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特開2024-28661ゲームプログラム、およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028661
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20240226BHJP
   A63F 13/216 20140101ALI20240226BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240226BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/216
A63F13/65
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010597
(22)【出願日】2024-01-26
(62)【分割の表示】P 2021197388の分割
【原出願日】2020-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100127203
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】山田 健司
(57)【要約】
【課題】ユーザ人口の少ない地域でもご近所ユーザとのマルチプレイヤゲームを楽しむことができるゲームシステムおよびゲームプログラムを提供する。
【解決手段】本発明のゲームプログラムは、コンピュータを、ゲーム装置からマッチング要求情報、および、前記ゲーム装置の現実空間における位置を特定する位置情報を受信する情報処理手段、前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置のうち、前記位置情報が前記現実空間における所定の距離範囲内である前記ゲーム装置同士をマッチングし、前記マッチングされた前記ゲーム装置に対応するプレイヤキャラクタの総数が所定数となった場合に前記ゲーム装置にマルチプレイヤゲームを実行させ、前記プレイヤキャラクタの総数が前記所定数に達しない場合、前記所定の距離範囲を大きくするように変更してから前記マッチングを再開するマッチング手段、として機能させるものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲーム装置からマッチング要求情報、および、前記ゲーム装置の現実空間における位置を特定する位置情報を受信する情報処理手段、
前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置のうち、前記位置情報が前記現実空間における所定の距離範囲内である前記ゲーム装置同士をマッチングし、前記マッチングされた前記ゲーム装置に対応するプレイヤキャラクタの総数が所定数となった場合に前記ゲーム装置にマルチプレイヤゲームを実行させ、前記プレイヤキャラクタの総数が前記所定数に達しない場合、前記所定の距離範囲を大きくするように変更してから前記マッチングを再開するマッチング手段、
として機能させる、ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン通信が可能な場合において、ユーザ人口の少ない地域でもご近所ユーザとのマルチプレイを楽しめるゲームシステムおよびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザ同士がマッチングされて多人数で実行されるマルチプレイ(通信プレイ)を行うことが可能なマルチプレイヤゲームが知られている(特許文献1参照)。このマルチプレイヤゲームにおいて、ユーザは達成条件(特定モンスターの狩猟など)が指定されたクエストを選択して、他のユーザとのマッチングをサーバ装置に要求する。これを受けてサーバ装置は、同時期にマッチングを要求しているユーザ(ゲーム装置)同士をマッチングする。これにより、マッチングされたユーザ(ゲーム装置)同士で協力して、クエストを攻略するなどのマルチプレイヤゲームを楽しむことができる。
【0003】
また、近年では、このようなマルチプレイヤゲームにおいて、ご近所ユーザ同士でマルチプレイヤゲームを楽しむこともできる。このようなご近所ユーザ同士でのマルチプレイヤゲームに参加したユーザは、よりチーム感を感じることができ、通常のマルチプレイヤゲームよりもゲームを楽しむことができる場合がある。
【0004】
ここで、ご近所ユーザとは、たとえばゲーム装置のGPS機能などを用いて検知した位置情報によって、所定地域内にいると判定されたユーザ同士、または、物理的距離が所定距離以内にいると判定されたユーザ同士、などのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-176472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、そのゲームのユーザ人口が比較的少ない地域の場合、ご近所ユーザが僅少あるいは存在せず、ご近所ユーザ同士のマルチプレイヤゲームを行うために必要な数のご近所ユーザが集まらなかったり、募集すらされていなかったりすることがある。この場合、ご近所ユーザ同士のマルチプレイヤゲームが機能せず、ゲームの興趣性が低下する問題があった。
【0007】
本発明の目的は、オンライン通信が可能な場合において、ユーザ人口の少ない地域でもご近所ユーザとのマルチプレイヤゲームを楽しむことができるゲームプログラム、およびゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、所定の距離範囲内において、ユーザの操作に基づいて仮想空間上でマルチプレイを行うことができるマルチプレイヤゲームを実行する複数のゲーム装置と、
前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えたゲームシステムにおけるサーバ装置を所定の手段として機能させるゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ユーザの操作に基づいて前記仮想空間上でプレイヤキャラクタの動作を制御し、前記マルチプレイヤゲームを実行するゲーム制御部、および
他のゲーム装置との間におけるマッチング要求情報と、前記ゲーム装置の位置情報とを前記サーバ装置に対して送信する通信部、
を備え、
前記サーバ装置を、
前記マッチング要求情報および前記位置情報を受信する情報処理手段、ならびに
前記所定の距離範囲内において前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置に対応する前記プレイヤキャラクタの総数が所定数となった場合、前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置同士をマッチングするマッチング手段、
として機能させ、
前記マッチング手段は、前記プレイヤキャラクタの総数が所定数に達しない場合、前記所定の距離範囲の値を初期状態から第1の所定値に増加した状態としてマッチング条件を変更してからマッチングを再開する、
ゲームプログラムである。
【0009】
第2の発明は、所定の距離範囲内において、ユーザの操作に基づいて仮想空間上でマルチプレイを行うことができるマルチプレイヤゲームを実行する複数のゲーム装置と、
前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えたゲームシステムにおけるサーバ装置を所定の手段として機能させるゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ユーザの操作に基づいて前記仮想空間上でプレイヤキャラクタの動作を制御し、前記マルチプレイヤゲームを実行するゲーム制御部、および
他のゲーム装置との間におけるマッチング要求情報と、前記ゲーム装置の位置情報とを前記サーバ装置に対して送信する通信部、
を備え、
前記サーバ装置を、
前記マッチング要求情報および前記位置情報を受信する情報処理手段、ならびに
前記所定の距離範囲内において前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置に対応する前記キャラクタの総数が所定数となった場合、前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置同士をマッチングするマッチング手段、
として機能させ、
前記マッチング手段は、前記プレイヤキャラクタの総数が所定数に達しない場合、前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置の位置情報を別の位置情報に書き換えした状態としてマッチング条件を変更してからマッチングを再開する、
ゲームプログラムである。
【0010】
また、第1または第2の発明において、前記サーバ装置を、前記マッチングを開始してからの経過時間をカウントする経過時間カウント手段、としてさらに機能させ、前記マッチング手段は、前記マッチングが成立していない状態で前記経過時間が所定時間以上になった場合、前記所定の距離範囲の値を初期状態から第1の所定値に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開することができる。
【0011】
また、第1または第2の発明において、前記マッチング手段は、前記マッチングにおいて所定のアイテムが前記ユーザの操作に基づいてゲーム内で使用された状態となった場合、前記所定の距離範囲の値を初期状態から第1の所定値に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開することができる。
【0012】
また、第1の発明において、前記マッチング手段は、前記マッチングを再開してから、さらに前記マッチングが成立していない状態で所定時間以上経過した場合、前記所定の距離範囲の値を前記第1の所定値よりも大きい第2の所定値に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開することができる。
【0013】
また、第2の発明において、前記サーバ装置を、前記マッチングの成立回数を所定の地域ごとにカウントするマッチング成立回数カウント手段、としてさらに機能させ、前記マッチング手段は、前記別の位置情報を前記マッチングの成立回数が所定数以上の前記地域のうちいずれかの地域の位置情報に書き換えすることができる。
【0014】
また、第2の発明において、前記マッチング手段は、前記別の位置情報を前記ユーザの操作に基づいて選択された地域の位置情報に書き換えすることができる。
【0015】
また、第1の発明において、前記マッチング手段は、前記マッチングの再開回数をカウントするものであり、前記マッチングの再開回数が所定回数以上となった場合、前記マッチングにノンプレイヤキャラクタを参加させることができる。
【0016】
また、第1または第2の発明において、前記ゲーム装置または前記サーバ装置は、前記マッチング手段が前記マッチングを再開する場合に変更した前記マッチング条件に関する情報(以下、変更後マッチング条件情報)を記憶する記憶部を有しており、
前記マッチング手段は、前記変更後マッチング条件情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記変更後マッチング条件情報に基づいてマッチングを行い、前記プレイヤキャラクタの総数が所定数に達した場合には前記マッチングを完了させ、前記プレイヤキャラクタの総数が所定数に達しない場合には前記変更後マッチング条件情報をさらに変更して前記マッチングを再開することができる。
【0017】
第3の発明は、ユーザによる操作部への操作信号を受けつけてゲームを実行するゲーム装置と、第1または第2の発明に記載のゲームプログラムを記憶した記憶部を含み、前記ゲームプログラムを実行するサーバ装置と、を備えるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザ人口の少ない地域でもご近所ユーザとのマルチプレイを楽しむことができるゲームシステムおよびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態におけるゲームシステムのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図2】本実施の形態におけるマッチング時のアカウント情報の一例を示す図である。
図3】本実施の形態におけるマッチング処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
本発明のゲームシステム1により、例えば、家庭用のゲーム装置3においてマルチプレイが実行可能なマルチプレイヤゲームのマッチングが実行される。
【0021】
本実施形態で説明されるマルチプレイヤゲームにおいて、ユーザは、任意のキャラクタ(以下、プレイヤキャラクタ)を操作して仮想空間上の敵キャラクタと戦う。以下では、所定の距離範囲内において、4名のご近所ユーザ(以下、単に「ユーザ」とする場合がある)がマッチングされた場合に、これらのユーザ同士が協力して共通の敵キャラクタと戦うマルチプレイヤゲームを例に本発明を説明する。このようなゲームとしては、例えば、複数のハンター(プレイヤキャラクタ)がモンスター(敵キャラクタ)と戦うアクションハンティングゲームがある。
【0022】
ここで、所定の距離範囲内とは、たとえば、ユーザが生活する実在の世界において、ホストとなるユーザのゲーム装置3の現在位置から半径2km以内などのことをいう。以下では、ホストとなるユーザのゲーム装置3の現在位置から半径2km以内を所定の距離範囲内の例として本発明を説明する。
【0023】
<ハードウェア構成について>
図1を参照して、ゲームシステム1を実現するサーバ装置2のハードウェア構成、および、このサーバ装置2を介して互いに通信接続される複数のゲーム装置3のハードウェア構成について説明する。
【0024】
なお、各ゲーム装置および各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報(固有の識別情報)が付与される。そして、アカウント情報ごとにID(識別符号)が付与される。各ゲーム装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、このゲーム装置3からアカウント情報が送信される。送信されたアカウント情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2と各ゲーム装置3との通信が可能となる。
【0025】
<サーバ装置について>
サーバ装置2は、制御部20、記憶部21、および、ネットワークインターフェース22を備える。
【0026】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス200を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0027】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0028】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。
【0029】
記憶部21には、例えば、マルチプレイヤゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータ、本発明のゲームシステム1を実現するための情報処理モジュール、クエスト生成モジュールおよびクエスト内容候補のデータ、マッチングモジュール、経過時間カウントモジュール、ならびに、各種データ(たとえば、各モジュールに関係するデータ、市町村別の地域の情報(以下、地域情報という)、地図データなど)が記憶される。
【0030】
情報処理モジュールは、ゲーム進行に必要なデータを各ゲーム装置3との間で送受信処理するモジュールであり、たとえば、後述するマッチング要求情報、位置情報などを受信するモジュールである。また、情報処理モジュールは、ゲーム装置3から送信されるアカウント情報を用いて、アカウント情報の認証を行うモジュールである。
【0031】
クエスト生成モジュールは、クエスト内容候補のデータに基づいて、クエスト内容を無作為に設定し、クエスト内容の情報を生成するモジュールである。
【0032】
ここで、クエスト内容とは、クエストに登場するメインモンスターの種類とその出現数、サブモンスターの種類とその出現数、ステージ、および発生イベントなどの内容である。そして、クエスト内容候補とは、クエスト内容生成プログラムによってクエスト内容として適宜決定され得るクエスト内容のことである。
【0033】
また、ユーザに関する情報は、ユーザのアカウント情報、ユーザ情報、およびプレイヤキャラクタ情報などを示すデータである。
【0034】
マッチングモジュールは、ユーザからのマッチング要求情報が情報処理モジュールを介して受信されたか否か判定する処理を行うモジュールである。
【0035】
また、マッチングモジュールは、クエストに係るマルチプレイ(マルチプレイヤゲーム)に参加するユーザのキャラクタの総数があらかじめ所定数(本実施形態では「4」)に設定されている場合において、情報処理モジュールを介して受信したマッチング要求情報を、情報処理モジュールが受信処理した位置情報に基づいて関連付けする処理を行うモジュールである。
【0036】
また、マッチングモジュールは、所定の距離範囲内においてマッチング要求情報を送信したゲーム装置3に対応するキャラクタの数が、あらかじめ設定されている所定数(本実施形態では「4」)となった場合、マッチング要求情報を送信したゲーム装置3同士をマッチング処理するモジュールである。
【0037】
また、マッチングモジュールは、マッチングが成立していない状態で経過時間が所定時間以上になった場合、前記所定の距離範囲の値を初期状態(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径2km以内)から第1の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径4km)に増加した状態としてマッチング条件を変更してからマッチングを再開するモジュールでもある。
【0038】
また、マッチングモジュールは、マッチングを再開してから、さらにマッチングが成立していない状態で経過時間が所定時間以上になった場合、前記所定の距離範囲の値を前記第1の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径4km)よりも大きい第2の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径8km)に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開するモジュールでもある。
【0039】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2と各ゲーム装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0040】
<サーバ装置の制御部の機能的構成について>
サーバ装置2の制御部20は、前記情報処理モジュール、クエスト生成モジュール、マッチングモジュール、カウントモジュール、ノンプレイヤキャラクタ参加モジュール、およびゲームプログラムを実行することにより、情報処理手段201、クエスト生成手段202、マッチング手段203、および経過時間カウント手段204として機能する。
【0041】
情報処理手段201は、現在位置に関するデータ、マッチングに関するデータ、クエスト内容生成に関するデータ、およびマルチプレイヤゲームの進行に必要なデータを、各ゲーム装置3との間で送受信する。また、情報処理手段201は、ゲーム装置3から送信されるアカウント情報を用いて、アカウント情報の認証を行う。
【0042】
例えば、情報処理手段201が各ゲーム装置3から受信する情報は、現在の位置情報、ユーザの操作に基づくプレイヤキャラクタの動作情報、マッチング要求情報、ユーザのアカウント情報、ゲーム装置のアカウント情報、ユーザ情報、およびプレイヤキャラクタ情報などがある。
【0043】
前記現在の位置情報には、GPSなどの位置情報に関するサービスから得た情報が含まれる。
【0044】
マッチング要求情報には、ユーザがホストユーザおよびゲストユーザいずれの立場としてのマッチングを要求しているかの情報が含まれる。
【0045】
アカウント情報には、ゲーム装置3に設定されたゲーム装置識別情報、およびユーザに設定されたユーザ識別情報が含まれる。ゲーム装置識別情報およびユーザ識別情報は、ユニークな識別符号(ID)である。
【0046】
ユーザ情報には、ユーザのランク情報が含まれる。ユーザのランク情報は、ユーザがプレイヤキャラクタを操作して仮想空間上の敵キャラクタと戦って勝利することなどにより上昇する、いわゆるプレイヤランクまたはプレイヤレベルである。
【0047】
プレイヤキャラクタ情報には、ユーザが選択したプレイヤキャラクタの種類、そのプレイヤキャラクタのランク情報、およびそのプレイヤキャラクタに設定された装備品が含まれる。
【0048】
プレイヤキャラクタの種類は、ユーザがマルチプレイヤゲームにおいて操作するプレイヤキャラクタの種類である。例えば、ユーザは、選択可能な複数のキャラクタ「ハンターA」、「ハンターB」などから使用するキャラクタを1または複数選択できる。
【0049】
プレイヤキャラクタのランク情報は、ユーザがプレイヤキャラクタを操作して仮想空間上の敵キャラクタと戦って勝利したり、プレイヤキャラクタを強化する操作したりすることにより上昇する、いわゆるキャラクタランクまたはキャラクタレベルである。
【0050】
プレイヤキャラクタに設定された装備品は、プレイヤキャラクタに装備された武器(大剣、ハンマー、弓など)、防具(頭防具、胴防具、腕防具、脚防具など)、およびアイテム(装飾品、ピッケル、虫網など)である。
【0051】
情報処理手段201が各ゲーム装置3へ送信する情報としては、クエスト内容(メインモンスターの種類とその出現数、サブモンスターの種類とその出現数、ステージ、および発生イベントなど)、および、マルチプレイヤゲームを行うための通信に必要なマッチングしたユーザ(ゲーム装置3)にかかる情報がある。
【0052】
クエスト生成手段202は、たとえば、マルチプレイヤゲームのクエストに出現するメインモンスターの種類とその出現数、サブモンスターの種類とその出現数、ステージ、および発生イベントを、無作為にまたはユーザの操作に基づいて決定する。
【0053】
マッチング手段203は、情報処理手段201によってユーザからのマッチング要求情報が受信されたか否か判定する。
【0054】
また、マッチング手段203は、前記地域においてクエストに係るマルチプレイ(マルチプレイヤゲーム)に参加するユーザのキャラクタの総数があらかじめ所定数(本実施形態では「4」)に設定されている場合において、情報処理手段201を介して受信したマッチング要求情報を、情報処理手段201が受信処理した位置情報に基づいて関連付けし、記憶部21に記憶させる。
【0055】
また、マッチング手段203は、情報処理手段201によってユーザからのマッチング要求情報が受信されたか否か判定する。
【0056】
また、マッチング手段203は、情報処理手段201がユーザからのマッチング要求情報を受信したと判定した場合、ユーザ(ホストのゲーム装置3)にマッチングルームID(セッション情報)および所定の距離範囲内(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径2km以内)に位置するゲストとなる各ゲーム装置3のアカウント情報を送信することでユーザ(ゲーム装置3)に対応するプレイヤキャラクタのマッチングを行う。
【0057】
具体的には、マッチング手段203は、マルチプレイヤゲームの参加を希望するホストユーザ(ホストゲーム装置)からの要求に応じて、ホストユーザのプレイヤキャラクタを含む4名のプレイヤキャラクタが参加可能なセッション(部屋)を生成する。そして、マッチング手段203は、そのセッションへの参加を希望する所定の距離範囲内(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径2km以内)のゲストユーザ(ゲストゲーム装置)3名に対応する各プレイヤキャラクタをこのセッションに加える。
【0058】
このとき、情報処理手段201は、各ゲーム装置3に対して、各ゲーム装置のアカウント情報およびIPアドレスなどを送信する。マルチプレイヤゲームは、クライアントサーバ型のマルチプレイヤゲームまたはP2P型マルチプレイヤゲームのいずれでもよい。また、サーバ装置2がマッチングを行うマルチプレイヤゲームのほか、近距離通信によって通信可能領域内にいるユーザ(ゲーム装置3)と行うアドホックモードのゲームであってもよい。以下、同様である。
【0059】
経過時間カウント手段204は、各マッチングについて、マッチングを開始してからの経過時間をカウントするとともに、カウントすることによって得られた経過時間の情報を記憶部21に記憶させる。
【0060】
ここで、マッチング手段203は、通常時においては前述のマッチングを行うが、マッチングの頻度が少ないだけでなく、マッチングが開始されたとしても、クエストを行うために必要な所定数のキャラクタ人数が所定時間以上揃わない状態(所定数のゲーム装置3からの所定数以上のマッチング要求情報を所定時間以上受信していない状態)となっている場合、マッチングが成立しないことがある。
【0061】
このとき、マッチング手段203は、マッチングが成立していない状態で経過時間が所定時間(たとえば1分)以上になった場合、前記所定の距離範囲の値を初期状態(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径2km以内)から第1の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径4km以内)に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開する。
【0062】
また、マッチング手段203は、マッチングを再開してから、さらにマッチングが成立していない状態で経過時間が所定時間(たとえば1分)以上になった場合、前記所定の距離範囲の値を前記第1の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径4km以内)よりも大きい第2の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径8km以内)に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開する。
【0063】
以下、マッチング手段203のマッチングの具体例を示す。たとえば、マッチング手段203は、マルチプレイヤゲームの参加を希望するホストユーザ(ホストゲーム装置)からの要求に応じて、4つのプレイヤキャラクタが揃った場合にクエストを行うことができるセッション(部屋)を生成する。このマッチングが開始された場合、マッチング手段203は、ゲーム装置3を介して、マルチプレイヤゲームのマッチングが可能な状態になっていることをご近所ユーザに告知する。
【0064】
そして、マッチング手段203は、たとえば、ゲーム装置3を介して前記マッチング募集の告知を知ったご近所ユーザの操作に基づいて、そのセッションへの参加を希望するゲストユーザ(ゲストゲーム装置3)からのマッチング要求があった場合、その要求に応じて、ゲストユーザに対応するプレイヤキャラクタをこのセッションに加える。
【0065】
このとき、所定時間(たとえば1分)以上経過しても、3人目のユーザ(3つ目のゲーム装置3)および4人目のユーザ(4つ目のゲーム装置3)からのマッチング要求がない場合、マッチング手段203は、所定の距離範囲の値を初期状態(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径2km以内)から第1の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径4km以内)に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開する。
【0066】
そして、所定時間(たとえば1分)以内に、3人目のユーザ(3つ目のゲーム装置3)および4人目のユーザ(4つ目のゲーム装置3)からのマッチング要求があった場合、マッチング手段203は、その要求に応じて、3人目および4人目のゲストユーザに対応するプレイヤキャラクタをこのセッションに加える。
【0067】
これに対して、所定時間(たとえば1分)以内に、3人目のユーザ(3つ目のゲーム装置3)および4人目のユーザ(4つ目のゲーム装置3)からのマッチング要求がなかった場合、所定の距離範囲の値を前記第1の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径4km以内)よりも大きい第2の所定値(たとえばホストのゲーム装置3を中心として半径8km以内)に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開する。
【0068】
そして、所定時間(たとえば1分)以内に、3人目のユーザ(3つ目のゲーム装置3)および4人目のユーザ(4つ目のゲーム装置3)からのマッチング要求があった場合、マッチング手段203は、その要求に応じて、3人目および4人目のゲストユーザに対応するプレイヤキャラクタをこのセッションに加える。
【0069】
このようにして、マッチング手段203は、ゲストユーザが不足している場合、たとえば、所定時間(たとえば1分)ごとに所定距離範囲(たとえば半径2km)ずつ検索範囲を広げて、初期状態と比較して徐々にマッチングに参加可能なゲストユーザが多くなる状態にする。
【0070】
なお、本実施形態では、サーバ装置2がマッチングを行い、その後にP2Pにて複数のゲーム装置3がゲームを実行するシステムを説明する。また、本実施形態では、ユーザに関する情報として、ユーザのアカウント情報を例にあげる。
【0071】
<ゲーム装置について>
ゲーム装置3には、モニタ330、スピーカ340およびコントローラ350が外部接続あるいは内蔵される。このゲーム装置3において、記憶媒体などから読み込んだゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。また、ゲーム装置3は、他ゲーム装置3およびサーバ装置2との間で、インターネットあるいは無線LAN通信などの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0072】
ゲーム装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、グラフィック処理部33、オーディオ処理部34、および操作部35を備える。
【0073】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、グラフィック処理部33、オーディオ処理部34、および操作部35は、バス300を介して、制御部30に接続される。
【0074】
制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0075】
記憶部31は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部31には、例えば、マルチプレイヤゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0076】
ネットワークインターフェース32は、他ゲーム装置3、およびサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、同一のゲーム空間内で同期してマルチプレイヤゲームが実行される。
【0077】
グラフィック処理部33は、制御部30の指示に従って仮想空間および各キャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部33にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてモニタ330に表示される。
【0078】
オーディオ処理部34は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部34には、スピーカ340が接続される。ゲーム音声は、スピーカ340から外部へと出力される。
【0079】
操作部35は、ゲーム装置3に付属するコントローラ350との間で有線または無線により接続され、操作入力に関するデータを送受信することが可能である。ユーザは、コントローラ350に設けられたボタン等の操作子(図示略)を操作することにより、ゲーム装置3へ操作信号を入力する。
【0080】
<ゲーム装置の制御部の機能的構成について>
ゲーム装置3の制御部30は、ゲーム装置3に挿入された記憶媒体またはゲーム装置3の記憶部31にダウンロード(インストール)されているゲームプログラムを実行することで、ゲーム制御手段301、および通信手段302として機能する。
【0081】
ゲーム制御手段301は、ゲームデータに含まれるオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。さらに、ゲーム制御手段301は、仮想空間を生成し、その仮想空間にプレイヤキャラクタ、敵キャラクタなどのノンプレイヤキャラクタ、を配置する。
【0082】
また、ゲーム制御手段301は、自ゲーム装置3に接続されるコントローラ350への操作信号、および、ゲームの進行状況に応じて、仮想空間における自プレイヤキャラクタの行動、および、敵キャラクタの行動を制御する。
【0083】
マルチプレイヤゲームを進行するにあたっては、後述する通信手段302が、サーバ装置2またはホストゲーム装置を介して他ゲーム装置3に接続されるコントローラ350からの操作信号を受信する。その信号に基づいて、ゲーム制御手段301は自プレイヤキャラクタに加え、他プレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0084】
ゲーム制御手段301は、これらの仮想空間およびキャラクタをゲーム画面としてモニタ330に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部33がゲーム画像を描画する。
【0085】
通信手段302は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの操作に基づくプレイヤキャラクタの動作情報、マッチング要求情報、ユーザのアカウント情報、ユーザ情報、およびプレイヤキャラクタ情報をサーバ装置2に送信する。また、通信手段302は、マッチング完了情報、およびクエスト内容のデータをサーバ装置2から受信する。
【0086】
また、通信手段302は、その他、マルチプレイヤゲームの進行に必要なデータを他ゲーム装置3およびサーバ装置2との間で送受信する。
【0087】
<マッチング処理について>
図2および図3を用いて、サーバ装置2のマッチング処理について説明する。
【0088】
図2は通常時のマッチングがされた場合のアカウント情報を示す図、図3は本実施形態にかかるマッチング処理の流れを示すフローチャートである。
【0089】
図2に示すように、各ユーザにはアカウント情報が設定されているが、後述する通常時のマッチングがされた場合には、マッチング手段203によってホストであるかゲストであるかの情報が関連付けられ、サーバ装置2の記憶部21に記憶される。User1のアカウント情報は「12345」、User2のアカウント情報は「67890」、User3のアカウント情報は「76543」、User4のアカウント情報は「99009」である。
【0090】
図3用いて、サーバ装置2のマッチング処理のフローを説明する。
【0091】
まず、マッチング手段203は、情報処理手段201によって、所定時間内にいずれかのゲーム装置3からマッチング要求情報を受信したか否か、すなわち、所定時間内にマッチング要求(ホスト)があったか否かを判定する(ステップS1)。
【0092】
ステップS1において、マッチング手段203によりマッチング要求(ホスト)がなかったと判定された場合(ステップS1:NO)、マッチング処理は終了する。
【0093】
一方、ステップS1において、マッチング手段203により所定時間内にマッチング要求(ホスト)があったと判定された場合(ステップS1:YES)、マッチング手段203は、マッチング要求(ホスト)をしたゲーム装置3のユーザに対応するプレイヤキャラクタをマッチングのホストとして決定する(ステップS2)。
【0094】
続いて、クエスト生成手段202は、サーバ装置2の記憶部21に記憶されたクエスト内容候補のデータを読み出す(ステップS3)。
【0095】
そして、クエスト生成手段202は、ホストとなったプレイヤキャラクタに対応するユーザのゲーム装置3の操作に基づいて選択されたクエスト内容を、マッチング手段203による今回のマッチング後に行うクエストとして決定する(ステップS4)。
【0096】
次に、マッチング手段203は、マッチング要求(ホスト)をしたゲーム装置3のユーザに対応するプレイヤキャラクタをホストとするセッションを生成する。そして、マッチング手段203は、ホスト以外のゲーム装置3の位置情報に基づいて、ホストのゲーム装置3の位置情報から所定の距離範囲(たとえば半径2km)に存在する他のゲーム装置3に、セッションが生成されたこと(マッチング可能な状態であること)を告知する。このとき、クエスト生成手段202は、ゲーム装置3(ホストゲーム装置または告知された全てのゲーム装置)に、ユーザの操作によって選択されたまたはクエスト生成手段202が自動決定したクエスト内容を送信(告知)する(ステップS5)。
【0097】
続いて、マッチング手段203は、所定時間内に、マッチング要求(ホスト)以外の3つのマッチング要求(ゲスト)があったか否か判定する(ステップS6)。
【0098】
ステップS6において、マッチング手段203により所定時間内に3つのマッチング要求(ゲスト)があったと判定された場合(ステップS6:YES)、マッチング手段203は、前記セッションに、マッチング要求(ゲスト)をしたゲーム装置3のユーザに対応するプレイヤキャラクタのそれぞれを追加する(ステップS7)。
【0099】
具体的には、マッチング手段203は、たとえば、マッチングされた4つのアカウント情報として、図2に示した各ユーザに対応する「12345」、「67890」、「76543」、および「99009」のアカウント情報を読み出して、セッションに追加する。
【0100】
このような一連の処理がされたあと、マッチング処理は終了する。
【0101】
一方、ステップS6において、マッチング手段203により所定時間内に3つのマッチング要求(ゲスト)がなかったと判定された場合(ステップS6:NO)、マッチング手段203は、所定の距離範囲の値(たとえば半径2km)を、より大きくして(たとえば半径4kmにして)検索範囲を広げる(ステップS8)。
【0102】
そして、ステップS9において、まだマッチングに参加していないユーザのゲーム装置3の位置情報に基づいて、ホストのゲーム装置3の位置情報から所定の距離範囲(たとえば半径4km)に存在する他のゲーム装置3に、セッションが生成されたこと(マッチング可能な状態であること)を告知する。
【0103】
続いて、マッチング手段203は、所定時間内に、4つのマッチング要求(ホスト1つおよびゲスト3つ)がそろったか否か判定する(ステップS10)。
【0104】
ステップS10において、マッチング手段203により所定時間内に4つのマッチング要求(ホスト1つおよびゲスト3つ)がそろったと判定された場合(ステップS10:YES)、マッチング手段203は、前記セッションに、マッチング要求(ゲスト)をしたゲーム装置3のユーザに対応するプレイヤキャラクタのそれぞれを追加する(ステップS11)。
【0105】
具体的には、マッチング手段203は、たとえば、マッチングされた4つのアカウント情報として、図2に示した各ユーザに対応する「12345」、「67890」、「76543」、および「99009」のアカウント情報を読み出して、セッションに追加する。
【0106】
このような一連の処理がされたあと、マッチング処理は終了する。
【0107】
一方、ステップS10において、マッチング手段203により所定時間内に4つのマッチング要求(ホスト1つおよびゲスト3つ)がそろわなかったと判定された場合(ステップS10:NO)、マッチング手段203は、所定の距離範囲の値(たとえば半径4km)を、より大きくして(たとえば半径8kmにして)検索範囲をさらに広げる(ステップS8)。
【0108】
すなわち、ステップS10において、マッチング手段203により所定時間内に4つのマッチング要求(ホスト1つおよびゲスト3つ)がそろったと判定されるまで、ステップS8~S10は繰り返される。
【0109】
なお、マルチプレイヤゲームのゲーム進行は、ゲーム装置3(ホストゲーム装置)で管理される。各ゲーム装置3は、それぞれ通信を行ってゲーム進行に必要な情報を送受信する。これにより、各ゲーム装置3上でクエスト内容に沿ったマルチプレイヤゲームが実行される。
【0110】
また、マルチプレイヤゲームがクエストの達成条件を満たしたり、ゲームオーバーになったりしたことを契機に、ゲーム装置3(ホストゲーム装置またはマッチングされた全てのゲーム装置)は、サーバ装置2にその情報を送信する。
【0111】
以上をまとめると、本件発明は、所定の距離範囲内において、ユーザの操作に基づいて仮想空間上でマルチプレイを行うことができるマルチプレイヤゲームを実行する複数のゲーム装置3と、
複数のゲーム装置3とネットワークを介して接続されるサーバ装置2と、を備えたゲームシステムであって、
ゲーム装置3は、
前記ユーザの操作に基づいて前記仮想空間上でプレイヤキャラクタの動作を制御し、前記マルチプレイを実行するゲーム制御部301、および
他のゲーム装置との間におけるマッチング要求情報と、前記ゲーム装置の位置情報とを前記サーバ装置に対して送信する通信部302、
を備え、
前記サーバ装置2は、
前記マッチング要求情報および前記位置情報を受信する情報処理部201、ならびに
前記所定の距離範囲内において前記マッチング要求情報を送信したゲーム装置3に対応する前記プレイヤキャラクタの総数が所定数となった場合、前記マッチング要求情報を送信した前記ゲーム装置3同士をマッチングするマッチング手段203、
として機能させ、
マッチング手段203は、前記プレイヤキャラクタの総数が所定数に達しない場合、前記所定の距離範囲の値を初期状態から第1の所定値に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開する、
ゲームシステムである。
【0112】
[発明の効果]
本実施形態のゲームシステムによれば、オンライン通信が可能な場合において、ユーザ人口の少ない地域でもご近所ユーザとのマルチプレイヤゲームを楽しむことができる。
【0113】
さらに、本実施形態のゲームシステムによれば、マルチプレイヤゲームを通じて知り合ったご近所ユーザとコミュニケーションをとるきっかけを提供することができる。
【0114】
[他の実施形態]
前記実施形態においては、サーバ装置2と、ゲーム装置3とが別個のコンピュータである例が記載されているが、本発明の実施形態はこれには限られない。すなわち、必要に応じて、ホストユーザのゲーム装置3であるホストゲーム装置が前記実施形態におけるサーバ装置2の役割を果たしてもよい。
【0115】
図3において説明した制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0116】
クライアントサーバ型のマルチプレイヤゲーム、およびアドホックモードのマルチプレイヤゲームでは、図3に示したフローの一部が本実施形態と異なる。
【0117】
クライアントサーバ型のゲームシステムを採用する場合、サーバ装置2の制御部20は、情報処理モジュール、クエスト生成モジュール、マッチングモジュール、カウントモジュール、およびノンプレイヤキャラクタ参加モジュールなどを含むプログラム、ならびに、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理手段、クエスト生成手段、マッチング手段、カウント手段、およびノンプレイヤキャラクタ参加手段として機能する。このとき、制御部20は、ユーザの操作によって選択されたまたはクエスト生成手段が自動決定したクエスト内容を各ゲーム装置3に送信することを必要としない。クライアントサーバ型のマルチプレイヤゲームでは、サーバ装置2がゲームの進行を実行する。
【0118】
また、アドホックモードのゲームシステムを採用する場合、ホストゲーム装置の制御部30が、情報処理モジュール、クエスト生成モジュール、マッチングモジュール、カウントモジュール、およびノンプレイヤキャラクタ参加モジュールなどを含むプログラム、ならびに、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理手段、クエスト生成手段、マッチング手段、カウント手段、およびノンプレイヤキャラクタ参加手段として機能する。
【0119】
すなわち、アドホックモードのゲームシステムによれば、本件発明は、ゲーム装置3とネットワークを介して接続されるコンピュータ(サーバ装置2またはホストゲーム装置3)を、前記ゲーム装置3からマッチング要求情報を受信する情報処理部、受信した前記マッチング要求情報に基づいて複数の前記ゲーム装置3同士をマッチングするマッチング部、マルチプレイヤゲームのクエスト内容を決定するクエスト生成部、マッチング成立回数をカウントするカウント手段、およびノンプレイヤキャラクタ参加手段、として機能させるプログラムである。
【0120】
また、前記実施形態には、ゲーム装置3として家庭用のゲーム装置を用いた例が記載されているが、本発明の実施形態はこれには限られない。例えば、ゲームセンターなどに提供されるアーケードゲーム筐体を用いて本発明を実現することもできる。また、ゲーム装置3として、タッチパネル(操作部)を備えたスマートフォンなどの携帯端末装置を用いることもできる。
【0121】
前記実施形態には、マルチプレイヤゲームの例としてアクションハンティングゲームが記載されているが、本発明の実施形態はこれには限られない。シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のマルチプレイヤゲームに本発明を適用することができる。
【0122】
前記実施形態において、ユーザが1回のマルチプレイヤゲーム(クエスト)にて操作するプレイヤキャラクタは1体として説明したが、これに限らない。例えば、ユーザが操作するプレイヤキャラクタは複数(5体)であってもよく、この5体をいわゆるデッキに設定して敵キャラクタと戦うマルチプレイヤゲームを実行するようにしてもよい。
【0123】
また、前記実施形態におけるマッチング手段は、前記プレイヤキャラクタの総数が所定数に達しない場合、前記マッチング要求情報を送信したゲーム装置3(ホスト)の位置情報を別の位置情報(たとえば都市部、または、アクティブユーザが多数の地域の情報)に書き換えした状態(一時的(たとえばマッチングからマルチプレイが終了するまでの間など)に仮に書き換える場合もある)としてからマッチングを再開するものであってもよい。これにより、ホストのユーザがいる場所でマッチングが成立しなくても、別の地域のユーザをゲストに迎えてマッチングを行うことができる。
【0124】
また、前記実施形態におけるサーバ装置2を、マッチングの成立回数を所定の地域(たとえば、市町村、または5km四方などのマス目に分割した地域)ごとにカウントするマッチング成立回数カウント手段としても機能させてもよい。このとき、マッチング手段203は、前記別の位置情報をマッチングの成立回数が所定数以上の前記地域のうちいずれかの地域の位置情報に書き換えするものであってもよい。これにより、ホストのユーザがいる場所でマッチングが成立しなくても、マッチング成立回数の多い地域のユーザをゲストに迎えてマッチングを行うことができる。すなわち、マッチングを成立しやすくすることができる。
【0125】
また、前記実施形態におけるマッチング手段203は、前記別の位置情報をユーザの操作に基づいて選択された地域の位置情報に書き換えするものであってもよい。これにより、ユーザの意思で自身が操作するゲーム装置3の位置情報を少なくとも一時的に書き換えできる。たとえば、都市部またはアクティブユーザの多い地域にユーザ自身のゲーム装置3の位置情報を一時的に書き換えすることで、マッチングが成立しやすくなる。
【0126】
また、前記実施形態におけるマッチング手段203は、マッチングにおいて所定のアイテムがユーザの操作に基づいてゲーム内で使用された状態となった場合、前記所定の距離範囲の値を初期状態から第1の所定値に増加した状態として前記マッチング条件を変更してからマッチングを再開するものであってもよい。これにより、所定のアイテムさえホストのユーザのプレイヤキャラクタがゲーム内で所持している状態となっていれば、いつでも別の地域のユーザをゲストに迎えてマッチングを行うことができる。
【0127】
また、前記実施形態におけるマッチング手段203は、マッチングの再開回数をカウントするものであり、マッチングの再開回数が所定回数以上となった場合、このマッチングにノンプレイヤキャラクタを参加させるものであってもよい。
【0128】
また、前記実施形態においては、4名分に対応するプレイヤキャラクタがマッチングされる場合を例にして説明したが、これに限られない。たとえば、2名分または3名分に対応するプレイヤキャラクタのみがマッチングされるものであってもよいし、5名分以上に対応するプレイヤキャラクタがマッチングされるものであってもよい。また、これらのプレイヤキャラクタのマッチングには、ノンプレイヤキャラクタが1つ以上含まれてもよい。
【0129】
また、前記実施形態において、クエスト生成手段202は、ホストとなったプレイヤキャラクタに対応するユーザのゲーム装置3の操作に基づいて選択されたクエスト内容を、マッチング後に行うクエストとして決定するものであった。この代わりに、マッチング後に、ゲーム装置3を介してユーザ同士でゲーム内においてチャットしながらクエストを決定するものであってもよい。
【0130】
また、ゲーム装置またはサーバ装置は、前回のマッチングを再開する場合においてマッチング手段203が変更したマッチング条件に関する情報(以下、変更後マッチング条件情報)を記憶する記憶部を有していてもよい。マッチング手段203は、変更後マッチング条件情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記変更後マッチング条件情報に基づいてマッチングを行うことができるものであってもよい。すなわち、マッチング手段203は、前記変更後マッチング条件情報に基づいてマッチング行い、プレイヤキャラクタの総数が所定数に達した場合にはマッチングを完了させ、プレイヤキャラクタの総数が所定数に達しない場合には前記変更後マッチング条件情報をさらに変更してマッチングを再開することができる。
【0131】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置(コンピュータ)
201 情報処理手段(情報処理部)
202 クエスト生成手段(クエスト生成部)
203 マッチング手段(マッチング部)
204 経過時間カウント手段(経過時間カウント部)
3 ゲーム装置(コンピュータ)
301 ゲーム制御手段
302 通信手段(通信部)
4 通信ネットワーク(ネットワーク)

図1
図2
図3