(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028902
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】ワクチン製剤の効力を特徴付けるための細胞バンク
(51)【国際特許分類】
C12N 5/071 20100101AFI20240227BHJP
A61K 39/02 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/102 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/04 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/08 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/10 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/12 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/145 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/13 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/165 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/235 20060101ALI20240227BHJP
A61K 39/29 20060101ALI20240227BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240227BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240227BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240227BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20240227BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240227BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240227BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C12N5/071
A61K39/02
A61K39/102
A61K39/04
A61K39/08
A61K39/10
A61K39/12
A61K39/145
A61K39/13
A61K39/165
A61K39/235
A61K39/29
A61P11/00
A61P15/00
A61P17/00
A61P1/18
A61P35/00
A61P37/04
A61P31/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206887
(22)【出願日】2023-12-07
(62)【分割の表示】P 2020557305の分割
【原出願日】2019-04-17
(31)【優先権主張番号】62/659,592
(32)【優先日】2018-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/734,866
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/799,457
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513302008
【氏名又は名称】バイオマジソン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BIOMADISON, INC.
【住所又は居所原語表記】1568 LUNETA DRIVE, DEL MAR, CALIFORNIA 92014, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,ウォード
(57)【要約】
【課題】ワクチン製剤の有効性及び効力を決定するための組成物の提供。
【解決手段】
免疫化された動物からの脾臓細胞が、単離され凍結される。アリコートを解凍すると、試験されるワクチン製剤の一連の希釈物、及び、公知の特性を有する参照ワクチンの一連の希釈物に曝露することにより、これらの細胞が、再活性化される。免疫原-特異的抗体を分泌する細胞、及び、非特異的抗体を分泌する細胞を計数し、産生される免疫原-特異的及び非特異的抗体の量も測定する。前記ワクチン製剤からの結果間を比較することにより、相対的なワクチンの有効性及び/又は効力を測定できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワクチン製剤の効力を特徴付けるための細胞バンクであって、
前記ワクチン製剤は、抗原を含み、
ここで、前記細胞バンクは、前記抗原で免疫された動物から単離された脾臓細胞を含み、前記細胞バンクは、凍結細胞を含む、細胞バンク。
【請求項2】
凍結前に前記脾臓細胞からCD138陽性細胞を枯渇させている、請求項1に記載の細胞バンク。
【請求項3】
前記ワクチン製剤は、予防用ワクチンである、請求項1に記載の細胞バンク。
【請求項4】
前記抗原は、アデノウイルス、炭疽菌、ボツリヌス菌、コレラ菌、ジフテリア菌、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型、ヒト乳頭腫ウイルス、季節性インフルエンザウイルス、日本脳炎ウイルス、麻疹ウイルス、髄膜炎菌、流行性耳下腺炎ウイルス、百日咳菌、肺炎球菌、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、帯状疱疹ウイルス、天然痘ウイルス、破傷風菌、結核菌、腸チフス菌、水痘ウイルス、黄熱ウイルスからなる群より選択される病原体由来である請求項3に記載の細胞バンク。
【請求項5】
前記ワクチン製剤は、治療用ワクチンを含む請求項1に記載の細胞バンク。
【請求項6】
前記抗原が、グリア芽腫、子宮頸癌、皮膚癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌、膵臓癌、セリアック病、及び外陰膣カンジダ症からなる群より選択される疾患に特有のものである、請求項5に記載の細胞バンク。
【請求項7】
前記動物は、マウスである請求項1に記載の細胞バンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年1月31日に出願された米国仮出願第62/799,457号、2018年9月21日に出願された米国仮出願第62/734,866号、及び2018年4月18日に出願された米国仮出願第62/659,592号の利益を主張する。これら及び他のすべての参照外部材料は、その全体として参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる参照における用語の定義又は使用が、本明細書に提供されるその用語の定義に矛盾するか又は反する場合、本明細書に提供されるその用語の定義が、支配的であると見なされる。
【0002】
本発明の分野は、ワクチン、具体的には、予防的(prophylactic)及び/又は予防的(preventative)ワクチン製剤の免疫原性及び/又は効力を決定するための方法である。
【背景技術】
【0003】
背景技術の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書で提供される情報のいずれかが先行技術であるか、又は現在請求されている発明に関連していること、又は具体的又は暗黙的に参照されているいずれかの出版物が先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
製造中に注意が払われているにもかかわらず、ワクチン製剤の効力はバッチごとに異なる可能性がある。従って、ワクチンが、必要な免疫応答を提供できることを保証するために、個々のバッチの効力を決定する必要がある。従来、これは免疫拡散アッセイを使用して決定される。これらのアッセイでは、ゲルマトリックス(通常、ワクチン抗原に対する抗体と混合されたアガロース)が調製され、支持体上にキャスト(cast)される。前記ゲルマトリックスの一部を除去して試験ウェルを生成し、そこにワクチン製剤の試料及び定量化された標準物質を配置する。抗原の拡散は、これらの試験ウェルから外側に向かって進行し、抗体に対する抗原の比率が正確な場合、可視の沈殿物が形成される。前記試験ウェルからの前記沈殿物のこの距離は、前記ウェルに配置された前記試料の抗原濃度に比例する。ワクチン製剤中の抗体応答性物質を同定するのに効果的であるが、効力の定量化へのこのようなアプローチは比較的遅く、いくらか主観的である可能性がある。更に、このアプローチは、使用される特定の抗体が対象とする抗原を特性決定するのに役立つだけにすぎず、ワクチン製剤の免疫原性の直接的な指標は提供されない。
【0005】
ワクチン効力を評価するための他のアプローチが示唆されている。米国特許第9,057,716号(Balocchiら)(特許文献1)及び米国特許出願公開第2015/0301051号(Giuliani及びMori)(特許文献2)は、髄膜炎菌抗原を対象とする殺菌性抗体を組み込む酵素イムノアッセイを使用して髄膜炎菌ワクチンの効力を特性決定することを記載している。本明細書のすべての出版物は、個々の出版物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参照により組み込まれる。組み込まれる参照における用語の定義又は使用が、本明細書に提供されるその用語の定義と矛盾するか又は反している場合、本明細書に提供されるその用語の定義が適用され、参照におけるその用語の定義は適用されない。しかし、そのようなアプローチでは、ワクチン製剤中のこれらの特定の抗原の量が単に定量化されるだけであり、無処理(intact)の調製物の免疫原性を直接測定できない。
【0006】
国際公開第2017/005880号(Wenら)(特許文献3)には、処理中に変性させたHA抗原とトリプシン消化へのそれらの本来のコンフォメーションを保持したものとの感受性の違いに基づいて、インフルエンザワクチンの免疫原性を特性決定する試みが記載されている。ただし、説明されている方法は引き続き免疫拡散に依存しており、そのアプローチの限界が残されている。更に、このアプローチが多種多様なワクチンで使用できることは明らかではない。
【0007】
米国特許出願公開第2014/0141455号(Weidanz)(特許文献4)には、ペプチド-HLA複合体を対象にする非常に特異的な抗体を使用して、抗原提示細胞の表面上のそのようなペプチド-HLA複合体の密度を視覚化することによってワクチン効力を決定する方法が記載されている。しかし、そのようなアプローチは、必要な抗体を生成する能力に依存しており、無処理のワクチン製剤の効力を測定できるのではなく、抗原提示の程度の測定を提供できるにすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第9,057,716号
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0301051号
【特許文献3】国際公開第2017/005880号
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0141455号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、ワクチン製剤の免疫原性及び/又は効力を直接評価するための方法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の概要)
本発明の主題は、ワクチン組成物の相対的な効力を決定するための組成物及び方法を提供することである。免疫化マウスから脾臓細胞を収集し、凍結前に任意にCD138を枯渇させる。ワクチン製剤の効力を決定するために、凍結脾臓細胞の一部を解凍し、次いで、試験ワクチン製剤及び公知の効力の対照ワクチン製剤の段階希釈物を使用して活性化させる。免疫化抗原に特異的な抗体を発現する細胞の数を、希釈物ごとに決定し(場合によっては、抗体を産生する細胞の総数に対して)、得られた用量応答曲線を使用して、前記試験ワクチンの効力を決定する。
【0011】
本発明概念の1つの実施形態は、参照ワクチンを動物に接種し、前記動物から脾臓細胞又はB細胞を収集し、前記脾臓細胞又はB細胞の一部分を、第1セットの参照ワクチンの段階希釈物に曝露し、脾臓細胞又はB細胞の別の部分を、第2セットの前記ワクチン製剤の段階希釈物に曝露し、前記参照ワクチンの前記希釈物に対してワクチン製剤の抗原に特異的な抗体を発現している前記参照ワクチンに曝露された前記部分からの細胞の数を決定し、前記参照ワクチンの前記希釈物に対して非特異的な抗体を発現している前記参照ワクチンに曝露された前記部分からの細胞の数を決定し、前記試験ワクチンの前記希釈物に対して前記抗原に特異的な抗体を発現している前記試験ワクチンに曝露された前記部分からの細胞の数を決定し、前記試験ワクチンの前記希釈物に対して非特異的な抗体を発現している前記試験ワクチンに曝露された前記部分における細胞の数を決定し、前記参照ワクチン及び前記試験ワクチンに曝露された前記細胞からの抗原に特異的な結果を比較することにより、ワクチン製剤の効力を特性決定する方法である。いくつかの実施形態において、前記参照ワクチン及び前記試験ワクチンに曝露された前記細胞からの非特異的抗体の結果も比較される。いくつかの実施形態では、抗原特異的抗体の結果及び非特異的抗体の結果は、同一の試験表面上で決定される。そのような実施形態において、抗原特異的及び非特異的抗体を決定するために使用される方法では、局在化された分別可能な標識が使用され得る。いくつかの実施形態において、前記参照ワクチンに曝露された細胞及び前記試験ワクチンに曝露された細胞の段階希釈物の2つ以上のセットについての非特異的抗体に対する抗原特異的抗体の比率が、比較の基礎として使用され得る。対応する参照ワクチン希釈物に対するそのような比率間の関係を描写する関数(例えば、第1の傾き)と、対応する試験ワクチン希釈物に対するそのような比率間の関係を描写する異なる関数(例えば、第2の傾き)との間の関係が、比較の基礎として使用され得る。
【0012】
本発明概念のいくつかの実施形態では、特性決定される当該ワクチン製剤は、第2のワクチン抗原を含んでもよい。そのような実施形態では、収集された脾臓細胞又はB細胞の一部分が、第3セットの参照ワクチンの段階希釈物に曝露され、脾臓細胞又はB細胞の別の部分が、第4セットの前記ワクチン製剤の段階希釈物に曝露される。前記参照ワクチンの前記希釈物に関して非特異的抗体を発現している前記参照ワクチンに曝露された前記部分からの細胞の数だけでなく、前記参照ワクチンの希釈物に関して前記ワクチン製剤の前記第2の抗原に特異的な抗体を発現している前記参照ワクチンに曝露された前記部分からの細胞の数も、決定される。同様に、前記試験ワクチンの前記希釈物に関して非特異的抗体を発現している前記試験ワクチンに曝露された前記部分における細胞の数だけでなく、前記試験ワクチンの希釈物に関して前記第2の抗原に特異的な抗体を発現する、前記試験ワクチンに曝露された前記部分からの細胞の数も、決定される。次いで、前記参照ワクチン及び前記試験ワクチンに曝露された前記細胞からの第2の抗原特異的な結果が比較される。いくつかの実施形態において、前記参照ワクチン及び前記試験ワクチンに曝露された前記細胞からの非特異的抗体の結果も比較される。いくつかの実施形態では、第2の抗原特異的抗体及び非特異的抗体の結果は、同一の試験表面で決定される。そのような実施形態において、第2の抗原特異的及び非特異的抗体を決定するために使用される方法では、局在化された分別可能な標識が使用され得る。いくつかの実施形態では、第1の抗原特異的抗体、第2の抗原特異的抗体、及び非特異的抗体に対する試験は、同一の試験表面で行われる。そのような実施形態では、相互に分別可能で局在化可能な標識を使用して、第1の抗原特異的抗体、第2の抗原特異的抗体、及び非特異的抗体の結果間を識別することができる。いくつかの実施形態において、前記参照ワクチンに曝露された細胞及び前記試験ワクチンに曝露された細胞の段階希釈物の2つ以上のセットについての非特異的抗体に対する第2抗原特異的抗体の比率が、比較の基礎として使用され得る。対応する参照ワクチン希釈物に対するそのような比率間の関係を描写する関数(例えば、第3の傾き)と、対応する試験ワクチン希釈物に対するそのような比率間の関係を描写する異なる関数(例えば、第4の傾き)との間の関係が、比較の基礎として使用され得る。
【0013】
本発明の概念のいくつかの実施形態では、前記ワクチン製剤は、予防用ワクチンを含む。このような予防用ワクチンは、アデノウイルス、炭疽病、ボツリヌス中毒症、コレラ、ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヘモフィルス・インフルエンザb型菌、ヒト乳頭腫ウイルス、季節性インフルエンザ、日本脳炎、はしか、髄膜炎菌(Meningococcus)、流行性耳下腺炎、百日咳、肺炎球菌(Pneumoccocus)、ポリオ、狂犬病、ロタウイルス、風疹、帯状疱疹、天然痘、破傷風、結核、腸チフス、水痘、及び/又は黄熱病を対象とし得る。いくつかの実施形態において、前記ワクチン製剤は、治療用ワクチンを含む。そのような治療用ワクチンは、グリア芽腫、子宮頸癌、皮膚癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌、膵臓癌、セリアック病、及び/又は外陰膣カンジダ症を対象とし得る。
【0014】
本発明は、以下を提供する。
【0015】
ワクチン製剤の効力を特性決定する方法であって、
参照ワクチンで動物にワクチン接種する工程、
前記動物から脾臓細胞又はB細胞を収集する工程、
前記脾臓細胞又は前記B細胞の第1部分を、第1セットの前記参照ワクチンの段階希釈物に曝露する工程、
前記脾臓細胞又は前記B細胞の第2部分を、第2セットの前記ワクチン製剤の段階希釈物に曝露する工程、
前記第1セットの段階希釈物に対して前記ワクチン製剤の第1抗原に特異的な抗体を発現する、前記第1部分における細胞の第1の数と、前記第1セットの段階希釈物に対して非特異的な抗体を発現する、前記第1部分における細胞の第2の数とを決定する工程、
前記第2セットの段階希釈物に対して前記第1抗原に特異的な抗体を発現する、前記第2部分における細胞の第3の数と、前記第2セットの段階希釈物に対して非特異的な抗体を発現する、前記第2部分における細胞の第4の数とを決定する工程、及び、
前記第1の数を前記第3の数と比較する工程、を含む、方法に関し、
好ましくは、前記第2の数を前記第4の数と比較する工程を更に含む、
好ましくは、前記第1の数及び前記第2の数が、第1の共通の試験表面を使用して決定される、
好ましくは、前記第3の数及び前記第4の数が、第2の共通の試験表面を使用して決定される、
好ましくは、前記第1の数が、第1標識を含む第1イムノアッセイを使用して決定され、前記第2の数が、第2標識を含む第2イムノアッセイを使用して決定され、ここで前記第1標識及び前記第2標識が、局在化され識別可能である、
好ましくは、前記第1イムノアッセイが、抗体プラークアッセイである、
好ましくは、前記第3の数が、第3標識を含む第3イムノアッセイを使用して決定され、前記第4の数が、第4標識を含む第4イムノアッセイを使用して決定され、ここで前記第3標識及び前記第4標識が、局在化され識別可能である、
好ましくは、前記比較する工程が、
前記第1セットの段階希釈物の2つ以上のメンバについて、前記第1の数と前記第2の数との間の第1の一連の比率を決定する工程、
前記第2セットの段階希釈物の2つ以上のメンバについて、前記第3の数と前記第4の数との間の第2の一連の比率を決定する工程、
それぞれの希釈物に対する前記第1の一連の比率の第1関数を決定する工程、
それぞれの希釈物に対する前記第2の一連の比率の第2関数を決定する工程、及び、
前記第1関数及び前記第2関数を比較する工程、を含む、
好ましくは、前記第1関数及び前記第2関数の両方が、勾配関数である、
好ましくは、前記ワクチン製剤が、第2ワクチン抗原を含む。
好ましくは、前記ワクチン製剤の前記第2ワクチン抗原に特異的な抗体を発現する、前記第1部分における細胞の第5の数を決定する工程、
前記第2ワクチン抗原に特異的な抗体を発現する、前記第2部分における細胞の第6の数を決定する工程、及び、
前記第1セットの段階希釈物の少なくとも1つに対する前記第5の数と前記第2の数との間の第3比率を、前記第2セットの段階希釈物の少なくとも1つに対する前記第6の数と前記第4の数との間の第6比率と比較する工程、を更に含む。
好ましくは、前記第5の数及び前記第2の数が、第1の共通の試験表面を使用して決定される、
好ましくは、前記第6の数及び前記第4の数が、第2の共通の試験表面を使用して決定される、
好ましくは、前記第5の数が、第5標識を含む第5イムノアッセイを使用して決定され、前記第2の数が、第2標識を含む第2イムノアッセイを使用して決定され、
ここで前記第5標識及び前記第2標識が、局在化され識別可能である、
好ましくは、前記第5イムノアッセイが、抗体プラークアッセイである、
好ましくは、前記第6の数が、第6標識を含む第6イムノアッセイを使用して決定され、前記第4の数が、第4標識を含む第4イムノアッセイを使用して決定され、ここで前記第6標識及び前記第4標識が、局在化され識別可能である、
好ましくは、前記ワクチン製剤が、アデノウイルス、炭疽病、ボツリヌス中毒症、コレラ、ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヘモフィルス・インフルエンザb型菌、ヒト乳頭腫ウイルス、季節性インフルエンザ、日本脳炎、はしか、髄膜炎菌、流行性耳下腺炎、百日咳、肺炎球菌、ポリオ、狂犬病、ロタウイルス、風疹、帯状疱疹、天然痘、破傷風、結核、腸チフス、水痘、及び黄熱病からなるグループの少なくとも1つを対象とするワクチン種を含む、
好ましくは、前記ワクチン製剤が、治療用ワクチンを含む、
好ましくは、前記ワクチン製剤が、グリア芽腫、子宮頸癌、皮膚癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌、膵臓癌、セリアック病、及び外陰膣カンジダ症からなるグループの少なくとも1つを対象とするワクチン種を含む。
【0016】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様及び利点は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明、並びに同様の数字が同様の構成要素を表す添付の図面から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術の抗体プラークイムノアッセイを概略的に示す。
【
図2】従来技術の抗体プラークイムノアッセイからの典型的な結果を示す。
【
図3】脾臓細胞を使用してワクチンの効力を決定するための例示的なプロトコルのフローチャートを示す。
【
図4A】本発明概念の脾臓細胞アッセイからのHcR/A抗原抗体プラークイムノアッセイプレートのスキャン画像である。脾臓細胞は、5×10
4(左上の象限)、2.5×10
4(右上の象限)、10
4(左下の象限)、又は5×10
3(右下の象限)の細胞/ウェルのいずれかでコーティングされる。
【
図4B】
図4Aに示されるプレートから得られたデータによって生成された典型的な用量応答曲線を示す。TS=HcR/A調製物の試験試料、SC=HcR/A調製物の対照試料。
【
図4C】本発明概念の方法によって決定されるような試験及び参照抗原調製物の相対的な効力の例を示す。
【
図5A】本発明概念の方法で使用するための試験抗体プラークイムノアッセイプレートレイアウトの例を示す。
【
図5B】刺激された脾臓細胞によるIgG分泌が視覚化されている、
図5Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートのスキャン画像を示す。
【
図5C】刺激された脾臓細胞によるHcR/A特異的抗体分泌が視覚化されている、
図5Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートのスキャン画像を示す。
【
図5D】抗体プラークイムノアッセイプレートからの典型的な個々のウェルの拡大図を示す。
【
図5E】
図5Aのように調製されたELISpotプレートにおける脾臓細胞からのIgG分泌の用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対的な効力を示す。
【
図5F】
図5Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートにおける脾臓細胞からのHcR/A特異的抗体分泌の用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対的な効力を示す。
【
図6A】本発明概念の脾臓細胞ワクチン効力アッセイで使用するための試験抗体プラークイムノアッセイプレートレイアウトの例を示す。
【
図6B】刺激された脾臓細胞によるIgG分泌が視覚化される、
図6Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートのスキャン画像を示す。
【
図6C】刺激される脾臓細胞によるHcR/A特異的抗体分泌が視覚化される、
図6Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートのスキャン画像を示す。
【
図6D】
図6Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートにおける脾臓細胞からのIgG分泌についての用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対的な効力を示す。
【
図6E】
図6Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートにおける脾臓細胞からのHcR/A特異的抗体分泌についての用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対的な効力を示す。
【
図7A】本発明概念の脾臓細胞アッセイを使用してワクチン効力を決定する際に使用するための試験マイクロウェルプレートレイアウトの例を示す。
【
図7B】刺激された脾臓細胞によるIgG分泌が視覚化される、
図7Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートのスキャン画像を示す。
【
図7C】刺激された脾臓細胞によるHcR/A特異的抗体分泌が視覚化される、
図7Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートのスキャン画像を示す。
【
図7D】様々な細胞密度で活性化された脾臓細胞からの
図7Aのように調製されたELISpotプレートにおける脾臓細胞からのIgG分泌についての用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対的な効力を示す。
【
図7E】様々な細胞密度で活性化された脾臓細胞からの
図7Aのように調製された抗体プラークイムノアッセイプレートにおける脾臓細胞からのHcR/A特異的抗体分泌についての用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対的な効力を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
以下の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書に記載されている情報のいずれかが、先行技術であるか又は主張されている発明に関連していること、又は具体的若しくは暗黙的に参照されるいずれかの出版物が先行技術であることを認めるものではない。
【0019】
以下の検討により、本発明の主題の多くの例示的な実施形態が提供される。各実施形態は、本発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示された要素のすべての可能な組み合わせを含むと見なされる。従って、1つの実施形態が要素A、B、及びCを含み、第2の実施形態が要素B及びDを含む場合、本発明の主題はまた、明確に開示されなくても、A、B、C、又はDの他の残りの組み合わせを含むと見なされる。
【0020】
本明細書に開示される本発明の代替要素又は実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバは、個別に、又はグループの他のメンバ若しくは本明細書に見られる他の要素と任意の組み合わせで、参照及び請求することができる。グループの1つ以上のメンバは、利便性及び/又は特許性の理由から、グループに含めるか、グループから削除することができる。そのような包含又は削除がある場合、本明細書では、明細書は、変更されたグループを含み、従って、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの記載の説明を満たすと見なされる。
【0021】
本発明の主題は、免疫原性であり基準に合う効力を有することが公知のワクチンの参照バッチで、マウス又は同様の試験動物がワクチン接種される、組成物及び方法を提供する。脾臓細胞及び/又はB細胞は、前記ワクチン接種された動物から得られ、いくつかの実施形態では、そのような試料のB細胞集団を、富化又は枯渇させることができる(例えば、現存する形質細胞の枯渇)。適切な細胞は、脾臓の切開及び/又は灌流、1つ以上のリンパ節の切開、及び/又は、循環からの収集を含む、様々な手段により得ることができる。脾臓細胞又はB細胞は、抗体でコーティングされた磁気ビーズ、蛍光活性化セルソーティング、又は任意の適切な方法を使用して単離できる。分離後、細胞はすぐに使用されるか、使用前に複製され得る。いくつかの実施形態において、単離された細胞は、使用前に保存され得る(例えば、約-80℃、又は液相若しくは気相の液体窒素で保存され得る)。
【0022】
試験のために、細胞を2つのセットの試験部位又は表面にプレーティングし、そのうちの1つはワクチン抗原に対する抗体の分泌を特性決定するために使用され、もう1つは非特異的(すなわち、ワクチン抗原を対象としない)抗体の分泌を特性決定するために使用される。適切な試験表面には、スライド、マイクロウェルプレートのウェルの表面、ビーズ、及び/又は、マイクロ流体デバイスの表面が含まれる。
【0023】
試験されるワクチンの段階希釈物は、1つのセットの細胞に適用され、一方、前記参照ワクチンの段階希釈物は、第2セットの細胞に適用される。いくつかの実施形態では、ワクチン製剤への曝露(インヴィボ又はインヴィトロのいずれかで)によってあらかじめ感作された細胞が試験に利用される。そのような実施形態において、これらのあらかじめ感作された細胞は、ワクチンバッチ効力を決定するために、試験及び/又は対照ワクチン製剤への曝露によって再活性化され得る。いくつかの実施形態において、そのような再活性化は、(例えば、ELISpot(商標)などの抗体プラークアッセイを使用して)抗体分泌検出のための方法に前記細胞を適用する前に実施され得る。他の実施形態では、そのような再活性化は、抗体分泌を検出するための方法の実施の少なくとも一部の間に実施され得る。ワクチン抗原特異的抗体を分泌する細胞の数は、(例えば、局在シグナルを生成するワクチン抗原特異的抗体を対象とするサンドイッチアッセイを使用して)特性決定され、非特異的抗体を分泌する細胞の数は、(例えば、局在シグナルを生成する種特異的抗体を対象とするサンドイッチアッセイを使用して)特性決定される。
【0024】
ワクチン抗原特異的抗体を分泌する細胞のパーセンテージの滴定曲線の傾き(参照ロットのワクチンを使用して刺激される細胞により生成される応答に対する)により、ワクチンの効力(すなわち、抗原特異的抗体応答を誘導する能力)を直接測定できるようになる。例えば、試験ワクチン試料と参照ワクチン試料の滴定によって作成された用量応答曲線の比較では、例えば、それぞれの滴定曲線において中点応答(EC50、瞬間(instant)中点傾きなど)を提供する希釈物を比較することによって、ワクチン効力を相対的に測定できる。このような値を参照ワクチンの値と比較することで、試験ワクチンの使用への適合性を測定できる。
【0025】
いくつかの実施形態において、ワクチン製剤への曝露に応答して産生される特異的及び非抗原特異的抗体の両方が、評価され得る。そのような実施形態において、抗原特異的応答を引き起こす試験ワクチンの能力が、参照ワクチンと比較され得る。ワクチン製剤により誘発される非特異的抗体応答の程度により、ワクチン製剤の非抗原成分(アジュバントなど)の効力に関連する情報が得られる。例えば、試験ワクチンの非特異的抗体応答に対する特異的抗体応答の比率の決定が、参照ワクチンのその比率の決定と比較でき、効力が決定される。
【0026】
開示される技術により、比較的少数の試験動物を使用してのワクチン効力の直接測定が可能になることを含む、多くの有益な技術的効果が提供されることが、理解されるべきである。例えば、単一の免疫化マウスから単離された脾臓細胞が、保存され、複数の決定に使用され得る。更に、説明されるアプローチにより、無処理のワクチン製剤(例えば、ビヒクル及びアジュバントを含む)の免疫原性/効力が測定できるが、従来技術のアプローチは、特定の成分(例えば、ワクチン抗原)のみを特性決定するものであった。出願人は、このアプローチは、非常に適応性があり、ワクチン接種又は抗原種の範囲に関して限定されないことに留意する。
【0027】
上記のように、イムノアッセイを使用して、ワクチン製剤への曝露に応答して所望の特異性を有する抗体を分泌するB細胞を計数及び/又は特性決定することができる。例えば、所望の抗原に対する抗体の分泌は、一般にELISpot(商標)又は抗体プラークアッセイと呼ばれるものにおいて、分泌された免疫グロブリンを捕捉するために抗種抗体(anti-species antibody)でコーティングされたそのような細胞に近位な表面(例えば膜)を使用して検出され得る。次いで、前記捕捉された免疫グロブリンは、特定の抗原(又はその標識されたアナログ)を捕捉する役割を果たし得る。そのような捕捉された特異的抗原は、第2抗原特異的抗体を使用して(例えば、サンドイッチアッセイにおいて)、又は、捕捉された抗原アナログに付着する標識を視覚化することによって、視覚化され得る。非特異的抗体の分泌は、種特異的抗体のペアを使用して同様の方法で検出され得る。あるいは、分泌される抗原特異的及び/又は非特異的抗体の量は、例えばイムノアッセイによって、刺激された脾臓細胞に曝露された細胞培養培地の試料から特性決定され得る。
【0028】
抗体プラークアッセイが説明されているが、他の技法も利用することができる。例えば、逆溶血性プラークアッセイを使用して、抗体分泌細胞を計数し、分泌されている抗体の量の推定値を得ることができる。補体への曝露及びそれに続く陰性プラーク形成の前に、Ig特異的抗体又は特異的抗原(又は適切なアナログ)のいずれかへの曝露により、非特異的抗体分泌と特異的抗体分泌とを区別することができる。あるいは、試料を分割し、検出可能な標識(例えば、蛍光化合物)でコンジュゲートされた抗Ig抗体(非特異的抗体分泌用)又は抗原若しくは抗原アナログ(抗原特異的抗体分泌用)のいずれかで標識することによるフローサイトメトリーを使用して、抗体産生細胞を同定及び計数することができる。そのような分割した試料の残りの部分で産生された特異的及び/又は非特異的抗体の量は、従来のイムノアッセイ技術を使用して定量化することができる。細胞計数の結果、並びに産生された特異的及び/又は非特異的抗体量の結果は、別々に評価するか、又は、まとめて、細胞の数及び産生される免疫グロブリンの量の両方を表す値が得られる。
【0029】
特定の抗原に対する、分泌抗体を検出するためのアッセイの例示的な実施形態では、試験プレートのウェルは、目的の抗原でコーティングされる。免疫グロブリン分泌細胞(例えば、ワクチン製剤の希釈物で処理された脾臓細胞)を、前記プレートに加え、分泌抗体が前記細胞に近位する抗原コーティングプレートの部分と複合体を形成するのに十分な時間インキュベートする。洗浄工程の後、検出可能な標識(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、フルオロフォアなど)を担持する、前記分泌抗体種に対する二次抗体が、前記プレートに加えられ、固定化された前記抗原を介して前記プレートに結合された前記分泌抗体と、複合体を形成させる。更なる洗浄工程の後、前記標識を視覚化することができ(例えば、沈殿可能な発色基質の添加又は適切な光周波数での励起により)、特異的抗体分泌が発生する部位を計数する。計数は、手動又は画像認識ソフトウェアにより実行可能である。
【0030】
総分泌抗体(すなわち、抗原特異的及び非特異的の両方)を検出するためのアッセイの例示的な実施形態では、試験プレートのウェルは、前記免疫グロブリン種に対する抗体(例えば、抗マウスIgG)でコーティングされる。免疫グロブリン分泌細胞(例えば、ワクチン製剤の希釈物で処理された脾臓細胞)を前記プレートに加え、分泌された抗体が前記細胞に近位する抗体コーティングプレートの部分と複合体を形成するのに十分な時間インキュベートする。洗浄工程の後、検出可能な標識(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、フルオロフォアなど)を担持する、前記分泌免疫グロブリン種に対する二次抗体が前記プレートに加えられ、固定化された前記抗種抗体を介して前記プレートに結合された前記分泌抗体と複合体を形成させる。更なる洗浄工程の後、前記標識を視覚化することができ(例えば、沈殿可能な発色基質の添加又は適切な光周波数での励起により)、特異的抗体分泌が発生する部位を計数する。計数は、手動又は画像認識ソフトウェアにより実行可能である。
【0031】
そのようなアッセイシステムで生成される検出可能なシグナルは、分泌細胞の計数を容易にするために局在化され得る。そのような局在シグナルは、蛍光、リン光、ルミネッセンス、放射性核種による発光、及び/又は少なくとも部分的に不溶性の生成物(例えば、発色団又はフルオロフォア)の酵素的生成を含む、任意の適切な手段により生成することができる。細胞の近くのシグナルの局在化は、その細胞による、アッセイされた特性を有する抗体の分泌として解釈することができる。このような細胞は、手動で、又は自動システムを使用して決定可能である。
【0032】
いくつかの実施形態において、抗原特異的抗体及び非特異的抗体の分泌は、重複する試験表面/プレートを使用して決定され得る。他の実施形態では、抗原特異的抗体及び非特異的抗体の分泌は、識別可能な標識を利用することにより、同一の試験表面を使用して決定され得る。例えば、抗原特異的抗体の分泌は、前記試験表面で実施される抗原特異的アッセイに関連する第1のフルオロフォアを使用して特性決定することができ、抗体の分泌(抗原特異的又はその他)は、第2のフルオロフォアを使用して決定され得、ここで前記第2のフルオロフォアは、前記第1のフルオロフォアと分別可能であり、前記試験表面で実行される種特異的イムノアッセイと関連付けられる。前記第1のフルオロフォアからの発光の特性決定により、抗原特異的抗体を分泌する細胞の特性決定が可能であり、前記第2のフルオロフォアからの発光の特性決定により、抗体を分泌するすべての細胞の特性決定が可能である。非特異的抗体を分泌する細胞の数は、これらの値の間の差により決定可能である。
【0033】
上記のように、本発明概念の方法は、特定のワクチン種に限定されない。適切なワクチンは、ウイルス、細菌、真菌、自己免疫疾患に関連する、及び/又は腫瘍性の抗原を対象にし得る。本発明概念の方法が対象とし得るワクチンの例には、アデノウイルス、炭疽病、ボツリヌス中毒症、コレラ、ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヘモフィルス・インフルエンザb型菌、ヒト乳頭腫ウイルス、季節性インフルエンザ、日本脳炎、はしか、髄膜炎菌、流行性耳下腺炎、百日咳、肺炎球菌、ポリオ、狂犬病、ロタウイルス、風疹、帯状疱疹、天然痘、破傷風、結核、腸チフス、水痘、及び/又は黄熱病を対象とするワクチンなどの、予防用ワクチンが含まれる。本発明概念の方法が対象とし得るワクチンのさらなる例には、グリア芽腫、子宮頸癌、皮膚癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌、膵臓癌、セリアック病、及び/又は外陰膣カンジダ症を対象とするワクチンなどの治療用ワクチンが含まれる。
【0034】
試験されるワクチン製剤は、多価(すなわち、1つを超えるワクチン抗原を組み込む)であってもよい。例としては、小児MMRワクチン製剤、ボツリヌス症ワクチン、季節性インフルエンザを対象としたワクチン(一般的に、いくつかの異なるウイルス株に関連するウイルス抗原を組み込む)が挙げられる。いくつかの実施形態では、多価ワクチン製剤の各成分抗原種に対する応答は、異なる試験表面又は試験表面のセットを使用して決定され得る。他の実施形態では、多価ワクチン製剤の異なる抗原に対する応答は、共通の試験表面又は試験表面のセットを使用して特性決定され得る。例えば、第1ワクチン抗原及び第2ワクチン抗原を組み込む多価ワクチン製剤の特性決定を行う際に、第1ワクチン抗原と第2ワクチン抗原との両方に対する抗体を担持する試験表面が提供され得る。前記試験表面を第1及び第2抗原(又はそのアナログ)で処理すると、前記試験表面上に第1及び第2の抗体:抗原複合体が形成される。第1ワクチン抗原に対する抗体の分泌により、抗体:第1の抗原:抗体複合体として前記分泌細胞に近位するそれらの抗体が捕捉される。同様に、第2のワクチン抗原に対する抗体の分泌により、抗体:第2の抗原:抗体複合体として前記分泌細胞に近位するそれらの抗体が捕捉される。分別可能な標識の使用により、共通の試験表面を利用する、そのような複合体の別個の同定、及び第1のワクチン抗原に対する抗体を分泌する第1セットの細胞と、第2のワクチン抗原に対する抗体を分泌する第2セットの細胞との同定を可能にする。いくつかの実施形態において、非特異的抗体を分泌する細胞は、第3の識別可能な標識を使用して、上記と同一の試験表面上で決定され得る。
【0035】
ワクチン製剤の抗原性及び/又は効力は、参照ワクチンで得られる結果と、上記の1つ以上のアッセイを使用して試験又は未知のワクチン製剤で得られる結果とを比較することによって決定することができる。例えば、参照ワクチンの一連の希釈物(例えば、段階希釈物)、及び試験ワクチンから調製される希釈物の類似又は同一のセットを調製し、上記のように脾臓細胞及び/又はB細胞に適用することができる。非特異的抗体を分泌する細胞に対する抗原特異的抗体を分泌する細胞の数は、前記参照ワクチンと前記試験ワクチンとの両方のこれらの希釈物の1つ以上について決定でき、結果を比較できる。好ましい実施形態では、抗原特異的抗体分泌細胞の数と非特異的抗体分泌細胞の数との間の比率を、そのような比較の基礎として使用することができる。そのような比較は、任意の適切な方法、例えば、それぞれの希釈:応答曲線の平行線分析により実行可能である。
【0036】
参照ワクチンと、1つ以上の試験ワクチンとの間の結果は、任意の適切な手段により比較することができ、参照ワクチンの結果と試験ワクチンの結果との間の対応により、基準に合う効力が示される。例えば、参照ワクチンと試験ワクチンとの半数-最大応答(EC50など)に対応する希釈を、比較できる。好ましい実施形態では、2つ以上の希釈物からのデータの関数(例えば、光学密度 対 希釈)が、参照ワクチン及び試験ワクチンについて得られ、前記関数が比較される。例えば、第1の傾きは、参照ワクチンの様々な希釈を表す2つ以上のデータポイント間に引かれた線について決定され得、第2の傾きは、試験ワクチンの様々な希釈を表す2つ以上のデータポイント間に引かれた線に対して決定され得、次いで、前記第1の傾きと前記第2の傾きとを比較して、それらが平行である度合いを決定する(例えば、平行線分析により)。平行性からの有意な乖離(例えば、約5%から、10%、15%、20%、又は25%の傾きにおける差異)は、ワクチン組成物の試験ロットと参照ロットとの間の効力における有意差を示すことができる。傾きの間の差が許容範囲内であることが判明した場合、それらが互いからずれる度合いを鑑みることができる。例えば、試験及び参照ワクチン組成物の用量応答曲線の導出された線が本質的に平行であることが見出された場合、約0.2倍、0.5倍、0.8倍、1倍、1.2倍、1.5倍、1.8倍、2倍、2.5倍以上の希釈を超える、前記用量応答曲線の希釈軸(通常はx軸)に沿ったずれは、試験組成物と参照組成物との間の効力における有意差を示すことができる。効力におけるそのような差は、試験ワクチン製剤の受容性及び/又は投薬(dosing)希釈を決定するために使用され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、そのような用量/応答曲線は、試験される希釈物の一部に亘って非線形であり得、その場合、非線形データに適した代替関数(例えば、4PL又は5PLフィットを介する最大応答の半分での瞬時勾配など)が利用可能である。あるいは、半数-最大応答を生成するワクチン製剤の最小希釈を選択し、許容基準として使用することができる。
【0038】
本発明概念のいくつかの実施形態において、ワクチン効力アッセイは、免疫付与(immunization)に対する二次応答を実証する細胞ベースのアッセイに基づいてもよい。そのような実施形態では、多くの動物(例えば、マウス、ウサギ、モルモットなど)がワクチン(既知の効力の参照ワクチンなど)で免疫化され、前記免疫化された動物から脾臓細胞及び/又はB細胞が単離されて、一次感作細胞の集団が提供される。このような一次感作細胞は、生きている動物から直接入手して使用してもよい。他の実施形態では、一次感作細胞を収集して凍結し、次いで使用前に解凍してもよい。いくつかの実施形態では、収集された脾臓細胞内のB細胞集団は富化される。他の実施形態では、1つ以上の特異的細胞集団(例えば、形質細胞)は、枯渇させられ得る。
【0039】
一次感作細胞のそのような調製物は、特異的及び/又は非特異的免疫応答を引き出すために、試験ワクチンの一連の希釈物で処理可能である。いくつかの実施形態において、既知の効力の参照ワクチンの希釈物が、並行して試験され得る。免疫応答は、上記のようにして特性決定できる。例えば、前記ワクチン製剤の特定の抗原及び免疫グロブリン種を対象とするELISPOT及び同様のアッセイを実施して、それぞれ特異的及び非特異的応答を決定することができる。典型的な抗体プラークイムノアッセイが、
図1に概略的に示される。抗体プラークイムノアッセイの典型的な結果を、
図2に示す。
【0040】
いくつかの実施形態では、一次感作細胞は、そのようなアッセイに適用する前に、前記試験ワクチンで処理され得る。他の実施形態では、前記一次感作細胞は、前記アッセイの実施時又はアッセイの実施中(例えば、抗体プラークイムノアッセイプレートのウェルへの一次感作細胞の分配後)に、前記試験ワクチンで処理され得る。特異的及び非特異的Ig分泌細胞の計数とそれに続く用量/応答曲線の生成により、前記試験ワクチンの効力を測定することができる。例えば、既知の効力の参照ワクチンの同様の希釈物との比較により、試験ワクチンの効力を相対的に測定することができる。de novo一次応答を表すものではないが、本発明者らは、特性決定される二次応答が、ワクチンの効力との同様の関連性を有すると考える。
【0041】
いくつかのワクチン製剤は、前記免疫化抗原の一部又はすべてが、アジュバント固体の表面にコーティングされるか、又は結合されるように製剤化される。水酸化アルミニウムヒドロゲル及びCpGオリゴヌクレオチドは、そのようなアジュバントの例であり、広く使用される(例えば、炭疽菌ワクチンにおいて)。そのようなワクチン製剤の特性決定目的で、前記アッセイ中の、アクセス性を改善するため及び/又は拡散を促進するために、前記一次感作細胞への適用前に、前記免疫化抗原を、前記アジュバントから溶出又は遊離してもよい(例えば、競合する高分子との置換、pHシフト、電気的溶出などを通して)。他の実施形態では、そのようなワクチン製剤は、処方された通りに試験することができる。
【0042】
本発明概念の方法の一例では、マウス(又はモルモット)に、炭疽菌ワクチンの参照バッチで免疫化し、感作された脾臓細胞を生成する。次いで、脾臓細胞が、前記免疫化された動物から単離され、いくつかの実施形態では、特定のB細胞集団が、富化される。脾臓細胞(富化又は枯渇され得る)は、酵素結合免疫スポット(ELISpot)などの抗体プラークイムノアッセイで使用するために調製された96ウェルプレートに、プレーティングされる。いくつかの実施形態において、前記脾臓細胞は、抗体プラークイムノアッセイプレート又は同様の技法に導入される前に、試験ワクチン又は参照ワクチンのいずれかの希釈物で再活性化される。他の実施形態では、前記脾臓細胞は、抗体プラークイムノアッセイプレート又は同様の技法への導入時又は導入後に再活性化される。1セットのプレートは、抗原特異的免疫グロブリン分泌を測定するように構成されてもよい(例えば、1つ以上の免疫化抗原でコーティングすることにより)。第2セットのプレートは、総(特異的及び非特異的)免疫グロブリン(Ig)分泌を測定するように構成されてもよい(例えば、1つ以上のIg特異的抗体でコーティングすることにより)。次いで、ワクチン試験試料の段階希釈物が、参照ワクチン試料の段階希釈物とともに、前記細胞を含む前記プレートに適用される。あるいは、脾臓細胞(又は分離株)は、前記抗体プラークイムノアッセイプレートへの適用の前に、試験ワクチン及び参照ワクチンの希釈物とともにインキュベートされ得る。次いで、前記プレートは、ワクチン製剤が前記脾臓細胞と相互作用するのに十分な時間インキュベートされ、Igの分泌をもたらす特異的及び/又は非特異的免疫応答を活性化する。
【0043】
Ig分泌細胞の数は、ワクチンの有効量と相関しており、これは、ワクチン効力の関数でもある。前記アッセイが完了すると、手動又は自動化された方法を使用して、ウェルごとの抗原特異的及び非特異的の両方又は無し(or not)の、Ig分泌細胞の数がカウントされる。抗原特異的Igも、非特異的抗体プラークイムノアッセイプレートにより同定されるので、非特異的に活性化される細胞の数は、非特異的抗体プラークイムノアッセイプレートと抗原特異的抗体プラークイムノアッセイプレートとの間の数の差によって表されることを理解されたい。用量応答曲線(例えば、Ig分泌細胞の数 対 ワクチン用量)は、前記試験試料及び前記参照試料用に作成される。次いで、前記試験試料及び前記参照試料の用量応答曲線は、適切な方程式でモデル化でき(例えば、4-PL又は5-PL非対称曲線フィット)、平行線法を使用して前記試験の相対的な効力を算出することができる。
【実施例0044】
ワクチン効力を決定するための脾臓細胞アッセイのための例示的なプロトコルが、
図3に示される。
図3の左側に示されるように、そのような試験プロトコルにおいて、マウスは前記ワクチン抗原(例えば、HcR/A)で免疫化され、次いで脾臓細胞が、採取される脾臓から単離される。前記脾臓細胞からCD138陽性細胞を枯渇させ(例えば、市販のキットを使用して)、前記脾臓細胞を等分し凍結して、細胞バンクを生成する。前記アッセイを実施するために(
図3の右側に示されるように)、前記細胞バンクからの細胞が、解凍され、次いで、参照抗原(例えば、参照ワクチン)及び試験抗原(例えば、評価中のワクチン製剤)の段階希釈物への曝露によって再活性化される。再活性化に続いて、前記細胞によって分泌される抗原特異的及び全種特異的抗体を、特性決定する。この例では、抗原特異的及びIgG特異的抗体プラークイムノアッセイプレートを使用して特性決定を行う。前記試験ウェル内のスポットの数及び/又は密度が記録され、前記対照及び試験抗原調製物に関する用量/応答曲線が生成される。これらの用量応答曲線が比較され(例えば、平行線分析によって)、前記対照抗原調製物に対する前記試験抗原調製物の効力を測定できる。
【0045】
図4Aは、HcR/A抗原についてのELISpot試験プレートの画像を示す。脾臓細胞がHcR/Aに反応するウェルは、前記細胞の位置で、離散的な高光学密度のスポットを示す。これらは、高濃度/低希釈でほぼコンフルエントになる。これらのスポットの数及び/又は密度は、
図4Bに示されるように、定量化され、適用される調製物を含むHcR/A抗原の希釈物と比較され得る。示されているように、用量応答曲線では、より大きな細胞密度でより大きなダイナミックレンジがもたらされる。
図4Cは、5×10
4細胞のコーティング密度で得られる前記用量応答曲線をより詳細に示し、算出されたEC
50及び相対的な効力に関して試験(TS)及び参照(SC)抗原調製物間で比較ができる。
【0046】
上記のように、ワクチン製剤によって生成される免疫応答の特性決定では、抗原特異的抗体の産生と、特定のタイプの抗体の総産生に対して産生される抗原特異的抗体の割合との両方に関して特性決定され得る。従って、ワクチンの効力をより十分に特性決定するために、抗原特異的及び抗体特異的抗体プラークイムノアッセイプレート又は同様の技術が、バンクされる脾臓細胞と並んで、適用され得る。様々な脾臓細胞コーティング密度を組み込む抗体プラークイムノアッセイプレートレイアウトの一例を、
図5Aに示す。
図5Bは、前記脾臓細胞からのIgG分泌が視覚化されている、上記のように調製される抗体プラークイムノアッセイプレートの画像を示す。
図5Cは、前記脾臓細胞からのHcR/A特異的抗体分泌が視覚化される、上記のように調製される抗体プラークイムノアッセイプレートの画像を示す。
図5Dは、5×10
4細胞/ウェルでコーティングされ100pM抗原で刺激される脾臓細胞によりHcR/A特異的抗体が分泌される、抗体プラークイムノアッセイプレートの個別のウェルの拡大図を示す。上記のように、用量応答曲線は、抗原特異的応答及び抗体種応答のいずれか又は両方について導き出すことができる。
図5Eは、
図5Aで示されるように調製される抗体プラークイムノアッセイプレートから得られ、IgG分泌について特性決定された、用量応答曲線を示す。
図5Fは、
図5Aに示されるように調製される抗体プラークイムノアッセイプレートから得られ、HcR/A特異的抗体分泌について特性決定された、用量応答曲線を示す。
【0047】
本発明概念のワクチン効力アッセイの他の例が、
図6A~6Eに示される。これらの試験では、StemCellTechnologies(商標)PE選択キット及び抗CD138、PE標識抗体を使用して、RBC溶解脾臓細胞は、CD138陽性細胞を枯渇させた後、インキュベーションプレートのウェルあたり7.5×10
5細胞で懸濁した。抗原調製物を希釈して前記プレートに適用し、次いでそれを37℃及び5%CO
2で48時間インキュベートした。2日目にPVDFプレートを40μg/mL HcR/A又は20μg/mL抗マウスIgGで4℃にて一晩コーティングすることにより調製し、次いでEL4-B5培地で37℃及び5%CO
2で2時間ブロッキングした。3日目に活性化脾臓細胞を前記インキュベーションプレートから回収し、1mLあたり10
6細胞で再懸濁し、前記ブロッキングされたPVDFプレートに、1ウェルあたり5×10
4又は2.5×10
4細胞でピペットにて加え、37℃、5%CO
2で一晩インキュベートした。4日目に、PBS(3×)及びPBST(3×)で洗浄することにより、細胞を前記PVDFプレートから取り出した。次いで、前記PVDFプレートを、80μL/ウェルの1:5,000抗マウスIgG-HRPとともに4℃で8時間インキュベートした。前記プレートをPBS-T(3×)及びPBS(3×)で洗浄した後、100μLのAEC沈殿性基質を各ウェルに加え、周囲温度で5分間インキュベートした。前記プレートを水道水で洗浄し、画像の取得と分析の前に暗所で一晩乾燥させることにより、反応を停止させた。
図6Aは、そのような研究のための例示的なプレートレイアウトを示す。
【0048】
図6Bは、活性化脾臓細胞からのIgG分泌を特性決定するために使用される(すなわち、抗マウスIgGでコーティングされる)典型的なプレートの画像を示し、ここで前記プレートの内容物は、
図6Aに示されるように配置される。
図6Cは、同一の方法で配置されるプレートからの活性化脾臓細胞によるHcR/A抗原特異的抗体分泌を特性決定するために使用される典型的なプレートについて得られる、同様の画像を示す。
【0049】
上記のように、IgG応答及び抗原特異的応答の両方に関する効力が、そのような画像からのスポット数及び/又は密度の定量化によって特性決定され得る。
図6Dは、前記抗原調製物の希釈物に対する用量応答曲線、算出されたEC50、及び算出された相対的な効力(
図6Aに示されるようなプレートレイアウトを使用して特性決定された活性化脾臓細胞のIgG応答に対する)を示す。
図6Eは、前記抗原調製物の希釈物に対する用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対的な効力(
図6Aに示されるようなプレートレイアウトを使用して特性決定された活性化脾臓細胞のHRC/A特異的抗体応答に対する)を示す。
【0050】
図7A~7Eは、C138枯渇脾臓細胞が1mLあたり10
6、7.5×10
5、又は5×10
5細胞で、抗原希釈物で活性化される、
図6A~6Eについて上記で説明した通り実施された試験の結果を示す。使用したプレートフォーマットを、
図7Aに示す。
【0051】
図7Bは、活性化脾臓細胞からのIgG分泌を特性決定するために使用される(すなわち、抗マウスIgGでコーティングされる)典型的な抗体プラークイムノアッセイプレートの画像を示し、前記プレートの内容物は、
図7Aに示されるように配置される。
図7Cは、同一の方法で配置されるプレートからの活性化脾臓細胞による、HcR/A抗原特異的抗体分泌を特性決定するために使用される典型的な抗体プラークイムノアッセイプレートに対して得られる同様の画像を示す。
【0052】
上記のように、IgG応答及び抗原特異的応答の両方に関する効力は、そのような画像からのスポット数及び/又は密度の定量化により特性決定され得る。
図7Dは、前記抗原調製物の希釈物に対する用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対効力(様々な脾臓細胞濃度で活性化され、
図7Aに示されるような抗体プラークイムノアッセイプレートレイアウトを使用して特性決定された脾臓細胞のIgG応答に対する)を示す。
図7Eは、前記抗原調製物の希釈物に対する用量応答曲線、算出されたEC
50、及び算出された相対効力(様々な濃度で活性化され、
図7Aに示されるような抗体プラークイムノアッセイプレートレイアウトを使用して特性決定された脾臓細胞のHcR/A特異的抗体応答に対する)を示す。
【0053】
上記の実施例は、総IgG分泌及び抗原特異的抗体分泌のために別個の抗体プラークイムノアッセイプレートを利用したが、いくつかの実施形態において、そのような測定は、異なる標識と組み合わせた同一の試験ウェル内での免疫グロブリン特異的及び抗原特異的二次抗体の使用によって、単一の抗体プラークイムノアッセイプレートから得られることを理解されたい。同様に、HRPコンジュゲートを検出目的で利用したが、代替酵素(例えば、アルカリホスファターゼ)、フルオロフォア、発色団、ルミフォア(lumiphore)、コロイド金、及び/又は染色微小粒子を含む他の検出可能な標識が利用され得ることを理解されたい。
【0054】
本明細書における本発明の概念から逸脱することなく、すでに記載されたもの以外の更に多くの修正が可能であることは、当業者に明らかであるはずである。従って、本発明の主題は、添付の請求項の趣旨を除いて限定されるべきではない。更に、明細書及び請求項の両方を解釈する際には、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り広い方法で解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という用語は、非排他的に要素、コンポーネント、又は工程を参照すると解釈されるべきであり、参照される要素、コンポーネント、又は工程が存在するか、又は利用されるか、又は明示的に参照されていない他の要素、コンポーネント、又は工程と組み合わされ得ることを示す。明細書の請求項がA、B、C....及びNで構成されるグループから選択されたものの少なくとも1つに言及している場合、テキストは、AプラスN、又はBプラスNなどではなく、前記グループから1つの要素のみを要件とするものとして解釈されるべきである。