(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029102
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】閉ループマイクロ磁気ハイブリッド波形による神経調節で痛みを緩和するための機器及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240227BHJP
A61N 1/05 20060101ALI20240227BHJP
A61N 1/378 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/05
A61N1/378
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218245
(22)【出願日】2023-12-25
(62)【分割の表示】P 2022548987の分割
【原出願日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】62/975,811
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522321047
【氏名又は名称】クオンタム ナノスティム エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】QUANTUM NANOSTIM LLC
【住所又は居所原語表記】213 126th Ave. Treasure Island, FL 33706, USA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ライリー トーマス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】閉ループハイブリッド刺激を与える神経刺激装置を提供する。
【解決手段】閉ループハイブリッド調節方法であって、以下の4つの神経刺激方法を含む。方法1:プライミング電気信号とそれに続く第2磁気信号。方法2:磁気プライミング信号とそれに続く第2磁気信号。方法3:プライミング磁気信号とそれに続く第2磁気信号。方法4:プライミングハイブリッド電気及び磁気信号とそれに続く第2ハイブリッド電気及び磁気信号。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脊椎に挿入される神経刺激装置であって、
リード線を含み、
前記リード線は、近位部分と、遠位部分とを有し、
前記遠位部分は、前記患者への挿入後に展開及び拡張することができ、
前記展開された遠位部分は前記近位部分よりも広く、直接挿入できるものよりも大きいサイズに展開するリード線の挿入が可能になり、
前記患者からの身体の熱により温められる場合、前記リード線を展開させる擬弾性記憶金属または形状記憶ポリマーで作られ、それにより、前記リード線が自動的に展開し、外科医が前記リード線を配置するためにとらなければならない工程数を減少させ、
平面コイルが、前記擬弾性記憶金属または形状記憶ポリマーに組み込まれ、前記平面コイルが、より効果的な神経調節をもたらすように中枢又は末梢神経系中の構造に適合する神経刺激装置。
【請求項2】
擬弾性記憶金属又は形状記憶ポリマーは、生体適合性材料である請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項3】
円筒コイルも、前記擬弾性記憶金属又は形状記憶ポリマーに組み込まれており、前記円筒コイルは、より効果的な神経調節をもたらすように、中枢又は末梢神経系中の前記構造に適合している請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項4】
前記円筒コイルは、0~360度で回転できる円盤に収容され、これにより、前記神経刺激装置は、神経調節効果をもたらす電流又は渦電流を操作することができる請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項5】
前記平面コイルは、1つの軸又は複数の異なる軸において傾斜する円盤に収容され、これにより、前記神経刺激装置は、神経調節効果をもたらす電流又は渦電流を操作することができる請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項6】
相互作用して前記リード線の第1中間部分を第2リード線の第2中間部分に保持させる2つ以上の磁石をさらに含む請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項7】
前記リード線に接続された植込み型パルス発生器をさらに含む請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項8】
植込み型パルス発生器として機能するナノ発電機をさらに含み、
前記ナノ発電機は、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、
前記電気エネルギーは、前記リード線を充電するために使用される請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項9】
植込み型パルス発生器が、リード線に組み込まれ、
前記神経刺激装置は、別個の植込み型パルス発生器を必要としない自己発電システムである請求項1記載の神経刺激装置。
【請求項10】
患者の脊椎に挿入される神経刺激装置であって、
リード線を含み、
前記リード線は、近位部分と、遠位部分とを有し、
前記遠位部分は、前記患者への挿入後に展開及び拡張することができ、
前記展開された遠位部分は前記近位部分よりも広く、直接挿入できるものよりも大きいサイズに展開するリード線の挿入が可能になり、
コイルが前記リード線に組み込まれ、該コイルは、0~360度で回転できる円盤に収容され、これにより、前記神経刺激装置は、神経調節効果をもたらす電流又は渦電流を操作することができる神経刺激装置。
【請求項11】
前記リード線が、前記患者からの身体の熱により温められる場合、前記リード線を展開させる生体適合性材料で作られ、
それにより、前記リード線が自動的に展開し、外科医が前記リード線を配置するためにとらなければならない工程数を減少させる、請求項10記載の神経刺激装置。
【請求項12】
前記生体適合性材料は、擬弾性記憶金属又は形状記憶ポリマーである請求項11記載の神経刺激装置。
【請求項13】
前記コイルは、平面であり、より効果的な神経調節をもたらすように、中枢又は末梢神経系中の構造に適合している平面コイルである、請求項10記載の神経刺激装置。
【請求項14】
前記コイルは、円筒コイルであり、該円筒コイルは、より効果的な神経調節をもたらすように、中枢又は末梢神経系中の構造に適合している請求項10記載の神経刺激装置。
【請求項15】
相互作用して前記リード線の第1中間部分を第2リード線の第2中間部分に保持させる2つ以上の磁石をさらに含む請求項10記載の神経刺激装置。
【請求項16】
前記リード線に接続された植込み型パルス発生器をさらに含む請求項10記載の神経刺激装置。
【請求項17】
植込み型パルス発生器として機能するナノ発電機をさらに含み、
前記ナノ発電機は、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、
前記電気エネルギーは、前記リード線を充電するために使用される請求項10記載の神経刺激装置。
【請求項18】
植込み型パルス発生器が、リード線に組み込まれ、
前記神経刺激装置は、別個の植込み型パルス発生器を必要としない自己発電システムである請求項10記載の神経刺激装置。
【請求項19】
前記コイルは、1つの軸又は複数の異なる軸において傾斜する円盤に収容される平面コイルであり、これにより、前記神経刺激装置は、渦電流を操作し神経調節効果をもたらすことができる請求項10記載の神経刺激装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、閉ループハイブリッド波形による刺激で痛みを緩和するための機器及びその方法と題された、2020年2月13日に提出された米国特許出願第62/975811号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、神経構造の閉ループハイブリッド刺激を提供するための、詳しく言えば、変調された特性を有する複数の信号又は単一の信号で痛みに対処するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
用語「脊髄刺激(SCS)」は、硬膜外腔に植え込まれた1つの電極アレイ(又は複数の電極アレイ)を介して変化する電界を脊髄の後柱(DC)に印加する慢性的な痛みへの高度な対処療法を説明するために使われる。従来のSCSは、「トニック」とも呼ばれ、一般に40~250Hzで変化する電場から構成され、刺激電場によって生成される知覚異常と呼ばれる感知されるうずき感を重ねることで、痛みのある標的位置に向けられるものである。当該療法は、約半世紀にわたって臨床的に利用されてきている。
【0004】
主な作用モードはメルザック氏とウォール氏によって立てられたゲートコントロール理論に基づくものであり、その作用機序の完全な理解が明らかにされていない。トニックSCSの背後にある概念は、印加された変化する電場によって誘発された知覚異常が、痛み信号が脳に伝わる「ゲートを閉じ」、又は遮蔽することであるが、SCSが鎮痛効果を提供するための周波数、波形形状、振幅、パルス幅とその作用機序の間の関係は完全には理解されていない。
【0005】
電気パルスを用いる脊髄刺激(SCS)は、患者の痛みの神経障害的な要因を解決するため、オピオイド系鎮痛薬の使用を減少させることが証明されている。しかし、電気刺激には重大な欠点がある。
【0006】
従来のSCSの主な障壁の1つは、神経膠症によって引き起こされる「神経膠カプセル化」又は「神経膠瘢痕」と呼ばれる神経膠細胞による電極のカプセル化である。当該瘢痕化は、通常、プローブの50~100μmの深さで発生する。
【0007】
瘢痕化は、インピーダンスの増加、信号ノイズの増加、及び標的神経細胞との距離の増加を引き起こし、最終的に刺激の有効性の低下という結果をもたらす。
【0008】
更なる合併症に関しては、有効性を保つための試みとして、植込み型パルス発生器(IPG)が振幅を増加させて補償することで、IPGの寿命短縮を引き起こす。
【0009】
振幅を増加させてもインピーダンスを克服できなければ、残る選択肢は機器に対する外科的な修正又は取り外しであり、これに応じて、疾患発生率と死亡率が上がってしまう。
【0010】
電気刺激に問題点があるため、磁気刺激に興味が持たれ始める。複数の研究は、従来の電気刺激と比べて、磁気に基づく神経調節が次の利点を有することを示している。
・磁場は神経膠カプセル化から影響されない。
・標的神経細胞の脱分極は、より遠い距離からより一致して発生できる。
・磁気刺激は、高い方向特異性を提供する。
・IPGエネルギー消費の低減で電池の寿命が延長している(従来のSCS IPGと違い、従来のSCS IPGは代償的に振幅を増加させて神経膠カプセル化を克服する必要がある)。
・磁気刺激は、細胞外マトリックスと細胞内マトリックスの両方の脱分極を引き起こす。
【0011】
提案される渦電流を有する閉ループ全方向性神経調節(CLONE)は、これらの解剖学的及び生理学的障壁を克服できると考えられる。
【発明の開示】
【0012】
2つの刺激を用いる閉ループハイブリッド波形であって、1つの刺激は、40~1500Hzで変化する電場を有する従来のトニック又はバースト脊髄刺激で、もう1つの刺激は、連続的な又は変化する電磁場(EMF)又は磁場(電磁石、一時磁石、又は永久磁石を有する)から構成され、神経細胞、神経節、神経膠細胞を調節し、第2メッセンジャーが侵害受容器を下方制御するよう促進することによって、中枢神経系、末梢神経系、交感神経系、副交感神経系の慢性的な痛みを緩和する。
【0013】
経頭蓋磁気刺激(TMS)は、完全な頭皮と皮膚を介して非侵襲的に神経系を刺激する技術である。TMSマシンは、電流の短パルスをTMSコイルに伝送して、コイルの周囲に急速に変化する磁場を生成させる。TMSは、ファラデーの法則に基づいて、変化する磁場によって誘導される渦電流で神経回路を刺激する。
【0014】
磁場を生成させるための装置の1つはマイクロコイルである。マイクロコイルは、螺旋状又は渦巻状のワイヤなどの微小な電気伝導体であり、ソレノイド又は平面的な構造であってもよい。量子科学分野では、マイクロコイルは、マルチキュービットスピンレジスタ、量子メモリなどのナノスケール機器における高速スピン制御、又は、窒素空孔中心の周辺などの単一核スピンの作動にますます重要な役割を果たす。
【0015】
TMSで使用されるコイルと同様に、電流がマイクロコイルに印加される時に、磁場が生成される。TMSと同様に、磁場の時間的変化は、渦電流によって電場を引き起こすことによって、活動電位を誘導させる。
【0016】
マイクロ磁気刺激(μMS)は、サブミリメートルコイルを使用する。μMSは、離れた場所から(即ち、絶縁層によって)組織に電流を誘導することができる。
【0017】
自然界では、これらの電流がより高い空間焦点性を有する閉ループ循環電流である。自然界で磁気単極子が存在しないため、磁力線は連続的な閉ループを形成させる。私たちは、1つの磁極からの磁力線が別のループで終わって1つの閉ループを形成させるように結合された北極と南極、即ち磁極を常に見つけている。したがって、磁力線は、正電荷から始まって負電荷で終わり、かつ閉ループを形成させない電場線と異なる方式で作用する。
【0018】
さらに、強磁性材料が存在しない限り、μMSコイルは組織から絶縁されながら刺激を伝達できるという事実は、その生体適合性及び核磁気共鳴画像法に対する適合性を向上させる。
【0019】
磁気刺激の作用機序は、電気刺激と根本的に違っている。電気刺激は、細胞外マトリックスの電位に作用し、かつ膜貫通電位を操作することによって神経要素を活性化させる。対照的に、渦電流は、磁気刺激場が細胞内コンパートメントに浸透するため、細胞外マトリックスだけでなく、細胞内マトリックスにも作用する。
【0020】
さらに、電気刺激と違って、μMSは組織との直接的な電気的接触を必要としない。対照的に、組織に植え込まれた金属電極は、電極と組織の界面において、周囲の組織のpHを変える酸化還元反応を引き起こすことによって、免疫応答を引き起こす可能性がある。組織病理学的分析は、上述したような神経膠カプセル化を示している。しかし、μMSを使用する場合、離れた場所から電流を誘導させるため、組織と直接接触するように金属を設置する必要はない。
【0021】
最後に、電気刺激と違って、μMSには電荷が平衡した刺激波形を必要としない。電気刺激では、神経インタフェースにおける過剰な電荷の蓄積を回避し、それによって望ましくない刺激及びエレクトロポレーションを回避するために電荷の平衡が必要である。細胞の膜電位の外部電場が0.2~1Vの閾値を超えると、エレクトロポレーションが発生し、それは膜の分子構造の変化を引き起こし、それに続く孔の形成を伴う膜穿孔は、イオンと分子に対する膜の透過性を増加させる。膜貫通電位が約1Vのエレクトロポレーションは、膜破裂とそれに続く細胞質内容物の漏出により、壊死を引き起こす可能性がある。μMSでは、電極から組織に移動する正味の電荷がない。
【0022】
当該機器は、シナプス可塑性にも効果があると考えられる。シナプス可塑性は、中枢神経系が神経変化を起こすいくつかのプロセスに関わる。一般にシナプスの有効性に影響を与える作用機序の2つは、長期増強(LTP)と長期抑制(LTD)である。当該機器は化生効果をも有すると考えられる。化生性は、ある時点での活動によって誘導される神経変化を指し、それは、持続し、かつ続いて誘発されるLTP又はLTDに影響する。化生性は、ある時点で誘発される神経細胞の変化を指し、一般に「プライミング」活動と呼ばれる。その持続性により、これらの神経細胞の変化は、数分、数時間又は数日後にシナプス可塑性プロセスを調節することができる。化生性の1つの主な特徴は、この変化が、トリガー(「プライミング」)活動の発生よりも長く持続し、かつ2回目の活動発生まで持続してLTP又はLTDを誘導できることである。当該効果は、時間の経過とともに徐々に衰退していく。また、可塑性関連タンパク質(PRP)によって衰退しているLTP又はLTDをより長く持続する形式に変換させることによって、その他の衰退しているLTP又はLTDの持続性を助長することができる。
【0023】
当該機器は、ホモシナプス又はヘテロシナプス化生効果を引き起こすことができる。ホモシナプス化生効果は、可塑性の作用機序に係るプライミングシナプス活動に影響するが、当該影響はプライミングされたシナプスに限定される。ヘテロシナプス化生性は、活性化シナプスに影響するだけでなく、隣接する非活性化シナプスにも影響し、これによって、細胞外及び細胞間シグナル伝達経路の両方において、樹状突起コンパートメントに広がるシナプス間の長距離相互作用を引き起こすことができる。
【0024】
当該閉ループシステムは、誘発された複合活動電位(ECAP)に応答することによって、最適な波形と刺激に調整するためのフィードバックを提供する。当該閉ループシステムは、振幅変化などの調整可能なパラメータ、及び、伝導速度、レオベース、時間軸、後根の活性化が引き起こす神経応答である遅延応答の発生などのフィードバックパラメータを含む。
【0025】
したがって、当該機器は、上記に記載されている自然磁気(北極から南極へ)の形式、及びECAPからのフィードバックの2つの形式の閉ループ特性を利用する。
【0026】
当該機器は、誘発された磁場、電流源を検出し、かつ神経伝導速度を記録して、神経電気活動のより詳細な評価を可能にするよう、勾配計、磁力計又はその両方を有してもよい。ECAPと誘発された磁場を組み合わせてハイブリッド誘発活動電位(HEAP)を形成させることができ、これは、標的神経細胞、神経節、又は神経膠細胞へのより正確な電荷伝達を引き起こす可能性がある。これらの構成要素は、擬弾性記憶金属若しくは形状記憶ポリマー(SMP)又は両方の組み合わせに埋め込まれた柔軟なシリコンウェーハに埋め込まれてもよく、入力ユニットと、中央処理装置(記憶ユニット、制御ユニット、及び算術・論理ユニット)と、出力ユニットと、プリント回路基板(PCB)とからなり、マルチプレクサー及びデマルチプレクサーに接続されることによって、より正確な刺激と記録を可能にする。
【0027】
当該機器は、渦電流を有する閉ループ全方向性神経調節(CLONE)である。
【0028】
4つのハイブリッド方法を評価し、しかしながら、当該プラットフォームはこれらの4つの方法に限定されない。
【0029】
当該方法は2つの信号を含む。最初に、プライミング信号は脱分極閾値を低減させ、もう1つの信号は、最小の有効電荷量で標的組織を脱分極させ、これによって当該機器のエネルギー効率を向上させ、副作用と組織毒性を低減させる。
【0030】
要約すると次のとおりである。
・方法1:プライミング電気信号とそれに続く第2磁気信号。
・方法2:磁気プライミング信号とそれに続く第2磁気信号。
・方法3:プライミング磁気信号とそれに続く第2磁気信号。
・方法4:プライミングハイブリッド電気及び磁気信号とそれに続く第2ハイブリッド電気及び磁気信号。
【0031】
詳しくは次のとおりである。
【0032】
方法1:2つの刺激を用いる閉ループハイブリッド波形であって、1つは、40~1500Hzで変化する電場を有する従来のトニック又はバースト脊髄刺激装置であり、もう1つの刺激は、連続的な又は変化する磁場の形式で神経細胞、神経節、神経膠細胞を調節し、第2メッセンジャーが侵害受容器を下方制御するよう促進することによって慢性的な痛みを緩和させる。
【0033】
方法2:2つの刺激を用いる閉ループハイブリッド波形であって、1つは、連続的な又は変化する磁場であり、もう1つの刺激は、40~1500Hzで変化する電場を有する従来のトニック又はバースト脊髄刺激装置から構成され、神経細胞、神経節、神経膠細胞を調節し、第2メッセンジャーが侵害受容器を下方制御するよう促進することによって慢性的な痛みを緩和させる。
【0034】
方法3:2つの刺激を用いる閉ループハイブリッド波形であって、1つは、連続的な又は変化する磁場によって形成され、もう1つの刺激は、別の連続的な又は変化する磁場によって形成され、神経細胞、神経節、神経膠細胞を調節し、第2メッセンジャーが侵害受容器を下方制御するよう促進することによって慢性的な痛みを緩和させる。
【0035】
方法4:2つの刺激を用いる閉ループハイブリッド波形であって、1つは、ハイブリッド電気及び磁気信号から形成され、もう1つの刺激は、別のハイブリッド電気及び磁気信号から形成され、神経細胞、神経節、神経膠細胞を調節し、第2メッセンジャーが侵害受容器を下方制御するよう促進することによって慢性的な痛みを緩和させる。
【0036】
方法1~4は、閾値が従来の可能なものよりはるかに低い脱分極を引き起こす。
【0037】
前記方法は、既知の方法よりも効果的で、神経膠カプセル化に制限されず、かつ電池の使用量が低減されている。当該2つの属性は、それぞれ、外科的修正と電池の交換に関連する疾患発生率と死亡率を低減させる。
【0038】
また、磁場は、神経膠カプセル化を克服することができる。従来の脊髄刺激システムの主な障壁の1つは、神経膠瘢痕又は神経膠カプセル化と呼ばれる、神経膠細胞及び線維芽細胞による電極のカプセル化である。従来のシステムと比べると、磁場は劣化せずに瘢痕組織を通過することができる。神経膠カプセル化は、植込み後の数時間以内に発生し、その後は無期限に継続していく。当該自然な炎症/免疫応答は、インピーダンスと、標的との距離への克服を試みる時に振幅が代償的に増加することにより、A)インピーダンスの増加、B)標的神経細胞との距離の増加(分離)、C)植込み型パルス発生器(IPG)の寿命の短縮と、様々な方式で治療の有効性を低下させる。
【0039】
当該ハイブリッド波形を形成させるために使用される装置は、接点又はリード線と呼ばれる電極アレイ、パドル又はパドルアレイであることが好ましく、これによって神経膠カプセル化から影響されずに慢性的な痛みを緩和させることを可能にする。
【0040】
当該システムの利点の1つは、少量の電荷(ナノクーロン)が刺激装置のリード線又はアレイに印加されるため、電池寿命を延長できることである。A)振幅を増加させて神経膠カプセル化を克服する必要はない、B)プライミング刺激がより低い閾値を引き起こすため、活動電位を引き起こすためのエネルギーが少ない。C)ECAP、誘発された磁場及びHEAPからのフィードバックが、過剰な刺激を防止することで、時間外により少ないエネルギーを使用する。D)単方向刺激は、より少ないエネルギーを必要とする。
【0041】
本明細書には、複数の信号又は変調された特性を備える単一の信号を有する神経構造の閉ループハイブリッド刺激を用いて、患者の痛みに対処するための装置及び方法が開示されている。本開示によれば、痛みに対処するためのハイブリッド変調では、電極アレイ(接点又はリード線と呼ばれる)を介して様々な時間的及び振幅特徴を使用する特定の神経構造に独立して印加される複数の別個の変化する刺激を使用して、神経膠カプセル化によって影響されずに慢性的な痛みを調節することが検討される。詳しく言えば、脊髄の神経血管系、及び、炎症性/免疫系メディエーター、イオンチャネル、神経伝達物質を含む多様な経路に関わる第2メッセンジャーの、脊髓(SC)及び後根神経節(DRG)における発現を調節するための装置及び方法が開示されている。一実施形態では、このような発現の調節は脊髄刺激又は末梢神経刺激によって引き起こされる。一実施形態では、本明細書に記載されているとおり、IPGの最小の電力使用で痛みの緩和を改善させるために、神経構造のハイブリッド刺激を生成させるための1つ又は複数の信号の振幅及び周波数を最適化させてもよい。
【0042】
ハイブリッド調節療法の一実施形態では、前記トニック又はバースト信号は、極性が陰極又は陽極である単相性又は二相性であってもよい。別の実施形態では、前記ハイブリッド波形は、EMF又はトニック又はバースト刺激である1つの刺激を含んでもよい。
【0043】
物理的な機器を検討すると、折り畳み可能な神経刺激装置は、挿入のための長くて狭い外形と、操作のためのより広くて展開された外形の2つの主要な状態を有する。
【0044】
結果は、神経刺激のための大きな表面積が得られ、しかも大きく切開する必要性は回避される。
【0045】
植込みプロセスをまとめると次のとおりである。
・針を硬膜外腔に挿入する。
・次に、ガイドワイヤーを標的位置に挿入する。
・シースを備える機器を前記ガイドワイヤーに担持させる。
・当該機器のヘッドが所望の位置にあると、当該機器のシースを引き戻すことによって、先端に近いリード線の部分を展開可能にする。
・当該機器は内部緊張ケーブルをさらに有してもよく、それによって、パドルリード線の遠位端を引き込める又は展開させることを可能にする。
・当該機器の位置を変更したり、又は完全に取り外す必要がある場合、当該プロセスは可逆である。
・次に、前記針を取り外し、前記アレイの遠位部分をIPGに接続させる。
【0046】
刺激装置を検討すると、一般に、パドルリード線(平坦)と経皮的リード線(円筒形)の2つの主要なタイプがある。
【0047】
パドルリード線は、経皮的アレイより広いため外科的に植え込まれ、また、解剖学的な制約により逆行的に設置される。そのため、針を使用してパドルアレイを植え込むことが技術的な難問になる。
【0048】
パドルリード線の平坦で広い外形は、物理的な安定性をもたらす。一般に、パドルリード線は、刺激される神経に面して設置される電極を片側のみに含む。この方向付けられた刺激は電力を節約することができ、これは電池から給電される機器にとって重要である。
【0049】
経皮的又は円筒形のリード線は、針によって植え込まれる。したがって、針との互換性により円形の外形が一般的である。外科的な植込みと比べ、針を使用すると植込みが単純化される。
【0050】
しかし、植込みの単純化は、低減していた物理的な安定性と円周方向の刺激で追加の電力を必要とすることから相殺される。
【0051】
折り畳み可能な神経刺激装置は、リード線によって挿入可能であり、所定の位置にあると、パドルの形状に展開することができる。
【0052】
当該構成要素は、シース内に収容されるアレイ/リード線を含む。折り畳み可能な神経刺激装置は、ガイドワイヤーによって送られ、ガイドワイヤーは後に引き抜かれる。
【0053】
シースが引き抜かれると、リード線は体内で幅を広めることができる。
【0054】
展開するリード線の材料は、例えば、擬弾性記憶金属若しくは形状記憶ポリマー(SMP)又は両方の組み合わせなどの生体適合性材料であることが好ましく、身体によって加熱される時、刺激又は記録のために神経構造に適合しようとする。
【0055】
電極は、リード線の折り畳む部分に設置され、任意的に、リード線の本体に設置される。前記電極は4から64の点を含むと予想される。
【0056】
隣接する位置に2つの同一のアレイを設置することが予想されるため、結果的に、合計で8から128の接点がある。
【0057】
使用中に、当該機器は給電されなければならない。様々な電源が存在する。電池は、任意的に、体内に設置され、電気エネルギーに変換された化学エネルギーを用いて機器に給電する。
【0058】
更なる代替案として、内部発電機は、電池を再充電し、ユーザーの動きを電気エネルギーに変換する。
【0059】
当該発電機は、その小さなサイズからナノ発電機と呼ばれ、様々な方式で動作することができる。例えば、圧電型、摩擦帯電型、又は焦電型である。圧電型及び摩擦帯電型ナノ発電機は、機械的エネルギーを電力に変換する。焦電型ナノ発電機は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換することができる。
【0060】
私たちを取り巻く機械的エネルギーが利用可能であるため、電磁的、圧電的、静電的、及び摩擦帯電的原理に基づく変換機序が、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するために利用可能である。
【0061】
刺激の方法論、特に閉ループハイブリッド変調方法を検討する。
【0062】
プライミング電気信号は、神経線維の脱分極閾値を低減させると同時に、神経細胞、神経節、神経膠細胞を同時に調節する。また、プライミング電気信号は刺激された組織のインピーダンスを低減させ、これは神経組織への電場のより良い浸透を可能にする。プライミング電気信号の頻繁なパルス化は、電気又はEMF刺激の膜組込みによって神経線維の脱分極のより低い閾値にも寄与する。さらに、プライミング電気信号は、不自然に同期された神経回路の再確立に寄与することにより脳への侵害受容入力を維持する作用機序である神経細胞の非同期化に寄与する。複数の電極は、標的領域への変化する刺激を可能にする。即ち、アレイ本体上の1つ又は複数の電極は、測定されたECAP、誘発された磁場、又はHEAPに応じて、所望の刺激によって刺激パルスを標的組織に伝送する。ハイブリッドシステムは、交流、直流、又はその両方で動作することができる。
【0063】
第1実施形態では、当該機器は、以下の方式で対象の神経細胞と神経節との間の相互作用を刺激又は調節する。A)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第1刺激に曝露し、B)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第2刺激に同時に曝露する。前記第1刺激と前記第2刺激とでは、少なくとも1つの非共通パラメータを有する。一実施形態では、前記第1刺激は、一定の又は変化する電気信号から構成され、前記第2刺激は、変化する又は一定のEMFである。別の実施形態では、前記刺激は、矩形波形の場合、周波数、振幅、位相極性、相対位相、高調波含有量又は幅について異なる値を有してもよい。
【0064】
第2実施形態では、当該機器は、以下の方式で対象の神経細胞と、神経節と神経膠細胞との間の相互作用を刺激又は調節する。A)対象の神経細胞、神経節、神経膠細胞を第1刺激又は信号に曝露し、B)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第2刺激又は信号に同時に曝露する。第1刺激と第2刺激とでは、少なくとも1つの非共通パラメータを有する。一実施形態では、前記第1刺激は、変化する又は一定のEMFから構成され、前記第2刺激は、一定の又は変化する電気信号である。別の実施形態では、前記刺激は、矩形波形の場合、周波数、振幅、位相極性、相対位相、高調波含有量又は幅について異なる値を有してもよい。
【0065】
第3実施形態では、当該機器は、以下の方式で対象の神経細胞と、神経節と、神経膠細胞との間の相互作用を刺激又は調節する。A)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第1刺激に曝露し、B)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第2刺激に曝露する。前記第1刺激と前記第2刺激とでは、1つの共通パラメータを有する。一実施形態では、前記第1刺激は、第1変化する又は一定のEMFを含み、第2刺激は、変化する又は一定のEMFを含む。別の実施形態では、前記第1変化する又は一定のEMF及び前記第2変化する又は一定のEMFは、複合電気刺激によって提供される。また、別の実施形態では、前記複合電気刺激は、矩形波形の場合、任意の周波数、振幅、位相極性、相対位相、高調波含有量又は幅であってもよい。
【0066】
第4実施形態では、当該機器は、以下の方式で対象の神経細胞と、神経節と、神経膠細胞との間の相互作用を刺激又は調節する。A)電気刺激源に電気的に接続された複数の電極接点を有するリード線アレイを提供し、B)複数の電極接点の第1サブグループを第1電気刺激又はEMF源に電気的に結合させ、C)複数の電極接点の第2サブグループを第2電気刺激又はEMF源に電気的に結合させ、D)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第1サブグループの電極接点からの第1電気刺激又はEMFに曝露し、E)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を前記第2サブグループの電極接点からの電気刺激又はEMFに同時に曝露する。
【0067】
第5実施形態では、当該機器は、カルシウム結合タンパク質、サイトカイン、細胞接着又は特異性免疫応答タンパク質のいずれかの第2メッセンジャーを制御することによって、活性化神経細胞及び神経節を含む対象の痛みを調節する。A)第1期間において、第1電気刺激又はEMFで対象の神経線維の脱分極閾値を低減させ、B)第1期間と異なる第2期間において、第2変化する電気刺激又はEMFで神経細胞及び神経節を同時に調節して、侵害受容器への下方制御を引き起こす。
【0068】
第6実施形態では、前記対象の痛みに対処する方法は、以下を含む。A)第1期間において、第1変化する電気刺激又はEMFで対象の神経線維の脱分極閾値を低減させ、B)第1期間と異なる第2期間において、第2変化する電気刺激又はEMFで第2メッセンジャーの活動を同時に調節して、侵害受容器への下方制御を引き起こす。
【0069】
第7実施形態では、前記対象の痛みに対処する方法は、以下を含む。A)第1期間において、第1変化する電気刺激又はEMFで対象の神経線維の脱分極閾値を低減させ、B)第1期間と異なる第2期間において、第2変化する又は一定のEMFで神経細胞、神経節及び神経膠細胞の活動を同時に調節する。前記第1変化する電気刺激又はEMFは、対象のプライミング閾値のパーセンテージに対応する値に設定された振幅を有する電気信号によって提供され、かつ前記第2変化する又は一定のEMFは、知覚異常閾値(PT)のパーセンテージに対応する値に設定された振幅を有する電気信号によって提供される。
【0070】
ハイブリッド調節療法の一実施形態では、前記プライミング信号は、単相性又は二相性であってもよく、二相性プライミング信号の第1相の極性は、陰極又は陽極であってもよい。本実施形態では、トニック又はバースト信号は、プライミング信号と異なる波形特徴を有してもよい。前記トニック又はバースト信号は、単相性又は二相性であってもよく、二相性トニック又はバースト信号の第1相の極性は、陰極又は陽極であってもよい。
【0071】
第7実施形態では、対象の神経細胞と神経節との間の相互作用を刺激/調節する方法は、以下を含む。A)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第1刺激に曝露し、B)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第2刺激に同時に曝露する。前記第1刺激と前記第2刺激は、それぞれ異なる位相極性を有する。一実施形態では、前記第1刺激及び前記第2刺激は、電気刺激又はEMFを含む。別の実施形態では、前記電気刺激又はEMFは、矩形波形の場合、それぞれの周波数、振幅、波形形状又は幅のいずれかが異なる値を有する。
【0072】
第8実施形態では、対象の神経細胞と、神経節と神経膠細胞との間の相互作用を刺激及び調節する方法は、以下を含む。A)電気刺激源に電気的に結合可能な複数の電極接点を有するリード線アレイを提供し、B)複数の電極接点の第1サブグループを第1電気刺激又はEMF源に電気的に結合させ、C)複数の電極接点の第2サブグループを第2電気刺激又はEMF源に電気的に結合させ、D)対象の神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第1サブグループの電極接点からの第1電気刺激又はEMFに曝露し、E)対象の神経細胞及び神経節を前記第2サブグループの電極接点からの前記第2電気刺激又はEMFに同時に曝露し、前記第1電気刺激又はEMF及び前記第2電気刺激又はEMFは、それぞれ異なる位相特性を有する。
【0073】
第9実施形態では、前記対象の痛みに対処する方法は、以下を含む。A)第1変化する電気刺激又はEMFで対象の神経線維の脱分極閾値を低減させ、B)第2変化する電気刺激又はEMFで神経細胞、神経節及び神経膠細胞を同時に調節する。一実施形態では、前記第1変化する刺激及び前記第2刺激は、矩形波形の場合、それぞれ異なる周波数、振幅、位相、高調波含有量又は幅のいずれかを有する。別の実施形態では、前記第1及び第2変化する電磁場は、単一の電気刺激若しくはEMF又は2つの異なる電気刺激若しくはEMFによって提供されてもよい。
【0074】
第10実施形態では、信号生成モジュールと1つ又は複数のリード線とを含むシステムが提供される。前記リード線は、神経細胞、神経節及び神経膠細胞を第1電気刺激又はEMF及び第2電気刺激又はEMFに同時に曝露するように構成される。前記信号生成モジュールは、少なくとも1つの共通パラメータ又は少なくとも1つの非共通パラメータを有する第1及び第2電気信号を前記1つ又は複数のリード線に提供する動作モードを有するように構成される。
【0075】
本明細書には、さらに、1つ又は複数のリード線に電気的に結合するように構成される信号生成モジュールを含む装置が開示される。さらに、これらのリード線は、ECAP、誘発された磁場、又はHEAPを捕獲して、脊椎の標的への電荷伝達を改善することができる。当該システムは、当該装置を1つ又は複数のリード線に結合させることによって提供されてもよい。
【0076】
任意的に、前記信号生成モジュールは、少なくとも第1及び第2電気信号源又は端子を含み、前記1つ又は複数のリード線は、少なくとも第1及び第2サブグループの電極を含む。前記第1サブグループの電極は、前記第1電気信号源及び/又は端子に電気的に結合されてもよく、前記第2サブグループの電極は、前記第2電気信号源及び/又は端子に電気的に結合されてもよい。
【0077】
任意的に、前記信号生成モジュールは、本明細書に説明されている前記第1及び前記第2電気刺激又はEMFに対応する少なくとも第1及び第2電気信号又はEMFを提供する動作モードを有するように構成される。任意的に、前記第1及び第2電気信号又はEMFは、異なる周波数を有する。
【0078】
任意的に、前記信号生成モジュールは、本明細書に説明されている方法のいずれかの電気刺激又はEMF刺激に対応する電極に電気信号を提供する動作モードを有するように構成される。
【0079】
前記第1及び前記第2電気信号のパルス幅及び/又は振幅などの他のパラメータは、異なってもよい。前記第1電気信号は、同期的に、即ち、第2電場と同時に、又は非同期的に、例えば、第1電気信号に対して、所定の時間遅延を伴って発射されてもよい。
【0080】
任意的に、前記信号生成モジュールは、複合電気信号又はEMFを生成させるように配置される。前記複合電気信号は、前記第1と第2電気信号又はEMFの合計信号であってもよい。任意的に、前記信号生成モジュールは、周波数変調信号、振幅変調信号、高調波変調信号などのハイブリッド信号を生成させるように配置される。前記複合信号及び/又は前記ハイブリッド信号は、1つ又は複数のリード線に提供されてもよい。
【0081】
任意的に、前記信号生成モジュールは、独立して制御可能で、かつ前記電気信号源ごとにそれぞれ設定されてもよいパラメータを有する電気信号又はEMFを伝達するように構成される信号発生器などの2つ以上の電気信号源又はEMFを含む。
【0082】
任意的に、当該装置は、患者に治験を行う時に使用される非永久的植込み型であり、当該システムは、信号発生器ごとにそれぞれ設定されてもよいパラメータを有する電気信号又はEMF、例えば、プライミング/トニック/バースト信号、EMF信号を伝送するように構成される少なくとも2つの信号発生器を有する信号生成モジュールを含む。
【0083】
任意的に、1つ又は複数のリード線に電気的に結合するように適合された又は任意的に1つ又は複数のリード線に結合された植込み型ハイブリッド発電機が提供される。前記植込み型ハイブリッド発電機は、発電機回路と、ハウジングとを含む。前記ハウジングは、発電機回路を気密に密封し、かつ耐久性のある生体適合性材料からできてもよい。前記発電機は、1つ又は複数のリード線に実装された電極と電気的な接続を確立するための出力インタフェース、例えば、1つ又は複数のリード線に実装された第1及び第2サブグループの電極に電気的に結合させるための第1及び第2端子を有する。
【0084】
任意的に、前記植込み型ハイブリッド発電機は、2つ以上の信号発生器と、1つの前記信号発生器を別の信号発生器に従属させることによって、前記少なくとも2つの信号発生器から生成された信号の間に遅延を生成させることができるタイマー電子回路とを含む。
【0085】
第11実施形態では、少なくとも1つの電極アレイ又は複数の電極アレイに接続させるための出力ユニットと、信号発生器とを含むEMF機器が提供され、当該刺激機器は、ハイブリッド刺激信号を出力ユニットによって少なくとも1つの電極アレイ又は複数の電極アレイに提供するように配置される。前記ハイブリッド刺激信号は、EMFであってもよい。少なくとも1つの電極アレイは、神経細胞及び神経節を前記ハイブリッド刺激信号に曝露するように構成される。前記電磁気刺激機器は、痛み治療機器であってもよい。
【0086】
任意的に、前記EMF機器は、第1リード線に接続させるための第1出力と、第2リード線に接続させるための第2出力とを含む出力ユニットを有してもよい。前記第1リード線は、第1電極アレイを含んでもよい。前記第2リード線は、第2電極アレイを含んでもよい。
【0087】
任意的に、前記信号発生器は、前記第1出力に第1電気信号又はEMFを提供し、かつ前記第2出力に第2電気信号又はEMFを提供するように配置される。前記第1電気信号又はEMF及び前記第2電気信号又はEMFは、振幅、周波数、位相、位相極性、波形形状、及び幅などのパラメータが異なってもよい。前記第1電気信号又はEMF及び前記第2電気信号又はEMFは、振幅、周波数、位相、位相極性、波形形状、及び幅などのパラメータが対応してもよい。前記第2電気信号又はEMFは、トニック又はバースト刺激信号であってもよく、前記第1電気信号又はEMFは、トニック又はバースト刺激信号の周波数よりも高い周波数を有してもよい。
【0088】
任意的に、前記信号発生器は、周波数変調信号、振幅変調信号、高調波変調信号などのハイブリッド電気信号を生成させるように配置される。前記ハイブリッド電気信号は、少なくとも1つの電極に提供されてもよい。
【0089】
第12実施形態では、信号生成モジュールを操作するための方法が提供される。前記方法は、前記信号生成モジュールを1つ又は複数のリード線に接続させることを含む。前記リード線は、既に対象の体に植え込まれていてもよい。前記方法は、前記信号生成モジュールを用いて、第1電気信号又は1つ若しくは複数のリード線中の少なくとも1つの変化するEMFを生成させ、前記信号生成モジュールを用いて、第2電気信号又は1つ若しくは複数のリード線中の少なくとも1つの変化するEMFを生成させることを含む。前記第1電気信号又は変化するEMFと前記第2電気信号又は変化するEMFとでは、少なくとも1つの非共通パラメータを有してもよい。
【0090】
第13実施形態では、痛みの治療のためにEMFを対象に付与するための導電性材料、例えば、金属などが電極の形式として提供される。前記EMFは、第1電磁気刺激と、第2EMFとを含んでもよい。前記第1刺激と前記第2刺激では、少なくとも1つの非共通パラメータを有してもよい。前記第1刺激及び前記第2刺激は、本明細書に説明されている信号、又は複合信号、又はハイブリッド信号であってもよい。
【0091】
第14実施形態では、複数のハイブリッド信号パラメータプログラムを記憶するためのメモリと、複数のハイブリッド信号パラメータプログラムの1つを選択するための選択機器と、複数のハイブリッド信号パラメータプログラムから選択された1つで制御可能なハイブリッド信号発生器と、少なくとも1つの電極に接続させるための出力ユニットとを有するEMFシステムが開示され、前記刺激装置は、前記ハイブリッド信号パラメータプログラムへの選択に従って前記ハイブリッド信号発生器によって生成されたハイブリッド刺激信号を出力ユニットによって前記少なくとも1つの電極に提供するように構成される。前記システムは、前記ハイブリッド信号発生器及び出力ユニットを取り囲む生体適合性材料からなる筐体をさらに含んでもよい。一実施形態では、前記ハイブリッド信号発生器は、その動作モードにおいて第1及び第2電気信号又はEMFを生成させる。一実施形態では、前記システムは、少なくとも第1及び第2サブグループの電極を含み、かつ前記第1サブグループの電極が前記第1電気信号に電気的に結合され、かつ前記第2サブグループの電極が前記第2電気信号又はEMFに電気的に結合される少なくとも1つの電極に組み合わされてもよい。
【0092】
第15実施形態では、挿入のための長くて狭い外形と、操作のためのより広くて(パドルリード線)展開された外形の2つの主要な状態を有する折り畳み可能な神経刺激装置が開示される。2つのアレイは、8から64又はそれ以上の任意のリード線接点を有する。動的変化により、16から128又はそれ以上の任意の接点を有するパドルリード線が得られる。複数の電極は、標的領域への変化する刺激を可能にする。即ち、リード線本体上の1つ又は複数の電極は、測定されたECAP、誘発された磁場、又はHEAPに応じて、所望の刺激によって刺激パルスを人間の標的組織に伝送する。
【0093】
経皮的リード線の本体の結合は、フォトリソグラフィープロセスにより、経皮的アレイのそれぞれに成形させた複数の擬弾性記憶金属又は形状記憶ポリマー(SMP)ブリッジことによって実現される。前記複数のブリッジは、前記アレイに構造的完全性を提供するとともに、リード線の本体に所望の柔軟性が得られる。前記アレイは、シースに収容され、かつガイドワイヤーを有する。前記シースが引き込められると、前記アレイは、前記電極アレイをパドルリード線へと形成させられる展開可能な領域を有する。前記機器の位置を変更したり、又は完全に取り外す必要がある場合、当該プロセスは可逆である。次に、前記電極を配置及び固定する方法を説明する。前記アレイの先端は、ガイドワイヤー用の円形、楕円形、放物線状又は双曲線状の開口部を有してもよい。前記複数の細長い部品は複数のリード線であり、前記リード線は、前記リード線が互いに交差する場所に互いに固定される。前記複数の細長い部品は、体内に導入される場合に、体温に曝露される時に下方の神経構造に適合することを可能にする複数の擬弾性記憶金属又はポリマーである。前記パドルアレイは、単方向刺激を可能にする絶縁材料を有してもよく又は有しなくてもよいが、円周方向刺激を可能にする絶縁材料は有しない。
【0094】
別の実施形態では、神経細胞と、神経節と神経膠細胞との間の相互作用に調節効果を生み出す磁束を提供する平面コイルである。前記平面コイルは、巻き数が2から100万のコイルであってもよい。前記平面コイルは、それ自体の上に積み重ねて相加効果を提供することによって、より大きな磁束を生成させることができる。平面コイルの形状は、円形、楕円形、卵形、放物線状又は双曲線状であってもよい。また、三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形の形状であってもよい。巻きは、時計回り、反時計回り、又はその両方の形式であってもよい。
【0095】
神経細胞と、神経節と神経膠細胞との間の相互作用に調節効果を生み出す磁束を提供する円筒コイルである。前記円筒コイルは、巻き数が2から100万のコイルであってもよい。前記平面コイルは、それ自体の上に積み重ねて相加効果を提供することによって、より大きな磁束を生成させることができる。前記平面コイルの形状は、円形、楕円形、卵形、放物線状、双曲線状、又はそれらの組み合わせであってもよい。また、三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、又はそれらの組み合わせであってもよい。巻きは、時計回り、反時計回り、又はその両方の形式であってもよい。
【0096】
使用中に、当該機器は給電されなければならない。様々な電源が存在する。電池は、任意的に、体外又は体内に設置され、電気エネルギーに変換された化学エネルギーを用いて機器に給電する。また、電力は、無線で提供されてもよい。これは、結合された無線周波数アンテナ、音響トランスデューサ、光遺伝学、又は光電子工学を利用して実現されてもよい。
【0097】
更なる代替案として、内部発電機は、電池を再充電し、運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0098】
当該発電機は、その小さなサイズからナノ発電機と呼ばれ、様々な方式で動作することができる。例えば、圧電型、摩擦帯電型、又は焦電型である。圧電型及び摩擦帯電型ナノ発電機は、機械的エネルギーを電力に変換する。焦電型ナノ発電機は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換することができる。
【0099】
別の実施形態では、前記ナノ発電機が前記アレイに組み込まれてもよく、これによってIPGが必要でなくなる。
【0100】
別の実施形態では、前記機器は、間葉系幹細胞、エクソソーム及び第2メッセンジャーが40HzEMF周波数によって損傷の標的領域に移動するのを助けることにより、脊髄損傷(SCI)患者に使用することができる。
【0101】
別の実施形態では、当該機器は、超音波内視鏡の利用を含んでもよい。これは、介入療法又は手術のための標的組織の三次元イメージングを可能にする。当該マップは、当該機器のソフトウェアプログラミングに組み込まれる。これは現行の治療基準ではない。
【0102】
ACTIVEシステム=適応、計算、神経地図、イメージオーバーレイ(3D)、ベクトルオーバーレイ、硬膜外超音波。
【0103】
ADAPTIVE=人工知能、定義、適応、ペーシング、神経地図、画像(3D)、ベクトル、硬膜外超音波。
【0104】
別の実施形態では、円筒コイルは機器上の円盤に収容され、前記円盤が0から360度で回転し、これによって当該機器は電流又は渦電流を制御できるようになり、神経細胞(侵害受容器を含む神経細胞)と、神経節と、神経血管系と神経膠細胞との間に神経調節効果を提供する。前記回転する円盤は、前記硬膜外超音波を用いる3Dソフトウェアプログラム、及び術後イメージング、又はその両方に依存する場合がある。
【0105】
別の実施形態では、前記平面コイルは機器上の円盤に収容され、前記円盤が1つの軸又は複数の軸において傾斜し、これによって当該機器は電流又は渦電流を制御できるようになり、神経細胞(侵害受容器を含む神経細胞)と、神経節と、神経血管系と神経膠細胞との間に神経調節効果を提供する。前記傾斜する円盤は、前記硬膜外超音波を用いる3Dソフトウェアプログラム、及び術後イメージング、又はその両方に依存する場合がある。
【0106】
別の実施形態では、超音波、例えば、集束超音波(FUS)は、振幅調節によって中枢神経系、末梢神経系、交感神経系、副交感神経系の神経細胞と、神経節と神経膠細胞との間の相互作用に神経調節効果を生成させる神経調節を提供して、痛みを軽減させるために用いられてもよい。FUSは、1~20メガヘルツである。FUSは、低強度では抑制効果(抑制性介在神経細胞の発火増加)を提供し、また、高強度下では興奮性効果(興奮性神経細胞の発火率増加)を提供する。
【0107】
別の実施形態では、当該機器は、深部脳刺激(DBS)、腫瘍治療電場(TTF)、迷走神経刺激(てんかん、不整脈)、心臓伝導障害(心室不整脈、心房不整脈、心不全、洞不全症候群、失神/起立性頻脈症候群(POTS)、心臓移植)、睡眠時無呼吸、末梢神経刺激、脊髄損傷(40Hzの刺激を用いて幹細胞の標的への移動を引き起こす)、人工器官用生体電子工学、横隔膜ペーサーに用いられてもよい。
【0108】
別の実施形態では、当該機器は、ファイバー内視鏡を有してもよく、これによって、介入療法又は手術に対する実況録画が可能になる。これは現行の治療基準ではない。
【0109】
方法の観点から説明されている態様、特徴及び選択はいずれも前記システム、信号生成モジュール及び刺激機器に等しく適用されることが理解されよう。本明細書において説明されている上記の態様、特徴及び選択のいずれか1つ又は複数を組み合わせることができることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0110】
本発明は、図面と併せて検討する場合に、以下の詳細な説明を参照することにより、当業者に最もよく理解されるであろう。
【
図1A】
図1Aは、折り畳み可能な神経刺激装置に係る円筒形の実施形態の図を示す。
【
図1B】
図1Bは、幅において展開する折り畳み可能な神経刺激装置の挿入の図を示す。
【
図3】
図3は、折り畳み可能な神経刺激装置の挿入の解剖学的な図を示す。
【
図4】
図4は、折り畳み可能な神経刺激装置の挿入の拡大図を示す。
【
図5】
図5は、折り畳み可能な神経刺激装置への給電のための第1手段の概略図を示す。
【
図6】
図6は、折り畳み可能な神経刺激装置への給電のための第2手段の概略図を示す。
【
図7】
図7は、折り畳み可能な神経刺激装置への給電のための、そのリード線に組み込まれた第3手段の概略図を示す。
【
図8】
図8は、渦電流を有する閉ループ全方向性神経調節(CLONE)の実施形態に係る正面の等角図を示す。
【
図9】
図9は、渦電流を有する閉ループ全方向性神経調節(CLONE)の実施形態に係る背面の等角図を示す。
【
図10】
図10は、渦電流を有する閉ループ全方向性神経調節(CLONE)の実施形態に係る正面図及び側面図を示す。
【
図11】
図11は、渦電流を有する閉ループ全方向性神経調節(CLONE)に係る円筒形の実施形態の等角図を示す。
【
図12】
図12は、渦電流を有する閉ループ全方向性神経調節(CLONE)に係る円筒形の実施形態の側面図を示す。
【
図13】
図13は、電極として用いられる例示的なコイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0111】
本開示は、図面と併せて読むべき以下の説明を通じてより完全に理解されるであろう。当該説明では、同様の番号が本開示の様々な実施形態における同様の要素を指す。当業者は、本明細書に記載の方法、装置、及びシステムが単に例示的なものであり、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく変更を加えることができることを容易に理解するであろう。
【0112】
本明細書に開示される技術は、特定の状況では外科的な植え込みを必要とするかもしれないが、大量の外科的な介入療法及び医療費を必要とするものよりも好ましい低侵襲的手術により実現されてもよい。一実施形態では、リード線は、例えば、8から64と複数の電極の円筒形の配置を含む。前記リード線の直径は、標準的な臨床診療では、硬膜外針を用いる脊柱管への経皮的植え込みを可能にするのに十分小さくてもよい。前記電極は、窒化チタン、ホウ素ドープダイヤモンド(BDD)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、チオール-エンアクリレートポリマー、炭化ケイ素、白金-イリジウム合金などの生体適合性材料からできており、前記材料は耐腐食性である。例えば、8つの電極で実装された長さ50cmのリード線は1.35mmの直径を有してもよく、各円筒形電極の長さは3.0mmであり、電極間の間隔は4.0mmである。導線は、前記電極から前記リード線の前記遠位部分まで延在して金属コネクタに入ってもよい。前記導線は、擬弾性記憶金属、又はSMPなどの生体適合性材料からできている三重絶縁容器に封入されてもよい。
【0113】
次に、本発明の現行の好ましい実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明を通して、全ての図では、同じ参照番号が同じ要素を指す。
【0114】
折り畳み可能な神経刺激装置に係る円筒形の実施形態の図を示す
図1A及び
図1Bを参照する。
【0115】
折り畳み可能な神経刺激装置1は、ガイドワイヤー10と、リード線14に沿って設置された電極50を有するシース12とを含む(
図2を参照)。
【0116】
本体30は、第1ヒンジ32及び第2ヒンジ34に沿って折り畳まれる。
【0117】
折り畳み可能な神経刺激装置1は、第1アーム62と第2アーム64と折り畳み傾斜路66とを有する主要部分60から形成される。
【0118】
折り畳み可能な神経刺激装置の挿入を示す図である
図2を参照する。
【0119】
折り畳み可能な神経刺激装置1は、椎骨206の間の硬膜外腔を通して経皮的に挿入される。ガイドチューブ15は、リード線14を椎骨T12とL1との間にガイドする。当該挿入点は、例として示されるだけである。
【0120】
折り畳み可能な神経刺激装置の挿入の解剖学的な図及び拡大図を示す
図3及び
図4を参照する。
【0121】
折り畳み可能な神経刺激装置1は、経皮的硬膜外アプローチによって、椎骨206の間で、皮膚202を通して脊椎204へと患者200に挿入される。
【0122】
リード線14は、ガイドワイヤー10を通り過ぎて、シース12内の所定の位置に届く。
【0123】
折り畳み可能な神経刺激装置への給電のための手段の3つの概略図を示す
図5、
図6及び
図7を参照する。
【0124】
図5では、電源及び制御ユニット160が完全に内部にある。1つ又は複数の圧電発電機70のそれぞれは、カンチレバーアーム72と重り74とを含み、電力を生成させてIPG 90に蓄える。当該電力は、電力伝送ケーブル92を使用して折り畳み可能な神経刺激装置1に運ばれる。
【0125】
図6では、電力が摩擦帯電発電機80によって提供される。第2要素84に対する第1要素82の動きは、IPG 90に蓄える電力を生成させ、当該電力は、電力伝送ケーブル92によって、再び、折り畳み可能な神経刺激装置1に運ばれる。
【0126】
図7では、電力が摩擦帯電発電機80によって提供され、ただし、摩擦帯電発電機80は折り畳み可能な神経刺激装置1の本体に組み込まれる。前述したとおり、第2要素84に対する第1要素82の動きは、IPG 90に蓄える電力を生成させる。
【0127】
神経刺激装置の第2実施形態を示す
図8から
図10を参照する。
【0128】
神経刺激装置100は、縫合穴106を備える任意選択的なアーム104を有する本体102を含む。
【0129】
神経刺激装置100は、電気接点110を介して植込み型パルス発生器に接続される。接点110は、導線112を介して、アレイを横切って神経刺激装置100に電気信号を伝送し、又は電気信号を送り出す。
【0130】
前記リード線は、1つ又は複数の記録/参照電極120、第1磁気平面コイル122、第2磁気平面コイル124、陽極126及び陰極128を含む神経刺激装置100の構成要素に接続される。
【0131】
操作中に、植込み型パルス発生器は第1磁気平面コイル122及び第2磁気平面コイル124に磁気信号を発射させ、陽極126及び陰極128に電気信号を発射させる。結果としての誘発された複合活動電位は記録/参照電極120によって検知され、これは植込み型パルス発生器に報告される。当該植込み型パルス発生器は、結果データを処理し、応答を計算し、1組の後続の磁気及び電気信号を発する。当該プロセスは、最も効果的な痛みの軽減をもたらすために植込み型パルス発生器が信号伝達を継続的に最適化しながら、電力の蓄積を節約するために電力消費を管理する場合に繰り返される。
【0132】
折り畳み可能な神経刺激装置の円筒形の実施形態を示す
図11及び
図12を参照する。
【0133】
再び示されるのは、本体102と、記録/参照電極120と、第1磁気円筒コイル123と、第2磁気円筒コイル125と、陽極126と、陰極128とを有する神経刺激装置100である。
【0134】
例示的なコイルを示す
図13を参照する。電極50の実施形態は、平面コイル130及び円筒コイル132を含む。
【0135】
同等の要素は、実質的に同じ結果を得るよう実質的に同じ方法で実質的に同じように機能するように、上記の要素と置き換えてもよい。
【0136】
上記で説明されたシステム及び方法並びにその利点の多くは、上記の説明から理解されると考えられる。また、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、又はその重要な利点の全てを犠牲にすることなく、その構成要素の形態、構造、及び配置に様々な変更を加えることができることも自明であると考えられる。上記で説明されている形式は、単に例示的かつ説明的な実施形態に過ぎない。