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特開2024-28689調整式熱可塑性歯科器具システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028689
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】調整式熱可塑性歯科器具システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20240227BHJP
   A61F 5/56 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61M16/06 D
A61F5/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023098162
(22)【出願日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】18/144,035
(32)【優先日】2023-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/892,118
(32)【優先日】2022-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512183921
【氏名又は名称】フランツ デザイン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FRANTZ DESIGN, INC.
【住所又は居所原語表記】3202 Oakmont Blvd. Austin, TX 78703 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】フランツ,ドナルド イー
(72)【発明者】
【氏名】フランツ,ジョセフ リー
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB15
4C098BC46
4C098BC48
4C098DD24
4C098DD25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】器具の形成前に患者の特定の歯列を必要としないソリューションの提供。
【解決手段】少なくとも2つの上部器具ボタン突起150を含む上部歯科器具シャーシ120の形成、少なくとも2つの下部器具ボタン突起160と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを含む下部歯科器具シャーシ110の形成、上部歯科器具トレイを形成するための少なくとも2つの上部器具ボタン突起を露出させる上部歯科器具シャーシと一体化された第1の矯正可能な熱可塑性プラスチック層を提供する上部歯科器具シャーシ上での第1の熱可塑性プラスチック130の射出オーバーモールド、及び底部歯科トレイを形成するための少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを露出させる下部歯科器具シャーシと一体化された第2の矯正可能な熱可塑性樹脂層を提供する上部歯科器具シャーシ上での第2の熱可塑性プラスチック140の射出オーバーモールド。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のものを含む方法:
少なくとも2つの上部器具ボタン突起と、上部歯科器具シャーシから突出する細長い部材を含む上部歯科器具シャーシの形成、
少なくとも2つの下部器具ボタン突起、少なくとも2つの垂直変位咬合パッド、及び下部歯科器具シャーシから突出する第2の細長部材を含む下部歯科器具シャーシの形成、
上部歯科用トレイを形成するための少なくとも2つの上部器具ボタン突起を露出させる上部歯科器具シャーシと一体化された第1の矯正可能層を提供するための上部歯科器具シャーシ上での第1の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールド、及び
少なくとも2つの垂直変位咬合パッドは、後部から前部に傾斜する勾配を含む、底部歯科用トレイを形成するための少なくとも2つの下部器具ボタン突起及び少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを露出させる下部歯科器具シャーシと一体化された第2の矯正可能層を提供するための下部歯科器具シャーシ上での第2の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールド。
【請求項2】
以下のものを含む、請求項1に記載の方法:
少なくとも2つの下部器具ボタン突起及び少なくとも2つの上部器具ボタン突起は、上部歯科トレイと下部歯科トレイを接続するように2つ以上のバンドが取り付けられるときに、下顎の前方位置を提供する、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシを含む歯科器具の形成。
【請求項3】
前記上部歯科器具シャーシ及び前記下部歯科器具シャーシが、1又は複数のエチレンプロピレンコポリマー及びポリオキシメチレンコポリマーから射出成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記上部歯科器具シャーシ及び前記下部歯科器具シャーシが、熱可塑性オレフィン、熱可塑性ポリオレフィン又はオレフィン系熱可塑性エラストマーを使用して射出成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記上部歯科器具シャーシ及び前記下部歯科器具シャーシが、ポリエチレンテレフタレートを使用して射出成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記上部歯科器具シャーシ及び前記下部歯科器具シャーシが、1つ又は複数の光重合性液体熱硬化性架橋ポリマー、ポリウレタン、メタクリレート及びコポリマーの三次元(3D)印刷により形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記上部歯科器具シャーシ及び前記下部歯科器具シャーシが、ウレタンジメタクリレート(UDMA)のウレタンモノマー、酸性モノマー、及び1つ又は複数の疎水性モノマーの重合性樹脂組成物の三次元(3D)プリントにより形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の熱可塑性プラスチック及び前記第2の熱可塑性プラスチックが、1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーから構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の熱可塑性プラスチック及び前記第2の熱可塑性プラスチックが、前記上部歯科器具シャーシ及び前記下部歯科器具シャーシ上にオーバーモールドされたカプロラクトン又はポリカプロラクトンポリマー材料のうちの1つ又は複数で構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記の少なくとも2つの垂直変位咬合パッドが、1又は複数の高さの交互の垂直変位咬合パッドと交換されるように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
以下のものを含む、下顎前進用歯科器具:
以下のものを含む、2層上部トレイ:
少なくとも3つの上部歯科器具ボタン突起と、上部歯科器具シャーシから突出する第1の細長い部材を含む上部歯科器具シャーシ層
上部歯科器具シャーシの表面にある1又は複数の空洞を介して上部歯科器具シャーシと一体化しているε-カプロラクトン、カプロラクタム、及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーの1又は複数で形成されている上部歯科器具シャーシ層の一部の上に射出オーバーモールドされた第1の矯正可能な熱可塑性樹脂層で、前記第1の矯正可能な熱可塑性樹脂層は、少なくとも2つの上部歯科器具ボタン突起を露出するように構成されている、
以下を含む2層の下部トレイ:
少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを含む下部歯科器具シャーシ層と、下部歯科器具シャーシから突出する第2の細長部材
下部歯科器具シャーシの表面の1つ又は複数の空洞を介して下部歯科器具シャーシと一体化されたε-カプロラクトン、カプロラクタム、及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーのうちの1つ又は複数で形成された、下部歯科器具シャーシ上に射出オーバーモールドされた第2の矯正可能な熱可塑性樹脂層で、前記第2の矯正可能な熱可塑性層は、少なくとも2つの下部器具ボタン突起及び少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを露出するように構成されている。
【請求項12】
さらに以下のものを含む、請求項11に記載の下顎前進用歯科器具:
下顎の前進を提供するために、2層の下部トレイを2層の上部トレイに結合するように適合させた一対のバンド。
【請求項13】
前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材が、患者が装着したときに下顎の前方調整を測定するためのマークを含む、請求項11に記載の下顎前進用歯科器具。
【請求項14】
前記第1の細長部材及び/又は前記第2の細長部材がデフォルトの21ミリメートルのマーキングを含み、前記第1の細長部材及び前記第2の細長部材のうちの少なくとも一方が、バンドの対の長さに一致する変位を識別するマークを含む、請求項11に記載の下顎前進用歯科器具。
【請求項15】
前記少なくとも2つの垂直変位咬合パッドは、後部から前部に傾斜する勾配により形成されている、請求項11に記載の下顎前進用歯科器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連する出願への相互参照
本出願は、2022年8月21日に出願された「熱可塑性歯科器具システム及び方法」と題する係属中の米国特許出願第17/892,118号の一部継続出願であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第11,419,751号の継続であり、2019年1月28日に出願された「熱可塑性歯科器具システム及び方法」と題する米国仮特許出願第62/797,889号の非仮出願であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
睡眠時無呼吸症候群及び閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療には、手術、CPAP機器などの陽圧気流機器及び歯科器具が含まれる。既知の歯科器具の1つとして、「弾性下顎前進」(EMA(登録商標))及び関連器具がある。EMA(登録商標)器具は、下顎を前方に前進させて気流を増加させることにより動作する。EMA(登録商標)器具に関する1つの問題点とは、各器具を作成するために患者の特定の歯列が必要となることである。必要とされているのは、器具の形成前に患者の特定の歯列を必要としないソリューションである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある方法のいくつかの実施形態は、少なくとも2個の上部器具ボタン突起を含む上部歯科器具シャーシと、上部歯科器具シャーシから突出する細長い部材の形成、少なくとも2個の下部器具ボタン突起、少なくとも2個の垂直変位咬合パッドと下部歯科器具シャーシから突出する第2の細長い部材を含む下部歯科器具シャーシの形成、上部歯科用トレイを形成するための少なくとも2個の器具ボタン突起を露出させる上部歯科器具シャーシと一体化された第1の矯正可能層を提供する上部歯科器具シャーシ上での第1の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールド、そして底部歯科トレイを形成する少なくとも2個の下部器具ボタン突起と少なくとも2個の垂直変位咬合パッドを露出させる下部歯科器具シャーシと一体化された第2の矯正可能層を提供する下部歯科器具シャーシ上での第2の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールドを含み、少なくとも2個の垂直変位咬合パッドは、後部から前部へ傾斜する勾配を含む。
【0004】
さらに、この方法は、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシを含む歯科器具の形成を含み、少なくとも2個の下部器具ボタン突起及び少なくとも2個の上部器具ボタン突起は、2本以上のバンドが上部歯科トレイと下部歯科トレイを接続するために取り付けられている場合に下顎の前方位置を確保する。
【0005】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、エチレンプロピレンコポリマー及びポリオキシメチレンコポリマーのうちの1又は複数から射出成形される。
【0006】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、熱可塑性オレフィン、熱可塑性ポリオレフィン、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーを使用して射出成形される。
【0007】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、ポリエチレンテレフタレートを使用して射出成形される。
【0008】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、光重合性液体熱硬化性架橋ポリマー、ポリウレタン、メタクリレート、及びコポリマーのうちの1又は複数の三次元(3D)プリントにより形成される。
【0009】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、ウレタンジメタクリレート(UDMA)のウレタンモノマー、酸性モノマー、及び1又は複数の疎水性モノマーの重合性樹脂組成物の三次元(3D)プリントにより形成される。
【0010】
1又は複数の実施形態では、第1の熱可塑性プラスチック及び第2の熱可塑性プラスチックは、1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム、及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーから構成される。
【0011】
1又は複数の実施形態では、第1の熱可塑性プラスチック及び第2の熱可塑性プラスチックは、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシ上にオーバーモールドされた1又は複数のカプロラクトン又はポリカプロラクトンポリマー材料で構成される。
【0012】
1又は複数の実施形態では、少なくとも2つの垂直変位咬合パッドは、1又は複数の高さを有する交互の垂直変位咬合パッドと置き換えられるように構成される。
【0013】
別の実施形態は、少なくとも2つの上部歯科器具ボタン突起を含む上部歯科器具シャーシ層と、上部歯科器具シャーシから突出する第1の細長い部材を含む2層上部トレイを含む下顎前進歯科器具、及び1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム及び上部歯科器具シャーシの表面での1又は複数の空洞を介して上部歯科器具シャーシと一体化されている1又は複数のポリカプロラクトンポリマーで形成された上部歯科器具シャーシ層の一部の上に射出オーバーモールドされた第1の矯正可能な熱可塑性プラスチック層、少なくとも2つの上部器具ボタン突起を露出するように構成されている第1の矯正可能な熱可塑性層、少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位バイトパッドを含む下部歯科器具シャーシ層と下部歯科器具シャーシから突出する第2の細長い部材を含む2層下部トレイ、及び下部歯科器具シャーシ層の表面に1又は複数の空洞を介して下部歯科器具シャーシと一体化された1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーで形成された下部歯科器具シャーシ層上に射出オーバーモールドされた第2の矯正可能な熱可塑性樹脂層、及び少なくとも2つの下部器具ボタン突起及び少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを露出するように構成された第2の矯正可能な熱可塑性樹脂層を対象とし、少なくとも2つの垂直変位咬合パッドは、後部から前部へ傾斜する勾配を含む。
【0014】
1又は複数の実施形態では、下顎前進歯科器具は、下顎前進を実現するため2層下部トレイを2層上部トレイに結合するように適合させた一対のバンドを含む。他の実施形態では、第1の細長い部材及び第2の細長部材は、患者が着用したときに前方下顎調整を測定するためのマークを含む。さらに、1又は複数の実施形態では、第1の細長部材及び/又は第2の細長部材は、デフォルトの21ミリメートルのマーキングを含み、第1の細長部材及び第2の細長部材のうちの少なくとも1つは、バンドの対の長さに一致する変位を識別するマークを含む。
【0015】
1又は複数の実施形態において、請求項の下顎前進用歯科器具は、下顎の前進を実現するために2層下部トレイを2層上部トレイに結合するように適合させた一対のバンドを含む。
【0016】
いくつかの実施形態は、プロセッサーと、本明細書に記載の方法を実施するためにプロセッサーで実行されるときに動作する命令を記憶する非一時的なコンピューター可読記憶媒体を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1は、本開示の1又は複数の実施形態従った、オーバーモールド製造によるストラップ、ボタン突起、及び垂直変位咬合パッドを含む熱可塑性歯科器具を示す。
【0018】
図2は、本開示の1又は複数の実施形態に従ってオーバーモールドされた歯列層を示す、ストラップ、ボタン突起、及び咬合パッドを含む熱可塑性歯科器具の上面分解図を示す。
【0019】
図3は、本開示の1又は複数の実施形態に従ってオーバーモールドされた歯列層を示す、ストラップ、ボタン突起、及び咬合パッドを含む熱可塑性歯科器具の底面分解図を示す。
【0020】
図4は、本開示の1又は複数の実施形態に従った方法を示す。
【0021】
図5は、本開示の1又は複数の実施形態に従った別の方法を示す。
【0022】
図6は、本開示の1又は複数の実施形態に従ったコンピューティングデバイスを含むシステム及びネットワーク環境を示す。
【0023】
図7は、本開示の1又は複数の実施形態に従ったプロセッサー及びコンピューティングデバイスを示す。
【0024】
図8は、本開示の1又は複数の実施形態に従ったネットワーク環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照している。図面では、文脈に別段の指示がない限り、通常、類似の記号により類似の部品を識別する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本請求書で提示する課題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、他の変更を行ってもよい。
【0026】
ここで図1を参照すると、1又は複数の実施形態に従った歯科器具を示している。他の歯科器具とは異なり、図示の歯科器具は、いびき及び睡眠時無呼吸症候群の治療に適した下顎弾性前進をもたらす「沸騰・咬合(ボイルアンドバイト)」型の器具を実現する。歯科器具100は、下部歯科用シャーシ110と上部歯科用シャーシ120を矯正可能な熱可塑性樹脂層130及び140でオーバーモールドすることにより形成される。下部歯科用シャーシ110及び上部歯科用シャーシ120は、非矯正可能材料で射出成形又は3Dプリントすることができる。層130及び140の矯正可能な熱可塑性オーバーモールド材料は、上部及び下部シャーシ110、120内の複数の空洞により非矯正可能材料の層に結合する。
【0027】
1又は複数の実施形態では、下部歯科用シャーシ110及び上部歯科用シャーシ120は、歯科用シャーシ110、120のそれぞれに2つのボタン突起を含む。図1に示すボタン突起は、上部ボタン突起150及び下部ボタン突起160を含む。図1はさらに、細長部材112及び132を含み、細長部材112は上部歯科用シャーシ120に取り付けられ、細長部材132は下部歯科用シャーシ110に取り付けられる。1又は複数の実施形態では、細長部材112及び132は、患者に対する適切な滴定及びバンド190の選択を可能にするマークなどの測定値を含む。
【0028】
より具体的には、図1に示すように、下部歯科シャーシ110は、患者の睡眠時無呼吸及びいびきを防止するのに適切なバンドの長さを識別するように機能するミリメートルマークであり得る測定マーク134を備えた細長い部材132を含む。一実施形態では、上部歯科用シャーシ120と下部歯科用シャーシ110が上下に整列すると、端部114として示される細長部材112の端部が測定マーク132と整列する。一実施形態では、このマークは、睡眠時無呼吸症候群を防止するのに十分な歯を並べる下顎の前方前進を患者が達成するのに21ミリメートルの長さのバンドが適切であることを示す「21」であってもよい。
【0029】
すべての患者が21ミリメートルの長さのバンド又はストラップで適切な前進を達成できる下顎骨を持っているわけではないため、細長部材上でのマーキングにより、歯科器具を取り付けてバンドの適切な長さを決定することができる。例えば、患者が歯列に器具をぴったり合わせた後に歯科器具を挿入する場合、患者は、適切なアライメント(位置合わせ)と、快適で患者の口に適した下顎の前方前進を達成する水平方向の前進を決定することができる。次に、細長部材上のマーキングは、そのアライメントに関連するサイズのバンドを決定するのに役立つ。例えば、上部細長部材112の端部が下部細長部材132に対してどこに位置するかにより、必要とされるバンドのタイプが示される。したがって、患者が、上部細長部材112のマーク114が「21」と一致する位置よりも大きな前進を必要とする場合、変位が測定マーク132上にミリメートルで表示される。さらに下顎が1ミリメートル変位すると、所定の患者には20ミリメートルのバンドが適切であることが示される。逆に、患者に過蓋咬合がある場合は、上部細長部材112のマーク114がマーク「21」に対して位置する量によって示されるとおり、長いバンドほどより適切となり、21ミリメートルのバンドを何ミリメートル超えるかが、快適な前進に適していることが示される。
【0030】
ここで図2及び図3を参照すると、歯科器具の分解図は、睡眠時無呼吸の治療に適した歯科器具を作成するために異なる構成部品をどのように組み合わせるかを示している。
【0031】
図示のとおり、図2及び3は、下部歯科シャーシ110及び上部歯科シャーシ120を示し、射出オーバーモールドによる矯正可能な熱可塑性樹脂層130及び140への確実な結合を可能にする空洞を示す。底部の下部歯科用シャーシ110は、ボタン突起160、咬合パッド170、及び測定マーク132及びマーク「21」136を備えた細長部材130をさらに含む。一実施形態では、咬合パッド170は、患者にとって適切な異なる高さの垂直変位を可能にする代替のスナップオン型の咬合パッドを含む。別の実施形態では、咬合パッド170は、患者により多くの快適性をもたらすために後部から前部に向かって増加する勾配を含む。より具体的には、ある実施形態では、射出成形咬合パッド又はスナップオン型咬合パッドのいずれかが動けるようにするための後部から前部までの1~2ミリメートルの勾配を含む。
【0032】
図2及び図3はさらに、下部歯科用シャーシ110を上部歯科用シャーシ120に結合するように構成された弾性バンド190を示す。図示のとおり、上部歯科用シャーシ120は、弾性バンド190を受けるためのボタン突起150を含む。図2及び図3はさらに、上部歯科用シャーシ120が、射出オーバーモールディングによって矯正可能な熱可塑性層140を受け入れるための空洞を含むことを示している。
【0033】
ここで図4を参照すると、流れ図は歯科器具を形成する方法を示している。図示のとおり、ブロック410は、少なくとも2つの上部器具ボタン突起150及び細長部材112を含む上部歯科器具シャーシの形成をもたらす。例えば、下部歯科用シャーシ110及び上部歯科用シャーシ120は、射出成形及び3Dプリントのうちの1つ又は複数によって形成される。
【0034】
ブロック420は、少なくとも2つの下部器具ボタン突起160、少なくとも2つの下部器具咬合パッド170、及び測定マーク134及び136を有する細長部材132を含む下部歯科器具シャーシ110の形成をもたらす。例えば、下部歯科器具シャーシ110及び上部歯科器具シャーシ120の両方ともに、非矯正熱可塑性プラスチック、ナイロン又は他の非矯正材料の射出成形又は3Dプリントにより形成することができる。
【0035】
ブロック430は、少なくとも2つの上部器具ボタン突起を露出させる上部歯科器具シャーシと一体化された第1の矯正可能層をもたらすための上部歯科器具シャーシ上での第1の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールドをもたらす。例えば、下部歯科器具シャーシ110及び上部歯科器具シャーシ120の両方ともに、非矯正熱可塑性プラスチック、ナイロン又は他の非矯正材料の射出成形又は3Dプリントにより形成することができる。1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、エチレンプロピレンコポリマー及びポリオキシメチレンコポリマーのうちの1又は複数から射出成形される。1つ又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、熱可塑性オレフィン、熱可塑性ポリオレフィン、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーを使用して射出成形することができる。1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、ポリエチレンテレフタレートを使用して射出成形される。
【0036】
他の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、光重合性液体熱硬化性架橋ポリマー、ポリウレタン、メタクリレート、及びコポリマーのうちの1つ又は複数の三次元(3D)プリントにより形成される。1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、ウレタンジメタクリレート(UDMA)のウレタンモノマー、酸性モノマー、及び1又は複数の疎水性モノマーの重合性樹脂組成物の三次元(3D)プリントにより形成することができる。
【0037】
再び図4を参照すると、ブロック440は、少なくとも2つの下部器具ボタン突起及び少なくとも2つの器具咬合パッドを露出させる下部歯科器具シャーシと一体化された第2の矯正可能層を実現するための下部歯科器具シャーシ上への第2の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールドをもたらす。例えば、図2及び3を参照すると、下部歯科器具シャーシ110上に矯正可能な熱可塑性プラスチック130を射出オーバーモールドすることにより、下部歯科器具シャーシ110の矯正可能な熱可塑性プラスチック130との一体化が可能になる。1又は複数の実施形態では、下部歯科器具シャーシ110は、下部歯科器具シャーシ110への矯正可能な熱可塑性プラスチック130のより良好な接着のための表面を提供する空洞又は変形を含む。
【0038】
三次元プリンターに適した材料は、樹脂タイプの材料、及び2017年6月20日付のSadowskyらへの米国特許第9,682,018号「入れ歯の歯と材質」に記載されている材料とすることができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。当業者ならば認識するように、歯科器具に適した材料はFDA承認を受けなければならない。樹脂に適した材料については、Tanaka J, Hashimoto T., Stansbury JW, Antonucci JM, Suzuki K., ”Polymer Properties of Resins Composed of UDMA an Methacrylates With the Carboxyl Group”(カルボキシル基を有するメタクリル酸エステルであるウレタンジメタクリレート(UDMA)で構成される樹脂のポリマー物性) Dental Material Journal 2001; 10:206-215に詳述されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0039】
本明細書で言及している三次元印刷には、ステレオリソグラフィー(SLA)、マイクロステレオリソグラフィー(pSLA)、DLP投影、2PP(二光子重合)、連続液体界面製造及び材料噴射が含まれるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、三次元プリントは、別個の層で形成された連続層による層別プリントを含む。例えば、ポリマー/樹脂成分の配合物のリザーバーに浸漬したビルドプレートを備えた表面を、光開始剤を活性化して光重合を引き起こす波長及び強度で光に曝すことができる。当業者には理解されるように、光重合性樹脂のリザーバーから歯科用トレイを構築する連続液体中間相プリントなどの他の三次元プリント方法もある。連続液体中間相プリントは、米国特許公開第2015/0097315号、第2015/0097316号及び第2015/0102532号に記載されており、それぞれの開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
したがって、上に示したとおり、歯科器具の上部及び下部の歯科器具シャーシ部分は、3D技術を使用して直接製造することができる。3Dプリンティング技術に適した材料には、光重合性液体材料などの熱硬化性ポリマーが含まれる。1又は複数の実施形態では、3Dプリントに適した材料には、ポリウレタン、メタクリレート又はコポリマーなどの架橋ポリマーが含まれる。いくつかの実施形態では、3Dプリント材料はナイロン材料を含むことができる。
【0041】
1又は複数の実施形態において、粉砕及び/又は射出成形に使用される材料は、Myerson Tooth, Inc.(マイヤーソントゥース株式会社)が提供することができ、これにはVisiClear(登録商標)及びDuraFlex(登録商標)が含まれ、表1に示す以下の特性を有するエチレンプロピレンコポリマーである。
【0042】
【表1】
【0043】
別の実施形態では、シャーシ構成部品用の射出成形材料は、DuraCetal(登録商標)により提供することができ、またMyerson Tooth, Inc.からも入手可能であり、表2に示す以下の特性を有するポリオキシメチレンコポリマーである。
【表2】
【0044】
ここで図5を参照すると、歯科器具の方法に関する別の実施形態を示す流れ図を示している。特に、ブロック510は、歯科器具を浸漬するための細長部材を使用した歯科器具の加熱をもたらす。例えば、弾性ストラップ190のない歯科器具100は、矯正可能な熱可塑性プラスチックが加熱されて矯正が可能となるように、沸騰又は他の熱処理により加熱することができる。1又は複数の実施形態では、歯科器具は、それぞれが矯正可能な熱可塑性層を有する上部歯科器具シャーシ120及び下部器具シャーシ110などの上部歯科用トレイを含む。
【0045】
ブロック520は、患者の歯列に沿った第1の矯正可能な熱可塑性プラスチック層及び第2の矯正可能な熱可塑性プラスチック層の成形を提供する。例えば、矯正可能な熱可塑性層130及び矯正可能な熱可塑性層140などの第1の矯正可能な熱可塑性層は、矯正可能な熱可塑性材料に結合した硬質の下部歯科用シャーシと上部歯科用シャーシとの間の結合を含むことができる。いくつかの実施形態では、成形可能層と矯正可能層の間での結合は、機械的結合と化学的結合の組み合わせとすることができる。
【0046】
ブロック530は、下顎を前進させるための細長部材上のマークを使用した距離の識別をもたらす。例えば、細長部材132上のマーク134は、細長部材112上の上部マーク114が患者の下顎を快適に前進させる「21」マーク136からの距離(もしある場合)を識別する。これは、歯科器具の上部シャーシと下部シャーシを結合するためのバンドの長さを識別する。
【0047】
ブロック540は、マークによって識別される少なくとも2つのバンドを取り付けて歯科器具の上部を歯科器具の下部に結合することをもたらし、上部は第1の矯正可能な熱可塑性層を含み、歯科器具の下部は第2の矯正可能な熱可塑性層歯科器具の下部を含み、少なくとも2つのバンドは上部歯科用トレイと下部歯科用トレイを接続するために2つのバンドが取り付けられている場合に、下顎の前方位置を確保するために、第1の対のボタン突起を第2の対のボタン突起に取り付ける。
【0048】
ブロック550は、患者の歯列が変化した場合、当該方法は第1の矯正可能な熱可塑性層及び第2の矯正可能な熱可塑性層を再成形するための歯科器具の再加熱をもたらす。
【0049】
1又は複数の実施形態において、熱処理とは、患者が加熱された歯科器具を挿入して患者の歯列に応じて第1及び第2の矯正可能な熱可塑性樹脂層を形成する沸騰・咬合熱処理である。
【0050】
1又は複数の実施形態では、上部歯科用トレイは、射出オーバーモールディングにより第1の矯正可能な熱可塑性層に結合された第1の非矯正層を含み、下部歯科用トレイは、射出オーバーモールディングにより第2の矯正可能な熱可塑性層に結合した第2の非矯正層を含む。
【0051】
1又は複数の実施形態では、第1の矯正可能な熱可塑性層及び第2の矯正可能な熱可塑性層は、1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーからなる。例えば、いくつかの実施形態では、矯正可能な熱可塑性プラスチック層は、CAPA(登録商標) 6800及び/又はCAPA(登録商標) 6500熱可塑性プラスチックで形成することができる。
【0052】
1又は複数の実施形態では、下部歯科用トレイは、一対の垂直変位咬合パッドを含む。例えば、一対の垂直変位咬合パッドは、矯正不可能なシャーシ部品の一部とすることもできる。1又は複数の実施形態では、垂直変位咬合パッドは、スナップオン型の咬合パッドであってもよい。例えば、矯正不可能なシャーシ構成部品は、スナップオン型咬合パッドの切り替えを可能にする土台を含むことができる。
【0053】
ここで図6を参照すると、この図は、スキャナー/カメラ616に接続されたコンピューティングデバイス610を含む例示的な環境600を示し、そのスキャナー/カメラは、ネットワークインターフェースを介してサーバー/クラウドコンピューターサーバー630に接続されている第1のユーザー620に接続される。本明細書でさらに説明するとおり、図示のコンピューティングデバイス610及びコンピューターサーバー630は、様々な実施形態に従って、コンピューターにより実現される方法、システム、及び製品を使用することができる。コンピューティングデバイス610及びコンピューターサーバー630は、様々な実施形態において、コンピューティングデバイス610の機能を可能にする
【0054】
図6に示すコンピューティングデバイス610はタブレットコンピューターであってもよく、代替実施形態では、様々な実施形態に従って計算により実装される製造の方法、システム、及び製品は、例えば携帯電話、ラップトップ、スマートフォン、電子書籍リーダーなど他の種類のポータブルコンピューティングデバイスを含む他のフォームファクターを有する他の種類のコンピューターシステムで具現化することができる。コンピューティングデバイスは、可能性のあるコンピューティングデバイスとしてスマートフォン、クライアントコンピューターなどを含み得る。図示するとおり、コンピューティングデバイス610には、コンピューティングデバイス610の入出力としてタッチスクリーンなどのディスプレイを含めることができる。コンピューティングデバイス610には、タッチ入力・出力キーボード又は取り付けられたキーボードのいずれかとして、キーボードをさらに含めることができる。さらに図示するとおり、コンピューティングデバイス610はスキャナー616にも接続することができる。一実施形態では、スキャナー616は、患者の歯列及び口腔の特徴を示す3D画像を作成することができる走査カメラであり得る。
【0055】
ここで図7を参照すると、コンピューティングデバイス610を、さらに論理モジュール702、ネットワークインターフェース704、ユーザーインターフェース710、メモリー及びコンピューター可読命令752を含むことができるプロセッサー716とともに示している。論理モジュール702は、ASICなどの回路構成部品を使用して実装することができる。図示している論理モジュール702及び他のモジュールは、ASICなどの特別に設計された回路と、コンピューター可読命令752を実行する1つ又は複数のプロセッサー716(又はフィールドプログラマブルゲートアレイ又はFPGAなどの他の種類の回路)との組み合わせを使用して実装することができる。例えば、いくつかの実施形態では、論理モジュールの少なくとも1つは、特別に設計された回路(例えば、ASIC)を使用して実装することができるが、第2の論理モジュールは、コンピューター可読命令752(例えば、ソフトウェア及び/又はファームウェア)を実行するプロセッサー716(又はFPGAなどの他のタイプのプログラマブル回路)を使用して実装してもよい。システム要件は、本明細書の実施形態を満たすソフトウェア、ファームウェア及び回路の組み合わせ規定することができ、例えば、論理モジュールは、本開示の範囲内の方法及びシステムを迅速に実装するために、ソフトウェア/ハードウェア/ファームウェアの最も効率的な組み合わせを使用するように設計することができる。
【0056】
様々な実施形態において、コンピューティングデバイス610のメモリー714は、大容量記憶装置、読み取り専用メモリー(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリー(PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリー(EPROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、フラッシュメモリー、同期ランダムアクセスメモリー(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)、及び/又は他の種類のメモリーデバイスなどのキャッシュメモリーのうちの1つ又は複数で構成することができる。様々な実施形態において、メモリーに格納された1又は複数のアプリケーション764、766は、例えば、オペレーティングシステム762、ブラウザー763、及びワードプロセッシングアプリケーション又は画像処理アプリケーションなどの1又は複数の生産性アプリケーション764、スキャンアプリケーション及び1又は複数の通信アプリケーション766を含み得る。
【0057】
コンピューティングデバイス610は、アクセス制限モジュール706を含むこともできる。コンピューティングデバイス610のアクセス制限モジュール706は、コンピューティングデバイス610を介したアクセスを制限するか、又はコンピューティングデバイス610による1つ又は複数の動作を防止するように構成することができる。コンピューティングデバイス610はまた、バスを介してアクセス制限モジュール706に結合された歯列矯正器具生成モジュール708を含むこともできる。
【0058】
図8を参照すると、歯列矯正器具生成モジュール708は、第1のユーザー620がコンピューティングデバイス610を操作しようとしている許可されたユーザーであると判定するように構成することができる。器具生成モジュール708は、コンピューティングデバイス610がネットワーク接続650に接続されている間に、ネットワーク受信データに基づいて確立された認定ユーザーを決定するように構成することもできる。クラウドコンピューティング設定又はコンピューターサーバー630内に存在する器具生成モジュール708の場合、器具生成モジュール708は、最初にネットワーク650にログインするとき、又はクラウドコンピューティングがコンピューターサーバー630にログインするときに、第1のユーザーに対するネットワークベースの認可を決定するように構成することができる。
【0059】
器具生成モジュール708は、スキャナー616から入力を受信するように構成することができる。
【0060】
図6及び図7のネットワーク650を介してコンピューター装置610に接続するコンピューターサーバー630は、睡眠時無呼吸を治療するための垂直変位及び下顎の前方位置を確立及び/又は決定することができる。例えば、スキャナー616及び/又は患者の歯の型を検査し、睡眠時無呼吸の治療に必要な調整を決定するために使用することができる。ボタン突起を含む上部及び下部シャーシは、金型から作成し、矯正可能な熱可塑性プラスチック層をオーバーモールディングとして射出成形する前に射出成形することができる。例えば、不正咬合及び睡眠時無呼吸症の患者は、スキャナー616又は他の方法による判定を必要とする。各患者は、歯と軟組織のスキャン結果と患者の意見に応じて、双方の睡眠時無呼吸症候群の治療のために、水平方向と垂直方向の変位の異なる配置を必要とする場合がある。垂直方向の変位は、下部咬合パッドによるもの、又は下部歯科用トレイの厚さによるものである。実施形態では、垂直変位は、型、フライス加工された器具、又は3Dプリントされた歯科用器具の一部である。
【0061】
いくつかの実施形態では、弾性ストラップは、下顎を前方に前進させるための段階的かつ増分的な調節を可能にするために、異なる長さ及び強度のものとすることができ、例えば、一部のストラップの長さは21mmであるが、より柔らかいものとすることもより弾性の強いものとすることもできる。いくつかの実施形態では、患者の快適さと有効性のために、9種類の異なる長さを用意し、4つの異なる強度を用意することができる。
【0062】
1又は複数の実施形態では、咬合パッド170は、睡眠時無呼吸症候群の患者に必要な垂直成分の決定された量に応じた、又は軟口蓋の形状の関数としての歯科器具の咬合パッドの高さに応じて、スナップオン型の咬合パッドとなり得る。他の実施形態では、垂直変位は、舌骨の形状などの患者の軟組織によって決定される。1又は複数の実施形態では、スキャナー/カメラ616などのスキャナー及び/又はカメラが軟口蓋の形状を検出する。データは口腔特性データとして収集され、上部及び下部歯列器具シャーシの製造のために口腔特性を分類するように動作するプロセッサーに提供される。
【0063】
1又は複数の実施形態では、軟口蓋には、短い、正常、又は長いという3つの分類がある。したがって、1又は複数の実施形態では、ある方法には、軟口蓋の後端が短いかどうかの判定が含まれる。例えば、軟口蓋の後端と口腔咽頭後壁の間に5~7mmのスペースがある場合、軟口蓋は短いと判断され、歯科器具には5~7mmの垂直変位が必要となる。いくつかの実施形態では、垂直変位を決定するために、スキャナーにより、上顎中央の歯肉歯冠接合部から下顎中央の歯肉歯冠接合部までの距離を測定することができる。この距離が、例えば20mmであり、したがって7mmの垂直変位が望ましい場合、いくつかの実施形態では、咬合が7mmの垂直変位を有するように垂直変位を決定することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ある方法は、軟口蓋の後端が正常な軟口蓋よりも長いかどうかを判定することを含む。軟口蓋が長いため軟口蓋の後縁と口腔咽頭の後壁の間に3~4mmの空間がある場合、いくつかの実施形態では、患者が仰臥位にあるときに軟口蓋が気道を塞がないようにするため、歯科器具は、8~10mmの垂直変位を確保するように作製することができる。
【0065】
軟口蓋が非常に長く、水かきのような形状で、軟口蓋と口腔咽頭後壁の間のスペースがわずか2mm以下の場合、器具はおそらく11~14mmの垂直変位を必要とする。
【0066】
1又は複数の実施形態において、スキャナーは、軟口蓋が短いか、長いか、又は正常であるかを判定し、口蓋に対する口蓋垂の位置を判定する。
【0067】
下部歯科用トレイの咬合パッドの配置とサイズは、患者の口蓋の長さに応じて決まる。さらに、いくつかの実施形態では、上部歯科用トレイの上顎ボタン突起は、左右の犬歯と第1小臼歯の間にある溝での各切端縁に配置される。
【0068】
下顎のボタン突起(下部にある歯科用トレイのボタン突起)の配置は、患者の可動範囲を決定することによって決まる。いくつかの実施形態では、スキャナーは、上顎の伸展の前後を測定することによって最大可動範囲を検出する。例えば、患者の前進可能量が5~7mmのみの場合、ボタンは患者の歯を中心にして23mm離れて配置される。患者の潜在的な前進量が7~10mmの場合、ボタンは25mmの間隔で配置され、患者の潜在的な前進量が10~17mmの場合、ボタンは27mmの間隔で配置される。
【0069】
1又は複数の実施形態では、ある方法は、患者のモデルを中心に閉塞し、下顎ボタンの中心を上顎ボタンの中心から23、25、又は27mmに配置することによる下顎弓上のボタン位置の決定を含む。
【0070】
上述のように、スキャナー/カメラ616は、歯列データ及び/又は軟口蓋データを決定するために患者の口の画像/スキャンを取得し、スキャナー又はスキャナー/カメラに組み込まれたプロセッサーに連結しているコンピューターシステムが、上部と下部の歯科器具シャーシ上のボタン突起と咬合パッドの配置を決定する。
【0071】
1又は複数の実施形態において、患者の口腔特性データの受信は、スキャナー又はカメラによる歯の型のスキャン、及び口腔特性データのサーバーへの送信を含む。
【0072】
1又は複数の実施形態では、患者の口腔特性データの受信は、スキャナーによる患者の口腔のスキャン、口腔特性データには患者の歯及び歯肉線の1又は複数の画像と患者の軟口蓋の1又は複数の画像としての歯列データが含まれる、歯列データを決定するための口腔画像の作成、及び口腔特性のサーバーへの送信を含む。
【0073】
1又は複数の実施形態では、口腔特性データ及び垂直変位の決定は、患者の軟口蓋の形状に応じて異なる。
【0074】
1又は複数の実施形態では、口腔特性による患者の軟口蓋形状の関数としての垂直変位の決定は、軟口蓋が患者の軟口蓋の後端と口腔咽頭の後壁の間で5~7ミリメートルの間での空間を有する場合、5~7ミリメートルの間での垂直変位の判定を含む。
【0075】
1又は複数の実施形態では、口腔特性データによる患者の軟口蓋形状の関数としての垂直変位の決定は、口腔特性データを処理して上顎中央の歯肉歯冠接合部から下顎中央の歯肉と歯冠の接合部までの距離の測定を含む。
【0076】
1又は複数の実施形態では、口腔特性データによる患者の軟口蓋形状の関数としての垂直変位の決定は、軟口蓋の後縁が患者の軟口蓋の後端と口腔咽頭の後壁の間で3~5ミリメートルの空間により正常な軟口蓋よりも長いかどうかの決定、及び8~10ミリメートルの垂直変位の確保を含む。
【0077】
1又は複数の実施形態では、口腔特性データによる患者の軟口蓋の形状の関数としての垂直変位の決定は、軟口蓋の後縁が正常な軟口蓋よりも長く、水かきがあるかどうかで、その場合軟口蓋と口腔咽頭の後壁との間には2ミリメートル以下の空間が存在し、少なくとも11~14ミリメートルの垂直変位を確保するかどうかの判定を含む。
【0078】
1又は複数の実施形態では、口腔特性データによる患者の軟口蓋の形状の関数としての垂直変位の決定は、軟口蓋が短い、正常、及び長いのいずれかであるかの判定を含む。
【0079】
1又は複数の実施形態では、下部歯科用トレイは、下部歯科用トレイの左側にある第1の垂直変位咬合パッドと、下部歯科用トレイの右側にある第2の垂直変位咬合パッドを含み、それぞれの高さは、第1及び第2の垂直変位咬合パッドは、口腔特性データに従って決定され、口腔特性データから、気道機能を示す患者の軟組織データが得られる。
【0080】
1又は複数の実施形態では、ボタン突起により歯科器具のいずれかの側に結合された2つの弾性バンドを介して、下部歯科用トレイが上部歯科用トレイに結合される。弾性バンドは、各対が異なる長さ及び/又は弾性を有する複数の対の弾性バンドを含むことができる。
【0081】
ある方法のいくつかの実施形態には、少なくとも2つの上部器具ボタン突起を含む上部歯科器具シャーシの形成、少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを含む下部歯科器具シャーシの形成、少なくとも2つの上部器具ボタン突起を露出させて上部歯科器具トレイを形成するための上部歯科器具シャーシ上での第1の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールド、上部歯科器具シャーシと一体化された第1の矯正可能な熱可塑性プラスチック層の提供、及び底部歯科器具トレイを形成するための少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを露出させる下部歯科器具シャーシと一体化された第2の矯正可能な熱可塑性プラスチック層を提供するための上部歯科器具シャーシ上での第2の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールドを含む方法を含めることができる。
【0082】
1又は複数の実施形態において、この方法は、下部歯科用トレイ及び上部歯科用トレイを含む歯科器具の形成を含み、下部歯科用トレイ及び上部歯科用トレイのそれぞれでは、下部歯科用トレイは少なくとも2つの垂直変位咬合パッドと少なくとも2つの下部器具ボタン突起を含み、上部歯科用トレイは少なくとも2つの上部器具ボタン突起、少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの上部器具ボタン突起を含み、上部歯科トレイと下部歯科トレイを接続するために2つの弾性バンドが取り付けているときに下顎の前方位置を確保する。
【0083】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、エチレンプロピレンコポリマー及びポリオキシメチレンコポリマーのうちの1又は複数から射出成形される。
【0084】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、熱可塑性オレフィン、熱可塑性ポリオレフィン、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーを使用して射出成形される。
【0085】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、ポリエチレンテレフタレートを使用して射出成形される。
【0086】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、光重合性液体熱硬化性架橋ポリマー、ポリウレタン、メタクリレート、及びコポリマーのうちの1又は複数の三次元(3D)プリントにより形成される。
【0087】
1又は複数の実施形態では、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシは、ウレタンジメタクリレート(UDMA)のウレタンモノマー、酸性モノマー、及び1又は複数の疎水性モノマーの重合性樹脂組成物の三次元(3D)プリントにより形成される。
【0088】
1又は複数の実施形態では、第1の熱可塑性プラスチック及び第2の熱可塑性プラスチックは、1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム、及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーから構成される。
【0089】
1又は複数の実施形態では、第1の熱可塑性プラスチック及び第2の熱可塑性プラスチックは、上部歯科器具シャーシ及び下部歯科器具シャーシ上にオーバーモールドされた1又は複数のカプロラクトン又はポリカプロラクトンポリマー材料で構成される。
【0090】
1又は複数の実施形態では、第1の熱可塑性プラスチック及び第2の熱可塑性プラスチックは、熱処理を介して患者の歯列に形成可能な接着された上顎突出型歯列層を実現する。
【0091】
1又は複数の実施形態において、第1の熱可塑性プラスチック及び第2の熱可塑性プラスチックは、1回以上の後続の熱処理により患者の変化した歯列に合わせて矯正可能な接着上顎突出歯列層を実現する。
【0092】
1又は複数の実施形態では、熱処理は、沸騰・咬合工程を含む。
【0093】
1又は複数の実施形態では、少なくとも2つの垂直変位咬合パッドは、1又は複数の高さを有する交互の垂直変位咬合パッドと置き換えられるように構成される。
【0094】
別の実施形態は、プロセッサーと、歯科器具を形成するためにプロセッサー上で実行されるときに動作して命令を記憶する非一時的なコンピューター可読記憶媒体を備えるシステムを対象とし、少なくとも2つの上部器具ボタン突起を含む上部歯科器具シャーシの形成、少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを含む下部歯科器具シャーシの形成、上部歯科器具トレイを形成するために少なくとも2つの上部器具ボタン突起を露出させる上部歯科器具シャーシと一体化された第1の矯正可能な熱可塑性プラスチック層を実現するための上部歯科器具シャーシ上での第1の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールド、及び底部歯科用トレイを形成するために少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを露出させる下部歯科器具シャーシと一体化された第2の矯正可能な熱可塑性プラスチック層を実現するための上部歯科器具シャーシ上での第1の熱可塑性プラスチックの射出オーバーモールドを含む。
【0095】
別の実施形態は、熱処理による矯正可能な熱可塑性層を有する上部歯科用トレイと第2の矯正可能な熱可塑性層を有する下部歯科用トレイが含まれる歯科器具の加熱、患者の歯列に沿った第1の矯正可能な熱可塑性層と第2の矯正可能な熱可塑性層の成形、歯科器具の上部を歯科器具の下部に結合するための少なくとも2つの弾性ストラップの歯科器具への取り付けで上部は第1の矯正可能な熱可塑性層を含み歯科器具の下部は第2の矯正可能な熱可塑性層及び少なくとも2つの弾性ストラップを含み、その少なくとも2つの弾性ストラップは弾性バンドが上部歯科用トレイと下部歯科用トレイを接続するために取り付けられるときに下顎の前方位置を確保するために第1の対のボタン突起を第2の対のボタン突起に取り付けるものである工程を含む方法を対象としている。
【0096】
1又は複数の実施形態は、患者の歯列が変化した場合、第1の矯正可能な熱可塑性層及び第2の矯正可能な熱可塑性層を再成形するための歯科器具の再加熱をさらに含む。
【0097】
1又は複数の実施形態において、熱処理は、患者が加熱された歯科器具を挿入して、患者の歯列に応じて第1及び第2の矯正可能な熱可塑性樹脂層を形成する沸騰・咬合熱処理である。
【0098】
1又は複数の実施形態では、上部歯科用トレイは、射出オーバーモールディングにより第1の矯正可能な熱可塑性層に結合された第1の非矯正層を含み、下部歯科用トレイは、射出オーバーモールディングにより第2の矯正可能な熱可塑性層に結合した第2の非矯正層を含む。
【0099】
1又は複数の実施形態では、第1の矯正可能な熱可塑性層及び第2の矯正可能な熱可塑性層は、1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーからなる。
【0100】
1又は複数の実施形態では、下部歯科用トレイは、後部から前部まで少なくとも1ミリメートルの勾配を有する一対の垂直変位咬合パッドを含む。
【0101】
別の実施形態は、2層の下部トレイを含む下顎前進歯科器具を対象とし、次のようなものを含む。つまり、少なくとも2つの下部器具ボタン突起と少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを含む下部歯科器具シャーシ層、下部歯科器具シャーシの表面にある1又は複数の空洞を介して下部歯科器具シャーシと一体化されている1又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーで形成された下部歯科器具シャーシ層上に射出オーバーモールドされた第1の矯正可能な熱可塑性樹脂層で、その第1の矯正可能な熱可塑性層は少なくとも2つの下部器具ボタン突起及び少なくとも2つの垂直変位咬合パッドを露出するように構成されたもの、及び少なくとも2つの上部器具ボタン突起を含む上部歯科器具シャーシ層を含む2層の上部トレイ、及び1つ又は複数のε-カプロラクトン、カプロラクタム及び1又は複数のポリカプロラクトンポリマーから形成され、上部歯科器具シャーシの表面にある1又は複数の空洞を介して上部歯科器具シャーシと一体化されている上部歯科器具シャーシ層の上に射出オーバーモールドされた第2の矯正可能な熱可塑性樹脂層で、第1の矯正可能な熱可塑性層は少なくとも2つの下部器具ボタン突起を露出するように構成されているもの。
【0102】
1又は複数の実施形態において、下顎前進歯科器具は、下顎前進を実現するために2層下部トレイを2層上部トレイに結合するように適合化された一対の弾性ストラップを含む。
【0103】
いくつかの実施形態は、プロセッサーと、本明細書に記載の方法を実施するためにプロセッサーで実行されるときに動作する命令を記憶する非一時的なコンピューター可読記憶媒体を含む。
【0104】
当業者であれば、最新技術が、システムの側面のハードウェア実装とソフトウェア実装の間にほとんど区別が残らないところまで進歩していることを認識することとなり、ハードウェア又はソフトウェアの使用は、一般に(常にというわけではないが、特定の状況ではハードウェアとソフトウェアの選択が重要になる場合がある)、コストと効率の二律背反を呈する設計上の選択になる。当業者であれば、本明細書に記載するプロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術を実行できる様々な媒体(例えば、1つ又は複数の機械又は製品におけるハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア)が存在し、プロセス、システム、及び/又は他のテクノロジーが導入される状況に応じて、優先される車両が変化することを理解するようになる。例えば、実装者が速度と精度が最も重要であると判断した場合、実装者は主にハードウェア及び/又はファームウェアの手段を選択することができる。あるいは、柔軟性が最も重要な場合、実装者は1msまたは複数の機械又は製品に実装される主にソフトウェア実装を選択することもできる。あるいは、さらにまた代替手段として、実装者は、1又は複数の機械又は製品におけるハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの何らかの組み合わせを選択することもできる。したがって、本明細書に記載するプロセス及び/又は装置及び/又は他の技術を実現する可能性のある手段がいくつかあるが、利用する手段は、その手段を展開する状況及び実装者の具体的な関心事項(速度、柔軟性、予測可能性など)に応じて選択され。そのいずれも異なる可能性があるという点で、いずれも本質的に他より優れているわけではない。当業者は、実装の光学的側面は、通常、1つ又は複数の機械又は製品において光学指向のハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを使用することを認識することとなる。
【0105】
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート及び/又は例を使用して、デバイス及び/又はプロセスのさまざまな実施形態を説明した。そのようなブロック図、フローチャート及び/又は例が1つ又は複数の機能及び/又は動作に関する限り、そのようなブロック図、フローチャート、又は例の中にある各機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は事実上それらの任意の組み合わせによって、個別に及び/又は集合的に実装可能であることが当業者には理解されるであろう。一実施形態では、本明細書に記載する対象分野のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサー(DSP)、又は他の統合形式を介して実装することができる。しかしながら、当業者であれば、本明細書に開示する実施形態の一部の態様は、全体的又は部分的に、1つ又は複数のコンピューター上で実行される1又は複数のコンピュータープログラムとして(例えば、1又は複数のコンピューターシステムで実行される1又は複数のプログラム)、1又は複数のプロセッサー上で実行される1又は複数のプログラムとして(例えば、1又は複数のマイクロプロセッサー上で実行される1又は複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、又は事実上それらの任意の組み合わせとして、集積回路内で等価に実装できること、及び回路を設計すること、及び/又はソフトウェア及び/又はファームウェアのコードを書くことは、本開示の観点から当業者の技術の範囲内であることを認識することとなる。さらに、当業者は、本明細書で説明する対象分野の仕組みは、さまざまな形式のプログラム製品として配布することができ、本明細書で説明する対象分野の例示的な実施形態は、実際に配信を実行するために使用される信号伝送媒体の特定の種類に関係なく適用されることを理解するであろう。信号保持媒体の例には、フロッピーディスク、ハードディスク ドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピューターメモリーなどの記録可能型媒体及びデジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンクなど)などの伝送型媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
一般的な意味では、当業者ならば、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって個別に及び/又は集合的に実装することができる、本明細書に記載する様々な態様は、さまざまなタイプの「電気回路」で構成されているとみなすことができるのを認識することとなる。したがって、本明細書で使用する「電気回路」には、少なくとも1つの個別電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータープログラムによって構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書に記載するプロセス及び/又はデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムにより構成された汎用コンピューター、又は本明細書に記載するプロセス及び/又はデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムにより構成されたマイクロプロセッサー)を形成する電気回路、メモリーデバイスを形成する電気回路(例えば、ランダムアクセスメモリーの形態)、及び/又は通信デバイス(例えば、モデム、通信スイッチ、又は光電気機器)を形成する電気回路が含まれるが、これらに限定されない。当業者であれば、本明細書に記載する対象分野は、アナログ方式、デジタル方式、又はそれらの組み合わせで実装できることを認識することとなる。
【0107】
当業者は、本明細書に記載する方法でデバイス及び/又はプロセスを記載し、その後、そのような記載されたデバイス及び/又はプロセスをデータ処理システムに統合するためにエンジニアリング手法を使用することが当技術分野において一般的であるのを認識することとなる。すなわち、本明細書に記載するデバイス及び/又はプロセスの少なくとも一部は、妥当な量の実験によりデータ処理システムに統合することができる。当業者は、典型的なデータ処理システムが、一般的に、システムユニットハウジング、ビデオ表示装置、揮発性及び不揮発性メモリーなどのメモリー、マイクロプロセッサー及びデジタル信号プロセッサーなどのプロセッサー、オペレーティングシステム、ドライバー、グラフィカルユーザーインターフェース、及びアプリケーションプログラムなどの計算実体、タッチパッドやスクリーンなどの1又は複数の対話デバイス、及び/又はフィードバックループや制御モーターを含む制御システム(例:位置や位置を感知するためのフィードバック)/又は速度、構成部品及び/又は数量を移動及び/又は調整するための制御モーター)を含むことを認識することとなる。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システム及び/又はネットワークコンピューティング/通信システムに典型的に見られるコンポーネントなど、任意の適切な市販のコンポーネントを利用して実装することができる。
【0108】
本明細書に記載する対象分野の特定の態様を図示し説明してきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記載する対象分野及びその広範な態様から逸脱することなく変更及び修正を行うことができることは当業者にとって明白であるため、添付の特許請求の範囲は、本明細書に記載する対象分野の真の精神及び範囲内にあるすべてのそうした変更及び修正をその範囲内に包含するものとする。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって規定されることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】