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特開2024-28932ハーネスアクセスを有する改良された防護服
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028932
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】ハーネスアクセスを有する改良された防護服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20240227BHJP
   A41D 13/02 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A41D13/00 107
A41D13/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023208003
(22)【出願日】2023-12-08
(62)【分割の表示】P 2020511784の分割
【原出願日】2018-08-30
(31)【優先権主張番号】62/553,327
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520028531
【氏名又は名称】デュポン セイフティー アンド コンストラクション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】サマニエゴ ムリエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイメルスキルヒ アラン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】落下中又は落下後における、スーツとハーネスとの組み合わせに起因する作業者の怪我の可能性を低下させる防護服を提供する。
【解決手段】防護服1は、服の背面上に中央に垂直に位置づけられたスリーブ4を形成する可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含む支持ハーネス導路7を有し、移行ダクトは、服の腕部分4と胴部部分との両方に取り付けられ、又は首部分の下で背面に取り付けられ、服の腰部の上まで延び、移行ダクトの胴部端部は服の背面よりも広い幅を有し、ロープカバーの先端側クロージャ端部は、導路を閉じ、服の内側と外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、移行ダクトのロープカバー端は服の背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、前記体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、前記防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、前記支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、前記可撓性移行ダクトと前記可撓性ロープカバーとは、前記服の前記背面の前記胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、前記移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、前記可撓性ロープカバーは、前記移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記腕部分と前記胴部部分との両方に取り付けられ、それによって、前記胴部端部は、一方の前記腕部分からもう一方の前記腕部分まで、前記服の前記背面を横切って延びる、前記服の前記背面よりも広い幅を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記胴部部分の、前記腕部分と前記首部分の下との間に開口部を提供し、前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は、前記移行ダクトに、前記ロープカバーの前記基端部のための開口部を提供し、
前記ロープカバーの前記先端側クロージャ端部は、前記導路を閉じ、前記服の前記内側と前記外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は前記服の前記背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、
防護服。
【請求項2】
そのロープカバーは長さが少なくとも20センチメートルである、請求項1に記載の防護服。
【請求項3】
そのロープカバーは長さが少なくとも1メートルである、請求項2に記載の防護服。
【請求項4】
前記移行ダクトは、前記胴部端部が前記ロープカバー端部よりも広い台形形状を有する、請求項1に記載の防護服。
【請求項5】
前記台形形状は曲線の辺を有する、請求項4に記載の防護服。
【請求項6】
前記服の前記背面は腰部にギャザーを更に含む、請求項1に記載の防護服。
【請求項7】
前記ギャザーは弾性バンドである、請求項6に記載の防護服。
【請求項8】
前記服は、前記支持ハーネス導路を使用していないときに前記服に取り付けるための締結具を更に備える、請求項1に記載の防護服。
【請求項9】
前記服は、付属のフードを有するカバーオールである、請求項1に記載の防護服。
【請求項10】
付属の足カバーを更に含む、請求項9に記載の防護服。
【請求項11】
前記ロープカバークロージャデバイスは不織布留め具である、請求項1に記載の防護服。
【請求項12】
内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、前記体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、前記防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、前記支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、前記可撓性移行ダクトと前記可撓性ロープカバーとは、前記服の前記背面の前記胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、前記移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、前記可撓性ロープカバーは、前記移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は前記首部分の下で前記背面に取り付けられ、前記服の腰部の上まで垂直に延び、前記胴部端部は、前記服の前記背面よりも広い垂直長さを有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記胴部部分の、前記腕部分と前記首部分の下との間に開口部を提供し、前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は、前記移行ダクトに、前記ロープカバーの前記基端部のための開口部を提供し、
前記ロープカバーの前記先端側クロージャ端部は、前記導路を閉じ、前記服の前記内側と前記外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は前記服の前記背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、
防護服。
【請求項13】
そのロープカバーは長さが少なくとも20センチメートルである、請求項12に記載の防護服。
【請求項14】
そのロープカバーは長さが少なくとも1メートルである、請求項13に記載の防護服。
【請求項15】
前記移行ダクトは、前記胴部端部が前記ロープカバー端部よりも広い台形形状を有する、請求項12に記載の防護服。
【請求項16】
前記台形形状は曲線の辺を有する、請求項15に記載の防護服。
【請求項17】
前記服の前記背面は腰部にギャザーを更に含む、請求項12に記載の防護服。
【請求項18】
前記ギャザーは弾性バンドである、請求項17に記載の防護服。
【請求項19】
前記服は、前記支持ハーネス導路を使用していないときに前記服に取り付けるための締結具を更に備える、請求項12に記載の防護服。
【請求項20】
前記服は、付属のフードを有するカバーオールである、請求項12に記載の防護服。
【請求項21】
付属の足カバーを更に含む、請求項20に記載の防護服。
【請求項22】
前記ロープカバークロージャデバイスは不織布留め具である、請求項12に記載の防護服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野。本発明は、落下時に防護服が作業者の怪我のリスクを増大させることのない、安全ハーネス上に着用することができる、作業者用の防護服に関する。好ましくは、服は、スーツの内側と外側との間にある程度の密閉を維持する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の記載。米国特許第5,548,842号明細書(Wiseman)は、服の内側と外側との間に低減された流体の流れを維持しつつも、安全ハーネスアクセス用の支持ハーネス導路を有する防護服を開示している。
【0003】
Wisemanには、安全ハーネスの使用と併せて作業者が着用することができる防護服が開示されている。しかしながら、服の設計は、スーツの適切な密閉、即ち、防護服内を通る安全ロープの周囲にある程度の密閉を提供しつつも、作業者がスーツの下に着用する安全ハーネスと共に使用することができる服を提供することに的が絞られている。
【0004】
しかしながら、環境の脅威に加え、安全ハーネスと防護服のような組み合わせを装着して高所で作業する作業者には他の潜在的脅威が存在し得ることが示唆されている。考慮されることの1つは、改良された服の設計により、落下中又は落下後における、スーツとハーネスとの組み合わせに起因する作業者の怪我の可能性を低下させることである。落下した作業者は、安全ロープから吊り下げられて救助を待っている間、潜在的に、腕の下若しくは上半身の領域に更なる著しい張力を受ける可能性がある、又は更に悪いことを経験する可能性がある。したがって、潜在的な作業中の怪我を大幅に低減する又は排除する服の設計の改良が望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとは、服の背面の胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、可撓性ロープカバーは、移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
移行ダクトの胴部端部は、腕部分と胴部部分との両方に取り付けられ、それによって、胴部端部は、一方の腕部分からもう一方の腕部分まで、服の背面を横切って延びる、服の背面よりも広い幅を有し、
移行ダクトの胴部端部は、胴部部分の、腕部分と首部分の下との間に開口部を提供し、移行ダクトのロープカバー端部は、移行ダクトに、ロープカバーの基端部のための開口部を提供し、
ロープカバーの先端側クロージャ端部は、導路を閉じ、服の内側と外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
移行ダクトのロープカバー端部は服の背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、防護服に関する。
【0006】
いくつかの他の実施形態では、本発明は、内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとは、服の背面の胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、可撓性ロープカバーは、移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
移行ダクトの胴部端部は首部分の下で背面に取り付けられ、服の腰部の上まで垂直に延び、胴部端部は、服の背面よりも広い垂直長さを有し、
移行ダクトの胴部端部は、胴部部分の、腕部分と首部分の下との間に開口部を提供し、移行ダクトのロープカバー端部は、移行ダクトに、ロープカバーの基端部のための開口部を提供し、
ロープカバーの先端側クロージャ端部は、導路を閉じ、服の内側と外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
移行ダクトのロープカバー端部は服の背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、防護服に関する。
【0007】
一実施形態では、服は、付属のフードを有するカバーオールであり、付属の足カバーが備えられていてもよい。
【0008】
別の実施形態では、防護服は、支持ハーネス導路を使用していないときに服に取り付けるための締結具を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】支持ハーネス導路を備える服の背面の全体図である。
図2】支持ハーネス導路を備える服の正面の全体図である。
図3】詳細AA’の位置を示すために支持ハーネス導路を上げた服の斜視図である。
図4】服の背面及び腕への可撓性移行ダクト及び可撓性ロープカバーの取り付けを幅寸法と共に示す、詳細AA’の図である。
図5】考えられるロープカバー形状の図である。
図6】考えられるロープカバー形状の図である。
図7】不織布留め具の形態におけるロープカバークロージャデバイスの1つの代表例の詳細である。
図8】ロープカバーの先端部を安全ハーネスロープに対して閉じるための不織布留め具の使用を含む、安全ハーネスと共に着用された、フードを有するカバーオールの形態における服の背面を示す。
図9】ロープカバーの先端部を安全ハーネスロープに対して閉じるための不織布留め具の使用を含む、安全ハーネスと共に着用された、フードを有するカバーオールの形態における服の側面を示す。
図10】フードを有するカバーオールの形態であり、安全ハーネスと共に着用された服が、安全ハーネスロープによって吊り下げられた状態で示される服の人体模型試験を示す。図は、腰部のギャザーの良い効果を更に示す。
図11】服が、支持ハーネス導路を使用していないときに服に取り付けるための少なくとも1つの締結具を更に備える服の背面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、作業者がスーツの下に着用する安全ハーネスの使用を可能にするだけでなく、防護服が、落下の場合に服自体が着用者の怪我のリスクを増大させないことを確実にするのに役立つ特徴も有する防護服に関する。防護服は、内側と、外側と、体の正面を覆うための正面と、体の背面を覆うための背面と、を有する。防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含む。支持ハーネス導路は、可撓性移行ダクトと、クロージャデバイスを含み得る可撓性ロープカバーと、を含む。これらの特徴は、限定はされないが、図面を参照することによって説明され得る。
【0011】
特に、図1は、考えられる1つの防護服1の背面3の全体図であり、図2は、同じ服1の正面2の全体図である。服は内側と外側とを有し、服の外側表面として防護生地を含む。いくつかの実施形態では、服は、服の内側に生地ライナーを有し得る。
【0012】
服は、人の胴部の少なくとも一部分を覆うための胴部部分6と、人の首を覆うための首部分5と、を含む。いくつかの実施形態では、図1と同様に、服は、首部分に付属のフード8を含み得る。防護服は、2つの腕部分4と、支持ハーネス導路7と、を更に含む。図1に示されるように、支持ハーネス導路の下に、服の背面は、腰部にギャザー32を更に含み得る。図3は、この特徴及び腰部のギャザー32をより良く示すために、支持ハーネス導路7が服から離れる方に延びる服の背面の斜視図である。図3に示されるように、支持ハーネス導路7は、服にハーネス安全ロープ用の追加的なスリーブを本質的に形成し、服の背面の胴部部分上に垂直に中央に位置づけられている。
【0013】
胴部部分は、少なくとも、頭部及び首用の開口部と、腕部分において終端する、人が服を着用したときに人の腕を受け入れるための開口部と、着用者によって装着された支持ハーネスから服の外側まで安全ロープを通すための支持ハーネス導路用の開口部と、を含む複数の開口部を更に含む。腕部分の各端部は、人の手首及び手のための開口部を有し得る。所望であれば、スリーブは、着用者の手首の周りでスリーブを閉じるためのスリーブクロージャ特徴部(図示せず)を備えることができる。所望であれば、紐状留め具又はテープ、面ファスナー、弾性材料、又はその他のクロージャオプションをスリーブクロージャ特徴部として用いることができる。
【0014】
服1は、人が服を着用したときに人の体に面する表面、即ち、服が着用されているときに着用者に最も接近する服の任意の表面と定義され、服の内面と一般にみなされる、内側表面を有する。服の外側表面は、潜在的に有害な環境又は脅威に面する表面と定義される、即ち、服の外側表面と一般にみなされる。
【0015】
支持ハーネス導路は、可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、可撓性移行ダクトと可撓性ロープとは、服の背面の胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成している。いくつかの実施形態では、この垂直に中央に位置づけられたスリーブの中央は、ネックラインから、服のネックラインとウエストラインとの間の総直線距離の約15~30パーセントの距離に水平に配置されている。
【0016】
図4は、支持ハーネス導路7の特徴のいくつかを示す図3のセクションAA’の図である。図4に示されるように、支持ハーネス導路は、可撓性移行ダクト10と可撓性ロープカバー11とを含む。移行ダクトは、胴部端部12とロープカバー端部14とを更に有する。可撓性ロープカバーは、移行ダクトロープカバー端部に取り付けられた基端部15と、クロージャデバイス(図示せず)を備えることができる先端部16と、を有する。
【0017】
図4に示されるように、この実施形態では、移行ダクトの胴部端部12は、胴部部分に加えて、両方の腕部分4に取り付けられている。それによって、胴部端部12は、服の背面の幅21よりも広い幅20を有し、胴部端部は、一方の腕部分からもう一方の腕部分まで、服の背面を横切って延びる。
【0018】
胴部端部及び服の背面の幅は、服をテーブル上に平らに置き、直線距離を測定することによって測定され得る。服の背面の幅21は、胸の高さにおける、平らな服の端から端までの直線水平距離である。服が平らに置かれ、腕部分が反対方向に延ばされ、平らにされると、胴部端部によって与えられる追加的な生地によって、腕部分に折り重なりが生じる。胴部端部の最初の接触点は、この、腕部分における生地の折り重なりの始端である。したがって、この実施形態では、胴部端部12の幅20は、服の腕が水平に平らに置かれ、服から反対方向に延びているときの、一方の腕部分との胴部端部の最初の接触点から、もう一方の腕部分における胴部端部の最初の接触点までの直線水平距離である。いくつかの実施形態では、胴部端部は、服の背面の幅よりも少なくとも115%広く、いくつかの実施形態では、胴部端部は、服の背面の幅よりも少なくとも150%広い。
【0019】
支持ハーネス導路において、移行ダクトは、安全ロープを安全ハーネスからロープカバーへと通すための管状又は中空ダクトであり、ロープカバーもまた、安全ロープを服の外側へと通すための管状又は中空ダクトである。移行ダクトの胴部端部は、胴部部分の、腕部分と首部分の下との間に開口部を提供し、移行ダクトのロープカバー端部は、移行ダクトに、ロープカバーの基端部のための開口部を提供する。更に、図4に示されるように、移行ダクトのロープカバー端部は、平らな状態で測定したときに、服の背面の幅の少なくとも30パーセントの幅22を有する。いくつかの実施形態では、移行ダクトのロープカバー端部は、服の背面の幅の80パーセントの幅を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、移行ダクトは、胴部端部がロープカバー端部よりも広い台形形状を有する管状又は中空ダクトである。この台形形状は、図4に示されるように本質的に直線の辺23を有し得る、又は代替的に、より好ましい実施形態では、この台形形状は、同じく図4に示されるように、曲線の辺24を有し得る。(比較のために両者は図4に示される。)更に、いくつかの実施形態では、(服の背面の平面内の)胴部端部からロープカバー端部までを垂直に測定した台形形状の移行ダクトの高さは、支持ハーネス導路7の全長の好ましくは20~50パーセントである。
【0021】
いくつかの好ましい実施形態では、胴部端部によって形成される服の背面の開口部の形状は、好ましくは、一方の腕部分からもう一方の腕部分まで延びるシンプルな直線のスリット、又は一方の腕部分からもう一方の腕部分まで延びる細長い楕円形である。
【0022】
いくつかの他の実施形態では、胴部端部によって形成される服の背面の開口部の形状は、服の背面上に垂直に方向づけられ、中央に位置づけられたシンプルな直線のスリット、又は服の背面上に中央に位置づけられ垂直に方向づけられた細長い楕円形(図示せず)であり得る。これら実施形態では、開口部は、首部分の下から服の腰部の上まで垂直に延びる。また、これら実施形態では、胴部端部は、服の背面よりも広い垂直長さを有する。更に、これらの垂直に方向づけられた実施形態では、胴部端部の中央は、ネックラインから、ネックラインと服の腰部との間の総直線距離の約20~65パーセントの距離に水平に配置されている。
【0023】
ロープカバーは本質的に中空スリーブ又はチューブである。図5及び図6は、考えられる2つの一般的なロープカバー形状の図であり、中空スリーブ又はチューブはテーブル上に平らに置かれた状態で示される。可撓性ロープカバーは、移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部15と、クロージャデバイス(図示せず)を有する先端部16と、を有する。可撓性ロープカバーの先端部は、安全ロープの端部を通すのに十分な広さにするだけでよいが、実用的な観点から、先端部は、安全ロープを把持するために人の手がロープカバーの内側に届くのに十分な広さであることが好ましい。
【0024】
平らな状態で測定したときのロープカバーの基端部の幅は、移行ダクトのロープカバー端部の幅と同じであり、即ち、服の背面の幅の少なくとも30パーセントである。いくつかの実施形態では、ロープカバーの基端部の幅は、服の背面の幅の少なくとも80パーセントである。
【0025】
図5及び図6に示されるように、ロープカバーは、ロープカバーをテーブル上に平らに置き、基端部の縁から先端部の縁までの直線距離を測定することによって同じく測定された長さ26を有する。いくつかの実施形態では、ロープカバー長さは少なくとも20cmである。いくつかの実施形態では、ロープカバーは少なくとも1メートルの長さを有する。図に示されるように、ロープカバーは、直線の辺又は曲線の辺のいずれかを有する円錐形を有することが好ましく、曲線の辺を有する円錐形が好適である。
【0026】
ロープカバー11の先端部16は、安全ロープの周りで導路を圧迫し、導路を閉じて、服の内側と外側との間の流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有する。図7は、不織布留め具の形態におけるロープカバークロージャデバイスの1つの代表例の詳細である。示されるように、特定の好適な実施形態は、ロープカバーに縫い付けられる2つのストラップ31を有する留め具である。したがって、2つのストラップは、ハーネスロープが挿入された後、ロープカバーに巻き付けることができ、2つの端部を共に簡単に結ぶことによってロープカバーをロープにぴったりとフィットさせるように使用することができる。
【0027】
留め具が使用される場合、留め具は、使用時に適切な強度を有する限り、多くの異なる種類の耐久性織布又は不織布又はウェビング材料から作製することができる。例えば、留め具は、フィルムを積層したTyvek(登録商標)生地を特徴として備えるDuPont Tychem(登録商標)F生地等の生地から作製することができる。1つの有用な特徴は、留め具を、容易に認識できるように、防護服の生地と異なる色を有する生地で作製していることである。
【0028】
防護服は、望ましいものであり得る更に多くの特徴を有することができる。例えば、図3に示されるように、服の背面は、腰部にギャザー32を更に含み得る。これにより、腰部の上の余分な服の生地が垂れ下がり、服の使用を妨げる可能性を防止する。様々なタイプのギャザーが用いられてもよい。1つの特に望ましいギャザーは、張力がかけられた状態で服に縫い付けられた又は接着された弾性バンドである。
【0029】
図1及び図2に示されるように、防護服は、胴部部分に取り付けられた脚と、付属のフード8とを追加的に有するカバーオールであり得る。
【0030】
図8及び図9は、ロープカバーの先端部を安全ハーネスロープに対して閉じるための不織布留め具の使用を含む、安全ハーネス上に着用された、フードを有するカバーオールの形態における服の背面及び側面を示す。
【0031】
図10は、服が、フードを有するカバーオールの形態であり、安全ハーネス上に着用され、人体模型は安全ハーネスロープによって吊り下げられた状態で示される、服の人体模型試験を示す。この図は、服の使用中に腰部の上の余分な生地に対処するのに役立ち得る腰部のギャザー32の良い効果を更に示す。いくつかの実施形態では、余分な生地は、カバーオールの中央背面縫合部の明確な凸状外向き形状を与えるパターンを使用することにより作成される。いくつかの好ましい実施形態では、ネックラインからウエストラインギャザーまでを測定したカバーオールの中央背面縫合部の長さは、標準的な設計の背面を有する防護服よりも少なくとも150%長い。
【0032】
図11は、服が、支持ハーネス導路を使用していないときに服に取り付けるための最後に(at last)1つの締結具40を更に備える服の背面3を示す。好ましくは、支持ハーネス導路は腰部のギャザー32の上方で巻かれ又は折り返され、その後、締結具(fastners)で固定される。好ましくは、支持ハーネス上に対称に間隔をおいて配置された少なくとも2つの締結具40がある。締結具は支持ハーネス導路を所定の位置に維持し、スーツの化学防護について懸念する必要なく服をハーネスあり又はなしで使用する柔軟性を使用者に与える。化学性能に影響を及ぼすように防護生地に穴を開けない限りは、多くのタイプの締結具が使用されてもよい。各種有用なタイプの締結具としては、面ファスナー、接着面ファスナー、磁気が縫い込まれた、接着磁石、スナップ、留め具、ジッパー、ボタン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
図11は、また、付属の足カバー9を更に含み得る防護服を示す。こうした足カバーは、カバーオールの脚の端部に縫い付けられたオーバーシューズ又はソックスを含み得る。
【0034】
本明細書中に記載される防護服のいずれの部品又は特徴も、ライニング生地を更に含み得る。服において、ライニング生地は、着用者と任意の外側防護生地との間に好ましくは配置されている。ライニングは、肌に快適な任意の適切な生地であり得るが、特に有用なのは織布又は不織布である。好ましくは、ライニングは、合成ポリマーから作製された繊維又はフィラメントを含む、スパンレース加工された又はスパンボンド加工された不織布である。
【0035】
防護服は、防護衣生地を好ましくは含む。用語「防護衣生地」は、各種防護衣生地、バリア生地、積層品、及びフィルムを含むものである。用語「防護衣生地」はまた、不織布及び/又は織布並びにそのような材料のフィルム又は多層フィルムとの積層品を含む。いくつかの実施形態では、防護生地は耐薬品性外層を含む。いくつかの好ましい実施形態では、防護衣生地、したがって、服の材料は、多層フィルムと不織布との積層品である。いくつかの実施形態では、服の材料は、Tyvek(登録商標)スパンボンドポリエチレン等の不織布などの、液体及び/又は微粒子の浸透を阻止する不織布である。1つの好ましい防護衣生地は、コーティングされたTyvek(登録商標)生地を特徴として備えるDuPont Tychem(登録商標)C生地である。これら生地は、広範な無機化学的及び生物学的ハザードに対するバリア防護を提供し、しかも軽量且つ快適である。他の有用な生地は、フィルムを積層したTyvek(登録商標)生地を特徴として備えるDuPont Tychem(登録商標)F生地である。加えて、各種脅威から防御する他の有用な防護衣生地を使用することができ、米国特許第5,626,947号明細書(Hauerら)、米国特許第4,855,178号明細書(Langley)、米国特許第4,272,851号明細書(Goldstein)、米国特許第4,772,510号明細書(McClure)、米国特許第5,035,941号明細書(Blackburn)、米国特許第4,214,321号明細書(Nuwayser)、米国特許第4,920,575号明細書(Bartasis)、米国特許第5,162,148号明細書(Boye)、及び米国特許第4,833,010号明細書(Langley)に全般的に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書中に記載される服の特徴は、レベルA、B、C、又はDの防護服の一部として適用することができると考えられる。レベルAの服は、最高レベルの皮膚、呼吸、及び目の防護を必要とする状況で使用され、一般に、完全密閉型蒸気防護服である。レベルBの服は、最高レベルの呼吸防護を必要とするが、より低いレベルの皮膚防護が必要とされる状況で使用される。レベルCの服は、大気汚染物質、液体飛沫、及びその他の直接接触が露出した皮膚に悪影響を及ぼさない又は吸収されない状況で使用される。レベルDの服は、汚染が単に不快である状況で使用される。A、B、C、又はDレベルに格付けされた防護衣の組み合わせを共に使用してもよいいくつかの場合があり得る。いくつかの実施形態では、服は、密閉型化学防護スーツの一部であり、いくつかの実施形態では、カバーオールの一部、又は任意の種類のシャツ若しくはコート若しくはズボンの一部、又はこれらを組み合わせた服である。
【0037】
本明細書中に記載される発明的な防護服の特徴は、落下の場合に服自体が着用者の怪我のリスクを増大させないことを確実とするのに役立つと考えられる。これら特徴は、安全ハーネス機器がカバーオールの下でほとんど拘束されずに動くことを可能にする。このことは、衝撃の瞬間、即ち、安全機器が落下を停止させた瞬間に、防護服によって体に過度の張力がかかる可能性を低下させると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本明細書中に記載される発明的な防護服の特徴は、落下の場合に服自体が着用者の怪我のリスクを増大させないことを確実とするのに役立つと考えられる。これら特徴は、安全ハーネス機器がカバーオールの下でほとんど拘束されずに動くことを可能にする。このことは、衝撃の瞬間、即ち、安全機器が落下を停止させた瞬間に、防護服によって体に過度の張力がかかる可能性を低下させると考えられる。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1.内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、前記体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、前記防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、前記支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、前記可撓性移行ダクトと前記可撓性ロープカバーとは、前記服の前記背面の前記胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、前記移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、前記可撓性ロープカバーは、前記移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記腕部分と前記胴部部分との両方に取り付けられ、それによって、前記胴部端部は、一方の前記腕部分からもう一方の前記腕部分まで、前記服の前記背面を横切って延びる、前記服の前記背面よりも広い幅を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記胴部部分の、前記腕部分と前記首部分の下との間に開口部を提供し、前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は、前記移行ダクトに、前記ロープカバーの前記基端部のための開口部を提供し、
前記ロープカバーの前記先端側クロージャ端部は、前記導路を閉じ、前記服の前記内側と前記外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は前記服の前記背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、
防護服。
2.そのロープカバーは長さが少なくとも20センチメートルである、上記1に記載の防護服。
3.そのロープカバーは長さが少なくとも1メートルである、上記2に記載の防護服。
4.前記移行ダクトは、前記胴部端部が前記ロープカバー端部よりも広い台形形状を有する、上記1に記載の防護服。
5.前記台形形状は曲線の辺を有する、上記4に記載の防護服。
6.前記服の前記背面は腰部にギャザーを更に含む、上記1に記載の防護服。
7.前記ギャザーは弾性バンドである、上記6に記載の防護服。
8.前記服は、前記支持ハーネス導路を使用していないときに前記服に取り付けるための締結具を更に備える、上記1に記載の防護服。
9.前記服は、付属のフードを有するカバーオールである、上記1に記載の防護服。
10.付属の足カバーを更に含む、上記9に記載の防護服。
11.前記ロープカバークロージャデバイスは不織布留め具である、上記1に記載の防護服。
12.内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、前記体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、前記防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、前記支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、前記可撓性移行ダクトと前記可撓性ロープカバーとは、前記服の前記背面の前記胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、前記移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、前記可撓性ロープカバーは、前記移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は前記首部分の下で前記背面に取り付けられ、前記服の腰部の上まで垂直に延び、前記胴部端部は、前記服の前記背面よりも広い垂直長さを有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記胴部部分の、前記腕部分と前記首部分の下との間に開口部を提供し、前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は、前記移行ダクトに、前記ロープカバーの前記基端部のための開口部を提供し、
前記ロープカバーの前記先端側クロージャ端部は、前記導路を閉じ、前記服の前記内側と前記外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は前記服の前記背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、
防護服。
13.そのロープカバーは長さが少なくとも20センチメートルである、上記12に記載の防護服。
14.そのロープカバーは長さが少なくとも1メートルである、上記13に記載の防護服。
15.前記移行ダクトは、前記胴部端部が前記ロープカバー端部よりも広い台形形状を有する、上記12に記載の防護服。
16.前記台形形状は曲線の辺を有する、上記15に記載の防護服。
17.前記服の前記背面は腰部にギャザーを更に含む、上記12に記載の防護服。
18.前記ギャザーは弾性バンドである、上記17に記載の防護服。
19.前記服は、前記支持ハーネス導路を使用していないときに前記服に取り付けるための締結具を更に備える、上記12に記載の防護服。
20.前記服は、付属のフードを有するカバーオールである、上記12に記載の防護服。
21.付属の足カバーを更に含む、上記20に記載の防護服。
22.前記ロープカバークロージャデバイスは不織布留め具である、上記12に記載の防護服。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、前記体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、前記防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、前記支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、前記可撓性移行ダクトと前記可撓性ロープカバーとは、前記服の前記背面の前記胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、前記移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、前記可撓性ロープカバーは、前記移行ダクトロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記腕部分と前記胴部部分との両方に取り付けられ、それによって、前記胴部端部は、一方の前記腕部分からもう一方の前記腕部分まで、前記服の前記背面を横切って延びる、前記服の前記背面よりも広い幅を有し、
前記移行ダクトの前記胴部端部は、前記胴部部分の、前記腕部分と前記首部分の下との間に開口部を提供し、前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は、前記移行ダクトに、前記ロープカバーの前記基端部のための開口部を提供し、
前記ロープカバーの前記先端側クロージャ端部は、前記導路を閉じ、前記服の前記内側と前記外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
前記移行ダクトの前記ロープカバー端部は前記服の前記背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、
防護服。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側表面と、外側表面と、体の正面を覆うための正面と、前記体の背面を覆うための背面と、を有する防護服であって、前記防護服は、2つの腕部分と、首部分と、胴部部分と、支持ハーネス導路と、を含み、前記支持ハーネス導路は、
可撓性移行ダクトと可撓性ロープカバーとを含み、前記可撓性移行ダクトと前記可撓性ロープカバーとは、前記服の前記背面の前記胴部部分上に垂直に中央に位置づけられたスリーブを形成しており、前記可撓性移行ダクトは、胴部端部とロープカバー端部とを有し、前記可撓性ロープカバーは、前記可撓性移行ダクトの前記ロープカバー端部に取り付けられる基端部と、先端部と、を有し、
前記可撓性移行ダクトの前記胴部端部は前記首部分の下で前記背面に取り付けられ、前記胴部端部は垂直に延び、前記胴部端部は、前記服の前記背面の幅よりも長い垂直長さを有し、
前記可撓性移行ダクトの前記胴部端部は、前記胴部部分の、前記腕部分の間で前記首部分の下に開口部を提供し、前記可撓性移行ダクトの前記ロープカバー端部は、前記可撓性移行ダクトに、前記可撓性ロープカバーの前記基端部のための開口部を提供し、
前記可撓性ロープカバーの前記先端部は、前記導路を閉じ、前記服の前記内側と前記外側との間における流体又は微粒子の交換を低減するためのクロージャデバイスを有し、
前記可撓性移行ダクトの前記ロープカバー端部は前記服の前記背面の幅の少なくとも30パーセントの幅を有する、
防護服。
【請求項2】
前記胴部端部によって前記服の前記背面に形成された前記開口部の形状は、前記服の背面上に垂直に方向づけられ、中央に位置付けられた直線のスリット、又は前記服の前記背面上に中央に位置付けられ、垂直に方向づけられた細長い楕円形である、請求項1に記載の防護服。
【請求項3】
前記可撓性ロープカバーは長さが少なくとも20センチメートルである、請求項1または2に記載の防護服。
【請求項4】
前記可撓性ロープカバーは長さが少なくとも1メートルである、請求項3に記載の防護服。
【請求項5】
前記可撓性移行ダクトは、前記胴部端部が前記ロープカバー端部よりも広い台形形状を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の防護服。
【外国語明細書】