(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029133
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法、基地局及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240227BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20240227BHJP
H04W 72/1273 20230101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/23
H04W72/1273
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220604
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2020501992の分割
【原出願日】2018-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(57)【要約】 (修正有)
【課題】上り制御チャネルを適切に送信する端末、無線通信方法、基地局及びシステムを提供する。
【解決手段】無線通信システムにおいて、端末は、受信する下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、下り制御チャネルに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値に基づいて、下り共有チャネルに対する送達確認信号のビット数を決定し、複数の下り制御チャネルが異なる時間リソースに割り当てられる場合に、複数の下り制御チャネルの夫々に含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値は時間方向及び周波数方向に並ぶ下りリンク割り当て数を示し、送達確認信号は、巡回シフト又は複素値変調シンボルのマッピングを用い、準静的な送達確認信号コードブックを用いると設定された場合に、上位レイヤシグナリングで設定される送達確認信号のフィードバックタイミングに基づいて送達確認信号の送信を制御する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの下り制御チャネルによりスケジュールされた少なくとも1つの下り共有チャネルを受信する受信部と、
前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、前記少なくとも1つの下り制御チャネルに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値に基づいて、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対する送達確認信号のビット数を決定する制御部と、を有し、
複数の前記下り制御チャネルが、異なる時間リソースに割り当てられる場合、複数の前記下り制御チャネルのそれぞれに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値は、時間方向及び周波数方向に並ぶ下りリンク割り当ての数を示し、
前記送達確認信号のマッピングにおいて、1ビット又は2ビットの送達確認信号は、巡回シフト又は複素値変調シンボルのマッピングを用い、
前記制御部は、準静的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、上位レイヤシグナリングで設定される送達確認信号のフィードバックタイミングに基づいて送達確認信号の送信を制御することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記送達確認信号のマッピングにおいて、1ビットの送達確認信号の値0にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つが、2ビットの送達確認信号の(0,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと等しく、1ビットの送達確認信号の値1にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つが、2ビットの送達確認信号の(1,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと等しいことを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記送達確認信号のマッピングにおいて、スケジューリング要求及び1ビットの送達確認信号の値0にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つが、スケジューリング要求及び2ビットの送達確認信号の(0,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと、が等しく、スケジューリング要求及び1ビットの送達確認信号の値1にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと、スケジューリング要求及び2ビットの送達確認信号の(1,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと、が等しいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端末。
【請求項4】
少なくとも1つの下り制御チャネルによりスケジュールされた少なくとも1つの下り共有チャネルを受信するステップと、
前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、前記少なくとも1つの下り制御チャネルに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値に基づいて、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対する送達確認信号のビット数を決定するステップと、
準静的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、上位レイヤシグナリングで設定される送達確認信号のフィードバックタイミングに基づいて送達確認信号の送信を制御するステップと、を有し、
複数の前記下り制御チャネルが、異なる時間リソースに割り当てられる場合、複数の前記下り制御チャネルのそれぞれに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値は、時間方向及び周波数方向に並ぶ下りリンク割り当ての数を示し、
前記送達確認信号のマッピングにおいて、1ビット又は2ビットの送達確認信号は、巡回シフト又は複素値変調シンボルのマッピングを用いることを特徴とする端末の無線通信方法。
【請求項5】
少なくとも1つの下り共有チャネルをスケジュールするための、少なくとも1つの下り制御チャネルを端末に送信する送信部と、
複数の前記下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを前記端末に対して設定した場合に、複数の前記下り制御チャネルに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値に基づいて送信される、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対する送達確認信号を前記端末から受信する受信部と、を有し、
前記トータル下りリンク割り当て指示子の値は、端末において前記送達確認信号のビット数の決定に用いられ、
複数の前記下り制御チャネルが、異なる時間リソースに割り当てられる場合、複数の前記下り制御チャネルのそれぞれに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値は、時間方向及び周波数方向に並ぶ下りリンク割り当ての数を示し、
前記送達確認信号のマッピングにおいて、1ビット又は2ビットの送達確認信号は、巡回シフト又は複素値変調シンボルのマッピングを用い、
前記受信部は、準静的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、上位レイヤシグナリングで設定される送達確認信号のフィードバックタイミングに基づいた送達確認信号を受信することを特徴とする基地局。
【請求項6】
端末と基地局とを有するシステムであって、
前記端末は、
少なくとも1つの下り制御チャネルによりスケジュールされた少なくとも1つの下り共有チャネルを受信する受信部と、
複数の前記下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、複数の前記下り制御チャネルに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値に基づいて、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対する送達確認信号のビット数を決定する制御部と、を有し、
前記送達確認信号のマッピングにおいて、1ビット又は2ビットの送達確認信号は、巡回シフト又は複素値変調シンボルのマッピングを用い、
前記制御部は、準静的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、上位レイヤシグナリングで設定される送達確認信号のフィードバックタイミングに基づいて送達確認信号の送信を制御し、
前記基地局は、
前記少なくとも1つの下り制御チャネルを端末に送信する送信部と、
前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを前記端末に対して設定した場合に、前記トータル下りリンク割り当て指示子の値に基づいて送信される、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対する送達確認信号を前記端末から受信する受信部と、を有し、
複数の前記下り制御チャネルが、異なる時間リソースに割り当てられる場合、複数の前記下り制御チャネルのそれぞれに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値は、時間方向及び周波数方向に並ぶ下りリンク割り当ての数を示し、
前記受信部は、準静的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、上位レイヤシグナリングで設定される送達確認信号のフィードバックタイミングに基づいた送達確認信号を受信することを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法、基地局及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、さらなる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTEからの更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継システム(例えば、LTE-A(LTE-Advanced)、FRA(Future Radio Access)、4G、5G、5G+(plus)、NR(New RAT)、LTE Rel.14、15以降、などともいう)も検討されている。
【0003】
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.8-13)では、1msのサブフレーム(伝送時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)等ともいう)を用いて、下りリンク(DL:Downlink)及び/又は上りリンク(UL:Uplink)の通信が行われる。当該サブフレームは、チャネル符号化された1データパケットの送信時間単位であり、スケジューリング、リンクアダプテーション、再送制御(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)などの処理単位となる。
【0004】
また、既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.8-13)では、ユーザ端末は、上り制御チャネル(例えば、PUCCH:Physical Uplink Control Channel)又は上りデータチャネル(例えば、PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を用いて、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)を送信する。当該上り制御チャネルの構成(フォーマット)は、PUCCHフォーマット(PF:PUCCH Format)等と呼ばれる。
【0005】
また、既存のLTEシステムでは、ユーザ端末は、1msのTTI内でULチャネルとDMRS(Demodulation Reference Signal)とを多重して送信する。1msのTTI内では、同一のユーザ端末の異なるレイヤ(又は異なるユーザ端末)の複数のDMRSが巡回シフト(CS:Cyclic Shift)及び/又は直交拡散符号(例えば、直交カバーコード(OCC:Orthogonal Cover Code))を用いて、直交多重される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
将来の無線通信システム(例えば、LTE Rel.15以降、5G、5G+、NRなど)では、上り制御チャネル(例えば、PUCCH)を用いてUCIを送信する場合に、PUCCHが適切に送信されなければ、UCIがネットワーク(NW、無線基地局、gNBなど)によって正しく認識されないおそれがある。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、上り制御チャネルを適切に送信する端末、無線通信方法、基地局及びシステムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る端末は、少なくとも1つの下り制御チャネルによりスケジュールされた少なくとも1つの下り共有チャネルを受信する受信部と、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、前記少なくとも1つの下り制御チャネルに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値に基づいて、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対する送達確認信号のビット数を決定する制御部と、を有し、複数の前記下り制御チャネルが、異なる時間リソースに割り当てられる場合、複数の前記下り制御チャネルのそれぞれに含まれるトータル下りリンク割り当て指示子の値は、時間方向及び周波数方向に並ぶ下りリンク割り当ての数を示し、前記送達確認信号のマッピングにおいて、1ビット又は2ビットの送達確認信号は、巡回シフト又は複素値変調シンボルのマッピングを用い、前記制御部は、準静的な送達確認信号コードブックを用いることを設定された場合に、上位レイヤシグナリングで設定される送達確認信号のフィードバックタイミングに基づいて送達確認信号の送信を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、将来の無線通信システムにおいて、上り制御チャネルを適切に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】PUCCHリソースの割り当ての一例を示す図である。
【
図2】PF0のためのUCIの値とCSの第1マッピングの一例を示す図である。
【
図3】PF0のための第1マッピングの位相回転の一例を示す図である。
【
図4】2つの周波数リソースにそれぞれ割り当てられた2つのPDCCHにおけるDAIの一例を示す図である。
【
図5】2つの時間リソースにそれぞれ割り当てられた2つのPDCCHにおけるDAIの一例を示す図である。
【
図6】1つのPDCCHにおけるDAIの一例を示す図である。
【
図7】PF0のためのUCIの値とCSの第2マッピングの一例を示す図である。
【
図8】PF0のための第2マッピングの位相回転の一例を示す図である。
【
図9】PF0のためのUCIの値とCSの第3マッピングの一例を示す図である。
【
図10】PF0のための第3マッピングの位相回転の一例を示す図である。
【
図11】本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図12】本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。
【
図13】本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
【
図14】本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。
【
図15】本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図16】本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
将来の無線通信システム(例えば、LTE Rel.15以降、5G、NRなど)では、UCIの送信に用いられる上り制御チャネル(例えば、PUCCH)用の構成(フォーマット、PUCCHフォーマット(PF)等ともいう)が検討されている。例えば、LTE Rel.15では、5種類のPF0~4をサポートすることが検討されている。なお、以下に示すPFの名称は例示にすぎず、異なる名称が用いられてもよい。
【0013】
例えば、PF0及び1は、2ビット以下(up to 2 bits)のUCI(例えば、送達確認情報(HARQ-ACK:Hybrid Automatic Repeat reQuest-Acknowledge、ACK又はNACK等ともいう)の送信に用いられるPFである。PF0は、1又は2シンボルに割り当て可能であるため、ショートPUCCH又はシーケンスベース(sequence-based)ショートPUCCH等とも呼ばれる。一方、PF1は、4-14シンボルに割り当て可能であるため、ロングPUCCH等とも呼ばれる。PF1では、巡回シフト(CS:Cyclic Shift)及び直交系列(例えば、OCC(Orthogonal Cover Code)、時間領域OCC(time domain OCC)))の少なくとも一つを用いた時間領域のブロック拡散(block-wise spreading)によって、同一のリソースブロック(物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block))内で複数のユーザ端末が符号分割多重(CDM)されてもよい。
【0014】
PF2-4は、2ビットを超える(more than 2 bits)UCI(例えば、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)(又は、CSIとHARQ-ACK及び/又はスケジューリング要求(SR)))の送信に用いられるPFである。PF2は、1又は2シンボルに割り当て可能であるため、ショートPUCCH等とも呼ばれる。一方、PF3、4は、4-14シンボルに割り当て可能であるため、ロングPUCCH等とも呼ばれる。PF4では、直交系列(例えば、OCC、pre-DFT OCC、周波数領域OCC)を用いて、DFT前の(周波数領域)のブロック拡散を用いて複数のユーザ端末のUCIがCDMされてもよい。PF4では、復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DMRS)を用いて、DFT前の(周波数領域)のブロック拡散を用いて複数のユーザ端末のUCIがCDMされてもよい。
【0015】
当該上り制御チャネルの送信に用いられるリソース(例えば、PUCCHリソース)の割り当て(allocation)は、上位レイヤシグナリング及び/又は下り制御情報(DCI)を用いて行われる。ここで、上位レイヤシグナリングは、例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、システム情報(例えば、RMSI:Remaining Minimum System Information、OSI:Other system information、MIB:Master Information Block、SIB:System Information Blockの少なくとも一つ)、ブロードキャスト情報(PBCH:Physical Broadcast Channel)の少なくとも一つであればよい。
【0016】
具体的には、ユーザ端末に対しては、一以上のPUCCHリソースをそれぞれ含む一以上のセット(PUCCHリソースセット)が上位レイヤシグナリングにより通知(設定(configure))される。例えば、ユーザ端末に対して、K(例えば、1≦K≦4)個のPUCCHリソースセットがネットワーク(NW、無線基地局、gNBなど)から通知されてもよい。各PUCCHリソースセットは、M(例えば、4≦M≦8)個のPUCCHリソースを含んでもよい。
【0017】
ユーザ端末は、UCIのペイロードサイズ(UCIペイロードサイズ)に基づいて、設定されたK個のPUCCHリソースセットから単一のPUCCHリソースセットを決定してもよい。UCIペイロードサイズは、巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Code)ビットを含まないUCIのビット数であってもよい。
【0018】
ユーザ端末は、決定されたPUCCHリソースセットに含まれるM個のPUCCHリソースから、DCI及び黙示的な(implicit)情報(黙示的指示(implicit indication)情報、黙示的インデックス又は暗示的(implicit)インデックス等ともいう)の少なくとも一つに基づいて、UCIの送信に用いるPUCCHリソースを決定してもよい。
【0019】
図1は、PUCCHリソースの割り当ての一例を示す図である。
図1では、一例として、K=4であり、4個のPUCCHリソースセット#0-#3が無線基地局からユーザ端末に上位レイヤシグナリングにより設定(configure)されるものとする。また、PUCCHリソースセット#0-#3は、それぞれ、M(例えば、4≦M≦8)個のPUCCHリソース#0-#M-1を含むものとする。なお、各PUCCHリソースセットが含むPUCCHリソースの数は、同一であってもよいし、異なってもよい。
【0020】
図1において、ユーザ端末に設定される各PUCCHリソースは、以下の少なくとも一つのパラメータ(フィールド又は情報等ともいう)の値を含んでもよい。なお、各パラメータには、PUCCHフォーマット毎にとり得る値の範囲が定められてもよい。
・PUCCHの割り当てが開始されるシンボル(開始シンボル、最初のシンボル)
・スロット内でPUCCHに割り当てられるシンボル数(PUCCHに割り当てられる期間)
・PUCCHの割り当てが開始されるリソースブロック(開始PRB、最初(最低)のPRB)のインデックス(例えばPUCCH-starting-PRB)
・PUCCHに割り当てられるPRBの数(例えば、PF2又は3用)
・PUCCHリソースに対する周波数ホッピングが有効(enabled)である無効(disabled)であるか(例えばPUCCH-frequency-hopping)
・周波数ホッピング後(第2ホップ)の周波数リソース(例えば、第2ホップにおける開始PRB又は最初(最低)のPRBのインデックス、PUCCH-2nd-hop-PRB)
・初期巡回シフト(CS)のインデックス(例えば、PF0又は1用)
・時間領域(time-domain)における直交系列(例えば、時間領域OCC)のインデックス(例えば、PF1用)
・離散フーリエ変換(DFT)前のブロック拡散(block-wise spreading)に用いられる直交系列(例えば、Pre-DFT OCC)の長さ(Pre-DFT OCC長、拡散率等ともいう)(例えば、PF4用)
・DFT前のブロック拡散に用いられる直交系列(例えば、Pre-DFT OCC)のインデックス(例えば、PF4用)
【0021】
図1に示すように、ユーザ端末に対してPUCCHリソースセット#0~#3が設定される場合、ユーザ端末は、UCIペイロードサイズに基づいていずれかのPUCCHリソースセットを選択する。
【0022】
例えば、UCIペイロードサイズが1又は2ビットである場合、PUCCHリソースセット#0が選択される。また、UCIペイロードサイズが3ビット以上N2-1ビット以下である場合、PUCCHリソースセット#1が選択される。また、UCIペイロードサイズがN2ビット以上N3-1ビット以下である場合、PUCCHリソースセット#2が選択される。同様に、UCIペイロードサイズがN3ビット以上N3-1ビット以下である場合、PUCCHリソースセット#3が選択される。
【0023】
このように、PUCCHリソースセット#i(i=0,…,K-1)が選択されるUCIペイロードサイズの範囲は、Niビット以上Ni+1-1ビット以下(すなわち、{Ni,…,Ni+1-1}ビット)と示される。
【0024】
ここで、PUCCHリソースセット#0、#1用のUCIペイロードサイズの開始位置(開始ビット数)N0、N1は、それぞれ、1、3であってもよい。これにより、2ビット以下のUCIを送信する場合にPUCCHリソースセット#0が選択されるので、PUCCHリソースセット#0は、PF0及びPF1の少なくとも一つ用のPUCCHリソース#0~#M-1を含んでもよい。一方、2ビットを超えるUCIを送信する場合にはPUCCHリソースセット#1~#3のいずれかが選択されるので、PUCCHリソースセット#1~#3は、それぞれ、PF2、PF3及びPF1の少なくとも一つ用のPUCCHリソース#0~#M-1を含んでもよい。
【0025】
i=2,…,K-1である場合、PUCCHリソースセット#i用のUCIのペイロードサイズの開始位置(N
i)を示す情報(開始位置情報)は、上位レイヤシグナリングを用いてユーザ端末に通知(設定)されてもよい。当該開始位置(N
i)は、ユーザ端末固有であってもよい。例えば、当該開始位置(N
i)は、4ビット以上256以下の範囲の値(例えば、4の倍数)に設定されてもよい。例えば、
図1では、PUCCHリソースセット#2、#3用のUCIペイロードサイズの開始位置(N
2、N
3)を示す情報が、それぞれ、上位レイヤシグナリング(例えば、ユーザ固有のRRCシグナリング)がユーザ端末に通知される。
【0026】
各PUCCHリソースセットのUCIの最大のペイロードサイズは、N
K-1で与えられる。N
Kは、上位レイヤシグナリング及び/又はDCIにより明示的にユーザ端末に通知(設定)されてもよいし、黙示的に導出されてもよい。例えば、
図1では、N
0=1、N
1=3は仕様で規定されていて、N
2とN
3が上位レイヤシグナリングで通知されてもよい。また、N
4は、仕様で規定されていてもよい(例えば、N
4=1000)。
【0027】
図1に示す場合、ユーザ端末は、UCIペイロードサイズに基づいて選択されるPUCCHリソースセットに含まれるPUCCHリソース#0~#M-1の中から、DCIの所定フィールドの値、及び/又は他のパラメータに基づいて、UCIの送信に用いる単一のPUCCHリソースを決定できる。例えば、当該所定フィールドのビット数が2ビットである場合、4種類のPUCCHリソースを指定可能である。他のパラメータは、CCEインデックスであってもよい。例えば、PUCCHリソースは、2ビットのDCIと他のパラメータとの組み合わせに関連付けられてもよいし、3ビットのDCIに関連付けられてもよい。
【0028】
例えば、UCIがHARQ-ACKである場合、ユーザ端末(User Equipment:UE)は、上位レイヤによって設定された複数のPUCCHリソースセットからUCIペイロードサイズによって1つを決定し、決定されたPUCCHリソースセットからDCI及び/又は他のパラメータに基づいて、1つのPUCCHリソースを決定してもよい。上記PUCCHリソースセットを用いたPUCCHリソースの通知方法は、UCIがHARQ-ACKと他のUCI(例えば、CSI及び/又はSR)を符号化して同時に送信する場合にも用いられてもよい。
【0029】
一方、UCIにHARQ-ACKが含まれない場合、PUCCHリソースセットを用いずにPUCCHリソースが通知されてもよい。例えば、UCIがCSI及び/又はSRである場合、UEは、上位レイヤによってセミスタティックに設定されたPUCCHリソースを用いてもよい。
【0030】
また、NRでは、ユーザ端末がHARQ-ACKサイズ(HARQ-ACKコードブック)を準静的(semi-static)又は動的(dynamic)に決定してPUCCHを利用したHARQ-ACK送信を行うことが検討されている。例えば、基地局がUEに対して、HARQ-ACKコードブックの決定方法を上位レイヤシグナリングで通知する。
【0031】
UEは、HARQ-ACKコードブックを準静的に決定するモードが設定された場合(例えば、タイプ1と判定された場合)、上位レイヤシグナリングで設定される構成に基づいてHARQ-ACKのビット数等を決定する。上位レイヤシグナリングで設定される構成(higher-layer configuration)は、例えば、HARQ-ACKのフィードバックタイミングに関連付けられた範囲にわたってスケジューリングされるDL送信(例えば、PDSCH)の最大数であってもよい。
【0032】
HARQ-ACKのフィードバックタイミングに関連付けられた範囲は、空間(space)、時間(time)及び周波数(freq)の少なくとも一つ(例えば、全部)に相当する。また、HARQ-ACKのフィードバックタイミングに関連付けられた範囲は、HARQ-ACKバンドリングウィンドウ、HARQ-ACKフィードバックウィンドウ、バンドリングウィンドウ又はフィードバックウィンドウとも呼ばれる。
【0033】
一方で、UEは、HARQ-ACKコードブックを動的に決定するモードが設定された場合(例えば、タイプ2と判定された場合)、下り制御情報(例えば、DL assignment)に含まれるDL割当てインデックス(DAI:Downlink Assignment Indicator(Index))フィールドで指定されるビットに基づいてHARQ-ACKビット数等を決定してもよい。
【0034】
また、NRでは、HARQ-ACKの送信に利用する上り制御チャネル構成(PUCCHフォーマット)として、所定ビット数以下のUCI送信に利用するPUCCHフォーマットと、所定ビット数より大きいUCIの送信に利用するPUCCHフォーマットがサポートされる。所定ビット数以下(例えば、2ビット以下(up to 2bits))のUCI送信に利用するPUCCHフォーマットは、PUCCHフォーマット0又はPUCCHフォーマット1(PF0、PF1)と呼ばれてもよい。所定ビット数より大きい(例えば、2ビットより大きい(more than 2bits))UCIの送信に利用するPUCCHフォーマットは、PUCCHフォーマット2-4(PF2、PF3、PF4)と呼ばれてもよい。
【0035】
PF0として、系列長が12である系列がPRB(Physical Resource Block)内の連続する12RE(Resource Element)にマッピングされることが検討されている。系列長が24、48である系列が用いられてもよい。PF0の系列と他の系列とがCDM(CDM:Code Division Multiplexing)又はFDMを用いて多重されてもよい。PF0の系列は、基準系列に巡回シフト(Cyclic Shift:CS、位相回転)が適用される。
【0036】
基準系列は、Zadoff-Chu系列等のCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列(例えば、低PAPR(peak-to-average power ratio:ピーク対平均電力比)系列)であってもよいし、仕様によって規定された系列(例えば、低PAPR系列、テーブルで与えられる系列)であってもよいし、CAZAC系列に準ずる系列(CG-CAZAC(computer generated CAZAC)系列)であってもよい。例えば、帯域幅が1PRBであるPUCCHは、仕様によって規定された所定数(例えば、30個でもよいし、60個でもよいし、基準系列長から定まる所定値でもよい)の系列の1つを基準系列として用いてもよい。基準系列は、UCIに用いられてもよいし、DMRSに用いられてもよい。
【0037】
PF0のPUCCHが、CSを用いて、2ビットのUCIを送信する場合について説明する。CSは、位相回転量によって表されてもよいため、位相回転量と言い換えられてもよい。1つのUEに割り当てられるCSの複数の候補(CS候補)を、CS候補セット(CS量セット、CS量パターン、位相回転量候補セット、位相回転量パターン)と呼ぶ。
【0038】
基準系列の系列長は、サブキャリア数MとPRB(Physical Resource Block)数とによって定まる。1PRBの帯域を用いてPF0のPUCCHを送信する場合、基準系列の系列長は12(=12×1)である。この場合、2π/12(すなわち、π/6)の位相間隔を持つ12の位相回転量α0-α11(CS0-11)が定義される。1つの基準系列を位相回転量α0-α11を用いてそれぞれ位相回転(巡回シフト)させることにより得られる12個の系列は、互いに直交する(相互相関が0となる)。なお、位相回転量α0-α11は、サブキャリア数M、PRB数、基準系列の系列長の少なくとも1つに基づいて定義されればよい。CS候補セットは、当該位相回転量(巡回シフト)α0-α11の中から選択される2以上の位相回転量を含んでもよい。当該位相回転量のインデックス0-11は、CS(CSインデックス)と呼ばれてもよい。
【0039】
PF0のPUCCHは、HARQ-ACK(ACK/NACK、A/N)、CSI、SRの少なくともいずれかを含むUCIを通知する。
【0040】
例えば、UCIがHARQ-ACKを示す1ビットである場合、UCI値0、1はそれぞれ、「NACK」(否定応答)、「ACK」(肯定応答)に対応してもよい。例えば、UCIがHARQ-ACKを示す2ビットである場合、UCI値00、01、11、10はそれぞれ、「NACK-NACK」、「NACK-ACK」、「ACK-ACK」、「ACK-NACK」に対応してもよい。
【0041】
例えば、UCIが2ビットである場合、UEは、2ビットのUCIの4つの候補(UCI候補、候補値)のうち、送信する値に対応するCSを適用した信号を、与えられた時間/周波数リソースを用いて送信する。時間/周波数リソースは、時間リソース(例えば、シンボルなど)及び/又は周波数リソース(例えば、PRBなど)である。
【0042】
UEは、PF0のPUCCHのための送信信号生成処理は、系列長Mの基準系列X0-XM-1を、選択された位相回転量(CS)を用いて位相回転(巡回シフト)させ、位相回転された基準系列を、CP-OFDM(Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)送信機又はDFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform-Spread-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)送信機へ入力する。UEは、CP-OFDM送信機又はDFT-S-OFDM送信機からの出力信号を送信する。
【0043】
次に、PF0のPUCCHにより通知されるUCIの復号について説明する。ここでは、位相回転量の選択によりUCIを通知する場合の受信判定動作について説明するが、他の種類のリソース(例えば、基準系列、時間/周波数リソース)又は複数の種類のリソースの組み合わせの選択によりUCIを通知する場合であっても同様である。
【0044】
NWは、受信した信号から、最尤検出(MLD:Maximum Likelihood Detection、又は、相関検出と呼ばれてもよい)を用いてUCIを判定してもよい。具体的には、ネットワークは、ユーザ端末に割り当てられた各位相回転量のレプリカ(位相回転量レプリカ)を生成し(例えば、UCIペイロード長が2ビットである場合、4パターンの位相回転量レプリカを生成する)、基準系列と位相回転量レプリカを用いてユーザ端末と同様に送信信号波形を生成してもよい。また、ネットワークは、得られた送信信号波形とユーザ端末から受信した受信信号波形との相関を、全ての位相回転量レプリカに対して計算し、最も相関の高い位相回転量レプリカが送信されたと推定してもよい。
【0045】
より具体的には、ネットワークは、サイズMのDFT後の受信信号系列(M個の複素数系列)の各要素に対して、送信信号の基準系列に位相回転量レプリカの位相回転を施すことにより得た送信信号系列(M個の複素数系列)の複素共役を掛け算し、得られたM個の系列の合計の絶対値(或いは、絶対値の二乗)が最大になる位相回転量レプリカが送られたと想定してもよい。
【0046】
または、ネットワークは、位相回転量の最大割り当て数(1PRBなら12個)分の送信信号レプリカを生成して、上記のMLDと同様の動作で、最も受信信号との相関の高い位相回転量を推定してもよい。割り当てた位相回転量以外の位相回転量が推定された場合、割り当てた位相回転量の中で推定された位相回転量と最も近い位相回転量が送信されたと推定してよい。
【0047】
PF0のPUCCHによって送信されるUCIの複数の値にCSが関連付けられる。UEは、送信することになるUCIの値に対応するCSを、初期CSに加え、得られるCSを基準系列に適用する。
【0048】
PF0のためのUCIの値とCSの関連付け(マッピング)として、次の第1マッピングが検討されている。
【0049】
図2A、
図3Aに示すように、PF0において、1ビットHARQ-ACK値0、1に対し、巡回シフト0、6がそれぞれ関連付けられ(マップされ)てもよい。
【0050】
図2B、
図3Bに示すように、PF0に対し、2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、1}、{1、0}に対し、巡回シフト0、3、6、9がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0051】
図2C、
図3Aに示すように、PF0において、肯定SRを伴う1ビットHARQ-ACKの値0、1に対し、巡回シフト3、9がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0052】
図2D、
図3Bに示すように、PF0において、肯定SRを伴う2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、1}、{1、0}に対し、巡回シフト1、4、7、10がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0053】
また、HARQ-ACKを含まずSRのみを示すUCIの値は、HARQ-ACKのみのCSと異なるCSに関連付けられてもよい。
【0054】
PF1のためのUCIのビット値と複素値変調シンボル(complex-valued modulation symbol)の関連付け(マッピング)として、次の第1マッピングが検討されている。
【0055】
PF1のUCIが1ビットである場合、UCIの値b(i)に対応する複素値変調シンボルxは、次の式によって与えられる。
【数1】
【0056】
PF1のUCIが2ビットである場合、UCIの値b(i)に対応する複素値変調シンボルxは、次の式によって与えられる。
【数2】
【0057】
すなわち、1ビット値b(0)である0、1に対し、2つの複素値変調シンボルxとして(1+j)/sqrt(2)、(-1-j)/sqrt(2)がそれぞれ関連付けられ、PF1に対し、2ビット値{b(0)、b(1)}である{0、0}、{0、1}、{1、1}、{1、0}に対し、4つの複素値変調シンボルxとして、(1+j)/sqrt(2)、(1-j)/sqrt(2)、(-1+j)/sqrt(2)、(-1-j)/sqrt(2)がそれぞれ関連付けられてもよい。ここで、sqrt(2)は2の平方根を示す。UEは、HARQ-ACK用のPUCCHリソースと、SR用のPUCCHリソースを設定されてもよい。UEは、肯定SRを伴わないHARQ-ACKを送信する場合、HARQ-ACK用のPUCCHリソースを用いて、2ビットHARQ-ACKを示す複素値変調シンボルを送信する。UEは、肯定SRを伴うHARQ-ACKを送信する場合、SR用のPUCCHリソースを用いて、2ビットHARQ-ACKを示す複素値変調シンボルを送信する。NWは、2つのPUCCHリソースのうち、いずれのPUCCHリソースが用いられたかによって、SRの有無を認識してもよい。
【0058】
それぞれがDL割り当てを含む2つのPDCCHが送信される場合のHARQ-ACKの問題について説明する。
【0059】
2よりも多い(3以上の)PDCCHが送信される場合、それらのPDCCHによってスケジュールされた2よりも多いPDSCHに対するHARQ-ACKは、PF2、PF3、又はPF4が用いて送信される。したがって、NWは、HARQ-ACKを正しく認識できる。
【0060】
UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、それぞれがDL割り当てを含む2つのPDCCHが送信される(割り当てられる)場合、UEは、2つのPDCCHの1つの検出に失敗した場合であっても、2つのPDCCHが送信されたことと、いずれのPDCCHの検出に失敗したかと、を認識できるため、2ビットHARQ-ACKを送信する。したがって、NWは、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0061】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、1よりも多い(2以上の)サービングセル及び/又はCCにおいて、それぞれがDL割り当てを含む2つのPDCCHが送信される(割り当てられる)場合、UEは、2つのPDCCHの1つの検出に失敗した場合であっても、2つのPDCCHが送信されたことと、いずれのPDCCHの検出に失敗したかと、を、DAI(Downlink Assignment Indicator)によって認識できるため、2ビットHARQ-ACKを送信する。したがって、NWは、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0062】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、1つのサービングセル及び/又はCCにおいて、それぞれがDL割り当てを含む2つのPDCCHが送信され(割り当てられ)、NWが2つのPDCCHに基づく2ビットHARQ-ACKの受信を想定する場合について説明する。この場合の2つのPDCCHは、異なるスロット又はシンボルにおいて送信される。
【0063】
UEが、2つのPDCCHのうち1番目のPDCCHの検出に失敗した場合、UEは、2つのPDCCHが送信されたことと、1番目のPDCCHの検出に失敗したことと、を、DAIによって認識できるため、2ビットHARQ-ACKを送信する。
【0064】
しかしながら、UEが、2つのPDCCHのうち2番目のPDCCHの検出に失敗した場合、UEは、2つのPDCCHが送信されたことと、2番目のPDCCHの検出に失敗したことと、を、DAIによって認識できないため、1ビットHARQ-ACKを送信する。NWは、2ビットHARQ-ACKの受信を想定するため、HARQ-ACKを誤って解釈する場合がある。
【0065】
PDSCHをスケジュールするPDCCHは、DAI(Downlink Assignment Indicator)を含んでもよい。DAIは、カウンタDAI及びトータルDAIを含んでもよい。トータルDAIは、周波数方向に並ぶ少なくとも1つのDL割り当ての総数を示してもよい。カウンタDAIは、時間方向及び/又は周波数方向に並ぶ少なくとも1つのDL割り当て(Downlink Assignment)の番号(インデックス)を示してもよい。
【0066】
図4は、それぞれがDL割り当てを含む2つのPDCCHが、1よりも多いサービングセル及び/又はCC(Component Carrier)において送信される場合のDAI(トータルDAI、カウンタDAI)を示す。PDCCH#1のDAIは(2、1)を示し、PDCCH#2のDAIは(2、2)を示す。
【0067】
もしUEが、PDCCH#1の検出に失敗し、PDCCH#2の検出に成功した場合、UEは、DAIが(2、2)である1つのPDCCHのみを検出し、UEは、2つのPDCCHのうち、1番目のPDCCHの検出に失敗し、2番目のPDCCHの検出に成功したことを認識できる。もしUEが、PDCCH#1の検出に成功し、PDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、DAIが(2、1)である1つのPDCCHのみを検出し、UEは、2つのPDCCHのうち、1番目のPDCCHの検出に成功し、2番目のPDCCHの検出に失敗したことを認識できる。
【0068】
図5は、それぞれがDL割り当てを含む2つのPDCCHが、1つのサービングセル及び/又はCC、異なるシンボル又はスロットにおいて送信される場合のDAI(トータルDAI、カウンタDAI)を示す。PDCCH#1のDAIは(1、1)を示し、PDCCH#2のDAIは(1、2)を示す。
【0069】
NWが、PDCCH#1を送る時点でPDCCH#2を送ることを認識していない場合があるため、トータルDAIは、周波数方向(サービングセル及び/又はCC)のDL割り当ての数を示す。
【0070】
もしUEが、PDCCH#1の検出に失敗し、PDCCH#2の検出に成功した場合、UEは、DAIが(1、2)である1つのPDCCHのみを検出し、UEは、2つのPDCCHのうち、1番目のPDCCHの検出に失敗し、2番目のPDCCHの検出に成功したことを認識できる。もしUEが、PDCCH#1の検出に成功し、PDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、DAIが(1、1)である1つのPDCCHのみを検出し、UEは、2つのPDCCHのうち、1つのみのPDCCHが送信されたことを認識し、2番目のPDCCHの検出に失敗したことを認識できない。
【0071】
図6は、DL割り当てを含む1つのPDCCHが送信される場合のDAI(トータルDAI、カウンタDAI)を示す。PDCCH#1のDAIは(1、1)を示す。UEは、UEは、DAIが(1、1)である1つのPDCCHのみを検出し、1つのみのPDCCHが存在することを認識できる。
【0072】
図5のように、同一の周波数リソース(1つのサービングセル及び/又はCC)において、異なる時間リソース(スロット又はシンボル)に配置された2つのPDCCHが送信され、第1マッピングを用いる場合の問題について説明する。PDCCH#1、#2は、それぞれPDSCH#1、#2をスケジュールする。
【0073】
UEが、PDCCH#1及びPDSCH#1の受信に成功し、PDCCH#2の受信に失敗し、PF0を用いてSRを伴わない(否定SRの)HARQ-ACKを送信する場合、UEは、1ビットHARQ-ACKによってPDSCH#1に対する1ビットHARQ-ACKとして1(ACK)を送信する。NWは、2ビットHARQ-ACKを受信すると想定するため、実際に受信された1ビットHARQ-ACKの1(ACK)を、第1マッピングに基づいて、2ビットHARQ-ACKの{1、1}(ACK、ACK)と解釈する。したがって、PDCCH2の受信失敗が正しく通知されない。
【0074】
UEが、PDCCH#1の受信に成功し、PDSCH#1及びPDCCH#2の受信に失敗し、PF0を用いてSRを伴う(肯定SRの)HARQ-ACKを送信する場合、UEは、1ビットHARQ-ACKによってPDSCH#1に対する1ビットHARQ-ACKとして0(NACK)を送信する。NWは、2ビットHARQ-ACKを受信すると想定するため、実際に受信されたSRを伴う1ビットHARQ-ACKの0(NACK)を、、第1マッピングに基づいて、SRを伴わない2ビットHARQ-ACKの{0、1}(NACK、ACK)と解釈する。したがって、PDCCH#2の受信失敗が正しく通知されない。
【0075】
なお、UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定された場合、UEがPDCCH#1及び/又は#2の検出を失敗しても、UEは、いずれのPDCCHの検出を失敗したかが分かるため、UEは、2ビットHARQ-ACKを送信する。したがって、NWは、正しく2ビットHARQ-ACKを認識できる。
【0076】
もしUEが、PDCCH#1及び#2の両方の検出に失敗し、且つSRが発生しない場合、UEは、PUCCHを送信しない。この場合、NWは、DTX(Discontinuous Transmission)を検出する。したがって、NWは、正しくDTXを認識できる。もしUEが、PDCCH#1及び#2の両方の検出に失敗し、且つSRが発生した場合、UEは、PF1のSR及びNACKに対応する信号配置(constellation)を用いて、又はPF0のSRに対応するCSを用いて、SR及びDTXを送信する。したがって、NWは、正しくSR及びDTXを認識できる。
【0077】
このように、UEが、第1マッピングを用いて時間方向に配置された2つのPDCCHに対するHARQ-ACKを通知する場合に、問題が発生する。そこで、本発明者らは、HARQ-ACKの通知方法を検討し、本発明に至った。
【0078】
以下、本実施の形態について詳細に説明する。以下で説明する実施の態様は単独で適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
【0079】
以下の説明において、UEが1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出した場合は、HARQ-ACKが1つのPDCCHによってスケジュールされた1つのMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)レイヤ(空間レイヤ)を有する1つのPDSCHから得られる場合と読み替えられてもよい。UEが2つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から2つのPDCCHを検出した場合は、HARQ-ACKが1つのPDCCHによってスケジュールされた2つのMIMOレイヤを有するPDSCHから得られる場合と読み替えられてもよい。
【0080】
また、UE及びNWの2つの動作が逆であってもよい。すなわち、UEが2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いると述べたケースに、UEが2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用い、UEが2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いると述べたケースにおいて、UEが2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。
【0081】
UEが、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマットを用いることは、PUCCHリソースセット#0からPUCCHリソースを選択(決定)することであってもよい。UEが、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマットを用いることは、PUCCHリソースセット#1-3からPUCCHリソースを選択(決定)することであってもよい。
【0082】
(第1の態様)
第1の態様では、UEは、2ビットまでのHARQ-ACKを送信する場合、状況に適したPUCCHフォーマット及び/又はPUCCHリソースセットを用いる(PUCCHフォーマット決定方法)。
【0083】
<態様1-1>
UEは、動的HARQ-ACKコードブックを用いるか否か、及び/又は、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否か、に基づいて、HARQ-ACK送信のためのPUCCHフォーマットを決定してもよい。
【0084】
UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定されるか、準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定されるか、によってUE動作が異なってもよい。
【0085】
《UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合》
UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、2ビットまでの(1ビット又は2ビットの)UCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。この場合、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かにかかわらず、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマットを用いてもよい。2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマットは、2ビットまでのPUCCHリソースセットであってもよいし、PUCCHリソースセット#0であってもよい。
【0086】
このPUCCHフォーマット決定方法によれば、例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合であっても、UEが、2ビットHARQ-ACKを送信するため、NWは、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0087】
《UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合》
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かによって異なるPUCCHフォーマットを決定してもよい。
【0088】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、且つ2つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から2つのPDCCHを検出した場合、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。
【0089】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、且つ1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出した場合、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0090】
NWは、時間方向にPDCCH#1、#2を送信した場合、PUCCHのブラインド検出を行うことによって、検出されたPUCCHのPUCCHフォーマットを認識してもよい。NWは、検出されたPUCCHがPF0又はPF1である場合、当該PUCCHが2ビットHARQ-ACKを含むと想定し、検出されたPUCCHがPF2、PF3、又はPF4である場合、当該PUCCHが1ビットHARQ-ACKを含むと想定してもよい。
【0091】
このPUCCHフォーマット決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0092】
例えば、UEが、動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、PF2、PF3、又はPF4を用いて1ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信する。NWは、受信したPUCCHがPF2、PF3、又はPF4であることから、PUCCHが1ビットHARQ-ACKを示すと認識でき、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1と、PDCCH#2にスケジュールされたPDSCH#2と、の1つの受信が失敗したことを認識できる。
【0093】
<態様1-2>
UEは、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かに基づいて、HARQ-ACK送信のためのPUCCHフォーマットを決定してもよい。この場合、UEは、動的HARQ-ACKコードブックを用いるか否かにかかわらず、同じ動作を行ってもよい。
【0094】
UEは、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かによって異なるPUCCHフォーマットを決定してもよい。
【0095】
UEが2つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から2つのPDCCHを検出した場合、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。
【0096】
UEが1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出した場合、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0097】
NWは、時間方向にPDCCH#1、#2を送信した場合、PUCCHのブラインド検出を行うことによって、検出されたPUCCHのPUCCHフォーマットを認識してもよい。NWは、検出されたPUCCHがPF0又はPF1である場合、当該PUCCHが2ビットHARQ-ACKを含むと想定し、検出されたPUCCHがPF2、PF3、又はPF4である場合、当該PUCCHが1ビットHARQ-ACKを含むと想定してもよい。
【0098】
このPUCCHフォーマット決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0099】
例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、PF2、PF3、又はPF4を用いて1ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信する。NWは、受信したPUCCHがPF2、PF3、又はPF4であることから、PUCCHが1ビットHARQ-ACKを示すと認識でき、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1と、PDCCH#2にスケジュールされたPDSCH#2と、の1つの受信が失敗したことを認識できる。
【0100】
<態様1-3>
UEは、動的HARQ-ACKコードブックを用いるか否かに基づいて、PUCCHフォーマットを決定してもよい。
【0101】
UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。
【0102】
このPUCCHフォーマット決定方法によれば、例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合であっても、UEが、2ビットHARQ-ACKを送信するため、NWは、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0103】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0104】
NWは、時間方向にPDCCH#1、#2を送信した場合、PUCCHのブラインド検出を行うことによって、検出されたPUCCHのPUCCHフォーマットを認識してもよい。NWは、検出されたPUCCHがPF0又はPF1である場合、当該PUCCHが2ビットHARQ-ACKを含むと想定し、検出されたPUCCHがPF2、PF3、又はPF4である場合、当該PUCCHが1ビットHARQ-ACKを含むと想定してもよい。
【0105】
このPUCCHフォーマット決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0106】
例えば、UEが、動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、PF2、PF3、又はPF4を用いて1ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信する。NWは、受信したPUCCHがPF2、PF3、又はPF4であることから、PUCCHが1ビットHARQ-ACKを示すと認識でき、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1と、PDCCH#2にスケジュールされたPDSCH#2と、の1つの受信が失敗したことを認識できる。
【0107】
(第2の態様)
第2の態様では、第1マッピングと異なる第2マッピングを用いる。
【0108】
<態様2-1>
態様2-1では、PF0に対する第2マッピングについて説明する。
【0109】
図7A、
図8Aに示すように、第1マッピングと同様、PF0において、1ビットHARQ-ACK値0、1に対し、巡回シフト0、6がそれぞれ関連付けられ(マップされ)てもよい。
【0110】
図7B、
図8Bに示すように、PF0において、2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、0}、{1、1}に対し、巡回シフト0、3、6、9がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0111】
ここで、1ビットHARQ-ACK値0と、2ビットHARQ-ACK値{0、0}と、が同じ巡回シフトに関連付けられればよく、1ビットHARQ-ACK値の1と、2ビットHARQ-ACK値の{1、0}と、が同じ巡回シフトに関連付けられればよい。なお、PF0において、2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、0}、{1、1}に対し、巡回シフト0、9、6、3がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0112】
図7C、
図8Aに示すように、PF0において、肯定SRを伴う1ビットHARQ-ACKの値0、1に対し、巡回シフト1、7がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0113】
図7D、
図8Bに示すように、PF0において、肯定SRを伴う2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、0}、{1、1}に対し、巡回シフト1、4、7、10がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0114】
肯定SRを伴う1ビットHARQ-ACK値0と、2ビットHARQ-ACK値{0、0}と、が同じ巡回シフトに関連付けられればよく、肯定SRを伴う1ビットHARQ-ACK値の1と、2ビットHARQ-ACK値の{1、0}と、が同じ巡回シフトに関連付けられればよい。なお、PF0において、肯定SRを伴う2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、0}、{1、1}に対し、巡回シフト1、10、7、4がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0115】
このマッピングによれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWが受信したHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0116】
例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗し、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1から得られる1ビットHARQ-ACK値(0又は1)を送信する場合であっても、NWは、2ビットHARQ-ACK値({0、0}又は{1、0})と認識するため、PDSCH#2の受信失敗を正しく認識できる。
【0117】
<態様2-2>
態様2-2では、PF1に対する第2マッピングについて説明する。
【0118】
PF1に対し、UCI(HARQ-ACK)を示す1ビット及び2ビットのビットb(i)に対し、複素値変調シンボル(complex-valued modulation symbol)xが、次のように関連付けられ(マップされ)てもよい。
【0119】
1ビット値b(0)である0、1に対し、2つの複素値変調シンボルxとして(1+j)/sqrt(2)、(-1-j)/sqrt(2)がそれぞれ関連付けられ、PF1に対し、2ビット値{b(0)、b(1)}である{0、0}、{0、1}、{1、0}、{1、1}に対し、4つの複素値変調シンボルxとして、(1+j)/sqrt(2)、(1-j)/sqrt(2)、(-1+j)/sqrt(2)、(-1-j)/sqrt(2)がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0120】
ここで、1ビット値0と、2ビット値{0、0}と、が同じ複素値変調シンボルに関連付けられればよく、1ビット値1と、2ビット値{1、0}と、が同じ複素値変調シンボルに関連付けられればよく、関連付けられればよい。よって、2ビット値{0、1}、{1、1}にそれぞれ関連付けられる2つの複素値変調シンボルが、上記と逆であってもよい。
【0121】
このマッピングによれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWが受信したHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0122】
例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗し、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1から得られる1ビットHARQ-ACK値(0又は1)を送信する場合であっても、NWは、2ビットHARQ-ACK値({0、0}又は{1、0})と認識するため、PDSCH#2の受信失敗を正しく認識できる。
【0123】
第2の態様によれば、UEがPDCCH#1の検出に失敗し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、HARQ-ACKを含むPUCCHを送信しない。NWは、2ビットHARQ-ACKの受信を想定し、DTXを検出することによって、2ビットHARQ-ACK{0、0}を正しく認識できる。
【0124】
この第2の態様によれば、UEがPDCCH#1の検出に失敗し、且つPDCCH#2の検出に成功した場合、UEは、PDCCH#1の検出失敗を認識するため、2ビットHARQ-ACK({0、0}又は{0、1})を含むPUCCHを送信する。NWは、2ビットHARQ-ACKの受信を想定し、当該PUCCHを受信することによって、PDCCH#2にスケジュールされたPDSCH#2の受信失敗を正しく認識できる。
【0125】
この第2の態様によれば、UEがPDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、PUCCH#2にスケジュールされたPDSCH#2に対する1ビットHARQ-ACK(0又は1)を含むPUCCHを送信する。NWは、2ビットHARQ-ACKの受信を想定し、当該PUCCHを2ビットHARQ-ACK({0、0}又は{1、0})と認識することによって、PDSCH#2の受信失敗を正しく認識できる。
【0126】
この第2の態様によれば、UEがPDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に成功した場合、UEは、2ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信する。NWは、2ビットHARQ-ACKの受信を想定し、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0127】
(第3の態様)
第3の態様では、第1マッピングと異なる第3マッピングを用いる。PF0に対する第3マッピングについて説明する。
【0128】
図9A、
図10Aに示すように、第1マッピングと同様、PF0に対し、1ビットHARQ-ACK値0、1に対し、巡回シフト0、6がそれぞれ関連付けられ(マップされ)てもよい。
【0129】
図9B、
図10Bに示すように、第1マッピングと同様、PF0に対し、2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、1}、{1、0}に対し、巡回シフト0、3、6、9がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0130】
図9C、
図10Aに示すように、PF0に対し、肯定SRを伴う1ビットHARQ-ACKの値0、1に対し、巡回シフト1、7がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0131】
図9D、
図10Bに示すように、第1マッピングと同様、PF0に対し、肯定SRを伴う2ビットHARQ-ACK値{0、0}、{0、1}、{1、1}、{1、0}に対し、巡回シフト1、4、7、10がそれぞれ関連付けられてもよい。
【0132】
肯定SRを伴う1ビットHARQ-ACK値の0と、肯定SRを伴う2ビットHARQ-ACK値の{0、0}と、が同じ巡回シフトに関連付けられる。1ビットHARQ-ACK値の1と、2ビットHARQ-ACK値の{1、1}と、が同じ巡回シフトに関連付けられる。
【0133】
第3マッピングによれば、第1マッピングからの変更を最小限に抑えることができる。また、肯定SRを伴う1ビットHARQ-ACK値に関連付けられる巡回シフトと、肯定SRを伴う2ビットHARQ-ACK値に関連付けられる巡回シフトと、の違いを抑え、UE動作を簡単化でき、UEの負荷を抑えることができる。
【0134】
(第4の態様)
第4の態様では、UEは、2ビットまでのHARQ-ACKを送信する場合、状況に適した、UCIと、巡回シフト又は複素値変調シンボルと、のマッピングを用いる(マッピング決定方法)。
【0135】
<態様4-1>
UEは、動的HARQ-ACKコードブックを用いるか否か、及び/又は、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否か、に基づいてマッピングを決定してもよい。
【0136】
UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定されるか、準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定されるか、によってUE動作が異なってもよい。
【0137】
《UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合》
UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、第3マッピングを用いて、2ビットまでの(1ビット又は2ビットの)UCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)のPUCCHを送信してもよい。この場合、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かにかかわらず、UEは、第3マッピングを用いてもよい。2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマットは、2ビットまでのPUCCHリソースセットであってもよいし、PUCCHリソースセット#0であってもよい。
【0138】
このマッピング決定方法によれば、例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合であっても、UEが、2ビットHARQ-ACKを送信するため、NWは、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0139】
《UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合》
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かによって異なるマッピングを決定してもよい。
【0140】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、且つ2つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から2つのPDCCHを検出した場合、UEは、第3マッピングを用いて、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)のPUCCHを送信してもよい。
【0141】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、且つ1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出した場合、UEは、第2マッピングを用いて、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)のPUCCHを送信してもよい。
【0142】
このマッピング決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0143】
例えば、UEが、動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、第2マッピングを用いて1ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信する。NWは、受信したPUCCHを2ビットHARQ-ACKとして解釈でき、PDCCH#2にスケジュールされたPDSCH#2の受信が失敗したことを認識できる。
【0144】
<態様4-2>
UEは、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かに基づいて、HARQ-ACK送信のためのマッピングを決定してもよい。この場合、UEは、動的HARQ-ACKコードブックを用いるか否かにかかわらず、同じ動作を行ってもよい。
【0145】
UEは、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かによって異なるマッピングを決定してもよい。
【0146】
UEが2つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から2つのPDCCHを検出した場合、UEは、第3マッピングを用いて、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマットのPUCCHを送信してもよい。NWは、第3マッピングの巡回シフトを有するPUCCHを検出した場合、第3マッピングを用いて2ビットHARQ-ACKを解釈してもよい。
【0147】
UEが1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出した場合、UEは、第2マッピングを用いて、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマットのPUCCHを送信してもよい。NWは、第2マッピングの巡回シフトを有するPUCCHを検出した場合、第2マッピングを用いて1ビットHARQ-ACKを解釈してもよい。
【0148】
このマッピング決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0149】
例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗し、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1から得られる1ビットHARQ-ACK値(0又は1)を送信する場合であっても、UEは、第2マッピングを用いて1ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信する。NWは、2ビットHARQ-ACK値({0、0}又は{1、0})と認識するため、PDSCH#2の受信失敗を正しく認識できる。
【0150】
<態様4-3>
UEは、動的HARQ-ACKコードブックを用いるか否かに基づいて、マッピングを決定してもよい。
【0151】
UEが準静的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、第3マッピングを用いて、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)のPUCCHを送信してもよい。
【0152】
このマッピング決定方法によれば、例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合であっても、UEが、2ビットHARQ-ACKを送信するため、NWは、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0153】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定される場合、UEは、第2マッピングを用いて、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)のPUCCHを送信してもよい。
【0154】
このマッピング決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0155】
例えば、UEが、動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗し、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1から得られる1ビットHARQ-ACK値(0又は1)を送信する場合であっても、NWは、2ビットHARQ-ACK値({0、0}又は{1、0})と認識するため、PDSCH#2の受信失敗を正しく認識できる。
【0156】
<態様4-4>
UEは、2ビットまでのHARQ-ACKを送信する場合、第2マッピングを用いてもよい。この場合、UEは、動的HARQ-ACKコードブックを用いるか否かにかかわらず、1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出したか否かにかかわらず、HARQ-ACKがどのようなPDCCH及び/又はPDSCHから得られるかにかかわらず、同じ動作を行ってもよい。
【0157】
このマッピング決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0158】
例えば、UEが、動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗し、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1から得られる1ビットHARQ-ACK値(0又は1)を送信する場合であっても、NWは、2ビットHARQ-ACK値({0、0}又は{1、0})と認識するため、PDSCH#2の受信失敗を正しく認識できる。
【0159】
(第5の態様)
第5の態様では、PDSCHをスケジュールするPDCCHに含まれるトータルDAIが、時間方向及び/又は周波数方向に並ぶ少なくとも1つのDL割り当ての数を示す(PDCCH識別方法)。
【0160】
カウンタDAIは、時間方向及び/又は周波数方向に並ぶ少なくとも1つのDL割り当ての番号(インデックス)を示してもよい。
【0161】
この場合、時間方向に2つのPDCCHが送信される場合、PDCCH#1において、トータルDAIが2を示し、カウンタDAIが1を示し、PDCCH#2において、トータルDAIが1を示し、カウンタDAIが2を示す。時間方向に1つのPDCCHが送信される場合、PDCCH#1において、トータルDAIが1を示し、カウンタDAIが1を示す。
【0162】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定された場合、UEは、PDCCHに含まれるトータルDAI及びカウンタDAIを用いて、検出されたPDCCHを識別してもよい。UEは、少なくとも1つのPDCCHを検出した場合、当該PDCCH内のトータルDAIに基づいて、2ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信してもよい。
【0163】
もしUEがPDCCH#1の検出に失敗し、且つPDCCH#2の検出に成功した場合、UEは、検出されたPDCCH#2に含まれるトータルDAIが2であり、カウンタDAIが2であるため、PDCCH#1の検出失敗とPDCCH#2の検出成功とを認識できる。UEは、PDSCH#2の復号結果に基づいて、2ビットHARQ-ACKを送信する。
【0164】
もしUEがPDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、検出されたPDCCH#1に含まれるトータルDAIが2であり、カウンタDAIが1であるため、PDCCH#1の検出成功とPDCCH#2の検出失敗とを認識できる。UEは、PDSCH#1の復号結果に基づいて、2ビットHARQ-ACKを送信する。
【0165】
第5の態様によれば、例えば、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合であっても、UEが、トータルDAIに基づいて2ビットHARQ-ACKを送信することによって、NWは、2ビットHARQ-ACKを正しく認識できる。
【0166】
(第6の態様)
第6の態様では、UEは、MIMOレイヤ数に適したPUCCHフォーマット及び/又はPUCCHリソースセットを用いる(PUCCHフォーマット決定方法)。
【0167】
NRにおいて、1つのCW(Code Word)及び/又はTB(Transport Block)が4MIMOレイヤまでによって送信されるため、MIMOレイヤが1~4である場合、UEは1ビットHARQ-ACKを送信し、MIMOレイヤが5~8である場合、UEは2ビットHARQ-ACKを送信してもよい。
【0168】
UEが検出した1つのDL割り当て(1つのPDCCH)がスケジュールするPDSCHのCW及び/又はTBの数が1である場合(1つのPDCCHに基づいてMIMOレイヤ方向に1ビットHARQ-ACKが得られる場合)、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。
【0169】
UEが検出した1つのDL割り当て(1つのPDCCH)がスケジュールするPDSCHのCW及び/又はTBの数が2である場合(1つのPDCCHに基づいてMIMOレイヤ方向に2ビットHARQ-ACKが得られる場合)、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。
【0170】
UEが検出した2つのDL割り当て(2つのPDCCH)のそれぞれがスケジュールするPDSCHのCW及び/又はTBの数が1である場合(2つのPDCCHのそれぞれに基づいてMIMOレイヤ方向に1ビットHARQ-ACKが得られ、合わせて2ビットHARQ-ACKが得られる場合)、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0171】
この場合、UEは、両方のPDCCHの検出に成功すれば、PF0又はPF1を送信し、一方のPDCCHの検出に失敗すれば、PF2、PF3、又はPF4を送信する。NWは、2パターンのPUCCHをブラインド検出することによって、UEのPDCCHの検出を認識できる。
【0172】
UEが検出した2つのDL割り当て(2つのPDCCH)の少なくとも1つがスケジュールするPDSCHのCW及び/又はTBの数が2である場合(2つのPDCCHの少なくとも1つに基づいてMIMOレイヤ方向に2ビットHARQ-ACKが得られ、合わせて2ビットよりも多い(3ビット以上の)HARQ-ACKが得られる場合)、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0173】
なお、UEは、2つのCW及び/又はTBに基づく2ビットHARQ-ACKを送信する場合、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。UEは、1つのCW及び/又はTBに基づく1ビットHARQ-ACKを送信する場合、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0174】
UEが動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、且つ1つの周波数領域(サービングセル及び/又はCC)から1つのPDCCHを検出し、且つUEが検出した2つのDL割り当て(2つのPDCCH)のそれぞれがスケジュールするPDSCHのCW及び/又はTBの数が1である場合(2つのPDCCHのそれぞれに基づいてMIMOレイヤ方向に1ビットHARQ-ACKが得られ、合わせて2ビットHARQ-ACKが得られる場合)、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0175】
なお、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマットを用いる代わりに、第2マッピング及び2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。また、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いる代わりに、第3マッピング及び2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。
【0176】
UEが、MIMOレイヤ(空間レイヤ)方向の2ビットHARQ-ACKを送信する場合、UEは、2ビットまでのUCIのためのPUCCHフォーマット(PF0又はPF1)を用いてもよい。UEが、MIMOレイヤ(空間レイヤ)方向の1ビットHARQ-ACKを送信する場合、UEは、2ビットよりも多いUCIのためのPUCCHフォーマット(PF2、PF3、又はPF4)を用いてもよい。
【0177】
このPUCCHフォーマット決定方法によれば、UEがPDCCHの検出に失敗することによって2ビットHARQ-ACKを送信すべきところを1ビットHARQ-ACKを送信する場合であっても、NWがHARQ-ACKを誤認識することを避けることができる。
【0178】
例えば、UEが、動的HARQ-ACKコードブックを用いることを設定され、NWが、時間方向にPDCCH#1、#2を送信し、UEが、PDCCH#1の検出に成功し、且つPDCCH#2の検出に失敗した場合、UEは、PF2、PF3、又はPF4を用いて1ビットHARQ-ACKを含むPUCCHを送信する。NWは、受信したPUCCHがPF2、PF3、又はPF4であることから、PUCCHが1ビットHARQ-ACKを示すと認識でき、PDCCH#1にスケジュールされたPDSCH#1と、PDCCH#2にスケジュールされたPDSCH#2と、の1つの受信が失敗したことを認識できる。
【0179】
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0180】
図11は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
【0181】
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、NR(New Radio)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
【0182】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a-12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示すものに限られない。
【0183】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
【0184】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、legacy carrierなどとも呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0185】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成であってもよい。
【0186】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0187】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0188】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
【0189】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア-周波数分割多元接続(SC-FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)及び/又はOFDMAが適用される。
【0190】
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックを有する帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
【0191】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0192】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及び/又はPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。
【0193】
なお、DCIによってスケジューリング情報が通知されてもよい。例えば、DLデータ受信をスケジューリングするDCIは、DLアサインメントと呼ばれてもよいし、ULデータ送信をスケジューリングするDCIは、ULグラントと呼ばれてもよい。
【0194】
PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ-ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0195】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0196】
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
【0197】
<無線基地局>
図12は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0198】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0199】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0200】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0201】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0202】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、無線基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行う。
【0203】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0204】
図13は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0205】
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
【0206】
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0207】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成、マッピング部303による信号の割り当てなどを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理、測定部305による信号の測定などを制御する。
【0208】
制御部301は、システム情報、下りデータ信号(例えば、PDSCHで送信される信号)、下り制御信号(例えば、PDCCH及び/又はEPDCCHで送信される信号。送達確認情報など)のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号、下りデータ信号などの生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))、下り参照信号(例えば、CRS、CSI-RS、DMRS)などのスケジューリングの制御を行う。
【0209】
制御部301は、上りデータ信号(例えば、PUSCHで送信される信号)、上り制御信号(例えば、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される信号、送達確認情報など)、ランダムアクセスプリアンブル(例えば、PRACHで送信される信号)、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
【0210】
また、制御部301は、受信した上り制御チャネル(PUCCH)の上り制御チャネルPUCCHフォーマットを判定してもよい。
【0211】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0212】
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下りデータの割り当て情報を通知するDLアサインメント及び/又は上りデータの割り当て情報を通知するULグラントを生成する。DLアサインメント及びULグラントは、いずれもDCIであり、DCIフォーマットに従う。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
【0213】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0214】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0215】
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ-ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ-ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0216】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0217】
例えば、測定部305は、受信した信号に基づいて、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定などを行ってもよい。測定部305は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio))、信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0218】
<ユーザ端末>
図14は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0219】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0220】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤ及びMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送されてもよい。
【0221】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0222】
また、送受信部203は、少なくとも1つの下り制御チャネル(PDCCH、DL割り当て)を受信し、下り制御チャネルにスケジュールされた少なくとも1つの下り共有チャネル(PDSCH)を受信してもよい。また、送受信部203は、少なくとも1つの下り共有チャネルに基づく送達確認信号(例えば、HARQ-ACK)を含む上り制御チャネルを送信してもよい。
【0223】
図15は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0224】
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
【0225】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0226】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成、マッピング部403による信号の割り当てなどを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理、測定部405による信号の測定などを制御する。
【0227】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号及び下りデータ信号を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号及び/又は下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号及び/又は上りデータ信号の生成を制御する。
【0228】
また、制御部401は、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブック(例えば、dynamic HARQ-ACK codebook)を用いることを設定されたか否か、前記下り共有チャネルに基づく送達確認信号のビット数、前記少なくとも1つの下りリンク割り当てが1つの周波数リソース(例えば、サービングセル又はCC)によって送信されるか否か、前記少なくとも1つの下り共有チャネルのコードワード数(及び/又はトランスポートブロック数、又はMIMOレイヤ数)、の少なくとも1つに関連付けられた、上り制御チャネルフォーマット(PUCCHフォーマット)、送達確認信号のマッピング(例えば、第1-第3マッピングの1つ)、の少なくとも1つを用いる送達確認信号の送信を制御してもよい。
【0229】
また、マッピング(例えば、第2マッピング)において、1ビットの送達確認信号の値0にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つが、2ビットの送達確認信号の(0,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと等しく、1ビットの送達確認信号の値1にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つが、2ビットの送達確認信号の(1,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと等しくてもよい。
【0230】
また、マッピング(例えば、第2マッピング)において、スケジューリング要求及び1ビットの送達確認信号の値0にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つが、スケジューリング要求及び2ビットの送達確認信号の(0,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと、が等しく、スケジューリング要求及び1ビットの送達確認信号の値1にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと、スケジューリング要求及び2ビットの送達確認信号の(1,0)にマップされた巡回シフト及び複素値変調シンボルの少なくとも1つと、が等しくてもよい。
【0231】
また、制御部401は、前記少なくとも1つの下り共有チャネルに対して動的な送達確認信号コードブックを用いることを設定されたか否か、前記下り共有チャネルに基づく送達確認信号のビット数、前記少なくとも1つの下りリンク割り当てが1つの周波数リソースによって送信されるか否か、前記少なくとも1つの下り共有チャネルのコードワード数(及び/又はトランスポートブロック数、又はMIMOレイヤ数)、の少なくとも1つに基づいて、前記上り制御チャネルフォーマット及び前記マッピングの少なくとも1つを決定してもよい。
【0232】
また、少なくとも1つの下りリンク割り当てが、異なる時間リソースに割り当てられた複数の下り制御チャネルである場合、前記複数の下り制御チャネルのそれぞれに含まれる下りリンク割り当て指示子(例えば、トータルDAI)は、前記複数の下り制御チャネルの数を示してもよい。
【0233】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0234】
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報、チャネル状態情報(CSI)などに関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
【0235】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0236】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0237】
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、ブロードキャスト情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0238】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0239】
例えば、測定部405は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部405は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0240】
<ハードウェア構成>
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。
【0241】
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図16は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0242】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0243】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、1以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0244】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることによって実現される。
【0245】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0246】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0247】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0248】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0249】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0250】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0251】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0252】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0253】
(変形例)
なお、本明細書において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0254】
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジーに依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0255】
さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。また、スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。
【0256】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及び/又はTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0257】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0258】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、及び/又はコードワードの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0259】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0260】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、又は、サブスロットなどと呼ばれてもよい。
【0261】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0262】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0263】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0264】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0265】
また、本明細書において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0266】
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0267】
本明細書において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0268】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0269】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0270】
情報の通知は、本明細書において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0271】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
【0272】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0273】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0274】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0275】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0276】
本明細書において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0277】
本明細書においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0278】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0279】
本明細書においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0280】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0281】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0282】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
【0283】
本明細書において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0284】
本明細書において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0285】
本明細書において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0286】
本明細書において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0287】
本明細書において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0288】
本明細書において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0289】
本明細書において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。
【0290】
本明細書において、2つの要素が接続される場合、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0291】
本明細書において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も同様に解釈されてもよい。
【0292】
本明細書又は請求の範囲において、「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0293】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。