ装置のコンピュータを、
タッチポイント装置を介して消費者が行う所定のアクションを検出する検出手段と、
前記検出手段がアクションを検出した場合に、当該アクションを行った消費者の状況又は当該アクションが行われた位置周辺の状況を示す状況情報を取得する第1取得手段と、
前記状況情報が所定の条件を満たす場合に、前記アクションを行った消費者に対しプロモーションを行うプロモーション手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロモーションの提供者となる製造メーカや広告会社等では、様々なプロモーションを企画・実施することで商品等の販促を行っている。例えば、従来、消費者の明細データを蒐集・分析することで消費者を分類し、分類した消費者の明細データに基づきプロモーションを作成する技術が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来の技術では、明細データ等の店舗のPOSシステムで取得される情報に基づいたプロモーションとなる。そのため、従来の技術では、プロモーション対象となる消費者を柔軟に設定することができず、提供者が意図した条件でプロモーションを行うことができない可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、プロモーションの対象となる消費者の選定を多様な条件で行うことが可能なサーバ装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のサーバ装置は、タッチポイント装置を介して消費者が行う所定のアクションを検出する検出手段と、前記検出手段がアクションを検出した場合に、当該アクションを行った消費者の状況又は当該アクションが行われた位置周辺の状況を示す状況情報を取得する第1取得手段と、前記状況情報が所定の条件を満たす場合に、前記アクションを行った消費者に対しプロモーションを行うプロモーション手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係るプロモーションシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るプロモーションサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るプロモーションサーバの機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るプロモーション登録画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る第1リストの一例を模式的に示す図である。
図6図6は、実施形態に係る第2リストの一例を模式的に示す図である。
図7図7は、実施形態のプロモーションサーバが行う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、実施形態に係るプロモーションシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、プロモーションシステム1は、提供者装置10と、タッチポイント装置20と、サービス提供装置30と、プロモーションサーバ40とを有する。
【0009】
提供者装置10、タッチポイント装置20、及びサービス提供装置30は、インターネット等のネットワークNを介して、プロモーションサーバ40と通信可能に接続される。なお、ネットワークNに接続される提供者装置10、タッチポイント装置20、及びサービス提供装置30の台数は特に問わないものとする。
【0010】
提供者装置10は、プロモーションを企画する提供者によって操作される情報処理装置である。提供者は、例えば、商品を製造・販売する製造メーカ、広告等を制作する広告代理店、小売店等が挙げられる。提供者装置10は、提供者からの指示に応じて、プロモーションサーバ40にアクセスし、プロモーション内容やプロモーションの対象とする消費者の条件を設定したプロモーション情報をプロモーションサーバ40に登録する。
【0011】
タッチポイント装置20は、プロモーションシステム1と消費者との接点となる各種の装置又は当該装置を含むシステムを意味する。例えば、タッチポイント装置20は、消費者自身が所有するスマートフォンやパソコン、テレビ等の各種の情報機器であってもよい。
【0012】
また、タッチポイント装置20は、消費者が利用可能な施設に設けられる装置やシステムであってもよい。例えば、タッチポイント装置20は、店舗に設けられるPOS端末やPOSシステムであってもよい。また、タッチポイント装置20は、店舗への入退店を記録・管理するための装置やシステムであってもよい。また、タッチポイント装置20は、駐車場への入退場を記録・管理するための装置やシステムであってもよい。また、タッチポイント装置20は、店舗内や駐車場等に設けられる監視カメラや監視システム等であってもよい。
【0013】
また、他の例としては、タッチポイント装置20は、店舗や公共施設等、様々な場所に設けられるサイネージ端末、自動販売機等であってもよい。また、タッチポイント装置20は、駅に設けられる改札機や券売機等であってもよい。また、タッチポイント装置20は、消費者からの宅配依頼を受け付けるサーバ装置や、消費者への宅配状況を記録・管理するシステム等であってもよい。
【0014】
サービス提供装置30は、各種の情報サービスを提供するサーバ装置又は情報システムである。サービス提供装置30は、例えば、プロモーションシステム1を運営する企業によって運用されてもよいし、異なる企業によって運営されてもよい。
【0015】
サービス提供装置30は、プロモーションサーバ40からの要求に応じて、自己のサービス提供装置30が提供するサービスに対応した情報をプロモーションサーバ40に提供する。サービス提供装置30が提供する情報は特に問わないものとするが、後述する条件項目の判定に利用可能な情報を提供することが好ましい。
【0016】
例えば、サービス提供装置30は、天気に関する情報を提供する天気情報提供装置であってもよい。この場合、例えば、天気情報提供装置は、特定の地域を示す位置情報を含んだ要求を受け付けると、位置情報で指示された地域の現在の天気を回答情報として出力する。また、例えば、天気情報提供装置は、位置情報とともに、日時を指示した日時情報を含んだ要求を受け付けると、位置情報で指示された地域の、日時情報で指示された日時での天気を回答情報として出力する。
【0017】
また、サービス提供装置30は、静止画又は動画の画像データを分析し、当該画像データに含まれた人物の行動や状況等を分析する画像分析装置であってもよい。この場合、例えば、画像分析装置は、店舗内を撮像した画像データと、消費者及び同行者の属性を分析対象とする指示情報とを含んだ要求を受け付けると、画像データに含まれた消費者が一人客かグループ客か、子どもを連れているか等の消費者及び同行者の属性を分析する。そして、サービス提供装置30は、分析によって得られた消費者及び同行者の属性を回答情報として出力する。
【0018】
また、例えば、画像分析装置は、店舗内を撮像した画像データと、混雑状況を分析対象とする指示情報とを含んだ要求を受け付けると、画像データに含まれる人物(消費者)の人数や混雑状況を分析する。そして、サービス提供装置30は、分析によって得られた店舗内の人数や、混雑の程度を表す情報を回答情報として出力する。
【0019】
また、画像分析装置は、店舗内を撮像した画像データと、店舗内を回る特定の消費者の回遊行動を分析対象とする指示情報とを含んだ要求を受け付けると、画像データに含まれる特定の消費者の移動速度や移動経路、各位置での滞在時間等の回遊行動の傾向を分析する。そして、サービス提供装置30は、分析によって得られた消費者の回遊行動の傾向(例えば、急ぎ気味等)を回答情報として出力する。
【0020】
また、サービス提供装置30は、消費者が所持するスマートフォン等の携帯端末と連携することで、消費者が存在する位置を特定したり、移動経路を記録したりする位置情報提供装置であってもよい。この場合、位置情報提供装置は、例えば消費者を特定可能な情報(以下、ユーザIDともいう)を含んだ要求を受け付けると、該当する消費者の現在位置や移動経路を示す情報を回答情報として出力する。
【0021】
また、サービス提供装置30は、各店舗で販売される商品の在庫数や、賞味期限、セール時期、陳列状況等を統括して管理する商品管理装置であってもよい。この場合、商品管理装置は、例えば、店舗を識別可能な店舗識別情報(以下、店舗IDともいう)と、商品を識別可能な商品識別情報(以下、商品IDともいう)とを含んだ要求を受け付けると、店舗IDに対応する店舗での商品IDに対応する商品の在庫数等を含んだ販売状況を回答情報として出力する。
【0022】
なお、サービス提供装置30が提供する情報サービスの実現方法は特に問わず、公知の技術を用いることが可能である。また、画像データの分析方法についても特に問わず、店舗内での消費者の行動を学習した学習済モデルを用いる等、公知の技術を用いることが可能である。
【0023】
プロモーションサーバ40は、本実施形態のデータ処理装置の一例である。プロモーションサーバ40は、提供者装置10が登録したプロモーション情報の設定内容に基づき、対象となる消費者に対しプロモーションを行う。
【0024】
なお、本実施形態では、プロモーションサーバ40が単体のサーバ装置によって実現される例を説明するが、これに限らず、例えばクラウド・コンピューティング等の技術により、複数台のサーバ装置によって実現されてもよい。
【0025】
以下、プロモーションサーバ40の構成について説明する。まず、図2を参照して、プロモーションサーバ40のハードウェア構成について説明する。ここで、図2は、プロモーションサーバ40のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、プロモーションサーバ40は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、及びRAM(Random Access Memory)43等のコンピュータ構成を備える。
【0027】
CPU41は、プロセッサの一例であり、プロモーションサーバ40の各部を統括的に制御する。ROM42は、各種プログラムを記憶する。RAM43は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0028】
また、プロモーションサーバ40は、記憶部44と、表示部45と、操作部46と、通信部47とを備える。
【0029】
記憶部44は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部44は、CPU41が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部44は、後述するプロモーション登録画面の表示に係る第1リストLSa(図5参照)や第2リストLSb(図6参照)等を記憶する。また、記憶部44は、提供者装置10によって登録されるプロモーション情報を記憶するための領域を有する。
【0030】
表示部45は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスで構成される。表示部45は、CPU41の制御の下、各種の情報を表示する。操作部46は、キーボード、ポインティングデバイス等を有する。操作部46は、操作者から受け付けた操作内容をCPU41に出力する。なお、操作部46は、表示部45の表示画面に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0031】
通信部47は、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースである。通信部47は、ネットワークNを介して提供者装置10、タッチポイント装置20及びサービス提供装置30等の外部装置と通信を行う。
【0032】
次に、図3を参照して、プロモーションサーバ40の機能構成について説明する。図3は、プロモーションサーバ40の機能構成の一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、プロモーションサーバ40は、登録支援部401と、アクション検出部402と、情報取得部403と、条件判定部404と、プロモーション実施部405とを機能構成として備える。
【0034】
プロモーションサーバ40が備える機能構成の一部又は全ては、プロモーションサーバ40のプロセッサ(例えばCPU41)とメモリ(例えばROM42、記憶部44)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、プロモーションサーバ40が備える機能構成の一部又は全ては、プロモーションサーバ40に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0035】
登録支援部401は、プロモーション情報の作成及び登録を支援する。具体的には、登録支援部401は、提供者装置10に対し、プロモーション情報の作成を支援するための画面(以下、プロモーション登録画面ともいう)を提供する。例えば、登録支援部401は、提供者装置10からアクセスを受け付けると、図4に示すプロモーション登録画面を表示するための情報を、アクセス元の提供者装置10に送信する。
【0036】
図4は、登録支援部401が提供するプロモーション登録画面の一例を示す図である。図4に示すように、プロモーション登録画面SCは、プロモーション名称、プロモーション種別、対象商品を入力するための入力欄IFa~IFcを有する。
【0037】
入力欄IFaは、プロモーション名称を入力するための領域である。入力欄IFaには、プロモーションを識別するための名称となる任意の文字列を入力することが可能となっている。
【0038】
入力欄IFbは、実施するプロモーションの種別を入力するための領域である。入力欄IFbには、予め設定された複数のプロモーションの種別の中から、一の種別を選択的に入力することが可能となっている。図4では、入力欄IFbをプルダウンメニュー形式とした例を示しており、操作子OPaを操作することで、ドロップダウンリストに予め登録された複数のプロモーションの種別の中から、一の種別を選択的に入力することが可能となっている。
【0039】
入力可能なプロモーションの種別は特に問わないものとする。例えば、プロモーションの種別は、図4に示した値引クーポンの発行の他、割引クーポンの発行、サービスポイントの付与、ノベルティの付与等の販売促進に係る種別を入力することができる。また、プロモーションの種別は、コマーシャルの提供(放送、配信)、SNSへの投稿等、パブリックリレーションズに関する種別であってもよい。
【0040】
入力欄IFcは、プロモーションの対象となる商品の商品名等を入力するための領域である。入力欄IFcには、予め設定された複数の商品の中から、一の商品を選択的に入力することが可能となっている。図4では、入力欄IFcをプルダウンメニュー形式とした例を示しており、操作子OPbを操作することで、ドロップダウンリストに予め登録された複数の商品の商品名の中から、一の商品の商品名を選択的に入力することが可能となっている。
【0041】
また、プロモーション登録画面SCは、プロモーションの対象となる消費者を指定する条件を入力するための入力欄IFd~IFgを有する。入力欄IFdは、消費者が行うアクションを入力ための領域である。入力欄IFdには、予め設定された複数のアクションの中から、一のアクションを選択的に入力することが可能となっている。図4では、入力欄IFdをプルダウンメニュー形式とした例を示しており、操作子OPcを操作することで、ドロップダウンリストである第1リストLSaに予め登録された複数のアクションの中から、一のアクションを選択的に入力することが可能となっている。
【0042】
図5は、第1リストLSaの一例を模式的に示す図である。第1リストLSaは、タッチポイントと、アクションとの項目を有する。タッチポイントには、タッチポイント装置20の種別を示す情報が格納される。図5では、タッチポイントとして「スマートフォン」、「店舗」、「サイネージ」、「改札」、「テレビ」、及び「宅配」が格納された例を示している。また、アクションには、タッチポイントの種別に対応した消費者のアクションを示す情報が格納される。
【0043】
例えば、タッチポイントが「スマートフォン」の場合、スマートフォンで検出可能な消費者のアクションが格納される。例えば、アプリ(アプリケーション)の起動や、ユーザ登録、商品検索、商品スキャン、決済等が格納される。ここで、ユーザ登録、商品検索、商品スキャン及び決済は、起動されるアプリが、店舗において商品のスキャン及び決済を消費者自らが行うためのアプリ(以下、POSアプリともいう)である場合のアクション例である。
【0044】
POSアプリを使用する場合、消費者は初回の使用時に自らのユーザID等を登録する。ユーザIDの登録後、消費者は、POSアプリを介して、利用する店舗で販売される商品を検索したり、指定した商品に関する情報を閲覧したりすることができる。また、消費者は、スマートフォンが備えるカメラを用いて、商品に付されたバーコード等のコードシンボルをスキャンすることで、当該商品の商品IDをスマートフォン等に登録することができる。そして、消費者は、決済操作を行うことで、それまでに登録された商品の決済を行うことができる。スマートフォンは、これらのアクションを検出する。
【0045】
また、例えば、タッチポイントが「店舗」の場合、店舗内に設けられる各種の装置又はシステムで検出可能な消費者のアクションが格納される。例えば、入店、駐車場入場、店内回遊、レジ待ち、退店等のアクションが格納される。なお、アクションの検出方法は特に問わず、公知の技術を用いることができる。
【0046】
また、タッチポイントが「サイネージ」の場合、サイネージ端末で検出可能な消費者のアクションが格納される。例えば、通過、視聴、サイネージ端末に対する操作等のアクションが格納される。なお、アクションの検出方法については、公知の技術を用いることができる。例えば、サイネージ端末に設けられるカメラや、デジタイザ、タッチパネル等を介して、消費者のアクションを検出することができる。
【0047】
また、例えば、タッチポイントが「改札」の場合、改札機で検出可能な消費者のアクションが格納される。一例としては通過等のアクションが格納される。この場合、改札機は、消費者が所持するICカード型の乗車券からユーザID等の情報を読み取ったことを、通過のアクションとして検出してもよい。
【0048】
また、例えば、タッチポイントの「テレビ」の場合、テレビを介して検出可能な消費者のアクションが格納される。例えば、電源オン、視聴等のアクションが格納される。また、例えば、タッチポイントが「宅配」の場合、宅配サービスを介して検出可能な消費者のアクションが格納される。例えば、申込、配送、受取等のアクションが格納される。なお、アクションの検出方法は特に問わないものとする。
【0049】
登録支援部401は、第1リストLSaに登録された複数のアクションを読み出し、当該アクションの中から一のアクションを選択することが可能なプルダウンメニューを入力欄IFdに表示する。プロモーション登録画面SCの操作者は、入力欄IFdのプルダウンメニューを操作することで、一のアクションを入力欄IFdに入力することができる。図4では、アクション「入店」が入力欄IFdに入力された例を示している。
【0050】
入力欄IFe~IFgは、アクションの検出時に、あわせて判定を行う条件を入力するための領域である。入力欄IFe~IFgの各々には、予め設定された複数の条件項目の中から、一の条件項目を選択的に入力することが可能となっている。図4では、入力欄IFe~IFgをプルダウンメニュー形式とした例を示している。操作者は、操作子OPd~OPfを操作することで、ドロップダウンリストである第2リストLSbに予め登録された複数の条件項目の中から、一の条件項目を選択的に入力することが可能となっている。
【0051】
図6は、第2リストLSbの一例を模式的に示す図である。第2リストLSbは、条件分類と、条件項目とを有する。条件分類には、条件の分類を表す情報が格納される。図6では、条件分類として「ターゲット状況」、「商品状況」、「店舗状況」が格納された例を示している。また、条件項目には、条件分類に対応した各種の条件を示す情報が格納される。
【0052】
例えば、条件分類が「ターゲット状況」の場合、条件項目として「一人客」、「子連れ」、「グループ客」、「急ぎ(回遊時間が短い)」、「車で来店」等の、消費者に関する条件が格納される。
【0053】
また、条件分類が「商品状況」の場合、条件項目として「在庫過多」、「品薄」、「セール時」、「賞味期限近い」、「陳列直後」等の、商品の販売状況等に関する条件が格納される。なお、条件の判定対象となる商品は、入力欄IFcに入力された商品であるとするが、これに限らず、他の商品を判定対象としてもよい。例えば、本条件分類をアクション「商品スキャン」と組み合わせて用いる場合、商品スキャンによって読み取られた商品を条件の判定対象としてもよい。
【0054】
また、条件分類が「店舗状況」の場合、条件項目として「来店客多」、「来店客少」、「朝方」、「昼間」、「夕方」、「夜間」、「雨」等の、店舗内外の状況に関する条件が格納される。なお、この場合、条件の判定対象となる店舗は、「入店」のアクションが検出された店舗とすることが好ましい。
【0055】
登録支援部401は、第2リストLSbに登録された条件項目を読み出し、当該条件項目の中から一の条件項目を選択することが可能なプルダウンメニューを入力欄IFe~IFgに表示する。プロモーション登録画面SCの操作者は、入力欄IFe~IFgの何れかのプルダウンメニューを操作することで、一のアクションを該当する入力欄に入力する。図4では、入力欄IFeに「子連れ」、入力欄IFfに「在庫過多」、入力欄IFgに「雨」が入力された例を示している。
【0056】
なお、図4では、条件項目の入力欄を3つ設けた例を示しているが、入力欄の個数はこれに限らないものとする。例えば、条件項目の入力欄を一つ表示しておき、別途設けた追加ボタン又は削除ボタンの操作により条件項目の入力欄を増減可能な構成としてもよい。また、表示された条件項目の入力欄の全てに条件項目を入力する必要はなく、ターゲットとする消費者の条件に応じて、入力する条件項目の個数は調整することが可能であるとする。
【0057】
登録支援部401は、プロモーション登録画面SCの入力が完了した指示を提供者装置10から受け付けると、プロモーション登録画面SCに入力された各種の情報をプロモーション情報として記憶部44に登録する。例えば、登録支援部401は、提供者装置10を識別する提供者IDと、当該提供者装置10に係るプロモーション情報とを関連付けて記憶部44に記憶する。
【0058】
アクション検出部402は、検出手段の一例である。アクション検出部402は、タッチポイント装置20を介して消費者のアクションを検出する。具体的には、アクション検出部402は、タッチポイント装置20で検出される消費者のアクションの中から、プロモーション情報に設定されたアクションを検出する。なお、アクション検出部402は、第1リストLSaに記憶された、タッチポイント装置20の種別とアクションとの組に基づき、プロモーション情報に設定されたアクションが行われる可能性のあるタッチポイント装置20を絞り込んでもよい。
【0059】
情報取得部403は、第1取得手段、導出手段、及び第2取得手段の一例である。情報取得部403は、アクション検出部402がアクションを検出した場合に、当該アクションを行った消費者の状況又は当該アクションが行われた位置周辺の状況を示した状況情報を取得する。
【0060】
また、情報取得部403は、サービス提供装置30と連携し、取得した状況情報からプロモーション情報に設定された条件項目と比較可能な判定材料となる情報を導出する。具体的には、情報取得部403は、状況情報と当該状況情報に対する処理内容とを含んだ要求をサービス提供装置30に送信する。そして、情報取得部403は、サービス提供装置30から送信された回答情報を判定材料として取得する。
【0061】
ここで、図4のプロモーション登録画面に対応するプロモーション情報を例に、情報取得部403の動作について説明する。まず、情報取得部403は、条件項目「子連れ」について、「入店」アクションが検出された店舗の、検出時点での検出位置を撮像した画像データを状況情報として取得する。次いで、情報取得部403は、取得した画像データと消費者及び同行者の属性を分析対象とする情報とを含んだ要求を、画像分析サービスを提供するサービス提供装置30に送信する。そして、情報取得部403は、サービス提供装置30から消費者及び同行者の属性を示した回答情報を取得する。
【0062】
また、情報取得部403は、条件項目「在庫過多」について、「入店」アクションが検出された店舗の店舗IDを状況情報として取得する。更に、情報取得部403は、対象商品に設定された「商品A」の商品IDを取得する。次いで、情報取得部403は、取得した店舗ID及び商品IDを含んだ要求を、在庫管理サービスを提供するサービス提供装置30に送信する。そして、情報取得部403は、店舗IDに対応する店舗で販売される商品IDに対応する「商品A」の在庫状況等の販売状況を示した回答情報をサービス提供装置30から取得する。
【0063】
また、情報取得部403は、条件項目「雨」について、「入店」アクションが検出された店舗が存在する位置を示す位置情報を状況情報として取得する。次いで、情報取得部403は、取得した位置情報を含んだ要求を、気象情報サービスを提供するサービス提供装置30に送信する。そして、情報取得部403は、サービス提供装置30から店舗周辺の天気を示した回答情報を取得する。ここで、情報取得部403は、アクションが検出された日時を示す日時情報をあわせて取得し、位置情報とともにサービス提供装置30に送信してもよい。
【0064】
なお、状況情報の取得先となる装置又はシステムは特に問わず、取得する状況情報の特性に応じて取得先を切り替えることが好ましい。例えば、情報取得部403は、状況情報の取得を、アクションが検出されたタッチポイント装置20から行ってもよいし、アクションが検出された位置に設けられた他のタッチポイント装置20(例えば、監視システム等)から行ってもよい。
【0065】
条件判定部404は、判定手段の一例である。条件判定部404は、プロモーション情報に設定された条件項目と、情報取得部403が取得(導出)した判定材料とに基づき、判定材料が条件項目の条件を満たすか否かを判定する。
【0066】
例えば、図4のプロモーション登録画面に対応するプロモーション情報の場合、条件判定部404は、条件項目「子連れ」と、サービス提供装置30から取得した消費者の属性とを比較し、消費者の属性が「子連れ」を示すものである場合、条件を満たすと判定する。また、例えば、条件判定部404は、条件項目「在庫過多」と、サービス提供装置30から取得した商品の在庫数とを比較し、在庫数が予め定められた閾値を上回る場合、条件を満たすと判定する。また、例えば、条件判定部404は、条件項目「雨」と、サービス提供装置30から取得した天気とを比較し、当該天気が「雨」を示すものである場合、条件を満たすと判定する。
【0067】
プロモーション実施部405は、プロモーション手段の一例である。プロモーション実施部405は、情報取得部403が取得した状況情報がプロモーション情報に設定された条件項目の条件を満たす場合に、アクションを行った消費者に対し、プロモーション情報に設定されたプロモーションを行う。
【0068】
具体的には、プロモーション実施部405は、プロモーション情報に設定された全ての条件項目を満たすと条件判定部404が判定した場合に、プロモーション情報に設定されたプロモーション種別で対象商品のプロモーションを、アクションを行った消費者、つまりプロモーション対象の消費者に実施する。
【0069】
例えば、図4のプロモーション登録画面に対応するプロモーション情報の場合、プロモーション実施部405は、条件判定部404が成立条件1~3の条件項目の全てを満たすと判定すると、「商品A」についての値引クーポンを、アクションを行った消費者に発行する。
【0070】
なお、プロモーション実施部405は、アクションが検出されたタッチポイント装置20に、値引クーポンを送信する等のプロモーションを行うものとするが、これに限定されるものではない。例えば、タッチポイント装置20を介してユーザIDを取得可能な構成の場合には、ユーザIDに関連付けられた装置宛にプロモーションを行ってもよい。
【0071】
この場合、プロモーションサーバ40は、各消費者のユーザIDに関連付けて、電子メールアドレス等の連絡先を登録した連絡先リストを予め記憶してもよい。この場合、プロモーション実施部405は、タッチポイント装置20を介して取得したユーザIDに基づき、当該ユーザIDに関連付けられた連絡先の装置に、値引クーポンを送信する等のプロモーションを行うことができる。
【0072】
以下、図7を参照して、プロモーションサーバ40が行う処理の一例について説明する。ここで、図7は、プロモーションサーバ40が行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、図4のプロモーション登録画面に基づき生成されたプロモーション情報がプロモーションサーバ40に記憶されているものとする。
【0073】
まず、アクション検出部402は、プロモーション情報に設定されたアクションが消費者により行われるまで待機する(ステップS11;No)。アクション検出部402は、タッチポイント装置20を介して、プロモーション情報に設定されたアクションが行われたことを検出すると(ステップS11;Yes)、ステップS12に移行する。
【0074】
次いで、情報取得部403は、プロモーション情報に設定された条件項目に基づき、当該条件項目の判定材料を導出するための状況情報を取得する(ステップS12)。例えば、情報取得部403は、アクションが検出されたタッチポイント装置20又は当該タッチポイント装置20の周辺の他のタッチポイント装置20から状況情報を取得する。
【0075】
続いて、情報取得部403は、状況情報と当該状況情報に対する処理内容を指示した要求をサービス提供装置30に送信する(ステップS13)。次いで、情報取得部403は、サービス提供装置30から送信された回答情報を、条件項目の判定材料として取得する(ステップS14)。
【0076】
続いて、条件判定部404は、プロモーション情報に設定された条件項目の各々と、ステップS14で取得された判定材料とを比較し、全ての条件項目を充足するか否かを判定する(ステップS15)。ここで、一部又は全ての条件項目を充足しないと判定した場合(ステップS15;No)、条件判定部404は、ステップS11に処理を戻す。
【0077】
一方、全ての条件項目を充足すると判定した場合(ステップS15;Yes)、条件判定部404は、ステップS16に処理を移行する。プロモーション実施部405は、プロモーション情報に設定されたプロモーション種別で、対象商品のプロモーションを、アクションを行った消費者に行い(ステップS16)、ステップS11に処理を戻す。
【0078】
以上のように、本実施形態のプロモーションサーバ40は、タッチポイント装置20を介して消費者が行う所定のアクションを検出すると、当該アクションを行った消費者の状況又は当該アクションが行われた位置周辺の状況を示す状況情報を取得し、取得した状況情報が所定の条件を満たす場合に、アクションを行った消費者に対しプロモーションを実施する。
【0079】
これにより、プロモーションサーバ40は、所定のアクションが行われたことをトリガとし、状況情報から導出される多様な条件の下で、プロモーションの対象となる消費者を選定することができる。したがって、プロモーションサーバ40では、プロモーションの対象となる消費者を柔軟に設定することができ、提供者が意図した条件でプロモーションを行うことができる。また、プロモーションサーバ40では、消費者のアクションによってより効果の高いターゲットに対し販促等のプロモーションを実施できるとともに、当該実施の条件を設定することができるため、プロモーション実施の制限や抑止を行うことが可能となる。そのため、プロモーションサーバ40では、プロモーションの実施コストの効果を向上させることができる。
【0080】
また、プロモーションサーバ40は、外部のサービス(サービス提供装置30)と連携し、状況情報から各種の条件と比較可能な判定材料を導出し、導出した判定材料に基づいて条件の充足判定を行う。
【0081】
これにより、プロモーションサーバ40は、店舗のPOSシステム以外のタッチポイント装置20から得られる状況情報を有効に活用しながら、プロモーションの対象となる消費者を選定することができる。したがって、プロモーションサーバ40では、プロモーションの対象となる消費者を柔軟に設定することができ、提供者が意図した条件でプロモーションを行うことができる。
【0082】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0083】
(変形例1)
上述の実施形態では、プロモーションサーバ40は、提供者装置10に対しプロモーション登録画面を提供し、プロモーション情報の登録を支援する構成としたが、プロモーション登録画面の提供は、プロモーションサーバ40以外の他のサーバ装置が行ってもよい。
【0084】
この場合、他のサーバ装置は、上述した登録支援部401を備え、提供者装置10にプロモーション登録画面を提供する。そして、他のサーバ装置は、プロモーション登録画面に基づき生成したプロモーション情報をプロモーションサーバ40に送信したり、ローカルに記憶したりする。後者の場合、プロモーションサーバ40は、他のサーバ装置に記憶されたプロモーション情報を参照し、上述した処理を実行する。
【0085】
これにより、変形例1のプロモーションサーバ40は、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本変形例では、プロモーションサーバ40から、プロモーション登録画面の提供に係る負荷を減らすことができる。
【0086】
(変形例2)
上述の実施形態では、プロモーション情報に設定された条件情報の全てを充足する場合に、プロモーションを実施する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、プロモーション情報に設定された条件情報の一部を充足したことを条件に、プロモーションを実施してもよい。
【0087】
なお、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0088】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0089】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1 プロモーションシステム
10 提供者装置
20 タッチポイント装置
30 サービス提供装置
40 プロモーションサーバ
401 登録支援部
402 アクション検出部
403 情報取得部
404 条件判定部
405 プロモーション実施部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開2015-79331号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7