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  • 特開-取付機構 図1
  • 特開-取付機構 図2
  • 特開-取付機構 図3
  • 特開-取付機構 図4
  • 特開-取付機構 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028767
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】取付機構
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20240227BHJP
   B60K 35/50 20240101ALI20240227BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60K35/50
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199981
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2021558452の分割
【原出願日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】P 2019209576
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】光永 直喜
(72)【発明者】
【氏名】菊地 貴
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲浜▼ 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】岸本 悠希
(57)【要約】
【課題】取付機構全体としての高さを低くしつつ、画像表示モニタ等をその取付位置に確実に取り付けることが可能な取付機構を提供する。
【解決手段】取付位置に硬質性の被取付部材100を取り付けるための取付機構Sにおいて、被取付部材100側の面の一部20が被取付部材100に固定され且つ柔軟性のある板状の取付部材1を備え、取付部材1の取付位置側の面が取付位置に固定されることで、被取付部材100が取付位置に取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付位置に硬質性の被取付部材を取り付けるための取付機構において、
前記被取付部材側の面の一部が当該被取付部材に固定され且つ柔軟性のある板状の取付部材を備え、
当該取付部材の前記取付位置側の面が当該取付位置に固定されることで、前記被取付部材が当該取付位置に取り付けられることを特徴とする取付機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、取付機構の技術分野に属する。より詳細には、例えば車両のダッシュボード等の上に設けられた取付位置に運転アシスト装置等の被取付部材を取り付けるための取付機構の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の移動を案内するナビゲーション機能を備えたいわゆるスマートフォンや、液晶ディスプレイ等の表示装置を、車両の購入後に、当該車両のダッシュボード上等の取付位置に取り付けて用いることが行われている。このとき、上記スマートフォンや表示装置を上記取付位置に取り付ける場合、従来は、アタッチメント等と称される取付部材を別途用いる必要があった。このような従来技術を開示している先行技術文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1に記載されている従来技術では、ユニバーサルジョイントを用いてダッシュボード上に画像表示モニタを固定する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-160874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている方法を用いて画像表示モニタをダッシュボード上に取り付ける場合には、被取付部材たる当該画像表示モニタ自体の高さに対して、取付機構としての上記ユニバーサルジョイントの高さが加わるため、画像表示モニタ及び取付機構全体として高くなってしまうことから、例えば、運転時における運転者の視界の妨げになる場合があるという問題点があった。
【0005】
そこで本願は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、取付機構全体としての高さを低くしつつ、画像表示モニタ等をその取付位置に確実に取り付けることが可能な取付機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、取付位置に硬質性の被取付部材を取り付けるための取付機構において、前記被取付部材側の面の一部が当該被取付部材に固定され且つ柔軟性のある板状の取付部材を備え、当該取付部材の前記取付位置側の面が当該取付位置に固定されることで、前記被取付部材が当該取付位置に取り付けられるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の取付機構の概要構成を示す側視断面図である。
図2】実施例の運転アシスト装置の外観図であり、(a)は外観正面図であり、(b)は外観平面図であり、(c)は外観底面図であり、(d)は外観右側面図である。
図3】実施例の運転アシスト装置の構成を示す上方視外観斜視図等であり、(a)は当該上方視外観斜視図であり、(b)は実施例の運転アシスト装置の構成を示す下方視外観斜視図等である。
図4】実施例の運転アシスト装置の構成を示す分解上方視外観斜視図である。
図5】実施例の運転アシスト装置の取付状態を示す側視概念図であり、(a)は取付位置が平坦である場合の当該取付状態を示す側視概念図であり、(b)は取付位置が湾曲している場合の当該取付状態を示す側視概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態の取付機構の概要構成を示す側視断面図である。
【0009】
図1に示すように、実施形態の取付機構Sは、取付位置に硬質性の被取付部材100を取り付けるための取付機構である。そして取付機構Sは、被取付部材100側の面の一部20が被取付部材100に固定され且つ柔軟性のある板状の取付部材1を備え、取付部材1の取付位置側の面が当該取付位置に固定されることで、被取付部材100が当該取付位置に取り付けられるように構成される。
【0010】
以上説明したように、実施形態の取付機構Sの構成によれば、被取付部材側100の面の一部20が硬質性の被取付部材100に固定され且つ柔軟性のある板状の取付部材1を備え、取付部材1の取付位置側の面が取付位置に固定されることで被取付部材100が当該取付位置に取り付けられるので、取付機構S全体としての高さを低くしつつ、取付部材1の取付位置側の面を用いて被取付部材100を取付位置に確実に取り付けることができる。また、板状の取付部材1に柔軟性があることから、取付位置の表面に凹凸があっても、確実に被取付部材100を取付位置に取り付けることができる。
【実施例0011】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図5を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、例えば音声等を用いたナビゲーション機能等を有する運転アシスト装置を車両のダッシュボード上に取り付ける際の取付機構に対して、本願を適用した場合の実施例である。
【0012】
また、図2は実施例の運転アシスト装置の外観図であり、図3は当該運転アシスト装置の構成を示す上方視外観斜視図等であり、図4は当該運転アシスト装置の構成を示す分解上方視外観斜視図であり、図5は当該運転アシスト装置の取付状態を示す側視概念図である。このとき、図2において、当該運転アシスト装置の外観背面図は図2(a)に示す外観正面図と同一であるので記載を省略する。また、当該運転アシスト装置の外観左側面図は、図2(d)に示す外観右側面図と同一であるので記載を省略する。また、図2乃至図5では、図1に示した実施形態の取付機構Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該取付機構Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0013】
図2に示すように、実施例の運転アシスト装置SS(以下、単に「運転アシスト装置SS」と称する)は、実施例の取付機構によりダッシュボードDS上に取り付けられる。このとき、運転アシスト装置SSが取り付けられるダッシュボードDSの上面は、図2(a)に例示するように例えば湾曲している。このようなダッシュボードDS上に取り付けられる場合であっても、運転アシスト装置Sは、実施例の取付機構により当該ダッシュボードDS上に密着して取り付けられる。
【0014】
このとき実施例の運転アシスト装置Sは、その外表面の全体が、例えば伸縮性のある布製の覆い部材15により覆われている。そして、図2(b)の破線及び図2(a)に示すように、覆い部材15に覆われて運転アシスト装置S内に内蔵されている後述の本体100の上端部の形状が、外部から視認可能なように覆い部材15を介して浮き出ている。この本体100が実施形態の被取付部材100の一例に相当し、覆い部材15が本願の「覆い部材」の一例に相当する。
【0015】
次に、実施例の取付機構及び本体100を含む実施例の運転アシスト装置SSの構成について、図3乃至図5を用いて説明する。なお、図3及び図4では、説明の明確化のため、運転アシスト装置SSから覆い部材15の図示を省略している。
【0016】
図3に示すように、運転アシスト装置SSは、例えば滑らかな長方形状の外形を備え且つ上記ナビゲーション機能等を担う本体100と、平面視形状が長円で且つほぼ同一の大きさを有する板状の第1取付部材10及び第2取付部材11と、第1取付部材10の長手方向に沿った長孔13をそれぞれ用いて第1取付部材10と第2取付部材11とを一体的に取り付ける係止部材14と、を少なくとも備えて構成されている。ここで、本体100においては、その硬質性の筐体内に上記ナビゲーション機能等を実現するための回路等が備えられている。このとき、第1取付部材10が本願の「第1取付部材」の一例に相当し、第2取付部材11が本願の「第2取付部材」の一例に相当する。また、第1取付部材10及び第2取付部材11が実施形態の取付部材1の一例に相当すると共に、本体100並びに第1取付部材10及び第2取付部材11により、実施形態の取付機構Sの一例を構成している。
【0017】
以上の構成において、第1取付部材10は、当該第1取付部材10の後述する中央部20を介して本体100の図3における下面の中央に固定されている。そして、第1取付部材10及び第2取付部材11は、それぞれ、柔軟性のある例えばポリウレタン弾性繊維であるスパンデックス等を用いた伸縮性のある布素材や、伸縮するシリコン等のゴム素材等により形成されており、図3における上下方向に柔軟に撓ませることが可能となっている。
【0018】
一方図4に示すように、第2取付部材11の本体100側の面の第1取付部材10の長孔13の位置にそれぞれ合わせた位置には、突起部12が第2取付部材11と一体的にそれぞれ形成されている。そして図4に示すように、第1取付部材10と第2取付部材とを重ね合わせた状態で第1取付部材10の各長孔13から突出する各突起部12の先端が係止部材14によりそれぞれ係止される。これにより、係止部材14によりそれぞれ係止された突起部12が、第1取付部材10の長手方向に形成された長孔13内をそれぞれ当該長手方向に移動可能となることで、その中央部20が本体100の下面中央に固定された第1取付部材10を第2取付部材に重ね合わせた状態で、当該第1取付部材10及び当該第2取付部材11を一体的に図3及び図4中上下に撓ませることが可能となる。
【0019】
他方、第2取付部材11の図3及び図4における下面側(即ち、本体100側の面と反対側の面)は、例えば両面粘着テープ等により、ダッシュボードDS上に固定される。このとき図5(a)に示すように、ダッシュボードDSの上面が平坦である場合は、第1取付部材10及び第2取付部材11は共に撓むことなく、本体100の下面とダッシュボードDSの上面との間に第1取付部材10と第2取付部材とが挟み込まれることで、本体100が当該第1取付部材10及び当該第2取付部材11を介して平坦なダッシュボードDS上に取り付けられる。
【0020】
これに対し、図5(b)に示すように、ダッシュボードDSの上面が平坦でなく例えば凸型に湾曲している場合は、上記突起部12、上記長孔13及び上記係止部材14それぞれの機能により、第1取付部材10及び第2取付部材11は相互に重なりながらダッシュボードDSの上面に沿って撓みつつ、第2取付部材11の図3乃至図5における下面がダッシュボードDSの上面に固定される。これにより、第1取付部材10と固定部20により固定されている本体100は、第1取付部材10及び第2取付部材11を介して湾曲したダッシュボードDS上に取り付けられる。
【0021】
なお図5に示すように、伸縮性を有する覆い部材15は、本体100及び第1取付部材10全体を覆うように、その周縁部が第1取付部材10と第2取付部材11との間に挟み込まれるようにして運転アシスト装置SSに固定されている。これにより、本体100及び第1取付部材10の図3乃至図5における上面が、運転アシスト装置SSの外部に露出することがない。
【0022】
以上説明したように、実施例の取付機構Sを含む運転アシスト装置SSの構成によれば、本体100側の面の一部にある固定部20が硬質性の筐体を有する本体100に固定され且つ柔軟性のある板状の第1取付部材10を備え、第2取付部材11のダッシュボードDS側の面がダッシュボードDS上の取付位置に固定されることで本体100がダッシュボードDS上に取り付けられるので、取付機構全体としての高さを低くしつつ、第2取付部材11のダッシュボードDS側の面を用いて本体100をダッシュボードDS上に確実に取り付けることができる。また、板状の第1取付部材10及び第2取付部材11に柔軟性があることから、ダッシュボードDSの上面に凹凸があっても、確実に本体100をダッシュボードDS上に取り付けることができる。
【0023】
また、第1取付部材10の本体100側の面が、本体100のダッシュボードDS側の面の中央で固定部20により本体100に固定されているので、第1取付部材10及び第2取付部材11の長手方向の両端部が湾曲し易くなることで、ダッシュボードDSの上面に凹凸があっても、より確実に本体100をダッシュボードDS上に取り付けることができる。
【0024】
更に、第1取付部材10の本体100側の面及び本体100全体に覆い被せられ且つ伸縮性のある覆い部材15を更に備えるので、本体100等を伸縮性のある覆い部材15で覆うことで、ダッシュボードDS上への取り付け後の本体100等の美感を向上させることができると共に、取り付け後の本体100に使用者の服等が引っかかることを防止できる。
【0025】
更にまた、覆い部材15が伸縮性のある布製であり、且つ本体100並びに第1取付部材10及び第2取付部材11の全体形状に合わせて展張するように覆い被せられており、この結果、ダッシュボードDS上への本体100の取り付けに伴う第1取付部材10及び第2取付部材11の変形に追随して変形するので、ダッシュボードDS上への取り付け後の本体100並びに第1取付部材10及び第2取付部材11全体が覆われることから、取付機構としての製造コストを抑制しつつ、固定後の運転アシスト装置SSの美感を更に高めることができる。
【0026】
また、本体100側の面が固定部20により本体100に固定され且つ柔軟性のある板状の第1取付部材10と、第1取付部材10と略同一の平面視形状を有し且つ柔軟性のある板状の第2取付部材11であって第1取付部材10に積層されている第2取付部材11と、備え、覆い部材15の周縁部が第1取付部材10と第2取付部材11との間に挟み込まれることによって覆い部材15が固定されているので、取り付け後の本体100の美感を高めつつ、覆い部材15を確実に固定することができる。
【0027】
更にまた、第2取付部材11の第1取付部材10側の面に設けられた突起部12が第1取付部材10に設けられた長孔13を通って長孔13内を移動可能に係止部材14により係止されることで、第1取付部材10が第2取付部材11に重ね合わされている。よって、第1取付部材10及び第2取付部材11が共に湾曲可能に重ね合わされていることでダッシュボードDS上への取付面積を増やせるので、本体100をより確実にダッシュボードDS上に取り付けることができる。
【0028】
なお、上述した実施例では、本体100と第1取付部材10とは、それぞれの中央において固定部20でのみ固定されていたが、これ以外に、第1取付部10及び第2取付部11の長手方向両端が撓むことができる固定方法であれば、二カ所以上の部分で本体100と第1取付部材10とが固定されていてもよい。
【0029】
また、上述した実施例では、運転アシスト装置SSの一例としてナビゲーション機能等を有する本体100を内蔵するものについて説明したが、これ以外に本願は、車両内に限らず、湾曲した表面を有する取付位置に例えば略長方形状を有する硬質性の画像表示モニタ等の被取付部材を取り付ける場合に広く適用することができる。
符号の説明
【0030】
1 取付部材
20 面の一部(固定部)
100 被取付部材(本体)
S 取付機構
SS 運転アシスト装置
図1
図2
図3
図4
図5