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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029129
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】液体送達を推定する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20240227BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61M5/142
A61M5/14 580
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220292
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2022160784の分割
【原出願日】2012-12-21
(31)【優先権主張番号】61/651,322
(32)【優先日】2012-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/578,649
(32)【優先日】2011-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/578,674
(32)【優先日】2011-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/578,658
(32)【優先日】2011-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/679,117
(32)【優先日】2012-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/333,574
(32)【優先日】2011-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2011/66588
(32)【優先日】2011-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.アンドロイド
2.VERILOG
(71)【出願人】
【識別番号】594010009
【氏名又は名称】デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ケイメン、ディーン
(72)【発明者】
【氏名】カーウィン、ジョン・エム
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー、コリン・エイチ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】注射器ポンプを用いる液体送達のためのシステム、方法、及び装置に関する。
【解決手段】プランジャはシャフトに結合されたピストンを有し、貯蔵器の内面に摺動的に係合するように貯蔵器内に配置されている。そのピストンは、貯蔵器の液体側と貯蔵器の非液体側とを規定することにより、貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの移動がポートを通じて液体を排出する。ポンプは、参照容積アセンブリ及び/又は線形位置センサも含む。その参照容積アセンブリは、ポートに対して貯蔵器の反対側端部において貯蔵器へ結合されて、かつ、貯蔵器の非液体側へ音響的に連通する参照容積チャンバと、この参照容積チャンバ内に配置されたスピーカーと、参照容積チャンバ内に配置された参照マイクロフォンとを含む。参照容積アセンブリ及び/又は線形位置センサは貯蔵器から排出された液体の量を推定するのに使用し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプであって、
液体を送達するように構成された貯蔵器と、
前記貯蔵器に結合して、前記液体を排出するように構成されたポートと、
シャフトに結合されたピストンを有するプランジャであり、そのピストンは前記貯蔵器の内面に摺動係合するように前記貯蔵器内に配置され、前記ピストンは前記貯蔵器の液体側と前記貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記貯蔵器の前記液体側へ向かう前記プランジャの移動が前記ポートを通じて液体を排出するプランジャと、
前記シャフトの位置を検知するように構成された線形位置センサとを備える、
ポンプ。
【請求項2】
ハウジングを更に備え、前記貯蔵器は前記ハウジング内に配置され、かつ、前記プランジャは前記ハウジング内に配置されている、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記シャフトに結合されて前記プランジャを駆動するアクチュエータを更に備える、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項4】
ハウジングを更に備え、前記アクチュエータは前記ハウジング内に配置されている、
請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
ハウジングを更に備え、前記線形位置センサは前記ハウジング内に配置されている、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項6】
更なる液体を送達するように構成された更なる貯蔵器と、
前記更なる貯蔵器に結合されて、前記更なる液体を排出するように構成された更なるポートと、
更なるシャフトに結合された更なるピストンを有する更なるプランジャであり、その更なるピストンは前記更なる貯蔵器の内面に摺動係合するように前記更なる貯蔵器内に配置され、前記更なるピストンは前記更なる貯蔵器の液体側と前記更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記更なる貯蔵器の前記液体側へ向かう前記更なるプランジャの移動が前記更なるポートを通じて液体を排出する更なるプランジャと、
前記更なるシャフトの位置を検知するように構成された更なる線形位置センサとを備える、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項7】
マニホールドを更に備え、このマニホールドは、
前記ポートに接続した第1のコネクタ・ポートと、
前記更なるポートに接続した第2のコネクタ・ポートと、
排出ポートと、
第1及び第2のコネクタ・ポートを前記排出ポートへ一緒に流体的に接続している液体経路とを含んでなる、
請求項6に記載のポンプ。
【請求項8】
前記マニホールドは第1及び第2のコネクタ・ポートへ取り付け可能である、
請求項7に記載のポンプ。
【請求項9】
ハウジングを更に備え、前記貯蔵器及び前記更なる貯蔵器は前記ハウジング内に配置され、かつ、前記プランジャ及び前記更なる貯蔵器は前記ハウジング内に配置されている、
請求項6に記載のポンプ。
【請求項10】
前記シャフトに結合されて前記プランジャを駆動するアクチュエータと、
前記更なるシャフトに結合されて前記更なるプランジャを駆動する更なるアクチュエータとを更に備える、
請求項6に記載のポンプ。
【請求項11】
ハウジングを更に備え、前記アクチュエータ及び前記更なるアクチュエータが前記ハウジング内に配置されている、
請求項10に記載のポンプ。
【請求項12】
ハウジングを更に備え、前記線形位置センサ及び前記更なる線形位置センサが前記ハウジング内に配置されている、
請求項6に記載のポンプ。
【請求項13】
前記線形位置センサは前記シャフトへ結合された容量センサである、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項14】
前記線形位置センサは前記シャフトへ結合された線形光学センサである、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項15】
前記線形位置センサは、
前記シャフトに結合された光学的目標と、
前記光学的目標の範囲を判定することにより、前記シャフトの線形位置を推定するよう
に構成された光学的測距アセンブリとを含んでなる、
請求項1に記載のポンプ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は非仮出願であって、以下の優先権及びその利益を主張して特許協力条約の下に出願された国際出願である。
米国仮特許出願第61/578,649号、2011年12月21日出願、発明の名称「System,Method,and Apparatus for Infusing Fluid」(代理人整理番号J02)、
米国仮特許出願第61/578,658号、2011年12月21日出願、発明の名称「System,Method,and Apparatus for Estimating Liquid Delivery」(代理人整理番号J04)、
米国仮特許出願第61/578,674号、2011年12月21日出願、発明の名称「System,Method,and Apparatus forDispensing Oral Medications」(代理人整理番号J05)、
米国仮特許出願第61/651,322号、2012年 5月24日出願、発明の名称「System,Method,and Apparatus forElectronic Patient Care」(代理人整理番号J46)、及び、
米国仮特許出願第61/679,117号、2012年 8月 3日出願、発明の名称「System,Method,and Apparatus for Monitoring,Regulating,or Controling Fluid Flow」(代理人整理番号J30)、以上の各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
本出願は、以下の一部継続出願でもあり、その優先権及び利益を主張する。
米国特許出願第13/333,574号、2011年12月21日出願、発明の名称「System,Method,and Apparatus for Electronic Patient Care」、現在は米国出願公開公報第US-2012-0185267-A1号、2012年7月19日公開(代理人整理番号l97)、及び、
PCT出願第PCT/US11/66588号、2011年12月21日出願、発明の名称「System,Method,and Apparatus for Electronic Patient Care」(代理人整理番号l97WO)、これらの両方は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
本出願はこれと共に同日に出願された以下の特許出願の一つ以上にも関連する場合があり、その全ては参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれている。
「System,Method,and Apparatus for Clamping」についての非仮出願(代理人整理番号J47)
「System,Method,and Apparatus for Dispensing Oral Medications」についての非仮出願(代理人整理番号J74)、
「System,Method,and Apparatus for Estimating Liquid Delivery」についての非仮出願(代理人整理番号J75)、
「System,Method,and Apparatus for Infusing Fluid」についての非仮出願(代理人整理番号J76)、
「System,Method,and Apparatus for Infusing Fluid」についてのPCT出願(代理人整理番号J76WO)、
「System,Method,and Apparatus for Electronic Patient Care」についての非仮出願(代理人整理番号J77)、 「System,Method,and Apparatus for Electronic Patient Care」についての非仮出願(代理人整理番号J78)、 「System,Method,and Apparatus for Monitoring,Regulating,or Controling Fluid Flow」についての非仮出願(代理人整理番号J79)、
「System,Method,and Apparatus for Monitoring,Regulating,or Controling Fluid Flow」についてのPCT出願(代理人整理番号J79WO)、
「System,Method,and Apparatus for Estimating Liquid Delivery」についての非仮出願(代理人整理番号J81)、及び、
「System,Method,and Apparatus for Electronic Patient Care」についての非仮出願(代理人整理番号J85)。
背景
関連分野
【0002】
本開示事項は、ポンプに関するものである。更に詳しくは、本開示事項は、注射器ポンプを用いる液体送達のためのシステム、方法、及び装置に関する。
関連技術の説明
【0003】
注射器ポンプは、様々な医療用途、例えば液体医薬の静脈送達、例えば、長期間に亘る集中治療室(ICU)における患者のために用いられている。注射器ポンプは、針、管、又は他の付属品を注射器ポンプに取り付け可能であるように設計し得る。一般に注射器ポンプは、貯蔵器から液体を押すシャフトに取り付けられたプランジャを含む。貯蔵器は一端にポートを有するチューブ形構造の場合があり、プランジャは注射器ポンプから液体を押し出す(即ち排出する)ことができる。注射器ポンプはアクチュエータに結合することができ、このアクチュエータはプランジャを機械的に駆動して、患者への液体の送達を制御する。
【0004】
注射器ポンプは、鎮痛薬、制吐剤又は他の流体を含む様々な薬剤を送達するのにも使用し得る。薬物は、静脈液ラインを介して非常に速く(例えば、大量瞬時投与)又は長時間に亘って投与し得る。注射器ポンプが、非医学的な用途、例えば小型反応炉、試験、及び/又は化学処理用途において使用し得る。
概要
【0005】
本開示事項の一つの態様においては、ポンプは貯蔵器、ポート、プランジャ、及び参照ボリューム・アセンブリを含む。貯蔵器は、液体を送達するように構成されている。ポートは貯蔵器に結合して、液体を排出するように構成されている。プランジャは、シャフトに結合したピストンを含む。ピストンは、貯蔵器内に配置されて、貯蔵器の内面と摺動的に係合する。ピストンが貯蔵器の液体側と貯蔵器の非液体側とを規定することにより、貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの移動がポートを通じて液体を排出する。参照ボリューム・アセンブリは、ポートに対して貯蔵器の反対側端部において貯蔵器に結合されている。参照ボリューム・アセンブリは、参照容積チャンバ、スピーカー、及び参照マイクロフォンを含む。参照容積チャンバは、貯蔵器の非液体側と音響的に連通する。スピーカーは参照容積チャンバ内に配置され、かつ、参照マイクロフォンは参照容積チャンバ内に配置されている。可変音量マイクロフォンを貯蔵器内に配置して、貯蔵器内の音波を検出し、及び/又は参照ボリューム・アセンブリに配置して、貯蔵器内の音波を検出し得る。
【0006】
本開示事項の他の態様では、システムは、ポンプ(上述した如き)、アクチュエータ、線形位置センサ、及びプロセッサを含み得る。アクチュエータはポンプのシャフトに結合されてポンプを起動し、線形位置センサはシャフトへ結合されてシャフトの位置を検知する。プロセッサはアクチュエータ及び線形位置センサへ結合されて、シャフトの位置の関数として、排出された液体の量を推定する。
【0007】
他の態様においては、システムは、ポンプ(上述した如き)、可変ボリューム・マイクロフォン及びプロセッサを含み得る。可変ボリュームのマイクロフォンは、貯蔵器の非液体側内で音波を検出する。プロセッサは、スピーカーと参照及び可変ボリューム・マイクロフォンとに連動的に結合して、複数の音響周波数を生成し、可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響的フィードバックの関数として、排出された液体の量を推定するように指令する。
【0008】
本開示事項の更に他の態様においては、ポンプは、貯蔵器、ポート、プランジャ、更なる貯蔵器、更なるポート、更なるプランジャ、及び参照ボリューム・アセンブリを含む。
貯蔵器は、液体を送達するように構成されている。ポートは貯蔵器へ結合して、液体を排出するように構成されている。プランジャは、シャフトへ結合されたピストンを含む。ピストンは、貯蔵器内に配置されて、貯蔵器の内面と摺動的に係合する。ピストンは、貯蔵器の液体側と貯蔵器の非液体側とを規定することにより、貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの移動がポートを通じて液体を排出する。
【0009】
更なる貯蔵器は、更なる液体を送達するように構成されている。更なるポートは更なる貯蔵器に結合して、更なる液体を排出するように構成されている。
更なるプランジャは、更なるシャフトに結合した更なるピストンを含む。更なるピストンは、更なる貯蔵器内に配置されて、更なる貯蔵器の内面と摺動的に係合する。更なるピストンは、更なる貯蔵器の液体側及び更なる貯蔵器の非液体側を規定することにより、更なる貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの運動が更なるポートを通じて液体を排出する。
【0010】
参照ボリューム・アセンブリはポートに関して貯蔵器の反対側端において貯蔵器に結合し、かつ、参照ボリューム・アセンブリは更なるポートに関して更なる貯蔵器の反対側端における更なる貯蔵器に更に結合する。参照ボリューム・アセンブリは、参照容積チャンバ、スピーカー、及び参照マイクロフォンを含む。参照容積チャンバは貯蔵器の非液体側と音響的に連通し、かつ、参照容積チャンバは更なる貯蔵器の非液体側と音響的に連通している。スピーカーは参照容積チャンバ内に配置されると共に、参照マイクロフォンは参照容積チャンバ内に配置されている。選択的に、第1及び第2の貯蔵器の一つ以上は、参照ボリューム・アセンブリに取り付け可能である。
【0011】
本開示事項の他の態様においては、ポンプはマニホールドを含む。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポート、排出ポート、及び液体経路を含む。第1のコネクタ・ポートはポートに結合し、第2のコネクタ・ポートは更なるポートに結合する。液体経路は、第1及び第2のコネクタ・ポートを一緒に排出ポートに流体接続する。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポートに選択的に取り付け可能である。
【0012】
本開示事項の他の態様においては、ポンプは、貯蔵器内に又は参照ボリューム・アセンブリ上に配置された可変ボリューム・マイクロフォンを含み、貯蔵器内の音波を検知するように構成されている。ポンプは、参照ボリューム・アセンブリ上の更なる貯蔵器内に配置されて、更なる貯蔵器内で音波を検知するように構成された更なる可変ボリューム・マイクロフォンも含み得る。
【0013】
本開示事項の他の態様においては、液体送達を推定するためのシステムは、上述した如きポンプ、可変ボリューム・マイクロフォン、及びプロセッサを含む。可変ボリューム・マイクロフォンは、貯蔵器の非液体側内で音波を検知する。プロセッサは、スピーカーと、参照及び可変ボリューム・マイクロフォンとに連動的に結合する。プロセッサは、スピーカーに指令して複数の音響周波数を生成して、可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響的フィードバックの関数として、排出された液体の量を推定するように構成されている。
【0014】
本開示事項の更に他の態様においては、ポンプは、音響ハウジング、貯蔵器、ポート、プランジャ、及び参照ボリューム・アセンブリを含む。貯蔵器は液体を送達するように構成されて、音響ハウジング内に配置されている。ポートは貯蔵器に結合して、液体を排出するように構成されている。プランジャは、シャフトに結合されたピストンを有する。プランジャは音響ハウジング内に配置され、かつ、ピストンは貯蔵器内に貯蔵器の内面に摺動して係合するように配置されている。ピストンは貯蔵器の液体側と貯蔵器の非液体側とを規定することにより、貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの移動がポートを通じて液体を排出する。参照ボリューム・アセンブリは、音響ポートを通じて音響ハウジングに結合する。参照ボリューム・アセンブリは、参照容積チャンバ、スピーカー、及び参照マイクロフォンを含む。参照容積チャンバは、音響ポートを介して音響ハウジングと音響的に連通している。
スピーカーは参照容積チャンバ内に配置され、かつ、参照マイクロフォンは参照容積チャンバ内に配置されている。ポンプはプランジャを駆動するためにシャフトに結合されたアクチュエータも含むことがあり、このアクチュエータは音響ハウジング内に配置し得る。
【0015】
ポンプは、更なる貯蔵器、更なるポート、及び更なるプランジャも含み得る。更なる貯蔵器は更なる液体を送達するように構成され、かつ、更なる貯蔵器は音響ハウジング内に配置されている。更なるポートは更なる貯蔵器に結合して、更なる液体を排出するように構成されている。更なるプランジャは、更なるシャフトに結合された更なるピストンを有する。更なるプランジャは音響ハウジング内に配置され、かつ、更なるピストンは、更なる貯蔵器の内面に摺動して係合するように更なる貯蔵器内に配置されている。更なるピストンは、更なる貯蔵器の液体側と更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、更なる貯蔵器の液体側へ向かう更なるプランジャの移動が更なるポートを通じて液体を排出する。
【0016】
ポンプは、マニホールドを含み得る。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポート、排出ポート、及び液体経路を含む。第1のコネクタ・ポートはポートに結合し、かつ、第2のコネクタ・ポートは更なるポートに結合している。液体経路は、第1及び第2のコネクタ・ポートを排出ポートへ一緒に流体接続する。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポートに選択的に取り付け可能である。
【0017】
本開示事項の依然として更なる態様においては、液体の送達を推定するためのシステムは、ポンプ(上述の如き)、アクチュエータ、線形位置センサ、及びプロセッサを含む。
アクチュエータは、シャフトに結合されている。線形位置センサはシャフトに結合されて、シャフトの位置を検出するように構成されている。プロセッサはアクチュエータ及び線形位置センサに連動的に結合されて、シャフトの位置(例えば、線形位置センサーが判定したもの)の関数として、排出された液体の量を推定する。
【0018】
本開示事項の更なる態様においては、上述したように液体の送達を推定するためのシステムは、ポンプ(上述した如き)、可変ボリューム・マイクロフォン、及びプロセッサを含む。可変ボリューム・マイクロフォンは、貯蔵器の非液体側内で音波を検知する。プロセッサは、スピーカーと、参照及び可変ボリューム・マイクロフォンに連動的に結合する。プロセッサは、スピーカーに指令して、複数の音響周波数を生成して、可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響的フィードバックの関数として、排出された液体の量を推定するように構成されている。
【0019】
本開示事項の更に他の態様においては、ポンプは、音響ハウジング、更なる音響ハウジング、貯蔵器、ポート、プランジャ、更なる貯蔵器、更なるポート、更なるプランジャ、及び参照ボリューム・アセンブリを含む。貯蔵器は液体を送達するように構成されて、音響ハウジング内に配置される。ポートは貯蔵器に結合されて、液体を排出するように構成されている。プランジャは、シャフトに結合されたピストンを有する。プランジャは、音響ハウジング内に配置されている。ピストンは貯蔵器内に配置されて、貯蔵器の内面と摺動的に係合し、かつ、ピストンは、貯蔵器の液体側及び貯蔵器の非液体側とを規定することにより、貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの移動がポートを通じて液体を排出する。
更なる貯蔵器は、更なる液体を送達するように構成されている。更なる貯蔵器は、更なる音響ハウジング内に配置されている。更なるポートは更なる貯蔵器に結合して、更なる液体を排出するように構成されている。更なるプランジャは、更なるシャフトに結合された更なるピストンを有する。更なるプランジャは、更なる音響ハウジング内に配置される。
更なるピストンは、更なる貯蔵器の内面と摺動して係合するように更なる貯蔵器内に配置される。更なるピストンは、更なる貯蔵器の液体側と更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、更なる貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの移動が更なるポートを通じて液体を排出する。
【0020】
参照ボリューム・アセンブリは音響ポートを通じて音響ハウジングへ結合して、更なる音響ポートを通じて更なる音響ハウジングに結合する。参照ボリューム・アセンブリは、参照容積チャンバ、スピーカー、参照マイクロフォンを含む。参照容積チャンバは、音響ポートを介して音響ハウジングと音響的に連通する。参照容積チャンバは、更なる音響ポートを介して更なる音響ハウジングと音響的に連通する。スピーカーは、参照容積チャンバ内に配置される。参照マイクロフォンは、参照容積チャンバ内に配置されている。
【0021】
ポンプは、プランジャを作動させるためにシャフトに結合されたアクチュエータも含み得る。アクチュエータは、音響ハウジング内に配置し得る。ポンプは、更なるプランジャを作動させるために更なるシャフトに結合する更なるアクチュエータを含み得る。
【0022】
ポンプは、マニホールドも含み得る。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポート、排出ポート、及び液体経路を含む。第1のコネクタ・ポートはポートに結合し、かつ、第2のコネクタ・ポートは更なるポートに結合している。液体経路は、第1及び第2のコネクタ・ポートを一緒に排出ポートに流体接続する。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポートに選択的に取り付け可能である。
【0023】
本開示事項の依然として更なる態様においては、液体の送達を推定するためのシステムは、ポンプ(上述した如き)、アクチュエータ、線形位置センサ、及びプロセッサを含む。アクチュエータはシャフトに結合する。線形位置センサはシャフトに結合して、シャフトの位置を検知するように構成されている。プロセッサはアクチュエータ及び線形位置センサに連動的に結合して、シャフトの位置の関数として、排出された液体の量を推定するように構成されている。
【0024】
その依然として更に他の態様においては、液体の送達を推定するためのシステムは、ポンプ(上述の如き)、可変ボリューム・マイクロフォン、及びプロセッサを含む。可変ボリューム・マイクロフォンは、貯蔵器の非液体側内で音波を検知する。プロセッサは、スピーカーと参照及び可変ボリューム・マイクロフォンに連動的に結合する。プロセッサは、スピーカーに指令して、複数の音響周波数を生成して、可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響的フィードバックの関数として、排出された液体の量を推定するように構成されていれる。
【0025】
本開示事項の更なる態様においては、ポンプは、貯蔵器、ポート、プランジャ、及び線形位置センサを含む。貯蔵器は、液体を送達するように構成されている。ポートは貯蔵器に結合されて、液体を排出するように構成されている。
プランジャは、シャフトに結合されたピストンを有する。ピストンは、貯蔵器の内面と摺動して係合するように貯蔵器内に配置される。ピストンは、貯蔵器の液体側と貯蔵器の非液体側とを規定することにより、貯蔵器の液体側へ向かうプランジャの移動がポートを通じて液体を排出する。線形位置センサは、シャフトの位置を検出するように構成されている。
【0026】
ポンプはハウジングも含むこともあり、貯蔵器がハウジング内に配置され、かつ、プランジャはハウジング内に配置される。ポンプは、プランジャを作動させるためにシャフトに結合されたアクチュエータも含むことがあり、ハウジング内に配置されている。線形位置センサは、ハウジング内に配置されることがある。
【0027】
ポンプは、更なる貯蔵器、更なるポート、更なるプランジャ、及び更なる線形位置センサを更に含み得る。更なる貯蔵器は、更なる液体を送達するように構成されている。更なるポートは更なる貯蔵器に結合して、更なる液体を排出するように構成されている。更なるプランジャは、更なるシャフトに結合された更なるピストンを有する。更なるピストンは、更なる貯蔵器の内面に摺動して係合するように、更なる貯蔵器内に配置される。更なるピストンは、更なる貯蔵器の液体側と更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、更なる貯蔵器の液体側へ向かう更なるプランジャの移動が更なるポートを通じて液体を排出する。更なる線形位置センサは、更なるシャフトの位置を検出するように構成されている。
【0028】
ポンプは、マニホールドも含み得る。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポート、排出ポート、及び液体経路を含む。第1のコネクタ・ポートはポートに結合し、かつ、第2のコネクタ・ポートは更なるポートに結合している。液体経路は、第1及び第2のコネクタ・ポートを排出ポートに一緒に流体接続する。マニホールドは、第1及び第2のコネクタ・ポートに選択的に取り付け可能である。
【0029】
ポンプはハウジングも含むことがあり、貯蔵器及び更なる貯蔵器がハウジング内に配列され、かつ、プランジャ及び更なるプランジャもハウジング内に配列される。
【0030】
ポンプは、プランジャを作動させるためにシャフトに結合されたアクチュエータも含むことがあり、かつ、更なるアクチュエータは更なるプランジャを作動させるために更なるシャフトに接続されている。アクチュエータ及び更なるアクチュエータは、ハウジング内に配列し得る。線形位置センサ及び/又は更なる線形位置センサは、シャフト又は線形光学的位置センサに結合する容量センサである場合がある。線形位置センサ及び/又は更なる線形位置センサは、ハウジング内に配列し得る。
【0031】
本開示事項の或る態様においては、線形位置センサは、光学的目標及び光学的測距アセンブリを含む。光学的目標は、シャフトに結合している。光学的測距アセンブリは、光学的目標の範囲を判定することにより、シャフトの線形位置を推定するように構成されている。
【0032】
光学的目標は反射目標である場合があり、かつ、光学的測距アセンブリは反射目標を照明するように構成された照明器を含むことがあり、それによって反射目標の照明の反射からシャフトの線形位置を判定する。
【0033】
光学目標は光源である場合があり、かつ、光学的測距アセンブリは、光学的測距アセンブリにより測定された光源の測定強度からシャフトの線形位置を判定するように構成し得る。
【0034】
本開示事項の他の態様においては、液体の送達を推定するためのシステムは、ポンプ、アクチュエータ、及びプロセッサを含む。アクチュエータはシャフトに結合し、プロセッサは、アクチュエータ及び線形位置センサに連動的に結合し、シャフトの位置の関数として、排出された液体の量を推定する。
【0035】
本開示事項の依然として更に他の態様においては、本明細書に記載した一つ以上のポンプは、下記のように一つ以上の選択的な特徴を含み得る。本明細書に説明したポンプの一つ以上のピストンは、ピストンの周辺に沿って配列されるシールを含み得る。貯蔵器は、円筒形状である場合があり、それによって円形横断面を規定し、ピストンは、円形横断面に沿って貯蔵器の内面に係合することができる。貯蔵器は直方体形状である場合があり、それによって矩形状横断面を規定し、かつ、ピストンは矩形状横断面に沿って貯蔵器の内面に係合することができる。
【0036】
ポンプは、貯蔵器の非液体側に流体連通した排出口を含み得る。この排出口は、貯蔵器の外部から貯蔵器の非液体側を音響的に密閉するように更に構成し得る。
【0037】
本明細書に説明したポンプは、貯蔵器の非液体側と流体連通した一方向弁を含み得る。
この一方向弁は、貯蔵器の外部でから貯蔵器の非液体側へガスを入れることを可能にするように構成し得る。
【0038】
本明細書に説明された一つ以上のポンプは、プランジャを含むことがあり、これは完全排出位置と完全装填位置との間で可動であり、プランジャが完全排出位置と完全装填位置との間の何処かに位置しているとき、参照容積チャンバは貯蔵器の非液体側に流体連通する。
【0039】
本明細書に説明されたポンプは、シャフトを収容するように構成された配管を更に含む参照容積チャンバを含むことがある。シャフトは、配管と摺動係合し得る。配管はシールを更に含むことがあり、このシールはシャフトを収容して、シャフトが配管と係合するにつれて、貯蔵器の非液体側を音響的に密閉するように構成されている。参照ボリューム・アセンブリは、参照容積チャンバ及び貯蔵器の非液体側に音響的に連通する音響ポートを更に含み得る。
【0040】
本明細書に説明されるポンプは、可変ボリューム・マイクロフォンを含み得る。貯蔵器の非液体側は、可変ボリューム・マイクロフォンを貯蔵器の内面に取り付けるために収容するように構成されることがある。可変ボリューム・マイクロフォンは、貯蔵器の非液体側内で音波を検知するように構成されている。
付加的に又は代替的に、貯蔵器の非液体側内で音波を検知するために、可変ボリューム・マイクロフォンを参照ボリューム・アセンブリに取り付け得る。
【0041】
本明細書に説明されるアクチュエータは、線形アクチュエータ、ねじ型線形アクチュエータ、線形トラック・アクチュエータ、線形サーボモーター、リニア・ステッパー・モーター、リニアモーター又は或る他のアクチュエータである場合がある。
【0042】
本開示事項の依然として更なる態様においては、例えば、液体の送達を推定する方法は、一つ以上の行為を含む。即ち、(1)ポンプのプランジャを第1の位置に位置決めし、(2)音波を生成し、(3)音波を参照チャンバに適用し、(4)音波をポンプの貯蔵器の非液体側に伝え、(5)参照チャンバ内で音波を検知し、(6)ポンプの貯蔵器の非液体側で音波を検知し、(7)参照チャンバ内で検知された音波を貯蔵器の非液体側内で検知された音波と比較して、貯蔵器の液体側内の液体の第1の体積を判定し、(8)ポンプのプランジャを第2の位置へ作動し、(9)参照チャンバ内で検知された音波を貯蔵器の非液体側における検知された音波と比較して、貯蔵器の液体側内の液体の第2の体積を判定し、及び/又は(10)第1の体積を第2の体積と比較して、排出された液体の量を判定する。
【0043】
本開示事項の更に他の態様においては、注射器ポンプを準備するためのシステムは、監視クライアント、薬局コンピュータ、調合ロボット、注射器ポンプ、及びデータ・ダウンロード・デバイスを含む。注射器ポンプは、上述に若しくは本明細書で開示された何れかとし得る。監視クライアントは、ユーザー・インターフェースを介して処方の注文を伝えるように構成されている。薬局コンピュータは、監視クライアントと作動的に交信して処方の注文を受信する。調合ロボットは、処方の注文に対応する少なくとも一つの液体へ処方を調合するように構成されている。注射器ポンプは、処方の注文に対応する少なくとも一つの液体を受け取るように構成されている。データ・ダウンロード・デバイスは、錠剤ディスペンサーのメモリに処方の注文をダウンロードするように構成されている。注射器ポンプは、それに取り付けられた参照ボリュームを含む。調合ロボットは、注射器ポンプを少なくとも一つの液体で満たし得る。調合ロボットは、データ・ダウンロード・デバイスと作動的に交信し得る。調合ロボットは、データ・ダウンロード・デバイスに処方の注文を錠剤ディスペンサーのメモリにダウンロードするように指示することがある。データ・ダウンロード・デバイスは、調合ロボット及び/又は薬局コンピュータから処方の注文を受信し得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
これらと他の態様は、図面を参照する本開示事項の様々な実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【0045】
図1図1は、本開示事項の実施形態により注射器ポンプを有する電子式患者看護システムの図解である。
【0046】
図2図2は、本開示事項の実施形態により注射器ポンプを制御するためのシステムのブロック図である。
【0047】
図3図3は、参照ボリューム・アセンブリを本開示事項の実施形態によって注射器ポンプにより排出される液体の量を音響的に推定するために注射器ポンプの貯蔵器へ結合された参照ボリューム・アセンブリを有する注射器ポンプの図解を示す。
【0048】
図4図4は、本開示事項の実施形態により二つの貯蔵器とこれら貯蔵器に結合された参照ボリューム・アセンブリとを有し、注射器ポンプにより排出される液体の量を音響的に推定するための注射器ポンプの図解を示す。
【0049】
図5図5は、本開示事項の実施形態により音響ハウジング内に配置された二つの貯蔵器と、音響ハウジングに結合された参照ボリューム・アセンブリとを有し、注射器ポンプにより排出された液体の量を音響的に推定する注射器ポンプの図解を示す。
【0050】
図6図6は、本開示事項の実施形態により各々がそれぞれの音響ハウジング内に配置された二つの貯蔵器と、音響ハウジングに結合された参照ボリューム・アセンブリとを有し、注射器ポンプにより排出された液体の量を音響的に推定する注射器ポンプの図解を示す。
【0051】
図7図7は、本開示事項の実施形態により二つの貯蔵器と各々がそれぞれの貯蔵器のそれぞれのプランジャへ結合された二つの容量センサとを有し、注射器ポンプにより排出された液体の量を推定する注射器ポンプの図解を示す。
【0052】
図8図8は、本開示事項の実施形態により二つの貯蔵器と各々がそれぞれの貯蔵器のそれぞれのプランジャへ結合された二つの反射目標とを有し、光学的測距アセンブリを用いて注射器ポンプにより排出された液体の量を推定する注射器ポンプの図解を示す。
【0053】
図9図9は、本開示事項の実施形態により二つの貯蔵器と各々がそれぞれの貯蔵器のそれぞれのプランジャへ結合された二つの光源とを有し、光学的測距アセンブリの使用により、注射器ポンプにより排出された液体の量を推定する注射器ポンプの図解を示す。
【0054】
図10図10は、本開示事項の実施形態により二つの貯蔵器と各々がそれぞれの貯蔵器のそれぞれのプランジャへ結合された二つの線形光学位置センサとを有し、注射器ポンプにより排出された液体の量を推定する注射器ポンプの図解を示す。
【0055】
図11図11は、本開示事項の実施形態により液体の送達を推定する方法のフローチャート図を示す。
図12図12は、本開示事項の実施形態により液体の送達を推定する方法のフローチャート図を示す。
【詳細な説明】
【0056】
図1は、本開示事項の実施形態による電子式患者看護システム1の例示的な配置を示す。このシステム1は、監視クライアント2を含み、これはドック3及び11を介して多数の患者介護デバイスへリンクされ、液体の小バッグ5へ接続されてここから送達する注入ポンプ4、液体の大バッグ7へ接続されてここから送達する注入ポンプ6、小バッグ5から管系に接続している滴り検出デバイス8、及びマイクロ注入ポンプ9を含む。システム1は、監視クライアント2へ無線で接続している注射器ポンプ10も含む。或る実施形態においては、監視クライアント2は、これらの患者介護デバイスと、図1に示すように、有線形態で、注入ポンプ4及び6とマイクロ注入ポンプ9(ドック3及び11を介して)のために通信し得る。これに加えて又はこれに代えて、注射器ポンプ10と監視クライアント2の間で配線接続の欠如によって示唆されるように、監視クライアント2は無線で患者介護デバイスと通信し得る。
【0057】
或る実施形態においては、監視クライアント2と患者看護デバイスとの間の有線接続は、監視クライアント2から患者看護デバイスへ電力を供給するための機会を提供する。この例示的な実施形態においては、監視クライアント2は電子回路を含むことがあり、これは、監視クライアント2へ取り付けられたバッテリか、患者室内のコンセント(図示せず)から監視クライアント2へ供給された交流電流(「AC」)ライン電圧の何れかからの電圧を患者介護デバイスの動力へ変換するのに必要である。これに加えて又はこれに代えて、ドック3は、注入ポンプ4及び6へ、並びにマイクロ注入ポンプ9へ、例えばACライン電圧から生成された信号から電力を供給する。
【0058】
一つの実施形態においては、監視クライアント2は、各患者介護デバイスに関して情報を受信する能力があり、これはデバイスそれ自体から直接に、又は、ドッキング・ステーション、例えば患者看護デバイスが取り付けられ得るドック3を介しての何れかによってリンクされている。ドック3は、標準化された接続マウントを介して、又は、或る場合には、特定のデバイスのために個々に区別される接続マウントを介して、一つ以上の患者看護デバイスを収容するように構成されることがある。例えば、注入ポンプ4及び6は同様な接続マウントを介してドック3に取り付けられることがあるが、マイクロ注入ポンプ9は、例えば、マイクロ注入ポンプ9のハウジングの特定の寸法のために構成された接続マウントを介してドック3へ装着し得る。
【0059】
ドック3は、ドッキング・ステーションへ装着される特定の患者看護デバイスを電子的に認識するように、かつ、この認識情報を監視クライアント2へ無線又は有線接続の何れかで送信するように構成されることがある。これに加えて又はこれに代えて、無線患者看護デバイスは、認識情報を無線で監視クライアント2へ、例えば、発見プロトコルの間に、送信し得る。更に、特定の患者看護デバイスは監視クライアント2へ送信される処置情報(例えば、予め定められた注入液体のための注入速度のような患者処置パラメータ)により予めプログラムされている場合がある。例えば、注射器ポンプ10は認識情報と処置情報、例えばどのような薬物が患者へ処方されたか、どのような液体が注射器ポンプ10の貯蔵器内にあるか、どれ位の量でどれ位の長さで液体が患者へ送達されるように処方されたか、誰が許可された介護者であるかなどを含み得る。本開示事項の或る実施形態においては、監視クライアント2は、EMR記録と通信し、予めプログラムされた処置情報が特定された患者にとって安全であるか及び/又は予めプログラムされた処置情報がEMR記録に記憶された処方処置に整合するかを確かめる確認する。
【0060】
或る実施形態においては、滴り検出デバイス8は監視クライアント2と無線で又は有線接続で通信し得る。異常な液体の流れ状態が検出された(例えば、患者への管系の閉塞が生じたことによる)ならば、信号が監視クライアント2へ送信される場合があり、これは(1)液体容器5からの液体の流速をユーザー・インターフェースにおいて監視クライアント2上に局所的に、或いは、より離隔して看護婦ステーション又は携帯型通信デバイスにおけるユーザー・インターフェースへの何れかへ表示することがあり、(2)聴覚的又は可視的警報を起動することがあり、(4)注入を終了するか、さもなければ圧送速度を変化させるかの何れかにより、監視クライアント2にバッグ5へ接続されたポンプ4の注入速度を変えさせることがある。異常な液体の流れ状態は注入ポンプ4又は滴り検出デバイス8において可聴的な警報(及び/又は振動警報)を生じさせるか、或いは、注入ポンプ4に、例えば異常な液体流れ状態が操作の予め規定された範囲を超えたときに、圧送を変更若しくは停止させる。
【0061】
警報は同時に幾つかのデバイスに起こる場合があるか、予め定められた予定に続くことがある。例えば、閉塞が、注入ポンプ4に接続されたライン内で生じたとき、(1)滴り検出デバイス8は、その内蔵スピーカー及び内蔵振動モータを用いて警報を発し、(2)その後、注入ポンプ4がその内蔵スピーカー及び内蔵振動モータを用いて警報を発し、(3)次いで、監視クライアント2はその内蔵スピーカー及び内蔵振動モータを用いて警報を発し、(5)最後に、遠隔通信機(例えば、スマートフォン、ブラックベリー型電話、アンドロイド型電話、iPhone(登録商標)など)はその内蔵スピーカー及び内蔵振動モータを用いて警報を発する。或る実施形態においては、注射器ポンプ10は滴り検出デバイス8へ検出されて、上述したように異常な液体の流れ状態を検出する場合がある。
【0062】
或る実施形態においては、注射器ポンプ10は、監視クライアント2と圧送ポンプ10との間の通信チャンネル内の監視クライアント2における又は注射器ポンプ10それ自体における故障の何れかにより、予め定められた圧送速度が監視クライアント2と注射器ポンプ10との間で通信不良になったときに、操作を続けることを可能とするようにプログラム可能にし得る。或る実施形態においては、この独立機能選択は、システムの他の部位で故障が生じた場合に、注入される医薬が保持若しくは支持されるように予め指定されていないときに有効になる。或る実施形態においては、注射器ポンプ10は、フェイルセーフ・モードで独立に作動するようにプログラムされており、監視クライアント2を通じてではなく、滴り検出デバイス8から直接に情報を受信するように構成することもでき(例えば、滴り検出デバイス8が注射器ポンプ10と関連して使用される実施形態において)、この選択によれば、注射器ポンプ10は、或る実施形態においては、滴り検出デバイス8が異常流状態(例えば、注入ライン内に存在する自由流れ状態又は気泡など)を検出したならば、注入を停止させるようにプログラムされる場合がある。或る実施形態においては、一つ以上のポンプ4,6,及び10は内蔵液体流量計を有することがあり、及び/又は独立型デバイスとして独立に作動することができる。これに加えて又はこれに代えて、注射器ポンプ10の内蔵液体流量計は、デバイス8及び10が一緒に使用される実施形態において、監視クライアント2によって、滴り検出デバイス8の流量計により独立して測定し得る。
【0063】
監視クライアント2は、薬局へ処方も遠隔送信することもある。処方は、注射器ポンプ10を用いて流体を注入するための処方である場合がある。薬局は、ネットワーク、例えばインターネット、に接続している一つ以上のコンピュータを含むことがあり、処方を受信して、一つ以上のコンピュータ内で処方を待ち行列に入れる。薬局は処方を用いて医薬を調合し(例えば、一つ以上のコンピュータに接続された自動調合デバイスを用いて、又は、一つ以上のコンピュータの待ち行列を視認する薬剤師による手動)、注射器ポンプ10の流体貯蔵器又はカートリッジを予め充填して、及び/又は、薬局において処方に従って注射器ポンプ10をプログラムする(例えば、処置療法は注射器ポンプ10へプログラムされている)。貯蔵器又はカートリッジは自動調合デバイスにより自動的に充填されることがあり、及び/又は、注射器ポンプ10は自動調合デバイスにより自動的にプログラムされ得る。自動調合デバイスは、バーコード、RFIDタグ及び/又はデータを生成し得る。バーコード、RFIDタグ、及び/又はデータ内の情報は、処置療法、処方、及び/又は患者情報を含み得る。
自動調合デバイスは、バーコードを注射器ポンプ10に、或いは、貯蔵器、カートリッジ、又は注射器ポンプ10の使い捨て可能部分に取り付けられることがあり、及び/又は注射器ポンプ10内のRFIDタグ又はメモリ、或いは貯蔵器、カートリッジ、又は注射器ポンプ10の使い捨て可能部分を情報又はデータでプログラムする。このデータ又は情報はデータベースへ送信されることがあり、このデータベースは、注射器ポンプ10又は貯蔵器、カートリッジ、又は注射器ポンプ10の使い捨て部分による処方に、例えばバーコード、RFIDタグ又はメモリ内のシリアル番号又は他の認識情報を用いて関連している。
【0064】
注射器ポンプ10はスキャナ、例えば、注入ポンプ10の貯蔵器、使い捨て部分、又はカートリッジに問いかけるRFID質問器を有することがあり、流体貯蔵器内に正しい流体があるか、或いは正しい流体貯蔵器使い捨て可能な部分又はカートリッジであるか、注射器ポンプ10にプログラムされた処置は、流体貯蔵器使い捨て可能な部分又はカートリッジ内の流体に対応するか、及び/又は注射器ポンプ10及び注射器ポンプ10の貯蔵器使い捨て可能部分又はカートリッジは特定の患者に適切かを判定する(例えば、患者のバーコード、RFID又は他の患者の識別から判定される)。例えば、注射器ポンプ10により走査された貯蔵器使い捨て部分のシリアル番号は、電子医療記録内のシリアル番号と比較されて、電子医療記録内の患者のシリアル番号に正しく一致するか否かが判定され、注射器ポンプ10は患者のRFIDタグ又はバーコードを走査して患者のシリアル番号を獲得して、これも電子医療記録内のシリアル番号と比較する(例えば、注射器ポンプ10の貯蔵器使い捨て可能部分又はカートリッジのシリアル番号又は注射器ポンプ10のメモリ内に記憶されたシリアル番号は、電子医療記録内で走査された患者のシリアル番号に関連せねばならない)。或る特定の実施形態においては、シリアル番号が整合しないならば、注射器ポンプ10はエラー又は警報を発し得る。それに加えて又はそれに代えて、監視クライアント6は、貯蔵器、使い捨て可能部分、カートリッジ又は注射器ポンプ10を走査することがあり、的確な流体が流体貯蔵器内にあり、それが適切な流体貯蔵器であり、注射器ポンプ10へプログラムされた処置は、流体貯蔵器又はカートリッジ内の流体に対応し、及び/又は流体貯蔵器及び注射器ポンプ10は特定の患者について適切であること(例えば、患者のバーコード、RFID、又は他の患者の識別から判定されたものとして)を判定する。それに加えて又はそれに代えて、監視クライアント6又は注射器ポンプ10は、電子医療記録データベース及び/又は薬局に質問して処方を確認若しくは処方をダウンロードされることがあり、これには例えば、注射器ポンプ10、又は貯蔵器、カートリッジ、又は注射器ポンプ10の使い捨て可能部分におけるシリアル番号を用いる。
【0065】
患者へ送達されている液体は監視クライアント2により監視されることがあり、送達される全ての薬物が患者にとって安全か否かを判定する。例えば、監視クライアント2は注射器ポンプ10から送達される薬物を、注射器ポンプ10により監視クライアント2へ通信されるように、記録することがあり、監視クライアント2は注入ポンプ4及び6、及び/又はマイクロ注入ポンプ9により送達される薬物も記録し得る。監視クライアント1は記録されたデータから判定をなすこともあり、送達薬物の総計量及び形式が安全か否かを判定する。例えば、監視クライアント2は、IVバッグ5が注射器ポンプ10内の薬物に禁忌か否かを判定し得る。それに加えて又はそれに代えて、或る実施形態においては、監視クライアント2は、IVバッグ8内の液体の送達及び注射器ポンプ10により送達された一つ以上の急速静注を監視することがあり、全服用量が予め定められた閾値を越えるか否か、例えばIVバッグ5及び注射器ポンプ10内の医薬が同じ形式若しくは種類の薬物であるかを判定し、かつ、監視クライアント2は、薬物が患者へ送達されて組み合わされたときに安全か否かを判定し得る。注射器ポンプ10は注入ポンプ4及び6、及び/又はマイクロ注入ポンプ9と通信することがあり、同様な判定をなす。この例示的な実施形態においては、注射器ポンプ10はデバイスと直接に(無線又は有線通信を介して)又は監視クライアント2を通じて(無線又は有線通信を介して)通信することがある。本開示事項の或る実施形態においては、一つ以上の通信モジュール(例えば、各々が一つ以上のプロトコルによって通信する能力を有する)が注射器ポンプ10に接続されているか及び/又は一緒に接続されて、注射器ポンプ10へ接続されて、通信モジュールを介して注射器ポンプ10を通信可能とし得る。
【0066】
注射器ポンプ10は、タッチスクリーン・インターフェース11(これは取り外し可能な場合がある)、開始ボタン12、及び停止ボタン13を含む。
ユーザー・インターフェース11は、処置療法、例えば流量、急速静注量、又は他の処置パラメータをプログラムするのに使用し得る。処置療法が注射器ポンプ10にプログラムされた後、注射器ポンプ10はデータベース(例えば、電子医療記録(「EMR」)、薬物エラー低減システム(「DERS」)、又は他のデータベース)に問い合わせることがあり、処置療法が特定の患者について、又は、任意の患者について安全か否かを判定する。例えば、注射器ポンプ10はEMRデータベースへ問い合わせることがあり(例えば、無線リンク、有線リンク、WiFi、携帯電話ネットワーク、又は他の通信技術を介して)、EMR記録に記憶された患者情報(例えば、年齢、体重、アレルギー、体調など)に基づいて、注射器ポンプ10からの処置療法が安全か否かを判定する。それに加えて又はそれに代えて、注射器ポンプ10は、DERSデータベースへ問い合わせることがあり(例えば、無線リンク、有線リンク、WiFi、携帯電話ネットワーク、又は他の通信技術を介して)、DERS記録に予め定められた安全基準に基づいて、注射器ポンプ10からの処置療法が安全か否かを判定する。
【0067】
或る実施形態においては、処置療法が安全であると判定されたならば、督促が処置療法のユーザー確認を要請することがある。ユーザー確証の後、ユーザー(例えば、介護者、看護婦又は他の許可された人)は開始ボタン12を押すであろう。或る実施形態においては、停止ボタン13は、処置を止めるために、いつでも押し得る。
【0068】
或る実施形態においては、EMR及び/又はDERSが処置療法が基準の第1のセットを越えると判定するならば、処置はユーザーが処置を確認する(例えば、更なる警告、ユーザー・パスコード、及び/又は更なる認証又は認可、その他により)ならば、処置を続行し得る。この実施形態においては、EMR及び/又はDERSが、処置療法が基準の第2のセットを越える、例えばこの処置は或る状況下では任意の患者について安全ではないと判定するならば、EMR又はDERSは処置が送達されるのを防止し得る。
【0069】
図2は、本開示事項の実施形態により注射器ポンプを制御するためのシステム14のブロック図である。図2のシステム14は、図1の注射器ポンプ10、又は後述のように図3-10の注射器ポンプを制御するのに使用し得る。
【0070】
システム14は、一つ以上のセンサ15、制御システム16、駆動回路17、及びアクチュエータ18を含む。このシステム14は、アクチュエータ18を用いて、注射器ポンプ内のプランジャの位置を制御するように作動する。プロセッサ21は、アクチュエータ18を制御して、本明細書に説明された任意のプランジャでも作動させるであろう。例えば、アクチュエータ18は、図3のシャフト19(以下に説明する)に結合して、プランジャ20の位置を制御し得る。
【0071】
制御システム16は、メモリ22へ接続されたプロセッサ21を含む。プロセッサ21及びメモリ22は、直列接続、並列接続、メモリバス、又は他のデータ通信リンクを通じて一緒に結合し得る。プロセッサ21は一つ以上のコアを含むことがあり、任意の命令セットを使用することがあり、及び/又は、任意の命令セット・アーキテクチャ又はマイクロアーキテクチャを使用し得る。例えば、プロセッサ21は、フォン・ノイマン・アーキテクチャ、ハーヴァード・アーキテクチャを有することがあり、マイクロコントローラである場合があり、MIPS命令セット、RISC命令セット、及び/又はCISC命令セット、その他を使用し得る。
【0072】
制御システム16は、治療層23及び制御層24を含む。治療層23は、注射器ポンプ10からいつどれぐらいの液体が排出されたかを制御層24に指令し得る。例えば、治療層23は、制御層24に数分当たりの10ミリメートルの液体を排出するようになどを指令するであろう。治療層23は、患者への液体送達の停止時間及び開始時間も制御し得る。例えば、治療層23は、時間に基づく液体送達率プロファイルを含み得る。治療層23は液体排出率を制御層24へ、送達率を変化させる時間であることを示す液体送達率プロファイル内の値として、液体排出率を指令し得る。制御層24は治療層23から目標液体排出率を受信して、この目標液体排出率を制御ループにおける設定点として用い、アクチュエータ18の位置を制御して設定点に到達させる。例えば、制御層24は、比例積分微分(「PID」)制御アルゴリズムを実装することがあり、これは駆動回路17への出力と一つ以上のセンサ15、例えばピストン位置センサ25及び/又は容積センサ26からのフィードバックを有する。制御層24は、様々な実施形態においては、目標排出率、排出への目標容積、目標残留液体量、これらの何らかの組合せ等を有する場合がある。
【0073】
治療層23及び制御層24は、ハードウェア、ソフトウェア、プロセッサ21で実行されるソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、アセンブリ、仮想化、バイトコード、VHDL、Verilog、PLD内、CPLD内等、又はこれらの何らかの組み合わせに実装し得る。例えば、治療層23及び/又は制御層24は、メモリ22内に、一つ以上のプロセッサ21上で実行されるように構成されたプロセッサ21実行可能指令の操作セットとして記憶し得る。メモリ22は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードディスク、磁気ストレージ、フラッシュ・ストレージ、EEPROM、ROM、光メモリ、他の非一時的プロセッサ可読媒体等、又はそれらの何らかの組合せである場合がある。
【0074】
制御システム16は、アクチュエータ18を駆動する駆動回路17に一つ以上の信号を出力する。駆動回路17は、パワーMOSFETS、電圧変換器、パワー変換器、及び/又は制御システム16から指令を受信する付加的回路を含むことがあり、一つ以上の充分な信号をアクチュエータ18へ加える。アクチュエータ18が作動されると、センサ15は制御システム16により、ピストン位置センサ25及び/又は容積センサ26を含むフィードバックとして用いられる。ピストン位置センサ25は線形位置センサである場合があり、本明細書に説明した任意の位置センサと共に使用し得る。容積センサ26は、或る実施形態においては、音響容積検知(「AVS」)センサである場合があり、これは(本明細書に説明された任意の充分な注射器ポンプの)スピーカー、参照マイクロフォン、及び可変ボリューム・マイクロフォンと共に使用されて、排出された又は貯蔵器内に包含された液体の量を推定する。或る実施形態においては、センサ25と26とのうちの一方が使用され、両方が使用され、及び/又は何れも使用されない。
【0075】
図3は、本開示事項の実施形態により注射器ポンプ27によって排出された液体の量を音響的に推定するために注射器ポンプ27の貯蔵器29へ接続された参照容積アセンブリ28を有する注射器ポンプ27の図解を示す。注射器ポンプ27は、音響容積検知(「AVS」)を用いて、貯蔵器29の液体側31内の液体の容積を推定するか、及び/又は、スピーカー6、参照マイクロフォン37、及び可変ボリューム・マイクロフォン38を用いて貯蔵器29の液体側32から排出された液体を推定する。
【0076】
注射器ポンプは、貯蔵器29及びプランジャ20を含む。プランジャは、シャフト19及びピストン30を含み、そのピストンは貯蔵器29の内面と摺動係合する。シャフト19はシール41を通じて参照容積アセンブリ28を通過する。ピストン30は液体側31及び非液体側32を規定する。ピストン30がポート33へ向かって移動するにつれて、液体はポート33を通じて排出される。ピストン30は、ピストン30の周辺に沿って配置された一つ以上のシール34を含むことがあり、貯蔵器29の液体側31と非液体側32との間の充分な液体シールを与える。ポート33は、針、チューブ、マニホールドに接続されることがあり、及び/又はコネクタ、例えばそれに形成されたスクリュー型螺子を含み得る。
【0077】
参照容積アセンブリ28は、参照容積35を含む。参照容積35は、外気に対する小さなレーザー穿孔を有することがあり、ピストン30が移動するにつれて、参照容積35を空気で満たすようにされている。参照容積アセンブリ28も、スピーカー36、参照マイクロフォン37、及び可変ボリューム・マイクロフォン38を含む。スピーカー36は、参照容積35に適用される音波を発生させる。用語「音波」は、人間に認識できる周波数、人間に認識できない周波数、生体器官によって認識できない周波数、超音波周波数、音響周波数又は機械的振動の他の周波数における波を含み得る。音波は、音響ポート39を通じて可変容積40へ伝搬する。参照マイクロフォン37は参照容積35内の音波を検知し、かつ、可変ボリューム・マイクロフォン38は可変容積40内の音波を検知する。プロセッサ、例えば図2のプロセッサ21は、スピーカー36と、参照及び可変ボリューム・マイクロフォン37及び38と作動的に通信している。プロセッサ21はスピーカー36に指令して複数の音響周波数を生成して、参照マイクロフォン37及び可変ボリューム・マイクロフォン38で検知される音波の大きさ及び/又は位相を測定する。音響の反応は可変容積40の容積と相関することができ、例えば、共振周波数は可変容積40の容積と相関している場合がある。プロセッサは、貯蔵器29の所定の総容積から、(1)可変容積40の容積(音響応答から測定されたものとして)、(2)ピストン30により押しのけられた容積、及び(3)貯蔵器29内に位置するシャフトの体積を減じて、貯蔵器29の液体側31内に残っている液体31の容積を推定し得る。
【0078】
プロセッサ21は、スピーカー36、参照マイクロフォン37、及び可変ボリューム・マイクロフォン38を用いて、第1の掃引の間に流体の容積を推定し得る。プロセッサ21は次いでシャフト19を移動し(アクチュエータによる作動を介して)、第2の掃引をなし得る。プロセッサ21は二つのボリュームを比較して、シャフト19へ接続されたアクチュエータの起動の間、ポート33を通じて排出された液体の量を判定し得る。
【0079】
図4は、本開示事項の実施形態により、注射器ポンプ42により排出される液体の量を音響的に推定するために、二つの貯蔵器43及び44と、貯蔵器43及び44へ接続された参照容積アセンブリ45を有する注射器ポンプ42の図解を示す。注射器ポンプ42は音響容積検出(「AVS」)を用い、貯蔵器43の液体側55内の液体の容積、貯蔵器44の液体側56内の液体の容積、貯蔵器43の液体側55から排出された液体の容積、及び/又は貯蔵器44の液体側56から排出された液体の容積を、スピーカー51、参照マイクロフォン52、可変容積マイクロフォン54、及び可変容積マイクロフォン53を用いて推定し得る。
【0080】
注射器ポンプ42は貯蔵器43及び44を含み、これは注射器ポンプ42に対して取り付け可能及び/又は取り外し可能である場合がある。例えば、貯蔵器43及び44がハウジング69へ予め装填されてスナップ式に嵌まり、貯蔵器43及び44が参照容積アセンブリ45へスナップ式に嵌まる場合がある。或る実施形態においては、注射器ポンプ42は、ハウジング69及びキャップ70を選択的に含む。ハウジング69はキャップ70へ取り付け可能である場合があり、及び/又は、ハウジング69は他のキャップへ取り付け可能である場合がある。
【0081】
注射器ポンプ42は、参照容積アセンブリ45を含み、これは、二つの貯蔵器43及び44の非液体側47及び48へそれぞれ音響的に結合された参照容積チャンバ46を有する。参照容積チャンバ46は音響ポート49を介して貯蔵器43の非液体側47に結合され、かつ、参照容積チャンバ46はポート50を介して貯蔵器44の非液体側48に結合している。
【0082】
参照容積チャンバ46はスピーカー51と参照マイクロフォン52を含む。そして、それ両方は図2のプロセッサ21に結合する。参照容積アセンブリ45も、貯蔵器44の非液体側48内で音波を検出するように構成された可変ボリューム・マイクロフォン53と、貯蔵器43の非液体側47内で音波を検出するように構成された他の可変ボリューム・マイクロフォン54とを含む。二つの可変ボリューム・マイクロフォン53及び54は、図2のプロセッサ21に結合する。プロセッサ21は、シャフト57及び58の容積とピストン59及び60の容積を計上するであろう。
【0083】
注射器ポンプ42はマニホールド61も含み、これは貯蔵器43及び44のポート62及び63にそれぞれ接続され、排出ポート64への液体経路を設ける。マニホールド61は取り付け可能及び/又は使い捨てとし得る。排出ポート64は、針65、チューブ(図示せず)、フィッティング(図示せず)へ接続される場合があり、及び/又は任意の公知のコネクタ又はポートを含み得る。
針65は取り付け可能及び/又は使い捨てとし得る。
【0084】
図2のプロセッサ21はスピーカー51を用いて、複数の音響周波数を生成し、これは参照マイクロフォン52と、可変ボリューム・マイクロフォン53及び54により受信される。プロセッサ21は、非液体側47及び48の音響応答を用いて、それらの各々の容積を推定する。これら二つの値は、プロセッサ21により用いられ、二つの貯蔵器43及び44の液体側55及び56の容積が推定される。
【0085】
図5は、本開示事項の実施形態に従って注射器ポンプ66により排出された液体の量を音響的に推定するために、音響ハウジング71内に配置された二つの貯蔵器67及び68と、音響ハウジング71へ結合された参照容積アセンブリ29とを有する注射器ポンプ66の図解を示す。注射器ポンプ66は、音響容積検出(「AVS」)を用いて、貯蔵器67内の液体の容積、貯蔵器68内の液体の容積、貯蔵器67から排出された液体の容積、及び/又は貯蔵器68から排出された液体の容積を、スピーカー36,参照マイクロフォン37,及び可変容積マイクロフォン81を用いて推定する。音響ハウジング71は取り付け可能及び/又は使い捨て可能とし得る。例えば、音響ハウジング71は、ハウジング88へスナップ式に嵌合し得る。ハウジング88は再使用可能及び/又は使い捨て可能とし得る。マニホールド61及び/又は針109は、取り付け可能及び/又は使い捨て可能とし得る。保護スクリーン72は、破片が音響ポート39へ入る及び/又は影響を及ぼすのを防ぐ。
【0086】
注射器ポンプ66は、音響ハウジング71内に配置された貯蔵器67及び68を含む。
貯蔵器67は、その中に配置されたプランジャ73のピストン75を含む。貯蔵器76は、その中に配置されたプランジャ74のピストン76を含む。貯蔵器67は、その端部に取り付けられた停止体145を有し、ピストン75が貯蔵器67から出て行くのを防ぐ。
更に、貯蔵器68はその端部へ取り付けられた停止体146を有し、ピストン76が貯蔵器68から出て行くのを防ぐ。
【0087】
プランジャ73はシャフト77を含み、かつ、プランジャ74は、音響ハウジング71内に完全に配置されたシャフト78を含む。更に、一方のアクチュエータ79はシャフト77に結合されてシャフト77を駆動し、かつ、他方のアクチュエータ80はシャフト78へ結合されて、このシャフト78を駆動する。アクチュエータ79及び80と、二つのシャフト77及び78との両方は、図5に示される実施形態においては、音響ハウジング71内に配置される。シャフト77及び78と、アクチュエータ79及び80は音響ハウジング71内に配置されているので、シャフト77及び78とアクチュエータ79及び80の移動は(液体が排出されるにつれて)、(音響ハウジング71内に配置された可変ボリューム・マイクロフォン81を介して)図2のプロセッサ21により検出された容積に影響しないので、図5に示された実施形態においては、図2のプロセッサ21は、シャフト77及び80及び/又はアクチュエータ79及び80の移動に起因する可変容積を補償する必要はない。
【0088】
図6は注入ポンプ82の図解を示し、これは本開示事項の実施形態により、注射器ポンプ82により排出された液体の量を音響的に推定するために、各々が各音響ハウジング(85及び86)内に配置された二つの貯蔵器83及び84と、音響ハウジング85及び86に音響的に結合された参照容積アセンブリ87とを有する。注射器ポンプ82は音響容積検出(「AVS」)、貯蔵器83内の液体の容積、貯蔵器84内の液体の容積、貯蔵器83から排出された液体の容積、及び/又は貯蔵器84から排出された液体の容積を、スピーカー36,参照マイクロフォン37,可変容積マイクロフォン53,及び可変容積マイクロフォン54を用いて推定する。音響ハウジング85及び86は、取り外し可能、取り付け可能、ハウジング89に恒久的に取り付けられ、及び/又はハウジング89にスナップ式に嵌合する場合がある。それに加えて又はそれに代えて、貯蔵器83及び84は、取り外し可能、取り付け可能、使い捨て可能である場合があり、及び/又はハウジング89にスナップ式に嵌合される場合がある。マニホールド61及び針109は、取り付け可能及び/又は取り外し可能とし得る。注射器ポンプ82はシャフト91へ結合されたアクチュエータ90を含み、シャフト91を駆動する。プランジャ93のアクチュエータ90及び93は音響ハウジング85内に配置されているので、図2のプロセッサ21はシャフト91及び/又はアクチュエータ90の移動を考慮する必要はない。注射器ポンプ82は、シャフト94へ結合されたアクチュエータ92も含み、シャフト94を作動する。同様に、プランジャ95のアクチュエータ92及びシャフト95が音響ハウジング86内に配置されているならば、図2のプロセッサ21は、シャフト94及びアクチュエータ92の移動を考慮する必要はない。参照ボリューム・アセンブリ87は、一方の音響ポート96を介して音響ハウジング85へ、かつ、他方の音響のポート97を介して音響ハウジング86へ結合されている。
【0089】
図7は、注射器ポンプ98の図解を示し、これは本開示事項の実施形態により、注射器ポンプ98により排出された液体の量を推定するために、二つの貯蔵器99及び100と、各々が各貯蔵器(それぞれ99及び199)の各プランジャ103及び104へ接続された二つの容量センサ101及び102とを有する。注射器ポンプ98は、プランジャ103のシャフトへ結合されたアクチュエータ90を含み、プランジャ103を駆動する。
更に、注射器ポンプ98は、プランジャ104のシャフトに結合されたアクチュエータ92を含み、プランジャ104を駆動する。
【0090】
図2のプロセッサ21は、容量センサ101及び102へ結合されて、プランジャ103及び104の線形位置を判定して、貯蔵器99及び100内に残る容積を推定し得る。
例えば、プロセッサ21は貯蔵器をシリンダとしてモデル化し、容量センサ101及び102からのフィードバックが、それぞれ、どのようにプランジャ103及び104のピストン105及び106の位置に対応するかについて知り得る。即ち、ピストン15及び106の位置は、ピストン105の液体側をシリンダとしてモデル化することにより、貯蔵器99及び100の各々内の液体の容積を推定するのに使用し得る。
【0091】
注射器ポンプ98はハウジング107も含み、これは非使い捨てハウジング108から取り外し可能及び/又は使い捨て可能とし得る。それに加えて又はそれに代えて、注射器ポンプ98はマニホールド153も含み、これは非使い捨てのハウジング108から取り外し可能及び/又は使い捨可能とし得る。注射器ポンプ98は、マニホールド108に結合された針109も選択的に含むことがある。この針109は取り外し可能及び/又は使い捨て可能とし得る。
【0092】
図8は、注射器ポンプ110の図解を示し、これは本開示事項の実施形態により、光学的測距アセンブリ115を用いて注射器ポンプ110により排出された液体の量を推定するために、二つの貯蔵器111及び112と、各貯蔵器(それぞれ111及び112)の各プランジャ118及び119へ各々が結合された二つの光学的目標113及び114とを有する。注射器ポンプ110はハウジング154を含み、これは外側ハウジング155に対して取り付け可能及び/又は取り外し可能(例えば使い捨て可能)とし得る。それに加えて又はそれに代えて、貯蔵器111及び112はハウジング154に対して取り付け可能及び/又は取り外し可能とし得る(かつ、使い捨て可能とし得る)。マニホールド153及び/又は針109は、取り付け可能、取り外し可能、及び/又は使い捨て可能とし得る。
【0093】
注射器ポンプ110は、プランジャ118のシャフトへ接続されたアクチュエータ90を含み、プランジャ118を駆動する。更に、注射器ポンプ110は、プランジャ119のシャフトに結合するアクチュエータ92を含み、プランジャ119を駆動する。
【0094】
図2のプロセッサ21は、図7の実施形態で示したのと同様な方式で貯蔵器111及び112における液体の量を推定し得る。光学的測距アセンブリは、二つの照明器/センサ116及び117を含む。照明器/センサ116は光学的目標113へ光を照射し、これは照明器/センサ116へ反射される。光学的測距アセンブリ115は、飛行時間及び/又は強度を用いて、プランジャ118の位置を推定し得る。同様に、照明器/センサ117は光学的目標114に光を照射し、これは照明器/センサ117へ反射される。光学的測距アセンブリ115は、飛行時間及び/又は受け取られた強度を用いて、プランジャ119の位置を推定し得る。
【0095】
照明器/センサ116及び117からの光はLEDからのものとするか、赤外線、可視光又は不可視光とする場合があり、例えば電力節約などのために調整し得る。
【0096】
図9は、注射器ポンプ120の図解を示し、これは本開示事項の実施形態により、注射器ポンプにより排出された液体の量を推定するために、二つの貯蔵器121及び122と、光学的測距アセンブリ125と共に使用するために各貯蔵器(それぞれ121及び122)のそれぞれのプランジャ126及び127へ各々が結合された二つの光源123及び124を有する。注射器ポンプ120は、ハウジング156を含み、これは外側ハウジング157に対して取り付け可能及び/又は取り外し可能(例えば、使い捨て可能)とし得る。それに加えて又はそれに代えて、貯蔵器121及び122は、ハウジング156に対して取り付け可能及び/又は取り外し可能である場合があり(また、使い捨て可能とし得る)。マニホールド153及び/又は針109は、取り付け可能、取り外し可能、及び/又は使い捨て可能とし得る。注射器ポンプ120は、プランジャ126のシャフトに結合されたアクチュエータ90を含み、プランジャ126を駆動させる。また、注射器ポンプ120もプランジャ127のシャフトに結合されたアクチュエータ92を含み、プランジャ127を駆動させる。
【0097】
光学的測距アセンブリ126は、センサ128及び160を含む。センサ128及び160は光源123及び124(例えば、LED)の強度を測定し、この測定された強度がプランジャ126及び127の位置に相関する。プロセッサ21は光源123及び124を変調することがあり、光源123及び124の一方のみが各センサ128及び160の測定期間中に有効になるようにする。或る実施形態においては、センサ128と160との両方が(プランジャ126及び127のうちの)それぞれのプランジャの位置を推定するのに用いられる間、光源123及び124の一方が有効である場合がある。
【0098】
図10は、注射器ポンプ129の図解を示し、これは本開示事項の実施形態により注射器ポンプ129により排出される液体の量を推定するために、二つの貯蔵器130及び131と、それぞれの貯蔵器(即ち、それぞれ130及び131)のそれぞれのプランジャ(即ち、それぞれ134及び135)へ各々が接続された二つの線形光学的位置センサ132及び133とを有する。
【0099】
注射器ポンプ129は、ハウジング158を含み、これは外側ハウジング159に対して取り付け可能及び/又は取り外し可能(例えば、使い捨て可能)とし得る。それに加えて又はそれに代えて、貯蔵器130及び131は、ハウジング158に対して取り付け可能及び/又は取り外し可能である場合がある(また、使い捨て可能である場合がある)。
マニホールド153及び/又は針109は、取り付け可能、取り外し可能、及び/又は使い捨て可能とし得る。
【0100】
線形光学的位置センサ132及び133は、線形光学エンコーダとし得る。図2のプロセッサ21は線形光学的位置センサ132及び133からのフィードバックを用いて、各貯蔵器130及び131内の液体の量を推定し、これは例えば、シリンダ容積近似、又は他の幾何学近似による。
【0101】
図11-12は、本開示事項の実施形態により液体の送達を推定する方法136のフローチャート図を示す。この方法136は、本明細書に開示された任意のポンプ、例えば、図1の注射器ポンプ10、図3の注射器ポンプ27、図4の注射器ポンプ42、図5の注射器ポンプ66、図6の注射器ポンプ82、図7の注射器ポンプ98、図8の注射器ポンプ110、図9の注射器ポンプ120、及び/又は図10の注射器ポンプ129と共に使用し得る。
【0102】
行為137は、ポンプのプランジャを第1の位置に置く。行為138は、音波を発生させる。行為139は、音波を参照チャンバへ適用する。行為140は、ポンプの貯蔵器の非液体側へ音波を伝える。行為141は、参照チャンバ内で音波を検知する。行為142は、ポンプの貯蔵器の非液体側において音波を検知する。行為143は、参照チャンバ内の検知された音波を貯蔵器の液体側内の検知された音波と比較して、貯蔵器の液体側内の液体の第1の容積を判定する。行為144は、ポンプのプランジャを第2の位置へ駆動させる。行為147は、音波を参照チャンバへ適用する。行為148は、音波をポンプの貯蔵器の非液体側へ適用する。行為149は、参照チャンバ内で音波を検知する。行為150は、ポンプの貯蔵器の非液体側内で音波を検知する。行為151は、参照ャンバ内の検知された音波を貯蔵器の非液体側内の検知された音波と比較して、貯蔵器の液体側内の液体の第2の容積を判定する。行為152は、第1の容積を第2の容積と比較して、排出された液体の量を測定する。
音響容積検知
【0103】
以下の説明は音響容積検知を説明し、これは図2のプロセッサ21により、注射器ポンプ、例えば図3の注射器ポンプ27、図3の注射器ポンプ42、図5の注射器ポンプ66、及び/又は図6の注射器ポンプ82のスピーカー及び二つのマイクロフォン(例えば、参照マイクロフォン及び可変ボリューム・マイクロフォン)により実行され得る。AVSは本明細書に開示された貯蔵器内の液体を推定し、本明細書に開示された貯蔵器から排出された液体を推定し、及び/又は本明細書に開示された貯蔵器の液体排出率を推定するのに用いられ得る。表1は、以下のように様々な条件の定義を示す。
【表1】
【0104】
音響容積センサ(「AVS」)は、AVSチャンバ、例えば、音響ハウジング又は、貯蔵器内その他の貯蔵器の非液体側により押しのけられた液体容積を測定する。このセンサは液体容積を直接に測定しないが、その代わりにAVSチャンバ内の空気の可変容積V2を測定し、AVSチャンバの総容積一定のままであるならば、V2における変化は液体容積の変化の正反対である。AVSチャンバは、音響ポートを越える可変ボリューム・マイクロフォンと流体連通する空気の容積である。例えば、図3において、貯蔵器29の非液体側32は可変的容積であり、かつ、参照ボリューム35はV1である。
【0105】
空気の容積V2は、音響共鳴を用いて計測される。時間変動圧力は、スピーカーを使用して、参照チャンバの一定容積V1において確立される。この圧力摂動は二つの容積を接続している音響ポートにおいて周期的な気流を引き起こし、これは次いで可変容積における圧力摂動を引き起こす。システム力学は、ヘルムホルツ発振器のそれらに類似しており、二つの容積は、一緒に「弾力」として、共鳴質量として容積を接続するポートにおける空気の働きをする。この共鳴の固有振動数は、ポート幾何形状、音速、及び可変容積の関数である。ポート幾何形状は一定であり、音速は温度を測定することによって見いだされるので、これらの二つのパラメータが与えられれば、可変容積は固有振動数から見いだすことができる。本開示事項の或る実施形態においては、温度センサが音響ハウジング内及び/又は貯蔵器の非液体側内で使用される。或る実施形態においては、温度は予め定められた一定値であると考えられて、例えば、室温、その他であるとみなされる。
【0106】
システムの固有振動数は、スピーカーによって形成された異なる周波数摂動に対する二つの容積における圧力の相対的反応を測定することにより推定される。代表的なAVS測定は、初期測定をすることから成る。次いで液体は一つ以上の貯蔵器の液体側から解放されて、患者へ送達される(その後、第2の容積定がなされる)。これらの測定の間の差異は、患者へ送達される液体の容積である。或る実施形態においては、測定は、一つ以上の貯蔵器の液体側が満たされる前及び/又は液体を排出するに先だってなされて、例えば注射器ポンプが予め装填されたとき、流体システムの何らかの不具合を検出する。
【0107】
AVS測定は、以下の行為によって生じる場合がある。即ち、(1)プロセッサ21はAVSエレクトロニクスへの電源をオンにして、図2のプロセッサ21のADCを有効にして、AVSアルゴリズムを初期化し、(2)AVS測定は、幾つかの異なる周波数におけるデータを集めることから成り、(3)選択的に温度を測定し、(4)次いで、収集されたデータに基づいて評価ルーチンを実行して、貯蔵器の液体側における液体の容積を推定する。
【0108】
各々の周波数におけるデータを集めるために、スピーカーは目標周波数において正弦的に駆動され、測定値は整数の波長に亘って二つのマイクロフォン、例えば、参照マイクロフォンと可変ボリューム・マイクロフォン(先述の如し)からなされる。一旦データが集められるならば、図1のプロセッサ21はデータに離散フーリエ変換アルゴリズムを実行して、マイクロフォンからの時系列データを一つの複素振幅へ切り換える。完全性チェックは、マイクロフォンからのデータに実行され、そのデータが有効であるか否か、例えば、共鳴が予め定められた位相及び/又は音響周波数内であるか否かを判定する。
【0109】
周波数測定は、幾つかの異なる周波数でなされる。この正弦掃引は、可変容積を推定するための推定ルーチンにより用いられる。推定が終了した後、他の完全性チェックが、図2のプロセッサ21による二次的チェックを含めて、全ての正弦掃引に関して実行され得る。
【0110】
或る実施形態においては、図2のプロセッサ21が測定完全性を確認した後、容積推定は終えられて、センサは電源を切られる。
【0111】
AVS共鳴モデル
【0112】
AVSシステムのための支配方程式は、幾つかの単純化した仮定を与えられる第1の原理から見いだすことができる。このシステムは、理想化された音響ポートにより接続された二つの線形化音響容積としてモデル化される。
【0113】
音響容積モデル化
【0114】
理想的な断熱的ガスの圧力及び容積は、以下のように式1によって関係付けることができる。
【0115】
【数1】
【0116】
ここでKはシステムの初期条件によって定義される定数である。式1は平均圧力P、容積V、及びこれらの圧力p(t),v(t)の頂部における小さな時間依存摂動の項により、以下のように式2として示されるように記述することができる。
【0117】
【数2】
【0118】
式2を微分すると、以下のように式3をもたらす。
【0119】
【数3】
【0120】
式3は、以下の式4へ単純化される。
【0121】
【数4】
【0122】
音響圧力レベルが周囲圧力より非常に小さいならば、式4は以下のように式5へ更に単純化することができる。
【0123】
【数5】
【0124】
断熱的な関係を用いて、式6を以下のように示すことができる。
【0125】
【数6】
【0126】
従って、誤差仮定は以下のように式7で示される。
【0127】
【数7】
【0128】
非常に大きな音響信号(例えば、120 dB)は、およそ20 Pascalの振幅で、圧力正弦波に一致する。大気状態における空気がγ=1.4及びP=101325Paのパラメータを有すると仮定すると、結果として生じる誤差は0.03%である。dBからPaへの転換は、以下のように式8で示される。
【0129】
【数8】
【0130】
ここで、Pref=20・μPaである。
【0131】
理想気体法則P=ρRTを適用し、圧力について代入すると、以下のように式9で示される結果が与えられる。
【0132】
【数9】
【0133】
これは、以下のように式10で音速の項で記述することができる。
【0134】
【数10】
【0135】
そして、式10に式9を代入すると、以下のように式11がもたらされる。
【0136】
【数11】
【0137】
容積についての音響インピーダンスは、以下のように式12で定義される。
【0138】
【数12】
【0139】
音響ポートモデル化
【0140】
ポート内の全ての流体が軸方向に往復運動している剛体のシリンダとして基本的に移動する仮定して、音響ポートはモデル化される。チャンネル内の全ての流体が同じ速度で移動すると仮定し、チャンネルは定常的な横断面であると仮定し、チャンネルに入出する流体から生じる終端効果は無視する。
【0141】
形態
【数13】
の層流摩擦と仮定するならば、チャンネル内の流体の質量に働く摩擦力は次のように記述することができる。
【数14】
【0142】
二次微分方程式は、以下のように式13で示されるようにチャンネル内の流体の力学について記述することができる。
【0143】
【数15】
【0144】
或いは、容積流量率の項は以下のように式14に示される。
【0145】
【数16】
【0146】
チャンネルの音響インピーダンスは、式15に示すように記述することができる。
【0147】
【数17】
【0148】
システム移転機能
【0149】
容積を用いてポート力学が上述のように規定されるならば、AVSシステムは、式16-19の以下のシステムによって説明することができる。
【0150】
【数18】
【0151】
【数19】
【0152】
【数20】
及び、
【0153】
【数21】
【0154】
を入力として処理し、
【数22】
に代入すると、式20-22に示されるように一つの式は省略することができる。
【0155】
【数23】
【0156】
【数24】
及び、
【0157】
【数25】
【0158】
音響ポートの各々の側における二つの容積の間の関係は、クロス・ポート移動関数と称される。この関係は、以下のように式23に示される。
【0159】
【数26】
【0160】
ここで
【数27】
かつ、
【数28】
である。
【0161】
この関係は、極が可変容積にのみ依存し、参照容積には依存しないという利点を有する。共鳴ピークが参照容積圧力の応答においてゼロの反転に実際に起因することに留意されたい。これは、参照チャンバにおける圧力測定が、測定において雑音に影響し得る共鳴の近傍で低振幅を有することを意味する。
【0162】
共鳴Q因子及びピーク応答
【0163】
共鳴の音質は、パワー損失に共振周波数を乗じたものに対して保存されたエネルギの比である。純粋な二次システムについては、音質因子は式24で示されるダンピング比率の関数として表すことができる。
【0164】
【数29】
【0165】
低周波数応答に対するピーク応答の比は式25で示されるダンピング比率の関数として記述することもできる。
【0166】
【数30】
【0167】
これは、ダンプされた固有振動数
【数31】
において生じる。
【0168】
電気的及び機械的類似
【0169】
音響共鳴器は、スプリング-質量-ダンパー・システム又はLRC回路の何れか、例えば、直列に一緒に接続された抵抗、誘導子及びキャパシタに類似している。
【0170】
複素応答の計算
【0171】
AVSを実行するために、システムはスピーカーにより設定された音響波に対する二つのマイクロフォンの相対的応答を得なければならない。これは、既知の周波数において正弦波出力でスピーカーを駆動することにより達成され、次いで各々のマイクロフォンの複素応答は、その駆動周波数において見いだされる。最後に、二つのマイクロフォンの相対的な応答が見いだされて、図2のプロセッサ21に結合されたアナログ-デジタル変換器のサンプリングを交番させるために修正される。
【0172】
更に、総信号差異が計算されて、離散フーリエ変換(「DFT」)を用いて抽出された純音の差異と比較される。これは、雑音源又は歪みから到来する信号パワーがどれ位多いかの測定を与える。本開示事項の或る実施形態においては、この値は、不良な測定を拒絶して繰り返すのに用いることができる。
【0173】
離散フーリエ変換の計算
【0174】
各々のマイクロフォンからの信号はスピーカーに対する出力に同期してサンプリングされ、一定数の点(N)が波長について採取される。波長における各点において測定された信号は、波長Mの整数に亘って合計され、その周波数についての全てのデータが集められたあと、図2のプロセッサ21における割り込み処理ルーチン(「ISR」)によるて配列xに保存される。
【0175】
離散フーリエ変換は、スピーカーの駆動周波数に対応している整数値においてデータになされる。DFTの第1の倍音の一般的な表式は、以下の式26の通りである。
【0176】
【数32】
【0177】
積MNは点の総数であり、2の倍数が加えられて、答えの結果的な実数及び虚数部分は、式27で示される正弦波の振幅に匹敵する。
【0178】
【数33】
【0179】
この表式のこの実数部分は、式28に示される。
【0180】
【数34】
【0181】
DFTを計算するために必要な計算の数を低減するために、余弦関数の対称性を利用することができる。上述の表式は以下のように式29に等しい。
【0182】
【数35】
【0183】
同様に、式の虚数部分は以下のように式30に示される。
【0184】
【数36】
これは式31として表し得る。
【0185】
【数37】
【0186】
その駆動周波数における信号の差異は以下のように式32に示される。
【0187】
【数38】
【0188】
トーン差異は駆動周波数における音響出力と比例している。xの実数及び虚数部分の最大可能値は、211であり、これはA/Dレンジの半分に対応する。トーン差異の値は、221であり、A/Dレンジの二乗の半分である。
【0189】
総信号相違の計算
【0190】
測定値の完全性の良好な測定値は、全ての周波数における総音響パワーに関して駆動周波数における音響パワーの比である。総信号差異は、式33の表現によって与えられる。
【0191】
【数39】
【0192】
しかしながら、或る特定の実施形態においては、加重はA/D割り込みサービス・ルーチン(ISR)に実行され、そこには時間的制約があり、及び/又は、マイクロフォン・データの全てを後処理に備えて記憶せねばならない。或る実施形態においては、効率を増大させるために、偽差異は、一つの平均化波長に基づいて計算される。信号の偽差異は、以下のように式34に示される以下の関係を用いて計算される。
【0193】
【数40】
【0194】
結果は、AD総数平方の単位にある。加重は12ビットのADCについて、
【数41】
の次数になされる。N<2=128かつM<2=64であるならば、加重は243未満であり、64ビット整数に記憶することができる。差異の最大可能値は、ADCが0と212との値の間で振動するならば、各連続標本にもたらされる。これは
【数42】
のピーク差異をもたらし、その結果は符号付32ビット整数のQ9分解能の最大値において記憶することができる。
【0195】
相対的マイクロフォン応答の計算
【0196】
次いで、二つのマイクロフォンの相対的応答Gが式35-37に示される個々のマイクロフォンの複素応答から計算される。
【0197】
【数43】
【0198】
【数44】
【0199】
【数45】
【0200】
何れの表式の分母も前節で計算されて、式38.で以下のように示される参照トーン差異の項で表することができる。
【0201】
【数46】
【0202】
A/D歪みのための修正
【0203】
スピーカー出力は、サンプルにつき一定の32回につき更新され得る。例えば、駆動周波数が変化するにつれて、スピーカー出力周波数も一定の32サイクルを維持するために更新される。二つのマイクロフォンはスピーカー出力に同期してサンプリングされ、サンプリング周波数は駆動周波数の一定の間隔に留まる。しかしながら、マイクロフォンA/D測定は、同時にサンプリングされず、A/D ISRは二つのマイクロフォンの間で交番し、各々のマイクロフォンについて波長毎にNサンプルの合計を採る。その結果は、π/Nの二つのマイクロフォンの間の位相オフセットである。この位相オフセットを修正するために、複雑回転が,前節で計算された相対的周波数応答には適用される。
【0204】
角度π/Nを複素数回転させるために、それに次式が乗じられる。
【数47】
その結果は、以下のように式39で示される。
【0205】
【数48】
【0206】
時間遅延
【0207】
或る実施形態においては、AVS式を導くとき、仮定の一つは、圧力が音響のボリュームにおいて均一であることである。音響波長がAVSチャンバの寸法と比較して大きいならば、この仮定は真である。所定の周波数における音波の波長は、以下の式40により計算することができる:
【0208】
【数49】
【0209】
例えば、波長は、1kHzにおいては、およそ246mmであり、5kHzにおいては、およそ49.2mmである。AVSチャンバは直径を有し、容積を通じて移動する音響波に関連した時間遅延は小さいが、測定可能な効果を有する。この効果は時間遅延としてモデル化することができる(又は、マイクロフォン向きに依存する時間前進)。純粋な時間遅延dのラプラス変換は、以下のように式41で示される。
【0210】
【数50】
【0211】
位相は、システム応答の大きさではなく、時間遅延によって影響される。時間遅延を修正するために、周波数応答データは、モデル適合アルゴリズムを適用することによって、事前に修正し得る。複素振幅は、上述の時間遅延式による周波数の関数として回転し得る。時間遅延は固定されていると見做し得るので、回転は周波数の関数のみである。
【0212】
時間遅延は最適化ルーチンを実行することによって判定され、時間遅延を見いだしてモデル適合エラーを最小化し得る。それに加えて又はそれに代えて、データにおける見掛け上の「時間前進」があり得る。例えば、参照マイクロフォンは音響ポートの前方で僅かに圧力摂動を経験することがあり、可変マイクロフォンは音響ポートの後で僅かに圧力摂動を経験し得る。これらの「前進」及び「遅延」は圧力波の伝播の影響である場合があって、システムの「共鳴」力学へ加えられ、例えば、これらの効果は説明され得る。
【0213】
振幅平滑化
【0214】
所定のスピーカー駆動信号についての圧力測定値の振幅は、デバイスからデバイスへ変動することがあり、また、駆動周波数の関数である。デバイスからデバイスへの変動は、マイクロフォンとスピーカー感度(例えば、およそ+/- 3dB程度)における部分から部分への差異からもたらされる。周波数に基づく属性は、音響共鳴の予期された力学からのみならず、周波数を越えるスピーカー感度における変化から生じる。
【0215】
補償するために、或る実施形態においては、スピーカー利得は、AVS測定期間中に自動的に調整される。スピーカー利得は、正弦掃引周波数の各々について一つの入力で配列に、例えば図2のメモリ22内に、記憶される。マイクロフォン信号(可変または参照マイクロフォンからの)の振幅は、目標振幅に対して照合され得る。それがあまりに大きいか、又はあまりに小さいならば、二進検索ルーチンはその周波数でスピーカー利得を更新するために使用され得る。
【0216】
個々の測定完全性のチェック
【0217】
構成要素エラー、不具合又は外部の障害が誤測定をもたらすことは可能である。部品故障は、歪められたスピーカー出力又は故障したマイクロフォンを含み得る。外部の障害は、ポンプ・ハウジングに対する機械的な衝撃又は非常に大きい外部雑音を含み得る。この種の不具合は、二つの異なる完全性チェックを用いて検出することができ、即ち、マイクロフォン飽和と帯域外差異である。
【0218】
マイクロフォン飽和チェックは、各々のマイクロフォンへの波長平均信号の最大及び最小値を参照する。これらの値がA/Dの限度近傍にあるならば、次いで、図2のプロセッサ21内のフラグが測定振幅が範囲外にあることを示すように設定される。
【0219】
帯域外差異チェックは、各々のマイクロフォンについてトーン差異を総信号差異と比較する。これらの信号の率が1であるという理想的な場合においては、全ての音響パワーは駆動周波数にある。衝撃又は非常に大きな外部の音響雑音の場合には、より多くのパワーが他の周波数において存在し、この値は1よりも低い。或る実施形態においては、通常の操作は、0.99よりも大きい比率を有するように考慮され得る。
【0220】
或る実施形態においては、個々のデータ・ポイントがこれらの完全性チェックの何れにも不合格となるならば、AVS頑健さの促進を扶助するために全ての正弦掃引を繰り返さねばならないことなく、それは繰り返されるか、又は外され得る。他の完全性チェックは完全な正弦掃引に基づいてされることがあり、これについては後述する。
【0221】
掃引正弦一般化解法を用いるボリューム評価
【0222】
システムの共振周波数は、掃引正弦システム識別を用いて推定され得る。この方法においては、正弦波圧力変化に対するシステムの応答は、幾つかの異なる周波数で見いだされることがある。次いで、この周波数応答データは、線形回帰を用いたシステム移転関数を推定するのに用いられることがある。
【0223】
システムについての移転関数は、sの有利関数として表すことができる。一般的な場合は、第n次分子と第m次分母により移転関数について以下のように表わされる。NとDとは、それぞれ分子と分母とについての係数である。式は規格化されて、式42及び43に示されるように、分母における主要な係数が1になるようにされている。
【0224】
【数51】
【0225】
或いは、
【0226】
【数52】
【0227】
この式は、以下のように式44の形態に書き直すことができる。
【0228】
【数53】
【0229】
式45は、この総和をマトリックス表記法で示す。
【0230】
【数54】
【0231】
ここでk、掃引正弦に集められたデータ点の数である。表記法を単純化するために、この式は式46に示されるベクトルyを用いて簡単にすることができる。
【0232】
【数55】
【0233】
ここでyはk×1、xはk×(m+n-1)であり、及びcは(m+n-1)×1である。次いで、係数は最小二乗法を用いて見いだすことができる。誤差関数は、式47に示すように記述することができる。
【0234】
【数56】
【0235】
最小化すべき関数、誤差関数の加重平方であり、式48-49に示すように、Wはk×k対角行列である。
【0236】
【数57】
【0237】
【数58】
【0238】
式50-52に示されるように、中央の二つの項はスカラーであるので、転置行列は無視することができる。
【0239】
【数59】
【0240】
【数60】
及び、
【0241】
【数61】
【0242】
或る実施形態においては、これらの全ての場合の複素転置行列が利用される。この試みは複素係数をもたらすが、この処理は全ての係数が実数であることを確実にするために修正することができる。誤差関数が式53に変更されるならば、最小二乗最小化は実数の係数のみを与えるように修正することができる。
【0243】
【数62】
【0244】
次いで、係数は式54により見いだすことができる。
【0245】
【数63】
【0246】
二次システムについての掃引正弦解法を用いるボリューム評価
【0247】
0次分子及び二次分母によるシステムについては、式55に示される移転関数に示される。
【0248】
【数64】
【0249】
この移転関数における計数は前節で見いだされた表式に基づいて以下(式56)のように見いだすことができる。
【0250】
【数65】
【0251】
ここで式57は以下の通りである。
【0252】
【数66】
及び、
【0253】
アルゴリズムを単純化するために、式58-60に示されるように、幾つかの項を結合することができる:
【0254】
【数67】
【0255】
ここで、
【0256】
【数68】
及び、
【0257】
【数69】
【0258】
複素応答ベクトルG及び固有振動数s=jωの項についてのDの式を見つけるために、以下のように、それぞれ式61及び62に示されるように、最初にXをその実数部分と虚数部分とに分割した。
【0259】
【数70】
【0260】
上述のDについての表式の実数及び虚数部分は、次いで、それぞれ式63及び64になる。
【0261】
【数71】
【0262】
これらの項を結合するは、D行列についての最終的な表式が与えられる。この行列は、以下のように式65で示すように、実数値のみを包含する。
【0263】
【数72】
【0264】
同様な試みは、G及びωの項におけるbベクトルの表式を見つけるのになすことができる。yの実数及び虚数部分は式66-67に示される。
yの本当と想像上の部分は、66-67で方程式で例示される。
【0265】
【数73】
【0266】
これらの二つを結合するとは、以下のように式68で示されるbベクトルについての表式が与えられる。
【数74】
【0267】
次のステップは、D行列を逆にすることである。この行列は対称であり、かつ、正定置であるので、逆を見つけるために必要な計算の数は一般的な3×3の場合から減らされる。逆行列の一般的な表式は、式69に示される。
【0268】
【数75】
【0269】
Dが式70のように表されるならば、
【0270】
【数76】
【0271】
次いで随伴行列は、以下のように式71として記述することができる。
【0272】
【数77】
【0273】
対称性に起因して、上の対角行列のみが計算される必要がある。次いで、この行列式は随伴行列値の項で計算することができ、以下のように式72に示すように、最初の配列における0要素の利点を採ることができる。
【0274】
【数78】
【0275】
最後に、Dの逆は、式73で示される形式に書くことができる。
【0276】
【数79】
【0277】
或る実施形態においては、式74における値を解き得る。
【0278】
【数80】
【0279】
そこで式(75)が使用される。
【0280】
【数81】
【0281】
データがどれくらい良好にモデルに適合するかという定量的評価を得るために、式76にされるような誤差についての初期表式が利用される。
【0282】
【数82】
【0283】
これは式77に示されるD行列とb及びcベクトルの項において記述することができる。
【0284】
【数83】
【0285】
ここで、
【0286】
【数84】
及び、
【0287】
【数85】
【0288】
或る実施形態においては、異なる正弦掃引からの誤差を比較するために、適合する誤差は以下の式80のように行列による加重の平方により規格化され、ここでhはスカラーである。
【0289】
【数86】
【0290】
掃引正弦推定ボリュームを用いたボリューム推定
【0291】
モデル適合が用いられて、ポートの共振周波数がサイン掃引データから抽出されることがある。送達されたボリュームは、この値に関連し得る。二つの間の理想的な関係は、式81に示された関係によって表すことができる。
【0292】
【数87】
【0293】
音速は温度によって変化するので、式82で示すように温度効果を外へ分けることは有益である。
【0294】
【数88】
【0295】
次いで、このボリュームは測定された共振周波数及び温度の関数として表すことができ、以下のように式83で示される。
【0296】
【数89】
【0297】
ここでCは以下のように式84で示される較正定数である。
【0298】
【数90】
【0299】
掃引正弦ボリューム完全性チェックを用いる掃引正弦ボリューム推定
【0300】
或る実施形態においては、完全性チェックの第2セットをモード適合及びボリューム推定ルーチン(チェックの第1セットはFFTレベルにおいてなされる)の出力に実行することができる。チェックは、冗長性を通じて、又は、幾つかの値についての範囲チェックを通じての何れかになし得る。例えば、(1)モデル適合エラー、 (2)推定減衰比、 (3)推定移転関数利得、(4)推定固有振動数、(5)推定可変ボリューム、及び(6)AVSセンサ温度である。
【0301】
更に、或る特定の実施形態においては、AVS計算の部分は図2のプロセッサ21おける冗長性を、独立温度センサと、RAM故障から保護する校正パラメータの独立コピーとを用いてなし得る。
【0302】
掃引正弦使い捨て検出を用いるボリューム推定
【0303】
或る特定の実施形態においては、使い捨て製品、例えば、取り付け可能であるカートリッジ又は貯蔵器の存在は、磁気スイッチ及び機械式連動装置を用いて検出し得る。しかしながら、第2の検出方法を1)使い捨て製品へ取り付けられるポンプとチャージャーとの識別、及び、2)主要な検出方法に対するバックアップを提供するために使用し得る。
【0304】
使い捨て製品が存在しないならば、可変ボリュームVは事実上非常に大きい。
その結果、参照マイクロフォンから通常の信号があるが、可変マイクロフォンには極く僅かな信号しかない。正弦掃引期間中に参照マイクロフォンの平均振幅が標準(これはスピーカーが作動していることを確証する)であり、かつ、可変マイクロフォンの平均振幅が小さいならば、図2のプロセッサ21のフラッグは、使い捨て製品が存在しないことを示すように設定される。
【0305】
V2に対するサイジングV1の実施詳細
【0306】
サイジングVは、移転関数における極及びゼロの相対的な位置による音響ボリュームの相殺を含むことがある。VとVの両方についての移転関数は、以下の式85-88で示されるようにスピーカーのボリューム置換に対して以下のように示される。
【0307】
【数91】
及び、
【0308】
【数92】
【0309】
ここで、
【0310】
【数93】
【0311】
が増大するにつれて、利得は減少し、スピーカーは、同じ音圧レベルを得るためにより高い振幅で駆動されねばならない。しかしながら、Vを増大することは、複素極へ向かうp移転関数における複素ゼロを移動させる利点を有する。限定的な場合、ここでV→∞であるならばα→1であり、極ゼロ・キャンセル及び平坦応答を有する。従って、増大するVは、p移転関数における共振とノッチとの両方の減少を有し、p極をωに向かって移動させ、その結果は、p/p移転関数を計算するとき測定誤差に対する低い感度である。
【0312】
実施詳細-エイリアシング
【0313】
より高い周波数は、対象の周波数までエイリアス降下させることができる。エイリアス周波数は、以下のように式89で表すことができる。
【0314】
【数94】
【0315】
ここでfはサンプリング周波数であり、fは雑音源の周波数であり、nは正の整数であり、fは雑音源のエイリアス周波数である。
【0316】
復調ルーチンは、復調の特定の周波数におけるもの以外は、雑音を除去し得る。サンプル周波数が復調周波数の一定倍に動的に設定されるならば、次いで、復調周波数にエイリアス下降できる雑音の周波数は、その基本振動数の調波の固定セットになる。
【0317】
例えば、サンプリング周波数が復調周波数の8倍であるならば、次いでその周波数へエイリアス下降できる雑音周波数は、
【0318】
【数95】
【0319】
ここで
【数96】
β=16について次の級数を得る。
【0320】
【数97】
【0321】
Avs測定誤差源-AVSチャンバ運動
【0322】
或る実施形態においては、AVS測定の仮定の一つは、総AVSボリューム(Vプラス他の構成要素によって採取されたボリューム)が一定ということである。しかしながら、AVSハウジングが曲がるならば、AVSチャンバの総ボリュームは僅かに変化して、差分ボリューム測定に影響を及ぼすことがある。或る実施形態においては、ボリュームの寄与を保つために、誤差は流体送達の1.0%未満に保たれる。
【0323】
Avs測定誤差源-外部雑音
【0324】
或る実施形態においては、外部雑音源は除去し得る。
【0325】
Avs測定誤差源-機械的衝撃
【0326】
Avs測定期間中のポンプ・ハウジングへの機械的衝撃は、マイクロフォン測定に影響を及ぼして、周波数応答データにおける誤差をもたらす場合がある。しかしながら、この誤差は、図2のプロセッサ21における復調ルーチンにおける帯域外差異チェックを用いて検出可能である。そのような誤差が検出されるならば、データ点は、AVS測定に対して殆ど影響を及ぼすことなく繰り返すことができる(例えば、他のサンプルが採取される)。
【0327】
Avs測定誤差源-AVSチャンバにおける空気
【0328】
Avs測定に影響を及ぼす気泡についての機構は、二次共振による。二次共振は、システム四次をなし、推定が二次モデルを用いているならば、二次共振の周波数及び大きさに依存して、何らかの誤差を引き起こすことがある。
【0329】
Avs測定誤差源-電気部品不具合
【0330】
一般に、電気部品の不具合は、無信号又は増大された高調和歪をもたらす。何れにせよ、その不具合はAVS完全性チェック又は測定値無効により検出される。
【0331】
確認された一つの例外は、DAC及びADCを制御するのに用いられる発振器の不具合である。この発振器が許容誤差からドリフトアウトしたならば、それは低レベルの完全性チェックでは検出できない測定誤差を誘発するであろう(これは極端な場合には、上述したボリューム完全性チェックによって検出される)。これらの不具合に対する保護のために、或る実施形態においては、AVS測定が開始されるときはいつでも、発振器は独立したクロックと照合される。
本発明の第1の態様は、
ポンプであって、
液体を送達するように構成された貯蔵器と、
前記貯蔵器に結合して、前記液体を排出するように構成されたポートと、
シャフトに結合されたピストンを有するプランジャであり、そのピストンは前記貯蔵器の内面に摺動係合するように前記貯蔵器内に配置され、前記ピストンは前記貯蔵器の液体側と前記貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記貯蔵器の前記液体側へ向かう前記プランジャの移動が前記ポートを通じて液体を排出するプランジャと、
前記貯蔵器に結合された参照容積アセンブリとを備え、その参照容積アセンブリは、
前記貯蔵器の前記非液体側と音響的に連通する参照容積チャンバと、
前記参照容積チャンバ内に配置されたスピーカーと、
前記参照容積チャンバ内に配置された参照マイクロフォンとを含んでなるポンプである。
本発明の第2の態様は、
第1の態様のポンプにおいて、前記参照容積アセンブリは前記ポートに対して前記貯蔵器の反対側端部において貯蔵器に結合するポンプである。
本発明の第3の態様は、
第1の態様のポンプにおいて、前記貯蔵器内に配置されて、前記貯蔵器内の音波を検知するように構成された可変ボリューム・マイクロフォンを更に備えるポンプである。
本発明の第4の態様は、
第1の態様のポンプにおいて、前記参照容積アセンブリに配置されて、前記貯蔵器内の音波を検知するように構成された可変ボリューム・マイクロフォンを更に備えるポンプである。
本発明の第5の態様は、
ポンプであって、
液体を送達するように構成された貯蔵器と、
前記貯蔵器に結合されて、前記液体を排出するように構成されたポートと、
シャフトに結合されたピストンを有するプランジャであり、そのピストンは前記貯蔵器の内面に摺動係合するように前記貯蔵器内に配置され、前記ピストンは前記貯蔵器の液体側と前記貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記貯蔵器の前記液体側へ向かう前記プランジャの移動が前記ポートを通じて液体を排出するプランジャと、
更なる液体を送達するように構成された更なる貯蔵器と、
前記更なる貯蔵器に結合されて、前記更なる液体を排出するように構成された更なるポートと、
更なるシャフトに結合された更なるピストンを有する更なるプランジャであり、その更なるピストンは前記更なる貯蔵器の内面に摺動係合するように前記更なる貯蔵器内に配置され、前記更なるピストンは前記更なる貯蔵器の液体側と前記更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記更なる貯蔵器の前記液体側へ向かう前記更なるプランジャの移動が前記更なるポートを通じて液体を排出する更なるプランジャと、
前記ポートに対して前記貯蔵器の反対側端部において前記貯蔵器に結合された参照容積アセンブリとを備え、この参照容積アセンブリは、前記更なるポートに対して前記更なる貯蔵器の反対側端部において前記更なる貯蔵器に結合され、かつ、この参照容積アセンブリは、
前記貯蔵器の前記非液体側と音響的に連通する参照容積チャンバであり、この参照容積チャンバは更に前記更なる貯蔵器の前記非液体側に音響的に連通する参照容積チャンバと、前記参照容積チャンバ内に配置されたスピーカーと、
前記参照容積チャンバ内に配置された参照マイクロフォンとを含んでなるポンプである。
本発明の第6の態様は、
第5の態様のポンプにおいて、第1と第2の貯蔵器の少なくとも一方は前記参照容積アセンブリに取り付け可能であるポンプである。
本発明の第7の態様は、
第5の態様のポンプは、マニホールドを更に備え、このマニホールドは、
前記ポートに接続した第1のコネクタ・ポートと、
前記更なるポートに接続した第2のコネクタ・ポートと、
排出ポートと、
第1及び第2のコネクタ・ポートを前記排出ポートへ一緒に流体的に接続している液体経路とを含んでなるポンプである。
本発明の第8の態様は、
第7の態様のポンプにおいて、前記マニホールドは第1及び第2のコネクタ・ポートへ取り付け可能であるポンプである。
本発明の第9の態様は、
第5の態様のポンプにおいて、前記貯蔵器内に配置されて、前記貯蔵器内の音波を検知するように構成された可変ボリューム・マイクロフォンを更に備えるポンプである。
本発明の第10の態様は、
第9の態様のポンプにおいて、前記更なる貯蔵器内に配置されて、前記更なる貯蔵器内の音波を検知するように構成された更なる可変ボリューム・マイクロフォンを更に備えるポンプである。
本発明の第11の態様は、
第5の態様のポンプにおいて、前記参照容積アセンブリに配置されて、前記貯蔵器内の音波を検知するように構成された可変ボリューム・マイクロフォンを更に備えるポンプである。
本発明の第12の態様は、
第11の態様のポンプにおいて、前記参照容積アセンブリに配置されて、前記更なる貯蔵器内の音波を検知するように構成された更なる可変ボリューム・マイクロフォンを更に備えるポンプである。
本発明の第13の態様は、
ポンプであって、
音響ハウジングと、
液体を送達するように構成され、前記音響ハウジング内に配置された貯蔵器と、
前記貯蔵器に結合され、前記液体を排出するように構成されたポートと、
シャフトに結合されたピストンを有するプランジャであり、そのピストンは前記貯蔵器の内面に摺動係合するように前記貯蔵器内に配置され、前記ピストンは前記貯蔵器の液体側と前記貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記貯蔵器の前記液体側へ向かう前記プランジャの移動が前記ポートを通じて液体を排出するプランジャと、
音響ポートを通じて前記音響ハウジングに結合された参照容積アセンブリとを備え、その参照容積アセンブリは、
前記音響ポートを介して前記音響ハウジングと音響的に連通する参照容積チャンバと、 前記参照容積チャンバ内に配置されたスピーカーと、
前記参照容積チャンバ内に配置された参照マイクロフォンとを含んでなるポンプである。
本発明の第14の態様は、
第13の態様のポンプにおいて、前記シャフトに結合されて前記プランジャを駆動するアクチュエータを更に備えるポンプである。
本発明の第15の態様は、
第14の態様のポンプにおいて、前記アクチュエータが前記音響ハウジング内に配置されたポンプである。
本発明の第16の態様は、
第13の態様のポンプは更に、
更なる液体を送達するように構成され、前記音響ハウジング内に配置された更なる貯蔵器と、
前記更なる貯蔵器に結合されて、前記更なる液体を排出するように構成された更なるポートと、
更なるシャフトに結合された更なるピストンを有し、前記音響ハウジング内に配置された更なるプランジャであり、その更なるピストンは前記更なる貯蔵器の内面に摺動係合するように前記更なる貯蔵器内に配置され、前記更なるピストンは前記更なる貯蔵器の液体側と前記更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記更なる貯蔵器の前記液体側へ向かう前記更なるプランジャの移動が前記更なるポートを通じて液体を排出する更なるプランジャとを備えるポンプである。
本発明の第17の態様は、
第16の態様のポンプにおいて、マニホールドを更に備え、このマニホールドは、
前記ポートに接続した第1のコネクタ・ポートと、
前記更なるポートに接続した第2のコネクタ・ポートと、
排出ポートと、
第1及び第2のコネクタ・ポートを前記排出ポートへ一緒に流体的に接続している液体経路とを含んでなるポンプである。
本発明の第18の態様は、
第17の態様のポンプにおいて、前記マニホールドは第1及び第2のコネクタ・ポートへ取り付け可能であるポンプである。
本発明の第19の態様は、
ポンプであって、
音響ハウジングと、
更なる音響ハウジングと、
液体を送達するように構成され、前記音響ハウジング内に配置された貯蔵器と、
前記貯蔵器に結合され、前記液体を排出するように構成されたポートと、
シャフトに結合されたピストンを有し、前記音響ハウジング内に配置されたプランジャであり、そのピストンは前記貯蔵器の内面に摺動係合するように前記貯蔵器内に配置され、前記ピストンは前記貯蔵器の液体側と前記貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記貯蔵器の前記液体側へ向かう前記プランジャの移動が前記ポートを通じて液体を排出するプランジャと、
更なる液体を送達するように構成され、前記更なる音響ハウジング内に配置された更なる貯蔵器と、
前記更なる貯蔵器に結合され、前記更なる液体を排出するように構成された更なるポートと、
更なるシャフトに結合された更なるピストンを有し、前記更なる音響ハウジング内に配置された更なるプランジャであり、その更なるピストンは前記更なる貯蔵器の内面に摺動係合するように前記更なる貯蔵器内に配置され、前記更なるピストンは前記更なる貯蔵器の液体側と前記更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記更なる貯蔵器の前記液体側へ向かう前記更なるプランジャの移動が前記更なるポートを通じて液体を排出する更なるプランジャと
音響ポートを通じて前記音響ハウジングに結合され、更なる音響ポートを通じて前記更なる音響ハウジングに結合された参照容積アセンブリとを備え、その参照容積アセンブリは、
前記音響ポートを介して前記音響ハウジングと音響的に連通し、前記更なる音響ポートを介して前記更なる音響ハウジングと音響的に連通する参照容積チャンバと、
前記参照容積チャンバ内に配置されたスピーカーと、
前記参照容積チャンバ内に配置された参照マイクロフォンとを含んでなるポンプである。
本発明の第20の態様は、
第19の態様のポンプにおいて、前記シャフトに結合されて前記プランジャを駆動するアクチュエータを更に備えるポンプである。
本発明の第21の態様は、
第20の態様のポンプにおいて、前記アクチュエータが前記音響ハウジング内に配置されたポンプである。
本発明の第22の態様は、
第19の態様のポンプにおいて、前記更なるシャフトに結合されて前記更なるプランジャを駆動する更なるアクチュエータを更に備えるポンプである。
本発明の第23の態様は、
第20の態様のポンプにおいて、前記アクチュエータが前記音響ハウジング内に配置され、かつ、前記更なるアクチュエータが前記更なる音響ハウジング内に配置されたポンプである。
本発明の第24の態様は、
第19の態様のポンプにおいて、マニホールドを更に備え、このマニホールドは、
前記ポートに接続した第1のコネクタ・ポートと、
前記更なるポートに接続した第2のコネクタ・ポートと、
排出ポートと、
第1及び第2のコネクタ・ポートを前記排出ポートへ一緒に流体的に接続している液体経路とを含んでなるポンプである。
本発明の第25の態様は、
第24の態様のポンプにおいて、前記マニホールドは第1及び第2のコネクタ・ポートへ取り付け可能であるポンプである。
本発明の第26の態様は、
ポンプであって、
液体を送達するように構成された貯蔵器と、
前記貯蔵器に結合して、前記液体を排出するように構成されたポートと、
シャフトに結合されたピストンを有するプランジャであり、そのピストンは前記貯蔵器の内面に摺動係合するように前記貯蔵器内に配置され、前記ピストンは前記貯蔵器の液体側と前記貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記貯蔵器の前記液体側へ向かう前記プランジャの移動が前記ポートを通じて液体を排出するプランジャと、
前記シャフトの位置を検知するように構成された線形位置センサとを備えるポンプである。
本発明の第27の態様は、
第26の態様のポンプにおいて、ハウジングを更に備え、前記貯蔵器は前記ハウジング内に配置され、かつ、前記プランジャは前記ハウジング内に配置されているポンプである。
本発明の第28の態様は、
第26の態様のポンプにおいて、前記シャフトに結合されて前記プランジャを駆動するアクチュエータを更に備えるポンプである。
本発明の第29の態様は、
第28の態様のポンプにおいて、ハウジングを更に備え、前記アクチュエータは前記ハウジング内に配置されているポンプである。
本発明の第30の態様は、
第26の態様のポンプにおいて、ハウジングを更に備え、前記線形位置センサはハウジング内に配置されているポンプである。
本発明の第31の態様は、
第26の態様のポンプにおいて、
更なる液体を送達するように構成された更なる貯蔵器と、
前記更なる貯蔵器に結合されて、前記更なる液体を排出するように構成された更なるポートと、
更なるシャフトに結合された更なるピストンを有する更なるプランジャであり、その更なるピストンは前記更なる貯蔵器の内面に摺動係合するように前記更なる貯蔵器内に配置され、前記更なるピストンは前記更なる貯蔵器の液体側と前記更なる貯蔵器の非液体側とを規定することにより、前記更なる貯蔵器の前記液体側へ向かう前記更なるプランジャの移動が前記更なるポートを通じて液体を排出する更なるプランジャと、
前記更なるシャフトの位置を検知するように構成された更なる線形位置センサとを備えるポンプである。
本発明の第32の態様は、
第31の態様のポンプにおいて、マニホールドを更に備え、このマニホールドは、
前記ポートに接続した第1のコネクタ・ポートと、
前記更なるポートに接続した第2のコネクタ・ポートと、
排出ポートと、
第1及び第2のコネクタ・ポートを前記排出ポートへ一緒に流体的に接続している液体経路とを含んでなるポンプである。
本発明の第33の態様は、
第32の態様のポンプにおいて、前記マニホールドは第1及び第2のコネクタ・ポートへ取り付け可能であるポンプである。
本発明の第34の態様は、
第31の態様のポンプにおいて、ハウジングを更に備え、前記貯蔵器及び前記更なる貯蔵器は前記ハウジング内に配置され、かつ、前記プランジャ及び前記更なる貯蔵器は前記ハウジング内に配置されているポンプである。
本発明の第35の態様は、
第31の態様のポンプにおいて、
前記シャフトに結合されて前記プランジャを駆動するアクチュエータと、
前記更なるシャフトに結合されて前記更なるプランジャを駆動する更なるアクチュエータとを更に備えるポンプである。
本発明の第36の態様は、
第35の態様のポンプにおいて、前記アクチュエータ及び前記更なるアクチュエータが前記ハウジング内に配置されているポンプである。
本発明の第37の態様は、
第31の態様のポンプにおいて、ハウジングを更に備え、前記線形位置センサ及び前記更なる線形位置センサが前記ハウジング内に配置されているポンプである。
本発明の第38の態様は、
第26の態様のポンプにおいて、前記線形位置センサは前記シャフトへ結合された容量センサであるポンプである。
本発明の第39の態様は、
第26の態様のポンプにおいて、前記線形位置センサは前記シャフトへ結合された線形光学センサであるポンプである。
本発明の第40の態様は、
第26の態様のポンプにおいて、前記線形位置センサは、
前記シャフトに結合された光学的目標と、
前記光学的目標の範囲を判定することにより、前記シャフトの線形位置を推定するように構成された光学的測距アセンブリとを含んでなるポンプである。
本発明の第41の態様は、
第40の態様のポンプにおいて、前記光学的目標は反射目標であり、かつ、前記光学的測距アセンブリは照明器を含み、この照明器は、前記反射目標を照明することにより、前記反射目標の照明の反射から前記シャフトの前記線形位置を判定するように構成されているポンプである。
本発明の第42の態様は、
第40の態様のポンプにおいて、前記光学的目標は光源であり、かつ、前記光学的測距アセンブリは、この光学的測距アセンブリにより測定された前記光源の測定された強度から前記シャフトの前記線形位置を判定するように構成されているポンプである。
本発明の第43の態様は、
第1乃至42の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記ピストンは、前記ピストンの周囲に沿って配置されたシールを含むポンプである。
本発明の第44の態様は、
第1乃至42の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記貯蔵器は円筒状であるので、円形横断面を規定し、かつ、前記ピストンは前記円形横断面に沿って前記貯蔵器の内面に係合するポンプである。
本発明の第45の態様は、
第1乃至42の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記貯蔵器は立方形状であるので、矩形横断面を規定し、かつ、前記ピストンは前記矩形横断面に沿って前記貯蔵器の内面に係合するポンプである。
本発明の第46の態様は、
第1乃至42の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記貯蔵器の前記非液体側と流体連通するベントを更に備えるポンプである。
本発明の第47の態様は、
第44の態様のポンプにおいて、前記ベントは更に、前記貯蔵器の前記非液体側を前記貯蔵器の外側から音響的にシールするように構成されているポンプである。
本発明の第48の態様は、
第1乃至42の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記貯蔵器の前記非液体側と流体連通する一方向弁を更に備え、この一方向弁は、前記貯蔵器の外側から前記貯蔵器の前記非液体側へ気体を入れるように構成されているポンプである。
本発明の第49の態様は、
第1乃至42の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記プランジャは完全排出位置と完全装填位置との間で可動であり、前記参照ボリューム・チャンバは、前記プランジャが前記完全排出位置と前記完全装填位置との間の何れかに位置しているときに、前記貯蔵器の前記非液体側と流体連通にあるポンプである。
本発明の第50の態様は、
第1乃至12の態様の何れか一つまたは第26の態様に記載のポンプにおいて、前記参照容積チャンバは、前記シャフトを収容するように構成された導管を含み、前記シャフトは前記導管に摺動係合するポンプである。
本発明の第51の態様は、
第50の態様のポンプにおいて、前記導管が前記シャフトを収容して、前記シャフトが前記導管に係合するにつれて前記貯蔵器の非液体側を音響的にシールするポンプである。
本発明の第52の態様は、
第1乃至12の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記参照容積アセンブリは、前記容積チャンバと前記貯蔵器の前記非液体側とに音響的に連通する音響ポートを更に含むポンプである。
本発明の第53の態様は、
第1乃至8の態様又は第13乃至25の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、可変ボリューム・マイクロフォンを更に備え、前記貯蔵器の前記非液体側は、前記貯蔵器の内面内に前記可変ボリューム・マイクロフォンを取り付けるために収容するように構成され、前記可変ボリューム・マイクロフォンは前記貯蔵器の前記非液体側内の音波を検知するように構成されているポンプである。
本発明の第54の態様は、
第1乃至8の態様又は第13乃至25の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記参照容積アセンブリに取り付けられた可変ボリューム・マイクロフォンを更に備え、前記可変ボリューム・マイクロフォンは前記貯蔵器の前記非液体側内の音波を検知するように構成されているポンプである。
本発明の第55の態様は、
第14、15,20乃至23、28、29、35又は36の態様の何れか一つに記載のポンプにおいて、前記アクチュエータは、リニア・アクチュエータ、スクリュー型リニア・アクチュエータ、リニア・トラック・アクチュエータ、リニア・サーボ、リニア・ステッパー・モータ又はリニア・モータのうちの一つであるポンプである。
本発明の第56の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第1の態様のポンプと、
前記シャフトへ結合されたアクチュエータと、
前記シャフトへ結合されて前記シャフトの位置を検知するように構成された線形位置センサと、
前記アクチュエータ及び前記線形位置センサに連動的に結合されたプロセッサであり、前記シャフトの位置の関数として、排出された液体の容積を推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第57の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第13の態様のポンプと、
前記シャフトへ結合されたアクチュエータと、
前記シャフトへ結合されて前記シャフトの位置を検知するように構成された線形位置センサと、
前記アクチュエータ及び前記線形位置センサに連動的に結合されたプロセッサであり、前記シャフトの位置の関数として、排出された液体の容積を推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第58の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第19の態様のポンプと、
前記シャフトへ結合されたアクチュエータと、
前記シャフトへ結合されて前記シャフトの位置を検知するように構成された線形位置センサと、
前記アクチュエータ及び前記線形位置センサに連動的に結合されたプロセッサであり、前記シャフトの位置の関数として、排出された液体の容積を推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第59の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第26の態様のポンプと、
前記シャフトへ結合されたアクチュエータと、
前記シャフトへ結合されて前記シャフトの位置を検知するように構成された線形位置センサと、
前記アクチュエータ及び前記線形位置センサに連動的に結合されたプロセッサであり、前記シャフトの位置の関数として、排出された液体の容積を推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第60の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第1の態様のポンプと、
前記貯蔵器の前記非液体側内の音波を検知するように構成かつ配置された可変ボリューム・マイクロフォンと、
前記スピーカーと、前記参照及び可変ボリューム・マイクロフォンとに連動的に結合されたプロセッサであり、前記スピーカーに複数の音響周波数を生成するように指令して、排出された液体の容積を前記可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響フィードバックの関数として推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第61の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第5の態様のポンプと、
前記貯蔵器の前記非液体側内の音波を検知するように構成かつ配置された可変ボリューム・マイクロフォンと、
前記スピーカーと、前記参照及び可変ボリューム・マイクロフォンとに連動的に結合されたプロセッサであり、前記スピーカーに複数の音響周波数を生成するように指令して、排出された液体の容積を前記可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響フィードバックの関数として推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第62の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第13の態様のポンプと、
前記貯蔵器の前記非液体側内の音波を検知するように構成かつ配置された可変ボリューム・マイクロフォンと、
前記スピーカーと、前記参照及び可変ボリューム・マイクロフォンとに連動的に結合されたプロセッサであり、前記スピーカーに複数の音響周波数を生成するように指令して、排出された液体の容積を前記可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響フィードバックの関数として推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第63の態様は、
液体送達を推定するシステムであって、
第19の態様のポンプと、
前記貯蔵器の前記非液体側内の音波を検知するように構成かつ配置された可変ボリューム・マイクロフォンと、
前記スピーカーと、前記参照及び可変ボリューム・マイクロフォンとに連動的に結合されたプロセッサであり、前記スピーカーに複数の音響周波数を生成するように指令して、排出された液体の容積を前記可変ボリューム及び参照マイクロフォンからの音響フィードバックの関数として推定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
本発明の第64の態様は、
液体送達を推定する方法であって、
ポンプのプランジャを第1の位置へ位置決めし、
音波を生成し、
音波を参照チャンバへ加え、
音波を前記ポンプの貯蔵器の非液体側へ伝え、
前記参照チャンバ内の音波を検知し、
前記ポンプの前記貯蔵器内の前記非液体側における音波を検知し、
前記参照チャンバ内で前記検知された音波を前記貯蔵器内の前記非液体側で前記検知された音波と比較して、前記貯蔵器の前記液体側内の液体の第1の容積を判定し、
前記ポンプの前記プランジャを第2の位置へ駆動し、
前記参照チャンバ内で前記検知された音波を前記貯蔵器内の前記非液体側で前記検知された音波と比較して、前記貯蔵器の前記液体側内の液体の第2の容積を判定し、
第1の容積を第2の容積と比較して排出された液体の量を判定することを含む方法である。
本発明の第65の態様は、
注射器ポンプを準備するためのシステムであって、
ユーザー・インターフェースを介して処方注文を通信するように構成された監視クライアントと、
前記監視クライアントと作動的に通信して前記処方注文を受信する薬局コンピュータと、
前記薬局コンピュータから前記処方注文を受信するように構成され、前記処方注文に対応する少なくとも一つの液体へ前記処方を処方するように構成された調合ロボットと、
前記処方注文に対応する少なくとも一つの液体を収容するように構成された注射器ポンプと、
前記処方注文を錠剤ディスペンサーのメモリへダウンロードするように構成されたデータ・ダウン・ロード・デバイスとを備えるシステムである。
本発明の第66の態様は、
第65の態様のシステムにおいて、前記注射器ポンプは、それに取り付けられた参照容積を含むシステムである。
本発明の第67の態様は、
第65の態様のシステムにおいて、前記調合ロボットは前記注射器ポンプを前記少なくとも一つの液体で充填するシステムである。
本発明の第68の態様は、
第65の態様のシステムにおいて、前記調合ロボットは前記データ・ダウンロード・デバイスと作動的に通信し、かつ、前記調合ロボットは、前記データ・ダウンロード・デバイスに前記処方注文を前記錠剤ディスペンサーの前記メモリへダウンロードするように指令するシステムである。
本発明の第69の態様は、
第65の態様のシステムにおいて、前記データ・ダウンロード・デバイスは、前記調合ロボットと前記薬局コンピュータとの少なくとも一方から前記処方注文を受信するシステムである。
本発明の第70の態様は、
本明細書に説明して、参照して、例示して、又は図示した注射器の新規性の任意の及び全ての特徴である。
本発明の第71の態様は、
実質的に図示及び説明した装置である。
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10
図11
図12