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特開2024-28685埋設と抜去に電動工具を利用するペグとアンカー、ロープの調整・固定のための自在金具
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  • 特開-埋設と抜去に電動工具を利用するペグとアンカー、ロープの調整・固定のための自在金具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028685
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】埋設と抜去に電動工具を利用するペグとアンカー、ロープの調整・固定のための自在金具
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/62 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
E04H15/62 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131420
(22)【出願日】2022-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】520239610
【氏名又は名称】丸田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】丸田 篤史
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA08
2E141FF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】キャンプや屋台等の設営に必要なペグやアンカーの埋設と抜去、ならびにロープの調整と固定を飛躍的に簡便に行えるペグとアンカー、ならびにロープの調整、固定のための自在金具を提供する。
【解決手段】ペグは、電動工具の六角ビットにはめ込み可能な六角頭8と、ネジ部13とを有する。また、ペグ本体とは結合しておらず360度自由に回転することができる回転部9を有し、回転部9にはベルトもしくはロープ10でカラビナ11、もしくは自在金具11aを接続する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
六角頭と先の尖ったねじ部を持ち、電動工具類を用いることで、素早い設置と抜去が可能であることを特徴とするペグ。
【請求項2】
六角頭と先の尖ったねじ部を持ち、360度水平方向に回転するフック部を持つ、電動工具類を用いることで、素早い設置と抜去が可能であることを特徴とするペグ。
【請求項3】
六角頭と先の尖ったねじ部を持ち、電動工具類を用いることで、素早い設置と抜去が可能であることを特徴とするアンカー。
【請求項4】
六角ボルトを利用し、ボルトを締める力で2枚の板を挟み込む事で、固定用ロープの長さを調節・固定する自在金具。
【請求項5】
六角頭と先の尖ったねじ部を持ち、電動工具類を用いることで、素早い設置と抜去が可能であることを特徴とするペグ本体に対し、360度水平方向に回転するパイプ部を持ち、そのパイプ部と、カラビナ・輪・請求項4に記載の自在金具等、任意の形状の金具を、ロープ、またはベルトによって接続されていることを特徴としたペグ。
【請求項6】
六角ボルトを利用し、ボルトを締める力で2枚の板を挟み込む事で、固定用ロープの長さを調節・固定する自在金具において、固定するロープを上部プレートと下部プレートの間に通した、任意の本数の棒に巻き付かせる事を特徴とする自在金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンプや屋台設営等で使用するペグとアンカー、ペグと固定する対象をロープでつなぐために利用する自在金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のキャンプ等で利用されるペグには、様々な形態が存在しており、地面の状態やかけられる荷重によって多種存在している。ペグを打ち込む場合、ペグそのものを力をかけて地面に突き刺したり、ハンマーを利用して地面に突き刺すことにより、ペグの大きさ、埋め込む深さによって、ロープを保持できる負荷の大きさが増えるが、比例して労力や負担が増大する。

貧弱なペグでは突風に煽られるなどした場合に抜けやすくなっており、強固に固定するためには頑丈かつ長いペグを使うが、設置ならびに地面からの抜去には大きな負担が生じるものであった。また、ペグとセットで利用され、ペグと固定する対象物を繋ぐロープの長さを調節する自在金具も多種存在するが、強度に問題があったり、調節に煩雑な手順が必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本考案が解決しようとする課題は、テント等の設営でロープを使った固定に際し、上述のようなペグの大きさ、長さに比例する打ち込みと抜去、そして自在金具を使ったロープの調節や固定に伴う過大な労力の問題である。

本考案では、市販の電動ドリル、電動インパクトドライバ等の回転力を与えられる電動工具を使用することで、非常に強力な引張荷重を持つペグを、簡単かつ非常に短時間で地面に打ち込み、そして打ち込み以上に手間や時間のかかる抜去も簡単かつ非常に短時間で行うことを目的としている。

本考案のペグ、及び、この技術を応用したアンカーを利用し、さらに作業中電動工具や先端工具を持ち替えることなく、本考案の自在金具を利用することで、ロープの長さや張りを調節、ならびに固定することを簡便にし、テント等の設営・撤収の労力と時間、そして人員を大幅に削減するペグと、ロープの調整、固定のための自在金具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本考案は、地面に打ち込む下方部分が先の尖ったねじ部になっており、上方部分は任意の大きさを持つ六角ボルトになっている。六角ボルトの部分は、大きさに対応するソケットを装着した電動ドリル等の電動工具によって回転力を与えられ、下方部分のねじ部が地面に穴を掘りながら深く突き刺さっていく事で、容易に地面に埋没させることができる。また、埋没させたペグは逆回転をかけることで自動的に地面から浮き上がり、同時に地面の穴を広げるので、短時間かつ容易に抜去させる事ができることを特徴とするペグである。
【0005】
さらに、人の手だけでは埋没させることが困難な、長くて強力なペグを容易に地面に打ち込む事が可能なので、例えば車両等をチェーン等で固定するため、ペグにアンカー部を組み合わせることで、容易に地面に設置することが可能となり、また従来に比べて格段に素早い設置と撤去が可能になる。
【0006】
長いペグの場合、地面の状態によっては、抜去時に地面の内部でペグが空回りし、抜去が難しくなる場合がある。そのため、ペグのフック部がペグ本体から独立しており、ペグに対して水平に360度自由に回転する機構を備えることで、電動工具によるペグへの回転力をフック部が無視してペグ本体だけが回転することにより、フック部を掴んで引っ張り上げる事によって、ペグ全体に上方への力を加え、抜去をスムーズに行うことが出来る。
【0007】
前記のペグ本体に対して自由に回転するフック部の代わりに、ベルト、もしくはロープをペグ本体に自由に回転できる形で固定し、ペグ本体の反対側の端をロープを止めるための金具、もしくはカラビナ等任意の器具を固定することで、ロープを止める機構として利用する。
【0008】
二枚の板の間にロープを通して力を加えることで長さを調節し、電動工具でボルトを締める事によってロープの調整、固定を行える自在金具。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、人間の力だけでは刺すことが非常に難しい長さでも対応でき、砂地などのペグが抜けやすい地面であっても、適切な出力がある電動工具を選ぶことで、電動工具の能力を利用し、深く地面への埋没と抜去が容易に可能となる。
【0010】
本発明では、人の手だけでは埋没させることが困難な、長くて強力なペグを容易に地面に打ち込む事が可能なので、例えばバイク等の車両などをチェーン等で固定するため、電動工具の干渉を避けるための可動式のフックを備えたアンカー部と組み合わせることで、容易に地面に設置することが可能となる。
【0011】
本発明では、緩みが発生することによって都度調節が必要なロープの張りを、電動工具によるボルトの締め付けを利用してロープの固定と解放を素早く行う事によって、簡単に調節可能となる。
【0012】
本発明を組み合わせる事で、テントや屋台等、ペグとロープを使う設営と撤収が簡便になり、従来より大幅に短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一の実施形態のペグの正面図である。
図2】本発明の第一の実施形態のペグの上面図である。
図3】本発明の第二の実施形態の回転式ペグの正面図である。
図4】本発明の第二の実施形態の回転式ペグの上面図である。
図5】本発明の第三の実施形態のロープ/ベルト回転式ペグの正面図である。
図6】本発明の第三の実施形態のロープ/ベルト回転式ペグの、フック部上面図である。
図7】本発明の第四の実施形態のアンカーの正面図である。
図8】本発明の第四の実施形態のアンカーの側面図である。
図9】本発明の第四の実施形態のアンカーの、アンカー部の上面図である。
図10】本発明の第五の実施形態のロープ調整用自在金具の上面図である。
図11】本発明の第五の実施形態のロープ調整用自在金具の側面図である。
図12】本発明の第五の実施形態のロープ調整ならびに固定用自在金具の、実際に使用する場面でのロープの調整についてのイメージ図である。
図13】本発明の第五の実施形態のロープ調整ならびに固定用自在金具の、実際に使用する場面でのロープの固定についてのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第一の実施形態のペグについて、図1~2を用いて以下に詳細に説明する。

図1で示す1は、いわゆる六角頭と呼ばれる、六角ボルトの頭に相当する部分で、任意のサイズを用いる。埋設には従来品のようにハンマーを利用するのではなく、電動工具に接続された六角ビットをはめ込み、回転と圧を加えることで、3に示すねじ部が回転して地面に穴を掘りながら埋まり、任意の長さで埋没させることができる。また同様に、1に埋没させたのと逆の回転を加えることで、自動的に地面から浮き上がり、抜去することができる。

3に示すネジ部を含めた全長とサイズは任意であり、用途に応じて変更される。

2に示すフック部に、固定したいもの、例えばテントやタープ等を固定するロープや、そのロープを結びつけたカラビナを接続することで、目的のものを地面に固定する事ができる。

2のフック部の形状と数は任意であり、用途に応じて変更される。

本発明の第一の実施形態のペグでは、2のフック部は本体に固定されている。
【0015】
本発明の第二の実施形態のペグについて、図3~4を用いて以下に詳細に説明する。

図3で示す4は、いわゆる六角頭と呼ばれる、六角ボルトの頭に相当する部分で、任意のサイズを用いる。埋設には従来品のようにハンマーを利用するのではなく、電動工具に接続された六角ビットをはめ込み、回転と圧を加えることで、7に示すねじ部が回転して地面に穴を掘りながら埋まり、任意の長さで埋没させることができる。また同様に、4に埋没させたのと逆の回転を加えることで、自動的に地面から浮き上がり、抜去することができる。

7に示すネジ部を含めた全長とサイズは任意であり、用途に応じて変更される。

そして5に示すフック部は、中央部に空いた穴がペグ本体が貫く形になってペグ本体とは結合しておらず、水平方向に360度自由に回転することができる。

本発明のペグは、柔らかい地面に使用した場合、抜去時に地面の中で空回りし、逆回転を与えても抜去が困難な場合がある。そういった場合には、5の部分を手で掴んで引っ張り上げながら電動工具で4の部分に逆回転を加えることで容易に抜去できる。

6の部分は、保管や運搬時に5の部分が落下しないように支える部分である。
【0016】
本発明の第三の実施形態のロープ/ベルト回転式ペグについて、図5~6を用いて以下に詳細に説明する。

図5で示す8は、いわゆる六角頭と呼ばれる、六角ボルトの頭に相当する部分で、従来品のハンマーを利用するのではなく、電動工具に接続された六角ビットをはめ込み、回転と圧を加えることで、13に示すねじ部が回転して地面に穴を掘りながら埋まり、任意の長さで埋没させることができる。また同様に、8に埋没させたのと逆の回転を加えることで、自動的に地面から浮き上がり、抜去することができる。

9の中央部に空いた穴がペグ本体が貫く形になってペグ本体とは結合しておらず、360度自由に回転することができる。

10に示すロープもしくはベルトによって、9の回転部と11のカラビナ、もしくは11aの輪、または11bの本発明の自在金具等が接続されており、11の部分に固定するためのロープ等を引っ掛けたり、カラビナを接続することができる。

11は形状を限定するものではなく、用途に応じて変更ができる。

本発明のペグは、柔らかい地面に使用した場合、抜去時に地面の中で空回りし、逆回転を与えても抜去が困難な場合がある。そういった場合には、11の部分を手で掴んで引っ張り上げながら電動工具で8の部分に逆回転を加えることで容易に抜去できる。
【0017】
本発明の第4の実施形態のアンカーについて、図7~9を用いて以下に詳細に説明する。

図7で示す16は、いわゆる六角頭と呼ばれる、六角ボルトの頭に相当する部分で、従来品のハンマーを利用するのではなく、電動工具に接続された六角ビットをはめ込み、回転と圧を加えることで、17に示すねじ部が回転して地面に穴を掘りながら埋まり、任意の長さで埋没させることができる。また同様に、16に埋没させたのと逆の回転を加えることで、自動的に地面から浮き上がり、抜去することができる。

14のアンカー部に、固定したいもの、例えばバイクや自転車を固定するための防犯チェーンや、犬の散歩紐などを接続することで、目的のものを地面に強力に固定する事ができる。14のアンカー部は、土台となる図8~9に示す18の部分と、15に示すチェーン等をくぐらせるリングの部分とに分かれており、16の根本で接続されているが、19の金具部分で自由に角度を付けることができ、埋め込み時や抜去時に、工具の邪魔にならないように15を動かして避ける事ができる。

図9で示す20は、ペグ本体を貫くための形状を指定しない穴であり、埋設時に18を16の六角頭で押さえつけるので、地面から抜けない形になることで、アンカーとしての役割を果たす。

本発明のペグは、柔らかい地面に使用した場合、抜去時に地面の中で空回りし、逆回転を与えても抜去が困難な場合がある。そういった場合には、15の部分を手で掴んで引っ張り上げながら電動工具で16の部分に逆回転を加えることで容易に抜去できる。
【0018】
本発明の第5の実施形態の自在金具について、図10~13を用いて以下に詳細に説明する。

本発明の自在金具は、ロープ等を調節、固定するために利用される。

図10に示す22はボルトであり、電動工具等で締め込むことによって、図11に示す24のナット部分に向かって締め付けられ、図11に示す25の上部プレートと、26の下部プレートがくっつくことで、摩擦力を利用してロープを固定する。

21は、ペグ、もしくは固定したい部位に、ロープやベルト等、任意の方法で接続するための穴であり、形状は接続方法する方法や素材によって任意に決められる。

22の六角頭は、使用するペグの1.4.8.16の六角頭と同じサイズになっていることで、電動工具の先端の工具を取り替えること無く作業がスムーズに進む。

23の部分は、固定するロープを引っ掛ける部位であるとともに、22のボルトの回転によって、25の上部プレートがつられて回転しないようにするための固定具であり、4本に限定せず、任意の本数を設置する。

図12に示す27は、固定するロープの調整について説明している。固定するロープを、23にそって、画面上部から、左右任意の方向から25.26の2枚のプレートにはまされるように引っ掛け、反対側から引っ張る事で、ロープの張りを調節する。

図13に示す28.29ともに、固定するロープの自在金具での固定について説明している。28.29は図12の手順で調整された固定する側のロープであり、23にそって、25.26の2枚のプレートにはまされるように引っ掛けて調整したのち、任意の回数25の周りを回転させるように巻き付け、22のボルトを締め込むことにより25.26の2枚のプレートにロープが挟み込まれることで固定される。再度調節したい場合は、逆の手順でプレートをゆるめることで再度調整ができ、またロープの撤収も簡便に可能となる。
【実施例0019】
第一~第三の実施形態であるペグは、すぐれた特徴として、電動工具のパワーを使うことで、埋設と抜去が従来のペグの数十倍もの速度で行える利点がある。

キャンプでのテントやタープの固定、野外イベント等の大型テントの設営。そして地面だけではなく、下穴を開けた状態であれば木材や木にも使用することができるので、災害時に道路を塞ぐ倒木を移動させる場合などにも使用することができる。

また特徴として、1mといった従来のハンマーで打ち込む形のペグでは使用不可能なサイズであっても、電動工具に適切なパワーがあれば埋設・抜去が可能になる。これを複数本使用することによって、テントの設営だけでなく、強度の必要な農業や林業での利用や、車のスタック時のアンカーとして利用することもできる。また、非常に長いペグを使い、通常のペグでは利用できない砂浜などでもアンカーを固定でき、海水浴場で鍵付きの防犯ボックス等を固定することができる。

また、自衛隊等の組織や、災害での避難所等で使われる大型の天幕の設営・撤収にも非常に有効であり、電動工具を利用することで、誰でも安全かつ素早くペグの埋設・抜去とロープワークが可能となる。
【0020】
第四の実施形態であるアンカーは、地面に強力に固定できるので、自動車やバイクの防犯チェーンを通したり、建築作業での杭の代わりに利用したり、台風などの災害時に物置や看板等を、ロープ等を使って地面に強力に固定することができる。
【0021】
第五の実施形態である、ロープの調整、固定のための自在金具は、ペグと共通のサイズの六角頭を利用することで、電動工具の取替が必要なくなり、ロープを使ったテント等の設営と撤収の速度が非常に早くなる。本発明の自在金具の用途はペグに限定されないので、ロープを利用するあらゆる場面で利用が可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 六角頭
2 フック
3 ネジ部

4 六角頭
5 回転式フック部
6 落下防止具
7 ネジ部

8 六角頭
9 回転部
10 ベルト・もしくはロープ部
11 カラビナ
11a 輪
11b 本発明の自在金具
12 落下防止具
13 ネジ部

14 アンカー部
15 可動式フック
16 六角頭
17 ネジ部
18 アンカー部土台
19 フック可動部
20 ペグ部用穴

21 ベルト・もしくはロープを通す穴
22 ボルト
23 ロープならびに上部プレートのガイド
24 下部プレートに接続されたナット部
25 上部プレート
26 下部プレート

27 ロープ調整方法の説明
28 ロープ固定方法の説明
29 ロープ固定方法の説明
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13