(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029032
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】整形外科用の拘束されたインプラントおよびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20240227BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/86
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214201
(22)【出願日】2023-12-19
(62)【分割の表示】P 2022121254の分割
【原出願日】2017-07-26
(31)【優先権主張番号】62/366,866
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519027866
【氏名又は名称】バンド-ロック,エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】519027877
【氏名又は名称】アルバート,マイケル
(71)【出願人】
【識別番号】519027888
【氏名又は名称】バインダー,ローレンス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】アルバート,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バインダー,ローレンス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テザーバンドと関連するインプラントと器具とを使用して整形外科的状況に対処するための方法および装置を提供する。
【解決手段】整形外科的に使用するためのクランプアセンブリであって、上面、凹部、遠位ベースおよび底面を含むハウジングを有し、凹部は縦軸を規定して、ハウジング内を上面から遠位ベースを通って底面に向かって延び、少なくとも2つのスルースロットの各々が、ハウジングの底面または側面に配置される。アセンブリは、凹部内に位置可能で凹部にある嵌合面と同軸関係にある固定アセンブリと、ハウジングにあるスルースロットによって部分的に画定される既定経路に沿って通る大きさのバンドとを含み、スルースロットの少なくとも1つが、バンドが既定経路を通るための始点である。
【選択図】
図9a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科的安定化のためのクランプアセンブリであって、
前記クランプアセンブリは、単一のハウジング、固定アセンブリ、及びバンドを備え、
前記単一のハウジングは、前記単一のハウジングの内部にある少なくとも4つのスルースロット、凹部、上面、側面、遠位ベース、及び底面を備え、
前記固定アセンブリは、前記凹部内で、前記凹部の篏合面と同軸関係に位置し、前記固定アセンブリは、
スナップフィット閉塞ナット、ばね付勢閉塞ナット、及び閉塞物から選択される一体型固定アセンブリと、
止めねじ、スナップフィット閉塞ナット、ばね付勢閉塞ナット、及び閉塞物から選択される係止要素と、のうちの1つを備え、
前記バンドは、前記単一のハウジング内の前記少なくとも4つのスルースロットによって部分的に画定される規定経路に沿って移動するようなサイズを有し、
前記単一のハウジングの前記遠位ベースは、正方形又は円形の形状を有し、
前記単一のハウジングの前記上面は、前記凹部への円形開口部を有する円筒形延長部を備え、
前記少なくとも4つのスルースロットのうち少なくとも2つは前記単一のハウジングの前記底面に配置され、
前記少なくとも4つのスルースロットのうち少なくとも2つは、他方と反対側に配置され、各々が前記単一のハウジングの前記側面にあり、前記固定アセンブリの下方に、前記バンドの経路を規定するように前記単一のハウジングに位置する、クランプアセンブリ。
【請求項2】
前記遠位ベースは、前記底面に、昇降足部、テクスチャリング、リブ、ローレット加工、及びそれらの組合せから選択される少なくとも1つの機構を備える、請求項1に記載のクランプアセンブリ。
【請求項3】
前記単一のハウジングは、前記凹部の内部に加圧アセンブリを収容するように適合され、前記加圧アセンブリは、前記遠位ベースの内部であって下方に位置する加圧要素であって、前記係止要素と同軸関係にある加圧要素を備える、請求項2に記載のクランプアセンブリ。
【請求項4】
前記固定アセンブリは、一体型係止要素を備える、請求項2に記載のクランプアセンブリ。
【請求項5】
前記単一のハウジングの前記遠位ベースは、正方形又は円形の形状を有し、かつ前記単一のハウジングの前記上面は前記凹部への円形開口部を有する円筒形延長部を備える、請求項2に記載のクランプアセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジングの前記遠位ベースは、実質的な平面又は曲面である、請求項2に記載のクランプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年3月2日に出願された、テザークランプおよび埋込システムと題された米国特許出願第15/058582号明細書の一部継続出願であって、その利益を主張し、2016年7月26日に出願された、整形外科用の拘束されたインプラントおよびシステムと題された米国仮特許出願第62/366866号明細書の利益も主張し、2012年9月14日に出願された、テザークランプおよび埋込システムと題された、米国特許出願第13/618724号明細書で、現在発行されている米国特許第9173685号明細書の利益も主張し、2011年9月14日に出願された、テザークランプおよび埋込システムと題された米国仮特許出願第61/534453号明細書、および、2012年2月6日に出願された、テザークランプおよび埋込システムと題された米国仮特許出願第61/595296号明細書の利益も主張するもので、各々の全体の開示は、いずれも本願に抵触しない範囲で、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の骨格は骨で形成されており、各骨は単独であるいは他の骨と共に構造的な役割を果たす。怪我、変性、および先天性異常を含む様々な状況が、骨の修復、安定化、および矯正のうちの1つ以上を行うための介入手段に対する需要を示し得る。従来の処置は、たとえば骨折部位もしくは連続した椎骨を、固定位置で一直線にするもしくは保持するために、機械的インプラントを使用して開発されてきた。これらは、金属からなる、ねじとロッド、バンド、プレート、およびこれらの装置の組み合わせを含む。これらの装置の剛性により、より大きな適応性と調整性とをもたらすシステムに対する需要がある。
【0003】
たとえば、脊柱は、各々がいくつかの部分から構成される、およそ24の椎骨でできており、椎骨は全体として、脊髄および神経を取り囲んで保護し、身体に構造をもたらし、多くの平面で流体の動きを可能にする役割を果たす。通常、椎骨は軸に沿って並んでおり、各椎骨は棘突起が突出する後壁と、肋骨および/または横突起が突出する壁を有する2つの側端を有する。人間の脊柱は、多くの方法のうちの1つで、損傷もしくは傷つけられることがある。脊柱は、たとえば、椎骨が他の椎骨に対しておよび椎骨の軸に対して、傾けられたり回転されたりして、異常な湾曲を示すことがある。このような湾曲において、片側にある椎骨の外縁は他のものにより近く、凹曲面を形成し、他の側にある外縁は他のものより離れていて、凸曲面を形成する。この状況は、例えば、心臓、肺、神経筋、および胃腸システムの異常などの、後発の深刻な状況をもたらし得る。
【0004】
人間の脊柱はまた、1つ以上の骨折した椎骨によって損傷され得る。埋め込み可能な装置で骨折部位を整復(接合)および固定する脊椎接合は、脊椎骨折の周知の治療である。具体的には、接合は骨折部位への直視下のまたは経皮的なアプローチを伴う外科的処置で、治療が行われる間に骨折端部を接合して骨折箇所を固定させることを目的とする。
【0005】
これらのまたは他の状況を修復するために、従来の処置は、連続する椎骨を固定位置で、一直線にするもしくは保持するように、機械的なインプラントを使用して開発されてきた。椎骨を所望される相対的な位置に保つために、ねじのようなハードウェアが椎骨に挿入される。ねじはチューリップ型の頭部を含み、直線状サージカルロッドなどの椎骨間の接続部材に対する固着点としての役割を果たす。
【0006】
ねじを使用することは、外科的処置にリスクをもたらし、椎骨へのさらなる損傷を起こし得る。ねじを使用するのが可能でない、もしくは最適でないときに、脊柱に沿ったさらなる固着点をもたらす、脊柱クランプが開発された。周知の例示の脊柱クランプは、設置の複雑さ、提供されるサイズの不十分さ、および追加の部品を含む、手術におけるさらなるリスクおよび複雑さをもたらす。
【0007】
同様のリスクおよび複雑さは、脊柱に隣接するもしくは脊柱から離れている、体の他の領域における整形外科手術にも存在する。
【発明の概要】
【0008】
本願は、テザークランプとテザークランプ器具とシステムとに関する様々な例示の方法および装置を、テザーバンドと関連するインプラントと器具とを使用して整形外科的状況に対処するための方法と共に記載する。
【0009】
様々な実施形態において、クランプアセンブリは、クランプハウジング、別々の係止および固定要素と、一体型の係止および固定要素とから選定される固定アセンブリ、および可撓性バンドもしくはテザーを含む。クランプハウジングは、いくつかの実施形態では単一(一部品)で、作動部品を有さず、バンドが通過するための少なくとも1つのスロットを画定する。ハウジングは、ねじ、スナップもしくはばね要素、またはロッドもしくは他の挿入体を含み得る、固定アセンブリを受け、いくつかの実施形態では、ハウジング内に固定アセンブリを保持するための保持クリップもしくは他のハードウェアを使用しない。固定アセンブリは、少なくともテザーバンドをハウジングに保持して留めるための圧縮力を与える。そしていくつかの実施形態では、固定アセンブリはさらに、クランプアセンブリ内の固定、アライメント、安定化または他の利点をもたらすために使用される。
【0010】
様々な実施形態において、固定アセンブリはクランプハウジングの凹部内に位置し、バンドに圧縮力を与え、張力付与の後にバンドをハウジングの内面に対して圧縮し、ハウジング内のバンドの固定係合を達成する。いくつかの実施形態では、ハウジングおよび固定アセンブリは、暫定のおよび固定される係止係合の各々で係合し、それによって、所望されるテザーバンドの張力付与と位置決めが達成されたときに、固定アセンブリを係止するための準備において、バンドをクランプに暫定的に(一時的に)留めることを可能にする。いくつかの実施形態では、ハウジングは凹部に沿った軸を規定し、いくつかの実施形態では、ハウジングの全体もしくは一部が、凹部の全体もしくは一部と同様に円筒形で、このような実施形態に従って、固定アセンブリの全体もしくは一部が凹部およびハウジングの1つもしくは両方に同軸に係合される。設置する間、バンドは骨および他のインプラントのうちの1つ以上の周りに締め付けられ、張力付与器具を使用することで締付位置に張力を与えられる。
【0011】
いくつかの特定の実施形態では、本明細書に記載のように、固定アセンブリはハウジング内に保持される。さらに他の特定の実施形態では、本明細書に記載のように、固定要素は、係止する止めねじおよびサージカルロッドを含み、サージカルロッドは他のクランプアセンブリ、ねじ、およびプレートなどの1つ以上の他のインプラントに取り付けるためのクランプアセンブリのハウジングを超えて延びる。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書のいくつかの代表的実施形態に記載されるように、クランプシステムはクランプアセンブリ、係止および張力付与工具、ならびに張力付与器具を含む。張力付与器具はクランプアセンブリと係合する遠位端部を有する。張力付与器具はさらに、キャリッジが非締付位置と締付位置との間で動くのを許容する、少なくとも1つのスロットを画定し、外科医がバンドを締め付けられるようにする。たとえば、固定アセンブリに対する椎骨構造の動きを制限するために、締付工具の縦向きのシリンダは、様々な工具が挿入できるようにする。いくつかの実施形態では、クランプアセンブリのベースは、クランプを骨に取り付けるための、フック、骨ねじ、釘、プラグ、またはワイヤのうちの1つ以上を受けるために、昇降足部、ローレット加工もしくは他の表面テクスチャリング、リブ、および開口部を含む、1つ以上の表面構造を含む場合がある。
【0013】
方法の一実施形態は、例として、クランプアセンブリを骨または骨の複数の部分に隣接して(たとえば骨折部位にわたって)置くことを含み、クランプハウジングを含むクランプアセンブリ、係止要素固定要素を含む固定アセンブリ、およびバンドを供給することを含み、いくつかの特定の実施形態では、係止要素は止めねじで、固定要素は脊柱ロッドである。方法は、ハウジングを、ロッドに沿って、骨折した長骨などの骨に隣接した所望の位置に置くこと;バンドを骨折した骨の整列部分の周りと、ハウジングを通って巻き付けること;固定要素を拘束するために係止要素をハウジング内に挿入すること;係止要素を暫定的に係止すること;張力付与器具をクランプアセンブリと係合させること;バンドを張力付与器具のキャリッジを通って挿入すること;バンドを固定するために、キャリッジを締付位置に動かすこと;係止要素を係止すること、および張力付与器具を外すことをさらに含む。
【0014】
一般的発明概念の特徴および利点が、添付の図を参照しながら成される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1-A1】肋骨締結のための、本発明によるクランプアセンブリの位置を示す図である。
【
図1-A2】骨折固定のための、本発明によるクランプアセンブリの位置を示す図である。
【
図1-A3】本発明によるクランプアセンブリの第一実施形態を6つの図で示しており、左上から右下に向かって、半透明上面図、上面斜視図、側面断面図、側面図、半透明底面図、および底面斜視図を含む図である。
【
図1-A4】本発明によるクランプアセンブリの第二実施形態を5つの図で示しており、左上から右下に向かって、半透明上面図、上面斜視図、側面断面図、側面図、および半透明底面図含む図である。
【
図1-A5】本発明によるクランプアセンブリの第三実施形態を5つの図で示しており、左上から右下に向かって、半透明上面図、上面斜視図、側面断面図、側面図、および半透明底面図含む図である。
【
図1-A6】本発明によるクランプアセンブリの第四実施形態を6つの図で示しており、左上から右下に向かって、半透明上面図、上面斜視図、側面断面図、側面図、半透明底面図、および底面斜視図を含む図である。
【
図1-A7】本発明によるクランプアセンブリの第五実施形態を6つの図で示しており、左上から右下に向かって、半透明上面図、上面斜視図、側面断面図、側面図、半透明底面図、および底面斜視図を含む図である。
【
図1-A8】本発明によるクランプアセンブリの複数の実施形態の、左から右に向かって、側面断面図および側面図を、3つのパネルで示す図である。
【
図1-A8A1】バンドの第一経路を示す側面断面図である。
【
図1-A8A2】クランプアセンブリの側面図である。
【
図1-A8B1】バンドの第一経路を示す側面断面図である。
【
図1-A8B2】クランプアセンブリの側面図である。
【
図1-A8C1】バンドの第一経路を示す側面断面図である。
【
図1-A8C2】クランプアセンブリの側面図である。
【
図1-A9】左側に本開示によるクランプアセンブリの一実施形態の上面図および側面図、そして右側にクランプアセンブリの固定アセンブリの第一実施形態の上面図および側面図を示す図である。
【
図1-A10】左側に本開示によるクランプアセンブリの他の実施形態の上面図および側面図、そして右側にクランプアセンブリの固定アセンブリの第二実施形態の上面図および側面図を示す図である。
【
図1a】脊柱クランプハウジングの正面斜視図である。
【
図1c】
図1aのハウジングの周りに巻き付けられるバンドの正面図である。
【
図1e】
図1dのハウジングと係合されるバンドの正面断面図である。
【
図2】
図1cのハウジングとバンドのアセンブリ内に位置する脊柱ロッドの正面斜視図である。
【
図3】
図1aのハウジング内に位置する止めねじの正面断面図を、ロッドまたはバンドなしで示す図である。
【
図5a】ロッドおよび脊柱クランプアセンブリと係合される暫定的な係止工具の斜視図を、バンドなしで示す図である。
【
図5b】
図5aの指定される円形部の拡大斜視図である。
【
図5c】
図5aの暫定的な係止工具の斜視図である。
【
図7a】
図6aの張力付与器具の正面斜視図で、
図5aのロッドと脊柱クランプのアセンブリと係合して示される図である。
【
図7b】
図7aの指定された円形部の拡大斜視図である。
【
図7c】
図7aの正面断面図であって、締付ロッドなしで示される図である。
【
図7d】
図7cで指定される円形部の拡大斜視図である。
【
図7e】
図7aの張力付与器具の中心部分の断面斜視図である。
【
図7f】
図7aの張力付与器具の軸受リングの拡大斜視図である。
【
図7g】
図7aの張力付与器具の締付ロッドの正面斜視図である。
【
図8】
図7aの斜視図であって、キャリッジが非締付位置にある状態で、張力付与器具のキャリッジを通されるバンドと共に示される図である。
【
図10a】
図8の斜視図であって、キャリッジが締付位置にある状態で示される図である。
【
図11a】
図10aの斜視図であって、キャリッジが締付位置にあって、ドライバ工具が張力付与器具内に挿入された状態で示される図である。
【
図11b】止めねじに係合するドライバ工具の拡大断面図である。
【
図12】他の脊柱クランプハウジングの正面斜視図である。
【
図13】
図12の脊柱クランプハウジングの底面斜視図である。
【
図14】
図13の脊柱ハウジングの正面断面図であって、ピンおよびバンドがハウジングに設置された状態で示される図である。
【
図21】
図15の張力付与器具の中心部分の断面図であって、締付ロッドが設置され、キャリッジが非締付位置にある状態を示す図である。
【
図22】
図15の張力付与器具の上部の断面図であって、締付ロッドが設置された状態を示す図である。
【
図23】
図15の張力付与器具の上部の断面図であって、ドライバ工具が設置された状態を示す図である。
【
図24a】本発明の他の実施形態の斜視図であって、二重テザーバンドアセンブリを示す図である。
【
図24b】
図24aのクランプアセンブリの斜視図であって、二重テザーバンドの一部分が2つの個々のバンドに分裂された図である。
【
図25】本発明の他の実施形態の斜視図であって、テザーバンド/椎弓根スクリューアセンブリを示す図である。
【
図26】本発明の他の実施形態の斜視図であって、テザーバンド/クロスコネクタアセンブリを示す図である。
【
図27a】本発明の他の実施形態の斜視図であって、フックとバンドとが対向する方向を向いているテザーバンド/フックアセンブリを示す図である。
【
図27b】本発明の他の実施形態の斜視図であって、テザーバンド/フックアセンブリを示す図である。
【
図28】本発明の他の実施形態の斜視図であって、2つのハウジングアセンブリおよび横断するテザーバンドを示す図である。
【
図29】本発明の他の実施形態の斜視図であって、テザーバンド/椎弓根スクリューアセンブリの設置が整復装置としての役割を果たしている図である。
【
図30】本発明の他の実施形態の斜視図であって、他のテザー/バンド/椎弓根スクリューアセンブリを示す図である。
【
図31a】本発明の他の実施形態の斜視図であって、テザーバンド/ロッド/フックアセンブリを示す図である。
【
図31b】本発明の他の実施形態の斜視図であって、他のテザーバンド/ロッド/フックアセンブリを示す図である。
【
図32】整復処置で使用されるテザーバンド/椎弓根スクリューアセンブリの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これらの適用に従ってインプラントおよび器具は、後続の開示に関連して本明細書でさらに記載される特徴を有することができる。
【0017】
この詳細な説明は、単に、一般的発明概念に従って例示の実施形態を説明するものであり、本発明の範囲をいかなる方法でも限定する意図はない。実際に、本明細書に記載の本発明は、本明細書で明記される例示の実施形態よりも広くかつそれによって限定されず、本明細書で使用される用語は、その十分な通常の意味を持つ。
【0018】
ここで一般的発明概念は、本発明の例示の実施形態を時々参照しながら記載される。しかしながら、この一般的発明概念は、異なる形態で具体化されることがあり、本明細書で明示される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的で完全になるように、そして一般的発明概念の範囲が当業者に十分に伝達されるように提供される。
【0019】
定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的な用語は、一般的発明概念を網羅する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。詳細な説明で明示される専門用語は、特定の実施形態を説明するためのみのものであって、一般的発明概念を限定する意図はない。この詳細な説明および添付の特許請求の範囲に使用される、「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈で明確に示されていない限り、複数形も含む意図がある。
【0020】
指示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される、材料の量、分子量などの特性、反応条件などを表現する全ての数字は、いかなる場合でも「約」という表現によって変更されると理解されるべきである。従って、他に指示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で明示される数値的特性は、本発明の実施形態で得られようとする、適切な特性によって変化し得る近似値である。一般的発明概念の広域な範囲を明示する数値的範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に明示される数値はできるだけ正確に伝えられる。しかしながら、いかなる数値も、そのそれぞれの計測で見られる誤差から必ず発生する、一定の誤差を本質的に含む。
【0021】
本発明は、整形外科手術で使用するためのテザークランプアセンブリおよび埋込システムを指す。システムは、強固な骨の癒合が進展する間に一時的な安定化をもたらし、骨折部位の修復を補助することを意図した、一時的なまたは永久的なインプラントを提供する。使用の例示は、次のものを含むが、これらに限定されない。脊柱から肋骨の固定、骨折および骨切断に対する締結バンド形成、および前方脊柱高速。同様に、ほぼ薄板(sub-laminar)、棘間の、もしくは小関節面ワイヤリング(facet wiring)技術で使用される、脊柱外傷手術などの、脊柱固定適用。脊柱側彎症、後彎症、脊椎すべり症、脊椎変性手術などの脊柱変形の矯正の目的のために、脊柱癒合への補助として、構成に組み込まれる、脊柱再建手術。および、8歳以上の患者における特発性および神経筋側彎症の治療。
【0022】
発明システムは、「ワイヤリング」またはバンド形成が他のインプラントの取り付け具を固定するのに役立つ場合に、たとえばチタン合金またはコバルトクロム合金などの、金属で作られる他の医療インプラントと共に使用してもよい。もちろん、補足的な本開示に示される特定の例示実施形態の多くは、背骨への適用を指すが、本明細書における本発明は、人間および動物の、いかなる整形外科的対象物に対する適用も可能であり、いくつか例を挙げると、長骨や、肋骨や、肩、股関節、および膝などの大関節や、脊柱の側面などの他の解剖学的構造と共に使用するのに関して限定はない。
【0023】
ここで議論される本発明の実施形態は、整形外科用クランプインプラントである。ここで図を参照すると、
図1-A1および
図1-A2は、本開示に従うクランプアセンブリを有する整形外科用インプラントの代表的な使用例を図示し、
図1-A1は肋骨締結のために使用される状況にあるアセンブリを図示し、
図1-A2は骨折固定のために使用される状態にあるアセンブリを図示する。概して
図1-A1~1-A10(以下、
図A1~A10と称することがある。)を参照すると、様々な実施形態に従って、クランプアセンブリ500は、クランプハウジング510、固定アセンブリ600、および可撓性バンド700を含む。
【0024】
再び図面を参照すると、
図A3~A7は、本開示に従うクランプハウジング510の代替実施形態を図示する。ハウジングは、たとえば限定はしないが、椎骨、長骨、および肋骨のうちの1つ以上などの、骨と接触するまたは概して隣接する、所望の埋込位置に配置するのに適合される。ハウジング510は、たとえばステンレス鋼、コバルトクロム、またはチタンなどの、適切な材料で構成される。
【0025】
ハウジングは、概して円筒形の、またはプレートのようでかつ円形もしくは正方形の、ベース540を含む。ハウジングは、凹部560への開口部555を含む上面550と、底面590とを含む。いくつかの実施形態では、図示されるように、上面550は概して円筒形で円形開口部555を備えている。凹部560は縦軸L
Aを規定し、凹部560は上面550からベース540に向かって延びる。ハウジング510はまた、底面520および側面530を含む。いくつかの実施形態では、
図1A~10Aに図示されるように、ベース540は略正方形で、側面530は4つの個々の側面を形成する。凹部の内面は、たとえばねじ状表面などの係止機構580を備える嵌合する係合表面570を含む。係止機構がねじ状のねじまたは止めねじと係合するように適合される実施形態に従って、ねじ状表面は、たとえば止めねじなどの固定アセンブリ600の係止要素620構成部品と嵌合する。いくつかの実施形態では、係止要素620は、たとえば限定はしないが、閉塞ナットまたは閉塞物などの他の固定手段から選定され、凹部560の嵌合表面570にある、フランジ、ねじ溝、ねじ山、歯または同様のものから選定される、1つ以上の係止機構580と、嵌め合いまたは他のフィッティングによって係合可能である。係止要素および張力付与器具嵌合に関して、他のスタイル、型、および大きさの表面が本発明の実施で使用され得ることは、当業者にとって明らかである。
【0026】
概して、本明細書で開示される様々な実施形態に従うクランプハウジングは、1つ以上のスルースロット590を含む構造的特徴を有し、バンドが骨または他の構造または他のインプラントの周りに確実に巻き付けられて、1つ以上のスルースロットを通ることでハウジングに固定されるようにする。ある実施形態では、バンドは、ハウジングの1つ以上のスルースロットを通って取り付けることによって、一端で固定され得る(たとえば、
図1eに図示される1つのあり得るクランプハウジングの実施形態に示される)。たとえば、結び目、縫い目、および他の形態の結合もしくは固定のうちの1つ以上が、バンドをハウジングに固定するためにバンドの一端に形成される。バンドを固定するのに使用されるスロットの数は、もしあるならば、スロットの形状および位置と同様に、本発明の実施において異なってもよいことが、当業者に理解されるべきである。様々な実施形態において、スロットは、長さ寸法よりも幅寸法が狭い、細長いスリットに限定されないこと、そしてスロットは円形、楕円形、または他のいくつかの形状でもよいことがまた理解されるであろう。さらに、スルースロットに一端で留められるバンドは、スロットを部分的にまたは完全に満たしてよく、スロットはそこへの固定手段としてのバンドの端部を圧縮してよい。
【0027】
ハウジング10はさらに孔32を含む。これらの孔は、たとえば実装の間にハウジング10を把持する、またはたとえばテザーバンドなどの他のアセンブリ部品に対して構造的に固着するためのピンを挿入するなどの、様々な目的のために外科医によって使用されることがある。
【0028】
脊柱クランプハウジングの底部の構造的特徴は、底面520が示されている
図A3~A7で最も良く分かる。スルースロット590によって画定される様々なあり得るバンドの経路が、
図A8のパネルA1、B1、およびC1に図示されており、それぞれ、2つの底面および2つの側面スロット590の各々を通って、ハウジング510の底面520を横切って通過するバンド700の経路、2つの底面520スロット590の各々を通って、凹部560の下のベース540内の内面を横切って通過するバンド700の経路、2つの底面スロットのうちの1つと2つの側面スロット590とを通って、ハウジング510の側面530周りで輪になることで凹部560の下のベース540内の内面上を通過するバンド700の経路を示す。
【0029】
再び
図A9およびA10を参照すると、各々は、本開示に従う固定アセンブリの代替実施形態を示し、固定アセンブリは係止要素と固定要素とを含む2つの部品を有する。代替の実施形態において、固定アセンブリは一体型であって、凹部内で係合して、またバンド700と接触してバンド張力付与の係合および固定を可能にするための機構を含む、単一の構成要素を含む場合があることが理解されるであろう。
図A9に図示されるように、係止要素620は止めねじで、固定要素610は係止要素620内にスナップフィットするプラグである。ここで
図A10を参照すると、固定アセンブリ600の代替実施形態は、凹部560の1つ以上の係止機構580と係合する閉塞物または閉塞ナットを含む係止要素620と、
図A9のものと類似する固定要素610とを含む。様々な実施形態に従って、固定要素610は止めねじの開口部を通して作動することによってバンド700と暫定的に係合され、バンド700の最終張力付与の際は、止めねじおよびプラグが、ハウジングと十分に係合してハウジング内に係止するように作動されて、バンドをハウジングに固定して、締め付けられたバンドを治療用に固定する。
【0030】
概して、いくつかの実施形態では、固定アセンブリは、たとえば限定されないが、プラグをバンドと係合させるために止めねじを通ってプラグのねじ溝に押し込まれるダボなどの、他の締結具および係合機構を含むことがあり、止めねじなどの係止要素に組み合わされてプラグのねじ溝に嵌まり込む、可撓性保持リングを含むことがある。さらに他の実施形態では、プラグは、プラグが止めねじに嵌まり込むようにする、可撓性のまたは溝付きの端部を有することがある。これらの代替実施形態は、係止および固定要素を含む固定アセンブリ構成要素が何にも固定されていない、いくつかの方法である。
【0031】
本明細書に開示される方法の様々な実施形態に従って、本明細書で以下に記載される器具が、上述で記載されて
図A1~A10に示されるクランプアセンブリの1つ以上と共に使用するのに適合され得る。使用の際、器具はハウジング510と係合して固定させ、一方で1つ以上のスロット590を通ることでハウジング510に一端が留められるバンドに張力を付与することがあり、そして様々な器具が、バンドの最終張力付与の際に、固定アセンブリを挿入して暫定的に固定して最終的に係止するために、使用され得る。
【0032】
ここで議論される本発明の他の実施形態は、脊柱クランプインプラントである。脊柱インプラントは、背面からアクセスする手術の間に1つ以上の椎骨の癒合および安定化を支援するのに使用される。脊柱クランプは、サージカルロッドの複数の固着点をもたらすために、1つ以上の同様の脊柱クランプとともに使用することができる。脊柱クランプはさらに、従来のねじおよびチューリップ型頭部のインプラントとともに使用可能である。たとえば、従来のねじおよびチューリップ型頭部のインプラントが第二腰椎L2および第四腰椎L4に固定されると同時に、脊柱クランプが第三腰椎L3に固定されてもよい。脊柱クランプおよび脊柱クランプの実装を議論する際に、「近位」および「遠位」という表現は、術野つまり患者に関してではなく、外科医に関して使用される。
【0033】
再び図を参照すると、脊柱クランプハウジング10が
図1aおよび1bに示される。ハウジングは椎骨に隣接する所望の埋込位置に配置するのに適合される。ハウジング10は、たとえばステンレス鋼、コバルトクロム、またはチタンなどの適切な金属で構成され得る。
【0034】
ハウジングは概して円筒形で、縦軸L
A(
図3で最も良く分かる)を規定する。より具体的には、ハウジングはベース17から延びる対向するアーム14、16によって画定される中心凹部12を含む。アーム14、16の内面は、たとえばねじ状表面18などの、嵌合する係合表面を含む。ねじ状表面は、たとえば止めねじ、閉塞ナット、または閉塞物などの係止要素と嵌合する。例示のアーム14、16の外側は平面20を含む。締付器具が平面20と係合して、止めねじが係止位置へ回転される間にハウジング10が回転するのを防ぐ。この操作はさらに詳細に議論される。係止要素および張力付与器具嵌合に関して、他のスタイル、型、および大きさの表面が本発明の実施で使用され得ることは、当業者にとって明らかである。
【0035】
ハウジング10は、バンドがハウジングの周りに確実に巻き付くようにする構造的特徴を含む。第一スロット22は凹部12の底部に位置し、ハウジングの縦軸に沿ったバンドの経路を画定する。第一スロットは、ハウジング10の中および近辺でバンドが通るための始点として外科医が使用できるようにする。たとえば、バンドの一端がスロットに入り、ハウジングの底側面を通り抜けるのを妨げるために、バンドの先端で結び目が結ばれる場合があり、あるいは、バンドの一端がスロット22より大きなクリップを含む場合がある。第二スロット24および第三スロット26はハウジング10の各側で対向する位置に形成される。スロット24、26は、ハウジング10の縦軸に対して垂直にバンドが通るようにし得る。バンド28の例示の通過経路が
図1cに図示される。バンド28は、たとえば、薄板(図示なし)の周りを通るパターンの、例示のパターンで図示される。
【0036】
ハウジング10はさらに孔32を含む。これらの孔は、たとえば、実装の際にハウジング10を把持する、またはたとえばテザーバンドなどの他のアセンブリ部品に対して構造的に固着するためのピンを挿入するなどの、様々な目的のために外科医によって使用され得る。
【0037】
脊柱クランプハウジングの底部の構造的特徴は、
図1dで最も良く分かる。本実施形態において、ハウジング10aは、ブリッジ23によって離されてハウジング凹部の底部にある、2つのスロット22a、22bを含む。スロット22a、22bは、ハウジング10aの中および近辺でバンドが通るための始点として外科医が使用できるようにする。たとえば、バンド28の第一端は、バンドをハウジング10aに固定するために、
図1eに図示される両方のスロットを通過し、バンドの遠位位置29に固定される場合がある。例示の実施形態では、バンドはハウジングと一体で、例えば手術の準備中にまたは製造者によって、手術前に固定される。他の実施形態では、外科医は、第一端をバンドに縫い付けることを含むいくつかの方法のうちの1つによって、バンドの第一端を遠位位置29に取り付ける場合がある。バンドを固定するのに使用されるスロットの数は、もしあるならば、スロットの形状および位置と同様に、本発明の実施において異なってもよいことが、当業者に理解されるべきである。
【0038】
本発明の他の実施形態は、異なる構造的特徴を有するハウジングを含む。具体的には、
図12~14に図示されるハウジング210は、ハウジングの底部に単一の孔122を含む。図示される孔は矩形スロットである。孔は任意の適切な形状、幅、および長さでよい。図示されるように、単一スロット122は、
図1dのハウジング10に示される対のスロット22a、22bより幅が広い。
【0039】
ハウジング210のベースは、設置されるサージカルロッドの位置に対して垂直に向いた孔がない。ハウジング210は、
図14に見られるように、ピン123を支持するための2つの穴132を含む。穴はサージカルロッドの設置位置と同軸に位置している。バンドの端部はピンの上を滑るための輪を形成するように留められることがあり、あるいはバンドはピンに留められることがある。図示されるように、テザーバンド128の輪および端部は、2つのバンド長さ130a、130bを固定することで形成される。
【0040】
ここで
図2を参照すると、ハウジングの凹部12内に位置するサージカルロッド34が図示される。ハウジングは凹形で、ロッド34をアーム14、16内に受け入れて横方向に保持する。ロッド34の重量は、バンド28の一部をハウジング10に対して挟む力を与える。代替実施形態では、バンドをハウジング内に固定するために、ロッド以外の異なる固定要素が使用されてもよいことが理解されるであろう。いくつかの特定の実施形態では、固定要素はハウジングの外側に延びる必要がなく、いくつかの実施形態では、ハウジングは対向するアームを含まず全体的に円筒形の場合がある。
【0041】
実装の間の次の段階は、止めねじを使用してロッドを暫定的に係止することである。
図3で、止めねじ36はハウジング10と係合して図示される。分かりやすくするために、ロッド34およびバンド28は図示されていない。
図3および4に図示されるように、止めねじ36は、アーム14、16のねじ状内面18と係合するねじ状の外部円周面38を有する。止めねじ36の上面40は取り除かれた凹部42を含む。凹部42は係止工具を受け入れる形状である。
【0042】
図5aおよび5bは止めねじ36と係合する暫定的な係止工具50を図示する。脊柱クランプの実装の際に、外科医は、ロッド34を一時的に収容するのに十分な程度に止めねじを締め付けるために、暫定的な係止工具50を使用する。止めねじは、バンドが対象薄板の周りに十分に締め付けられるまでは係止されてはいけない。さらなる手術段階で、止めねじ36が最終位置に係止される。
【0043】
図5cに図示されるように、暫定的な係止工具50は器具ロッド52およびパームハンドル(palm handle)54を含む。パームハンドル54は器具ロッド52から分離可能な場合がある。システムは、各々が特定の形状の器具ロッドを具備する、複数の工具を含み得る。たとえば、器具ロッド52は、止めねじ36の凹部42と嵌合する大きさのソケット頭部56が末端にある、直径が一定のシャフトを含む。
【0044】
脊柱クランプ設置システムは、バンドを締め付けて椎骨構造をインプラントロッドに対して固定するために外科医が使用する、張力付与器具を含む。設置システムは使用者が容易に設置できるように構成される。たとえば
図3および7dの図に示されるように、ハウジング10、止めねじ36および張力付与器具60はすべて共通の縦軸L
A回りに位置することが可能である。設置する際に、張力付与器具の係合の前に、または、張力付与器具の内部通路内で近位端から遠位端へ挿入される、いかなる使用工具も、同じ共通軸に沿って位置される。この構成はまた、使用者の融通性を向上させる。たとえば、使用者は容易に脊柱クランプアセンブリのバンドを増加的に締め付け、次に止めねじから工具を取り外して張力付与器具をハウジングから外すことによって、サージカルロッドに沿って次の連続した脊柱クランプアセンブリに移動し、同様の増加的な調整を行ってもよい。
【0045】
図6aおよび6bは張力付与器具60の正面および背面図を図示する。器具は細長いシリンダ62を含む。シリンダは、近位端64から遠位端65に工具を挿入して止めねじ36を操作できるようにし、さらに中空の締付ロッド66を含む。締付ロッド66は、バンド28を最終位置に固定するために外科医に使用される。
【0046】
シリンダ62は、脊柱クランプを対象椎骨に対する最終位置に固定するために適合される。
図7a~7dは脊柱ロッドと係合される張力付与器具60の様々な図を図示する。シリンダ62は遠位端65に突起68を含む。2つの隣り合う突起の間の弓形部63aが、ロッド34の上面と係合する(
図7bを参照)。他方の隣り合う突起の間の平面部63bはハウジング10の外側にある平面部20と係合してハウジングの動きを妨げる。シリンダはさらに2つの対向するスロット70、72を画定する。スロットは、キャリッジ74がスロット内で、遠位端70a(
図7aを参照)と近位端70b(
図10aを参照)との間で少なくとも部分的に移動できるようにする。2つの突出したタブ76、78は、キャリッジが動く間にスロット内を移動する。この動作機構は、さらに詳細に議論される。
【0047】
張力付与器具はバンド28を締め付けてハウジング10をロッド34に固定するように構成される。
図7eに最も良くわかるように、シリンダ62は中空チャンバを画定する内面80を含む。チャンバの近位部分内で、締付ロッド66はシリンダの内部ねじと嵌合する。締付ロッド66は
図7gに図示され、ノブ82、ねじ状部分84、および遠位のねじ状でない部分86を含む。遠位部分86は、保持リング90(
図7eを参照)を固定する止めねじ(図示なし)が係合するための穴88を含む。外科医によって締付ロッド66が操作されるのにつれて、保持リング90はシリンダ内を軸方向に動く。
【0048】
軸受リング92は、
図7eに最も良く示されるように、保持リング90の近位側に配置される。さらに
図7fに示されるように、2つのタブ76、78は軸受リング92の反対側から半径方向に突出する。中心孔94は締付ロッド66の遠位部分86が通過できるようにする。軸受リング92の上面96は、締付ロッドの肩部98を係合し、ロッドがシリンダ内で遠位方向に入るのを制限し得る。
【0049】
軸受リング92はキャリッジ74と連結するのに適合される。
図7eに示されるように、翼98は軸受リングのベースから、2つの部分74a、74b(
図9aを参照)からなるキャリッジ74へ、半径方向に延びる。キャリッジは、たとえばプラスチックまたは金属などの適切な材料で構成され、翼98を包含する2つのスナップフィット部品を含む。キャリッジの半分74aが
図7eに示され、シリンダ62に向かう方向にねじりばね102によって偏向されるスプール(spur)100を含む。スプール100はハンドル103によって操作され(
図9aを参照)、バンド28が近位方向にキャリッジ74の通路104を貫通できるようにする。スプール100にある歯が、バンドが遠位方向に戻るのを妨げる。
【0050】
図8は、キャリッジ74を通って挿入されて、張力付与器具の使用に適正な位置にあるバンド28を示す。
図8ではキャリッジは非締付位置にある。キャリッジ74の正面斜視図および断面図が、それぞれ
図9aおよび9bに、バンド28が挿入された位置にある状態で示される。
図9bに示されるように、スプール100の歯が通路104の壁に対してバンド28を押しつける。
【0051】
上述で議論されたように、外科医は締付ロッド66を操作することによって、ハウジング10を対象椎骨に対して固定し得る。ここで
図10aを参照すると、締付工具110が締付ロッド66のノブ82と係合して示される。図示されるように、ロッド66は回転され、ハウジング10から近位方向に離れるように軸方向に動かされる。したがって、キャリッジはシリンダ62の外側に沿って軸方向に、そしてスロット70の遠位端70aと近位端70bとの間の範囲内で、外科医の判断で動く。キャリッジが近位に動くと、バンド28は近位方向に張力をかけられ、椎骨構造をインプラントロッドに対して固定する。
図10aではキャリッジが締付位置にある。
【0052】
図10bは、
図10aの締付工具110の斜視図である。締付工具はパームハンドル54と、ノブ82の凹部と係合するための頭部114が末端にある器具シャフト112とを含む。上述で他の工具に関して議論されるように、実装の間の複数の目的のために単一のハンドルが複数のシャフトに対応できるように、パームハンドル54は器具シャフト112から分離する場合がある。
【0053】
バンド28が十分に張力を受けた後、外科医は止めねじ36を所望される最終位置に係止し得る。
図11a~11cは係止工程の態様を詳細に示す。
図11aでは、キャリッジが締付位置にあって、締付工具110が取り除かれて、ドライバ工具120が張力付与器具60内に挿入された状態の、
図10aの斜視図が示される。止めねじ36と係合されるドライバ工具120の頭部56の拡大断面図が、
図11bに示される。この位置で、外科医は工具120を回転することによって、所望されるように止めねじを締め付け得る。
【0054】
図11cはドライバ工具120の斜視図である。工具はパームハンドル54と、止めねじの凹部42に係合するため頭部56が末端にある器具シャフト122とを含む。上述で他の工具に関して議論されるように、パームハンドルは器具シャフトから分離する場合がある。図示される例示のシャフト122は、シリンダ62および締付ロッド66の内部寸法に対応するための肩部124を含む。
【0055】
ここで張力付与器具の他の実施形態が議論される。張力付与器具160および関連部品が
図15~23に図示される。張力付与器具160は
図5a~11bの議論される実施形態と同様の特徴を有する。しかしながら、張力付与器具160は張力付与に関する特定の構成要素の構造的違いを含む。議論される実施形態は例示のみであって、同等物の他の構造的相違、または異なる構成要素が本発明の実施で利用可能である。
【0056】
図15および16はそれぞれ、張力付与器具の正面図および断面図を図示する。張力付与ロッド166は1つ以上のピンによって据付けられ、回転の際に軸方向のみに動く。つまり、張力付与ロッドは張力付与器具の縦軸に沿って移動しない。
図16、17、および18に見られるように、軸受リングの内側はねじ状で、他の実施形態のように保持リングまたは止めねじがアセンブリに含まれない。
図21の断面図は張力付与ロッド、軸受リング、およびキャリッジアセンブリの詳細を示す。
【0057】
ここで具体的に
図15を参照すると、張力付与器具160の正面図が図示される。張力付与器具は中空シリンダ162を含む。
図16の断面図に最も良く示されるように、シリンダは雌ねじがない滑らかな内面162を有する。内面が滑らかなので、締付ロッド166のねじ部184は中空シリンダ162の内側表面に係合しない。
図16~18および21に示されるように、締付ロッド166は軸受リング192に係合する。具体的には、締付ロッドのねじ状表面184が軸受リング192の内側ねじ状表面195に係合する。
【0058】
軸受リング192はキャリッジ174と連結するのに適合される。
図18に示されるように、翼198が軸受リングの基部から半径方向に延びる。上述の実施形態のように、翼はキャリッジ174内に延びる。2つのタブ176、178は長円形であって、上述のように、キャリッジが低い非張力付与位置から高い張力付与位置に移動するときに、張力付与器具160の両側にあるスロット170を移動する。
【0059】
操作の間、キャリッジは有利に「自動係止」し、バンドが遠位方向に外れるのを妨げるが、近位方向に引くことによって容易に緩み除去ができるようにする。
【0060】
図16および19に図示される174は、ねじりばね202によってシリンダ162に向かう方向に偏向されるレバー200を含む。レバー200はハンドル199によって操作され、テザーバンドが近位方向にキャリッジ174の通路204を貫通できるようにする。レバー197の歯200は、バンドが遠位方向に戻るのを妨げる。
【0061】
本発明は様々な応用や技術において利用可能である。本発明のいくつかの他の実施形態および使用方法が、
図24a~32に図示される。二重ハウジングアセンブリが
図24a~24bに図示される。図は、各ハウジングの底部に留められる二重テザーバンド300を備えた2つのハウジング210a、210bを図示する。ストランド(strand)は
図14に示される構成によってハウジングに連結され、バンドの個々のストランド302a、302bはハウジングを通って挿入されるピンに連結される。バンドの近位端は、他のハウジングまたは他の装置のスロットを通過した後に2つの端304a、304bに分裂することができる。分裂および通過の後に、各端304a、304bは他と独立して各ハウジング210a、210bに、たとえばサージカルロッドの下で固定される。
【0062】
本発明の他の実施形態は、たとえば
図25に図示されるハウジングなどの、椎弓根スクリュー特性を有するハウジングを含み得る。ハウジング310は、椎弓根スクリューとして使用するのに適した構造を有するねじ部314を含む。1つ以上のスロットが、テザーバンドの固着または通過を許容する。図示されるように、バンド312の遠位ループは、取り付けピン320を取り巻いて下部スロット316bから出て、ハウジング310に再び入る際に上部スロット316aを通ってサージカルロッド318の上を通過する。この構成は、例として、例えば骨減少性の骨において、ねじを引き抜くための抵抗力を支持するために、追加の固定選択肢を許容する。バンドが第二サージカルロッド320を取り巻く、同様の構成が
図26に示される。本実施形態では、バンドはピン320に取り付けられて、上部スロットから出る。2つのサージカルロッド318、320を備えたこの構成では、アセンブリはクロスコネクタとして使用され、両側の安定性をロッド/インプラント構成に加える。
【0063】
本発明の他の実施形態は、骨に係合するのに使用される薄板(laminar)フックを備えたハウジングを含み得る。具体的には、フックが外れるのを防ぐため、たとえば、近位の接合部の後彎を妨げるために、フック、ロッド、およびテザーの組み合わせに沿ったハウジングである。
図27aおよび27bはそれぞれフック336、340を有するハウジング330、338を図示する。
図27Aでは、ロッド332およびテザー334が、対向する方向で、テザーがロッドの上にある状態で位置する。一方で、
図27bのハウジング338は、ロッドをテザーの上で同じ方向つまり同軸位置に位置させる。ロッドおよびテザー位置の他の組み合わせが本発明で実施可能である。
【0064】
他の例示のアセンブリが
図28に図示される。図示されるように、椎弓根スクリューハウジング344が椎骨348に埋め込まれる。第二ハウジングはロッド346に据付けられ、椎弓根スクリューハウジング344に対して椎骨348の反対側に位置する。テザー350は、ハウジング342に取り付けられるピンから、椎骨に外科的に形成されたスロットを通り、椎弓根スクリューハウジング344に延びる。テザーバンド350を横方向の配置で使用することは、椎体の減捻に役立ち、構造のいかなるクリープも妨げる。
【0065】
複数の発明のハウジングおよびテザーバンドはまた、ロッドを埋め込むのに役立つように手術中に有利に使用できる。たとえば、
図29は、テザーバンドが椎弓根スクリューハウジングをインプラントロッドへ横方向に移動させるのに使用される、第一ハウジング、椎弓根スクリューハウジング、およびテザー366の使用例を図示する。第一ハウジング360がロッド368に取り付けられた後、椎弓根スクリューハウジング362a(第一位置で図示される)はテザーを使用することによって第二位置362bに移動され、事実上、椎骨をロッド368と係合可能な位置に動かす(第一位置364aから第二位置364bに)。
【0066】
議論されるように、本発明のハウジングはテザーが通過するのに適したスロットを含む。例えば、テザーバンドのためのスロットを備えた椎弓根スクリューは、テザーバンドがねじの頭部を通過することに対応することで、追加の固定選択肢を許容するために使用され得る。
図30に示されるように、椎弓根スクリューハウジング370はねじ部372と、各アームにスロット374を有する頭部382とを含む。テザー376はサージカルロッド378の上または下を通り、止めねじ380によって固定され得る。フック392を使用する他の例が
図31aおよび31bに図示される。これらのハウジング394、390は、テザーバンド376がハウジングのボディを横方向に(
図31aに図示されるように)またはロッド378の軸に沿って(
図31bに図示されるように)通過することに対応することによって、追加の固定選択肢を許容する。他の方向の組み合わせが本発明の実施において可能である。
【0067】
ここで
図32を参照すると、テザーバンドと椎弓根スクリューハウジングが、整復工程で使用される状態で図示される。具体的には、テザー408が、ロッド404を椎弓根スクリューハウジング402に設置するための整復装置として使用される。図示されるように、ハウジングは椎骨400に埋め込まれている。張力付与器具406を使用することによって、椎骨400およびハウジング402は方向A
2に動き、ロッドを所望の位置に設置する。
【0068】
一般的発明概念の様々な発明の態様、概念および特徴が、様々な例示の実施形態に関連して本明細書に記載および図示されるが、これらの様々な態様、概念および特徴は、多くの代替実施形態において、個別に、あるいは様々に組み合わせておよび部分的に組み合わせての、いずれかで使用されてよい。本明細書で明確に除外されていない限り、このような組み合わせおよび部分的な組み合わせの全ては、一般的発明概念の範囲内であることを意図する。さらに、本発明の様々な態様、概念、および特徴に関する様々な代替実施形態(代替の材料、構造、構成、方法、回路、装置および構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、制御論理、ならびに形状、取り付けおよび機能に関する代替物など)が本明細書に記載され得るが、このような記載は、現在周知であろうと後に開発されようと、入手可能な代替実施形態の完全なまたは包括的なリストである意図はない。当業者はすぐに、一般的発明概念の範囲内のさらなる実施形態および使用に、このような実施形態が本明細書に明確に開示されていなくても、本発明の態様、概念、または特徴のうちの1つ以上を適合させる。加えて、本発明のいくつかの特徴、概念、または態様が好ましい構成または方法として本明細書に記載され得るが、このような記載は、そのように明確に述べられていない限り、このような特徴が要求されるまたは必要不可欠であることを示唆する意図はない。さらに、例示のまたは代表的な値および範囲が、本開示の理解に役立つように含まれる場合があるが、しかしながら、このような値および範囲は限定する意味で解釈されるべきではなく、明確に述べられている場合のみ、重要な値または範囲であることを意図する。さらに、様々な態様、特徴、および概念が発明的であるもしくは発明の形成部分であるとして本明細書に明確に識別され得るが、このような識別は排他的である意図はない。むしろ、このようにもしくは特定の発明の部分として明確に識別されることなく、本明細書に完全に記載される、発明の態様、概念、および特徴が存在し得る。例示の方法または工程の記載は、全ての場合に必要とされる全ての段階を含むことに限定されず、また段階が示される順番は、明確に述べられない限り、要求されるまたは必要不可欠であると解釈されるべきでない。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科的安定化のためのクランプアセンブリであって、
前記クランプアセンブリは、単一のハウジング、固定アセンブリ、及びバンドを備え、
前記単一のハウジングは、前記単一のハウジングの内部にある少なくとも4つのスルースロット、凹部、上面、側面、遠位ベース、及び底面を備え、
前記固定アセンブリは、前記凹部内で、前記凹部の篏合面と同軸関係に位置し、前記固定アセンブリは、
スナップフィット閉塞ナット、ばね付勢閉塞ナット、及び閉塞物から選択される一体型固定アセンブリと、
止めねじ、スナップフィット閉塞ナット、ばね付勢閉塞ナット、及び閉塞物から選択される係止要素と、のうちの1つを備え、
前記バンドは、前記単一のハウジング内の前記少なくとも4つのスルースロットによって部分的に画定される規定経路に沿って移動するようなサイズを有し、
前記単一のハウジングの前記遠位ベースは、正方形又は円形の形状を有し、
前記単一のハウジングの前記上面は、前記凹部への円形開口部を有する円筒形延長部を備え、
前記少なくとも4つのスルースロットのうち少なくとも2つは前記単一のハウジングの前記底面に配置され、
前記少なくとも4つのスルースロットのうち少なくとも2つは、他方と反対側に配置され、各々が前記単一のハウジングの前記側面にあり、前記固定アセンブリの下方に、前記バンドの経路を規定するように前記単一のハウジングに位置する、クランプアセンブリ。
【請求項2】
前記単一のハウジングは、前記凹部の内部に加圧アセンブリを収容するように適合され、前記加圧アセンブリは、前記遠位ベースの内部であって下方に位置する加圧要素であって、前記係止要素と同軸関係にある加圧要素を備える、請求項1に記載のクランプアセンブリ。
【請求項3】
前記固定アセンブリは、一体型係止要素を備える、請求項1に記載のクランプアセンブリ。
【請求項4】
前記単一のハウジングの前記遠位ベースは、正方形又は円形の形状を有し、かつ前記単一のハウジングの前記上面は前記凹部への円形開口部を有する円筒形延長部を備える、請求項1に記載のクランプアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングの前記遠位ベースは、実質的な平面又は曲面である、請求項1~4のいずれか一項に記載のクランプアセンブリ。