(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028764
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】1または複数の生成物を生産するための方法及び反応器
(51)【国際特許分類】
C01B 3/24 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
C01B3/24
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023199763
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2021554783の分割
【原出願日】2019-12-09
(31)【優先権主張番号】62/777,619
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521251545
【氏名又は名称】エコナ パワー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ヒンキー ジョン ベンジャミン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】エルダー ティモシー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クラットシュマール ケネス ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】リード クリストファー エドウィン ジョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】天然ガス等の原料ガスの分解を通じて、1または複数の生成物を生産するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】天然ガス等の原料ガスが、混合チャンバ内に導入される。可燃性ガスが、例えば原料ガスの導入と同時に、燃焼チャンバ内に導入される。その後、可燃性ガスが点火されて、可燃性ガスが燃焼チャンバと混合チャンバとの間の1または複数の流体流路を介して混合チャンバに流入され、原料ガスと混合される。可燃性ガスと原料ガスとの混合により、1または複数の生成物が生産される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の生成物を生産する方法であって、
1または複数のガスを含む原料ガスを混合チャンバ内に導入する工程と、
1または複数のガスを含む可燃性ガスを燃焼チャンバ内に導入する工程と、
それらの後に、前記可燃性ガスに点火して、前記燃焼チャンバと前記混合チャンバとの間の1または複数の流体流路を介して前記可燃性ガスを前記混合チャンバ内に流入させて前記原料ガスと混合させる工程と、
を備え、
エネルギが、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、1または複数の生成物が生産される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記原料ガス及び前記可燃性ガスの前記導入は、前記点火工程の前に前記原料ガスが前記可燃性ガスと実質的に混合しないようになされる
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1または複数の生成物の更なる生産を停止する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記原料ガスを前記混合チャンバ内に導入する工程の前に、前記原料ガスを予熱する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記可燃性ガスを前記燃焼チャンバ内に導入する工程の前に、前記可燃性ガスを予熱する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記燃焼チャンバの容積に対する前記混合チャンバの容積の比が、約10:1未満であるか、または、約10:1に等しい
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記混合チャンバの直径に対する前記混合チャンバの長さの比が、約30:1未満であるか、または、約30:1に等しい
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記原料ガスは、天然ガスを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記原料ガスは、天然ガスとリサイクルガスとの混合物を含んでいる
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リサイクルガスは、天然ガスと、水素と、一酸化炭素と、二酸化炭素と、のうちの1または複数を含んでいる
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記可燃性ガスは、酸化剤を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記酸化剤は、酸素及び空気のうちの1または複数を含んでいる
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記可燃性ガスは、CH4及びO2の混合物を含んでいる
ことを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記可燃性ガスは、リサイクルガスと前記酸化剤との混合物を含んでいる
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記リサイクルガスは、天然ガスと、水素と、一酸化炭素と、二酸化炭素と、のうちの1または複数を含んでいる
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記可燃性ガスは、前記原料ガスの前記混合チャンバ内への導入と同時に、前記燃焼チャンバ内に導入される
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記可燃性ガスは、前記原料ガスが前記混合チャンバ内に導入される圧力と等しい圧力で、前記燃焼チャンバ内に導入される
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記1または複数の生成物は、水素及び炭素のうちの1または複数を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記1または複数の生成物は、水素及び一酸化炭素のうちの1または複数を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記1または複数の生成物は、水素、窒素及び炭素のうちの1または複数を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記1または複数の生成物の更なる生産を停止する工程は、前記混合チャンバ内の圧力を低減する工程を含んでいる
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項22】
前記混合チャンバ内の圧力は、前記混合チャンバのカーボンファウリングを抑制するために十分に迅速に低減される
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記混合チャンバ内の圧力は、1秒未満の間に少なくとも50%だけ低減される
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記可燃性ガスの燃焼によって発生される圧力波が、前記混合チャンバのカーボンファウリングを抑制する
ことを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記エネルギは、ガスの動的な圧縮及び混合を用いて、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達される
ことを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記可燃性ガスの前記原料ガスとの混合後であって、前記1または複数の生成物が生産される前に、前記原料ガスと前記可燃性ガスとの混合物の少なくとも一部が第3チャンバに移送される
ことを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
混合チャンバと、
燃焼チャンバと、
前記混合チャンバ及び前記燃焼チャンバの内外へのガスの流れを制御するためのバルブと、
点火器と、
以下の方法を実施するように構成された1または複数のコントローラと、
を備え、
当該方法は、
1または複数のガスを含む原料ガスを前記混合チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、
1または複数のガスを含む可燃性ガスを前記燃焼チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、
それらの後に、前記可燃性ガスに点火するように前記点火器を制御して、前記燃焼チャンバと前記混合チャンバとの間の1または複数の流体流路を介して前記可燃性ガスを前記混合チャンバ内に流入させて前記原料ガスと混合させる工程と、
を含み、
エネルギが、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、1または複数の生成物が生産される
ことを特徴とする原料ガス反応器。
【請求項28】
前記原料ガス及び前記可燃性ガスの前記導入は、前記原料ガスが前記可燃性ガスと実質的に混合しないようになされる
ことを特徴とする請求項27に記載の反応器。
【請求項29】
前記1または複数の生成物の更なる生産を停止するように前記バルブを制御する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項27または28に記載の反応器。
【請求項30】
前記燃焼チャンバは、前記混合チャンバ内に配置されている
ことを特徴とする請求項27乃至29のいずれかに記載の反応器。
【請求項31】
前記燃焼チャンバは、前記混合チャンバの長手方向軸線からオフセットされている
ことを特徴とする請求項30に記載の反応器。
【請求項32】
前記燃焼チャンバは、前記混合チャンバの外側に配置されている
ことを特徴とする請求項27乃至29のいずれかに記載の反応器。
【請求項33】
前記燃焼チャンバは、それに形成された1または複数の開口を有している
ことを特徴とする請求項27乃至32のいずれかに記載の反応器。
【請求項34】
混合チャンバと、
それに形成された1または複数の開口を有する燃焼チャンバと、
前記混合チャンバ及び前記燃焼チャンバの内外へのガスの流れを制御するためのバルブと、
点火器と、
を備え、
前記1または複数の開口は、前記燃焼チャンバから前記混合チャンバへの1または複数の流体流路を提供する
ことを特徴とする原料ガス反応器。
【請求項35】
複数の原料反応器であって、各反応器は、混合チャンバと、燃焼チャンバと、点火器と、を有している複数の原料反応器と、
複数の前記混合チャンバ及び複数の前記燃焼チャンバの内外へのガスの流れを制御するためのバルブと、
各反応器において、以下の方法を実施するように構成された1または複数のコントローラと、
を備え、
前記方法は、
1または複数のガスを含む原料ガスを前記混合チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、
1または複数のガスを含む可燃性ガスを前記燃焼チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、
それらの後に、前記可燃性ガスに点火するように前記点火器を制御して、前記燃焼チャンバと前記混合チャンバとの間の1または複数の流体流路を介して前記可燃性ガスを前記混合チャンバ内に流入させて前記原料ガスと混合させる工程と、
を含んでおり、
エネルギが、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、1または複数の生成物が生産され、
所与の反応器において、前記方法は、前記複数の反応器の少なくとも1つの他の反応器と位相がずれて実施される
ことを特徴とするシステム。
【請求項36】
各反応器において、前記原料ガス及び前記可燃性ガスの前記導入は、前記原料ガスが前記可燃性ガスと実質的に混合しないようになされる
ことを特徴とする請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
各反応器において、前記方法は、前記1または複数の生成物の更なる生産を停止するように前記バルブを制御する工程を更に含む
ことを特徴とする請求項35または36に記載のシステム。
【請求項38】
前記複数の反応器は、中心軸の周りに放射状に配置されており、
当該システムは、
前記バルブを含むバルブアセンブリに対して前記中心軸の周りに前記複数の反応器を回転させる、あるいは、前記複数の反応器に対して前記中心軸の周りに前記バルブを含むバルブアセンブリを回転させる、ように構成された回転子
を更に備える
ことを特徴とする請求項35乃至37のいずれかに記載のシステム。
【請求項39】
請求項27乃至34のいずれかに記載の、1または複数の反応器と、
前記1または複数の反応器に結合され、可燃性ガスの原料ガスとの混合から生産される炭素を受容するように構成された、1または複数の燃料電池と、
を備えたことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば天然ガス等の原料ガスの分解を通じて、1または複数の生成物を生産するための方法及び関連する反応器に関している。
【背景技術】
【0002】
天然ガス(CH4)の化学的分解とは、当該天然ガスのその構成成分、炭素(C)及び水素(H2)、への分離を指す。水蒸気メタン改質(SMR)等の従来の水素生成方法では、顕著な希釈CO2排出に帰結する。これは、コストのかかる改質後の隔離のためのクリーンアップ(浄化)を必要とし得る。ある結果では、SMRは、生成される1トンのH2あたり約8~10トンのCO2を生成する。SMR煙道ガスストリームにCO2クリーンアップを追加することは、二酸化炭素排出量のペナルティが転換点まで増大しない限り、一般に高い費用がかかる。
【0003】
水素及び固体炭素を生成するための熱分解の他の方法、例えば、熱分解、液体金属熱分解、プラズマ熱分解等、が存在する。これらのプロセスは、一般に、関連する炭素市場向けの固体炭素の生産を最大化するように調整され、これらの産業界で幅広く使用されている。
【0004】
天然ガスの熱分解は、典型的には、定圧の定常流プロセスであり、これによれば、水素及び炭素の形成を開始するのに必要な温度に達するまで、天然ガスが加熱される。この時点で、平衡反応を完了するべく、温度が所定時間維持される。温度が増大されると、1ATMの一定圧力を仮定して、メタン転化に必要とされる時間が減少する(
図1に示されている-メタン及びエタンの均一な熱分解の反応速度モデルから得られる図である、Maryam Younessi-Sinaki,Edgar A. Matida,Feridun Hamdullahpur,Carleton University,Department of Mechanical and Aerospace Engineering,1125 Colonel By Drive,Ottawa,ON K1S 5B6,Canada,当該文献の全体が当該参照により本明細書に組み込まれる。)
【0005】
そのような定常流反応器では、形成された炭素は、反応器の表面に堆積する傾向があり、最終的には非常に厚くなり、反応器の性能が損なわれることになる。機械的スクレイピングプロセス、あるいは、反応器に空気を導入することによって当該表面から炭素を燃焼させてしまうことが、反応器を洗浄する2つの一般的な手段である。機械的スクレイピングは、実施することが難しく、硬い炭素堆積物を除去することができない場合がある。空気で炭素を燃焼させてしまうことは、顕著なCO2排出を生成し、これは望ましくない。従って、第1には、表面に炭素を形成しないことが非常に望ましく、そして、生成されてしまった炭素を下流のプロセスに送ることが非常に望ましい。
【0006】
更に、反応器のサイズを低減するためには、より短い反応時間が要求されるが、これは、高温と特殊な材料とを必要とし、それらは非常に高価である。これを克服するために、反応温度を下げる効果のある触媒が反応器に加えられる。もっとも、炭素の堆積は、触媒の表面でも発生し、これは時間の経過とともに触媒を失活させ、触媒の再活性化プロセスまたは交換を必要とする。これらのオプションは、いずれもコストがかかり、プロセスが複雑になる。
【0007】
液体金属反応器等の液体媒体反応器は、天然ガスが液体金属または液体塩などの高温液体のカラムを通してバブリングされる熱処理を伴う。これは、定圧の定常流プロセスであるため、前記と同じ温度vs時間の反応速度が当て嵌まる。このプロセスの利点は、生成された水素が反応器カラムの上部の外で泡立ち、炭素が液体媒体の表面に浮かび、理論的には掬い取られ得るため、水素と炭素との分離が簡略化されることである。幾つかの例では、触媒効果を提供して反応温度を下げる液体金属合金が特定されている。もっとも、全ての場合において、反応器の上部での炭素の蓄積が、依然として問題であり、溶融媒体の使用は、反応器に、複雑さ、材料の課題、及び、コスト、を追加する。
【0008】
ほとんどの熱処理では、反応器を加熱してプロセスを維持するために必要とされるエネルギが、通常、過剰な天然ガスを空気で燃焼させることによって供給される。この煙道ガスは、CO2を大気中に放出し、地球温暖化に寄与してしまう。幾つかの場合には、過剰な炭素の堆積及び/または水素が、反応熱を提供するために使用され得る。
【0009】
プラズマ反応器は、電気によって生成される高温プラズマを通るように天然ガスを一定の圧力で通過させる。プラズマは、例えば、電極またはマイクロ波を使用することによって生成され得る。これらの反応器では、炭素の蓄積が、依然として問題であり得るが、高温プラズマが非常に小さな領域に閉じ込められているため、熱反応器ほど問題にはならない。熱反応器とは異なり、プラズマ反応器は、エネルギ入力として電気のみに依存する。熱システムと比較して、入力エネルギのための電気のコストは、天然ガスのそれよりもずっと高いため、結果として水素とメタンの生産コストは、ずっと高い。
【0010】
従って、当該技術分野において、資本コストがより低く、炭素蓄積問題の影響をより受けにくい、熱エネルギを使用するタイプの天然ガス分解プロセスのニーズがある。
【発明の概要】
【0011】
全体として、本発明は、天然ガスのその構成成分、炭素(C)及び水素(H
2)、への分解に関しており(但し、それに限定されない)、動的なガスの圧縮及び混合を用いて、天然ガスを熱分解するのに必要とされる圧力及び温度を生成する。当該プロセスの目標は、水素の収量について当該プロセスを最適化し、炭素温室効果ガスの排出を最小限に抑えながら、二次的な価値のストリームとして固体炭素を回収することである。ダイレクトカーボン型燃料電池(DCFC)と組み合わされると、炭素生成物は、電気を生成するために使用され得て、また、隔離に適したCO
2の純粋な生成物ストリームを生成するために使用され得る(
図2を参照)。その結果、低コストで「クリーンな」水素製造が実現する。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、1または複数の生成物を生産する方法であって、1または複数のガスを含む原料ガスを混合チャンバ内に導入する工程と、1または複数のガスを含む可燃性ガスを燃焼チャンバ内に導入する工程と、それらの後に、前記可燃性ガスに点火して、前記燃焼チャンバと前記混合チャンバとの間の1または複数の流体流路を介して前記可燃性ガスを前記混合チャンバ内に流入させて前記原料ガスと混合させる工程と、を備え、エネルギが、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、1または複数の生成物が生産される、ことを特徴とする方法、が提供される。
【0013】
前記原料ガス及び前記可燃性ガスの前記導入は、前記点火工程の前に前記原料ガスが前記可燃性ガスと実質的に混合しないように、あるいはほとんど混合しないように、あるいは無視できる程度にのみ混合するように、なされ得る。
【0014】
当該方法は、更に、前記1または複数の生成物の更なる生産を停止する工程を備え得る。
【0015】
当該方法は、更に、前記原料ガスを前記混合チャンバ内に導入する工程の前に、前記原料ガスを予熱する工程を備え得る。
【0016】
当該方法は、更に、前記可燃性ガスを前記燃焼チャンバ内に導入する工程の前に、前記可燃性ガスを予熱する工程を備え得る。
【0017】
前記燃焼チャンバの容積に対する前記混合チャンバの容積の比が、約10:1未満であり得る、または、約10:1に等しくてよい。
【0018】
前記混合チャンバの直径に対する前記混合チャンバの長さの比が、約30:1未満である得るか、または、約30:1に等しくてよい。
【0019】
前記原料ガスは、天然ガスを含み得る。前記原料ガスは、天然ガスとリサイクルガスとの混合物を含み得る。前記リサイクルガスは、天然ガスと、水素と、一酸化炭素と、二酸化炭素と、のうちの1または複数を含み得る。
【0020】
前記可燃性ガスは、酸化剤を含み得る。前記酸化剤は、酸素及び空気のうちの1または複数を含み得る。前記可燃性ガスは、CH4及びO2の混合物を含み得る。前記可燃性ガスは、リサイクルガスと前記酸化剤との混合物を含み得る。前記リサイクルガスは、天然ガスと、水素と、一酸化炭素と、二酸化炭素と、のうちの1または複数を含み得る。
【0021】
前記可燃性ガスは、前記原料ガスの前記混合チャンバ内への導入と同時に、前記燃焼チャンバ内に導入され得る。
【0022】
前記可燃性ガスは、前記原料ガスが前記混合チャンバ内に導入される圧力と等しい圧力で、前記燃焼チャンバ内に導入され得る。
【0023】
前記1または複数の生成物は、水素及び炭素のうちの1または複数を含み得る。
【0024】
前記1または複数の生成物は、水素及び一酸化炭素のうちの1または複数を含み得る。
【0025】
前記1または複数の生成物は、水素、窒素及び炭素のうちの1または複数を含み得る。水素及び窒素は、アンモニア製造のために使用され得る。
【0026】
前記1または複数の生成物の更なる生産を停止する工程は、前記混合チャンバ内の圧力を低減する工程を含み得る。前記混合チャンバ内の圧力は、前記混合チャンバのカーボンファウリングを抑制するために十分に迅速に、例えば1秒未満の間に少なくとも50%だけ、低減され得る。
【0027】
前記可燃性ガスの燃焼によって発生される圧力波が、前記混合チャンバのカーボンファウリングを抑制し得る。
【0028】
前記エネルギは、ガスの動的な圧縮及び混合を用いて、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達され得る。
【0029】
点火後であって可燃性ガスの原料ガスとの混合前の燃焼チャンバ内の温度は、例えば酸化としての純粋なO2と可燃性ガスとしてのリサイクルガスとを用いる場合、~90ATM及び~3700Kであり得る。
【0030】
前記可燃性ガスの前記原料ガスとの混合後であって、前記1または複数の生成物が生産される前に、前記原料ガスと前記可燃性ガスとの混合物の少なくとも一部が第3チャンバに移送され得る。従って、前記燃焼チャンバ及び前記混合チャンバは、前記1または複数の生成物が前記第3チャンバ内で生産されるのをユーザが待つ間に、新しい可燃性ガス及び原料ガスで補充され得る。
【0031】
本発明の更なる態様によれば、原料ガス反応器であって、混合チャンバと、燃焼チャンバと、前記混合チャンバ及び前記燃焼チャンバの内外へのガスの流れを制御するためのバルブと、点火器と、以下の方法を実施するように構成された1または複数のコントローラと、を備え、当該方法は、1または複数のガスを含む原料ガスを前記混合チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、1または複数のガスを含む可燃性ガスを前記燃焼チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、それらの後に、前記可燃性ガスに点火するように前記点火器を制御して、前記燃焼チャンバと前記混合チャンバとの間の1または複数の流体流路を介して前記可燃性ガスを前記混合チャンバ内に流入させて前記原料ガスと混合させる工程と、を含む、エネルギが、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、1または複数の生成物が生産される、ことを特徴とする原料ガス反応器、が提供される。
【0032】
前記原料ガス及び前記可燃性ガスの前記導入は、前記原料ガスが前記可燃性ガスと実質的に混合しないようになされ得る。
【0033】
前記方法は、前記1または複数の生成物の更なる生産を停止するように前記バルブを制御する工程を更に備え得る。
【0034】
前記燃焼チャンバは、前記混合チャンバ内に配置され得る。前記燃焼チャンバは、前記混合チャンバの長手方向軸線からオフセットされ得る。
【0035】
前記燃焼チャンバは、前記混合チャンバの外側に配置され得る。
【0036】
前記燃焼チャンバは、それに形成された1または複数の開口を有し得る。
【0037】
当該原料ガス反応器は、本発明の第1の態様に関連して記載される特徴のいずれかを含み得る。
【0038】
本発明の更なる態様によれば、原料ガス反応器であって、混合チャンバと、それに形成された1または複数の開口を有する燃焼チャンバと、前記混合チャンバ及び前記燃焼チャンバの内外へのガスの流れを制御するためのバルブと、点火器と、を備え、前記1または複数の開口は、前記燃焼チャンバから前記混合チャンバへの1または複数の流体流路を提供する、ことを特徴とする原料ガス反応器、が提供される。
【0039】
当該原料ガス反応器は、本発明の第1の態様に関連して記載される特徴のいずれかを含み得る。
【0040】
前記バルブを制御する工程は、個々のバルブの開放及び/または閉鎖を制御する工程を含み得る。代替的または付加的に、前記バルブを制御する工程は、前記反応器に対してバルブを回転させる工程(例えばモータを使用する)を含み得る。
【0041】
本発明の更なる態様によれば、システムであって、複数の原料反応器であって、各反応器は、混合チャンバと、燃焼チャンバと、点火器と、を有している複数の原料反応器と、複数の前記混合チャンバ及び複数の前記燃焼チャンバの内外へのガスの流れを制御するためのバルブと、各反応器において、以下の方法を実施するように構成された1または複数のコントローラと、を備え、前記方法は、1または複数のガスを含む原料ガスを前記混合チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、1または複数のガスを含む可燃性ガスを前記燃焼チャンバ内に導入するように前記バルブを制御する工程と、それらの後に、前記可燃性ガスに点火するように前記点火器を制御して、前記燃焼チャンバと前記混合チャンバとの間の1または複数の流体流路を介して前記可燃性ガスを前記混合チャンバ内に流入させて前記原料ガスと混合させる工程と、を含んでおり、エネルギが、前記可燃性ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、1または複数の生成物が生産され、所与の反応器において、前記方法は、前記複数の反応器の少なくとも1つの他の反応器と位相がずれて実施される、ことを特徴とするシステム、が提供される。
【0042】
各反応器において、前記原料ガス及び前記可燃性ガスの前記導入は、前記原料ガスが前記可燃性ガスと実質的に混合しないようになされ得る。
【0043】
各反応器において、前記方法は、前記1または複数の生成物の更なる生産を停止するように前記バルブを制御する工程を更に含み得る。
【0044】
前記複数の反応器は、中心軸の周りに放射状に配置され得て、当該システムは、前記バルブを含むバルブアセンブリに対して前記中心軸の周りに前記複数の反応器を回転させる、あるいは、前記複数の反応器に対して前記中心軸の周りに前記バルブを含むバルブアセンブリを回転させる、ように構成された回転子を更に備え得る。これにより、複数の反応器が静止している間に、バルブアセンブリが回転され得て、あるいは、複数の反応器が回転されている間に、バルブアセンブリが静止していてよい。幾つかの実施形態では、バルブアセンブリ及び複数の反応器は、同時に回転されてもよい。
【0045】
前記バルブを制御する工程は、個々のバルブの開放及び/または閉鎖を制御する工程を含み得る。代替的または付加的に、前記バルブを制御する工程は、前記複数の反応器に対してバルブを回転させる工程(例えばモータを使用する)を含み得る。
【0046】
当該システムは、本発明の第1の態様に関連して記載される特徴のいずれかを含み得る。
【0047】
本発明の更なる態様において、前述の反応器のいずれかの1または複数と、前記1または複数の反応器に結合され、可燃性ガスの原料ガスとの混合から生産される炭素を受容するように構成された、1または複数の燃料電池と、を備えたことを特徴とするシステム、が提供される。
【0048】
当該システムは、本発明の第1の態様に関連して記載される特徴のいずれかを含み得る。
【0049】
本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、様々な温度及び時定数の下で1気圧の圧力でメタンから生成される水素のモル分率のグラフである。
【0051】
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に従う、水素、電気、及び、純粋な二酸化炭素、を生成するための、天然ガス分解と炭素燃料電池との組み合わせを示す。
【0052】
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に従う、天然ガスの分解システムの概略図である。
【0053】
【
図4A】
図4A及び
図4Bは、本発明の実施形態に従う、混合チャンバと燃焼チャンバとの異なる配置を示す。
【
図4B】
図4A及び
図4Bは、本発明の実施形態に従う、混合チャンバと燃焼チャンバとの異なる配置を示す。
【0054】
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に従う、天然ガスの分解方法の概略図である。
【0055】
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に従う、位相がずれて動作する束ねられた複数の反応器を含むシステムの異なる形態を示す。
【0056】
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に従う、静止したバルブ回りに回転する束ねられた複数の反応器を示す。
【0057】
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に従う、原料ガスの可燃性ガスとの混合を提供するために使用される燃焼チャンバ及び混合チャンバ、並びに、可燃性ガスと原料ガスとの混合物が向けられて当該混合物から1または複数の生成物が生産される第3チャンバ、の概略ブロック図である。
【0058】
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に従う、原料ガスの可燃性ガスとの混合を提供するために使用され、当該混合物から1または複数の生成物が生産される、燃焼チャンバ及び混合チャンバ、の概略ブロック図である。
【0059】
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に従う、原料ガスの可燃性ガスとの混合を提供するために使用され、当該混合物から1または複数の生成物が生産され、当該プロセスのための熱エネルギを提供するためにリサイクルガスが用いられる、燃焼チャンバ及び混合チャンバ、の概略ブロック図である。
【0060】
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に従う、混合チャンバ内に配置された燃焼チャンバの概略図である。
【0061】
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に従う、混合チャンバの外側に配置された燃焼チャンバの概略図である。
【0062】
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に従う、混合チャンバ内に配置された燃焼チャンバを示す。
【0063】
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に従う、静止した複数の反応器と回転バルブとを備えたマルチ反応器バンドルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明は、1または複数の生成物を生産するための改善された方法及び反応器を提供することを目的としている。本発明の様々な実施形態が以下に説明されるが、本発明はこれらの実施形態に限定されないで、これらの実施形態の変形が、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべき本発明の範囲内に十分に入ることができる。
【0065】
請求項及び/または明細書において「comprising(含む)」または「including(含む)」という用語と共に用いられる場合の「a」または「an」という語は、「1つ」を意味する場合もあるが、文脈が明確に他のことを述べていない限り、「1または複数」、「少なくとも1つ」及び「1または1より多い」の意味とも一致する。同様に、「another」という語は、文脈が明確に他のことを述べていない限り、少なくとも2番目またはそれ以上を意味し得る。
【0066】
本明細書で用いられる「coupled(結合された)」、「coupling(結合する)」または「connected(接続された)」という用語は、当該用語が用いられる文脈に応じて、幾つかの異なる意味を有し得る。例えば、「coupled(結合された)」、「coupling(結合する)」または「connected(接続された)」という用語は、機械的または電気的な意味合いを有し得る。例えば、本明細書で用いられる場合、「coupled(結合された)」、「coupling(結合する)」または「connected(接続された)」という用語は、2つの要素または装置が互いに直接的に接続されているか、または、特定の文脈に応じた電気要素や電気信号や機械要素などを介して1または複数の中間の要素や装置を介して互いに接続されている、ことを示し得る。本明細書における「及び/または」という用語は、項目のリストに関連して用いられる場合、当該リストを構成する項目の任意の1または複数を意味する。
【0067】
本明細書で用いられる場合、「約〇〇(数値)」または「概ね〇〇(数値)」という言及や、ある数値に「実質的に」等しいという言及は、当該数値の+/-10%以内であることを意味する。
【0068】
全体として、本発明の実施形態によって、天然ガス原料から水素リッチガス及び/または炭素生成物を生産するために用いられる超リッチパルス熱分解プロセスが記載されている。大規模な水素の生産のために、当該プロセスはSMRと競合し得る。
【0069】
本発明の実施形態によれば、天然ガスベースの原料から水素及び炭素生成物を生産するため、非定常式の一定容積のパルス反応プロセスの使用が記載されている。可燃性ガス及び酸化剤の分離したチャンバが、反応のためのエネルギを提供し、当該エネルギは、ガスの動的な圧縮と直接接触を介しての迅速な混合熱エネルギ交換とによって、原料混合チャンバに直接伝達される。以下の説明では、酸化剤として空気が使用されている。もっとも、純粋な酸素等の他の酸化剤も、当該プロセスで使用され得る。更に、原料ガス及び可燃性ガスは、同一のガスまたはガス混合物を含み得て、あるいは、異なるガスまたはガス混合物を含み得る。幾つかの実施形態では、可燃性ガスは、リサイクルガス混合物を含み得る。
【0070】
反応器は、混合チャンバと燃焼チャンバとを備えている。これらのチャンバは、常に開いている幾つかの通路を介して接続されている。幾つかの実施形態では、反応器は、より大きな固体管(混合チャンバ)内に有孔管(燃焼チャンバ)を備えている(
図3及び
図4A参照)。他の実施形態では、燃焼チャンバは、混合チャンバの外部に存在し得る(
図4Bに示される通り)。外部バルブが、原料ガス、酸化剤、及び、可燃性ガス(CH
4として示される)、並びに、反応中に生産される排出水素、炭素、及び、他のガス、を提供する。
【0071】
図5を参照して、サイクルの開始時において、混合チャンバは、前の反応サイクルの生成物で満たされている。混合チャンバは、原料反応の生成物と燃焼反応の生成物の一部との混合物で満たされている。燃焼チャンバは、主に、燃焼反応の生成物で満たされている。工程500において、新鮮な原料ガスとおそらく幾つかのリサイクルされる生成物ガスとが混合チャンバ内に導入され、前のサイクルの生成物を混合チャンバの端部から移動させる。同時に、可燃性ガス/空気の混合物が、燃焼チャンバ内に導入され、燃焼の生成物を燃焼チャンバの端部から移動させる。工程502において、全ての入口バルブ及び出口バルブが閉鎖され、閉じた容積が生成される。次に、工程504において、燃焼チャンバ内のガスが点火され、その結果、燃焼チャンバ内の圧力及び温度の上昇に帰結する。工程506において、燃焼チャンバと混合チャンバとの間の通路が、可燃性ガス生成物が混合チャンバ内に入り、それによって原料ガスを圧縮し、それらの圧力および温度を上昇させることを許容する。また、高温の燃焼チャンバのガス生成物は、原料ガスと混合し、それによって、それらの熱エネルギを当該原料ガスに伝達し、それらの温度を更に上昇させる。結果として生じる原料ガスの温度及び圧力が、反応を発生させる。工程508で、当該反応が一定期間進行することが許容され、所望の反応が完了し、所望の生成物が発生される。工程510で、混合チャンバ内の圧力は、生成物を外部体積(不図示)に放出することによって、急速に低下される。燃焼チャンバ内に残っている燃焼生成物ガスは、混合チャンバガスと一緒に排出され得るか、あるいは、専用ポートから別個に排出され得る。混合チャンバ内の圧力低下は、温度を低下させ、反応を停止または終了(クエンチ)させる。この急速な減圧及び膨張は、反応器の壁から炭素等の固体の反応生成物を除去するという望ましい効果をも有する。更に、燃焼から発生される圧力波が、反応器の壁から炭素堆積物を剥ぎ取り得る。
【0072】
原料ガス及び可燃性ガスが予め混合される場合、混合物がリッチ過ぎる(濃すぎる)ため、点火(発火)しない場合がある。従って、混合チャンバと燃焼チャンバとは、点火前に別個に分離されており、その結果、原料ガスと可燃性ガスとの間で混合が生じないか、好ましくは非常に僅かな混合のみが生じる。
【0073】
複数の反応器システムが束ねられ得て、互いに僅かに位相ずれした状態で動作されることで、反応器システムの内外への連続的な流れを生成し得る。
図6に示されるように、バルブは、静止タイプでもよいし、回転タイプでもよい。幾つかの実施形態では、反応器が回転され得て、バルブが静止状態を維持し得る(「実験的検証を含む3つのステップを伴うウェーブロータ設計方法」、Chan Shining他、Journal of Engineering for Gas Turbines and Power、2017年12月、の
図2から修正された
図7を参照。当該文献の全体が当該参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference))。
【0074】
反応器が効果的に動作することを可能にするべく、様々なパラメータが調整され得る。原料ガスは、混合チャンバ内に導入される前に、反応を開始する温度の直下にまで予熱され得る。典型的な温度は、原料ガスの成分と動作圧力とに依存するが、600K~1000Kの範囲内である。
【0075】
更に、導入される可燃性ガス/酸化剤の混合物も、燃焼チャンバに入る前に予熱され得る。典型的な温度は、使用される可燃性ガスに依存するが、400K~700Kの範囲内である。可燃性ガス/酸化剤の混合物を予熱すると、プロセスの効率が改善され得て、燃焼生成物の加熱に使用されるのではなく、より多くの燃焼エネルギが反応物質に伝達される。
【0076】
混合チャンバと燃焼チャンバとの間の容積比は、燃焼チャンバ内に含まれる正確な量のエネルギが混合チャンバに提供されて、所望の生成物を生成する、というように設定されるべきである。また、効果的な混合を提供するために、混合チャンバに入る十分な可燃性ガス生成物が存在するべきである。一般に、10:1未満の容積比が望まれる。酸化剤として空気を使用する場合、窒素が、より低い容積比を促して混合を増加させる非反応性ガスとして有益であり得る。酸化剤として純粋な酸素を使用する場合、CO2などの別のガスが、酸化剤として空気の場合の窒素と同じ利点を提供し得る。可燃性ガスの混合物に追加のCO2を導入すると、固体炭素の生成量が増える結果となり得る。
【0077】
長さ対直径の比率は、燃焼チャンバから混合チャンバへの効率的なエネルギ伝達を得るために重要である。短くて大口径の反応器は、混合が不十分となる傾向があり、長くて細い反応器は、その長さに沿って原料ガスと可燃性ガスとを当該反応器内に導入する際に困難が発生する。一般に、30:1未満の長さ直径比率が、望ましい。
【0078】
幾つかの実施形態によれば、反応器は、原料ガスとして、幾つかのリサイクル生成物ガスに加えてメタン(または天然ガス)を使用し、可燃性ガスとして、リサイクルガス/酸化剤の混合物を使用する。反応器は、反応生成物の流れにおいて水素及び固体炭素の生産を最大化するように設計され動作され得る。反応器は、混合チャンバの内側に、有孔管である燃焼チャンバを備え得る。有孔燃焼チャンバは、混合チャンバの中心からオフセットされ得て、混合チャンバの壁に結合され得て、
図13に見られるように、構造的な一体性及び支持を提供し得る。混合チャンバ/燃焼チャンバの容積比は、10:1以下であり得て、長さ対直径の比は、10:1であり得る。幾つかの実施形態では、混合チャンバ/燃焼チャンバの容積比は、約6:1であり得て、幾つかの実施形態では、混合チャンバ/燃焼チャンバの容積比は、約3.5:1であり得る。
【0079】
図14に見られるように、複数の反応管が、原料ガス、可燃性ガス及び反応生成物の全ての流れ及び順序付けを提供する外部回転バルブと共に配置され得る。別個のポートが、燃焼チャンバの燃焼生成物を排出してもよい。
【0080】
反応器は、得られる水素が標準的な圧力スイング吸収技術を使用して精製され得るように、十分に高い圧力で動作され得る。幾つかの実施形態によれば、未反応メタン(CH4)、一酸化炭素(CO)、及び、幾らかの水素、等の生成物ガスが、リサイクルされ、より多くのメタンと混合されて、反応器への原料ガス混合物を生成する。可燃性ガス混合物は、CO2除去システムから除去されたCO2に加えて(空気吹き反応器の場合)、リサイクルガス混合物と、純粋な酸素と、を含む。幾つかの実施形態では、燃焼チャンバ及び混合チャンバの両方に流れるリサイクルガス混合物は、CH4、CO及びH2に加えて、CO2を含む。原料ガス混合物及び可燃性ガス混合物は、マルチストリーム熱交換器を介して反応器生成物ストリームから回収される熱エネルギから、それぞれ、~900K及び~600Kにまで予熱される。代替の実施形態では、混合チャンバ/燃焼チャンバの容積比は、3.5:1であり、メタン(または天然ガス)/空気の混合物が、可燃性ガスのために使用される。
【0081】
次に、本発明の実施形態の詳細な説明が提供される。
【0082】
図8を参照して、可燃性ガス10及び酸化剤ガス20が、燃焼混合物調整制御システム30に入り、当該燃焼混合物調整制御システム30が、可燃性ガス混合物31を、チャンバ60によって要求される正しい温度及び圧力に調整する。原料ガス40及びリサイクルガス混合物91が、原料混合物調整制御システム50に入り、当該原料混合物調整制御システム50が、原料混合物51を、チャンバ60によって要求される正しい温度及び圧力に調整する。幾つかの実施形態では、リサイクルガス混合物は利用できず、原料ガス40のみが原料混合物調整制御システム50に入る。
【0083】
チャンバ60は、調整された可燃性ガス混合物31からの燃焼エネルギを使用して、調整された原料混合物51の圧力及び温度を反応準備レベルにまで上昇させる、定容(一定容積)装置である。主に燃焼されて調整された可燃性ガス混合物31の燃焼生成物からなる燃焼生成物ガス混合物67が、チャンバ60から排出され得る。反応準備ができたガス混合物61が、反応器70に入り、当該ガス混合物が定容吸熱反応で反応生成物混合物71に変換されるまで、それは居残る。定容反応は、非定常プロセスであり、バッチモードで動作し、フロータイミングの制御を必要とする。これは、調整システム30、50、及び、分離制御システム80、における流れ制御によって達成される。
【0084】
反応生成物混合物71は、生成物分離制御システム80に入り、当該生成物分離制御システム80は、所望の反応生成物混合物71の圧力及び温度を低下させることによって、反応器70内の反応を停止させ、個々の生成物成分81、82、不要な生成物83、及び、リサイクルガス混合物84、を分離、並びに/または、精製する。リサイクルガス混合物84は、プレ調整リサイクルガスシステム90に入り、当該プレ調整リサイクルガスシステム90において、リサイクルガス混合物84は、所望の温度及び圧力にプレ調整され、原料混合物調整制御システム50へと流れる。
【0085】
幾つかの実施形態では、可燃性ガス10及び原料ガス40は天然ガスであり、酸化剤ガス20は空気である。反応器70における所望の反応は、一般に、次式によって与えられるメタン熱分解である。
【0086】
CH4(メタン)+エネルギ → C(炭素)+2H2(水素)
【0087】
個々の生成物81は、水素ガスであり、個々の生成物82は、炭素であり、不要な生成物83は、主に、二酸化炭素、窒素及び水である。リサイクルガス混合物84は、主に、未反応の天然ガス、水素、窒素、及び、一酸化炭素からなる。
【0088】
図9のシステムは、チャンバ60及び反応器70が定容反応器62内に結合されている点を除いて、
図8のものと同様である。
【0089】
図10は、
図9と同様であるが、プレ調整リサイクルガスシステム90で調整されたリサイクル混合物84の一部が、必要とされる可燃性ガス10の量を相殺するべく、可燃性ガス調整制御システム30に送られる。
【0090】
図11は、チャンバ60または定容反応器62の断面図を示す。当該説明では、それは、定容反応器62を示す。
【0091】
定容反応器62は、燃焼チャンバ63内に含まれる燃焼容積65を含む。燃焼チャンバ63は、反応器チャンバ68に含まれる反応器容積64によって囲まれている。複数の通路66が、燃焼容積65を反応器容積64に接続している。燃焼チャンバ63は、反応器チャンバ68の中央に図示されているが、燃焼チャンバ63は、反応室68の外壁69に対して当接する位置を含んで、反応器チャンバ68内のどこにでも配置され得る。
【0092】
調整された可燃性ガス混合物31が、可燃性ガス混合物バルブ32及び通路33を通って燃焼チャンバ63に入り、燃焼容積65内に存在する燃焼生成物ガス混合物67を通路74及び燃焼生成物バルブ75を介して反応器62の外へと移動させる。調整された原料ガス混合物51が、原料ガス混合物バルブ52及び通路53を通って混合チャンバ68に入り、反応器容積64内に存在する所望の反応生成物混合物71を通路73及び生成物バルブ72を介して反応器62の外へと移動させる。調整された可燃性ガス混合物31及び調整された原料ガス混合物51の両方は、通路66を介した混合がほとんど無いというように、同じ圧力で同時に定容反応器62に入ることができる。
【0093】
概ね全ての可燃性ガス混合物67及び所望の生成物混合物71が反応器62から移動されると、燃焼生成物バルブ75及び生成物バルブ72が閉じられる。所望の反応器圧力に達すると、可燃性ガス混合バルブ32及び原料ガス混合バルブ52が閉じられ、反応器62内に閉鎖容積が生成される。点火器100が、燃焼チャンバ63内の調整された可燃性ガス混合物31が発熱反応で燃焼することを許容する点火エネルギ101を生成し、高温高圧で燃焼生成物ガス混合物67を生成する。結果として燃焼チャンバ63と混合チャンバ68との間に生じる圧力差のために、可燃性ガス混合物67の一部が反応器容積64に入り、原料ガス混合物51をより高い圧力に圧縮する。同時に、高温の可燃性ガス混合物67のこの部分は、伝導、対流、及び、輻射によって原料ガス混合物51を混合及び加熱する。原料ガス混合物51は、今や、高温高圧状態にあり、吸熱反応が生じるための条件を生成している。定容反応器62は、吸熱反応が所望の生成物混合物71を生成するのに十分長く進行するまで、閉鎖容積として維持される。この状態に達すると、生成物バルブ72及び燃焼生成物バルブ75が開かれ、これは、圧力及び温度を低下させ、吸熱反応を停止させる。その後、以上のプロセスが繰り返される。
【0094】
図12は、混合チャンバ68の外部に燃焼チャンバ63を備えたチャンバ60または定容反応器62の実施形態を示している。燃焼容積65は、幾つかの通路68を介して反応器容積64に接続されている。複数の点火器が、燃焼チャンバ63に沿って位置決めされ得て、必要に応じて特定の燃焼条件を生成し得る。燃焼チャンバ63が反応器チャンバ壁69の隣に位置決めされている場合、複数の点火器は、
図11の定容反応器62内に配置されてもよい。
【0095】
図13は、燃焼チャンバ63が反応器チャンバ68の反応器チャンバ壁69に直接結合された、チャンバ60または定容反応器62の実施形態の等角図を示す。燃焼チャンバ63を反応器チャンバ壁69に直接結合することは、燃焼チャンバ63への構造的な支持及び整列を提供し、本質的に一部品のチャンバ60または定容反応器62を生成する。
【0096】
準または半連続のフローシステムを作成するために、複数のチャンバ60または定容反応器62が一緒に配置され得て、各チャンバまたは反応器が
図11に記載のプロセスの異なる部分を経るように位相をずらして動作され得る。
【0097】
図14は、マルチ管反応器110の一実施形態を示している。
図14に示される多数の個別の定容反応器62は、円形に配置されている。調整された可燃性ガス混合物31は、通路34を介してプレナム35内へとマルチ管反応器110に入る。調整された原料ガス混合物51は、通路54を介してプレナム55内へとマルチ管反応器110に入る。調整された燃焼ガス混合物及び調整された原料ガス混合物のマルチ管反応器110に入るタイミングは、回転バルブアセンブリ121の一部である入口回転バルブ120によって制御される。入口回転バルブ120は、
図11に記載された可燃性ガス混合物バルブ32、通路33、原料ガス混合物バルブ52、及び、通路53、と同じ機能を実施する。燃焼生成物ガス混合物67及び所望の生成物混合物71がマルチ管反応器110を出るタイミングは、回転バルブアセンブリ121の一部である出口回転バルブ122によって制御される。出口回転バルブ122は、
図11に記載された燃焼生成物バルブ72、通路73、原料生成物バルブ75、及び、通路74、と同じ機能を実施する。
【0098】
各定容反応器62からの燃焼生成物ガス混合物67は、燃焼生成物プレナム123に収集され、通路125を介してマルチ管反応器110の外へと分配される。各定容反応器62からの生成物混合物71は、生成物プレナム124に収集され、通路126を介してマルチ管反応器110の外へと分配される。
【0099】
本発明は、主に原料ガスの分解の文脈で提示されてきたが、本発明は、原料ガスから1または複数の生成物を生産する他の方法にまで及ぶ。例えば、シンガス(H2及びCO)が、可燃性ガスが原料ガスと(混合に加えて)反応するというプロセスの1または複数のパラメータを調整することによって生成され得る。例えば、可燃性ガス中の酸化剤対リサイクルガスの比率が増大され得て、点火直後の可燃性ガスの圧力及び温度を上昇させ得て、それにより、可燃性ガスと原料ガスとの間に適切な反応を誘発し得る。
【0100】
本発明は、特定の実施形態に関連して説明されてきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、これらの実施形態の変更、修正及び変形が本開示の範囲から逸脱することなく当業者によって実施され得ることが理解されるべきである。更に、本明細書で論じられる任意の態様または実施形態の任意の部分は、本明細書で論じられる任意の他の態様または実施形態の任意の部分と共に実装されまたは組み合わされ得ることが企図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガス反応器内で原料ガスを分解する方法であって、
前記原料ガスを前記原料ガス反応器の混合チャンバ内に導入する工程と、
可燃性ガスを前記原料ガス反応器の燃焼チャンバ内に導入する工程と、
前記燃焼チャンバ内で前記可燃性ガスを燃焼させて、1または複数の燃焼生成物ガスを形成する工程であって、前記1または複数の燃焼生成物ガスが前記混合チャンバ内に流入して前記原料ガスと混合し、前記1または複数の燃焼生成物ガスの前記原料ガスとの混合の結果として、エネルギが、前記1または複数の燃焼生成物ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、前記原料ガスを分解して1または複数の反応生成物を生産するための化学反応を引き起こす、という工程と、
前記1または複数の反応生成物を有する混合された生成物のストリームを、前記混合チャンバから抽出する工程と、
前記混合された生成物のストリームの少なくとも一部を、前記原料ガス反応器へとリサイクルする工程と、
を備え、
前記燃焼チャンバは、前記混合チャンバに接続されている
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記混合された生成物のストリームは、炭素を含み、
当該方法は、
前記混合された生成物のストリームから前記炭素の少なくとも幾らを分離する工程
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合された生成物のストリームは、水素を含み、
当該方法は、
前記混合された生成物のストリームから前記水素の少なくとも幾らを分離する工程
を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記水素の少なくとも幾らかを分離する工程は、圧力スイング吸収を使用する工程を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記混合された生成物のストリームは、炭素及び水素を含み、
前記混合された生成物のストリームの前記少なくとも一部をリサイクルする工程は、
前記混合された生成物のストリームから前記炭素の少なくとも幾らか及び前記水素の少なくとも幾らかを分離して、リサイクルガス混合物を形成する工程と、
前記リサイクルガス混合物を前記原料ガス反応器へとリサイクルする工程と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記リサイクルガス混合物をリサイクルする工程は、
前記リサイクルガス混合物を所望の温度及び圧力に調整する工程と、
前記調整されたリサイクルガス混合物を前記原料ガス反応器へとリサイクルする工程と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リサイクルガス混合物をリサイクルする工程は、
前記リサイクルガス混合物の第1部分を酸化剤と混合する工程と、
前記リサイクルガス混合物の第2部分を前記原料ガスの源と混合する工程と、
を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1部分と前記第2部分との和は、1である
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記混合物をリサイクルする工程は、
前記酸化剤と前記リサイクルガス混合物の前記第1部分との混合物を前記燃焼チャンバに導入する工程と、
前記原料ガスと前記リサイクルガス混合物の前記第2部分との混合物を前記混合チャンバに導入する工程と、
を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記酸化剤と前記リサイクルガス混合物の前記第1部分との混合物を前記燃焼チャンバに導入する工程は、
前記酸化剤と前記リサイクルガス混合物の前記第1部分との混合物を所望の温度及び圧力に調整する工程と、
当該調整された混合物を前記燃焼チャンバに導入する工程と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記原料ガスと前記リサイクルガス混合物の前記第2部分との混合物を前記混合チャンバに導入する工程は、
前記原料ガスと前記リサイクルガス混合物の前記第2部分との混合物を所望の温度及び圧力に調整する工程と、
当該調整された混合物を前記混合チャンバに導入する工程と、
を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記可燃性ガスを燃焼させる工程は、前記可燃性ガスを点火する工程を含む
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記原料ガスは、一定容積の反応プロセスで分解される
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
混合チャンバと、
前記混合チャンバに接続された燃焼チャンバと、
少なくとも1つの点火器と、
前記混合チャンバ及び前記燃焼チャンバの内外へのガスの流れを制御するためのバルブと、
点火器と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
原料ガスを前記混合チャンバ内に導入するように前記バルブを制御し、
可燃性ガスを前記燃焼チャンバ内に導入するように前記バルブを制御し、
前記少なくとも1つの点火器を制御して、前記燃焼チャンバ内で前記可燃性ガスを燃焼させて、1または複数の燃焼生成物ガスを形成し、前記1または複数の燃焼生成物ガスが前記混合チャンバ内に流入して前記原料ガスと混合し、前記1または複数の燃焼生成物ガスの前記原料ガスとの混合の結果として、エネルギが、前記1または複数の燃焼生成物ガスから前記原料ガスに伝達され、それによって、前記原料ガスを分解して1または複数の反応生成物を生産するための化学反応を引き起こし、
前記1または複数の反応生成物を有する混合された生成物のストリームを、前記混合チャンバから抽出する、ように前記バルブを制御し、
前記混合された生成物のストリームの少なくとも一部を、前記原料ガス反応器へとリサイクルする、ように前記バルブを制御する
ように動作可能である
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記混合された生成物のストリームは、炭素及び水素を含み、
当該システムは、更に、前記混合された生成物のストリームから前記炭素の少なくとも幾らか及び前記水素の少なくとも幾らかを分離してリサイクルガス混合物を形成する炭素分離器及び水素分離器を含み、
前記コントローラは、更に、前記リサイクルガス混合物を前記原料ガス反応器へとリサイクルする、ように前記バルブを制御するように動作可能である
ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、更に、
前記リサイクルガス混合物の第1部分を酸化剤と混合し、
前記リサイクルガス混合物の第2部分を前記原料ガスの源と混合し、
前記酸化剤と前記リサイクルガス混合物の前記第1部分との混合物、及び、前記原料ガスと前記リサイクルガス混合物の前記第2部分との混合物、を前記原料ガス反応器へとリサイクルする、
ように前記バルブを制御するように動作可能である
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1部分と前記第2部分との和は、1である
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、更に、
前記酸化剤と前記リサイクルガス混合物の前記第1部分との混合物を前記燃焼チャンバに導入し、
前記原料ガスと前記リサイクルガス混合物の前記第2部分との混合物を前記混合チャンバに導入する
ように前記バルブを制御するように動作可能である
ことを特徴とする請求項16または17に記載のシステム。
【請求項19】
当該システムは、更に、
前記酸化剤と前記リサイクルガス混合物の前記第1部分との混合物を所望の温度及び圧力に調整するための燃焼混合物調整制御システム
を備え、
前記コントローラは、更に、
当該調整された混合物を前記燃焼チャンバに導入する
ように前記バルブを制御するように動作可能である
ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
当該システムは、更に、
前記原料ガスと前記リサイクルガス混合物の前記第2部分との混合物を所望の温度及び圧力に調整するための原料混合物調整制御システム
を備え、
前記コントローラは、更に、
当該調整された混合物を前記混合チャンバに導入する
ように前記バルブを制御するように動作可能である
ことを特徴とする請求項18または19に記載のシステム。
【外国語明細書】