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特開2024-28865抗CD19抗体とベネトクラクスとの組み合わせ治療のための治療パラダイム
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  • 特開-抗CD19抗体とベネトクラクスとの組み合わせ治療のための治療パラダイム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028865
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】抗CD19抗体とベネトクラクスとの組み合わせ治療のための治療パラダイム
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240227BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240227BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240227BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240227BHJP
【FI】
A61K39/395 T
A61P43/00 121
A61P35/02 ZNA
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/496
C07K16/28
C12N15/13
【審査請求】有
【請求項の数】44
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205931
(22)【出願日】2023-12-06
(62)【分割の表示】P 2019565795の分割
【原出願日】2018-05-30
(31)【優先権主張番号】17173712.5
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】316005432
【氏名又は名称】モルフォシス・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ケレメン,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンダーリック,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ヒーガー,ステッフェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイネルト,ドミニカ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療のための医薬の製造における抗CD19抗体の使用、並びに治療のための医薬組成物を提供する。
【解決手段】本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療に使用するための抗CD19抗体及びベネトクラクスを提供する。抗CD19抗体、特にMOR00208及びベネトクラクスは、治療関連腫瘍崩壊症候群を軽減する特異的治療パラダイムに従って、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)及び/又は小リンパ球性リンパ腫(SLL)に罹患している患者に投与される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項2】
請求項1に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、8日目に初回投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項4】
請求項3に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回及び少なくとも次の3ヶ月間にわたって2週間に1回投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項5】
請求項4に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、4日目に前記抗CD19抗体の追加の投与があることを特徴とする組み合わせ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、前記BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体及び前記BCL-2阻害剤は、個別に投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、前記BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスであることを特徴とする組み合わせ。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域と、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域と、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域と、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含むLCDR1領域と、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域と、配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域とを含むことを特徴とする組み合わせ。
【請求項11】
請求項9に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、配列
を含む可変重鎖と、配列
の可変軽鎖とを含むことを特徴とする組み合わせ。
【請求項12】
請求項9又は10に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、配列
を含む重鎖定常ドメインを含むことを特徴とする組み合わせ。
【請求項13】
請求項10乃至12の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、配列
を含む軽鎖定常ドメインを含むことを特徴とする組み合わせ。
【請求項14】
請求項10乃至13の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、前記抗CD19抗体は、12mg/kgの濃度で投与されることを特徴とする組み合わせ。
【請求項15】
慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫又は非ホジキンリンパ腫の治療に使用するための、請求項1乃至14の何れか1項に記載の組み合わせにおいて、前記非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織、辺縁帯、びまん性大B細胞、バーキット及びマントル細胞からなる群から選択されることを特徴とする組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療に使用するための、抗CD19抗体とベネトクラクスとを含む治療パラダイムを提供する。抗CD19抗体、特にMOR00208及びベネトクラクスは、治療関連腫瘍崩壊症候群を軽減する特異的治療パラダイムに従って、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)及び/又は小リンパ球性リンパ腫(SLL)に罹患している患者に投与される。
【背景技術】
【0002】
B細胞は、液性免疫反応において大きい役割を果たすリンパ球である。B細胞は、ほとんどの哺乳動物の骨髄で産生され、循環血中のリンパ球プールの5~15%に相当する。B細胞の主な機能は、様々な抗原に対する抗体を作ることであり、B細胞は適応免疫系の本質的な成分である。免疫系の調節におけるその重要な役割のため、B細胞の調節不全は、リンパ腫及び白血病などの様々な障害に関連する。これらは、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)及び小リンパ球性リンパ腫(SSL)を含む。
【0003】
NHLは、リンパ球から生じる不均一な悪性腫瘍である。米国(U.S.)における発生率は、年間65,000人、死亡率は、約20,000人と推定される(American Cancer Society,2006;及びSEER Cancer Statistics Review)。本疾患は、すべての年齢で起こる可能性があり、通常の発症は、40歳を超える成人から始まり、発生率は、年齢と共に増加する。NHLは、リンパ節、血液、骨髄及び脾臓に蓄積するリンパ球のクローン増殖を特徴とするが、主要な臓器の何れも関係し得る。病理学者及び臨床医により使用される現在の分類体系は、NHLを前駆体及び成熟B細胞新生物又は成熟T細胞新生物にまとめた、腫瘍の世界保健機関(WHO)分類(World Health Organization Classification of Tumours)である。PDQは、現在、臨床試験への組み入れのためNHLを低悪性度又は高悪性度に分類している。低悪性度NHL群は、主に濾胞性亜型、小リンパ球性リンパ腫、MALT(粘膜関連リンパ組織)及び辺縁帯からなり、低悪性度は、新たに診断されたB細胞NHL患者の約50%を包含する。高悪性度NHLは、主にびまん性大細胞型B細胞(DLBL、DLBCL又はDLCL)(新たに診断された全患者の40%がびまん性大細胞を有する)、バーキット細胞及びマントル細胞と組織学的に診断された患者を含む。
【0004】
NHLに加えて、B細胞の調節異常に起因するいくつかのタイプの白血病が存在する。
【0005】
慢性リンパ球性白血病(「慢性リンパ性白血病」又は「CLL」とも呼ばれる)は、Bリンパ球の異常蓄積により引き起こされる成人白血病の一種である。CLLでは、悪性リンパ球は、正常且つ成熟しているように見えることがあるが、効率的に感染に対処することができない。CLLは、成人における白血病の最も一般的な形態である。男性の方が女性よりもCLLを2倍発症しやすい。しかしながら、重要な危険因子は、年齢である。新規症例の75%超が50歳を超える患者で診断される。毎年10,000例超が診断され、死亡数は、年間ほぼ5,000例である(American Cancer Society,2006;及びSEER Cancer Statistics Review)。CLLは、不治の疾患であるが、ほとんどの場合にゆっくりと進行する。CLLの多くの人は、何年間も通常の活動的な生活を送る。初期CLLは、一般に、その発症が遅いために処置されない。なぜなら、早期介入により生存時間又は生活の質が改善されないと考えられるからである。代わりに、その状態が時間経過と共にモニターされる。初期のCLL処置は、正確な診断及び疾患の進行に応じて様々である。CLL療法に使用される薬が数十存在する。併用化学療法レジメン、例えばFCR(フルダラビン、シクロホスファミド及びリツキシマブ)及びBR(イブルチニブ及びリツキシマブ)は、新たに診断されたCLL及び再発したCLLの両方に効果的である。同種異系骨髄(幹細胞)移植は、そのリスクのためにCLLの第1選択治療として使用されることが稀である。
【0006】
他のタイプの白血病は、CLLの診断に必要とされるクローン性リンパ球症を欠如しているが、それ以外には病理学的特性及びイムノフェノタイプ特性を共有するCLLの異型とみなされる小リンパ球性リンパ腫(SLL)である(Campo et al.,2011)。SLLの定義は、リンパ節症及び/又は巨脾症の存在を必要とする。さらに、末梢血中のBリンパ球数は、5×109/Lを超えてはならない。SLLでは、可能な限りリンパ節生検の組織病理学的な評価により診断を確認すべきである(Hallek et al.,2008)。SLLの発生率は、米国ではCLLの約25%である(Dores et al.,2007)。
【0007】
ヒトCD19分子は、以下に限定されるものではないが、プレB細胞、発生初期のB細胞{すなわち未成熟B細胞)、最終分化を経て形質細胞となる成熟B細胞及び悪性B細胞など、ヒトB細胞の表面上に発現する構造的に異なる細胞表面受容体である。CD19は、大部分のプレB急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、前リンパ球性白血病、有毛細胞白血病、通常の急性リンパ性白血病及び一部のヌル細胞型急性リンパ芽球性白血病に発現する(Nadler et al,J.Immunol.,131:244-250(1983),Loken et al,Blood,70:1316-1324(1987),Uckun et al,Blood,71:13-29(1988),Anderson et al,1984.Blood,63:1424-1433(1984),Scheuermann,Leuk.Lymphoma,18:385-397(1995))。形質細胞上のCD19の発現から、CD19が多発性骨髄腫、形質細胞腫、ワルデンシュトレーム腫瘍などの分化したB細胞腫瘍上に発現し得ることがさらに示唆される(Grossbard et al.,Br.J.Haematol,102:509-15(1998);Treon et al,Semin.Oncol,30:248-52(2003))。
【0008】
したがって、CD19抗原は、本明細書に記載の各々のサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療における免疫療法の標的である。
【0009】
MOR00208(旧称XmAb5574)は、CD19に結合するFc工学操作ヒト化モノクローナル抗体である。XmAb工学操作突然変異に基づくFcγRへのMOR00208Fcの結合増加は、非修飾抗体と比べて腫瘍に対するインビトロ抗体依存細胞媒介細胞傷害性(ADCC)、抗体依存細胞媒介食作用(ADCP)及び直接細胞傷害作用(アポトーシス)を有意に増強する。MOR00208は、補体依存細胞傷害性を媒介することが示されていない。従来の研究では、MOR00208は、フルダラビン、ベンダムスチン、イデラリシブ及びまたベネトクラクスと組み合わされた。MOR00208の個別の組み合わせパートナーに対して相乗活性が観測された(国際公開第2013/24097号パンフレット、国際公開第2013/024095号パンフレット、国際公開第2017/032679号パンフレット及び国際公開第2018/078123号パンフレット)。さらに、B細胞悪性疾患を治療するために、CD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞と、BCL-2阻害剤のABT-737、ナビトクラックスとが組み合わせで使用された(Karlsson et al,Cancer Gene Therapy,vol.20,no,7,2013-06.21,pages 386-393)。
【0010】
MOR00208は、CLL、ALL及びNHLにおいていくつかの臨床試験で研究されてきたか又は現在研究されている。現在行われている第II相試験(COSMOS)では、再発性又は難治性のCLL、SLLの患者においてMOR00208+ベネトクラクスの有効性及び安全性が研究されている。GDC-0199、ABT-199及びRG7601としても知られるベネトクラクスは、少なくとも1回の事前治療を受けた17p欠失慢性リンパ球性白血病(CLL)患者の治療に適応されるFDA承認試験により検出されたBCL-2阻害剤である。ベネトクラクスは、すべてその全体が参照により援用される米国特許第8,546,399号明細書及び同第9,174,982号明細書に記載されている。
【0011】
しかしながら、抗CD19抗体による治療及びまたベネトクラクスによる治療は、その副作用がないわけではない。腫瘍崩壊症候群(TLS)は、ベネトクラクスによる治療の主要なリスクである。TLS及び関連検査所見異常は、推奨されるリスク層別化、投与レジメン及び予防法を用いたCLL患者(N=66)の6%で報告された。MOR00208治療下でも、これまで5名の患者(4%)がTLSを発症した。ALL適応では3名(14%)、NHLでは1名(1%)及びCLLでは1名(4%)である。
【0012】
腫瘍崩壊症候群(TLS)は、腫瘍細胞死滅耐性のある腫瘍細胞が突然死滅した後に体循環系への大量のカリウム、リン酸及び核酸の放出を伴って細胞内容物が放出されることにより引き起こされるメタボリック症候群である。核酸から尿酸への異化は、高尿酸血症をもたらし、尿酸排泄の顕著な増加は、尿細管における尿酸の沈殿及び腎血管収縮、自己調節障害、腎流量の減少、酸化並びに炎症を引き起こして急性腎傷害をもたらす可能性がある。尿細管中へのリン酸カルシウム堆積を伴う高リン血症も急性腎傷害を引き起こす可能性がある。尿酸は、リン酸カルシウムの存在下でより容易に沈殿し、その逆も同様であり、高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症、尿毒症及び急性腎不全をもたらすため、尿酸及びリン酸の両方の濃度が高いと急性腎傷害のリスクが増大する。それは、通常、嵩高い急速増殖性の治療反応性腫瘍を有する患者に存在する(Jagasia et al.,Complications of hematopoietic neoplasms.Wintrobe MM,Greer JP,Foerster J,et al.Wintrobe’s Clinical Hematology.11 th ed.Philadelphia,Pa:Lippincott Williams&Wilkins;2003.Vol II:1919-44)。
【0013】
しかしながら、MOR00208とベネトクラクスとの組み合わせに基づく治療は、CLL、NHL及び/又はALLの治療に使用するための有望な治療法を提供するとはいえ、MOR00208とベネトクラクスとの相加的/重畳的な細胞傷害性に起因して潜在的にTLSのリスクが高い。
【0014】
ほとんどの有害イベントは、耐容性且つ許容性であるが、TLSとしての副作用を軽減するためにかかる治療剤の最良耐容性投与を同定することは、永続的な目標である。したがって、本開示の目的は、TLSなどの有害炎症反応のリスクを低減すると共に、MOR00208とベネトクラクスとの組み合わせ治療の有効性に悪影響を及ぼすことなく投与可能である、MOR00208とベネトクラクスとの組み合わせのための治療パラダイムを提供することである。
【発明の概要】
【0015】
本開示は、治療関連TLS症候群のリスクを軽減する抗CD19抗体、特にMOR00208と、BCL-2阻害剤、特にベネトクラクスとを含む組み合わせ療法のための治療パラダイムを初めて提供する。
【0016】
新たな治療は、必要とする患者にケアを提供する際、遅滞なく組み合わせ治療をより良好な安全性プロファイルに移行する。両方の薬剤の併用によるTLSリスクの増加を予防するために、MOR00208による治療は、20mgの最低用量において、ベネトクラクスによるランプアップ治療を開始する1週間前に開始するものとする。最初の週のMOR00208投与(1日目の初回用量及び4日目のロード用量)は、Venclexta(登録商標)の処方情報に記載の腫瘍負荷評価の臨界閾値25×10/Lの近傍又はそれ未満に絶対リンパ球数(ALC)を有意に減少させ、それにより、ベネトクラクスの週1回のランプアップ時にMOR00208とベネトクラクスとの後続の組み合わせ治療のTLSリスクを軽減する。
【0017】
Venclexta(登録商標)処方情報に準拠して、ベネトクラクス用量は、週1回のランプアップスケジュールに従って5週間にわたって400mgの推奨1日用量まで投与される。8日目に開始される5週間のランプアップ投与スケジュールは、腫瘍負荷を徐々に低減(デバルク)して腫瘍崩壊症候群(TLS)の発症リスクを減少させるように設計される。
【0018】
一態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与される。
【0019】
別の態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療における、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせの使用を提供し、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与される。
【0020】
別の態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための医薬の製造における、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせの使用を提供し、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与される。
【0021】
別の態様では、本開示は、患者における非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療方法を提供し、本方法は、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせの投与を含み、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与される。
【0022】
一実施形態では、患者は、ヒト患者である。
【0023】
一実施形態では、前記抗CD19抗体及び前記BCL-2阻害剤は、個別に投与される。一実施形態では、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与される。別の実施形態は、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21日前に投与される。
【0024】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、BCL-2阻害剤は、8日目に開始用量で投与され、週1回ランプアップされる。さらなる実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月にわたって週1回投与される。さらなる実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回及び少なくとも次の3ヶ月間にわたって2週間に1回投与される。別の実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与される。さらに別の実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、4日目に追加の投与がある。さらなる実施形態では、4日目に抗CD19抗体の追加の投与がある。
【0025】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【0026】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【0027】
一実施形態では、前記BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスである。
【0028】
一実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域と、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域と、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域と、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含むLCDR1領域と、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域と、配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域とを含む。
【0029】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む可変重鎖と、配列
の可変軽鎖とを含む。
【0030】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む重鎖定常ドメインを含む。
【0031】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む軽鎖定常ドメインを含む。
【0032】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む重鎖定常ドメインと、配列
を含む軽鎖定常ドメインとを含む。
【0033】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、12mg/kgの濃度で投与される。
【0034】
別の実施形態では、本開示は、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫又は非ホジキンリンパ腫の治療に使用するための組み合わせを提供し、非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織、辺縁帯、びまん性大B細胞、バーキット及びマントル細胞からなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、ベネトクラクスのランプアップを例示する。
図2図2は、MOR00208の可変ドメインのアミノ酸配列を示す。
図3図3は、MOR00208のFc領域のアミノ酸配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
「抗体」という用語は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEなどの任意のアイソタイプを含むモノクローナル抗体を意味する。IgG抗体は、ジスルフィド結合により連結された2つの同一重鎖及び2つの同一軽鎖からなる。重鎖及び軽鎖は、それぞれ定常領域及び可変領域を含む。各可変領域は、抗原のエピトープへの結合を主に担う「相補性決定領域」(「CDR」)又は「超可変領域」と呼ばれる3つのセグメントを含む。それらは、N末端から順に番号が付されCDR1、CDR2及びCDR3と呼ばれる。CDRの外側の可変領域のより高度に保存された部分は、「フレームワーク領域」と呼ばれる。「抗体フラグメント」は、Fv、scFv、dsFv、Fab、Fab’、F(ab’)2フラグメント又はそれぞれCDR及びフレームワーク領域を含む少なくとも1つの可変重鎖又は可変軽鎖を含む他のフラグメントを意味する。
【0037】
ヒトのBCL2遺伝子によりコードされるBcl-2(B細胞リンパ腫2)は、(アポトーシス促進性)アポトーシスの誘導又は(抗アポトーシス性)アポトーシスの阻害の何れかにより、細胞死(アポトーシス)を調節するレギュレータータンパク質のBcl-2ファミリーの最初のメンバーである。Bcl-2は、NCBI遺伝子番号596により参照される。Bcl-2は、特に重要な抗アポトーシスタンパク質と考えられており、したがってオンコジーンに分類される。Bcl-2の名称は、Bcl-2が、濾胞性リンパ腫の染色体14及び18が関与する染色体転座において最初に記載された一連のタンパク質の2番目のメンバーであるため、B細胞リンパ腫2に由来する。完全なゲノムデータが利用可能な多くの哺乳動物において、オーソログ(マウスのBcl2など)が同定されている。
【0038】
「BCL-2阻害剤」は、抗アポトーシス性B細胞リンパ腫-2(Bcl-2)タンパク質を阻害し、細胞のプログラム細胞死を引き起こすことにより機能する薬剤のクラスである。BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスを含む。ベネトクラクスは、Abbvie及びGenentech(商標名VENCLEXTA(商標)、GDC-0199、ABT-199及びRG7601としても知られる)により販売されている。ベネトクラクスは、現在、FDAに承認された試験により見出されたように、少なくとも1つの前治療を受けたことがある、17p欠失を有する慢性リンパ球性白血病(CLL)の患者の処置用というラベルが貼付されている。ベネトクラクスの式は、4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル]メチル}-1-ピペラジニル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)ベンズアミドであり、以下の構造を有する。
【0039】
「ベネトクラクス」、「ABT」及び「ABT-199」は、本明細書において同義語として使用される。
【0040】
他のBCL-2阻害剤として以下が挙げられる。
【0041】
ゲナセンス(Genasense):アンチセンスオリゴヌクレオチド薬剤ゲナセンス(G3139)は、Bcl-2を標的とするようにGenta Incorporatedにより開発された。アンチセンスDNA鎖又はRNA鎖は、非コードであり、コード鎖と相補的である(それぞれRNA又はタンパク質を産生するための鋳型である)。アンチセンス薬剤は、mRNAとハイブリダイズして不活性化し、タンパク質が形成されないようにするRNAの短い配列である。ヒトリンパ腫細胞増殖(t(14;18)転座を有する)は、Bcl-2 mRNAの開始コドン領域を標的とするアンチセンスRNAにより阻害することができる。インビトロ研究から、Bcl-2 mRNAの最初の6コドンと相補的であるゲナセンスの同定に至った。これらは、リンパ腫の第I/II相試験において好成績を示した。大きい第III相試験が2004年に開始された。2016年時点で、本薬剤は、承認されておらず、その開発企業は、倒産した。
【0042】
ABT-737及びABT-263:2000年代半ばに、Abbott Laboratoriesは、ABT-737として知られるBcl-2、Bcl-xL及びBcl-wの新規な阻害剤を開発した。この化合物は、これらのBcl-2ファミリータンパク質を標的とするが、A1又はMcl-1を標的としないBH3模倣小分子阻害剤(SMI)のグループの一部である。ABT-737は、Bcl-2、Bcl-xL及びBcl-wに対するそのより高い親和性を考慮すると、これまでのBCL-2阻害剤より優れている。インビトロ研究から、B細胞悪性腫瘍を有する患者由来の初代細胞がABT-737に感受性があることが示された。動物モデルでは、ABT-737は、生存率を改善し、腫瘍退縮を引き起こし、高いパーセンテージのマウスを治癒する。患者の異種移植片を利用する前臨床試験では、ABT-737は、リンパ腫及び他の血液癌の処置に有効性を示した。その好ましくない薬理学的特性のため、ABT-737は、臨床試験に適さない一方、その誘導体ABT-263は、小細胞肺癌(SCLC)細胞株に対して類似の活性を有し、臨床試験に入っている。
【0043】
本明細書で用いられる「ランプアップ」という用語は、あらかじめ決められた時間にわたって第1の設定値からさらなる設定値に用量を増加させることを意味する。
【0044】
「VH」は、抗体の免疫グロブリン重鎖の可変領域又は抗体フラグメントを指す。「VL」は、抗体の免疫グロブリン軽鎖の可変領域又は抗体フラグメントを指す。
【0045】
「CD19」という用語は、CD19として知られるタンパク質を指し、以下の同義語:B4、Bリンパ球抗原CD19、Bリンパ球表面抗原B4、CVID3、分化抗原CD19、MGC12802及びT細胞表面抗原Leu-12を有する。
【0046】
ヒトCD19は、
のアミノ酸配列を有する。
【0047】
「MOR00208」は、抗CD19抗体である。可変ドメインのアミノ酸配列は、図2に提供される。MOR00208の重鎖及び軽鎖のFc領域のアミノ酸配列は、図3に提供される。「MOR00208」及び「XmAb5574」は、図2及び3に示される抗体を記述する同義語として用いられる。MOR00208抗体は、その全体が参照により援用される米国特許出願公開第12/377,251号明細書に記載されており、以下の4G7H1.52ハイブリッドS239D/I332E/4G7L1.155(その後、MOR00208と名付けられた)と称される抗体を記述する。
>4G7H1.52ハイブリッドS239D/I332E
>4G7L1.155
【0048】
CD19に特異的な別の抗体は、その全体が参照により援用される米国特許第7,109,30号明細書(Immunomedics);その全体が参照により援用される米国特許出願公開第11/917,75号明細書(Medarex);その全体が参照により援用される米国特許出願公開第11/852,10号明細書(Medimmune);その全体が参照により援用される米国特許出願公開第11/648,50号明細書(Merck Patent GmbH);その全体が参照により援用される米国特許第7,968,68号明細書(Seattle Genetics);及びその全体が参照により援用される米国特許出願公開第12/710,44号明細書(Glenmark Pharmaceuticals)に記載される。
【0049】
「Fc領域」は、抗体の定常領域を意味し、ヒトではIgG1、2、3、4サブクラス又は他の定常領域であり得る。ヒトFc領域の配列は、IMGTウェブサイトで入手可能である。
【0050】
「組み合わせ」は、品目、例えば抗体及びベネトクラクスなどの化合物の2つ以上を意味する。
【0051】
本開示は、記載された組み合わせを含む組み合わせ、医薬品及び医薬組成物にさらに関する。本発明の組み合わせの2つの成分、例えばCD19に特異的な抗体及びベネトクラクスは、物理的に又は時間的に一緒に、同時に、別々に又は続けて投与され得る。
【0052】
ベネトクラクスは、現在、経口摂取され、1日1回投与されるのが現状である。MOR00208は、現在、静脈内投与され、1週間に1回(「週1回」)、又は2週間ごとに1回(「2週間に1回」)、又は月に1回(「月1回」)投与されるのが現状である。
【0053】
好ましくは、両方の薬剤の投与により、両方の薬剤が患者に同時に有効であり得る。例えば、MOR00208が週1回投与され、ベネトクラクスが1日1回投与される場合、両方の薬剤の活性物質が同時に患者に存在する。一実施形態では、MOR00208は、ベネトクラクスの投与前及び/又は別々に投与される。
【0054】
同時にとは、2つの成分が、両方の成分(薬剤)が同時に患者に有効であるときに投与されることを意味する。
【0055】
一緒に投与するとは、同時に投与することを意味し得る。
【0056】
組み合わせの成分は、異なる医薬組成物中で製剤化され得る。医薬組成物は、有効な作用物質、例えばヒトの治療に使用するための抗体を含む。医薬組成物は、許容可能キャリア又は賦形剤を含み得る。
【0057】
「投与される」又は「投与」は、以下に限定されるものではないが、例えば静脈内経路、筋肉内経路、皮内経路若しくは皮下経路又は粘膜経路などの注射用形態による送達、例えば吸入のための鼻スプレー若しくはエアロゾルとしての送達又は摂取可能な溶液、カプセル若しくは錠剤としての送達を含む。
【0058】
化合物又は組み合わせの「治療有効量」は、既定の疾患又は障害及びその合併症の臨床症状を治癒させるか、軽減するか、又は部分的に阻止するのに十分な量を指す。特定の治療目的に効果的である量は、対象の疾患又は傷害の重症度並びに体重及び全身状態によって異なる。適切な投与量の決定は、通常の実験を用いて数値のマトリックスを構築し、マトリックス内の様々な点を試験することにより達成され得ることが理解される。これらは、すべて訓練を受けた医師又は臨床科学者の通常の技術の範囲内である。
【0059】
実施形態
ベネトクラクス及び他のBCL-2阻害剤の作用機序が類似しているため、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫を有するヒトを、例証された抗CD19抗体とベネトクラクス以外のBCL-2阻害剤との組み合わせで治療した場合、本明細書に開示される投与パラダイムは、有効であると共にTLSリスクを軽減するはずであると考えられる。
【0060】
例証された抗CD19抗体及び他の抗CD19抗体は、CD19に結合するため、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫を有するヒトを、何れかの抗CD19抗体とB細胞リンパ腫-2(Bcl-2)タンパク質阻害剤との組み合わせで治療した場合、本明細書に開示される投与パラダイムは、有効であると共にTLSリスクを軽減するはずであると考えられ、ここで、抗CD19抗体は、例えば、すべてその全体が参照により援用される米国特許出願公開第12/377,251号明細書(Xencor)、国際公開第2005012493号パンフレット、国際公開第2010053716号パンフレット(Immunomedics)、国際公開第2007002223号パンフレット(Medarex)、国際公開第2008022152号パンフレット(Xencor)、国際公開第2008031056号パンフレット(Medimmune)、国際公開第2007/076950号パンフレット(Merck Patent GmbH)、国際公開第2009/052431号パンフレット(Seattle Genetics)及び国際公開第2010095031号パンフレット(Glenmark Pharmaceuticals)に記載されている。
【0061】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、BCL-2阻害剤は、8日目に開始用量で投与され、週1回ランプアップされる。
【0062】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、BCL-2阻害剤は、8日目に開始用量で投与され、400mgの1日用量まで週1回ランプアップされる。
【0063】
さらなる実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月にわたって週1回投与される。さらなる実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回及び少なくとも次の3ヶ月間にわたって2週間に1回投与される。別の実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与される。さらに別の実施形態では、抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、4日目に追加の投与がある。さらなる実施形態では、4日目に抗CD19抗体の追加の投与がある。
【0064】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。さらなる実施形態では、4日目に抗CD19抗体の追加の投与がある。
【0065】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。さらなる実施形態では、4日目に抗CD19抗体の追加の投与がある。
【0066】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、10、15又は20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて20、25、30、35、40、45又は50mg、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100mg、100、110、120、130、140、150、160、170,180、190又は200mg及び200、250、300、350又は400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて20、25、30、35、40、45又は50mg、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100mg、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は200mgで週1回ランプアップ投与され、続いて200、250、300、350又は400mgで1日1回投与される。さらなる実施形態では、4日目に抗CD19抗体の追加の投与がある。
【0067】
一実施形態では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とBCL-2阻害剤とを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回、その後、月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、10、15又は20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて20、25、30、35、40、45又は50mg、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100mg、100、110、120、130、140、150、160、170,180、190又は200mg及び200、250、300、350又は400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて20、25、30、35、40、45又は50mg、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100mg、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は200mgで週1回ランプアップ投与され、続いて200、250、300、350又は400mgで1日1回投与される。
【0068】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、12mg/kgの濃度で投与される。
【0069】
実施形態では、BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスである。
【0070】
実施形態では、組み合わせの成分、抗CD19抗体及びベネトクラクスは、別々に投与される。一実施形態では、ベネトクラクスは、抗CD19抗体の投与前に投与される。
【0071】
実施形態では、組み合わせの成分は、両方の成分(薬剤)が患者において同時に有効であるときに投与される。「協力作用」は、両方の薬剤が同時に患者において有効であることを意味する。実施形態では、組み合わせの成分は、物理的に又は時間的に一緒に、同時に、別々に又は続けて投与される。実施形態では、組み合わせの成分は同時に投与される。
【0072】
実施形態では、組み合わせは、医薬組成物である。実施形態では、組成物は、許容可能なキャリアを含む。実施形態では、組み合わせは、有効量で投与される。
【0073】
実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫である。実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、小リンパ球性リンパ腫である。実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、粘膜関連リンパ組織である。実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、辺縁帯リンパ腫である。実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、びまん性大B細胞リンパ腫である。実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫である。実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、マントル細胞リンパ腫である。
【0074】
一態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、MOR00208抗体とベネトクラクスとを含む組み合わせを提供し、MOR00208は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回、その後、月1回投与され、4日目にtMOR00208の追加の投与があり、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。実施形態では、MOR00208は、12mg/kgの濃度で投与される。
【0075】
一態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とベネトクラクスとを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、4日目に追加の投与があり、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【0076】
一実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域と、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域と、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域と、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含むLCDR1領域と、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域と、配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域とを含む。
【0077】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む可変重鎖と、配列
の可変軽鎖とを含む。
【0078】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む重鎖定常ドメインを含む。
【0079】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む軽鎖定常ドメインを含む。
【0080】
別の実施形態では、前記抗CD19抗体は、配列
を含む重鎖定常ドメインと、配列
を含む軽鎖定常ドメインとを含む。
【0081】
一態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とベネトクラクスとを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、4日目に追加の投与があり、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、前記抗CD19抗体は、配列
を含む重鎖定常ドメインと、配列
を含む軽鎖定常ドメインとを含む。
【0082】
別の実施形態では、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【0083】
一態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とベネトクラクスとを含む組み合わせを提供し、前記抗CD19抗体は、1日目、4日目、8日目に且つ最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【0084】
別の態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療における、抗CD19抗体とベネトクラクスとを含む組み合わせの使用を提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、4日目に追加の投与があり、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【0085】
別の態様では、本開示は、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に使用するための医薬の製造における、抗CD19抗体とベネトクラクスとを含む組み合わせの使用を提供し、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、4日目に追加の投与があり、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【0086】
別の態様では、本開示は、患者における非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療方法を提供し、本方法は、抗CD19抗体とベネトクラクスとを含む組み合わせを投与することを含み、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与され、4日目に追加の投与があり、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与される。別の実施形態では、ベネトクラクスは、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、続いて400mgで1日1回投与される。
【実施例0087】
試験
これは、単剤として又は組み合わせ療法の一部としてBTK阻害剤で前治療された再発性/難治性(R/R)CLL又はR/R SLLの成人患者の治療のための、ベネトクラクスと組み合わされたMOR00208の多施設オープンラベル第II相試験である。欧州及び米国で合計120名の患者が登録されている。試験の主目的は、MOR00208とベネトクラクスとの組み合わせの安全性及び有効性を決定することである。
【0088】
試験は、10~12名の患者/組み合わせ治療を登録して安全性ランイン期を含むものとする。MOR00208は、12.0mg/kgの用量で静脈内(IV)注入として、且つベネトクラクスは、1日用量400mgの経口錠剤として投与するものとする。
【0089】
TLSリスクを軽減するために、ベネトクラクスによる治療は、MOR00208による初期治療後にサイクル1の8日目(C1D8)から20mgで開始して7日間行い、続いて400mgの推奨1日用量まで週1回のランプアップ投与スケジュールを行う。
【0090】
安全性ランイン期は、10名の患者が少なくとも5週間の組み合わせ治療を終了した後、すべての治療患者の安全性データの評価を行って終了する。10~12名の患者は、すべて少なくとも1週間間隔で逐次投与されるものとする。
【0091】
安全性評価は、最初の10名の患者が少なくとも5週間の組み合わせ治療を終了した後にIDMCにより実施するものとする。評価は、すでに記載されたIDMCにより行うものとする。重要なこととして、安全性ランイン期に参加する患者は、すべてベネトクラクスの最初の2回の用量漸増日(C1D8及びC1D15)に入院するものとする。
【0092】
組み合わせ療法の安全性評価基準は、試験の安全性管理計画で策定される。
【0093】
試験は、それぞれの安全性ランイン期のアウトカムが既知である場合に開始される。安全性評価がベネトクラクスの推奨用量低減をもたらす場合、治験依頼者は、投与を再考し、それに応じてプロトコルを補正するものとする。
【0094】
無益性及び安全性をチェックするために、試験において各コホートに対して中間解析を実施するものとする。中間解析を行っている間、そのそれぞれのコホートにさらなる患者を登録しないものとする。こうした中間解析は、40番目の患者の治療開始の3ヶ月後として定義される中間解析時点までに登録された患者の反応評価及び安全性データに基づくものとする。
【0095】
40名の患者を募集した後、治験依頼者との検討に基づいて募集を休止するように計画する。次いで、中間解析を行った後、治験依頼者の判断により募集を再開するものとする。
【0096】
試験期間中、MOR00208は、28日サイクルで12.0mg/kgの注入として投与される。サイクル1から3まで、各サイクルは、週1回の注入からなる(1日目、8日目、15日目及び22日目)。サイクル1では、4日目に追加のロード用量が投与される。サイクル4から6まで、MOR00208は、各サイクルの1日目及び15日目の注入で2週間に1回投与される。その後、MOR00208は、サイクル7の1日目から始めて各サイクルの1日目に投与される。
【0097】
ベネトクラクスは、サイクル1の8日目から始めて、それ以降、各サイクルの1日目に自己投与される。ベネトクラクスによる治療は、漸減方式に変更され得るか、又は臨床及び検査所見に基づいて中断され得る。ベネトクラクスに関連することが疑われる副作用が原因でベネトクラクス治療を停止する場合、患者は、MOR00208治療を継続し得る。
【0098】
一次エンドポイント(ORR)及び二次有効性アウトカムの決定に使用される腫瘍評価は、独立放射線学/臨床審査委員会(IRC)により放射線学及び臨床データのセントラルレビューを介して検討される。
【0099】
進行性疾患は、試験投薬の中断を必要とするものとする。進行性疾患が原因で治療を中断した患者は、EOTの3年後まで3ヶ月ごとに生存の追跡調査を行うものとする。進行性疾患以外の理由又は同意の撤回により治療を中断した患者は、PDを生じるまで腫瘍評価を行うものとする。次いで、3ヶ月ごとに生存の追跡を行うものとする。
【0100】
治療が奏効した患者は、研究者の自由裁量でサイクル24以降のMOR00208治療の継続が許される。試験の全継続期間は、最初の患者の初診から5年を限度とする。試験開始に対する登録時期に依存して、試験参加継続期間は、患者ごとに異なる。
【0101】
患者選択基準
診断/試験集団
1.年齢≧18歳
2.慢性リンパ球性白血病(CLL)又は小リンパ球性リンパ腫(SLL):
a)IWCLL診断基準を満たすCLL又はSLLの診断の病歴
b)リンパ節生検により組織学的に確認されて医療記録内に文書化されたSLLの診断
c)IWCLLガイドラインにより定義された治療の適応症
3.患者は、以下の両方を有していなければならない:
a)BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)摂取中の再発性若しくは難治性の疾患又はかかる治療に不寛容
b)少なくとも1ヶ月間にわたるBTK阻害剤による単剤療法又は組み合わせ療法が患者の直近の事前抗癌療法でなければならない
再発性疾患とは、直近のBTK阻害剤療法ですでにPR又はCRを達成した対象における進行性疾患として定義される
難治性疾患とは、直近のBTK阻害剤療法で依然としてPRもCRも達成していない対象における進行性疾患又は直近のBTK阻害剤療法を受けた12ヶ月後の最良奏功の安定疾患として定義される
4.東部協同腫瘍学グループ(ECOG)パフォーマンスステータス0~2
5.自家又は同種異系幹細胞移植の既往歴を有する患者は、試験登録前に活動性移植片対宿主病の証拠を何ら有することなく完全な血液学的回復を示さなければならない
6.患者は、スクリーニング時に以下の検査基準を満たさなければならない:
・以下のような適正骨髄機能:
a)絶対好中球数(ANC)≧1.0×10/L
b)臨床的に有意な出血の証拠の不在下で血小板数≧30×10/L
c)ヘモグロビン≧8.0g/dL
・以下のような適正肝及び腎機能:
d)総血清ビリルビン≦1.5×ULN又は≦3×ULN(CLLによる実証された肝障害の場合)(ジルベール病患者では、直接ビリルビンが正常である限り、3×ULNまでの血清ビリルビンが許容される)
e)ALT及びAST≦2.5×ULN又は<3×ULN(CLLによる実証された肝障害の場合)
f)標準的コッククロフト-ゴールト式を用いて計算された血清クレアチニンクリアランスは、≧50mL/minでなければならない
他の選択基準
7.出産能のある女性(FCBP、補遺Fを参照されたい)は、以下の通りでなければならない:
a)スクリーニング時の陰性血清妊娠試験及び試験治療開始前の尿妊娠試験で確認したときに妊娠していない
b)試験期間及び試験医薬の最終投与後の3ヶ月間にわたって授乳及び血液及び卵母細胞の供与を回避する(注:女性患者は、すべて上述した期間内の献血が禁止される)
c)試験期間中及び試験治療終了の3ヶ月後まで行われる妊娠試験に合意する。これは、患者が完全継続禁欲を実施している場合でも適用される
d)自身の生活習慣に合っているとしても異性間性交の継続禁断を確約するか、又は試験期間及び試験医薬の最終投与後の3ヶ月間にわたって中断することなくきわめて有効な避妊を用いることに合意し且つその遵守が可能である
e)イデラリシブ又はベネトクラクスがホルモン避妊剤の有効性に影響を及ぼすおそれがあるかは、現時点では分かっていないため、ホルモン避妊剤を用いるFCBPは、避妊の第2の形態としてバリア法を追加すべきである
8.男性は、患者がFCBPとの性交に積極的な場合、中断することなくきわめて有効な避妊法を使用すると共に、試験期間及び試験医薬の最終投与後の3ヶ月間にわたって血液又は精子の供与を回避しなければならない
【0102】
試験治療
このオープンラベル試験では、MOR00208とベネトクラクスとからなる治療は、疾患進行、許容できない毒性又は何れかの他の理由による中断の何れかが最初に現われるまで予定通り行われる。
【0103】
各研究者は、治験依頼者からの試験薬剤及び他の試験物質並びに適切な供給業者からの他の薬剤の配達物の適正な受領、記録、取扱い及び安全且つ適正な貯蔵がすべての該当する規制ガイドラインに準拠して行われ、且つこのプロトコルに準拠して使用されることを保証する責任を負う。研究者は、こうした任務を他者に委任可能である(地域の法律及び規制に準拠して)。薬剤使用記録フォームは、試験に関与する各現場で保管され、且つ監視訪問時にチェックされる。患者に処方されたすべての投薬及び試験期間中のすべて用量変化は、eCRFに記録しなければならない。
【0104】
試験薬剤は、MOR00208の研究者パンフレット(IB)の試験薬剤調製マニュアル及び他の安全性関連ドキュメント(例えば、ベネトクラクスに関する米国FDAによる処方情報)に記載されるように取扱い及び/又は調製を行わなければならない。
【0105】
MOR00208
MOR00208薬剤製品(DP)は、薬剤師、研究者又は正式指定者のみがアクセス可能な適切な貯蔵施設にその元のパッケージの状態で2~8℃の冷蔵下において貯蔵しなければならない。
【0106】
MOR00208DPは、単回使用20mLガラスバイアル中に供給された帯黄色凍結乾燥物である。各バイアルは、5mL注射用水(WFI)による再構成用として200mgのMOR00208を含有する。再構成は、pH6.0で25mMクエン酸ナトリウム、200mMトレハロース及び0.02%(w/v)ポリソルベート20中40mg/mLのMOR00208を生成する。各製品バイアルは、5mL再構成溶液中200mgのMOR00208を送達することが意図される。再構成後の溶液は、無色~微黄色であり、本質的に外来粒子フリーであると共に、少数の白色~帯白色の製品関連粒子を含有し得る。
【0107】
投与する場合、MOR00208は、注射用0.9%(w/v)塩化ナトリウムを用いて市販の250mL注入容器内に希釈される。
【0108】
MOR00208は、12.0mg/kgの用量でIV投与される。試験の最初の3ヵ月間(3サイクル)にわたり、各サイクルは、サイクルの1日目、8日目、15日目及び22日目のMOR00208注入からなるものとする。加えて、サイクル1の4日目にロード用量が投与される。その後、MOR00208は、サイクル4~6では2週間に1回(14日ごと)、各サイクルの1日目及び15日目、且つサイクル7の1日目から月1回、各サイクルの1日目に注入により投与される。
【0109】
個別MOR00208注入は、研究薬剤調製マニュアルに提供される治験依頼者の指示に従って無菌条件下で調製され、試験現場で投与される。一般に、MOR00208のバイアルは、WFIによる再構成後に可能な限り早く使用しなければならない。バイアル中に残留する何れの溶液も廃棄しなければならない。注入のために希釈した後、MOR00208の投与は、可能な限り早く行うべきである。
【0110】
最初の注入では、静脈内(IV)注入速度は、最初の30分間にわたって70mL/hにして、その後、125mL/hの速度に増加すべきである。全注入継続時間は、理想的には2.5時間を超えてはならない。すべての後続MOR00208注入は、約2時間にわたって125mL/hの一定速度でIV投与される。MOR00208は、IVプッシュ又はボーラスとして投与してはならない。
【0111】
ベネトクラクス
経口投与用として市販されているベネトクラクス錠剤は、活性成分として10若しくは100mgのベネトクラクスを含有する淡黄色フィルムコーティング錠剤として、又は活性成分として50mgのベネトクラクスを含有するベージュ色フィルムコーティング錠剤として供給される。それらは、30℃(86°F)以下で貯蔵すべきである。
【0112】
ベネトクラクス用量は、5週間にわたって週1回のランプアップスケジュールに従って400mgの推奨1日用量まで投与すべきである。図1(エラー!参照源が見つからない。)は、この初期ランプアップを例示する。ランプアップ時の投与スケジュールは、ベネトクラクスの1日用量で次の通りである:1週目は、20mgの組み合わせ治療、2週目は、50mg、3週目は、100mg、4週目は、200mg及び5週目以降は、400mg。C1D8に開始される5週間のランプアップ投与スケジュールは、腫瘍負荷を徐々に低減(デバルク)して腫瘍崩壊症候群(TLS)のリスクを減少させるように設計される。TLSリスクのレベル及びTLSの予防に関する患者特異的因子の評価は、ベネトクラクスの最初の投与前に実施すべきである。
【0113】
最初の4週間のベネトクラクス治療は、ランプアップスケジュールに従ってそれぞれのベネトクラクス錠剤のブリスターで供給される。ランプアップ時を終了した後、ボトルに供給される100mgの錠剤を用いて400mgの用量が達成される。
【0114】
ベネトクラクスは、疾患進行又は許容できない毒性が観測されるまで1日1回経口摂取すべきである。ベネトクラクス錠剤は、各日のほぼ同一時刻に食事及び水と共に摂取すべきである。錠剤は、まるごと飲み込むべきであり、飲み込む前に咀嚼したり、破砕したり、又は破壊したりすべきではない。患者が、通常摂取される時刻の8時間以内に摂取し損なった場合、患者は、可能な限り早く欠落した用量を摂取して通常の1日1回の投与スケジュールを再開すべきである。患者が8時間を超えて摂取し損なった場合、患者は、欠落した用量を摂取すべきではなく、翌日に通常の投与スケジュールを再開すべきである。患者が投与後に嘔吐した場合、その日には追加の用量を摂取すべきではない。次の処方用量は、通常の時刻に摂取すべきである。
図1
図2
図3
【配列表】
2024028865000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療のための医薬の製造における抗CD19抗体の使用であって、
前記医薬は、BCL-2阻害剤と組み合わせて投与されるものであり、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与されるものであることを特徴とする使用。
【請求項2】
請求項1に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、8日目に初回投与されることを特徴とする使用。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回投与されることを特徴とする使用。
【請求項4】
請求項3に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回及び少なくとも次の3ヶ月間にわたって2週間に1回投与されることを特徴とする使用。
【請求項5】
請求項4に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与されることを特徴とする使用。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の使用において、4日目に前記抗CD19抗体の追加用量が投与されることを特徴とする使用。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の使用において、前記BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、選択的に続いて400mgで1日1回投与されることを特徴とする使用。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の使用において、前記抗CD19抗体及び前記BCL-2阻害剤は、個別に投与されることを特徴とする使用。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、12mg/kgの濃度で投与されることを特徴とする使用。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域と、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域と、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域と、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含むLCDR1領域と、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域と、配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域とを含むことを特徴とする使用。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、配列

を含む可変重鎖と、配列

の可変軽鎖とを含むことを特徴とする使用。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の使用において、前記抗CD19抗体は、配列

を含む重鎖定常ドメイン、および、配列

を含む軽鎖定常ドメインを含むことを特徴とする使用。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の使用において、前記BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスであることを特徴とする使用。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の使用において、非ホジキンリンパ腫の治療のための医薬の製造における使用であることを特徴とする使用。
【請求項15】
請求項14に記載の使用において、前記非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫であることを特徴とする使用。
【請求項16】
請求項14に記載の使用において、前記非ホジキンリンパ腫は、粘膜関連リンパ組織リンパ腫であることを特徴とする使用。
【請求項17】
請求項14に記載の使用において、前記非ホジキンリンパ腫は、辺縁帯リンパ腫であることを特徴とする使用。
【請求項18】
請求項14に記載の使用において、前記非ホジキンリンパ腫は、びまん性大B細胞リンパ腫であることを特徴とする使用。
【請求項19】
請求項14に記載の使用において、前記非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫であることを特徴とする使用。
【請求項20】
請求項14に記載の使用において、前記非ホジキンリンパ腫は、マントル細胞リンパ腫であることを特徴とする使用。
【請求項21】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の使用において、慢性リンパ球性白血病の治療のための医薬の製造における使用であることを特徴とする使用。
【請求項22】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の使用において、小リンパ球性リンパ腫の治療のための医薬の製造における使用であることを特徴とする使用。
【請求項23】
非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫の治療のための医薬組成物であって、
前記医薬組成物は、BCL-2阻害剤と組み合わせて用いられるものであり、前記医薬組成物は、抗CD19抗体を含み、前記抗CD19抗体は、前記BCL-2阻害剤の初回投与の少なくとも7日前に投与されるものであることを特徴とする医薬組成物。
【請求項24】
請求項23に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後に週1回、2週間に1回又は月1回投与され、前記BCL-2阻害剤は、8日目に初回投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項25】
請求項23又は24に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項26】
請求項25に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回及び少なくとも次の3ヶ月間にわたって2週間に1回投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項27】
請求項26に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、1日目の初回投与後、最初の3ヵ月間にわたって週1回、次の3ヶ月間にわたって2週間に1回及びその後、月1回投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項28】
請求項23乃至27の何れか1項に記載の医薬組成物において、4日目に前記抗CD19抗体の追加用量が投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項29】
請求項23乃至28の何れか1項に記載の医薬組成物において、前記BCL-2阻害剤は、20mgの開始用量で8日目に初回投与され、続いて50mg、100mg、200mg及び400mgで週1回ランプアップ投与され、選択的に続いて400mgで1日1回投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項30】
請求項23乃至29の何れか1項に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体及び前記BCL-2阻害剤は、個別に投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項31】
請求項23乃至30の何れか1項に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、12mg/kgの濃度で投与されることを特徴とする医薬組成物。
【請求項32】
請求項23乃至31の何れか1項に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域と、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域と、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域と、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含むLCDR1領域と、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域と、配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域とを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項33】
請求項23乃至32の何れか1項に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、配列

を含む可変重鎖と、配列

の可変軽鎖とを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項34】
請求項23乃至33の何れか1項に記載の医薬組成物において、前記抗CD19抗体は、配列

を含む重鎖定常ドメイン、および、配列

を含む軽鎖定常ドメインを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項35】
請求項23乃至34の何れか1項に記載の医薬組成物において、前記BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスであることを特徴とする医薬組成物。
【請求項36】
請求項23乃至35の何れか1項に記載の医薬組成物において、当該医薬組成物は、非ホジキンリンパ腫の治療のためのものであることを特徴とする医薬組成物。
【請求項37】
請求項36に記載の医薬組成物において、前記非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項38】
請求項36に記載の医薬組成物において、前記非ホジキンリンパ腫は、粘膜関連リンパ組織リンパ腫であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項39】
請求項36に記載の医薬組成物において、前記非ホジキンリンパ腫は、辺縁帯リンパ腫であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項40】
請求項36に記載の医薬組成物において、前記非ホジキンリンパ腫は、びまん性大B細胞リンパ腫であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項41】
請求項36に記載の医薬組成物において、前記非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項42】
請求項36に記載の医薬組成物において、前記非ホジキンリンパ腫は、マントル細胞リンパ腫であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項43】
請求項23乃至35の何れか1項に記載の医薬組成物において、当該医薬組成物は、慢性リンパ球性白血病の治療のためのものであることを特徴とする医薬組成物。
【請求項44】
請求項23乃至35の何れか1項に記載の医薬組成物において、当該医薬組成物は、小リンパ球性リンパ腫の治療のためのものであることを特徴とする医薬組成物。
【外国語明細書】