(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028795
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】画像化および抗腫瘍治療において有用な調整可能な薬物動態を有する三官能性構築物
(51)【国際特許分類】
C07K 16/18 20060101AFI20240227BHJP
A61K 38/07 20060101ALI20240227BHJP
A61K 51/08 20060101ALI20240227BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240227BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20240227BHJP
C07K 5/06 20060101ALI20240227BHJP
C07K 5/08 20060101ALI20240227BHJP
C07K 5/10 20060101ALI20240227BHJP
C07K 7/06 20060101ALI20240227BHJP
C07K 7/08 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C07K16/18
A61K38/07 ZNA
A61K51/08 200
A61P35/00
C12Q1/02
C07K5/06
C07K5/08
C07K5/10
C07K7/06
C07K7/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023202428
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2019554886の分割
【原出願日】2018-04-05
(31)【優先権主張番号】62/482,038
(32)【優先日】2017-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/574,720
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】510243539
【氏名又は名称】コーネル ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 信人
(72)【発明者】
【氏名】バビッチ,ジョン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,ジェームズ エム.
(72)【発明者】
【氏名】アモール-コアラサ,アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ポンナラ,シャシカンス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、前立腺がん等の画像化および/または処置に有用な化合物ならびにこうした化合物を含めた組成物を提供する。
【解決手段】式(I)の化合物が提供される。式中、ABDは、抗原結合ドメインであり;W
1は、-C(O)-、-(CH
2)
n-等であり;R
1、R
2およびR
3の1つは、アルブミン結合部分を有する基である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
(式中、
ABDは、抗原結合ドメインであり;
W
1は、-C(O)-、-(CH
2)
n-または-(CH
2)
o-NH
2-C(O)-
であり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【化2】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
X
1は、非存在、O、SまたはNHであり;
L
1は、非存在、-C(O)-、-C(O)-NR
4-、-C(O)-NR
5-C
1~
C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-C(O)-NR
6-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-アリーレン-、-O(CH
2CH
2O)
r-CH
2CH
2C(O)-、アミノ酸、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もし
くは10個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここ
で、rは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
4、R
5およびR
6
は、各々独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Toxは、細胞毒含有および/または画像化剤含有ドメインであり;
L
2は、非存在、-C(O)-、-(CH
2CH
2O)
s-CH
2CH
2C(O)-、
2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、
14個、15個、16個、17個、18個、19個もしくは20個のアミノ酸のペプチド
、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここで、sは、0、1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または1
9であり;
Albは、アルブミン結合部分であり;
mは、0または1であり;
nは、1または2であり;
oは、1または2であり;
pは、0、1、2または3であり、ただしpが0である場合、X
1は非存在であり;
qは、1または2である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物。
【請求項2】
式Iの化合物が、式II
【化3】
(式中、
P
1、P
2およびP
3は、各々独立して、H、メチル、ベンジル、4-メトキシベンジ
ルまたはtert-ブチルであり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【化4】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
Radは、金属イオンを含むことができる、任意選択で金属イオンをさらに含むことが
できる部分である)
またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の化
合物。
【請求項3】
P1、P2およびP3が、各々独立して、Hまたはtert-ブチルである、請求項2
に記載の化合物。
【請求項4】
P1、P2およびP3が、各々独立してHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
Radが、金属イオンをキレート化するキレーターを含む、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
金属イオンが、177Lu3+、175Lu3+、45Sc3+、66Ga3+、67
Ga3+,68Ga3+、69Ga3+,71Ga3+、89Y3+,86Y3+、89
Zr4+、90Y3+、99mTc+1、111In3+、113In3+、115In
3+、139La3+、136Ce3+、138Ce3+、140Ce3+、142Ce
3+、151Eu3+、153Eu3+、152Dy3+、149Tb3+、159Tb
3+、154Gd3+、155Gd3+、156Gd3+、157Gd3+、158Gd
3+、160Gd3+、188Re+1、186Re+1、213Bi3+、211At
+、217At+、227Th4+、226Th4+、225Ac3+、233Ra2+
、152Dy3+、213Bi3+、212Bi3+、211Bi3+、212Pb2+
、212Pb4+、255Fm3+、またはウラン-230である放射性核種である、請
求項5に記載の化合物。
【請求項7】
金属イオンが、213Bi3+、211At+、225Ac3+、152Dy3+、2
12Bi3+、211Bi3+、217At+、227Th4+、226Th4+、23
3Ra2+、212Pb2+、および212Pb4+から選択されるアルファ放出放射性
核種である、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を過剰発現する哺乳動物組織を検出するための、
請求項1から7のいずれか一項の化合物の有効量、および薬学的に許容される担体を含む
医薬組成物。
【請求項9】
哺乳動物組織が、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜
癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結
腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つま
たは複数を含む、請求項8に記載に記載の医薬組成物。
【請求項10】
がんを画像化するために、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物の有効量を対
象に投与すること;および
投与に続いて、ポジトロン放出、ポジトロン放出および消滅からのガンマ線、ならびに
ポジトロン放出によるチェレンコフ放射線の1つまたは複数を検出すること
を含む方法。
【請求項11】
がんが、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原
発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、
原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つまたは複数
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
対象が、前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を過剰発現する哺乳動物組織を患ってい
る疑いがある、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
哺乳動物組織が、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜
癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結
腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つま
たは複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化合物を投与することが、非経口投与を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を過剰発現する哺乳動物組織を処置するための、
請求項1から7のいずれか一項の化合物の有効量、および薬学的に許容される担体を含む
医薬組成物。
【請求項16】
哺乳動物組織が、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜
癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結
腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つま
たは複数を含む、請求項15に記載に記載の医薬組成物。
【請求項17】
がんを処置するための請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物の有効量を対象に
投与することを含む方法。
【請求項18】
がんが、神経膠腫、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵
巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性
結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つまたは複数を含む、請求項17に記
載の方法。
【請求項19】
化合物を投与することが、非経口投与を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
哺乳動物対象への放射線治療薬の投与の約4時間から約24時間内に1以上である腎臓
活性に対する腫瘍活性の比が観察される哺乳動物対象において、インビボにおいて放射線
治療薬の組織分布を達成する方法であって、
放射線治療薬を哺乳動物対象に投与することを含み;
放射線治療薬が、前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を標的化する第1の部分、放射
性核種を保有する第2の部分、および血清アルブミンへの親和性を有する第3の部分を含
み、第1の部分は、第1の共有結合性リンカーによって第2の部分から分離されており、
第3の部分は、第2の共有結合性リンカーによって第2の部分から分離されており、
ここで、第1の部分と第2の部分との間の分離(第1の共有結合性リンカーに会合した
連続する原子の数に基づく)は、約8個の原子から約40個の原子であり、第3の部分と
第1および第2の部分との間の分離(第2の共有結合性リンカーに会合した連続する原子
の数に基づく)は、約10個の原子から約100個の原子である、方法。
【請求項21】
放射線治療薬の投与の約4時間から約24時間後に、哺乳動物対象の画像を得ることを
さらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
1以上である腎臓活性に対する腫瘍活性の比が、放射線治療薬の投与後最大約24時間
まで続く、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
放射線治療薬の投与の約24時間から約48時間後に、放射性核種活性が、哺乳動物対
象の唾液腺において実質的に観察されない、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
第1の共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数が、約10個の原子から約30
個の原子の範囲である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
第2の共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数が、約15個の原子から約40
個の原子の範囲である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
投与が、静脈内投与を含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照文献
この出願は、2017年4月5日に出願された米国仮特許出願第62/482,038
号および2017年10月19日に出願された米国仮特許出願第62/574,720号
の利益を主張し、これらの各々の全開示は、ありとあらゆる目的で参照により本明細書に
組み込まれる。
【0002】
米国政府のライセンス権
この発明は、国立衛生研究所によって授与された認可番号UL1TR00457に基づ
く政府支援で行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】
本発明の技術は、一般に、(1)抗原結合ドメイン、(2)細胞毒含有および/または
画像化剤含有ドメイン;ならびに(3)アルブミン結合部分を含む三官能性構築物に関す
る。本発明の技術は、こうした化合物を含めた組成物、ならびに画像化および/または抗
腫瘍治療における使用の方法も提供する。例えば、本発明の技術の化合物および組成物は
、有用な診断治療化合物である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある態様において、式I:
【0005】
【化1】
(式中、
ABDは、抗原結合ドメインであり;
W
1は、-C(O)-、-(CH
2)
n-または-(CH
2)
o-NH
2-C(O)-
であり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【0006】
【化2】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
X
1は、非存在、O、SまたはNHであり;
L
1は、非存在、-C(O)-、-C(O)-NR
4-、-C(O)-NR
5-C
1~
C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-C(O)-NR
6-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-アリーレン-、-O(CH
2CH
2O)
r-CH
2CH
2C(O)-、アミノ酸、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もし
くは10個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここ
で、rは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
4、R
5およびR
6
は、各々独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Toxは、細胞毒含有および/または画像化剤含有ドメインであり;
L
2は、非存在、-C(O)-、-(CH
2CH
2O)
s-CH
2CH
2C(O)-、
2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、
14個、15個、16個、17個、18個、19個もしくは20個のアミノ酸のペプチド
、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここで、sは、0、1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または1
9であり;
Albは、アルブミン結合部分であり;
mは、0または1であり;nは、1または2であり;oは、1または2であり;pは、
0、1、2または3であり、ただしpが0である場合、X
1は非存在であり;qは、1ま
たは2である)
の化合物またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物が提供される。
【0007】
本明細書における任意の実施形態において、式Iの化合物は、式II
【0008】
【化3】
(式中、
P
1、P
2およびP
3は、各々独立して、H、メチル、ベンジル、4-メトキシベンジ
ルまたはtert-ブチルであり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【0009】
【化4】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
Radは、金属イオンを含むことができる、任意選択で金属イオンをさらに含むことが
できる部分であり;pは、0、1、2または3であり、ただしpが0である場合、X
1は
非存在であり;qは、1または2である)
の化合物またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物であってよい。
【0010】
別の態様において、本発明の技術は、本明細書で開示される式Iの化合物(またはその
薬学的に許容される塩)の実施形態の1つのいずれか、および薬学的に許容される担体ま
たは1種もしくは複数の賦形剤もしくは充填剤を含む組成物(例えば、医薬組成物)およ
び医薬を提供する。
【0011】
別の態様において、本発明の技術は、本明細書で開示される式Iの化合物(またはその
薬学的に許容される塩)の実施形態のいずれか1つを含むものの有効量を、処置および/
または画像化が必要な対象に投与することによる、処置の方法および/または画像化の方
法を提供する。
【0012】
別の態様において、本発明の技術は、哺乳動物対象におけるインビボにおいて放射線治
療薬の組織分布を達成する方法であって、ここで、1以上である腎臓活性に対する腫瘍活
性の比は、哺乳動物対象への放射線治療薬の投与の約4時間から約24時間内に観察され
、該方法は、哺乳動物対象に放射線治療薬を投与することを含み;放射線治療薬は、前立
腺特異的膜抗原(「PSMA」)を標的化する第1の部分、放射性核種を保有する第2の
部分、および血清アルブミンへの親和性を有する第3の部分を含み、第1の部分は、第1
の共有結合性リンカーによって第2の部分から分離されており、第3の部分は、第2の共
有結合性リンカーによって第2の部分から分離されており、ここで、第1の部分と第2の
部分との間の分離は(第1の共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数に基づく)
、約8個の原子から約40個の原子であり、第3の部分と第1および第2の部分との間の
分離は(第2の共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数に基づく)、約10個の
原子から約100個の原子である、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】注入後1時間および3時間の両方で
68Ga-RPS-055(上)または
68Ga-DKFZ-617(下)を注入されたマウスのPET画像を提供する図である。全ての画像は、右肩(矢)に小さいLNCaP腫瘍を保有する同じマウスのものである。画像は、Siemens Inveon μPET/μCTシステム(Siemens Corp.、Munich、Germany)を使用して連続した日に撮られた。全ての画像は、1cc組織当たり最大4%の注入用量までウィンドウ化され、減衰補正および用量補正されている。
【
図2】注入後1時間(上)および3時間(下)の両方で
68Ga-RPS-055(左パネル)または
68Ga-RPS-056(右パネル)を注入されたマウスのPET画像を提供する図である。全ての画像は、それらの右肩に小さいLNCaP腫瘍を保有する同じマウスのものである。画像は、Siemens Inveon μPET/μCTシステム(Siemens Corp.、Munich、Germany)を使用して連続した日に撮られた。全ての画像は、1cc組織当たり最大20%の注入用量までウィンドウ化され、減衰補正および用量補正されている。
【
図3】注入後4時間(上)および3時間(下)の両方で
177Lu-RPS-055を注入されたマウスのSPECT画像を提供する図である。全ての画像は、それらの右肩に小さいLNCaP腫瘍を保有する同じマウスのものである(左パネルおよび右パネル)。画像は、Siemens Inveon μSPECT/μCTシステム(Siemens Corp.、Munich、Germany)を使用して同じ日に撮られた。
【
図4】LNCaP腫瘍異種移植片を保有し、
68Ga-RPS-061、
68Ga-PSMA-617または
68Ga-RPS-030のいずれかを静脈内注入されたBALB/C nu/nuマウスのPET画像を示す図である。Siemens Inveon μSPECT/μCTシステム(Siemens Corp.、Munich、Germany)を使用して、マウスを、注入後1時間(左)および3時間(右)で連続した日に画像化した。
【
図5A】マウスにおける静脈内注入に続く選択臓器について、
225Ac(NO
3)
3(
図5A)の体内分布を例示するヒストグラムを提供する図である。成体C57BL/6匹のマウスを、注入後15分、1時間または5時間に屠殺した。各時点についての値は、平均%ID/g±1SDとして示される。
【
図5B】マウスにおける静脈内注入に続く選択臓器について、[
225Ac(macropa)]
+(
図5B)の体内分布を例示するヒストグラムを提供する図である。成体C57BL/6匹のマウスを、注入後15分、1時間または5時間に屠殺した。各時点についての値は、平均%ID/g±1SDとして示される。
【
図5C】マウスにおける静脈内注入に続く選択臓器について、[
225Ac(DOTA)]
-(
図5C)の体内分布を例示するヒストグラムを提供する図である。成体C57BL/6匹のマウスを、注入後15分、1時間または5時間に屠殺した。各時点についての値は、平均%ID/g±1SDとして示される。
【
図6】LNCaP腫瘍異種移植片マウスにおける静脈内注入に続く
225Ac-macropa-RPS-070の体内分布を例示する図である。マウスを、注入後4時間、24時間または96時間に屠殺した。各時点についての値は、平均%ID/g±1SEMとして示される。
【
図7】注入後1時間、3時間、6時間および24時間に
66Ga標識化トレーサーを用いてLNCaP異種移植片マウスのPET画像を提供する図である。マウスに、トレーサー0.56~5.4MBq(15~145μCi)のボーラス注入を静脈内注入した。注入されたリガンドの総質量は4μgであった。画像化する前に、マウスはイソフルランで麻酔し、次いで30分にわたり画像化した。画像は、減衰についておよび注入された活性について補正された。
【
図8】
177Lu-RPS-068、
177Lu-RPS-063、
177Lu-RPS-061、
177Lu-RPS-069、
177Lu-RPS-066、
177Lu-RPS-067および
177Lu-PSMA-617の体内分布を提供する図である。LNCaP異種移植片腫瘍を保有する雄性胸腺欠損ヌードマウス(n=1時点につき5)に、標識化化合物348~851kBq(9.4~23μCi)を静脈内注入し、注入後4時間、24時間および96時間に屠殺した。注入されたリガンドの総質量は、37~50ng(23~25pmol)であった。
【
図9】注入後4時間、24時間および96時間での異なる
177Lu標識化リガンドの血液プール活性の比較を提供する図である。誤差はSEMとして表される。RPSリガンドは、増加するサイズの順番に呈示される。
【
図10】LNCaP異種移植片腫瘍を保有する雄性胸腺欠損ヌードマウスにおける
177Lu-PSMA-617、
177Lu-RPS-061、
177Lu-RPS-063、
177Lu-RPS-066、
177Lu-RPS-067、
177Lu-RPS-068および
177Lu-RPS-069の腫瘍および腎臓取込みの時間-活性曲線(TAC)を提供する図である。取込みは%ID/gとして表される。
【
図11】対応する
177Lu標識化化合物を注入され、96時間にわたって研究された雄性LNCaP異種移植片腫瘍保有マウスの腫瘍における相対用量積分の比較を提供する図である。値は
177Lu-PSMA-617に正規化されている。
【
図12】LNCaP異種移植片腫瘍を保有する雄性BALB/C nu/nuマウスにおける血液、正常組織および腫瘍中の活性の取込みを示す図である。マウス(n=4/時点)に、105kBqの
225Ac-RPS-074を静脈内注入し、注入後4時間、24時間、7日、14日および21日に屠殺した。
【
図13】LNCaP異種移植片腫瘍を保有し、a)138kBq
225Ac-RPS-074;b)74kBq
225Ac-RPS-074;c)37kBq
225Ac-RPS-074;d)133kBq
225Ac-DOTA-Lys-IPBA;およびe)ビヒクルで処置された個々の雄性BALB/C nu/nuマウスの平均腫瘍体積における変化をプロットする図である。
【
図14】138kBqの
225Ac-RPS-074(左)または74kBqの
2
25Ac-RPS-074(右)で処置されたマウスの
68Ga-PSMA-11 μPET/CT画像を提供する図である。画像は、注入後60分に獲得され、減衰についておよび注入された活性について補正されている。
【
図15】マウスの全生存を例示するカプラン・マイヤー曲線をプロットする図である。##=投与された
225Ac-DOTA-Lys-IPBAの活性。マウスを、腫瘍体積が2000mm
3を超えた時に屠殺した。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の用語は、全体にわたって、下記で定義される通りに使用される。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、要素を記載する文脈に
おいて(殊に、以下の請求項の文脈において)「1つの(a)」および「1つの(an)
」などの単数形の冠詞、および「その(the)」、ならびに同様の参照対象は、別段に
本明細書において表示されていない限りまたは文脈によって明らかに矛盾していない限り
、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲
の記述は、別段に本明細書において表示されていない限り、範囲内に入る各別個の値を個
々に言及する簡略な方法として働くと単に意図され、各別個の値は、それが本明細書にお
いて個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全
ての方法は、別段に本明細書において表示されていない限りまたは別段に文脈と明らかに
矛盾していない限り、任意の適当な順序で行うことができる。本明細書に提供されるあり
とあらゆる例または例証的な言葉(例えば、「など」)の使用は、実施形態をより良好に
明らかにすると単に意図され、別段に明記されていない限り、請求項の範疇に制限を設け
ることはない。本明細書における言葉は、任意の非請求要素を必須として示していると解
釈されるべきでない。
【0016】
本明細書で使用される場合、「約」は当業者によって理解されており、それが使用され
る文脈に依存してある程度変動する。当業者に明らかでない用語の使用があるならば、そ
れが使用される文脈を前提として、「約」は、特別な用語のプラスまたはマイナス最大1
0%までを意味する。
【0017】
一般に、ある特定の元素、例えば水素またはHへの言及は、その元素の全ての同位体を
含むと意味される。例えば、R基が水素またはHを含むと定義されるならば、それは重水
素およびトリチウムも含む。したがって、トリチウム、C14、P32およびS35など
の放射性同位体を含む化合物は、本発明の技術の範疇内である。こうした標識を本発明の
技術の化合物に挿入するための手順は、本明細書における本開示に基づいて当業者に容易
に明らかである。
【0018】
一般に、「置換された」は、そこに含有される水素原子への1つまたは複数の結合が、
非水素原子または非炭素原子への結合によって置き換えられる、下記で定義される通りの
有機基(例えば、アルキル基)を指す。置換された基は、炭素原子(単数または複数)ま
たは水素(単数または複数)原子への1つまたは複数の結合が、ヘテロ原子への二重結合
または三重結合を含めて1つまたは複数の結合によって置き換えられる基も含む。したが
って、置換された基は、別段に特定されていない限り、1個または複数の置換基で置換さ
れる。一部の実施形態において、置換された基は、1個、2個、3個、4個、5個または
6個の置換基で置換される。置換基の例としては、以下:ハロゲン(即ち、F、Cl、B
rおよびI);ヒドロキシル;アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、アラ
ルキルオキシ基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロシクリルオキシ
基およびヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシレート;エス
テル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミ
ン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;ペンタフルオロスル
ファニル(即ち、SF5)、スルホンアミド;アミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒド
ラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;尿素;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド
;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;イミン;ニトロ
基;およびニトリル(即ち、CN)などが挙げられる。
【0019】
置換されたシクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基およびヘテロアリール基
など、置換された環基は、水素原子への結合が炭素原子への結合と置き換えられる環およ
び環系も含む。そのため、置換されたシクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基
およびヘテロアリール基は、下記で定義される通りの置換または非置換のアルキル基、ア
ルケニル基およびアルキニル基で置換されていてもよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、C1~C12、C1~C8またはC1~C6などのCm-
Cnは、基の前に使用される場合、m個からn個の炭素原子を含有するその基を指す。
【0021】
アルキル基は、1個から12個の炭素原子、典型的には1個から10個の炭素、または
一部の実施形態において、1個から8個、1個から6個、もしくは1個から4個の炭素原
子を有する直鎖および分岐鎖のアルキル基を含む。直鎖アルキル基の例としては、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-
ヘプチル基およびn-オクチル基などの基が挙げられる。分岐アルキル基の例としては、
以下に限定されないが、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-
ブチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基および2,2-ジメチルプロピル基が挙げら
れる。アルキル基は、置換または非置換であってよい。代表的な置換アルキル基は、上記
で列挙されたものなどの置換基で1回または複数回置換されていてよく、これらに限定さ
れないが、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシアルキル、チオア
ルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコ
キシアルキルおよびカルボキシアルキルなどを含む。
【0022】
シクロアルキル基は、環(単数または複数)中に3個から12個の炭素原子、あるいは
一部の実施形態において、3個から10個、3個から8個、または3個から4個、5個も
しくは6個の炭素原子を有する単環式、二環式または三環式のアルキル基を含む。例証的
な単環式シクロアルキル基としては、以下に限定されないが、シクロプロピル基、シクロ
ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチ
ル基が挙げられる。一部の実施形態において、シクロアルキル基は、3個から8個の環員
を有するが、他の実施形態において、環炭素原子の数は、3個から5個、3個から6個、
または3個から7個の範囲である。二環式および三環式の環系は、架橋シクロアルキル基
および縮合環の両方、例えば、以下に限定されないが、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン
、アダマンチルおよびデカリニルなどを含む。シクロアルキル基は、置換または非置換で
あってよい。置換シクロアルキル基は、上記で定義される通りの非水素基および非炭素基
で1回または複数回置換されていてよい。しかしながら、置換シクロアルキル基は、上記
で定義される通りの直鎖または分岐鎖のアルキル基で置換された環も含む。代表的な置換
シクロアルキル基は、一置換であるか、または以下に限定されないが、上記で列挙された
ものなどの置換基で置換されていてよい2,2-、2,3-、2,4-、2,5-または
2,6-二置換シクロヘキシル基など、1回より多く置換されていてもよい。
【0023】
シクロアルキルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、上記で定義される
通りのシクロアルキル基への結合と置き換えられた、上記で定義される通りのアルキル基
である。一部の実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、4個から16個の炭素
原子、4個から12個の炭素原子、典型的には4個から10個の炭素原子を有する。シク
ロアルキルアルキル基は、置換または非置換であってよい。置換シクロアルキルアルキル
基は、該基のアルキル部分、シクロアルキル部分、またはアルキル部分およびシクロアル
キル部分の両方で置換されていてよい。代表的な置換シクロアルキルアルキル基は、一置
換されていてもよいし、または以下に限定されないが、上記で列挙されたものなどの置換
基での一置換、二置換もしくは三置換など、1回より多く置換されていてもよい。
【0024】
アルケニル基は、少なくとも1個の二重結合が2個の炭素原子の間に存在することを除
いて、上記で定義される通りの直鎖および分岐鎖のアルキル基を含む。アルケニル基は、
2個から12個の炭素原子、典型的には2個から10個の炭素、または一部の実施形態に
おいて、2個から8個、2個から6個、もしくは2個から4個の炭素原子を有する。一部
の実施形態において、アルケニル基は、1個、2個または3個の炭素-炭素二重結合を有
する。例としては、以下に限定されないが、とりわけビニル、アリル、-CH=CH(C
H3)、-CH=C(CH3)2、-C(CH3)=CH2、-C(CH3)=CH(C
H3)、-C(CH2CH3)=CH2が挙げられる。アルケニル基は、置換または非置
換であってよい。代表的な置換アルケニル基は、一置換されていてもよいし、または以下
に限定されないが、上記で列挙されたものなどの置換基での一置換、二置換もしくは三置
換など、1回より多く置換されていてもよい。
【0025】
シクロアルケニル基は、2個の炭素原子の間に少なくとも1個の二重結合を有する、上
記で定義される通りのシクロアルキル基を含む。シクロアルケニル基は、置換または非置
換であってよい。一部の実施形態において、シクロアルケニル基は、1個、2個または3
個の二重結合を有してよいが、芳香族化合物を含まない。シクロアルケニル基は、4個か
ら14個の炭素原子、あるいは一部の実施形態において、5個から14個の炭素原子、5
個から10個の炭素原子、または更には5個、6個、7個もしくは8個の炭素原子を有す
る。シクロアルケニル基の例としては、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘ
キサジエニル、シクロブタジエニルおよびシクロペンタジエニルが挙げられる。
【0026】
シクロアルケニルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、上記で定義され
る通りのシクロアルケニル基への結合と置き換えられる、上記で定義される通りのアルキ
ル基である。シクロアルケニルアルキル基は、置換または非置換であってよい。置換シク
ロアルケニルアルキル基は、該基のアルキル部分、シクロアルケニル部分、またはアルキ
ル部分およびシクロアルケニル部分の両方で置換されていてよい。代表的な置換シクロア
ルケニルアルキル基は、上記で列挙されたものなどの置換基で1回または複数回置換され
ていてよい。
【0027】
アルキニル基は、少なくとも1個の三重結合が2個の炭素原子の間に存在することを除
いて、上記で定義される通りの直鎖および分岐鎖のアルキル基を含む。アルキニル基は、
2個から12個の炭素原子、典型的には2個から10個の炭素、または一部の実施形態に
おいて、2個から8個、2個から6個、もしくは2個から4個の炭素原子を有する。一部
の実施形態において、アルキニル基は、1個、2個または3個の炭素-炭素三重結合を有
する。例としては、以下に限定されないが、とりわけ-C≡CH、-C≡CCH3、-C
H2C≡CCH3、-C≡CCH2CH(CH2CH3)2が挙げられる。アルキニル基
は、置換または非置換であってよい。代表的な置換アルキニル基は、一置換されていても
よいし、または以下に限定されないが、上記で列挙されたものなどの置換基での一置換、
二置換もしくは三置換など、1回より多く置換されていてもよい。
【0028】
アリール基は、ヘテロ原子を含有しない環式芳香族炭化水素である。本明細書における
アリール基は、単環式、二環式および三環式の環系を含む。したがって、アリール基とし
ては、以下に限定されないが、フェニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニル
基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、インデニル基、インダニ
ル基、ペンタレニル基およびナフチル基が挙げられる。一部の実施形態において、アリー
ル基は、6~14個の炭素、および他の実施形態において6個から12個、または更には
6~10個の炭素原子を該基の環部分に含有する。一部の実施形態において、アリール基
は、フェニルまたはナフチルである。アリール基は、置換または非置換であってよい。「
アリール基」という成句は、縮合芳香族-脂肪族環系(例えば、インダニルおよびテトラ
ヒドロナフチルなど)など、縮合環を含有する基を含む。代表的な置換アリール基は、一
置換されていてもよいし、または1回より多く置換されていてもよい。例えば、一置換ア
リール基としては、以下に限定されないが、二置換、三置換、四置換、五置換または六置
換フェニルまたはナフチル基が挙げられ、これらは、上記で列挙されたものなどの置換基
で置換されていてよい。
【0029】
アラルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、上記で定義される通りのアリー
ル基への結合と置き換えられた、上記で定義される通りのアルキル基である。一部の実施
形態において、アラルキル基は、7個から16個の炭素原子、7個から14個の炭素原子
、または7個から10個の炭素原子を含有する。アラルキル基は、置換または非置換であ
ってよい。置換アラルキル基は、該基のアルキル部分、アリール部分、またはアルキル部
分およびアリール部分の両方で置換されていてよい。代表的なアラルキル基としては、以
下に限定されないが、ベンジル基およびフェネチル基、ならびに縮合(シクロアルキルア
リール)アルキル基、例えば4-インダニルエチルが挙げられる。代表的な置換アラルキ
ル基は、上記で列挙されたものなどの置換基で1回または複数回置換されていてよい。
【0030】
ヘテロシクリル基は、1個または複数が以下に限定されないがN、OおよびSなどのヘ
テロ原子である3個以上の環員を含有する芳香族環(ヘテロアリールとも称される)およ
び非芳香族環の化合物を含む。一部の実施形態において、ヘテロシクリル基は、1個、2
個、3個または4個のヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、ヘテロシクリル
基は、3個から16個の環員を有する単環式、二環式および三環式の環を含むが、他のこ
うした基は、3個から6個、3個から10個、3個から12個、または3個から14個の
環員を有する。ヘテロシクリル基は、例えばイミダゾリル基、イミダゾリニル基およびイ
ミダゾリジニル基など、芳香族、部分的不飽和および飽和環系を包含する。「ヘテロシク
リル基」という成句は、例えばベンゾトリアゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]
ジオキシニルおよびベンゾ[1,3]ジオキソリルなど、縮合芳香族および非芳香族基を
含むものを含めた縮合環種を含む。該成句は、以下に限定されないがキヌクリジルなど、
ヘテロ原子を含有する架橋多環式環系も含む。ヘテロシクリル基は、置換または非置換で
あってよい。ヘテロシクリル基としては、以下に限定されないが、アジリジニル基、アゼ
チジニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、チアゾリジニル
基、テトラヒドロチオフェニル基、テトラヒドロフラニル基、ジオキソリル基、フラニル
基、チオフェニル基、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、
ピラゾリル基、ピラゾリニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イ
ソオキサゾリル基、チアゾリル基、チアゾリニル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル
基、オキサジアゾリル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホ
リニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、オキサチアン基、ジ
オキシル基、ジチアニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基
、ピラジニル基、トリアジニル基、ジヒドロピリジル基、ジヒドロジチイニル基、ジヒド
ロジチオニル基、ホモピペラジニル基、キヌクリジル基、インドリル基、インドリニル基
、イソインドリル基、アザインドリル(ピロロピリジル)基、インダゾリル基、インドリ
ジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチ
オフェニル基、ベンズチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾオキサジニル基
、ベンゾジチイニル基、ベンゾオキサチイニル基、ベンゾチアジニル基、ベンゾオキサゾ
リル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾ[1,3]ジオキソリル
基、ピラゾロピリジル基、イミダゾピリジル(アザベンズイミダゾリル)基、トリアゾロ
ピリジル基、イソオキサゾロピリジル基、プリニル基、キサンチニル基、アデニニル基、
グアニニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノリジニル基、キノキサリニル基、
キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、プテリジニル基
、チアナフチル基、ジヒドロベンゾチアジニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ジヒドロ
インドリル基、ジヒドロベンゾジオキシニル基、テトラヒドロインドリル基、テトラヒド
ロインダゾリル基、テトラヒドロベンゾイミダゾリル基、テトラヒドロベンゾトリアゾリ
ル基、テトラヒドロピロロピリジル基、テトラヒドロピラゾロピリジル基、テトラヒドロ
イミダゾピリジル基、テトラヒドロトリアゾロピリジル基およびテトラヒドロキノリニル
基が挙げられる。代表的な置換ヘテロシクリル基は、一置換されていてもよいし、または
以下に限定されないが、ピリジル基またはモルホリニル基など1回より多く置換されてい
てよく、これらは、二置換、三置換、四置換、五置換もしくは六置換されているか、また
は上記で列挙されたものなどの様々な置換基で二置換されている。
【0031】
ヘテロアリール基は、1個または複数が以下に限定されないがN、OおよびSなどのヘ
テロ原子である5個以上の環員を含有する芳香族環化合物である。ヘテロアリール基とし
ては、以下に限定されないが、ピロリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリ
ル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニ
ル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、フラニ
ル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、アザインドリル(ピロロピリジニル)基、イン
ダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、イミダゾピリジニル(アザベンズイミダゾリル)基
、ピラゾロピリジニル基、トリアゾロピリジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾオキ
サゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イ
ソキサゾロピリジニル基、チアナフチル基、プリニル基、キサンチニル基、アデニニル基
、グアニニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、キノキ
サリニル基およびキナゾリニル基などの基が挙げられる。ヘテロアリール基は、全ての環
がインドリル基などの芳香族である縮合環化合物を含み、該環の1つのみが2,3-ジヒ
ドロインドリル基など芳香族である縮合環化合物を含む。ヘテロアリール基は、置換また
は非置換であってよい。したがって、「ヘテロアリール基」という成句は、縮合環化合物
を含み、同様に、アルキル基など環員の1つに結合する他の基を有するヘテロアリール基
を含む。代表的な置換ヘテロアリール基は、上記で列挙されたものなどの様々な置換基で
1回または複数回置換されていてよい。
【0032】
ヘテロシクリルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、上記で定義される
通りのヘテロシクリル基への結合と置き換えられた、上記で定義される通りのアルキル基
である。ヘテロシクリルアルキル基は、置換または非置換であってよい。置換ヘテロシク
リルアルキル基は、該基のアルキル部分、ヘテロシクリル部分、またはアルキル部分およ
びヘテロシクリル部分の両方で置換されていてよい。代表的なヘテロシクリルアルキル基
としては、以下に限定されないが、モルホリン-4-イル-エチル、フラン-2-イル-
メチル、イミダゾール-4-イル-メチル、ピリジン-3-イル-メチル、テトラヒドロ
フラン-2-イル-エチルおよびインドール-2-イル-プロピルが挙げられる。代表的
な置換ヘテロシクリルアルキル基は、上記で列挙されたものなどの置換基で1回または複
数回置換されていてよい。
【0033】
ヘテロアラルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、上記で定義される通りの
ヘテロアリール基への結合と置き換えられた、上記で定義される通りのアルキル基である
。ヘテロアラルキル基は、置換または非置換であってよい。置換ヘテロアラルキル基は、
該基のアルキル部分、ヘテロアリール部分、またはアルキル部分およびヘテロアリール部
分の両方で置換されていてよい。代表的な置換ヘテロアラルキル基は、上記で列挙された
ものなどの置換基で1回または複数回置換されていてよい。
【0034】
本発明の技術の化合物内に2つ以上の付着点(即ち、二価、三価または多価)を有する
本明細書に記載される基は、「エン」という接尾辞の使用によって指定される。例えば、
二価のアルキル基はアルキレン基であり、二価のアリール基はアリーレン基であり、二価
のヘテロアリール基は二価のヘテロアリーレン基であり、以下同様である。本発明の技術
の化合物に対して単一の付着点を有する置換された基は、「エン」という名称を使用して
言及されない。したがって、例えばクロロエチルは、本明細書ではクロロエチレンとは言
わない。こうした基は、さらに置換されていてもよいし、または非置換であってよい。
【0035】
アルコキシ基は、水素原子への結合が、上記で定義される通りの置換または非置換アル
キル基の炭素原子への結合によって置き換えられたヒドロキシル基(-OH)である。線
状アルコキシ基の例としては、以下に限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ
、ブトキシ、ペントキシおよびヘキソキシなどが挙げられる。分岐アルコキシ基の例とし
ては、以下に限定されないが、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ
、イソペントキシおよびイソヘキソキシなどが挙げられる。シクロアルコキシ基の例とし
ては、以下に限定されないが、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペン
チルオキシおよびシクロヘキシルオキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、置換または
非置換であってよい。代表的な置換アルコキシ基は、上記で列挙されたものなどの置換基
で1回または複数回置換されていてよい。
【0036】
「アルカノイル」および「アルカノイルオキシ」という用語は、本明細書で使用される
場合、それぞれ、-C(O)-アルキル基および-O-C(O)-アルキル基を指すこと
ができ、ここで、一部の実施形態において、アルカノイル基またはアルカノイルオキシ基
は各々、2~5個の炭素原子を含有する。同様に、「アリーロイル」および「アリーロイ
ルオキシ」という用語は、それぞれ、-C(O)-アリール基および-O-C(O)-ア
リール基を指す。
【0037】
「アリールオキシ」および「アリールアルコキシ」という用語は、それぞれ、酸素原子
に結合した置換または非置換のアリール基、およびアルキルで酸素原子に結合した置換ま
たは非置換のアラルキル基を指す。例としては、以下に限定されないが、フェノキシ、ナ
フチルオキシおよびベンジルオキシが挙げられる。代表的な置換アリールオキシおよびア
リールアルコキシ基は、上記で列挙されたものなどの置換基で1回または複数回置換され
ていてよい。
【0038】
「カルボン酸」という用語は、本明細書で使用される場合、-C(O)OH基を有する
化合物を指す。「カルボキシレート」という用語は、本明細書で使用される場合、-C(
O)O-基を指す。「保護カルボキシレート」は、-C(O)O-Gを指し、ここで、G
はカルボキシレート保護基である。カルボキシレート保護基は、当業者周知である。カル
ボキシレート基官能性のための保護基の広範なリストは、Protective Gro
ups in Organic Synthesis、Greene、T.W.;Wut
s、P.G.M.、John Wiley&Sons、New York、NY、(第3
版、1999)において見出すことができ、これは、そこで説明される手順を使用して付
加または除去することができ、本明細書において詳細に説明されたかのように参照により
それ全体でならびにありとあらゆる目的で本明細書によって組み込まれる。
【0039】
「エステル」という用語は、本明細書で使用される場合、-COOR70基を指す。R
70は、本明細書で定義される通りの置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基
、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロシクリルアルキル基
またはヘテロシクリル基である。
【0040】
「アミド(amide)」(または「アミド(amido)」)という用語は、C-お
よびN-アミド基、即ち、それぞれ-C(O)NR71R72基および-NR71C(O
)R72基を含む。R71およびR72は独立して、水素、または本明細書で定義される
通りの置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基、ヘテロシクリルアルキル基もしくはヘテロシクリル基で
ある。アミド基はそのため、以下に限定されないが、カルバモイル基(-C(O)NH2
)およびホルムアミド基(-NHC(O)H)を含む。一部の実施形態において、アミド
は、-NR71C(O)-(C1~5アルキル)であり、該基は、「カルボニルアミノ」
と名付けられ、他の実施形態において、アミドは-NHC(O)-アルキルであり、該基
は「アルカノイルアミノ」と名付けられる。
【0041】
「ニトリル」または「シアノ」という用語は、本明細書で使用される場合、-CN基を
指す。
【0042】
ウレタン基は、N-およびO-ウレタン基、即ち、それぞれ-NR73C(O)OR7
4基および-OC(O)NR73R74基を含む。R73およびR74は独立して、本明
細書で定義される通りの置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロシクリルアルキル基またはヘテロ
シクリル基である。R73は、Hであってもよい。
【0043】
「アミン」(または「アミノ」)という用語は、本明細書で使用される場合、-NR7
5R76基を指し、ここで、R75およびR76は独立して、水素、または本明細書で定
義される通りの置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロシクリルアルキル基もしくはヘテロシク
リル基である。一部の実施形態において、アミンは、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ
、アリールアミノまたはアルキルアリールアミノである。他の実施形態において、アミン
は、NH2、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピル
アミノ、イソプロピルアミノ、フェニルアミノまたはベンジルアミノである。
【0044】
「スルホンアミド」という用語は、S-およびN-スルホンアミド基、即ち、それぞれ
-SO2NR78R79基および-NR78SO2R79基を含む。R78およびR79
は独立して、水素、または本明細書で定義される通りの置換もしくは非置換のアルキル基
、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ
シクリルアルキル基もしくはヘテロシクリル基である。スルホンアミド基はそのため、以
下に限定されないが、スルファモイル基(-SO2NH2)を含む。本明細書における一
部の実施形態において、スルホンアミドは-NHSO2-アルキルであり、「アルキルス
ルホニルアミノ」基と称される。
【0045】
「チオール」という用語は-SH基を指し、一方、スルフィドは-SR80基を含み、
スルホキシドは-S(O)R81基を含み、スルホンは-SO2R82基を含み、スルホ
ニルは-SO2OR83を含む。R80、R81、R82およびR83は各々独立して、
本明細書で定義される通りの置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリールアラルキル基、ヘテロシクリル基またはヘテロシクリル
アルキル基である。一部の実施形態において、スルフィドは、アルキルチオ基、-S-ア
ルキルである。
【0046】
「尿素」という用語は、-NR84-C(O)-NR85R86基を指す。R84基、
R85基およびR86基は独立して、水素、または本明細書で定義される通りの置換もし
くは非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基
、アラルキル基、ヘテロシクリル基もしくはヘテロシクリルアルキル基である。
【0047】
「アミジン」という用語は、-C(NR87)NR88R89および-NR87C(N
R88)R89を指し、ここで、R87、R88およびR89は各々独立して、水素、ま
たは本明細書で定義される通りの置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリールアラルキル基、ヘテロシクリル基もしくはヘテロ
シクリルアルキル基である。
【0048】
「グアニジン」という用語は、-NR90C(NR91)NR92R93を指し、ここ
で、R90、R91、R92およびR93は各々独立して、水素、または本明細書で定義
される通りの置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリールアラルキル基、ヘテロシクリル基もしくはヘテロシクリルアルキル基
である。
【0049】
「エナミン」という用語は、-C(R94)=C(R95)NR96R97および-N
R94C(R95)=C(R96)R97を指し、ここで、R94、R95、R96およ
びR97は、各々独立して、水素、本明細書で定義される通りの置換または非置換のアル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアラルキル基、ヘテ
ロシクリル基またはヘテロシクリルアルキル基である。
【0050】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、本明細書で使用される場合、臭素、塩素、
フッ素またはヨウ素を指す。一部の実施形態において、ハロゲンはフッ素である。他の実
施形態において、ハロゲンは塩素または臭素である。
【0051】
「ヒドロキシル」という用語は、本明細書で使用される場合、-OHまたはそれのイオ
ン形態-O-を指すことができる。
【0052】
「イミド」という用語は、-C(O)NR98C(O)R99を指し、ここで、R98
およびR99は各々独立して、水素、または本明細書で定義される通りの置換もしくは非
置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアラルキ
ル基、ヘテロシクリル基もしくはヘテロシクリルアルキル基である。
【0053】
「イミン」という用語は、-CR100(NR101)基および-N(CR100R1
01)基を指し、ここで、R100およびR101は各々独立して、水素、または本明細
書で定義される通りの置換もしくは非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリールアラルキル基、ヘテロシクリル基もしくはヘテロシクリルア
ルキル基であるが、R100およびR101は両方が同時に水素ではないという条件であ
る。
【0054】
「ニトロ」という用語は、本明細書で使用される場合、-NO2基を指す。
【0055】
「トリフルオロメチル」という用語は、本明細書で使用される場合、-CF3を指す。
【0056】
「トリフルオロメトキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、-OCF3を指
す。
【0057】
「アジド」という用語は、-N3を指す。
【0058】
「トリアルキルアンモニウム」という用語は、-N(アルキル)3基を指す。トリアル
キルアンモニウム基は、正に荷電されており、したがって、ハロゲンアニオンなどの関連
アニオンを典型的に有する。
【0059】
「トリフルオロメチルジアリジド」という用語は、
【0060】
【0061】
「イソシアノ」という用語は、-NCを指す。
【0062】
「イソチオシアノ」という用語は、-NCSを指す。
【0063】
「ペンタフルオロスルファニル」という用語は、-SF5を指す。
【0064】
当業者によって理解される通り、ありとあらゆる目的で、特に書面記載を提供する観点
から、本明細書で開示される全ての範囲は、ありとあらゆる可能なサブ範囲ならびにその
サブ範囲の組合せも包含する。いかなる列挙の範囲も、同範囲が少なくとも二等分、三等
分、四等分、五等分、十等分などに分割されると十分に記載および可能にしていると簡単
に認識することができる。非限定的な例として、本明細書において考察されている各範囲
は、下位三分の一、中位三分の一および上位三分の一などに容易に分割することができる
。その上当業者によって理解される通り、「最大」、「少なくとも」、「超」および「未
満」などの全ての言葉は、列挙されている数を含み、上記で考察した通りのサブ範囲に引
き続いて分割できる範囲を指す。最終的に、当業者によって理解される通り、範囲は各個
々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の原子を有する基は、1個、2個ま
たは3個の原子を有する基を指す。同様に、1~5個の原子を有する基は、1個、2個、
3個、4個または5個の原子を有する基を指し、以下同様である。
【0065】
本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩は、本発明の技術の範疇内であり
、所望の薬理活性を保持するとともに生物学的に望ましくないことがない酸または塩基付
加塩を含む(例えば、塩は、不当に毒性、アレルゲン性または刺激性ではなく、生体利用
可能である)。本発明の技術の化合物が、例えばアミノ基などの塩基性基を有する場合、
薬学的に許容される塩は、無機酸(塩酸、ヒドロホウ酸、硝酸、硫酸およびリン酸など)
、有機酸(例えば、アルギネート、ギ酸、酢酸、安息香酸、グルコン酸、フマル酸、シュ
ウ酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸)または酸性
アミノ酸(アスパラギン酸およびグルタミン酸など)で形成することができる。本発明の
技術の化合物が、例えばカルボン酸基などの酸性基を有する場合、それは、金属、例えば
アルカリ金属および土類アルカリ金属(例えば、Na+、Li+、K+、Ca2+、Mg
2+、Zn2+)、アンモニアまたは有機アミン(例えばジシクロヘキシルアミン、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン)または塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン
およびオルニチン)で塩を形成することができる。こうした塩は、化合物の単離および精
製中に、または精製化合物をそれの遊離塩基もしくは遊離酸形態で、それぞれ適当な酸も
しくは塩基と別々に反応させること、およびこうして形成された塩を単離することによっ
て、その場で調製することができる。
【0066】
当業者は、本発明の技術の化合物が、互変異性、立体配座異性、幾何異性および/また
は立体異性の現象を呈し得ることを認識されよう。本明細書および請求項内の式図が、可
能な互変異性体、立体配座異性体、立体化学または幾何異性体の形態の1つのみを表し得
る場合、本発明の技術は、本明細書に記載される有用性の1つまたは複数を有する化合物
の任意の互変異性体、立体配座異性体、立体化学および/または幾何異性体の形態、なら
びにこれらの様々な異なる形態の混合物を包含すると理解されるべきである。
【0067】
「互変異性体」は、互いに平衡状態である化合物の異性体形態を指す。異性体形態の存
在および濃度は、化合物が見出される環境に依存し、例えば化合物が固体であるかまたは
有機溶液もしくは水溶液であるかに依存して異なっていてよい。例えば、水溶液において
、キナゾリノンは、互いの互変異性体と称される以下の異性体形態:
【0068】
【化6】
を呈することができる。別の例として、グアニジンは、互いの互変異性体とも称される、
プロトン性有機溶液における以下の異性体形態:
【0069】
【0070】
構造式によって化合物を表す限度のため、本明細書に記載される化合物の全ての化学式
は、化合物の全ての互変異性体形態を表し、本発明の技術の範疇内であると理解されるべ
きである。
【0071】
化合物の立体異性体(光学異性体としても公知)は、特定の立体化学が明確に示されて
いない限り、構造の全てのキラル、ジアステレオマーおよびラセミ体の形態を含む。した
がって、本発明の技術において使用される化合物は、図示から明らかである通り、任意の
または全ての不斉原子で、富化または分割された光学異性体を含む。ラセミ混合物および
ジアステレオマー混合物の両方、ならびに個々の光学異性体は、それらのエナンチオマー
またはジアステレオマーのパートナーが実質的に無いように単離または合成することがで
き、これらの立体異性体は全て本発明の技術の範疇内である。
【0072】
本発明の技術の化合物は、溶媒和物、殊に水和物として存在することができる。水和物
は、化合物または化合物を含む組成物の製造中に形成することができるか、または水和物
は、化合物の吸湿性質により時間をかけて形成することができる。本発明の技術の化合物
は、とりわけDMF、エーテルおよびアルコール溶媒和物を含めて、同様に、有機溶媒和
物として存在することができる。任意の特別な溶媒和物の同定および調製は、合成有機ま
たは医薬品化学の当業者の技能内である。
【0073】
この開示の全体にわたって、様々な公報、特許および公開特許明細書は、識別引用によ
って参照される。その上、参照された引用を指すアラビア数字はこの開示内であり、この
完全な書誌詳細は、実施例内のセクションに提供される。これらの公報、特許および公開
特許明細書の開示は、より完全に本発明の技術を記載するために、本明細書によって参照
により本開示に組み込まれる。
【0074】
本発明の技術
一般に、吸収用量は累積活性の積分の関数であるので、正常の臓器中への許容できない
取込みがなく、より大きな程度まで腫瘍において蓄積する放射線治療化合物の必要がある
。さらに、標的化放射線治療は、放射性核種の大環状錯体を使用して少しの間実践されて
きたが、現在使用の大環状分子(例えば、DOTA)は、一般に、放射性核種、特に、よ
り大きいサイズの放射性核種、例えばアクチニウム、ラジウム、ビスマスおよび鉛同位体
などを有する不十分な安定性の錯体を形成する。これらのより大きい放射性核種は、一般
にアルファ放出放射性核種、即ち、はるかに高いエネルギーの放射性核種であり、したが
って、ベータ放出放射性核種よりも実質的に強力である。現在公知の大環状含有化合物の
不安定性は、大環状分子から放射性核種の解離をもたらし、これは、標的化組織に対する
選択性の欠如をもたらし、これは、非標的化組織に対する毒性ももたらす。
【0075】
本発明の技術は、これらの問題を克服して、特に、正常の臓器における許容できない取
込みがなく、より大きい程度まで腫瘍において蓄積する新たな三官能性化合物を提供する
。本発明の技術は、従来技術のものよりも実質的に安定である大環状錯体も含み、ベータ
放射性核種の代わりにアルファ放出放射性核種の使用を提供する。したがって、本発明の
技術の化合物は、有利には、非標的化組織に対して従来の錯体よりも実質的に少ない毒性
で、より有効にがん細胞を標的化する。さらに、新たな錯体は、有利には、放射性核種を
用いる錯体化のために昇温(例えば、少なくとも80℃)を一般に必要とするDOTA型
錯体と対照的に、室温で生成することができる。
【0076】
したがって、本発明の技術の一態様において、式I:
【0077】
【化8】
(式中、
ABDは、抗原結合ドメインであり;
W
1は、-C(O)-、-(CH
2)
n-または-(CH
2)
o-NH
2-C(O)-
であり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【0078】
【化9】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
X
1は、非存在、O、SまたはNHであり;
L
1は、非存在、-C(O)-、-C(O)-NR
4-、-C(O)-NR
5-C
1~
C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-C(O)-NR
6-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-アリーレン-、-O(CH
2CH
2O)
r-CH
2CH
2C(O)-、アミノ酸、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もし
くは10個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここ
で、rは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
4、R
5およびR
6
は、各々独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Toxは、細胞毒含有および/または画像化剤含有ドメインであり;
L
2は、非存在、-C(O)-、-(CH
2CH
2O)
s-CH
2CH
2C(O)-、
2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、
14個、15個、16個、17個、18個、19個もしくは20個のアミノ酸のペプチド
、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここで、sは、0、1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または1
9であり;
Albは、アルブミン結合部分であり;
mは、0または1であり;nは、1または2であり;oは、1または2であり;pは、
0、1、2または3であり、ただしpが0である場合、X
1は非存在であり;qは、1ま
たは2である)
の化合物またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物が提供される。
【0079】
明確にするため、本発明の技術の化合物において、X1、L1およびL2などの二価の
基を参照して「非存在」という用語は、二価の基の代わりに結合があることを意味する。
例えば、L1が「非存在」である場合、R1、R2およびR3の1つは、
【0080】
【0081】
抗原結合ドメインは、細胞の表面上の分子標的を認識できるまたはそれと相互作用でき
る部分を含む。これらの分子標的は、受容体、酵素および抗原などの細胞表面タンパク質
を含む。例えば、分子標的は、抗原結合ドメインと相互作用できる腫瘍細胞表面(腫瘍特
異的細胞表面タンパク質など)上に発現される受容体、酵素および/または抗原であって
よい。こうした腫瘍標的部分の例は、ほとんどの前立腺がん細胞の表面上に発現される前
立腺特異的膜抗原(PSMA)によって認識されるグルタメート-尿素-リジンモチーフ
である。別の例は、多くの神経内分泌がんの表面上に発現されるソマトスタチン受容体に
よって認識されるエドトレオチドである。したがって、本明細書における任意の実施形態
の抗原結合ドメインは、PSMA、ソマトスタチンペプチド受容体-2(SSTR2)、
ソマトスタチンペプチド受容体-5(SSTR5)、インテグリン(例えば、アルファv
ベータ6、アルファvベータ3および/またはアルファvベータ5)、ガストリン放出ペ
プチド受容体、セプラーゼ、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP-アルファ)
、インクレチン受容体、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド受容体、VIP
-1、NPY、葉酸受容体、LHRH、ニューロントランスポーター(例えば、ノルアド
レナリントランスポーター(NET))、EGFR、HER-2、VGFR、MUC-1
、CEA、MUC-4、ED2、TF抗原、内皮特異的マーカー、ニューロペプチドY、
uPAR、TAG-72、CCK類似体、VIP、ボンベシン、VEGFR、GLP-1
、CXCR4、ヘプシン、TMPRSS2、カスパーゼおよびcMETの1つまたは複数
に結合できる部分を含むことができる。
【0082】
アルブミン結合部分は、対象における化合物の血中血漿クリアランスの速度をモジュレ
ートする際に役割を果たし、それによって、抗原を発現することができる正常の臓器およ
び組織の代わりに血漿空間において、循環時間を増加させ、細胞毒含有ドメインの細胞毒
性作用および/または画像化剤含有ドメインの画像化能力を区分けする。理論によって束
縛されることなく、該構造のこの構成成分は、血清タンパク質、例えばアルブミンおよび
/または細胞要素と可逆的に相互作用すると思われる。血液の血漿または細胞構成成分に
対するこのアルブミン結合部分の親和性は、対象の血液プールにおける化合物の残留時間
に影響するように構成することができる。本明細書における任意の実施形態において、ア
ルブミン結合部分は、それが血中血漿中の場合にアルブミンと可逆的または非可逆的に結
合するように構成することができる。本明細書における任意の実施形態において、アルブ
ミン結合部分は、ヒト血清アルブミンを有する化合物の結合親和性が約5μMから約15
μMになるように選択されることができる。
【0083】
例として、本明細書における任意の実施形態のアルブミン結合部分は、短鎖脂肪酸、中
鎖鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸、ミリスチン酸、置換もしくは非置換のインドール-2-カルボ
ン酸、置換もしくは非置換の4-オキソ-4-(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレ
ン-2-イル)ブタン酸、置換もしくは非置換のナフタレンアシルスルホンアミド、置換
もしくは非置換のジフェニルシクロヘキサノールホスフェートエステル、置換もしくは非
置換の2-(4-ヨードフェニル)酢酸、置換もしくは非置換の3-(4-ヨードフェニ
ル)プロピオン酸、または置換もしくは非置換の4-(4-ヨードフェニル)ブタン酸を
含むことができる。本明細書における任意の実施形態において含むことができるアルブミ
ン結合部分のある特定の代表例としては、以下:
【0084】
【0085】
本明細書における任意の実施形態において、化合物は、
【0086】
【化12】
であるアルブミン結合部分を含むことができ、式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4およびY
5
は独立して、H、ハロまたはアルキルであり、X
3、X
4、X
5およびX
6は、各々独立
して、OまたはSであり、aは、独立して各出現で、0、1または2であり、bは、独立
して各出現で、0または1であり、cは、独立して各出現で、0または1であり、dは、
独立して各出現で、0、1、2、3または4である。本明細書における任意の実施形態に
おいて、bおよびcは、同じ値であり得ないことがある。本明細書における任意の実施形
態において、Y
3はIであり、Y
1、Y
2、Y
4およびY
5の各々は、独立してHである
ことがある。
【0087】
上記で考察した通り、式IのTox基は、細胞毒含有および/または画像化剤含有ドメ
イン、例えば細胞毒性化学部分、金属イオンを含むことができる部分、キレーター、金属
イオン保有部分、またはそれらの任意の2つ以上の組合せである。金属イオンを(金属イ
オンのキレート化によって、および/または金属イオンとの共有結合を介してなどで)含
められる部分を含む化合物の例として、本明細書における任意の実施形態において、式I
の化合物は、式II:
【0088】
【化13】
(式中、
W
1、X
1、L
1、L
2、r、s、m、nおよびo(および任意の他の可変物)は、式
Iの本明細書における任意の実施形態のために提供した通りであり;
P
1、P
2およびP
3は、各々独立して、H、メチル、ベンジル、4-メトキシベンジ
ルまたはtert-ブチルであり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【0089】
【化14】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
Radは、金属イオンを含むことができる、任意選択で、金属イオンをさらに含むこと
ができる部分であり;pは、0、1、2または3であり、ただしpが0である場合、X
1
は非存在であり;qは、1または2である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物であってよい。
【0090】
本明細書における任意の実施形態において、P1、P2およびP3は、各々独立して、
Hであることがある。
【0091】
式IIの化合物におけるRadは、金属イオンを含むことがあるまたはなく、ここで、
化合物は金属イオンを含まない。本明細書における任意の実施形態において、Toxおよ
び/またはRadは、キレーターを含むことができ;本明細書における任意の実施形態に
おいて、Toxおよび/またはRadは、金属イオンをキレート化するキレーターを含む
ことができる。こうしたキレート化金属イオンは、例えば、磁気共鳴画像法、発光イメー
ジング、放射線治療、またはそれらの任意の2つ以上の組合せにおいて使用することがで
きる本発明の技術の化合物を提供することができる。Toxおよび/またはRadのため
の本明細書における任意の実施形態の金属イオンは、放射性核種、例えば177Lu3+
、175Lu3+、45Sc3+、66Ga3+、67Ga3+,68Ga3+、69G
a3+,71Ga3+、89Y3+,86Y3+、89Zr4+、90Y3+、99mT
c+1、111In3+、113In3+、115In3+、139La3+、136C
e3+、138Ce3+、140Ce3+、142Ce3+、151Eu3+、153E
u3+、152Dy3+、149Tb3+、159Tb3+、154Gd3+、155G
d3+、156Gd3+、157Gd3+、158Gd3+、160Gd3+、188R
e+1、186Re+1、213Bi3+、211At+、217At+、227Th4
+、226Th4+、225Ac3+、233Ra2+、152Dy3+、213Bi3
+、212Bi3+、211Bi3+、212Pb2+、212Pb4+、255Fm3
+、またはウラン-230であってよい。例えば、金属イオンは、213Bi3+、21
1At+、225Ac3+、152Dy3+、212Bi3+、211Bi3+、217
At+、227Th4+、226Th4+、233Ra2+、212Pb2+および21
2Pb4+から選択されるアルファ放出放射性核種であってよい。
【0092】
本発明の技術の任意の実施形態において有用なキレーターとしては、以下に限定されな
いが、以下のグループの、共有結合的にコンジュゲートされた置換または非置換のキレー
ターが挙げられる:
1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸(NOTA)、
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA
)、
p-SCN-Bn-DOTA(2B-DOTA-NCSとしても公知)、
PIP-DOTA、
ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、
PIP-DTPA、
AZEP-DTPA、
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
トリエチレンテトラアミン-N,N,N’,N”,N’’’,N’’’-ヘキサ-酢酸
(TTHA)、
7-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-4,10-ビス-カルボキ
シメチル-1,4,7,10-テトラアザ-シクロドデカ-1-イル-酢酸(DEPA)
、
2,2’,2”,-(10-(2-(ビス(カルボキシメチル)アミノ)-5-(4-
イソチオシアナトフェニル)ペンチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン
-1,4,7-トリイル)三酢酸(3p-C-DEPA-NCS)、
NETA、
{4-カルボキシメチル-7-[2-(カルボキシメチルアミノ)-エチル]-ペルヒ
ドロ-1,4,7-トリアゾニン-1-イル}-酢酸(NPTA)、
ジアセチルピリジンビス(ベンゾイルヒドラゾン)、
1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン-N,N’,N”,N
’’’,N’’’’,N’’’’’-ヘキサ酢酸(HEHA)、
オクタデンテートテレフタルアミドリガンド、
シデロフォア、
2,2’-(4-(2-(ビス(カルボキシメチル)アミノ)-5-(4-イソチオシ
アナトフェニル)ペンチル)-10-(2-(ビス(カルボキシメチル)アミノ)エチル
)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,7-ジイル)二酢酸、
N,N’-ビス[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-4,13-ジアザ-1
8-クラウン-6(H2macropa)、
6-((16-((6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル)-1,4,10,1
3-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル)-4-イ
ソチオシアナトピコリン酸(macropa-NCS)、および
3,9-カルボキシメチル-6-(2-メトキシ-5-イソチオシアナトフェニル)カ
ルボキシメチル-3,6,9,15-テトラアザビシクロ-[9.3.1]ペンタデカ-
1(15),11,13-トリエン。
【0093】
この例証的なグループのある特定のメンバーは、下記に例示される。
【0094】
【0095】
「共有結合的にコンジュゲートされた」キレーターは、そこに含有される水素原子への
1つまたは複数の結合が、TOXおよび/もしくはRAD部分の残部の原子への、L1へ
のおよび/またはL2への結合によって置き換えられているか、あるいは2個の原子の間
のpi結合が、2個の原子の1つからTOXおよび/もしくはRAD部分の残部の原子へ
の、L1へのおよび/またはL2への結合によって置き換えられており、2個の原子の他
方が、例えば水素への新たな結合を含むキレーター(上記で列挙されたものなど)を意味
すると理解されるべきである(例えば、キレーター中の-NCS基の反応で、共有結合的
にコンジュゲートされるキレーターを提供する)。
【0096】
共有結合的にコンジュゲートされたキレーターを含むTox基および/またはRad基
は、本明細書における任意の実施形態において、
【0097】
【化16】
によって表すことができ、式中、L
3は、非存在、-C(O)-、-C
1~C
12アルキ
レン-、-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-C
1~C
12アルキレン-NR
10
-または-アリーレン-であり;R
10は、H、アルキルまたはアリールであり、CHE
Lは、本明細書に記載される任意の実施形態のキレート化金属イオンを含むことがあるま
たはない共有結合的にコンジュゲートされたキレーターである。例えば、こうしたTox
基を有する式Iの化合物またはこうしたRad基を有する式IIの化合物は、R
1、R
2
およびR
3の1つが
【0098】
【化17】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つが、各々、Hであり;L
3が非存在、-C(
O)-、-C
1~C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-C
1
~C
12アルキレン-NR
10-または-アリーレン-であり;R
10が、H、アルキル
またはアリールであり;CHELが、任意選択でキレート化金属イオンを含む共有結合的
にコンジュゲートされたキレーターである化合物であってよい。
【0099】
別の例として、こうしたRad基を有する式IIの化合物は、式III
【0100】
【化18】
の化合物またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物であってよく、式中
、
W
1、X
1、L
1、L
2、P
1、P
2、P
3、r、s、m、n、o、p、q(および任
意の他の可変物)は、式IおよびIIの本明細書における任意の実施形態のために提供し
た通りであり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【0101】
【化19】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;L
3は、非存在、-C(
O)-、-C
1~C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-C
1
~C
12アルキレン-NR
10-または-アリーレン-であり;R
10は、H、アルキル
またはアリールであり;CHELは、任意選択でキレート化金属イオンを含む共有結合的
にコンジュゲートされたキレーターである。
【0102】
本明細書における任意の実施形態において、L1は、-O(CH2CH2O)r-CH
2CH2C(O)-、アミノ酸、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もし
くは10個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであってよい
。本明細書における任意の実施形態において、L1は、-O(CH2CH2O)r-CH
2CH2C(O)-、グリシン、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もし
くは10個のグリシン残基で構成されるポリグリシン、またはそれらの任意の2つ以上の
組合せであってよい。
【0103】
本明細書における任意の実施形態において、L2は、-C(O)-、-(CH2CH2
O)s-CH2CH2C(O)-、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、
10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個も
しくは20個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであってよ
い。本明細書における任意の実施形態において、L2は、-C(O)-、-(CH2CH
2O)s-CH2CH2C(O)-、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個
、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個
もしくは20個のアミノ酸で構成されるポリグリシン、またはそれらの任意の2つ以上の
組合せであってよい。
【0104】
本発明の技術は、本明細書で開示される式I、II、およびIIIの化合物(またはそ
の薬学的に許容される塩)の実施形態の1つのいずれか、ならびに薬学的に許容される担
体あるいは1種もしくは複数の賦形剤または充填剤(別段に特定されていない限り「薬学
的に許容される担体」と集団的に称される)を含む組成物および医薬も提供する。該組成
物は、本明細書に記載される方法および処置に使用することができる。本発明の技術は、
状態を画像化および/または処置するために、薬学的に許容される担体ならびに式I~I
IIの化合物の態様および実施形態のいずれか一項に記載の化合物の有効量を含む医薬組
成物も提供し;ここで、状態は、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌
腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、
膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および/また
は前立腺がんを含むことができる。例えば、こうした状態は、PSMAを過剰発現する哺
乳動物組織、例えばPSMAを発現するがん(がん組織、がん関連の新生脈管構造、また
はその組合せを含める)、クローン病またはIBDを含むことができる。
【0105】
さらなる関連態様において、式I~IIIの化合物の態様および実施形態のいずれか一
項に記載の化合物を対象に投与すること(例えば、有効量を投与することなど)または式
I~IIIの化合物の態様および実施形態のいずれか一項に記載の化合物の有効量を含む
医薬組成物を投与すること、および投与に続いて、ポジトロン放出を検出すること、ポジ
トロンの放出および消滅からのガンマ線を検出すること(ポジトロン放出断層撮影法によ
るなど)および/またはポジトロン放出によるチェレンコフ放射線を検出すること(チェ
レンコフ発光画像化によるなど)を含む画像化方法が提供される。画像化方法の任意の実
施形態において、対象は、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子
宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱が
ん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫、前立腺がん、PS
MAを過剰発現する哺乳動物組織、例えばPSMAを発現するがん(がん組織、がん関連
の新生脈管構造、またはその組合せを含める)、クローン病またはIBDを含む状態を患
っている疑いがあり得る。検出ステップは、例えばPSMAを過剰発現する哺乳動物組織
を除去するための対象への外科手順中に発生することがある。検出ステップは、検出ステ
ップを行うためにハンドヘルド素子の使用を含むことができる。例えば、チェレンコフ発
光画像は、電子倍増電荷結合素子(EMCCD)カメラなどの超高感度光学カメラを使用
して、チェレンコフ光を検出することによって獲得することができる。
【0106】
上記実施形態のいずれかにおいて、有効量は、対象に関して決定することができる。「
有効量」は、所望の効果を生成するのに必要とされる組成物または化合物の量を指す。有
効量の1つの非限定的な例としては、以下に限定されないが、例えば、神経膠腫、乳がん
、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌
腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸
直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの処置を含めて治療的(医薬的)使用のための
許容される毒性および生物学的利用能のレベルを生じさせる量または投与量が挙げられる
。有効量の別の例としては、例えば増殖および/または転移の低減など、例えば、神経膠
腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転
移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、
原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫または前立腺がんと関連した症状を低減できる量また
は投与量が挙げられる。本発明の技術の化合物の有効量は、以下に限定されないが、神経
膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、
転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫
、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫または前立腺がん(去勢抵抗性前立腺がんなど)の
1つまたは複数を含めて、目的の標的への化合物の結合の検出を可能にするのに十分な量
を含むことができる。有効量の別の例としては、例えばバックグラウンドを超える統計的
に有意な放出など、PSMAを過剰発現する組織を有する対象において(バックグラウン
ドを超える)ポジトロンの放出および消滅からの検出可能なガンマ線放出を提供できる量
または投与量が挙げられる。有効量の別の例としては、例えばバックグラウンドを超える
統計的に有意な放出など、PSMAを過剰発現する組織を有する対象においてバックグラ
ウンドを超えるポジトロン放出による検出可能なチェレンコフ放射線放出を提供できる量
または投与量が挙げられる。有効量は、組成物の1グラム当たり約0.01μgから約1
mgの化合物、好ましくは組成物の1グラム当たり約0.1μgから約500μgの化合
物であり得る。
【0107】
本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」は、ネコ、イヌ、げっ歯類または
霊長類などの哺乳動物である。典型的に、対象は、ヒト、好ましくは、神経膠腫、乳がん
、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌
腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸
直腸腺癌腫、腎細胞癌腫または前立腺がんを患っているまたは患っている疑いがあるヒト
である。「対象」および「患者」という用語は、相互交換可能に使用することができる。
【0108】
特に、PSMAを過剰発現するがんおよび/または哺乳動物組織を処置するための本明
細書における任意の実施形態の化合物の有効量は、対象の重さ1キログラム当たり約0.
1μgから約50μgであり得る。したがって、がん(例えば、神経膠腫、乳がん、副腎
皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非
小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺
癌腫、腎細胞癌腫、前立腺がんおよび/または去勢抵抗性前立腺がん)および/またはP
SMAを過剰発現する哺乳動物組織を処置するため;本明細書に記載される任意の実施形
態の化合物の有効量は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/kg
、約0.4μg/kg、約0.5μg/kg、約0.6μg/kg、約0.7μg/kg
、約0.8μg/kg、約0.9μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μ
g/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μ
g/kg、約9μg/kg、約10μg/kg、約11μg/kg、約12μg/kg、
約13μg/kg、約14μg/kg、約15μg/kg、約16μg/kg、約17μ
g/kg、約18μg/kg、約19μg/kg、約20μg/kg、約22μg/kg
、約24μg/kg、約26μg/kg、約28μg/kg、約30μg/kg、約32
μg/kg、約34μg/kg、約36μg/kg、約38μg/kg、約40μg/k
g、約42μg/kg、約44μg/kg、約46μg/kg、約48μg/kg、約5
0μg/kg、またはこれらの値の任意の2つの間を含めたおよび/もしくはその中間の
任意の範囲であり得る。
【0109】
特に、がん、および/またはPSMAを過剰発現する哺乳動物組織を画像化するための
本明細書における任意の実施形態の化合物の有効量は、対象の重さ1キログラム当たり約
0.1μgから約50μgであり得る。したがって、がん(例えば、神経膠腫、乳がん、
副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫
、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直
腸腺癌腫、腎細胞癌腫、前立腺がんおよび/または去勢抵抗性前立腺がん)および/また
はPSMAを過剰発現する哺乳動物組織を処置するため;本明細書に記載される任意の実
施形態の化合物の有効量は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.3μg/
kg、約0.4μg/kg、約0.5μg/kg、約0.6μg/kg、約0.7μg/
kg、約0.8μg/kg、約0.9μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約
3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約
8μg/kg、約9μg/kg、約10μg/kg、約11μg/kg、約12μg/k
g、約13μg/kg、約14μg/kg、約15μg/kg、約16μg/kg、約1
7μg/kg、約18μg/kg、約19μg/kg、約20μg/kg、約22μg/
kg、約24μg/kg、約26μg/kg、約28μg/kg、約30μg/kg、約
32μg/kg、約34μg/kg、約36μg/kg、約38μg/kg、約40μg
/kg、約42μg/kg、約44μg/kg、約46μg/kg、約48μg/kg、
約50μg/kg、またはこれらの値の任意の2つの間を含めたおよび/もしくはその中
間の任意の範囲であり得る。
【0110】
本発明の技術の化合物は、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、
子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱
がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫、前立腺がん、ま
たはPSMAを過剰発現する哺乳動物組織の画像化および/または処置において有用であ
り得る他の従来の画像化剤と一緒に患者に投与することもできる。こうした哺乳動物組織
は、以下に限定されないが、PSMAを発現するがん(がん組織、がん関連の新生脈管構
造、またはその組合せを含める)、クローン病またはIBDを含む。したがって、本発明
の技術の医薬組成物および/または方法は、式I~IIIの化合物と異なる画像化剤をさ
らに含むことができ;本発明の技術の医薬組成物および/または方法は、式I~IIIの
化合物と異なる処理剤を含むことができ;本発明の技術の医薬組成物および/または方法
は、式I~IIIの化合物の任意の実施形態に従った画像化剤、およびその上式I~II
Iの化合物の任意の実施形態に従った治療剤をさらに含むことができる。式I、IIおよ
び/またはIIIの化合物の任意の実施形態に従った化合物は、治療剤および画像化剤の
両方であってよい。投与は、経口投与、非経口投与または経鼻投与を含むことができる。
これらの実施形態のいずれかにおいて、投与は、皮下注入、静脈内注入、腹腔内注入また
は筋肉内注入を含むことができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、投与は経口投
与を含むことができる。本発明の技術の方法は、PSMAを過剰発現する哺乳動物組織の
画像化に潜在的または相乗的に有効であり得る量で従来の画像化剤を逐次にまたは本発明
の技術の1種または複数の化合物との組合せのいずれかで投与することも含むことができ
る。
【0111】
本明細書に記載される本発明の技術の実施形態のいずれかにおいて、医薬組成物は、単
位剤形に包装することができる。単位剤形は、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸
癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小
細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫
および/または前立腺がんを処置するのに有効である。一般に、本発明の技術の化合物を
含めた単位投与量は、患者への考慮に依存して変動する。こうした考慮としては、例えば
、年齢、プロトコール、状態、性別、疾患の程度、禁忌および併用治療などが挙げられる
。これらの考慮に基づく例証的単位投与量は、当技術分野における熟練した医師によって
調整または修正することもできる。例えば、本発明の技術の化合物を含む患者用の単位投
与量は、1×10-4g/kgから1g/kg、好ましくは、1×10-3g/kgから
1.0g/kgに変動することができる。本発明の技術の化合物の投与量は、0.01m
g/kgから100mg/kg、または好ましくは0.1mg/kgから10mg/kg
に変動することもできる。適当な単位剤形としては、以下に限定されないが、粉末、錠剤
、丸剤、カプセル、ロゼンジ、坐剤、パッチ、経鼻スプレー、注入可能な移植可能徐放性
製剤、粘膜接着フィルム、局所ワニス、脂質複合体などが挙げられる。
【0112】
該医薬組成物は、がん(例えば、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰
癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん
、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立
腺がん)と関連する障害を予防および処置するために、式I、IIおよびIIIの1種も
しくは複数の化合物、その薬学的に許容される塩、その立体異性体、その互変異性体、ま
たはその溶媒和物を、薬学的に許容される担体、賦形剤、バインダーまたは希釈剤などと
混合することによって調製することができる。本明細書に記載される化合物および組成物
は、例えば、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、
原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん
、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんを処置する製剤
および医薬を調製するために使用することができる。こうした組成物は、例えば、顆粒、
粉末、錠剤、カプセル、シロップ、坐剤、注入、エマルジョン、エリキシル、懸濁液また
は溶液の形態であってよい。即時組成物は、例えば、経口、非経口、局所的、直腸、経鼻
、腟内の投与によるまたは埋め込みリザーバーを介する様々な投与経路用に製剤化するこ
とができる。非経口または全身的投与としては、以下に限定されないが、皮下、静脈内、
腹腔内および筋肉内の注入が挙げられる。以下の剤形は、例として示されており、本発明
の技術を限定すると解釈されるべきでない。
【0113】
経口、頬側および舌下の投与のため、粉末、懸濁液、顆粒、錠剤、丸剤、カプセル、ジ
ェルキャップおよびカプレットが固体剤形として許容される。これらは、例えば、本発明
の技術の1種または複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体
を、少なくとも1種の添加剤、例えばデンプンまたは他の添加剤と混合することによって
調製することができる。適当な添加剤は、スクロース、ラクトース、セルロース糖、マン
ニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン、寒天、アルギネート、キチン、キト
サン、ペクチン、トラガカントガム、アラビアガム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、
アルブミン、合成もしくは半合成のポリマーまたはグリセリドである。任意選択で、経口
剤形は、投与に役立つ他の成分、例えば不活性希釈液、または滑沢剤、例えばステアリン
酸マグネシウム、または保存料、例えばパラベンもしくはソルビン酸、または酸化防止剤
、例えばアスコルビン酸、トコフェロールもしくはシステイン、崩壊剤、バインダー、増
粘剤、緩衝液、甘味料、香味剤、または香剤を含有することができる。錠剤および丸剤は
、当技術分野において公知の適当なコーティング材料でさらに処理することができる。
【0114】
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、シロップ、エリキシ
ル、懸濁液および溶液の形態であってよく、水などの不活性希釈液を含有することができ
る。医薬製剤および医薬は、以下に限定されないが、滅菌液体、例えば油、水、アルコー
ル、およびこれらの組合せを使用して、液体懸濁液または溶液として調製することができ
る。薬学的に適当な界面活性剤、懸濁剤、乳化剤は、経口または非経口投与のために添加
することができる。
【0115】
上で注記した通り、懸濁液は油を含むことができる。こうした油としては、以下に限定
されないが、落花生油、ゴマ油、綿実油、コーン油およびオリーブ油が挙げられる。懸濁
液調製物は、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリドおよびア
セチル化脂肪酸グリセリドなどの脂肪酸のエステルを含有することもできる。懸濁液製剤
は、以下に限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコ
ール、グリセロールおよびプロピレングリコールなどのアルコールを含むことができる。
エーテル、例えば以下に限定されないが、ポリ(エチレングリコール)、石油炭化水素、
例えば鉱物油およびワセリン;ならびに水も懸濁液製剤中に使用することができる。
【0116】
注入可能な剤形は、一般に、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して調製す
ることができる水性懸濁液または油懸濁液を含む。注入可能な形態は、溶液相で、または
溶媒もしくは希釈液を用いて調製される懸濁液の形態であってよい。許容される溶媒また
はビヒクルは、滅菌水、リンゲル液または等張性生理食塩水溶液を含む。代替として、滅
菌油は、溶媒または懸濁剤として用いることができる。典型的に、油または脂肪酸は、天
然または合成の油、脂肪酸、モノ-、ジ-またはトリ-グリセリドを含めて、不揮発性で
ある。
【0117】
注入のために、医薬製剤および/または医薬は、上に記載した通りの適切な溶液を用い
る再構成に適当な粉末であってよい。これらの例としては、以下に限定されないが、凍結
乾燥、回転乾燥もしくはスプレー乾燥させた粉末、非晶質粉末、顆粒、沈殿物または微粒
子が挙げられる。注入のために、製剤は、任意選択で、安定剤、pH調整剤、界面活性剤
、生物学的利用能調整剤、およびこれらの組合せを含有することができる。
【0118】
本発明の技術の化合物は、鼻または口を介する吸入によって肺に投与することができる
。吸入のための適当な医薬製剤は、任意の適切な溶媒、ならびに任意選択で他の化合物、
例えば、以下に限定されないが、安定剤、抗微生物剤、抗酸化剤、pH調整剤、界面活性
剤、生物学的利用能調整剤、およびこれらの組合せを含有する溶液、スプレー、乾燥粉末
またはエアロゾルを含む。担体および安定剤は、特別な化合物の要件で変動するが、典型
的に、非イオン性界面活性剤(ツイーン、プルロニックまたはポリエチレングリコール)
、血清アルブミンのような無害なタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチ
ン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝液、塩、糖または糖アルコールを含む。水性および非
水性(例えば、フッ化炭素噴霧剤中)エアロゾルは、典型的に、吸入による本発明の技術
の化合物の送達のために使用される。
【0119】
上に記載したそれらの代表的剤形の他に、薬学的に許容される賦形剤および担体は、当
業者に一般に公知であり、したがって、本発明の技術中に含まれる。こうした賦形剤およ
び担体は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる「Remingtons Pha
rmaceutical Sciences」Mack Pub.Co.、New Je
rsey(1991)に記載されている。即時組成物は、例えば、ミセルもしくはリポソ
ームまたは一部の他のカプセル化形態も含む。
【0120】
特定の投与量は、疾患の状態、対象の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食餌
、用量間隔、投与経路、排泄率、ならびに薬物の組合せに依存して調整することができる
。有効量を含有する上記剤形のいずれも、十分に日常的実験法の範囲内であり、そのため
、十分に本発明の技術の範疇内である。
【0121】
本発明の技術による処置の治療的有効性を決定するために、様々なアッセイ系およびモ
デル系が容易に用いられ得る。
【0122】
示される状態について、試験対象は、プラセボ処置されたまたは他の適当な対照対象と
比較して、対象における障害によって引き起こされるまたはそれと関連した1つまたは複
数の症状(単数または複数)において10%、20%、30%、50%もしくはそれ以上
の低減、最大75~90%まで、または95%以上の低減を呈する。
【0123】
本発明の技術は、哺乳動物対象への放射線治療薬の投与の約4時間から約24時間内に
1以上である腎臓活性に対する腫瘍活性の比が観察される哺乳動物対象において、インビ
ボにおいて放射線治療薬の組織分布を達成する方法をさらに提供する。こうした方法は、
放射線治療薬を哺乳動物対象に投与することを含み、ここで、放射線治療薬は、前立腺特
異的膜抗原(「PSMA」)を標的化する第1の部分、放射性核種を保有する第2の部分
、および血清アルブミンへの親和性を有する第3の部分を含み、第1の部分は、第1の共
有結合性リンカーによって第2の部分から分離されており、第3の部分は、第2の共有結
合性リンカーによって第2の部分から分離されている。第1の部分と第2の部分との間の
分離(第1の共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数に基づく)は、約8個の原
子から約40個の原子であり、第3の部分と第1および第2の部分との間の分離(第2の
共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数に基づく)は、約10個の原子から約1
00個の原子である。
【0124】
該方法は、放射線治療薬の投与の約4時間から約24時間後に、哺乳動物対象の画像を
得ることを含むことができ;したがって、放射線治療薬の投与後に画像を得るのは、約4
時間後、約5時間後、約6時間後、約7時間後、約8時間後、約9時間後、約10時間後
、約11時間後、約12時間後、約13時間後、約14時間後、約15時間後、約16時
間後、約17時間後、約18時間後、約19時間後、約20時間後、約21時間後、約2
2時間後、約23時間後、約24時間後、またはこれらの値の任意の2つを含めたおよび
/もしくはその間の任意の範囲の後に発生し得る。1以上である腎臓活性に対する腫瘍活
性の比は、放射線治療薬の投与後最大約24時間まで続くことができる。該方法の本明細
書における任意の実施形態において、放射線治療薬の投与の約24時間から約48時間後
に、放射性核種活性は、哺乳動物対象の唾液腺において実質的に観察されないことがあり
得る。該方法の本明細書における任意の実施形態において、第1の共有結合性リンカーに
会合した連続する原子の数は、約10個の原子から約30個の原子の範囲であってもよい
。該方法の本明細書における任意の実施形態において、第2の共有結合性リンカーに会合
した連続する原子の数は、約15個の原子から約40個の原子の範囲であってもよい。該
方法の本明細書における任意の実施形態において、投与は、静脈内投与を含むことがあり
得る。
【0125】
本明細書における実施例は、本発明の技術の利点を例示するために、および当業者が本
発明の技術の化合物またはその塩、医薬組成物、誘導体、プロドラッグもしくは互変異性
体形態を調製または使用するのをさらに補助するために提供される。本明細書における実
施例は、その上、本発明の技術の好ましい態様をより完全に例示するために表される。実
施例は、添付の特許請求の範囲で定義される通りの本発明の技術の範疇を限定すると決し
て解釈されるべきでない。実施例は、上に記載した本発明の技術の変動、態様または実施
形態のいずれかを含むまたは組み込むことができる。上に記載した変動、態様または実施
形態は、さらに各々、本発明の技術の任意のまたは全ての他の変動、態様または実施形態
の変動を含むまたは組み込むこともできる。
【実施例0126】
セクション1.1
材料および計器。全ての溶媒および試薬は、別段の注記がない限り、市販供給源から購
入し、さらに精製することなく受け取ったままで使用した。「乾燥」と注記された溶媒は
、3Åモレキュラーシーブ上での貯蔵に続いて得た。反応は、薄層クロマトグラフィー(
TLC、Whatman UV254アルミニウム裏打ちシリカゲル)によってモニタリ
ングした。化合物の分析および精製のために使用されるHPLCシステムは、CBM-2
0A通信バスモジュール、LC-20AP(分取用)ポンプ、および270nmでモニタ
リングするSPD-20AV UV/Vis検出器(Shimadzu、日本)からなっ
ていた。精製は、別段の注記がない限り、Epic Polar分取カラム、120Å、
10μm、25cm×20mm(ES Industries、West Berlin
、NJ)を用いて14mL/minの流量で行った。H2O(A)およびMeOH(B)
またはACN(C)のいずれかを含有する二成分移動相を使用して、グラジエントHPL
C方法を用いた。HPLC方法A:10%B(0~5分)、10~100%B(5~25
分)。方法B:10%C(0~5分)、10~100%C(5~25分)。方法C:10
%C(0~5分)、10~100%C(5~40分)。方法D:10%C(0~5分)、
10~100%C(5~20分)。溶媒系は、0.2%トリフルオロ酢酸(TFA)を含
有していた。NMRスペクトルは、Varian Inova 300MHz、400M
Hz、500MHzもしくは600MHz分光計上にて、または広帯域Prodigyク
ライオプローブが備えられているBruker AV III HD 500MHz分光
計上にて周囲温度で記録した。化学シフトはppmで報告されている。1Hおよび13C
NMRスペクトルは、TMS内部標準(0ppm)、残留の溶媒ピーク、またはアセト
ニトリル内部標準(D2Oスペクトル中2.06ppm)を基準とした。19F NMR
スペクトルは、モノフルオロベンゼン内部標準(-113.15ppm)を基準とした。
報告されている1Hスペクトルにおけるプロトン共鳴のスプリッティングは、以下の通り
に定義される:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、dt=
三重項の二重項、td=二重項の三重項、およびbr=幅広。IR分光法は、Nicol
et Avatar 370 DTGS(ThermoFisher Scientif
ic、Waltham、MA)を使用して試料のKBrペレット上で行った。高分解能質
量スペクトル(HRMS)は、ポジティブESIモードにおけるExactive Or
bitrap質量分析計(ThermoFisher Scientific、Walt
ham、MA)上で記録した。UV/可視スペクトルは、別段の注記がない限り、1cm
の石英キュベットを使用するCary 8454 UV-Vis(Agilent Te
chnologies、Santa Clara、CA)上で記録した。元素分析(EA
)は、Atlantic Microlab,Inc.(Norcross、GA)によ
って行った。
【0127】
ジ-tert-ブチル((1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-エチニルフェ
ニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)グルタメート(5)
の調製
【0128】
【化20】
(S)-2-[(イミダゾール-1-カルボニル)アミノ]ペンタン二酸ジ-tert
ブチルエステル(2):0℃に冷却したDCM(150mL)中のL-ジ-tert-ブ
チルグルタメート塩酸塩(15.0g、51mmol)の懸濁液に、TEA(18mL)
およびDMAP(250mg)を添加した。混合物を5分間撹拌した後、CDI(9.0
g、56mmol)を添加し、混合物を室温に加温しながら終夜撹拌した。混合物をDC
M(150mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(60mL)、水(2×100mL)
およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮
することで、粗生成物が半固体として得られ、これは静置でゆっくり固化した。粗材料を
ヘキサン/酢酸エチルで粉砕することで、白色の固体が得られ、これを濾過し、ヘキサン
(100mL)で洗浄し、乾燥させることで、2(15.9g、45mmol、88%)
が白色の固体として得られた。
【0129】
(S)-2-[3((S)-(5-ベンジルオキシカルボニルアミノ)-1-tert
-ブトキシカルボニルペンチルウレイド]ペンタン二酸ジ-tert-ブチルエステル(
3):DCE(10mL)中の2(1g、2.82mmol)の溶液に、0℃で、MeO
Tf(0.47g、2.85mmol)およびTEA(0.57g、5.65mmol)
を添加した。溶液を30分間撹拌した後、Cbz-L-Lys-Ot-Bu(1.06g
、2.82mmol)を一度に添加し、1時間40℃で撹拌した。混合物を濃縮乾固し、
カラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製することで、3が白色の固体として
得られた(1.37g、79%)。
【0130】
2-[3-(5-アミノ-1-tert-ブトキシカルボニルペンチル)ウレイド]ペ
ンタン二酸ジ-tert-ブチルエステル(4):エタノール(20mL)中の3(63
0mg、1.0mmol)の溶液に、水素雰囲気下で、ギ酸アンモニウム(630mg、
10当量)、続いて10%のPd-Cを添加した。懸濁液を完了まで時折かき混ぜながら
終夜静置した。混合物をセライトに通して濾過し、濃縮することで、所望の生成物(47
9mg、98%)がロウ状の固体として得られた。
【0131】
ジ-tert-ブチル((1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-エチニルフ
ェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)グルタメート(5
):DCM(10mL)中の4(0.488、1mmol)の溶液に、DCM(5mL)
中の1-エチニル-3-イソシアナートベンゼン(185mg、1.3mmol)を、室
温でN2下にて添加した。結果として得られた反応混合物を12時間の間、同じ温度で撹
拌し、分離漏斗に移し、水(2×50mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。有
機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が半固体として得られ、
これをカラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製することで、5が白色泡状物
として得られた(84%)。
【0132】
tert-ブチル-N2-(N2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カル
ボニル)グリシルグリシルグリシル-N6-(tert-ブトキシカルボニル)リジル)
-N6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リシナート(10)の調製
【0133】
【化21】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イルN2-(((9H-フルオレン-9-イル)メ
トキシ)カルボニル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リシナート(7
):N2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-N6-(te
rt-ブトキシカルボニル)-L-リジン6(4.68g、10mmol)を、乾燥DC
M(20mL)中に溶解し、DIPEA(1.74mL、10mmol)を添加した。反
応混合物を室温で10分間撹拌し、固体ジ(N-スクシンイミジル)カーボネート(3.
84g、15mmol)を一度に添加した。結果として得られた反応混合物を3~4時間
の間撹拌し、DCMで希釈し、分離漏斗に移し、過剰な水で洗浄した。有機層を回収し、
MgSO
4上で乾燥させ、蒸発乾固させることで、半固体が得られた。粗生成物をエタノ
ールおよびジエチルエーテルから再結晶化させることで、7をクリーム着色固体として得
た(3.44g、61%)。
【0134】
tert-ブチルN2-(N2-(((9H-フルオレン-9-イル)オキシ)カルボ
ニル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジル)-N6-((ベンジル
オキシ)カルボニル)-L-リシナート(8):DCM(25mL)中のH-Lys(Z
)-OtBu HCl(3.72g、10mmol)の懸濁液に、DIPEA(1.74
mL、10mmol)を0℃で添加し、続いて、DCM(20mL)中の化合物7(5.
65g、10mmol)を滴下により添加した。結果として得られた清澄な溶液を終夜室
温で撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(SiO2)によ
って精製することで、8が白色の固体として得られた(76%)。
【0135】
tert-ブチルN6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N2-(N6-(ter
t-ブトキシカルボニル)-L-リジル)-L-リシナート(9):DCM中の化合物8
(1.156g、2mmol)の溶液に、ジエチルアミン(6mL)を滴下により添加し
、結果として得られた反応混合物を室温で4~5時間の間撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸
発させ、粗生成物をDCM中に再溶解させ、水(2×100mL)およびブライン(10
0mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物
が半固体として得られ、これをさらに精製することなくそのままで使用した。
【0136】
tert-ブチル-N2-(N2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カ
ルボニル)グリシルグリシルグリシル-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-
リジル)-N6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リシナート(10):(((
9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)グリシルグリシルグリシン(24
6mg、0.6mmol)およびHATU(230mg、0.6mmol)の固体混合物
に、N2下にて、乾燥DMFを添加し、混合物を5分間室温で撹拌した。DIPEA(0
.12mL、0.7mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。D
MF中の化合物9(282mg、0.5mmol)の溶液を室温で滴下により添加し、同
じ温度で12時間の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、
これをDCM(10mL)中に溶解し、分離漏斗に移し、水(2×20mL)およびブラ
イン(15mL)で洗浄した。有機層を回収し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発乾固させ
ることで、半固体が得られた。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(SiO2)によっ
て精製することで、所望の生成物10が茶色の固体として得られた(41%)。
【0137】
tert-ブチルN2-(N2-(2-アジドアセチル)グリシルグリシルグリシル-N
6-(tert-ブトキシカルボニル)リジル)-N6-((ベンジルオキシ)カルボニ
ル)-L-リシナート(12)
【0138】
【化22】
tert-ブチルN6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N2-(N6-(ter
t-ブトキシカルボニル)-N2-グリシルグリシルグリシル-L-リジル)-L-リシ
ナート(11):DCM(10mL)中の化合物10(0.478g、0.5mmol)
の溶液に、ジエチルアミン(2mL)を滴下により添加し、結果として得られた反応混合
物を室温で3時間の間撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸発させ、DCM中に再溶解させ、水
(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で
乾燥させ、濃縮することで、粗生成物11が半固体として得られ、これをさらに精製する
ことなく使用した。
【0139】
tert-ブチルN2-(N2-(2-アジドアセチル)グリシルグリシルグリシル-
N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジル)-N6-((ベンジルオキシ)
カルボニル)-L-リシナート(12):アジド酢酸(101mg、1mmol)および
HATU(383mg、1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(5mL
)を添加し、混合物を5分間室温で撹拌した。DIPEA(0.17mL、1mmol)
を反応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(5mL)中の化合物11
(367mg、0.5mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温度で12時間
の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これをDCM(1
0mL)中に溶解し、水(2×20mL)およびブライン(15mL)で洗浄した。粗化
合物をさらに精製することなく使用した。
【0140】
10-(6-アルカミド-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル
)-24,28,30-トリ-tert-ブチル-2,2-ジメチル-4,12,21,
26-テトラオキソ-3-オキサ-5,11,20,25,27-ペンタアザトリアコン
タン-10,24,28,30-テトラカルボキシレート(14)の調製
【0141】
【化23】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(
1-((9S,12S)-9-(tert-ブトキシカルボニル)-12-(4-((t
ert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-3,11,14,17,20,23-
ヘキサオキソ-1-フェニル-2-オキサ-4,10,13,16,19,22-ヘキサ
アザテトラコサン-24-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)フェニ
ル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(
13):化合物12(140mg、0.1mmol)および化合物5(63mg、0.1
mmol)をDMF(2mL)中に溶解させ、0.5MのCuSO
4および0.5Mのア
スコルビン酸ナトリウムの水溶液を引き続き添加した。結果として得られた反応物を3時
間の間室温で撹拌した。DMFを蒸発させ、粗化合物13をさらに精製することなく使用
した。
【0142】
10-(6-アルカミド-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イ
ル)-24,28,30-トリ-tert-ブチル-2,2-ジメチル-4,12,21
,26-テトラオキソ-3-オキサ-5,11,20,25,27-ペンタアザトリアコ
ンタン-10,24,28,30-テトラカルボキシレート(14):化合物13(14
4mg、0.1mmol)をメタノール:THF(1:1、10mL)の混合物中に溶解
し、10%のPd-Cを添加した。結果として得られた懸濁液をH2(バルーン圧力)雰
囲気下で3時間の間撹拌した。混合物をセライトに通して濾過し、濃縮することで、対応
するアミン(示されていない)が半固体として得られ、これを直ちに次のステップで使用
した。酸RCOOH(0.1mmol)およびHATU(38mg、0.1mmol)の
固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(3mL)を添加し、混合物を室温で5分間撹拌
した。DIPEA(0.017mL、0.1mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を1
0分間室温で続けた。DMF(2mL)中のアミン(0.1mmol)の溶液を滴下によ
り室温で添加し、同じ温度で12時間の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させること
で、懸濁液を得て、これをDCM(5mL)中に溶解し、水(2×10mL)およびブラ
イン(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、
粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製し、生成
物14を半固体として単離した。
【0143】
15の調製
【0144】
【化24】
ジオキサン(2mL)中の化合物14(1当量;R=(4-ヨードフェニル)CH
2-
)の溶液に、ジオキサン(2mL)中4MのHClを添加した。結果として得られた反応
混合物を3時間の間室温で撹拌した。反応の完了をTLCによってモニタリングした。溶
媒を減圧下にて除去し、トルエン(2×5mL)と共蒸留した。形成されたアミンHCl
塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ、DIPEA(0.5mmol、20当量)を添
加した。結果として得られた反応混合物を10分間撹拌した後に、p-NCS-Bn-D
OTA(2当量)および蒸留水(0.5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続け
た。ACNおよび水中0.1%のギ酸を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけ
た。生成物を回収し、凍結乾燥させた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 12.25 (bs, 7H)
, 9.40 (bs, 1H), 8.64-8.62 (m, 1H, N-H), 8.54-8.52 (m, 1H, N-H), 8.42 (s, 1H), 8
.34-8.31 (m, 1H, N-H), 8.15-8.11 (m, 3H), 8.04-8.02 (m, 1H, N-H), 7.94-7.91 (m,
2H, N-H), 7.64-7.63 (m, 3H), 7.37-7.31 (m, 5H), 7.28-7.25 (m, 1H), 7.17-7.16 (m,
2H), 7.05-7.04 (m, 3H), 6.34-6.30 (m, 2H), 6.17 (bs, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.34-4.
30 (m, 1H), 4.13-4.04 (m, 4H), 3.84-3.83 (m, 2H), 3.75-3.74 (m, 4H), 3.63-3.60 (
m, 3H), 3.16-3.13 (m, 4H), 3.12-3.05 (m, 4H), 3.02-2.98 (m, 6H), 2.30-2.18 (m, 3
H), 1.95-1.88 (m, 1H), 1.71-1.65 (m, 5H), 1.58-1.49 (m, 6H), 1.45-1.22 (m, 12H).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 174.3, 174.0, 173.5, 173.2, 171.4, 169.3, 168.9,
168.7, 168.2, 165.6, 157.1, 154.9, 146.1, 140.9, 136.7, 136.1, 131.2, 130.8, 12
9.0, 122.6, 118.4, 117.8, 116.9, 116.0, 113.9, 53.4, 52.1, 51.9, 51.6, 51.4, 41.
9, 41.8, 41.6, 41.5, 38.2, 31.8, 31.7, 30.3, 29.7, 29.3, 28.5, 28.0, 27.3, 22.7,
22.5, 22.4, 17.9, 16.5, 12.3. HRMS C
73H
102IN
19O
24S ([M+2H]
+)の計算値, 1787.611
0, 実測値1787.6048.
【0145】
2-[3-(5-アミノ-1-tert-ブトキシカルボニルペンチル)ウレイド]ペン
タン二酸ジ-tert-ブチルエステル(17)の調製
【0146】
【化25】
5-ベンジル1-(tert-ブチル)(((S)-1,5-ジ-tert-ブトキシ
-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(16):
DCE(10mL)中の2(1g、2.82mmol)の溶液に、0℃で、MeOTf(
0.47g、2.85mmol)およびTEA(0.57g、5.65mmol)を添加
した。溶液を30分間撹拌した後、H-L-Glu(Bzl)-OtBu塩酸塩(0.9
27g、2.82mmol)を一度に添加し、1時間40℃で撹拌した。混合物を濃縮乾
固し、カラムクロマトグラフィー(SiO
2)によって精製することで、所望の生成物が
白色の固体として得られた(79%)。
【0147】
(S)-5-(tert-ブトキシ)-4-(3-((S)-1,5-ジ-tert-
ブトキシ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)ウレイド)-5-オキソペンタン酸(
17):エタノール(20mL)中の16の溶液に、水素雰囲気下にて、ギ酸アンモニウ
ム(630mg、10当量)、続いて10%のPd-Cを添加し、懸濁液を完了まで時折
かき混ぜながら終夜静置した。混合物をセライトに通して濾過し、濃縮することで、17
、所望の生成物(479mg、98%)がロウ状の固体として得られた。
【0148】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル8-((((9H-フルオレン-9-イル)メト
キシ)カルボニル)アミノ)オクタノエート(19)の調製
【0149】
【化26】
8-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)オクタン
酸、18(1.43g、3mmol)を無水DCM(20mL)中に溶解し、DIPEA
(0.522mL、3mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、固体
ジ(N-スクシンイミジル)カーボネート(1.152g、4.5mmol)を一度に添
加した。結果として得られた反応混合物を3時間の間撹拌し、DCMで希釈し、分離漏斗
に移し、過剰の水で洗浄した。有機層を回収し、MgSO
4上で乾燥させ、蒸発乾固させ
ることで、半固体が得られ、これをエタノールおよびジエチルエーテルから再結晶化させ
ることで、所望の生成物がオフホワイトの固体として得られた(0.932g、65.0
8%)。
【0150】
テトラ-tert-ブチル(3S,7S,21S,24S)-28-アミノ-21-(4
-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-5,10,19,22-テト
ラオキソ-4,6,11,20,23-ペンタアザオクタコサン-1,3,7,24-テ
トラカルボキシレート(23)の調製
【0151】
【化27】
tert-ブチルN2-(N2-(8-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキ
シ)カルボニル)アミノ)オクタノイル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-
L-リジル)-N6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リシナート(20):化
合物9(0.551g、1mmol)および化合物19(0.573、1.2mmol)
をDCM(10mL)中に溶解させ、12時間の間室温で撹拌した。反応の進行をTLC
によってモニタリングした。混合物を濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィー(SiO
2
)によって精製することで、所望の生成物20が茶色の固体として得られた(41%)。
【0152】
tert-ブチルN2-(N2-(8-アミノオクタノイル)-N6-(tert-ブ
トキシカルボニル)-L-リジル)-N6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リ
シナート(21):DCM(10mL)中の化合物20(0.457g、0.5mmol
)の溶液に、ジエチルアミン(3mL)を滴下により添加し、結果として得られた反応混
合物を室温で3時間の間撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸発させ、DCM中に再溶解させ、
水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上
で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物21が半固体として得られ、これをさらに精製す
ることなく使用した。
【0153】
テトラ-tert-ブチル(9S,12S,26S,30S)-12-(4-((te
rt-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-3,11,14,23,28-ペンタオ
キソ-1-フェニル-2-オキサ-4,10,13,22,27,29-ヘキサアザドト
リアコンタン-9,26,30,32-テトラカルボキシレート(22):化合物17(
0.114、0.24mmol)およびHATU(0.092g、0.24mmol)の
固体混合物に、N2下にて、乾燥DMFを添加し、混合物を5分間室温で撹拌した。DI
PEA(0.041mL、0.24mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を10分間室
温で続けた。DMF中の化合物21(0.141、0.2mmol)の溶液を滴下により
室温で添加し、同じ温度で12時間の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで
、懸濁液を得て、これをDCM(10mL)中に溶解し、水(2×20mL)およびブラ
イン(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、
粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製すること
で、生成物22が半固体として得られた(28%)。
【0154】
テトラ-tert-ブチル(3S,7S,21S,24S)-28-アミノ-21-(
4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-5,10,19,22-テ
トラオキソ-4,6,11,20,23-ペンタアザオクタコサン-1,3,7,24-
テトラカルボキシレート(23):化合物22(0.1g、0.085mmol)をメタ
ノール:THF(1:1、10mL)の混合物中に溶解し、10%のPd-Cを添加した
。結果として得られた懸濁液をH2(バルーン圧力)雰囲気下にて3時間の間撹拌した。
混合物をセライトに通して濾過し、濃縮することで、所望の生成物23(91%)がロウ
状の固体として得られた。
【0155】
24(a~g)および25(a~h)の調製
【0156】
【0157】
【0158】
【化29】
テトラ-tert-ブチル(2S)-5-(4-((tert-ブトキシカルボニル)
アミノ)ブチル)-2-(4-(4-(4-ヨードフェニル)ブタンアミド)ブチル)-
1,4,7,16,21-ペンタオキソ-3,6,15,20,22-ペンタアザペンタ
コサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24a):4-(4-ヨード
フェニル)ブタン酸(0.029g、0.1mmol)およびHATU(0.038g、
0.1mmol)の固体混合物に、N
2下にて、乾燥DMF(2mL)を添加し、混合物
を室温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1mmol)を反応混合物
に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の化合物23(0.052
、0.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温度で12時間の間撹拌し
た。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これをDCM(5mL)中に
溶解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナト
リウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフ
ィー(SiO
2)によって精製し、生成物24aを半固体として単離した(18%)。
【0159】
【0160】
33-(4-ヨードフェニル)-5,10,19,22,30-ペンタオキソ-21-
(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,
7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブ
チル)-4,6,11,20,23,29-ヘキサアザトリトリアコンタン-1,3,7
,24-テトラカルボン酸(25a):定義されているが、ジオキサン(2mL)中の化
合物24a(0.025mmol、1当量)の溶液に、ジオキサン(2mL)中4MのH
Clを添加した。結果として得られた反応混合物を3時間の間室温で撹拌した。反応の完
了をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧下にて除去し、トルエン(2×5mL
)と共蒸留した。アミンHCl塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ、DIPEA(0
.5mmol、20当量)を添加した。結果として得られた反応混合物を10分間撹拌し
た後に、p-NCS-Bn-DOTA(0.050mmol、2当量)および蒸留水(0
.5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続けた。ACNおよび水中0.1%のギ
酸を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけた。
【0161】
【0162】
テトラ-tert-ブチル(2S)-2-(4-(4-(4-ブロモフェニル)ブタン
アミド)ブチル)-5-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-
1,4,7,16,21-ペンタオキソ-3,6,15,20,22-ペンタアザペンタ
コサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24b):4-(4-ブロモ
フェニル)ブタン酸(0.024g、0.1mmol)およびHATU(0.038g、
0.1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(2mL)を添加し、混合物
を室温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1mmol)を反応混合物
に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の化合物23(0.052
、0.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温度で12時間の間撹拌し
た。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これをDCM(5mL)中に
溶解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナト
リウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフ
ィー(SiO2)によって精製し、生成物24bを半固体として単離した(6%)。
【0163】
【0164】
33-(4-ブロモフェニル)-5,10,19,22,30-ペンタオキソ-21-
(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,
7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブ
チル)-4,6,11,20,23,29-ヘキサアザトリトリアコンタン-1,3,7
,24-テトラカルボン酸(25b):ジオキサン(2mL)中の化合物24b(0.0
20mmol、1当量)の溶液に、ジオキサン(2mL)中4MのHClを添加した。結
果として得られた反応混合物を3時間の間室温で撹拌した。反応の完了をTLCによって
モニタリングした。溶媒を減圧下にて除去し、トルエン(2×5mL)と共蒸留した。ア
ミンHCl塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ、DIPEA(0.5mmol、20
当量)を添加した。結果として得られた反応混合物を10分間撹拌した後に、p-NCS
-Bn-DOTA(0.050mmol、2当量)および蒸留水(0.5mL)を添加し
た。撹拌を3時間の間室温で続けた。ACNおよび水中0.1%のギ酸を使用して、反応
混合物をLCMS精製に直接かけることで、25bが得られた。
【0165】
【0166】
テトラ-tert-ブチル(2S,5S,19S,23S)-5-(4-((tert
-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-2-(4-(4-(4-ヨードフェニル)ブ
タンアミド)ブチル)-1,4,7,16,21-ペンタオキソ-3,6,15,20,
22-ペンタアザペンタコサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24
a):4-(4-ヨードフェニル)ブタン酸(0.029g、0.1mmol)およびH
ATU(0.038g、0.1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(2
mL)を添加し、混合物を室温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1
mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の
化合物23(0.052、0.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温
度で12時間の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これ
をDCM(5mL)中に溶解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄
した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これ
をカラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製し、生成物24aを半固体として
単離した(18%)。
【0167】
【0168】
(3S,7S,21S,24S)-33-(4-ヨードフェニル)-5,10,19,
22,30-ペンタオキソ-21-(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキ
ス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メ
チル)フェニル)チオウレイド)ブチル)-4,6,11,20,23,29-ヘキサア
ザトリトリアコンタン-1,3,7,24-テトラカルボン酸(25a):定義されてい
るが、ジオキサン(2mL)中の化合物24a(0.025mmol、1当量)の溶液に
、ジオキサン(2mL)中4MのHClを添加した。結果として得られた反応混合物を3
時間の間室温で撹拌した。反応の完了をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧下
にて除去し、トルエン(2×5mL)と共蒸留した。アミンHCl塩をDMF(1.5m
L)中に溶解させ、DIPEA(0.5mmol、20当量)を添加した。結果として得
られた反応混合物を10分間撹拌した後に、p-NCS-Bn-DOTA(0.050m
mol、2当量)および蒸留水(0.5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続け
た。ACNおよび水中0.1%のギ酸を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけ
た。
【0169】
【0170】
テトラ-tert-ブチル(2S,5S,19S,23S)-2-(4-(4-(4-
ブロモフェニル)ブタンアミド)ブチル)-5-(4-((tert-ブトキシカルボニ
ル)アミノ)ブチル)-1,4,7,16,21-ペンタオキソ-3,6,15,20,
22-ペンタアザペンタコサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24
b):4-(4-ブロモフェニル)ブタン酸(0.024g、0.1mmol)およびH
ATU(0.038g、0.1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(2
mL)を添加し、混合物を室温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1
mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の
化合物23(0.052、0.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温
度で12時間の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これ
をDCM(5mL)中に溶解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄
した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これ
をカラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製し、生成物24bを半固体として
単離した(6%)。
【0171】
【0172】
(3S,7S,21S,24S)-33-(4-ブロモフェニル)-5,10,19,
22,30-ペンタオキソ-21-(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキ
ス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メ
チル)フェニル)チオウレイド)ブチル)-4,6,11,20,23,29-ヘキサア
ザトリトリアコンタン-1,3,7,24-テトラカルボン酸(25b):ジオキサン(
2mL)中の化合物24b(0.020mmol、1当量)の溶液に、ジオキサン(2m
L)中4MのHClを添加した。結果として得られた反応混合物を3時間の間室温で撹拌
した。反応の完了をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧下にて除去し、トルエ
ン(2×5mL)と共蒸留した。アミンHCl塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ、
DIPEA(0.5mmol、20当量)を添加した。結果として得られた反応混合物を
10分間撹拌した後に、p-NCS-Bn-DOTA(0.050mmol、2当量)お
よび蒸留水(0.5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続けた。ACNおよび水
中0.1%のギ酸を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけることで、25bが
得られた。
【0173】
【0174】
テトラ-tert-ブチル(2S,5S,19S,23S)-5-(4-((tert
-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-1,4,7,16,21-ペンタオキソ-2
-(4-(4-(p-トリル)ブタンアミド)ブチル)-3,6,15,20,22-ペ
ンタアザペンタコサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24c):4
-(p-トリル)ブタン酸(0.0178g、0.1mmol)およびHATU(0.0
38g、0.1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(2mL)を添加し
、混合物を室温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1mmol)を反
応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の化合物23(0
.052、0.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温度で12時間の
間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これをDCM(5m
L)中に溶解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機層を
硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これをカラムクロマ
トグラフィー(SiO2)によって精製し、生成物24cを半固体として単離した(18
%)。
【0175】
【0176】
(3S,7S,21S,24S)-5,10,19,22,30-ペンタオキソ-21
-(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4
,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)
ブチル)-33-(p-トリル)-4,6,11,20,23,29-ヘキサアザトリト
リアコンタン-1,3,7,24-テトラカルボン酸(25c):ジオキサン(2mL)
中の化合物24c(0.03mmol、1当量)の溶液に、ジオキサン(2mL)中4M
のHClを添加した。結果として得られた反応混合物を3時間の間室温で撹拌した。反応
の完了をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧下にて除去し、トルエン(2×5
mL)と共蒸留した。アミンHCl塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ、DIPEA
(0.5mmol、20当量)を添加した。結果として得られた反応混合物を10分間撹
拌した後に、p-NCS-Bn-DOTA(0.050mmol、2当量)および蒸留水
(0.5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続けた。ACNおよび水中0.1%
のギ酸を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけた。
【0177】
【0178】
テトラ-tert-ブチル(2S,5S,19S,23S)-5-(4-((tert
-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-1,4,7,16,21-ペンタオキソ-2
-(4-(4-フェニルブタンアミド)ブチル)-3,6,15,20,22-ペンタア
ザペンタコサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24d):4-フェ
ニルブタン酸(0.0164g、0.1mmol)およびHATU(0.038g、0.
1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(2mL)を添加し、混合物を室
温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1mmol)を反応混合物に添
加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の化合物23(0.052、0
.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温度で12時間の間撹拌した。
DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これをDCM(5mL)中に溶解
し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウ
ム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー
(SiO2)によって精製し、生成物24dを半固体として単離した(21%)。
【0179】
【0180】
(3S,7S,21S,24S)-5,10,19,22,30-ペンタオキソ-33
-フェニル-21-(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシ
メチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル
)チオウレイド)ブチル)-4,6,11,20,23,29-ヘキサアザトリトリアコ
ンタン-1,3,7,24-テトラカルボン酸(25d):ジオキサン(3mL)中の化
合物24d(0.04mmol、1当量)の溶液に、ジオキサン(3mL)中4MのHC
lを添加した。結果として得られた反応混合物を3時間の間室温で撹拌した。反応の完了
をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧下にて除去し、トルエン(2×5mL)
と共蒸留した。アミンHCl塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ、DIPEA(0.
5mmol、20当量)を添加した。結果として得られた反応混合物を10分間撹拌した
後に、p-NCS-Bn-DOTA(0.080mmol、2当量)および蒸留水(0.
5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続けた。ACNおよび水中0.1%のギ酸
を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけることで、25dが得られた。
【0181】
【0182】
テトラ-tert-ブチル(2S,5S,19S,23S)-5-(4-((tert
-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-1,4,7,16,21-ペンタオキソ-2
-(4-(4-フェニルブタンアミド)ブチル)-3,6,15,20,22-ペンタア
ザペンタコサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24e):4-オキ
ソ-4-(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)ブタン酸(0.023
g、0.1mmol)およびHATU(0.038g、0.1mmol)の固体混合物に
、N2下にて、乾燥DMF(2mL)を添加し、混合物を室温で5分間撹拌した。DIP
EA(0.017mL、0.1mmol)を反応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で
続けた。DMF(1mL)中の化合物23(0.052、0.05mmol)の溶液を滴
下により室温で添加し、同じ温度で12時間の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させ
ることで、懸濁液を得て、これをDCM(5mL)中に溶解し、水(2×10mL)およ
びブライン(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮するこ
とで、粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製し
、生成物24eを半固体として単離した(17%)。
【0183】
【0184】
(3S,7S,21S,24S)-5,10,19,22,30,33-ヘキサオキソ
-33-(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)-21-(4-(3-
(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テ
トラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブチル)-4,
6,11,20,23,29-ヘキサアザトリトリアコンタン-1,3,7,24-テト
ラカルボン酸(25e):ジオキサン(3mL)中の化合物24e(0.02mmol、
1当量)の溶液に、ジオキサン(3mL)中4MのHClを添加した。結果として得られ
た反応混合物を3時間の間室温で撹拌した。反応の完了をTLCによってモニタリングし
た。溶媒を減圧下にて除去し、トルエン(2×5mL)と共蒸留した。アミンHCl塩を
DMF(1.5mL)中に溶解させ、DIPEA(0.5mmol、20当量)を添加し
た。結果として得られた反応混合物を10分間撹拌した後に、p-NCS-Bn-DOT
A(0.080mmol、2当量)および蒸留水(0.5mL)を添加した。撹拌を3時
間の間室温で続けた。ACNおよび水中0.1%のギ酸を使用して、反応混合物をLCM
S精製に直接かけることで、25eが得られた。
【0185】
【0186】
テトラ-tert-ブチル(2S,5S,19S,23S)-5-(4-((tert
-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-2-(4-(2-(4-ヨードフェニル)ア
セトアミド)ブチル)-1,4,7,16,21-ペンタオキソ-3,6,15,20,
22-ペンタアザペンタコサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24
f):2-(4-ヨードフェニル)酢酸(0.026g、0.1mmol)およびHAT
U(0.038g、0.1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(2mL
)を添加し、混合物を室温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1mm
ol)を反応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の化合
物23(0.052、0.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温度で
12時間の間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これをD
CM(5mL)中に溶解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した
。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これをカ
ラムクロマトグラフィー(SiO2)によって精製し、生成物24fを半固体として単離
した(10%)。
【0187】
【0188】
(8S,11S,25S,29S)-1-(4-ヨードフェニル)-2,10,13,
22,27-ペンタオキソ-11-(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキ
ス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メ
チル)フェニル)チオウレイド)ブチル)-3,9,12,21,26,28-ヘキサア
ザヘントリアコンタン-8,25,29,31-テトラカルボン酸(25f):ジオキサ
ン(3mL)中の化合物24f(0.02mmol、1当量)の溶液に、ジオキサン(3
mL)中4MのHClを添加した。結果として得られた反応混合物を3時間の間室温で撹
拌した。反応の完了をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧下にて除去し、トル
エン(2×5mL)と共蒸留した。アミンHCl塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ
、DIPEA(0.5mmol、20当量)を添加した。結果として得られた反応混合物
を10分間撹拌した後に、p-NCS-Bn-DOTA(0.080mmol、2当量)
および蒸留水(0.5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続けた。ACNおよび
水中0.1%のギ酸を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけることで、25f
が得られた。
【0189】
【0190】
テトラ-tert-ブチル(2S,5S,19S,23S)-2-(4-(1H-イン
ドール-2-カルボキシアミド)ブチル)-5-(4-((tert-ブトキシカルボニ
ル)アミノ)ブチル)-1,4,7,16,21-ペンタオキソ-3,6,15,20,
22-ペンタアザペンタコサン-1,19,23,25-テトラカルボキシレート(24
g):インドール-2-酢酸(0.016g、0.1mmol)およびHATU(0.0
38g、0.1mmol)の固体混合物に、N2下にて、乾燥DMF(2mL)を添加し
、混合物を室温で5分間撹拌した。DIPEA(0.017mL、0.1mmol)を反
応混合物に添加し、撹拌を10分間室温で続けた。DMF(1mL)中の化合物23(0
.052、0.05mmol)の溶液を滴下により室温で添加し、同じ温度で12時間の
間撹拌した。DMFを減圧下にて蒸発させることで、懸濁液を得て、これをDCM(5m
L)中に溶解し、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機層を
硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮することで、粗生成物が得られ、これをカラムクロマ
トグラフィー(SiO2)によって精製し、生成物24gを半固体として単離した(15
%)。
【0191】
【0192】
(7S,10S,24S,28S)-1-(1H-インドール-2-イル)-1,9,
12,21,26-ペンタオキソ-10-(4-(3-(4-((1,4,7,10-テ
トラキス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イ
ル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブチル)-2,8,11,20,25,27-ヘ
キサアザトリアコンタン-7,24,28,30-テトラカルボン酸(25g):ジオキ
サン(3mL)中の化合物24g(0.02mmol、1当量)の溶液に、ジオキサン(
3mL)中4MのHClを添加した。結果として得られた反応混合物を3時間の間室温で
撹拌した。反応の完了をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧下にて除去し、ト
ルエン(2×5mL)と共蒸留した。アミンHCl塩をDMF(1.5mL)中に溶解さ
せ、DIPEA(0.5mmol、20当量)を添加した。結果として得られた反応混合
物を10分間撹拌した後に、p-NCS-Bn-DOTA(0.080mmol、2当量
)および蒸留水(0.5mL)を添加した。撹拌を3時間の間室温で続けた。ACNおよ
び水中0.1%のギ酸を使用して、反応混合物をLCMS精製に直接かけることで、25
gが得られた。
【0193】
【0194】
(9S,12S,26S,30S)-3,11,14,23,28-ペンタオキソ-1
-フェニル-12-(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシ
メチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル
)チオウレイド)ブチル)-2-オキサ-4,10,13,22,27,29-ヘキサア
ザドトリアコンタン-9,26,30,32-テトラカルボン酸(25h):ジオキサン
(3mL)中の化合物22(本明細書で定義される通りに生成された)(0.02mmo
l、1当量)の溶液に、ジオキサン(3mL)中4MのHClを添加した。結果として得
られた反応混合物を3時間の間室温で撹拌した。反応の完了をTLCによってモニタリン
グした。溶媒を減圧下にて除去し、トルエン(2×5mL)と共蒸留した。アミンHCl
塩をDMF(1.5mL)中に溶解させ、DIPEA(0.5mmol、20当量)を添
加した。結果として得られた反応混合物を10分間撹拌した後に、p-NCS-Bn-D
OTA(0.080mmol、2当量)および蒸留水(0.5mL)を添加した。撹拌を
3時間の間室温で続けた。ACNおよび水中0.1%のギ酸を使用して、反応混合物をL
CMS精製に直接かけることで、25hが得られた。
【0195】
セクション1.2.
ジメチル4-アミノピリジン-2,6-ジカルボキシレート(204)の調製。
【0196】
【化48】
ジメチル4-アジドピリジン-2,6-ジカルボキシレート
[245](0.9445
g、4.0mmol)、10%のPd/C(0.1419g)およびDCM:MeOH(
1:1、18mL)を丸底フラスコの中で合わせた。フラスコをH
2のバルーンでパージ
した後、反応物を激しく室温でH
2雰囲気下にて46時間の間撹拌した。灰色の混合物を
DMF(450mL)で希釈し、セライトのベッドに通して濾過した。0.22μmのナ
イロン膜に通す後続の濾過に続き、濾液を60℃で減圧下にて濃縮し、真空中でさらに乾
燥させることで、204を淡褐色の固体として得た(0.824g、98%の収率)。
1H
NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ= 7.36 (s, 2 H), 6.72 (s, 2 H), 3.84 (s, 6 H).
13C{
1
H} APT NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ= 165.51, 156.24, 148.05, 111.99, 52.29. IR (c
m
-1): 3409, 3339, 3230, 1726, 1639, 1591, 1443, 1265, 996, 939, 787, 630, 543.
HPLC t
R = 9.369分 (方法B). HRMS (m/z): 211.07213 [M + H]
+; 計算値: 211.07133.
【0197】
エチル4-アミノ-6-(ヒドロキシメチル)ピコリネート(205)の調製。
【0198】
【化49】
絶対EtOH(27mL)中の204(0.677g、3.22mmol)の還流懸濁
液に、NaBH
4(0.1745g、4.61mmol)を少量ずつ1時間かけて添加す
ることで、淡黄色の懸濁液を得た。反応物を次いでアセトン(32mL)でクエンチし、
60℃で減圧下にて褐色の固体に濃縮した。粗生成物をH
2O(60mL)中に溶解し、
酢酸エチル(4×150mL)で洗浄した。合わせた有機を硫酸ナトリウム上で乾燥させ
、40℃で減圧下にて濃縮した。真空中でさらに乾燥させることで、205が淡黄色の固
体として得られた(0.310g、49%の収率)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ= 7
.07 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.78 (m, 1H), 6.32 (s, 2H), 5.30 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4
.39 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.26 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.28 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13
C APT NMR (126 MHz, DMSO-d
6) δ= 165.57, 162.38, 155.68, 147.25, 108.50, 107.01,
63.95, 60.61, 14.24. IR (cm
-1): 3439, 3217, 2974, 2917, 1717, 1643, 1600, 1465,
1396, 1378, 1239, 1135, 1022, 974, 865, 783. HPLC t
R = 8.461分 (方法B). HRMS
(m/z): 197.09288 [M + H]
+; 計算値: 197.09207.
【0199】
エチル4-アミノ-6-(クロロメチル)ピコリネート(206)の調製。
【0200】
【化50】
塩化チオニル(2.5mL)および205(0.301g、1.53mmol)の混合
物を氷浴中で1時間の間および次いで室温で30分間撹拌した。黄橙色のエマルジョンを
40℃で減圧下にて油性残留物に濃縮した。残留物を飽和NaHCO
3水溶液(12mL
)で中和し、次いで酢酸エチル(75mL)で抽出した。有機抽出物をH
2O(2mL)
で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、40℃で減圧下にて濃縮した。真空中でさらに
乾燥させることで、206を琥珀ワックスとして得た(0.287g、80%の収率、残
留の酢酸エチルについて補正した)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ= 7.18 (d, J = 2.1
Hz, 1H), 6.78 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.62 (br s, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.29 (q, J =
7.1 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
13C{
1H} APT NMR (126 MHz, DMSO-d
6) δ= 1
64.75, 156.42, 156.19, 147.17, 109.79, 109.50, 60.97, 46.47, 14.15. IR (cm
-1):
3452, 3322, 3209, 2978, 2922, 1726, 1639, 1604, 1513, 1465, 1378, 1248, 1126, 10
26, 983, 861, 783, 752, 700. HPLC t
R = 12.364分 (方法B). HRMS (m/z): 215.05903
[M + H]
+; 計算値: 215.05818.
【0201】
メチル6-((1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカ
ン-7-イル)メチル)ピコリネート(209・2TFA・1H2O)の調製。
【0202】
【化51】
乾燥ACN(1.075L)中の1,7,10,16-テトラオキサ-4,13-ジア
ザシクロオクタデカン(7、1.9688g、7.5mmol)およびジイソプロピルエ
チルアミン(0.8354g、6.5mmol)の清澄および無色の溶液に、75℃で、
乾燥ACN(125mL)中の206(0.9255g、5.0mmol)の溶液を、2
時間40分かけて滴下により添加した。次いで、フラスコに凝縮器および乾燥用チューブ
を備え付け、わずかに黄色の溶液を還流で42時間の間加熱した。引き続いて、微細な白
色の沈殿物を含有する暗金色の溶液を、60℃で減圧下にて琥珀色の油に濃縮した。粗製
油に、0.1%のTFA(10mL)を含有する10%のMeOH/H
2Oを添加した。
わずかに懸濁した液を濾過し、濾液を分取HPLCによって精製した(方法A)。純粋な
画分を合わせ、60℃で減圧下にて濃縮し、次いで凍結乾燥させることで、209(1.
6350g、50%の収率)を淡橙色の固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ
= 8.75 (br s, 2H), 8.17-8.06 (m, 2H), 7.83 (dd, J = 7.4, 1.5 Hz, 1H), 4.68 (br s
, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.85 (br t, J = 5.1 Hz, 4H), 3.69 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 3.59
(br s, 8H), 3.50 (br s, 4H), 3.23 (br t, J = 5.1 Hz, 4H).
13C{
1H} APT NMR (126
MHz, DMSO-d
6) δ 164.68, 158.78-157.98 (q, TFA), 151.44, 147.13, 139.01, 128.63
, 124.87, 120.08-113.01 (q, TFA), 69.33, 69.00, 65.31, 64.60, 56.43, 53.29, 52.6
7, 46.32.
19F NMR (470 MHz, DMSO-d
6) δ= -73.84. EA実測値: C, 43.88; H, 5.29;
N, 6.28. C
20H
33N
3O
6・2CF
3COOH・1H
2Oの計算値: C, 43.84; H, 5.67; N, 6.39. HPLC
t
R = 12.372分 (方法B). HRMS (m/z): 412.24568 [M + H]
+; 計算値: 412.24421.
【0203】
エチル4-アミノ-6-((16-((6-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル
)メチル)-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン
-7-イル)メチル)ピコリネート(210)の調製。
【0204】
【化52】
凝縮器および乾燥用チューブが備えられている丸底フラスコの中に、209(0.42
10g、0.64mmol)、Na
2CO
3(0.3400g、3.2mmol)および
乾燥ACN(10mL)を添加した。淡黄色の懸濁液を15分かけて加熱還流し、この後
、206(0.1508g、0.70mmol、残留の酢酸エチルについて補正した)を
、乾燥ACN(3.5mL)中のわずかに懸濁した液として添加した。混合物を還流で4
4時間の間加熱し、次いで濾過した。橙色の濾液を60℃で減圧下にて橙茶色の油(0.
612g)に濃縮し、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。HRMS (m/
z): 590.32021 [M + H]
+; 計算値: 590.31844.
【0205】
4-アミノ-6-((16-((6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル)-1,4
,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル
)ピコリン酸(211・4TFA)の調製。
【0206】
【化53】
化合物210(0.612g)を6MのHCl(7mL)中に溶解し、90℃で17時
間の間加熱した。わずかに沈殿した物を含有する橙茶色溶液を、60℃で減圧下にて淡褐
色の固体に濃縮した。この固体に、0.1%のTFA(3mL)を含有する10%のMe
OH/H
2Oを添加した。わずかに懸濁した液を濾過し、方法Aを使用する分取HPLC
によって、濾液を精製した。純粋な画分を合わせ、60℃で減圧下にて濃縮し、次いで凍
結乾燥させることで、211をオフホワイトの固体として得た(0.2974g、2ステ
ップにわたって46%の収率)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ= 8.13-8.08 (m, 2H), 7
.80 (dd, J = 7.3, 1.6 Hz, 1H), 7.64 (br s), 7.24 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.76 (d, J
= 2.3 Hz, 1H), 4.74 (s, 2H), 4.15 (s, 2H), 3.85 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 3.63 (t, J
= 5.1 Hz, 4H), 3.57-3.50 (m, 12H), 3.09 (br t, J = 5.2 Hz, 4H).
13C{
1H} NMR (1
26 MHz, DMSO-d
6) δ 165.96, 163.37, 159.47, 158.78-157.98 (q, TFA), 151.93, 151.
64, 148.25, 144.68, 139.59, 128.43, 124.96, 120.79-113.68 (q, TFA), 109.40, 108.
96, 70.03, 69.89, 67.09, 65.16, 57.28, 55.85, 54.47, 53.81.
19F NMR (470 MHz, D
MSO-d
6) δ= -74.03. EA実測値: C, 40.60; H, 4.29; N, 7.04. C
26H
37N
5O
8・4CF
3COOH
の計算値: C, 40.69; H, 4.12; N, 6.98. IR (cm
-1): 3387, 3161, 1735, 1670, 1204,
1130, 791, 722. HPLC t
R = 11.974分 (方法B); 11.546分 (方法D). HRMS (m/z): 548.2
6883 [M + H]
+; 計算値: 548.27149.
【0207】
6-((16-((6-カルボキシピリジン-2-イル)メチル)-1,4,10,13
-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7-イル)メチル)-4-イソ
チオシアナトピコリン酸(212、macropa-NCS)の調製。
【0208】
【化54】
211(0.1598g、0.16mmol)およびNa
2CO
3(0.2540g、
2.4mmol)の白色の懸濁液を、還流でアセトン(10mL)中にて30分間加熱し
た後に、CSCl
2(305μLのCSCl
2、85%、Acros Organics
)をゆっくり添加した。結果として得られた橙色の懸濁液を、還流で3時間の間加熱し、
次いで、30℃で減圧下にて淡橙色の固体に濃縮した。0.2%のTFA(合計8mL)
を含有する10%のACN/H
2O中に、固体を少量ずつ溶解し、濾過し、方法C
[24
6]を使用する分取HPLCによって直ちに精製した。純粋な画分を合わせ、室温で減圧
下にて濃縮することで、有機溶媒を除去し、次いで凍結乾燥させた。直ちに濃縮すること
ができない画分を、-80℃で凍結した。イソチオシアネート212を白色および淡黄色
の固体(0.0547g)の混合物として得て、-80℃でDrieriteの瓶の中で
貯蔵した。公知濃度のフルオロベンゼンでスパイクされた212の試料の
1H NMRお
よび
19F NMRスペクトルからの算出で、212をテトラ-TFA塩として単離した
と推算した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ= 8.17-8.06 (m, 2H), 8.00 (s w/微細な分
割, 1H), 7.84 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.81-7.75 (d w/微細な分割, J = 7.16 Hz, 1H),
4.71 (s, 2H), 4.64 (s, 2H), 3.89-3.79 (m, 8H), 3.62-3.46 (m, 16H).
19F NMR (470
MHz, DMSO-d
6) δ= -74.17. IR (cm
-1): 約3500-2800, 2083, 2026, 1735, 1670, 1591,
1448, 1183, 1130, 796, 717. HPLC t
R = 15.053分 (方法B); 13.885分 (方法D). HRMS
(m/z): 590.22600 [M + H]
+; 計算値: 590.22791.
【0209】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-エチ
ニルフェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グル
タメート(214)の調製。
【0210】
【化55】
公開されている方法
[247]に従ってアルキン214を調製し、オフホワイトの粉末
として単離した。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ= 7.90 (s, 1H), 7.58 (t, 1H, J = 1.7 H
z), 7.51 (dd, 1H, J
1= 8.2 Hz, J
2 = 1.3 Hz), 7.18 (t, 1H, J = 7.9 Hz), 7.05 (d, 1
H, J = 7.7 Hz), 6.38 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 6.28 (br s, 1H), 5.77 (d, 1H, J = 6.9
Hz), 4.32 (m, 1H), 4.02 (m, 1H), 3.53 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 3.00 (s, 1H), 2.39
(m, 2H), 2.07 (m, 1H), 1.88 (m, 1H), 1.74 (m, 1H), 1.62 (m, 1H), 1.49-1.37 (m, 4
H), 1.41 (s, 18H), 1.37 (s, 9H).
【0211】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イルN2-(((9H-フルオレン-9-イル)メト
キシ)カルボニル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リシナート(21
5)の調製。
【0212】
【化56】
CH
2Cl
2(50mL)中のFmoc-L-Lys(Boc)-OH(5.0g、1
0.7mmol)およびN,N’-ジスクシンイミジルカーボネート(2.74g、10
.7mmol)の懸濁液を、室温でアルゴン下にて撹拌した。次いで、DIPEA(1.
86mL、10.7mmol)を添加し、懸濁液を終夜撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸発
させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(ヘキサン中0~10
0%のEtOAc)。リジン215を白色の粉末として単離した(2.5g、41%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ= 7.76 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.59 (d, 2H, J = 7.3 Hz),
7.40 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 7.32 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 5.46 (br s, 1H), 4.71 (m, 2H
), 4.45 (m, 2H), 4.23 (t, 1H, J = 6.6 Hz), 3.14 (br s, 2H), 2.85 (s, 4H), 2.02 (
m, 1H), 1.92 (m, 1H), 1.58 (m, 4H), 1.44 (s, 9H).
【0213】
tert-ブチルN2-(N2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボ
ニル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジル)-N6-((ベンジル
オキシ)カルボニル)-L-リシナート(216)の調製。
【0214】
【化57】
CH
2Cl
2(15mL)中のL-Lys(Z)-OtBu・HCl(1.49g、4
.0mmol)の懸濁液をDIPEA(0.87mL、5.0mmol)で処理した。結
果として得られた混合物に、CH
2Cl
2(10mL)中のリジン215(2.2g、3
.9mmol)の溶液を添加し、反応物を終夜室温でアルゴン下にて撹拌した。それを次
いで、飽和NaCl溶液で洗浄し、有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下に
て濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン中0~
100%のEtOAc)、ジ-リジン216を白色の粉末として単離した(2.2g、7
2%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ= 7.76 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.59 (d, 2H, J = 7
.3 Hz), 7.40 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 7.32 (m, 8H), 6.69 (br s, 1H), 5.60 (br s, 1H)
, 5.06 (m, 4H), 4.72 (br s, 1H), 4.43 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.14
(m, 4H), 1.85 (m, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1
.39 (m, 4H).
【0215】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル2-(4-ヨードフェニル)アセテート(217
)の調製。
【0216】
【化58】
CH
2Cl
2(20mL)中の2-(4-ヨードフェニル)酢酸(786mg、3.0
mmol)およびEDC・HCl(671mg、3.5mmol)の溶液を、15分間室
温でアルゴン下にて撹拌した。次いで、N-ヒドロキシスクシンイミド(368mg、3
.2mmol)およびNEt
3(0.56mL、4.0mmol)を添加し、反応物を7
時間の間撹拌した。それを次いで、飽和NaCl溶液で洗浄し、有機層をMgSO
4上で
乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘ
キサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、NHSエステル217を白色の固
体として単離した(760mg、70%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ= 7.69 (d, 2H,
J = 7.9 Hz), 7.09 (d, 2H, J = 7.9 Hz), 3.88 (s, 2H), 2.83 (s, 4H).
【0217】
tert-ブチルN2-(N2-(1-アジド-3,6,9,12,15,18-ヘキサ
オキサヘンイコサン-21-オイル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-
リジル)-N6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リシナート(218)の調製
。
【0218】
【化59】
CH
2Cl
2(4mL)中のFmoc保護ジ-リジン216(768mg、0.97m
mol)の溶液に、NHEt
2(2.07mL、20mmol)を添加した。溶液を終夜
室温で撹拌した。溶媒を減圧下にて除去し、粗生成物、黄色の油状物をさらに精製するこ
となく使用した。CH
2Cl
2(3mL)中のこの油(183mg、0.32mmol)
の溶液に、CH
2Cl
2(1mL)中のNEt
3(57μL、0.41mmol)の溶液
、およびCH
2Cl
2(1mL)中のアジド-PEG
6-NHSエステル(100mg、
0.21mmol;Broadpharm、USA)の溶液を順次に添加し、反応物を終
夜室温で撹拌した。それを次いで、CH
2Cl
2で希釈し、H
2Oおよび飽和NaCl溶
液で順次に洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮するこ
とで、さらに精製する必要なくアジ化物218を無色の油状物として得た(184mg;
95%)。質量 (ESI+): 926.4 [M+H]
+. 質量計算値 = 925.54.
【0219】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(1
-((9S,12S)-9-(tert-ブトキシカルボニル)-12-(4-((te
rt-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-3,11,14-トリオキソ-1-フェ
ニル-2,17,20,23,26,29,32-ヘプタオキサ-4,10,13-トリ
アザテトラトリアコンタン-34-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル
)フェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタ
メート(219)の調製。
【0220】
【化60】
DMF(0.5mL)中の100μLの0.5M CuSO
4および100μLの1.
5Mアスコルビン酸ナトリウムの溶液を5分間混合し、次いで、DMF(2.5mL)中
の218(184mg、0.20mmol)および214(132mg、0.21mmo
l)の溶液に添加した。結果として得られた混合物を室温で45分間撹拌した。それを次
いで、減圧下にて濃縮し、粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中0~
30%のMeOH)によって精製することで、トリアゾール219を橙色の油状物として
得た(285mg;87%)。質量 (ESI+): 1557.2 [M+H]
+. 質量計算値 = 1555.90.
【0221】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(1
-((23S,26S)-26-(tert-ブトキシカルボニル)-23-(4-((
tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-33-(4-ヨードフェニル)-2
1,24,32-トリオキソ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサ-22,2
5,31-トリアザトリトリアコンチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル
)フェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタ
メート(220)の調製。
【0222】
【化61】
Cbz保護トリアゾール219(285mg、0.18mmol)を二口フラスコの中
でMeOH(15mL)中に溶解した。溶液に、10%のPd/C(20mg)を添加し
、懸濁液を振盪し、フラスコを排気した。懸濁液を次いで、H
2雰囲気下に置き、終夜撹
拌した。それをセライトに通して濾過し、フィルターケーキをMeOHで3回洗浄した。
合わせた濾液を減圧下にて濃縮することで、遊離アミンを無色の油状物として得て(11
7mg;45%)、これをさらに精製することなく使用した。質量 (ESI+): 1423.8 [M+H
]
+. 質量計算値 = 1422.77.CH
2Cl
2(4mL)中のアミン(117mg、82μm
ol)の溶液に、CH
2Cl
2(1mL)中のDIPEA(23μL、131mmol)
の溶液を添加し、混合物を室温でアルゴン下にて撹拌した。次いで、CH
2Cl
2(2m
L)中の217(37mg、103μmol)の溶液を添加し、反応物を室温で2時間の
間撹拌した。それを次いで、H
2O(10mL)に注ぎ入れ、層を分離させた。有機層を
MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮することで、粗生成物を無色の半固体
として得た。粗生成物を分取TLC(EtOAc中10%のMeOH)によって精製する
ことで、ヨウ化フェニル220を無色の油状物として得た(34mg;25%)。質量 (
ESI+): 1666.6 [M+H]
+. 質量計算値 = 1665.80.
【0223】
(((S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-((23S,26S)-26-カ
ルボキシ-23-(4-(3-(2-カルボキシ-6-((16-((6-カルボキシピ
リジン-2-イル)メチル)-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシ
クロオクタデカン-7-イル)メチル)ピリジン-4-イル)チオウレイド)ブチル)-
33-(4-ヨードフェニル)-21,24,32-トリオキソ-3,6,9,12,1
5,18-ヘキサオキサ-22,25,31-トリアザトリトリアコンチル)-1H-1
,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)ウレイド)ペンチル)カルバモイル)-
L-グルタミン酸(221、macropa-RPS-070)の調製。
【0224】
【化62】
CH
2Cl
2(2mL)中の220(34mg、20μmol)の溶液に、TFA(0
.5mL)を添加し、反応物を室温で5時間の間撹拌した。それを次いで、減圧下にて濃
縮し、粗生成物をH
2Oで希釈し、凍結乾燥させることで、遊離アミンをTFA塩として
得た。質量 (ESI+): 1342.5 [M+H]
+. 質量 (ESI-): 1340.6 [M-H]
-. 質量計算値 = 134
1.50.DMF(0.5mL)中のアミン(9mg、6.7μmol)の溶液に、DMF(
0.5mL)中のmacropa-NCS 212(15mg、25.4μmol)の溶
液を添加した。次いで、DIPEA(300μL、1.72mmol)を添加し、反応物
を室温で2時間の間撹拌した。揮発分を減圧下にて除去し、粗生成物を分取HPLCによ
って精製することで、macropa-RPS-070(221)を白色の粉末として得
た(5.4mg;42%)。質量 (ESI+): 1932.76 [M+H]
+. 1931.09 [M+H]
-. 質量計算
値 = 1931.91.
【0225】
225Ac-macropa-RPS-070の放射性合成の調製。
一般。全ての試薬は、別段の注記がない限り、Sigma Aldrichから購入し
、試薬グレードであった。塩酸(HCl)は、微量分析品質のためのtraceSELE
CT(登録商標)(>99.999%)であった。アルミニウム裏打ちシリカ薄層クロマ
トグラフィー(TLC)プレートは、Sigma Aldrichから購入した。0.0
5MのHClおよび1MのNH4OAcのストック溶液を、Milli-Q(登録商標)
水中での希釈によって調製した。
【0226】
放射標識化手順。0.05MのHCl中の225Ac(NO3)3(Oak Ridg
e National Laboratory、USA)の溶液に(970μL中17.
9MBq)、DMSO中のmacropa-RPS-070の1mg/mL溶液20μL
を添加した。pHを90μLの1M NH4OAcの添加によって5~5.5に上昇させ
た。反応物を周期的に振盪しながら室温で20分間静置した。次いで、200μLの反応
溶液を除去し、3.8mLの規定生理食塩水(脱イオン化H2O中0.9%のNaCl;
VWR)で希釈することで、910kBq/mLの濃度を有する溶液を得た。アリコート
を最終溶液から除去し、アルミニウム裏打ちシリカTLCプレート上にスポットすること
で、放射化学的収率を決定した。0.05MのHCl中の225Ac(NO3)3溶液の
アリコートを、対照として平行レーンにスポットした。プレートを10%v/vのMeO
H/10mMEDTA移動相で直ちに実行し、次いで、8時間の間静置させることで、放
射化学的平衡に到達するのを可能にした。プレートを、リン光体スクリーン上での3分曝
露に続き、Cyclone Plus Storage Phosphor Syste
m(Perkin Elmer)上で可視化した。放射化学的収率を総活性に対する22
5Ac-macropa-RPS-070の比として表し、98.1%であると決定した
。
【0227】
225Ac-macropa-RPS-070を用いる体内分布研究。
細胞培養。PSMA発現ヒト前立腺がん細胞株、LNCaPは、American T
ype Culture Collectionから得た。細胞培養供給物は、別段の注
記がない限りInvitrogenからであった。LNCaP細胞は、10%のウシ胎児
血清(Hyclone)、4mMのL-グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、1
0mMのN-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタンスルホン酸(HEPES
)、2.5mg/mLのD-グルコース、および50μg/mLのゲンタマイシンが補充
されたRPMI-1640培地中で、加湿インキュベーターの中にて37℃/5%のCO
2で維持した。0.25%トリプシン/エチレンジアミン四酢酸(EDTA)でインキュ
ベートすることによる継代または12ウェルアッセイプレートへの移動のために、細胞を
フラスコから除去した。
【0228】
異種移植片を用いるマウスの接種。全ての動物研究は、Institutional
Animal Care and Use Committee of Weill C
ornell Medicineによって承認され、USPHS Policy on
Humane Care and Use of Laboratory Animal
sによって説明されたガイドラインに従って行われた。動物は、12時間の明/暗サイク
ルを用いる承認施設に標準条件下で収容した。食物および水は、研究過程の全体にわたっ
て無制限に提供した。無毛の雄性nu/nuマウスは、Jackson Laborat
oryをから購入した。マウスにおける接種のため、LNCaP細胞をPBS:マトリゲ
ル(BD Biosciences)の1:1混合物中に4×107細胞/mLで懸濁さ
せた。各マウスの左側腹部に0.25mLの細胞懸濁液を注入した。腫瘍が100~40
0mm3の範囲にある時に体内分布を行った。
【0229】
LNCaP異種移植片マウスにおける225Ac-macropa-RPS-070の
体内分布。15匹のLNCaP異種移植片腫瘍保有マウス(1時点につき5匹)に、各リ
ガンド85~95kBqおよび100ng(50pmol)のボーラス注入を静脈内注入
した。マウスを注入後4時間、24時間および96時間で頸椎脱臼によって屠殺した。血
液試料を除去し、完全な体内分布研究を以下臓器に(内容物とともに)行った:心臓、肺
、肝臓、小腸、大腸、胃、脾臓、膵臓、腎臓、筋肉、骨および腫瘍。組織を秤量し、24
70 Wizard Automatic Gamma Counter(Perkin
Elmer)でカウントした。1%ID/mL試料を、各セットの組織試料の前および
それに続いてカウントすることで、減衰補正が行われるのを可能にした。カウント数を減
衰についておよび注入された活性について補正し、組織取込みを1グラム当たりのパーセ
ント注入用量として表した(%ID/g)。標準誤差測定値を各データ点について算出し
た。
【0230】
表1.LNCaP異種移植片マウス(n=1時点につき5)における静脈内注入に続くt=4時間、24時間
および96時間での
225Ac-macropa-RPS-070の臓器分布。値は%ID/gとして表される。
【表2】
【0231】
[
225Ac(macropa)]
+錯体の上記されているものについての結果の考察
[
225Ac(macropa)]
+のインビボ安定性を、それの体内分布を
225A
c(NO
3)
3および[
225Ac(DOTA)]
-のものと比較することによって判定
した。C57BL/6匹のマウスに10~50kBqの各放射性金属錯体を、尾静脈を介
して注入し、15分後、1時間後または5時間後に屠殺した。各臓器に保持された
225
Acの量をガンマカウントすることによって定量化し、組織1グラム当たりの注入用量の
パーセント(%ID/g)として報告した。インビボでの放射性同位体の損失に至る
22
5Ac錯体の不適切な安定性は、マウスの肝臓、脾臓および骨における
225Acの蓄積
によって顕在化される。
[11,12,31]非錯体化
225Ac(NO
3)
3の体内分
布プロファイル(
図5A)は、肝臓および脾臓における大きな蓄積に連動されるゆっくり
とした血中クリアランスおよび排泄を明らかにしている。[
225Ac(macropa
)]
+の体内分布プロファイル(
図5B)は、
225Ac(NO
3)
3のそれと著しく異
なる。[
225Ac(macropa)]
+はマウスから急速に排出され、注入後1時間
までに血中で測定される活性は非常に少なかった。注入用量のほとんどは腎性排泄され、
引き続いて、尿において検出されたが、これは、注入後15分および1時間でマウスにお
いて観察された[
225Ac(macropa)]
+の適度な腎臓および膀胱取込みを説
明している。重要なことに、[
225Ac(macropa)]
+は該研究の時間経過に
わたって任意の臓器に蓄積せず、該錯体がインビボで遊離
225Ac
3+を放出しないこ
とを示した。それの体内分布プロファイルは、インビボで
225Ac
3+を保持すると前
にされている[
225Ac(DOTA)]
-のそれ(
図5C)と同様であった。
[7]注
目すべきことに、[
225Ac(DOTA)]
-は、尿を介してより急速に排出するよう
に見え、甲状腺においてより低い程度に取り込まれた。これらの差異は、一部には該錯体
の反対の電荷により起こることがある。集団的に、これらの体内分布研究の結果は、[
2
25Ac(macropa)]
+がインビボで高安定であることを実証している。
【0232】
RPS-070をmacropa-NCSにコンジュゲートし、ここで、この構築物は
、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を阻害するグルタメート-尿素-リジン部分
[237
~241]、前立腺がん細胞に過剰発現される膜結合糖タンパク質を保有する
[242]
。アルブミン結合性官能基、この場合においてヨードフェニルを含めた基も、これらの化
合物の重要な構成成分であり、それらの循環半減期を延長する
[243,244]。
22
5Acを用いるmacropa-RPS-070の放射標識化は、20分で室温およびp
H5~5.5にて進行し、98%のRCYを得た。
225Ac-macropa-RPS
-070(85~95kBq)を次いで、LNCaP(前立腺がん)腫瘍異種移植片保有
マウスに注入し、錯体の体内分布を注入後4時間、24時間および96時間に決定した(
上記表1参照、
図6)。
225Ac-macropa-RPS-070は、血液から急速
に排出され、主に腎臓および腫瘍に分布された(注入後4時間で、それぞれ52±16%
ID/gおよび13±3%ID/g)。4時間後、ほとんどの活性が腎臓から排出し、漸
進的な腫瘍洗い流しが観察された。重要なことに、錯体は、他の臓器による無視できる取
込み(注入後96時間で<1%ID/g)を呈し、時間をかけて任意の臓器に集まらなか
った。4~96時間で腫瘍から排出した活性は、この時間中にマウスの肝臓、脾臓および
骨における
225Acの蓄積の欠如によって証明されている通り、macropa-RP
S-070によってキレート化されたままであった。これらの結果は重要であり、なぜな
らば、それらは、macropa-RPS-070が数日にわたってインビボで
225A
cを安定して保持することができること、および該構築が腫瘍に対して選択的に標的化す
ることができることを実証しているからである。
【0233】
セクション1.2参考文献
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【0234】
セクション1.3
一般的方法。全ての溶媒は、Sigma Aldrichから購入し、別段に表示され
ていない限り試薬グレード品質であった。溶媒は、活性化されたステンレス鋼カラム(P
ure Process Technology,LLC)上での蒸留によってまたは活
性化されたモレキュラーシーブ上で乾燥させることによってのいずれかで乾燥させた。試
薬は、BroadPharmから購入した2-アジド酢酸-NHSエステルおよびアジド
-PEGn-NHSエステル化合物を除いてSigma Aldrichから購入した。
試薬は全て試薬グレードであり、さらに精製することなく使用した。
【0235】
下に記載されている全ての反応を乾燥ガラス器具の中で実施した。VWR(登録商標)
High Purity Silica Gel 60Å上のシリカクロマトグラフィー
、シリカコーティングガラスプレート(Analtech)上の分取TLCを使用して、
およびCombiFlash Rf+(Teledyne Isco)システムを使用す
るフラッシュクロマトグラフィーによって、精製を行った。Agilent ProSt
ar 325 Dual Wavelength UV-Vis Detectorを装
着したデュアルポンプAgilent ProStar HPLC上のXBridge(
商標)Prep C18 5μm OBD(商標)19×100mmカラム(Water
s)を使用して、分取HPLCを行った。UV吸収を220nmおよび280nmでモニ
タリングした。2成分溶媒系を使用し、溶媒AはH2O+0.01%のTFAを含み、溶
媒Bは90%v/vのMeCN/H2O+0.01%のTFAからなっていた。以下のグ
ラジエントHPLC方法:0%B 0~1分、0~100%B 1~28分、100~0
%B 28~30分を使用して、精製を達成した。
【0236】
薄層クロマトグラフィー、分析HPLCおよび質量分光分析法を使用して、最終生成物
を同定および特徴付けた。NMR分光法を使用することで、化合物7a、8a、26およ
び28の構造を確認した。XSelect(商標)CSH(商標)C18 5μm 4.
6×50mmカラム(Waters)を使用して、分析HPLCを行った。Waters
SQ Detector2に連動されたWaters ACQUITY UPLC(登
録商標)を使用するLCMS分析によって、質量決定を行った。Bruker Avan
ce III 500MHz分光計を使用して、NMR分析を行った。スペクトルはpp
mとして報告されており、クロロホルム-d(Sigma Aldrich)における溶
媒共鳴を基準とした。生物学的アッセイにおいて評価された全ての化合物の純度は、分析
HPLCによって判断されたところ>95%であった。
【0237】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-エチ
ニルフェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グル
タメート(26):
【0238】
【化63】
Kelly J、Amor-Coarasa A、Nikolopoulo A、Ki
m D、Williams C.,Jr、Ponnala S、Babich JW.S
ynthesisに記載されているプロトコール、およびPET画像化による前立腺がん
の検出のための高親和性
18F標識化PSMAリガンドの新たなクラスの前臨床評価、E
ur J Nucl Med Mol Imaging 2017;44:647~61
に従って、アルキン26を調製し、オフホワイトの粉末として単離した。
1H NMR (500 MH
z, CDCl
3) δ 7.90 (s, 1H), 7.58 (t, 1H, J = 1.7 Hz), 7.51 (dd, 1H, J
1= 8.2 Hz, J
2 = 1.3 Hz), 7.18 (t, 1H, J = 7.9 Hz), 7.05 (d, 1H, J = 7.7 Hz), 6.38 (d, 1H, J
= 7.9 Hz), 6.28 (br s, 1H), 5.77 (d, 1H, J = 6.9 Hz), 4.32 (m, 1H), 4.02 (m, 1H)
, 3.53 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 3.00 (s, 1H), 2.39 (m, 2H), 2.07 (m, 1H), 1.88 (m,
1H), 1.74 (m, 1H), 1.62 (m, 1H), 1.49-1.37 (m, 4H), 1.41 (s, 18H), 1.37 (s, 9H)
.
【0239】
tert-ブチルN2-(N2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボ
ニル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジル)-N6-((ベンジル
オキシ)カルボニル)-L-リシナート(8a)に関する、セクション1.1におけるも
のへの合成手順
【0240】
【化64】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イルN
2-(((9H-フルオレン-9-イル)メ
トキシ)カルボニル)-N
6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リシナート(7
a):CH
2Cl
2(50mL)中のFmoc-L-Lys(Boc)-OH 6a(5
.0g、10.7mmol)およびN,N’-ジスクシンイミジルカーボネート(2.7
4g、10.7mmol)の懸濁液を、室温でアルゴン下にて撹拌した。次いで、DIP
EA(1.86mL、10.7mmol)を添加し、懸濁液を終夜撹拌した。溶媒を減圧
下にて蒸発させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%の
EtOAc)によって精製した。NHSエステル7aを白色の粉末として単離した(2.
5g、41%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.76 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.59 (d, 2H
, J = 7.3 Hz), 7.40 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 7.32 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 5.46 (br s, 1
H), 4.71 (m, 2H), 4.45 (m, 2H), 4.23 (t, 1H, J = 6.6 Hz), 3.14 (br s, 2H), 2.85
(s, 4H), 2.02 (m, 1H), 1.92 (m, 1H), 1.58 (m, 4H), 1.44 (s, 9H).
【0241】
tert-ブチルN2-(N2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カル
ボニル)-N6-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジル)-N6-((ベンジ
ルオキシ)カルボニル)-L-リシナート(8a):CH2Cl2(15mL)中のL-
Lys(Z)-OtBu.HCl(1.49g、4.0mmol)の懸濁液をDIPEA
(0.87mL、5.0mmol)で処理した。結果として得られた混合物に、CH2C
l2(10mL)中の化合物7a(2.2g、3.9mmol)の溶液を添加し、反応物
を終夜室温でアルゴン下にて撹拌した。それを次いで飽和NaCl溶液で洗浄し、有機層
をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマ
トグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、ジ-リジン8a
を白色の粉末として単離した(2.2g、72%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.76
(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.59 (d, 2H, J = 7.3 Hz), 7.40 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 7.32 (m
, 8H), 6.69 (br s, 1H), 5.60 (br s, 1H), 5.06 (m, 4H), 4.72 (br s, 1H), 4.43 (m,
1H), 4.38 (m, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.14 (m, 4H), 1.85 (m, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.50
(m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1.39 (m, 4H).
【0242】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル2-(4-ヨードフェニル)アセテート(28)
:
【0243】
【化65】
CH
2Cl
2(20mL)中の2-(4-ヨードフェニル)酢酸27(786mg、3
.0mmol)およびEDC.HCl(671mg、3.5mmol)の溶液を、15分
間室温でアルゴン下にて撹拌した。次いで、N-ヒドロキシスクシンイミド(368mg
、3.2mmol)およびTEA(0.56mL、4.0mmol)を添加し、反応物を
7時間の間撹拌した。それを次いで、飽和NaCl溶液で洗浄し、有機層をMgSO
4上
で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(
ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、NHSエステル28を白色の固
体として単離した(760mg、70%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.69 (d, 2H,
J = 7.9 Hz), 7.09 (d, 2H, J = 7.9 Hz), 3.88 (s, 2H), 2.83 (s, 4H).
【0244】
RPS-069の合成のための代表的な手順を用いる三官能性リガンド(RPS-061
、RPS-063、RPS-066、RPS-067、RPS-068、RPS-069
)の合成
【0245】
【化66】
tert-ブチルN
2-(N
2-(1-アジド-3,6,9,12,15,18-ヘキ
サオキサヘンイコサン-21-オイル)-N
6-(tert-ブトキシカルボニル)-L
-リジル)-N
6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リシナート(29e):C
H
2Cl
2(4mL)中のFmoc保護化合物8a(768mg、0.97mmol)の
溶液に、ジエチルアミン(2.07mL、20mmol)を添加した。溶液を終夜室温で
撹拌した。溶媒を減圧下にて除去し、粗生成物、黄色の油状物をさらに精製することなく
使用した。CH
2Cl
2(3mL)中のこの黄色の油(183mg、0.32mmol)
の溶液に、CH
2Cl
2(1mL)中のTEA(57μL、0.41mmol)の溶液お
よびCH
2Cl
2(1mL)中のアジド-PEG
6-NHSエステル(100mg、0.
21mmol)の溶液を添加し、反応物を終夜室温で撹拌した。それを次いで、CH
2C
l
2で希釈し、H
2Oおよび飽和NaCl溶液で順次に洗浄した。有機層をMgSO
4上
で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮することで、さらに精製する必要なくアジ化物29
eを無色の油状物として得た(184mg;95%)。質量 (ESI+): 926.4 [M+H]
+. 質
量計算値 = 925.54.
【0246】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(
1-((9S,12S)-9-(tert-ブトキシカルボニル)-12-(4-((t
ert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-3,11,14-トリオキソ-1-フ
ェニル-2,17,20,23,26,29,32-ヘプタオキサ-4,10,13-ト
リアザテトラトリアコンタン-34-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イ
ル)フェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グル
タメート(30e):DMF(0.5mL)中の100μLの0.5M CuSO4およ
び100μLの1.5Mアスコルビン酸ナトリウムの溶液を5分間混合し、次いで、DM
F(2.5mL)中の29e(184mg、0.20mmol)および26(132mg
、0.21mmol)の溶液に添加した。結果として得られた混合物を室温で45分間撹
拌した。それを次いで減圧下にて濃縮し、粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(E
tOAc中0~30%のMeOH)によって精製することで、トリアゾール30eを橙色
の油状物として得た(285mg;87%)。質量 (ESI+): 1557.2 [M+H]+. 質量計算値
= 1555.90.
【0247】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(
1-((23S,26S)-26-(tert-ブトキシカルボニル)-23-(4-(
(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-33-(4-ヨードフェニル)-
21,24,32-トリオキソ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサ-22,
25,31-トリアザトリトリアコンチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イ
ル)フェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グル
タメート(31e):Cbz保護トリアゾール30e(285mg、0.18mmol)
を二口フラスコの中でMeOH(15mL)中に溶解した。溶液に、10%のPd/C(
20mg)を添加し、懸濁液を振盪し、フラスコを排気した。懸濁液を次いでH2雰囲気
下に置き、終夜撹拌した。それをセライトに通して濾過し、フィルターケーキをMeOH
で3回洗浄した。合わせた濾液を減圧下にて濃縮することで、遊離アミンを無色の油状物
として得て(117mg;45%)、これをさらに精製することなく使用した。質量 (ES
I+): 1423.8 [M+H]+. 質量計算値 = 1422.77.CH2Cl2(4mL)中の遊離アミン(
117mg、82μmol)の溶液に、CH2Cl2(1mL)中のDIPEA(23μ
L、131mmol)の溶液を添加し、混合物を室温でアルゴン下にて撹拌した。次いで
、CH2Cl2(2mL)中の28(37mg、103μmol)の溶液を添加し、反応
物を室温で2時間の間撹拌した。それを次いで、H2O(10mL)中に注ぎ、層を分離
した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮することで、粗生成物
を無色の半固体として得た。粗生成物を分取TLC(EtOAc中10%のMeOH)に
よって精製することで、ヨウ化フェニル31eを無色の油状物として得た(34mg;2
5%)。質量 (ESI+): 1666.6 [M+H]+. 質量計算値 = 1665.80.
【0248】
(((1S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-((23S,26S)-26
-カルボキシ-33-(4-ヨードフェニル)-21,24,32-トリオキソ-23-
(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,
7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブ
チル)-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサ-22,25,31-トリアザト
リトリアコンチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)ウレイド
)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(RPS-069):CH2Cl2(2
mL)中の31e(34mg、20μmol)の溶液に、TFA(0.5mL)を添加し
、反応物を室温で5時間の間撹拌した。それを次いで減圧下にて濃縮し、粗生成物をH2
O中に希釈し、凍結乾燥させることで、遊離アミンをTFA塩として得た。質量 (ESI+):
1342.5 [M+H]+. 質量(ESI-): 1340.6 [M-H]-. 質量計算値 = 1341.50.H2O(0.5m
L)中のp-SCN-Bn-DOTA・2.5HCl・2.5H2O(Macrocyc
lics,Inc.)(13mg、19μmol)の溶液に、DMF(1mL)中の遊離
アミン(18mg、13μmol)の溶液を添加した。反応物がpHおよそ9になるまで
、DIPEAを添加した。反応物を室温で3時間の間撹拌し、この時点で、反応混合物を
次いで分取HPLCによって精製した。所望の生成物に対応するピークを回収し、凍結乾
燥させることで、RPS-069を白色の粉末として得た(8mg;32%)。質量 (ES
I+): 1893.3 [M+H]+, 947.6 [(M+2H)/2]+. 質量 (ESI-): 1891.4 [M-H]-, 945.5 [(M-2H
)/2]-. 質量計算値 = 1892.70.
【0249】
(((1S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-((17S,20S)-20
-カルボキシ-27-(4-ヨードフェニル)-15,18,26-トリオキソ-17-
(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,
7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブ
チル)-3,6,9,12-テトラオキサ-16,19,25-トリアザへプタコシル)
-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)ウレイド)ペンチル)カルバ
モイル)-L-グルタミン酸(RPS-061):RPS-069について記載されてい
る手順に従って、RPS-061を共通のビルディングブロック26、8aおよび28な
らびにアジド-PEG4-NHSエステルから合成した。質量 (ESI+): 1805.6664 [M+H]
+. 質量計算値 = 1804.6594.
【0250】
(((1S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-((14S,17S)-17
-カルボキシ-24-(4-ヨードフェニル)-12,15,23-トリオキソ-14-
(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,
7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブ
チル)-3,6,9-トリオキサ-13,16,22-トリアザテトラコシル)-1H-
1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)ウレイド)ペンチル)カルバモイル)
-L-グルタミン酸(RPS-063):RPS-069について記載されている手順に
従って、RPS-063を共通のビルディングブロック26、8aおよび28ならびにア
ジド-PEG3-NHSエステルから合成した。質量 (ESI+): 1762.4 [M+H]+. 質量(ESI
-): 1760.5 [M-H]-. 質量計算値 = 1761.71.
【0251】
(((1S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-((29S,32S)-32
-カルボキシ-39-(4-ヨードフェニル)-27,30,38-トリオキソ-29-
(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,
7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブ
チル)-3,6,9,12,15,18,21,24-オクタオキサ-28,31,37
-トリアザノナトリアコンチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニ
ル)ウレイド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(RPS-066):RP
S-069について記載されている手順に従って、RPS-066を共通のビルディング
ブロック26、8aおよび28ならびにアジド-PEG8-NHSエステルから合成した
。質量 (ESI+): 1982.3 [M+H]+, 991.5 [(M+2H)/2]-. 質量計算値 = 1980.76.
【0252】
(((1S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-((41S,44S)-44
-カルボキシ-51-(4-ヨードフェニル)-39,42,50-トリオキソ-41-
(4-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボキシメチル)-1,4,
7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェニル)チオウレイド)ブ
チル)-3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36-ドデカ
オキサ-40,43,49-トリアザヘンペンタコンチル)-1H-1,2,3-トリア
ゾール-5-イル)フェニル)ウレイド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸
(RPS-067):RPS-069について記載されている手順に従って、RPS-0
67を共通のビルディングブロック26、8aおよび28ならびにアジド-PEG12-
NHSエステルから合成した。質量 (ESI+): 1079.7 [(M+2H)/2]+. 質量 (ESI-): 2155.6
(M-H)-, 1077.7 [(M-2H)/2]-. 質量計算値 = 2156.86.
【0253】
RPS-068の合成
【0254】
【化67】
tert-ブチルN
2-(N
2-(2-アジドアセチル)-N
6-(tert-ブトキ
シカルボニル)-L-リジル)-N
6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リシナ
ート(32):CH
2Cl
2(4mL)中のFmoc保護8a(768mg、0.97m
mol)の溶液に、ジエチルアミン(2.07mL、20mmol)を添加した。溶液を
終夜室温で撹拌した。溶媒を減圧下にて除去し、粗生成物を、遊離アミン黄色の油状物と
して、さらに精製することなく使用した。CH
2Cl
2(6mL)中の遊離アミン(35
6mg、0.63mmol)の溶液に、CH
2Cl
2(1mL)中のTEA(175μL
、1.26mmol)の溶液を添加し、結果として得られた混合物を室温で撹拌した。次
いで、CH
2Cl
2(3mL)中の2-アジド酢酸NHSエステル(138mg、0.6
9mmol)の溶液を添加し、反応物を室温で撹拌した。3時間後、それをCH
2Cl
2
で希釈し、H
2Oおよび飽和NaCl溶液で順次に洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾
燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮することで、淡黄色のアジ化物32を得て(374mg
、92%)、これをさらに精製することなく使用した。質量 (ESI+): 648.1 [M+H]
+. 質
量計算値 = 647.36.
【0255】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(
1-((9S,12S)-9-(tert-ブトキシカルボニル)-12-(4-((t
ert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-3,11,14-トリオキソ-1-フ
ェニル-2-オキサ-4,10,13-トリアザペンタデカン-15-イル)-1H-1
,2,3-トリアゾール-5-イル)フェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-
イル)カルバモイル)-L-グルタメート(33):DMF(0.2mL)中の150μ
Lの0.5M CuSO4および150μLの1.5Mアスコルビン酸ナトリウムの溶液
を5分間混合し、次いで、DMF(2mL)中のアジ化物32(374mg、0.54m
mol)およびアルキン26(358mg、0.54mmol)の溶液に添加した。混合
物を室温で2時間の間撹拌した後に、溶媒を減圧下にて除去した。結果として得られた残
留物をCH2Cl2中に溶解し、H2Oで洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、
濾過し、減圧下にて濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中
0~10%のMeOH)によって精製したが、小さい不純物が残った。そのため、第2の
精製を分取TLC(100%のEtOAc)によって行い、生成物を無色の油状物として
単離した(146mg;21%)。質量 (ESI+): 1278.6 [M+H]+. 質量計算値 = 1277.73
.
【0256】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(
1-(2-(((10S,13S)-13-(tert-ブトキシカルボニル)-20-
(4-ヨードフェニル)-2,2-ジメチル-4,11,19-トリオキソ-3-オキサ
-5,12,18-トリアザイコサン-10-イル)アミノ)-2-オキソエチル)-1
H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)フェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン
-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(34):トリアゾール33(146m
g、0.11mmol)を二口フラスコの中でMeOH(10mL)中に溶解した。溶液
に、10%のPd/C(10mg)を添加し、懸濁液を振盪しながらフラスコを排気した
。次いで、懸濁液をH2雰囲気下にて2時間の間撹拌した後に、混合物をセライトに通し
て濾過した。フィルターケーキをMeOHで3回洗浄し、濾液を合わせ、減圧下にて濃縮
することで、遊離アミンを黒色の残留物として得たが(91mg;72%)、これは痕跡
量の副次的不純物を含有していた。粗生成物をさらに精製することなく使用した。質量 (
ESI+): 1144.6 [M+H]+. 質量計算値 = 1143.69.CH2Cl2(4mL)中の遊離アミン
(90mg、79μmol)およびNEt3(14μL、150μmol)の溶液に、C
H2Cl2(1mL)中の28(36mg、100μmol)の溶液を添加した。結果と
して得られた混合物を終夜室温で撹拌し、次いで、それをCH2Cl2で希釈し、H2O
および飽和NaCl溶液で順次に洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、
減圧下にて濃縮することで、黒色の残留物を得た。残留物をEtOAc中に溶解し、黒色
の沈殿物を濾過によって除去した。結果として得られた粗生成物を分取TLC(EtOA
c中5%のMeOH)によって精製し、ヨウ化フェニル34を白色の固体として単離した
(21mg;19%)。質量 (ESI+): 1388.4 [M+H]+. 質量計算値 = 1387.63.
【0257】
(((1S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-(2-(((2S)-1-(
((S)-1-カルボキシ-5-(2-(4-ヨードフェニル)アセトアミド)ペンチル
)アミノ)-1-オキソ-6-(3-(4-((1,4,7,10-テトラキス(カルボ
キシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-2-イル)メチル)フェ
ニル)チオウレイド)ヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)-1H-1,
2,3-トリアゾール-5-イル)フェニル)ウレイド)ペンチル)カルバモイル)-L
-グルタミン酸(RPS-068):CH2Cl2(3.5mL)中の34(20mg、
15μmol)の溶液に、TFA(0.5mL)を添加した。反応物を室温で4時間の間
撹拌し、次いで、それを減圧下にて濃縮した。粗残留物をH2O中に溶解し、凍結乾燥さ
せることで、遊離アミンをTFA塩として得た。質量 (ESI+): 1064.1 [M+H]+. 質量計算
値 = 1063.33.1mLの50%DMF中のp-SCN-Bn-DOTA・2.5HCl・
2.5H2O(Macrocyclics,Inc.)(10mg、15μmol)の溶
液に、H2O中で、DMF(0.7mL)中の遊離アミン(16mg、15μmol)の
溶液を添加した。反応物のpHがおよそ9になるまで、NEt3を添加した(110μL
)。反応物を1時間の間撹拌し、次いで、反応混合物を分取HPLCによって精製した。
生成物に対応するピークを回収し、凍結乾燥させることで、RPS-068を白色の粉末
として得た(2.4mg;10%)。質量 (ESI+): 1615.2 [M+H]+. 質量(ESI-): 1613.3
[M-H]-, 806.4 [(M-2H)/2]-. 質量計算値 = 1614.53.
【0258】
放射化学
一般的方法:全ての試薬は、別段の注記がない限りSigma Aldrichから購
入し、試薬グレードであった。塩酸(HCl)および酢酸ナトリウム(NaOAc)は、
traceSELECT(登録商標)(>99.999%)品質であった。使用された全
ての水(H2O)は、高純度(18mΩ)であった。分析HPLCは、デュアルUV-V
is検出器を装着したデュアルポンプVarian Dynamax HPLC(Agi
lent Technologies)で行い、NaI(Tl)フローカウント検出器(
Bioscan)を使用して、放射化学的純度を決定した。UV吸収を220nmおよび
280nmでモニタリングした。溶媒AはH2O中0.01%のトリフルオロ酢酸(TF
A)であり、溶媒Bは90%v/vのアセトニトリル(MeCN):H2O中0.01%
のTFAであった。分析を対称C18 4.6×50mm、100Åカラム(Water
s)上にて2mL/minの流量および0%Bから100%Bの勾配で10分かけて行っ
た。
【0259】
Ga-66の生成:15MeVのビームおよび17.5mAの電流を使用して2時間か
けた(p,n)反応によって天然の亜鉛標的(Alfa Aesar;0.5g、100
μmの厚さ、99.999%)の照射から、ガリウム66(t1/2=9.4時間)を生
成した。天然の亜鉛の照射は、Ga-66、Ga-67およびGa-68を生成する。標
的を終夜放置することで、Ga-68(t1/2=68分)が加工前に減衰するのを可能
にした。加工中の主な放射性核種不純物は、およそ3%のGa-67(t1/2=78.
3h)であった。標的を濃HCl(5mL)中に溶解し、66Ga3+イオンを前に公開
された方法[20]に従って20mgのUTEVAアニオン交換(Eichrom)によ
ってZn2+イオンから分離させた。カラムを後に3mlの5M HCl溶液で2回洗浄
することで、過剰のZn2+を取り除いた。最終的に、精製された66Ga3+イオンを
H2O(0.5mL)で溶出し、2.14~2.36GBq/mL(58~64mCi/
mL)およびおよそ0.1MのHClを含有する最終溶液に至った。
【0260】
RPSシリーズの放射標識化:66Ga標識化リガンドを以下の手順に従って調製した
。167~205MBq(4.5~5.5mCi)を含有するGa-66ストック溶液1
00μLを1mLの0.05M HClで希釈した。この溶液に、DMSO中の前駆体の
1mg/mL溶液40~80μLを添加した。反応を40μLの3N NaOAcの添加
によって開始し、溶液を95℃でEppendorf ThermoMixer(登録商
標)C(VWR)上にて25分間混合した。混合物を次いでH2Oで希釈し、予備活性化
されたSep-Pak C18 Plus Lightカートリッジ(Waters)に
通過させた。カートリッジをH2Oで洗浄し、生成物を100μLのEtOH(300プ
ルーフ、VWR)、続いて900μLの生理食塩水(0.9%のNaCl溶液;VWR)
で溶出した。最終の放射能濃度は7.4~85MBq/mL(0.2~2.3mCi/m
L)の範囲であり、放射化学的純度は90%超であった。
【0261】
Lu-177を用いる標識化:担体無添加Lu-177(EndolucinBeta
(登録商標))を、1.5~3.0GBq(40~80mCi)の較正で活性を有する塩
化物塩としてiTG(Garching、Germany)から購入した。Lu-177
ストック溶液0.52~0.93GBq(14~25mCi)を含有するアリコートを、
0.05MのHClで1mLに希釈した。この溶液に、20μgの前駆体をDMSO中の
1mg/mL溶液として添加した。3NのNaOAc(20~30μL)を使用してpH
を4~5に上昇させることによって、反応を開始した。緩衝溶液を10分間95℃で類似
の加熱ブロック(VWR)上にて加熱した。溶液が室温に冷却した後、それをH2O(9
mL)で希釈し、予備活性化されたSep-Pak C18 Plus Lightカー
トリッジ(Waters)に通過させた。カートリッジをH2O(5mL)で洗浄し、生
成物を500μLのEtOH(200プルーフ、VWR)、続いて500μLの生理食塩
水(0.9%のNaCl溶液;VWR)で溶出した。アリコート(40~98μL)をこ
の溶液から除去し、生理食塩水で4mLに希釈した。注入溶液における各リガンドの最終
濃度は、0.23~0.28μMであり、3.5~8.8MBq/mL(93~240μ
Ci/mL)の活性の範囲であった。177Lu標識化化合物の比活性は、15.8~4
8.8GBq/μmolを範囲とした。放射化学的収率は、精製および再製剤の後に33
~80%であり、放射化学的純度は98%超であった。
【0262】
細胞培養:PSMA発現ヒト前立腺がん細胞株、LNCaPは、American T
ype Culture Collectionから得た。細胞培養供給物は、別段の注
記がない限りInvitrogenから得た。LNCaP細胞は、10%のウシ胎児血清
(Hyclone)、4mMのL-グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、10m
MのN-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタンスルホン酸(HEPES)、
2.5mg/mLのD-グルコース、および50μg/mLゲンタマイシンが補充された
RPMI-1640培地中で、加湿インキュベーターの中にて37℃/5%CO2で維持
した。0.25%トリプシン/エチレンジアミン四酢酸(EDTA)でインキュベートす
ることによる継代または12ウェルアッセイプレートへの移動のために、細胞をフラスコ
から除去した。
【0263】
IC50のインビトロ決定:小さい修正がある前に記載されている方法に従って[18
,19]、LNCaP細胞上のPSMAへの結合について、99mTc-((7S,12
S,16S)-1-(1-(カルボキシメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2
-((1-(カルボキシメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-9,14
-ジオキソ-2,8,13,15-テトラアザオクタデカン-7,12,16,18-テ
トラカルボン酸テクネチウムトリカルボニル錯体)(99mTc-MIP-1427)に
対する多濃度競合的結合アッセイにおいてスクリーニングすることによって、非標識化さ
れた金属フリーリガンドのIC50値を決定した。簡潔には、0.25%のウシ血清アル
ブミンが補充されたRPMI-1640培地中でおよそ5×105細胞/ウェル(トリプ
リケートで)の密度を達成するために、LNCaP細胞を実験の48時間前に平板培養し
た。細胞を2時間の間、1nMの99mTc-MIP-1427を用いて、血清フリーの
RPMI-1640培地中で、0.001~10,000nMの試験化合物の存在下にて
インキュベートした。放射性のインキュベーション培地を次いでピペットによって除去し
、1mLの氷冷PBS 1X溶液を使用して、細胞を2回洗浄した。1mLの1M Na
OHを用いる処理に続き、細胞をプレートから回収し、2470 Wizard2 Au
tomatic Gamma Counter(Perkin Elmer)を使用する
放射カウントのためにチューブに移した。標準溶液(各ウェルに添加された活性の10%
)を調製することで、減衰補正を可能にした。Originソフトウェアにおいてデータ
ポイントをS字形Hills1曲線にフィットさせることによって、IC50値を決定し
た。
【0264】
異種移植片を用いるマウスの接種:全ての動物研究は、Institutional
Animal Care and Use Committee of Weill C
ornell Medicineによって承認され、USPHS Policy on
Humane Care and Use of Laboratory Animal
sによって説明されたガイドラインに従って行われた。動物は、12時間の明/暗サイク
ルを有する承認された施設に標準条件下にて収容した。食物および水を研究過程の全体に
わたって無制限に提供した。無毛の雄性nu/nuマウスをJackson Labor
atoryから購入した。マウスにおける接種のため、LNCaP細胞をPBS:マトリ
ゲル(BD Biosciences)の1:1混合物中に4×107細胞/mLで懸濁
させた。各マウスの左側腹部に0.25mLの細胞懸濁液を注入した。腫瘍がおよそ20
0~400mm3に達した時にマウスを画像化し、一方、腫瘍が100~400mm3の
範囲にある時に体内分布を行った。
【0265】
LNCaP異種移植片マウスにおける66Ga-RPSリガンドの画像化:LNCaP
異種移植片腫瘍保有マウス(1化合物当たり2~3匹)に、66Ga標識化リガンド0.
56~5.4MBq(15~145μCi)のボーラス注入を静脈内注入した。トレーサ
ーの比活性は、14.8~47MBq/μmol(0.4~1.27mCi/μmol)
の範囲であった。イソフルランでの吸入麻酔に続いて注入後1時間、3時間、6時間およ
び24時間にμPET/CT(Inveon(商標);Siemens Medical
Solutions,Inc.)を使用して、マウスを画像化した。総獲得時間は、1
時間、3時間および6時間の画像について30分、および24時間時点について60分で
あった。解剖学的な同時登録および減衰補正の両方に関する獲得の直前に、CTスキャン
を得た。ベンダーによって供給されたInveon(商標)ソフトウェアを使用して、画
像を再構築した。画像誘導の腫瘍および腎臓取込みを、画像化視野に導入された1立方m
m当たりの10%注入用量(%ID/mm3)標準との比較によって概算した。注入活性
の10%を生理食塩水で1mLに希釈することによって、標準を調製した。CTを活用し
て、目的の体積(VOI)を引き出し、PETによって確認した。VOIの量を統合し、
注入された活性についての補正に続いて前に記述の標準との直接比較によって、算出カウ
ント数を%ID/mm3に変換した。
【0266】
LNCaP異種移植片マウスにおける177Lu標識化リガンドの体内分布研究:LN
CaP異種移植片腫瘍保有マウス(1化合物当たり1時点につき5匹)に、各リガンド3
48~851kBq(9.4~23μCi)および37~50ng(23~25pmol
)のボーラス注入の静脈内注入した。マウスを注入後4時間、24時間および96時間で
屠殺した。血液試料を除去し、完全な体内分布研究を以下の臓器に(内容物とともに)行
った:心臓、肺、肝臓、小腸、大腸、胃、脾臓、膵臓、腎臓、筋肉、骨および腫瘍。組織
を秤量し、2470 Wizard2 Automatic Gamma Counte
r(Perkin Elmer)でカウントした。カウント数を減衰についておよび注入
された活性について補正し、組織取込みを1グラム当たりのパーセント注入用量(%ID
/g)として表した。標準誤差測定値を各データ点について算出した。
【0267】
線量測定値:線量測定値を算出して、3つの時点の間の直線補間を想定した。活性の平
均およびその時点でのマウスの臓器重量を使用することによって、1臓器当たりの平均注
入用量を算出した。線形近似値を使用して、4時間毎に中間時点を発生させ、全ての時点
を時点間の時間間隔中の減衰について補正した。台形近似値および残留時間を決定するた
めに使用された和を使用して、これらの曲線を統合した。
【0268】
統計的分析:時間を通して各化合物の組織取込みを比較するため、包括的な統計的分析
を行った。正規性想定を分位点-分位点(QQ)プロットによって視覚的にチェックし、
対数変換をデータに適用することで、歪み効果を除去した。各臓器および各化合物下で、
チューキーの実際有意差(HSD)事後検定を用いる一元配置ANOVA(変動の分析)
を使用することで、3つの時点を通した測定値における差異を評価した。F検定下で全体
的なP値を決定し、t検定で対値を決定した。さらに、二元配置ANOVAを使用するこ
とで、各臓器における時間、化合物およびそれらの相互作用の影響を判定した。P値は報
告されている。95%の信頼区間を使用することで、統計的有意性を決定した。
【0269】
セクション1.3結果および考察
0(RPS-068)、3(RPS-063)、4(RPS-061)、6(RPS-
069)、8(RPS-066)または12(RPS-067)のPEGサブ単位を組み
込むアジド誘導体化ポリエチレングリコール(PEG)スペーサーによって、3つの部分
を連結した(表2を参照されたい)。リガンドの劣化または分解は、分析HPLCによっ
て決定されたところ、4℃で貯蔵中3カ月の過程で観察されなかった。対照的に、PEG
スペーサーの代わりにGly-Gly-GlyリンカーまたはC7H14リンカーを使用
した同様の類似体は、同じ貯蔵条件下にて数週の過程で分解するのが見出された。
【0270】
動物の使用を最小化する努力において、μPET/CT画像化を使用して化合物の初期
スクリーニングを行うことで、不要な試験を回避した。この目的で、サイクロトロンにお
いてより長い半減期(t1/2=9.4時間)およびより大きい定量を生成する可能性(
>1.85GBq/50mCi)により、Ga-68またはSc-44などの他のPET
放射性核種に優先してGa-66を選択した。Ga-66の99%超は、精製プロセスに
おいて回復したが、標識化収率は一貫して低いままであった(46.4±20.5%、n
=7)。可変のおよび低い標識化収率は、溶解させた標的材料からの66Ga3+イオン
の不完全な分離により、標識化反応におけるZn2+イオンの存在による可能性が高い。
【0271】
精製および再製剤化に続いて、177Lu標識化構築物を67±17%(n=20)の
放射化学的収率で調製した。最終生成物収率における変動は、C18カートリッジによる
捕捉効率における差異により大きく、177Lu-RPS-067および177Lu-R
PS-068は、最も低い捕捉(およそ40%)を示した。精製の前の標識化収率は、典
型的に、放射性HPLCによって決定されたところ全てのリガンドについて>75%であ
った。PEG長と標識化収率との間の明らかな相関はなかった。Lu-177標識化リガ
ンドは、4℃で貯蔵された場合に24時間の間、放射線分解に対して安定であった。放射
化学的安定性は室温で決定されなかった。
【0272】
注入されたリガンドの総量は、1マウス当たり22~24pmolであったことで、ヒ
ト対象に投与される177Lu-PSMA-617の臨床的質量用量と比例しているまま
であった[4]。調製物の比活性は15.8~48.8GBq/μmolを範囲とし、1
77Lu-PSMA-617の前臨床評価について報告されている値と一致した[21]
。注入された66Ga標識化リガンドの質量は、1マウス当たり4μgであり、1.8~
2.5nmolに対応した。このより大きい質量は、この放射性核種を用いた、より低い
標識化収率を説明するのに必要とされた。
【0273】
細胞ベースの競合的結合アッセイを使用して、全ての化合物をインビトロでのPSMA
結合について評価した。全ての化合物は高度に強力であり(IC50<10nM)、PS
MA標的化ファルマコフォアとしてGlu-尿素-Lysの3-エチニルフェニル尿素誘
導体の我々の選択を検証した。親和性の範囲をRPS-063(IC50=1.5±0.
3nM)およびRPS-067(IC50=9.5±1.1nM)によって定義した(表
2)。効力は一般に、PEGリンカー長を増加させると減少するが、RPS-068(P
EG0;IC50=2.1±0.1nM)は、RPS-063よりもわずかに強力でなか
った。同じアッセイにおいて、PSMA-617のIC50は、6.6±0.7nM(表
2)と決定され、前に報告されている値と一致した[21]。
【0274】
表2.化合物構造および鍵となるインビトロおよびインビボ特徴の要約。LNCaP細胞におけ
る競合的結合アッセイによって、IC
50値を決定した。LNCaP異種移植片腫瘍保有マウスに
おいて対応する
177Lu標識化化合物を用いる体内分布研究によって、腫瘍取込みを決定し
た。(a=注入後4時間;b=注入後24時間)
【表3】
【0275】
不十分な標的化を示す化合物に対する完全な体内分布研究を回避する意図で、
66Ga
を使用するμPET/CT画像化(
図7)によって、マウスにおける化合物の予備的スク
リーニングを行った。注入後1時間、3時間、6時間および24時間の腫瘍および腎臓に
おける定量的取込みを決定するため、画像を分析した。腫瘍において、取込みは高かった
が、PEG長を増加させるとともに減少した。
66Ga-RPS-068(PEG0;9
.7±2.0%ID/cm
3の最大取込み(3時間);24時間で8.3±2.8%ID
/cm
3)および
66Ga-RPS-063(PEG3;9.5±2.4%ID/cm
3
の最大取込み(6時間);24時間で7.9±3.0%ID/cm
3)は、最も大きい取
込みを示し、
66Ga-RPS-061(PEG4;6.1±1.1%ID/cm
3)お
よび
66Ga-RPS-069(PEG6;7.0±3.9%ID/cm
3)は、注入後
24時間に匹敵する取込みを実証した。
66Ga-RPS-066(PEG8;7.8±
0.7%ID/cm
3の最大取込み(3時間);24時間で5.5±0.4%ID/cm
3)および
66Ga-RPS-067(PEG12;6.6±3.2%ID/cm
3の最
大取込み(1時間);24時間で3.1±1.7%ID/cm
3)は、全ての時点でより
低い取込みを示したが、依然として
66Ga-PSMA-617(3.1±0.4%ID
/cm
3の最大取込み(1時間);24時間で1.1±0.4%ID/cm
3)を超えて
いた。腎臓取込みは一般に、腫瘍取込みと同じ位であり、注入後1時間で最も大きかった
。取込みは、注入後1時間で10.5±2.1%ID/cm
3(
66Ga-RPS-06
1)から3.7±0.5%ID/cm
3(
66Ga-RPS-067)、および注入後2
4時間で1.9±0.3%ID/cm
3(
66Ga-RPS-068)から0.2±0.
1%ID/cm
3(
66Ga-RPS-066および
66Ga-RPS-067)を範囲
とした。比較において、
66Ga-PSMA-617の最大腎臓取込みは、0.4±0.
1%ID/cm
3であり、一方、24時間での取込みは0.1±0.1%ID/cm
3で
あった。
【0276】
有望な画像化研究に続いて、
177Lu標識化リガンドの体内分布研究は、PET画像
における明白な傾向を確認した。PSMAに対する化合物の親和性は、1桁内に集まって
いるが、リガンドの組織分布はかなりの変動を示した。これは、腫瘍および腎臓を含めて
、PSMAを発現することが知られている組織において最も明白であった(
図8)。腫瘍
取込みは高く、
177Lu-RPS-068(PEG
0)、
177Lu-RPS-063
(PEG
3)、
177Lu-RPS-061(PEG
4)、
177Lu-RPS-069
(PEG
6)および
177Lu-RPS-066(PEG
8)について高いままであった
。より高い親和性化合物
177Lu-RPS-068および
177Lu-RPS-063
について、注入後4時間での取込みは、それぞれ21.8±2.8%ID/gおよび30
.0±3.1%ID/gであり、注入後96時間で14.9±1.5%ID/gおよび1
2.9±0.5%ID/gが依然として残っていた。クリアランスは、24時間(p>0
.13)まで統計的に有意でなかった。
177Lu-RPS-069および
177Lu-
RPS-066の取込みは、注入後4時間にそれぞれ17.0±2.1%ID/gおよび
18.7±1.1%ID/gであり、注入後96時間で9.8±0.8%ID/gおよび
5.9±0.7%ID/gに減少した。それでもなお、これらの取込み値は、
177Lu
-PSMA-617について観察されたものよりも注入後24時間の後のほうが有意に大
きい(注入後4時間および96時間に14.4±1.1%ID/gおよび3.5±0.3
%ID/g、p<0.001)。
177Lu-RPS-067(PEG
12)、最も低い
親和性リガンドは、注入後4時間で7.6±1.2%ID/gのみ蓄積し、注入後96時
間で3.2±0.1%ID/gまで排出した。この取込みは、
177Lu-PSMA-6
17を除く全ての他のリガンド(p<0.001)よりも有意に低かった。
【0277】
RPSシリーズ内の同様の傾向が腎臓取込みについて観察され、最も低い親和性リガン
ド、
177Lu-RPS-067は、試験された他のRPSリガンド(p<0.004)
よりも注入後4時間で有意に低い取込み(54.9±13.2%ID/g)によって区別
された(
図8)。腎臓取込みは、RPSシリーズの全ての他のリガンドについて注入後4
時間で100%ID/gを超え、一方、
177Lu-PSMA-617は公表報告書[2
1]と一致して急速に排出することが見出された(注入後4時間で14.1±3.1%I
D/g)。
177Lu-RPS-068(注入後24時間で87.3±6.7%ID/g
)および
177Lu-RPS-063(注入後24時間で51.8±8.6%ID/g)
の延長保持は明白であったが、
177Lu-RPS-066(注入後24時間で6.2±
0.8%ID/g)および
177Lu-RPS-067(注入後24時間で4.6±0.
6%ID/g)は、有意に(p<0.001)およびより急速に排出した。これらの2つ
のリガンドの取込みは、他のRPSリガンドよりも有意に低くかったが(p<0.001
)、互いに有意に異なってはいなかった(p<0.14)。
【0278】
持続的な腫瘍蓄積との組合せにおいて、より急速な腎臓クリアランスは、注入後24時
間での177Lu-RPS-066および177Lu-RPS-067について1.92
±0.30および1.25±0.20の腫瘍対腎臓比を生じさせた。これらの比は、他の
RPSリガンドよりも有意に高いが(p<0.001)、高度および持続的な腫瘍取込み
よりはむしろ低いおよび急速な腎臓クリアランスを反映している。同じ理由のため、17
7Lu-PSMA-617の腫瘍対腎臓比は、研究された全ての時点で他のリガンドより
も有意に高い(p<0.001)。96時間までに、RPSシリーズの各メンバーは、実
質的に1(範囲=1.56~3.32)を上回る腫瘍対腎臓比を実証した。
【0279】
他の組織における取込みは、中程度の、おそらく注入後4時間でのPSMA媒介取込み
、続いて、バックグラウンドレベルへのクリアランスを示した脾臓を除いて、無視できる
ほどであった(
図8)。予想された通り、血中活性は、RPSシリーズの全てについて
1
77Lu-PSMA-617(p<0.05)よりも有意に大きかった。
177Lu-R
PS-063、
177Lu-RPS-061および
177Lu-RPS-068は、注入
後4時間で最も高い血中活性を示し(
図9)、一方、
177Lu-RPS-069、
17
7Lu-RPS-066および
177Lu-RPS-067は、同じ時点でより低い血中
保持を示した。注入後24時間までに、血中活性は、リガンドの全てについて0.3%I
D/g未満であり、96時間までに、それは0.1%ID/g未満に減少した。興味深い
ことに、RPSリガンドの全ては同じアルブミン結合基、N
6-(2-(4-ヨードフェ
ニル)アセチル)-L-リジンを含有していたが、より短いPEG化合物
177Lu-R
PS-068および
177Lu-RPS-063と、より長いPEG化合物
177Lu-
RPS-066および
177Lu-RPS-067との間に、有意な差異(p<0.00
1)が観察された。これは、リンカーが血漿タンパク質への結合および/またはクリアラ
ンスに影響を及ぼすことを示している。
【0280】
PEG長とPSMAへの親和性との間の逆相関は、PSMA構築物および他の標的リガ
ンドについて現在までに報告されている所見と一致する。PEG3またはPEG4などの
小さいPEGリンカーは、PSMAを標的化する小分子薬物コンジュゲートに組み込まれ
てきたが[22,23]、この性質の構築物は、現在まで、低い親和性および/または不
十分な腫瘍取込みを示してきた。1つのSAR研究は、PEG2およびPEG4リンカー
が、PSMA標的化造影剤のファミリーにおいてPSMA親和性を最もよく保持し、PE
G12およびPEG24が親和性における大きな減少に至ることを確証した[24]。こ
れらの結果は、PEG12リンカーが、小分子GCPIIリガンドにおけるPEG8に相
対して親和性を減少したという観察と一致した[25]。ボンベシンの68Ga標識化ア
ンタゴニストに対するPEGリンカーの影響のSAR研究は、親和性がPEGリンカーの
各漸進的延長でわずかに弱まったことを見出した[26]。この研究は、その上、リガン
ドの体内分布における小さい差異を同定した。
【0281】
腫瘍取込みについての時間-活性曲線(TAC)の曲線(AUC)下の面積は、
177
Lu標識化RPS-061、-063、066、-068および-069リガンドが
17
7Lu-PSMA-617よりも有意に大きい用量を腫瘍へ送達することを示唆している
(
図10)。これは、腫瘍における用量積分の比較によって確認される。
177Lu-R
PS-068および
177Lu-RPS-063は、
177Lu-PSMA-617より
もほぼ4倍高く、一方、
177Lu-RPS-061、
177Lu-RPS-069およ
び
177Lu-RPS-066は、その上、少なくとも2倍高い(
図11)。
【0282】
177Lu標識化RPSリガンドの腫瘍取込みは、その上、注入後1時間で7.96±
1.76のLNCaP腫瘍における報告されている取込みを有する
177Lu-PSMA
I&T[27]、およびPC3-PIP腫瘍において注入後72時間で46%ID/g
に達すると報告された[23]近年報告の
177Lu-CTT1403を含めて、現在ま
でに報告されている他の
177Lu標識化PSMA-標的リガンドよりも高いという可能
性が高い。PC3-PIP腫瘍におけるPSMA発現は、ヒト前立腺がんに典型的に見出
されるのよりも高く、注目すべきことにLNCaP細胞よりも10倍大きく[28]、
1
77Lu-CTT1403の取込みがLNCaP腫瘍においてかなり低い可能性が高いこ
とを意味する。
177Lu-RPS-063および
177Lu-RPS-068について
LNCaP腫瘍における取込みは、
131I-MIP-1095について報告されている
取込みと同等であり[29]、我々の知る限り、現在までに報告されているLNCaP異
種移植片腫瘍における最も大きい取込みを有する小分子である。
177Lu-RPS-0
63、
177Lu-RPS-068および
131I-MIP-1095についてのTAC
の比較は、研究された96時間の期間の間について同様のAUCを示唆している(
図10
)。
【0283】
血中保持の延長は、時間とともに腫瘍蓄積の増加に至ることが前に報告されており[2
3,30]、おそらく、リガンドが腫瘍床を通過する回数の増加の帰結である。177L
u-RPS-068は、4時間から24時間で増加するように見えるが、この差異は統計
的に有意でない(p=0.26)。該現象は、注入後4時間の後の他の三官能性RPSリ
ガンドシリーズの中でも明白でないが、最初の4時間の中での血中クリアランスの遅延が
、この時間間隔における腫瘍取込みを増加させ得ることは可能である。それでもなお、腫
瘍からのリガンドのクリアランスは遅く、177Lu-PSMA-617と比較してより
大きな量の活性を標的組織へ送達するのを可能にする。アルブミン結合基の置換によるア
ルブミン結合のさらなる修正は、血中クリアランスを修正するために、ならびに高度およ
び持続的な腫瘍蓄積を補強するために使用することができる。
【0284】
mCRPCのためのPSMA-標的化放射性リガンド治療を使用する有望な臨床転帰に
もかかわらず、(1)β-粒子放射線に対する耐性を克服し、(2)びまん性転移巣(特
に、骨において)を処置するのに適切であり、(3)無進行生存のより長い持続期間を提
供する次世代リガンドが、処置における改善の継続に必須である。最小の毒性は現在、1
77Lu-PSMA-617または131I-MIP-1095の単回投与と関連するが
、血液学的毒性および持続的口腔乾燥症状の発生率は、後続の治療サイクルで増加するこ
とがあり[3]、一方、生化学的応答は減少することがある[3,5]。アルファ-粒子
媒介治療は、β-粒子に対する耐性を克服するとともに血液学的毒性を低減する方法とし
て提案されている[31]。213Bi-PSMA I&Tを用いる早期の前臨床研究は
、インビボで腫瘍におけるDNA二重鎖切断の形成を同定しており[32]、一方、22
5Ac-PSMA-617または213Bi-PSMA-617を用いるヒト患者の予備
的処置は、難治性がんにおいて劇的な応答に至っている[31,33]。それでもなお、
複数の治療サイクルが効力のために必要とされ、不可逆的な口腔乾燥症状および乾性角結
膜炎に至った[33]。
【0285】
これらの早期所見は、α-粒子放射線治療に対する治療的可能性を実証してきたが、高
用量を腫瘍に送達することができるより大きな治療指数を有する放射性リガンドの必要に
脚光を当てた。177Lu-RPS-061、-063、-066、-068および-0
69の各々は、LNCaP異種移植片腫瘍における177Lu-PSMA-617よりも
有意に高い腫瘍取込みを示し、AUCにおける対応する増加は、腫瘍に送達される放射能
の線量の増加と相関する。最も高い腫瘍取込みを有する3つのリガンド177Lu-RP
S-063、177Lu-RPS-068および177Lu-RPS-061の腫瘍対腎
臓比は、注入後96時間でそれぞれ2.75±0.17、1.56±0.23および3.
64±0.29である。対照的に、177Lu-CTT1403は、1.0に決して達し
ない[23]。同じ時点での177Lu-PSMA-617の腫瘍対腎臓比は、14.3
9±2.2であり、96時間にわたる腎臓用量積分に対する腫瘍用量積分の比は1.95
であるが、これらは、高い腫瘍取込みよりはむしろ非常に低い腎臓取込みによって推進さ
れる。ヌードマウスの腎臓におけるPSMAの発現は、ヒト腎臓における発現レベルより
も高いことが広く実証されてきており[34,35,36]、前臨床研究が一貫して、こ
の臓器に送達される用量を過大評価していることを意味する。131I-MIP-109
5(29)、177Lu-DKFZ-617(21)および177Lu-PSMA I&
T(37)を含めて、いくつかのPSMA-標的化治療薬は全て、ヌードマウスにおいて
100%ID/g以上の早期の腎臓濃度を示し、依然として、同一ではないが許容される
腎臓用量を用いる臨床へと無難に翻訳されてきた。
【0286】
さらに、2-PMPAとの薬理学的置き換えを含めて、追加の腎保護スキームは、また
さらに腎臓における活性を低減すると示されてきた[37,38]。まとめると、これら
の観察は、三官能性RPSリガンドが、高度および持続的な腫瘍取込みおよびα-粒子放
射線治療薬に望ましい広い治療指数の両方を示すことを例示している。
【0287】
セクション1.3参考文献
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【0288】
セクション1.4
材料および計器。RPS-074の合成は、下に記載されている。全ての溶媒および試
薬は、市販ベンダーから購入し、さらに精製することなく使用した。中間体ジ-tert
-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-エチニルフェニル
)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(4
06)およびmacropa-NCSを上に記載した通りに合成した。VWR(登録商標
)High Purity Silica Gel 60Å上のシリカクロマトグラフィ
ー、シリカ-コーティングガラスプレート上の分取TLC(Analtech)、または
CombiFlash Rf+(Teledyne Isco)システムを使用するフラ
ッシュクロマトグラフィーを使用して、化合物を精製した。Agilent ProSt
ar 325 Dual Wavelength UV-Vis Detector を
装着したデュアルポンプAgilent ProStar HPLC上のXBridge
(商標)Prep C18 5μm OBD(商標)19×100mmカラム(Wate
rs)を使用して、分取HPLCを行った。UV吸収を220nmおよび280nmでモ
ニタリングした。2成分溶媒系を使用し、溶媒AはH2O+0.01%のTFAを含み、
溶媒Bは90%v/vのMeCN/H2O+0.01%のTFAからなっていた。以下の
グラジエントHPLC方法を使用して、精製を達成した:0%B 0~1分、0~100
%B 1~28分、100~0%B 28~30分。
【0289】
薄層クロマトグラフィー、分析HPLCおよび質量分光分析法を使用して、最終生成物
を同定および特徴付けた。NMR分光法を使用することで、化合物406およびmacr
opa-NCSの構造を確認した。Bruker Avance III 500MHz
分光計を使用して、NMR分析を行った。スペクトルはCDCl3またはDMSO-d6
において報告されている。XSelect(商標)CSH(商標)C18 5μm 4.
6×50mmカラム(Waters)を使用して分析HPLCを行った。Waters
SQ Detector2に連動されたWaters ACQUITY UPLC(登録
商標)を使用するLCMS分析によって、質量決定を行った。生物学的アッセイにおいて
評価された全ての化合物の純度は、分析HPLCによって判断したところ>95%の純度
であった。
【0290】
RPS-074の合成。
【0291】
【化68】
tert-ブチルN
2-(1-(9H-フルオレン-9-イル)-3-オキソ-2,7
,10,13,16,19,22,25,28-ノナオキサ-4-アザヘントリアコンタ
ン-31-オイル)-N
6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-L-リシナート(40
2)の調製。DMF(10mL)中のFmoc-N-アミド-PEG-8-酸(663m
g、1.0mmol)、L-N
ε-Z-Lys-OtBu塩酸塩(446mg、1.2m
mol)およびHATU(456mg、1.2mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(
260mg、2.0mmol)を添加し、反応物を終夜室温でN
2下にて撹拌した。溶媒
を減圧下にて除去し、粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0~1
0%のMeOH)によって精製することで、化合物2を無色の油状物として得た(845
mg、86%)。質量 (ESI+): 983.0 [M+H]
+. 質量計算値: 981.5.
【0292】
tert-ブチルN2-(1-(9H-フルオレン-9-イル)-3-オキソ-2,7
,10,13,16,19,22,25,28-ノナオキサ-4-アザヘントリアコンタ
ン-31-オイル)-N6-(4-(4-ヨードフェニル)ブタノイル)-L-リシナー
ト(403)の調製。化合物402(1.45g、1.48mmol)をMeOH(25
mL)中に溶解した。木炭(15mg)上の10%パラジウムを添加し、懸濁液を3つ口
フラスコの中にて室温で10分間撹拌した。フラスコを排気し、次いでH2雰囲気下に置
いた。懸濁液を次いで室温で5時間撹拌した後に、それをセライトに通して濾過した。フ
ィルターケーキをMeOHで洗浄し、合わせた濾液を減圧下にて濃縮することで、アミン
を黄色の油状物として得て(1.17g、93%)、これをさらに精製することなく使用
した。質量 (ESI+): 849.4 [M+H]+. 質量計算値: 848.0.CH2Cl2(20mL)中の
アミン(865mg、1.01mmol)および2,5-ジオキソピロリジン-1-イル
4-(4-ヨードフェニル)ブタノエート(387mg、1.00mmol)の溶液に、
TEA(167μL、1.20mmol)を添加した。結果として得られた溶液を室温で
Ar下にて4時間の間撹拌した。溶液を次いで、1%v/vのAcOH/H2Oおよびブ
ラインで順次に洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮す
ることで、黄色の油状物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl
2中0~30%のMeOH)によって精製し、化合物3を黄色の油状物として単離した(
360mg、32%)。質量 (ESI+): 1120.9 [M+H]+. 質量計算値: 1119.5.
【0293】
tert-ブチルN2-((S)-10-((((9H-フルオレン-9-イル)メト
キシ)カルボニル)アミノ)-2,2-ジメチル-4,11-ジオキソ-3,15,18
,21,24,27,30,33,36-ノナオキサ-5,12-ジアザノナトリアコン
タン-39-オイル)-N6-(4-(4-ヨードフェニル)ブタノイル)-L-リシナ
ート(404)の調製。CH2Cl2(2mL)中の403(360mg、0.32mm
ol)およびジエチルアミン(0.67mL、6.48mmol)の溶液を、室温で7時
間の間撹拌した。溶液を減圧下にて濃縮し、粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(
CH2Cl2中0~30%のMeOH)によって精製した。生成物を含有する画分を合わ
せ、濃縮することで、アミンを黄色の油状物として得た(96mg、33%)。質量 (ES
I+): 899.2 [M+H]+. 質量計算値: 897.4.CH2Cl2(5mL)中のアミン(96mg
、107μmol)およびFmoc-L-Lys(Boc)-OSu(62mg、110
μmol)の溶液に、TEA(28μL、200μmol)を添加した。混合物を終夜室
温でAr下にて撹拌した。溶媒を減圧下にて除去し、粗生成物をフラッシュクロマトグラ
フィー(CH2Cl2中0~30%のMeOH)によって精製した。所望の生成物が副次
的不純物と共溶出したので、混合物を分取TLC(10%v/vMeOH/CH2Cl2
)によってもう一度精製した。化合物404を無色の油状物として単離した(78mg、
51%)。質量 (ESI+): 1349.0 [M+H]+. 質量計算値: 1347.6.
【0294】
tert-ブチルN2-((S)-10-アミノ-2,2-ジメチル-4,11-ジオ
キソ-3,15,18,21,24,27,30,33,36-ノナオキサ-5,12-
ジアザノナトリアコンタン-39-オイル)-N6-(4-(4-ヨードフェニル)ブタ
ノイル)-L-リシナート(405)の調製。CH2Cl2(2mL)中の404(73
mg、54μmol)およびジエチルアミン(0.5mL、4.83mmol)の溶液を
終夜室温で撹拌した。溶媒を減圧下にて除去し、粗生成物をMeOH中に溶解し、分取T
LC(CH2Cl2中10%v/vのMeOH)によって精製した。アミン405を淡色
の油状物として単離した(25mg、41%)。質量 (ESI+): 1127.7 [M+H]+. 質量計
算値: 1126.2.
【0295】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(
1-(2-(2-(2-(3-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-
3-オキソプロポキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-1H-1,2,3-トリアゾー
ル-4-イル)フェニル)ウレイド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)
-L-グルタメート(407)の調製。0.5MのCuSO4(100μL)および1.
5Mのアスコルビン酸ナトリウム(100μL)の溶液を、茶色が橙色に変換するまで混
合した。この混合物を次いで、DMF(2mL)中の406(315mg、0.5mmo
l)およびアジド-PEG3-NHS(177mg、0.5mmol)の溶液に添加した
。混合物を室温で2時間の間撹拌した。それを次いで、CH2Cl2で希釈し、H2Oで
洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮することで、淡色
の油状物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~30%
のMeOH)によって精製することで、化合物407を清澄な油状物として得た(460
mg、95%)。質量 (ESI+): 975.9 [M+H]+. 質量計算値: 974.5.
【0296】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-(3-(3-(
1-((14S,45S)-45-(tert-ブトキシカルボニル)-14-(4-(
(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブチル)-54-(4-ヨードフェニル)-
12,15,43,51-テトラオキソ-3,6,9,19,22,25,28,31,
34,37,40-ウンデカオキサ-13,16,44,50-テトラアザテトラペンタ
コンチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)ウレイド)-1-
オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(408)の調製。CH
2Cl2(4mL)中のアミン405(25mg、22μmol)の溶液に、CH2Cl
2(1mL)中のエステル407(24mg、25μmol)およびTEA(7μL、5
0μmol)の溶液を添加した。反応物を5時間の間室温でAr下にて撹拌した。次いで
、反応物を減圧下にて濃縮し、粗残留物をEtOAc(1mL)中に溶解し、分取TLC
(ヘキサン中90%のEtOAc)によって精製することで、化合物408を淡色の油状
物として得た(33mg、76%)。質量 (ESI+): 994.3 [(M+2H)/2]+. 質量計算値: 1
986.2.
【0297】
(((S)-1-カルボキシ-5-(3-(3-(1-((14S,45S)-45-カ
ルボキシ-14-(4-(3-(2-カルボキシ-6-((16-((6-カルボキシピ
リジン-2-イル)メチル)-1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシ
クロオクタデカン-7-イル)メチル)ピリジン-4-イル)チオウレイド)ブチル)-
54-(4-ヨードフェニル)-12,15,43,51-テトラオキソ-3,6,9,
19,22,25,28,31,34,37,40-ウンデカオキサ-13,16,44
,50-テトラアザテトラペンタコンチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イ
ル)フェニル)ウレイド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(RPS-07
4)の調製。
【0298】
【化69】
化合物408(33mg、16μmol)をCH
2Cl
2(2mL)中に溶解した。次
いで、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を終夜室温で撹拌した。溶媒をN
2流下に
て除去し、粗生成物を凍結乾燥させることで、白色の残留物を得た(22mg、83%)
。質量 (ESI+): 832.0 [(M+2H)/2]
+. 質量計算値: 1661.8.DMF(1mL)中の遊離ア
ミン(13mg、7.8μmol)およびTEA(0.22mL、1.56mmol)の
溶液に、DMF(1mL)中のmacropa-NHS(6mg、10μmol)の溶液
を添加した。結果として得られた混合物を90分間室温で撹拌した。反応物を減圧下にて
濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製した。所望の生成物に対応するピークを回
収し、凍結乾燥させることで、RPS-074を白色の粉末として得た(4.5mg、2
6%)。質量 (ESI+): 1126.6 [(M+2H)/2]
+. 質量計算値: 2251.3.
【0299】
DOTA-Lys-IPBAの合成
【0300】
【化70】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル4-(4-ヨードフェニル)ブタノエート(4
09)の調製。CH
2Cl
2(30mL)中の4-(4-ヨードフェニル)ブタン酸(1
.16g、4.0mmol)、N-ヒドロキシスクシンイミド(483mg、4.2mm
ol)、EDC.HCl(768mg、4.0mmol)および4-DMAP(5.8m
g、47μmol)の溶液を、20時間の間撹拌した。次いで、反応混合物を1MのHC
l、飽和NaHCO
3およびブラインで順次に洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥さ
せ、濾過し、減圧下にて濃縮することで、NHSエステル409を白色の粉末として得た
(1.29g、83%)。
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz): δ 7.61 (d, 2H, J = 7.2 Hz). 6.
95 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 2.83 (s, 4H), 2.67 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.59 (t, 2H, J =
7.3 Hz), 2.03 (五重線, 2H, J = 7.3 Hz).
【0301】
N2-(tert-ブトキシカルボニル)-N6-(4-(4-ヨードフェニル)ブタノ
イル)-L-リジン(410)の調製。Boc-L-Lys-OH(871mg、3.5
3mmol)をDMF(10mL)中に懸濁させ、室温で撹拌した。撹拌懸濁液に、DM
F(5mL)中のNHSエステル409(1.29g、3.33mmol)およびNEt
3(557μL、4.00mmol)の溶液をゆっくり添加した。結果として得られた懸
濁液を終夜室温で撹拌した。反応物を1MのHCl(2mL)でクエンチし、溶媒を減圧
下にて除去した。粗残留物をCH2Cl2中に溶解し、1MのHCl、飽和NaHCO3
溶液およびブラインで順次に洗浄した。有機画分をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減
圧下にて濃縮することで、Boc-Lys-IPBA(410)を清澄な泡状物として得
た(1.25g、72%)。1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 7.57 (d, 2H, J = 7.7 Hz),
6.91 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 5.94 (br s, 1H), 5.32 (br s, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.21 (
m, 2H), 2.56 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.15 (t, 2H, J = 7.1 Hz), 1.90 (五重線, 2H, J
= 7.5 Hz), 1.88 (m, 1H), 1.69 (m, 1H), 1.51 (m, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.41 (m, 2H).
質量 (ESI+): 519.3 (M+H)+. 質量計算値: 518.4.
【0302】
N6-(4-(4-ヨードフェニル)ブタノイル)-L-リジン(411)の調製。B
oc-Lys-IPBA(518mg、1.0mmol)を、20%v/vのTFA/C
H2Cl2溶液10mL中に溶解し、終夜室温で撹拌した。溶媒をN2の流下にて除去し
、Lys-IPBA(411)を無色の油状物として単離した(402mg;96%)。
1H NMR (DMSO, 500 MHz): δ 7.75 (br s, 1H), 7.61 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 6.99 (d, 2
H, J = 7.8 Hz), 3.79 (m, 1H), 2.99 (m, 2H), 2.02 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 1.74 (五重
線, 2H, J = 7.4 Hz), 1.37 (m, 4H), 1.24 (m, 2H). 質量 (ESI+): 419.2 (M+H)+. 質
量計算値: 418.3.
【0303】
2,2’,2”,2’’’-(2-(4-(3-((S)-1-カルボキシ-5-(4
-(4-ヨードフェニル)ブタンアミド)ペンチル)チオウレイド)ベンジル)-1,4
,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライル)四酢酸(DO
TA-Lys-IPBA)の調製。DMF(1mL)中のLys-IPBA(11mg、
26μmol)およびDIPEA(17μL、100μmol)の溶液に、H2O(1m
L)中のp-SCN-Bn-DOTA・2.5Cl・2.5H2O(8mg、11.6μ
mol)の溶液を添加した。反応物を室温で4時間の間撹拌した。溶媒を減圧下にて除去
し、粗残留物を分取HPLCによって精製した。生成物に対応するピークを回収し、凍結
乾燥させることで、DOTA-Lys-IPBAを白色の粉末として得た(5mg、43
%)。1H NMR (DMSO, 500 MHz): δ 9.72 (br s, 1H), 7.89 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.77
(m, 1H), 7.61 (d, 2H, J = 7.1 Hz), 7.51 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 7.24 (m, 2H), 6.99
(d, 2H, J = 7.8 Hz), 4.84 (m, 1H), 3.70-3.04 (m, 14H), 3.01 (m, 4H), 2.02 (t, 2
H, J = 7.1 Hz), 1.76 (m, 4H), 1.39 (m, 2H), 1.31 (m, 2H). 質量 (ESI+): 971.0 (M
+H)+. 質量計算値: 969.9.
【0304】
放射化学。全ての試薬は、別段の注記がない限りSigma Aldrichから購入
し、試薬グレードであった。塩酸(HCl)は、微量分析品質のためのtraceSEL
ECT(登録商標)(>99.999%)であった。アルミニウム裏打ちシリカ薄層クロ
マトグラフィー(TLC)プレートは、Sigma Aldrichをから購入した。0
.05MのHClおよび1MのNH4OAcのストック溶液を、Milli-Q(登録商
標)水中の希釈によって調製した。
【0305】
225Ac-RPS-074:0.05MのHCl(950μL中16.7~21.0
MBq)中の225Ac(NO3)3(Oak Ridge National Lab
oratory、USA)の溶液に、DMSO中のRPS-074の1mg/mL溶液2
0μLを添加した。90μLの1M NH4OAcの添加によって、pHを5~5.5に
増加させた。反応物を20分間25℃でEppendorf ThermoMixer(
登録商標)C(VWR)上にて穏やかに振盪した。次いで、反応物をH2O(9mL)で
希釈し、予備活性化Sep-Pak C18 Lightカートリッジ(Waters)
に通過させた。反応バイアルおよびカートリッジをH2O(5mL)で洗浄し、生成物を
500μLのEtOH、続いて500μLの規定生理食塩水(脱イオン化H2O中0.9
%のNaCl;VWR)で溶出した。溶出物を規定生理食塩水中で4mLに希釈すること
で、1.1~1.5MBq/mLの放射能濃度を有するストック溶液を得た。アリコート
を最終溶液から除去し、アルミニウム裏打ちシリカTLCプレート上にスポットすること
で、放射化学的不純物を決定した。0.05MのHCl中の225Ac(NO3)3溶液
のアリコートを、対照として平行レーン中にスポットした。プレートのランを10%v/
vのMeOH/10mMのEDTA移動相中で直ちに行い、次いで8時間の間静置させる
ことで、放射化学平衡に達するのを可能にした。リン光体スクリーン上への3分の曝露に
続いて、プレートをCyclone Plus Storage Phosphor S
ystem(Perkin Elmer)上で可視化した。放射化学的純度を総活性に対
する225Ac-RPS-074の比として表し、98.1%であると決定した。プレー
トを16時間後に再び可視化することで、純度を確認した。
【0306】
225Ac-DOTA-Lys-IPBA:0.05MのHCl(900μL中5.0
MBq)中の225Ac(NO3)3(Oak Ridge National Lab
oratory、USA)の溶液に、DMSO中のDOTA-Lys-IPBAの1mg
/mL溶液30μLを添加した。80μLの1M NH4OAcの添加によって、pHを
5~5.5に増加させ、反応物を25分間95℃でEppendorf ThermoM
ixer(登録商標)C(VWR)上にて加熱した。次いで、反応混合物をH2O(9m
L)で希釈し、予備活性化Sep-Pak C18 Lightカートリッジ(Wate
rs)に通過させた。反応バイアルおよびカートリッジをH2O(5mL)で洗浄し、生
成物を50%v/vのEtOH/生理食塩溶液200μL、続いて800μLの規定生理
食塩水(脱イオン化H2O中0.9%のNaCl;VWR)で溶出した。上に記載した通
りの放射性TLCによって、放射化学的純度(96%)を決定した。
【0307】
細胞培養。PSMA発現ヒト前立腺がん細胞株、LNCaPは、American T
ype Culture Collectionから得た。細胞培養供給物は、別段の注
記がない限りInvitrogenから得た。LNCaP細胞は、10%のウシ胎児血清
(Hyclone)、4mMのL-グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、10m
MのN-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタンスルホン酸(HEPES)、
2.5mg/mLのD-グルコースおよび50μg/mLのゲンタマイシンが補充された
RPMI-1640培地中に、加湿インキュベーター中にて37℃/5%CO2で維持し
た。0.25%トリプシン/エチレンジアミン四酢酸(EDTA)でインキュベートする
ことによる継代または12ウェルアッセイプレートへの移動のために、細胞をフラスコか
ら除去した。
【0308】
IC50のインビトロ決定。非標識化された金属フリーリガンドのIC50値を、前に
記載されている方法[2]に従って、小さい修正を用いて、LNCaP細胞上のPSMA
への結合について、Kd=0.64±0.46nMで[1]、99mTc-((7S,1
2S,16S)-1-(1-(カルボキシメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-
2-((1-(カルボキシメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-9,1
4-ジオキソ-2,8,13,15-テトラアザオクタデカン-7,12,16,18-
テトラカルボン酸テクネチウムトリカルボニル錯体)(99mTc-MIP-1427)
に対する多濃度競合的結合アッセイにおいてスクリーニングすることによって決定した。
簡潔には、LNCaP細胞を実験の72時間前に平板培養することで、0.25%のウシ
血清アルブミンが補充されたRPMI-1640培地においておよそ5×105細胞/ウ
ェルの密度を(トリプリケートで)達成した。1nMの99mTc-MIP-1427を
用いて、0.00125%w/vウシ血清アルブミンを含有するRPMI-1640培地
中に[3]、0.001~10,000nMの試験化合物の存在下にて、細胞を2時間の
間インキュベートした。放射性インキュベーション培地を次いでピペットによって除去し
、1mLの氷冷PBS 1X溶液を使用して細胞を2回洗浄した。1mLの1M NaO
Hを用いる処置に続いて、細胞をプレートから収集し、2470 Wizard2 Au
tomatic Gamma Counter(Perkin Elmer)を使用する
放射カウントのためにチューブに移した。標準溶液(各ウェルに添加された活性の10%
)を調製することで、減衰補正を可能にした。細胞-比活性を99mTc-MIP-14
27の非特異的結合について補正した。Originソフトウェアにおいてデータ点をS
字形Hills1曲線にフィットさせることによって、IC50値を決定した。
【0309】
異種移植片を用いるマウスの接種。全ての動物研究は、Institutional
Animal Care and Use Committee of Weill C
ornell Medicineによって承認され、USPHS Policy on
Humane Care and Use of Laboratory Animal
sによって説明されたガイドラインに従って行われた。動物は、12時間の明/暗サイク
ルを有する承認された施設に標準条件下にて収容した。食物および水は、研究過程の全体
にわたって無制限に提供した。雄性BALB/c胸腺欠損nu/nuマウスは、Jack
son Laboratoryから購入した。マウスにおける接種のため、LNCaP細
胞をPBS:マトリゲルの1:1混合物(BD Biosciences)中に4×10
7細胞/mLで懸濁させた。各マウスの左側腹部に0.25mLの細胞懸濁液を注入した
。腫瘍が200~800mm3の範囲にある時に体内分布を行い、一方、腫瘍が50~9
00mm3の範囲にある時に治療研究を開始した。
【0310】
LNCaP異種移植片マウスにおける体内分布研究。LNCaP異種移植片腫瘍保有マ
ウス(1化合物当たり1時点につき4匹)に、225Ac-RPS-074の105kB
qおよび320ng(142pmol)のボーラス注入を静脈内注入した。マウスを注入
後4時間、24時間、7日、14日および21日で屠殺した。血液試料を除去し、完全な
体内分布研究を以下の臓器に(内容物とともに)行った:心臓、肺、肝臓、小腸、大腸、
胃、脾臓、膵臓、腎臓、筋肉、骨および腫瘍。組織を秤量し、2470 Wizard
Automatic Gamma Counter(Perkin Elmer)上でカ
ウントした。カウント数を減衰についておよび注入された活性について補正し、組織取込
みを1グラム当たりのパーセント注入用量(%ID/g)として表した。標準誤差測定を
各データ点について算出した。
【0311】
LNCaP異種移植片マウスにおける治療研究。LNCaP異種移植片腫瘍保有マウス
を5つの群に(1群当たり7匹のマウス)に無作為に割り当てた。1つの群に148kB
qおよび93ng(41pmol)の225Ac-RPS-074のボーラス注入を静脈
内注入した。第2の処置群に74kBqおよび47ng(21pmol)の225Ac-
RPS-074を注入した。第3の処置群に37kBqおよび23ng(10pmol)
の225Ac-RPS-074を注入した。第4の群に同じ体積のビヒクルを注入した。
第5の群に133kBqの225Ac-DOTA-Lys-IPBAを注入した。腫瘍寸
法をデジタルノギスで週3回測定および記録し、修正された楕円式、V=0.5×長さ×
幅×幅[4]を使用して腫瘍体積を算出した。腫瘍が2000mm3に達した後に、また
はマウスが、体重の損失、食欲の欠如、過度の嗜眠もしくはただれおよび発疹の形成を含
めて、窮迫の任意の可視的兆候を示した場合にマウスを屠殺した。体重をデジタル秤で週
2回測定し、マウスを窮迫の兆候についてモニタリングした。マウスの写真を毎週撮るこ
とで、腫瘍体積における変化を視覚的に確認した。
【0312】
μPET/CTによる処置マウスの画像化。前に報告されている通りに[5]、68G
a-PSMA-11(68Ga-HBED-CCとしても公知)を調製した。138kB
qまたは74kBqのいずれかの225Ac-RPS-074の注入の75日後、8匹の
マウスに5.5MBqの68Ga-PSMA-11を静脈内注入した。イソフルランを用
いる吸入麻酔に続いて注入後1時間でμPET/CT(Inveon(商標);Siem
ens Medical Solutions,Inc.)を使用して、マウスを画像化
した。総獲得時間は30分であった。CTスキャンを得た直後に、解剖学的同時登録およ
び減衰補正の両方について獲得した。ベンダーによって供給されたInveon(商標)
ソフトウェアを使用して、画像を再構築した。
【0313】
RPS-074のインビトロおよびインビボ評価
LNCaP細胞上のPSMAへの親和性を呈する
99mTc-MIP-1427に対す
る多濃度競合的結合アッセイを使用して、RPS-074のIC
50値をインビトロで決
定した。RPS-074のIC
50は、構造的に類似した三官能性リガンドの報告されて
いるPSMA親和性[6]と一致する値である12.0±3.4nMであると実証された
。RPS-074の体内分布をLNCaP異種移植片腫瘍保有マウスにおいてインビボで
検査した。マウスに
225Ac-RPS-074の105kBqおよび320ng(14
2pmol)のボーラス注入を静脈内注入した。マウスを注入後4時間、24時間、7日
、14日および21日で屠殺した。
図12は、
225Ac-RPS-074の取込みは、
注入後(p.i.)4時間で、血液(12.3±0.5%ID/g)、肺(5.0±0.
2%ID/g)、腎臓(6.7±0.4%ID/g)および腫瘍(5.8±0.3%ID
/g)において明白であると実証している。注入後24時間までに、腎臓(3.0±0.
3%ID/g)を含めた非標的組織における活性は、血中クリアランスと呼応して排出し
、一方、腫瘍における活性は12.7±1.5%ID/gに増加した(
図12)。注入後
7日までに、腫瘍における活性は高いままであり(9.5±1.5%ID/g)、一方、
血液およびあらゆる他の組織における活性は1%ID/g未満であった(
図12)。持続
的な腫瘍取込み(11.9±1.5%ID/g)は注入後14日で明白であり、全ての他
の組織はバックグラウンドと大きくは区別できなくなった。注入後21日までに、抗腫瘍
効果は明白であり、1匹のマウスのみが依然として腫瘍を保有していた。腫瘍の非存在に
もかかわらず、非標的組織における活性はバックグラウンドと区別できないままであった
。
【0314】
225Ac-RPS-074は、腫瘍が非存在であった場合でも3週にわたって優れた
錯体安定性を示した。体内分布研究は、シグナルの蓄積が、遊離225Ac3+を典型的
に取り込む2つの臓器である肝臓または骨において明白でないことを実証した[7]。2
25Ac-RPS-074は、好ましい薬物動態プロファイル;腫瘍対腎臓比および腫瘍
対血液比が急速に腫瘍を好むことも実証した。注入後24時間までに、腫瘍対腎臓比は4
.3±0.7に達しており、一方、注入後7日および14日で、それは、それぞれ15.
0±2.9および62.2±9.5である。同じ時点で腫瘍対血液比は、3.3±0.5
、137.5±30.4および995.8±139.7である。薬物動態プロファイルに
おける有意な差異は、各組織によって吸収される用量が異なることを実証している。
【0315】
LNCaP異種移植片マウスにおける治療評価
LNCaP異種移植片を5つの群に無作為に割り当て、148kBqおよび93ng(
41pmol)の
225Ac-RPS-074、74kBqおよび47ng(21pmo
l)の
225Ac-RPS-074、37kBqおよび23ng(10pmol)の
22
5Ac-RPS-074、133kBqの
225Ac-DOTA-Lys-IPBA、ま
たはビヒクル対照のボーラス注入で処置した。138kBqおよび74kBqの
225A
c-RPS-074で処置されたマウスにおいて、著しい抗腫瘍効果が観察された。13
8kBq処置群において、腫瘍の6/7(86%)は注入後75日で検出可能できず(<
0.5mm
3)、一方、腫瘍の1/7(14%)は74kBq群において検出可能でなか
った。初期の腫瘍体積の分布は、2つの群について、それぞれ100~624mm
3およ
び64~455mm
3であった(
図13)。腫瘍体積は、74kBq群において注入後4
2日もの間減少した後、腫瘍体積の6/7(86%)は再び増加し始めた。病理学のため
の試料の回収前に、
68Ga-PSMA-11を用いるμPET/CT画像化によって、
腫瘍の非存在を確認した(
図14)。74kBq処置群において再出現したような腫瘍は
、画像化することによって、PSMAを発現することが示された。生理的取込みも腎臓お
よび唾液腺において明白であった。
【0316】
図13は、133kBqの
225Ac-DOTA-Lys-IPBAを受容した37k
Bq処置群および陽性対照群の両方がビヒクル群に相対して初期の効果を示したが、腫瘍
体積が、それぞれ99~331mm
3および233~859mm
3の開始体積から200
0mm
3超の最終体積に増加したことを実証している。明らかな用量応答がこの研究にお
いて明白であった。注入後最大42日まで、74kBqおよび138kBq処置群は同様
に挙動したが、前者の群におけるマウスの5/7(71%)の腫瘍体積を測定したところ
1mm
3未満であった一方で、腫瘍は徐々に戻った。対照的に、37kBq処置群におけ
るマウスの腫瘍は、未処置腫瘍と同様の速度で成長するように見えた。
【0317】
138kBq処置群における全てのマウスは、75日の研究を生き延びた(
図15)。
対照的に、他の群の各々において、少なくとも1匹のマウスを、過度の腫瘍成長により研
究の終了前に屠殺した。37kBq群および133kBqの
225Ac-DOTA-Ly
s-IPBA陽性対照群についての生存曲線は同様であり、マウスの100%が最初の2
1日を生き延びた。対照的に、未処置マウスの1/7(14%)のみが、この時点まで生
き延びた。毒性効果は該群のいずれにおいても不可視であった。75日の研究中の体重に
おける変動は、元の測定値の92~106%であった。残りのマウスを注入後75日で屠
殺し、腫瘍(存在するならば)、腎臓、肝臓、耳下腺および舌下腺を切除し、損傷の証拠
について検査した。
【0318】
本発明の技術のさらなる例証的な化合物
本発明の技術の以下の化合物を合成し、上に記載したのと同様のプロトコールおよび方
法を介して特徴付けた。
【0319】
【0320】
セクション1.4参考文献
[1] Hillier SM, Maresca KP, Lu G, Merkin RD, Marquis JC, Zimmerman CN, Eckelman
WC, Joyal JL, Babich JW. 99mTc-Labeled Small-Molecule Inhibitors of Prostate-Sp
ecific Membrane Antigen for Molecular Imaging of Prostate Cancer. J Nucl Med. 20
13;54:1369-76.
[2] Kelly JM, Amor-Coarasa A, Nikolopoulou A, Wustemann T, Barelli P, Kim D, Wi
lliams C. Jr, Zheng X, Bi C, Hu B, Warren JD, Hage DS, DiMagno SG, Babich JW. Du
al-Target Binding Ligands with Modulated Pharmacokinetics for Endoradiotherapy o
f Prostate Cancer. J Nucl Med. 2017;58:1442-1449.
[3] Benesova M, Umbricht CA, Schibli R, Muller C. Albumin-Binding PSMA Ligands:
Optimization of the Tissue Distribution Profile. Mol Pharm. 2018;15:934-946.
[4] Jensen MM, Jorgensen JT, Binderup T, Kjar A. Tumor volume in subcutaneous m
ouse xenografts measured by microCT is more accurate and reproducible than deter
mined by 18F-FDG-microPET or external caliper. BMC Med Imaging 2008;8:16.
[5] Amor-Coarasa A, Kelly JM, Gruca M, Nikolopoulou A, Vallabhajosula S, Babich
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r and production of 68Ga-DOTATOC and 68Ga-PSMA-HBED-CC for clinical research stu
dies. Nucl Med Biol. 2017;53:37-39.
[6] Kelly J, Amor-Coarasa A, Ponnala S, Nikolopoulou A, Williams C., Jr, Schlye
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ate Cancer with Unprecedented Localization to LNCaP Tumors. Eur J Nucl Med Mol I
maging 2018; In press.
[7] Miederer M, Scheinberg DA, McDevitt MR. Realizing the potential of the Acti
nium-225 radionuclide generator in targeted alpha-particle therapy applications.
Adv Drug Deliv Rev. 2008;60:1371-1382.
【0321】
ある特定の実施形態が例示および記載されてきたが、当技術分野における通常の技能者
は、前述の明細書を読んだ後、本明細書において説明されている通りの本発明の技術の化
合物またはその塩、医薬組成物、誘導体、プロドラッグ、代謝物、互変異性体もしくはラ
セミ混合物に対して、変化、等価物の置換、および他の型の変更を施すことができる。上
に記載した各態様および実施形態は、他の態様および実施形態のいずれかまたは全てに関
して開示されている通りのこうした変動または態様をともに含むまたは組み込むこともで
きる。
【0322】
本発明の技術は、その上、本発明の技術の個々の態様の単一の例示として意図される本
明細書に記載される特別な態様の観点から限定されるべきでない。この本発明の技術の多
くの修正および変動は、当業者に明らかである通り、それの趣旨および範疇から逸脱する
ことなくなされ得る。本発明の技術の範疇内の機能的に同等の方法は、本明細書において
列挙されているものに加えて、前述の説明から当業者に明らかである。こうした修正およ
び変動は、添付の特許請求の範囲の範疇内に入ると意図される。この本発明の技術は、当
然変動することができる特別な方法、試薬、化合物、組成物、標識化化合物または生物系
に限定されないと理解されるべきである。本明細書において使用されている用語法は、特
別な態様を記載する目的のみであることも理解されるべきであり、限定していると意図さ
れない。したがって、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義およびその任意の等
価物によってのみ示される本発明の技術の幅、範疇および趣旨を用いる例証としてのみ考
えられると意図される。
【0323】
本明細書において例示的に記載されている実施形態は、適当には、本明細書において具
体的に開示されていない任意の要素(単数または複数)、限定(単数または複数)の非存
在で実践することができる。したがって、例えば、「含む」、「含めた」、「含有する」
などという用語は、広くおよび限定せずに読まれるべきである。追加として、本明細書に
おいて用いられた用語および表現は、記載の用語としておよび限定でない用語として使用
されてきており、こうした用語および発現の使用に、示されたおよび記載された特色の任
意の等価物またはその部分を排除する意図はなく、特許請求された技術の範疇内で様々な
修正が可能であることが認識される。追加として、「から本質的になる」という成句は、
具体的に列挙されているような要素、ならびに特許請求された技術の基本および新規な特
徴に実質的に影響しないような追加の要素を含むと理解される。「からなる」という成句
は、特定されていない任意の要素を排除する。
【0324】
加えて、本開示の特色または態様がマーカッシュ群の形態で記載される場合、当業者で
あれば、それにより本開示は、マーカッシュ群のいずれか個々の要素または要素のサブグ
ループの形態で記載されることが理解されるものとする。包括的開示内に入る、より狭い
種および亜属の群分けの各々も、本発明の一部を形成する。これは、除外された材料が本
明細書において具体的に列挙されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除く
条件または否定的限定を有する包括的な本発明の記載を含む。
【0325】
当業者によって理解される通り、ありとあらゆる目的で、特に書面記載を提供する観点
から、本明細書で開示される全ての範囲は、ありとあらゆる可能なサブ範囲ならびにその
サブ範囲の組合せも包含する。いかなる列挙の範囲も、同範囲が少なくとも二等分、三等
分、四等分、五等分、十等分などに分割されると十分に記載および可能にしていると簡単
に認識することができる。非限定的な例として、本明細書において考察されている各範囲
は、下位三分の一、中位三分の一および上位三分の一などに容易に分割できる。その上当
業者によって理解される通り、「最大まで」、「少なくとも」、「超」および「未満」な
どの全ての言葉は、列挙されている数を含み、上記で考察される通りサブ範囲に引き続い
て分割することができる範囲を指す。最終的に、当業者によって理解される通り、範囲は
各個々のメンバーを含む。
【0326】
この明細書において参照される全ての公報、特許出願、発行特許および他の文書(例え
ば、学術誌、論文および/または教科書)は、各個々の公報、特許出願、発行特許または
他の文書が参照によりそれ全体で組み込まれると具体的におよび個々に示されているかの
ように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる文章に含まれてい
る定義は、それらがこの開示における定義と矛盾する限り排除される。
【0327】
本発明の技術は、以下に限定されないが、以下の文字の段落において列挙されている特
色および特色の組合せを含むことができ、以下の段落は、本明細書に添付されている通り
の請求項の範疇を制限するまたは全てのこうした特色がこうした請求項に必ず含まれなけ
ればならないと強制すると解釈するべきでないと理解される:
A.式I
【0328】
【化72】
(式中、
ABDは、抗原結合ドメインであり;
W
1は、-C(O)-、-(CH
2)
n-または-(CH
2)
o-NH
2-C(O)-
であり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【0329】
【化73】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
X
1は、非存在、O、SまたはNHであり;
L
1は、非存在、-C(O)-、-C(O)-NR
4-、-C(O)-NR
5-C
1~
C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-C(O)-NR
6-C
1~C
12アルキレン-C(O)-、-アリーレン-、-O(CH
2CH
2O)
r-CH
2CH
2C(O)-、アミノ酸、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もし
くは10個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここ
で、rは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
4、R
5およびR
6
は、各々独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Toxは、細胞毒含有および/または画像化剤含有ドメインであり;
L
2は、非存在、-C(O)-、-(CH
2CH
2O)
s-CH
2CH
2C(O)-、
2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、
14個、15個、16個、17個、18個、19個もしくは20個のアミノ酸のペプチド
、またはそれらの任意の2つ以上の組合せであり、ここで、sは、0、1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または1
9であり;
Albは、アルブミン結合部分であり;
mは、0または1であり;
nは、1または2であり;
oは、1または2であり;
pは、0、1、2または3であり、ただしpが0である場合、X1は非存在であり;
qは、1または2である)
の化合物またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物。
B.式Iの化合物が、式II
【0330】
【化74】
(式中、
P
1、P
2およびP
3は、各々独立して、H、メチル、ベンジル、4-メトキシベンジ
ルまたはtert-ブチルであり;
R
1、R
2およびR
3の1つは、
【0331】
【化75】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
Radは、金属イオンを含むことができる、任意選択で金属イオンをさらに含むことが
できる部分である)
またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物である、段落Aの化合物。
C.P
1、P
2およびP
3が、各々独立してHまたはtert-ブチルである、段落Bに
記載の化合物。
D.P
1、P
2およびP
3が、各々独立してHである、段落Bまたは段落Cの化合物。
E.式IのToxまたは式IIのRadが金属イオンを含む、段落A~Dのいずれか一項
に記載の化合物。
F.式IIのRadがキレーターおよびキレート化金属イオンを含む、段落B~Eのいず
れか一項に記載の化合物。
G.金属イオンが、
177Lu
3+、
175Lu
3+、
45Sc
3+、
66Ga
3+、
6
7Ga
3+,
68Ga
3+、
69Ga
3+,
71Ga
3+、
89Y
3+,
86Y
3+、
8
9Zr
4+、
90Y
3+、
99mTc
+1、
111In
3+、
113In
3+、
115I
n
3+、
139La
3+、
136Ce
3+、
138Ce
3+、
140Ce
3+、
142C
e
3+、
151Eu
3+、
153Eu
3+、
152Dy
3+、
149Tb
3+、
159T
b
3+、
154Gd
3+、
155Gd
3+、
156Gd
3+、
157Gd
3+、
158G
d
3+、
160Gd
3+、
188Re
+1、
186Re
+1、
213Bi
3+、
211A
t
+、
217At
+、
227Th
4+、
226Th
4+、
225Ac
3+、
233Ra
2
+、
152Dy
3+、
213Bi
3+、
212Bi
3+、
211Bi
3+、
212Pb
2
+、
212Pb
4+、
255Fm
3+、またはウラン-230である放射性核種である、
段落A~Fのいずれか一項に記載の化合物。
H.金属イオンが、
213Bi
3+、
211At
+、
225Ac
3+、
152Dy
3+、
212Bi
3+、
211Bi
3+、
217At
+、
227Th
4+、
226Th
4+、
2
33Ra
2+、
212Pb
2+および
212Pb
4+から選択されるアルファ放出放射性
核種である、段落A~Gのいずれか一項に記載の化合物。
I.アルブミン結合部分が
【0332】
【化76】
(式中、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4およびY
5は、独立して各出現で、H、ハロまたはアルキルで
あり;
X
3、X
4、X
5およびX
6は、各々独立して、OまたはSであり、
aは、独立して各出現で、0、1または2であり;
bは、独立して各出現で、0または1であり;
cは、独立して各出現で、0または1であり;
dは、独立して各出現で、0、1、2、3または4であり、ここで任意選択で、bおよ
びcは、同じ値であり得ない)
である、段落A~Hのいずれか一項に記載の化合物。
J.R
1、R
2およびR
3の1つが、
【0333】
【化77】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つが、各々、Hであり;
L
3が、非存在、-C(O)-、-C
1~C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキ
レン-C(O)-、-C
1~C
12アルキレン-NR
10-または-アリーレン-であり
;
R
10が、H、アルキルまたはアリールであり;
CHELが、共有結合的にコンジュゲートされたキレーターであり、任意選択でキレー
ト化金属イオンを含む、段落A~Iのいずれか一項に記載の化合物。
K.式Iの化合物が、式III
【0334】
【化78】
(式中、
R
1、R
2およびR
3の1つは
【0335】
【化79】
であり、R
1、R
2およびR
3の残りの2つは、各々Hであり;
L
3は、非存在、-C(O)-、-C
1~C
12アルキレン-、-C
1~C
12アルキ
レン-C(O)-、-C
1~C
12アルキレン-NR
10-または-アリーレン-であり
;
R
10は、H、アルキルまたはアリールであり;
CHELは、共有結合的にコンジュゲートされるキレーターであり、任意選択でキレー
ト化金属イオンを含む)
の化合物またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物である、段落A~J
のいずれか一項に記載の化合物。
L.L
1が、-O(CH
2CH
2O)
r-CH
2CH
2C(O)-、アミノ酸、2個、3
個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個のアミノ酸のペプチド、または
それらの任意の2つ以上の組合せである、段落A~Kのいずれか一項に記載の化合物。
M.L
1が、-O(CH
2CH
2O)
r-CH
2CH
2C(O)-、グリシン、2個、3
個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個のグリシン残基で構成されるポ
リグリシン、またはそれらの任意の2つ以上の組合せである、段落A~Lのいずれか一項
に記載の化合物。
N.L
2が、-(CH
2CH
2O)
s-CH
2CH
2C(O)-、2個、3個、4個、5
個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16
個、17個、18個、19個もしくは20個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの任意
の2つ以上の組合せである、段落A~Mのいずれか一項に記載の化合物。
O.L
2が、-(CH
2CH
2O)
s-CH
2CH
2C(O)-、2個、3個、4個、5
個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16
個、17個、18個、19個もしくは20個のアミノ酸で構成されるポリグリシン、また
はそれらの任意の2つ以上の組合せである、段落A~Nのいずれか一項に記載の化合物。
P.薬学的に許容される担体および段落A~Oのいずれか一項に記載の組成物を含む組成
物。
Q.前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を過剰発現するがんおよび/または哺乳動物組
織を検出するための、段落A~Oのいずれか一項に記載の化合物の有効量;ならびに
薬学的に許容される担体
を含む組成物である医薬組成物。
R.がんが、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、
原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん
、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つまたは複
数を含む、段落Qに記載の医薬組成物。
S.哺乳動物組織が、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内
膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、
結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つ
または複数を含む、段落Qまたは段落Rに記載の医薬組成物。
T.医薬組成物が、任意選択で滅菌水、リンゲル液または等張性生理食塩水溶液を含む、
静脈内投与のために製剤化される、段落Q~Sのいずれか一項に記載の医薬組成物。
U.化合物の有効量が、医薬組成物1グラム当たり化合物約0.01μgから約10mg
である、段落Q~Tのいずれか一項に記載の医薬組成物。
V.注入可能な剤形で提供される、段落Q~Uのいずれか一項に記載の医薬組成物。
W.前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を過剰発現するがんおよび/または哺乳動物組
織を処置するための、段落A~Oのいずれか一項に記載の化合物の有効量;ならびに
薬学的に許容される担体
を含む医薬組成物。
X.がんが、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、
原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん
、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つまたは複
数を含む、段落Wに記載の医薬組成物。
Y.哺乳動物組織が、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内
膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、
結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つ
または複数を含む、段落Wまたは段落Xに記載の医薬組成物。
Z.任意選択で滅菌水、リンゲル液または等張性生理食塩水溶液を含む、静脈内投与のた
めに製剤化される、段落W~Yのいずれか一項に記載の医薬組成物。
AA.化合物の有効量が、医薬組成物1グラム当たり化合物約0.01μgから約10m
gである、段落W~Zのいずれか一項に記載の医薬組成物。
AB.注入可能な剤形で提供される、段落W~AAのいずれか一項に記載の医薬組成物。
AC.PSMAを過剰発現するがんおよび/または哺乳動物組織を処置するための化合物
の有効量が、がんおよび/またはPSMAを過剰発現する哺乳動物組織を画像化するため
の化合物の有効量でもある、段落W~ABのいずれか一項に記載の医薬組成物。
AD.前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を過剰発現するがんおよび/または哺乳動物
組織を画像化するための段落A~Oのいずれか一項に記載の化合物の有効量を対象に投与
すること;および
投与に続いて、化合物からの放射線を検出すること
を含む方法。
AE.投与に続いて、ポジトロン放出、ポジトロンの放出および消滅からのガンマ線、な
らびにポジトロン放出によるチェレンコフ放射線の1つまたは複数を検出することを含む
、段落ADに記載の方法。
AF.がんが、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫
、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸が
ん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つまたは
複数を含む、段落ADまたは段落AEに記載の方法。
AG.対象が、PSMAを過剰発現する哺乳動物組織を患っている疑いがあり、任意選択
で、哺乳動物組織が、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内
膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、
結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つ
または複数を含む、段落AD~AFのいずれか一項に記載の方法。
AH.化合物を投与することが非経口投与を含む、段落AD~AGのいずれか一項に記載
の方法。
AI.化合物を投与することが静脈内投与を含む、段落AD~AHのいずれか一項に記載
の方法。
AJ.化合物の有効量が、対象質量1キログラム当たり約0.1μgから約50μgであ
る、段落AD~AIのいずれか一項に記載の方法。
AK.前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を過剰発現するがんおよび/または哺乳動物
組織を処置するための段落A~Oのいずれか一項に記載の化合物の有効量を対象に投与す
ること
を含む方法。
AL.がんが、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫
、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸が
ん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つまたは
複数を含む、段落AKに記載の方法。
AM.対象が、PSMAを過剰発現する哺乳動物組織を患っている疑いがあり、任意選択
で、哺乳動物組織が、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内
膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、
結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つ
または複数を含む、段落AKまたは段落ALに記載の方法。
AN.化合物を投与することが非経口投与を含む、段落AK~AMのいずれか一項に記載
の方法。
AO.化合物を投与することが静脈内投与を含む、段落AK~ANのいずれか一項に記載
の方法。
AP.PSMAを過剰発現するがんおよび/または哺乳動物組織を処置するための化合物
の有効量が、対象質量1キログラム当たり約0.1μgから約50μgである、段落AK
~AOのいずれか一項に記載の方法。
AQ.化合物の有効量が、PSMAを過剰発現するがんおよび/または哺乳動物組織を画
像化するための化合物の有効量でもある、段落AK~APのいずれか一項に記載の方法。
AR.投与に続いて、化合物からの放射線を検出することをさらに含む、段落AK~AQ
のいずれか一項に記載の方法。
AS.投与に続いて、ポジトロン放出、ポジトロンの放出および消滅からのガンマ線、な
らびにポジトロン放出によるチェレンコフ放射線の1つまたは複数を検出することをさら
に含む、段落AK~ARのいずれか一項に記載の方法。
AT.哺乳動物対象への放射線治療薬の投与の約4時間から約24時間内に1以上である
腎臓活性に対する腫瘍活性の比が観察される哺乳動物対象において、インビボにおいて放
射線治療薬の組織分布を達成する方法であって、
放射線治療薬を哺乳動物対象に投与することを含み;
放射線治療薬が、前立腺特異的膜抗原(「PSMA」)を標的化する第1の部分、放射
性核種を保有する第2の部分、および血清アルブミンへの親和性を有する第3の部分を含
み、第1の部分が第1の共有結合性リンカーによって第2の部分から分離されており、第
3の部分が第2の共有結合性リンカーによって第2の部分から分離されており、
ここで、第1の部分と第2の部分との間の分離は(第1の共有結合性リンカーに会合し
た連続する原子の数に基づく)、約8個の原子から約40個の原子であり、第3の部分と
第1および第2の部分との間の分離は(第2の共有結合性リンカーに会合した連続する原
子の数に基づく)、約10個の原子から約100個の原子である、方法。
AU.放射線治療薬の投与の約4時間から約24時間後に、哺乳動物対象の画像を得るこ
とをさらに含む、段落ATに記載の方法。
AV.1以上である腎臓活性に対する腫瘍活性の比が、放射線治療薬の投与後最大約24
時間まで続く、段落ATまたは段落AUに記載の方法。
AW.放射線治療薬の投与の約24時間から約48時間後に、放射性核種活性が、哺乳動
物対象の唾液腺において実質的に観察されない、段落AT~AVのいずれか一項に記載の
方法。
AX.第1の共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数が、約10個の原子から約
30個の原子の範囲である、段落AT~AWのいずれか一項に記載の方法。
AY.第2の共有結合性リンカーに会合した連続する原子の数が、約15個の原子から約
40個の原子の範囲である、段落AT~AXのいずれか一項に記載の方法。
AZ.投与が静脈内投与を含む、段落AT~AYのいずれか一項に記載の方法。
BA.放射線治療薬が、段落A~Oのいずれか一項に記載の化合物である、段落AT~A
Zのいずれか一項に記載の方法。
【0336】
他の実施形態は、以下の請求項において、こうした請求項が権利を与えられている等価
物の完全な範疇と一緒に説明されている。
がんが、神経膠腫、乳がん、副腎皮質がん、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫および腎細胞癌腫の1つまたは複数を含む、請求項5に記載の方法。
がんが、神経膠腫、子宮頸癌腫、外陰癌腫、子宮内膜癌腫、原発性卵巣癌腫、転移性卵巣癌腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、結腸がん、原発性胃腺癌腫、原発性結腸直腸腺癌腫、腎細胞癌腫および前立腺がんの1つまたは複数を含む、請求項8に記載の方法。