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特開2024-29075注入装置及び注入装置訓練器具のためのロック部材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029075
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】注入装置及び注入装置訓練器具のためのロック部材
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216041
(22)【出願日】2023-12-21
(62)【分割の表示】P 2021542295の分割
【原出願日】2019-09-27
(31)【優先権主張番号】1816035.8
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】514010601
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】マッハ,フン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】注入装置を使用する患者を単純かつ安全に訓練するために使用することができる装置が必要とされている。
【解決手段】注入装置及び注入装置訓練器具(1)の各々1つは、本体部(3)と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータ(9)であって、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータ(9)と、本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールド(11)であって、初期位置と、初期位置よりも本体部に対してより近位にある後退位置と、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールド(11)と、ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具であって、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から
遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、前記初
期位置よりも前記本体部に対してより近位にある後退位置と、前記初期位置よりも前記本
体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に
前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチ
ュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能であるように
適合された、ロック部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へ
と移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成され
ており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記シールドは、前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるた
めに、前記初期位置から前記後退位置へと移動するときに前記ロック部材と接触するよう
に構成されており、
前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう第1の距離の移動は、前記シールドが前記
延出位置に向かって移動することができるように前記シールドを前記ロック部材からロッ
ク解除するように構成されている、
注入装置訓練器具。
【請求項2】
前記ロック部材は少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面を備え、前記アクチュエータ
は少なくとも1つの当接面を備え、
前記少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面は、前記ロック部材が前記第1の向きにあ
るときに、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に抵抗するよう
に、前記少なくとも1つの当接面と当接するように配置されている、請求項1に記載の注
入装置訓練器具。
【請求項3】
前記ロック部材は一対のアクチュエータ抵抗面を備え、前記アクチュエータは一対の当
接面を備え、
前記一対のアクチュエータ抵抗面の各アクチュエータ抵抗面は、前記ロック部材が前記
第1の向きにあるときに、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動
に抵抗するように、前記一対の当接面のうちの対応する当接面に当接するように配置され
ている、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項4】
前記一対のアクチュエータ抵抗面は、前記ロック部材の互いに対して反対側に位置して
いる、請求項3に記載の注入装置訓練器具。
【請求項5】
前記ロック部材は円筒形ハウジングを備え、前記一対のアクチュエータ抵抗面の各アク
チュエータ抵抗面は、前記円筒形ハウジングの表面から突出する突出部を備える、請求項
3に記載の注入装置訓練器具。
【請求項6】
前記一対の当接面は、前記アクチュエータの互いに対して反対側に位置している、請求
項5に記載の注入装置訓練器具。
【請求項7】
前記ロック部材は傾斜面を備え、前記シールドは傾斜した接触面を備え、前記傾斜した
接触面は、前記ロック部材が前記初期位置から前記後退位置へと移動するときに前記傾斜
面と相互作用することによって、前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに
回転させるように構成されている、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項8】
前記ロック部材は、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することが
可能な第3の向きを含む、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記ロック部材を前記第3の向きに移動させるために、第1の
距離だけ移動するように構成されている、請求項8に記載の注入装置訓練器具。
【請求項10】
前記ロック部材は偏向部を備え、前記アクチュエータは、前記偏向部と連動して、前記
ロック部材を前記第2の向きから前記第3の向きに移動させるように配置されている、請
求項8に記載の注入装置訓練器具。
【請求項11】
前記ロック部材は、前記シールド内の凹部内に位置することによって前記シールドを前
記初期位置に保持するように配置された停止部を備える、請求項1に記載の注入装置訓練
器具。
【請求項12】
前記シールドが前記延出位置に移動することを可能にするために、前記停止部は、前記
シールド内のスロットに沿って移動するように配置されている、請求項11に記載の注入
装置訓練器具。
【請求項13】
前記停止部は、前記ロック部材が前記第1の向きにあるときに、前記凹部内の前記スロ
ットの外側に位置することによって、前記シールドを前記初期位置に保持するように配置
されている、請求項12に記載の注入装置訓練器具。
【請求項14】
前記ロック部材は、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することを
可能にする第3の向きを含み、前記第2の向きから前記第3の向きへの前記ロック部材の
移動は、前記停止部を前記スロット内に押し込んで、前記シールドが前記初期位置から前
記延出位置へと移動することを可能にする、請求項12に記載の注入装置訓練器具。
【請求項15】
前記停止部は、弾性部材に連結されており、前記弾性部材は、前記停止部を静止状態か
ら前記訓練器具の長手方向軸に向かって撓曲状態へと内側に移動させるために屈曲するよ
うに構成されている、請求項11に記載の注入装置訓練器具。
【請求項16】
前記静止状態の停止部は、前記シールドを前記初期位置に保持する、請求項15に記載
の注入装置訓練器具。
【請求項17】
前記撓曲状態の前記停止部は、前記停止部が前記スロット内に移動することを可能にす
る、請求項15に記載の注入装置訓練器具。
【請求項18】
前記シールドを付勢して遠位に移動させるように配置された付勢要素を更に備える、請
求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項19】
前記ロック部材は、前記シールドが前記延出位置から前記初期位置へと移動するのに前
記ロック部材が抵抗する第4の向きを有する、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項20】
前記アクチュエータが前記遠位位置に向かってある距離移動し、前記シールドが前記延
出位置になると、前記ロック部材が前記第4の向きに移動するように、前記ロック部材を
前記第4の向きに向かって付勢するように配置された付勢要素を更に備える、請求項19
に記載の注入装置訓練器具。
【請求項21】
前記付勢要素がねじりばねを備える、請求項20に記載の注入装置訓練器具。
【請求項22】
前記アクチュエータが、前記遠位位置から前記近位位置へと移動するときに前記ロック
部材と連動して、前記ロック部材を前記第4の向きから前記第1の向きに向かって移動さ
せることによって、前記シールドが前記延出位置から前記初期位置へと移動するのを可能
にするように構成されている、請求項19に記載の注入装置訓練器具。
【請求項23】
前記ロック部材は、前記ロック部材が前記第4の向きにあり、前記シールドが前記延出
位置にあるときに、前記シールドの近位移動に抵抗するように配置されたシールド抵抗面
を備える、請求項19に記載の注入装置訓練器具。
【請求項24】
前記シールドは、前記ロック部材が前記第4の向きにあり、前記シールドが前記延出位
置にあるときに、前記シールド抵抗面に当接するように配置された当接面を備える、請求
項23に記載の注入装置訓練器具。
【請求項25】
前記アクチュエータの前記近位位置は、注入装置のプランジャの非作動位置をシミュレ
ートする、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項26】
前記アクチュエータの前記遠位位置は、注入装置のプランジャの作動位置をシミュレー
トする、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項27】
前記シールドの前記初期位置は、注入装置の針を覆うことをシミュレートする、請求項
1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項28】
前記シールドの前記後退位置は、注入装置の針を露出させることをシミュレートする、
請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項29】
前記シールドの前記延出位置は、前記シールドが針を露出させることを防止する注入装
置のロックアウト状態をシミュレートする、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項30】
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動
が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
前記注入装置訓練器具は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連
結される又は連結可能な減衰要素を更に備える、
請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項31】
注入装置であって、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、前記チャンバ
内に格納された流体を前記針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能で
ある、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、前記シールドが前記
針を覆う初期位置と、前記シールドが前記針を露出させる後退位置であって、前記初期位
置よりも前記本体部に対してより近位にある、後退位置と、前記シールドが前記針を覆う
延出位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある、延出位置と
、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に
前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチ
ュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロッ
ク部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へ
と移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成され
ており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記シールドは、前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるた
めに、前記初期位置から前記後退位置へと移動するときに前記ロック部材と接触するよう
に構成されており、
前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう第1の距離の移動は、前記シールドが前記
延出位置に向かって移動することができるように前記シールドを前記ロック部材からロッ
ク解除する、
注入装置。
【請求項32】
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動
が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
注入装置は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結される又は
連結可能な減衰要素を更に備える、
請求項31に記載の注入装置。
【請求項33】
請求項1に記載の注入装置訓練器具又は請求項31に記載の注入装置へと組み立てられ
るように構成された部品のキット。
【請求項34】
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、前記方法は、注入装置訓
練器具を提供することを含み、前記注入装置訓練器具は、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から
遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、前記初
期位置よりも前記本体部に対してより近位にある後退位置と、前記初期位置よりも前記本
体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に
前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチ
ュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロッ
ク部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へ
と移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成され
ており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記方法は、
前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるために、前記シール
ドが前記ロック部材と接触するように前記シールドを前記初期位置から前記後退位置へと
移動させることと、
前記シールドが前記延出位置に向かって移動するように、前記アクチュエータを前記遠
位位置に向かって第1の距離だけ移動させて前記シールドを前記ロック部材からロック解
除することと、
を更に含む、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法。
【請求項35】
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動
が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
前記注入装置訓練器具は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連
結可能な減衰要素を更に備え、
前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させ、その間
に前記減衰要素が、前記回転子の前記回転を減衰させることによって、前記アクチュエー
タの前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
注射を処理する方法であって、前記方法は、注入装置を提供することを含み、注入装置
は、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、前記チャンバ
内に格納された流体を前記針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能で
ある、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、前記シールドが前記
針を覆う初期位置と、前記シールドが前記針を露出させる後退位置であって、前記初期位
置よりも前記本体部に対してより近位にある、後退位置と、前記シールドが前記針を覆う
延出位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある、延出位置と
、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に
前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチ
ュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロッ
ク部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へ
と移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成され
ており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記方法は、
前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるために、前記シール
ドが前記ロック部材と接触するように、前記シールドを前記初期位置から前記後退位置へ
と移動させることと、前記シールドが前記延出位置に向かって移動するように、前記アク
チュエータを前記遠位位置に向かって第1の距離だけ移動させて前記シールドを前記ロッ
ク部材からロック解除することと、
を更に含む、注射を投与する方法。
【請求項37】
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動
が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
前記注入装置は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な
減衰要素を更に備え、前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置
に移動させ、その間に前記減衰要素が、前記回転子の前記回転を減衰させることによって
、前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具であって、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前
記アクチュエータは、近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータア
センブリは、前記近位位置から前記遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転さ
せるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備える、注入装置訓練器具。
【請求項39】
注入装置であって、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前
記アクチュエータは、前記チャンバ内に格納された前記流体を前記針から分注するために
近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータアセンブリは、前記近位
位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記
回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備える、注入装置。
【請求項40】
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、前記方法は、注入装置訓
練器具を提供することを含み、前記注入装置訓練器具は、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前
記アクチュエータは、近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータア
センブリは、前記近位位置から前記遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転さ
せるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備え、
前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させ、その間
に前記減衰要素が、前記回転子の回転を減衰させることによって、前記アクチュエータの
前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法。
【請求項41】
注射を処理する方法であって、前記方法は、注入装置を提供することを含み、前記注入
装置は、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前
記アクチュエータは、前記チャンバ内に格納された前記流体を前記針から分注するために
近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータアセンブリは、前記近位
位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記
回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備え、
前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させ、その間
に前記減衰要素が、前記回転子の回転を減衰させることによって、前記アクチュエータの
前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
注射を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、注射を処理するための注入装置、及び注入装置を使用するユーザーを訓練す
るための注入装置訓練器具に関する。
【背景技術】
【0002】
患者を治療する際に、注射を簡単かつ安全に処理することができることが望ましい。注
射を処理するための従来のシリンジは、薬剤を保持するための注射筒と、注射筒内に嵌合
するプランジャと、プランジャが注射筒の内部に押し込まれたときに薬剤がそこを通って
放出される針とを含む。典型的には、シリンジは、シリンジが注射を処理するために使用
されていないときに針を遮蔽するためのキャップを有し、キャップは、針を露出させるた
めに取り外されることができる。
【0003】
従来のシリンジに関連する特定の問題は、注射を処理する前に患者が自分自身を、又は
他の誰かを、偶発的に針で刺す可能性があることである。別の特定の問題は、針を標的部
位と正しく位置合わせすることが困難なことがあり、したがって注射が誤った場所に処理
される可能性があることである。したがって、従来のシリンジは、特にあまり器用でない
患者にとって、複雑であり、使用するのに潜在的に安全でない場合がある。
【0004】
従来のシリンジを用いてこれらの問題を克服するように設計された注入装置が存在する
。1つのそのような装置は、針から患者の体内に薬剤を押し込むために作動させることが
できる針シールド及びプランジャを含む。針シールドは、標的部位に押し付けられると、
針を露出させるために後退し、プランジャが同時に押し付けられて注射を処理することが
できる。これにより、装置のプランジャを標的部位の上に押し下げることによって、注射
を単一の動作で処理することが可能になる。これにより、患者は、安全かつ単純に注射を
自分自身に処理すること可能になる。多くの場合、これらの装置は、例えば、注射が完了
した時点で、針を覆う位置に針シールドをロックすることによって、1回しか使用できな
いように設計されている。これは、患者が針を2回以上使用することを防止し、衛生及び
健康上の利益を有する。
【0005】
既知の注入装置に関する問題は、注射を実際に処理することなく、これらの装置の使用
に関して患者を訓練することが困難であり得ることである。したがって、適切な訓練は、
注射が必要な回数に限定され得る。あるいは、訓練時の注入物質として非活性成分を使用
するということもあり得る。しかしながら、健康及び衛生上の理由から、不必要に人に注
射するのは避けるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑みて、注入装置を使用する患者を単純かつ安全に訓練するために使用すること
ができる装置が必要とされている。加えて、同じ装置を使用して複数の訓練課程を行うこ
とができるように、そのような装置を複数回使用することが望ましい。また、単純な構造
を有し、かつ確実に動作する注入装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具
であって、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって
、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、本体部の遠位端に向か
って位置付けられたシールドであって、初期位置と、初期位置よりも本体部に対してより
近位にある後退位置と、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間
で移動可能である、シールドと、ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチ
ュエータの移動にロック部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチ
ュエータの移動をロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部
材と、を備える、注入装置訓練器具が存在する。ロック部材の第1の向きは、シールドが
初期位置から延出位置へと移動することを防止するようにシールドを初期位置に保持する
ように構成されており、かつ、初期位置から後退位置へのシールドの移動を可能にする。
シールドは、ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、初期位置から
後退位置へと移動するときにロック部材と接触するように構成されている。アクチュエー
タの遠位位置に向かう第1の距離の移動は、シールドが延出位置に向かって移動すること
が可能になるようにシールドをロック部材からロック解除する。
【0008】
したがって、注入装置訓練器具は、注入装置の使用を正確にシミュレートし、これによ
り訓練プロセスを改善する。加えて、ユーザーは、実際の注射が必要とされる場合にのみ
訓練が可能である状況と比較して、注射の処理をより多くの回数練習することができる。
ロック部材は、注入装置の使用をシミュレートするための機構を提供する。
【0009】
本発明の別の態様では、注入装置であって、流体を格納するためのチャンバと連結され
た針と、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、
チャンバ内に格納された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可
能である、アクチュエータと、本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであっ
て、シールドが針を覆う初期位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期
位置よりも本体部に対してより近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置で
あって、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能で
ある、シールドと、ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移
動にロック部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移
動をロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え
る、注入装置が存在する。ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置
へと移動することを防止するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており
、かつ、初期位置から後退位置へのシールドの移動を可能にする。シールドは、ロック部
材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、初期位置から後退位置へと移動する
ときにロック部材と接触するように構成されている。アクチュエータの遠位位置に向かう
第1の距離の移動は、シールドが延出位置に向かって移動することが可能になるようにシ
ールドをロック部材からロック解除する。
【0010】
これにより、信頼性及び製造の容易さを支援する注入装置の構造が提供される。
【0011】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法が存在し、
本方法は、注入装置訓練器具を提供することを含み、注入装置訓練器具は、本体部と、本
体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位置
へと移動可能である、アクチュエータと、本体部の遠位端に向かって位置付けられたシー
ルドであって、初期位置と、初期位置よりも本体部に対してより近位にある後退位置と、
初期位置よりも本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シー
ルドと、ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック
部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック
部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備える。ロック
部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止するよう
にシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後退位置へ
のシールドの移動を可能にする。本方法は、ロック部材を第1の向きから第2の向きに移
動させるために、シールドがロック部材と接触するようにシールドを初期位置から後退位
置へと移動させることと、シールドが延出位置に向かって移動するように、アクチュエー
タを遠位位置に向かって第1の距離だけ移動させてシールドをロック部材からロック解除
することと、を更に含む。
【0012】
本発明の別の態様では、注射を処理する方法が存在し、本方法は、注入装置を提供する
ことを含み、注入装置は、流体を格納するためのチャンバと連結された針と、本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納さ
れた流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュ
エータと、本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、シールドが針を
覆う初期位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期位置よりも本体部に
対してより近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置であって、初期位置よ
りも本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が抵
抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が可
能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備える。ロック部材の第
1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止するようにシール
ドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後退位置へのシール
ドの移動を可能にする。本方法は、ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させる
ために、シールドがロック部材と接触するようにシールドを初期位置から後退位置へと移
動させることと、シールドが延出位置に向かって移動するように、アクチュエータを遠位
位置に向かって第1の距離だけ移動させてシールドをロック部材からロック解除すること
と、を更に含む。
【0013】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器
具であって、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであっ
て、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、を備える、注入装置
訓練器具が存在する。本体部は、本体突出部を備え、アクチュエータは、アクチュエータ
が遠位位置にあるときに本体突出部と連結することによって、アクチュエータを遠位位置
に保持するように配置されたラッチを備える。
【0014】
このようにして、ラッチと本体突出部との連結は、アクチュエータが遠位位置に到達し
ていることを示し、これは、注入装置によって処理されている注射の完了をシミュレート
する。したがって、ユーザーは、注射が適切に処理されたことを判定するように訓練され
ることができる。
【0015】
本発明の別の態様では、注入装置であって、流体を格納するためのチャンバと連結され
た針と、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、
チャンバ内に格納された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可
能である、アクチュエータと、を備える、注入装置が存在する。本体部は、本体突出部を
備え、アクチュエータは、アクチュエータが遠位位置にあるときに本体突出部と連結する
ことによって、アクチュエータを遠位位置に保持するように配置されたラッチを備える。
【0016】
このようにして、ラッチと本体突出部との連結は、アクチュエータが遠位位置に到達し
ていることを示し、これは、注入装置によって処理されている注射の完了を示す。したが
って、ユーザーは、注射が適切に処理されたことをより正確に判定することができる。
【0017】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器
具であって、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであっ
て、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、を備える、注入装置
訓練器具が提供される。本体部は、本体突出部を備え、アクチュエータは、アクチュエー
タが遠位位置にあるときに本体突出部と接触し、可聴音を発するように配置されたラッチ
を備える。
【0018】
このようにして、可聴音は、アクチュエータが遠位位置に到達していることを示し、こ
れは、注入装置によって処理されている注射の完了をシミュレートする。したがって、ユ
ーザーは、注射が適切に処理されたことを判定するように訓練されることができる。可聴
音は、ユーザーが装置から1m離れて音を聞くことができるようにする、又は装置から少
なくとも腕の長さの位置で聞くことができるようにする強度を有し得る。ラッチは、装置
から特定の距離(例えば、30cm)において所定の閾値強度を上回る可聴音を発するよ
うに構成されてもよい。例えば、所定の閾値強度は、発せられた音の強度が静かな部屋の
通常な音の強度を上回るように、40dBとすることができる。これにより、ユーザーは
、通常の作業環境において音を聞くことができる。所定の閾値強度は、ユーザーが様々な
異なる環境で音を聞くことができることを確実にするために、50dB、60dB、又は
更には70dBであってもよい。音は、短い音(例えば、秒の長さ未満)である「クリッ
ク音」の形態であってもよい。音は、ラッチと本体突出部との間の機械的相互作用に起因
して発せられ、電子装置によって発せられるものではない。
【0019】
本発明の別の態様では、注入装置であって、流体を格納するためのチャンバと連結され
た針と、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、
チャンバ内に格納された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可
能である、アクチュエータと、を備える、注入装置が提供される。本体部は、本体突出部
を備え、アクチュエータは、アクチュエータが遠位位置にあるときに本体突出部と接触し
、可聴音を発するように配置されたラッチを備える。
【0020】
このようにして、可聴音は、アクチュエータが遠位位置に到達していることを示し、こ
れは、注入装置によって処理されている注射の完了を示す。したがって、ユーザーは、注
射が適切に処理されたことをより正確に判定することができる。
【0021】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法が存在し、
本方法は、注入装置訓練器具を提供することを含み、注入装置訓練器具は、本体部と、本
体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位置
へと移動可能である、アクチュエータと、を備える。本体部は、本体突出部を備え、アク
チュエータはラッチを備える。本方法は、アクチュエータが遠位位置にあるときにラッチ
が本体突出部と連結することによって、アクチュエータを遠位位置に保持するように、ア
クチュエータを近位位置から遠位位置に移動させることを更に含む。
【0022】
本発明の別の態様では、注射を処理する方法が存在し、本方法は、注入装置を提供する
ことを含み、注入装置は、流体を格納するためのチャンバと連結された針と、本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納さ
れた流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュ
エータと、を備える。本体部は、本体突出部を備え、アクチュエータはラッチを備える。
本方法は、アクチュエータが遠位位置にあるときにラッチが本体突出部と連結することに
よって、アクチュエータを遠位位置に保持するように、アクチュエータを近位位置から遠
位位置に移動させることを更に含む。
【0023】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法が存在し、
本方法は、注入装置訓練器具を提供することを含み、注入装置訓練器具は、本体部と、本
体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位置
へと移動可能である、アクチュエータと、を備える。本体部は、本体突出部を備え、アク
チュエータはラッチを備える。本方法は、ラッチが、アクチュエータが遠位位置にあると
きに本体突出部と接触し、可聴音を発するように、アクチュエータを近位位置から遠位位
置に移動させることを更に含む。
【0024】
本発明の別の態様では、注射を処理する方法が存在し、本方法は、注入装置を提供する
ことを含み、注入装置は、流体を格納するためのチャンバと連結された針と、本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納さ
れた流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュ
エータと、を備える。本体部は、本体突出部を備え、アクチュエータはラッチを備える。
本方法は、ラッチが、アクチュエータが遠位位置にあるときに本体突出部と接触し、可聴
音を発するように、アクチュエータを近位位置から遠位位置に移動させることを更に含む
【0025】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器
具であって、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであっ
て、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、本体部の遠位端に向
かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、初期位置よりも本体部に対してよ
り遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、遠位位置から近位位置に
向かうアクチュエータの移動がシールドを延出位置から初期位置に引っ張るように、アク
チュエータをシールドに接続するコネクタと、を備える、注入装置訓練器具、が存在する
【0026】
このようにして、訓練器具を再び使用することができるように、注入装置訓練器具をリ
セットして初期位置に戻すことが可能である。コネクタは、この機能を達成するための機
構を提供する。
【0027】
本発明の別の態様では、注入装置であって、流体を格納するためのチャンバと連結され
た針と、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、
チャンバ内に格納された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可
能である、アクチュエータと、本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであっ
て、シールドが針を覆う初期位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期
位置よりも本体部に対してより近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置で
あって、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能で
ある、シールドと、遠位位置から近位位置に向かうアクチュエータの移動がシールドを延
出位置から初期位置に引っ張るように、アクチュエータをシールドに接続するコネクタと
、を備える、注入装置が存在する。
【0028】
このようにして、訓練器具を2回以上使用することができるように、注入装置をリセッ
トして初期位置に戻すことが可能である。コネクタは、この機能を達成するための機構を
提供する。
【0029】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法が存在し、
本方法は、注入装置訓練器具を提供することであって、注入装置訓練器具は、本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位
置へと移動可能である、アクチュエータと、本体部の遠位端に向かって位置付けられたシ
ールドであって、初期位置と、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある延出位置と
、の間で移動可能である、シールドと、アクチュエータをシールドに接続するコネクタと
、を備える。本方法は、コネクタを使用してシールドを延出位置から初期位置に引っ張る
ために、アクチュエータを遠位位置から近位位置に向かって移動させることを更に含む。
【0030】
本発明の別の態様では、注射を処理する方法が存在し、本方法は、注入装置を提供する
ことを含み、注入装置は、流体を格納するためのチャンバと連結された針と、本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納さ
れた流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュ
エータと、本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、シールドが針を
覆う初期位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期位置よりも本体部に
対してより近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置であって、初期位置よ
りも本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
アクチュエータをシールドに接続するコネクタと、を備える。本方法は、コネクタを使用
してシールドを延出位置から初期位置に引っ張るために、アクチュエータを遠位位置から
近位位置に向かって移動させることを更に含む。
【0031】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器
具であって、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセン
ブリであって、アクチュエータアセンブリは、近位位置から遠位位置へと移動可能であり
、アクチュエータアセンブリは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転
子を回転させるように、回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、回転子
の回転を減衰させるために、回転子に連結される又は連結可能な減衰要素と、を備える、
注入装置訓練器具が存在する。
【0032】
このようにして、注入装置訓練器具は、アクチュエータが押下されたときに注入装置内
の薬剤によって提供される抵抗をシミュレートすることが可能である。
【0033】
本発明の別の態様では、注入装置であって、流体を格納するためのチャンバと連結され
た針と、本体部と、本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリ
であって、アクチュエータは、チャンバ内に格納された流体を針から分注するために近位
位置から遠位位置へと移動可能であり、アクチュエータアセンブリは、近位位置から遠位
位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、回転子と連結されている、
アクチュエータアセンブリと、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結される又
は連結可能な減衰要素と、を備える注入装置が存在する。
【0034】
このようにして、注入装置は、遠位位置に向かうアクチュエータの進行を減衰させるこ
とが可能であり、これにより、流体が針から急激に分注されないことを確実にする。
【0035】
本発明の別の態様では、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、
本方法は、注入装置訓練器具を提供することを含み、注入装置訓練器具は、本体部と、本
体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、アクチュエ
ータは、近位位置から遠位位置へと移動可能であり、アクチュエータアセンブリは、近位
位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、回転子と連結
されている、アクチュエータアセンブリと、回転子の回転を減衰させるために、回転子に
連結される又は連結可能な減衰要素と、を備える、注入装置を使用するユーザーを訓練す
るための方法が存在する。本方法は、アクチュエータを近位位置から遠位位置に移動させ
、その間に減衰要素が、回転子の回転を減衰させることによって、アクチュエータの遠位
位置に向かう移動を減衰させることを更に含む。
【0036】
本発明の別の態様では、注射を処理する方法であって、本方法は、注入装置を提供する
ことを含み、注入装置は、流体を格納するためのチャンバと連結された針と、本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、アクチュ
エータは、チャンバ内に格納された流体を針から分注するために近位位置から遠位位置へ
と移動可能であり、アクチュエータアセンブリは、近位位置から遠位位置へのアクチュエ
ータの移動が回転子を回転させるように、回転子と連結されている、アクチュエータアセ
ンブリと、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結される又は連結可能な減衰要
素と、を備える、注射を処理する方法が存在する。本方法は、アクチュエータを近位位置
から遠位位置に移動させ、その間に減衰要素が、回転子の回転を減衰させることによって
、アクチュエータの遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む。
【0037】
ロック部材は、ロック部材が第1の向きにあるときに、近位位置から遠位位置へのアク
チュエータの移動に抵抗するように配置されたアクチュエータ抵抗面を備えてもよい。ア
クチュエータ抵抗面は、ロック部材から延びる突出部を備えてもよい。アクチュエータは
、アクチュエータが近位位置にあり、ロック部材が第1の向きにあるときに、アクチュエ
ータ抵抗面に当接するように配置された当接面を備えてもよい。当接面は、アクチュエー
タから延びる突出部を備えてもよい。ロック部材は、少なくとも2つの(又は一対の)ア
クチュエータ抵抗面を備えてもよい。一対のアクチュエータ抵抗面は、ロック部材の互い
に対して反対側に位置してもよい。アクチュエータは、少なくとも2つ(又は一対の)当
接面を備えてもよい。一対の当接面は、アクチュエータの互いに対して反対側に位置して
もよい。この単純かつ信頼性の高い機構により、アクチュエータがロック部材に及ぼす力
が、ロック部材の直径にわたって広がることが可能になる。
【0038】
ロック部材は、円筒形ハウジングを備えてもよく、アクチュエータ抵抗面は、円筒形ハ
ウジングの表面から突出する突出部を備えてもよい。突出部は、円筒形ハウジングの周囲
の一部のみに及んでもよい。ロック部材は傾斜面を備えてもよい。シールドは、傾斜した
接触面を備えてもよい。シールドの傾斜した接触面は、ロック部材を第1の向きから第2
の向きに回転させるために、初期位置から後退位置へと移動するときにロック部材の傾斜
面と相互作用するように配置されてもよい。これにより、ロック部材を第2の向きに回転
させるための単純かつ信頼性の高い機構が提供される。
【0039】
ロック部材は、シールドが初期位置から延出位置へと移動することが可能な第3の向き
を備えてもよい。アクチュエータは、ロック部材を第3の向きに移動させるために、第1
の距離だけ移動するように構成されてもよい。このようにして、アクチュエータが少なく
とも部分的に押下されるまで、シールドが延出位置に移動することが防止される。延出位
置は、注入装置のロックアウト状態をシミュレートし、注射が完了したことを示す。した
がって、訓練器具は、アクチュエータがユーザーによって作動されるまで、注射手順の完
了をシミュレートすることができない。
【0040】
ロック部材は、シールド内の凹部内に位置することによってシールドを初期位置に保持
するように配置された停止部を備えてもよい。これにより、シールドを初期位置に維持す
るための単純かつ信頼性の高い機構が提供される。
【0041】
シールドが延出位置に移動することを可能にするために、停止部は、シールド内のスロ
ットに沿って移動するように配置されてもよい。停止部は、ロック部材が第1の向きにあ
るときに、凹部内のスロットの外側に位置することによって、シールドを初期位置に保持
するように配置されてもよい。このようにして、停止部を凹部からスロット内に移動させ
ることにより、停止部を使用して、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを
可能にすることができる。
【0042】
一実施形態では、アクチュエータがロック部材を第2の向きから第3の向きへ移動させ
ることによって、停止部がスロットに押し込まれ、これによってシールドが初期位置から
延出位置へと移動することが可能になる。したがって、アクチュエータを押下することに
よって、シールドを延出位置へと移動させることが可能になる。
【0043】
停止部は、弾性部材に連結されてもよく、当該弾性部材は、停止部を静止状態から訓練
器具の長手方向軸に向かって撓曲状態へと内側に移動させるために屈曲するように構成さ
れている。静止状態の停止部は、シールドを初期位置に保持する。撓曲状態の停止部は、
停止部がスロット内に移動することを可能にする。これにより、シールドが初期位置から
延出位置へと移動することを可能にするための信頼性の高い機構が提供される。
【0044】
訓練器具は、シールドを付勢して遠位に移動させる付勢要素を備えてもよい。したがっ
て、シールドは、ロック部材の向きに応じて、後退位置から初期位置又は延出位置のいず
れかに自動的に移動することができる。
【0045】
ロック部材のアクチュエータ抵抗面は、偏向部を備えてもよい。アクチュエータは、偏
向部と連動して、ロック部材を第2の向きから第3の向きに移動させるように配置されて
もよい。したがって、アクチュエータは偏向部を押し下げて、シールドが延出位置に移動
することを可能にする向きにロック部材を移動させる。
【0046】
訓練器具は、ロック部材を第1の回転方向に付勢するように配置された付勢要素を備え
てもよい。付勢要素は、ねじりばねを備えてもよい。付勢要素は、ロック部材が第2の向
き又は第3の向きから離れる第1の向きに向かって回転するように付勢することができる
。したがって、訓練器具を自動的にリセットすることができる。
【0047】
付勢要素は、アクチュエータが遠位位置に向かってある距離移動し、シールドが延出位
置になると、ロック部材が第4の向きに移動するように、ロック部材を第4の向きに向か
って付勢することができる。第4の向きにあるロック部材は、シールドが延出位置から初
期位置へと移動することを防止することができる。したがって、アクチュエータが押下さ
れると、シールドは自動的にロックアウト状態に位置付けられ得る。
【0048】
アクチュエータは、遠位位置から近位位置へと移動するときにロック部材と連動して、
ロック部材を第1の向きに向かって移動させることによって、シールドが延出位置から初
期位置へと移動するのを可能にするように構成されてもよい。これにより、ユーザーは、
アクチュエータを遠位位置から近位位置に戻すことによって、訓練器具をリセットするこ
とが可能になる。
【0049】
ロック部材は、ロック部材が第4の向きにあり、シールドが延出位置にあるときに、シ
ールドの近位移動に抵抗するように配置されたシールド抵抗面を備えてもよい。シールド
は、ロック部材が第4の向きにあり、シールドが延出位置にあるときに、シールド抵抗面
に当接するように配置された当接面を備えてもよい。これは、シールドをロックアウト状
態に維持することを支援する。
【0050】
一実施形態では、アクチュエータの近位位置は、注入装置のプランジャの非作動位置を
シミュレートする。一実施形態では、アクチュエータの遠位位置は、注入装置のプランジ
ャの作動位置をシミュレートする。一実施形態では、シールドの初期位置は、注入装置の
針を覆うことをシミュレートする。一実施形態では、シールドの後退位置は、注入装置の
針を露出させることをシミュレートする。一実施形態では、シールドの延出位置は、シー
ルドが針を露出させることを防止する注入装置のロックアウト状態をシミュレートする。
したがって、訓練器具は、注入装置の動作を正確にシミュレートすることができる。
【0051】
ラッチは、ラッチが本体突出部と連結すると可聴音を発することによって、アクチュエ
ータが遠位位置にあることを示すように構成されてもよい。可聴音は、アクチュエータが
遠位位置に到達したことを示し、これは、注入装置によって処理されている注射の完了を
シミュレートし、これにより、注入装置を使用するときに注射が適切に処理されたことを
ユーザーがより正確に判定することができる。
【0052】
ラッチは、ラッチが本体突出部と連結されているときにアクチュエータを遠位位置に保
持するように構成されてもよい。ラッチと本体突出部との連結は、アクチュエータが遠位
位置に到達したことを示し、これは、注入装置によって処理されている注射の完了をシミ
ュレートし、これにより、注入装置を使用するときに注射が適切に処理されたことをユー
ザーがより正確に判定することができる。
【0053】
ラッチは、弾性部材を備えてもよい。ラッチは、ラッチが本体突出部と連結されていな
い非連結状態と、ラッチが本体突出部と連結されている連結状態との間で移動可能であり
得る。したがって、ラッチを単に屈曲させて本体部と連結させることができる。
【0054】
弾性部材は、アクチュエータを遠位位置から近位位置に移動させる際に閾値を超える力
がアクチュエータに印加されると、連結状態から非連結状態へと移動するように構成され
てもよい。したがって、ラッチは、アクチュエータを遠位位置にしっかりと保持すること
ができる一方で、ユーザーが閾値を上回る力をアクチュエータに意図的に印加すると、訓
練器具がその初期構成に戻ることができるようにする。
【0055】
ラッチは、ラッチを非連結状態から連結状態に移動させるために本体突出部と連動する
ように配置されたラッチ偏向部を備えてもよい。ラッチは、連結状態で本体部を把持する
把持要素を備えてもよい。このようにして、偏向部は、ラッチを移動させて本体と連結さ
せることを支援し、把持要素は、ラッチと本体とを互いに接続して維持することを支援す
る。
【0056】
弾性部材は、偏向部及び/又は把持要素を備えてもよい。偏向部及び把持要素は、ラッ
チの対向する側に設けられてもよい。これにより、信頼性の高いラッチ構造が提供される
【0057】
コネクタは、アクチュエータが近位位置にあるときに、シールドが初期位置から離れて
遠位に移動することに抵抗し得る。このようにして、コネクタは、シールドを初期位置に
維持することを支援する。
【0058】
コネクタは、アクチュエータが近位位置にあるとき、シールドが後退位置に向かって移
動することを可能にし得る。このようにして、コネクタは、後退位置へのシールドの後退
を妨げない。
【0059】
コネクタは、アクチュエータが遠位位置に向かって移動するときに、シールドが延出位
置に向かって遠位に移動することを可能にし得る。したがって、コネクタはシールドを解
放するように作用することができる。
【0060】
コネクタは、アクチュエータが近位位置にあるときにシールドが初期位置から離れて遠
位に移動することに抵抗するために、アクチュエータの一部分に当接するアクチュエータ
インターフェースを有してもよい。アクチュエータインターフェースとアクチュエータと
の当接は、シールドを初期位置に保持するための機構を提供する。
【0061】
アクチュエータインターフェースは、近位方向に面するアクチュエータの表面に当接し
てもよい。したがって、アクチュエータが近位に移動するとき、コネクタはアクチュエー
タによって移動され得るが、アクチュエータは、遠位に移動するときにコネクタを移動さ
せない。
【0062】
コネクタは、アクチュエータが近位位置にあるときにシールドが初期位置から離れて遠
位に移動することに抵抗するために、シールドの一部分に当接するシールドインターフェ
ースを有してもよい。これにより、シールドを初期位置に保持するための機構が提供され
る。
【0063】
シールドインターフェースは、遠位方向に面するシールドの表面に当接してもよい。し
たがって、コネクタは、アクチュエータが近位に移動するときにシールドを移動させるこ
とができるが、コネクタは、遠位に移動するときにシールドを移動させない。
【0064】
本発明の別の態様では、本明細書に記載される注入装置訓練器具又は注入装置へと組み
立てられるように構成された部品のキットが存在する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
本発明の実施形態について、単に一例として、以下の図面を参照して説明する。
図1】注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具を示す。
図2A】注入装置訓練器具の遠位端に取り付けられたキャップを示す。
図2B】アクチュエータが近位位置にあり、シールドが初期位置にある状態の注入装置訓練器具を示す。
図2C】近位位置にあるアクチュエータ、及び後退位置にあるシールドを示す。
図2D】近位位置から遠位に移動しアクチュエータ、及び後退位置にあるシールドを示す。
図2E】遠位位置にあるアクチュエータ、及び後退位置にあるシールドを示す。
図3A】遠位位置にあるアクチュエータ、及び延出位置にあるシールドを示す。
図3B】遠位位置に向かって近位に移動する際のアクチュエータ、及び延出位置にあるシールドを示す。
図3C】遠位位置にあるアクチュエータ、及び初期位置にあるシールドを示す。
図4】注入装置訓練器具の分解図である。
図5A】アクチュエータが近位位置にあり、シールドが初期位置にある状態の、注入装置訓練器具の内部構成要素の側面図である。
図5B】アクチュエータが近位位置にあり、シールドが初期位置にある状態の、注入装置訓練器具の内部構成要素の斜視図である。
図6】内側シールド部及びロック部材の分解図である。
図7A】アクチュエータが近位位置にあり、シールドが後退位置にある状態の、注入装置訓練器具の内部構成要素の側面図である。
図7B】アクチュエータが近位位置にあり、シールドが後退位置にある状態の、注入装置訓練器具の内部構成要素の斜視図である。
図8】アクチュエータが遠位位置にあり、シールドが延出位置にある状態の、注入装置訓練器具の内部構成要素の斜視図である。
図9】コネクタを有する注入装置訓練器具の分解図である。
図10】ラッチを有する注入装置訓練器具の分解図である。
図11A】注入装置訓練器具の内部構成要素及び減衰要素の側面図である。
図11B】注入装置訓練器具の内部構成要素及び減衰要素の斜視図である。
図12A】回転子の斜視図である。
図12B】角度の付いた歯を見ることができる、回転子の上面図である。
図12C】回転子の底面図である。
図13A】回転子の側面図である。
図13B】断面A-Aに沿って取られた切欠き図である。
図14A】回転子の第2の側面図である。
図14B】断面B-Bに沿って取られた切欠き図である。
図15】完全に係合されたときの回転子及び減衰要素の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1を参照すると、注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具1
が存在する。訓練器具1は、近位端5及び遠位端7を有する本体部3を備える。
【0067】
使用時には、本体部3の遠位端7は、ユーザーが注射を通常処理する標的部位であり得
る、ユーザーの身体の表面に向かって位置付けられる。使用には、本体部3の近位端5は
、訓練器具1を作動させるために使用されるユーザーの手に向かって位置付けられる。本
体部3はまた、装置内に収容された薬剤を見るために使用される注入装置内の窓をシミュ
レートした窓12を、本体部3の両側に有する。
【0068】
用語「近位」及び「遠位」は、本明細書では装置を説明するために使用されるが、これ
らの用語は、文脈を与えるために使用され、訓練器具1が任意の特定の向きで使用される
ことを要求するものではない。用語「第1の端部」及び「第2の端部」は、意図される意
味を変更することなく、用語「遠位端」及び「近位端」の代わりに使用され得る。
【0069】
注入装置訓練器具1はまた、アクチュエータ9及びシールド11を備える。アクチュエ
ータ9は、針から薬剤を分注するために使用される注入装置内のプランジャをシミュレー
トしている。シールド11は、針を覆うため及び露出させるために使用される注入装置内
の針シールドをシミュレートしている。
【0070】
訓練器具1は、シールド11の偶発的な後退を防止するためにシールド11の上に位置
付けられることができる取り外し可能なキャップ13を有する。キャップ13は、その内
面に一対の窪み15を備える。これらの窪み15は、本体部3の遠位端7の外面上の一対
の隆起部17の上に位置付けられるように配置される。こうすることで、キャップ13を
定位置に保持する。本体部3の遠位端7はまた、各窪み15の反対側に、シールド11の
表面と当接する一対のノード19を備えており、これにより、窪み15が隆起部17と連
動すると、シールド11が近位端5に向かって更に進むことが防止される。
【0071】
本明細書に記載される注入装置訓練器具1の特徴部は、ユーザーを訓練するための注入
装置と同一であっても、又は実質的に同一であってもよい。しかしながら、注入装置訓練
器具1は、訓練手順中にユーザーが注射されないように針を備えていない。注入装置訓練
器具1はまた、内部に収容された薬剤などの任意の流体を含まないが、訓練器具1は、注
入装置の薬剤を収容するための容器をシミュレートした容器を備えてもよい。
【0072】
図2A図2Eを参照すると、注入装置訓練器具1を使用して注射を処理することに関
してユーザーを訓練するためのシーケンスが存在する。見て分かるように、図2Aは、図
1を参照して説明した訓練器具1を表す。図2Bは、キャップ13が取り外され、シール
ド11を露出させた状態の訓練器具1を示す。図2Bに示すように、シールド11は初期
位置にあり、これは、針が覆われている場合の注入装置の針シールドの位置をシミュレー
トしている。
【0073】
図2Cを参照すると、ユーザーは、アクチュエータ9によって訓練器具1を把持して、
シールド11を標的部位の上に位置付けることができる。次いで、ユーザーは、アクチュ
エータ9を本体部3の遠位端7に向かって押すことができる。この動作により、シールド
11は、近位端5の方向に、シールド11の後退位置へと移動する。シールド11が初期
位置にあるとき、アクチュエータ9は、本体部3に対して遠位端7に向かって移動するこ
とが防止される。したがって、アクチュエータ9は近位位置に保持され、前方に前進する
ことができない。しかしながら、シールド11が後退位置になると、アクチュエータ9は
、訓練器具1の長手方向軸に沿って遠位方向に移動することが可能となる。
【0074】
図2Cは、初期位置よりも本体部3に対してより近位の位置である後退位置にあるシー
ルド11を示す。シールド11は、後退位置にあるとき、本体部3の内側に部分的に後退
されている。この位置は、注射を処理するために針が露出された場合の、注入装置の針シ
ールドの位置をシミュレートする。
【0075】
図2D及び図2Eを参照すると、シールド11が後退位置になると、アクチュエータ9
は遠位に移動することが可能となる。図2Dは、遠位端7に向かって進んでいるアクチュ
エータ9を示す。図2Eは、遠位位置にあるアクチュエータ9を示し、これは、注射が処
理された後の注入装置内のプランジャの位置をシミュレートしている。
【0076】
図3A図3Cを参照すると、注射のシミュレーションが完了した後の注入装置訓練器
具1をリセットするためのシーケンスが存在する。図3Aを参照すると、ユーザーは、標
的部位から訓練器具1を取り外すことができ、これにより、シールド11は、初期位置及
び後退位置よりも本体部3に対してより遠位である延出位置へと遠位に移動することが可
能になる。シールド11の延出位置は、注入装置の針シールドが針を露出させることを防
止する、注入装置のロックアウト状態をシミュレートする。
【0077】
図3B図3Cを参照すると、ユーザーは、訓練器具1をリセットするために、アクチ
ュエータ9を近位端5に向かって引っ張ることができ、これにより、図2A図2Eを参
照して説明したシーケンスを繰り返すことができるようになる。図3Bは、近位位置に向
かって進んでいるアクチュエータ9を示し、図3Cは、近位位置に到達した後のアクチュ
エータ9を示す。アクチュエータ9が近位位置に引っ張られると、シールド11は、訓練
器具1が別の訓練課程に使用されることができるように、初期位置に戻る。
【0078】
図4は、注入装置訓練器具1の分解図を示す。本体部3は、主部23と接続するベース
部21を備え、主部23は、第1の外側部25及び第2の外側部27によって包囲される
。この実施例では、本体部3の構成部品は、本体アセンブリを形成するために一緒に嵌合
される。しかしながら、本体部3は、単一の部品から形成されてもよい。
【0079】
訓練器具1のシールド11は、外側シールド部29及び内側シールド部31を含む。外
側シールド部29はベース部21から延び、内側シールド部31は本体部3の中に位置す
る。また、シールド11を遠位方向に押し進めるための付勢要素として機能するばね33
が存在する。
【0080】
訓練器具1のアクチュエータ9は、アクチュエータ本体35及びエンドキャップ37を
備える。これらの構成要素は、アクチュエータ9を移動させるためにユーザーが相互作用
することができる外側表面を形成する。アクチュエータ本体35及びエンドキャップ37
内に位置するアクチュエータ9の内側部品39が存在する。内側部品39は、プランジャ
41の近位端においてねじ付きプランジャ41と接続し、一方、プランジャ41の遠位端
は、プランジャ41を訓練器具1の長手方向軸と位置合わせして維持する先端部43と接
続する。この実施例では、アクチュエータアセンブリを形成するために、アクチュエータ
9の構成部品は一緒に嵌合される。しかしながら、アクチュエータ9は、単一の部品から
形成されてもよい。
【0081】
プランジャ41は、プランジャ41の回転を減衰させるために使用され、ひいてはアク
チュエータ9の遠位位置に向かう移動を減衰させる減衰要素45と連結される。
【0082】
訓練器具1は、第1のロック部51及び第2のロック部53を含むロック部材47を更
に備える。この実施例では、第1のロック部51及び第2のロック部53は、一緒に接続
してロック部材47を形成する別個の構成要素である。しかしながら、別の実施例では、
ロック部材47は、単一の部品から形成される。
【0083】
ロック部材47は、ロック部材47が異なる回転の向きに配置され得るように、訓練器
具1の長手方向軸を中心に回転可能である。ロック部材47は、回転することができるが
、本体部3に対して近位又は遠位に移動することはできない。ロック部材47は、(図2
A~図2Bに示すような)近位位置から(図2Eに示すような)遠位位置へのアクチュエ
ータ9の移動にロック部材47が抵抗する第1の向きを有する。したがって、ロック部材
47の第1の向きは、アクチュエータ9を図2A図2Bを参照して説明した構成に保持
するように構成されている。また、ロック部材47の第1の向きは、シールド11の初期
位置から(図3A図3Bに示すような)延出位置への移動を防止し、シールド11の初
期位置から(図2Cに示すような)後退位置への移動を可能にするように、シールド11
を(図2Bに示すような)初期位置に保持するように構成されている。
【0084】
ロック部材47はまた、近位位置から遠位位置へのアクチュエータ9の移動をロック部
材47が可能にする第2の向きを有する。したがって、ロック部材47の第2の向きは、
図2Eに示される位置へとアクチュエータ9が移動することを可能にするように構成され
ている。
【0085】
訓練器具1はまた、この実施例ではねじりばねである付勢要素55を備える。付勢要素
55は、ロック部材47を第1の回転方向57に付勢する。第1の回転方向57は、訓練
器具1の向きに応じて時計回りであっても、反時計回りであってもよい。
【0086】
訓練器具1は、注入装置のシリンジをシミュレートする内側ハウジング59と、内側ハ
ウジングを定位置に保持するグリップ61とを更に備える。
【0087】
図5A図5Bは、アクチュエータ9が近位位置にあり、シールド11が初期位置にあ
る状態の、図2A図2Bを参照して説明したものと同じ構成の訓練器具1を示す。この
構成では、ロック部材47は、アクチュエータ9が遠位方向に移動することを防止する第
1の向きにある。
【0088】
図5A図5B及び図6を参照すると、ロック部材47は、ロック部材47の円筒形ハ
ウジングの外側表面の一部から突出する突出部を備えるアクチュエータ抵抗面63を備え
る。アクチュエータ抵抗面63は、ロック部材47から、訓練器具1の長手方向軸から離
れる方向に突出する。アクチュエータ9は、アクチュエータ9の内側表面の一部から突出
する突出部を備える当接面65を備える。当接面65は、アクチュエータ9から、訓練器
具1の長手方向軸に向かう方向に突出する。当接面65は、アクチュエータ抵抗面63に
当接するように配置される。したがって、アクチュエータ抵抗面63は、ロック部材47
が第1の向きにあるときに、近位位置から遠位位置へのアクチュエータ9の移動に抵抗す
るように構成されている。
【0089】
訓練器具1では、2つのアクチュエータ抵抗面63が存在する。この実施例では、アク
チュエータ抵抗面63は、ロック部材47の互いに反対側に位置付けられる。これにより
、アクチュエータ9を押し下げる力がロック部材47を全体に広がることが可能になる。
2つの対応する当接面65も存在し、この実施例では、アクチュエータ9の互いに反対側
に位置付けられている。
【0090】
ロック部材47は、シールド11の内側シールド部31内の凹部69内に位置するよう
に配置された停止部67を備える。停止部67は、シールド11が初期位置から延出位置
まで遠位に移動することを防止するが、シールド11が後退位置に向かって近位に移動す
ることを可能にする。この実施例では、ロック部材47は、ロック部材47の互いに反対
側に位置付けられた一対の停止部67を備える。内側シールド部31は、内側シールド部
31の互いに反対側に、一対の対応する凹部69を有している。凹部69は、図1を参照
して説明した窓12と同様の寸法又は同じ寸法を有する開口を画定する。
【0091】
図7A図7Bは、アクチュエータ9が近位位置にあり、シールド11が後退位置にあ
る状態の、図2Cを参照して説明したものと同じ構成の訓練器具1を示す。この構成では
、以下でより詳細に説明するように、ロック部材47は、アクチュエータ9が遠位方向に
移動することを可能にする第2の向きに回転されている。
【0092】
図5A及び図6を参照すると、ロック部材47は、この実施例では、第2のロック部5
3の外側表面から延出する角度付き表面である傾斜面71を備える。内側シールド部31
は、この実施例では、内側シールド部31内の凹部内の角度付き表面である傾斜した接触
面73を備える。傾斜面71及び傾斜した接触面73は、シールド11が初期位置から後
退位置へと移動するときに傾斜した接触面73がロック部材47を回転させるように成形
されかつ位置付けられる。この実施例では、傾斜面71及び傾斜した接触面73は、ロッ
ク部材47を、ロック部材47が付勢される第1の回転方向57に対して反対の回転方向
である第2の回転方向75に回転させる。
【0093】
好ましくは、ロック部材47は一対の傾斜面71を備え、シールド11は2つの傾斜し
た接触面73を備える。各傾斜面71は、もう一方に対してロック部材47の反対側にあ
ってもよい。各傾斜した接触面73は、もう一方に対してシールド11の反対側にあって
もよい。これは、ロック部材47及びシールド11に対する摩擦力を低減することを支援
する。
【0094】
シールド11が後退位置に移動すると、ロック部材47は第2の向きに回転する。これ
図7A図7Bに示す。ここで、傾斜面71によって形成された突出部は、シールド1
1を後退位置に保持するために、傾斜した接触面73によって形成された凹部内に嵌合す
ることが分かる。ロック部材47が第2の向きにあるとき、アクチュエータ抵抗面63の
端部に形成された間隙77は、当接面65が間隙77を通過できるように、当接面65と
少なくとも部分的に回転可能に位置合わせされる。したがって、当接面65は、アクチュ
エータ抵抗面63を越えて移動することができ、アクチュエータ9は近位位置から遠位位
置に向かって移動し始めることができる。当接面65の幅は、間隙65の幅と同じである
か、又はそれよりも小さい未満である。2つの当接面65及び2つのアクチュエータ抵抗
面63が存在する実施例では、上記と同じプロセスが、訓練器具1の反対側に生じる。
【0095】
図6を参照すると、ロック部材47のアクチュエータ抵抗面63は、アクチュエータが
遠位に移動するときにアクチュエータの当接面65と連動するように構成された偏向部7
9を備える。当接面65が偏向部79と連動すると、ロック部材47は、第2の向きから
第3の向きへと第2の回転方向75に更に移動する。アクチュエータ9が遠位方向に第1
の距離を移動すると、当接面65は、ロック部材47の間隙77の内部に位置するように
移動する。したがって、アクチュエータ9の力は、ロック部材47を第3の向きに移動さ
せ、これによって停止部67を内側シールド部31の内面のスロット81内に移動させる
。当接面65が間隙77内に位置しているとき、この状態は、ロック部材47を第3の向
きに保持する。当接面65は、アクチュエータ9の頂部まで延びない。したがって、当接
面65が間隙77を越えて移動し、シールド11が移動してロック部材47との係合から
外れると、付勢要素55によって加えられる力により、ロック部材47が回転して第1の
回転方向に戻ることが可能になる。
【0096】
内側シールド部31内のスロット81は、停止部67がその中を摺動することができる
軌道を形成する。スロット81は、内側シールド部31の近位端に開口部83を有する。
スロット81は、シールド11が後退位置から延出位置に向かって遠位方向に移動するこ
とを可能にし、停止部67が開口部83に到達すると、内側シールド部31はロック部材
47との接触から解放される。
【0097】
停止部67がスロット81の開口部83から出ると、シールド11は延出位置へと移動
することが可能になる。これにより、シールド11は、ロック部材47を越えて、ロック
部材47の位置よりも遠位であり、初期位置よりも遠位である延出位置へと移動すること
が可能となる。シールド11が延出位置にあるときのロック部材47に対するシールド1
1の位置は、図3Aを参照して説明した構成である図8に示されている。
【0098】
図6を参照すると、停止部67は、内側シールド部31によって内側に撓曲されるよう
に構成された弾性部材85を備える。したがって、弾性部材85及び停止部67は、訓練
器具1の長手方向軸に向かって内側に移動することができる。停止部67は、アクチュエ
ータ9がロック部材47を第2の向きから第3の向きに回転させるときに、凹部69の縁
部に押し付けられる。これにより、停止部67及び弾性部材85が内側に押され、その結
果、停止部67は内側シールド部31内のスロット81に入ることができる。図示される
ように、停止部67は、弾性部材85を内側に撓曲させることを支援する角度付き表面を
有する。
【0099】
訓練器具1が図3A及び図8に示される状態にあるとき、アクチュエータ9はもはや、
ロック部材47を第3の向きに保持せず、傾斜面71はもはや、傾斜した接触面73に触
れることができない。したがって、ロック部材47は、第1の回転方向57に自由に回転
し、付勢要素55によってこの方向に押し進められる。
【0100】
ロック部材47は、第1の向きを越えて回転して、アクチュエータ9の一部分がロック
部材47上のリセット偏向部87に当接する第4の向きになる。これにより、ロック部材
47が第4の向きに保持され、これにより、シールド11が延出位置から初期位置に向か
って近位に移動することを防止する。したがって、シールド11は、注入装置のロックア
ウト状態をシミュレートする。
【0101】
ロック機構47が第4の向きにあるとき、シールド抵抗面89は、内側シールド部31
の近位端の表面に当接する。この実施例では、シールド抵抗面89は、傾斜面71から延
びる突出部である。シールド抵抗面89は、シールド11が延出位置から近位に移動する
ことができないようにシールド11の経路を遮断する。
【0102】
図3A図3Cを参照して上述したように、ユーザーは、アクチュエータ9を引っ張っ
て遠位位置から近位位置に戻すことによって、訓練器具1をリセットすることができる。
アクチュエータ9が近位方向に移動すると、当接面65は、ロック機構47を第4の向き
から第1の向きに回転させるために、リセット偏向部87の角度付き表面と連動する。
【0103】
ロック部材47が第2の回転方向75に第1の向きに向かって第1の角度距離だけ回転
すると、シールド抵抗面89はもはや、訓練器具1の長手方向軸の方向において、内側シ
ールド部31の近位端の真上ではなくなる。その代わりに、シールド抵抗面89は、訓練
器具1の長手方向軸の方向において、内側シールド部31内の凹部の直上となる。したが
って、シールド11は、延出位置から初期位置に向かって移動することができる。
【0104】
シールド11が延出位置から移動して初期位置に向かって戻るとき、シールド11の傾
斜した接触面73は、ロック部材47の傾斜面71に力を及ぼす。これにより、ロック部
材47が第2の回転方向75に第1の向きに向かって移動する。内側シールド部31が近
位に移動すると、停止部67が内側シールド部31の近位端の下を通過するように、停止
部67及び弾性部材85が内側に撓曲する。内側シールド部31が更に移動すると、停止
部67は凹部69内に移動し、凹部69は、上記のようにシールド11を初期位置に保持
する。加えて、シールド11が初期位置に到達したとき、ロック部材47は、上記のよう
に第1の向きに回転し終わっている。したがって、訓練器具1をリセットして、図2B
参照して説明した構成に戻すことができる。
【0105】
装置をリセットするために、シールド11を延出位置から初期位置の方向へと手で移動
させることが可能である。しかしながら、これは、ユーザーが、装置をリセットするため
に、シールド11を初期位置に移動させるのと同時にアクチュエータ9を近位位置に移動
させることを必要とし、両手を使用することが必要となり、これは望ましくない。図9
参照すると、アクチュエータ9が遠位位置から近位位置へと引っ張られるときに、シール
ド11を延出位置から初期位置へと自動的に引っ張るリセットコネクタ91が提供される
【0106】
リセットコネクタ91は、その近位端に第1のフック93などのアクチュエータインタ
ーフェースを備える固定長のロッドである。第1のフック93は、アクチュエータ9の内
側部品39上の棚部95など、アクチュエータ9の一部分と連動するように配置される。
棚部95は近位方向に面するので、アクチュエータの近位方向への移動は、棚部95が第
1のフック93と接触するときに、リセットコネクタ91を近位方向に移動させる。しか
しながら、遠位方向へのアクチュエータ9の移動は、アクチュエータ9がこの方向の力を
第1のフック93に加えることができないため、リセットコネクタ91をこの方向に移動
させることはない。
【0107】
休止コネクタ91はまた、その遠位端に第2のフック97などのシールドインターフェ
ースを備える。第2のフック97は、例えばシールド11の開口92によって受容される
ことによって、シールド11の一部分と当接するように配置される。アクチュエータが近
位位置に向かって移動することによってリセットコネクタ91が近位方向に移動すると、
開口92の近位端92aは第2のフック97に接触する。これにより、リセットコネクタ
91は、訓練器具1をリセットするために、シールド11を初期位置に向かって引っ張る
ことが可能になる。
【0108】
開口92は、図9に示されるように、内側シールド部31に沿って遠位に延びる細長い
開口として構成されてもよい。第2のフック97は、訓練器具1の動作中に常に開口内に
位置付けられてもよい。これらの実施形態では、訓練器具1をリセットするために、リセ
ットコネクタ91がシールド11を初期位置に向かって引っ張ることが可能になるように
、上記のように、第2のフック97が開口の近位端92aに接触するまで、第2のフック
97は、アクチュエータ9が図2Bに示される近位位置から図2Eに示される遠位位置ま
で遠位に移動され、かつ遠位位置から近位位置に向かって近位に移動される際に、開口9
2に沿って軌道をたどる。
【0109】
開口92は、シールド11の任意の好適な部分に形成されてもよい。例えば、開口は、
外側シールド部29内に形成されてもよく、上記と実質的に同様に機能してもよい。開口
92は、訓練器具1の長手方向軸に垂直な方向に、開口92が形成されるシールドの部分
を貫通して延びてもよい。あるいは、開口は、シールド11の表面にエッチングされた部
分、又は窪みであってもよい。
【0110】
図9に示されるものを含むいくつかの実施形態では、開口92は、閉鎖遠位端を有して
もよい。あるいは、開口は、第2のフック97が当接する閉鎖された近位端92aと、開
放遠位端とを有する、内側及び/又は外側シールド部の遠位端のスロットとして形成され
てもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、開口は、第2のフック97が訓練器具1の動作中に常に開口
内に位置付けられるほど遠位に、シールド11に沿って延びなくてもよい。例えば、開口
92は、シールド11内のほぼ円形の開口として構成されてもよい。リセットロッド91
は、アクチュエータがその近位位置に向かって移動する際に第2のフック97が開口内に
弾性的に付勢されて、第2のフック97と開口の近位端92aとの間の接触を可能にし、
その結果、訓練器具1をリセットするためにシールド11を初期位置に向かって引っ張る
ことができるように構成されてもよい。第2のフック97のその遠位端は、開口の閉鎖遠
位端に対してカム係合する形状となっていてもよい。アクチュエータが遠位位置に向かっ
て移動することによってリセットロッド91が遠位方向に移動すると、第2のフック97
と開口の遠位端との間のカム係合は弾性付勢を克服し、アクチュエータが遠位方向に移動
するにつれて第2のフック97が開口92を係合解除することが可能になる。
【0112】
図10を参照すると、注入装置訓練器具1は、アクチュエータ9の内側部品39に取り
付けられるように構成されたラッチ99を備える。この実施例では、ラッチ99は、内側
部品39上の円形突出部103の周囲に置かれるように配置された、ループ101に形成
された1つの弾性ワイヤを含む。ラッチ99は弾性であるため、ループ101の直径は、
円形突出部の周囲に配置するために拡張され得る。次いで、ラッチが円形突出部103を
保持するようにループ101の直径が収縮した時点で、ループは解放され得る。ラッチ9
9はまた、ラッチ99を定位置に保持する一対のホルダ107の間に位置するように構成
された第1の延長部105を備える。
【0113】
ラッチ99は、この実施例では第1の延長部105よりも長い第2の延長部109を更
に備える。第2の延長部109は、遠位方向に延びる第1の部分111と、第1の部分1
11に対して角度を付けられた第2の部分113とを備える。第2の部分113は、その
遠位側に偏向部を形成し、その近位側に把持要素を形成する。アクチュエータ9が近位位
置から遠位位置まで特定の距離を移動した後、第2の部分113は、本体部3の主部23
上の本体突出部115と接触する。
【0114】
アクチュエータ9が遠位に移動すると、弾性のラッチ99は、訓練器具1の長手方向軸
から離れる方向に、かつ本体突出部115の上に外向きに曲がる。アクチュエータ9が遠
位位置に移動し終わると、弾性ラッチ99はその静止位置に戻る。この状態では、把持要
素を表すラッチ99の角度付き表面は、ラッチ99を本体突出部115に連結する。これ
は、アクチュエータ9を本体部3に対して遠位位置に保持する。
【0115】
アクチュエータ9が遠位位置から近位位置に移動されると、本体突出部115はラッチ
99に力を及ぼす。この力が閾値を超えると、第2の部分113の把持要素は、訓練器具
1の長手方向軸から離れる方向に延びる方向に垂直な方向に屈曲する。したがって、把持
要素は本体突出部115を通り過ぎ、これにより、アクチュエータ9は遠位位置から解放
されることができる。ラッチを屈曲させるのに必要な閾値力は、アクチュエータ9が遠位
位置にしっかりと保持されることを確実にする。しかしながら、閾値力はまた、把持要素
が本体突出部を解放すると、アクチュエータ9が近位位置にはじき戻ることを可能にする
【0116】
図11A図11Bを参照して、図4を参照して簡潔に説明した減衰要素45について
以下により詳細に記載する。
【0117】
訓練器具1では、アクチュエータ9のプランジャ41は、回転子117と連結されるね
じ山を有する。回転子117は、プランジャ41と回転子117との連結を容易にするた
めにプランジャ41のねじ山と係合するように構成された雌ねじ118を備えていてもよ
い。プランジャ41は、プランジャがアクチュエータ9に対して回転しないように、アク
チュエータ9の内側部品39に固定される。回転子117はねじ山と連動し、したがって
プランジャ41は、プランジャ41がアクチュエータ9と共に遠位に移動する際に、回転
子117を第2の回転方向75に回転させる。回転子117は減衰要素45と連結され、
この減衰要素45は、この実施例では、コイル巻き状態に向かって付勢されるねじりばね
119である。回転子117が回転すると、回転子117はねじりばね119を伸ばし、
これにより回転子117の回転を減衰させ、したがってアクチュエータ9の遠位位置に向
かう進行を減衰させる。ばね119の特性は、所望の抵抗に従って選択されてもよい。例
えば、高抵抗が所望される場合、高いばね定数を有するばね119が選択され得る。
【0118】
減衰要素45はまた、回転子117の角度の付いた歯130と連動する複数の角度の付
いた歯を備えるラチェット121を備える。アクチュエータ9が遠位位置に向かってある
距離だけ移動されると、回転子117の角度の付いた歯が移動して、ラチェット121の
角度付き歯と係合する。回転子117とラチェット121とは、回転防止機構を形成し、
この回転防止機構は、回転子117が第2の回転方向75に回転することを可能にするが
、回転子の第1の回転方向57への移動に抵抗する。このようにして、回転子117がば
ね119を伸ばすと、ねじりばね119はそのコイル巻き状態に戻ることが防止されるた
め、ねじりばね119の張力が維持される。
【0119】
回転子117の角度の付いた歯130はそれぞれ、角度の付いた縁部132(例えば、
訓練器具の長手方向軸に対して角度が付いている)及び直線縁部131(例えば、訓練器
具の長手方向軸に対して実質的に平行である)を含んでもよい。回転子117は、各歯の
角度の付いた縁部が第2の回転方向75に面するように構成されてもよい。換言すれば、
各角度の付いた歯の角度の付いた縁部は、プランジャ41がアクチュエータ9と共に遠位
に移動するにつれて回転子117が回転するときに先頭を行く。ラチェット121の角度
の付いた歯は、回転子117の角度の付いた歯と形状がほぼぴったり合う。換言すれば、
ラチェット121の各歯の直線縁部は、回転子117の歯の直線縁部がラチェット121
の歯の対応の直線縁部に当接して、第1の回転方向57への回転子の移動に抵抗するよう
に、第2の回転方向75に面している。ラチェット121は、アクチュエータ9に対して
回転可能に固定されてもよい。
【0120】
減衰要素45及び回転子117は、アクチュエータの押下中に、回転子117とラチェ
ット121との係合、したがって回転防止機構の形成が望まれる点に応じて構成されても
よい。例えば、高いばね定数のばね119が使用される実施形態では、ユーザーがばね1
19の付勢に抵抗してそのコイル巻き状態に戻ることを支援するために、アクチュエータ
9の押下の早い時期に回転防止機構が係合することが望ましい場合がある。回転防止機構
の初期の早い時期での係合は、例えば、訓練器具1の長手方向軸に沿ってより高い高さを
有するラチェット121の角度の付いた歯を提供することによって達成されてもよい。
【0121】
アクチュエータ9が押されるのではなく引っ張られると、又は換言すれば、アクチュエ
ータ9が近位に移動されると、プランジャ41は、回転子117の角度の付いた歯を、ラ
チェット121の角度の付いた歯との係合から外す。これにより、プランジャ41が近位
に移動し、これによりばねを移動させてコイル巻き状態に戻すと、回転子が第1の回転方
向57に移動することが可能になる。分離距離、すなわち、回転子117の角度の付いた
歯をラチェット121の角度の付いた歯との係合から外すためにアクチュエータ9、プラ
ンジャ41、及び回転子117が近位に移動される距離は、ラチェットの角度の付いた歯
の、訓練器具1の長手方向軸に沿った高さよりも大きい距離である。いくつかの実施形態
では、分離距離は約2mmであり得る。
【0122】
減衰要素は、大容量の処理及び/又は高粘度の処理をシミュレートするために、訓練器
具1内に実装されてもよい。減衰要素はまた、物質の注入が急速過ぎることによる、過剰
な皮下出血、痛み、患者内の注入された物質の滞留などの有害な副作用を軽減するために
、大量処理又は低粘度の物質(それ自体は押下に対する抵抗がほとんどない)を送達する
際にアクチュエータ9をゆっくりと押すようにユーザーを強いるために、注入装置におい
て利用されてもよい。
【0123】
減衰要素の代替的実施形態では、ねじりばねは、ラチェットに連結されてもよい。前述
の実施形態と同様に、回転子はプランジャのねじ山と連動し、したがってプランジャは、
プランジャがアクチュエータと共に遠位に移動するにつれて、回転子を第2の回転方向に
回転させる。この実施形態では、回転子は、各歯の直線縁部が第2の回転方向に面するよ
うに構成されている。換言すれば、各角度の付いた歯の直線縁部は、プランジャがアクチ
ュエータと共に遠位に移動するにつれて回転子が回転するときに先頭を行く。この実施形
態における回転子の初期回転は、ねじりばねの伸びを生じさせない。したがって、アクチ
ュエータの遠位位置に向かう初期の進行は、抵抗をほとんど又は全く受けない。
【0124】
代替的減衰要素は、コイル巻き状態に向かって付勢されるねじりばねと連結されたラチ
ェットを備える。ラチェットは、回転子上の角度の付いた歯と連動する複数の角度の付い
た歯を備える。アクチュエータが遠位位置に向かってある距離だけ移動されると、回転子
の角度の付いた歯が移動してラチェットの傾斜した歯と係合し、その結果、回転子の歯の
直線縁部が回転して、ラチェットの歯の対応の直線縁部と当接する。この実施形態では、
回転子とラチェットとが互いに係合するように移動すると、回転子の継続的な回転によっ
てラチェットが回転する。ラチェットの回転は、ねじりばねを伸ばし、これはラチェット
及び回転子の回転を減衰させ、したがってアクチュエータの遠位位置に向かう更なる進行
を減衰させる。ここでも同様に、減衰要素及び回転子の構成、例えば、バネ特性及び歯の
高さは、所望の抵抗特性に応じて選択されてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、回転子117及び/又は減衰要素45は、訓練器具又は注入
装置の交換可能な部品であってもよい。例えば、装置は、ねじりばね119が、より高い
又はより低いばね定数の別のばねで置き換えられることができるように構成されてもよい
。これにより、例えば、単一の訓練器具装置を使用して、様々な異なる粘度の物質を送達
することに関してユーザーを訓練することが容易になる。
【0126】
本出願の文脈における注入装置は、自動注入装置(自動注射器)であってもよい。この
ような注入装置では、アクチュエータ9は、駆動ばねなどの自動アクチュエータ、圧縮ガ
スキャニスタによって操作される空気圧ピストン、又は電動の自動注入装置におけるソレ
ノイドによって操作されるか、又はこれによって置き換えられる。
【0127】
そのような自動注入装置では、注入される物質を収容する容器、及び/又は送達機構、
例えばシリンジなどの薬剤容器のプランジャにアクチュエータが加える力を減衰、減速さ
せる、又は制御するために、減衰要素45を使用することができる。減衰要素は、自動ア
クチュエータの変更を必要とせずに自動注射器による注入速度を調整するのに有用であり
得る。
【0128】
減衰要素は、作動シーケンスの任意の部分の間に動作するように構成されてもよい。例
えば、減衰要素は、進行の持続時間全体にわたって、又は選択部分のみにわたって遠位位
置に向かうアクチュエータの進行が減衰されるように構成されてもよい。いくつかの実施
形態では、例えば自動注射器による注入物質の完全な送達を確実にするために、注入装置
は、薬剤容器上の針が完全に伸長した時点でアクチュエータの進行の減衰が始まるように
構成されてもよい。
【0129】
別途記載のない限り、本明細書に記載される各実施形態は、本明細書に記載される別の
実施形態と組み合わされてもよい。
【0130】
上記の利益及び利点は、一実施形態に関連してもよく、又はいくつかの実施形態に関連
連してもよいことが理解されるであろう。実施形態は、記載された問題のいずれか又は全
てを解決するもの、又は記載された利益及び利点のいずれか又は全てを有するものに限定
されない。
【0131】
「ある(an)」アイテムへの言及は、1つ又は複数のそれらのアイテムを指す。
【0132】
本明細書における「要素」への言及は、当該要素が本明細書に記載される特定の機能を
実行する「手段」に追加的に対応し得る。
【0133】
好ましい実施形態の上記の説明は、単なる例として与えられたものであり、当業者によ
って様々な修正がなされてもよいことが理解されるであろう。様々な実施形態を、ある程
度の特殊性をもって、又は1つ以上の個々の実施形態を参照して上述してきたが、当業者
は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多くの変更を加えること
ができる。
【0134】
詳細な説明の一部をなす本発明の態様:
1.注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具であって、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位
位置へと移動可能である、アクチュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、初期位置よ
りも本体部に対してより近位にある後退位置と、初期位置よりも本体部に対してより遠位
にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が
抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が
可能にする第2の向きとの間で回転可能であるように適合された、ロック部材と、を備え

ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止
するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後
退位置へのシールドの移動を可能にし、
シールドは、ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、初期位置か
ら後退位置へと移動するときにロック部材と接触するように構成されており、
アクチュエータの遠位位置に向かう第1の距離の移動は、シールドが延出位置に向かっ
て移動することができるようにシールドをロック部材からロック解除するように構成され
ている、
注入装置訓練器具。
2.ロック部材は少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面を備え、アクチュエータは少
なくとも1つの当接面を備え、
少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面は、ロック部材が第1の向きにあるときに、近
位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動に抵抗するように、少なくとも1つの当接
面と当接するように配置されている、態様1に記載の注入装置訓練器具。
3.ロック部材は一対のアクチュエータ抵抗面を備え、アクチュエータは一対の当接面
を備え、
一対のアクチュエータ抵抗面の各アクチュエータ抵抗面は、ロック部材が第1の向きに
あるときに、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動に抵抗するように、一対の
当接面のうちの対応する当接面に当接するように配置されている、態様1又は態様2に記
載の注入装置訓練器具。
4.一対のアクチュエータ抵抗面は、ロック部材の互いに対して反対側に位置している
、態様3に記載の注入装置訓練器具。
5.ロック部材は円筒形ハウジングを備え、一対のアクチュエータ抵抗面の各アクチュ
エータ抵抗面は、円筒形ハウジングの表面から突出する突出部を備える、態様3又は態様
4に記載の注入装置訓練器具。
6.一対の当接面は、アクチュエータの互いに対して反対側に位置している、態様5に
記載の注入装置訓練器具。
7.ロック部材は傾斜面を備え、シールドは傾斜した接触面を備え、傾斜した接触面は
、ロック部材が初期位置から後退位置へと移動するときに傾斜面と相互作用することによ
って、ロック部材を第1の向きから第2の向きに回転させるように構成されている、態様
1~6のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
8.ロック部材は、シールドが初期位置から延出位置へと移動することが可能な第3の
向きを含む、態様1~7のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
9.アクチュエータは、ロック部材を第3の向きに移動させるために、第1の距離だけ
移動するように構成されている、態様8に記載の注入装置訓練器具。
10.ロック部材は偏向部を備え、アクチュエータは、偏向部と連動して、ロック部材
を第2の向きから第3の向きに移動させるように配置されている、態様8又は態様9に記
載の注入装置訓練器具。
11.ロック部材は、シールド内の凹部内に位置することによってシールドを初期位置
に保持するように配置された停止部を備える、態様1~10のいずれか一つに記載の注入
装置訓練器具。
12.シールドが延出位置に移動することを可能にするために、停止部は、シールド内
のスロットに沿って移動するように配置されている、態様11に記載の注入装置訓練器具

13.停止部は、ロック部材が第1の向きにあるときに、凹部内のスロットの外側に位
置することによって、シールドを初期位置に保持するように配置されている、態様12に
記載の注入装置訓練器具。
14.ロック部材は、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを可能にする
第3の向きを含み、第2の向きから第3の向きへのロック部材の移動は、停止部をスロッ
ト内に押し込んで、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを可能にする、態
様12又は態様13に記載の注入装置訓練器具。
15.停止部は、弾性部材に連結されており、弾性部材は、停止部を静止状態から訓練
器具の長手方向軸に向かって撓曲状態へと内側に移動させるために屈曲するように構成さ
れている、態様11~14のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
16.静止状態の停止部は、シールドを初期位置に保持する、態様15に記載の注入装
置訓練器具。
17.撓曲状態の停止部は、停止部がスロット内に移動することを可能にする、態様1
5又は態様16に記載の注入装置訓練器具。
18.シールドを付勢して遠位に移動させるように配置された付勢要素を更に備える、
態様1~17のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
19.ロック部材は、シールドが延出位置から初期位置へと移動するのにロック部材が
抵抗する第4の向きを有する、態様1~18のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
20.アクチュエータが遠位位置に向かってある距離移動し、シールドが延出位置にな
ると、ロック部材が第4の向きに移動するように、ロック部材を第4の向きに向かって付
勢するように配置された付勢要素を更に備える、態様19に記載の注入装置訓練器具。
21.付勢要素がねじりばねを備える、態様20に記載の注入装置訓練器具。
22.アクチュエータが、遠位位置から近位位置へと移動するときにロック部材と連動
して、ロック部材を第4の向きから第1の向きに向かって移動させることによって、シー
ルドが延出位置から初期位置へと移動するのを可能にするように構成されている、態様1
9~21のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
23.ロック部材は、ロック部材が第4の向きにあり、シールドが延出位置にあるとき
に、シールドの近位移動に抵抗するように配置されたシールド抵抗面を備える、態様19
~22のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
24.シールドは、ロック部材が第4の向きにあり、シールドが延出位置にあるときに
、シールド抵抗面に当接するように配置された当接面を備える、態様23に記載の注入装
置訓練器具。
25.アクチュエータの近位位置は、注入装置のプランジャの非作動位置をシミュレー
トする、態様1~24のいずれか一つに記載の注入装置。
26.アクチュエータの遠位位置は、注入装置のプランジャの作動位置をシミュレート
する、態様1~25のいずれか一つに記載の注入装置。
27.シールドの初期位置は、注入装置の針を覆うことをシミュレートする、態様1~
26のいずれか一つに記載の注入装置。
28.シールドの後退位置は、注入装置の針を露出させることをシミュレートする、態
様1~27のいずれか一つに記載の注入装置。
29.シールドの延出位置は、シールドが針を露出させることを防止する注入装置のロ
ックアウト状態をシミュレートする、態様1~28のいずれか一つに記載の注入装置。
30.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転さ
せるように、回転子と連結されており、
注入装置訓練器具は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結される又は連結
可能な減衰要素を更に備える、
態様1~29のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
31.注入装置であって、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納
された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチ
ュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、シールドが針を覆う初期
位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期位置よりも本体部に対してよ
り近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置であって、初期位置よりも本体
部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が
抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が
可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え、
ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止
するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後
退位置へのシールドの移動を可能にし、
シールドは、ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、初期位置か
ら後退位置へと移動するときにロック部材と接触するように構成されており、
アクチュエータの遠位位置に向かう第1の距離の移動は、シールドが延出位置に向かっ
て移動することができるようにシールドをロック部材からロック解除する、
注入装置。
32.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転さ
せるように、回転子と連結されており、
注入装置は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結される又は連結可能な減
衰要素を更に備える、
請求項31に記載の注入装置。
33.態様1~30のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具あるいは態様31又は3
2に記載の注入装置へと組み立てられるように構成された部品のキット。
34.注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、本方法は、注入装
置訓練器具を提供することを含み、注入装置訓練器具は、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位
位置へと移動可能である、アクチュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、初期位置よ
りも本体部に対してより近位にある後退位置と、初期位置よりも本体部に対してより遠位
にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が
抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が
可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、備え、
ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止
するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後
退位置へのシールドの移動を可能にし、
本方法は、
ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、シールドがロック部材と
接触するようにシールドを初期位置から後退位置へと移動させることと、
シールドが延出位置に向かって移動するように、アクチュエータを遠位位置に向かって
第1の距離だけ移動させてシールドをロック部材からロック解除することと、
を更に含む、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法。
35.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転さ
せるように、回転子と連結されており、
注入装置訓練器具は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結可能な減衰要素
を更に備え、
本方法は、アクチュエータを近位位置から遠位位置に移動させ、その間に減衰要素が、
回転子の回転を減衰させることによって、アクチュエータの遠位位置に向かう移動を減衰
させることを更に含む、
態様34に記載の方法。
36.注射を処理する方法であって、本方法は、注入装置を提供することを含み、注入
装置は、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納
された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチ
ュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、シールドが針を覆う初期
位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期位置よりも本体部に対してよ
り近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置であって、初期位置よりも本体
部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が
抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が
可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え、
ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止
するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後
退位置へのシールドの移動を可能にし、
本方法は、
ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、シールドがロック部材と
接触するように、シールドを初期位置から後退位置へと移動させることと、
シールドが延出位置に向かって移動するように、アクチュエータを遠位位置に向かって
第1の距離だけ移動させてシールドをロック部材からロック解除することと、
を更に含む、注射を投与する方法。
37.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転さ
せるように、回転子と連結されており、
注入装置は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結可能な減衰要素を更に備
え、
本方法は、アクチュエータを近位位置から遠位位置に移動させ、その間に減衰要素が回
転子の回転を減衰させることによって、アクチュエータの遠位位置に向かう移動を減衰さ
せることを更に含む、
態様36に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具であって、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、ユーザーによって把持されて前記アクチュエータが近位位置から遠位位置へと移動するように構成され、前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結する、又は連結可能な減衰要素と、
を備える、注入装置訓練器具。
【請求項2】
前記アクチュエータの前記近位位置は、注入装置のプランジャの非作動位置をシミュレートする、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項3】
前記アクチュエータの前記遠位位置は、注入装置のプランジャの作動位置をシミュレートする、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項4】
前記本体部の遠位端に向かって位置づけられたシールドを備え、前記シールドは、初期位置と、前記初期位置よりも前記本体部に対してより近位にある後退位置と、及び前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項5】
前記シールドの前記初期位置は、注入装置の針を覆うことをシミュレートする、請求項4に記載の注入装置訓練器具。
【請求項6】
前記シールドの前記後退位置は、注入装置の針を露出させることをシミュレートする、請求項4に記載の注入装置訓練器具。
【請求項7】
前記シールドの前記延出位置は、前記シールドが針を露出させることを防止する注入装置のロックアウト状態をシミュレートする、請求項4に記載の注入装置訓練器具。
【請求項8】
前記減衰要素は、コイル巻き状態に向かって付勢されるねじりばねであり、前記回転子が回転すると、前記回転子は、前記ねじりばねを伸ばし、これにより前記回転子の回転を減衰させ、したがって前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう進行を減衰させる、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項9】
前記減衰要素は、前記回転子の角度の付いた歯と連動する複数の角度の付いた歯を備えるラチェットを備える、請求項1に記載の注入装置訓練器具。
【請求項10】
前記回転子及びラチェットが回転防止機構を形成し、前記回転子が第2の回転方向に回転することを可能にするが前記第1の回転方向への移動に抵抗する、請求項9に記載の注入装置訓練器具。
【請求項11】
注入装置であって、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記チャンバ内に格納された前記流体を前記針から分注するために近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備える、注入装置。
【請求項12】
前記本体部の遠位端に向かって位置づけられたシールドを備え、前記シールドは、前記シールドが前記針を覆う初期位置と、前記シールドが前記針を露出させる後退位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより近位にある、後退位置と、前記シールド前記針を覆う延出位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、請求項11に記載の注入装置。
【請求項13】
前記シールドの前記延出位置は、前記シールドが針を露出させることを防止する注入装置のロックアウト状態をシミュレートする、請求項12に記載の注入装置。
【請求項14】
前記減衰要素は、コイル巻き状態に向かって付勢されるねじりばねであり、前記回転子が回転すると、前記回転子は、前記ねじりばねを伸ばし、これにより前記回転子の回転を減衰させ、したがって前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう進行を減衰させる、請求項11に記載の注入装置。
【請求項15】
前記減衰要素は、前記回転子の角度の付いた歯と連動する複数の角度の付いた歯を備えるラチェットを備える、請求項11に記載の注入装置。
【請求項16】
前記回転子及びラチェットが回転防止機構を形成し、前記回転子が第2の回転方向に回転することを可能にするが前記第1の回転方向への移動に抵抗する、請求項15に記載の注入装置。
【請求項17】
前記アクチュエータは、ユーザーによって把持されて前記アクチュエータが近位位置から遠位位置へと移動するように構成される、請求項11に記載の注入装置。
【請求項18】
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、前記方法は、
ユーザーが注入装置訓練器具のアクチュエータを把持することであって、前記注入装置訓練器具は、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備え、
前記方法は、ユーザーが前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させることであって、その間に前記減衰要素が、前記回転子の回転を減衰させることによって、前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう移動を減衰させる、移動させることを含む、
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0134】
詳細な説明の一部をなす本発明の態様:
1.注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具であって、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、初期位置よりも本体部に対してより近位にある後退位置と、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能であるように適合された、ロック部材と、を備え、
ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後退位置へのシールドの移動を可能にし、
シールドは、ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、初期位置から後退位置へと移動するときにロック部材と接触するように構成されており、
アクチュエータの遠位位置に向かう第1の距離の移動は、シールドが延出位置に向かって移動することができるようにシールドをロック部材からロック解除するように構成されている、
注入装置訓練器具。
2.ロック部材は少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面を備え、アクチュエータは少なくとも1つの当接面を備え、
少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面は、ロック部材が第1の向きにあるときに、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動に抵抗するように、少なくとも1つの当接面と当接するように配置されている、態様1に記載の注入装置訓練器具。
3.ロック部材は一対のアクチュエータ抵抗面を備え、アクチュエータは一対の当接面を備え、
一対のアクチュエータ抵抗面の各アクチュエータ抵抗面は、ロック部材が第1の向きにあるときに、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動に抵抗するように、一対の当接面のうちの対応する当接面に当接するように配置されている、態様1又は態様2に記載の注入装置訓練器具。
4.一対のアクチュエータ抵抗面は、ロック部材の互いに対して反対側に位置している、態様3に記載の注入装置訓練器具。
5.ロック部材は円筒形ハウジングを備え、一対のアクチュエータ抵抗面の各アクチュエータ抵抗面は、円筒形ハウジングの表面から突出する突出部を備える、態様3又は態様4に記載の注入装置訓練器具。
6.一対の当接面は、アクチュエータの互いに対して反対側に位置している、態様5に記載の注入装置訓練器具。
7.ロック部材は傾斜面を備え、シールドは傾斜した接触面を備え、傾斜した接触面は、ロック部材が初期位置から後退位置へと移動するときに傾斜面と相互作用することによって、ロック部材を第1の向きから第2の向きに回転させるように構成されている、態様1~6のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
8.ロック部材は、シールドが初期位置から延出位置へと移動することが可能な第3の向きを含む、態様1~7のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
9.アクチュエータは、ロック部材を第3の向きに移動させるために、第1の距離だけ移動するように構成されている、態様8に記載の注入装置訓練器具。
10.ロック部材は偏向部を備え、アクチュエータは、偏向部と連動して、ロック部材を第2の向きから第3の向きに移動させるように配置されている、態様8又は態様9に記載の注入装置訓練器具。
11.ロック部材は、シールド内の凹部内に位置することによってシールドを初期位置に保持するように配置された停止部を備える、態様1~10のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
12.シールドが延出位置に移動することを可能にするために、停止部は、シールド内のスロットに沿って移動するように配置されている、態様11に記載の注入装置訓練器具。
13.停止部は、ロック部材が第1の向きにあるときに、凹部内のスロットの外側に位置することによって、シールドを初期位置に保持するように配置されている、態様12に記載の注入装置訓練器具。
14.ロック部材は、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを可能にする第3の向きを含み、第2の向きから第3の向きへのロック部材の移動は、停止部をスロット内に押し込んで、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを可能にする、態様12又は態様13に記載の注入装置訓練器具。
15.停止部は、弾性部材に連結されており、弾性部材は、停止部を静止状態から訓練器具の長手方向軸に向かって撓曲状態へと内側に移動させるために屈曲するように構成されている、態様11~14のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
16.静止状態の停止部は、シールドを初期位置に保持する、態様15に記載の注入装置訓練器具。
17.撓曲状態の停止部は、停止部がスロット内に移動することを可能にする、態様15又は態様16に記載の注入装置訓練器具。
18.シールドを付勢して遠位に移動させるように配置された付勢要素を更に備える、態様1~17のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
19.ロック部材は、シールドが延出位置から初期位置へと移動するのにロック部材が抵抗する第4の向きを有する、態様1~18のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
20.アクチュエータが遠位位置に向かってある距離移動し、シールドが延出位置になると、ロック部材が第4の向きに移動するように、ロック部材を第4の向きに向かって付勢するように配置された付勢要素を更に備える、態様19に記載の注入装置訓練器具。
21.付勢要素がねじりばねを備える、態様20に記載の注入装置訓練器具。
22.アクチュエータが、遠位位置から近位位置へと移動するときにロック部材と連動して、ロック部材を第4の向きから第1の向きに向かって移動させることによって、シールドが延出位置から初期位置へと移動するのを可能にするように構成されている、態様19~21のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
23.ロック部材は、ロック部材が第4の向きにあり、シールドが延出位置にあるときに、シールドの近位移動に抵抗するように配置されたシールド抵抗面を備える、態様19~22のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
24.シールドは、ロック部材が第4の向きにあり、シールドが延出位置にあるときに、シールド抵抗面に当接するように配置された当接面を備える、態様23に記載の注入装置訓練器具。
25.アクチュエータの近位位置は、注入装置のプランジャの非作動位置をシミュレートする、態様1~24のいずれか一つに記載の注入装置。
26.アクチュエータの遠位位置は、注入装置のプランジャの作動位置をシミュレートする、態様1~25のいずれか一つに記載の注入装置。
27.シールドの初期位置は、注入装置の針を覆うことをシミュレートする、態様1~26のいずれか一つに記載の注入装置。
28.シールドの後退位置は、注入装置の針を露出させることをシミュレートする、態様1~27のいずれか一つに記載の注入装置。
29.シールドの延出位置は、シールドが針を露出させることを防止する注入装置のロックアウト状態をシミュレートする、態様1~28のいずれか一つに記載の注入装置。
30.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、回転子と連結されており、
注入装置訓練器具は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結される又は連結可能な減衰要素を更に備える、
態様1~29のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具。
31.注入装置であって、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、シールドが針を覆う初期位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期位置よりも本体部に対してより近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置であって、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え、
ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後退位置へのシールドの移動を可能にし、
シールドは、ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、初期位置から後退位置へと移動するときにロック部材と接触するように構成されており、
アクチュエータの遠位位置に向かう第1の距離の移動は、シールドが延出位置に向かって移動することができるようにシールドをロック部材からロック解除する、
注入装置。
32.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、回転子と連結されており、
注入装置は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結される又は連結可能な減衰要素を更に備える、
請求項31に記載の注入装置。
33.態様1~30のいずれか一つに記載の注入装置訓練器具あるいは態様31又は32に記載の注入装置へと組み立てられるように構成された部品のキット。
34.注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、本方法は、注入装置訓練器具を提供することを含み、注入装置訓練器具は、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、初期位置よりも本体部に対してより近位にある後退位置と、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、備え、
ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後退位置へのシールドの移動を可能にし、
本方法は、
ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、シールドがロック部材と接触するようにシールドを初期位置から後退位置へと移動させることと、
シールドが延出位置に向かって移動するように、アクチュエータを遠位位置に向かって第1の距離だけ移動させてシールドをロック部材からロック解除することと、
を更に含む、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法。
35.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、回転子と連結されており、
注入装置訓練器具は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結可能な減衰要素を更に備え、
本方法は、アクチュエータを近位位置から遠位位置に移動させ、その間に減衰要素が、回転子の回転を減衰させることによって、アクチュエータの遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
態様34に記載の方法。
36.注射を処理する方法であって、本方法は、注入装置を提供することを含み、注入装置は、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、チャンバ内に格納された流体を針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、シールドが針を覆う初期位置と、シールドが針を露出させる後退位置であって、初期位置よりも本体部に対してより近位にある、後退位置と、シールドが針を覆う延出位置であって、初期位置よりも本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動にロック部材が抵抗する第1の向きと、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動をロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え、
ロック部材の第1の向きは、シールドが初期位置から延出位置へと移動することを防止するようにシールドを初期位置に保持するように構成されており、かつ、初期位置から後退位置へのシールドの移動を可能にし、
本方法は、
ロック部材を第1の向きから第2の向きに移動させるために、シールドがロック部材と接触するように、シールドを初期位置から後退位置へと移動させることと、
シールドが延出位置に向かって移動するように、アクチュエータを遠位位置に向かって第1の距離だけ移動させてシールドをロック部材からロック解除することと、
を更に含む、注射を投与する方法。
37.
アクチュエータは、近位位置から遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、回転子と連結されており、
注入装置は、回転子の回転を減衰させるために、回転子に連結可能な減衰要素を更に備え、
本方法は、アクチュエータを近位位置から遠位位置に移動させ、その間に減衰要素が回転子の回転を減衰させることによって、アクチュエータの遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
態様36に記載の方法。
出願当初の請求項に対応する態様例は次の通りである。
(態様例1)
注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具であって、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、前記初期位置よりも前記本体部に対してより近位にある後退位置と、前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能であるように適合された、ロック部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成されており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記シールドは、前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるために、前記初期位置から前記後退位置へと移動するときに前記ロック部材と接触するように構成されており、
前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう第1の距離の移動は、前記シールドが前記延出位置に向かって移動することができるように前記シールドを前記ロック部材からロック解除するように構成されている、
注入装置訓練器具。
(態様例2)
前記ロック部材は少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面を備え、前記アクチュエータは少なくとも1つの当接面を備え、
前記少なくとも1つのアクチュエータ抵抗面は、前記ロック部材が前記第1の向きにあるときに、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に抵抗するように、前記少なくとも1つの当接面と当接するように配置されている、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例3)
前記ロック部材は一対のアクチュエータ抵抗面を備え、前記アクチュエータは一対の当接面を備え、
前記一対のアクチュエータ抵抗面の各アクチュエータ抵抗面は、前記ロック部材が前記第1の向きにあるときに、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に抵抗するように、前記一対の当接面のうちの対応する当接面に当接するように配置されている、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例4)
前記一対のアクチュエータ抵抗面は、前記ロック部材の互いに対して反対側に位置している、態様例3に記載の注入装置訓練器具。
(態様例5)
前記ロック部材は円筒形ハウジングを備え、前記一対のアクチュエータ抵抗面の各アクチュエータ抵抗面は、前記円筒形ハウジングの表面から突出する突出部を備える、態様例3に記載の注入装置訓練器具。
(態様例6)
前記一対の当接面は、前記アクチュエータの互いに対して反対側に位置している、態様例5に記載の注入装置訓練器具。
(態様例7)
前記ロック部材は傾斜面を備え、前記シールドは傾斜した接触面を備え、前記傾斜した接触面は、前記ロック部材が前記初期位置から前記後退位置へと移動するときに前記傾斜面と相互作用することによって、前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに回転させるように構成されている、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例8)
前記ロック部材は、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することが可能な第3の向きを含む、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例9)
前記アクチュエータは、前記ロック部材を前記第3の向きに移動させるために、第1の距離だけ移動するように構成されている、態様例8に記載の注入装置訓練器具。
(態様例10)
前記ロック部材は偏向部を備え、前記アクチュエータは、前記偏向部と連動して、前記ロック部材を前記第2の向きから前記第3の向きに移動させるように配置されている、態様例8に記載の注入装置訓練器具。
(態様例11)
前記ロック部材は、前記シールド内の凹部内に位置することによって前記シールドを前記初期位置に保持するように配置された停止部を備える、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例12)
前記シールドが前記延出位置に移動することを可能にするために、前記停止部は、前記シールド内のスロットに沿って移動するように配置されている、態様例11に記載の注入装置訓練器具。
(態様例13)
前記停止部は、前記ロック部材が前記第1の向きにあるときに、前記凹部内の前記スロットの外側に位置することによって、前記シールドを前記初期位置に保持するように配置されている、態様例12に記載の注入装置訓練器具。
(態様例14)
前記ロック部材は、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することを可能にする第3の向きを含み、前記第2の向きから前記第3の向きへの前記ロック部材の移動は、前記停止部を前記スロット内に押し込んで、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することを可能にする、態様例12に記載の注入装置訓練器具。
(態様例15)
前記停止部は、弾性部材に連結されており、前記弾性部材は、前記停止部を静止状態から前記訓練器具の長手方向軸に向かって撓曲状態へと内側に移動させるために屈曲するように構成されている、態様例11に記載の注入装置訓練器具。
(態様例16)
前記静止状態の停止部は、前記シールドを前記初期位置に保持する、態様例15に記載の注入装置訓練器具。
(態様例17)
前記撓曲状態の前記停止部は、前記停止部が前記スロット内に移動することを可能にする、態様例15に記載の注入装置訓練器具。
(態様例18)
前記シールドを付勢して遠位に移動させるように配置された付勢要素を更に備える、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例19)
前記ロック部材は、前記シールドが前記延出位置から前記初期位置へと移動するのに前記ロック部材が抵抗する第4の向きを有する、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例20)
前記アクチュエータが前記遠位位置に向かってある距離移動し、前記シールドが前記延出位置になると、前記ロック部材が前記第4の向きに移動するように、前記ロック部材を前記第4の向きに向かって付勢するように配置された付勢要素を更に備える、態様例19に記載の注入装置訓練器具。
(態様例21)
前記付勢要素がねじりばねを備える、態様例20に記載の注入装置訓練器具。
(態様例22)
前記アクチュエータが、前記遠位位置から前記近位位置へと移動するときに前記ロック部材と連動して、前記ロック部材を前記第4の向きから前記第1の向きに向かって移動させることによって、前記シールドが前記延出位置から前記初期位置へと移動するのを可能にするように構成されている、態様例19に記載の注入装置訓練器具。
(態様例23)
前記ロック部材は、前記ロック部材が前記第4の向きにあり、前記シールドが前記延出位置にあるときに、前記シールドの近位移動に抵抗するように配置されたシールド抵抗面を備える、態様例19に記載の注入装置訓練器具。
(態様例24)
前記シールドは、前記ロック部材が前記第4の向きにあり、前記シールドが前記延出位置にあるときに、前記シールド抵抗面に当接するように配置された当接面を備える、態様例23に記載の注入装置訓練器具。
(態様例25)
前記アクチュエータの前記近位位置は、注入装置のプランジャの非作動位置をシミュレートする、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例26)
前記アクチュエータの前記遠位位置は、注入装置のプランジャの作動位置をシミュレートする、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例27)
前記シールドの前記初期位置は、注入装置の針を覆うことをシミュレートする、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例28)
前記シールドの前記後退位置は、注入装置の針を露出させることをシミュレートする、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例29)
前記シールドの前記延出位置は、前記シールドが針を露出させることを防止する注入装置のロックアウト状態をシミュレートする、態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例30)
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
前記注入装置訓練器具は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結される又は連結可能な減衰要素を更に備える、
態様例1に記載の注入装置訓練器具。
(態様例31)
注入装置であって、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、前記チャンバ内に格納された流体を前記針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、前記シールドが前記針を覆う初期位置と、前記シールドが前記針を露出させる後退位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより近位にある、後退位置と、前記シールドが前記針を覆う延出位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成されており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記シールドは、前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるために、前記初期位置から前記後退位置へと移動するときに前記ロック部材と接触するように構成されており、
前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう第1の距離の移動は、前記シールドが前記延出位置に向かって移動することができるように前記シールドを前記ロック部材からロック解除する、
注入装置。
(態様例32)
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
注入装置は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結される又は連結可能な減衰要素を更に備える、
態様例31に記載の注入装置。
(態様例33)
態様例1に記載の注入装置訓練器具又は態様例31に記載の注入装置へと組み立てられるように構成された部品のキット。
(態様例34)
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、前記方法は、注入装置訓練器具を提供することを含み、前記注入装置訓練器具は、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、初期位置と、前記初期位置よりも前記本体部に対してより近位にある後退位置と、前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成されており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記方法は、
前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるために、前記シールドが前記ロック部材と接触するように前記シールドを前記初期位置から前記後退位置へと移動させることと、
前記シールドが前記延出位置に向かって移動するように、前記アクチュエータを前記遠位位置に向かって第1の距離だけ移動させて前記シールドを前記ロック部材からロック解除することと、
を更に含む、注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法。
(態様例35)
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
前記注入装置訓練器具は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素を更に備え、
前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させ、その間に前記減衰要素が、前記回転子の前記回転を減衰させることによって、前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
態様例34に記載の方法。
(態様例36)
注射を処理する方法であって、前記方法は、注入装置を提供することを含み、注入装置は、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータであって、前記チャンバ内に格納された流体を前記針から分注するために、近位位置から遠位位置へと移動可能である、アクチュエータと、
前記本体部の遠位端に向かって位置付けられたシールドであって、前記シールドが前記針を覆う初期位置と、前記シールドが前記針を露出させる後退位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより近位にある、後退位置と、前記シールドが前記針を覆う延出位置であって、前記初期位置よりも前記本体部に対してより遠位にある、延出位置と、の間で移動可能である、シールドと、
ロック部材であって、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動に前記ロック部材が抵抗する第1の向きと、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動を前記ロック部材が可能にする第2の向きとの間で回転可能である、ロック部材と、を備え、
前記ロック部材の前記第1の向きは、前記シールドが前記初期位置から前記延出位置へと移動することを防止するように前記シールドを前記初期位置に保持するように構成されており、かつ、前記初期位置から前記後退位置への前記シールドの移動を可能にし、
前記方法は、
前記ロック部材を前記第1の向きから前記第2の向きに移動させるために、前記シールドが前記ロック部材と接触するように、前記シールドを前記初期位置から前記後退位置へと移動させることと、前記シールドが前記延出位置に向かって移動するように、前記アクチュエータを前記遠位位置に向かって第1の距離だけ移動させて前記シールドを前記ロック部材からロック解除することと、
を更に含む、注射を投与する方法。
(態様例37)
前記アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されており、
前記注入装置は、前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素を更に備え、前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させ、その間に前記減衰要素が、前記回転子の前記回転を減衰させることによって、前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
態様例36に記載の方法。
(態様例38)
注入装置を使用するユーザーを訓練するための注入装置訓練器具であって、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータは、近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータアセンブリは、前記近位位置から前記遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備える、注入装置訓練器具。
(態様例39)
注入装置であって、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータは、前記チャンバ内に格納された前記流体を前記針から分注するために近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータアセンブリは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備える、注入装置。
(態様例40)
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法であって、前記方法は、注入装置訓練器具を提供することを含み、前記注入装置訓練器具は、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータは、近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータアセンブリは、前記近位位置から前記遠位位置へのアクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の前記回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備え、
前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させ、その間に前記減衰要素が、前記回転子の回転を減衰させることによって、前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
注入装置を使用するユーザーを訓練するための方法。
(態様例41)
注射を処理する方法であって、前記方法は、注入装置を提供することを含み、前記注入装置は、
流体を格納するためのチャンバと連結された針と、
本体部と、
前記本体部の近位端に向かって位置付けられたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータは、前記チャンバ内に格納された前記流体を前記針から分注するために近位位置から遠位位置へと移動可能であり、前記アクチュエータアセンブリは、前記近位位置から前記遠位位置への前記アクチュエータの移動が回転子を回転させるように、前記回転子と連結されている、アクチュエータアセンブリと、
前記回転子の回転を減衰させるために、前記回転子に連結可能な減衰要素と、
を備え、
前記方法は、前記アクチュエータを前記近位位置から前記遠位位置に移動させ、その間に前記減衰要素が、前記回転子の回転を減衰させることによって、前記アクチュエータの前記遠位位置に向かう移動を減衰させることを更に含む、
注射を処理する方法。