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特開2024-29143通信制御方法、遠隔ユーザ装置、システム、プロセッサ、プログラム及びネットワークノード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029143
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】通信制御方法、遠隔ユーザ装置、システム、プロセッサ、プログラム及びネットワークノード
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240227BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20240227BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W88/04
H04W92/18
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221621
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2022509490の分割
【原出願日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2020056518
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基地局と遠隔ユーザ装置との間の通信を中継するための中継ユーザ装置を用いる通信を適切に制御する方法及び装置を提供する。
【解決手段】移動通信システムにおいて、通信制御方法は、遠隔ユーザ装置と中継ユーザ装置との間の接続を確立することと、遠隔ユーザ装置と基地局との間の接続を確立するためのランダムアクセスプロシージャを行うことと、を含む。ランダムアクセスプロシージャを行うことは、ランダムアクセスプロシージャにおいてMAC(Medium Access Control)レイヤが行う少なくとも一部の動作を遠隔ユーザ装置の代わりに中継ユーザ装置が行う代理動作を含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードと遠隔ユーザ装置との間の通信を中継するための中継ユーザ装置を用いる通信制御方法であって、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を、前記遠隔ユーザ装置から前記ネットワークノードが受信することと、
前記ネットワークノードが、前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線状態の測定を設定する設定情報を前記遠隔ユーザ装置に送信することと、
前記ネットワークノードが、前記無線状態の測定報告を前記遠隔ユーザ装置から受信することと、を有する
通信制御方法。
【請求項2】
前記リンク特定情報は、サイドリンク通信における送信先を識別する送信先識別子を含む
請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項3】
前記設定情報は、前記無線状態の測定報告のトリガ条件を含む
請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項4】
前記トリガ条件は、サイドリンクの無線状態と比較すべき閾値を含む
請求項3に記載の通信制御方法。
【請求項5】
中継ユーザ装置を介してネットワークノードとの間の通信を行う遠隔ユーザ装置であって、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を、前記ネットワークノードに送信する送信部と、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線状態の測定を設定する設定情報を前記ネットワークノードから受信する受信部と、を備え、
前記送信部は、前記無線状態の測定報告を前記ネットワークノードに送信する
遠隔ユーザ装置。
【請求項6】
ネットワークノードと、中継ユーザ装置を介して前記ネットワークノードとの間の通信を行う遠隔ユーザ装置とを有するシステムであって、
前記ネットワークノードは、前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を前記遠隔ユーザ装置から受信し、
前記ネットワークノードは、前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線状態の測定を設定する設定情報を前記遠隔ユーザ装置に送信し、
前記遠隔ユーザ装置は、前記無線状態の測定報告を前記ネットワークノードに送信する
システム。
【請求項7】
中継ユーザ装置を介してネットワークノードとの間の通信を行う遠隔ユーザ装置を制御するプロセッサであって、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を、前記ネットワークノードに送信する処理と、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線状態の測定を設定する設定情報を前記ネットワークノードから受信する処理と、
前記無線状態の測定報告を前記ネットワークノードに送信する処理と、を実行する
プロセッサ。
【請求項8】
中継ユーザ装置を介してネットワークノードとの間の通信を行う遠隔ユーザ装置を制御するためのプログラムであって、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を、前記ネットワークノードに送信する処理と、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線状態の測定を設定する設定情報を前記ネットワークノードから受信する処理と、
前記無線状態の測定報告を前記ネットワークノードに送信する処理と、を前記遠隔ユーザ装置に実行させる
プログラム。
【請求項9】
中継ユーザ装置を介して遠隔ユーザ装置との間の通信を行うネットワークノードであって、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を、前記遠隔ユーザ装置から受信する受信部と、
前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線状態の測定を設定する設定情報を前記遠隔ユーザ装置に送信する送信部と、を備え、
前記受信部は、前記無線状態の測定報告を前記遠隔ユーザ装置から受信する
ネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムに用いる通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標。以下同じ)規格に基づく移動通信システムにおいて、ユーザ装置を中継ノードとして用いるサイドリンク中継の技術が検討されている。サイドリンク中継は、中継ユーザ装置(Relay UE)と呼ばれる中継ノードが、基地局と遠隔ユーザ装置(Remote UE)との間の通信に介在し、この通信に対する中継を行う技術である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP寄書「RP-193253」、インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_86/Docs/RP-193253.zip>
【発明の概要】
【0004】
第1の態様に係る通信制御方法は、基地局と遠隔ユーザ装置との間の通信を中継するための中継ユーザ装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の接続を確立することと、前記遠隔ユーザ装置と前記基地局との間の接続を確立するためのランダムアクセスプロシージャを行うこととを有する。前記ランダムアクセスプロシージャを行うことは、前記ランダムアクセスプロシージャにおいてMAC(Medium Access Control)レイヤが行う少なくとも一部の動作を前記遠隔ユーザ装置の代わりに前記中継ユーザ装置が行う代理動作を含む。
【0005】
第2の態様に係る通信制御方法は、基地局と遠隔ユーザ装置との間の通信を中継するための中継ユーザ装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の接続を確立することと、前記遠隔ユーザ装置が前記基地局と接続するためのRRC(Radio Resource Control)メッセージを前記遠隔ユーザ装置から前記中継ユーザ装置を介して前記基地局に送信することとを有する。前記RRCメッセージを送信することは、前記中継ユーザ装置を介して前記RRCメッセージが送信されたことを示す情報を含む前記RRCメッセージを送信することを含む。
【0006】
第3の態様に係る通信制御方法は、基地局と遠隔ユーザ装置との間の通信を中継するための中継ユーザ装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記遠隔ユーザ装置が、前記基地局との通信制御に用いる第1RRC(Radio Resource Control)メッセージを、第1シグナリング無線ベアラ上で前記中継ユーザ装置を介して前記基地局と送受信することと、前記遠隔ユーザ装置が、前記中継ユーザ装置との通信制御に用いる第2RRCメッセージを、前記第1シグナリング無線ベアラと異なる第2シグナリング無線ベアラ上で前記中継ユーザ装置と送受信することとを有する。
【0007】
第4の態様に係る通信制御方法は、基地局と遠隔ユーザ装置との間の通信を中継するための中継ユーザ装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記遠隔ユーザ装置が前記中継ユーザ装置を介して前記基地局からRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信することと、前記遠隔ユーザ装置が、前記RRCメッセージの内容を前記中継ユーザ装置に通知する通知動作を行うこととを有する。
【0008】
第5の態様に係る通信制御方法は、基地局と遠隔ユーザ装置との間の通信を中継するための中継ユーザ装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を、前記遠隔ユーザ装置又は前記中継ユーザ装置から基地局が受信することと、前記基地局が、前記リンク特定情報に基づいて、前記遠隔ユーザ装置と前記中継ユーザ装置との間の無線状態の測定を制御することとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
図2】一実施形態に係るUE(ユーザ装置)の構成を示す図である。
図3】一実施形態に係るgNB(基地局)の構成を示す図である。
図4】ユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図5】制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図6】一実施形態に係る移動通信システムにおける想定シナリオを示す図である。
図7】一実施形態に係る想定シナリオにおけるプロトコルスタックの一例を示す図である。
図8】一実施形態に係るPC5 RRCレイヤを有するプロトコルスタックの一例を示す図である。
図9】一実施形態に係るPC5 RRCレイヤを有するプロトコルスタックの他の例を示す図である。
図10】一実施形態に係る遠隔UEとgNBとのRRC接続の確立動作の動作パターン1を示す図である。
図11】一実施形態に係る遠隔UEとgNBとのRRC接続の確立動作の動作パターン2を示す図である。
図12】一実施形態に係るgNBから遠隔UEへのRRCメッセージに関する動作パターン1を示す図である。
図13】一実施形態に係るgNBから遠隔UEへのRRCメッセージに関する動作パターン1を示す図である。
図14】一実施形態に係るシグナリング無線ベアラを示す図である。
図15】一実施形態に係る遠隔UEと中継UEとの間の無線状態の測定動作の動作パターン1を示す図である。
図16】一実施形態に係る遠隔UEと中継UEとの間の無線状態の測定動作の動作パターン2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
背景技術における中継ユーザ装置は、基地局及び遠隔ユーザ装置が中継ユーザ装置を介して送受信するRRCメッセージの内容を解釈できない。すなわち、基地局と遠隔ユーザ装置との間のRRC接続の観点からは、中継ユーザ装置は透過的である。しかしながら、従来の移動通信システムでは、このような新たなシナリオを考慮していないため、中継ユーザ装置を用いる通信を適切に制御できない懸念がある。
【0011】
そこで、本開示は、中継ユーザ装置を用いる通信を適切に制御可能とすることを目的とする。
【0012】
図面を参照しながら、一実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0013】
(移動通信システムの構成)
まず、一実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。図1は、一実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。この移動通信システムは、3GPP規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
【0014】
図1に示すように、5GS1は、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。
【0015】
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わない。例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)、タブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、及び/又は飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
【0016】
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、及び/又はモビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。
【0017】
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GCに接続することもできる。LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
【0018】
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
【0019】
図2は、UE100(ユーザ装置)の構成を示す図である。
【0020】
図2に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
【0021】
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
【0022】
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0023】
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)と、を含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0024】
図3は、gNB200(基地局)の構成を示す図である。
【0025】
図3に示すように、gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
【0026】
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0027】
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
【0028】
制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUと、を含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0029】
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNBは、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間はF1インターフェイスで接続されてもよい。
【0030】
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0031】
図4に示すように、ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
【0032】
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0033】
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
【0034】
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0035】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0036】
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
【0037】
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0038】
図5に示すように、制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
【0039】
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッドモードである。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドルモードである。
【0040】
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとAMF300のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。
【0041】
なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
【0042】
(想定シナリオ)
次に、一実施形態に係る移動通信システム1における想定シナリオについて説明する。図6は、想定シナリオを示す図である。
【0043】
図6に示すように、gNB200-1と遠隔UE100-1との間の通信に中継UE100-2が介在し、この通信に対する中継を行うサイドリンク中継を用いるシナリオを想定する。
【0044】
遠隔UE100-1は、UE間インターフェイスであるPC5インターフェイス(サイドリンク)上で中継UE100-2との無線通信(サイドリンク通信)を行う。中継UE100-2は、NR Uu無線インターフェイス上でgNB200-1との無線通信(Uu通信)を行う。その結果、遠隔UE100-1は、中継UE100-2を介してgNB200-1と間接的に通信する。Uu通信には、上りリンクの通信及び下りリンクの通信がある。
【0045】
図7は、想定シナリオにおけるプロトコルスタックの一例を示す図である。図7において、RLCレイヤの下位レイヤであるMACレイヤ及びPHYレイヤの図示を省略している。
【0046】
図7に示すように、gNB200-1はCU及びDUに分割されていてもよい。CUとDUとの間には、F1-Cインターフェイス(Intra-donor F1-C)が確立される。
【0047】
gNB200-1のCUのPDCPレイヤ及び遠隔UE100-1のPDCPレイヤは、中継UE100-2を介して互いに通信する。CUのRRCレイヤ及び遠隔UE100-1のRRCレイヤも、中継UE100-2を介して互いに通信する。DU、中継UE100-2、遠隔UE100-1において、RLCレイヤの上位レイヤとしてアダプテーション(Adapt)レイヤが設けられていてもよい。
【0048】
なお、図7において図示を省略しているが、CUのRRCレイヤ及び中継UE100-2のRRCレイヤは互いに通信する。CUのPDCPレイヤ及び中継UE100-2のPDCPレイヤは互いに通信する。
【0049】
また、遠隔UE100-1及び中継UE100-2のそれぞれは、PC5用のRRCレイヤを有していてもよい。このようなRRCレイヤを「PC5 RRC」と呼ぶ。遠隔UE100-1のPC5 RRCレイヤ及び中継UE100-2のPC5 RRCレイヤは互いに通信する。
【0050】
図8は、PC5 RRCレイヤを有するプロトコルスタックの一例を示す図である。図9は、PC5 RRCレイヤを有するプロトコルスタックの他の例を示す図である。図8及び図9において、gNB200-1がDU及びCUに分離されていない一例を示しているが、gNB200-1がDU及びCUに分離されていてもよい。
【0051】
図8に示すように、gNB200-1は、Uuインターフェイス上の通信(Uu通信)に用いるRRCレイヤ、PDCPレイヤ(Uu)、RLCレイヤ(Uu)、MACレイヤ(Uu)、及びPHYレイヤ(Uu)を有する。また、gNB200-1は、PDCPレイヤ(Uu)とRLCレイヤ(Uu)との間にアダプテーションレイヤを有する。
【0052】
中継UE100-2は、Uuインターフェイス上の通信(Uu通信)に用いるRRCレイヤ(不図示)、RLCレイヤ(Uu)、MACレイヤ(Uu)、及びPHYレイヤ(Uu)を有する。また、中継UE100-2は、PC5インターフェイス上の通信(PC5通信)に用いるPC5 RRCレイヤ、PDCPレイヤ(PC5)、RLCレイヤ(PC5)、MACレイヤ(PC5)、及びPHYレイヤ(PC5)を有する。さらに、中継UE100-2は、PC5 RRCレイヤよりも上位のレイヤとしてアダプテーションレイヤを有する。
【0053】
遠隔UE100-1は、Uuインターフェイス上の通信(Uu通信)に用いるRRCレイヤ及びPDCPレイヤ(Uu)を有する。また、遠隔UE100-1は、PC5インターフェイス上の通信(PC5通信)に用いるPC5 RRCレイヤ、PDCPレイヤ(PC5)、RLCレイヤ(PC5)、MACレイヤ(PC5)、及びPHYレイヤ(PC5)を有する。さらに、遠隔UE100-1は、PDCPレイヤ(Uu)とPC5 RRCレイヤとの間にアダプテーションレイヤを有する。
【0054】
図9に示すように、遠隔UE100-1は、アダプテーションレイヤを有していなくてもよい。図9に示す例において、中継UE100-2のアダプテーションレイヤは、RLCレイヤ(Uu)の上位レイヤに位置付けられている。
【0055】
(移動通信システムの動作)
次に、一実施形態に係る移動通信システム1の動作について説明する。
【0056】
(1)遠隔UEとgNBとのRRC接続の確立動作
遠隔UE100-1とgNB200-1とのRRC接続の確立動作について説明する。
【0057】
(1.1)動作パターン1
本動作パターン1は、遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の接続を確立するステップと、遠隔UE100-1とgNB200-1との間の接続を確立するためのランダムアクセスプロシージャを行うステップとを有する。ランダムアクセスプロシージャを行うステップは、ランダムアクセスプロシージャにおいてMACレイヤが行う少なくとも一部の動作を遠隔UE100-1の代わりに中継UE100-2が行う代理動作ステップを含む。
【0058】
図8及び図9に示したように、遠隔UE100-1は、PC5インターフェイスのMACレイヤを有しているが、UuインターフェイスのMACレイヤを有していない。一方、ランダムアクセスプロシージャは、UuインターフェイスのMACレイヤが行うべき動作を含む。このため、ランダムアクセスプロシージャにおいてMACレイヤが行う少なくとも一部の動作を遠隔UE100-1の代わりに中継UE100-2が行うことにより、遠隔UE100-1とgNB200-1との間の接続を確立するためのランダムアクセスプロシージャを実現可能とする。
【0059】
図10は、遠隔UE100-1とgNB200-1とのRRC接続の確立動作の動作パターン1を示す図である。図10において、必須ではないステップを破線で示している。
【0060】
図10に示すように、ステップS101において、遠隔UE100-1及び中継UE100-2は、PC5 RRC接続を確立する。PC5 RRC接続とは、遠隔UE100-1のPC5 RRCレイヤと中継UE100-2のPC5 RRCレイヤとの間に確立される接続をいう。一方、中継UE100-2とgNB200-1との間にRRC接続が未だ確立されていなくてもよい。
【0061】
なお、当該PC5 RRC接続において、中継UE100-2が遠隔UE100-1のトラフィックをgNB200-1に中継可能なことが確認されてもよい。例えば、遠隔UE100-1は、中継要求を中継UE100-2に通知し、中継UE100-2はその中継要求を受け入れる。そして、中継UE100-2は、中継すべきトラフィックの通信を遠隔UE100-1に対して許可する。このような確認動作は、後述する各動作パターンにも適用可能である。
【0062】
ステップS102に先立ち、遠隔UE100-1は、gNB200-1とのRRC接続確立処理を実施することを決定する。例えば上位レイヤ(NASレイヤ)からの接続確立要求に応じて、RRCレイヤがRRC接続確立を行うためのメッセージ(RRC Setup Request、RRC Resume RequestもしくはRRC Reestablishment Request)を生成し、生成したメッセージを下位レイヤに提供する。このような場合、通常、遠隔UE100-1はgNB200-1に対するランダムアクセスプロシージャをトリガする。一方、中継UE100-2が中継を行う場合、遠隔UE100-1はPC5 MACエンティティを用いて通信を行うため、Uu MACエンティティを使用しない。すなわち、Uu MACエンティティはランダムアクセスプロシージャを行う必要はない。よって、遠隔UE100-1はランダムアクセスプロシージャをトリガしないことを決定する。つまり、遠隔UE100-1は、RRC接続確立(再開)時、Uuに紐づいたMACエンティティを用いない場合及び/又は中継が行われるPC5に紐づいたMACエンティティを用いる場合、ランダムアクセスプロシージャをトリガしないことを決定する。遠隔UE100-1はさらに代理動作を要求する代理要求メッセージを中継UE100-2に送信することを決定してもよい。
【0063】
ステップS102において、遠隔UE100-1は、代理動作を要求する代理要求メッセージを中継UE100-2に送信する。代理要求メッセージは、ランダムアクセスプリアンブルをgNB200-1へ送信するよう中継UE100-2に要求するメッセージであってもよい。代理要求メッセージは、遠隔UE100-1の所定レイヤから中継UE100-2の所定レイヤに送信されるメッセージである。所定レイヤは、MACレイヤ(PC5)、RLCレイヤ(PC5)、PDCPレイヤ(PC5)、PC5 RRCレイヤ、又はアダプテーションレイヤである。
【0064】
ステップS103において、中継UE100-2は、代理要求メッセージの受信に応じてランダムアクセスプリアンブルをgNB200-1に送信する。ランダムアクセスプリアンブルは、中継UE100-2のMACレイヤ(Uu)からgNB200-1のMACレイヤ(Uu)に対して送信される。ランダムアクセスプリアンブルは、ランダムアクセスプロシージャにおける第1メッセージ(「Msg1」と呼ばれる)を構成する。なお、ステップS103において、中継UE100-2は、代理要求メッセージを受信していなくても、PC5 RRC接続の確立(ステップS101)に応じて、ランダムアクセスプリアンブルをgNB200-1に送信してもよい。また、中継UE100-2がgNB200-1とのRRC接続を既に確立している場合、ステップS103及びS104を省略し、ステップS105の応答メッセージを中継UE100-2から遠隔UE100-1に送信してもよい。
【0065】
ステップS104において、gNB200-1は、ランダムアクセス応答を中継UE100-2に送信する。中継UE100-2は、ランダムアクセス応答を受信する。ランダムアクセス応答は、gNB200-1のMACレイヤ(Uu)から中継UE100-2のMACレイヤ(Uu)に対して送信される。ランダムアクセス応答は、ランダムアクセスプロシージャにおける第2メッセージ(「Msg2」と呼ばれる)を構成する。ランダムアクセス応答は、gNB200-1が中継UE100-2に割り当てた上りリンク無線リソースを示す上りリンクグラントと中継UE100-2の上りリンク送信タイミングを調整するタイミングアドバンス値とを含む。
【0066】
ここで、ステップS103のMsg1の送受信及びステップS104のMsg2の送受信は、ランダムアクセスプロシージャにおいてMACレイヤが行う動作に相当する。
【0067】
ステップS105において、中継UE100-2は、gNB200-1からのランダムアクセス応答の受信に応じて、代理要求メッセージに対する応答メッセージ(ACK)を遠隔UE100-1に送信する。応答メッセージは、中継UE100-2の所定レイヤから遠隔UE100-1の所定レイヤに送信されるメッセージである。所定レイヤは、MACレイヤ(PC5)、RLCレイヤ(PC5)、PDCPレイヤ(PC5)、PC5 RRCレイヤ、又はアダプテーションレイヤである。
【0068】
なお、当該応答メッセージは、ステップS101のPC5 RRC接続を確立した時に送信されてもよい。例えば、中継UE100-2は、gNB200-1とのRRC接続を既に確立済みであり、遠隔UE100-1とのRRC接続確立処理を完了した場合及び/又は中継動作を実施(許可)する場合に、当該応答メッセージを送信してもよい。
【0069】
ステップS106において、遠隔UE100-1は、中継UE100-2からの応答メッセージの受信に応じて、遠隔UE100-1がgNB200-1と接続するためのRRCメッセージを、中継UE100-2を介してgNB200-1に送信する。このようなRRCメッセージは、ランダムアクセスプロシージャにおける第3メッセージ(「Msg3」と呼ばれる)を構成する。RRCメッセージは、RRC接続の確立を要求するRRCセットアップ要求メッセージであるものとする。但し、RRCメッセージは、RRC接続の再確立を要求するRRC再確立要求メッセージであってもよいし、中断されたRRC接続の復旧を要求するRRC復旧要求メッセージであってもよい。
【0070】
ステップS107において、gNB200-1は、遠隔UE100-1からのMsg3の受信に応じて、中継UE100-2を介してRRCメッセージを遠隔UE100-1に送信する。このようなRRCメッセージは、ランダムアクセスプロシージャにおける第4メッセージ(「Msg4」と呼ばれる)を構成する。RRCメッセージは、RRCセットアップメッセージであるものとする。但し、RRCメッセージは、RRC再確立メッセージであってもよいし、RRC復旧メッセージであってもよい。
【0071】
ステップS108において、遠隔UE100-1は、gNB200-1からのMsg4の受信に応じて、中継UE100-2を介してRRCメッセージをgNB200-1に送信する。このようなRRCメッセージは、ランダムアクセスプロシージャにおける第5メッセージ(「Msg5」と呼ばれる)を構成する。RRCメッセージは、RRCセットアップ完了メッセージであるものとする。但し、RRCメッセージは、RRC再確立完了メッセージであってもよいし、RRC復旧完了メッセージであってもよい。
【0072】
ステップS109において、遠隔UE100-1とgNB200-1との間にRRC接続が確立(又は、再確立若しくは復旧)される。
【0073】
(1.2)動作パターン2
本動作パターン2は、遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の接続を確立するステップと、遠隔UE100-1がgNB200-1と接続するためのRRCメッセージを遠隔UE100-1から中継UE100-2を介してgNB200-1に送信するステップとを有する。RRCメッセージを送信するステップは、中継UE100-2を介してRRCメッセージが送信されたことを示す情報(以下、「遠隔情報」と呼ぶ)を含むRRCメッセージを送信するステップを含む。ここで、遠隔情報を含むRRCメッセージがMsg3又はMsg5であるものとするが、以下において、Msg3に遠隔情報を含める一例について主として説明する。
【0074】
上述したように、gNB200-1と遠隔UE100-1との間のRRC接続の観点からは中継UE100-2は透過的であり、gNB200-1のRRCレイヤ(Uu)は、自身が受信したMsg3(又はMsg5)が中継UE100-2経由で送られてきたのか否かを把握することが難しい。このため、遠隔UE100-1が遠隔情報を含むMsg3(又はMsg5)をgNB200-1に送信することにより、中継UE100-2経由での接続要求であるか否かをgNB200-1が適切に把握できる。
【0075】
本動作パターン2において、RRCメッセージを送信するステップは、ランダムアクセスプリアンブル(Msg1)の送受信及びランダムアクセス応答(Msg2)の送受信を省略するとともに、RRCメッセージを遠隔UE100-1から中継UE100-2を介してgNB200-1に送信するステップを含んでもよい。すなわち、本動作パターン2は、上述した動作パターン1と異なり、Msg1の送受信及びMsg2の送受信を不要としてもよい。
【0076】
図11は、遠隔UE100-1とgNB200-1とのRRC接続の確立動作の動作パターン2を示す図である。図11において、必須ではないステップを破線で示している。
【0077】
図11に示すように、ステップS201において、中継UE100-2は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0078】
ステップS202において、遠隔UE100-1及び中継UE100-2は、PC5 RRC接続を確立する。ステップS202は、ステップS201以前に行われてもよい。
【0079】
ステップS203において、遠隔UE100-1は、遠隔UE100-1がgNB200-1と接続するためのRRCメッセージ(Msg3)を、中継UE100-2を介してgNB200-1に送信する。このようなRRCメッセージは、ランダムアクセスプロシージャにおける第3メッセージ(「Msg3」と呼ばれる)を構成する。このようなRRCメッセージは、RRC接続の確立を要求するRRCセットアップ要求メッセージであるものとする。但し、RRCメッセージは、RRC接続の再確立を要求するRRC再確立要求メッセージであってもよいし、中断されたRRC接続の復旧を要求するRRC復旧要求メッセージであってもよい。
【0080】
ここで、遠隔UE100-1は、中継UE100-2を介してRRCメッセージが送信されたことを示す遠隔情報を含むRRCメッセージ(Msg3)を送信してもよい。遠隔情報は、中継UE100-2経由の場合は「1」、それ以外の場合は「0」になるフラグであってもよい。遠隔情報は、RRCメッセージ(Msg3)の原因フィールド(Causeフィールド)に含まれてもよい。
【0081】
なお、遠隔情報は、中継UE100-2を示す識別子、例えば、中継UE100-2のC-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)であってもよい。この場合、当該C-RNTIは、事前に(例えばS202において)、中継UE100-2から遠隔UE100-1へ通知されていてもよい。
【0082】
ステップS204において、gNB200-1は、遠隔UE100-1からのMsg3の受信に応じて、中継UE100-2を介してRRCメッセージ(Msg4)を遠隔UE100-1に送信する。このようなRRCメッセージは、RRCセットアップメッセージであるものとする。但し、RRCメッセージは、RRC再確立メッセージであってもよいし、RRC復旧メッセージであってもよい。
【0083】
ステップS205において、遠隔UE100-1は、gNB200-1からのMsg4の受信に応じて、中継UE100-2を介してRRCメッセージ(Msg5)をgNB200-1に送信する。このようなRRCメッセージは、RRCセットアップ完了メッセージであるものとする。但し、RRCメッセージは、RRC再確立完了メッセージであってもよいし、RRC復旧完了メッセージであってもよい。
【0084】
ここで、遠隔UE100-1は、中継UE100-2を介してRRCメッセージが送信されたことを示す遠隔情報を含むRRCメッセージ(Msg5)を送信してもよい。遠隔UE100-1は、遠隔情報を含むRRCメッセージ(Msg3)を送信せずに、遠隔情報を含むRRCメッセージ(Msg5)を送信してもよい。遠隔情報は、RRCメッセージ(Msg5)の原因フィールド(Causeフィールド)に含まれてもよい。
【0085】
ステップS206において、遠隔UE100-1とgNB200-1との間にRRC接続が確立(又は、再確立若しくは復旧)される。
【0086】
このように、本動作パターン2によれば、遠隔情報を含むRRCメッセージを遠隔UE100-1から中継UE100-2を介してgNB200-1に送信することにより、gNB200-1は、中継UE100-2経由での接続要求であることを把握できる。これにより、gNB200-1は、遠隔UE100-1に対するRRCレイヤでの制御を適切に行うことができる。
【0087】
例えば、gNB200-1は、遠隔UE100-1とのRRC接続の確立後において、遠隔UE100-1に送信するRRC再設定メッセージにより、PDCPレイヤやRRCレイヤのタイマ設定値を通常の設定値よりも長くする。
【0088】
また、gNB200-1は、中継UE100-2にアダプテーションレイヤがある場合、遠隔UE100-1のルーティング設定(例えば論理チャネルの紐づけ等)を中継UE100-2のアダプテーションレイヤに対して実施してもよい。
【0089】
さらに、gNB200-1は、遠隔UE100-1とのRRC接続の確立後において、遠隔UE100-1又は中継UE100-2に送信するRRC再設定メッセージにより、RLCレイヤ(PC5)、MACレイヤ(PC5)、及びPHYレイヤ(PC5)の設定を適切に行うことができる。
【0090】
なお、gNB200-1は、遠隔UE100-1に送信するRRC再設定メッセージに、UuインターフェイスのRLC設定、MAC設定、及びPHY設定を含めないとしてもよい。具体的には、遠隔情報を含むRRCメッセージを受信したgNB200-1は、RRC再設定メッセージにPHY、MAC及びRLCの設定情報を含めない。一方、遠隔情報を含まないRRCメッセージを受信したgNB200-1は、RRC再設定メッセージにPHY、MAC及びRLCの設定情報を含める。
【0091】
(2)gNBから遠隔UEへのRRCメッセージに関する動作
次に、gNB200-1から遠隔UE100-1へのRRCメッセージに関する動作について説明する。
【0092】
gNB200-1から遠隔UE100-1へのRRCメッセージに関する動作は、遠隔UE100-1が中継UE100-2を介してgNB200-1からRRCメッセージを受信するステップと、遠隔UE100-1が、RRCメッセージの内容を中継UE100-2に通知する通知動作を行うステップとを有する。
【0093】
上述したように、中継UE100-2は、gNB200-1及び遠隔UE100-1が中継UE100-2を介して送受信するRRCメッセージの内容を解釈できない。このため、遠隔UE100-1が、gNB200-1から受信したRRCメッセージの内容を中継UE100-2に通知する通知動作を行うことにより、当該RRCメッセージの内容を中継UE100-2が把握できる。
【0094】
(2.1)動作パターン1
本動作パターン1において、遠隔UE100-1がgNB200-1から中継UE100-2を介して受信するRRCメッセージは、RRC解放メッセージである。このようなRRC解放メッセージは、遠隔UE100-1とgNB200-1との間のRRC接続を解放又は中断するメッセージである。以下において、RRC解放メッセージが遠隔UE100-1とgNB200-1との間のRRC接続を解放するメッセージである一例について説明するが、RRC解放メッセージは、当該RRC接続を中断するメッセージであってもよい。この場合、以下の説明において、RRC接続の「解放」をRRC接続の「中断」と読み替えればよい。
【0095】
図12は、gNB200-1から遠隔UE100-1へのRRCメッセージに関する動作パターン1を示す図である。図12において、必須ではないステップを破線で示している。
【0096】
図12に示すように、ステップS301において、中継UE100-2は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0097】
ステップS302において、遠隔UE100-1及び中継UE100-2は、PC5 RRC接続を確立する。ステップS302は、ステップS301以前に行われてもよい。
【0098】
ステップS303において、遠隔UE100-1は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0099】
その後、ステップS304において、gNB200-1は、中継UE100-2を介してRRC解放メッセージを遠隔UE100-1に送信する。
【0100】
なお、gNB200-1は、当該RRC解放メッセージに、遠隔UE100-1が中継UE100-2の配下に留まるべきか否かの指定情報を含めてもよい。換言すると、gNB200-1は、PC5 RRC接続を維持すべきか、セル(gNB200-1など)を再選択すべきかを指定してもよい。遠隔UE100-1は、当該指定情報の指示に従い、RRC接続が解放された後の待ち受け動作を決定する。例えば、遠隔UE100-1は、セルの再選択動作を優先する動作を決定する。優先するとは、セルの優先度を上げる、PC5接続を維持する優先度を下げる(もしくはPC5接続を解放する)、及び/又は再選択判定におけるオフセットを適用する、などの動作である。
【0101】
ステップS305において、遠隔UE100-1は、gNB200-1からのRRC解放メッセージの受信に応じて、gNB200-1とのRRC接続を解放する。
【0102】
ステップS306において、遠隔UE100-1は、RRC解放メッセージの受信及び/又はgNB200-1とのRRC接続の解放を示す通知を中継UE100-2に送信する。このような通知は、遠隔UE100-1の所定レイヤから中継UE100-2の所定レイヤに送信されるメッセージである。所定レイヤは、MACレイヤ(PC5)、RLCレイヤ(PC5)、PDCPレイヤ(PC5)、PC5 RRCレイヤ、又はアダプテーションレイヤである。
【0103】
このような明示的な通知に代えて、暗示的な通知を用いてもよい。遠隔UE100-1は、RRC解放メッセージの受信又はgNB200-1とのRRC接続の解放に応じて、中継UE100-2とのPC5 RRC接続を解放してもよい。この場合、中継UE100-2は、PC5 RRC接続の解放に応じて、gNB200-1とのRRC接続が解放されたとみなす。
【0104】
ステップS307において、中継UE100-2は、遠隔UE100-1からの通知に応じて、gNB200-1とのRRC接続を解放する。
【0105】
(2.2)動作パターン2
本動作パターン2において、遠隔UE100-1がgNB200-1から中継UE100-2を介して受信するRRCメッセージは、中継UE100-2とgNB200-1との間の通信制御に用いる設定情報を含む。遠隔UE100-1は、このRRCメッセージに含まれる設定情報を中継UE100-2に送信する。
【0106】
このような設定情報は、Uuインターフェイス用の設定情報である。以下において、このような設定情報を「UuのRLC/MAC/PHY設定情報」と呼ぶ。RRCメッセージは、遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の通信制御に用いる設定情報(すなわち、PC5インターフェイス用の設定情報)をさらに含んでもよい。これにより、gNB200-1は、遠隔UE100-1に送信する1つのRRCメッセージにより、遠隔UE100-1のRRC再設定及び中継UE100-2のRRC再設定の両方を行うことができる。
【0107】
図13は、gNB200-1から遠隔UE100-1へのRRCメッセージに関する動作パターン1を示す図である。図13において、必須ではないステップを破線で示している。
【0108】
図13に示すように、ステップS401において、中継UE100-2は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0109】
ステップS402において、遠隔UE100-1及び中継UE100-2は、PC5 RRC接続を確立する。ステップS402は、ステップS401以前に行われてもよい。
【0110】
ステップS403において、遠隔UE100-1は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0111】
その後、ステップS404において、gNB200-1は、中継UE100-2を介してRRCメッセージを遠隔UE100-1に送信する。このようなRRCメッセージは、例えば、RRCセットアップメッセージ、RRC復旧メッセージ、RRC再確立メッセージ、又はRRC再設定メッセージである。RRCメッセージは、UuのRLC/MAC/PHY設定情報を含む。RLC/MAC/PHY設定情報は、Uuインターフェイスにおけるセルグループの設定を示す設定情報であるCellGroupConfigを含んでもよいし、中継UE100-2のアダプテーションレイヤに対する設定情報(例えば、ルーティング情報等)を含んでもよい。
【0112】
RRCメッセージを受信した遠隔UE100-1は、PC5インターフェイス用の設定情報をRRCメッセージがさらに含む場合、この設定情報を用いてPC5インターフェイスにおけるRRC再設定を行う。
【0113】
ステップS405において、遠隔UE100-1は、RRCメッセージに含まれるUuのRLC/MAC/PHY設定情報を含むメッセージを中継UE100-2に送信する。このようなメッセージは、遠隔UE100-1の所定レイヤから中継UE100-2の所定レイヤに送信されるメッセージである。所定レイヤは、MACレイヤ(PC5)、RLCレイヤ(PC5)、PDCPレイヤ(PC5)、PC5 RRCレイヤ、又はアダプテーションレイヤである。このメッセージを受信した中継UE100-2は、UuのRLC/MAC/PHY設定情報を用いてUuインターフェイスにおけるRRC再設定を行う。
【0114】
ステップS406において、中継UE100-2は、肯定応答メッセージ(ACK)を遠隔UE100-1に送信する。
【0115】
ステップS407において、遠隔UE100-1は、肯定応答メッセージ(ACK)の受信に応じて、中継UE100-2を介してRRC完了メッセージをgNB200-1に送信する。RRC完了メッセージは、例えば、RRCセットアップ完了メッセージ、RRC復旧完了メッセージ、RRC再確立完了メッセージ、又はRRC再設定完了メッセージである。
【0116】
なお、中継UE100-2は、UuのRLC/MAC/PHY設定情報を用いたRRC再設定に失敗した場合、肯定応答メッセージ(ACK)に代えて否定応答メッセージ(NACK)を遠隔UE100-1に送信してもよい。遠隔UE100-1は、否定応答メッセージ(NACK)の受信に応じて、RRC再設定が失敗したとみなし、RRC再確立処理を開始してもよい。このRRC再確立処理において、遠隔UE100-1は、再接続先(例えば、gNB200-2)に対して送信するRRC再確立要求メッセージ中のCauseフィールドに、中継UE100-2におけるRRC再設定に失敗したことを示す情報を含めてもよい。
【0117】
(3)シグナリング無線ベアラ
次に、一実施形態に係るシグナリング無線ベアラについて説明する。図14は、一実施形態に係るシグナリング無線ベアラを示す図である。
【0118】
図14に示すように、遠隔UE100-1は、RRCレイヤ(Uu)と、PC5 RRCレイヤとを有する。RRCレイヤ(Uu)及びPC5 RRCレイヤは、別々のRRCエンティティであってもよいし、1つのRRCエンティティにおける別々の機能であってもよい。
【0119】
遠隔UE100-1のRRCレイヤ(Uu)は、gNB200-1との通信制御に用いる第1RRCメッセージを、第1シグナリング無線ベアラ(SRB(A))上で中継UE100-2を介してgNB200-1のRRCレイヤ(Uu)と送受信する。
【0120】
一方、遠隔UE100-1のPC5 RRCレイヤは、中継UE100-2との通信制御に用いる第2RRCメッセージを、第1シグナリング無線ベアラと異なる第2シグナリング無線ベアラ(SRB(B))上で中継UE100-2のPC5 RRCレイヤと送受信する。具体的には、第2シグナリング無線ベアラ(SRB(B))のシグナリング無線ベアラ番号は、第1シグナリング無線ベアラ(SRB(A))のシグナリング無線ベアラ番号と異なる。
【0121】
このようにシグナリング無線ベアラを分けることにより、第1RRCメッセージ及び第2RRCメッセージを区別することが容易になり、第1RRCメッセージ及び第2RRCメッセージを適切に送受信できる。
【0122】
或いは、第1シグナリング無線ベアラ及び第2シグナリング無線ベアラを同一のシグナリング無線ベアラとしてもよい。この場合、遠隔UE100-1のRRCレイヤ(Uu)は、gNB200-1との通信制御に用いる第1RRCメッセージを、中継UE100-2との通信制御に用いる第2RRCメッセージに含めて送受信してもよい。
【0123】
(4)遠隔UEと中継UEとの間の無線状態の測定動作
次に、一実施形態に係る遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の無線状態の測定動作について説明する。
【0124】
1つの遠隔UE100-1が複数の中継UE100-2と接続したり、複数の遠隔UE100-1が1つの中継UE100-2と接続したりする可能性がある。このため、どの遠隔UE100-1とどの中継UE100-2との間の無線リンクの無線状態を測定するのかを特定可能にすることが望ましい。なお、測定する無線状態は、受信電力、例えばRSSI(Received Signal Strength Indicator)であってもよいし、所定周波数単位ごとの混雑度、例えばCBR(Channel Busy Ratio)であってもよい。
【0125】
このため、遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の無線リンクを特定するリンク特定情報を、遠隔UE100-1又は中継UE100-2からgNB200-1が受信する。gNB200-1は、リンク特定情報に基づいて、遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の無線状態の測定を制御する。
【0126】
このようなリンク特定情報としては、例えば、サイドリンク通信における送信先を識別する送信先識別子(以下、「サイドリンク送信先識別子」と呼ぶ)を用いることができる。サイドリンク送信先識別子は、Destination Layer-2 IDであってもよい。このようなサイドリンク送信先識別子は、コアネットワークのエンティティ(ProSe機能)から割り当てられる識別子であってもよい。アダプテーションレイヤが存在する場合、リンク特定情報としてルーティング情報を用いてもよい。つまり、ルート設定によってリンクを特定する。このようなアダプテーションレイヤとしてBAP(backhaul adaptation protocol)レイヤが用いられる場合、Routing ID、Path ID、BAP Addressなどによってリンクを特定してもよい。
【0127】
なお、遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の通信網が無線LANであるような場合には、リンク特定情報がアクセスポイント識別子を含んでもよい。
【0128】
(4.1)動作パターン1
図15は、一実施形態に係る遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の無線状態の測定動作の動作パターン1を示す図である。図15において、必須ではないステップを破線で示している。
【0129】
図15に示すように、ステップS501において、中継UE100-2は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0130】
ステップS502において、遠隔UE100-1及び中継UE100-2は、PC5 RRC接続を確立する。ステップS502は、ステップS501以前に行われてもよい。
【0131】
ステップS503において、遠隔UE100-1は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0132】
ステップS504において、中継UE100-2は、中継UE100-2に割り当てられたサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)をgNB200-1に送信する。
【0133】
ステップS505において、gNB200-1は、測定設定を含むRRCメッセージを、中継UE100-2を介して遠隔UE100-1に送信する。この測定設定は、中継UE100-2に割り当てられたサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)を含む。測定設定は、測定報告のトリガ条件をさらに含んでもよい。このトリガ条件は、サイドリンクの無線状態と比較すべき閾値を含んでもよい。
【0134】
ステップS506において、遠隔UE100-1は、gNB200-1から受信した測定設定に基づいて、中継UE100-2との無線状態(すなわち、サイドリンクの無線状態)を測定する。具体的には、遠隔UE100-1は、測定設定に含まれるサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)に基づいて、中継UE100-2に対する測定を行うと判断し、中継UE100-2に対する測定を行う。
【0135】
ステップS507において、遠隔UE100-1は、測定報告を含むRRCメッセージを、中継UE100-2を介してgNB200-1に送信する。遠隔UE100-1は、測定設定で設定されたトリガ条件が満たされたことに応じて、測定報告を含むRRCメッセージを送信してもよい。
【0136】
測定報告は、ステップS506での測定結果と、この測定結果に対応するサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)とを含む。これにより、gNB200は、測定報告に含まれるサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)に基づいて、どの中継UE100-2に対する測定結果であるかを特定できる。
【0137】
(4.2)動作パターン2
図16は、一実施形態に係る遠隔UE100-1と中継UE100-2との間の無線状態の測定動作の動作パターン2を示す図である。図16において、必須ではないステップを破線で示している。
【0138】
図16に示すように、ステップS601において、中継UE100-2は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0139】
ステップS602において、遠隔UE100-1及び中継UE100-2は、PC5 RRC接続を確立する。ステップS602は、ステップS601以前に行われてもよい。
【0140】
ステップS603において、遠隔UE100-1は、gNB200-1とのRRC接続を確立する。
【0141】
ステップS604において、遠隔UE100-1は、遠隔UE100-1に割り当てられたサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)をgNB200-1に送信する。遠隔UE100-1は、サイドリンク送信先識別子をMsg3又はMsg5に含めてgNB200-1に送信してもよいし、サイドリンク送信先識別子をUE補助情報メッセージに含めてgNB200-1に送信してもよい。
【0142】
ステップS605において、gNB200-1は、測定設定を含むRRCメッセージを中継UE100-2に送信する。この測定設定は、遠隔UE100-1に割り当てられたサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)を含む。測定設定は、測定報告のトリガ条件をさらに含んでもよい。このトリガ条件は、サイドリンクの無線状態と比較すべき閾値を含んでもよい。
【0143】
ステップS606において、中継UE100-2は、gNB200-1から受信した測定設定に基づいて、遠隔UE100-1との無線状態(すなわち、サイドリンクの無線状態)を測定する。具体的には、中継UE100-2は、測定設定に含まれるサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)に基づいて、遠隔UE100-1に対する測定を行うと判断し、遠隔UE100-1に対する測定を行う。
【0144】
ステップS607において、中継UE100-2は、測定報告を含むRRCメッセージをgNB200-1に送信する。中継UE100-2は、測定設定で設定されたトリガ条件が満たされたことに応じて、測定報告を含むRRCメッセージを送信してもよい。
【0145】
測定報告は、ステップS606での測定結果と、この測定結果に対応するサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)とを含む。これにより、gNB200は、測定報告に含まれるサイドリンク送信先識別子(リンク特定情報)に基づいて、どの遠隔UE100-1に対する測定結果であるかを特定できる。
【0146】
(その他の実施形態)
上述した実施形態において、中継UE100-2における動作について主として説明したが、無線中継ノードであるIAB(Integrated Access and Backhaul)ノードに対して、上述した実施形態に係る動作を適用してもよい。具体的には、IABノードが、上述した実施形態で説明された中継UE100-2の動作を行ってもよい。このような実施形態においては、上述した実施形態の「中継UE」を「IABノード」に読み替え、上述した実施形態の「サイドリンク」を「アクセスリンク」に読み替えればよい。また、PC5 RRC接続は、IABノードとのRRC接続もしくはIABドナーとのRRC接続と読み替えればよい。
【0147】
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0148】
また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
【0149】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0150】
本願は、日本国特許出願第2020-056518号(2020年3月26日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
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