(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029015
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】パンツ型着用可能物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/51 20060101AFI20240227BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61F13/51
A61F13/49 413
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023213347
(22)【出願日】2023-12-18
(62)【分割の表示】P 2021546799の分割
【原出願日】2020-01-21
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/075102
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】森本 広一
(72)【発明者】
【氏名】ペイ、ルイチー
(72)【発明者】
【氏名】石原 薫
(72)【発明者】
【氏名】シチアオ、リー
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シュエチュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、アンドリュー、ストラセマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ファリハ、イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、マシュー、ロー
(72)【発明者】
【氏名】モニカ、レニー、トゥルヌー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適用を容易にするための改善された伸張性、弛みを防止するための改善されたフィット性、改善された快適性及び柔らかさ、並びに皮膚の健康のための改善された通気性を有する着用可能物品を提供する。
【解決手段】前側と後側弾性ベルトと股部領域とを備え股部領域が前側弾性ベルトと後側弾性ベルトとの間に長手方向に延在し前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトが股部領域で互いに非連続であり前側弾性ベルト又は後側弾性ベルトのある特定の部分が非弾性領域であり前側及び後側非弾性領域が、1のベルトパターンFBPを有し股部領域が第1の股部パターンFCPを有し、第1のベルトパターン並びに第1の股部パターンが幾何学的パターンであり、第1のベルトパターン及び第1の股部パターンの両方が長手方向配向を有するか又は第1のベルトパターン及び第1の股部パターンの両方が高次パターンHOPを形成し非方向性配向を有する着用可能物品。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向及び横断方向に連続的な着用可能物品であって、前側弾性ベルトと、後側弾性ベルトと、股部領域と、腰部開口部と、一対の脚部開口部と、を備え、前記股部領域が、前記前側弾性ベルトと前記後側弾性ベルトとの間に長手方向に延在しており、
前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトの各々が、内側シート、外側シート、前記横断方向に延びる弾性部材、を含む積層体であり、前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトが、前記股部領域で互いに非連続であり、
前記前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトが、LWの横断方向寸法を有し、前記前側弾性ベルト又は前記後側弾性ベルトのうちのより小さい長手方向寸法が、LSの寸法を有し、LWの約10%~約40%、及びLSの約15%~約75%、好ましくはLSの約30%~約70%が、その弾性稼働性が取り除かれ、前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトの弾性稼働性が取り除かれた領域が、非弾性領域を画定し、前記前側及び後側非弾性領域が、第1のベルトパターンFBPを有し、前記股部領域が、第1の股部パターンFCPを有し、
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、両方とも幾何学的パターンであり、前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、両方とも本明細書の測定法に従って、長手方向配向を有する、着用可能物品。
【請求項2】
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、共通要素を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、異なる、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記第1のベルトパターンFBPが、前記長手方向に延在する複数の線に位置合わせされ、前記線が、約2mm~約15mmの横断方向ピッチDF1で互いに離間している、請求項1~3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記第1の股部パターンFCPが、前記長手方向に延在する複数の波線に位置合わせされている、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
長手方向及び横断方向に連続的な着用可能物品であって、前側弾性ベルトと、後側弾性ベルトと、股部領域と、腰部開口部と、一対の脚部開口部と、を備え、前記股部領域が、前記前側弾性ベルトと前記後側弾性ベルトとの間に長手方向に延在しており、
前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトの各々が、内側シート、外側シート、前記横断方向に延びる弾性部材、を含む積層体であり、前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトが、前記股部領域で互いに非連続であり、
前記前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトが、LWの横断方向寸法を有し、前記前側弾性ベルト又は前記後側弾性ベルトのうちのより小さい長手方向寸法が、LSの寸法を有し、LWの約10%~約40%、及びLSの約15%~約75%、好ましくはLSの約30%~約70%が、その弾性稼働性が取り除かれ、前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトの弾性稼働性が取り除かれた領域が、非弾性領域を画定し、前記前側及び後側非弾性領域が、第1のベルトパターンFBPを有し、前記股部領域が、第1の股部パターンFCPを有し、
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPの両方が、約16mm2~約200mm2の面積寸法を有する高次パターンHOPを形成し、前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、共通要素を有する幾何学的パターンであり、前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPの両方が、本明細書の測定法に従って、非方向性配向を有する、着用可能物品。
【請求項7】
前記非弾性領域が、幾何学的パターンである第2のベルトパターンSBPを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記股部領域が、幾何学的パターンである第2の股部パターンSCPを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記非弾性領域が、審美的パターンである第2のベルトパターンSBPを更に含み、前記股部領域が、審美的パターンである第2の股部パターンSCPを更に含み、前記第2のベルトパターンSBP及び前記第2の股部パターンSCPが、共通要素を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記第1のベルトパターンFBPが、パターン密度を有し、前記第1の股部パターンFCPが、パターン密度を有し、前記第1のベルトパターンFBPの前記パターン密度と前記第1の股部パターンFCPの前記パターン密度との間の差が、本明細書の測定法に従って、約10ポイント未満である、請求項1~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、少なくとも約0.1mmの短半径を有する孔によって形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトのうちの少なくとも1つが、少なくとも約25%の不透明度を有する、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、エンボス加工されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトの衣類に面する面全体が、前記第1のベルトパターンFBPを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記第1の股部パターンFCPが、外側カバー層に設けられ、前記外側カバー層が、前記長手方向に延在し且つ前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトのそれぞれと約20mm未満にわたり重なる、請求項1~14のいずれか一項に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましい触感及び審美的感覚を有するパンツ型着用可能物品に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児、及び失禁症状のあるその他の個人は、尿及びその他の身体排出物を受容及び収容するおむつなどの吸収性物品を着用する。プルオン型吸収性物品、すなわちパンツ型の吸収性物品は、着用者の両脚を脚部開口部に挿入し、物品を下部胴体周囲の位置まで上方に滑らせることにより着用される物品である。パンツ型の吸収性物品は、歩くことができて多くの場合トイレのトレーニング中の幼児用として、更には、もう少し年下の幼児であっても、テープで止めるタイプの吸収性物品をつけさせるのがより困難になりがちな、動きの激しい幼児用、並びに腰部開口部及び脚部開口部の周囲への柔らかいフィットを要する年下の幼児用として広く普及している。
【0003】
パンツ型物品は、着用者又は介護者が物品を展開し、物品を着用するために着用者の脚を脚部開口部内に挿入するのを容易にするのに十分な弾性を腰部開口部の周囲及びその付近に有する、種々の構造をとることができる。腰部周囲及びその近傍の領域は、多くの場合、弾性ベルトと称される。パンツ型物品の1つのタイプの構造は、着用者の股部領域を覆う中央シャーシと、国際公開第2006/17718(A)号に記載されているような腰部開口部及び脚部開口部を画定する別個の弾性ベルトとを有するベルト型パンツである。パンツ型物品の別のタイプの構造は、物品の外側カバーが物品の衣類に面する面全体を完全に覆うように構成された一体型パンツであり、胴体の周囲で伸張するように構成された部分が、弾性ベルト領域とみなされる。
【0004】
物品の構造がどのようなものであれ、物品の外側表面又は衣類に面する面は、使用時に、着用者又は介護者によって最も触られて観察される位置であり得、したがって、その特性は、物品の品質及び機能に最も関連する。品質として望まれ得るものは、下着のような外観、及び柔らかさ及びクッション性のある感触などの好ましい触感である。下着のような外観は、ベルト領域及び股部領域が容易に区別されないように、ある特定の審美的感覚を有する衣類に面する面を設けることにより向上させることができる。機能として望まれ得るものは、安全な装着性、通気性及び快適性、又はそのような属性の直感的なシグナルである。
【0005】
一方、メーカーの観点からは、物品の作製コストを制御しながら、材料のコストに対して最良の使用経験を提供することができる様式で材料を選択し、それらを組み立てることにより、高品質の吸収性物品を提供することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2006/17718(A)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述に基づいて、適用を容易にするための改善された伸張性、弛みを防止するための改善されたフィット性、改善された快適性及び柔らかさ、並びに皮膚の健康のための改善された通気性を提供する着用可能物品が必要とされている。上述の機能的利益を直感的に伝える、審美性が改善された着用可能物品もまた必要とされている。経済的に作製することができるそのような着用可能物品を提供することもまた必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、長手方向及び横断方向に連続的な着用可能物品であって、前側弾性ベルトと、後側弾性ベルトと、股部領域と、腰部開口部と、一対の脚部開口部と、を備え、股部領域が、前側弾性ベルトと後側弾性ベルトとの間に長手方向に延在しており、
前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトの各々が、内側シート、外側シート、横断方向に延びる弾性部材、を含む積層体であり、前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトが、股部領域で互いに非連続であり、
前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトが、LWの横断方向寸法を有し、前側弾性ベルト又は後側弾性ベルトのうちのより小さい長手方向寸法が、LSの寸法を有し、LWの約10%~約40%、及びLSの約15%~約75%、好ましくはLSの約30%~約70%が、その弾性稼働性が取り除かれ、前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトの弾性稼働性が取り除かれた領域が、非弾性領域221であり、前側及び後側非弾性領域221が、第1のベルトパターンFBPを有し、股部領域が、第1の股部パターンFCPを有する、着用可能物品を対象とする。
【0009】
一態様では、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPが、両方とも幾何学的パターンであり、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPが、両方とも本明細書の測定法に従って、長手方向配向を有する。
【0010】
別の態様では、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの両方は、約16mm2~約200mm2の面積寸法を有する高次パターンHOPを形成し、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPは、共通要素を有する幾何学的パターンであり、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの両方は、本明細書の測定法に従って、非方向性配向を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書の末尾には、本発明を構成するものとみなされる主題を具体的に特定しかつ個別に特許請求する特許請求の範囲が添付されているが、本発明は、実質的に同一の要素が同様の符号を用いて指定されている添付の図面と以下の説明文を併せ読むことで、より良く理解されるものと考えられる。
【
図1A】本発明の着用可能物品の一実施形態の斜視図である。
【
図1B】物品の前側を示す、収縮状態の本発明の着用可能物品の一実施形態の概略図である。
【
図2A】シームが接合されておらず、平らな非収縮状態で衣類に面する面を見せている、本発明の着用可能物品の一実施形態の概略平面図である。
【
図3A】弾性部材の位置、弾性結合部、及び垂直結合部を示す、
図2Aの実施形態の概略平面図である。
【
図5B】伸張状態の本発明の弾性ベルトの平面図である。
【
図6A】収縮状態の本発明の着用可能物品の一実施形態の概略平面図である。
【
図6B】収縮状態の本発明の着用可能物品の別の実施形態の概略平面図である。
【
図7】収縮状態の本発明の着用可能物品の別の実施形態の概略平面図である。
【
図8】収縮状態の本発明の着用可能物品の別の実施形態の概略平面図である。
【
図9A】収縮状態の本発明の着用可能物品の別の実施形態の概略平面図である。
【
図9B】本発明のパターンの一実施形態の概略平面図である。
【
図9C】本発明のパターンの別の実施形態の概略平面図である。
【
図9D】本発明のパターンの別の実施形態の概略平面図である。
【
図10】「全物品力測定法」に従った、ハンガータイプの試料保持固定具の一例の概略図である。
【
図11A】本明細書の長手方向配向測定法に関係する。
【
図11B】本明細書の長手方向配向測定法に関係する。
【
図11C】本明細書の長手方向配向測定法に関係する。
【
図11D】本明細書の長手方向配向測定法に関係する。
【
図12A】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例1のFBPの画像である。
【
図12B】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例1のFBPの画像である。
【
図12C】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例1のFBPの画像である。
【
図13A】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例1のFCPの画像である。
【
図13B】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例1のFCPの画像である。
【
図13C】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例1のFCPの画像である。
【
図14A】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例2のFBPの画像である。
【
図14B】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例2のFBPの画像である。
【
図14C】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例2のFBPの画像である。
【
図15A】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例2のFCPの画像である。
【
図15B】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例2のFCPの画像である。
【
図15C】本明細書の「長手方向/横断方向分散」測定法に関係する元の形態及び処理された形態の実施例2のFCPの画像である。
【
図16A】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【
図16B】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【
図16C】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【
図16D】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【
図16E】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【
図16F】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【
図16G】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【
図16H】実施例のセクションにおける視覚的提示として利用されるパンツ型物品の合成写真である。
【0012】
定義
本明細書で使用する場合、以下の用語は後に指定される意味を有するものとする。
【0013】
「着用可能物品」は、パンツ、テープ式おむつ、失禁者用ブリーフ、女性の生理用衣類などの形態であり得る着用物品を指す。「着用可能物品」は、尿、大便、経血など、身体から排出される様々な排出物を吸収し収容するように構成されてもよい。「着用可能物品」は、国際公開第2011/087503(A)号に開示されているものなど、吸収及び収容機能を提供するための分離可能な使い捨ての吸収性インサートと接合されるように適合可能である、外側カバーとしての役割を果たし得る。
【0014】
「パンツ」とは、予め形成された腰部及び脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を意味する。パンツは、着用者の両脚を脚部開口部に挿入し、着用者の下部胴体の周囲の位置までパンツを滑らせることにより着用され得る。パンツは、通常、「閉じられたおむつ」、「予め締結されたおむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも称される。
【0015】
「長手方向」とは、物品の腰部縁部から反対側の腰部縁部まで実質的に垂直に、及び物品の最大直線寸法に一般に平行に延びる方向を指す。
【0016】
「横断方向」とは、長手方向と垂直な方向を指す。
【0017】
「近位」及び「遠位」とはそれぞれ、物品の長手方向中心に対してより近い又はより遠い位置を意味する。
【0018】
「身体に面する」及び「衣類に面する」とは、それぞれ、要素、又は要素の表面、又は要素の群の相対位置を指す。「身体に面する」とは、要素又は表面が、何らかのその他の要素又は表面よりも、着用中に着用者により近いことを意味する。「衣類に面する」とは、要素又は表面が、何らかのその他の要素又は表面よりも、着用中に着用者からより遠く離れている(すなわち、要素又は表面が、使い捨て吸収性物品の上に着用され得る着用者の衣類に対して近位にある)ことを意味する。
【0019】
「配置される」とは、要素が、ある特定の場所又は位置に置かれていることを指す。
【0020】
「接合された」とは、1つの要素をその他の要素に直接付着させることにより、その要素がその他の要素に直接貼り付けられている構成、及び要素を中間部材(複数)に付着させ、その中間部材(複数)が更にその他の要素に貼り付けられていることにより、その要素がその他の要素に間接的に貼り付けられている構成を指す。
【0021】
「フィルム」とは、材料の長さ及び幅が材料の厚さを大きく上回るシート状材料を意味する。典型的には、フィルムは約0.5mm以下の厚さを有する。
【0022】
「透水性」及び「不透水性」とは、使い捨て吸収性物品の所期の使用の状況における、材料の浸透性を意味する。具体的には、用語「透水性」とは、層又は層構造体が、押し圧がない状態で、液体の水、尿、又は合成尿が層又は層構造体の厚さを通過可能な、孔、開口部、及び/又は相互に接続された空隙を有していることを指す。反対に、用語「不透水性」とは、層又は層構造体が、(重力などの自然の力の他に)押し圧がない状態では、液体の水、尿、又は合成尿が層又は層構造体の厚さを通過できないことを指す。この定義による不透水性の層又は層構造体は、水蒸気に対して透過性であってもよい、すなわち、「蒸気透過性」であってもよい。
【0023】
「延伸性」及び「延伸可能な」とは、弛緩状態における構成要素の幅又は長さを延伸又は増大させることができることを意味する。
【0024】
「伸縮性がある」又は「伸縮性を持たせた」とは、構成要素が弾性材料から作製された少なくとも一部分を含むことを意味する。
【0025】
「伸長性材料」、「延伸性材料」、又は「伸張性材料」は互換的に使用され、付勢力を加えると、破裂又は破断することなく、EDANA法20.2-89で測定して弛緩した元の長さの少なくとも約110%の伸長した長さまで伸張でき(すなわち、元の長さよりも10%長く伸張でき)、加えた力を除くと、完全に破裂又は破断することなく、その伸長の約20%未満というわずかな回復を示す材料を指す。そのような伸長性材料が、加えた力を解放した際に、その伸長量の少なくとも40%回復する場合、その伸長性材料は、「弾性」又は「エラストマー性」であるとみなされる。例えば、100mmの初期長さを有する弾性材料は、少なくとも150mmまで延伸することができ、力を取り除くと少なくとも130mmの長さまで収縮する(すなわち、40%の回復を示す)。加えた力を解放した際に、材料の回復が、その伸長量の40%未満である場合、その伸長性材料は、「実質的に非弾性」又は「実質的に非エラストマー性」であるとみなされる。例えば、100mmの初期長さを有する伸長性材料は、少なくとも150mmまで延伸することができ、力を取り除くと少なくとも145mmの長さまで収縮する(すなわち、10%の回復を示す)。
【0026】
物品の「寸法」、「長さ」、「幅」、「ピッチ」、「直径」、「アスペクト比」、「角度」、及び「面積」は、全て、特に指定されない限り、本明細書における「全物品力測定法」に従って物品が完全伸張時周囲長W1まで延伸された状態で、定規又はルーペを利用して測定される。
【0027】
「アートワーク」は、印刷又は他の方法で提供され、色を有する、裸眼への視覚的表示を意味する。印刷は、リソグラフィ、スクリーン印刷、フレキソ印刷、及びグラビアインクジェット印刷技術などの、当業者に周知の種々の方法及び装置を含む。
【0028】
本明細書において、「色」又は「色づけ」と称される用語は、白色以外のいずれかの原色、すなわち、黒色、赤色、青色、紫色、オレンジ色、黄色、緑色、及びインディゴ色、並びにそれらの淡色又は混合色のいずれかを含み得る。白色は、CIE L*a*b*表色系に従って、少なくとも94のL*値、0±2に等しいa*値、及び0±2に等しいb*値を有する色として、定義される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1Aは、本発明の着用可能物品(20)の斜視図であり、
図1Bは、収縮状態の本発明の着用可能物品の前側を示す概略図であり、
図2Aは、シームが接合されておらず、衣類に面する面を示す、平らなその非収縮状態の着用可能物品の概略平面図である。着用可能物品(20)は、長手方向軸線としての役割も果たす長手方向中心線LX、及び横断方向軸線としての役割も果たす横断方向中心線TXを有する。着用可能物品(20)は、身体に面する面、衣類に面する面、前側弾性ベルト(84)、後側弾性ベルト(86)、股部領域(30)、及び前側弾性ベルト(84)と後側弾性ベルト(86)とを接合して、2つの脚部開口部及び腰部開口部を形成するサイドシーム(32)を有する。
【0030】
着用可能物品(20)は、着用者の股部領域(30)を覆う中央シャーシ38、前側弾性ベルト(84)、及び後側弾性ベルト(86)(以降、「前側及び後側弾性ベルト」と称され得る)を備える、
図1A、
図1B、
図2A、及び
図2Bのようなベルト型パンツであり得、前側及び後側弾性ベルト(84、86)が、横断方向に延在して腰部開口部を画定する別個の環状弾性ベルト(40)を形成する。ベルト型パンツの場合、別個の環状弾性ベルト(40)はまた、弾性ベルト(40)と称されることがある。
図1A、
図1B、及び
図2Aのようなベルト型パンツでは、前側及び後側弾性ベルト(84、86)、並びに中央シャーシ(38)は、接合して脚部開口部を画定する。ベルト型パンツの場合、前側弾性ベルト84は、前側領域(26)であり、後側弾性ベルト(86)は、後側領域(28)であり、残部は、股部領域(30)である。図示されていないが、着用可能物品(20)は、中央シャーシ(38)の外側カバー及び弾性ベルト(40)が共通であるように構成された一体型パンツであってもよい。一体型パンツの場合、サイドシーム(32)の間に横断方向に延在する部分は、それぞれ、前側領域(26)及び後側領域(28)とみなされ、残部は、股部領域(30)である。一体型パンツの場合、前側領域(26)は、前側弾性ベルト(84)とみなされ、後側領域(28)は、後側弾性ベルト(86)とみなされる。
【0031】
中央シャーシ(38)は、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コア(62)、及び更にバックシートの衣類に面する側を覆うための外側カバー層(42)を含んでもよい。トップシートは、透水性基材であってもよい。バックシートは、不透水性フィルムであってもよい。外側カバー層(42)は、不織布シートであってもよい。中央シャーシ(38)は、中央シャーシ(38)上に配置された身体排出物を吸収及び収容するための吸収性コア(62)、並びに吸収性コア(62)の周辺を囲む吸収性材料非存在領域(61)を収容し得る。吸収性材料非存在領域(61)は、トップシート及び/又はバックシート及び/又は外側カバー層(42)及び/又は中央シャーシ(38)を構成する他の部分から作製されてもよい。
図2Aに示される実施形態では、中央シャーシ(38)は、左右長手方向に延在する側縁部(48)及び前後横断方向に延在する端縁部(50)の、概ね矩形の形状を有する。吸収性コア(62)は、股部領域の長手方向寸法全体を通して、かつ前側領域(26)に少なくとも部分的に、又は前側及び後側領域(26、28)の両方に少なくとも部分的に延在して、存在し得る。中央シャーシ(38)は、吸収性物品(20)の前側領域(26)に位置する前側腰部パネル(52)、後側領域(28)に位置する後側腰部パネル(54)、前側及び後側腰部パネル(52、54)の間の股部領域(30)に股部パネル(56)を有し得る。前側弾性ベルト(84)の中心は中央シャーシ(38)の前側腰部パネル(52)に接合され、後側弾性ベルト(86)の中心は中央シャーシ(38)の後側腰部パネル(54)に接合され、前側及び後側弾性ベルト(84、86)は各々、中央シャーシ(38)が重ならない左側部パネル及び右側部パネル(82)を有する。中央シャーシは、前側腰部パネル(52)と後側腰部パネル(54)との間に位置する股部パネル(56)を有する。
【0032】
吸収性コア(62)は、吸収性層及び捕捉層を含んでもよい。吸収性層は、超吸収性ポリマーなどの高い保持容量を有する吸収性材料が存在する領域である。吸収性層は、実質的にセルロースを含まなくてもよい。吸収性層の超吸収性ポリマーは、熱可塑性接着剤材料の繊維層により不動化される第1の材料層と第2の材料層との間に配置されてもよい。第1の材料層及び第2の材料層は、PE、PET及びPPの単成分繊維、サイドバイサイド、コア/シース、又はアイランドインザシー型繊維などの多成分繊維などの合成繊維を含む、不織布繊維ウェブであってもよい。そのような合成繊維は、スパンボンドプロセス又はメルトブロープロセスを介して形成されてもよい。捕捉層は、身体排出物の捕捉及び分配を促進し、トップシートと吸収性層との間に配置され得る。捕捉層は、セルロース繊維を含んでもよい。
【0033】
吸収性層は、吸収性コア(62)に複数配置されてもよい。吸収性層の一部は、チャネル又は複数のチャネルを形成するために吸収性材料を実質的に有さないように構成されてもよい。チャネルは、吸収性コア(62)が、流体で膨潤する際に屈曲することを可能にするのに有用であり得るので、吸収性物品が膨張後に着用者の身体に沿い、物品の弛みを防止する。チャネルはまた、捕捉層内に形成されてもよく、吸収性層のチャネルと厚さ方向に少なくとも部分的に一致するように構成されてもよい。
【0034】
本発明の物品の弾性ベルト(40)は、嵌合力を動的に生成し、着用中に動的に発生する力を分配するように作用する。前側及び後側弾性ベルト(84、86)は、側縁部(89)のみにおいて互いに接合されて、サイドシーム(32)、腰部開口部及び2つの脚部開口部を形成することができる。各脚部開口部は、脚部開口部の周囲に弾性を備えてもよい。脚部開口部周囲の弾性は、前側弾性ベルト(84)、後側弾性ベルト(86)、及び中央シャーシ(38)からの弾性の組み合わせによって提供することができる。
【0035】
図2Bを参照すると、バックシート及び外側カバー層(42)の長手方向長さは、同じであっても異なっていてもよい。例えば、中央シャーシ(38)が弾性ベルト(40)と重なる場所に外側カバー層(42)がないように、外側カバー層(42)は、バックシートの長さと比較して短い長さを有してもよい。そのような構成により、弾性ベルトは、より良好な通気性を有し得る。更に、そのような構成は、コスト削減を提供し得る。更に、そのような構成は、以下で更に詳述するように、弾性ベルト(40)及び股部領域(30)の非弾性領域(221)上に設けられるパターンの干渉を防止することができる。バックシート及び外側カバー層(42)の横断方向幅は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、バックシートは、外側カバー層(42)の横断方向幅と比較してより短い横断方向幅を有してもよい。そのような構成により、脚部開口部の一部をなす股部パネル(56)の長手方向側縁部(48)は、より良好な通気性を有し得る。更に、そのような構成は、コスト削減を提供し得る。
【0036】
前側弾性ベルト(84)及び後側弾性ベルト(86)は、ベルト(40)に弾性を付与するように構成されている。
図1B、
図2A、及び
図2Bを参照すると、前側弾性ベルト(84)及び後側弾性ベルト(86)は各々、横断方向に延びる複数の弾性体(96)、内側シート(94)、外側シート(92)、及び外側シート折り畳み部(93)を含む積層体によって形成することができ、外側シート折り畳み部が、外側シート材料を前側及び後側弾性ベルトの遠位縁部(88)で折り畳むことにより形成される外側シート材料の延在部であり、ベルト弾性体(96)が、これらのシートの2つの間に挟まれている。前側弾性ベルト(84)及び後側弾性ベルト(86)は各々、弾性体(96)、内側シート(94)、外側シート(92)、及び外側シート折り畳み部(93)のみによって作製されてもよい。以下に論じられる様々なパターンは、外側シート(92)上に設けられ得る。ベルト弾性体(96)は横断方向に延在して、前側弾性ベルト(84)及び後側弾性ベルト(86)が接合されると、環状弾性ベルト(40)を提供することができる。弾性体(96)のうちの少なくともいくつかは、互いに実質的に平行に横断方向に延在する。全ての弾性体(96)が、互いに実質的に平行に横断方向に延在してもよい。そのような物品を経済的に作製することができる。前側及び後側弾性ベルト(84、86)は各々、横断方向に連続する近位縁部及び遠位縁部を有することができ、近位縁部(90)は、物品の長手方向中心に対して遠位縁部(88)よりも近くに配置される。弾性体(96)は、前側及び後側弾性ベルト(84、86)の間に、並びにベルトの異なる長手方向位置に同じか又は異なるデニール、間隔、及び力で配置されてもよい。
【0037】
図2Aを参照すると、非収縮状態の後側弾性ベルト(86)の横断方向幅LWは、同じ状態の前側弾性ベルト(84)の横断方向幅と同じである。全幅LWに沿って、後側遠位縁部(88)と後側近位縁部(90)との間の後側弾性ベルト(86)は、長手方向寸法LBを有し、前側遠位縁部(88)と前側近位縁部(90)との間の前側弾性ベルト(84)は、長手方向寸法LFを有する。LBとLFとは、同じであっても異なっていてもよい。LB及びLFの短い方を、LSとして定義する。
【0038】
図2Aを参照すると、LBは、LFよりも大きくてもよい。そのような構成では、着用可能物品を組み立てて、腰部開口部及び脚部開口部を形成すると、着用可能物品(20)は、前側遠位縁部(88)が後側遠位縁部(88)と位置合わせされるように、横断方向中心線TXに沿って折り畳まれる。前側側縁部(89)もまた、後側側縁部(89)の一部と位置合わせされる。次いで、前側弾性ベルト(84)及び後側弾性ベルト(86)は、前側及び後側側縁部(89)においてシーム(32)で接合される。しかしながら、前側及び後側近位縁部(90)は、互いに位置合わせされなくてもよい。後側近位縁部(90)は、後側側部パネル(82)の近位部分が前側近位縁部(90)を越えて中央シャーシ(38)の股部パネル(56)に向かって延在するように、横断方向中心線TXに対して前側近位縁部(90)よりも長手方向に近くに配置され得る。後側側部パネル(82)の近位部分の側縁部は、どこにも接合されず、取り付けされなくてもよい。したがって、後側側部パネル(82)の近位部分は、
図1Bに示されるような臀部カバー(95)を提供する。
【0039】
図1B及び
図2Aを参照すると、ある特定の領域からその弾性稼働性を取り除いて非弾性領域(221)を形成するように、前側及び後側弾性ベルト(84、86)を処理する。前側及び後側弾性ベルト(84、86)の各々では、LWの約10%~約40%、及びLSの約15%~約75%、又はLSの約30%~約70%は、その弾性稼働性が取り除かれている。非弾性領域(221)は、中央シャーシ(38)の前側及び/又は後側腰部パネル(52、54)と重なってもよい。中央シャーシ(38)が吸収性コア(62)を含む場合、吸収性コア(62)に重なる前側及び/又は後側領域の弾性が、吸収性コア(62)の吸収性層又は層のうちのいずれかが束になることを引き起こし得、着用者への中央シャーシ(38)の緊密なフィット性を干渉するという点で、前側及び/又は後側腰部パネル(52、54)が重なるある特定の領域から、弾性を取り除くことが、有利であり得る。
【0040】
前側弾性ベルト(84)及び後側弾性ベルト(86)の残りは各々、弾性領域を含み、弾性領域が、少なくとも腰部開口部に沿って横断方向に延在して、周方向弾性領域を提供する。腰部開口部に沿った周方向弾性領域は、上側ギャザー領域(220)を画定する。
【0041】
図3Aを参照すると、積層体は、弾性結合部(230)と垂直結合部(234)との組み合わせを介して、弾性部材(96)を内側シート(94)及び外側シート(92)のうちの少なくとも1つに結合することにより作製することができる。
図3Aでは、前側弾性ベルト(84)は、弾性部材(96)、及び実線で表される弾性結合部(230)とともに示されている。
図3Aでは、垂直結合部(234)は、前側弾性ベルト(84)の右側でのみ表され、サイドシーム(32)は、非接合状態で示されている。
【0042】
本明細書における弾性結合部(230)によって意味されるものは、弾性部材(96)を前側及び後側弾性ベルト(84、86)の側縁部(89)に沿って結合する結合部である。弾性結合部(230)は、前側及び後側弾性ベルト(84、86)の側縁部(89)に隣接して伸張方向に、サイドシームのために設計された長さを含んで少なくとも約10mm、又は約10mm~約60mmの長さにわたって各弾性部材(96)に連続的に適用され得る。弾性結合部(230)は、弾性部材(96)に比較的強い結合を提供し、したがって、弾性部材(96)を積層体内にしっかりと固定するために提供されるものである。固定は、サイドシームによって補助してもよい。側縁部(89)に沿った弾性結合部(230)の寸法のある特定の割合又はより高い割合を継ぎ合わせてもよい。弾性結合部はまた、弾性部材(96)の限定された横断方向寸法を非稼働化する効果的なプロセスに利用することができる。
図2A及び
図3Aを参照すると、弾性部材(96)は、吸収性コア(62)と重なる部分で非稼働化されてもよい。側縁部領域に加えて、弾性結合部(230T)は、弾性部材(96)のある特定の横断方向寸法の両側に設けられてもよく、これは非稼働化されるように設計されており、弾性結合部(230T)の間の弾性部材の部分が切断され、非稼働化される。弾性部材の非稼働化部分は、図示されていない。そのような非稼働化は、本明細書では腹部カットと称され得、非稼働化領域は非弾性領域(221)と一致してもよい。
【0043】
本明細書における垂直結合部(234)によって意味されるものは、内側シート(94)及び外側シート(92)を断続的に結合するために、内側シート(94)及び外側シート(92)のうちの少なくとも1つに横断方向に間隔をあけて適用される結合部である。垂直結合部(234)はまた、弾性部材(96)を内側シート(94)及び外側シート(92)のうちの少なくとも1つに結合することができる。垂直結合部(234)は、外側シート(92)にのみ設けられてもよい。
図3Aを参照すると、垂直結合部(234)は、積層体の全領域にパターンで設けられてもよい。垂直結合部(234)を積層体の全領域にパターンで提供することにより、垂直結合部(234)は、弾性部材(96)が切断される領域で、内側及び外側シート(92、94)の結合部として機能し得る。垂直結合部(234)は、側縁部(89)に隣接する領域、したがって、弾性結合部(230)が設けられる重複領域に設けられてもよい。あるいは、垂直結合部(234)は、弾性結合部(230)が設けられていない領域にのみ設けられてもよい。垂直結合部(234)は、少なくとも、弾性結合部(230)がない、弾性部材(96)が稼働的に弾性である領域に設けられてもよい。
【0044】
図4Aを参照すると、垂直結合部(234)は、横断方向に延伸された状態で、単一の弾性部材(96)に沿った積層体の厚さ方向に観察され、
図4Aが、外側シート(92)、垂直結合部(234)、及び弾性部材(96)のみを表し、垂直結合部(234)が、外側シート(92)に設けられている。垂直結合部(234)は、横断方向寸法VG2を有し得、長手方向に位置合わせされた連続的なパターンとして設けられ、垂直結合部(234)の各長手方向パターンは、横断方向ピッチVG1で互いに離間し、VG1が、約2mm~約15mmであり得、VG2が、約0.2mm~約7mmであり得る。1つの弾性部材(96)に着目すると、垂直結合部(234)は、弾性部材(96)と内側シート(94)及び外側シート(92)のうちの1つとの間、又は弾性部材(96)と外側シート(92)との間に断続的な結合を提供することができる。これは、弾性部材(96)の伸張方向のある特定の長さに沿って連続的に設けられる弾性結合部(230)とは対照的である。そのため、弾性部材(96)が内側シート(94)及び外側シート(92)のうちの1つに断続的にのみ結合される領域では、横断方向の垂直結合部(234)の間の弾性部材(96)の部分は、積層体の任意の他の部分に取り付けられない。
図4Aでは、弾性部材(96)は、外側シート(92)に結合している。
図4Bを参照すると、弾性部材(96)が収縮すると、これによって外側シート(92)の取り付けられていない部分が弾性部材(96)から離れて折り畳まれ、ギャザーの形成が生じる。そのため、弾性結合部(230)が適用される領域と比較して、外側シート(92)は、ギャザーの作製においてより少ない制限を有する。
【0045】
理論に束縛されるものではないが、内側シート(94)及び外側シート(92)が、弾性部材(96)に対してより少ない制限を有することにより、改善された規則性のギャザーの作製に寄与すると考えられ、その点で、垂直結合部(234)の間に存在する内側及び外側シート材料(92、94)の有意な量が、長手方向に連続的なギャザーを作製するために利用可能である。理論に束縛されるものではないが、また、内側及び外側シート材料(92、94)が、弾性部材(96)に対してより少ない制限を有することにより、弾性部材(96)の伸張性が改善され、適用の容易さを提供することができると考えられる。弾性部材(96)の全てが連続的に結合されている弾性結合部(230)のみによって作製された弾性ベルトと比較して、本発明の弾性ベルト(40)は、本明細書の測定法に従って、より低い伸張時周囲長力を有し得る。更に、そのような比較的低い伸張時周囲長力にもかかわらず、本発明の弾性ベルト(40)は、本明細書の測定法に従って、好適なフィット時周囲長力を維持することができる。理論に束縛されるものではないが、また、内側及び外側シート材料(92、94)が、弾性部材(96)に対してより少ない制限を有することにより、全体的な積層体の通気性が改善され、皮膚の健康を向上させることができると考えられる。理論に束縛されるものではないが、また、垂直結合部(234)は、弾性ベルト(40)が収縮すると、より高い割合の内側及び外側シート材料(92、94)が、積層体の外側表面を形成するために利用可能でありながら、弾性部材(96)が、積層体の厚さの内側に位置し続ける構成を提供すると考えられる。そのため、積層体は、弾力性及び厚さが改善されて設けられ、したがって、着用時に改善された快適性及び柔らかさを付与する。更に、理論に束縛されるものではないが、弾性ベルト(40)が収縮すると、積層体の外側表面を高い規則性で形成するために利用可能な内側及び外側シート材料(92、94)の割合が高いという点で、長手方向により高い剛性を有するように弾性ベルト(40)の身体に面する面を設け、したがって、弛みを防止するための改善されたフィット性に寄与する。なお更に、弾性ベルト(40)が収縮すると弾性部材が、より視認可能でないという点で、ギャザーの審美的に好ましい規則性を更に向上させる。
【0046】
垂直結合部(234)の間の内側及び外側シート材料(92、94)の有意な量を横断方向にギャザー寄せするために利用可能にするためには、VG1は、VG2の約2倍~約20倍、又は約3.5倍~約10倍であり得る。
【0047】
結合に利用され得るのは、ホットメルト接着、熱エネルギー、及び超音波エネルギーの使用など、当該技術分野において既知の任意の方法である。結合強度は、結合の面積によって、又は結合によって提供される異なる接着若しくはエネルギーレベルによって、例えば、接着剤の量及び強度を調節することにより調節することができる。弾性結合部(230)及び垂直結合部(234)の結合強度は同じであっても異なっていてもよい。弾性結合部(230)及び垂直結合部(234)は、同じホットメルト接着によって設けてもよい。
【0048】
垂直結合部(234)は、長手方向に延在する連続的な線であってもよい。
図3Bを参照すると、垂直結合部(234)は、長手方向に位置合わせされた別個の結合部の列であってもよい。各別個の垂直結合部(234)は、約0.5mm~約10mmの長手方向寸法、及び約1mm~約10mm、又は約0.8mm~約5mmの長手方向ピッチを有し得る。垂直結合部(234)を別個の結合部の列で設けることにより、結合部の全体的な面積を減少させることができる。これは、内側及び外側シート材料(92、94)に結合をより剛性に設けることができるという点で、積層体を柔らかな触感に維持するのに有利である。更に、これは、結合のための材料又はエネルギーを節約することができる。各別個の垂直結合部(234)は、各弾性部材(96)を結合する少なくとも1つの別個の結合が存在するように、適切な長手方向ピッチで設けられてもよいが、しかしながらこれは必須ではない。むしろ、隣り合った弾性部材(96)が互いに接触しないように、少なくとも1つの別個の垂直結合部(234)が、弾性部材(96)の各長手方向に離間して存在することが必須である。少なくとも1つの別個の垂直結合部(234)が、各長手方向に離間して弾性部材(96)に存在する限り、弾性結合部(230)が、サイドシーム、並びに非弾性領域(221)の外周に沿って弾性部材(96)のしっかりとした結合を提供するという点で、弾性部材(96)がその意図された位置から離れて移動することを防止する。前側弾性ベルト(84)全体又は後側弾性ベルト(86)全体では、別個の垂直結合部(234)によって内側シート(94)又は外側シート(92)に結合した弾性部材(96)は存在しなくてもよい。前側弾性ベルト(84)全体又は後側弾性ベルト(86)全体では、弾性部材(96)の少なくとも1~約50%は、別個の垂直結合部(234)によって内側シート(94)又は外側シート(92)に結合されてもよい。稼働化された長さに沿った個々の弾性部材(96)では、いくつかの部分は、別個の垂直結合部(234)によって結合されてもよく、いくつかの部分は、別個の垂直結合部(234)によって結合されないままであってもよい。
【0049】
図2Aを参照すると、ベルト型パンツには、前側及び後側弾性ベルト(84、86)の近位縁部(90)に端部シールが設けられて、内側及び外側シート(92、94)を近位縁部(90)で閉じて維持し、したがって弾性部材(96)が接触可能であることを防止することができる。弾性部材(96)のそのような非接触可能性は、物品が若い着用者用の場合に特に有利であり得る。代替的に又は加えて、近位縁部(90)に最も近く位置する弾性部材(96)は、弾性部材(96)の横断方向寸法に沿って、稼働的に弾性の状態の結合部を設けられてもよい。
【0050】
図2Aを参照すると、弾性部材(96)は、横断方向に互いに平行に延びる複数の弾性ストランド(96)によって作製されてもよく、積層体が、弾性ストランド(96)が約2mm~約20mm、又は約3mm~約12mm、又は約3mm~約7mmの長手方向ピッチを有する領域を少なくとも有する。上側ギャザー領域(220)の少なくとも一部は、約3mm~約7mmの長手方向ピッチで配置された弾性ストランド(96)を有し得る。理論に束縛されるものではないが、上述のように垂直結合部(234)の横断方向ピッチと組み合わせた、弾性ストランド(96)のそのような長手方向ピッチは、内側及び外側シート材料(92、94)の剛性によって提供される材料の適切な長手方向の連続性を提供することにより、改善された規則性のギャザーの作製に寄与すると考えられる。上側ギャザー領域(220)の少なくとも一部分は、一定の長手方向ピッチで配置された弾性ストランド(96)を有し得、一定のピッチが、約1.5mm以下の偏差で約2mm~約20mm、又は約3mm~約12mm、又は約3mm~約7mmである。理論に束縛されるものではないが、弾性ストランド(96)のそのような一定のピッチは、改善された規則性及び連続性のギャザーの作製に寄与すると考えられる。
【0051】
前側及び後側弾性ベルト(84、86)は、連続的な内側及び外側シート材料、並びに連続的な弾性ストランドが物品の横断方向軸線に沿って延び、弾性結合部(230)及び垂直結合部(234)を介してそれらを結合することにより作製することができる。製造中、連続的な内側及び外側シート材料、並びに連続的な弾性ストランドは、機械方向に移送されてもよく、製造の機械方向が、物品の横断方向軸線TXと一致する。そのような製造プロセスでは、垂直結合部(234)は、機械方向を横断して連続的に又は別個に位置合わせされて、製造の機械方向にVG1のピッチによって断続的に離間して設けられる。垂直結合部(234)の長手方向パターンは、製造の機械方向を横断して、すなわち物品の長手方向軸線LXと一致してもよいか、又は、特に回転ローラーで結合を適用することにより垂直結合部(234)が設けられる場合、プロセスのより良好な制御のためにわずかに傾けられてもよい。垂直結合部(234)は、製造の機械方向を横断して、すなわち物品の長手方向軸線LXから、時計回り若しくは反時計回りの方向のいずれかで約0.1~約30度、又は時計回り若しくは反時計回りの方向のいずれかで約0.1~約15度の角度で傾けられてもよい。
【0052】
前側及び後側弾性ベルト(84、86)の全体の引張応力(N/m)は、それぞれ、伸張及び適用の容易さなどの本発明の機能的利益を提供しながらまた、着用中にある一定の力を維持して、負荷がかかった後に物品が弛むのを防止するようにプロファイルすることができる。前側弾性ベルト及び後側弾性ベルト(84、86)の弾性が、横断方向に延びる複数の弾性部材(96)によって提供される場合、引張応力は、以下の方法のうちの1つ以上によって調節することができる;1)弾性部材(96)の伸長率、2)弾性部材(96)の密度(dtex)、3)複数の弾性部材(96)の長手方向の間隔、及び4)弾性部材(96)の横断方向における弾性の有効長さ。伸長率により、「0%の伸長率」とは、弾性部材の元の長さを意味する。弾性部材(96)の一部分がその弾性を除去されている場合、影響を受けていない弾性部材で、弾性を付与する能力のある残りの部分が、「弾性部材の弾性の有効長さ」として定義される。
【0053】
図2Aを参照すると、前側及び後側弾性ベルト(26、28)は各々、横断方向に広がる4つのゾーンに分割され得、シーム長さLSの割合に対する、遠位縁部(88)から近位縁部(90)のその位置によって画定され得る。
図2Aの例では、前側領域(26)のベルト側縁部(89)の全長が、前側弾性ベルト(84)であり、後側領域(28)のベルト側縁部(89)のある特定の長さと継ぎ合わされ、これがシーム長さLSを画定する後側弾性ベルト(86)である。シーム長さLSが、サイドシーム(32)の遠位縁部(88)で0%、近位縁部(90)で100%とみなされる場合、ゾーンは、0~25%が腰部ゾーン(102)、25~50%が遠位腹部ゾーン(104)、50~85%が近位腹部ゾーン(106)、及び85~100%が脚部ゾーン(108)などと画定される。遠位縁部88から25%に配置された弾性部材が存在する場合、そのような弾性部材は、腰部ゾーン(102)に含まれるものとみなされる。遠位縁部(88)から50%、又は遠位縁部(88)から85%に配置された弾性部材が存在する場合、そのような弾性部材は、近位腹部ゾーン(106)に含まれるものとみなされる。
【0054】
本発明の物品では、前側近位腹部ゾーン(106)の引張応力は、前側腰部ゾーン(102)、前側遠位腹部ゾーン(104)、又は前側脚部ゾーン(108)のいずれかの引張応力よりも高く提供されてもよい。前側近位腹部ゾーン(106)の引張応力は、前側又は後側のいずれかの、任意の他のゾーンの引張応力よりも大きくすることができる。後側遠位腹部ゾーン(104)の引張応力は、後側腰部ゾーン(102)、後側近位腹部ゾーン(106)、又は後側脚部ゾーン(108)の引張応力のいずれかよりも高く提供されてもよい。前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトの各々の4つのゾーンを比較すると、引張応力は、前側近位腹部ゾーン(106)、続いて後側遠位腹部ゾーン(104)の順で最大に提供されてもよい。理論に束縛されるものではないが、引張応力に関するゾーンごとのそのようなプロファイリングは、本発明の物品に、人間の身体、特に月齢36か月未満の幼児の下部胴体によく沿う形状の弾性ベルト(40)を提供するものと考えられ、したがって、弛み防止又は漏れ防止を妥協することなく、着用者に良好なフィット性及び快適性を提供する。すなわち、前側近位腹部ゾーン(106)は高い引張応力を受けるので、物品を着用者の転子に対して固定しながら、後側近位腹部ゾーン(106)により多くの領域を残して、着用者の臀部を収容することができる。物品が転子でしっかりと固定される限り、上側ギャザー領域(220)は、比較的低い引張応力で設けられてもよい。理論に束縛されるものではないが、そのような比較的低い引張応力は、ギャザーの改善された規則性、並びに柔らかいフィット性を有する上側ギャザー領域(220)の提供に寄与すると考えられる。
【0055】
本発明では、内側シート(92)及び外側シート(94)のうちの少なくとも1つは、複数の変形部を更に含み得、変形部が、長手方向に位置合わせされている。変形部は、長手方向に位置合わせされる限り、内側シート(92)及び/又は外側シート(94)を作製するための不織布材料への孔、スリット、刻印、エンボス、突出部、又は任意の他の永続的な変形であってもよい。例えば、
図5Aを参照すると、外側シート(92)上の変形部が孔の形態で表されている。各長手方向変形部パターンは、DF1の横断方向ピッチで互いに離間してもよく、VG1がDF1よりも大きいか、又はVG1がDF1の少なくとも約1.5倍若しくは少なくとも約2倍である。理論に束縛されるものではないが、垂直結合部(234)と関係して設けられるそのような変形部は、内側シート(92)及び/又は外側シート(94)を寸法VG1内に折り畳み、折り畳み部を長手方向に連続的に作製するために不織布材料を補助する。そのため、ギャザーの規則性が向上する。長手方向変形部パターンは、垂直結合部(234)の長手方向パターンと一致してもしなくてもよい。実際に、本発明の発見は、長手方向変形部パターンが垂直結合部(234)の長手方向パターンと一致しない場合であっても、ギャザーの規則性をなお向上させることである。長手方向変形部パターンと、垂直結合部(234)の長手方向パターンとを一致させる場合には、プロセスの精度が必要とされ得、そのように一致させることを省略してもよい。長手方向変形部パターンが、垂直結合部(234)の長手方向パターンと一致しない場合であっても、複数の整数以外の関係でDF1及びVG1を設けることにより、長手方向変形部パターンの大部分は、垂直結合部(234)の長手方向パターン内にフィットし、ギャザー形成を補助する。
【0056】
変形部は、長手方向に延在する連続的な線、又は長手方向に位置合わせされ、かつDF2の長手方向ピッチで互いに離間した別個の変形部の列であってもよく、DF2が、
図5AのようにDF1以下である。別個の変形部の列に変形部を設けることにより、変形部によって弱化又は剛化される全体的な面積を減少させることができる。DF2をDF1と同じか又はより小さく設けることにより、上述のように、内側及び外側シート材料(92、94)の長手方向での折り畳みを容易にする。
【0057】
変形部は、外側シート上の孔であってもよく、孔が、円形、楕円形、又は多面体の形状であり、少なくとも約0.1mm、又は約0.1mm~約1.5、又は約0.4mm~約1.5mmの短半径を有し、約3未満、又は約2未満のアスペクト比を有するを有する。本明細書における短半径によって意味されるものは、円形の半径、楕円形の短半径、又は多面体の最短寸法の半分である。そのようなサイズ及び形状の孔は、衣類に面する面上に肉眼で視認可能であることができ、したがって、ギャザー並びに積層体全体の通気性及び高品質を伴う。したがって、孔は、外側シート(92)上に設けられてもよい。孔は、通気性を向上するために内側及び外側シート(92、94)の両方に設けられてもよい。更に、DF1よりも大きいVG1を設けることにより、孔は、上述のように折り畳み部上に配置され、したがってギャザーが収縮状態にあるときでさえも、孔の視認性を向上させる。
図5Bは、伸張状態の本発明の弾性ベルトの平面図であり、一方
図5Cは、収縮状態の同じ弾性ベルトである。
図5B~
図5Cの弾性ベルトでは、VG1は、DF1の約1.5倍である。
図5Cに見ることができるように、そのようなVG1とDF1との関係を提供することにより、孔の長手方向の少なくとも1つの列が、長手方向の様式で連続的に折り畳まれて、長手方向の連続的なギャザーが設けられ、孔が、各ギャザーの山付近に位置する。そのため、孔の視認性が向上する。これは、通気性、並びに通気性の感覚を更に向上させることができる。
【0058】
前側及び後側非弾性領域(221)は、弾性が取り除かれ、ギャザーが少ないか又はなく、したがって、非弾性領域(221)の衣類に面する側を形成する材料は、高い視認性を有する。更に、前側及び後側非弾性領域(221)は、上側ギャザー領域(220)並びに股部領域(30)に隣接し、着用されると、物品の長手方向及び横断方向のおよそ中心に配置される。したがって、物品の残りと調和する非弾性領域(221)の審美的効果は、物品全体の品質のある特定の感覚を提供する。非弾性領域(221)の審美的効果は、上側ギャザー領域(220)と調和して、上側ギャザー領域(220)の長手方向に連続するギャザーの方向性を向上することができる。加えて又は代替的に、非弾性領域(221)の審美的効果は、股部領域(30)と調和して、物品の一体的な下着のような外観を向上することができる。そのような審美的効果は、高品質の物品の感覚を提供することが期待される。
【0059】
非弾性領域(221)及び股部領域(30)は、審美的パターン又は幾何学的パターンが設けられる。本発明では、審美的パターンによって意味されるものは、繰り返される視覚的提示が衣類に面する側から肉眼で視認可能である限り、幾何学的パターン又は印刷パターンであり得る繰り返される視覚的提示である。本発明では、幾何学的パターンによって意味されるものは、非弾性領域(221)の衣類に面する側を形成する材料への永続的な変形部であり、肉眼で衣類に面する側から視認可能である、繰り返される視覚的提示である。永続的な変形部は、物品の衣類に面する面に設けられる孔、エンボス、及び他のテクスチャ的な変形部であってもよい。股部領域(30)の衣類に面する面は、外側カバー層(42)であり得る。肉眼で視認可能ではない永続的な変形部は、本明細書では幾何学的パターンとみなさない。肉眼で視認可能ではない永続的な変形部としては、肉眼で知覚するには微細すぎるか又は微小すぎるもの、変形部が知覚され得ないような均一性で設けられているもの、及び衣類に面する面に配置されていないものが挙げられる。永続的な変形部は、ギャザー形成を支援するために、上述のものと同じか又は異なる変形部であってもよい。印刷パターンは、非弾性領域(221)若しくは股部領域(30)の衣類に面する面に色によって直接印刷されたもの、及び/又は非弾性領域(221)若しくは股部領域(30)を重ねた層上に印刷され、重なった層を通じて視認可能であるものであってもよい。例えば、印刷パターンは、内側シート(94)の衣類に面する面に設けられてもよい。例えば、印刷パターンは、非弾性領域(221)又は股部領域(30)と重なる中央シャーシの層に設けられてもよい。
【0060】
本明細書の非弾性領域(221)は、第1のベルトパターンFBPが設けられる。第1のベルトパターンは、本明細書の測定法に従って、長手方向配向を有し得る。長手方向配向は、観察によって測定することができる。代替的に又は加えて、長手方向配向は、画像分析によって決定してもよく、第1のベルトパターンFBPが、本明細書の測定法に従って、少なくとも約35%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約70%の長手方向分散、及び約35%以下、又は約20%以下、又は約10%以下の横断方向分散を有し得る。本明細書における長手方向配向によって説明されるのは、パターンの繰り返される視覚的提示を観察すると、肉眼で知覚される長手方向に向けられる印象である。例えば、
図6A及び
図6Bを参照すると、本発明の物品は、前側から観察された収縮状態で示されている。前側弾性ベルトの非弾性領域(221)は、衣類に面する側から視認可能である第1のベルトパターンFBPの孔が設けられている。孔は、長手方向に延在する、およそ直線に位置合わせされており、そのような線の各々は、間隔をあけて横断方向に繰り返されている。
図6A及び
図6Bの第1のベルトパターンFBPは、長手方向配向を有する。
【0061】
図11A~
図11Dを参照すると、観察によって測定される長手方向配向によって具体的に意味されるものが、説明されている。まず、パターンを作製するために繰り返される変形部又は印刷の最小完全単位である基本単位を同定する。パターンは、長手方向及び横断方向の両方において、パターンの特定の境界を有さない一貫した間隔を有する規則的かつ連続的な変形部又は印刷の繰り返しパターンであり得る。一貫した間隔を有する、そのような規則的かつ連続的な繰り返しパターンは、ランダム繰り返しパターンと称される。ランダム繰り返しパターンの基本単位は、基本単位領域として定義される特定の領域を取り囲むことが可能である、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの個々の変形部又は印刷の群として定義される。例えば、
図11Aは、4つの変形部からなる基本単位を有するランダム繰り返しパターンであり、各変形部は、孔であり得る円形状を有し、基本単位領域が、ほぼ矩形である。別の例では、
図11Bは、4つの変形部からなる基本単位を有するランダム繰り返しパターンであり、各変形部は、エンボスであり得るバー形状を有し、基本単位領域が、ほぼダイヤモンド形である。更に別の例では、
図11Cは、4つの変形部からなる基本単位を有するランダム繰り返しパターンであり、各変形部は、スリットであり得るS形状を有し、基本単位領域が、ほぼダイヤモンド形である。更に別の例では、
図11Dは、2つの正弦波が並んだ約50個の変形部からなる基本単位を有するランダム繰り返しパターンであり、各変形部は、孔であり得る円形状を有し、基本単位領域が、実質的に一定の横断方向寸法を有するほぼ波形である。基本単位内で、長手方向及び横断方向で最も近くに隣接する変形部又は印刷を同定し、それらの間隔を測定する。Y間隔よりも少なくとも10%長いX間隔を有するこれらのパターンは、長手方向配向を有するとみなされる。Y間隔の110%未満のX間隔を有するパターンは、長手方向配向を有さないとみなされる。
【0062】
長手方向配向は、以下の測定セクションで更に詳細に論じられるように、画像分析によって決定することができる。長手方向/横断方向分散は、長手方向及び横断方向での特定のパターンの分散を画定するために、画像分析を利用することによりパターンの長手方向に連続的かつ横断方向に連続的な印象を抽出するためのものである。
【0063】
理論に束縛されるものではないが、長手方向配向を有する第1のベルトパターンFBPを設けることにより、非弾性領域(221)は、上側ギャザー領域(220)と調和して見えて、上側ギャザー領域(220)の長手方向に連続的なギャザーの方向性を向上させる。
【0064】
本明細書の股部領域(30)は、第1の股部パターンFCPが設けられる。第1の股部パターンFCPは、審美的パターン又は幾何学的パターンであり得る。第1の股部パターンFCPは、本明細書の測定法に従って、長手方向配向を有し得る。第1のベルトパターンFBPと同様に、第1の股部パターンFCPの長手方向配向は、観察によって測定及び/又は画像分析によって決定することができる。本明細書の測定法に従った長手方向配向によって説明されるものは、第1のベルトパターンFBPについて論じられたものと同様に、パターンの繰り返される視覚的提示を観察すると肉眼で知覚される長手方向に向けられる印象である。
図6Aを参照すると、股部領域(30)は、衣類に面する側から視認可能であり、第1のベルトパターンFBPのものと同様の第1の股部パターンFCPの孔が設けられている。第1の股部パターンFCPもまた、長手方向配向を有する。
図6B、11D、及び以下の測定方法を参照すると、
図6Bの股部領域(30)は、第1のベルトパターンFBPのものと同様ではない第1の股部パターンFCPの孔が設けられている。更に、第1の股部パターンFCPの孔は、長手方向配向を有し、したがって第1のベルトパターンFBPと位置合わせされて見える。
【0065】
第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの両方が長手方向配向を有するように設けることにより、非弾性領域(221)は、股部領域(30)と調和して見えて物品の一体的な下着のような外観を向上させる。第1のベルトパターンFBPと第1の股部パターンFCPとのそのような組み合わせは、環状弾性ベルト(40)及び中央シャーシ(38)が、異なる部分として設けられるベルト型パンツに特に有用である。第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの両方が長手方向配向を有するように設けることにより、異なる部分間の境界の視認性を緩和することができる。第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPは、両方とも幾何学的パターンであってもよい。
【0066】
第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPは、共通要素を有してもよい。共通要素を有することによって意味されるものは、本明細書の測定法に従って、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの基本単位が、同じか又は同様に設けられることである。例えば、
図6Aの第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPは、共通要素を有し、共通要素は、長手方向に線状に並んだ孔である。
【0067】
共通要素は、基本単位が幾何学的に同様である異なるサイズで表されてもよい。共通要素は、同様の方向の配向、色、及び密度で配置されてもよい。例えば、
図7を参照すると、第2のベルトパターンSBP及び第2の股部パターンSCPの雲のようなパターンは、同様であるが、更に異なるサイズの雲で設けられている。雲のようなパターンは、共通要素として機能し得る。
【0068】
共通要素は、異なる方法で設けられてもよい。例えば、第1のベルトパターンFBPの幾何学的パターンとして設けられる特定の要素は、第1の股部パターンFCPの印刷パターンとして設けられてもよい。別の例では、第1のベルトパターンFBPのエンボスとして設けられる特定の要素は、第1の股部パターンFCPの孔として設けられてもよい。
【0069】
図6Bを参照すると、股部領域(30)は、第1のベルトパターンFBPのものとは異なる第1の股部パターンFCPの孔が設けられてもよい。更に、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの孔の両方が長手方向配向を有する場合、一体的な外観が提供される。しかしながら、そのような状況では、前側及び後側弾性ベルト(84、86)が、中央シャーシ(38)と重なり、第1の股部パターンFCPが第1のベルトパターンFBPの外観と干渉しないような、処置が提供され得る。
【0070】
上に論じた干渉を防止するために、前側又は後側弾性ベルト(84、86)は、本明細書の測定法に従って、少なくとも約25%、又は少なくとも約45%の不透明度を有するように設けられ得る。そのような不透明度を提供し、第1のベルトパターンFBPが長手方向配向を有するように設けることにより、ベルト材料を構成する材料を通して見ることは困難であるので、ベルト材料を通して第1の股部パターンFCPを同定することが困難である。
【0071】
図2Bを参照すると、上に論じた干渉を防止するために、中央シャーシ(38)の衣類に面する面の構成を、前側及び後側弾性ベルト(84、86)に対して調節してもよい。外側カバー層(42)は、股部領域(30)の衣類に面する面であってもよく、第1の股部パターンFCPを設けられてもよい。外側カバー層(42)は、前側腰部パネル(52)及び後側腰部パネル(54)の長手方向に部分的にのみに延在して、前側腰部パネル(52)及び後側腰部パネル(54)の遠位部分が外側カバー層(42)を含まないままであってもよい。すなわち、外側カバー層(42)の長手方向長さは、股部パネル(56)の長手方向長さよりも長く、かつバックシート(60)の長手方向長さよりも短くてもよい。かかる構成では、前側腰部パネル(52)及び後側腰部パネル(54)の遠位部分は、外側カバー層(42)が存在しない。したがって、
図2Bの中央シャーシ(38)の衣類に面する面とバックシート(60)との間の要素の層を見ると、外側カバー層(42)が存在する腰部パネル(52)上に配置される非常に小さい重複領域(34)のみが存在する。前側弾性ベルト(84)と後側弾性ベルト(86)との重複領域(34)の長手方向長さは、可能な限り短く、例えば、それぞれ約20mm未満、又は約15mm未満、又は約10mm未満で作製することができる。
【0072】
非弾性領域(221)は、第2のベルトパターンSBPを更に含んでもよい。第2のベルトパターンSBPは、上に論じられるように、異なる方法で設けられる視覚的提示又は同様のパターンのいずれかで、第1のベルトパターンFBPとは異なるパターンである。異なる方法で設けられる同様のパターンによって意味されるものは、例えば、エンボスで設けられる第1のベルトパターンFBP、及びエンボスに一致して色で設けられる第2のベルトパターンSBPである。第2のベルトパターンSBPは、審美的パターン又は幾何学的パターンであり得る。第2のベルトパターンSBPは、第1のベルトパターンFBP又は第1の股部パターンFCPとの共通要素を有し得る。股部領域(30)は、第2の股部パターンSCPを更に含んでもよい。第2の股部パターンSCPは、上に論じられるように、異なる方法で設けられる視覚的提示又は同様のパターンのいずれかで、第1の股部パターンFCPとは異なるパターンである。第2の股部パターンSCPは、審美的パターン又は幾何学的パターンであり得る。第2の股部パターンSCPは、第1のベルトパターンFBP又は第1の股部パターンFCPとの共通要素を有し得る。第2のベルトパターンSBP及び第2の股部パターンSCPは、共通要素を有してもよい。
図7を参照すると、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPは、共通要素を有する長手方向配向を有する孔であり、第2のベルトパターンSBP及び第2の股部パターンSCPは、雲を表す孔の配列であり、雲は必ずしも長手方向配向を有さない。
図8を参照すると、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPは、共通要素を有する長手方向配向を有する孔であり、第2のベルトパターンSBP及び第2の股部パターンSCPも、共通要素を有する長手方向配向を有するエンボスである。
【0073】
第1のベルトパターンFBP、第1の股部パターンFCP、第2のベルトパターンSBP、及び第2の股部パターンSCPは各々、本明細書の測定法に従った、パターン密度を有し得る。特定の審美的効果を提供するために、特定のパターンのパターン密度を選択することができる。例えば、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPのパターン密度は、非弾性領域(221)が股部領域(30)と調和して見えて物品の一体的な下着のような外観を向上させるように、約10ポイント未満の差を有するように作製され得る。ベルト型パンツでは、異なる部分間の境界の視認性を緩和することができる。別の例では、パターン密度は、遠位縁部(88)から近位縁部(90)に向かって、更に股部領域(30)へと徐々に減少する勾配で設けられてもよい。
【0074】
図6Aを参照すると、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPが共通要素を有し、互いに同じか又は非常に類似し、更にパターン密度の約10ポイント未満の差を有する場合、高度に調和した外観を提供することができる。そのような高度に調和した外観は、きちんと仕上がった製品を伴うことができながら、またパターンからの意図を低く伴うことができる。
図7を参照すると、
図6Aのパターンの調和に第2のベルトパターンFBP及び第2の股部パターンSCPを設けることにより、
図6Aの高度に調和した外観に対するアクセント及び/又は意図を提供するのに役立ち得る。
【0075】
第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPは、約16mm
2~約200mm
2の面積寸法の高次パターンHOPを形成することができ、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPが、共通要素を有する幾何学的パターンであり、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの両方が、本明細書の測定法に従って、非方向性配向を有する。非方向性配向によって意味されるものは、パターンが長手方向又は横断方向のいずれにも配向されていない印象である。高次パターンHOPの方向性配向は、本明細書の測定法に従って、画像分析によって決定される。具体的には、非方向性配向は、約35%未満の長手方向分散(90度での分散%)、並びに約35%未満の横断方向分散(0度での分散%)を有する。具体的には、非方向性配向は、約15%未満の長手方向分散、並びに約15%未満の横断方向分散を有し得る。高次パターンHOPによって意味されるものは、上述のランダム繰り返し単位とは異なり、変形部の間に一貫しない間隔を有するパターンである。一貫しない間隔は、交互であってもよいか又は変動してもよい。一貫しない間隔に起因して、パターンは、個々の変形部の寸法よりも大きい寸法の形状の提示を提供することができる。
図9Aを参照すると、第1のベルトパターンFBP並びに第1の股部パターンFCPは、円形状を有するパターンで配置された7つの変形部を有する。変形部は、孔であってもよい。
図9Bを参照すると、第1のベルトパターンFBP並びに第1の股部パターンFCPは、中央に開口部を有するダイヤモンド形状に配置された12個の変形部を有する。変形部は、孔であってもよい。
図9Cを参照すると、第1のベルトパターンFBP並びに第1の股部パターンFCPは、2つの葉がそれらを接続する茎を有するように配置された26個の変形部を有する。変形部は、孔であってもよい。
図9Dを参照すると、第1のベルトパターンFBP並びに第1の股部パターンFCPは、鎖のような形状に配置された80個の変形部を有し、第2のベルトパターンSBP及び第2の股部パターンSCPは、それぞれ、第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPのような鎖によって取り囲まれたハートのような形状に配置された16個の変形部を有する。全てのそのような変形部は、孔であってもよい。あるいは、ハートのような形状の第2のベルトパターンSBP又は第2の股部パターンSCPは、エンボス加工又は印刷によって設けられてもよい。
【0076】
高次パターンHOPの面積寸法は、以下のように得られる。まず、高次パターンHOPの基本パターンを同定する。基本パターンによって意味されるものは、例えば、
図9Aの円形状、
図9Bのダイヤモンド形状、
図9Cの2つの葉と茎の形状、
図9Dのハート形状、又は
図9Dの鎖形状である。そのような基本パターンは、近傍のパターンと要素を共有してもしなくてもよい。1つの基本パターンの中心点を、Cとして同定する。高次パターンHOPの非方向性配向に起因して、互いに最も近い4つの異なる高次パターンHOPの4つの中心点を抽出することができる。基本パターンに最も近いパターン及び/又は基本パターンと要素を共有するパターンを同定する。4つの中心点を接続する仮想線は、四角形、典型的には平行四辺形、菱形、又は正方形を表し、HOP単位を画定する。4つの中心点を使用して2つ以上のタイプの四角形を描くことが可能である場合、最小面積を有する四角形を同定し、HOP単位として定義する。本発明のHOP単位は、約16mm
2~約200mm
2の面積を有する。
【0077】
図9Bを参照すると、高次パターンHOPの中心点は、中央の開口部であり、Cとして同定することができる。基本パターンに最も近いパターンを同定する。4つの中心点を接続する仮想線は、正方形を表し、
図9BのパターンのHOP単位を画定する。
図9Cを参照すると、高次パターンHOPの中心点は、対向して延在する2つの葉のような形状の接続点であり、Cとして同定することができる。基本パターンに最も近いパターンを同定する。4つの中心点を接続する仮想線は、正方形を表し、
図9CのパターンのHOP単位を画定する。
図9Dを参照すると、高次パターンHOPの中心点は、鎖のような形状の中心であり、Cとして同定することができる。基本パターンに最も近いパターンを同定する。4つの中心点を接続する仮想線は、ダイヤモンド型形状を表し、
図9DのパターンのHOP単位を画定する。
図9B、9C、及び9Dでは、HOP単位面積はそれぞれ縁取られて記載されている。
図9A~9Dの個々の変形部は、約0.4mm~約1.5mmの直径を有し得、約16mm
2~約200mm
2の面積を有し得る。そのような面積寸法にHOP単位を設けることにより、パターンは肉眼で良好に識別され、パターンの繰り返しは良好に認識され、高品質の審美的外観を提供する。
【0078】
第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCPの両方が非方向性配向を有するように設け、高次パターンHOPの共通要素を更に有することにより、非弾性領域(221)は、股領域(30)と調和して見えて物品の一体的な下着のような外観を向上させる。ベルト型パンツでは、異なる部分間の境界の視認性を緩和することができる。
【0079】
1.全物品力測定法
MTS Criterion C42 running TestWorks 4 Software(MTS SYSTEMS(中国)CO.,LTDから入手可能)、又は同等の機器などのコンピュータインターフェースを備えた、電気式引張試験機を使用して、力を測定する。試験される試料に対する力の結果が、使用されるロードセルの能力の10%~90%になるように、ロードセルを選択する。メーカーの指示書に従って機器を較正する。全ての試験は、23±2℃及び50±5%の相対湿度に維持した室内で実施される。
【0080】
引張試験機に、
図10に示されるようなハンガータイプの試料保持固定具(300)を装着する。各固定具は、試験中に試料が滑るのを防止するために、剛性で直線状のゴムでコーティングされた水平バー部分(302)を備える。水平バー部分のバーの外径(ゴムコーティングを含む)は、10.0mmである。水平バー部分(302)の中央軸線は、全試験過程を通して平行で同一垂直面内に保たれるように構成されている。標点周囲長は、次式によって決定される。
基準周囲長=2×(H+D+πD/2)
式中、Hは水平バー部分(302)間の垂直方向の隙間であり、Dはバーの外径である。
【0081】
機器は、以下の工程をこなすように設定される。
【0082】
【0083】
バーが物品の腰部開口部及び一方の脚部開口部を通過するように、物品(20)の試料を上側の水平バー部分(302)上に挿入する。試験体が下側のバーの上方でぶら下がり、下側のバー(302)に触れなくなるまで、クロスヘッドを持ち上げる。ロードセルの風袋を差し引き、物品を伸張させずに下側のバー(302)を腰部開口部及び他方の脚部開口部に挿通させることができるように、クロスヘッドを下降させる。物品の長手方向中心線LXが上側のバーと下側のバー(302)との間の中間で水平面にあるように、物品を調節する。バー(302)と接触している側部部分の中心が、機器のロードセルと同じ垂直軸線上に位置するようにする。物品を必要に応じて手で適所に保持しつつ、不要な力が加わらないように留意しながら、力が0.05~0.1Nになるまでクロスヘッドをゆっくり持ち上げる。この時点での標点周囲長が初期標点周囲長である。試験を開始し、19.6Nの力が得られるまでクロスヘッドを254mm/分で上方に移動させ、次に、同じ速度でクロスヘッドをすぐに初期標点周囲長に戻す。19.6Nでの最大周囲長、及び試験のセグメントに負荷をかけた間及び負荷をかけない間の最大周囲長の70%における力を記録する。
【0084】
19.6Nでの最大周囲長(mm)を、完全伸張時周囲長W1として定義する。完全伸張時周囲長(mm)×0.7を、70%伸張時周囲長W2として定義する。70%伸張時周囲長における試験の負荷セグメント中の力(N)を、伸張時周囲長力として定義する。70%伸張時周囲長における試験の負荷を外したセグメント中の力(N)を、フィット時周囲長力として定義する。5つの試料を分析し、それらの平均を計算し、それぞれ、1mm又は0.01N単位で報告する。
【0085】
2.不透明度
材料又は材料の組み合わせの不透明度は、その材料によって遮断される光の度合いである。より高い不透明度の値は、その材料がより高度に光を遮断することを示す。不透明度は、0°照明/45°検出、周辺の光学的形状、HunterLab LabScan XE running Universal Software(バージニア州Reston所在のHunter Associates Laboratory Inc.から入手可能)などの、コンピュータインターフェースを伴う分光光度計を使用して測定され得る。機器の校正及び測定は、供給メーカーによって提供されている標準白黒校正プレートを使用して行う。全ての試験は、約23±2℃及び相対湿度約50±5%で維持された室内で行う。
【0086】
分光光度計は、公称に設定したUVフィルタとともに、XYZカラースケール、D65光源、10°標準オブザーバー用に構成されている。機器は、供給メーカーの手順に従って44.45mm(1.750インチ)の視野域を使用して標準化する。校正後、ソフトウェアはY不透明度手順に設定され、これは測定中に白又は黒のいずれかの較正タイルで試料を覆うように操作者に指示する。
【0087】
試料を得るために、La Pointique Int’l Ltd.のCold spray 829などのコールドスプレーを適用した後、手で中央シャーシを取り外すことにより、物品の残りから前側又は後側弾性ベルトを取り外して、ベルトと中央シャーシとを接着接続する。このように中央シャーシから取り外されたベルトのサイドシームを、はさみによって開く。分析用に、ベルトの非弾性領域を、はさみを使用して101.6mm×101.6mmの部分に切断する。試験前に、23℃±2℃及び50%±5%の相対湿度で2時間、試料を予め調整する。
【0088】
試料を測定ポート上に置く。試料は、ポートに向けた物品の衣類に面する面に対応する面で、ポートを完全に覆う必要がある。試験片を、白色標準プレートで覆う。読み取りを行った後、試験片を動かすことなく、白色タイルを取り除き、黒色標準タイルに置き換える。2度目の読み取り値を取得し、不透明度を以下のように計算する。
不透明度=(Y値(黒色裏材)/Y値(白色裏材))×100
【0089】
合計3つのベルトの同様の領域を分析し、それらの不透明度の結果を記録する。平均不透明度計算して、を0.1%単位で報告する。
【0090】
3.観察による長手方向配向
この測定法は、10cmの距離から観察すると肉眼で視覚的に認識可能なパターンとして定義される視認可能なランダム繰り返しパターンを提供する。
図11A~
図11Dを参照すると、パターンを作製するために繰り返されるパターンの最小完全単位であり、特定の領域を取り囲むことが可能である基本単位を同定する。基本単位内で、長手方向及び横断方向で最も近くに隣接する変形部又は印刷を同定する。長手方向(Y)で最も近くに隣接する変形部/印刷と横断方向(X)で最も近くに隣接する変形部/印刷との間の間隔を、スケール(単位:0.1mm)によって測定する。Y間隔及び/又はX間隔は、
図11CでのY間隔の場合と同様に負であってもよい。
【0091】
Y間隔よりも少なくとも10%多いX間隔を有するこれらのパターンは、長手方向配向を有するとみなされる。同じパターンの5つの部分を分析し、それらの平均を計算し、%単位で報告する。
【0092】
4.HOP単位面積
この測定法は、高次パターンHOPのために提供される。HOPは、10cmの距離から観察すると肉眼で視覚的に認識可能であり、変形部の間に一貫しない間隔を有する幾何学的パターンである。一貫しない間隔は、交互であってもよいか又は変動してもよい。多数の変形部で作製されたHOPの繰り返しを、観察によって同定する。
図9A~9Dを参照すると、
図9AのHOPは円形であり、
図9Bは正方形であり、
図9Cは葉と茎であり、
図9Dは鎖によって取り囲まれたハートである。1つのHOPの中心を、Cとして同定する。そのようなHOPは、基本パターンである。基本パターンに最も近い他のHOP又は基本パターンと要素を共有する他のHOPを同定し、抽出する。近傍のこれらのHOPから、最も近い距離の4つの中心点を同定する。4つの中心点を接続する仮想線は、四角形を表す。4つの中心点を使用して2つ以上のタイプの四角形を描くことが可能である場合、最小面積を有する四角形を同定し、HOP単位として定義する。JIS認定された金属スケール又は同等物によって、四角形の辺及び/又は対角線を測定し、四角形の面積を計算する。
【0093】
同じパターンの5つのHOP単位を分析し、1mm2単位で報告する。
【0094】
5.画像分析
5-1. 試料の調製
その完全伸張時周囲長W1の65%~90%伸張された状態で試料の弾性ベルト(40)を取り付けることを可能にする適切なサイズを有する硬質プラスチックプレート上に、物品(20)試料を取り付ける。実施例1~2の物品試料の測定には、横断方向に250mm及び4mmの厚さの寸法を有する硬質プラスチックプレートを使用した。更に、前側とプラスチックプレートとの間の試料に伸張ブロックを挿入する。試料のサイズにかかわらず、伸張ブロックは、横断方向に110mm、長手方向に170mm、及び25mmの厚さの寸法を有する。中央シャーシ(38)の任意の弾性体が実質的に伸張状態になるように、伸張ブロックを物品の中心に挿入する。
【0095】
5-2. 画像の取得
上で調製した試料を、前側を上に向けて、非反射性黒色背景プレート上に水平に置く。試料の真上に1050mmの長さで、レンズ(EF24~105mm f/4L IS2 USM)を有するCanonカメラ(CanonEO2 6D Mark 2)又は同等物を置く。試料から横断方向に650mm離れて、試料から垂直方向に300mm離して、2つのバーライト(Smart Vision Lights LHF 300又は同等物)を置き、光の面が、水平方向から45±6度の角度に面し、バーライトの長い方の寸法を、試料の長手方向軸線と平行に置く。カメラの焦点距離は、64mmに設定する。画像取得設定は、ISO:400、F:5.0、露光時間:1/160秒、である。
【0096】
5-3. パターン密度の画像分析
a) 上で取得した画像を、ImageJソフトウェア(バージョン1.52h、National Institute of Health,USA)又は同等物にインポートし、8ビットに変換する。
b) 硬質プラスチックプレートと関連してスケールを設定する。
c) 第1のベルトパターン(First Belt Pattern、FBP)及び第1の股部パターン(First Crotch Pattern、FCP)の分析領域を、皺、影、又は高反射を有する領域を避けながら同時に、各々50mm×50mmの正方形で物品の横断方向のほぼ中心から切り取り、並べる。この工程によって得た画像は、実施例1のFBPの
図12A、実施例1のFCPの
図13A、実施例2のFBPの
図14A、及び実施例2のFCPの
図15Aのようなものであった。それぞれのパターンの図(12、13、14、15)のこの順序は、以下に記載される残りの画像と同じである。
d) 切り取った画像を、「function of autoscale after filtering」及び「surtulation when autoscaling」のマークを選択したImageJの「FFT bandpass filter」を使用して、10画素までlarge structureをフィルタ処理し、3画素までsmall structureをフィルタ処理する。
e) 工程d)で得たフィルタ処理した画像を、70グレイ値で閾値を使用して白黒に変換する。
f) 「particle analysis」と呼ばれるImageJ内蔵プラグインを、0.2mm
2未満のサイズを有する粒子をフィルタ処理するために、工程e)で得た閾値画像に適用し、「Show」のプルダウンメニューを「Masks」に設定して、鮮明なパターンイメージを作成し、要約テーブルのマークを選択する。実施例1及び2のこの工程によって得た鮮明なパターンイメージは、
図12B~15Bであった。パターン密度は、要約テーブルからの面積%として定義する。5つの試料を分析し、それらの平均を計算し、0.1ポイント単位で報告する。
【0097】
5-4. 長手方向分散/横断方向分散の画像分析
g) 工程f)で得た鮮明なパターン画像を、ImageJの「Gaussian Blur」フィルタを使用して、1mmのシグマ(半径)でTフィルタ処理する。実施例1及び2のこの工程によって得た画像は、
図12C~15Cであった。
h) 配向分散を計算するために、「方向性」と呼ばれるImageJ内蔵プラグインを、工程g)で得たぼかしフィルタ処理した画像に適用して、配向分散を計算する。使用する分析パラメータは、表示テーブルのマークの、方法:フーリエ成分、Nbins:5、ヒストグラム開始:-45、ヒストグラム終了:135、を選択する。
i) 出力テーブルから方向性分散を得る。出力テーブルは、各角度-45°、0°、45°、90°、及び135°の分散を含有する。横断方向分散は、0°での分散%として定義する。長手方向分散は、90°での分散%として定義する。5つの試料を分析し、それらの平均を計算し、0.01ポイント単位で報告する。
【実施例0098】
実施例1及び2は、
図2Aのベルト構成、
図6A及び6Bのような第1のベルトパターンFBP及び第1の股部パターンFCP、並びにそれぞれ表1の弾性/結合プロファイルの計画を有することにより作製した。実施例1のFBP、実施例1のFCP、実施例2のFBP、及び実施例2のFCPの実際の写真画像は、それぞれ
図12A、
図13A、
図14A、及び
図15Aとして提供する。表2のように、実施例1及び2の長手方向/横断方向分散及びパターン密度を得た。
【0099】
【表2】
(
*1)表1の「腹部カット」とは、弾性ストランドの横断方向中央領域における弾性の除去を指し、68%の弾性有効長さを生じる。
【0100】
【0101】
実施例1及び2の物品は、審美的に好ましい一体的な外観を提供する。実施例1及び2の物品はまた、適用を容易にするための改善された伸張性、弛みを防止するための改善されたフィット性、改善された快適性及び柔らかさ、並びに皮膚の健康のための改善された通気性を有する。
【0102】
合成された視覚に基づく表示試験
実施例A~Hは、それぞれ
図16A~
図16Hのように、物品の前側から見た外観を有するパンツ型物品の合成写真として作成した。全ての変形部は、2以内のアスペクト比を有するほぼ円形状を有する孔である。合成写真は、着用状態では物品がどのように見えるかを提示し、以下の特徴を有するように作成した。実施例C及びDは、それぞれ79mm
2及び20mm
2のHOP単位面積を有する高次パターンであるパターンを有する。
【0103】
【0104】
概ねサイズ4又は5(L又はXLサイズ)のパンツおむつを使用する幼児の介護者であり、主要ブランドの混合の使用経験を有する、20人のパネリストを募集した。パネリストに、実施例A~Hの全ての外観を示し、「不十分」=0、「十分」=25、「良」=50、「非常に良」=75、及び「優」=100などのスコアである、5つの評価を使用するこれらの値で、以下の表4に見られる値で評価するように依頼した。スコアを平均した。
【0105】
【表5】
(
*1)スコア後の実施例番号の印は、90%信頼度レベルで印をつけられた実施例に対して「統計的に有意により良好」であることを示す。例えば、実施例Bの「全体」評価は、実施例G及びHの各々よりも統計的に有意に良好であった。
【0106】
上の試験に従って、本発明の要件を満たす実施例B、C、及びDは、本発明の要件を満たさない実施例E~Hのうちの少なくともいくつかを上回って統計的に有意な全体的な好ましさを有する。
【0107】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。更に、本明細書全体を通して与えられるあらゆる数値範囲は、そのような広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を含む。
【0108】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0109】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
長手方向及び横断方向に連続的な着用可能物品であって、前側弾性ベルトと、後側弾性ベルトと、股部領域と、腰部開口部と、一対の脚部開口部と、を備え、前記股部領域が、前記前側弾性ベルトと前記後側弾性ベルトとの間に長手方向に延在しており、
前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトの各々が、内側シート、外側シート、前記横断方向に延びる弾性部材、を含む積層体であり、前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトが、前記股部領域で互いに非連続であり、
前記前側弾性ベルト及び後側弾性ベルトが、LWの横断方向寸法を有し、前記前側弾性ベルト又は前記後側弾性ベルトのうちのより小さい長手方向寸法が、LSの寸法を有し、LWの約10%~約40%、及びLSの約15%~約75%、好ましくはLSの約30%~約70%が、その弾性が取り除かれ、前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトの弾性が取り除かれた領域が、非弾性領域を画定し、前記前側及び後側非弾性領域が、第1のベルトパターンFBPを有し、前記股部領域が、第1の股部パターンFCPを有し、
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPの両方が、約16mm2~約200mm2の面積寸法を有する高次パターンHOPを形成し、前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、共通要素を有する幾何学的パターンであり、前記幾何学的パターンは、肉眼で衣類に面する側から視認可能な永続的な変形部であり、前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが複数の基本パターンを有し、前記基本パターンは複数の変形部を有し、前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPの両方が、本明細書の測定法に従って、非方向性配向を有する、着用可能物品。
前記非弾性領域が、審美的パターンである第2のベルトパターンSBPを更に含み、前記股部領域が、審美的パターンである第2の股部パターンSCPを更に含み、前記第2のベルトパターンSBP及び前記第2の股部パターンSCPが、共通要素を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の物品。
前記第1のベルトパターンFBPが、パターン密度を有し、前記第1の股部パターンFCPが、パターン密度を有し、前記第1のベルトパターンFBPの前記パターン密度と前記第1の股部パターンFCPの前記パターン密度との間の差が、約10ポイント未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
前記第1のベルトパターンFBP及び前記第1の股部パターンFCPが、少なくとも約0.1mmの短半径を有する孔によって形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
前記第1の股部パターンFCPが、外側カバー層に設けられ、前記外側カバー層が、前記長手方向に延在し且つ前記前側弾性ベルト及び前記後側弾性ベルトのそれぞれと約20mm未満にわたり重なる、請求項1~9のいずれか一項に記載の物品。