IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 資生堂の特許一覧

<>
  • 特開-肌特性解析方法 図1
  • 特開-肌特性解析方法 図2
  • 特開-肌特性解析方法 図3
  • 特開-肌特性解析方法 図4
  • 特開-肌特性解析方法 図5
  • 特開-肌特性解析方法 図6
  • 特開-肌特性解析方法 図7
  • 特開-肌特性解析方法 図8
  • 特開-肌特性解析方法 図9
  • 特開-肌特性解析方法 図10
  • 特開-肌特性解析方法 図11
  • 特開-肌特性解析方法 図12
  • 特開-肌特性解析方法 図13
  • 特開-肌特性解析方法 図14
  • 特開-肌特性解析方法 図15
  • 特開-肌特性解析方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028854
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】肌特性解析方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6837 20180101AFI20240227BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20240227BHJP
【FI】
C12Q1/6837 Z
C12N15/09 200
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205425
(22)【出願日】2023-12-05
(62)【分割の表示】P 2022066530の分割
【原出願日】2017-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2016232950
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】天野 聡
(72)【発明者】
【氏名】出田 立郎
(72)【発明者】
【氏名】分島 望
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】上沼 三紀子
(72)【発明者】
【氏名】安田 知永
(57)【要約】      (修正有)
【課題】SNP解析により遺伝要素に基づいてヒトの肌特性を決定する方法、肌特性を決定するコンピュータ、及び当該コンピュータを制御するプログラムの提供。
【解決手段】特定のSNPからなる群から選ばれる、少なくとも1のSNPを検出する工程、検出されたSNPに基づき、肌特性を決定する工程を含む、肌特性の決定方法を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる、少なくとも1のSNPを検出する工程、
検出されたSNPに基づき、肌特性を決定する工程
を含む、肌特性の決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNP解析により遺伝要素に基づいてヒトの肌特性を決定する方法、肌特性を決定するコンピュータ、及び当該コンピュータを制御するプログラムに関する。決定された肌特性に基づいて、美容の指導サービス、化粧料やサプリメントなどの選択が可能になる。
【背景技術】
【0002】
肌特性は、各個人毎に千差万別であり、各個人の肌特性にあった化粧料を提供するために、従来は主に個別のカウンセリングが行われていた。カウンセリングは、顧客の自己診断によるアンケート結果や、肌の客観的情報、例えば機器により測定されたキメ、皮膚バリア機能、水分含量、弾性、粘性などについての情報に基づいて行われてきた。
【0003】
しかしながら、顧客の自己診断は、あくまで主観的な判断であり、顧客の肌特性を正確に反映していなかった。また、機器により測定された客観的情報は、日々変化しうる肌状態について、検査時の状態を数値化しているにすぎず、将来生じうる肌トラブルなどを推測することは難しかった。
【0004】
将来生じうる肌トラブルを事前に予測することができれば、その予防の方策をとることができ、非常に有用である。
【0005】
近年、遺伝子のSNP解析に基づく肌検査が提案されており、特に肌質に直接関与するタンパク質をコードする遺伝子について、SNPと肌質との関係性が研究されてきている(特許文献1~4)。その結果、SNP解析結果に基づき、肌特性や、肌トラブルを予測する方法が提供されてきている。これらの研究では、肌質、例えばシワ、シミに直接関わることが明らかになっている遺伝子を対象として、SNPが調べられている。このような対象の遺伝子としては、例えば、MC1R、MMP1、SOD2、GPX1、ASIPなどが標的とされている。一方で、皮膚の肌特性に影響を与える遺伝子は、多岐に渡ることから、より多くの遺伝子におけるSNPと肌特性との関係について調べることが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-191858号公報
【特許文献2】特開2015-73503号公報
【特許文献3】特開2013-226096号公報
【特許文献4】特開2011-234664号公報
【特許文献5】特開2014-193155号公報
【特許文献6】特開2014-45729号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】網羅的遺伝子多型解析(SNP)日薬理誌(2005)、125, 148-152頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これまでに知られていないSNPと、肌特性との関係を調べ、より高い信頼度で肌特性を決定する方法を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、200名の被験者において、これまで肌特性との関連が知られていたタンパク質のみならず、より広範なタンパク質におけるSNPを標的として、肌特性との関連について統計解析を試みた。その結果、肌特性、特にシワ、肌の色、及び肌の機能に関わるSNPを同定し、本発明に至った。
【0010】
そこで、本発明は以下の発明:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる、少なくとも1のSNPを検出する工程、
検出されたSNPに基づき、肌特性を決定する工程
を含む、肌特性の決定方法に関する。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は、肌特性を決定するコンピュータであって、
以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPに関する情報と、当該SNPと関連する肌特性の情報とを記憶させた記憶部、
利用者のDNA情報を入力する入力部、
入力されたDNA情報中において、記憶されたSNPの存在を検出する検出部、
検出されたSNPに関連する肌特性の情報を出力する出力部
を含む、コンピュータに関する。本発明のさらなる態様では、このようなコンピュータを制御する方法及び/又は制御プログラムにも関し、さらにかかる制御プログラムを格納した記憶媒体にも関する。
【0012】
さらに本発明は、肌特性の決定方法や、肌特性を決定するコンピュータにより決定された肌特性に基づき、化粧料、サプリメント、及び/又は美容法を提供する方法にも関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、肌特性を決定することが可能となり、決定された肌特性に基づく化粧料、サプリメント、及び/又は美容法の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、肌特性を決定するコンピュータを制御するプログラムによる処理の流れを示した図である。
図2図2は、肌特性を決定するコンピュータの構成図である。
図3図3(A)は、肌特性としてシミと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、シミとの関係を示す図である。図3(B)は、肌特性としてシミと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図4図4(A)は、肌特性としてシミ平均面積と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、シミ平均面積との関係を示す図である。図4(B)は、肌特性としてシミ平均面積と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図5図5(A)は、肌特性として顔面頬メラニンと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、顔面頬メラニンとの関係を示す図である。図5(B)は、肌特性として顔面頬メラニンと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図6図6(A)は、肌特性として上腕内側メラニンと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、上腕内側メラニンとの関係を示す図である。図6(B)は、肌特性として上腕内側メラニンと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図7図7(A)は、肌特性として頬の明るさと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、頬の明るさとの関係を示す図である。図7(B)は、肌特性として頬の明るさと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図8図8(A)は、肌特性として頬の黄色と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、頬の黄色との関係を示す図である。図8(B)は、肌特性として頬の黄色と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図9図9(A)は、肌特性としてシワと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、シワとの関係を示す図である。図9(B)は、肌特性としてシワと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図10図10(A)は、肌特性としてキメと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、キメとの関係を示す図である。図10(B)は、肌特性としてキメと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図11図11(A)は、肌特性としてはりと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、はりとの関係を示す図である。図11(B)は、肌特性としてはりと関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図12図12(A)は、肌特性として皮脂-額と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、皮脂-額との関係を示す図である。図12(B)は、肌特性として皮脂-額と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図13図13(A)は、肌特性として水分量-頬と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、水分量-頬との関係を示す図である。図13(B)は、肌特性として水分量-頬と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図14図14(A)は、肌特性として水分量-腕と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、水分量-腕との関係を示す図である。図14(B)は、肌特性として水分量-腕と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図15図15(A)は、肌特性としてバリア-頬と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、バリア-頬との関係を示す図である。図15(B)は、肌特性としてバリア-頬と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
図16図16(A)は、肌特性としてバリア-腕と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、バリア-腕との関係を示す図である。図16(B)は、肌特性としてバリア-腕と関連するSNPから算出されたSNPスコアと、その出現頻度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、肌特性と関連のあるSNPを検出する工程、
検出されたSNPに基づき、肌特性を決定する工程
を含む、肌特性の決定方法に関する。ここで、肌特性と関連のあるSNPとしては、以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748
からなる群から選ばれる、少なくとも一つのSNPが用いられる。
【0016】
本発明において、SNPは、rs番号(Reference SNP ID number)で表示されている。各rs番号に対応するSNPの詳細情報(染色体上の位置や変異)については、米国国立生物工学情報センター(NCBI)により管理されており、NCBIのホームページ(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)において参照可能である。
【0017】
SNPの検出は、公知である任意の方法で行われてよい。一例として、被験者の生体試料、例えば唾液、血液、粘膜、組織片、毛髪等から、定法に基づき、被験者の核酸を精製し、精製された核酸においてSNPが検出される。したがって、本発明の肌特性の決定方法には、試料調製工程、核酸精製工程がさらに含まれていてもよい。核酸は、DNA又はRNAであってよく、RNAの場合、精製後に逆転写を行い、DNAを調製することが好ましい。SNP検出工程では、精製された核酸においてSNPの検出を可能にする手法であれば、任意の方法を用いることができる。対象となるSNPの位置周辺の配列決定を行って、SNPを検出することもできるし、PCR法をベースとした手法、DNAプローブを用いた手法、質量分析を用いた手法を用いて検出することもできる。PCRをベースとした手法として、SNPタイピング法、TaqMan PCR法、一塩基伸長法、Pyrosequencing法、Exonuclease Cycling Assay法などが挙げられる。DNAプローブを用いた手法としては、Invader法などが挙げられる(網羅的遺伝子多型解析(SNP)日薬理誌、125, 148-152, 2005)。SNPは、連鎖不平衡にある別のSNPを伴うことがある。目的とするSNPと連鎖不平衡にあるSNPを検出することで、目的とするSNPを検出することができる。したがって、本発明において、SNPの検出とは、目的とするSNPを直接検出することに限定されず、連鎖不平衡にあるSNPを検出することで、目的とするSNPを検出することも含まれるものとする。
【0018】
また、既に配列決定がされた個人の塩基配列に基づきSNPの存在を検出することもできる。この場合、既に決定された塩基配列のデータ内で、SNPの存在する位置の配列を調べることで、SNPの存在を検出できる。したがって、この場合のSNPの検出は、SNP情報が記憶されたコンピュータに、塩基配列データを入力することで行われてもよい。より好ましい態様では、入力は、端末からインターネットを介して入力され、サーバー上でSNPが検出され、検出結果をインターネットを介して当該端末に出力することができる。
【0019】
本発明により肌特性を検出される対象は、任意の人種であってよい。一方でSNPは人種間においてその種類や存在量が変動しうることから、人種を特定した上で、SNPを特定することが好ましい。特にヒトの皮膚色に関して肌特性が検出される場合、対象となる人種は、黄色人種(モンゴロイド)であることが好ましい。
【0020】
肌特性としては、肌形状特性、肌質、及び肌の色特性からなる群から選ばれる少なくとも一つについて、決定することができる。SNPとこれらの肌特性との関係は、SNPのヘテロ又はホモでの存在が、これらの肌特性に対し、ネガティブに働く場合と、ポジティブに働く場合がある。ネガティブに働くSNPの数と、ポジティブに働くSNPの数とに基づきSNPスコアを算出することができる。一例として、ポジティブに働くSNPの数から、ネガティブに働くSNPの数を減じることで、SNPスコアを算出することができる。別の例として、その逆、すなわちネガティブに働くSNPの数から、ポジティブに働くSNPの数を減じることで、SNPスコアを算出してもよい。肌特性とSNPスコアとの関係を、予め決定しておくことで、被験者における肌特性を、算出されたSNPスコアに基づき決定することができる。
【0021】
肌特性が肌形状特性である場合、以下の:
rs1256062、rs10515552、rs1107946、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs1799750、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs12051272、rs1030868、rs10741657、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs11568737、rs1485766、rs1540771、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs1801133、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2108622、rs2228479、rs2232228、rs2234693、rs2241145、rs2246416、rs2287074、rs3785079、rs3829251、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs492602、rs6058017、rs7501331、rs7799039、rs8326、及びrs964184からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌形状特性は、さらにシワ、キメ、及びハリに細分化することができる。肌形状特性がシワである場合、以下の:rs1800629、rs1107946、rs1501299、rs10515552、rs12785878、rs12051272、rs1126643、rs1256062、rs1485766、rs1799750、rs2234693、rs2246416、rs3760776、rs3865188、rs4065、rs6058017、及びrs964184からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌形状特性がキメである場合に、以下の:rs1256062、rs1799750、rs12931267、rs11057830、rs1107946、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs3829251、rs7501331、rs7799039からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌形状特性が、ハリである場合に、以下の:rs1256062、rs3760776、rs12931267、及びrs2285053からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。これらのSNPと、SNPが存在する遺伝子との関係は以下の通りである。
【表1】
これらのSNPのうち、上記作用がネガティブ(-)と表示されているSNPがヘテロ又はホモで存在する場合、シワができにくいと決定することができる一方で、上記作用がポジティブ(+)と表示されているSNPがヘテロ又はホモで存在する場合、シワができやすいと決定することができる。
【0022】
シワ決定のためのSNPスコアは、一例として下記の式により表され、かかるSNPスコアに基づき、シワ状態を決定することができる。
【数1】
【数2】
【数3】
一方で、SNPスコア(シワ)の決定のために選択されたSNPは、任意に除去されてもよい。
【0023】
肌特性が肌の色特性である場合、以下の:
rs1030868、rs10741657、rs1107946、rs12785878、rs1799750、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs8326、rs833061、rs10515552、rs10882272、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs12272004、rs1256062、rs12913832、rs1485766、rs1501299、rs1540771、rs17577、rs1799724、rs1800629、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2227564、rs2228479、rs2232228、rs2282679、rs2298585、rs2987983、rs3785079、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs4654748、rs4880、rs492602、rs7201、rs9340799、及びrs964184からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌の色特性は、さらに、肌の地色、紫外線曝露部の肌の色、シミ、明るさ及び黄色みに細分化することができる。肌の色特性が肌の地色である場合、以下の:rs3760776、rs2246416、rs2241145、rs10741657、rs6058017、rs2287074、rs74653330、rs1256062、rs17577、rs3865188、rs41281112、及びrs8326からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌の色特性が肌の紫外線曝露部の肌の色である場合に、以下の:rs2241145、rs6058017、rs1799750、rs1030868、rs2287074、rs2046571、rs2285053、rs10741657、rs2246416、rs1107946、rs7201、及びrs74653330からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌の色特性が、シミである場合に、以下の:rs1030868、rs12785878、rs1799750、rs2046571、rs2241145、rs3829251、rs8326、rs833061、rs10515552、rs10741657、rs10882272、rs11057830、rs11234027、rs12272004、rs1256062、rs1485766、rs1501299、rs1540771、rs1799724、rs1800629、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2227564、rs2232228、rs2246416、rs2282679、rs2298585、rs2987983、rs4065、rs4880、rs492602、rs6058017、rs7201、及びrs964184からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌の色特性が、明るさである場合に、以下の:rs2285053、rs6058017、rs74653330、rs2246416、rs11057830、rs1126643、rs1799724、rs2228479、rs2232228、rs4654748、rs833061、及びrs9340799からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。
肌の色特性が、黄色みである場合に、以下の:rs10741657、rs6058017、rs2241145、rs2285053、rs1799750、rs1030868、rs2246416、rs1107946、rs1126643、rs12913832、rs17577、rs3785079、rs492602、rs74653330、rs833061、及びrs9340799からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。
【0024】
肌の色特性に係るSNPと、SNPが存在する遺伝子との関係は以下の通りである:
【表2】
【0025】
これらのSNPのうち、上記作用がネガティブ(-)と表示されているSNPは、肌の色特性のそれぞれの測定値が、ヘテロ又はホモで存在する場合に低下する傾向があると決定することができ、その一方で上記作用がポジティブ(+)と表示されているSNPは、色特性のそれぞれの測定値が、ヘテロ又はホモで存在する場合に増加する傾向があると決定することができる。肌の色特性は、それぞれさらに上記の表に従って、シミ(シミ、シミ平均面積)、メラニン量(顔面頬メラニン、上腕内側メラニン)、肌の色(頬の明るさ、頬の黄色)などに細分することができる。シミに関してポジティブと表示されるSNPがヘテロ又はホモで存在する場合、シミができやすく、またその大きさも大きくなる傾向を有する。メラニン量に関してポジティブと表示されるSNPがヘテロ又はホモで存在する場合、メラニン量が多くなる傾向を有する。肌の色に関してポジティブと表示されるSNPがヘテロ又はホモで存在する場合、肌の色が濃くなる傾向を有する。
【0026】
より具体的に、シミについては、ネガティブ(‐)と表示されたSNPを有する場合、シミが薄くなり、ポジティブ(+)と表示されたSNPを有する場合、シミが濃くなる傾向を有する。シミ平均面積については、ネガティブ(‐)と表示されたSNPを有する場合、シミ平均面積が狭くなり、ポジティブ(+)と表示されたSNPを有する場合、シミ平均面積が広くなる傾向を有する。顔面頬メラニン及び上腕内側メラニンについては、ネガティブ(‐)と表示されたSNPを有する場合、メラニン量が低下し、ポジティブ(+)と表示されたSNPを有する場合、メラニン量が増加する傾向を有する。頬の明るさについては、ネガティブ(‐)と表示されたSNPを有する場合、頬の明るさは暗くなり、ポジティブ(+)と表示されたSNPを有する場合、頬の明るさは明るくなる。頬の黄色については、ネガティブ(‐)と表示されたSNPを有する場合、黄色味が薄くなり、ポジティブ(+)と表示されたSNPを有する場合、黄色味が濃くなる傾向を有する。
【0027】
シミとは、主に顔面に生じる色素の沈着をいう。シミの主な原因は、紫外線であり、紫外線によりメラノサイトの活性が高まり、他の部位に比較してメラニン生成量が高まることにより生じる。また、紫外線以外にもストレス、睡眠不足、女性ホルモンの崩れなどもシミの形成に影響する。シミには、炎症性色素沈着、老人性色素斑、肝斑、雀卵斑なども含まれる。シミ平均面積は、シミが生じた場合にその大きさを示す。シミは、視覚的に決定してもよいし、その他任意の方法によりその存在を決定してもよいが、一例として、Visia Evolutionなどの機器を用いてシミのインデックス値を決定することができる。
【0028】
上腕内側は、紫外線の影響を受けにくい箇所である。したがって上腕内側のメラニン量に関するSNPは、肌の地の色、言い換えれば紫外線の影響がない状態での肌の色についての遺伝的傾向を示す。例えば、遺伝的に上腕内側のメラニン量が多い対象は、肌の地の色が濃い対象であるといえる。その一方で、顔面は、常に紫外線の影響を受けている箇所である。したがって、顔面のメラニン量に関するSNPは、紫外線の影響による黒化のしやすさを示している。
【0029】
頬の明るさ及び黄色みは、肌のくすみと関連している。くすみの原因としては、メラニン量、血行、乾燥、老化(糖化やカルボニル化などのタンパク質の変性)が挙げられる。頬の明るさや黄色みは、分光測色計を用いて計測することができる。
【0030】
肌の色特性決定のためのSNPスコアは、一例として下記の式により表され、かかるSNPスコアに基づき、肌の色特性を決定することができる。
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
一方で、SNPスコアの決定のために選択されたSNPは、任意に除去されてもよい。
【0031】
肌特性が肌質である場合、以下の:
rs2987983、rs1050565、rs11057830、rs12931267、rs17822931、rs1800414、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs3829251、rs74653330、rs7501331、rs1030868、rs10515552、rs1061622、rs10882272、rs1107946、rs1126643、rs2241145、rs2282679、rs41281112、rs6058017、rs7201、rs7799039、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1485766、rs1501299、rs16891982、rs17577、rs1800012、rs2228479、rs3785079、rs1667255、rs2046571、rs2227564、rs2246416、rs4065、rs4880、rs492602、及びrs964184からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌質は、さらに皮脂量、水分量、及び皮膚バリア機能に細分化することができる。肌質が皮脂量である場合、以下の:rs2987983、rs74653330、rs12931267、rs10882272、rs1667255、rs2046571、rs2227564、rs2246416、rs4065、rs4880、rs492602、rs6058017及びrs964184からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌質が水分量である場合に、以下の:rs7501331、rs3760776、rs3829251、rs17822931、rs1126643、rs12377462、rs1485766、rs1501299、rs16891982、rs17577、rs1800012、rs2228479、rs2282679、rs3785079、rs7201、及びrs9340799からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。肌質が、皮膚バリア機能である場合に、以下の:rs1050565、rs17822931、rs1800414、rs2285053、rs3829251、rs1800629、rs11057830、rs1030868、rs10515552、rs1061622、rs10882272、rs1107946、rs1126643、rs2241145、rs2282679、rs41281112、rs6058017、rs7201、rs74653330、rs7799039、rs8110862、及びrs9340799からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを用いられる。これらのSNPと、SNPが存在する遺伝子との関係は以下の通りである:
【表3】
肌特性としての肌質は、上記の表に従って、皮脂量、水分量(頬、腕)、皮膚バリア機能(頬、腕)に細分することができる。皮脂量について、皮脂量の測定値が高くなる肌と皮脂量の測定値が少なくなりやすい肌をいう。水分量について、肌質が良いとは、水分量が多いことをいい、肌質が悪いとは水分量が少ないことをいう。皮膚バリア機能について、水分蒸散量を測定しており、その値が高くなりやすい肌質は、皮膚バリア機能が低いことをいい、水分蒸散量が低くなりやすい肌は皮膚バリア機能が高いことをいう。
【0032】
皮膚機能決定に関連するSNPスコアは、下記の式により表され、かかるSNPスコアに基づき、皮膚機能を決定することができる。細分化した皮膚機能の各特性は下記のSNPスコアに基づき決定することができる。
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
一方で、SNPスコアの決定のために選択されたSNPは、任意に除去されてもよい。
【0033】
本発明の別の態様では、本発明は肌特性を決定するコンピュータに関する。かかるコンピュータは、上述の肌特性の決定方法を実行することができる。本発明のさらなる方法では、本発明は、本発明の肌特性を決定するコンピュータを制御する方法又は制御するプログラム、並びに当該プログラムを格納する記憶媒体にも関する。本発明のコンピュータは、記憶部、入力部、出力部、及び処理部を含む。
【0034】
記憶部は、RAM、ROM、フラッシュメモリ等のメモリ装置、ハードディスクドライブ等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置などを有する。記憶部は、入力部から入力されたデータ及び指示、処理部で行った演算処理結果等の他、コンピュータの各種処理に用いられるプログラム、データベースなどを記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、インターネットを介してインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部にインストールされる。本発明において、記憶部は、以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPに関する情報と、当該SNPと関連する肌特性の情報とを記憶する。これらのSNPに関する情報には、さらに、当該SNPと連鎖不平衡にあるSNPの情報を記憶していてもよい。SNPに関する情報には、配列情報が含まれ、SNPと関連する肌特性の情報には、肌特性の種類及び作用、SNPスコア、ホモで存在する場合の乗数が記録される。
【0035】
入力部は、インターフェイスを含む。インターフェイスは、例えば、キーボード、マウス等の操作部、LANやポート等の通信部、CD-ROM、DVD-ROM、BD-ROM、メモリースティックなどの外部記憶装置に接続されていてもよい。SNPに関する情報及び当該SNPと関連する肌特性の情報が入力部から入力されて、記憶部に記憶されてもよい。また、対象の配列情報が、入力部から入力される。入力された配列情報は、いったん記憶部に記憶されてもよいし、そのまま処理部に送られてもよい。対象の配列情報は、対象の全ゲノム配列であってもよいし、目的の一部配列のみであってもよい。操作部を介して、入力部から処理部における処理の指示を与えることができる。
【0036】
処理部は、対象の配列情報中におけるSNPの存在を検出する。より具体的に、処理部は、記憶部に記憶されたSNPの配列情報と、入力部から入力された対象の配列情報とから、対象の配列情報中におけるSNPの存在を検出することができる。記憶部に記憶されたSNPの配列情報と、入力部から入力された対象の配列情報との比較、又は入力部から入力された対象の配列情報中での記憶部に記憶されたSNPの配列情報を検索することにより、SNPの存在を検出することができる。処理部は、記憶部に記憶しているプログラムに従って各種の演算処理を実行する。演算処理は処理部に含まれるCPUによりおこなわれる。このCPUは、入力部、記憶部、及び出力部を制御する機能モジュールを含み、各種の制御を行うことができる。これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェアなどで構成されてもよい。処理部により検出されたSNPの存在についての情報は、一旦、記憶部に記憶されてもよいし、そのまま処理部が、記憶部から当該SNPの存在に基づき、当該SNPと関連する肌特性の情報を記憶部から読み出すこともできる。また、複数のSNPが存在する場合に、SNP情報に基づきSNPスコアを算出することもできる。次に処理部は、読み出された肌特性の情報を出力部から出力するように処理する。
【0037】
出力部は、データ処理部で演算処理を行って検出されたSNPについて、記憶部に記憶された肌特性情報及び/又はSNPスコアを出力するように構成さる。出力部は、演算処理の結果を直接表示する液晶ディスプレイ等の表示装置、プリンタ等の出力手段であってもよいし、外部記憶装置への出力又はネットワークを介して出力するためのインターフェイス部であってもよい。
【0038】
本発明の好ましい態様では、本発明のコンピュータは、サーバーを構成し、入力部及び出力部は、それぞれインターフェイス部を介して、ネットワークに接続される。この場合、ネットワークに接続された個別の端末から、ゲノム情報やゲノムの一部の配列情報を提供することができ、提供された配列情報がサーバーにおいて処理された、SNPの存在を検出し、肌特性を決定し、決定された肌特性を端末に出力することができる。
【0039】
単一のSNPを検出することで、肌特性を決定することもできるが、より優れた感度を達成する観点では、複数のSNPを検出して、肌特性を決定することが好ましい。複数のSNPの検出に基づき、肌特性を決定するためには、一例として、そのSNPが、当該肌特性にポジティブ又はネガティブの作用を与えるかを明らかにし、その存在に応じてポイントを付することで、SNPスコアを算出することにより行われる。SNPスコアと肌特性との関連を予め決定しておくことで、SNPスコアから、肌特性を決定することができる。
【0040】
実施例では、200名のボランティアから得られたSNP情報及び肌特性との関係に基づき、SNPスコアと、肌特性との関係が示される(図3~16)。これらのSNPスコアは、母集団や選択するSNPに応じて変化する。限定されることを意図していないが、例えばシワについては、SNPスコアが2以上、より好ましくは3以上において、加齢によりシワが生じやすいと判断することができる。例えば、シミについて、SNPスコアが 2以上、より好ましくは4以上において、加齢によりシミが生じやすいと判断することができる。例えば、キメについて、SNPスコアが2以上、より好ましくは3以上において、加齢によりキメが悪くなりやすいと判断することができる。
【0041】
本発明の肌特性決定方法により肌特性が決定された場合、このような肌特性についての情報に基づき、カウンセリングを行うことができる。したがって、本発明の一態様は、カウンセリング方法にも関する。こうしたカウンセリングにおいて、生活習慣や使用する化粧料やサプリメントの選択についてアドバイスを提供することができる。一例として、肌の色特性のうち、上腕のメラニン量は、そのヒトのもつ本来の肌の地色と関係があり、顔面のメラニン量は紫外線により影響された肌の色と関係がある。したがって、SNP解析により、上腕のメラニン量が低くなりやすい一方で、顔面のメラニン量が増えていた対象は、色白である一方で、紫外線の影響を受けやすいため、紫外線に対するケアをより必要とする対象であると決定できる。そのような対象には、紫外線を避ける生活習慣を提案するとともに、より強い紫外線保護剤のはいった化粧料を使用することを提案することができる。
【0042】
シワが生じやすいと判定された場合には、コラーゲン、エラスチンなどの膠原繊維や弾性線維の産生を増強可能であるか及び/又はマトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤など、弾性線維の分解を抑制可能である成分を含む化粧料やサプリメントを提供することができる。そのような成分として、細胞外マトリクス分解阻害剤、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、更に限定するとコラゲナーゼ阻害剤などが挙げられる。具体的な成分としてレチノール、シカクマメエキス、マンゴスチンエキスなどが挙げられる(化粧品の有用性 評価技術の進歩と将来展望、薬事日報社、(2001)第7節、しわ対応化粧品、162~177頁)。
【0043】
シミなどの肌の色特性に関するトラブルが生じやすいと判定された場合には、UVカット作用、メラニン生成抑制作用、及び/又は角質のターンオーバーの促進作用を有する成分を含む化粧料やサプリメントを提供することができる。そのような成分として、例えばUV保護剤、ビタミンC誘導体、ハイドロキノン、トラネキサム酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アルブチン、コウジ酸、ルシノール、ビタミンC誘導体などが挙げられる(化粧品の有用性 評価技術の進歩と将来展望、薬事日報社、(2001)、第6節、美白化粧品、144~161頁)。また、適切な化粧下地、化粧料の提案や、メークアップ方法の提案をすることもできる。
【0044】
キメ、はり、皮脂、水分量、皮膚バリア機能などの皮膚機能が劣っていると判定された場合には、皮膚機能を高めることができる成分を含む化粧料やサプリメントを提供することができる。キメやはりの改善剤、皮脂低下剤、水分量増加促進剤、皮膚バリア機能改善剤などはそれぞれ知られている。そのような成分として、例えば保湿剤、トラネキサム酸、シカクマメエキスなどが挙げられる。
【0045】
本発明の別の態様では、肌特性の決定のためのキットにも関する。当該キットは、以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる少なくとも1のSNP、またはその連鎖不平衡にあるSNPを検出するための核酸試薬を含む。かかるキットは、さらに核酸抽出試薬及び精製試薬を含んでもよい。また、検出されたSNPと肌状態との関係を説明する使用説明書を含んでもよい。
【0046】
このような核酸試薬として、一例としては、SNPを選択的に増幅可能なプライマー、DNAポリメラーゼ、dNTP、そして場合により増幅緩衝液を含む。SNPを増幅可能なプライマーは、各SNPに対して、任意に設計することができる。
【0047】
核酸試薬として、核酸プローブを使用する場合、前記キットがさらに、プローブ検出試薬を含んでもよい。かかる核酸プローブは、未固定のプローブを用いてもよいし、DNAチップ上に固定されたものを用いて、複数のSNPを同時に検出することができる。このような核酸プローブは、特定のSNPを検出可能なように標識されていてもよい。
【0048】
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
【0049】
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
【実施例0050】
肌特性値の測定
肌特性値として、35~59 歳の女性ボランティア200 名を対象として、肌のシワ状態、シミ状態、肌色(顔面メラニン量、地肌(上腕内側)メラニン量、明るさ、黄身)、肌状態(水分量、バリア機能、皮脂量、はり、きめ状態)を計測した。それぞれの測定は、シワ状態とシミ状態はVisia Evolution(Canfield Scientific社製)を用いて、撮影画像から専用の解析法にてシワ、シミのインデックス値を算出し、解析に用いた。肌色は、分光測色計CM-700d(コニカミノルタ社)を用いて解析し、顔面頬のメラニン量、明るさ(L*・測色値)、黄色(b*・測色値)を計測した。また、日光に曝露されない部位である上腕内側の肌色も測定し、メラニン量を算出した。肌状態は、専用の市販機器を用いて、角層水分量(Corneometer)、経皮水分蒸散量(バリア機能)(Vapometer)、皮脂量(Sebumeter)、はり(Cutometer)を測定し、キメ状態はオリジナル計測機器であるSkinvisiom IIを用い、専用の解析ソフトを用いて、キメの乱れぐらいを計測した。
【0051】
遺伝子解析(SNPジェノタイピング)
遺伝子解析検体として唾液を用いた。唾液はOragene(登録商標)DNA OG-500(DNA Genotek Inc.)を用いて採取し、DNAを安定化させた。唾液よりDNAを精製し、DNAアレイを用い、SNPジェノタイピングを実施し、予め選択したSNPの情報を取得した。解析対象とするSNPは過去の皮膚科学知見から肌特性値への影響が期待されるものを選択した。
【0052】
統計処理の方法
肌特性値とSNP遺伝子型との間の関連性は、多重比較、重回帰分析、オッズ比の統計解析、最適な回帰モデルで予測区間を設定したケース、及びコントロール解析を実施することにより決定した。さらに、肌特性に関連する複数のSNP遺伝子間の関連性を共分散構造分析(SEM)と決定木分析を実施して評価し、SNP遺伝子の肌特性値への影響を指標化することを試みた。
【0053】
多重比較解析
肌特性値と遺伝子SNPのペアに関して、肌特性値の分布がどの遺伝子型SNPで異なっているのかを分析し、量的データについては、Tukey multiple comparisonsで多重比較の検定を行った。質的データについては、カイ2乗検定とフィッシャーの正確確率検定を適用した。多重比較解析で選択されたSNPを下記表4に示す。
【表4】
【0054】
重回帰分析
単回帰分析の結果、多くの特性値が年齢と相関を持っていることが示された(データ未掲載)。そこで、加齢効果と遺伝効果を分離するため、遺伝要因と年齢(数値)を変数とする重回帰分析を実施した。遺伝要因の係数が有意となった関係について、標準偏回帰係数とp-valueを算出した。標準偏回帰係数の符号がプラスのSNPは変異があると肌特性値が増加、マイナスの場合は変異によって肌特性値が減少することを表している。重回帰分析で選択されたSNPを下記の表5に示した。
【0055】
【表5】
【0056】
オッズ比
閾値を設定し肌特性データを2群に分けSNP遺伝子型と組み合わせて分割表を作成した。肌特性値は年齢に伴い変化するので、閾値も年齢にともなって変化した。ここでは、一定の年齢幅における肌特性値の順位上位1/4を高位グループ、下位1/4を低位グループとして、この2群間の比較を行った。対照群とリスク群の選択基準は、肌特性値が加齢により増加する場合は、増加群をリスク群とし、逆に、減少する場合は、減少群をリスク群と設定して解析を行った。各SNPについて2つの遺伝子型のサンプルを選択し、対照群とリスク群との2×2の分割表を作成し統計的検定を実施した。対照群、リスク群の選択での「同年代」とは、自分の年齢±5歳とした。ワイルド型とヘテロ型あるいはホモ型のオッズ比のうち、フィッシャー正確確率検定で有意となった肌特性値とSNPの組合せを下記表6に示した。
【0057】
【表6】
【0058】
共分散構造解析(SEM)解析
SEM解析は、連続変数間の関係をモデリングする手法であり、重回帰分析と因子分析を統合したモデル解析である。カテゴリカル変数は、ダミー変数に置き換えれば適用できる。モデル変数は、観測変数と潜在変数(構成概念)とし、肌特性値データ、年齢、SNP多型データが観測変数とし、SNP多型データはWild→0, Hetero→1, Homo→2で置き換え1つのダミー変数で扱った。SEMのモデル記法は、柔軟なモデル記述が可能なlavaanの記法を使用した。
【0059】
解析の手順
(1)モデルを定義する。
(2)サンプルデータの分散構造を最大限説明するようにモデルパラメータ(母数)を推定する。
(3)モデルの適合度指標(サンプルデータの分散構造をどの程度説明できたかを示す指標)を確認する。
(4)モデルパラメータの大きさと信頼性(p値)を確認する。
(5)適合度、パラメータが良ければ解析終了。
(6)適合度が良いが、信頼性の低いモデル変数がある場合は、それを除外したモデルで(1)~(4)の解析を行い比較した。
適合度が悪い場合は、修正指標(モデルにどのような関係を追加すれば適合度が改善するかを示す指標)を参考にモデルを改善して(1)~(4)の解析を行い比較した。
【0060】
決定木分析
決定木分析では、連続量の肌特性値を目的変数とし、分岐条件は、分けられた2群の目的変数の級間分散と級内分散の比を最小化するように決めていった。分岐要因に年齢を含めるので、年代別の分析は行わず、全サンプルを対象としたモデリングを行った。
モデル変数は、
(1)目的変数(従属変数):肌特性値(連続値)
(2)説明変数(独立変数) :5歳刻みの年齢階級、SNP多型
とした。
解析の手順
(1)目的変数(肌特性値)と説明変数(SNP)の組合せを決める。
(2)決定木分析は、複雑度(CP:Complexity Parameter)が小さくなるように分割続ける。はじめは、CPが減少する限り分割をつづけるという条件で分析する。
(3)n重交差確認法で分岐条件ごとにモデルのエラー率を計算する。n重交差確認法は、データをn組に分割して、そのうちのn-1組を使って決定木を作成し残りの1組のデータを判別し結果のエラー率を計算する。テストデータを入れ替えてn回の評価を行う。
(4)Min+1SE方法を停止条件として採用した。
(5)停止条件の分割点まで作成されるツリーを決定木とした。
【0061】
SEM解析と決定木分析から選択された遺伝子を下記表7に示す。
【表7】
【0062】
指標化の検討
これまでの解析結果からSNPの肌特性値への影響の指標化について検討した。本節で取り上げたSkinXXとSnpYYの関係を単純にポイントカウントした。増加要因は+1、減少要因は-1とする。各特性値ごとに下記に示すSNPを選択し、スコアの算出式、スコアの頻度分布、スコアごとの肌特性値のBoxPlotを図3(A)~16(A)に示した。
【0063】
指標化に選択されたSNPを下記の表8に示した。
【表8-1】
【表8-2】
【0064】
シミの分析
肌特性のうち、シミの分析を、下記式:
【数15】
に基づき、SNPスコア(シミ)を計算した。SNPスコア(シミ)とシミスコア(インデックス)との関係、及びSNPスコア(シミ)と頻度との関係を、それぞれ図3(A)及び(B)に示した。
【0065】
シミ平均面積の分析
肌特性のうち、シミ平均面積の分析を、下記式:
【数16】
に基づき、SNPスコア(シミ平均面積)を計算した。SNPスコア(シミ平均面積)と平均シミ面積(インデックス)との関係、及びSNPスコア(シミ平均面積)と頻度との関係を、それぞれ図4(A)及び(B)に示した。
【0066】
顔面頬メラニンの分析
肌特性のうち、顔面頬メラニンの分析を、下記式:
【数17】
に基づき、SNPスコア(顔面頬メラニン)を計算した。SNPスコア(顔面頬メラニン)と顔面メラニン(インデックス)との関係、及びSNPスコア(顔面頬メラニン)と頻度との関係を、それぞれ図5(A)及び(B)に示した。
【0067】
上腕内側メラニンの分析
肌特性のうち、上腕内側メラニンの分析を、下記式:
【数18】
に基づき、SNPスコア(上腕内側メラニン)を計算した。SNPスコア(上腕内側メラニン)と上腕内側メラニン(インデックス)との関係、及びSNPスコア(上腕内側メラニン)と頻度との関係を、それぞれ図6(A)及び(B)に示した。
【0068】
頬の明るさの分析
肌特性のうち、頬の明るさの分析を、下記式:
【数19】
に基づき、SNPスコア(頬の明るさ)を計算した。SNPスコア(頬の明るさ)と頬明るさ(L*:明度)との関係、及びSNPスコア(頬の明るさ)と頻度との関係を、それぞれ図7(A)及び(B)に示した。
【0069】
頬の黄色の分析
肌特性のうち、頬の黄色の分析を、下記式:
【数20】
に基づき、SNPスコア(頬の黄色)を計算した。SNPスコア(頬の黄色)と頬黄色(b*:色彩値)との関係、及びSNPスコア(頬の黄色)と頻度との関係を、それぞれ図8(A)及び(B)に示した。
【0070】
シワの分析
肌特性のうち、シワの分析を、下記式:
【数21】
に基づき、SNPスコア(シワ)を計算した。SNPスコア(シワ)とシワスコア(インデックス)との関係、及びSNPスコア(シワ)と頻度との関係を、それぞれ図9(A)及び(B)に示した。
【0071】
キメの分析
肌特性のうち、キメの分析を、下記式:
【数22】
に基づき、SNPスコア(キメ)を計算した。SNPスコア(キメ)とキメスコア(インデックス)との関係、及びSNPスコア(キメ)と頻度との関係を、それぞれ図10(A)及び(B)に示した。
【0072】
はりの分析
肌特性のうち、はりの分析を、下記式:
【数23】
に基づき、SNPスコア(はり)を計算した。SNPスコア(はり)とはりスコア(R7)との関係、及びSNPスコア(はり)と頻度との関係を、それぞれ図11(A)及び(B)に示した。
【0073】
皮脂-額の分析
肌特性のうち、皮脂-額の分析を、下記式:
【数24】
に基づき、SNPスコア(皮脂-額)を計算した。SNPスコア(皮脂-額)と皮脂スコア(A.U.)との関係、及びSNPスコア(皮脂-額)と頻度との関係を、それぞれ図12(A)及び(B)に示した。
【0074】
水分量-頬の分析
肌特性のうち、水分量-頬の分析を、下記式:
【数25】
に基づき、SNPスコア(水分量-頬)を計算した。SNPスコア(水分量-頬)と頬角層水分量(A.U.)との関係、及びSNPスコア(水分量-頬)と頻度との関係を、それぞれ図13(A)及び(B)に示した。
【0075】
水分量-腕の分析
肌特性のうち、水分量-腕の分析を、下記式:
【数26】
に基づき、SNPスコア(水分量-腕)を計算した。SNPスコア(水分量-腕)と腕角層水分量(A.U.)との関係、及びSNPスコア(水分量-腕)と頻度との関係を、それぞれ図14(A)及び(B)に示した。
【0076】
バリア-頬の分析
肌特性のうち、バリア-頬の分析を、下記式:
【数27】
に基づき、SNPスコア(バリア-頬)を計算した。SNPスコア(バリア-頬)と頬経皮水分蒸散量(g/m2h)との関係、及びSNPスコア(バリア-頬)と頻度との関係を、それぞれ図15(A)及び(B)に示した。
【0077】
バリア-腕の分析
肌特性のうち、バリア-腕の分析を、下記式:
【数28】
に基づき、SNPスコア(バリア-腕)を計算した。SNPスコア(バリア-腕)と腕経皮水分蒸散量(g/m2h)との関係、及びSNPスコア(バリア-腕)と頻度との関係を、それぞれ図16(A)及び(B)に示した。
【0078】
最適な回帰モデルで予測区間を設定したケース、コントロール解析
被験者を下記表9に示す被験者数に増やし、さらに解析を実施した。肌特性値と遺伝子型SNPのペアに関して、肌特性値の分布がどの遺伝子型SNPで異なっているのかを分析した。それぞれの肌特性に対して、年齢とそれぞれの計測値のプロットから表10に示す最適な回帰モデルを設定し、標準偏差(σ)の幅予測区間を決定した。幅予測区間から上部に外れる検体群を高値群、下部に外れる検体群を低値群とした。高値群、低値群を「ケース」としそれ以外を「コントロール」とし、カイ2乗検定を適用し、選択されたSNPを下記表11に示した。SNPの影響の検出は、優性(顕性)、劣性(潜性)の2通りで解析を行った。優性は(ワイルド+ヘテロ)vsホモとし、劣性はワイルドvs(ヘテロ+ホモ)とした。
【表9】
【0079】
【表10】
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【表11-4】
【表11-5】
[1] 以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる、少なくとも1のSNPを検出する工程、
検出されたSNPに基づき、肌特性を決定する工程
を含む、肌特性の決定方法。
[2] 肌特性が、肌形状特性、肌質、及び肌の色特性からなる群から選ばれる、項目1に記載の決定方法。
[3] 肌特性が、肌形状特性であり、前記SNPが以下の:
rs1256062、rs10515552、rs1107946、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs1799750、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs12051272、rs1030868、rs10741657、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs11568737、rs1485766、rs1540771、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs1801133、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2108622、rs2228479、rs2232228、rs2234693、rs2241145、rs2246416、rs2287074、rs3785079、rs3829251、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs492602、rs6058017、rs7501331、rs7799039、rs8326、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目2に記載の決定方法。
[4] 肌形状特性が、シワ、キメ、及びハリからなる群から選ばれる、項目3に記載の決定方法。
[5] 肌形状特性がシワである場合に、前記SNPが以下の:rs1800629、rs1107946、rs1501299、rs10515552、rs12785878、rs12051272、rs1126643、rs1256062、rs1485766、rs1799750、rs2234693、rs2246416、rs3760776、rs3865188、rs4065、rs6058017、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目3に記載の決定方法。
[6] 肌形状特性がキメである場合に、前記SNPが以下の:rs1256062、rs1799750、rs12931267、rs11057830、rs1107946、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs3829251、rs7501331、rs7799039、からなる群から選ばれる、項目3に記載の決定方法。
[7] 肌形状特性が、ハリである場合に、前記SNPが以下の:rs1256062、rs3760776、rs12931267、及びrs2285053、rs1030868、rs10741657、rs11568737、rs1540771、rs1799724、rs1800012、rs1801133、rs1993116、rs2060793、rs2228479、rs2232228、rs2241145、rs2287074、rs41281112、rs492602、rs8326、からなる群から選ばれる、項目3に記載の決定方法。
[8] 肌特性が、肌質であり、前記SNPが以下の:rs2987983、rs1050565、rs11057830、rs12931267、rs17822931、rs1800414、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs3829251、rs74653330、rs7501331、rs1030868、rs10515552、rs1061622、rs10882272、rs1107946、rs1126643、rs2241145、rs2282679、rs41281112、rs6058017、rs7201、rs7799039、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1485766、rs1501299、rs16891982、rs17577、rs1800012、rs2228479、rs3785079、rs1667255、rs2046571、rs2227564、rs2246416、rs4065、rs4880、rs492602、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目2に記載の決定方法。
[9] 肌質が、皮脂量、水分量、及び皮膚バリア機能からなる群から選ばれる、項目8に記載の決定方法。
[10] 肌質が、皮脂量である場合に、前記SNPが以下の:rs2987983、rs74653330、rs12931267、rs10882272、rs1667255、rs2046571、rs2227564、rs2246416、rs4065、rs4880、rs492602、rs6058017、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目9に記載の決定方法。
[11] 肌質が、水分量である場合に、前記SNPが以下の:rs7501331、rs3760776、rs3829251、及びrs17822931、rs1126643、rs12377462、rs1485766、rs1501299、rs16891982、rs17577、rs1800012、rs2228479、rs2282679、rs3785079、rs7201、rs9340799からなる群から選ばれる、項目9に記載の決定方法。
[12] 肌質が、皮膚バリア機能である場合に、前記SNPが以下の:rs1050565、rs17822931、rs1800414、rs2285053、rs3829251、rs1800629、rs11057830 rs1030868、rs10515552、rs1061622、rs10882272、rs1107946、rs1126643、rs2241145、rs2282679、rs41281112、rs6058017、rs7201、rs74653330、rs7799039、rs8110862、及びrs9340799からなる群から選ばれる、項目9に記載の決定方法。
[13] 肌特性が、肌の色特性であり、前記SNPが以下の:rs1030868、rs10741657、rs1107946、rs12785878、rs1799750、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs8326、rs833061、rs10515552、rs10882272、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs12272004、rs1256062、rs12913832、rs1485766、rs1501299、rs1540771、rs17577、rs1799724、rs1800629、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2227564、rs2228479、rs2232228、rs2282679、rs2298585、rs2987983、rs3785079、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs4654748、rs4880、rs492602、rs7201、rs9340799、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目2に記載の決定方法。
[14] 肌の色特性が、肌の地色、紫外線曝露部の肌の色、シミ、明るさ及び黄色みからなる群から選ばれる、項目13に記載の決定方法。
[15] 肌の色特性が肌の地色である場合に、前記SNPが以下の:rs3760776、rs2246416、rs2241145、rs10741657、rs6058017、rs2287074、rs74653330、rs1256062、rs17577、rs3865188、rs41281112、及びrs8326からなる群から選ばれる、項目14に記載の決定方法。
[16] 肌の色特性が肌の紫外線曝露部の肌の色である場合に、前記SNPが以下の:rs2241145、rs6058017、rs1799750、rs1030868、rs2287074、rs2046571、rs2285053、rs10741657、rs2246416、rs1107946、rs7201、及びrs74653330からなる群から選ばれる、項目14に記載の決定方法。
[17] 肌の色特性がシミである場合に、前記SNPが以下の:rs1030868、rs12785878、rs1799750、rs2046571、rs2241145、rs3829251、rs8326、rs833061、rs10515552、rs10741657、rs10882272、rs11057830、rs11234027、rs12272004、rs1256062、rs1485766、rs1501299、rs1540771、rs1799724、rs1800629、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2227564、rs2232228、rs2246416、rs2282679、rs2298585、rs2987983、rs4065、rs4880、rs492602、rs6058017、rs7201、rs964184からなる群から選ばれる、項目14に記載の決定方法。
[18] 肌の色特性が明るさである場合に、前記SNPが以下の:rs2285053、rs6058017、rs74653330及びrs2246416、rs11057830、rs1126643、rs1799724、rs2228479、rs2232228、rs4654748、rs833061、及びrs9340799からなる群から選ばれる、項目14に記載の決定方法。
[19] 肌の色特性が黄色みである場合に、前記SNPが以下の:rs10741657、rs6058017、rs2241145、rs2285053、rs1799750、rs1030868、及びrs2246416、rs1107946、rs1126643、rs12913832、rs17577、rs3785079、rs492602、rs74653330、rs833061、及びrs9340799からなる群から選ばれる、項目14に記載の決定方法。
[20] 項目1~19のいずれか一項に記載の方法により決定された肌特性に基づくカウンセリング方法。
[21] 項目1~19のいずれか一項に記載の方法により決定された肌特性に応じて、化粧料を選択することを特徴とする、化粧料の提供方法。
[22] 項目1~19のいずれか一項に記載の方法により決定された肌特性に応じて、サプリメントを選択することを特徴とする、サプリメントの提供方法。
[23] 肌特性を決定するコンピュータであって、以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061 rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPに関する情報と、当該SNPと関連する肌特性の情報とを記憶させた記憶部、
利用者のDNA情報を入力する入力部、
入力されたDNA情報中において、記憶されたSNPの存在を検出する処理部、
検出されたSNPに関連する肌特性の情報を出力する出力部
を含む、コンピュータ。
[24] 前記コンピュータが、サーバーであり、入力部が通信部であり、出力部が通信部である、項目23に記載のコンピュータ。
[25] 肌特性が、肌形状特性、肌質、及び肌の色特性からなる群から選ばれる、項目23又は24に記載のコンピュータ。
[26] 肌特性が、肌形状特性であり、前記SNPが以下の:
rs1256062、rs10515552、rs1107946、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs1799750、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs12051272、rs1030868、rs10741657、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs11568737、rs1485766、rs1540771、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs1801133、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2108622、rs2228479、rs2232228、rs2234693、rs2241145、rs2246416、rs2287074、rs3785079、rs3829251、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs492602、rs6058017、rs7501331、rs7799039、rs8326、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目25に記載のコンピュータ。
[27] 肌形状特性が、シワ、キメ、及びハリからなる群から選ばれる、項目26に記載のコンピュータ。
[28] 肌特性が、肌質であり、前記SNPが以下の:
rs2987983、rs1050565、rs11057830、rs12931267、rs17822931、rs1800414、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs3829251、rs74653330、rs7501331、rs1030868、rs10515552、rs1061622、rs10882272、rs1107946、rs1126643、rs2241145、rs2282679、rs41281112、rs6058017、rs7201、rs7799039、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1485766、rs1501299、rs16891982、rs17577、rs1800012、rs2228479、rs3785079、rs1667255、rs2046571、rs2227564、rs2246416、rs4065、rs4880、rs492602、rs964184からなる群から選ばれる、項目25に記載のコンピュータ。
[29] 肌質が、皮脂量、水分量、及び皮膚バリア機能からなる群から選ばれる、項目28に記載のコンピュータ。
[30] 肌特性が、肌の色特性であり、前記SNPが以下の:
rs1030868、rs10741657、rs1107946、rs12785878、rs1799750、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs8326、rs833061、rs10515552、rs10882272、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs12272004、rs1256062、rs12913832、rs1485766、rs1501299、rs1540771、rs17577、rs1799724、rs1800629、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2227564、rs2228479、rs2232228、rs2282679、rs2298585、rs2987983、rs3785079、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs4654748、rs4880、rs492602、rs7201、rs9340799、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目25に記載の決定方法。
[31] 肌の色特性が、肌の地色、紫外線曝露部の肌の色、シミ、明るさ及び黄色みからなる群から選ばれる、項目30に記載の決定方法。
[32] 前記記憶部が、さらに肌特性の情報と、当該肌特性に適した化粧料及びサプリメント、並びに当該肌特性のヒトにとって必要な生活習慣改善のアドバイスのリストとを記憶し、
肌特性の情報に加えて、当該肌情報に適した化粧料及びサプリメント、並びに当該肌特性のヒトにとって必要な生活習慣改善のアドバイスを出力する、項目23~31のいずれか一項に記載のコンピュータ。
[33] 記憶部と、入力部と、処理部と、出力部とを含む肌特性を決定するコンピュータを制御するプログラムであって、以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061、rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPに関する情報と、当該SNPと関連する肌特性の情報とを記憶部に記憶させ、
入力部から、利用者のDNA情報を入力させ、
処理部に、入力されたDNA情報において記憶されたSNPの存在を検出させ、
出力部に、検出されたSNPに関連する肌特性の情報を出力させる、
前記プログラム。
[34] 前記コンピュータが、サーバーであり、入力部が通信部であり、出力部が通信部である、項目33に記載のプログラム。
[35] 肌特性が、肌形状特性、肌質、及び肌の色特性からなる群から選ばれる、項目33又は34に記載のプログラム。
[36] 肌特性が、肌形状特性であり、前記SNPが以下の:
rs1256062、rs10515552、rs1107946、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs1799750、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs12051272、rs1030868、rs10741657、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs11568737、rs1485766、rs1540771、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs1801133、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2108622、rs2228479、rs2232228、rs2234693、rs2241145、rs2246416、rs2287074、rs3785079、rs3829251、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs492602、rs6058017、rs7501331、rs7799039、rs8326、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目35に記載のプログラム。
[37] 肌形状特性が、シワ、キメ、及びハリからなる群から選ばれる、項目36に記載のプログラム。
[38] 肌特性が、肌質であり、前記SNPが以下の:
rs2987983、rs1050565、rs11057830、rs12931267、rs17822931、rs1800414、rs1800629、rs2285053、rs3760776、rs3829251、rs74653330、rs7501331、rs1030868、rs10515552、rs1061622、rs10882272、rs1107946、rs1126643、rs2241145、rs2282679、rs41281112、rs6058017、rs7201、rs7799039、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1485766、rs1501299、rs16891982、rs17577、rs1800012、rs2228479、rs3785079、rs1667255、rs2046571、rs2227564、rs2246416、rs4065、rs4880、rs492602、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目35に記載のプログラム。
[39] 肌質が、皮脂量、水分量、及び皮膚バリア機能からなる群から選ばれる、項目38に記載のプログラム。
[40] 肌特性が、肌の色特性であり、前記SNPが以下の:rs1030868、rs10741657、rs1107946、rs12785878、rs1799750、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs8326、rs833061、rs10515552、rs10882272、rs11057830、rs11234027、rs1126643、rs12272004、rs1256062、rs12913832、rs1485766、rs1501299、rs1540771、rs17577、rs1799724、rs1800629、rs1993116、rs2010963、rs2060793、rs2227564、rs2228479、rs2232228、rs2282679、rs2298585、rs2987983、rs3785079、rs3865188、rs4065、rs41281112、rs4654748、rs4880、rs492602、rs7201、rs9340799、及びrs964184からなる群から選ばれる、項目35に記載のプログラム。
[41] 肌の色特性が、肌の地色、紫外線曝露部の肌の色、シミ、明るさ及び黄色みからなる群から選ばれる、項目40に記載のプログラム。
[42] 以下の:
rs1030868、rs1050565、rs10515552、rs10741657、rs11057830、rs1107946、rs1256062、rs12785878、rs12931267、rs1501299、rs17822931、rs1799750、rs1800414、rs1800629、rs2046571、rs2241145、rs2246416、rs2285053、rs2287074、rs2987983、rs3760776、rs3829251、rs6058017、rs74653330、rs7501331、rs8326、rs833061 rs11234027、rs16891982、rs17577、rs1799724、rs1800012、rs2010963、rs2108622、rs2232228、rs3785079、rs7799039、rs10882272、rs1485766、rs1540771、rs7201、rs964184、rs1993116、rs2060793、rs2282679、rs12272004、rs2227564、rs2298585、rs4065、rs4880、rs492602、rs12051272、rs1126643、rs2234693、rs3865188、rs11568737、rs1801133、rs2228479、rs41281112、rs1061622、rs8110862、rs9340799、rs12377462、rs1667255、rs12913832、及びrs4654748からなる群から選ばれる少なくとも1のSNPを検出するための核酸試薬を含む、肌特性の決定のためのキット。
[43] 前記キットが、さらに核酸抽出及び精製試薬を含む、項目42に記載のキット。
[44] 前記核酸試薬が、SNPを選択的に増幅可能なプライマーであり、前記キットがさらに、ポリメラーゼ、dNTPを含む、項目42又は43に記載のキット。
[45] 前記核酸試薬が、核酸プローブであり、前記キットがさらに、プローブ検出試薬を含む、項目42又は43に記載のキット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16