(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028948
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】生体センサを組み込んだ入力デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
G06F1/16 312M
G06F1/16 312E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023209500
(22)【出願日】2023-12-12
(62)【分割の表示】P 2022003237の分割
【原出願日】2016-09-23
(31)【優先権主張番号】62/235,538
(32)【優先日】2015-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/239,977
(32)【優先日】2016-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カオ, ロバート ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】マッコード, マイケル ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ランカスター-ラロック シモン アール.
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】ユーザを生体認証する入力デバイスを有する電子デバイスのためのボタン組立体200は、ボタンの上面の下方で生体センサ(指紋センサ208)を一体化する。ボタン組立体は、電子デバイスのセカンダリディスプレイに関して配置される。セカンダリディスプレイは、キーボードのキーの最上行の上方など、キーボードに関して配置することができる。
【効果】セカンダリディスプレイの端部に当接しているボタン組立体を筐体の下部分内に一体化することができる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップトップコンピューティングデバイスであって、
筐体であって、
上部分、
ヒンジ、及び
前記ヒンジにより前記上部分に接続される下部分、
を含む、筐体と、
前記筐体の前記上部分に一体化されたプライマリディスプレイと、
前記筐体の前記下部分に一体化されたキーボードと、
前記キーボードと前記ヒンジとの間で前記筐体の前記下部分に一体化されたセカンダリディスプレイと、
前記セカンダリディスプレイの端部に配置され、前記筐体の前記下部分に一体化された制限付きアクセスボタンと、
を備える、ラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記制限付きアクセスボタンは、指紋センサを含み、
前記制限付きアクセスボタンは、電源ボタンをとして機能するように構成されている、
請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記制限付きアクセスボタンの第1の上面は、前記セカンダリディスプレイの第2の上面と同一平面上にある、請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記セカンダリディスプレイは、前記キーボードの長さにわたって延在する、請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記制限付きアクセスボタンは、前記ラップトップコンピューティングデバイスの電力機能と関連付けられる、請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記筐体の前記上部分は、前記下部分から取り外し可能である、請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項7】
ラップトップコンピューティングデバイスのためのボタン組立体であって、前記ボタン組立体は、
ボタンキャップであって、
フレーム、
前記フレームに取り付けられ、前記ボタンキャップの外部面を形成するカバー、及び
前記ラップトップコンピューティングデバイスの筐体中に画定された貫通孔内に挿入するように構成された、前記フレームの下面から延在する支持棒、
を含む、ボタンキャップと、
スプリングプレートであって、
前記筐体の内部面に連結され、前記貫通孔に隣接する内側舌状部、及び
前記支持棒に連結された外側舌状部、
を含む、スプリングプレートと、
前記カバーの下面に当接する生体センサと、
を備え、前記スプリングプレートは、前記ボタンキャップの運動を少なくとも1つの方向に制約するように構成されており、
前記ボタンキャップは、前記支持棒が、前記スプリングプレートの前記外側舌状部を前記内部面から離れて撓ませるように、下向きに押下するように構成されている、ボタン組立体。
【請求項8】
前記生体センサは指紋センサである、請求項7に記載のボタン組立体。
【請求項9】
前記ボタン組立体は、前記生体センサと前記筐体の上面との間に配置された電気スイッチを含み、
前記電気スイッチは、前記ラップトップコンピューティングデバイスの電源ボタンとして動作するように構成されている、請求項7に記載のボタン組立体。
【請求項10】
前記カバーはサファイアから形成され、
前記生体センサは、前記カバーの下方に配置される、請求項7に記載のボタン組立体。
【請求項11】
前記ボタンキャップは、前記ラップトップコンピューティングデバイスの入力構成要素に隣接して配置される、請求項7に記載のボタン組立体。
【請求項12】
前記入力構成要素は、直線で囲まれたディスプレイを含む、請求項11に記載のボタン組立体。
【請求項13】
前記ボタンキャップの上面は、前記入力構成要素の上面と実質的に同一平面上にある、請求項11に記載のボタン組立体。
【請求項14】
ポータブル電子デバイスであって、
筐体と、
前記筐体により画定された少なくとも1つの開口を少なくとも部分的に通って延在するキーのセットと、
前記キーのセットの側部に沿って、前記筐体により画定された開口部内に少なくとも部分的に配設されるタッチ感知ディスプレイと、
前記開口部内に少なくとも部分的に配設され、前記タッチ感知ディスプレイに当接する電源ボタンと、
を備え、前記電源ボタンは、前記ポータブル電子デバイスのユーザが前記電源ボタンを押圧した時に、生体入力をキャプチャするように構成されており、
前記電源ボタンは、前記電源ボタンが前記タッチ感知ディスプレイに負荷を伝達しないように、片持ち様式で押下するように構成されている、ポータブル電子デバイス。
【請求項15】
前記タッチ感知ディスプレイは、力センサ又はタッチセンサの1つ以上を含む、請求項14に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項16】
前記電源ボタンは、前記生体入力が、以前に取得した生体入力と一致すると判定すると、前記電子デバイスの電力状態を変更するように構成されている、請求項14に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項17】
前記電源ボタンは指紋センサを含む、請求項16に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項18】
前記電源ボタンは、間隙によって前記タッチ感知ディスプレイからオフセットされている、請求項14に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項19】
前記電源ボタンは、
指紋センサと、
前記指紋センサの下方に配置された圧迫可能なドームスイッチと、
を含む、請求項14に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項20】
前記電源ボタンは、前記電源ボタンがユーザにより押圧された時に、前記筐体の表面に衝突するように構成されたバンパーを含む、請求項14に記載のポータブル電子デバイス。
【請求項21】
ラップトップコンピューティングデバイスに一体化され、前記ラップトップコンピューティングデバイスのセカンダリディスプレイとキーボードとの間に配置された制限付きアクセスボタンを動作させる方法であって、前記方法が、
前記制限付きアクセスボタン内の電気スイッチ又は生体センサのうちの1つ以上を使用して、前記制限付きアクセスボタンの押圧を検出することと、
前記生体センサを使用して、生体データを取得することと、
前記取得した生体データをテンプレートデータと比較することと、
その取得した生体データが前記テンプレートデータと一致すると判定すると、前記制限付きアクセスボタンの押圧と関連付けられたコマンドを起動することと、
を含む方法。
【請求項22】
前記取得した生体データが前記テンプレートデータと一致しないことに応答して、前記制限付きアクセスボタンの前記押圧を無視することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許協力条約の特許出願は、2015年9月30日付出願の「Input Devices Incorporating Biometric Sensor」と題された米国仮特許出願第62/235,538号、及び2016年8月18日付出願の「Input Devices Incorporating Biometric Sensors」と題された米国特許出願第15/239,977号の利益を主張する。それらの各々の内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で説明する実施形態は、概して、ユーザ入力デバイスに関し、より詳細には、そのユーザを生体認証するように構成された入力デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
電子デバイスは1つ以上のボタンを含むことができる。ボタンは、典型的には、電子デバイスの1つ以上の機能又は動作と関連付けられる。いくつかの例では、電子デバイスのユーザは、特定のボタンの関連付けられた機能又は動作の制御(及び/又は、それらへのアクセス)を、認証されたユーザの限定された集合に制限することを望むことがある。
【0004】
ボタンをアクティブ化すると、従来の電子デバイスは、ボタンの制限付きの機能又は動作を実行する前にパスワード又はパスコードを要求することがあり、それによって、パスワード又はパスコードが供給されるまで従来の電子デバイスの特定の動作が停止される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で説明する特定の実施形態は、概して、生体センサを組み込んだボタンに関する。そのようなボタンと関連付けられた生体センサは、電子デバイスにより、そのボタンと関連付けられた電子デバイスの機能又は機能へのアクセスを制限するために使用することができる。そのようなボタンは、本明細書では全般的に、「制限付きアクセスボタン」と呼ばれる。
【0006】
例えば、本明細書で説明するような電子デバイスは、ヒンジにより接続される上部分と下部分とを備える筐体を含むことができる。電子デバイスは、プライマリディスプレイを筐体の上部分に一体化し、キーボードを筐体の下部分に一体化し、セカンダリディスプレイをキーボードとヒンジとの間で筐体の下部分に一体化し、セカンダリディスプレイの端部に当接している制限付きアクセスボタンを筐体の下部分内に一体化することができる。制限付きアクセスボタンは、指紋センサなどの生体センサを含むことができる。これらの実施形態では、電子デバイスは、ユーザにより制限付きアクセスボタンが押圧されるたびに、指紋の画像を取得することができる。その後、電子デバイスは、取得した指紋画像が、以前に認証されたユーザのものと一致するかどうかを判定することができ、一致した場合には、電子デバイスは、アクションを実行することができる。
【0007】
更なる実施形態は、本明細書で説明するような制限付きアクセスボタンを形成するために使用され得る構成要素及びアセンブリに関する。例えば、いくつかの実施形態では、ボタン組立体は、生体センサに加えて、圧迫可能なドームスイッチなどの電気スイッチを含むことができる。圧迫可能なドームスイッチは、限定はしないが、金属、プラスチック、ゴム、導電性ポリマー又は非導電性ポリマー、ゲルなどを含む、任意の数の好適な材料から形成することができる。いくつかの場合には、電気スイッチは、逆ドームスイッチでもよいが、これは、全ての実施形態に必須というわけではない。電気スイッチは、電気スイッチの存在によって生体センサの動作が悪影響を受けないように、生体センサの下方に配置することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、各支持棒と貫通孔(単数又は複数)の側壁との間の間隙を封止するように、支持棒(単数又は複数)の周りにシール(例えば、リングシール、ガスケットシール、コーキンなど)を配置することができる。多くの場合には、シールは、支持棒と貫通孔の側壁との間に液体不透過性バリヤを提供し得る。更に、スプリングプレートのいずれかの表面(又は両面)と電子デバイスの筐体との間に、1つ以上のシールを配設することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、生体センサ及び電気スイッチは、フレキシブル回路に連結され得る。フレキシブル回路は、ボタン組立体の下方で、電子デバイスの筐体の上面の上に折り重なるように構成され得る。フレキシブル回路は、ボタン組立体に隣接して配置される電子デバイスの要素又は特徴部の後ろに隠れていてもよい。例えば、一実施形態では、ボタン組立体は、限定はしないが、タッチ感知ディスプレイ、アダプティブ入力行、力感知入力面などのような実質的に平坦な入力面の隣に配置され得る。他の例では、フレキシブル回路は、電子デバイスの別の特徴部の後ろに隠れていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下に、添付の図面に例示された代表的な実施形態について参照する。以下の説明は、これらの実施形態を、1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではない点を理解されたい。それとは対照的に、添付の特許請求の範囲により定義されるような、記載された実施形態の趣旨及び範囲内に含まれ得る変形、修正及び均等物を網羅することが意図されている。
【0011】
【
図1A】制限付きアクセスボタンを組み込んだ例示的な電子デバイスを示す図である。
【0012】
【
図1B】
図1Aに示される領域A-Aの詳細図であり、制限付きアクセスボタンが電子デバイスの筐体の表面から盛り上がって延在する、電子デバイスの実施形態を示している。
【0013】
【
図1C】
図1Aに示される領域A-Aの詳細図であり、制限付きアクセスボタンが電子デバイスの筐体の表面と同一平面にある電子デバイスの実施形態を示している。
【0014】
【0015】
【
図2B】組み立てられた
図2Aのボタン組立体を示す図である。
【0016】
【0017】
【
図3B】ユーザによって印加され得るような下向きの力に応答して撓んでいる、
図3Aのボタン組立体を示す図である。
【0018】
【
図3C】ボタン組立体の別の実施形態の断面図である。
【0019】
【
図4】
図3Aのボタン組立体のスプリングプレートの下面図である。
【0020】
【
図5】ボタン組立体を電子デバイスの筐体に連結する方法の例示的な動作を示す図である。
【0021】
【
図6】生体センサを組み込んだボタンを動作させる方法の例示的な動作を示す図である。
【0022】
異なる図面における同じ又は類似する参照番号の使用は、類似、関連、又は同一の物品を示している。
【0023】
添付の図面におけるハッチング又はシェーディングは、全般的に、隣接する要素間の境界を明瞭にするために、また、図面の可読性を促進するために使用される。したがって、ハッチング又はシェーディングは、その有無にかかわらず、特定の材料、材料特性、要素の比率、要素の寸法、同様に図示された要素の共通性、あるいは、添付の図面に示した任意の要素についての任意の他の特徴、属性又は特性についての任意の好み又は要件を表していない、かつ示していない。
【0024】
更に、様々な特徴部及び要素(並びに、その集合及びグループ)の(相対的又は絶対的のいずれかの)比率及び寸法、並びにそれらの間に提示される境界、間隔及び位置関係は、添付の図面において、本明細書で説明する様々な実施形態の理解を促進するためにのみ提供され、したがって、それらは、必ずしも一定の縮尺で提示又は図示されているとは限らず、それを参照して説明される実施形態を除いて、図示の実施形態についての任意の好み又は要件を示すことを意図するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で説明する実施形態は、全般的に、生体センサを組み込んだ電子デバイスのための入力構成要素について言及する。本明細書で説明するような入力構成要素は、限定はしないが、ボタン、キー、スクロールホイール、ジョイスティック、力センサ、タッチセンサなどのような任意の好適な入力構成要素とすることができる。したがって、以下に説明する多くの実施形態は、例示的な入力構成要素としてボタン又はキーについて言及するが、任意の好適な入力構成要素は、本明細書で説明するシステム及び方法を使用する生体センサを組み込んでもよいことが理解できる。
【0026】
いくつかの実施形態では、電子デバイスのボタンは、生体センサを組み込んでいる。本明細書で使用する場合、用語「生体センサ」は一般に、生体被験者の1つ以上の生理又は生体識別する特徴に関係するデータを取得するように構成されたセンサを指す。電子デバイスは、電子デバイスのユーザの識別情報を判定及び/又は認証するために、生体センサを利用してもよい。多くの実施形態では、生体センサは、電子デバイスの電源ボタン内に組み込まれ得る。
【0027】
他の場合には、電子デバイスは、そのボタンと関連付けられた電子デバイスの機能又は動作へのアクセスを、以前に認証されたユーザの限定された集合に制御及び/又は制限するために、特定のボタンの生体センサを利用する。本明細書では、そのような制限は、全般的に、ボタンを押圧するユーザの識別情報を認証するために生体センサが使用された後にのみ実行され得る、ボタンの「制限付きアクション」又は「制限付き機能」と呼ばれる。
【0028】
例えば、一実施形態では、電子デバイスの電源ボタンは、生体センサ(例えば、指紋センサ)を組み込み得る。電源ボタンと関連付けられた1つ以上の機能は、認証されたユーザのみが実行することができる制限付き機能であり得る。例えば、電子デバイスをオン又はオフすることは、認証されたユーザ又はユーザのグループのみが実行することができる制限付き機能であり得る。この例では、電源ボタンを押圧した時、指紋の画像が取得され、認証されたユーザの限定された集合の以前に取得された指紋画像と比較される。取得された画像が、認証されたユーザの限定された集合の以前に取得された指紋画像のうちの1つの画像と一致すると判定された場合、電子デバイスは、電源ボタンと関連付けられた動作(例えば、オンにする、オフにする、スタンバイ状態に入るなど)を実行し得る。代替的には、取得された画像が、認証されたユーザの限定された集合の以前に取得された指紋画像のうちの1つの画像と一致しないと判定された場合、電子デバイスは、電源ボタンと関連付けられた動作を実行できない。いくつかの場合には、電子デバイスは、アクセスが拒否されたことをユーザに通知してもよい。他の場合には、電子デバイスは、いかなる様式でも反応しないことがある。
【0029】
多くの場合、ボタン内に組み込まれた生体センサは、指紋センサであり得る。ただし、これは、全ての実施形態に必須というわけではなく、限定はしないが、心拍数センサ、皮膚温度センサ、電気皮膚反応センサ、静脈撮像センサ、光彩撮像センサなどのような、他の好適な生体センサが含まれ得る。したがって、指紋センサに関して多くの実施形態を以下に説明するが、任意の好適な、又は実装形態に固有の生体センサが置換され得ることが理解できよう。本明細書では、指紋センサを組み込んだボタンは、「制限付きアクセスボタン」と呼ばれる。
【0030】
制限付きアクセスボタンは、任意の好適な様式で電子デバイスへと組み込まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、制限付きアクセスボタンは、それを組み込んだ電子デバイスの筐体からいくらかの距離延在することができる。例えば、そのようなボタンは、限定はしないが、キーボードのキー、ファンクションボタン、コマンドボタン、代替ボタン、制御ボタン、電源ボタン、シャッターボタン、スペースバー、イジェクトボタン、モードボタン、設定ボタン、ネットワーク接続ボタン、リスタートボタン、リセットボタン、ファクトリーレストアボタン、消去ボタン、ショートカットボタン、オーディオボリュームボタン、イグジットボタン、終了ボタン、マルチファンクションボタンなどであり得る。そのようなボタンを組み込んだ電子デバイスは、限定はしないが、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、周辺入力デバイス、撮像デバイス、ヘッドユニットデバイス、ナビゲーションデバイス、業務用制御デバイス、装着型電子デバイス、マルチメディアデバイスなどとすることができる。
【0031】
本明細書で説明する多くの実施形態の場合、制限付きアクセスボタンは、マルチファンクション及びマルチモードボタンである。例えば、ボタンは、ユーザが押圧した時に、対象物の画像又はビデオをキャプチャさせるカメラデバイスのシャッターボタンであり得る。換言すると、シャッターボタンは、画像キャプチャモード、ビデオキャプチャモード、オートフォーカスモード、又は任意の他の好適なモードと関連付けられ得る。これらの例では、種々のモードのボタンが、制限付き機能と関連付けられ得るのに対し、他のモードのボタンは、制限無し機能と関連付けられてもよい。本明細書で使用する場合、語句「制限無し機能」又は「制限無しアクション」は、ボタンを押圧するユーザの識別情報を認証するために指紋センサを使用することなく実行され得る、指紋センサを組み込んだボタンと関連付けられる機能又は動作を指す。換言すると、本明細書で説明するような制限付きアクセスボタンは、制限付き機能と制限無し機能の両方を実行するように構成され得ることが理解される。更に、いくつかの構成では、制限付きアクセスボタンは、制限無し機能のみを実行するように適応され得ることが理解されよう。換言すると、制限付きアクセスボタンの指紋センサは、無効化され得、及び/又は、指紋センサを包含しているボタンの機能と関連付けられない様式で使用されるように構成され得る。
【0032】
上記で提示した例に戻ると、カメラデバイスのシャッターボタンは、制限付きアクセスボタンであり得る。いくつかの例では、シャッターボタンは、制限付き機能と制限無し機能の両方と関連付けられたマルチモードボタンであり得る。例えば、画像キャプチャ機能が、制限付き機能であり得るのに対し、オートフォーカス機能は、制限無し機能でもよい。カメラは、特定の機能の制限状態を時間ごとに変更し得る。本明細書では、語句「制限状態」は全般的に、制限付きアクセスボタンの特定の機能が、制限付き機能であるか、又は制限無し機能であるかに関する。
【0033】
多くの実施形態では、制限付きアクセスボタンは、電子デバイスの他の入力構成要素と一体化するように構成される。例えば、制限付きアクセスボタンは、キーボードのキーとして組み込まれ得る。他の場合には、キーボードの各キーが、制限付きアクセスボタンであり得る。
【0034】
これらの実施形態では、制限付きアクセスボタンは、制限付きアクセスボタンの近くの電子デバイスの他の入力構成要素又は他の特徴部と合う審美的な特徴部及び特徴を含み得る。一例では、制限付きアクセスボタンの上面は、ボタンに隣接して配置される別の入力構成要素の上面と位置合わせされ、実質的に同一平面上にある。他の構成要素は、限定はしないが、別のボタン、別の制限付きアクセスボタン、電子デバイスの筐体の一部分、トラックパッド、キーボード、タッチスクリーン、スクロールバー、マイクロフォンなどのような別の入力デバイス、ディスプレイ、スピーカグリル又は入出力ポートなどのような非入力デバイス、などとすることができる。多くの実施形態では、制限付きアクセスボタンは、近くの他の構成要素と共に、実質的に連続する表面及び/又は接触する表面を形成し得る。
【0035】
本明細書で説明するような制限付きアクセスボタンは、典型的には、集合的に「ボタン組立体」と呼ばれる複数の個々の構成要素から形成される。一例では、ボタン組立体は、ボタンキャップ、電気スイッチ、指紋センサ、支持棒及びスプリングプレートを含む。多くの場合、ボタン組立体は、電子デバイスの筐体に連結するように構成される。全般的かつ概括的には、ボタンキャップは、指紋センサの上方に配置され、指紋センサは、電気スイッチの上方に配置される。本明細書では、ボタンキャップ、指紋センサ及び電気スイッチを、集合的に、制限付きアクセスボタンのボタン組立体の「上側組立体部分」と呼ぶ。
【0036】
上側組立体部分は、任意の好適な様式で、電子デバイスの筐体に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、上側組立体部分は、筐体に関して可動式であってもよいが、これは必須ではない(例えば、上側組立体部分は、いくつかの実施形態について、筐体に対して固定されていてもよい)。本明細書では、筐体に関して固定される上側組立体部分が、「固定式上側組立体」と呼ばれるのに対し、筐体に対して可動式の上側組立体部分は、「可動式上側組立体」と呼ばれる。
【0037】
固定式上側組立体は、典型的には、制限付きアクセスボタンが、それを組み込んだ電子デバイスの筐体と同一平面に載置されるような様式で配設される。ただし、他の例では、固定式上側組立体は、それを組み込んだ電子デバイスの筐体の表面から盛り上がって延在していてもよい。これらの例では、固定式上側組立体の高さは、制限付きアクセスボタンに隣接する要素の高さにほぼ等しくなるように選択され得る。一例では、固定式上側組立体は、キーボードのキーの上方に配置され、固定式上側組立体の高さは、そのキーボードのキーの高さにほぼ等しくなり得る。多くの実施形態では、固定式上側組立体の電気スイッチは、ユーザの指先の存在を検出する、容量性ボタンなどのソフトボタンであり得る。他の場合には、電気スイッチは、ユーザがボタン組立体に指先を当てた力を検出及び/又は測定する力感知スイッチでもよい。いくつかの場合には、指紋センサ自体をソフトボタンとして使用してもよく、固定式上側組立体を実装する特定の実施形態では、電気スイッチを省略してもよい。
【0038】
可動式のボタンの可動式上側組立体を、一方向に沿って制約し、別の方向(例えば、軸線)に沿って移動できるようにしてもよい。一実施形態では、可動式上側組立体は、X方向及びY方向では実質的に制約され得るが、Z方向には制約されない(しかし、跳ね返る)。換言すると、上側組立体部分は、特定の跳ね返り無しに、Z方向に沿って並進移動できるようにされ得る。他の場合には、可動式上側組立体は、別の様式で跳ね返ってもよい。一実施形態では、可動式上側組立体は、片持ち梁として構成され得る。多くの実施形態では、可動式上側組立体の電気スイッチは、ユーザの指先による力の印加時に圧潰する、ドームスイッチなどの圧迫可能なスイッチであり得る。多くの例では、ドームスイッチは、制限付きアクセススイッチを組み込んだ電子デバイスの筐体と接触して配置され得、下向きの力がボタンキャップに印加された時、ドームスイッチは、電子デバイスの筐体を押して、ドームの圧潰を促進する。ドームスイッチの圧迫可能な部分は、限定はしないが、金属、プラスチック、ゴム、導電性ポリマー又は非導電性ポリマー、ゲルなどを含む、任意の数の好適な材料から形成することができる。いくつかの場合には、電気スイッチは、逆ドームスイッチでもよいが、これは、全ての実施形態に必須というわけではない。電気スイッチは、典型的には、電気スイッチの存在によって指紋センサの動作が悪影響を受けないように、指紋センサの下方に配置される。
【0039】
多くの実施形態では、指紋センサ及び電気スイッチは、フレキシブル回路に連結され得る。フレキシブル回路は、ボタン組立体の下方で、それを組み込んだ電子デバイスの筐体の上面の上に折り重なるように構成され得る。フレキシブル回路は、ボタン組立体に隣接して配置される電子デバイスの要素又は特徴部の後ろに隠れていてもよい。例えば、一実施形態では、ボタン組立体は、限定はしないが、タッチ感知ディスプレイ、アダプティブ入力行、力感知入力面などのような実質的に平坦な入力面の隣に配置され得る。他の例では、フレキシブル回路は、電子デバイスの別の特徴部の後ろに隠れていてもよい。
【0040】
これら及び他の実施形態について、
図1~6を参照して以下で説明する。しかしながら、これらの図に関して本明細書で与えられる詳細な説明は、単に説明を目的とするものであり、限定するものとして解釈するべきではないことが、当業者には容易に理解されるであろう。
【0041】
図1A~
図1Cは、全般的に、制限付きアクセスボタンを組み込み得る例示的な電子デバイスを示す。図示のように、電子デバイスは折り畳み可能なラップトップコンピューティングデバイスであるが、そのような実装形態は必須ではない。図示の実施形態では、折り畳み可能なラップトップコンピューティングデバイス(より一般的には「ラップトップ」)は、上部クラムシェル部分及び下部クラムシェル部分を含む。下部クラムシェル部分は、押下可能なキーの複数の行を含むキーボードを組み込んでいる。制限付きアクセスボタンは、直線で囲まれた表示領域(例えば、タッチ感知ディスプレイ)に隣接して配置され、表示領域自体が全般的に、キーの最上行に隣接して、ラップトップの上部クラムシェル部分へと組み込まれるディスプレイの下方に配置される。いくつかの場合には、制限付きアクセスボタンは、直線で囲まれたディスプレイの端部に当接している。典型的には、上部クラムシェル部分は、ヒンジにより下部クラムシェル部分に接続されるが、これは、全ての実施形態に必須というわけではなく、上部クラムシェル部分は、下部クラムシェル部分に関して取り外し可能とすることができる。制限付きアクセスボタンは、固定式上部組立体又は可動式上部組立体を有してもよく、また、キーボードの筐体から盛り上がって延在してもよく(例えば、
図1B)、あるいは、キーボードの筐体と同一平面上にあってもよい(例えば、
図1C)。図示の実施形態では、制限付きアクセスボタンは、直線で囲まれた表示領域と共に実質的に連続する表面を形成するように構成される。
【0042】
より詳細には、
図1Aは、開位置におけるラップトップ100を示す。ラップトップ100は、押下可能なキーの複数の行を備えるキーボード102を含み、各キーは、ラップトップ100の下側筐体部分104a(例えば、下部クラムシェル部分)から延在している(又は、それと同一平面上にある)。ラップトップ100はまた、上側筐体部分104b(例えば、上部クラムシェル部分)中に主ディスプレイ106を含む。ラップトップ100のユーザは、ラップトップ100と対話するために、インタフェースとしてキーボード102を利用し得る。より詳細には、ユーザは、主ディスプレイ106上で、少なくとも部分的に、ラップトップ100により提示されるユーザインタフェースと対話するために、ラップトップ100を利用し得る。
【0043】
ラップトップ100はまた、タッチ感知ディスプレイ108を含む。全般的には、キーボード102のキーの最上行の上方にタッチ感知ディスプレイ108を配置することができる。タッチ感知ディスプレイ108は、ラップトップ100のユーザが選択し得るコマンド又は機能のセットに対応する指示又は視覚的な合図のセットを提示するために使用されるセカンダリディスプレイを含んでもよい。タッチ感知ディスプレイ108は、ユーザタッチ又は力入力に応答し得る。いくつかの場合には、タッチ感知ディスプレイ108を使用して、従来のキーボードの従来の静的なファンクション行と同様の機能を実行することができる。
【0044】
上述のように、タッチ感知ディスプレイ108は、ラップトップ100又はキーボード102のうちの1つ以上の入力モードに対応する視覚的な指示のセットを表示するように構成することができる。ディスプレイ上の指示は、限定はしないが、ラップトップ100又はキーボード102の1つ以上のデバイス又はハードウェア要素を制御するために使用されるハードウェア依存入力モード、ラップトップ100上で実行されているソフトウェアプログラムの1つ以上の態様を制御するために使用されるソフトウェア依存入力モード、ラップトップ100又はキーボード102のユーザが構成可能なユーザ定義モード、並びに本明細書で説明する他の入力モード例のうちの1つ以上に対応し得る。タッチ感知ディスプレイ108のディスプレイは、静的指示のセット、1つ以上のアニメーション化された指示、又は静的指示とアニメーション化された指示との組み合わせを提示するために使用され得る。
【0045】
タッチ感知ディスプレイ108のディスプレイは、タッチ感知ディスプレイ108の表面上のユーザタッチ及び力入力の様々な組み合わせ(例えば、ジェスチャ)を検出するように構成された1つ以上のタッチセンサ及び/又は力センサと一体化され得る。タッチセンサ及び/又は力センサは、タッチの場所、印加された力の大きさ及び/又は方向、並びに/あるいはタッチ感知ディスプレイ108に沿ったタッチの移動を検出するように構成されたタッチ感知面を提供することができる。タッチセンサ及び/又は力センサは、限定はしないが、タッチベースのジェスチャ、力ベースのジェスチャ、タッチパターン、タップパターン、シングルフィンガージェスチャ、マルチフィンガージェスチャ、マルチフォースジェスチャなどのような、幅広いユーザ入力を解釈するために、別々に又は組み合わせて使用してもよい。
【0046】
制限付きアクセスボタン110は、タッチ感知ディスプレイ108に隣接して配置される。多くの実施形態では、制限付きアクセスボタン110は、任意選択的には制限付きアクセスボタン110にユーザの指先を押圧しているユーザの指紋の画像を取得するために使用され得る指紋センサを含む。本明細書で説明する他の実施形態に関して述べたように、ラップトップ100及び/又はキーボード102により、制限付きアクセスボタン110を使用して、制限付きアクセスボタン110と関連付けられた機能及び/又は動作へのアクセス制御を促進することができる。
【0047】
一実施形態では、制限付きアクセスボタン110の上面110’は、実質的にタッチ感知ディスプレイ108の上面108’と実質的に同一平面上にあるように(例えば、
図1Bを参照)、及び/又は下側筐体部分104aと同一平面にあるように構成され得る。他の場合には、制限付きアクセスボタン110の上面110’は、ラップトップ100の下側筐体部分104aの上面102’と実質的に同一平面上にあるように構成され得る(例えば、
図1B を参照)。多くの場合には図示のように、制限付きアクセスボタン110は、タッチ感知ディスプレイ108と制限付きアクセスボタン110との間の継ぎ目112を実質的に隠すことができるように、タッチ感知ディスプレイ108と直接隣接して配置されても、あるいはそれに当接していてもよい(例えば、
図1B~
図1Cを参照)。制限付きアクセスボタン110がタッチ感知ディスプレイ108に当接し得る一方で、2つの構成要素間に小さい間隙(例えば、5mm未満)があってもよい。いくつかの場合には、タッチ感知ディスプレイ108及び制限付きアクセスボタン110は、同じ材料から形成されても、及び/又は同じ構成要素の一部を共有してもよい。これらの実施形態では、制限付きアクセスボタン110は、タッチ感知ディスプレイ108の一部分を形成する。
【0048】
一例では、制限付きアクセスボタン110は、マルチモード電源ボタンである。電源ボタンは、ラップトップ100の電力状態及び/又はキーボード102の電力状態を変更するように構成され得る。
【0049】
一例では、ユーザが電源ボタンを押圧した時、キーボード102は、ボタンが押圧された信号をラップトップ100に送信することができる。それに応答して、ラップトップ100は、限定はしないが、オン電力状態、オフ電力状態、スタンバイ電力状態、低電力状態、又は任意の他の好適な電力状態などの種々の電力状態に遷移し得る。電源ボタンの1つ以上の機能が、制限付き機能であり得るのに対し、電源ボタンの他の機能は、制限無し機能でもよい。より詳細には、この例ではラップトップ100により実行される、様々な電力状態間で遷移する動作は、制限付きアクションでも、あるいは制限無しアクションでもよい。一例では、オフ電力状態からオン電力状態への遷移が、制限無しアクションであり得るのに対し、オン電力状態からオフ電力状態への遷移は、制限付きアクションでもよい。別の非限定的な語法では、ラップトップ100は、任意のユーザがラップトップ100又は別の関連付けられた電子デバイスをオンできるようにし得る一方で、特定のユーザのみがラップトップ100をオフできるようにし得る。
【0050】
これらの例では、ユーザが制限付きアクセスボタン110を押圧した時に、ラップトップ100は最初に、ラップトップ100又はキーボード102により実行しようとするアクション又は機能が、制限付きアクションであるか、あるいは制限無しアクションであるかを判定し得る。アクションが制限付きアクションである場合、指紋の画像は、制限付きアクセスボタン110の指紋センサにより取得され得る。次いで、制限付きアクセスボタン110を押圧したユーザが、要求された機能を実行することを認証されているかどうかを判定するために、取得された指紋画像を、以前に取得された指紋画像(又はテンプレート)のセットの各指紋画像(又はテンプレート)と比較し得る。代替的には、アクションが制限無しアクションである場合、ラップトップ100は、指紋画像を最初に取得することなく、アクションを実行してもよい。
【0051】
更なる実施形態では、制限付きアクセスボタン110は、異なる様式で動作するように構成され得る。例えば、制限付きアクセスボタン110は、制限付きアクセスボタン110に最後にタッチしたユーザの識別情報、及び/又は、制限付きアクセスボタン110が取得した未認識の指紋に関係する情報を記録及び/又はロギングするように構成され得る。
【0052】
いくつかの場合には、指紋画像を取得し、その指紋を既知の画像と比較する動作は、ラップトップ100により実行され得る。他の例では、動作は、ラップトップ100により実行され得る。更に別の例では、動作は、制限付きアクセスボタン110に連結された又はその中に配設されたプロセッサ又は回路により実行され得る。
【0053】
制限付きアクセスボタン110の指紋センサにより取得された指紋の認識後、ラップトップ100、キーボード102又は制限付きアクセスボタン110により、様々な動作のうちの1つが実行され得る。例えば、一実施形態では、制限付きアクセスボタン110の指紋センサにより指紋画像が取得され、認識された後 、キーボード102は、ラップトップ100に信号を送信し、要求されたアクションを実行するようにラップトップ100に命令し得る。別の例では、制限付きアクセスボタン110の指紋センサにより指紋画像が取得され、認識された後 、キーボード102は、ラップトップ100に暗号化信号、セキュリティ証明書、パスワード又は他の情報を送信し、キーボード102がユーザを識別したことをラップトップ100に通知する。ラップトップ100は、受信した情報を分析して、ユーザが要求されたタスクを実行することを認証されているかどうかを判定し得る。
【0054】
更なる実施形態では、ラップトップ100及び/又はキーボード102は、センサを含んでいるボタンとは別個の指紋センサを利用することができる。例えば、指紋画像データは、指紋センサを含んでいるボタンを押圧することなく、ラップトップ100のユーザから取得され得る。更に他の場合には、指紋センサは、それぞれのボタン又は関連付けられたアクションのアクティブ化とは別個に、ユーザの指紋を撮像するように構成され得る。より詳細には、ボタンは、ラップトップ100により実行することができるデフォルト機能を有してもよく、このデフォルト機能は、後で指紋画像を認識した後にのみ変更、更新、強化又は拡張され得る。例えば、これらの実施形態では、ボタンが完全に押圧された後に、指紋画像を撮ってもよい。
【0055】
多くの場合、ラップトップ100及び/又はキーボード102は、タスクを実行するために、完全なボタン押圧と認証された指紋の両方を要求することができる。例えば、ボタンが電源ボタンである場合には、ラップトップ100又はキーボード102をオンにするために、認証されたユーザによる完全なボタン押圧が要求され得る。このようにすると、電子デバイスを電源投入するために、2つの異なる種類の入力が要求される。
【0056】
更なる実施形態では、ラップトップ100及び/又はキーボード102は、制限付きアクセスボタン110の様々な機能及び/又は動作との関連付けを解除された様式で、制限付きアクセスボタン110内の指紋センサを利用することができる。例えば、ラップトップ100は、ラップトップ100又はキーボード102のユーザが、ユーザの指先を制限付きアクセスボタン110上に置くことによって、ユーザの識別情報を認証することを周期的に要求してもよい。ラップトップ100は、限定はしないが、ラップトップ100が実行するアプリケーション又はプログラムへのアクセスを許可すること、ラップトップ100が実行するアプリケーション又はプログラムの機能へのアクセスを許可すること、電子購買を完了すること、ラップトップ100に記憶された又は場合によっては当該ラップトップがアクセス可能な機密情報及び/又は個人情報にアクセスすること、ラップトップ100に記憶された又は場合によっては当該ラップトップがアクセス可能なシステムレベルファイル及び/又はディレクトリにアクセスすること、ラップトップ100と別のローカル又はリモートな電子デバイスとの間の通信リンクの確立を承認又は拒否すること、特定のユーザと関連付けられた設定を、ラップトップ100又はその上で動作するアプリケーション又はプログラムに適用することなどのために、ラップトップ100のユーザが自分の識別情報を認証することを要求し得る。
【0057】
図1A~
図1Cに示した実施形態並びにその様々な代替形態及びその変形形態についての上記の説明は、全般的に、説明を目的とし、本明細書に提示される詳細な実施形態の完全な理解を促進するために提示される。しかしながら、当業者には、本明細書に提示される具体的詳細の一部は、特定の説明した実施形態又はその等価物を実施するために必須というわけではないことが、明らかとなるであろう。それゆえ、具体的な実施形態の上述の及び以下の説明は、例示及び説明の限定された目的のために提示されることが理解される。これらの説明は、網羅的であることも、又は本明細書に記載される厳密な形態に本開示を限定することも、目的としていない。反対に、上記の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能であることが当業者にとっては明らかであろう。特に、
図1A~
図1Cに示した制限付きアクセスボタンは、複数の好適でかつ実装形態に固有のやり方で実装できることが理解できよう。
【0058】
図2Aは、
図1Cのボタン組立体の分解断面組立図を示している。ボタン組立体200は、上側組立体部分202と下側組立体部分204とを含む。上側組立体部分202は、ボタンキャップ206、指紋センサ208及び圧迫可能なドームスイッチ210を含む。下側組立体部分204は、スプリングプレート212及び1つ以上の締め具214を含む。
【0059】
最初に、上側組立体部分202と、下側組立体部分204と、ボタン組立体200が連結され得る電子デバイス(
図1Cに示すラップトップ100など)の筐体216との間の双方向作用について言及する。
【0060】
全般的かつ概括的には、上側組立体部分202と下側組立体部分204とは、筐体216中に画定された開口を通じて互いに連結するように構成される。筐体216は、一体部品として形成することができ、あるいは、複数の部品を互いに取り外し可能に又は永続的に接着すること、又は場合によっては取り付けることによって形成してもよい。筐体216の一部分は、限定はしないが、金属、非晶質金属、ガラス、サファイア、プラスチック、セラミック、合成材料、有機材料など、あるいはそれらの任意の好適な実装形態に固有の組み合わせ又はそれらの混合物を含む、任意の好適な材料で作製することができる。いくつかの場合には、筐体216の一部分は、異方性又は等方性の電気特性又は磁気特性を呈し得る。筐体216は、限定はしないが、機械加工、成形、インサート成形、トランスファー成形、キャスティング、又は任意の他の好適なプロセス若しくはプロセスの組み合わせなど、任意の数の好適なやり方で形成され得る。
【0061】
筐体216は、切り欠き図で示されており、上側組立体部分202を着座させることができる窪み218の一部分が露出している。窪み218は、その上面から筐体216へと延在している。窪み218の深さは、実施形態によって変動し得る。窪み218は、典型的には、上側組立体部分202の少なくとも1つの要素の周縁形状に従うように寸法決めされる。例えば、図示のように、窪み218は、丸みを帯びた矩形の全体形状である。他の場合には、窪み218は、別の形状を取ってもよい。窪み218は、限定はしないが、機械加工、成形、トランスファー成形、キャスティング、又は任意の他の好適なプロセス若しくはプロセスの組み合わせなど、任意の数の好適なやり方で、筐体内に形成され得る。
【0062】
窪み218は、貫通孔220として各々が特定される、4つの独立した貫通孔を画定する。上側組立体部分202は、下側組立体部分204に連結するために、貫通孔220を通って延在する部分を含む。多くの実施形態では、貫通孔220は、概ね円筒形の形状であるが、これは、全ての実施形態に必須というわけではない。同様に、多くの実施形態では4つの貫通孔が含まれるが、これは必須ではない。他の実施形態では、より多数の貫通孔220を実装しても、あるいはより少数の貫通孔220を実装してもよい。
【0063】
上述のように、上側組立体部分202は、ボタンキャップ206、指紋センサ208及び圧迫可能なドームスイッチ210を含む。次に、ボタンキャップ206の様々な部分、構成要素及び機能について言及する。
【0064】
ボタンキャップ206は、一体部品として形成することができ、あるいは、複数の部品を互いに取り外し可能に又は永続的に接着すること、又は場合によっては取り付けることによって形成してもよい。ボタンキャップ206の一部分は、限定はしないが、金属、ガラス、サファイア、プラスチック、セラミック、合成材料、有機材料など、又はそれらの任意の好適な実装形態に固有の組み合わせ又は混合物を含む、任意の好適な材料で作製することができる。いくつかの場合には、ボタンキャップ206の一部分は、異方性又は等方性の電気特性又は磁気特性を呈し得る。図示のように、多くの実施形態では、ボタンキャップ206は、実質的に平坦な上側表面(例えば、上面)を有してもよい。多くの場合、ボタンキャップ206の上側表面は、少なくとも部分的に、その動作寿命にわたって何回もユーザに押圧され得るボタンキャップに特に好適な特性を呈する材料から形成され得る。好適な特性には、疎油特性、疎水特性、反射防止特性、鏡状品質、アンチスクラッチ特性、防汚特性などが含まれ得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、ボタンキャップ206は、(
図3A~
図3Cに示すように)フレーム及びカバーを含むことができる。ボタンキャップ206のフレームの一部分は、限定はしないが、金属、ガラス、サファイア、プラスチック、セラミック、合成材料、有機材料など、又はそれらの任意の好適な実装形態に固有の組み合わせ又は混合物を含む、任意の好適な材料で作製することができる。カバーは、典型的には、限定はしないがサファイア、ガラス、プラスチックなど、誘電材料又は絶縁材料から形成される。
【0066】
ボタンキャップ206は、貫通孔220のうちの1つの中に載置されるように各々が構成された、4つの独立した支持棒により支持され得る。支持棒はそれぞれ、
図2Aにおいて、支持棒222として識別される。支持棒222の各々は、一体部品として形成することができ、あるいは、複数の部品を互いに取り外し可能に又は永続的に接着すること、又は場合によっては取り付けることによって形成してもよい。個々の支持棒の一部分は、限定はしないが、金属、ガラス、サファイア、プラスチック、セラミック、合成材料、有機材料など、又はそれらの任意の好適な実装形態に固有の組み合わせ又は混合物を含む、任意の好適な材料で作製することができる。いくつかの場合には、個々の支持棒の一部分は、異方性又は等方性の電気特性又は磁気特性を呈し得る。多くの実施形態では、支持棒222は、概ね円筒形の形状であるが、これは、全ての実施形態に必須というわけではない。同様に、多くの実施形態では4つの支持棒が含まれるが、これは必須ではない。他の実施形態では、より多数の支持棒を実装しても、あるいはより少数の支持棒を実装してもよい。
【0067】
多くの場合、各支持棒を同じ材料から作製することができるが、これは必須ではない。支持棒222はそれぞれ、剛性でも、又はそれぞれ可撓性でもよく、あるいは、異なる支持棒は、異なる相対柔軟度を有してもよい。いくつかの実施形態では、支持棒222は、ボタンキャップ206のフレームの一部分として形成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、各支持棒と貫通孔220の側壁との間の間隙を封止するように、支持棒222の周りにシール(例えば、リングシール、ガスケットシール、コーキンなど)を配置することができる。いくつかの場合には、シールは、支持棒222と貫通孔220の側壁との間に液体不透過性バリヤを提供し得る。他の場合には、シールは、ボタン組立体200を筐体216から電気的に絶縁し得る。更に、スプリングプレート212のいずれかの表面(又は両面)と電子デバイスの筐体216との間に 、1つ以上のシールを配設することができる。
【0069】
また、ボタンキャップ206は、バンパー224を含んでもよい。バンパー224は、ボタンキャップ206の背面から延在するように構成され得る。バンパー224は、ボタンキャップ206の一部分と同じ材料から形成され得るが、これは必須というわけではない。例えば、バンパー224は、限定はしないが、ゴム、発泡体、プラスチック、シリコーンなどのような材料から形成され得る。
【0070】
バンパー224は、窪み218の表面に衝突するように構成され得る。このようにすると、バンパー224は、ユーザにより下向きに押された際のボタンキャップ206の移動を制御及び/又は画定する。
【0071】
いくつかの場合には、図示されるように、バンパーを1つだけ含んでもよい。これらの実施形態では、バンパー224はまた、片持ち梁及び/又は支柱として機能し得る。換言すると、バンパー224が窪み218の表面に衝突するような十分な距離だけユーザによりボタンキャップ206が押下されると、ボタンキャップ206は、バンパー224から離れた一定の角度で片持ちになり得る。
【0072】
上述のように、上側組立体部分202は、ボタンキャップ206、指紋センサ208及び圧迫可能なドームスイッチ210を含む。次に、指紋センサ208及び圧迫可能なドームスイッチ210について言及する。
【0073】
本明細書で説明する他の実施形態に関して上記したように、制限付きアクセスボタンは、任意の数の好適な生体センサを含んでもよく、そのうちの1つが指紋センサであり得る。図示の実施形態では、指紋センサ208は、概ね正方形の形状であるが、これは、全ての実施形態に必須というわけではない。例えば、いくつかの場合には、指紋センサ208は、円形形状又は矩形形状でとすることができる。
【0074】
指紋センサ208は、限定はしないが、任意の好適な指紋撮像又は容量検知、光学検知、電気インピーダンス検知、音響インピーダンス検知など含む検出技術を用いて実装することができる。いくつかの例では、指紋センサ208は、指紋画像を取得するように構成された電気構成要素に加えて、複数の独立した電気構成要素を含むことができる。例えば、指紋センサ208は、限定はしないが、アナログ回路構成要素、デジタル回路構成要素、プロセッサ、デジタル論理回路、メモリ回路、又は任意のそれらの組み合わせを含むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、指紋センサ208は、静電容量式センサ、電気インピーダンスセンサ、超音波センサなどのような、電極の2次元アレイを含んでもよい。指紋センサ208は、ユーザがユーザの指先でボタンキャップ206に接触した時に、ユーザの指紋の画像が取得され得るように、ボタンキャップ206の下面(又はそのカバー)に配設され得る。
【0076】
圧迫可能なドームスイッチ210は、圧迫時に電気回路を完成するように構成された任意の好適なドームスイッチであり得る。多くの例では、圧迫可能なドームスイッチ210は、限定はしないが、金属、プラスチック、ガラス添加プラスチック、ポリマーなどを含む、任意の数の好適な材料で作製され得る圧縮性ドームを含む。他の例では、単に触覚フィードバックを提供するために、圧迫可能なドームスイッチ210を含んでもよい。
【0077】
次に、上側組立体部分202の様々な要素及び構成要素を組み立てる順序について言及する。多くの実施形態では、図示のように、指紋センサ208は、ボタンキャップ206の下方に配置され得る。指紋センサ208は、ボタンキャップ206の下面に当接し得る。ボタンキャップ206がフレーム及びカバーを含む実施形態の場合、指紋センサ208は、少なくとも部分的にフレームの中に配設されていても、又はカバーの下側に当接するように配置されてもよい。
【0078】
多くの場合、指紋センサ208は、支持棒222が外接する区域内に載置され得る。例えば、指紋センサ208は、指紋センサ208の各角部が、支持棒222のうちの1つに隣接するように位置合わせされ得る。別の例では、指紋センサ208は、支持棒222に関して一定の角度で位置合わせされ得る。例えば、指紋センサ208は、支持棒222のレイアウトに関して45度回転していてもよい。
【0079】
多くの実施形態では、圧迫可能なドームスイッチ210は、指紋センサ208の下方に配置される。この構成により、指紋センサ208の動作が圧迫可能なドームスイッチ210の存在による影響を受けないことが保証される。いくつかの例では、指紋センサ208及び圧迫可能なドームスイッチ210は、互いに連結されていてもよく、例えば、圧迫可能なドームスイッチ210は、指紋センサ208の背面に接着されても、又は場合によっては取り付けられてもよい。他の実施形態では、圧迫可能なドームスイッチ210及び指紋センサ208は、限定はしないが、発泡パッド、セパレータ、スペーサ、シムなどのような、1つ以上の中間要素により分離され得る。
【0080】
圧迫可能なドームスイッチ210は、窪み218の表面の上方に配置され得る。このようにすると、ユーザがボタンキャップ206を下向き方向に(例えば、負のZ方向に)押した時、圧迫可能なドームスイッチ210は、指紋センサ208と窪み218の表面との間で圧迫され得る。
【0081】
上述のように、多くの実施形態では、指紋センサ208は、ユーザよる力に応答して、ボタンキャップ206と共に移動するように構成される。他の場合には、指紋センサ208は静止していることがあり、ボタンキャップ206が、それに関して移動し得る。
【0082】
次に、スプリングプレート212及び1つ以上の締め具214を含む、下側組立体部分204について言及する。
【0083】
全般的かつ概括的には、スプリングプレート212は、支持棒222を介してボタンキャップ206に上向きの付勢力を提供するように機能する。スプリングプレート212は、任意の数の好適なやり方で実装することができる。例えば、図示の実施形態では、スプリングプレート212は、内側舌状部226及び外側舌状部228と各々が標示された2つの独立した舌状部を形成する、2つの反対側を向いた切り欠き部を備えるプレートとして形成される。内側舌状部226は、外側舌状部228内に画定される。多くの場合、スプリングプレート212は、金属から形成されるが、これは、全ての実施形態に必須というわけではない。例えば、スプリングプレート212は、金属、プラスチック、強化プラスチック、アクリルなどのうちの1つ以上の層、又はその積層体として形成することができる。
【0084】
典型的な実施形態では、スプリングプレート212は、筐体216の内側表面に固定され得る。多くの場合、スプリングプレート212を筐体216に取り付けるために、締め具214のうちの1つ以上を使用することができる。一実施形態では、内側舌状部226は、筐体216に直接連結される。このようにすると、スプリングプレート212の残りの部分が、筐体216へと離反する ように構成されることができる。より詳細には、スプリングプレート212の周縁は、外側舌状部228と共に、筐体216の内側表面から離れて撓むように構成され得る。多くの例では、この構成により、ボタンキャップ206の実質的に均一な(例えば、X方向及びY方向に制約された、Z方向に実質的に平坦な)下向きの並進移動が可能になる。多くの例では、上記のように、ボタンキャップ206のバンパー224は、ボタンキャップ206が下向きに特定の距離並進移動した後に、窪み218の表面に衝突し得る。例えば、ボタンキャップ206のバンパー224は、貫通孔220のうちの2つの間にある窪み218の表面に衝突し得る。バンパー224が前記表面に衝突した後、ボタンキャップ206は、片持ち様式で下向きに、支柱としてのバンパー224上で枢動し続け得る。理解できるように、スプリングプレート212の構成は、この片持ち運動もまた促進することができ、このようにすると、スプリングプレート212は、片持ち運動に加えて、実質的に平坦な下向き運動も促進する。
【0085】
更に、多くの実施形態では、内側舌状部226及び外側舌状部228は、スプリングプレート212中に直線的に位置合わせされた切り欠き部として形成される。切り欠き部は、図示のように、U字型とすることができる。図示の実施形態では、内側舌状部226は、より大きいU字型の外側舌状部228内にはめ込まれた小さい逆U字型である。特に、これらの及び他の実施形態では、内側舌状部226及び外側舌状部228は、バンパー224が筐体206の窪み218の表面に衝突した後に、ボタンキャップ206が片持ち様式で移動し得る方向に位置合わせされる。別の非限定的な語法では、スプリングプレート212の舌状部は、スプリングプレート212が、X方向には実質的に制約されたまま、Z方向及びY方向に沿って屈曲し、撓むことができるように位置合わせされることが理解できよう。多くの実施形態では、この構成により、電子デバイスの筐体206とボタンキャップ206との間の寸法公差を厳しくすることができる。同様に、この構成により、ボタンキャップ206と直線で囲まれた表示領域232(例えば、タッチ感知ディスプレイ)との間の寸法公差を厳しくすることができる。
【0086】
したがって、全般的かつ概括的には、本明細書で説明する多くの実施形態の場合、スプリングプレート212は、限定はしないが以下を含む、いくつかの目的を果たし得る:ボタン組立体のボタンキャップに上向きの付勢力を与えること、Z方向に沿った実質的に平坦な下向きの並進移動を促進すること、Y方向に沿った片持ちの、又は部分的に角度の付いた並進移動を促進すること、X方向に沿った任意の運動又は並進移動を制約すること、など。
【0087】
他の実施形態では、スプリングプレート212は、ボタンキャップ206などのボタンキャップのより制約された運動又はあまり制約されていない運動を提供するのに適した他の様式で実装され得ることを理解されたい。更に、
図2A~
図2Bを示したスプリングプレート212の特定のジオメトリは、一例にすぎず、異なる実施形態では、スプリングプレート212の他の構成が好適であり得ることを理解されたい。
【0088】
多くの実施形態では、ボタンキャップ206の支持棒222は、スプリングプレート212の外側舌状部228の一部分に連結するために、筐体216を通って延在する。このようにすると、ユーザがボタンキャップ206を押圧した時に、支持棒222は、貫通孔220を介して筐体216の中へと移動し、それによって、スプリングプレート212の外側舌状部228を筐体に関して内向きに屈曲させ得る。ユーザがボタンキャップ206を放すと、スプリングプレート212は、ボタンキャップ206をその元の位置に戻すように、上向きの付勢力を提供する。
【0089】
次に、指紋センサ208及び/又は圧迫可能なドームスイッチ210は、別の回路を、それらを組み込んだ電子デバイスと連結し得る。
【0090】
図示の実施形態では、指紋センサ208及び電気スイッチは、フレキシブル回路230に連結され得る。フレキシブル回路230は、上側組立体部分202の下方で、電子デバイスの筐体216の上面の上に折り重なるように構成され得る。フレキシブル回路230は、直線で囲まれた表示領域232など、ボタン組立体200に隣接して配置される電子デバイスの要素又は特徴部の後ろに隠れていてもよい。直線で囲まれた表示領域232は、
図1A~
図1Cのタッチ感知ディスプレイ108に対応することができる。
【0091】
本明細書で説明する他の実施形態に関して述べたように、
図2Bに示したようにボタン組立体200が組み立てられた時、ボタンキャップ206の上面206’は、直線で囲まれた表示領域232の上面232’(又は、近くに配置された別の要素)と実質的に同一平面上であり得る。図示したような多くの実施形態では、ボタンキャップ206の上面206’はまた、電子デバイスの筐体216の上面216’と実質的に同一平面上にあり得る。
【0092】
多くの場合、ボタンキャップ206の材料は、直線で囲まれた表示領域232の上面232’の材料と同じであり得る。一例では、材料は、ガラス又はサファイアであり得る。
【0093】
本明細書で説明される他の実施形態と同様に、
図2A~
図2Bに示した実施形態並びにその様々な代替形態及びその変形形態についての上記の説明は、全般的に、説明を目的とし、本明細書に提示される詳細な実施形態の完全な理解を促進するために提示される。しかしながら、当業者には、本明細書に提示される具体的詳細の一部は、特定の説明した実施形態又はその等価物を実施するために必須というわけではないことが、明らかとなるであろう。それゆえ、具体的な実施形態の上述の及び以下の説明は、例示及び説明の目的のために提示されることが理解される。これらの説明は、網羅的であることも、又は本明細書に記載される厳密な形態に本開示を限定することも、目的としていない。反対に、上記の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能であることが当業者にとっては明らかであろう。特に、
図2A~
図2Bに示したボタン組立体は、追加部品又は上述したものよりも少数の部品を用いて、複数の好適でかつ実装形態に固有のやり方で実装することができることが理解できよう。
【0094】
全般的かつ概括的には、
図3A~
図3Cは、断面線B-Bに沿った
図2Bのボタン組立体を示す。これらの図は、ボタン組立体が電子デバイスの筐体に完全に組み立てられた後のボタン組立体の様々な構成要素間の関係を示す。
【0095】
特に、
図2BのセクションB-B を通る、
図2Bのボタン組立体の断面図である
図3Aについて次に言及する。ボタン組立体200は、筐体216中に画定された開口を通じて上側組立体部分が下側組立体部分に連結した状態で示されている。ボタンキャップ206は、フレーム234がカバー236を支持した状態で示されている。カバー236は、フレーム234から延在するリップ238によって、フレーム234内で支持される。指紋センサ208は、センサ部分240と基板部分242とを含み、カバー236の下方に配設される。いくつかの場合には、図示のように、指紋センサ208は、少なくとも部分的に、リップ238の後ろに配置される。圧迫可能なドームスイッチ210は、指紋センサ208の基板部分242の下側に結合される。支持棒222は、筐体216を通って延在し、締め具214により、スプリングプレート212に結合される。
【0096】
この構成では、ボタンキャップ206は、筐体216の上面及び直線で囲まれた表示領域232と実質的に同一平面上にある。これらの場合、ボタンキャップ206と直線で囲まれた表示領域232との間の継ぎ目244を最小にすることができる。多くの実施形態では、ボタンキャップ206と窪み218の側壁の縁部(図示せず)との間の継ぎ目246は、
図3Bに示すように、ボタンキャップ206が押下され、バンパー224が筐体216の窪み208の上面に衝突した時に、ボタンキャップ206の部分的な片持ち回転を促進するように選択される幅を有することができ、内側舌状部226の一部分は、ユーザにより印加された下向きの力Fの結果として部分的に撓んでいることが分かる。
【0097】
片持ち回転は、ボタンキャップ206は、直線で囲まれた表示領域232に衝突せずに、接触せずに、負荷を伝達せずに、又は場合によっては、その動作に干渉せずに、圧迫する ことを可能にする。また、継ぎ目246は、ボタンキャップ206が筐体216に接触することを防止するように選択され得る。換言すると、継ぎ目246は、ボタンキャップ206と筐体216との間の電気的分離を維持することができるように選択され得る。多くの実施形態では、電気的分離は、指紋センサ208の動作を支援し得る。いくつかの場合には、継ぎ目244、246のいずれか又は両方に、シリコーンなどの可撓性材料を充填してもよい。
【0098】
いくつかの場合には、カバー236は、
図3A~
図3Bに示すように、フレーム234の一部分のみにわたって延在し得る。他の場合には、カバー236は、
図3Cに示すように、ボタンキャップ206の上面全体にわたって延在してもよい。いくつかの場合には、フレーム234は、導電性でも、指紋センサ208に電気接続されていてもよい。一例では、
図3A~
図3Bに示すように、フレーム234は、指紋センサ208のための接地リングとして機能し得る。他の場合には、
図3Cに示すように、フレーム234は、非接触接地リングとして機能してもよい。
【0099】
図4は、
図3Aのボタン組立体のスプリングプレートの下面図であり、下側組立体部分204を示している。下側組立体部分204は、筐体216中に画定された貫通孔220を通って延在する支持棒222を介して上側組立体部分202に連結された、スプリングプレート212を含む。スプリングプレート212は、締め具214により、内側舌状部226において筐体216に連結される。このようにすると、外側舌状部228とスプリングプレート212の残りの部分とは、ボタンキャップ206の押圧に応答して、筐体216へと自由に延在し得る(図示せず)。
【0100】
図2A~
図4に示した実施形態は、制限付きアクセスボタンを電子デバイスの筐体に取り付けるために使用され得るボタン組立体の実施形態の一例にすぎないことが理解できよう。したがって、その多くの変形形態及び多くの実装形態が、本明細書に提供される開示に鑑みて可能であり得ることが理解される。
【0101】
図5は、ボタン組立体を電子デバイスの筐体に連結する方法の例示的な動作を示す。方法500は、動作502において開始し 、スプリングプレートを電子デバイスの筐体の内側部分に取り付ける。スプリングプレートは、限定はしないが、筐体とスプリングプレートとの間に塗布された接着剤、筐体とスプリングプレートとを連結する機械的締め具(ねじ又はリベットなど)、筐体へのスプリングプレートの溶接などにより固定されることを含めて、任意の数の好適なやり方で、筐体に永続的に又は取り外し可能に固定され得る。
【0102】
典型的には、
図2A~
図2Bに示した実施形態に関して述べたように、スプリングプレートは、筐体中に画定された開口の下方で筐体に固定され得る。開口は、ボタン組立体のフレームの一部分が、筐体を通って延在し、スプリングプレートに連結できるようにする。それに応じて、動作504において、方法は、ボタンフレームをスプリングプレートに固定することによって継続する。ボタンフレームは、限定はしないが、ボタンフレームとスプリングプレートとの間に塗布された接着剤、ボタンフレームとスプリングプレートとを連結する機械的締め具(ねじ又はリベットなど)、スプリングプレートへのボタンフレームの溶接などにより固定されることを含めて、任意の数の好適なやり方で、筐体 に永続的に又は取り外し可能に固定され得る。
【0103】
図6は、生体センサを組み込んだボタンを動作させる方法の例示的な動作を示す。方法600は、
図1A~
図1Cに示したラップトップ100又はキーボード102などの電子デバイスにより実行され得る。他の例では、方法600は、少なくとも部分的に、限定はしないが、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のデジタル回路、1つ以上のアナログ回路、互いに通信する(リモート又はローカルのいずれかの)1つ以上のコンピューティングデバイス、非一時的メモリに記憶されたコンピュータ実行可能命令又はプロセッサ実行可能命令、あるいはそれらの任意の組み合わせにより実行することができる。
【0104】
方法600は、動作602において開始し、ボタン押圧を検出し得る。ボタン押圧は、限定はしないが、静電容量式センサ、抵抗センサ、電気インピーダンスセンサ、圧潰可能なドームスイッチ、傾斜スイッチ、圧電電荷検出器などにより検出され得る。いくつかの場合には、ボタン押圧は、生体センサにより検出され得る。他の場合には、ボタン押圧は、ドームスイッチなどの電気スイッチにより検出してもよい。
【0105】
次に、動作604において、生体センサにより、生体データを取得することができる。多くの例では、生体データは指紋であり得る。他の例では、生体データは、限定はしないが、心拍数、血中酸素、呼吸数、平均動脈圧、電気皮膚反応、静脈パターンなどの任意の他の好適な生体データでもよい。いくつかの例では、複数の生体特徴を取得してもよい。例えば、一実施形態では、指紋及び心拍数が測定され得る。他の例では、指紋及び電気皮膚反応が測定され得る。他の場合には、異なる生体特徴又は特徴の組み合わせを測定しても、又は場合によっては取得してもよい。
【0106】
次に、動作606において、動作604において取得された生体データを分析し得る。一例では、生体データを、以前に取得したデータ(又は、又は以前に取得したデータから導き出されるテンプレートデータ)と比較し得る。例えば、動作604において取得した指紋画像を、以前に取得した指紋画像及び/又は以前に取得された指紋画像から導き出されるテンプレートのセットの各々と比較し得る。
【0107】
動作604において取得した生体データが、以前に取得したデータ(又はテンプレート)の少なくとも1つのそれ と一致する統計的尤度を判定するために、生体データを、以前に取得されたデータ(又はテンプレートデータ)と比較してもよい。いくつかの例では、統計的尤度は、取得した生体データが、以前に取得した生体データの少なくとも1つに対する一致である信頼区間を表す一致係数であり得る。多くの場合、一致係数は、閾値と比較され得、一致係数が閾値を超えた場合のみ、肯定一致が識別される 。
【0108】
他の場合には、肯定一致を識別すべきかどうかを判定するために、生体データを閾値と直接比較することができる。例えば、生体データがユーザの心拍数に関する場合、生体データを分析する動作は、ユーザの測定心拍数が、特定の最小閾値を超えるかどうかを判定することを含み得る。他の場合には、最大閾値を使用してもよい。なお更なる場合には、生体データが特定の範囲内に入るかどうかを判定してもよい。
【0109】
(例えば、以前に取得した生体データとの比較により、及び/又は所定の閾値との比較により)肯定一致が判定されると、方法は、動作608に進むことができ、ボタンと関連付けられたコマンドを起動する。いくつかの事例では、肯定一致が判定されない場合、及び/又は、ボタンと関連付けられた機能又はコマンドを実行することをユーザが認証されていない場合、ボタン押圧は、デバイスにより無視又は抑止され得る。
【0110】
本明細書で説明し、示した多くの実施形態は、キーボードデバイス内に組み込まれた制限付きアクセスボタンについて言及してきたが、他の実装形態は他のフォームファクタを取ることができること理解されたい。したがって、本明細書で説明する様々な実施形態、並びに、その機能、動作、構成要素及び能力は、必要に応じて、他の要素と組み合わせもよく、したがって、任意の要素又は特徴部の任意の物理的な、機能に関する又は動作に関する説明は、他を除外して、特定の実施形態にのみ限定されることを意図されない。
【0111】
例えば、電子デバイスは、ラップトップキーボードとして
図1A~
図1Cに示されているが、他の電子デバイスが企図されることが理解できよう。例えば、電子デバイスは、異なる周辺入力デバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、ハンドヘルド型入力デバイス、タブレットコンピューティングデバイス、セルラー電話、ウェアラブルデバイスなどとして実装することができる。
【0112】
更に、電子デバイスは、制限付きアクセスボタン110と直接的に又は間接的にインタフェース又は相互動作する1つ以上の構成要素を含むことができるが、それらは、図解を簡単にするために、
図1A~
図1Cには示していないことが理解できよう。例えば、電子デバイスは、メモリ、電源、1つ以上のセンサ、1つ以上の通信インタフェース、並びに、ディスプレイ、スピーカ、回転式入力デバイス、マイクロフォン、オン/オフのボタン、ミュートボタン、別個の生体センサ、カメラ、力及び/又はタッチ感知トラックパッドなどの1つ以上の入出力デバイス、などと通信する、又はそれに連結されるプロセッサを含み得る。
【0113】
いくつかの実施形態では、通信インタフェースは、電子デバイスと外部通信ネットワーク、デバイス(ラップトップ100など)又はプラットホームとの間に電子通信を提供する。通信インタフェースは、無線インタフェース、Bluetooth(登録商標)は、インタフェース、ユニバーサルシリアルバスインタフェース、Wi-Fiインタフェース、TCP/IPインタフェース、ネットワーク通信インタフェース、又は任意の従来の通信インタフェースとして実装することができる。電子デバイスは、通信に加えて、外部に接続された若しくは通信するデバイス及び/又はそのようなデバイス上で実行するソフトウェアに関係する情報、メッセージ、ビデオ、動作コマンドなどを提供し得る(並びに、外部デバイスから前記のもののいずれかを受信し得る)。上記のように、図解を簡単にするために、電子デバイスは、これらの要素のうちの多くを図示せずに、
図1A~
図1Cに示されており、上記要素の各々は、部分的に、任意選択的に、又は完全にラップトップ100内に含まれ得る。
【0114】
本明細書で使用する場合、語句「ラップトップコンピュータ」及び「ラップトップコンピューティングデバイス」(並びに、関係する語句及び用語)は、概して、デバイスのモバイル及び/又はポータブル用途に適応し、それを促進するフォームファクタを有する個人用、企業用及び/又は業務用のコンピューティングデバイスのクラスを指す。そのようなデバイスは、代替的に、限定はしないが、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、ウルトラブック、ゲーミングステーション、デタッチャブル、キーボード付きタブレット、ポータブル端末、ポータブルワークステーション、オールインワンデバイス、ハイブリッドコンピューティングデバイスなどと呼んでもよい。典型的には、ラップトップコンピュータは、キーボード部と、ヒンジ又は他の取り外し可能な若しくは固定されたカップリングにより分離されたプライマリディスプレイ部とを含むが、他の実装形態も可能である。より詳細には、キーボード部は、着脱可能でも、取り外し可能でも、あるいはプライマリディスプレイ部に永続的に固定されていてもよい。多くの例では、ラップトップコンピュータは、バッテリ又はテザー無し電源を含み得る。上記の「ラップトップコンピュータ」の具体的な例は網羅的ではなく、本開示の趣旨及び範囲内において、追加のポータブルデバイスの実装形態をラップトップコンピュータとみなすことができることが理解できよう。
【0115】
ただし、説明を簡単にするために、かつ、本明細書に提示される実施形態が1つの特定の電子デバイスの種類又は実装形態に限定されないことと強調するために、以下の実施形態は、単に「電子デバイス」に関して説明される。以下の実施形態及び例において言及される電子デバイスは、任意の好適な電子デバイスとすることができる。例えば、電子デバイスは、限定はしないが、ラップトップコンピューティングデバイス(
図1A~
図1Cに示したラップトップ100など)、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、セルラー電話、自動車又は車両の制御システム、工業用制御システム、家庭用又は業務用の機器、ホームオートメーションデバイス、あるいは任意の他の好適な電子デバイスなど、モバイル電子デバイス、固定電子デバイス又はポータブル電子デバイスであってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、例示的な電子デバイスは、タッチ感知ディスプレイ108などのディスプレイを少なくとも部分的に取り囲むように構成することができる。上記のように、多くの実施形態では、タッチ感知ディスプレイ108は、タッチ入力、力入力などを受け取るように構成された入力デバイスを組み込んでもよく、並びに/あるいはユーザに情報を出力するように構成してもよい。タッチ感知ディスプレイ108は、限定はしないが、液晶ディスプレイ技術、発光ダイオード技術、有機発光ディスプレイ技術、有機エレクトロルミネセンス技術、又は別の種類のディスプレイ技術を使用するマルチタッチ又はマルチフォース感知タッチスクリーンを含む、任意の好適な技術を用いて実装することができるディスプレイを含むことができる。
【0117】
例示的な電子デバイスは、外面又は部分的外面と、電子デバイスの内部構成要素のための保護ケースとを形成することができる。図示の実施形態では、電子デバイスは、実質的に矩形の形状で形成されるが、この構成は必須ではない。電子デバイスは、前面部品及び背面部品あるいは上部クラムシェル及び下部クラムシェルなど、動作可能に接続された1つ以上の構成要素から形成することができる。代替的には、電子デバイスは、単一部品(例えば、ユニフォームボディ又はユニボディ)で形成とすることができる。
【0118】
更に、本明細書では特定のオブジェクト及び要素の向きにについて言及しているが、特定の実施形態では、そのような向きを変更する、又は変えることができることを理解すべきであることが理解できよう 。同様に、本明細書で論じる向き及び方向は全般的に、明細書中、図面に関して提供されている。したがって、「上」、「下」、「上側」、「下側」、「前」、「後」、「側」及び同様の用語は、絶対的なものではなく、相対語として意図されている。
【0119】
更に、本明細書で説明する様々な実施形態、並びに、その機能、動作、構成要素及び能力は、必要に応じて、他の要素又は実施形態と組み合わせてもよく、したがって、任意の要素、特徴部、構造又はインターカレーションの任意の物理的な、機能に関する又は動作に関する説明は、他を除外して、特定の実施形態にのみ限定されることを意図されないことを理解されたい。
【0120】
多くの実施形態が上記で開示されているが、本明細書で開示した方法及び技術に関して提示される動作及びステップは例として意図され、したがって、全てを網羅しないことが理解できる。更に、特定の実施形態について、代替的なステップ順序、あるいは、より少数の又は追加のステップが必要とされる、又は所望されることがある。
【0121】
以上の開示は、種々の例示的な実施形態及び実装形態に関して述べたが、1つ以上の個々の実施形態で述べた種々の特徴、態様及び機能は、ここに述べた特定の実施形態への適用に限定されるものではなく、むしろ、そのような実施形態が説明されたかどうかに関わらず、及びそのような特徴がここに述べた実施形態の一部分として提示されたかどうかに関わらず、本発明のいくつかの実施形態の1つ以上に対して単独で又は種々の組み合わせで適用できることを理解されたい。したがって、本発明の広さと範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、本明細書で提示された特許請求の範囲によって画定される。
【0122】
本開示は、現在の技術における生体データを含む個人情報データを、ユーザの利益のために使用できると認識している。例えば、生体認証データの使用 は、パスワードを使用せずにデバイス機能に便利にアクセスするために使用することができる。他の例では、ユーザの生体データは、ユーザの健康(health)又は健康(fitness)レベルに関するフィードバックをユーザに提供するために収集される。更に、ユーザに利益をもたらす、生体データを含む個人情報データの他の使用法も、本開示によって企図されている。
【0123】
本開示は、このような個人情報データの収集、分析、開示、転送、記憶、又はその他の使用に関与する事業体は、しっかり確立されたプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守することを更に企図している。具体的には、そのようなエンティティは、業界又は政府の標準を満たす又はそれを上回るデータの暗号化及びセキュリティ方法の使用を含めて、個人情報データを秘密として厳重に保守するための業界又は政府の要件を満たすか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実装し、一貫して使用すべきである。例えば、ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いて、共有又は販売されるべきではない。更に、そのような収集は、ユーザに告知して同意を受けた後にのみ実施するべきである。更に、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報へのアクセスを有する他者が、そのエンティティのプライバシーポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じなければならない。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。
【0124】
前述のことがらにもかかわらず、本開示はまた、ユーザが、生体データを含む個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを選択的に阻止する実施形態も企図している。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するためのハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供することができることを企図している。例えば、生体認証法の場合、本発明の技術は、当業者に知られている、パスワード、個人識別番号(personal identification number:PINS)、接触ジェスチャ、又は他の認証法などのセキュアな情報を、単独で又は組み合わせて提供することによって、生体認証ステップをユーザが任意選択的に回避することを可能にするように構成することができる。別の例では、ユーザは、ユーザの個人健康(health)又は健康(fitness)データを収集する特定の健康に関係するアプリケーションへのアクセスを取り除くか、無効化するか、又は制限するかを選択することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップトップコンピューティングデバイスであって、
筐体であって、
上部分、
ヒンジ、及び
前記ヒンジにより前記上部分に接続される下部分、
を含む、筐体と、
前記筐体の前記上部分に一体化されたプライマリディスプレイと、
前記筐体の前記下部分に一体化されたキーボードと、
前記キーボードと前記ヒンジとの間で前記筐体の前記下部分に一体化されたセカンダリディスプレイと、
前記セカンダリディスプレイの端部に配置され、前記筐体の前記下部分に一体化された制限付きアクセスボタンと、
を備える、ラップトップコンピューティングデバイス。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップトップコンピューティングデバイスであって、
ディスプレイを有する上部分と、
前記上部分に連結される下部分と、
前記下部分内に少なくとも部分的に配置される押下電源ボタンと、を有し、
前記押下電源ボタンは、
前記押下電源ボタンの露出された上面の全体を規定するキャップと、
ここで、前記キャップは、タッチ入力及び押圧入力を受けるように構成され、
前記キャップの下に位置し、前記タッチ入力を検出するように構成されている接地要素と、
前記キャップの下に位置し、前記タッチ入力を検出するように構成されている生体センサと、
前記生体センサの下に位置し、前記押圧入力を検出するように構成されている圧縮スイッチと、
前記キャップの下に位置し、前記タッチ入力に応じた前記キャップの移動に抵抗するように、かつ、前記押圧入力に応じて変形するように構成されているスプリング要素と、
を備える、ラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記接地要素は、開口部を規定し、
前記生体センサは、前記開口部内に少なくとも部分的に配置される
請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記接地要素は、前記スプリング要素と前記キャップとの間に延在し、
前記接地要素は、前記キャップを支持する
請求項2に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記スプリング要素は、前記下部分の内面と連結され、
前記接地要素は、前記下部分を少なくとも部分的に通って延在する
前記接地要素は、前記スプリング要素と連結されている
請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記キャップの露出された上面は、実質的に平面である
請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記キャップは、金属材料、ガラス材料、サファイア材料、プラスチック材料またはセラミック材料のうち1または複数備える
請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記スプリング要素は、前記押圧入力に応じて平面から変形するように構成されているスプリングプレートを有する
請求項1に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記スプリングプレートは、1または複数の切り欠きを備える
請求項7に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項9】
ラップトップコンピューティングデバイスであって、
ディスプレイを有する上側筐体部と、
前記上側筐体部に連結され、1または複数の開口部を規定する下側筐体部と、
前記1または複数の開口部の開口内に少なくとも部分的に配置される押下電源ボタンと、を有し、
前記押下電源ボタンは、
前記押下電源ボタンの上面のほぼ全体を規定するキャップと、
前記キャップの下に位置し、タッチ入力に応じて非押下位置に前記キャップを維持するように、かつ、押圧入力に応じて前記キャップが押下位置に移動することを許容するように構成されているスプリングプレートと、
前記キャップと前記スプリングプレートとの間に位置し、前記タッチ入力に応じて生体データを取得するように構成されている生体センサと、
前記キャップと前記スプリングプレートとの間に位置し、前記生体センサの接地要素として機能するように構成されている金属フレームと、
を備えるラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記金属フレームの上面は、前記キャップの下面の第一部分と連結され、
前記生体センサの上面は、前記キャップの前記下面の第二部分に連結されている
請求項9に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記金属フレームは、前記生体センサの少なくとも一部を囲む
請求項10に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記押下電源ボタンの上面は、実質的に平坦である
請求項10に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記生体センサは、前記キャップを通してユーザの指紋の少なくとも一部を検出するように構成されている静電容量式センサを有する
請求項9に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記生体センサは、前記キャップを通してユーザの指紋の少なくとも一部を検出するように構成されている光学センサを有する
請求項9に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記スプリングプレートは、前記スプリングプレートの内側部分と外側部分とを規定する1または複数の切り欠きを有し、
前記内側部分は、前記下側筐体部と連結され、
前記外側部分は、前記金属フレームと連結されている
請求項9に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項16】
ラップトップコンピューティングデバイスであって、
ディスプレイを有する上部分と、
前記上部分に連結された下部分と、
前記下部分の開口部内に配置される電源ボタンと、を有し、
前記電源ボタンは、
前記電源ボタンの露出された上面の全体を規定し、非押下位置と押下位置との間で移動するように構成されているキャップと、
前記キャップの下に位置し、前記キャップにタッチするユーザに対して非接触接地要素として機能するように構成されているフレームと、
前記キャップの下に位置し、前記下部分と連結されたスプリングと、
前記キャップと前記スプリングとの間に配置され、前記キャップを通してユーザの指紋を検出するように構成されている生体センサと、
を有し、
タッチ入力に応じて、前記スプリングは、前記キャップの移動に抵抗するように、かつ、前記非押下位置に前記キャップを維持するように、かつ、前記ユーザの指紋を検出するように構成され、
押圧入力に応じて、前記スプリングは、前記キャップが前記押下位置に移動することを許容するように変形するように構成されている
ラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記ラップトップコンピューティングデバイスは、認証されたユーザによるタッチに対応する前記タッチ入力に応じて機能を認証するように構成され、
前記ラップトップコンピューティングデバイスは、前記押圧入力に応じて電力状態を変更するように構成されている
請求項16に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記電源ボタンは、前記キャップと前記スプリングとの間に配置された電気スイッチを更に有し、
前記電気スイッチは、前記押圧入力を検出するように構成されている
請求項16に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記スプリングは、スプリングプレートを有し、
前記スプリングプレートの第1部分は、前記下部分と連結され、
前記スプリングプレートの第2部分は、前記フレームと連結され、
前記非押下位置において、前記スプリングプレートは実質的に平面である
請求項16に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【請求項20】
複数の押下可能なキーを有するキーボードを更に備え、
前記開口部は、前記下部分によって規定される第1開口部であり、
前記下部分は、追加の複数の開口部を規定し、
前記複数の押下可能なキーのそれぞれは、前記追加の複数の開口部のうちの開口部に配置される
請求項16に記載のラップトップコンピューティングデバイス。
【外国語明細書】