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特開2024-29059情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029059
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240227BHJP
【FI】
G06Q10/087
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215345
(22)【出願日】2023-12-21
(62)【分割の表示】P 2020219493の分割
【原出願日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2020053387
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永岡 健治
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
(57)【要約】      (修正有)
【課題】催事期間終了時の在庫棚卸情報から商品別売上数が把握でき、売れ残った在庫の移動先を選択する在庫管理業務支援装置を提供する。
【解決手段】在庫管理業務支援装置100は、販売場所における商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込部102bと、移動先管理マスタから、ある販売場所に紐付く移動先の候補を取得し、在庫データから、当該取得した移動先の候補における販売場所在庫データに含まれる商品の在庫数を取得する取得部102cと、販売場所在庫データおよび取得手段で取得したデータが、移動先が選択可能に且つ商品ごとに表示されている画面を、出力装置に出力する出力制御部102eと、ある販売場所から前記画面において選択された移動先への商品の移動データであって販売場所在庫データに含まれる期間終了後の在庫数を移動数として含むものを生成する移動データ生成部102fと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える在庫管理業務支援装置であって、
商品を期間限定で販売する販売場所ごとに、期間終了後の商品の移動先の候補となる倉庫または店舗を管理する移動先管理マスタと、
倉庫または店舗ごと且つ商品ごとに、商品の在庫数を管理する在庫データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込手段と、
前記移動先管理マスタから、前記ある販売場所に紐付く移動先の候補を取得し、前記在庫データから、当該取得した移動先の候補における前記販売場所在庫データに含まれる前記商品の在庫数を取得する取得手段と、
前記販売場所在庫データおよび前記取得手段で取得したデータが、移動先が選択可能に且つ商品ごとに表示されている画面を、出力装置に出力する出力制御手段と、
前記ある販売場所から前記画面において選択された移動先への商品の移動データであって前記販売場所在庫データに含まれる前記期間終了後の前記在庫数を移動数として含むものを生成する移動データ生成手段と、
を備えること、
を特徴とする在庫管理業務支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理業務支援装置、在庫管理業務支援方法および在庫管理業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売販売業では、自社の店舗での販売だけでなく、例えば百貨店が期間限定で行う決算セールなどの催事で販売を行う場合がある。催事が終わると、営業担当者は、催事場にあるPOS(point of sale)レジを使用して売上金額を把握し、売れ残った在庫を本社へ移動させる。
【0003】
特許文献1には、物品の在庫数量を管理するに際し、在庫から移動しうる移動予定物品があってもそのような移動予定物品の存在を把握しつつ現在在庫数量を的確に把握することができる在庫管理装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-112783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、催事場で使用するPOSレジは自社のものではないため、売上金額の把握はできるものの、商品別の売上数は、売れ残った在庫と照らし合わせて営業担当者が毎日手作業で集計を行う必要があった。また、催事場の近隣に自社の店舗があっても、その近隣店舗の在庫情報がわからないため、売れ残った在庫は近隣店舗ではなく本社に移動させていた。その結果、本社から近隣店舗に再度在庫を移動させるなどの無駄が生じていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、例えば催事などで商品を期間限定で販売する場合に、期間終了時の在庫棚卸情報から商品別売上数が把握でき、売れ残った在庫の移動先を選択できる在庫管理業務支援装置、在庫管理業務支援方法および在庫管理業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫管理業務支援装置は、制御部を備える在庫管理業務支援装置であって、商品を期間限定で販売する販売場所ごとに、期間終了後の商品の移動先の候補となる倉庫または店舗を管理する移動先管理マスタと、倉庫または店舗ごと且つ商品ごとに、商品の在庫数を管理する在庫データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込手段と、前記移動先管理マスタから、前記ある販売場所に紐付く移動先の候補を取得し、前記在庫データから、当該取得した移動先の候補における前記販売場所在庫データに含まれる前記商品の在庫数を取得する取得手段と、前記販売場所在庫データおよび前記取得手段で取得したデータが、移動先が選択可能に且つ商品ごとに表示されている画面を、出力装置に出力する出力制御手段と、前記ある販売場所から前記画面において選択された移動先への商品の移動データであって前記販売場所在庫データに含まれる前記期間終了後の前記在庫数を移動数として含むものを生成する移動データ生成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る在庫管理業務支援装置において、前記販売場所在庫データは、前記ある販売場所における商品の期間開始前の在庫数をさらに含み、前記制御部は、前記ある販売場所における商品の期間開始前の在庫数から前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を差し引いた数を、前記ある販売場所における商品の期間終了後の売上数として計算する計算手段と、前記計算手段で計算した売上数を含む売上データを生成する売上データ生成手段と、をさらに備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る前記在庫管理業務支援装置は、販売場所ごとに、販売場所へ出荷された商品およびその出荷数を管理する出荷データにさらにアクセス可能であり、前記制御部は、前記出荷データから、前記ある販売場所に紐付く商品および出荷数を取得し、当該取得した商品および出荷数を基に、前記ある販売場所における商品の期間開始前の在庫数として当該出荷数が設定されており且つ前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数が設定可能な販売場所当初在庫データを生成する販売場所当初在庫データ生成手段をさらに備え、前記販売場所在庫データは、前記販売場所当初在庫データに、前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数が設定されたものであること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る在庫管理業務支援方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される在庫管理業務支援方法であって、前記情報処理装置は、商品を期間限定で販売する販売場所ごとに、期間終了後の商品の移動先の候補となる倉庫または店舗を管理する移動先管理マスタと、倉庫または店舗ごと且つ商品ごとに、商品の在庫数を管理する在庫データと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込ステップと、前記移動先管理マスタから、前記ある販売場所に紐付く移動先の候補を取得し、前記在庫データから、当該取得した移動先の候補における前記販売場所在庫データに含まれる前記商品の在庫数を取得する取得ステップと、前記販売場所在庫データおよび前記取得ステップで取得したデータが、移動先が選択可能に且つ商品ごとに表示されている画面を、出力装置に出力する出力制御ステップと、前記ある販売場所から前記画面において選択された移動先への商品の移動データであって前記販売場所在庫データに含まれる前記期間終了後の前記在庫数を含むものを生成する移動データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る在庫管理業務支援プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための在庫管理業務支援プログラムであって、前記情報処理装置は、商品を期間限定で販売する販売場所ごとに、期間終了後の商品の移動先の候補となる倉庫または店舗を管理する移動先管理マスタと、倉庫または店舗ごと且つ商品ごとに、商品の在庫数を管理する在庫データと、にアクセス可能であり、前記制御部に実行させるための、ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込ステップと、前記移動先管理マスタから、前記ある販売場所に紐付く移動先の候補を取得し、前記在庫データから、当該取得した移動先の候補における前記販売場所在庫データに含まれる前記商品の在庫数を取得する取得ステップと、前記販売場所在庫データおよび前記取得ステップで取得したデータが、移動先が選択可能に且つ商品ごとに表示されている画面を、出力装置に出力する出力制御ステップと、前記ある販売場所から前記画面において選択された移動先への商品の移動データであって前記販売場所在庫データに含まれる前記期間終了後の前記在庫数を含むものを生成する移動データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えば催事などで商品を期間限定で販売する場合に、期間終了時の在庫棚卸情報から商品別売上数が把握でき、売れ残った在庫の移動先を選択できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、在庫管理業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、出荷データ106aの一例を示す図である。
図3図3は、催事在庫データ106bの一例を示す図である。
図4図4は、近隣倉庫マスタ106cの一例を示す図である。
図5図5は、在庫データ106dの一例を示す図である。
図6図6は、移動データ106eの一例を示す図である。
図7図7は、売上データ106fの一例を示す図である。
図8図8は、在庫管理業務支援装置100で実行される処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図9図9は、催事在庫データ生成処理画面MAの一例を示す図である。
図10図10は、記入用催事在庫データ出力画面MBの一例を示す図である。
図11図11は、催事在庫データ取込移動処理画面MCの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る在庫管理業務支援装置、在庫管理業務支援方法および在庫管理業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。特に、本実施形態では、本発明の「商品を期間限定で販売する販売場所」を「催事場」として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
ここでは、本実施形態に係る在庫管理業務支援装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、在庫管理業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
在庫管理業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、在庫管理業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
在庫管理業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。在庫管理業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、在庫管理業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、在庫管理業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106には、例えば、出荷データ106a、催事在庫データ106b、近隣倉庫マスタ106c、在庫データ106d、移動データ106eおよび売上データ106fなどが格納される。
【0022】
図2は、出荷データ106aの一例を示す図である。出荷データ106aは、催事場に商品を出荷した出荷時期(例えば年月日などで示されるもの)と、商品の出荷元となる倉庫を識別する出荷元倉庫識別情報(例えば出荷元倉庫の名称など)と、催事場を識別する催事場識別情報(例えば催事場コードや催事場の名称など)と、商品を識別する商品識別情報(例えば商品コードや商品の名称など)と、商品の催事場への出荷数と、を含む。
【0023】
図3は、催事在庫データ106bの一例を示す図である。催事在庫データ106b(記入前)は、本発明の販売場所当初在庫データに相当する。また、催事在庫データ106b(記入後)は、本発明の販売場所在庫データに相当する。催事在庫データ106bは、商品を販売する事業所を識別する事業所識別情報(例えば事業所コードや事業所の名称など)と、催事場での棚卸時期(例えば年月日などで示されるもの)と、催事場識別情報と、商品識別情報と、商品の催事場での当初(期間開始前)の在庫数と、を含み、催事場での販売期間(例えば催事場にて開催される正月セールの開催期間など)の終了後に催事場にて棚卸された商品の在庫数が設定可能である。
【0024】
図4は、近隣倉庫マスタ106cの一例を示す図である。近隣倉庫マスタ106cは、本発明の移動先管理マスタに相当する。近隣倉庫マスタ106cは、催事場識別情報と、催事場での販売期間の終了後に催事場にて棚卸された在庫商品の移動先の候補となる倉庫または店舗を識別する移動先識別情報(例えば倉庫または店舗の名称など)と、を含む。なお、移動先の候補として、例えば催事場の近隣にある倉庫または店舗などを設定してもよい。また、移動先の候補の設定上限数は、図示の5個に限定されることなく、これより多い個数でもよい。
【0025】
図5は、在庫データ106dの一例を示す図である。在庫データ106dは、倉庫または店舗を識別する倉庫等識別情報と、商品識別情報と、倉庫または店舗における商品の在庫数と、を含む。
【0026】
図6は、移動データ106eの一例を示す図である。移動データ106eは、催事場から移動先の倉庫または店舗への商品の出荷時期と、催事場識別情報と、移動先識別情報(例えば移動先となる倉庫または店舗のコードや名称など)と、商品識別情報と、催事場から移動先の倉庫または店舗への商品の移動数と、を含む。
【0027】
図7は、売上データ106fの一例を示す図である。売上データ106fは、催事場で販売した商品の売上を計上した売上計上時期(例えば年月日などで示されるもの)と、催事場識別情報と、商品識別情報と、商品の売上数と、を含む。
【0028】
図1に戻り、制御部102は、在庫管理業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、本発明の販売場所当初在庫データ生成手段に相当する催事在庫データ生成部102aと、本発明の取込手段に相当する取込部102bと、本発明の取得手段に相当する取得部102cと、本発明の計算手段に相当する計算部102dと、本発明の出力制御手段に相当する出力制御部102eと、本発明の移動データ生成手段に相当する移動データ生成部102fと、本発明の売上データ生成手段に相当する売上データ生成部102gなどを備える。
【0030】
催事在庫データ生成部102aは、出荷データ106aから、販売場所Xに紐付く商品および出荷数を取得し、当該取得した商品および出荷数を基に、販売場所Xにおける商品の期間開始前の在庫数として当該出荷数が設定されており且つ販売場所Xにおける商品の期間終了後の在庫数が設定可能な催事在庫データ106b(記入前)を生成する。例えば、催事在庫データ生成部102aは、催事在庫データ生成処理画面MA(図9参照)内に入力された催事場コードを設定し、出荷データ106aから、当該設定した催事場コードに紐付く商品コード、商品名、および出荷数を取得し、当該取得した商品コード、商品名、および出荷数を基に、催事在庫データ106b(記入前)を生成する。
【0031】
取込部102bは、販売場所Xにおける商品の期間終了後の在庫数を含む催事在庫データ106b(記入後)を取り込む。例えば、取込部102bは、催事在庫データ取込移動処理画面MC(図11参照)内に入力されたファイル名の催事在庫データ106b(記入後)を取り込む。
【0032】
取得部102cは、近隣倉庫マスタ106cから、販売場所Xに紐付く移動先の候補を取得し、在庫データ106dから、当該取得した移動先の候補における催事在庫データ106b(記入後)に含まれる商品の在庫数を取得する。例えば、取得部102cは、近隣倉庫マスタ106cから、催事在庫データ取込移動処理画面MC内に入力された催事場コードに紐付く倉庫名または店舗名を取得し、在庫データ106dから、取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)に含まれる各商品の当該取得した倉庫名の倉庫または店舗名の店舗における在庫数を取得する。
【0033】
計算部102dは、販売場所Xにおける商品の期間開始前の在庫数から販売場所Xにおける商品の期間終了後の在庫数を差し引いた数を、販売場所Xにおける商品の期間終了後の売上数として計算する。例えば、計算部102dは、取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)に含まれる各商品の現在庫数から、取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)に含まれる各商品の返品・棚卸数を差し引いた数を、催事在庫データ取込移動処理画面MC内に入力された催事場コードで識別される催事場における各商品の売上数として計算する。
【0034】
出力制御部102eは、催事在庫データ106b(記入後)および取得部102cが取得したデータが、移動先が選択可能に且つ商品ごとに表示されている画面を、出力装置114に出力する。例えば、出力制御部102eは、取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)および取得部102cが取得したデータが、倉庫名または店舗名が選択可能にかつ商品ごとに表示されている催事在庫データ取込移動処理画面MCをモニタ114に出力する。
【0035】
移動データ生成部102fは、販売場所Xから前記画面(出力制御部102eが出力したもの)において選択された移動先への商品の移動データであって催事在庫データ106b(記入後)に含まれる期間終了後の在庫数を移動数として含むものを生成する。例えば、移動データ生成部102fは、催事在庫データ取込移動処理画面MCにおいて選択された倉庫または店舗への各商品の移動に関する移動データ106eであって各商品の実棚数を含むものを生成する。
【0036】
売上データ生成部102gは、計算部102dで計算した売上数を含む売上データ106fを生成する。例えば、売上データ生成部102gは、催事在庫データ取込移動処理画面MC内に入力された催事場コードで識別される催事場における売上数を管理する売上データであって計算部102dが計算した各商品の売上数を含むものである売上データ106fを生成する。
【0037】
制御部102を構成する各処理部が実行する処理の具体例については、以下に詳細に説明する。
【0038】
[2.処理の具体例]
ここでは、在庫管理業務支援装置100で実行される処理の具体例について、図8等を参照して説明する。図8は、在庫管理業務支援装置100で実行される処理に関するフローチャートの一例を示す図である。なお、本説明では、図2に示す出荷データ106a、図4に示す近隣倉庫マスタ106c、および図5に示す在庫データ106dが予め記憶部106に格納されていることを前提とする。
【0039】
まず、オペレータは、モニタ114に予め表示されている催事在庫データ生成処理画面MA内に、入力装置112を介して、事業所コード、棚卸日、および催事場コードを入力する。本説明では、図9の催事在庫データ生成処理画面MAに示すように、事業所コードとして「1」、棚卸日として「2020/01/31」、および催事場コードとして「10010」が入力されたものとする。
【0040】
つぎに、オペレータは、図9の催事在庫データ生成処理画面MA内の下部にある「F9:出力」ボタンを押下する。「F9:出力」ボタンを押下すると、モニタ114に記入用催事在庫データ出力画面MBが表示される。オペレータは、モニタ114に表示されている記入用催事在庫データ出力画面MB内に、入力装置112を介して、記入用催事在庫データのファイル名などを入力する。本説明では、図10の催事在庫データ出力画面MBに示すように、ファイル名として「催事2020年01月31日_○○百貨店_決算セール.xlsx」が入力されたものとする。
【0041】
つぎに、オペレータは、図10の催事在庫データ出力画面MB内の下部にある「OK(0)」ボタンを押下する。
【0042】
[催事在庫データ生成処理]
つぎに、催事在庫データ生成部102aは、図9に示す催事在庫データ生成処理画面MA内に入力された催事場コードを設定し、出荷データ106aから、当該設定した催事場コードに紐付く商品コード、商品名、および出荷数を取得し、当該取得した商品コード、商品名、および出荷数を基に、催事在庫データ106b(記入前)を生成する(ステップS1)。本説明では、催事場コード「10010」に加え、事業所コード「1」と棚卸日「2020/01/31」も設定し、図3に示す催事在庫データ106b(記入前)を生成する。なお、図3に示す催事在庫データ106b内の「現在庫数」とは、催事場における各商品の販売開始当初の在庫数を意味している。
【0043】
つぎに、オペレータは、図3に示す催事在庫データ106b(記入前)に、棚卸日「2020/01/31」に催事場で売れ残った各商品の数(以下では返品・棚卸数と記載する場合がある)を記入する。本説明では、図3に示す催事在庫データ106b(記入後)に示すように記入されたものとする。なお、図3に示す催事在庫データ106b(記入後)のファイル名は、図10の催事在庫データ出力画面MBに入力されたファイル名「催事2020年01月31日_○○百貨店_決算セール.xlsx」である。
【0044】
つぎに、オペレータは、モニタ114に予め表示されている催事在庫データ取込移動処理画面MC内に、入力装置112を介して、催事場コード、および催事在庫データ106b(記入後)のファイル名などを入力する。本説明では、図11の催事在庫データ取込移動処理画面MC内の入力項目MC1に示すように、催事場コードとして「10010」、ファイル名として「催事2020年01月31日_○○百貨店_決算セール.xlsx」が入力されたものとする。
【0045】
[取込処理]
つぎに、取込部102bは、催事在庫データ取込移動処理画面MC内に入力されたファイル名の催事在庫データ106b(記入後)を取り込む(ステップS2)。本説明では、図3に示す催事在庫データ106b(記入後)を取り込む。
【0046】
[取得処理]
つぎに、取得部102cは、近隣倉庫マスタ106cから、催事在庫データ取込移動処理画面MC内に入力された催事場コードに紐付く倉庫名を取得し、在庫データ106dから、ステップS2で取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)に含まれる各商品の当該取得した倉庫名における在庫数を取得する(ステップS3)。本説明では、図4に示す近隣倉庫マスタ106cから、催事場コード「10010」に紐付く倉庫名「本社倉庫」、倉庫名「関東倉庫」、倉庫名「A店」、倉庫名「B店」、および倉庫名「C店」を取得し、図5に示す在庫データ106dから、図3に示す催事在庫データ106b(記入後)に含まれる商品名「赤ハチミツ 300ml」、商品名「青ハチミツ 300ml」、商品名「黄ハチミツ 300ml」、および商品名「緑ハチミツ 300ml」の、倉庫名「本社倉庫」、倉庫名「関東倉庫」、倉庫名「A店」、倉庫名「B店」、および倉庫名「C店」における各在庫数を取得する。
【0047】
[計算処理]
つぎに、計算部102dは、ステップS2で取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)に含まれる各商品の現在庫数から、ステップS2で取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)に含まれる各商品の返品・棚卸数を差し引いた数を、催事在庫データ取込移動処理画面MC内に入力された催事場コードで識別される催事場における各商品の売上数として計算する(ステップS4)。本説明では、図3に示す催事在庫データ106b(記入後)に含まれる商品名「赤ハチミツ 300ml」、商品名「青ハチミツ 300ml」、商品名「黄ハチミツ 300ml」、および商品名「緑ハチミツ 300ml」の各現在庫数から各返品・棚卸数を差し引いた数を、催事場コード「10010」で識別される催事場「○○百貨店 決算セール催事場」における各商品の売上数として計算する。
【0048】
[出力処理]
つぎに、出力制御部102eは、ステップS2で取込部102bが取り込んだ催事在庫データ106b(記入後)およびステップS3で取得部102cが取得したデータが、倉庫名が選択可能にかつ商品ごとに表示されている催事在庫データ取込移動処理画面MCをモニタ114に出力する(ステップS5)。本説明では、図11の催事在庫データ取込移動処理画面MC内の入力項目MC2に示すように出力する。なお、本説明では、図11の催事在庫データ取込移動処理画面MC内の入力項目MC2に示すように、図3に示す催事在庫データ106b(記入後)に含まれる「現在庫数」は「帳簿数」として、「返品・棚卸数」は「実棚数」として表示されるものとする。
【0049】
つぎに、オペレータは、図11の催事在庫データ取込移動処理画面MC内の入力項目MC2に、各商品の実棚数の移動先となる倉庫を選択する。本説明では、図11の催事在庫データ取込移動処理画面MC内の入力項目MC2に示すように、移動先となる倉庫が選択されたものとする。
【0050】
[移動データ生成処理]
つぎに、移動データ生成部102fは、催事在庫データ取込移動処理画面MCにおいて選択された倉庫への各商品の移動データであって各商品の実棚数を含むものである移動データ106eを生成する(ステップS6)。本説明では、図6に示す移動データ106eを生成する。各商品の実棚数は、図6に示す移動データ106e内の「移動数」として含まれている。
【0051】
[売上データ生成処理]
つぎに、売上データ生成部102gは、催事在庫データ取込移動処理画面MC内に入力された催事場コードで識別される催事場における売上数を管理する売上データであってステップS4で計算部102dが計算した各商品の売上数を含むものである売上データ106fを生成する(ステップS7)。本説明では、図7に示す売上データ106fを生成する。
【0052】
以上の処理の結果、例えば催事などで商品を期間限定で販売する場合に、期間終了時の在庫棚卸情報から商品別売上数が把握でき、売れ残った在庫の移動先を選択できる。本実施形態により、催事で売れ残った在庫は、本社倉庫や近隣店舗に在庫移動する際に実棚在庫数(催事場に売れ残った数量)を利用でき、業務の省力化ができる。その際、近隣店舗の在庫数を確認しながら在庫移動先を選択することで、無駄な商品移動が廃止でき、配送コストの削減に繋がる。
【0053】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0056】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0057】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0058】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
また、在庫管理業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0060】
例えば、在庫管理業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫管理業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0061】
また、このコンピュータプログラムは、在庫管理業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0062】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0063】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0064】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0065】
また、在庫管理業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、在庫管理業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0066】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、特に、小売販売業において有用である。
【符号の説明】
【0068】
100 在庫管理業務支援装置
102 制御部
102a 催事在庫データ生成部
102b 取込部
102c 取得部
102d 計算部
102e 出力制御部
102f 移動データ生成部
102g 売上データ生成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 出荷データ
106b 催事在庫データ
106c 近隣倉庫マスタ
106d 在庫データ
106e 移動データ
106f 売上データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって
庫または店舗ごと且つ商品ごとに、商品の在庫数を管理する在庫デー
アクセス可能であり、
前記制御部は、
商品を期間限定で販売するある販売場所における商品の期間開始前の在庫数と商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込手段と、
前記ある販売場所における商品の期間開始前の在庫数から前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を差し引いた数を、前記ある販売場所における商品の期間終了後の売上数として計算する計算手段と、
前記計算手段で計算した売上数を含む売上データを生成する売上データ生成手段と、
を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
販売場所ごとに、販売場所へ出荷された商品およびその出荷数を管理する出荷データにさらにアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記出荷データから、前記ある販売場所に紐付く商品および出荷数を取得し、当該取得した商品および出荷数を基に、前記ある販売場所における商品の期間開始前の在庫数として当該出荷数が設定されており且つ前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数が設定可能な販売場所当初在庫データを生成する販売場所当初在庫データ生成手段
をさらに備え、
前記販売場所在庫データは、前記販売場所当初在庫データに、前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数が設定されたものであること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
倉庫または店舗ごと且つ商品ごとに、商品の在庫数を管理する在庫データにアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置の前記制御部で、
商品を期間限定で販売するある販売場所における商品の期間開始前の在庫数と商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込ステップと、
前記ある販売場所における商品の期間開始前の在庫数から前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を差し引いた数を、前記ある販売場所における商品の期間終了後の売上数として計算する計算ステップと、
前記計算ステップで計算した売上数を含む売上データを生成する売上データ生成ステップと、
を実行すること、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
倉庫または店舗ごと且つ商品ごとに、商品の在庫数を管理する在庫データにアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置の前記制御部に、
商品を期間限定で販売するある販売場所における商品の期間開始前の在庫数と商品の期間終了後の在庫数を含む販売場所在庫データを取り込む取込ステップと、
前記ある販売場所における商品の期間開始前の在庫数から前記ある販売場所における商品の期間終了後の在庫数を差し引いた数を、前記ある販売場所における商品の期間終了後の売上数として計算する計算ステップと、
前記計算ステップで計算した売上数を含む売上データを生成する売上データ生成ステップと、
を実行させるためのプログラム。