(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028691
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】エネルギビーム方向付け装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/08 20140101AFI20240227BHJP
B22F 10/20 20210101ALI20240227BHJP
B22F 12/40 20210101ALI20240227BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20240227BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240227BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240227BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20240227BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20240227BHJP
【FI】
B23K26/08 Z
B22F10/20
B22F12/40
B23K26/34
B23K26/21 Z
B33Y30/00
B29C64/268
B29C64/153
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132248
(22)【出願日】2023-08-15
(31)【優先権主張番号】17/887,567
(32)【優先日】2022-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジョン フィルキンス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス チャールズ アドコック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サイズ及びパッケージングを低減し、改善された又は制限されたフィールド歪み及び焦点光学の改善された有効性を可能にし得るような、エネルギビームを方向付けるためのシステムを提供する。
【解決手段】付加製造機と、第1方向(A)に沿って第1光学素子(514)を通してエネルギビーム(512)を出力するように構成されたエネルギビームジェネレータ(510)を含むエネルギビームシステム(500)と、を提供する。エネルギビームシステム(500)は、ステアリング光学素子を通して前記エネルギビーム(512)を受信するように配置された光並進システム(520)を含む。前記ステアリング光学素子は並進装置に配置される。前記並進装置は、前記第1方向(A)に垂直な平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向(A)に沿って第1光学素子(514)を通してエネルギビーム(512)を出力するように構成されたエネルギビームジェネレータ(510)と、
ステアリング光学素子(524)と並進装置(525)とを含む光並進システム(520)と、
を含み、
前記光並進システム(520)は、前記ステアリング光学素子(524)を通して前記エネルギビーム(512)を受信するように配置され、
前記並進装置(525)は前記エネルギビーム(512)に角度シフトを誘起するために、前記第1方向(A)に平行でない平面に沿って前記ステアリング光学素子(524)を並進させるように構成されている、
エネルギビームシステム(500)。
【請求項2】
前記平面は、前記第1方向(A)に対して実質的に直交する、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項3】
前記並進装置(525)が、
前記平面内で第1ステアリング方向(H)に沿って前記ステアリング光学素子(524)を並進させるように構成された第1並進デバイス(526)と、
前記平面内で第2ステアリング方向(T)に沿って前記ステアリング光学素子(524)を並進させるように構成された第2並進デバイス(528)と、
を含み、
前記第2ステアリング方向(T)が前記第1ステアリング方向(H)に実質的に直交する、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項4】
前記並進装置(525)は前記第1ステアリング方向(H)および前記第2ステアリング方向(T)に沿って延在するレールを含み、
前記並進装置(525)は前記平面に沿って並進するように構成されている、
請求項3に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項5】
作動デバイスが並進装置(525)に動作可能に結合され、
前記作動デバイスが前記並進装置(525)を介して前記平面に沿って前記ステアリング光学素子(524)を並進させるように構成されている、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項6】
前記作動デバイスは、直線運動作動システムである、
請求項5に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項7】
前記作動デバイスが、圧電トランスデューサ、ソレノイドアクチュエータ、ボイスコイルアクチュエータ、プーリベースシステム、ねじベースシステム、または他の適切なリニアアクチュエータのうちの1つまたは複数である、
請求項5に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項8】
前記並進装置(525)は、第1作動デバイス(536)に作動可能に連結された第1並進デバイス(526)を含み、
前記第1作動デバイス(536)は、前記平面内の第1ステアリング方向(H)に沿って前記ステアリング光学素子(524)に連結された前記第1並進デバイス(526)を並進させるように構成され、
前記並進装置(525)は、第2作動デバイス(538)に作動可能に連結された第2並進デバイス(528)を含み、
前記第2作動デバイス(538)は、前記平面内の第2ステアリング方向(T)に沿って前記ステアリング光学素子(524)に連結された第2並進デバイス(528)を移動させるように構成され、
前記第2ステアリング方向(T)は前記第1ステアリング方向(H)に実質的に直交する、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項9】
前記第1光学素子(514)がコリメートレンズである、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項10】
前記第1光学素子(514)が凹レンズであり、前記ステアリング光学素子(524)が凸レンズである、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項11】
実質的に前記第1方向(A)に沿って延在する部材(530)をさらに含み、
前記部材(530)が、前記エネルギビームジェネレータ(510)および前記光並進システム(520)に接続される、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項12】
前記部材(530)が、前記第1方向(A)に沿って延在する軸に対してある角度で前記ステアリング光学素子(524)を傾斜させるように長さに沿って延在するように構成される、直線運動作動システムである、
請求項11に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項13】
前記第1光学素子(514)が厚さを有し、
前記部材(530)が、前記第1光学素子(514)の厚さの最大0.5倍の範囲内で、前記ステアリング光学素子(524)から前記第1方向(A)に沿って前記第1光学素子(514)を位置決めするように構成される、
請求項12に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項14】
プロセッサ(606)とメモリデバイスとを含むコントローラ(600)をさらに含み、
前記メモリデバイスは、前記プロセッサ(606)によって実行されたときに、前記エネルギビームシステム(500)に動作を実行させる命令を記憶し、
前記動作は、前記平面に沿って前記ステアリング光学素子(524)を並進させるように前記並進装置(525)を関節運動させることを含む、
請求項1に記載のエネルギビームシステム(500)。
【請求項15】
前記動作は、前記第1方向(A)に沿った軸に対する角度を生成するように前記ステアリング光学素子(524)を傾斜させることを含む、
請求項14に記載のエネルギビームシステム(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、レーザシステムなどのエネルギビームのための方向付けデバイスに関する。本発明はさらに、付加製造機のためのエネルギビームのための方向付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、付加的に、層状の様式で構成要素を製造するための様々なテクノロジーを包含する。AM装置は一般に、材料に向けられた集束エネルギビームまたはレーザシステムを含む。例えば、粉末床融合では、集束エネルギビームが移動され、層ごとに粉末粒子を融合させるように方向付けられる。エネルギビームは、電子ビームまたはレーザのいずれかであってもよい。レーザ粉末床溶融法は多くの異なる名称で業界において言及されており、その最も一般的なものは、粉末溶融法の性質に応じて、選択的レーザ焼結(SLS)および選択的レーザ溶融(SLM)である。溶融される粉末が金属である場合、直接金属レーザ焼結(DMLS)および直接金属レーザ溶融(DMLM)という用語が一般に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えば、サイズ及びパッケージングを低減し、改善された又は制限されたフィールド歪み及び焦点光学の改善された有効性を可能にし得るような、エネルギビームを方向付けるための改善されたシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様は、第1方向に沿って第1光学素子を通してエネルギビームを出力するように構成されたエネルギビームジェネレータと、ステアリング光学素子と並進装置とを含む光並進システムと、を含み、前記光並進システムは、前記ステアリング光学素子を通して前記エネルギビームを受信するように配置され、前記並進装置は前記エネルギビームに角度シフトを誘起するために、前記第1方向に平行でない平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように構成される、エネルギビームシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本開示の態様によるエネルギビームシステムの実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の態様による、
図1のエネルギビームシステムの実施形態の一部分の部分内部図を図示する。
【
図3】
図3は、本開示の態様による、
図1のエネルギビームシステムの実施形態の一部分の部分内部図を図示する。
【
図4】
図4は、本開示の態様によるエネルギビームシステムの並進装置の実施形態の図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の態様による、
図4の並進装置の実施形態の図を図示する。
【
図6】
図6は、本開示の態様による、
図4の並進装置の実施形態の図を図示する。
【
図7】
図7は、本開示の態様によるエネルギビームシステムの光学素子の例示的な並進を示す。
【
図8】
図8は、本開示の態様によるエネルギビームシステムの光学素子の例示的な並進を示す。
【
図9】
図9は、本開示の態様によるエネルギビームシステムの並進システムの例示的な並進を示す。
【
図10】
図10は、本開示の態様による、中立位置にあるエネルギビームシステムの概略図を図示する。
【
図11】
図11は、本開示の態様に従って並進されたエネルギビームシステムの概略図を示す。
【
図12】
図12は、本開示の態様に従って並進されたエネルギビームシステムの概略図を示す。
【
図13】
図13は、本開示の態様によるエネルギビームシステムの例示的な実施形態を示す。
【
図14】
図14は、本開示の態様によるエネルギビームシステムの例示的な実施形態を示す。
【
図15】
図15は、本発明の態様による例示的なエネルギビームシステムを含む例示的な付加製造機器を概略的に示す。
【
図16】
図16は、本発明の態様によるエネルギビームシステムを含む付加製造システムを制御するように構成され得る例示的な制御システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
当業者に向けられた、その最良の形態を含む本開示の完全かつ可能な開示が、添付の図面を参照して、本明細書に記載される。
【0007】
本明細書および図面における参照符号の繰り返しの使用は、本開示の同じまたは類似の特徴または要素を表すことが意図される。
【0008】
ここで、本開示の実施形態を詳細に参照し、その1つまたは複数の例を図面に示す。各実施例は、本開示の説明のために提供され、本開示を限定するものではない。実際に、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、本開示において様々な修正および変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、別の実施形態とともに使用されて、さらに別の実施形態をもたらすことができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るような修正および変形を包含することが意図される。
【0009】
本明細書に記載されるように、本明細書に開示される主題は、付加製造の機械または装置の使用を含む。本明細書で使用するとき、「付加製造」という語は、概して、構成要素が層ごとに製造される製造テクノロジーを指す。例示的な付加製造機は、任意の所望の付加製造テクノロジーを利用するように構成され得る。付加製造機は、ダイレクトメタルレーザ溶融(DMLM)技術、選択的レーザ溶融(SLM)技術、ダイレクトメタルレーザ焼結(DMLS)技術、または選択的レーザ焼結(SLS)技術などの粉末床溶融(PBF)技術を含む付加製造技術を利用することができる。例示的なPBFテクノロジーでは、粉末材料の薄層がビルド平面に連続的に適用され、次いで、1つまたは複数の3次元物体を形成するために、層ごとに互いに選択的に溶融または融着される。付加的に製造された物体は一般に、本質的にモノリシックであり、様々な一体のサブコンポーネントを有することができる。
【0010】
追加的または代替的に、好適な付加製造テクノロジーとしては、例えば、融合堆積モデリング(FDM)テクノロジー、直接エネルギ堆積(DED)テクノロジー、レーザエンジニアードネットシェーピング(LENS)テクノロジー、レーザネットシェイプマニュファクチャリング(LNSM)テクノロジー、直接金属堆積(DMD)テクノロジー、デジタルライトプロセシング(DLP)テクノロジー、バットポリマー化(VP)テクノロジー、ステレオリソグラフィー(SLA)テクノロジー、およびエネルギビームを利用する他の付加製造テクノロジーが挙げられる。
【0011】
付加製造テクノロジーは一般に、オブジェクトを点ごと、層ごとに、典型的には縦方向にビルドすることによるオブジェクトの製作として説明することができる。他の製造方法も考えられ、本開示の範囲内である。例えば、本明細書での議論は連続する層を形成するための物質の追加に言及しているが、本開示の主題は層付加プロセス、層減法プロセス、または混成プロセスを含む、任意の付加製造テクノロジーまたは他の製造テクノロジーを用いて実施することができる。
【0012】
本明細書に記載の付加製造方法は、任意の好適な物質を使用して構成要素を形成するために使用することができる。例えば、材料は、金属、セラミック、ポリマー、エポキシ、フォトポリマー樹脂、プラスチック、コンクリート、または固体、液体、粉末、シート材料、ワイヤ、または任意の他の適切な形態であり得る任意の他の適切な材料であり得る。各連続層は例えば、約10μm~約200μmであり得るが、厚さは任意の数のパラメータに基づいて決定され得、任意の適切なサイズであり得る。
【0013】
本明細書で使用するとき、「ビルド平面」という語は、付加製造処理中にエネルギビームが衝突する面によって画定される平面を指す。一般に、粉末床の表面は、ビルド平面を画定する。粉末床のそれぞれの層の照射中、それぞれの層の以前に照射された部分はビルド平面の一部を画定し得、および/またはビルドモジュールにわたって粉末材料を分配する前に、粉末床を支持するビルドプレートは、概してビルド平面を画定する。
【0014】
「上部」、「底部」、「外側」、「内側」などの用語は便宜上の用語であり、限定的な用語として解釈されるべきではないことを理解されたい。本明細書で使用される場合、用語「第1」、「第2」、および「第3」は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用され得、個々の構成要素の位置または重要性を示すことを意図しない。用語「1つの」などは、量の限定を示すものではなく、むしろ、参照される項目の少なくとも1つの存在を示す。
【0015】
本願の明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって使用される、近似用語はいかなる定量的な表現を修飾するためにも使うことができ、その用語が関連する基本的な機能に変化をもたらさない許容範囲内で可変であってよい。したがって、「約」、「実質的に」、および「およそ」などの用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの事例では、近似言語が値を測定するための機器の精度、または構成要素および/もしくはシステムをビルドもしくは製造するための方法もしくは機械の精度に対応し得る。例えば、近似言語は、10パーセントのマージン内にあることを指し得る。
【0016】
本明細書および本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、範囲の限定は組み合わされ、交換され、そのような範囲は文脈または言語が別段の指示をしない限り、その中に含まれるすべての部分範囲を含み、特定される。例えば、本明細書に開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は、互いに独立して組み合わせ可能である。
【0017】
レーザ装置用のガルバノメータは一般に、レーザ光線を所望の面又は位置に向けて導き、集束させるためのミラー及びモータアセンブリを含む。そのようなシステムは比較的大きく、かさばり、一般に、付加製造機械、レーザ切断もしくは溶着機械、または方向付けエネルギシステムなどのレーザを利用し得るますます小型のシステムにとって望ましくない。ガルバノメータシステムは一般に、単一の点を中心に旋回しないことがあり、これは、場の歪みをもたらし、焦点光学系の有効性を制限することがある。
【0018】
本明細書では、エネルギビームシステムの実施形態が提供される。エネルギビームシステムは、回転検流計モータ及びミラーの必要性又は所望を除去又は低減することができる光並進システムを含む。システムは並進システムを介して並進システムを平面に沿って並進させることによってビーム偏向を生成し、ステアリング光学素子からのエネルギビームに角度シフトを誘起する。本明細書で使用するとき、エネルギビームに角度シフトを誘起すること、及びその導出は、エネルギビームの元の方向に対してエネルギビームの方向に角度変化を誘起することを指す。並進システムは、望ましくはエネルギビームジェネレータから受け取ったエネルギビームに対して、ステアリング光学素子をセンタリングおよびオフセンタリングする。ステアリング光学素子に対する中心から外れたエネルギビームは、ステアリング光学素子で受信されたエネルギビームからエネルギビームの角度をシフトさせる。ステアリング光学素子の移動または並進は、所望の速度、精度、およびコストに応じた直線運動作動のための1つまたは複数の構造または方法を介する。そのような直線運動作動構造は、圧電トランスデューサ、ソレノイド、ボイスコイル、プーリベースのシステム、ねじベースのシステム、または線形アクチュエータ、概して、またはそれらの組合せを含む。本明細書で提供される実施形態は、エネルギビームジェネレータおよび光学素子の同軸または同直線配置を可能にする。そのような構成は従来のガルバノメータシステム、ミラーベースのシステム、またはプリズムベースのシステムとは対照的に、より小さいまたはより厳しいパッケージング、改善された精度、改善された正確さ、およびエネルギビームの低減された歪みを可能にし得る。
【0019】
回転モータまたはミラーを含む従来のガルバノメータは一般に、単一の点の周りを旋回し、これは、場の歪みを引き起こすか、さもなければ、Fθ焦点光学系の有効性を制限し得る。ガルバノメータは一般に、約90度のビーム経路方向転換、または追加的にビームオフセットを必要とする。ガルバノメータは一般に、比較的かさばることがある。ガルバノメータの相対的なサイズまたはバルクは少なくとも部分的にはビーム経路の方向転換を必要とすることによって誘発され得、一般に、レーザシステムのサイズ、スケーラビリティ、動作、または精度に有害である。
【0020】
ここで
図1を参照すると、本開示の態様によるエネルギビームシステム500(以下、「システム」)の実施形態が提供される。システム500は、レーザビームまたは他の光放射などのエネルギビーム512を出力するように構成されたエネルギビームジェネレータ510を含む。システム500は第1方向Aに沿ってエネルギビームジェネレータ510からエネルギビーム512を受け取るように配置された光並進システム520をさらに含む。エネルギビームジェネレータ510の様々な実施形態がエネルギビーム512が第1方向Aに沿って放出される第1光学素子514を含む。光学素子514は、詳細には、エネルギビーム512を介して示されるように、入力エネルギビーム512をより小さい直径に狭める、および/または第1方向Aに沿って整列させるように構成されているコリメータまたはコリメートレンズを形成してもよい。他の実施形態では、光学素子514がエネルギビーム512がコリメートされない(例えば、無限ではないビーム作動距離を有する)ように、異なるタイプのレンズ(例えば、凹レンズまたは凸レンズ)である。
【0021】
システム500の様々な実施形態は、実質的に第1方向Aに沿って延在する部材530を含む。部材530がエネルギビームジェネレータ510および光並進システム520に接続される。特定の実施形態では、部材530が
図2および3に示されるハウジング521の内部図の例示的な実施形態に示されるように、エネルギビームジェネレータ510を、ステアリング光学素子524および並進装置525が収容されるハウジング521に固定する。ハウジング521は本明細書に記載されるように、ステアリング光学素子524を並進させるか、さもなければ移動させるように構成された作動デバイスを取り付けるか、または固定することができる。
図9に関して以下でさらに提供されるような他の実施形態では、部材530が第1方向Aに沿った直線運動作動を可能にする作動部材である。
【0022】
図2を参照すると、光並進システム520の例示的な実施形態の内部図が提供されている。光並進システム520は、エネルギビーム512が通過するステアリング光学素子524を含む。いくつかの実施形態では、第1光学素子514およびステアリング光学素子524がコリメートされた配置にある。
図3に示されるような特定の実施形態では、ハウジング521が第1光学素子514およびステアリング光学素子524と平行に配置された第3光学素子534を含む。ステアリング光学素子524の1つまたは複数の部分は以下でさらに説明するように、並進装置525に動作可能に接続される。
【0023】
図2を参照すると、システム500は、エネルギビームジェネレータ510およびビーム直径556を有する第1光学素子514からエネルギビーム512を出力することができる。ビーム直径556は、ステアリング光学素子524におけるレンズ直径558よりも小さい。様々な実施形態において、ステアリング光学素子524に提供されるエネルギビーム512のビーム直径556は、以下の通りである:
【0024】
ビーム直径 ≦ (レンズ直径)/n
【0025】
特定の実施形態では、nは8~20である。特定の実施形態では、本明細書で提供される特定の範囲がエネルギビームジェネレータ510、第1光学素子514、およびステアリング光学素子524の共線形配置を可能にする。さらに特定の構成では、本明細書で提供される特定の範囲がエネルギビームジェネレータ510、第1光学素子514、ステアリング光学素子524、および第3光学素子534の共線形構成を可能にする。そのような構成は従来のガルバノメータシステム、ミラーベースのシステム、またはプリズムベースのシステムとは対照的に、ステアリング光学素子524および/または第3光学素子534から出力される出力エネルギビーム522のより小さいまたはより厳しいパッケージング、改善された精度、改善された正確さ、および低減された歪みを可能にする。そのような構成は
図11~
図12に関して示されるように、表面540上へのエネルギビーム522の所望の並進をさらに可能にし得る。
【0026】
システム500の様々な実施形態は、屈折を介してエネルギビーム512を集束または分散させるように構成された、レンズなどの1つまたは複数の透過光学デバイスを画定するものとして、第1光学素子514、ステアリング光学素子524、または第3光学素子534を含む。一実施形態では、光学素子514、524、534は集束レンズ、凸レンズ、または二重凸レンズ、またはエネルギビームを受け取り、それを通してエネルギビームを単一点で交差するように出力するように構成された他の適切なタイプの透過光学デバイスを含む。さらに様々な実施形態では光学素子514、524、534は屈折後にエネルギビーム512を発散させるように構成された発散レンズまたは他の適切なタイプの透過光学デバイスを含む。
【0027】
ここで
図4を参照すると、並進装置525の例示的な実施形態の図が提供される。
図4に示される並進装置525の特定の実施形態は、
図2に示される光並進システム520内に動作可能に配置される。並進装置525は、
図4に示される第1ステアリング方向Hおよび第2ステアリング方向Tに沿って形成されるような、平面P(
図1~
図3)に沿ってステアリング光学素子524を並進させるように構成される。並進装置525は、ステアリング光学素子524が平面P(
図1~3)に沿って関節運動して、ステアリング光学素子524から屈折されたエネルギビーム522の出力角度502を調整することを可能にする。
【0028】
図3に示す実施形態では並進装置525が第1方向Aに対して非平行(例えば、実質的に垂直)である第1ステアリング方向Hに沿ってステアリング光学素子524を並進させるように構成された第1並進デバイス526を含む。並進装置525は第1方向Aおよび第2方向Hに対して非平行(例えば、実質的に垂直)である第2ステアリング方向Tに沿ってステアリング光学素子524を並進させるように構成された第2並進デバイス528をさらに含む。様々な実施形態では並進装置525が第1方向Aに対して非平行(例えば、垂直)である平面P(
図1~3)に沿ってステアリング光学素子524を並進させるように構成される。
【0029】
システム500の動作中、エネルギビームジェネレータ510は、第1方向Aに沿って、光並進システム520においてステアリング光学素子524に向かってエネルギビーム512を放出する。システム500は望ましくは
図7~12にエネルギビーム522で概略的に示すように、エネルギビームジェネレータ510から受け取ったエネルギビーム512を偏向する。並進装置525およびステアリング光学素子524を含む光並進システム520は、第1ステアリング方向Hおよび/または第2ステアリング方向Tに沿ってステアリング光学素子524を並進させることによってエネルギビーム522を偏向させ、軸501に対して角度502で示されるような、ステアリング光学素子524からのエネルギビーム522の角度シフトを誘導する。軸501は、エネルギビームジェネレータ510から第1方向Aに沿って第1光学素子514を通って放出されるエネルギビーム512に対応する。角度502のシフトのさらなる描写および説明が以下でさらに説明される
図7~
図12に関して以下に提供される。並進システム520は、望ましくはエネルギビームジェネレータ510から受信されたエネルギビーム512に対して、ステアリング光学素子524をセンタリングおよびオフセンタリングする。エネルギビーム512は説明の目的のみのために平行として示されており、エネルギビーム512は、実施形態に応じて発散または収束し得ることに留意されたい。
図7および
図8を参照すると、中間ビーム512が発散している場合、第2光学素子524の外側部分に当たるビームのセクション(
図7では上側、
図8では下側)は、第2光学素子524の中心により近い中間ビーム512のセクションよりも偏向される。第2光学系を横切る偏向の差は、510、511、および512が1つのユニットとして動かされるときにステアリング効果を提供するものである。代替的に、中間ビーム512はパッケージングの制約によって長さAが特に長くなる場合に、それ自体を横断することができる。
【0030】
本明細書で提供されるシステム500の実施形態はエネルギビームジェネレータ510、第1光学素子514、およびステアリング光学素子524の共方向配置(すなわち、第1方向Aに沿って隣接する配置に配置される)を可能にする。システム500の特定の実施形態は、第1方向Aに沿った、エネルギビームジェネレータ510における第1光学素子514と、ステアリング光学素子524と、第3光学素子534との共方向配置を含む。
【0031】
図4を参照すると、並進装置525はそれぞれのステアリング方向H、Tに沿って延在するレールとして構成された並進装置526、528を含むことができ、それに沿ってステアリング光学素子524が移動する。
図1~
図3を参照し、さらに
図4に関連して、並進システム520は、第1並進デバイス526に動作可能に結合された第1作動デバイス536と、第2並進デバイス528に動作可能に結合された第2作動デバイス538とをさらに含み得る。作動デバイス536、538は、概して、1つまたは複数の直線運動作動システムを画定し得る。特定の実施形態では、直線運動作動システムを形成する並進装置525が圧電トランスデューサ、ソレノイドアクチュエータ、ボイスコイルアクチュエータ、プーリベースのシステム、ねじベースのシステム、または他の適切な線形アクチュエータ、またはそれらの組合せを含む。
【0032】
作動デバイスは平面Pに沿って並進装置525を移動、関節運動、または他の方法で移動するように構成される。第1作動デバイス536は第2方向Hに沿って、ステアリング光学装置524の1つまたは複数の部分を連接、並進、または他の方法で移動するように作動可能に連結される。特定の実施形態では第1作動デバイス536が第1並進デバイス526に作動可能に連結されて、第2方向Hに沿って、ステアリング光学装置524を移動する。第2作動デバイス538は第3方向Tに沿って、ステアリング光学装置524の1つまたは複数の部分を連接、並進、または他の方法で移動するように作動可能に連結される。特定の実施形態では第2作動デバイス538が第2移動装置528に作動可能に連結されて、第3方向Tに沿って、ステアリング光学装置524を移動する。
【0033】
ここで
図5~6を参照すると、並進システム520の一実施形態が提供されている。実施形態を
図5~6に示す。
図1~4に示すシステム500の実施形態で利用することができる。
図5に提供される実施形態は、第1並進デバイス526に動作可能に接続された第1作動デバイス536を含む、並進装置525の一部分を含む。第1作動デバイス536は、第1作動デバイス536および第1並進デバイス526においてねじ山付きインターフェース537で示されるような、ねじベースシステムとして構成され得る。特定の実施形態では、ねじベースシステムとして構成された第1作動デバイス536がねじ山付きインターフェース537におけるねじ山の係合および係合解除に基づいて、ステアリング光学素子524が第1ステアリング方向Hに沿って並進することを可能にする。特定の実施形態では、ステアリング光学素子524が第1光学素子514に対して並進移動される。
【0034】
ここで
図6を参照すると、第2作動デバイス538を含む並進装置の一部分は、第2並進デバイス528に動作可能に接続される。第2作動デバイス538は、第2作動デバイス538および第2並進デバイス528においてねじ山付きインターフェース537に示されるようなねじベースシステムとして構成され得る。特定の実施形態では、ねじベースシステムとして構成された第2作動デバイス538がねじ山付きインターフェース537におけるねじ山の係合および係合解除に基づいて、ステアリング光学素子524が第2ステアリング方向Tに沿って並進することを可能にする。特定の実施形態では、ステアリング光学素子524が第1光学素子514に対して並進移動される。
【0035】
ここで
図7~8を参照すると、第1光学素子514に対するステアリング光学素子524の移動の例示的な描写が提供されている。
図7~8は、軸501に対するステアリング光学素子524から出力されるエネルギビーム522の角度502の変化を示す。
図7~8の描写は、
図1~6のシステムの実施形態によって許容される動きに対応する。例えば、
図5~6は、ステアリング光学素子524が第1光学素子514および軸501に対して並進することを可能にする並進システム520を示し、説明する。
【0036】
ここで
図9を参照すると、システム500は、軸501に対して角度502に沿ってステアリング光学素子524の1つまたは複数の部分を傾斜させるようにさらに構成され得る。並進装置525は、第1光学素子514をステアリング光学素子524に結合する作動部材530を含む。作動部材530の様々な実施形態は圧電トランスデューサ、ソレノイドアクチュエータ、またはボイスコイルアクチュエータを含むが、これらに限定されない、上記のような直線運動作動システムを含む。特定の構成では、作動部材530が平面Pに沿って各々分離され、長さ503に沿って伸長可能な第1作動部材530aおよび第2作動部材530bを含む。例示的な公称条件において、作動部材530は各々、長さ503に沿って伸長され、第1方向Aに沿って第1光学素子514と同方向に配置されるように、ステアリング光学部材524を位置決めする。システム500は軸501に対して傾くようにステアリング光学部材524を強制するように、別の作動部材530a、530bを固定するか、または別の方向に伸長もしくは収縮させながら、作動部材530a、530bの1つ以上を伸長または収縮させることができる。特定の実施形態では、作動部材530が本明細書に記載されるような並進システム520に動作可能に結合される。軸501に沿って第1光学素子514から出力され、ステアリング光学素子524によって受信されたエネルギビーム512(
図1~3)は次いで、
図10~12に様々な実施形態で示されるように、エネルギビーム522がステアリング光学素子524を通過するときに、角度502に沿って軸外に並進される。
【0037】
ここで
図10~
図12を参照すると、
図1~9に描写され、説明されるシステム500の動作中のステアリング光学素子524の変化および位置の描写が、提供される。特定の構成では第1光学素子514は正の凹レンズであり、ステアリング光学素子524は第1光学素子514と第3光学素子534との間に配置された負の凸レンズであり、第3光学素子534は正の対物レンズである。他の実施形態は、第1光学素子514、ステアリング光学素子524、または第3光学素子534のうちの複数の1つまたは複数を含み得ることを諒解されたい。
【0038】
図10は、
図1~5に描写される並進システム520の様々な実施形態を介して、中立位置にステアリング光学素子524を位置決めするシステム500を描写する。例えば、エネルギビーム522がステアリング光学素子524を通過し、表面540で受光されることを可能にする。
図10に示されるステアリング光学素子524の中立位置は、エネルギビーム522がエネルギビームジェネレータ510および第1光学素子514から(例えば、軸501に沿って)受信されるのと実質的に同じ方向に沿って、表面540において受信されることを可能にする。
【0039】
図11を参照すると、ステアリング光学素子524は、
図1~
図9に関して図示され説明された並進システム520によって並進される。具体的には、ステアリング光学素子524が
図4~
図8に関して説明したように、軸501から軸外の平面Pに沿ってシフトまたは並進される。したがって、エネルギビーム522は、軸501から第1大きさだけ表面540に出力される。
【0040】
図12を参照すると、特定の実施形態では、並進システム520がステアリング光学素子524を軸501に対して角度502で傾斜させるように構成される。さらに特定の実施形態では、ステアリング光学素子524が
図9に関して図示および説明されるように、作動部材530によって傾斜される。さらに、ステアリング光学素子524は
図4~8に関して図示および説明されるように、軸501から並進される。したがって、エネルギビーム522は、
図11に示される第1大きさよりも大きい軸501から第2大きさだけ表面540に出力される。したがって、本明細書で提供されるシステム500の実施形態は従来のガルバノメータシステム、ミラーベースのシステム、またはプリズムベースのシステムとは対照的に、エネルギビームのより小さいまたはより厳しいパッケージング、改善された精度、改善された正確さ、および低減された歪みを可能にしながら、表面540上に出力されるエネルギビーム522の移動および比較的より大きい移動を可能にする。
【0041】
例示的な実施形態では、システム500が75ミリメートル(mm)の正の凹レンズを形成する第1光学素子514と、75mmの負の凸レンズを形成するステアリング光学素子524と、400mmの正の対物レンズを形成する第3光学素子534とを含むことができる。システム500は
図11に示されるように、平面Pに沿って、第1光学素子514に対して4.5mmだけステアリング光学素子524をシフトさせることができる。並進システム520は
図12に示されるように、真円度を維持し、かつ/または非点収差を補償するために、ステアリング光学素子524をさらに傾斜させてもよい。提供されるような構成は、エネルギビーム522が軸501に対して100mmの直径の走査フィールドにわたって表面540に接触することを可能にし得る。
【0042】
ここで
図13~14を参照すると、システム500の一部の追加の実施形態が提供される。実施形態を
図13~14に示す。
図13~14は、
図1~
図12に関して説明したのと実質的に同様に構成される。
図13では、作動部材530が互いに非平行配置でステアリング光学素子524に接続される。非平行配置は、ステアリング光学素子524が比較的迅速な座標運動で平面Pおよび角度502に沿って並進することを可能にし得る。作動部材530の非平行配置は、第1光学素子の前方または後方に位置付けられた基準旋回点550に対して旋回する。平行でない並進可能な作動部材530は、収差補正を可能にする。特定の実施形態では、ステアリング光学素子524が第1光学素子514とステアリング光学素子524との焦点強度比が0.5~3である。
【0043】
図14(および
図2に示す)を参照すると、第1光学素子514とステアリング光学素子524との間に間隙554が形成される。第1光学素子514は、厚さ552を有する。本明細書で提供されるシステム500の動作中、部材530は、第1光学素子514の厚さ552の0.5倍(0.5x)までの範囲内で、ステアリング光学素子524から第1光学素子514を位置決めするように構成される。作動部材を含む部材530に関して説明したような特定の実施形態では、部材530が厚さ552の最大0.5倍の範囲内で、第1光学素子514とステアリング光学素子524との間の間隙554を作動、並進、または関節運動させることができる。様々な実施形態において、範囲はゼロより大きい。間隙554は概して、第1光学素子514およびステアリング光学素子524が非接触であり、第1光学素子514の厚さ552の半分までの距離だけ、第1方向Aに対して間隙554に沿って分離されるようなものである。
【0044】
ここで
図15を参照すると、システム500の様々な実施形態が含まれる例示的な付加製造システム100の概略図が提供される。付加製造装置100は、1つまたは複数の付加製造機102を含むことができる。1つまたは複数の付加製造機102は、制御装置104を含むことができる。制御システム104は付加製造機102の一部として含まれてもよく、または制御システム104は付加製造機102に関連付けられてもよい。制御システム104は、付加製造機102の一部として一体化された構成要素及び/又は付加製造機102とは別に設けられた構成要素を含むことができる。制御システム104の様々な構成要素は、付加製造機102の様々な構成要素に通信可能に結合され得る。
【0045】
制御システム104は、マネジメントシステム106および/またはユーザインターフェース108と通信可能に結合され得る。マネジメントシステム106は、付加製造システム100に関するエンタープライズレベルの動作に関連して、制御システム104と対話するように構成され得る。そのようなエンタープライズレベルの動作は、管理システム106から制御システム104にデータを送信すること、および/または制御システム104から管理システム106にデータを送信することを含み得る。ユーザインターフェース108は、ユーザが付加製造装置100と対話することを可能にする1つ以上のユーザ入力/出力装置を含むことができる。
【0046】
図示のように、付加製造機102はビルドチャンバ112を含むビルドモジュール110を含むことができ、その中で、1つまたは複数の物体114を付加製造することができる。付加製造機102は、粉末モジュール116および/またはオーバーフローモジュール118を含むことができる。ビルドモジュール110、粉末モジュール116、および/またはオーバーフローモジュール118は、アセンブリライン処理などで付加製造機102に取り付けられ、そこから取り外されるように構成されたモジュール式容器の形態で提供されてもよい。加えて、または代替として、ビルドモジュール110、粉末モジュール116、および/またはオーバーフローモジュール118は、付加製造機102の固定構成要素を画定し得る。
【0047】
粉末モジュール116は、供給チャンバ122内に収容された粉末材料120の供給を含む。粉末モジュール116は、付加製造機102の動作中に粉末床126を上昇させる粉末ピストン124を含む。粉末床126が上昇すると、粉末材料120の一部が粉末モジュール116から押し出される。ブレードまたはローラなどのリコータ128は、ビルドモジュール110のビルドのビルド平面130にわたって粉末材料120の薄層を順次分配する。ビルドプラットフォーム132は、ビルド平面130にわたって分散された粉末材料120の連続層を支持する。ビルドプラットフォーム132は、そこに固定され、その上に物体114が付加製造され得るビルドプレート(図示せず)を含み得る。
【0048】
図1~
図3および
図15に関して、付加製造機102はレーザビームなどのエネルギビームのうちの1つまたは複数を生成し、それぞれのエネルギビームをビルド平面130上に向けてビルド平面130を画定する粉末床138のそれぞれの一部を選択的に凝固させるように構成された1つまたは複数のエネルギビームシステム500を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、エネルギビームシステム500が複数のエネルギビームを直接出力するように、または元の単一エネルギビームを複数のエネルギビームに分割することによって、構成された1つまたは複数のエネルギビームジェネレータ510を備え得る。複数のエネルギビームの各々は、同じ初期方向、異なる初期方向、またはそれらの組合せに整列され得る。エネルギビームシステムは複数の光並進システム520をさらに備えることができ、複数の光並進システム520の各々は1つまたは複数のエネルギビームジェネレータ510から複数のエネルギビームのうちの1つを受け取るように配置されたステアリング光学素子524と、ステアリング光学素子524によって受け取られた複数のエネルギビームのうちの1つに角度シフトを誘起するために、平面Pに沿ってステアリング光学素子524を並進するように構成された並進装置525とを備えることができる。
【0049】
並進装置525はステアリング光学素子によって受信された複数のエネルギビームのうちの1つの初期方向に対して非平行(例えば、実質的に直交)である平面方向にステアリング光学素子を並進させることができる。光並進システム520は、それによって、複数のエネルギビーム上に同じ角度シフトを誘起し得、複数のエネルギビーム上に異なる角度シフトを誘起し得、またはそれらの組合せを誘起し得る。例えば、各光並進システムはそれぞれのエネルギビームに特定の角度シフトを独立して誘起することができるように、独立して制御することができる。
【0050】
それぞれのエネルギビームが、粉末床138を画定する粉末材料120の連続層を選択的に溶融または融合すると、物体114は形状をとり始める。1つまたは複数のエネルギビームまたはレーザビームは、赤外光、可視光、および/または紫外光に対応する波長または波長範囲など、任意の適切な波長または波長範囲を有する電磁放射を含み得る。粉末床138または物体114は、
図10~
図12に関して図示および説明した表面540を画定することができることを理解されたい。
【0051】
典型的にはDMLM、EBM、またはSLMシステムでは粉末材料120は完全に溶融され、それぞれの層はエネルギビームのそれぞれのパスで溶融または再溶融される。DMLSまたはSLSシステムでは、典型的には粉末材料120の層は焼結され、一般に粉末材料120の融点に達することなく、粉末材料120の粒子を互いに融合する。エネルギビームシステム500は、付加製造機102の一部として一体化された構成要素及び/又は付加製造機102とは別に設けられた構成要素を含むことができる。
【0052】
付加製造機102は複数のエネルギビーム522を生成し、
図1~
図14に関して図示および説明したように、ビルド面130上にエネルギビームを方向付けるように構成された複数のエネルギビームシステム500を含むことができる。照射装置は、
図1~
図14のエネルギビームジェネレータ510をそれぞれ有する可能性がある。各エネルギビームシステム500に関連する複数の光学素子はステアリング光学素子524の並進を最小限に抑えながら、接触及び角度の変化を可能にする。さらに、複数のシステム500は、各それぞれのステアリング光学素子524の並進および所望のエネルギビームジェネレータ510からのエネルギビーム512の選択的放出を介して、より速い調整を可能にする。
【0053】
第3光学素子534(
図3)はエネルギビームシステム500の1つ以上の構成要素を処理チャンバ140から分離し、その内部で粉末材料が1つ以上のエネルギビーム522によって照射されて3次元物体114を付加製造する、保護ガラスなどのウィンドウを形成することができる。窓ガラスまたは保護ガラスは、ステアリング光学素子524などのエネルギビームシステム500の1つまたは複数の構成要素を、付加製造機102の処理チャンバ140内に存在する状態から分離することができる。このようなウィンドウ又は保護グラスは、粉体物質、埃、煤、煙又は蒸気からの残留物等の付加製造工程に関連する汚染物質がエネルギビームシステム500の敏感な構成要素と接することを防止することができる。エネルギビームシステム500の様々な光学素子への汚染物質の蓄積は、エネルギビームシステム500の動作及び/又はエネルギビームシステム500に関連する品質メトリックに悪影響を及ぼす可能性がある。加えて、または代替として、そのような汚染物質は、エネルギビームジェネレータ510などのエネルギビームシステム500の様々な光学素子に損傷を引き起こし得る。
【0054】
図15に示されるように、エネルギビームシステム500は、照射デバイスまたはエネルギビームジェネレータ510と、1つまたは複数の光学素子514、524、534(
図10~
図12)とを含む。加えて、または代替として、付加製造機102は2、3、4、6、8、10、またはそれ以上のエネルギビームシステム500を含むことができ、そのようなシステム500は、それぞれの光学素子514、524を含むことができる。各エネルギビームシステム500は、ビルド平面130の少なくとも一部分に入射する走査フィールド内でそれぞれ走査可能な1つ以上のエネルギビーム522をそれぞれ生成するように構成されてもよい。例えば、複数のエネルギビームシステム500はステアリング光学素子524を介して第1走査フィールド146a内で走査可能であり、少なくとも第1ビルド平面領域148aに入射する第1エネルギビーム522aを生成することができる。別のエネルギビームシステム500はステアリング光学素子524を介して第2走査フィールド146b内で走査可能であり、少なくとも第2ビルド平面領域148bに入射する第2エネルギビーム522bを生成することができる。第1走査フィールド146aおよび第2走査フィールド146bは、第1エネルギビーム522aによって走査可能な第1ビルド平面領域148aが第2エネルギビーム522bによって走査可能な第2ビルド平面領域148bと重複するように、重複し得る。第1ビルド平面領域148aと第2ビルド平面領域148bとの重複部分は、インターレース領域150と呼ばれることがある。インターレース領域150内で照射される粉末床138の部分は、本開示によるエネルギビーム第1エネルギビーム522aおよび/または第2エネルギビーム522bによって照射されてもよい。
【0055】
粉末床138の層を照射するために、エネルギビームジェネレータ510はビルド平面130のそれぞれの部分(例えば、第1ビルド平面領域148aおよび第2ビルド平面領域148b)を横切ってエネルギビーム522を方向付けて、物体114の一部となる粉末材料120の部分を溶融または融合させる。粉末床138の第1層または一連の層は、典型的にはビルドプラットフォーム132に溶融または融合され、次いで、粉末床138の連続層が互いに溶融または融合されて、物体114を付加製造する。粉末床138の連続層が互いに溶融または融合されると、ビルドピストン152は、ビルドプラットフォーム132を徐々に下げて、リコータ128が粉末材料120の連続層を分配するための余地を作る。粉末床138の連続層を形成するためのビルド平面130にわたる粉末材料120の分布、および/または粉末床138に与えられる照射は、粉末材料、埃、煤、煙または蒸気からの残留物などの汚染物質を処理チャンバ140の環境に導入することができる。そのような汚染物質は、エネルギビームシステム500に関連する様々な光学素子上に蓄積し得る。
【0056】
ビルドピストン152が徐々に下降し、粉末材料120の連続層がビルド平面130にわたって適用されると、粉末材料120の次の連続層は、ビルド平面130と一致する粉末床138の表面を画定する。粉末床138の連続層は、完成した物体114が付加製造されるまで、選択的に溶融または融合されてもよい。付加製造機は、オーバーフローモジュール118を利用して、オーバーフローチャンバ154内の余分な粉末材料120を捕捉することができる。オーバーフローモジュール118はオーバーフローピストン156を含むことができ、これは、追加の過剰な粉末材料120のためのオーバーフローチャンバ154内の余地を作るために徐々に低下する。
【0057】
付加製造機は、粉末モジュール116および/またはオーバーフローモジュール118を利用しなくてもよく、様々な粉末供給システムおよび/または余分な粉末再捕捉システムを含む、粉末材料120を取り扱うための他のシステムが提供されてもよいことが理解されよう。本発明の主題は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の好適な付加製造機を用いて実施することができる。
【0058】
さらに
図15を参照すると、付加製造機102は、付加製造機102の1つまたは複数の動作パラメータ、エネルギビームシステム500の1つまたは複数のパラメータ、および/または付加製造処理の1つまたは複数の動作パラメータを監視するように構成された撮像システム158を含むことができる。撮像システムは、付加製造機102および/または付加製造処理の1つまたは複数の動作パラメータを較正するように構成された較正システムであってもよい。撮像システム158は、溶融プール監視システムであってもよい。付加製造処理の1つまたは複数の動作パラメータは、3次元物体114を付加製造することに関連する動作パラメータを含むことができる。撮像システム158はレーザダイオードからの赤外線ビームおよび/またはエネルギビームの反射部分(例えば、第1エネルギビーム522aおよび/または第2エネルギビーム522b)などの撮像ビームを検出するように構成され得る。
【0059】
エネルギビームシステム500および/または撮像システム158は、1つまたは複数の検出デバイスを含むことができる。1つまたは複数の検出デバイスは、撮像システム158によって検出された評価ビームに少なくとも部分的に基づいて、粉末床138の連続層を照射することに関連する1つまたは複数のパラメータなど、エネルギビームシステム500の1つまたは複数のパラメータを決定するように構成され得る。粉末床138の連続層を照射することに関連する1つまたは複数のパラメータは、照射パラメータおよび/または溶融プール監視パラメータなどの物体パラメータを含むことができる。撮像システム158によって決定される1つまたは複数のパラメータは例えば、制御システム104によって、付加製造機102および/または付加製造システム100の1つまたは複数の動作を制御するために利用され得る。1つまたは複数の検出デバイスは、それぞれの評価ビームからビルド平面130の評価データを取得するように構成され得る。例示的な検知装置は、カメラ、イメージセンサ、フォトダイオードアセンブリなどを含むことができる。たとえば、検出デバイスは電荷結合デバイス(たとえば、CCDセンサ)、アクティブピクセルセンサ(たとえば、CMOSセンサ)、量子画像デバイス(たとえば、QISセンサ)などを含み得る。検出装置は、検出装置へのビーム経路に沿って評価ビームを集束させるように構成されたレンズアセンブリをさらに含むことができる。撮像システム158は、評価ビームを対応する検出デバイスに向けるように構成された、ミラー、ビームスプリッタ、レンズなどの1つまたは複数の撮像光学素子(図示せず)を含むことができる。
【0060】
加えて、または代替として、粉末床138の連続層に関連するパラメータを決定することに関し、撮像システム158は、エネルギビームシステム500、または特にエネルギビームジェネレータ510に関連する較正動作、様々な光学素子514、524、534、並進システム520、またはその他の構成要素のうちの1つまたは複数、および/または撮像システム158もしくはその構成要素など、付加製造機102に関連する1つまたは複数の較正動作を実行するように構成され得る。撮像システム158は評価ビームを投影し、ビルド平面130から反射された評価ビームの一部を検出するように構成され得る。評価ビームは、エネルギビームジェネレータ510および/または撮像システム158に関連する別個のビーム源によって投影されてもよい。加えて、および/または代替として、撮像システム158はビルド平面130から放出される放射線、例えば、粉末床138から反射されるエネルギビーム522からの放射線、および/またはエネルギビーム522によって生成される粉末床138内の溶融プールから放出される放射線、および/または溶融プールに隣接する粉末床138の一部から放出される放射線を含む評価ビームを検出するように構成され得る。撮像システム158は、付加製造機102の一部として一体化された構成要素及び/又は付加製造機102とは別に設けられた構成要素を含むことができる。例えば、撮像システム158は、エネルギビームシステム500の一部として一体化された構成要素を含むことができる。加えて、または代替として、撮像システム158は、エネルギビームシステム500の一部として、および/または付加製造機102の一部として設置され得る、アセンブリの形態などの別個の構成要素を含み得る。
【0061】
本明細書に示され、説明される装置の実施形態に適した粉末材料の代表的な例は、金属合金、ポリマー、またはセラミック粉末を含むことができる。例示的な金属粉末材料は、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム、アルミニウム合金、チタン合金、ニッケル基超合金、およびコバルト基超合金である。加えて、適切な合金としては、ガスタービンエンジンにおける高温動作で許容可能な強度を有する、良好な耐酸化性を有するように設計されたもの、公知の「超合金」、例えば、ハステロイ、インコネル合金(例えば、IN738、IN792、IN939)、レン合金(例えば、レンN4、レンN5、レン80、レン142、レン195)、ハイン合金、Mar M、CM247、CM247LC、C263、718、X-850、ECY768、282、X45、PWA1483およびCMSX(例えば、CMSX-4)単結晶合金が挙げられ得る。本開示の製造された物体は、方向性凝固(「DS」)または単結晶(「SX」)などの1つまたは複数の選択された結晶微細構造を用いて形成され得る。
【0062】
ここで
図16を参照して、例示的な制御システム104を説明する。制御システム104は、付加製造システム100、付加製造機102、および/またはエネルギビームシステム500に関連する1つまたは複数の制御動作を実行するように構成され得る。制御動作は、エネルギビームシステム500の動作を制御するように構成された1つ以上の制御コマンドを含むことができる。
【0063】
図16に示すように、例示的な制御システム104は、コントローラ600を含む。コントローラ600は、コントローラ600に1つまたは複数の制御動作を実行させるように構成された1つまたは複数の制御モジュール602を含み得る。1つまたは複数の制御モジュール602は、エネルギビームシステム500および/または撮像システム158に関連する制御可能な構成要素など、付加製造機102に関連する1つまたは複数の制御可能な構成要素を制御するように構成された制御命令を提供するように実行可能な制御ロジックを含むことができる。例えば、制御モジュール602は、エネルギビームジェネレータ510、光並進システム520、もしくは部材530などのエネルギビームシステム500の1つ以上の構成要素、または固体光変調器、ビーム変調器、電源、および/もしくは温度制御要素、ならびに/もしくはそれらの任意の1つ以上の他の構成要素の動作を制御するために実行可能な1つ以上の制御コマンドを提供するように構成され得る。様々な実施形態では、コントローラ600が望ましくはステアリング光学素子524を並進、移動、または他の方法で位置決めすることに対応する1つまたは複数の信号を受信、取得、測定、決定、または送信することによって、またはステアリング光学素子524の所望の位置に従って並進システム520または部材530を作動させることによって、システム500を動作させるように構成される。コントローラ600の様々な実施形態は特に、ステアリング光学素子524の位置を示す並進システム520および/または部材530の位置または動きに対応する信号を受信する。信号は特に、本明細書に記載されるように、平面P、角度502、および/または長さ503に沿った第1ステアリング方向Hおよび第2ステアリング方向Tに対応する信号を提供および受信するように、第1並進デバイス526および第2並進デバイス528および/または部材530に対応し得る。信号は依然として、特に、本明細書に記載されるようなステアリング光学素子524の移動および位置決めに対応する、作動デバイス536、538または部材530の移動、コマンド、伸長、関節運動、作動、並進、または他の移動に対応し得る。
【0064】
コントローラ600は、付加製造機102と通信可能に結合され得る。コントローラ600は、エネルギビームジェネレータ510、変調ビーム発生装置、固体光変調器、ビーム変調器、電源、及び/又は温調要素、及び/又はそれらの任意の1つ以上の他の要素のような、エネルギビームシステム500及び/又は照射装置142の1つ以上の構成要素のような、付加製造機102の1つ以上の構成要素と通信可能に接続されてもよい。コントローラ600はまた、マネジメントシステム106及び/又はユーザインターフェース108と通信可能に結合されてもよい。
【0065】
コントローラ600は1つ以上のコンピューティングデバイス604を含むことができ、これは、付加製造機102および/または装置500に対してローカルまたはリモートに配置することができる。1つまたは複数のコンピューティングデバイス604は、1つまたは複数のプロセッサ606と、1つまたは複数のメモリ装置608とを含み得る。1つまたは複数のプロセッサ606は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、および/または他の適切な処理デバイスなど、任意の適切な処理デバイスを含み得る。1つまたは複数のメモリ装置608は、限定はしないが、非一時的コンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ、および/または他のメモリ装置608を含む、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」および「コンピュータ」という用語、ならびに「処理装置」および「コンピューティングデバイス」などの関連する用語は当技術分野でコンピュータと呼ばれる集積回路だけに限定されず、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、および他のプログラマブル回路を広く指し、これらの用語は本明細書では互換的に使用される。メモリ装置608は、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの非一時的コンピュータ可読媒体と、ハードドライブ、フラッシュメモリ、および他のメモリ装置などのコンピュータ可読不揮発性媒体とを含み得る。また、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(compact disc-read only memory)、MOD(magneto-optical disk)、DVD(digital versatile disc)も使用され得る。
【0067】
本明細書で使用される場合、用語「非一時的コンピュータ可読媒体」は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよびサブモジュール、または任意のデバイス中の他のデータなど、情報の短期および長期記憶のための任意の方法または技術において実装される任意の有形のコンピュータベースのデバイスを表すことが意図される。本明細書で説明される方法は記憶デバイスおよび/またはメモリデバイスを含むがこれらに限定されない、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体において具現化される実行可能命令として符号化され得る。そのような命令はプロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書で説明する方法の少なくとも一部を実行させる。さらに、本明細書で使用される場合、「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、限定はしないが、揮発性および不揮発性媒体を含む非一時的コンピュータ記憶デバイス、ならびにファームウェア、物理および仮想記憶装置、CD-ROM、DVD、およびネットワークまたはインターネットなどの任意の他のデジタルソースなどの取り外し可能および非取り外し可能媒体を含む、すべての有形のコンピュータ可読媒体、ならびにまだ開発されていないデジタル手段を含み、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。
【0068】
1つまたは複数のメモリ装置608は、1つまたは複数のプロセッサ606によって実行され得るコンピュータ実行可能命令610を含む、1つまたは複数のプロセッサ606によってアクセス可能な情報を記憶し得る。命令610は1つまたは複数のプロセッサ606によって実行されたときに、1つまたは複数のプロセッサ606に、光学素子監視動作、保守動作、清掃動作、較正動作、および/または付加製造動作を含む動作を実行させる、任意の組の命令を含み得る。特定の実施形態では、命令610が角度502、長さ503、ステアリング光学素子524の位置、ステアリング光学素子524および/または第3光学素子534に対する第1光学素子514の相対位置、または本明細書に図示および説明される他の関節運動可能な要素を設定、調整、または変調するための命令を含み得る。命令は、それぞれの並進システムを介して1つまたは複数の光学素子を関節運動させること、並進システムに動作可能に結合された1つまたは複数の関節運動装置を関節運動させること、平面Pに沿って光学素子を移動または並進運動させること、または表面540に対して角度502を生成するように1つまたは複数の光学素子を傾斜させることを含み得る。
【0069】
メモリ装置608は、1つまたは複数のプロセッサ606によってアクセス可能なデータ612を記憶することができる。データ612は、現在またはリアルタイムデータ612、過去データ612、またはそれらの組合せを含むことができる。データ612は、データライブラリ614に記憶され得る。例えば、データ612は、コントローラ600、付加製造装置102、エネルギビームシステム500、撮像システム158、マネジメントシステム106、ユーザインターフェース108、及び/又はそれに関連する動作データ612及び/又は較正データ612のようなコンピューティングデバイス604に関連する又はそれによって生成されるデータ612を含む、付加製造装置100及び/又は付加製造装置102によって生成されるデータ612を含むことができる。データ612は、付加製造装置100及び/又は付加製造装置102に関連する他のデータセット、パラメータ、アウトプット、インフォメーションを含むこともできる。
【0070】
1つまたは複数のコンピューティングデバイス604はまた、有線またはワイヤレス通信回線630を介して通信ネットワーク618との通信のために使用され得る通信インターフェース616を含み得る。通信インターフェース616はたとえば、送信機、受信機、ポート、コントローラ、アンテナ、および/または他の適切な構成要素を含む、1つまたは複数のネットワークとインターフェースするための任意の適切な構成要素を含み得る。通信インターフェース616は、コンピューティングデバイス604が付加製造機102、エネルギビームシステム500、撮像システム158、マネジメントシステム106、および/またはユーザインターフェース108に関連するノードなどの、通信ネットワーク618上の様々なノードと通信することを可能にし得る。通信ネットワーク618はたとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、SATCOMネットワーク、VHFネットワーク、HFネットワーク、Wi-Fiネットワーク、WiMAXネットワーク、ゲートリンクネットワーク、および/または通信線620を介してコントローラ600との間でメッセージを送信するための任意の他の適切な通信ネットワーク618を含み得る。通信ネットワーク618の通信回線620は、データバス、または有線および/または無線通信リンクの組合せを含み得る。
【0071】
通信インターフェース616は、コンピューティングデバイス604が通信インターフェース616と通信可能に結合され、かつ/または互いに通信可能に結合された付加製造装置100および/または付加製造機102の様々な構成要素と通信することを可能にし得る。通信インターフェース616は、コンピューティングデバイス604がマネジメントシステム106及び/又はユーザインターフェース108と通信することを追加的に又は代替的に可能にしてもよい。管理システム106は、サーバ622および/またはデータウェアハウス624を含むことができる。一例として、データ612の少なくとも一部はデータウェアハウス624に記憶されてもよく、サーバ622はデータウェアハウス624からコンピューティングデバイス604にデータ612を送信し、および/または、コンピューティングデバイス604からデータ612を受信し、さらに、受信されたデータ612をデータウェアハウス624に記憶するように構成されてもよい。サーバ622および/またはデータウェアハウス624は、制御システム104の一部として、および/または管理システム106の一部として実装され得る。
【0072】
本明細書に示され、説明されるシステム500は一般に、よりコンパクトなパッケージングと、ビーム焦点、精度、正確さ、および強度を保持または改善しながら、より迅速な方向変更および移動とを可能にするような、電磁デバイス、エネルギビーム、またはレーザ装置に適用され得る。そのようなシステムは一般に、本明細書に記載されるような付加機械を含む製造装置、またはレーザ切断装置、エネルギビームシステム、方向付けエネルギシステム、または他の光、レーザ、もしくは電磁ビームシステムを含み得る。
【0073】
例えば、方法も一般的に記載されている。
【0074】
本明細書は最良の形態を含む好ましい実施形態を開示するために例を使用し、また、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用すること、ならびに任意の組み込まれた方法を実施することを含む、当業者が本開示を実施することを可能にする。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言語と異ならない構造要素を含む場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの言語と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0075】
本開示のさらなる態様は、以下の主題によって提供される。
1.
第1方向に沿って第1光学素子を通してエネルギビームを出力するように構成されたエネルギビームジェネレータと、
ステアリング光学素子と並進装置とを含む光並進システムと、
を含み、
前記光並進システムは、前記ステアリング光学素子を通して前記エネルギビームを受信するように配置され、
前記並進装置は前記エネルギビームに角度シフトを誘起するために、前記第1方向に平行でない平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように構成される、
エネルギビームシステム。
2.
前記平面は、前記第1方向に対して実質的に直交する、上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
3.
前記並進装置が、
前記平面内で第1ステアリング方向に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように構成された第1並進デバイスと、
前記平面内で第2ステアリング方向に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように構成された第2並進デバイスと、
を含み、
前記第2ステアリング方向が前記第1ステアリング方向に実質的に直交する、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
4.
前記並進装置は前記第1ステアリング方向および前記第2ステアリング方向に沿って延在するレールを含み、
前記並進装置は前記平面に沿って並進するように構成される、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
5.
作動デバイスが並進装置に動作可能に結合され、
前記作動デバイスが前記並進装置を介して前記平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように構成されている、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
6.
前記作動デバイスは、直線運動作動システムである、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
7.
前記作動デバイスが、圧電トランスデューサ、ソレノイドアクチュエータ、ボイスコイルアクチュエータ、プーリベースシステム、ねじベースシステム、または他の適切なリニアアクチュエータのうちの1つまたは複数である、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
8.
前記並進装置は、第1作動デバイスに作動可能に連結された第1並進デバイスを含み、
前記第1作動デバイスは、前記平面内の第1ステアリング方向に沿って前記ステアリング光学素子に連結された前記第1並進デバイスを並進させるように構成され、
前記並進装置は、第2作動デバイスに作動可能に連結された第2並進デバイスを含み、
前記第2作動デバイスは、前記平面内の第2ステアリング方向に沿って前記ステアリング光学素子に連結された前記第2並進デバイスを移動させるように構成され、
前記第2ステアリング方向は前記第1ステアリング方向に実質的に直交する、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
9.
前記第1光学素子がコリメートレンズである、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
10.
前記第1光学素子が凹レンズであり、前記ステアリング光学素子が凸レンズである、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
11.
実質的に前記第1方向に沿って延在する部材をさらに含み、
前記部材が、前記エネルギビームジェネレータおよび前記光並進システムに接続される、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
12.
前記部材が、前記第1方向に沿って延在する軸に対してある角度で前記ステアリング光学素子を傾斜させるように長さに沿って延在するように構成される、直線運動作動システムである、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
13.
前記第1光学素子が厚さを有し、
前記部材が、前記第1光学素子の厚さの最大0.5倍の範囲内で、前記ステアリング光学素子から前記第1方向に沿って前記第1光学素子を位置決めするように構成される、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
14.
プロセッサとメモリデバイスとを含むコントローラをさらに含み、
前記メモリデバイスは、前記プロセッサによって実行されたときに、前記エネルギビームシステムに動作を実行させる命令を記憶し、
前記動作は、前記平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように前記並進装置を関節運動させることを含む、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
15.
前記動作は、前記第1方向に沿った軸に対する角度を生成するように前記ステアリング光学素子を傾斜させることを含む、上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
16.
複数のエネルギビームを出力するように構成された1つ以上のエネルギビームジェネレータと、
複数の光並進システムと、
を含み、
前記複数の光並進システムの各々は、
前記1つ以上のエネルギビームジェネレータから前記複数のエネルギビームのうちの1つを受信するように配置されたステアリング光学素子と、
前記ステアリング光学素子によって受信された前記複数のエネルギビームのうちの前記1つに角度シフトを誘起するように、前記ステアリング光学素子を平面に沿って並進させるように構成された並進装置と、
を含む、
エネルギビームシステム。
17.
前記並進装置が、前記ステアリング光学素子によって受信された前記複数のエネルギビームのうちの前記1つの初期方向に実質的に直交する平面方向に前記ステアリング光学素子を並進させる、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
18.
前記複数の光並進システムは、前記複数のエネルギビームに複数の異なる角度シフトを独立して誘起することができる、
上記いずれかに記載のエネルギビームシステム。
19.
物体が付加製造されるビルドチャンバを形成するビルドモジュールと、
ビルドプラットフォームに粉末材料を供給するように構成された粉末モジュールと、
第1方向に沿って第1光学素子を介してエネルギビームを出力するように構成されたエネルギビームジェネレータを含むエネルギビームシステムと、
を含み、
前記エネルギビームシステムはステアリング光学素子を介して前記エネルギビームを受け取るように配置された光並進システムを含み、
前記ステアリング光学素子は並進装置内に配置され、
前記並進装置は前記第1方向に非平行な平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進させて、前記エネルギビームに角度シフトを誘起するように構成されている、
付加製造機。
20.
前記付加製造機は、プロセッサと、メモリデバイスとを含むコントローラを含み、
前記メモリデバイスは、前記プロセッサによって実行されたときに、前記エネルギビームシステムに動作を実行させる命令を記憶し、
前記動作は、前記平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進させるように前記並進装置を関節運動させることを含む、
上記いずれかに記載の付加製造装置。
21.
第1方向に沿って第1光学素子を通して光並進システムのステアリング光学素子にエネルギビームを出力し、
前記ステアリング光学素子を並進装置で調整して、前記第1方向に平行でない平面に沿って前記ステアリング光学素子を並進し、前記エネルギビームに角度シフトを誘起する、
方法。
【外国語明細書】