(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028965
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置及びスペクトルにより物質の物理的状態を測定する方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20240227BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20240227BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240227BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240227BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240227BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C23C16/44 Z
C23C16/50
H01L21/31 C
H01L21/302 103
H01L21/02 Z
H01L21/66 Q
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210225
(22)【出願日】2023-12-13
(62)【分割の表示】P 2021099566の分割
【原出願日】2021-06-15
(31)【優先権主張番号】110102807
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521260455
【氏名又は名称】富蘭登科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荘寛福
(72)【発明者】
【氏名】潘瑞宝
(57)【要約】
【課題】
堆積物が形成されたときに早期の監視を提供することができ、それにより、堆積過程をリアルタイムで観察及び/又は制御して、歩留まり及び自動化の程度を大幅に改善することができるスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置及びその方法を提供する。
【解決手段】
本発明のスペクトルを用いて物質の物性を測定する装置は、スペクトルにより被測定物質を収容する第1作用経路、前記スペクトルを検出する検出ユニット、及びスペクトルに基づいて堆積状態を得る処理ユニットを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物質を収容する第1作用経路と、
前記第1作用経路におけるスペクトルを検出する検出ユニットと、
前記スペクトルに基づいて前記被測定物質の堆積状態を得る処理ユニットと、
前記処理ユニットに接続し、前記被測定物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質の作用条件を制御する制御ユニットと、
前記被測定物質のスペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータを記憶して前記処理ユニットに接続される記憶ユニットと、
スペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータ又はその少なくとも2つの組み合わせを読み取り、人工知能を利用してビックデータ演算を実行し、前記ビックデータ演算に基づいて、前記制御ユニットを動作させる人工知能ユニットと、
を含むスペクトルにより物質の物理状態を測定する装置。
【請求項2】
前記検出ユニットは、前記第1作用経路のスペクトルを検出する請求項1に記載のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置。
【請求項3】
前記第1作用経路は、第2作用経路に連通し、前記被測定物質の少なくとも一部は、前記第2作用経路からくるものであり、且つ前記検出ユニットは、前記第2作用経路のスペクトルを検出する請求項1に記載のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置。
【請求項4】
前記第1作用経路は、管体により第2作用経路に連通し、前記被測定物質の少なくとも一部は、前記管体を経て前記第2作用経路からくるものであり、且つ前記検出ユニットは、前記管体のスペクトルを検出する請求項1に記載のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置。
【請求項5】
前記被測定物質の堆積状態は、前記被測定物質のスペクトル強度が閾値よりも低い又は高いかにより、前記被測定物質の堆積状態が一定の程度に達しているか否かにより得る請求項1に記載のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置。
【請求項6】
スペクトルを検出し、
前記スペクトルに基づいて被測定物質の堆積状態を得、
前記被測定物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質の作用条件を制御し、
前記被測定物質のスペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータを記憶し、
前記スペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータ又はその少なくとも2つの組み合わせを読み取り、人工知能を利用してビックデータ演算を実行し、前記ビックデータ演算に基づいて、前記制御ユニットを動作させ、
スペクトルにより物質の物理状態を測定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ関連プロセス監視の分野に関するものであり、より具体的には、プラズマを使用した堆積プロセスをスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置及びスペクトルにより物質の物理的状態を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における関連するプラズマプロセスの実行において、特にプラズマを使用する堆積プロセスは、往々にしてプロセスの終了後に初めてワークの堆積結果に対する検査することができる。プロセスにおいて発生する、例えば、堆積不足、堆積過剰、不純物等の問題は、即時に発見することができず、発見されずに次の段階に流れ込んで歩留まりにリスクが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、研究、実験を続けて、ようやくスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置及び方法を開発し、それにより、堆積過程をリアルタイムで観察及び/又は制御することができ、歩留まり及び自動化の程度を大幅に向上させることを可能とした。
【0005】
本発明の目的は、堆積過程をリアルタイムで観察及び/又は制御することができ、それによって、堆積物が形成される時に早期モニタリングを提供し、例えば、堆積不足、堆積過剰、不純物等の問題が発見されずに次の段階に流れ込んで歩留まりに影響することを回避するスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置は、被測定物質を収容する第1作用経路と、前記第1作用経路におけるスペクトルを検出する検出ユニットと、前記スペクトルに基づいて前記被測定物質の堆積状態を得る処理ユニットと、前記処理ユニットに接続し、前記被測定物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質の作用条件を制御する制御ユニットと、前記被測定物質のスペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータを記憶して前記処理ユニットに接続される記憶ユニットと、
スペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータ又はその少なくとも2つの組み合わせを読み取り、人工知能を利用してビックデータ演算を実行し、前記ビックデータ演算に基づいて、前記制御ユニットを動作させる人工知能ユニットと、を含む。
【0007】
本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する方法は、スペクトルを検出し、前記スペクトルに基づいて被測定物質の堆積状態を得、前記被測定物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質の作用条件を制御し、
前記被測定物質のスペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータを記憶し、前記スペクトル、作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態、調整パラメータ又はその少なくとも2つの組み合わせを読み取り、人工知能を利用してビックデータ演算を実行し、前記ビックデータ演算に基づいて、前記制御ユニットを動作させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、堆積過程をリアルタイムで観察及び/又は制御することができ、それによって、堆積物が形成される時に早期モニタリングを提供し、例えば、堆積不足、堆積過剰、不純物等の問題が発見されずに次の段階に流れ込んで歩留まりに影響することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置の一態様のブロック図である。
【
図2】本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置の別の態様のブロック図である。
【
図3】本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置の別の態様のブロック図である。
【
図4A】本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置がその他の構成部材を含む態様の説明図である。
【
図4B】本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置がその他の構成部材を含む態様の説明図である。
【
図5】本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置の別の態様の説明図である。
【
図6】本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置がその他の構成部材を含む別の態様の概略図である。
【
図7】本発明によるスペクトルにより物質の物理的状態を測定する方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的、特徴及び効果を十分に理解させるために、以下に具体的実施例を挙げ、図面を合わせて本発明を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1の一態様のブロック図である。それは、被測定物質を収容する第1作用経路10、スペクトルを検出する検出ユニット11及び前記スペクトルに基づいて前記被測定物質の堆積状態を得る処理ユニット12を含む。
【0012】
一例において、少なくとも一部の前記被測定物質は、プラズマ状態にあることができ、且つ前記スペクトルは、プラズマ状態である前記被測定物質が発する光のスペクトルであることができ、前記検出ユニット11は、前記第1作用経路10におけるスペクトルを検出する。前記処理ユニット12は、前記スペクトルを得た後、これに限定するものではないが、例えば、強度、波長、半値幅等の情報を取得して、前記被測定物質の堆積状態を得ることができる。これに限定するものではないが、例えば、前記被測定物質のスペクトル強度が閾値よりも低い又は高い時、前記被測定物質の堆積状態が一定の程度に達していると分かることができ、これに限定するものではないが、例えば、厚さ、結晶度、合体度等の変更が可能である。
【0013】
別の例において、その他の物質は、プラズマ状態にあることができ且つ前記スペクトルは、プラズマ状態の前記物質が発する光のスペクトルであることができ、前記検出ユニット11は、前記第1作用経路10におけるスペクトルを検出する。前記処理ユニット12は、前記スペクトルを得た後、これに限定するものではないが、例えば、強度、波長、半値幅等の情報を取得することができ、その他の物質の前記スペクトルの強度が閾値よりも低い又は高い時、その他の物質及び前記被測定物質の化学反応式の関係及びアクセスモル数等によって前記被測定物質の堆積状態が一定の程度に達しているかを分かることができ、これに限定するものではないが、例えば、厚さ、結晶度、合体度等の変更が可能である。
【0014】
別の例では、前記第1作用経路10は、第2作用経路に連通することができる。第2作用経路は、前記被測定物質及び/又はその他の物質を収容することができる。
【0015】
図2は、本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1の別の態様のブロック図である。前記第1作用経路10は、第2作用経路20に連通することができ、前記被測定物質の少なくとも一部は、前記第2作用経路20からくるものであることができ、且つ前記検出ユニット11は、前記第2作用経路20におけるスペクトルを検出する。一例において、少なくとも一部の前記被測定物質は、プラズマ状態にあることができ且つ前記スペクトルは、プラズマ状態にある前記被測定物質が発する光のスペクトルであることができ、前記検出ユニット11は、前記第2作用経路20におけるスペクトルを検出する。前記処理ユニット12は、前記スペクトルを得た後、これに限定するものではないが、例えば、強度、波長、半値幅等の情報を取得して、前記被測定物質の堆積状態を得ることができる。これに限定するものではないが、例えば、前記被測定物質のスペクトルが閾値よりも低い又は高い時に前記被測定物質が前記第1作用経路10及び/又は前記第2作用経路20における堆積状態が一定の程度に達しているかを
知ることができ、これに限定するものではないが、例えば、厚さ、結晶度、合体度等の変更が可能である。
【0016】
別の例において、その他の物質は、プラズマ状態にあることができ且つ前記スペクトルはプラズマ状態にある前記物質が発する光のスペクトルであることができ、前記検出ユニット11は、前記第2作用経路20におけるスペクトルを検出する。前記処理ユニット12は、前記スペクトルを得た後、これに限定するものではないが、例えば、強度、波長、半値幅等の情報を取得して、前記被測定物質の堆積状態を得ることができる。これに限定するものではないが、例えば、その他の物質のスペクトルが閾値よりも低い又は高い時にその他の物質及び前記被測定物質の化学反応式の関係及びアクセスモル数等によって前記被測定物質の堆積状態が一定の程度に達しているかを知ることができ、これに限定するものではないが、例えば、厚さ、結晶度、合体度等の変更が可能である。
【0017】
図3は、本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1の別の態様のブロック図である。前記第1作用経路10は、管体30により第2作用経路20に連通することができ、前記被測定物質の少なくとも一部は、前記管体30を経て前記第2作用経路20からくものであることができ、且つ前記検出ユニット11は、前記管体30におけるスペクトルを検出する。一例において、少なくとも一部の前記被測定物質は、プラズマ状態にあることができ且つ前記スペクトルは、プラズマ状態にある前記被測定物質が発する光のスペクトルであることができ、前記検出ユニット11は、前記管体30におけるスペクトルを検出する。前記処理ユニット12は、前記スペクトルを得た後、これに限定するものではないが、例えば、強度、波長、半値幅等の情報を取得して、前記被測定物質の堆積状態を得ることができる。これに限定するものではないが、例えば、前記被測定物質のスペクトルが閾値よりも低い又は高い時に前記被測定物質が前記管体30、前記第1作用経路10及び前記第2作用経路20の少なくとも1つにおける堆積状態が一定の程度に達しているかを知ることができ、これに限定するものではないが、例えば、厚さ、結晶度、合体度等の変更が可能である。
【0018】
別の例において、その他の物質は、プラズマ状態にあることができ且つ前記スペクトルはプラズマ状態にある前記物質が発する光のスペクトルであることができ、前記検出ユニット11は、前記管体30におけるスペクトルを検出する。前記処理ユニット12は、前記スペクトルを得た後、これに限定するものではないが、例えば、強度、波長、半値幅等の情報を取得して、前記被測定物質の堆積状態を得ることができる。これに限定するものではないが、例えば、その他の物質のスペクトルが閾値よりも低い又は高い時にその他の物質及び前記被測定物質の化学反応式の関係及びアクセスモル数等によって前記被測定物質の堆積状態が一定の程度に達しているかを知ることができ、これに限定するものではないが、例えば、厚さ、結晶度、合体度等の変更が可能である。
【0019】
上記の前記第1作用経路10及び前記第2作用経路20の作用は、これに限定するものではないが、例えば、充填、反応、加圧、減圧及び/又は昇温/降温等の物理的及び/又は化学的作用であり得る。前記第1作用経路10は、これに限定するものではないが、例えば、チャンバ、複数の連通された独立及び/又は非独立の反応領域を含むチャンバ等であり得る。
【0020】
注意すべきこととして、上記の被測定物質及びその他の物質は、同じ作用経路に共存することができ、ワークに達する時に初めて反応する。
【0021】
上記第1作用経路10は、スロットルバルブ13、真空ポンプ14、ガス清浄器15等に連通することができ、前記第2作用経路20は、前記被測定物質の堆積状態に応じて、適量を放出するか、反応物質を低減した後、更に前記管体30を経て、前記第1作用経路10において、堆積作業を完成し、真空ポンプ14、ガス清浄器15等を合わせて真空排気を構成する。上記の検出ユニット11は、前記第1作用経路10及び/又は前記第2作用経路20に設置することができる以外、例えば、窓を介して前記被測定物質及び/又はその他の物質のスペクトルを検出することができる。
【0022】
上記の処理ユニット12は、前記検出ユニット11に直接又は間接的に接続することができる。前記処理ユニット12は、チップ、プロセッサ、機械式コンピュータ、回路及び/又はマイクロプロセッサであり得、接続は、電気的接続、量子結合(量子もつれ)及び/又は光学的接続等の信号又は命令を伝達可能な接続方法が可能である。
【0023】
具体的には、上記の処理装置12は、前記被測定物質及び/又は他の物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質及び/又は他の物質の堆積状態を取得することができる。これに限定するものではないが、例えば、前記処理ユニット12は、更に被測定物質及び/又はその他の物質の前記スペクトルの強度変化(例えば、強度対時間の作図の傾斜率、半値幅対時間の作図の傾斜率等)に基づいて前記被測定物質及び/又は他の物質の堆積状態を取得することができる。更に具体的には、上記の処理ユニット12は、更に前記被測定物質及び/又はその他の物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質及び/又は他の物質の作用条件を制御することができ、これに限定するものではないが、例えば、前記被測定物質及び/又はその他の物質のアクセスの開閉又は数量、温度、圧力、前駆体、触媒の提供等である。
【0024】
これにより、本発明は、堆積物が形成された時に早期の監視を提供し、これに限定するものではないが、例えば、堆積不足、堆積過剰、不純物等の問題が発見されずに次の段階に流れ込んで歩留まりに影響することを回避することができる。更に、本発明は、堆積過程をリアルタイムで観察及び/又は制御することができ、それにより、歩留まり及び自動化の程度を大幅に向上させる。
【0025】
本発明の設置範疇は、気体堆積状態を測定する必要のある全ての設備及び/又は装置に応用することができ、それは、これに限定するものではないが、半導体、光電又はパネル等の産業中の物理蒸着設備、化学蒸着設備又はエッチング設備等の関連設備を含み、リモートプラズマソース設備内に設置することもでき、また、バイオテクノロジー、化学、及び応用物理関連業界の検査及びテスト設備に応用することもでき、更に以上の関連業界の設備メンテナンス業の検査設備又はテストプラットフォームに応用することができる。
【0026】
図4Aに示すように、本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置は、更に、表示ユニット16を含み、それは、前記スペクトルを含む関連データ、堆積状態を含む関連データ又はその両者の組み合わせを表示することができる。前記表示ユニット16は、前記処理ユニット12に接続することができる。スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1の前記処理ユニット12は、少なくとも通信ユニット17及び前記検出ユニット11、前記表示ユニット16又はその少なくとも2者の組み合わせによって、有線、無線又はその組み合わせの伝送を行うことができる。前記通信ユニット17は、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1に含まれるか、又はスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1から独立したものであることができ、
図4Bに示すとおりである。
【0027】
前記表示ユニット16は、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1の各構成部材の状態を表示することができる。前記表示ユニット16の種類は、液晶ディスプレイ(LCD)、電子ペーパー、照明信号、マイクロ発光ダイオードディスプレイ(microLED)、量子ドットディスプレイ(QLED)、有機発光ディスプレイ(OLED)又は機械的ディスプレイ(例えば、反転する表示パネル等)を含むことができ、特に限定するものではなく、且つ前記液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト光源は、発光ダイオード(LED)又はマイクロ発光ダイオード(microLED)であり得る。上記の表示に加えて、前記表示ユニット16は、また、通知モジュール(図示せず)を含むことができ、前記表示ユニット16は、異なる信号形態(例えば、オーディオ信号、照明信号等)を介して通知信号を出力することができる。上記の使用態様において、前記表示ユニット16は、例えば、解離ガスの予め設定された状態が20ppmであり、実際の状態が18ppmであり、理論状態が20mgであり、調整パラメータが2mgである等の情報を表示することができる。
【0028】
これに限定するものではないが、例えば、前記第1作用経路10の内部空間が1リットルであり、20ppmの解離ガスを含むように予め設定されている場合(即ち、プリセット状態)、前記処理ユニット12は、20mgの解離ガス(即ち、理論的状態)を前記第1作用経路10に送り込み、前記第1作用経路10に入れ、前記第1作用経路10に20ppmの解離ガス(即ち、プリセット状態)を含ませて関連するプロセス(反応室の洗浄、薄膜エッチング又はプラズマの堆積補助等)に使用させることができる。前記検出ユニット11によって検出されるように、前記第1作用経路10における解離ガスの実際の検出結果は、18ppm(即ち、実際の状態)であり、これは、プロセスが解離ガスを使用し続けることを意味する。前記処理ユニット12は、解離ガスの検出結果を18ppmとして受信した後、18ppmと20ppmの差を比較し(即ち、解離ガスの実際の状態とプリセット状態との差を計算する)、第1作用経路10が2ppm増加する必要があり(即ち、パラメータを調整する)、そうして初めて前記第1作用経路10内の解離ガスが20ppmの理論状態(反応完了)に達することができことを分かることができる。続いて、使用者がレポート及び/又は照明信号などから解離ガスのガス状態データを取得した後、ユーザは手動で処理ユニット12に命令を入力し、処理ユニット12は引き続き解離ガスを入力する(即ち、理論状態)。第1作用経路10において、第1作用経路10における解離ガスは、20ppm(即ち、プリセット状態)である。入力後、前記検出ユニット11が前記第1作用経路10内の解離ガスが20ppm(即ち、実際の状態)であることを検出するまで行い、前記第1作用経路10に解離ガスの20ppmの理論状態値を含ませることを完成し、これは、プロセス反応が完成し、前記第1作用経路10にガスをもはや入力する必要がないことを意味する。
【0029】
また、本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置は、更に制御ユニット18を含み、それは、前記処理ユニット12と接続し、前記処理ユニット12に代わって前記被測定物質の及び/又はその他の物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質及び/又はその他の物質の作用条件を制御し、これに限定するものではないが、例えば、前記被測定物質及び/又はその他の物質のアクセスの開閉又は数量、温度、圧力、前駆体、触媒の提供等である。制御ユニット18は、前記処理ユニット12に直接又は間接的に接続する。前記制御ユニット18は、チップ、プロセッサ、機械式コンピュータ、回路及び/又はマイクロプロセッサであることができ、接続は、電気的接続、量子結合(量子もつれ)及び/又は光学的接続等の信号又は命令を伝達可能な接続方法であることができる。
【0030】
前記制御ユニット18によって受けられる設定命令は、手動入力命令及び/又は前記処理ユニット12によって発行される命令であることができ、前記命令は、制御パラメータを含む。前記制御ユニット18と前記表示ユニット16との間の動作モードは、使用者が前記表示ユニット16を見た後に調整したい制御内容を判断し、前記制御ユニット18手動で命令を入力し、前記制御ユニット18に後続の関連操作工程を調整させるか、又は、前記制御ユニット18と前記処理ユニット12との間に自動監視機構(図示せず)を設け、前記自動監視機構が調整すべき作用条件を自動判別し、前記制御ユニット18に命令を発し、前記制御ユニット18に後続の関連操作工程を調整させる。
【0031】
図5に示すように、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1は、データ伝送ユニット19をさらに含み、それは、前記処理ユニット12に接続され、且つ有線、無線、又はその組み合わせにより外部のネットワーク3に接続し、人工知能を利用してビッグデータ演算を実行し、且つ前記ビッグデータ演算に基づき、前記処理ユニット12及び/又は制御ユニット18に操作を行わせる。前記外部のネットワーク3は、製造現場の内部ネットワーク、製造現場を跨ぐ内部ネットワーク、インターネット又はその二者の組み合わせであることができる。ビッグデータ演算は、人工知能やクラウドコンピューティングなどのコンピューティング及び/又はストレージ機能を備えたコンピュータ、ラップトップ、携帯電話、ポータブルモバイルデバイス、サーバ、スーパーコンピュータ、ホストコンピュータ、分散コンピューティングアーキテクチャ等で実行することができる。前記ビッグデータの演算は、製造現場、機械、原材料、ワークの属性(例えば、材料、前後プロセス、設計等)、前記スペクトル、歩留まり又はその少なくとも二者の組み合わせに基づいて統計を行い、改良の根拠を提供することができるが、本発明は、これに限定するものではない。注意すべきこととして、前記表示ユニット16及び/又は通信ユニット17は、また、上記の実施の態様を参酌して本態様に組み合わせることができる。
【0032】
スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1は、記憶ユニット41をさらに含み、それは、前記処理ユニット12及び前記データ送信部19に接続され、前記記憶ユニット41は、前記処理ユニット12と前記データ送信ユニットとの間に位置することができ、又は、前記処理ユニット12は、前記記憶ユニット41と前記データ伝送ユニット19との間に配置することができ、前記スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1は、記憶ユニット41を含むか、又は前記記憶ユニット41は、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1から独立したものであることができ、且つ前記データ伝送ユニット19と有線、無線又はその組み合わせの方法で接続され、少なくとも作用条件、前記理論状態、前記実際の状態、前記プリセット状態、前記調整パラメータ、前記処理ユニット12のアプリケーションソフトウェア、前記処理ユニット12の処理データ等又はその少なくとも二者の組み合わせを保存する。前記記憶ユニット41は、以下の中からの少なくとも1つの記憶媒体を含むことができる。フラッシュメモリ、ハードディスク、マルチメディアカードマイクロメモリ、カードタイプメモリ(例えば、セキュアデジタル(secure digital;SD)カード又はエクストリームデジタル(extreme digital;XD)カード)、ランダムアクセスメモリ(random access memory;RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory;SRAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory;ROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory;EEPROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(programmable read-only memory;PROM)、磁気メモリ、磁気ディスク又は光ディスク。また、前記記憶ユニット41に格納されるプログラムは、オペレーティングシステムプログラム及び様々なアプリケーションプログラムを含むことができる。
【0033】
前記記憶ユニット41は、前記ネットワーク3にデータを使用及び保存させ、分析させることができ、具体例は、例えば、前記被測定物質及び/又はその他の物質の作用条件、理論状態、実際の状態、プリセット状態及び/又は前記調整パラメータ及び反応時間等を保存するが、本発明は、これらに限定するものではない。
【0034】
スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1は、記憶ユニット41及び人工知能ユニット42をさらに含むことができ、
図6に示すように、前記記憶ユニット41及び前記人工知能ユニット42は、前記処理ユニット12に接続され、前記記憶ユニット41は、被測定物質及び/又はその他の物質のスペクトル、作用条件、前記理論状態、前記実際の状態、前記プリセット状態、前記調整パラメータ又はその少なくとも2つの組み合わせを記憶し、前記人工知能ユニット42は、スペクトル、作用条件、前記理論状態、前記実際の状態、前記プリセット状態、前記調整パラメータ又はその少なくとも2つの組み合わせを読み取り、人工知能を使用してビッグデータ演算を実行し、前記ビッグデータ演算に基づいて、前記制御ユニット18を動作させる。即ち、前記記憶ユニット41及び前記人工知能ユニット42は、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1に含まれ、但し、前記被測定物質及び/又はその他の物質のスペクトル、作用条件、前記理論状態、前記実際の状態、前記プリセット状態、前記調整パラメータ等又はその少なくとも2つの組み合わせのデータは、依然として前記ネットワーク3と共有することができる。注意すべきこととして、前記表示ユニット16、前記通信ユニット17及び/又は前記データ伝送ユニット19は、上記の実施の態様を参酌して、本態様に組み合わせることもできる。
【0035】
スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1の別の実施態様は、前記記憶ユニット41が前記処理ユニット12に接続され、前記人工知能ユニット42が前記記憶ユニット41に接続され、且つ自動化プログラムユニットが前記人工知能ユニット42及び前記制御ユニット18に接続されるものである。前記人工知能ユニット42は、前記記憶ユニット41を読み取り、人工知能を使用してビッグデータ演算を実行し、前記自動化プログラムユニットを動作させる。注意すべきこととして、前記表示ユニット16、前記通信ユニット17及び/又は前記データ送信ユニット19は、上記の実施態様を参酌して、本態様に組み合わせることもできる。また、注意すべきこととして、前記検出ユニット11、スロットルバルブ13、真空ポンプ14、ガス清浄器15、第2作用経路20及び管体30の各態様は、何れも
図4A~
図6の各態様に応用することができる。
【0036】
前記自動化プログラムユニットは、前記人工知能ユニット42によって発行された命令を受けて、スペクトルにより装置1の物質の物理的状態を測定する。スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1をプロセスで使用する場合、他の装置及び/又は構成部材(例えば、プラズマ洗浄装置)と統合することができ、即ち、前記自動化プログラムユニットは、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置1を制御することができるだけではなく、その他の統合された装置を制御して自動化プログラム、例えば、洗浄プログラム、メンテナンスプログラム又は検査プログラム等を実行することもできる。
【0037】
本発明は、また、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する方法を提供し、
図6に示すように、それは、ステップS61及びステップS62を含む、ステップS61において、スペクトルを検出する。具体的には、検出ユニット11によりスペクトルを検出することができ、且つ前記スペクトルは、第1作用経路から検出することができ、又は前記スペクトルは、第1作用経路に接続された第2作用経路から検出することができ、又は前記スペクトルは、第1作用経路及び第2作用経路に連通する管体から検出することができる。ステップS62において、前記スペクトルに基づいて被測定物質の堆積状態を取得する。具体的には、処理ユニット12により前記スペクトルに基づいて被測定物質の堆積状態を取得することができる。
【0038】
本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する方法は、ステップS61の後、前記処理ユニット12が、前記被測定物質の及び/又はその他の物質の前記スペクトルの変化に基づいて前記被測定物質及び/又はその他の物質の作用条件を制御し、これに限定するものではないが、例えば、前記被測定物質及び/又は他の物質のアクセスの開閉又は数量、温度、圧力、前駆体、触媒の提供等である。本方法の他の詳細は上述のとおりであり、ここでは省略する。
【0039】
注意すべきこととして、接続は、電気的接続、量子結合(量子もつれ)及び/又は光学的接続等の信号又は命令を伝達可能な接続方法であることができ、接続の順序は、直接接続又は間接接続であることができる。また、上記全ての演算の事前演算データ(例えば、パラメータ、設定、方程式、論理等)、演算中間データ(例えば、数値、論理的判断等)及び演算結果データは、メモリユニットにより保存し、且つ処理ユニットと交換伝送することもできるが、本発明は、これに限定するものではない。有線、無線又はその組み合わせの伝送は、有線が先でそれから無線、無線が先でそれから有線又は有線と無線の同時等を指す。
【0040】
また、注意すべきこととして、その他の作用経路及び/又は管体を追加する場合、それに応じて他の検出ユニットを追加することができ、上記の方法を使用して他の作用経路及び/又は物質の物理的状態を測定することができ、又は単一又は少数の検出ユニットにより、例えば、透過窓を移動又は回転させてその他の作用経路及び/又は管体の物質の物理的状態を測定することができる。更に、前記検出ユニットは、前記処理ユニットと1つのモジュールに結合してなることもでき、前記処理ユニットに接続する全てのユニットが、前記モジュールに接続することもできる。
【0041】
本発明のスペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置及び方法は、堆積状態を検出する必要がある様々なプロセス装置、特にプラズマを使用する装置で使用することができる。具体的には、例えば、堆積、改質等を行うチャンバ等である。また、本発明は、堆積物が形成されたときに早期の監視を提供し、それにより、これに限定するものではないが、例えば、堆積不足、堆積過剰、不純物等の問題が発見されずに次の段階に流れ込んで歩留まりに影響することを回避することができる。更には、本発明は、堆積過程をリアルタイムで観察及び/又は制御することができ、それにより、歩留まり及び自動化の程度を大幅に改善する。更に、スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置と方法は、ビッグデータ演算を用いて多くのデータに基づいて統計を実行して、改善の根拠を提供することができる。
【0042】
以上、本発明を詳細に説明したが、上記するものは、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、即ち、本発明の特許請求の範囲による均等の変化及び修飾は、何れも本発明の保護範囲内に属するものである。
【符号の説明】
【0043】
1 スペクトルにより物質の物理的状態を測定する装置
10 第1作用経路
11 検出ユニット
12 処理ユニット
13 スロットルバルブ
14 真空ポンプ
15 ガス清浄器
16 表示ユニット
17 通信ユニット
18 制御ユニット
19 データ伝送ユニット
20 第2作用経路
30 管体
41 記憶ユニット
42 人口知能ユニット
S61、S62 ステップ