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特開2024-28724細胞の脱サービス化状態の分子マーカーの検出およびその調節方法
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  • 特開-細胞の脱サービス化状態の分子マーカーの検出およびその調節方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028724
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】細胞の脱サービス化状態の分子マーカーの検出およびその調節方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20240227BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20240227BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20240227BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20240227BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20240227BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12Q1/6876 Z ZNA
C12Q1/6813 Z
C12Q1/686 Z
C12Q1/6851 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023197126
(22)【出願日】2023-11-21
(62)【分割の表示】P 2021562082の分割
【原出願日】2020-04-17
(31)【優先権主張番号】201910314706.8
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521119197
【氏名又は名称】ナンジン・ユニバーシティ
【住所又は居所原語表記】No.163 Xianlin Avenue, Qixia District, Nanjing, Jiangsu 210023, China
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チェンユ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ゼン
(72)【発明者】
【氏名】フー,シウティン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,シンヤン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】細胞のサービス化状態を検出するための核小体低分子RNA(snoRNA)またはその検出試薬の用途を提供する。
【解決手段】核小体低分子RNA(snoRNA)の検出試薬の使用であって、分化細胞のサービス化状態を検出するための試薬又はキットの調製に用いられ、snoRNAが、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、及び、SNORD82からなる群から選択される、前記使用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核小体低分子RNA(snoRNA)またはその検出試薬の使用であって、
細胞のサービス化状態を検出するための試薬またはキットの調製に用いられることを特徴とする、前記使用。
【請求項2】
前記サービス化状態は、インサービス化状態、脱サービス化状態、またはその変換を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記snoRNAは、哺乳動物、齧歯動物、霊長類動物に由来することを特徴とする、
請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記snoRNAは、臓器、組織、細胞特異的なsnoRNAであることを特徴とする、
請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記臓器は、関節、靭帯、舌、唾液腺、耳下腺、下顎腺、舌下腺、咽頭、食道、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、大腸、肝臓、胆嚢、腸間膜、膵臓、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜、腎臓、尿管、膀胱、尿道、卵巣、卵管、子宮、膣、胎盤、精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺、尿道球腺、陰茎、陰嚢、脳下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎腺、膵臓腺、心臓、動脈、静脈、毛細血管、リンパ管、リンパ節、骨髄、胸腺、脾臓、腸関連リンパ組織、扁桃腺、脳、間脳、脳幹、中脳、橋(pons)、延髄、小脳、脊髄、脳室、脈絡叢、脳神経、脊髄神経、神経節、腸管神経系、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、網膜、耳たぶ、鼓膜、耳小骨、蝸牛、耳前庭、三半規管、舌、皮膚からなる群から選択されることを特徴とする、
請求項1に記載の使用。
【請求項6】
前記組織は、上皮組織、結合組織、神経組織および筋肉組織からなる群から選択されることを特徴とする、
請求項1に記載の使用。
【請求項7】
前記細胞は、外分泌上皮細胞、バリア細胞、およびホルモン分泌細胞を含む、内胚葉に由来する細胞を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記snoRNAは、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択されることを特徴とする、
請求項1に記載の使用。
【請求項9】
サービス化状態の分子マーカーを決定する方法であって、
(1)第1のサービス化状態下の細胞を提供し、前記第1のサービス化状態下のsnoRNAの種類および量を検出することにより、第1のデータセットを得る段階、
(2)第2のサービス化状態下の細胞を提供し、前記第2のサービス化状態下のsnoRNAの種類および量を検出することにより、第2のデータセットを得る段階、および
(3)第1のデータセットと第2のデータセットとを比較して、第1のサービス化状態と第2のサービス化状態における固有のsnoRNAの種類および量の情報を決定することにより、第1のサービス化状態と第2のサービス化状態における固有の分子マーカーを区別する段階
を含むことを特徴とする、前記サービス化状態の分子マーカーを決定する方法。
【請求項10】
snoRNAまたはその促進剤またはその拮抗剤の使用であって、
細胞組織または臓器のサービス化状態を調節するための薬物または製剤の調製に用いられることを特徴とする、前記使用。
【請求項11】
前記snoRNAは、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択されることを特徴とする、
請求項10に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオテクノロジーの分野に属し、具体的には、ヒトおよび動物の組織および細胞における細胞の脱サービス化状態を区別するために使用される核小体低分子リボ核酸分子の分離、定性および定量分析に関し、同時に細胞の脱サービス化状態を変更するためのヒトおよび動物の組織および細胞における核小体低分子リボ核酸を調節する応用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
核小体低分子RNA(snoRNA)は、中程度の長さの非コード化低分子RNAのクラスであり、それらの長さは、60~300ntの範囲であり、核小体リボヌクレオタンパク質と結合してsnoRNP複合体を形成することができる。脊椎動物において、核小体低分子RNAをコードする遺伝子は、主にタンパク質コード遺伝子またはタンパク質非コード遺伝子のイントロン領域に存在し、さらなる転写後プロセシングを受けて成熟した核小体低分子RNAを形成する。ヒト細胞において、RNAの転写後修飾、mRNAの安定性および翻訳の制御は、遺伝子発現調節の重要な構成要素である。snoRNAとそれらとが生成するRNAの機能的な短いフラグメントは、リボソームRNA(rRNA)および核内低分子RNA(snRNA)の修飾を指示し、それらの相補的な前駆体mRNAのスプライシングおよびmRNAの翻訳と安定性との制御に影響を与えるプロセスで重要な役割を果たす。外的要因および細胞内のシグナルカスケード反応は、snoRNAの発現レベルの変化を引き起こすことができて、細胞レベルの生理学的変化、臓器機能障害および様々な疾患を引き起こす。snoRNAの検出および調節により、細胞のサービス化と脱サービス化との状態を効果的に決定および変更することができる。
【0003】
細胞の異なるサービス化状態に関する研究が始まったばかりであるため、現在、細胞のサービス化状態および脱サービス化状態を具体的かつ効果的に定義できる効果的な分子マーカーはない。
従って、当技術分野で効果的なsnoRNAの検出および調節方法を構築することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、医学的臨床過程において、説明がない多くの生理学的現象があり、例えば、肝炎の患者は過度に疲労することはできず、腎臓腫瘍の患者は小さな腫瘍病巣にもかかわらず腎不全で死亡し、遷延性意識障害は、正常な反射を示さないが生理学的状態は正常である等の一連の現象である。細胞の脱サービス化状態に関する研究は、これらの問題をよりよく説明するのにさらに役立つことができる。この一連の研究の前提は、このような状態を識別できるマーカーを見つけることである。
【0005】
本発明者らは、研究対象として核小体低分子リボ核酸を選択し、細胞内の核小体低分子リボ核酸の発現変化を検出することによってこの現象を区別することを期待し、同時に細胞内の核小体低分子リボ核酸の発現を調節して細胞を脱サービス化状態からサービス化状態に変更することにより、臨床上で治療的役割を果たすことができることをさらに期待する。
【0006】
本発明の目的は、まず、細胞の脱サービス化状態の検出マーカーを提供することであり、前記マーカーは、動物および植物細胞において以下の検出可能なsnoRNAのいずれか一つまたは複数、好ましくは、任意の二つまたは複数を含み、snoRNA配列は、http://snoopy.med.miyazaki-u.ac.jp/を参照する。
【0007】
本発明の別の目的は、細胞の状態をさらに評価することができる、上記細胞の脱サービス化状態を検出するためのsnoRNAマーカー検出方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、細胞のサービス化状態と脱サービス化状態との間で変換するようにsnoRNAを調節することによって、生物体内snoRNAを調節するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、細胞のサービス化状態を検出するための試薬またはキットの調製に使用される、核小体低分子RNA(snoRNA)またはその検出試薬の用途を提供する。
別の好ましい例において、前記サービス化状態は、インサービス化状態、脱サービス化状態、またはその変換を含む。
【0010】
別の好ましい例において、前記snoRNAは、哺乳動物、齧歯動物、および霊長類動物に由来する。
別の好ましい例において、前記snoRNAは、ヒト、およびマウスに由来する。
別の好ましい例において、前記snoRNAは、臓器、組織、および細胞特異的なsnoRNAである。
【0011】
別の好ましい例において、前記臓器は、関節、靭帯、舌、唾液腺、耳下腺、下顎腺、舌下腺、咽頭、食道、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、大腸、肝臓、胆嚢、腸間膜、膵臓、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜、腎臓、尿管、膀胱、尿道、卵巣、ファロピウス管、子宮、膣、胎盤、精巣、精巣上体、精管、精嚢腺、前立腺、尿道球腺、陰茎、陰嚢、脳下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎腺、膵臓腺、心臓、動脈、静脈、毛細血管、リンパ管、リンパ節、骨髄、胸腺、脾臓、腸関連リンパ組織、扁桃腺、脳、間脳、脳幹、中脳、橋(pons)、延髄髄質、小脳、脊髄、脳室、脈絡叢、脳神経、脊髄神経、神経節、腸管神経系、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、網膜、耳たぶ、鼓膜、耳小骨、蝸牛、耳前庭、半円形管、舌、皮膚等からなる群から選択される。
【0012】
別の好ましい例において、前記組織は、上皮組織(単層上皮組織、単層円柱上皮組織、偽層状繊毛上皮組織、層状立方上皮組織)、結合組織(脂肪組織、緩い結合組織、線維性結合組織、硝子性軟骨組織、弾性軟骨組織、線維軟骨組織、骨組織、血液組織)、神経組織および筋肉組織(心筋、骨格筋、平滑筋)からなる群から選択される。
【0013】
別の好ましい例において、前記細胞は、外分泌上皮細胞、バリア細胞、およびホルモン分泌細胞を含む、内胚葉に由来する細胞を含む。外分泌上皮細胞は、十二指腸のホルナー細胞、呼吸管および消化管のゴブレット細胞、胃部の小窩細胞、主細胞、壁側細胞、膵臓腺房細胞、小腸のパネス細胞、肺II型肺胞細胞、肺の棒状細胞を含む。バリア細胞は、I型肺細胞、胆嚢上皮細胞、肺胞心臓細胞、挿入管細胞,腸刷子縁細胞を含む。ホルモン分泌細胞には、腸内分泌細胞、甲状腺細胞、副甲状腺細胞、膵島細胞の4種類がある。腸内分泌細胞は、K細胞、L細胞、I細胞、G細胞、エンテロクロマフィン細胞、エンテロクロマフィン様細胞、N細胞、S細胞、D細胞、Mo細胞を含み、甲状腺細胞は、甲状腺上皮細胞、および濾胞傍細胞を含み、副甲状腺細胞は、主な副甲状腺細胞、および好酸球を含み、膵島細胞は、Alpha細胞、Beta細胞、Delta細胞、Epsilon細胞、およびpp細胞を含む。外胚葉に由来する細胞には、主に外分泌上皮細胞、ホルモン分泌細胞、上皮細胞、および神経系細胞等がある。ここで、外分泌細胞は、唾液腺粘液細胞、唾液腺血漿細胞、舌フェンガイボーン腺細胞、乳腺細胞、涙腺細胞、耳ワックス腺細胞、外分泌汗腺暗細胞、外分泌汗腺明細胞、アポクリン汗腺細胞、まぶたモクスリー腺細胞、脂肪腺細胞、および十二指腸のホルナー細胞を含む。ホルモン分泌細胞は、下垂体の前葉および中葉のコルチコトロピン細胞、ゴナドトロピン細胞、プロラクチン細胞、メラノサイト、成長ホルモン細胞、甲状腺刺激細胞、および大細胞神経分泌細胞、小細胞神経分泌細胞、クロマフィン細胞を含む。上皮細胞は、ケラチノサイト、表皮基底細胞、メラノサイト、髄質毛細胞、皮質毛軸細胞、表皮毛軸細胞、Huxley層毛根鞘細胞、外根鞘毛細胞、表面上皮細胞、基底細胞、挿入管細胞、線条管細胞、乳管細胞、およびエナメル芽細胞を含む。神経系の細胞は、センサー細胞、自律神経細胞、感覚器官および末梢ニューロン支持細胞、中枢神経系ニューロンおよびグリア細胞、ならびに水晶体細胞の五つのカテゴリーに分けられる。センサー細胞は、皮質聴覚内有毛細胞、皮質聴覚外有毛細胞、臭覚上皮基底細胞、寒冷感受性一次感覚ニューロン、熱感受性一次感覚ニューロン、表皮メルケル(Merkel)細胞、臭覚受容体ニューロン、痛み感受性一次感覚ニューロン、固有受容性一次感覚ニューロン、触覚感受性一次感覚ニューロン、頸動脈体性化学受容体細胞、耳前庭系の外有毛細胞、耳前庭系の内有毛細胞、味蕾の味覚受容細胞、および網膜視細胞を含み、網膜視細胞は、視細胞桿体細胞、視細胞用の青色感受性錐体細胞、視細胞用の緑色感受性錐体細胞、および視細胞用の赤色感受性錐体細胞に細分されることができる。自律神経細胞は、コリン作動性神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、およびポリペプチド神経細胞を含む。感覚器官および末梢ニューロン支持細胞は、皮質内柱細胞、皮質外柱細胞、皮質内指細胞、皮質外指細胞、皮質境界細胞、皮質ヘンセン(Hensen)細胞、前庭支持細胞、味蕾支持細胞、嗅上皮支持細胞、シュワン細胞、衛星グリア細胞、および腸溶グリア細胞を含む。中枢神経系ニューロンおよびグリア細胞は、ニューロン細胞、星状細胞、希突起膠細胞、上衣細胞、および下垂体細胞を含み、ここで、ニューロン細胞は、介在ニューロンおよび主細胞に分けられることができ、介在ニューロンは、バスケット細胞、ホイール細胞、星状細胞、ゴルジ細胞、顆粒細胞、ルガロ細胞(Lugaro)、単極ブラシ細胞、マルティノッティ(Martinotti)細胞、シャンデリア細胞、カハール・レツイウス(Cajal-Retzius)細胞、ダブルブーケ(Double-bouquet)細胞、グリア細胞、網膜レベル細胞、アマクリン細胞、脊髄介在ニューロン、およびランショック細胞を含み、主細胞は、紡錘ニューロン、フォークニューロン、錐体細胞、星状細胞、境界細胞、毛深い細胞、プルキンエ細胞、および中型とげニューロンを含み、錐体細胞は、位置細胞、測位細胞、速度細胞、方向認識細胞、および巨大錐体細胞を含む。水晶体細胞は、水晶体上皮細胞およびクリスタリンを含む水晶体線維細胞を含む。中胚葉に由来する細胞は、主に代謝および貯蔵細胞、分泌細胞、バリア細胞、細胞外マトリックス細胞、収縮細胞、血液および免疫系細胞、生殖細胞、栄養膜細胞、ならびに間葉組織細胞の九つタイプを含む。代謝および貯蔵細胞は、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞および肝臓脂肪細胞を含む。分泌細胞は、ミネラルコルチコイドを生成する副腎皮質球状態細胞、グルココルチコイドを生成する副腎皮質束状態細胞、アンドロゲンの3種類の副腎皮質細胞および卵巣濾胞内膜細胞を生成する副腎皮質網状態細胞、顆粒状ルテイン細胞、黄体細胞、精巣間質細胞、精嚢腺細胞、前立腺細胞、球腺細胞、大前庭腺細胞、尿道または尿道周囲腺細胞、子宮内膜細胞、傍糸球体細胞、腎高密度プラーク細胞、腎極性周囲細胞、および腎メサンギウム細胞を含む。バリア細胞は、足細胞、近位尿細管刷子縁細胞、ヘンリーリングセグメント細胞、遠位尿細管細胞、腎集合管細胞の主細胞と挿入細胞、および移行上皮細胞を含む泌尿器系、管細胞、排出管細胞、精巣上体主細胞、および精巣上体基底細胞を含む生殖器系、ならびに循環器系の内皮細胞の三つのタイプに分けられることができる。細胞外マトリックス細胞は、耳前庭半円形管上皮細胞、皮質歯間上皮細胞、緩い結合組織線維芽細胞、角膜線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄網状線維芽細胞、他の非上皮線維芽細胞、例えば、肝星細胞、椎間板髄核細胞、硝子性軟骨細胞、線維軟骨細胞、弾性軟骨細胞、骨芽細胞、骨前駆細胞、眼硝子体明細胞、耳介外リンパ腔星状細胞、膵臓星状細胞等のペリサイトを含む。収縮細胞は、赤い骨格筋細胞、白い骨格筋細胞、中間骨格筋細胞、筋紡錘核ポケット細胞、筋紡錘核鎖細胞、筋衛星細胞の6種類の骨格筋細胞、心筋細胞、副鼻腔結節細胞、プルキニエ線維細胞の3種類の心筋細胞、および平滑筋細胞、虹彩筋上皮細胞、外分泌腺筋上皮細胞を含む。血液と免疫系の細胞は、赤血球、巨核球、血小板、単球、結合組織のマクロファージ、表皮のランゲルハンス細胞、破骨細胞、樹状細胞、ミクログリア、好中球、好酸球細胞、好塩基球細胞、ハイブリドーマ細胞、マスト細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、天然キラーT細胞、B細胞、天然キラー細胞、網状細胞、および血液と免疫系の幹細胞と前駆細胞を含む。生殖細胞は、卵原細胞/卵母細胞、精子細胞、精原細胞、精母細胞、および精子を含む。栄養膜細胞は、卵巣の顆粒細胞、精巣の支持細胞、および上皮網状細胞を含む。間質組織細胞は、間質組織腎臓細胞を含む。
【0014】
別の好ましい例において、前記snoRNAは、表1に示される一つまたは複数、またはそれらの組み合わせである。
別の好ましい例において、前記snoRNAは、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択される。
【0015】
本発明の第2の態様は、
(1)第1のサービス化状態下の細胞を提供し、前記第1のサービス化状態下のsnoRNAの種類および量を検出することにより、第1のデータセットを得る段階と、
(2)第2のサービス化状態下の細胞を提供し、前記第2のサービス化状態下のsnoRNAの種類および量を検出することにより、第2のデータセットを得る段階と、および
(3)第1のデータセットと第2のデータセットとを比較して、第1のサービス化状態と第2のサービス化状態とにおける固有のsnoRNAの種類および量情報を決定することにより、第1のサービス化状態と第2のサービス化状態とにおける固有の分子マーカーを区別する段階とを含む、サービス化状態の分子マーカーを決定する方法を提供する。
【0016】
別の好ましい例において、前記第1のサービス化状態は、インサービス化状態である。
別の好ましい例において、前記第2のサービス化状態は、脱サービス化状態である。
【0017】
別の好ましい例において、前記snoRNAは、哺乳動物、齧歯動物、および霊長類動物に由来する。
別の好ましい例において、前記snoRNAは、ヒト、およびマウスに由来する。
別の好ましい例において、前記snoRNAは、臓器、組織、および細胞特異的なsnoRNAである。
【0018】
別の好ましい例において、前記臓器は、関節、靭帯、舌、唾液腺、耳下腺、下顎腺、舌下腺、咽頭、食道、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、大腸、肝臓、胆嚢、腸間膜、膵臓、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜、腎臓、尿管、膀胱、尿道、卵巣、ファロピウス管、子宮、膣、胎盤、精巣、精巣上体、精管、精嚢腺、前立腺、尿道球腺、陰茎、陰嚢、脳下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎腺、膵臓腺、心臓、動脈、静脈、毛細血管、リンパ管、リンパ節、骨髄、胸腺、脾臓、腸関連リンパ組織、扁桃腺、脳、間脳、脳幹、中脳、橋(pons)、延髄髄質、小脳、脊髄、脳室、脈絡叢、脳神経、脊髄神経、神経節、腸管神経系、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、網膜、耳たぶ、鼓膜、耳小骨、蝸牛、耳前庭、半円形管、舌、皮膚等を含む。
【0019】
別の好ましい例において、前記組織は、上皮組織(単層上皮組織、単層円柱上皮組織、偽層状繊毛上皮組織、層状立方上皮組織)、結合組織(脂肪組織、緩い結合組織、線維結合組織、硝子性軟骨組織、弾性軟骨組織、線維軟骨組織、骨組織、血液組織)、神経組織和筋肉組織(心筋、骨格筋、平滑筋)を含む。
【0020】
別の好ましい例において、前記細胞は、外分泌上皮細胞、バリア細胞、およびホルモン分泌細胞を含む、内胚葉に由来する細胞を含む。外分泌上皮細胞は、十二指腸のホルナー細胞、呼吸管、消化管のゴブレット細胞、胃部の小窩細胞、主細胞、壁側細胞、膵臓腺房細胞、小腸のパネス細胞、肺II型肺胞細胞、肺の棒状細胞を含む。バリア細胞は、I型肺細胞、胆嚢上皮細胞、肺胞心臓細胞、挿入管細胞、腸刷子縁細胞を含む。ホルモン分泌細胞には、腸内分泌細胞、甲状腺細胞、副甲状腺細胞、および膵島細胞の4種類がある。腸内分泌細胞は、K細胞、L細胞、I細胞、G細胞、エンテロクロマフィン細胞、エンテロクロマフィン様細胞、N細胞、S細胞、D細胞、Mo細胞を含み、甲状腺細胞は、甲状腺上皮細胞、および濾胞傍細胞を含み、副甲状腺細胞は、主な副甲状腺細胞、および好酸球を含み、膵島細胞は、Alpha細胞、Beta細胞、Delta細胞、Epsilon細胞、およびpp細胞を含む。外胚葉に由来する細胞には、主に外分泌上皮細胞、ホルモン分泌細胞、上皮細胞、および神経系細胞等がある。ここで、外分泌細胞は、唾液腺粘液細胞、唾液腺血漿細胞、舌フェンガイボーン腺細胞、乳腺細胞、涙腺細胞、耳ワックス腺細胞、外分泌汗腺暗細胞、外分泌汗腺明細胞、アポクリン汗腺細胞、まぶたモクスリー腺細胞、脂肪腺細胞、および十二指腸のホルナー細胞を含む。ホルモン分泌細胞は、下垂体の前葉および中葉のコルチコトロピン細胞、ゴナドトロピン細胞、プロラクチン細胞、メラノサイト、成長ホルモン細胞、甲状腺刺激細胞、および大細胞神経分泌細胞、小細胞神経分泌細胞、クロマフィン細胞を含む。上皮細胞は、ケラチノサイト、表皮基底細胞、メラノサイト、髄質毛細胞、皮質毛軸細胞、表皮毛軸細胞、Huxley層毛根鞘細胞、外根鞘毛細胞、表面上皮細胞、基底細胞、挿入管細胞、線条管細胞、乳管細胞、およびエナメル芽細胞を含む。神経系の細胞は、センサー細胞、自律神経細胞、感覚器官および末梢ニューロン支持細胞、中枢神経系ニューロンおよびグリア細胞、ならびに水晶体細胞の五つのカテゴリーに分けられる。センサー細胞は、皮質聴覚内有毛細胞、皮質聴覚外有毛細胞、臭覚上皮基底細胞、寒冷感受性一次感覚ニューロン、熱感受性一次感覚ニューロン、表皮メルケル細胞、臭覚受容体ニューロン、痛み感受性一次感覚ニューロン、固有受容性一次感覚ニューロン、触覚感受性一次感覚ニューロン、頸動脈体性化学受容体細胞、耳前庭系の外有毛細胞、耳前庭系の内有毛細胞、味蕾の味覚受容細胞、および網膜視細胞を含み、網膜視細胞は、視細胞桿体細胞、視細胞用の青色感受性錐体細胞、視細胞用の緑色感受性錐体細胞、および視細胞用の赤色感受性錐体細胞に細分されることができる。自律神経細胞は、コリン作動性神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、およびポリペプチド神経細胞を含む。感覚器官および末梢ニューロン支持細胞は、皮質内柱細胞、皮質外柱細胞、皮質内指細胞、皮質外指細胞、皮質境界細胞、皮質ヘンセン細胞、前庭支持細胞、味蕾支持細胞、嗅上皮支持細胞、シュワン細胞、衛星グリア細胞、および腸溶グリア細胞を含む。中枢神経系ニューロンおよびグリア細胞は、ニューロン細胞、星状細胞、希突起膠細胞、上衣細胞、および下垂体細胞を含み、ここで、ニューロン細胞は、介在ニューロンおよび主細胞に分けられることができ、介在ニューロンは、バスケット細胞、ホイール細胞、星状細胞、ゴルジ細胞、顆粒細胞、ルガロ細胞、単極ブラシ細胞、マルティノッティ細胞、シャンデリア細胞、カハール・レツイウス細胞、ダブルブーケ細胞、グリア細胞、網膜レベル細胞、アマクリン細胞、脊髄介在ニューロン、およびランショック細胞を含み、主細胞は、紡錘ニューロン、フォークニューロン、錐体細胞、星状細胞、境界細胞、毛深い細胞、プルキンエ細胞、および中型とげニューロンを含み、錐体細胞は、位置細胞、測位細胞、速度細胞、方向認識細胞、および巨大錐体細胞を含む。水晶体細胞は、水晶体上皮細胞およびクリスタリンを含む水晶体線維細胞を含む。中胚葉に由来する細胞は、主に代謝および貯蔵細胞、分泌細胞、バリア細胞、細胞外マトリックス細胞、収縮細胞、血液および免疫系細胞、生殖細胞、栄養膜細胞、ならびに間葉組織細胞の九つタイプを含む。代謝および貯蔵細胞は、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞および肝臓脂肪細胞を含む。分泌細胞は、ミネラルコルチコイドを生成する副腎皮質球状態細胞、グルココルチコイドを生成する副腎皮質束状態細胞、アンドロゲンの3種類の副腎皮質細胞および卵巣濾胞内膜細胞を生成する副腎皮質網状態細胞、顆粒状ルテイン細胞、黄体細胞、精巣間質細胞、精嚢腺細胞、前立腺細胞、球腺細胞、大前庭腺細胞、尿道または尿道周囲腺細胞、子宮内膜細胞、傍糸球体細胞、腎高密度プラーク細胞、腎極性周囲細胞、および腎メサンギウム細胞を含む。バリア細胞は、足細胞、近位尿細管刷子縁細胞、ヘンリーリングセグメント細胞、遠位尿細管細胞、腎集合管細胞の主細胞と挿入細胞、および移行上皮細胞を含む泌尿器系、管細胞、排出管細胞、精巣上体主細胞、および精巣上体基底細胞を含む生殖器系、ならびに循環器系の内皮細胞の三つのタイプに分けられることができる。細胞外マトリックス細胞は、耳前庭半円形管上皮細胞、皮質歯間上皮細胞、緩い結合組織線維芽細胞、角膜線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄網状線維芽細胞、他の非上皮線維芽細胞、例えば、肝星細胞、椎間板髄核細胞、硝子性軟骨細胞、線維軟骨細胞、弾性軟骨細胞、骨芽細胞、骨前駆細胞、眼硝子体明細胞、耳介外リンパ腔星状細胞、膵臓星状細胞等のペリサイト。収縮細胞は、赤い骨格筋細胞、白い骨格筋細胞、中間骨格筋細胞、筋紡錘核ポケット細胞、筋紡錘核鎖細胞、筋衛星細胞の6種類の骨格筋細胞、心筋細胞、副鼻腔結節細胞、プルキニエ線維細胞の3種類の心筋細胞、および平滑筋細胞、虹彩筋上皮細胞、外分泌腺筋上皮細胞を含む。血液と免疫系の細胞は、赤血球、巨核球、血小板、単球、結合組織のマクロファージ、表皮のランゲルハンス細胞、破骨細胞、樹状細胞、ミクログリア、好中球、好酸球細胞、好塩基球細胞、ハイブリドーマ細胞、マスト細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、天然キラーT細胞、B細胞、天然キラー細胞、網状細胞、および血液と免疫系の幹細胞と前駆細胞を含む。生殖細胞は、卵原細胞/卵母細胞、精子細胞、精原細胞、精母細胞、および精子を含む。栄養膜細胞は、卵巣の顆粒細胞、精巣の支持細胞、および上皮網状細胞を含む。間質組織細胞は、間質組織腎臓細胞等を含む。
【0021】
別の好ましい例において、前記snoRNAは、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記方法は、非診断的かつ非治療的である。
【0022】
本発明の第3の態様は、細胞組織または臓器のサービス化状態を調節するための薬物または製剤の調製に使用される、snoRNAまたはその促進剤またはその拮抗剤の用途を提供する。
別の好ましい例において、前記サービス化状態は、インサービス化状態、脱サービス化状態、またはその変換を含む。
【0023】
別の好ましい例において、前記snoRNAは、表1に示される一つまたは複数、またはそれらの組み合わせである。
別の好ましい例において、前記snoRNAは、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に説明される各技術的特徴との間を、互いに組み合わせることにより、新しいまたは好ましい技術的解決策を構成することができることに理解されたい。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】正常なマウスの様々な組織で検出されたいくつかのsnoRNAのRT-PCR結果を示す。
図2】正常なマウスの様々な組織で検出されたいくつかのsnoRNAのリアルタイム(real-time)PCR結果である。
図3】インビトロでの脂肪細胞培養後様々な時点でのレプチン(leptin)遺伝子の発現変化を示す。
図4】ハイスループットシーケンシングによって検出された様々な状態の脂肪細胞のsnoRNAの発現プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、広範囲にわたる詳細な研究の結果、サービス化状態および脱サービス化状態下での様々な組織および細胞におけるsnoRNAの特異的変化を研究することにより、細胞状態を診断するために使用される分子マーカーである、二つの細胞状態においてより高度な差次的発現を有するタイプのsnoRNAが得られることを初めて発見した。同時に、snoRNA発現量を調節した後の細胞状態の変化を研究し、生物学的実験および臨床応用のために細胞のサービス化状態および脱サービス化状態を変換する方法を提供する。これに基づいて、本発明を完了した。
【0027】
細胞サービス化状態
インサービス:enmunte(動詞)、enmunting(動名詞)、enmuntion(名詞)、enmuntive(形容詞)、enmuntively(副詞)
脱サービス:demunte(動詞)、demunting(動名詞)、demuntion(名詞)、demuntive(形容詞)、demuntively(副詞)
【0028】
古典的な細胞生物学の概念において、特定の機能を有するすべての成熟細胞は、分化細胞と呼ばれるが、分化細胞が恒常性や内部環境を調節する特定の機能を欠いている場合、それらは単に「脱分化」と呼ばれ、前駆体細胞等の真の未分化細胞と区別がなく、特定の分子マーカーもない。
【0029】
本発明は、分化細胞に二つの状態があることを発見し、一つは、インサービス化状態(enmunting、恒常性を調節するサービス化機能を有する)であり、もう一つは、脱サービス化状態(demunting、恒常性を調節するサービス化機能を有さない)である。この二つの状態は、どちらも分化状態であるため、細胞の生存と代謝(関連する遺伝子発現およびタンパク質合成)は、同じであり、サービス化機能があるかどうかの違いがある。demunting細胞と前駆体細胞との違いは、生存と代謝との状態が異なるが(前駆体細胞はまだ分化していない)、特定のサービス機能の欠如の状態は同じであるということである。
【0030】
組織特異的SnoRNAの増加は、demunting細胞を同定するための生物マーカーであり、SnoRNAを増やすと、細胞のenmunting状態がdemunting状態に変換することができ、SnoRNA減少させると、細胞のdemunting状態をenmunting状態に変換する。すべての組織細胞は、すべてこれら二つの状態で同時に存在する。ほとんどの病理条件下で、demunting細胞の割合が増加して、臓器不全につながる。病理学的に増加したdemunting細胞を減らすことは、脳死患者の覚醒、麻痺患者の機能神経の成長、嚢内の活性化された機能ニューロンの割合の増加等、すべての組織病理学的障害に治療効果をもたらす。
【0031】
本発明の主な利点は、次のとおりである。
1)本発明は、脱サービス化状態細胞と未分化細胞とを区別する分化細胞の二つの状態(インサービス化状態および脱サービス化状態)を発見し、これらの二つの状態を研究することにより、元の生物学的および医学的研究における多くの説明できない現象を説明することができる。
2)効果的なsnoRNAの検出法を構築することにより、本発明は、細胞のインサービス化状態および脱サービス化状態を迅速かつ簡単に同定することができ、細胞機能、状態、トランスクリプトームおよびプロテオームの変化を複雑に研究することで、これらの二つの細胞状態を同定する必要がなくなる。
3)効果的なsnoRNAの調節法を構築することにより、本発明は、細胞のインサービス化状態および脱サービス化状態を効果的に変換することができ、生物学的研究および臨床応用において大きな応用の見通しを有する。
4)本発明は、生物におけるsnoRNAの重要な調節機能をさらに発見し、生物学的理論研究および応用研究の新しい方向性を提供する。
【0032】
以下、本発明は、具体的実施例と併せてされに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常、例えば、Sambrookら、分子クローニング:実験マニュアル(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)に記載される条件等の従来の条件、またはメーカーによって提案された条件に従う。特に明記されない限り、パーセンテージおよび部数は、重量パーセンテージおよび重量部数で計算される。特に明記されない限り、パーセンテージおよび部数は、重量パーセンテージおよび重量部数で計算される。
【0033】
一般的な方法
細胞の脱サービス化状態のsnoRNAマーカーを検出するための検出法は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)、リアルタイム蛍光定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(リアルタイムRT-PCR)、ノーザンブロッティング法(Northern blotting)、ハイスループットシーケンシング技術またはバイオチップ法から選択される。
【0034】
RT-PCR法は、好ましい方法であり、
1)被験細胞サンプルのトータルRNAを抽出し(例えば、Trizol試薬を使用して抽出する)、RNA逆転写反応によりcDNAサンプルを取得し、または被験細胞サンプルのライセートを緩衝液として使用して、逆転写反応を実行してcDNAサンプルを調製する段階と、
2)snoRNAを使用してプライマーを設計して、PCR反応を実行する段階と、
3)PCR生成物のアガロースゲル電気泳動を行う段階と、および
4)EB染色後の紫外線下での結果を観察する段階とを含む。
【0035】
リアルタイムPCR法は、別の好ましい方法であり、
1)被験細胞サンプルのトータルRNAを抽出し(例えば、Trizol試薬を使用して抽出する)、RNA逆転写反応によりcDNAサンプルを取得し、または被験細胞サンプルのライセートを緩衝液として使用して、逆転写反応を実行してcDNAサンプルを調製する段階と、
2)snoRNAを使用して、プライマーおよび蛍光染料を設計して、PCR反応を実行する(snoRNAのPCRプライマーについては表を参照する)段階と、および
3)正常な状態の細胞サンプルと比較して、被験細胞サンプル中のsnoRNAの量の変化を検出して比較する段階とを含む。
【0036】
ノーザンブロッティング法は、
1)被験細胞サンプルのトータルRNAを抽出する(例えば、Trizol試薬を使用して抽出する)段階と、
2)変形PAGE電気泳動および膜転写実験を行う段階と、
3)同位元素標識またはジゴキシゲニン標識核酸プローブを調製する段階と、
4)膜ハイブリダイゼーション反応を実行する段階と、および
5)同位元素シグナルまたはジゴキシゲニンシグナルを検出する段階とを含む。
【0037】
ハイスループットシーケンシング法は、
1)被験細胞サンプルのトータルRNAを抽出する(例えば、Trizol試薬を使用して抽出する)段階と、
2)変形PAGE電気泳動を実行して、50nt以下のRNA分子を回収する段階と、
3)アダプタープライマーをRNA分子の3’末端および5’末端に酵素結合する段階と、
4)RT-PCR反応およびシーケンシングを実行する段階と、および
5)データを分析および処理する段階とを含む。
【0038】
バイオチップ法は、
1)ヒトの700種類以上のsnoRNAライブラリーをすべて配列し、かつバイオチップを調製する段階と、
2)被験細胞サンプルのトータルRNAを抽出する(例えば、Trizol試薬を使用して抽出する)段階と、
3)カラム分離により小さなリボ核酸を分離する段階と、
4)T4RNAリガーゼを使用して、マイクロリボ核酸の蛍光標識を実行する段階と、および
5)バイオチップとのハイブリダイゼーション反応を実行する段階とを含む。
【0039】
調節方法は、干渉RNA調節法およびCRISPR/Cas9調節法から選択される。
【0040】
干渉RNA調節方法は、好ましい方法であり、
1)干渉RNA(siRNA配列)および干渉RNAを発現できるshRNA配列を設計する(siRNA配列およびshRNA配列についてはexcelを参照する)段階と、
2)干渉RNAまたは対応する干渉RNAを発現できるshRNAのプラスミド/ウイルスを調製する段階と、
3)トランスフェクション法を使用して、干渉RNAまたは干渉RNAを発現するプラスミドを細胞に移すか、またはウイルス感染法を使用して細胞を感染させる段階と、および
4)細胞を収集して、細胞状態を検出する段階とを含む。
【0041】
CRISPR/Cas9調節法は、別の好ましい方法であり、
1)sgRNAを設計する段階と、
2)sgRNAプラスミドベクターを構築する同時にsgRNAとCas9タンパク質とを発現するaavウイルスを構築する段階と、
3)トランスフェクション法をを使用して、sgRNAプラスミドおよびCas9プラスミドを標的細胞にトランスフェクトするか、または構築されたaavウイルスを細胞と一緒にインキュベートする段階と、および
4)細胞を収集して、細胞状態を検出する段階とを含む。
【0042】
実施例1.細胞内のsnoRNAのRT-PCR実験
様々な細胞サービス化状態下でのsnoRNAの特異的変化を検出するために、RT-PCR技術を使用してヒトおよび動物細胞中のsnoRNA含有量を検出し、具体的な段階は次のとおりである。
【0043】
(1)ヒトまたは他の動物の細胞を収集する。
(2)cDNAサンプルを調製する。TRIzol試薬を使用して細胞のトータルRNAを抽出した後、RNA逆転写反応によってcDNAを取得する。逆転写された反応システムは、2μlの5×AMVバッファー(buffer)、1μlのdNTP混合物(mixture)、0.5μlのRNAase阻害剤(Inhibitor)、0.5μlのAMV酵素、1μlの遺伝子特異的逆プライマー、1μgのトータルRNAおよびトータル体積が10μlになるまで加えるRNAaseフリー(free)水を含む。反応段階は、16℃で15分間インキュベートし、42℃で1時間反応し、85℃で5分間インキュベートする。
【0044】
(3)PCR電気泳動および観察する。前記段階で得られた1μlのcDNAを取り、0.3μlのTaq酵素、0.4μlのdNTP混合物、1.2μlの25mMMgCl2、2μlの10×PCRバッファー、0.5μlの特異的フォワードプライマー、0.5μlの特異的リバースプライマーおよび14.1μlの水を加え、20μlのシステムでPCRを実行する。PCRの反応条件は、95℃、5分間で1サイクル→95℃、15秒、60℃、1分間で40サイクルを行う。10μlのPCR生成物を取り3%のアガロースゲル電気泳動を実行し、EB染色後に紫外線下で観察する。
【0045】
結果は図1に示されるように、正常マウスの複数の組織を研究対象とし、トータルRNAを抽出して、RT-PCRを行う。本発明者らは、マウスの900を超えるすべてのsnoRNAを選択してPCR反応を実行し、図1は、そのうちの四つのsnoRNA(SNORA41、SNORD85、SNORD115和SNORD116)を示す。結果から、これらの四つのsnoRNAは、心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓、脳および筋肉で検出できることが分かる。
【0046】
実施例2.細胞内のsnoRNAのリアルタイムPCR実験
様々な細胞サービス化状態下でのsnoRNAの特異的変化を検出するために、リアルタイムPCR技術を使用してヒトおよび動物細胞中のsnoRNA含有量を検出する。リアルタイムPCRの実験原理および実験段階は、RT-PCRと同じであるが、唯一の違いは、PCR中に蛍光染料Eva Greenを加えることである。機器は、ABI Prism7300蛍光定量PCR装置を使用し、反応条件は、95℃、5分間で1サイクル→95℃、15秒、60℃、1分間で40サイクルを行う。データ処理方法は、ΔΔCT法であり、CTは、反応が閾値に達した際のサイクル数として設定し、標準的な内部参照に対する各snoRNAの発現量は、方程式2-ΔCTで表すことができ、ここで、ΔCT=CTサンプル-CT内部参照である。
【0047】
結果は、図2に示される。本発明者らは、リアルタイムPCRを使用して、それぞれマウスの様々な組織におけるすべてのsnoRNAの発現量を検出する。図2は、それぞれ心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓、脳および筋肉におけるSNORA41、SNORD85、SNORD115およびSNORD116の発現量のみを示す。実験では、U6を内部参照として使用する。検出結果から、SNORA41は、肝臓で高発現され、SNORD85は、肺、脾臓、筋肉および腎臓で高発現され、SNORD115およびSNORD116は、脳組織で特異的に高発現されることが分かる。図2から、様々な組織には組織特異的に発現するsnoRNAが存在し、これらのsnoRNAの発現の違いは、体内の様々な組織によって実行される機能の違いに関連している可能性がある。
【0048】
実施例3.インビトロでの異なる培養時間後の脂肪組織のsnoRNA含有量を検出するためのハイスループットシーケンシング実験
snoRNAが異なる細胞状態下で差次的に発現しているかどうかを検出するためである。本発明者らは、ハイスループットシーケンシング法を使用して、インビトロでの培養後の異なる時点で脂肪細胞のsnoRNA発現プロファイルを検出する。具体的な実験段階は、次のとおりである。
【0049】
(1)様々な状態下のマウスの白色脂肪組織を収集する。小片にした後、それぞれ0時間、3時間、6時間、9時間、12時間および24時間で脂肪細胞を収集し、トータルRNAおよびトータルタンパク質を抽出する。
【0050】
(2)低分子RNAを分離してライブラリーを構築する。トータルRNAをPAGE電気泳動を使用してゲルに切断し、18~30ntのRNAを分離する。5-アデニル化された(adenylated)、3-ブロックされた(blocked)一本鎖DNAリンカーを使用して、cRNAの3’末端に接続する。消化酵素を加えて、3’リンカーを除去する。5’リンカーは、前記の段階の生成物である5’末端に接続される。RTプライマーを用いて逆転写および伸長を実行して、一本鎖cDNAを合成する。高感度ポリメラーゼを使用して、cDNAを増幅し、同時に3’リンカーと5’リンカーとに接続されるcDNAを濃縮し、ライブラリーの収量を増幅する。PAGE電気泳動を使用して、100~120bpの範囲のPCR生成物を分離し、プライマーダイマー等の副生成物を効果的に除去する。構築されたライブラリーに対して品質検出を実行し、品質検出によって合格されたライブラリーをコンピューターでシーケンシングする。
【0051】
(3)イルミナ(Illumina)Hiseq2500を使用して、構築されたcDNAライブラリーをシーケンシングする。
(4)シーケンシングデータの生成および後続的分析。生成されたシーケンシングイメージファイルをCASAVAを使用して配列ファイルに変換した後、それぞれシーケンシング品質の低いタグ(tag)、5’リンカー汚染のあるタグ、3’リンカー配列のないタグ、フラグメントの挿入されないタグ、polyAを含むタグおよび18nt未満のタグを除去する。残りの配列は、ボウタイ(bowtie)を使用して、それぞれ既知のsnoRNAと比較して、注釈をつける。すべてのサンプルデータを要約して、様々な状態下での脂肪細胞のsnoRNA発現プロファイルデータを取得する。
【0052】
(5)それぞれリアルタイムPCR法およびウエスタンブロッティング(Western blotting)法を使用して、段階(1)の各時点で脂肪細胞レプチンのmRNAおよびタンパク質含有量を検出する。
【0053】
結果は図3に示されるように、本発明者らは、異なる時点での脂肪細胞におけるレプチン等の脂肪細胞の固有のサービス化遺伝子の発現含有量を検出する。図2は、レプチン遺伝子の発現含有量の変化のみを示す。結果は、インビトロでの培養時間が増加するにつれて、レプチン遺伝子のmRNAレベルおよびタンパク質レベルの両方が、すべて発現されなくなるまで減少されたことを示す。脂肪細胞が単離された後、インサービス化状態から脱サービス化状態に変換することを示す。
【0054】
図4に示されるように、異なる時点での脂肪組織snoRNAの発現プロファイルを分析することにより、本発明者らは、SNORD14c/d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34およびSNORD82等のsnoRNAの発現量が時間の変化とともに変化することを見出した。これらの九つのsnoRNAは、インビトロで3時間培養後に増加し始め、9時間で発現量は、最高点に上昇し、24時間後に低下する。上記のデータは、インビトロで脂肪細胞を培養した後、外部条件が変化するにつれて、徐々脱サービス化状態に変換する同時に、snoRNAの発現量も増加することを示す。上記結果は、上記いくつかのsnoRNAが脂肪細胞の脱サービス化状態の分子マーカーとして使用できることを示唆する。
【表1】
【0055】
実施例4.プラスミドを使用して発現したsiRNAのマウス脳におけるSNORD115発現の阻害
本発明者らは、制限エンドヌクレアーゼを使用して対照プラスミドを処理し、線形ベクターを回収した後、T4リガーゼを使用してRVG-SNORD115 shRNAの組み合わせのフラグメントをベクターと接続し、得られた接続生成物を変換実験を実行して抗性プレートにコーティングし、翌日、単一のクローンを選択し、シーケンシングしてプラスミド配列の正確さをシーケンスする。
【0056】
対照プラスミドおよびSNORD115 siRNA/RVGプラスミドを正常マウスの尾静脈に10mg/kgの用量で注射し、12時間後、マウスを犠牲にし、マウスの肝臓組織および脳組織を取り、それぞれインサイチュハイブリダイゼーション実験を実行する。このグループの実験において、組織切片におけるsiRNAの分布状況を指示する検出プローブとして、SNORD115 siRNA配列に完全に相補的な配列に緑色蛍光修飾を加える。結果から、マウスの肝臓組織には多数のsiRNAが分布されており、脳組織でも少量のsiRNAが検出され、SNORD115 siRNA/RVGプラスミドが脳を標的とする効果があることが証明されることを示す。
【0057】
これらの分布されたsiRNAがインビボでSNORD115の発現状況を効果的に阻害できるかどうかを証明するために、本発明者らは、対照プラスミドおよびSNORD115 siRNA/RVGプラスミドをマウスの尾静脈に10mg/kgの用量で注射し、2日ごとに1回、合計7回注射し、最後の注射の24時間後にマウスを犠牲にし、マウスの脳組織を採取してリアルタイムPCR実験を実行する。結果は、プラスミド分子がインビボで脳組織におけるSNORD115の発現レベルを効果的に低下させることができることを示す。
【0058】
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
2024028724000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核小体低分子RNA(snoRNA)の検出試薬の使用であって、
分化細胞のサービス化状態を検出するための試薬またはキットの調製に用いられ、snoRNAが、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択される、前記使用。
【請求項2】
サービス化状態が、インサービス化状態、脱サービス化状態、またはその変換を含む、
請求項1に記載の使用。
【請求項3】
snoRNAが、哺乳動物、齧歯動物、および/または霊長類動物に由来する、
請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
snoRNAが、臓器、組織、および/または細胞特異的なsnoRNAである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
臓器が、関節、靭帯、舌、唾液腺、耳下腺、下顎腺、舌下腺、咽頭、食道、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、大腸、肝臓、胆嚢、腸間膜、膵臓、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜、腎臓、尿管、膀胱、尿道、卵巣、卵管、子宮、膣、胎盤、精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺、尿道球腺、陰茎、陰嚢、脳下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎腺、膵臓腺、心臓、動脈、静脈、毛細血管、リンパ管、リンパ節、骨髄、胸腺、脾臓、腸関連リンパ組織、扁桃腺、脳、間脳、脳幹、中脳、橋(pons)、延髄、小脳、脊髄、脳室、脈絡叢、脳神経、脊髄神経、神経節、腸管神経系、角膜、虹彩、毛様体、水晶体、網膜、耳たぶ、鼓膜、耳小骨、蝸牛、耳前庭、三半規管、舌、皮膚からなる群から選択される、
請求項4に記載の使用。
【請求項6】
組織が、結合組織であって、前記結合組織が脂肪組織である、
請求項4に記載の使用。
【請求項7】
細胞が、外分泌上皮細胞、バリア細胞、およびホルモン分泌細胞を含む、内胚葉に由来する細胞を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
分化細胞のサービス化状態の分子マーカーを決定する方法であって、
(1)第1のサービス化状態下の細胞を提供し、前記第1のサービス化状態下のsnoRNAの種類および量を検出することにより、第1のデータセットを得る段階、
(2)第2のサービス化状態下の細胞を提供し、前記第2のサービス化状態下のsnoRNAの種類および量を検出することにより、第2のデータセットを得る段階、および
(3)第1のデータセットと第2のデータセットとを比較して、第1のサービス化状態と第2のサービス化状態における固有のsnoRNAの種類および量の情報を決定することにより、第1のサービス化状態と第2のサービス化状態における固有の分子マーカーを区別する段階
を含み、snoRNAが、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択される、前記サービス化状態の分子マーカーを決定する方法。
【請求項9】
snoRNAまたはその促進剤またはその拮抗剤の使用であって、
分化細胞のサービス化状態を調節するための薬物または製剤の調製に用いられ、snoRNAが、SNORA41、SNORD85、SNORD115、SNORD116、SNORD14c、SNORD14d、SNORD55、SNORD15b、SNORD23、SNORD96a、SNORD123、SNORD34、およびSNORD82からなる群から選択される、前記使用。
【外国語明細書】