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特開2024-28732空気浄化コーティングシステム及びその作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028732
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】空気浄化コーティングシステム及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20240227BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240227BHJP
   C09D 133/00 20060101ALI20240227BHJP
   C09D 175/04 20060101ALI20240227BHJP
   C09D 7/65 20180101ALI20240227BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20240227BHJP
   C09D 7/42 20180101ALI20240227BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D7/61
C09D133/00
C09D175/04
C09D7/65
C09D7/20
C09D7/42
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023197902
(22)【出願日】2023-11-22
(62)【分割の表示】P 2021530285の分割
【原出願日】2018-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】521228282
【氏名又は名称】ボナ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シエルマン ジョン エフ
(72)【発明者】
【氏名】ペッシェル ピエトリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ローソン エリカ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】キャリア剤と、該キャリア剤と組み合わせた珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む空気浄化コーティングシステム及びその作製方法を提供する。
【解決手段】コーティングシステムは、70重量%~99.9重量%のキャリア剤と、0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含むことができる。コーティングシステムのキャリア剤は、清浄剤又は艶出し剤を含むことができる。珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、水及び分散添加剤と組み合わせた、粒径が1ミクロン~35ミクロンの珪藻被殻二酸化チタン粒子を含むことができる。分散体は、沈降防止添加剤、レオロジー添加剤、及び/又は消泡剤を更に含むことができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア剤と、
前記キャリア剤と組み合わせた珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体と、
を含む、空気浄化コーティングシステム。
【請求項2】
70重量%~99.9重量%のキャリア剤と、0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項1に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項3】
前記キャリア剤が清浄剤である、請求項1又は2に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項4】
95重量%~99.9重量%の清浄剤と、0.1重量%~5.0重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項3に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項5】
前記清浄剤が、水と、アクリル樹脂と、界面活性剤と、ハイドロトロープとを含む、請求項3に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項6】
前記清浄剤が、
80重量%~97重量%の水と、
0.5重量%~5重量%のアクリル樹脂と、
0.1重量%~1重量%のハイドロトロープと、
0.1重量%~3重量%の乳化剤と、
0.1重量%~1重量%の凍結融解剤と、
0.1重量%~1重量%のフロー添加剤と、
0.1重量%~1重量%の消泡剤と、
0.1重量%~1重量%の表面改質剤と、
0.1重量%~1重量%の沈降防止添加剤と、
0.1重量%~0.5重量%の殺生物剤と、
を含む、請求項3に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項7】
前記アクリル樹脂がアルカリ可溶性金属錯体化アクリル共重合体を含み、前記ハイドロトロープがクメンスルホン酸ナトリウムを含み、前記乳化剤が、C10-ゲルベアルコールとエチレンオキサイドとから生成したアルキルポリエチレングリコールエーテルを含み、前記凍結融解剤が界面活性剤ブレンドを含み、前記フロー添加剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記消泡剤がポリシロキサンを含み、前記表面改質剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記沈降防止添加剤が変性尿素樹脂を含み、及び/又は、前記殺生物剤が、ベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンドを含む、請求項6に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項8】
前記アクリル樹脂がアルカリ可溶性金属錯体化アクリル共重合体を含み、前記ハイドロトロープがクメンスルホン酸ナトリウムを含み、前記乳化剤がエトキシ化脂肪アルコールを含み、前記凍結融解剤がヒドロキシブタン酸ブチルを含み、前記フロー添加剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記消泡剤がポリシロキサンを含み、前記表面改質剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記沈降防止添加剤が変性尿素樹脂を含み、及び/又は、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンドを含む、請求項6に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項9】
前記キャリア剤が艶出し剤である、請求項1又は2に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項10】
70重量%~99.9重量%の艶出し剤と、0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項11】
90.0重量%~99.9重量%の艶出し剤と、0.1重量%~10.0重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項12】
前記艶出し剤が、水と、結合剤と、凍結融解剤と、表面改質剤とを含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項13】
前記結合剤が、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む、請求項12に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項14】
前記艶出し剤が、
45重量%~95重量%の水と、
3重量%~53重量%のアクリル共重合体及びポリウレタン樹脂と、
1重量%~5重量%の溶媒と、
0.1重量%~1重量%の凍結融解剤と、
0.1重量%~1重量%の沈降防止添加剤と、
0.1重量%~1重量%のフロー添加剤と、
0.01重量%~1重量%の消泡剤と、
0.1重量%~4重量%のワックス添加剤と、
0.01重量%~0.5重量%の殺生物剤と、
0.01重量%~0.1重量%の分散剤と、
を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項15】
前記溶媒がグリコールエーテルを含み、前記凍結融解剤が界面活性剤ブレンドを含み、前記沈降防止添加剤が変性尿素樹脂を含み、前記フロー添加剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記消泡剤がポリシロキサンを含み、前記ワックス添加剤がポリエチレンブレンドを含み、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとを含み、及び/又は、前記分散剤が顔料親和性基の共重合体を含む、請求項14に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項16】
前記溶媒がグリコールエーテルを含み、前記凍結融解剤がプロピレングリコールを含み、前記沈降防止添加剤が変性尿素樹脂を含み、前記フロー添加剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記消泡剤がポリシロキサンを含み、前記ワックス添加剤がポリエチレンブレンドを含み、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとを含み、及び/又は、前記分散剤が顔料親和性基の共重合体を含む、請求項14に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項17】
前記艶出し剤が、
40重量%~75重量%の水と、
23重量%~58重量%のアクリル共重合体と、
1重量%~5重量%の溶媒と、
0.1重量%~3重量%の凍結融解剤と、
0.1重量%~1重量%の沈降防止添加剤と、
0.1重量%~1重量%のフロー添加剤と、
0.1重量%~4重量%のワックス添加剤と、
0.01重量%~0.05重量%のフッ素化界面活性剤と、
0.01重量%~1重量%の消泡剤と、
0.01重量%~0.5重量%の殺生物剤と、
0.01重量%~0.2重量%の分散剤と、
を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項18】
前記溶媒がグリコールエーテルを含み、前記凍結融解剤が変性リン酸塩を含み、前記沈降防止添加剤が変性尿素樹脂を含み、前記フロー添加剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記ワックス添加剤がポリエチレンブレンドを含み、前記消泡剤がポリシロキサンを含み、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとを含み、及び/又は、前記分散剤が顔料親和性基の共重合体を含む、請求項14に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項19】
前記艶出し剤が、
40重量%~75重量%の水と、
20重量%~50重量%のアクリル共重合体と、
5重量%~30重量%のポリウレタン分散重合体と、
1重量%~5重量%の溶媒と、
1重量%~7重量%の艶消し顔料と、
1重量%~5重量%のレオロジー添加剤と、
0.1重量%~1重量%のフロー添加剤と、
0.01重量%~1重量%の消泡剤と、
0.01重量%~0.5重量%の殺生物剤と、
1重量%~15重量%の架橋剤と、
を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項20】
前記溶媒がグリコールエーテルを含み、前記レオロジー添加剤がベントナイト粘土を含み、前記フロー添加剤がポリエーテル変性シロキサンを含み、前記消泡剤がポリシロキサンを含み、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとを含み、及び/又は、前記架橋剤がポリイソシアネート重合体を含む、請求項19に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項21】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体が、1ミクロン~35ミクロンの粒径を有する珪藻被殻二酸化チタン粒子を含む粒子分散体を有する珪藻被殻二酸化チタン粒子を含む、請求項1又は2に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項22】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体が、水と、珪藻被殻二酸化チタン粒子と、分散添加剤と、レオロジー添加剤と、消泡剤とを含む、請求項1又は2に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項23】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体が、50重量%~75重量%の水と、20重量%~50重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子と、1重量%~10重量%の分散添加剤と、0.1重量%~2重量%のレオロジー添加剤とを含む、請求項22に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項24】
珪藻被殻二酸化チタン粒子を準備する工程と、
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子を、水、沈降防止添加剤、消泡性ポリシロキサン、及び分散添加剤と組み合わせて、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を形成する工程と、
キャリア剤を準備する工程と、
前記キャリア剤と前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせて、空気浄化コーティングシステムを形成する工程と、
を含む、空気浄化コーティングシステムを製造する方法。
【請求項25】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子が、1ミクロン~35ミクロンの粒径を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子を、1ミクロン~35ミクロンの粒径へとミリングする工程を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記キャリア剤と前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせる工程が、70重量%~99.9重量%のキャリア剤と、0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記キャリア剤が清浄剤である、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記キャリア剤と前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせる工程が、95重量%~99.9重量%の清浄剤と、0.1重量%~5重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記キャリア剤が艶出し剤である、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記キャリア剤と前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせる工程が、70重量%~99.9重量%の艶出し剤と、0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子を、水、沈降防止添加剤、消泡性ポリシロキサン、及び分散添加剤と組み合わせる工程が、50重量%~75重量%の水、20重量%~50重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子、0.1重量%~5重量%の沈降防止添加剤、0.1重量%~2重量%の消泡性ポリシロキサン添加剤、及び1重量%~10重量%の分散添加剤を含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、コーティング分野に関する。より詳細には、本発明は、清浄剤及び/又は艶出し剤等のキャリア剤と組み合わせた珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を有する空気浄化コーティングシステムに関する。また、本発明は、この空気浄化コーティングシステムを作製する方法に関する。この空気浄化コーティングシステムは、木材、積層材等の基材、又はPVC、ビニル、リノリウム等の合成表面、又はコンクリート、石、人造大理石、花崗岩、若しくは大理石等の硬質表面に適用することができ、周囲の空気環境からの揮発性有機化合物(VOC)等の毒素を低減する。
【背景技術】
【0002】
室内の空気品質は、重要な関心領域であり続けている。室内の空気汚染物質は、カーペット、炉、家具、断熱材、ペット、ゴミ、ガレージからの燃料等の源から発生する可能性がある。現在の住宅建築技術により、家はより高気密性になっているが、これによりVOCが家の中に閉じ込められ、シックハウス症候群等の状況につながる可能性がある。
【0003】
室内の空気からVOCを除去するといわれている製品が入手可能である。しかしながら、これらの入手可能な製品の多くには欠点がある。例えば、これらの製品の多くは、不純物が充填されると不活性になり、VOC低減効果が失われる。
【0004】
よって、室内の空気環境からVOC及び毒素を持続的に低減する、使いやすい製品が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の幾つかの態様の基本的理解をもたらすために、本発明の簡略化した概要を以下に示す。本概要は本発明の包括的概観ではない。本概要は、本発明の重要若しくは不可欠な要素を特定するか、又は本発明の範囲を明確にすることを意図するものではない。その唯一の目的は、下記に示すより詳細な説明の前置きとして本発明の概念を簡単に示すことである。
【0006】
本発明は、空気浄化コーティングシステムを含む。本発明の一実施の形態においては、空気浄化コーティングシステムは、キャリア剤と、該キャリア剤と組み合わせた珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む。本発明の一実施の形態においては、コーティングシステムは、70重量%~99.9重量%のキャリア剤と、0.1重量%~15重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む。
【0007】
本発明の空気浄化コーティングシステムの一実施の形態においては、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、1ミクロン~35ミクロンの粒径を有する珪藻被殻二酸化チタン粒子を含むことができる。本発明の更なる実施の形態においては、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、水と、珪藻被殻二酸化チタン粒子と、分散添加剤とを含むことができる。珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、沈降防止添加剤、レオロジー添加剤、及び/又は消泡剤を含むこともできる。
【0008】
本発明の一実施の形態においては、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、50重量%~75重量%の水と、20重量%~50重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子と、1重量%~10重量%の顔料親和性基の共重合体等の分散添加剤と、0.1重量%~2重量%の変性尿素樹脂等のレオロジー添加剤とを含む。
【0009】
本発明の空気浄化コーティングシステムの一実施の形態においては、キャリア剤は清浄剤とすることができる。さらに、本発明のコーティングシステムは、95重量%~99.9重量%の清浄剤と、0.1重量%~5.0重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含むことができる。本発明の空気浄化コーティングシステムの一実施の形態においては、清浄剤は、アクリル樹脂と、界面活性剤と、ハイドロトロープとを含むことができる。本発明の空気浄化コーティングシステムの別の実施の形態においては、清浄剤は、80重量%~97重量%の水と、0.5重量%~5重量%のアルカリ可溶性金属錯体化アクリル共重合体等のアクリル樹脂と、0.1重量%~1重量%のハイドロトロープと、0.1重量%~3重量%のC10-ゲルベアルコールとエチレンオキサイドとから生成したアルキルポリエチレングリコールエーテル等の乳化剤と、0.1重量%~1重量%の界面活性剤ブレンド等の凍結融解剤と、0.1重量%~1重量%のポリエーテル変性ヒドロキシ官能ポリジメチルシロキサン及び/又はポリエーテル変性シロキサン等のフロー添加剤と、0.1重量%~1重量%の消泡性ポリシロキサン等の消泡剤と、0.1重量%~1重量%の表面改質剤であるポリエーテル変性シロキサンと、0.1重量%~1重量%の変性尿素樹脂等の沈降防止添加剤と、0.1重量%~0.5重量%のベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンド等の殺生物剤とを含むことができる。
【0010】
本発明の空気浄化コーティングシステムの一実施の形態においては、キャリア剤は艶出し剤とすることができる。さらに、本発明のコーティングシステムは、70重量%~99.9重量%の艶出し剤と、0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含むことができる。本発明の空気浄化コーティングシステムの一実施の形態においては、艶出し剤は、水と、結合剤と、凍結融解剤と、溶媒と、消泡剤と、表面改質剤とを含むことができる。一実施の形態においては、結合剤はアクリル共重合体樹脂とすることができる。代替的には、結合剤はポリウレタン樹脂とすることもできる。本発明の空気浄化コーティングシステムの別の実施の形態においては、艶出し剤は、45重量%~95重量%の水と、3重量%~53重量%のアクリル共重合体及びアクリル共重合体と、1重量%~5重量%の溶媒と、0.0重量%~1重量%の凍結融解添加剤と、0.1重量%~1重量%の変性尿素樹脂等の沈降防止添加剤と、0.01重量%~1重量%のポリエーテル変性シロキサン及び/又はフッ素化界面活性剤等のフロー添加剤と、0.01重量%~1重量%の消泡剤と、0.01重量%~0.5重量%の殺生物剤と、0.1重量%~3重量%のワックス添加剤と、0.01重量%~0.1重量%の顔料親和性基の共重合体等の分散剤とを含むことができる。
【0011】
本発明は、空気浄化コーティングシステムを製造する方法も含む。本発明の一実施の形態においては、この方法は、珪藻被殻二酸化チタン粒子を準備する工程と、珪藻被殻二酸化チタン粒子を、水及び分散添加剤と組み合わせて、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を形成する工程と、キャリア剤を準備する工程と、キャリア剤と珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせて、本発明の空気浄化コーティングシステムを形成する工程とを含む。
【0012】
本発明の方法の一実施の形態においては、珪藻被殻二酸化チタン粒子は、1ミクロン~35ミクロンの粒径を有する。さらに、本発明の方法は、珪藻被殻二酸化チタン粒子を、1ミクロン~35ミクロンの粒径へとミリングする工程を更に含むことができる。本発明の一実施の形態においては、上記方法は、珪藻被殻二酸化チタン粒子を、レオロジー添加剤及び消泡剤と組み合わせて、分散体を形成することを更に含むことができる。本発明の方法の一実施の形態においては、上記方法は、50重量%~75重量%の水と、20重量%~50重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子と、1重量%~10重量%の分散添加剤とを組み合わせて、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を形成することを含むことができる。
【0013】
本発明の方法は、85重量%~99.9重量%のキャリア剤と、0.1重量%~15重
量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせることを含むことができる。本発明の方法の一実施の形態においては、キャリア剤は清浄剤とすることができる。さらに、上記方法は、95重量%~99.9重量%の清浄剤を、0.1重量%~5重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体と組み合わせることを含むことができる。本発明の方法の別の実施の形態においては、キャリア剤は艶出し剤とすることができる。さらに、上記方法は、70重量%~99.9重量%の艶出し剤を、0.1重量%~10重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体と組み合わせることを含むことができる。
【0014】
本発明の更なる特徴は、以下の説明から明らかになるであろう。説明後、そのような特徴は、説明から部分的に明らかになるか、又は本発明の実施によって分かる可能性がある。上記の一般的説明及び下記の詳細な説明はどちらも例示的なものであり、説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載される発明を限定するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、空気浄化コーティングシステム及びその作製方法に関する。空気浄化コーティングシステムは、基材及び表面に適用される清浄剤及び/又は艶出し剤の形態とすることができる。基材又は表面に適用する場合、空気浄化コーティングシステムは、揮発性有機化合物等の室内の空気の毒素を低減することが好ましい。また、コーティングシステムは、適用される表面に、許容可能な耐薬品性、光沢レベル、耐擦傷性(正:scuff resistance)、及び/又は透明性を提供することもできる。本発明の空気浄化コーティングシステムは、清浄剤、艶出し剤、又は清浄剤/艶出し剤等のキャリア剤を含むことができる。空気浄化コーティングシステムは、キャリア剤と組み合わせた珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を更に含むことができる。本発明の空気浄化コーティングシステムは、コーティングシステムの目的の用途に応じて、更なる成分及び/又は添加剤と組み合わせることができる。
【0016】
本明細書では、表面清浄剤及び/又は艶出し剤としての使用に関して主に説明するが、本発明の空気浄化コーティングシステムが他の様々な用途を有し得ることは明らかである。さらに、本発明の空気浄化コーティングシステムは、表面及び基材に適用した場合に有利な空気浄化特性を提供すると主に特定されているが、追加の有利な特性及び性質も示し得る。
【0017】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される以下の用語は、以下に示す意味を有する。
【0018】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「ナノ粒子」という用語は、当該技術分野における通常の慣習的な意味を有し、1ナノメートル~100ナノメートル、又は1×10-9メートルのサイズからなる粒子を指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「ミクロン」という用語は、当該技術分野における通常の慣習的な意味を有し、1ミクロン~100ミクロン、又は1×10-6メートルのサイズを有する粒子を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「ミル」という用語は、当該技術分野における通常の慣習的な意味を有し、顔料の粒径を反復可能で一貫した分布に低減するために使用される機械を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「界面活性剤」という用語は、水又は有機溶媒の溶液において、顔料粒子を安定化及び分離するために使用される正又は負の
電荷を有する有機重合体を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「分散溶液」という用語は、顔料と、溶媒と、消泡剤と、界面活性剤と、沈降防止添加剤とを含有する溶液を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「重合体/樹脂」という用語は、顔料を結合し、木材、コンクリート、合成表面、及び天然石等の表面を保護するために、塗料、コーティング剤、及び艶出し剤に使用される有機化合物を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「艶出し剤」という用語は、木材、ビニル、積層材、PVC、リノリウム、石、花崗岩、人造大理石、大理石、又はコンクリートフロア等の表面に保護を付加するために使用されるコーティング剤を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「清浄剤」という用語は、界面活性剤と、溶媒と、水と、高分子樹脂とから構成される材料を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「粒径分析装置」という用語は、溶液中の粒径及び粒子数を測定する装置を指す。値は、ナノメートル又はマイクロメートルで算出することができる。本明細書において試験に利用されるユニットはAccusizer N3000であるが、本発明の範囲から逸脱しない限り他のユニットを使用することもできる。
【0027】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「ウェザロメータ」という用語は、制御及び加速された方法で太陽光への曝露をシミュレーションするために使用される装置を指す。チャンバーは、様々な温度及び湿度条件に制御することができる。本明細書において試験に利用されるユニットは、STP(標準温度圧力)条件を維持するために空調されたチャンバーを備えたXE1であるが、本発明の範囲から逸脱しない限り他のユニットを使用することもできる。
【0028】
以下、本発明の実施形態及び例について詳細に言及する。これらの例に記載されている特定の成分及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは概算であるが、特定の例に示す数値は可能な限り正確に報告する。ただし、あらゆる数値には、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差がそもそも含まれている。さらに、本明細書に開示される全ての範囲は、そこに含まれる任意のあらゆるサブ範囲を包含すると理解されるべきである。この明細書全体を通した例及び議論において、全ての割合、比率、及び比は、特に明記しない限り、重量(質量)基準である。
【0029】
空気浄化コーティングシステム及びその作製方法を開示する。上述の通り、このシステムは、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体と組み合わされる、清浄剤、艶出し剤、又は清浄剤/艶出し剤等のキャリア剤を含むことができる。本発明の空気浄化コーティングシステムの一実施形態においては、コーティングシステムは、70重量%~99.9重量%のキャリア剤と、0.1重量%~15.0重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含むことができる。
【0030】
珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、分散溶液と組み合わせた珪藻被殻二酸化チタン粒子(「DFTiO粒子」)を含む。本発明と関連して使用されるDFTiO粒子は、ナノ粒子であることが好ましい。珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体(「DFTiO分散体」)は、清浄剤、艶出し剤、及び清浄剤/艶出し剤等のキャリア剤に組み込むため、安定な水性分散体であることが好ましい。
【0031】
DFTiO分散体を形成する前に、顔料を溶液中でより安定かつ均一にするために、DFTiO粒子をミリングすることができる。ミリングは、Hockmeyer Corporation製
のHCP浸漬ミルを使用して行うことができ、媒体は、0.4mm径の酸化ジルコニウムとすることができる。
【0032】
DFTiO分散体は、顔料粒子が溶液中で均一に分離され、安定化されることを保証するために、幾つかの成分を含むことができる。さらに、DFTiO分散体は、沈降及び消泡のための成分を利用することもできる。本発明のDFTiO分散体の一実施形態においては、分散体は、約50重量%~75重量%の水を含むことができる。DFTiO分散体は、約20重量%~50重量%のDiatomix社の10ミクロン粉末等のDFTiO粒子を含むこともできる。さらに、DFTiO分散体は、約1重量%~10重量%の分散添加剤を含むことができる。DFTiO分散体は、約0.1重量%~2重量%の非イオン性ウレタン共重合体等のレオロジー添加剤を含むこともできる。また、DFTiO分散体は、混合プロセスにおいて泡の発生を最小限に抑えるために、約0.01重量%~0.2重量%の消泡剤を含むことができる。
【0033】
DFTiO分散体は、溶解機等の容器において、水を分散添加剤と組み合わせることによって作製することができる。適度に撹拌しながら分散添加剤を水に添加し、約5分間混合することが好ましい。次いで、適度に撹拌しながらレオロジー添加剤を添加し、レオロジー添加剤が完全に混合されるまで、約10分間混合することが好ましい。次いで、分散体における泡の発生に応じて、消泡剤を添加して、混合プロセスにおいて泡の発生を防止することができる。最終的に、Diatomix社の10ミクロン粉末等のDFTiO粒子を、選別し、撹拌しながらバッチに入れることが好ましい。次いで、分散体を、溶解機から、HCP浸漬ミル等の浸漬ミルへと移すことができる。次いで、有効Hegman粒径が、好ましくは1ミクロン超、かつ、100ミクロン未満、又はより好ましくは6ミクロン超、若しくは20ミクロン未満となるまで、DFTiO分散体をミリングすることができる。一実施形態においては、ミリング速度は、約2500rpm~3500rpmである。
【0034】
ほとんどの清浄剤、艶出し剤、及び清浄剤/艶出し剤を含む本発明のキャリア剤は、典型的には、DFTiO粒子よりも低粘度を有し、低不揮発性の材料製品である。よって、DFTiO粒子は、該粒子をそのようなより低粘度で、より低不揮発性の材料物質に組み込むのを助けるために分散形態にすることが好ましい。
【0035】
上述の通り、本発明のキャリア剤は清浄剤を含む。清浄剤を本発明に組み込む場合、空気浄化清浄システムが形成される。本発明の清浄剤は、清浄剤及び消臭剤製品の両方を含み、典型的には水ベースである。本発明の清浄剤は、好ましくはアクリル樹脂を含み、より好ましくはアルカリ可溶性金属錯体化アクリル共重合体を含み、これは25mgKOH超の酸価を有する。本発明の清浄剤は、C10-ゲルベアルコールとエチレンオキサイドとから形成したアルキルポリエチレングリコールエーテル等の界面活性剤を含むことも好ましい。界面活性剤は、土壌及び他の種類の汚染物質の洗浄、脱脂、及び乳化に使用されることが多い。水ベースの清浄システムでは、凍結融解安定性がシステム性能の維持にとって重要である。よって、本発明と関連して水ベースの清浄剤が組み込まれる場合、凍結融解安定性を提供するがシステム性能を妨げない界面活性剤を組み込むことができる。本発明の清浄剤は、疎水性化合物を可溶化するために、ハイドロトロープを更に利用することができる。
【0036】
空気浄化清浄システムにおいて適度な表面湿潤及び表面保護を保証するために、清浄剤の表面張力を低下させ、床材上に均一な層を提供する表面湿潤材料を使用することができ
る。機能化表面湿潤材料を使用することもでき、これにより、一定の表面損傷の保護を付加することができる。
【0037】
界面活性剤の使用と共に、過剰な泡立ち又は起泡を制限する消泡剤を、本発明の空気浄化清浄システムに組み込むことが多い。消泡性ポリシロキサン等のこのような消泡剤は、界面活性剤との有害な相互作用を伴わずに長期の有効性を有することが好ましい。より低粘度の清浄剤にDFTiO粒子を組み込む場合、レオロジー調整剤を使用して、DFTiO粒子が容器の底部で硬化することを防ぐことができる。
【0038】
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、及び/又はジエチレングリコールエチルエーテル等のグリコールエーテル溶媒を空気浄化清浄システムに組み込んで、システムにおけるグリース及び/又は樹脂の可溶化を助けることができる。
【0039】
本発明の一実施形態においては、空気浄化清浄システムの清浄剤は、約80重量%~97重量%の水を含む。さらに、清浄剤は、接着性及び再溶解性のために、約0.5重量%~5重量%のアルカリ可溶性金属錯体化アクリル共重合体を含むことができる。また、本発明の清浄剤は、約0.1重量%~1重量%のクメンスルホン酸ナトリウム等のハイドロトロープを含むことができる。本発明の清浄剤は、汚れの洗浄及び乳化に対処するために、界面活性剤を含むことができる。一実施形態においては、本発明の清浄剤は、約0.1重量%~3重量%の乳化剤を含むことができる。例えば、約0.1重量%~1重量%のC10-ゲルベアルコールとエチレンオキサイドとから形成したアルキルポリエチレングリコールエーテルを清浄剤に組み込むことができる。空気浄化清浄システムの清浄剤に、特殊な添加剤を組み込むこともできる。例えば、約0.1重量%~1重量%の界面活性剤ブレンド等の凍結融解剤等の凍結融解添加剤と、約0.01重量%~1重量%のフロー添加剤と、約0.1重量%~1重量%の消泡性ポリシロキサン等と、約0.1重量%~1重量%の表面改質剤と、約0.1重量%~1重量%の沈降防止添加剤と、約0.1重量%~0.5重量%のベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンド等の殺生物剤と、樹脂溶解性のための溶媒とを組み込むことができる。本発明の一実施形態においては、約0.1重量%~5重量%のDFTiO分散体を清浄剤に組み込んで、本発明の空気浄化清浄システムを形成することができる。
【0040】
本発明のキャリア剤として、艶出し剤を使用することもできる。艶出し剤を本発明に組み込む場合、空気浄化艶出しシステムが形成される。艶出し剤は、木材、合成材、石、及び/又は他の硬質表面等の表面に保護を付加するために使用することができる。例えば、艶出し剤は、基材及び表面を、引っかき傷、擦り傷、化学的損傷、及び早期破損から保護するために使用される。艶出し剤は、光沢、着色、画像の深さ、又は透明性等の二次的な特性も提供することができる。艶出し剤には、艶出し剤だけでなく仕上げ剤も含まれる。
【0041】
本発明の艶出し剤は、水ベースとすることができ、かつ、ポリウレタン樹脂及び/又はアクリル樹脂等の結合剤を含むことができる。このような製品は、擦り傷に対する耐久性、耐薬品性、及び/又は様々な基材への接着性を提供することが好ましい。
【0042】
水ベースの艶出しシステムでは、凍結融解安定性がシステム性能の維持にとって重要である。よって、水ベースの艶出し剤が本発明のシステムに組み込まれる場合、凍結融解安定性を提供するがシステム性能を妨げない界面活性剤を組み込むことができる。このような製品の例としては、トリブトキシエチルホスフェート、ヒドロキシブタン酸ブチル、及びプロピレングリコールが挙げられる。
【0043】
空気浄化艶出しシステムにおいて適度な表面湿潤及び表面保護を保証するために、艶出
し剤の表面張力を低下させ、床材上に均一な層を提供する表面湿潤材料を使用することができる。機能化表面湿潤材料を使用することもでき、これにより、一定の表面損傷の保護を付加することができる。
【0044】
本発明の清浄システムと同様に、界面活性剤によって引き起こされることが多い過剰な泡立ち又は起泡を制限する消泡性ポリシロキサンを、本発明の空気浄化艶出しシステムに組み込むことができる。このような消泡剤は、界面活性剤との有害な相互作用を伴わずに長期の有効性を有することが好ましい。さらに、より低粘度の艶出し剤にDFTiO粒子を組み込む場合、レオロジー調整剤を使用して、DFTiO粒子が容器の底部で硬化することを防ぐことができる。
【0045】
溶媒を、空気浄化艶出しシステムに組み込んで、システムにおける樹脂の可溶化を助けることができる。本発明と関連して使用される溶媒の例としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、及び/又はジエチレングリコールエチルエーテル等のグリコールエーテルが挙げられる。
【0046】
本発明の一実施形態においては、空気浄化艶出しシステムの艶出し剤は、約40重量%~95重量%の水を含む。さらに、艶出し剤は、アクリル成分及びウレタン成分等の結合剤を約3重量%~53重量%、又はより好ましくは20重量%~50重量%含むことができる。本発明の艶出し剤は、約1重量%~9重量%の溶媒組成物、又はより好ましくは1重量%~5重量%の溶媒を含むことができる。さらに、艶出し剤は、約0.1重量%~1重量%の変性尿素樹脂等の沈降防止剤、約0.1重量%~1重量%のポリエーテル変性シロキサン等のフロー及びレベリング剤、0.01重量%~0.05重量%のフッ素化界面活性剤、及び/又は、約0.01重量%~1.0重量%の消泡性ポリシロキサンを更に含むことができる。艶出し剤は、約0.1重量%~1重量%の界面活性剤ブレンド又はプロピレングリコール等の凍結融解剤を含むこともできる。艶出し剤は、レベリングのために、約0.1重量%~1.0重量%の非イオン性ウレタン共重合体等のレオロジー調整剤を含むことができる。微生物の攻撃を防止するために、約0.01重量%~0.5重量%のベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンド等の殺生物剤を、本発明の艶出し剤に組み込むことができる。さらに、耐損傷性を提供するために、約0.1重量%~5重量%のポリエチレンブレンド等のワックス添加剤を、本発明の艶出し剤に添加することができる。艶出し剤は、0.01重量%~0.1重量%の顔料親和性基の共重合体等の分散剤を含むこともできる。
【0047】
本発明の別の実施形態においては、空気浄化艶出しシステムの艶出し剤は、約40重量%~75重量%の水を含む。さらに、艶出し剤は、約23重量%~58重量%のアクリル成分及びウレタン成分等の結合剤を含むことができる。本発明の艶出し剤は、約1重量%~5重量%のグリコールエーテル等の溶媒組成物を含むことができる。さらに、艶出し剤は、約0.1重量%~3重量%の変性リン酸塩等の凍結融解剤、約0.1重量%~1重量%の変性尿素樹脂等の沈降防止剤、約0.1重量%~1重量%のポリエーテル変性シロキサン等のフロー及びレベリング剤、0.01重量%~0.05重量%のフッ素化界面活性剤、及び/又は、約0.01重量%~1.0重量%の消泡性ポリシロキサン等の消泡剤を更に含むことができる。艶出し剤は、レベリングのために、約0.1重量%~1.0重量%の非イオン性ウレタン共重合体等のレオロジー調整剤を更に含むことができる。微生物の攻撃を防止するために、約0.01重量%~0.5重量%のベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンド等の殺生物剤を、本発明の艶出し剤に組み込むことができる。さらに、耐損傷性を提供するために、約0.1重量%~4重量%のポリエチレンブレンド等のワックス添加剤を、本発明の艶出し剤に添加することができる。艶出し剤は、0.01重量%~0.2重量%の顔料親和性基の共重合体等の分散剤を含むこともで
きる。
【0048】
本発明の更に別の実施形態においては、空気浄化艶出しシステムの艶出し剤は、約40重量%~75重量%の水を含む。さらに、艶出し剤は、約20重量%~50重量%のアクリル共重合体と、約5重量%~30重量%のポリウレタン分散重合体とを含むことができる。本発明の艶出し剤は、約1重量%~5重量%のグリコールエーテル等の溶媒組成物を含むことができる。さらに、艶出し剤は、約1重量%~7重量%の艶消し顔料、約1重量%~5重量%のベントナイト粘土等のレオロジー添加剤、約0.1重量%~1重量%のポリエーテル変性シロキサン等のフロー及びレベリング剤、約0.01重量%~0.05重量%のフッ素化界面活性剤、及び/又は、約0.01重量%~1.0重量%の消泡性ポリシロキサン等の消泡剤を更に含むことができる。艶出し剤は、レベリングのために、約0.1重量%~1.0重量%の非イオン性ウレタン共重合体等のレオロジー調整剤を含むことができる。微生物の攻撃を防止するために、約0.01重量%~0.5重量%のベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンド等の殺生物剤を、本発明の艶出し剤に組み込むことができる。さらに、更なる硬化のために、約1重量%~15重量%のポリイソシアネート重合体等の架橋剤を含むことができる。艶出し剤は、DFTiO分散体におけるDFTiO粒子の更なる安定化のために、約0.01重量%~0.1重量%の分散剤を含むこともできる。本発明の一実施形態においては、約0.1重量%~10重量%のDFTiO分散体を艶出し剤に組み込んで、本発明の空気浄化艶出しシステムを形成することができる。
【0049】
本発明のキャリア剤は、典型的には、清浄剤及び/又は艶出し剤であるため、本発明のコーティング剤は、VOC低減コーティングシステムを提供するという二次的な利点に加えて、主に、木材、コンクリート、積層材、PVC、ビニル、リノリウム、及び/又は天然石等の様々な基材及び表面を清浄するか、又は艶出しするために使用されることが多い。
【0050】
本発明のコーティングシステムは、空気中の揮発性有機化合物のレベルを低減することが好ましい。例えば、コーティングシステムは、室内の空気品質の低下につながる、ケトン、アミン、アルコール、及びアルデヒド等の揮発性有機化合物を低減することが好ましい。本発明のコーティングシステムは、室内の空気からの揮発性有機化合物の低減に加えて、表面の光沢、耐薬品性、表面の透明性、及び清浄剤/艶出し剤のフロー及びレベリング等の表面清浄及び/又は艶出し特性を維持又は改善することも好ましい。コーティングシステムが表面に適用され、屋内照明又は太陽光等の自然光に曝露されると、周囲の空気中の揮発性有機化合物の低減を活性化することができる。
【0051】
本発明は、本発明の空気浄化コーティングシステムを形成する方法を含む。本発明の一実施形態においては、この方法は、珪藻被殻二酸化チタン粒子を準備する工程と、珪藻被殻二酸化チタン粒子を、水及び分散添加剤と組み合わせて、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を形成する工程と、キャリア剤を準備する工程と、キャリア剤と珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせて、本発明の空気浄化コーティングシステムを形成する工程とを含む。
【0052】
本発明の方法の一実施形態においては、珪藻被殻二酸化チタン粒子は、1ミクロン~35ミクロンの粒径を有する。さらに、本発明の方法は、珪藻被殻二酸化チタン粒子を、1ミクロン~35ミクロンの粒径へとミリングする工程を更に含むことができる。本発明の一実施形態においては、上記方法は、珪藻被殻二酸化チタン粒子を、沈降防止添加剤、レオロジー添加剤、及び/又は消泡剤と組み合わせ、分散体を形成することを更に含むことができる。本発明の方法の一実施形態においては、上記方法は、50重量%~75重量%の水と、20重量%~50重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子と、0.1重量%~5重量
%の沈降防止添加剤と、0.1重量%~2重量%の消泡性ポリシロキサンと、1重量%~10重量%の分散添加剤とを組み合わせて、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を形成することを含むことができる。
【0053】
本発明の方法は、85重量%~99.9重量%のキャリア剤と、0.1重量%~15重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせることを含むことができる。本発明の方法の一実施形態においては、キャリア剤は清浄剤とすることができる。さらに、上記方法は、95重量%~99.9重量%の清浄剤を、0.1重量%~5重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体と組み合わせることを含むことができる。本発明の方法の別の実施形態においては、キャリア剤は艶出し剤とすることができる。さらに、上記方法は、90重量%~99.9重量%の艶出し剤を、0.1重量%~10重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体と組み合わせることを含むことができる。
【0054】
本開示を包括的に説明したが、以下に示す特定の例を参照することにより、更なる理解を得ることができる。これらの例は、例示のみを目的として提供され、特に明記しない限り、包括的又は限定的であることを意図するものではない。
【実施例0055】
試験及び実施例
以下、本開示の例の組成物の調製、同定、及び試験について更に説明する。これらの例に記載されている特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。
【0056】
ナノ粒子機能化珪藻被殻材料を、Diatomix Incorporatedから入手し、本発明と関連し
て使用するため試験した。この材料はクリーム色の粉末で、約10ミクロンの粒径を有していた。この材料を水に入れると、粒径は約15ミクロンと測定された。測定は、Accusizer N3000を使用して行った。粒度分布は、未加工のDiatomix DPA52の10ミクロン粉末で、1ミクロン~20ミクロンであった。この材料は溶液中に留まらず、すぐに溶液中で非常に粗い粒子状の外観になり始めた。次いで、材料をミリングして、顔料を溶液中でより安定かつ均一にした。
【0057】
次いで、ミリング後のDiatomix材料を使用して、DFTiO分散体を形成した。この分散体は、溶解機中で適度に撹拌しながら、50重量%~75重量%の水を、1重量%~10重量%の分散添加剤と組み合わせることによって作製した。水と分散添加剤とを5分間混合した。次いで、0.1重量%~2重量%の量のレオロジー添加剤を、このレオロジー添加剤が分散体中に完全に混合されるまで、適度に撹拌しながら10分間混合した。次いで、消泡剤を添加して、混合プロセスにおいて泡の発生を防止した。次いで、約20重量%~50重量%のミリング後のDiatomix材料を、選別し、撹拌しながらバッチに入れ、次いで、溶解機からHCP浸漬ミルへと移した。この分散体を、有効Hegman粒径が6ミクロン超、又は、20ミクロン未満となるまで、2500rpm~3500rpmの速度でミリングした。
【0058】
空気浄化清浄システム及び空気浄化艶出しシステムの両方に対して試験を行い、各々の空気浄化能力を決定した。このような試験は、ノースカロライナ州ローリーのResearch Triangle Park Laboratoriesによって行った。
【0059】
第1の試験は、本発明の空気浄化清浄システムを対象とした。比較の目的で、清浄剤を含み、DFTiO分散体を含まない第1の対照試料を分析し、清浄剤とDFTiO分散体とを含む第2の活性試料を分析した。ASTM D6670の"Standard Practice for Full-Scale Chamber Determination of Volatile Organic Emissions from Indoor Ma
terials/Products"を使用して、27リットルのガラスチャンバーに既知濃度の選択VO
Cを導入することにより、試料をVOC低減について試験した。4フィートのT8 LED照明器具2本を、チャンバーの外側でチャンバーから約6インチの場所に配置した。照明を、互いに隣り合わせに配置し、全試験期間中操作した。3層のコート層を塗布してから硬化させることにより、試料をガラス板(7インチ×14インチ)に直接塗布した。塗布前後でガラス板の重量を測定することにより、3層のコート層の重量を求めたところ、0.1グラムであった。次いで、コーティングした側を照明に向けて、試料を密閉可能なチャンバーに30分間入れた。チャンバーを密閉し、平衡化させた後にVOCを導入した。温度と相対湿度を、試験中ずっとモニターし、25℃及び35%~45%の相対湿度で測定した。各試験の開始時、かつ、VOCをチャンバーに導入する前に、チャンバーから空気試料を収集し、チャンバーにVOCが存在しないことを実証してから、試験を実施した。次いで、既知量のホルムアルデヒド(2.5ppm)及びメチルメルカプタン(1.0ppm)をチャンバーに導入した。次いで、チャンバーの空気試料を再度収集し、1時間、24時間、48時間、及び72時間の期間で、導入した特定のVOCについて分析した。様々な期間での対照試料及び活性試料のVOC空気試料試験の結果を、以下の表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1に示すように、本発明の空気浄化清浄システムを含む活性試料を有する試験チャンバーでは、清浄剤のみを有する対照試料に比べて、48時間で、ホルムアルデヒドVOCが約15%少なくなり、メチルメルカプタンVOCが約19%少なくなった。さらに、本発明の空気浄化清浄システムを含む活性試料を有する試験チャンバーでは、清浄剤のみを有する対照試料に比べて、72時間で、ホルムアルデヒドVOCが約30%少なくなり、メチルメルカプタンVOCが約35%少なくなった。
【0062】
第2の試験は、本発明の空気浄化艶出しシステムを対象とした。比較の目的で、艶出し剤を含み、DFTiO分散体を含まない第1の対照試料を分析し、艶出し剤とDFTiO分散体とを含む第2の活性試料を分析した。ASTM D6670の"Standard Practice for Full-Scale Chamber Determination of Volatile Organic Emissions from Indoor Materials/Products"を使用して、27リットルのガラスチャンバーに既知濃度の選
択VOCを導入することにより、試料をVOC低減について試験した。4フィートのT8
LED照明器具2本を、チャンバーの外側でチャンバーから約6インチの場所に配置した。照明を、互いに隣り合わせに配置し、全試験期間中操作した。1層のコート層を塗布してから硬化させることにより、試料をガラス板(7インチ×14インチ)に直接塗布した。塗布前後でガラス板の重量を測定することにより、1層のコート層の重量を求めたところ、1.0グラムであった。次いで、コーティングした側を照明に向けて、試料を密閉可能なチャンバーに30分間入れた。チャンバーを密閉し、平衡化させた後にVOCを導入した。温度と相対湿度を、試験中ずっとモニターし、25℃及び35%~45%の相対湿度で測定した。各試験の開始時、かつ、VOCをチャンバーに導入する前に、チャンバーから空気試料を収集し、チャンバーにVOCが存在しないことを実証してから、試験を実施した。次いで、既知量のホルムアルデヒド(5.0ppm)及びメチルメルカプタン(2.5ppm)をチャンバーに導入した。次いで、チャンバーの空気試料を再度収集し
、24時間、48時間、及び72時間の期間で、導入した特定のVOCについて分析した。様々な期間での対照試料及び活性試料のVOC空気試料試験の結果を、以下の表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
表2に示すように、本発明の空気浄化艶出しシステムの1つを含む活性試料を有する試験チャンバーでは、艶出し剤のみを有する対照試料に比べて、48時間で、ホルムアルデヒドVOCが約4.3%少なくなり、メチルメルカプタンVOCが約22.5%少なくなった。さらに、本発明の空気浄化艶出しシステムを含む活性試料を有する試験チャンバーでは、艶出し剤のみを有する対照試料に比べて、72時間で、ホルムアルデヒドVOCが約12.5%少なくなり、メチルメルカプタンVOCが約37.5%少なくなった。
【0065】
別の適用のための第2の艶出しでは、前述の例と同様に試験を行った。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
表3の艶出しの例は、不揮発性分、フッ素化界面活性剤、及び追加のワックスを追加的に増加させた以外は、表2の例と同様である。データによると、ホルムアルデヒドの低減は、24時間で19%であったが、48時間では58%に急激に低下し、72時間では対照システムよりも51%多く低減した。メチルメルカプタンのデータによると、24時間で20%であったが、48時間では50%に急激に低下し、最終的には、72時間の時点では対照よりも37%多く低減するという結果が得られた。
【0068】
最後に、2成分アクリル-ウレタン艶出しコーティングシステムについて示す。繰り返しになるが、このシステムは空気中の化学物質の低減を示す。このデータを表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
この例では、システムがわずかに異なる反応速度論で硬化するため、データがわずかに異なる。ホルムアルデヒドの低減は、最初の48時間はほぼ一定のままであったが、これは、イソシアネートとヒドロキシルとの反応が、低減を妨げるためであると考えられる。硬化が遅くなると、72時間の値は、対照からDFTiOを含む活性システムへと、21%低減した。メチルメルカプタンの低減は、48時間で25%であり、最終的には、72時間で対照よりも28%多く低減した。
【0071】
以上、本発明の様々な実施形態及び例について説明したが、これらの説明は、例示及び説明の目的で与えられたものであり、限定を目的とするものではない。開示されたシステム及び方法からの変形、変更、修正、及び逸脱は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り採用することができる。実際、上述の説明を読んだ後、代替的な実施形態で本発明をどのように実施するかは、関連する技術分野(複数の場合もある)の当業者には明らかだろう。よって、本発明は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0072】
さらに、要約書の目的は、様々な特許庁及び一般の人々、特に特許又は法律の用語又は表現に精通していない当該技術分野の科学者、技術者、及び実務者が、大まかな閲覧から、出願の技術的開示の性質と本質を迅速に判断できるようにすることである。要約書は、本発明の範囲をいかなる形でも限定することを意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
70重量%~99.9重量%のキャリア剤であって、清浄剤、又は艶出し剤である前記キャリア剤と、
0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を含む、表面の清浄又は艶出しのための空気浄化コーティングシステムであって、
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、キャリア剤と組み合わされており、
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体は、ミリングされた1ミクロン~35ミクロンの粒径を有する珪藻被殻二酸化チタン粒子を含む、
前記空気浄化コーティングシステム。
【請求項2】
前記キャリア剤が清浄剤である、請求項1に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項3】
95重量%~99.9重量%の清浄剤と、0.1重量%~5.0重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項2に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項4】
前記清浄剤が、水と、アクリル樹脂と、界面活性剤とを含む、請求項2に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項5】
前記清浄剤が、
水、
アクリル樹脂、及び
殺生物剤、
を含む、請求項2に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項6】
前記アクリル樹脂がアルカリ可溶性金属錯体化アクリル共重合体を含み、及び/又は、前記殺生物剤が、ベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとのブレンドを含む、請求項5に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項7】
前記清浄剤がさらにクメンスルホン酸ナトリウム、C10-ゲルベアルコールとエチレンオキサイドとから生成したアルキルポリエチレングリコールエーテル、界面活性剤ブレンド、ポリエーテル変性シロキサン、ポリシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、及び/又は変性尿素樹脂を含む、請求項4に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項8】
前記清浄剤がクメンスルホン酸ナトリウム、エトキシ化脂肪アルコール、ヒドロキシブタン酸ブチル、ポリエーテル変性シロキサン、ポリシロキサン、及び変性尿素樹脂を含む、請求項5に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項9】
前記キャリア剤が艶出し剤である、請求項1に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項10】
70重量%~99.9重量%の艶出し剤と、0.1重量%~30重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項11】
90.0重量%~99.9重量%の艶出し剤と、0.1重量%~10.0重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項12】
前記艶出し剤が、水、及び結合剤を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項13】
前記結合剤が、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む、請求項12に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項14】
前記艶出し剤が、
水、
アクリル共重合体及びポリウレタン樹脂と、
溶媒、
ワックス添加剤、及び
殺生物剤、
を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項15】
前記溶媒がグリコールエーテル、前記ワックス添加剤がポリエチレンブレンド、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンを含む、請求項13に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項16】
前記艶出し剤がグリコールエーテル、界面活性剤ブレンド、変性尿素樹脂、ポリエーテル変性シロキサン、ポリシロキサンとポリエチレンブレンド、ベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンを含み、及び/又は、顔料親和性基の共重合体を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項17】
前記艶出し剤がグリコールエーテル、プロピレングリコール、変性尿素樹脂、ポリエーテル変性シロキサン、ポリシロキサン、ポリエチレンブレンド、ベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノン、及び/又は、顔料親和性基の共重合体を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項18】
前記艶出し剤が、
水、
アクリル共重合体、
溶媒、
ワックス添加剤、
フッ素化界面活性剤、及び
殺生物剤、
を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項19】
前記溶媒がグリコールエーテルを含み、前記凍結融解剤が変性リン酸塩を含み、前記ワックス添加剤がポリエチレンブレンドを含み、前記消泡剤がポリシロキサンを含み、及び/又は、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンを含む、請求項18に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項20】
前記艶出し剤がグリコールエーテル、変性リン酸塩、変性尿素樹脂を含み、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエチレンブレンド、ポリシロキサンを含み、ベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノン、及び/又は、顔料親和性基の共重合体を含む、請求項9に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項21】
前記艶出し剤が、
水、
アクリル共重合体、
ポリウレタン分散重合体、
溶媒、
殺生物剤、及び
架橋剤、
を含む、請求項21に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項22】
前記溶媒がグリコールエーテル、前記殺生物剤がベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノンとを含み、及び/又は、前記架橋剤がポリイソシアネート重合体を含む、請求項21に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項23】
前記艶出し剤がグリコールエーテル、ベンゾイソチアジリノンとメチルイソチアジリノン、及び/又は、前記架橋剤がポリイソシアネート重合体を含む、請求項18に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項24】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体が、水、及び珪藻被殻二酸化チタン粒子とを含む、請求項1に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項25】
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体が、50重量%~75重量%の水、及び20重量%~50重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子を含む、請求項24に記載の空気浄化コーティングシステム。
【請求項26】
珪藻被殻二酸化チタン粒子を準備することと、
前記珪藻被殻二酸化チタン粒子を1ミクロン~35ミクロンの粒径にミリングすることと、
前記ミリングされた珪藻被殻二酸化チタン粒子を、水と組み合わせて、珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体を形成することと、
キャリア剤を準備することであって、前記キャリア剤が清浄剤であることと、
70重量%~99.9重量%の前記キャリア剤と0.1重量%~30重量%の前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせて、空気浄化コーティングシステムを形成することと、
を含む、表面の清浄又は艶出しのための空気浄化コーティングシステムを製造する方法。
【請求項27】
前記キャリア剤が清浄剤である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記キャリア剤と前記珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを組み合わせることが、95重量%~99.9重量%の清浄剤と、0.1重量%~5重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子分散体とを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記キャリア剤が艶出し剤である、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記ミリングされた珪藻被殻二酸化チタン粒子を、水と組み合わせることが、50重量%~75重量%の水と、20重量%~50重量%の珪藻被殻二酸化チタン粒子を含む、請求項26に記載の方法。
【外国語明細書】