(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029144
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】健康状態推定装置および健康状態推定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/497 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
G01N33/497 Z
G01N33/497 D
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221788
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2021563955の分割
【原出願日】2020-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2019223119
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真一
(57)【要約】
【解決手段】健康状態推定装置10は取得部40と制御部42とを有する。取得部40はガス情報を取得する。ガス情報は第1ガスをセンサ部に供給させている期間においてセンサ部が出力する信号と第2ガスをセンサ部に供給させている期間においてセンサ部が出力する信号とに基づく。センサ部は特定のガスの濃度に応じた信号値の信号を出力する。第1ガスおよび第2ガスは取得位置および取得時期の少なくとも一方が異なる。制御部39はガス情報に基づいて健康情報を作成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得位置および取得時期の少なくともいずれかが異なる第1ガスおよび第2ガスが供給される、特定のガスの濃度に応じた信号値の信号を出力するセンサ部から、前記第1ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号と、前記第2ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号とに基づくガス情報を取得する取得部と、
前記ガス情報を用いて、健康情報を作成する制御部と、を備える
健康状態推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の健康状態推定装置において、
前記第1ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号は、前記第1ガスを前記センサ部に供給させている期間を複数の時間区間に分割して該複数の時間区間それぞれにおいて前記センサ部が出力する信号であり、
前記第2ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号は、前記第2ガスを前記センサ部に供給させている期間を複数の時間区間に分割して該複数の時間区間それぞれにおいて前記センサ部が出力する信号であり、
前記ガス情報は、前記複数の時間区間それぞれにおけるセンサ部が出力する信号の信号値、または該信号値に基づく、それぞれの時間区間における平均値、中央値、および傾きの少なくとも1つと、前記平均値、前記中央値、および前記傾きの少なくとも1つの異なる時間区間の間における差分との少なくともいずれかを含む
健康状態推定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の健康状態推定装置において、
前記センサ部は、前記特定のガスの濃度に対する感度の異なる複数のセンサを有し、
前記ガス情報は、前記複数の時間区間それぞれにおける前記複数のセンサが出力する信号の信号値の比率を含む
健康状態推定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の健康状態推定装置において、
前記特定のガスは、水素、二酸化炭素、メタン、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド、カルボン酸、およびアミンの少なくとも1つを含む
健康状態推定装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の健康状態推定装置において、
前記制御部は、被験者の身体情報にも基づいて、前記健康情報を作成する
健康状態推定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の健康状態推定装置において、
前記身体情報は、性別、年齢、身長、体重、および体脂肪率の少なくとも1つを含む
健康状態推定装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の健康状態推定装置において、
前記制御部は、被験者の摂取食品情報にも基づいて、前記健康情報を作成する
健康状態推定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の健康状態推定装置において、
前記摂取食品情報は、被験者が摂取した食品および摂取食品が含有する栄養素の少なくとも1つを含む
健康状態推定装置。
【請求項9】
請求項8に記載の健康状態推定装置において、
前記栄養素は、食物繊維、でんぷん、オリゴ糖、糖消化酵素阻害物質、およびタンパク質の少なくとも1つを含む
健康状態推定装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の健康状態推定装置において、
前記健康情報は、腸内細菌の割合、腸内細菌を区分けした区分の割合、および腸内細菌の状況に基づく健康助言の少なくとも1つである
健康状態推定装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の健康状態推定装置において、
前記制御部は、被験者の腸内細菌状況を取得する場合、該腸内細菌状況を、当該被験者の識別情報と関連付ける
健康状態推定装置。
【請求項12】
請求項11に記載の健康状態推定装置において、
前記制御部は、前記腸内細菌状況を、該腸内細菌状況に関連付けた、前記被験者の識別情報とともに、分析装置に付与する
健康状態推定装置。
【請求項13】
請求項12に記載の健康状態推定装置において、
前記取得部は、前記分析装置が更新する、少なくとも前記ガス情報に基づいて前記健康情報を算出する推定式を取得する
健康状態推定装置。
【請求項14】
請求項11に記載の健康状態推定装置において、
前記制御部は、前記健康情報の作成に用いた情報と関連付けられた腸内細菌状況に基づいて重回帰分析を行い、少なくとも前記ガス情報に基づいて前記健康情報を算出する推定式を更新する
健康状態推定装置。
【請求項15】
特定のガスの濃度に応じた信号値の信号を出力するセンサ部に、取得位置および取得時期の少なくともいずれかが異なる第1ガスおよび第2ガスを別々に供給し、
前記第1ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号と、前記第2ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号とに基づくガス情報を用いて、健康情報を作成する
健康状態推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月10日に日本国に特許出願された特願2019-223119の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
【0002】
本発明は、健康状態推定装置および健康状態推定方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
腸内環境、特に腸内常在菌が人の健康維持および疾病予防などに大きく関与することが報告されている。例えば、対象者の食生活に基づいて予め設定された相関関係に基づいて求められた好ましい腸内常在菌型からの、対象者の糞便を解析して腸内常在菌の偏差を求め、好ましい腸内常在菌型を実現するための食生活を求めることが提案されている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
第1の観点による健康状態推定装置は、
取得位置および取得時期の少なくともいずれかが異なる第1ガスおよび第2ガスが供給される、特定のガスの濃度に応じた信号値の信号を出力するセンサ部から、前記第1ガスを前記センサ部に供給させている期間おいて前記センサ部が出力する信号と、前記第2ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号とに基づくガス情報を取得する取得部と、
前記ガス情報を用いて、健康情報を作成する制御部と、を備える。
【0006】
本開示の第2の観点による健康状態推定方法は、
特定のガスの濃度に応じた信号値の信号を出力するセンサ部に、取得位置および取得時期の少なくともいずれかが異なる第1ガスおよび第2ガスを別々に供給し、
前記第1ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号と、前記第2ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号とを含むガス情報に基づいて、健康情報を作成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る健康状態推定装置としてのサーバを含む健康状態推定システムの概略構成を示す構成図である。
【
図2】
図1の便臭計測装置の設置態様を示す外観斜視図である。
【
図3】
図1の便臭計測装置の内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図4】
図1の便臭計測装置の構造を概略的に示す構成図である。
【
図5】
図1の端末装置の内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図6】
図1の健康状態推定装置の内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図7】
図1の端末装置が作成する健康情報を表示部に表示した一例を示す外観図である。
【
図8】
図1の便臭計測装置の制御部が実行するガス情報生成処理を説明するための第1のフローチャートである。
【
図9】
図1の便臭計測装置の制御部が実行するガス情報生成処理を説明するための第2のフローチャートである。
【
図10】
図1の端末装置の制御部が実行する身体情報等付与処理を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図1の端末装置の制御部が実行する腸内状況付与処理を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図1の健康状態推定装置の制御部が実行する健康情報作成処理を説明するためのフローチャートである。
【
図13】
図1の健康状態推定装置の制御部が実行する推定式更新処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用した健康状態推定装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
本開示の一実施形態に係る健康状態推定装置10を含む健康状態推定システム11は、
図1に示すように、便臭計測装置12および端末装置13の複数の組、ならびに健康状態推定装置10を有する。
【0010】
図2に示すように、便臭計測装置12は、例えば水洗の便器14に設置されている。便臭計測装置12は、便器14の任意の箇所に設置されていてよい。例えば、便臭計測装置12は、便器ボウル15と便座16との間から便器14の外部に亘って配置されていてよい。便臭計測装置12の一部は、便座16の内部に埋め込まれていてよい。また、便臭計測装置12は、第1吸入口30、第2吸入口31および排気口33を有している。
【0011】
図3に示すように、便臭計測装置12は、センサ部17、供給部18、入力部19、通信部20、記憶部21、および制御部22を有する。
【0012】
センサ部17は、特定のガスの濃度に応じた信号値の信号を生成して、出力する。センサ部17は、生成した信号を制御部22に出力してよい。
図4に示すように、センサ部17は、複数のセンサ23を有してよい。例えば、センサ部17は、チャンバ24を有し、複数のセンサ23はチャンバ24内に配置されて、同じガスに対して信号を生成してよい。複数のセンサ23のそれぞれは、特定のガスの濃度に対する感度が異なっていてよい。特定のガスは、例えば、水素、二酸化炭素、メタン、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド、カルボン酸、およびアミンの少なくともいずれかを含んでよい。
【0013】
センサ23は、例えば、半導体式センサ、接触燃焼式センサ、および電気化学式センサなど従来公知の任意のセンサであってよい。例えば、センサ23が電気化学式センサである場合には、センサ23は電極および電解液などから構成される。電気化学式センサは、電極材料と電解駅組成との相違から特定ガス濃度に対する感度を調整し得る。また、センサ23が金属酸化物半導体材料を有する半導体式センサである場合には、当該金属酸化物半導体材料の種類および添加する不純物を適宜選択することにより、特定のガスの濃度に対する感度を調整し得る。
【0014】
供給部18は、センサ部17に、取得位置および取得時期の少なくともいずれかが異なる第1ガスおよび第2ガスを供給する。例えば、本実施形態においては、供給部18は、少なくとも取得位置が異なる第1ガスおよび第2ガスをセンサ部17に供給する。
【0015】
さらに具体的には、供給部18は、第1供給路25、第2供給路26、第3供給路27および排気路28を有する。
【0016】
第1供給路25、第2供給路26、および第3供給路27は、例えば、樹脂または金属などの任意の材料で形成された管である。第1供給路25、第2供給路26、および第3供給路27のそれぞれ一端が三方弁29に接続されている。第1供給路25および第2供給路26の他端それぞれである第1吸入口30および第2吸入口31は、便臭計測装置12において異なる位置に設けられている。第3供給路27の他端は、センサ部17のチャンバ24に接続されている。
【0017】
例えば、
図2に示すように、便臭計測装置12が所定の位置に所定の姿勢で便器14に設置されている状態で、便臭計測装置12において第1吸入口30は、便器ボウル15内に露出するように位置する。また、当該状態で、便臭計測装置12において第2吸入口31は、便器ボウル15外に露出するように位置する。このような所定の位置に所定の姿勢で便器14に設置されている便臭計測装置12では、被験者の排便時に第1吸入口30から、センサ部17で検出すべき特定のガスを含むサンプルガスとして第1ガスが吸入され得る。また、任意の時期に第2吸入口31から、センサ部17で検出すべきパージガスとして第2ガスが吸入され得る。
【0018】
図4に示すように、第3供給路26には、送気部32が設けられていてよい。送気部32は、例えば、ピエゾポンプ、モータポンプなどのポンプである。送気部32は、第1吸入口30および第2吸入口31から吸入するガスをチャンバ24に送気する。送気部32が制御部22に制御されることにより、ガスの送気および送気停止が切替えられる。
【0019】
三方弁29は、第3供給路26との連通を、第1供給路24および第2供給路25のいずれかに切替え可能である。三方弁29は、制御部22の指令により切替えを行う。三方弁29が制御部22に制御されることにより、第3供給路26との連通が、第1供給路24および第2供給路25のいずれかに切替えられる。
【0020】
第1供給路25および第2供給路26それぞれには、吸着材を貯留する貯留槽が設けられていてもよい。このような構成により、センサ部17に供給するガスが濃縮され得る。
【0021】
排気路28は、例えば、樹脂または金属などの任意の材料で形成された管である。排気路28の一端がチャンバ24に連結されている。排気路28は、センサ部17に供給されるガスをセンサ部17から排出させる。便臭計測装置12において排気路28の他端である排気口33は、第1吸入口30および第2吸入口31のいずれからも離れている。例えば、
図2に示すように、便臭計測装置12が所定の位置に所定の姿勢で便器14に設置されている状態で、便臭計測装置12において排気口33は、第2吸入口31とは違う方向に向かって便器ボウル15外に露出するように位置する。排気路28には、チャンバ24内のガスを排気口33に送気する送気部が設けられていてもよい。
【0022】
図3において、入力部19は、例えば、ボタンである。入力部19は、被験者による便臭計測の開始を指示する入力を検出する。入力部19は、当該入力を検出すると、制御部22に入力を検出したことを通知する。または、入力部19は、例えば、着座センサを含んでもよい。着座センサが被験者の着座を検出すると、制御部19に便臭計測の開始の指示を通知してよい。
【0023】
入力部19は、個人を識別するユーザ入力を検出してもよい。入力部19は、例えば、ボタンが押下されることにより、当該ボタンを押下した者が当該ボタンに対して登録された個人であると識別するユーザ入力を検出する。または、入力部19は、例えば、画像カメラを含み、画像カメラにより撮像した便器の使用者を正確に特定して、特定した個人を示す信号を制御部22へ出力してもよい。
【0024】
通信部20は、健康状態推定装置10および端末装置13と通信可能である。通信部20および健康状態推定装置10の通信において用いられる通信方式は、携帯電話網へ接続する無線通信規格であってよいし、有線通信規格であってよい。通信部20および端末装置13の通信において用いられる通信方式は、近距離無線通信規格または携帯電話網へ接続する無線通信規格であってよいし、有線通信規格であってよい。近距離無線通信規格は、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線およびNFC(Near Field Communication)などを含んでよい。携帯電話網へ接続する無線通信規格は、例えば、LTE(Long Term Evolution)または第4世代以上の移動通信システム等を含んでよい。
【0025】
記憶部21は、1つ以上のメモリを含む。本実施形態において「メモリ」は、例えば、半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部21に含まれる各メモリは、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部21は、特定のガスの濃度の算出式を記憶してよい。記憶部21は、便臭計測装置12の動作に用いられる任意の情報を記憶してよい。記憶部21は、例えば、システムプログラム、アプリケーションプログラムなどを記憶してもよい。
【0026】
ガスの濃度の算出式は、センサ部17に、それぞれ既知の濃度であるガスを供給したときのそれぞれのセンサ23の信号の信号値に基づく、後述の説明変数と、当該既知の濃度とを用いて、例えば、重回帰分析を行うことにより、予め算出されている。ただし、ガス濃度の算出式は、後述するように、健康状態推定装置10から付与されることによって、更新されてよい。
【0027】
制御部22は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサの少なくともいずれかを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部22は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System- in-a-Package)の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0028】
制御部22は、入力部19から、被験者による便臭計測の開始を指示する入力を検出したことが通知される場合、供給部18を制御する。または、制御部22は、便臭計測装置12の別機器である着座センサ装置から、通信部20を介して、被験者の着座の検出が通知される場合、供給部18を制御してよい。制御部22は、供給部18の制御において、第1吸入口30から吸入する第1ガスおよび第2吸入口31から吸入する第2ガスのいずれかをセンサ部17に供給させる。
【0029】
制御部22は、第1ガスの供給および第2ガスの供給を順番に行う組合せの供給を、複数回行ってよい。当該組合せの供給の回数は、例えば、4回である。制御部22は、組合せの供給を行う前に、第2ガスの供給を行ってよい。
【0030】
制御部22は、センサ部17に第1ガスを供給している期間を複数の時間区間に分割した時間区間毎のセンサ部17から取得する信号の信号値を、説明変数として記憶部21に格納してよい。制御部22は、センサ部17に第2ガスを供給している期間を複数の時間区間に分割した時間区間毎のセンサ部17から取得する信号の信号値を、説明変数として記憶部21に格納してよい。
【0031】
制御部22は、時間区間それぞれにおける信号の信号値の平均値、中央値、および傾きの少なくとも1つと、当該平均値、当該中央値、および当該傾きの少なくとも1つの異なる時間区間における差分との少なくともいずれかを算出して、説明変数として記憶部21に格納してよい。さらには、制御部22は、時間区間それぞれにおける信号の信号値、平均値、中央値、および傾きの少なくとも1つと、当該平均値、当該中央値、および当該傾きの少なくとも1つの異なる時間区間における差分との少なくともいずれかの、複数のセンサ23別の比率を算出して、説明変数として記憶部21に格納してよい。
【0032】
制御部22は、前述のように、第1ガスおよび第2ガスの順番の組合せの供給を複数回行う構成において、組合せの供給毎に、上述の説明変数を記憶部21に格納してよい。または、制御部22は、前述のように、第1ガスおよび第2ガスの順番の組合せの供給を複数回行う構成において、組合せの供給それぞれに対して上述のように説明変数とみなした値の平均値または中央値などを説明変数として記憶部21に格納してよい。
【0033】
制御部22は、説明変数を用いて、ガス情報を生成する。ガス情報は、本実施形態においては、特定のガスのそれぞれの濃度を含む情報である。制御部22は、記憶部21に記憶された算出式に、記憶部21に記憶している最新の説明変数を代入することにより、特定のガスの濃度を算出する。制御部22は、例えば、式(1)によってあらわされる算出式を用いて、特定のガスの濃度ynを算出する。
【0034】
【0035】
式(1)において、i、j、k、nは自然数である。iは、説明変数が対応する時間区間を特定する番号である。例えば、第1ガスをセンサ部17に供給させている期間および第2ガスをセンサ部17に供給させている期間をそれぞれ5分割した場合、第1ガスをセンサ部17に供給させている5つの時間区間それぞれを特定する番号が1~5に定められ、第2ガスをセンサ部17に供給させている5つの時間区間それぞれを特定する番号が6~10に定められてよい。jは、説明変数が対応するセンサ23を特定する番号である。例えば、センサ部17が、3つのセンサ23を含む構成において、当該3つのセンサ23それぞれを特定する番号が1~3に定められてよい。kは、説明変数が対応する数値の種類を特定する番号である。例えば、説明変数として、信号値、平均値、中央値、傾き、これらの値の異なる時間区間における差分、これらの値のセンサ23別の比率それぞれを特定する番号が1~16に定められてよい。nは、算出される特定のガスの種類に対応づけられた番号である。説明変数xijkは、iが特定する時間区間における、jが特定するセンサ23の出力する信号に基づく、kが特定する数値である。係数aijknは、nに対応するガスの濃度を算出するための、説明変数xijkの係数である。
【0036】
制御部22は、組合せの供給毎の説明変数を記憶部21に格納する構成においては、組合せの供給毎の説明変数を用いて、組合せの供給毎に特定のガスの濃度を仮の濃度として算出してよい。制御部22は、組合せの供給毎に算出される特定のガスの仮の濃度の平均値または中央値を、特定のガスの濃度としてガス情報に含めてよい。
【0037】
制御部22は、算出した特定のガスのガス濃度を含むガス情報を健康状態推定装置10に付与するように、通信部20を駆動する。制御部22は、ガス情報の健康状態推定装置10への付与において、被験者の識別情報および当該被験者に対応する端末装置13の識別情報を関連付けて付与してよい。被験者に対応する端末装置13は、例えば、入力部19が検出する個人に対して登録されている端末装置13であってよい。または、被験者に対応する端末装置13は、便臭計測装置12の別機器である顔識別装置から通信部20を介して顔認識により特定した被験者が通知される場合、当該被験者に対して登録された端末装置13であってよい。制御部22は、ガス情報の健康状態推定装置10への付与において、ガス情報の生成時期を関連付けて付与してよい。
【0038】
端末装置13は、例えば、スマートフォン、PC(Personal Computer)などの汎用の電子機器、または専用の電子機器である。
図5に示すように、端末装置13は、通信部35、入力部36、表示部37、記憶部38、および制御部39を有する。
【0039】
通信部35は、健康状態推定装置10および便臭計測装置12と通信可能である。通信部35および健康状態推定装置10の通信において用いられる通信方式は、携帯電話網へ接続する無線通信規格であってよいし、有線通信規格であってよい。通信部35および便臭計測装置12の通信において用いられる通信方式は、近距離無線通信規格または携帯電話網へ接続する無線通信規格であってよいし、有線通信規格であってよい。通信部35および健康状態推定装置10の通信において用いられる通信方式は、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)またはLPWAN(Low Power Wide Area Network)などの通信規格でもよい。
【0040】
入力部36は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力インタフェースである。入力インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、表示部37と一体的に設けられたタッチスクリーンなどである。入力部36は、被験者の身体情報、被験者の摂取食品情報、および被験者の腸内細菌状況の入力を検出可能である。入力部36は、入力された、被験者の身体情報、被験者の摂取食品情報、および被験者の腸内細菌状況を制御部39に付与する。
【0041】
被験者の身体情報は、被験者の性別、年齢、身長、体重、および体脂肪率の少なくとも1つを含んでよい。被験者の摂取食品情報は、被験者が摂取した食品、摂取食品が含有する栄養素、摂取時期、および摂取頻度の少なくとも1つを含んでよい。栄養素は、食物繊維、でんぷん、オリゴ糖、糖消化酵素阻害物質、およびタンパク質の少なくとも1つを含んでよい。被験者の腸内細菌状況は、被験者の特定の腸内細菌の菌数を含んでよく、さらに特定の腸内細菌の数の検査に用いた便体のpHを含んでよい。特定の腸内細菌は、ビフィドバクテリウム属、ラクトバシラス属、クロストリジウム属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ルミノコッカス属、およびエスケリキア属の少なくとも1つを含んでよい。被験者の特定の腸内細菌の菌数は、検査機関などによる被験者の便の検査によって測定されてよい。
【0042】
表示部37は、例えば、従来公知の任意のディスプレイである。表示部37は、健康情報を表示してよい。健康情報は、被験者の健康状態に関する腸内の状態を示す情報であって、例えば、腸内細菌の種類別の菌数、腸内細菌の各種類を区分けした各菌区分の割合、ならびに腸内細菌の状況に基づく健康状態および健康助言の少なくとも1つを含んでよい。また、本実施形態では、健康情報は、特に消化管(口腔、咽頭、食道、胃、腸など)の内、腸内細菌状況について説明するが、これに限定されず、他の消化管における常在菌の情報を考慮して含むようにしてもよい。また、健康情報は、例えば、脳と腸との関係を考慮すべく、脳内神経伝達物質、その原料およびホルモンなどについても、上記腸内の状態を示す情報の場合と同様に考慮して含むようにしてもよい。
【0043】
記憶部38は、1つ以上のメモリを含む。本実施形態において「メモリ」は、例えば、半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部38に含まれる各メモリは、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部38は、端末装置13の動作に用いられる任意の情報を記憶してよい。記憶部38は、例えば、システムプログラム、アプリケーションプログラムなどを記憶してもよい。
【0044】
制御部39は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサの少なくともいずれかを含んでよい。専用のプロセッサは、ASICを含んでよい。プロセッサは、PLDを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。制御部39は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPの少なくともいずれかを含んでもよい。
【0045】
制御部39は、入力部36から被験者の身体情報および被験者の摂取食品情報の少なくとも1つを取得すると、記憶部38に格納してよい。制御部39は、記憶部38に記憶した最新の身体情報および摂取食品情報の少なくとも1つを示す情報を、便臭計測装置12を介して間接的に、または、直接的に、健康状態推定装置10に付与してよい。制御部39は、当該情報の付与において、被験者の識別情報を関連付けて付与してよい。制御部39は、当該情報の付与において、当該情報の端末装置13における取得時期を関連づけて付与してよい。
【0046】
制御部39は、後述するように、健康情報を、便臭計測装置12を介して間接的に、または直接的に健康状態推定装置10から受信するとき、当該健康情報を表示部37に表示させてよい。
【0047】
制御部39は、入力部36から被験者の腸内細菌状況を取得する場合、当該腸内細菌状況を記憶部38に格納してよい。制御部39は、記憶部38に記憶した腸内細菌状況を、便臭計測装置12を介して間接的に、または、直接的に、健康状態推定装置10に付与するように、通信部35を駆動してよい。制御部39は、腸内細菌状況の付与に際して、被験者の識別情報、端末装置13の識別情報、および腸内細菌状況の取得時期を腸内細菌状況に関連付けて付与してよい。
【0048】
制御部39は、腸内細菌状況を健康状態推定装置10に付与する場合、健康状態推定装置10から所定の特典を取得してよい。所定の特典は、例えば、健康状態推定装置10を用いたサービス事業者が提供する役務を利用する権利の無償化、割引サービスなどであってよい。
【0049】
図6に示すように、健康状態推定装置10は、取得部40、記憶部41、および制御部42を有する。健康状態推定装置10は、例えば、サーバである。
【0050】
取得部40は、例えば、便臭計測装置12および端末装置13と通信可能な通信モジュールを含む。取得部40は、例えば、ネットワークに接続する通信モジュールを含む。取得部40は、便臭計測装置12のセンサ部17が出力する信号に基づくガス情報を取得する。取得部40は、被験者の身体情報および摂取食品情報を取得してよい。
【0051】
記憶部41は、1つ以上のメモリを含む。本実施形態において「メモリ」は、例えば、半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部41は、被験者の身体情報、摂取食品情報、腸内細菌状況、ならびにガス情報を関連付けた多量の組により構成されるデータベースを記憶する。記憶部41は、健康情報を作成するための推定式を記憶する。
【0052】
健康情報を作成するための推定式は、予め多数の被験者の便臭におけるガスの濃度を高精度のセンサを用いて計測し、計測結果を各被験者の健康状態の測定結果と結びつけ、例えば、重回帰分析により、予め算出されている。ただし、健康情報を作成するための推定式は、後述するように、多数の便臭計測装置12および端末装置13からそれぞれ取得するガス情報など、および腸内細菌状況を用いて、更新されてよい。
【0053】
制御部42は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサの少なくともいずれかを含んでよい。専用のプロセッサは、ASICを含んでよい。プロセッサは、PLDを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。制御部42は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPの少なくともいずれかを含んでもよい。
【0054】
制御部42は、取得部40を介してガス情報を取得すると、ガス情報を説明変数として記憶部41に格納する。制御部42は、記憶部41に記憶された推定式に、記憶部41に新規に格納した特定のガスの濃度を代入することにより、腸内細菌の種類別の菌数、または腸内細菌の各種類を区分けした各菌区分の割合を健康情報として算出する。制御部42は、例えば、式(2)によってあらわされる推定式を用いて、目的変数zmを算出してよい。
【0055】
【0056】
式(2)において、l、mは自然数である。lは、特定のガスの種類に対応付けられた番号である。mは、算出される目的変数に対応する、菌数または菌区分を特定する番号である。ylは、lに対応付けられた種類の特定のガスの濃度である。clmは、mに対応する菌数または菌区分の割合を算出するための、説明変数ylの係数である。特定のガスの種類に対するclmは、式(2)に用いる他のガスの種類に応じて変動する。言換えると、特定のガスの種類l1に対する係数cl1mは、式(2)に別の種類のガスの濃度yl2の項cl2m×yl2の有無によって変動する。したがって、濃度が算出されないガスの種類に応じて、算出されているガスの濃度に用いる係数clmを変えて、目的変数を算出してよい。
【0057】
腸内細菌は、例えば、ビフィドバクテリウム属、ラクトバシラス属、クロストリジウム属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ルミノコッカス属、およびエスケリキア属から選択されるものを含む。菌区分は、例えば、善玉菌、悪玉菌、日和見菌、免疫関連菌、デブ菌、および痩せ菌から選択されるものを含む。
【0058】
制御部42は、算出した健康情報を、算出に用いたガス情報に関連付けられていた被験者の識別情報および端末装置13の識別情報に関連付けて、記憶部41に格納する。制御部42は、記憶部41に記憶している健康情報を、当該健康情報に関連付けられている端末装置13の識別情報に基づいて、当該端末装置13に付与するように、取得部40を駆動する。
【0059】
制御部42は、取得部40を介して、被験者の身体情報および摂取食品情報の少なくとも1つを取得すると、説明変数として記憶部41に格納してよい。制御部42は、健康情報の作成に、検出時期がガス情報の生成時期に直近である、被験者の身体情報および被験者の摂取食品情報の少なくともいずれかを用いてもよい。より具体的には、制御部42は、被験者の年齢、身長、体重、および体脂肪率を式(2)の説明変数に加えて用いて、菌数または菌区分の割合を算出してよい。また、制御部42は、被験者の性別、被験者が摂取した食品、および摂取食品が含有する栄養素を、1または0に区分けして、式(2)の説明変数に加えて用いて、菌数または菌区分の割合を算出してよい。または、制御部42は、被験者の性別、被験者が摂取した食品、および摂取食品が含有する栄養素別に、説明変数の係数を変えてもよい。制御部42は、被験者の年齢、身長、体重、体脂肪率、被験者の性別、被験者が摂取した食品、および摂取食品が含有する栄養素の少なくともいずれかを説明変数に加える場合、推定式におけるそれぞれの係数を変えてもよい。
【0060】
制御部42は、算出した菌数または菌区分の割合に基づいて、腸内細菌の状況に基づく健康状態を、さらに作成してもよい。制御部42は、例えば、健康状態として、善玉菌、悪玉菌、および日和見菌の菌数のバランスに基づく腸の健康点数、免疫関連菌の菌数に基づく体調点数、ならびにデブ菌および痩せ菌の菌数のバランスに基づく肥満体質点数を算出してよい。
【0061】
制御部42は、算出した菌数または菌区分の割合に基づいて、腸内細菌の状況に基づく健康助言を、健康情報として更に作成してもよい。制御部42は、例えば、健康助言として、
図7に示すように、善玉菌および悪玉菌の割合のバランスを横軸、ならびにデブ菌および痩せ菌の割合のバランスを縦軸としたマトリックスにおける、被験者の位置を示す画像を作成してよい。マトリックスでは、例えば、横軸および縦軸別に健康助言が割当てられている。
図7は、表示部37の表示の一態様を示したものである。表示部37には、表示項目に応じて、図表、グラフなどを適宜表示させることができる。
【0062】
制御部42は、取得部40を介して端末装置13から、腸内細菌状況を取得するとき、腸内細菌状況を記憶部41に格納する。制御部42は、腸内細菌状況の格納において、当該腸内細菌状況に関連付けられている被験者の識別情報と、同じ識別情報が関連付けられている、健康情報の生成に用いた説明変数を関連付ける。
【0063】
制御部42は、所定の条件にしたがって、事前に機械学習などを含む学習をさせた説明変数および目的変数に基づいて、記憶部41に記憶している推定式を更新する。所定の条件は、例えば、所定の周期、所定の時期、更新後に取得する腸内細菌状況の数が閾値を超えるときなどである。制御部42は、記憶部41に記憶しているデータベースを用いて、例えば、重回帰分析を行うことにより、推定式を更新する。ただし、制御部42は、重回帰分析以外にクラスタ分析または主成分分析などを行ってもよい。制御部42は、具体的には、データベースにおけるガス濃度ylおよび式(2)の目的変数zmに基づいて式(2)の係数clm、dmを更新する。制御部42は、更新した推定式を記憶部41に格納し、以後の健康情報の生成に用いてよい。
【0064】
制御部42は、各便臭計測装置12のセンサ23の劣化状況などに応じて、式(1)の変化させた係数aijkn、bnを、便臭計測装置12に付与するように、取得部40を駆動してよい。
【0065】
次に、本実施形態において便臭計測装置12の制御部22が実行する、ガス情報生成処理について、
図8、9のフローチャートを用いて説明する。ガス情報生成処理は、入力部19が便臭計測の開始を指示する入力を検出するときに開始する。
【0066】
ステップS100において、制御部22は、第3供給路27が第2供給路26に連通するように、三方弁29を駆動する。駆動後、プロセスはステップS101に進む。
【0067】
ステップS101では、制御部22は、送気部32を駆動し、第2吸入口31からの第2ガスをセンサ部17に供給する。送気部32の駆動後、プロセスはステップS102に進む。
【0068】
ステップS102では、制御部21は、センサ部17から連続的に取得する信号を記憶部20に格納開始する。格納開始後、プロセスはステップS103に進む。センサ部17が出力する信号の信号値に基づく当該信号値以外の説明変数を、便臭計測装置12が算出する構成においては、制御部22は、当該説明変数を算出して記憶部20に格納する。
【0069】
ステップS103では、制御部22は、ステップS101における送気部32の駆動開始時期から、第2吸入口31からセンサ部17への第2ガスの供給時間として定められた第2ガス検出時間が経過しているか否かを判別する。第2ガス検出時間を経過していない場合、ステップS103が繰返される。第2ガス検出時間を経過している場合、プロセスはステップS104に進む。
【0070】
ステップS104では、制御部22は、送気部32の駆動を停止する。停止後、プロセスはステップS105に進む。
【0071】
ステップS105では、制御部22は、第3供給路27が第1供給路25に連通するように、三方弁29を駆動する。駆動後、プロセスはステップS106に進む。
【0072】
ステップS106では、制御部22は、送気部32を駆動し、第1吸入口30からの第1ガスをセンサ部17に供給する。送気部32の駆動後、プロセスはステップS107に進む。
【0073】
ステップS107では、制御部22は、センサ部17から連続的に取得する信号を記憶部20に格納開始する。格納開始後、プロセスはステップS108に進む。センサ部17が出力する信号の信号値に基づく当該信号値以外の説明変数を、便臭計測装置12が算出する構成においては、制御部22は、当該説明変数を算出して記憶部20に格納する。
【0074】
ステップS108では、制御部22は、ステップS106における送気部32の駆動開始時期から、第1吸入口30からセンサ部17への第1ガスの供給時間として定められた第1ガス検出時間が経過しているか否かを判別する。第1ガス検出時間を経過していない場合、ステップS108が繰返される。第1ガス検出時間を経過している場合、プロセスはステップS109に進む。
【0075】
ステップS109では、制御部22は、送気部32の駆動を停止する。駆動停止後、プロセスはステップS110に進む。
【0076】
ステップS110では、制御部22は、第3供給路27が第2供給路26に連通するように、三方弁29を駆動する。駆動後、プロセスはステップS111に進む。
【0077】
ステップS111では、制御部22は、送気部32を駆動し、第2吸入口31からの第2ガスをセンサ部17に供給する。送気部32の駆動後、プロセスはステップS112に進む。
【0078】
ステップS112では、制御部21は、センサ部17から連続的に取得する信号を記憶部20に格納開始する。格納開始後、プロセスはステップS113に進む。センサ部17が出力する信号の信号値に基づく当該信号値以外の説明変数を、便臭計測装置12が算出する構成においては、制御部22は、当該説明変数を算出して記憶部20に格納する。
【0079】
ステップS113では、制御部22は、ステップS111における送気部32の駆動開始時期から、第2吸入口31からセンサ部17への第2ガスの供給時間として定められた第2ガス検出時間が経過しているか否かを判別する。第2ガス検出時間を経過していない場合、ステップS113が繰返される。第2ガス検出時間を経過している場合、プロセスはステップS114に進む。
【0080】
ステップS114では、制御部22は、送気部32の駆動を停止する。停止後、プロセスはステップS115に進む。
【0081】
ステップS115では、制御部22は、ステップS105からS114の制御をガス情報生成処理の開始後に4回実施しているか否かを判別する。4回実施していない場合、プロセスはステップS105に戻る。4回実施している場合、プロセスはステップS116に進む。
【0082】
ステップS116では、制御部22は、記憶部20に記憶された信号値の中で、ステップS105~S113の制御中に受信する信号値に基づいて、記憶部21に記憶された説明変数を用いて特定のガスの濃度を算出する。制御部22は、算出すべき特定のガスの濃度をすべて含むガス情報を生成する。生成後、プロセスはステップS117に進む。
【0083】
ステップS117では、制御部22は、ステップS116において生成したガス情報を、健康状態推定装置10に付与する。付与後、ガス濃度生成処理は終了する。
【0084】
次に、本実施形態において端末装置13の制御部39が実行する、身体情報等付与処理について、
図10のフローチャートを用いて説明する。身体情報等付与処理は、被験者の身体情報および摂取食品情報の少なくともいずれかの提供を要求する入力を入力部36が検出する場合、開始する。
【0085】
ステップS200において、制御部39は、例えば、表示部37に画像を表示することにより、身体情報および摂取食品情報の入力を要求する。要求後、プロセスはステップS201に進む。
【0086】
ステップS201では、制御部39は、被験者からの身体情報および摂取食品情報の少なくとも一方の入力の有無を判別する。上記の身体情報および摂取食品情報の入力は、過去に入力されて記憶部38に記憶された身体情報および摂取食品情報の中からの選択の入力であってもよい。入力されない場合、プロセスはステップS201に戻る。入力された場合、プロセスはステップS202に進む。
【0087】
ステップS202では、制御部39は、ステップS201において入力が確認された身体情報および摂取食品情報の少なくとも一方を記憶部28に格納する。格納後、プロセスはステップS203に進む。
【0088】
ステップS203では、制御部39は、ステップS202において記憶部38に格納した身体情報および摂取食品情報の少なくとも一方を、被験者の識別情報および端末装置13の識別情報に関連付ける。関連付け後、プロセスはステップS204に進む。
【0089】
ステップS204では、制御部39は、ステップS203において識別情報に関連付けられた、身体情報および摂取食品情報の少なくとも一方を、健康状態推定装置10に付与する。付与後、身体情報等付与処理は終了する。
【0090】
次に、本実施形態において端末装置13の制御部39が実行する、腸内状況付与処理について、
図11のフローチャートを用いて説明する。腸内状況付与処理は、被験者の腸内細菌状況の提供を要求する入力を入力部36が検出する場合、開始する。
【0091】
ステップS300において、制御部39は、例えば、表示部37に画像を表示することにより、腸内細菌状況の入力を要求する。要求後、プロセスはステップS301に進む。
【0092】
ステップS301では、制御部39は、被験者からの腸内細菌状況の入力の有無を判別する。入力されない場合、プロセスはステップS301に戻る。入力された場合、プロセスはステップS302に進む。
【0093】
ステップS302では、制御部39は、ステップS301において入力が確認された腸内細菌状況を記憶部28に格納する。格納後、プロセスはステップS303に進む。
【0094】
ステップS303では、制御部39は、ステップS302において記憶部38に格納した腸内細菌状況を、被験者の識別情報および端末装置13の識別情報に関連付ける。関連付け後、プロセスはステップS304に進む。
【0095】
ステップS304では、制御部39は、ステップS303において識別情報に関連付けられた、腸内細菌状況を、健康状態推定装置10に付与する。付与後、腸内状況与処理は終了する。
【0096】
次に、本実施形態において健康状態推定装置10の制御部42が実行する、健康情報生成処理について、
図12のフローチャートを用いて説明する。健康情報生成処理は、ガス情報を取得する場合、開始する。
【0097】
ステップS400では、制御部39は、取得したガス情報を記憶部38に格納する。格納後、プロセスはステップS401に進む。
【0098】
ステップS401では、制御部39は、ガス情報に関連付けられた被験者の識別情報に相当する被験者からの身体情報および摂取食品情報の少なくとも一方の取得状況を確認する。確認後、プロセスはステップS402に進む。
【0099】
ステップS402では、制御部39は、ステップS401において確認した、身体情報および摂取食品情報の少なくとも一方の項目の種類に基づいて用いる推定式を決定する。すなわち、制御部39は、上述のように、入力された項目によって定まる各説明変数の係数などを決定する。決定後、プロセスはステップS403に進む。
【0100】
ステップS403では、制御部39は、記憶部38から、ステップS401において決定した推定式を読出す。読出後、プロセスはステップS404に進む。
【0101】
ステップS404では、制御部39は、ステップS400において記憶部38に格納したガス情報、およびステップS401において確認した身体情報および摂取食品情報を用いて健康情報(
図12の例では腸内情報)を生成する。制御部39は、生成した健康情報を、被験者の識別情報および端末装置13の識別情報に関連付けて記憶部38に格納する。生成後、プロセスはステップS405に進む。
【0102】
ステップS405では、制御部39は、ステップS404において生成した健康情報を、ガス情報に関連付けられた端末装置13の識別情報に基づいて、当該端末装置13に付与する。付与後、健康情報作成処理は終了する。
【0103】
次に、本実施形態において健康状態推定装置13の制御部42が実行する、推定式更新処理について、
図13のフローチャートを用いて説明する。推定式更新処理は、前述の所定の条件を満たす場合、開始する。
【0104】
ステップS500において、制御部42は、重回帰分析のモデル式を記憶部41から読出す。読出後、プロセスはステップS501に進む。上記モデル式は、少なくとも特定のガスの濃度、および利用可能であれば身体情報および摂取食品情報の少なくとも一方とから、腸内細菌状況を算出する式であって、係数には、初期値として現在の推定式の係数が用いられてよい。
【0105】
ステップS501では、制御部42は、関連付けられている被験者の識別情報が同じである、身体情報、摂取食品情報、ガス情報、および腸内細菌状況の複数の組を記憶部41から読出す。読出後、プロセスはステップS502に進む。
【0106】
ステップS502では、制御部42は、ステップS500において読出したモデル式に対して、ステップS501において読出したガス情報に含まれるガスの濃度、ならびにステップS601において読出した身体情報、摂取食品情報、および腸内細菌状況の複数の組を用いて重回帰分析を行う。すなわち、制御部42は、例えば、特定のガスの濃度、身体情報、および摂取食品情報をモデル式に代入して算出される腸内細菌状況と、記憶部41から読出した腸内細菌状況との差の二乗平均値をコスト関数として最小化させる回帰係数を算出する。算出後、プロセスはステップS502に進む。
【0107】
ステップS503では、制御部42は、ステップS502において算出した回帰係数を用いて推定式を更新する。更新後、プロセスはステップS504に進む。
【0108】
ステップS504では、制御部42は、ステップS503で更新した推定式を記憶部41に格納する。格納後、推定式更新処理は終了する。
【0109】
以上のような構成の本実施形態の健康状態推定装置10では、第1ガスをセンサ部17に供給させている期間におけるセンサ部17が出力する信号と、第2ガスをセンサ部17に供給させている期間におけるセンサ部17が出力する信号とを含むガス情報に基づいて、健康情報を作成する。健康情報は、前述のように被験者の健康状態に関する腸内の状態を示す情報であり、腸内細菌の状況に基づいて作成される。腸内細菌の状況は、被験者の便から放たれる臭い、言換えると多様なガスの濃度などに基づいて推定され得る。それゆえ、便に含まれる多様なガスの濃度の検出結果に基づいて腸内細菌の状況を推定することにより、健康状態の簡易な推定が可能となる。上述の構成を有する健康状態推定装置10は、サンプルガスとなり得る第1ガスだけでなく、パージガスとなり得る第2ガスをガス情報として用いているので、特定のガスの濃度を推定可能な信号を取得し得、最終的に腸内細菌の状況を推定し得る。一方で、健康状態推定装置10は、従来の構成に比べて、特別な構造を有することなく、特定の信号処理により腸内細菌の状況を推定しているので、簡易な構造で健康状態を推定し得る。
【0110】
また、本実施形態の健康状態推定装置10では、第1ガスをセンサ部17に供給させている期間においてセンサ部17が出力する信号は、第1ガスをセンサ部17に供給させている期間を複数の時間区間に分割して当該複数の時間区間それぞれにおいてセンサ部17が出力する信号である。また、健康状態推定装置10では、第2ガスをセンサ部17に供給させている期間においてセンサ部17が出力する信号は、第2ガスをセンサ部17に供給させている期間を複数の時間区間に分割して当該複数の時間区間それぞれにおいてセンサ部17が出力する信号である。一般的に、サンプルガスまたはパージガスの吸入開始時期から信号値が定常値に至るまでの期間を分割した区間毎の、信号値そのもの、ならびに信号値に基づく傾き、平均値、および中央値などは、ガス濃度に応じて変化する。したがって、上述の構成を有する健康状態推定装置10は、定常値となったセンサ部17の信号をそのまま使う構成に比べて、特定のガスの濃度の算出精度を向上させ得、最終的に特定のガスの濃度から作成される腸内細菌の状況の推定精度を向上させ得る。
【0111】
また、本実施形態の健康状態推定装置10では、センサ部17は複数のセンサ23を有している。このような構成により、健康状態推定装置10では、単一のセンサ23を有する構成に比べて、特定のガスの濃度の算出精度を向上させ得、最終的に腸内細菌の状況の推定精度をさらに向上させ得る。
【0112】
また、本実施形態の健康状態推定装置10では、センサ部17が検出する特定のガスは、水素、二酸化炭素、メタン、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド、カルボン酸、およびアミンの少なくとも1つを含む。一般的に、腸内細菌が産出するガスは、腸内細菌の種類により異なっており、種類ごとに水素、二酸化炭素、メタン、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド、カルボン酸、およびアミンなどが含まれている。それゆえ、上述の構成により、健康状態推定装置10は、これらの特定のガスの濃度を算出することにより、腸内細菌の状況の推定精度をさらに向上させ得る。
【0113】
また、本実施形態の健康状態推定装置10は、被験者の身体情報にも基づいて、健康情報を作成する。腸内細菌の状況は、特定のガスの濃度だけでなく、被験者の年齢、身長、体重、および体脂肪率などの身体的特徴によっても変動する。それゆえ、上述のような構成により、健康状態推定装置10は、腸内細菌の状況の推定精度をさらに向上させ得る。
【0114】
また、本実施形態の健康状態推定装置10は、被験者の摂取食品情報にも基づいて、健康情報を作成する。腸内細菌の状況は、特定のガスの濃度だけでなく、被験者が摂取した食品および摂取した食品が含有する栄養素などの腸内に送られる栄養素によっても変動する。それゆえ、上述のような構成により、健康状態推定装置10は、腸内細菌の状況の推定精度をさらに向上させ得る。
【0115】
また、本実施形態の健康状態推定装置10は、被験者の腸内細菌状況を取得する場合、当該腸内細菌状況を、健康情報の作成に用いる情報、例えば、ガス情報などと、被験者の識別情報を介して関連付ける。このような構成により、健康状態推定装置10は、腸内の細菌数の実測値である腸内細菌状況を、健康情報を推定させ得る情報とともに、推定式を回帰分析するための情報として用い得る。
【0116】
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0117】
例えば、本実施形態において、健康状態推定装置10は、便臭計測装置12が生成した特定のガスの濃度をガス情報として取得する構成であるが、便臭計測装置12のセンサ部17が検出した信号に基づく、ガスの濃度の算出のための説明変数をガス情報として取得する構成であってよい。当該構成においては、健康状態推定装置10は、ガス情報に基づいて、特定のガスの濃度を算出してよい。または、健康状態推定装置10は、便臭計測装置12のセンサ部17が検出した信号を取得して、ガスの濃度の算出のための説明変数を算出してもよい。さらに、当該構成において、健康状態推定装置10は、説明変数から特定のガスの濃度を算出することなく説明変数から直接、健康情報を作成可能な推定式を用いて健康情報を作成する構成であってもよい。
【0118】
また、本実施形態の具体的構成において、便臭計測装置12の供給部18は、異なる取得位置で第1ガスおよび第2ガスを取得する構成であるが、同じ位置で異なる計測時間で計測してよい。例えば、本実施形態における第2吸入口31を設けない構成においては、便器ボウル15に糞便がある状態で第1吸入口30から吸入するガスを第1ガスとして用い、便器ボウル15からの糞便の排出後に第1吸入口30から吸入するガスを第2ガスとして用いても本実施形態と同様の効果が得られる。
【0119】
また、本実施形態において、便臭計測装置12の入力部19への入力を検出する場合、便臭計測装置12は第1ガスおよび第2ガスのセンサ部17への供給を開始する構成であるが、供給を開始させるトリガは入力部19へ入力の検出に限定されない。例えば、便臭計測装置12は、赤外センサ、感圧センサなどの人感センサを用いて、被験者の着座などに基づいて供給を開始する構成であってよい。
【0120】
また、本実施形態において、健康状態推定装置10は、便臭計測装置12からのガス情報の取得、端末装置13からの、被験者の身体情報、被験者の摂取食品情報、および被験者の腸内細菌状況の取得、ガス情報に基づく健康情報の作成、ならびに腸内情報の端末装置13への付与などを行っている。しかし、健康状態推定装置10の行う処理の少なくとも一部が、便臭計測装置12または端末装置13によって行われてもよい。さらには、便臭計測装置12および端末装置13は、一体化された装置であってもよい。
【0121】
健康情報の作成が便臭計測装置12または端末装置13によって行われる構成においては、便臭計測装置12または端末装置13は、算出した健康情報を、当該健康情報の生成に用いたガス情報に関連付けられている被験者の識別情報と関連付けて、分析装置としての健康状態推定装置10に付与してよい。当該構成においては、便臭計測装置12または端末装置13は、健康状態推定装置10が更新する推定式を取得して、以後の健康情報の生成に用いてよい。
【0122】
また、本実施形態において、便臭計測装置12は、センサ部17に第1ガスを供給している期間を複数の時間区間に分割した時間区間毎のセンサ部17から取得する信号をガス情報に含めるが、このような構成に限定されない。第2ガスを供給している期間に関しても同様である。
【0123】
例えば、便臭計測装置12において、センサ部17に第11ガスを供給している期間中にセンサ部17から取得する信号の波形をフーリエ展開して多項式に分離し、多項式の各係数をガス情報に含めてよい。このような構成において、健康状態推定装置10は、多項式の拡径数を説明変数とする推定式に基づいて、ガス濃度の算出、または健康情報(目的変数zm)の算出を行ってよい。
【0124】
また、例えば、便臭計測装置12において、センサ部17に第11ガスを供給している期間中にセンサ部17から取得する信号の波形をフーリエ変換により、時間から周波数の関数に変換して、周波数の関数をガス情報に含めてよい。このような構成において、健康状態推定装置10は、周波数区間の平均値、中央値、および傾き、ならびに当該平均値、当該中央値、および当該傾きの比を説明変数とする推定式に基づいて、ガス濃度の算出、または健康情報(目的変数zm)の算出を行ってよい。
【0125】
ここで用いられるネットワークには、他に特段の断りがない限りは、インターネット、アドホックネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、セルラーネットワーク、WWAN(Wireless Wide Area Network)、WPAN(Wireless Personal Area Network )、PSTN(Public Switched Telephone Network)、地上波無線ネットワーク(Terrestrial Wireless Network)もしくは他のネットワークまたはこれらいずれかの組合せが含まれる。無線ネットワークの構成要素には、たとえば、アクセスポイント(たとえば、Wi-Fiアクセスポイント)やフェムトセル等が含まれる。さらに、無線通信器機は、Wi-Fi、Bluetooth、セルラー通信技術(たとえばCDMA(Code Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC-FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)またはその他の無線技術及び/または技術標準を用いた無線ネットワークに接続することができる。ネットワークには、一つ以上の技術を採用することができ、かかる技術には、たとえば、UTMS(Universal Mobile Telecommunications System)、LTE(Long Term Evolution)、EV-DO(Evolution-Data Optimized or Evolution-Data Only)、GSM(Global System for Mobile communications)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA-2000(Code Division Multiple Access-2000)またはTD-SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)が含まれる。
【0126】
なお、ここでは、特定の機能を実行する種々のモジュール及び/またはユニットを有するものとしてのシステムを開示しており、これらのモジュール及びユニットは、その機能性を簡略に説明するために模式的に示されたものであって、必ずしも、特定のハードウェア及び/またはソフトウェアを示すものではないことに留意されたい。その意味において、これらのモジュール、ユニット、その他の構成要素は、ここで説明された特定の機能を実質的に実行するように実装されたハードウェア及び/またはソフトウェアであればよい。異なる構成要素の種々の機能は、ハードウェア及び/もしくはソフトウェアのいかなる組合せまたは分離したものであってもよく、それぞれ別々に、またはいずれかの組合せにより用いることができる。また、キーボード、ディスプレイ、タッチスクリーン、ポインティングデバイス等を含むがこれらに限られない入力/出力もしくはI/Oデバイスまたはユーザインターフェースは、システムに直接にまたは介在するI/Oコントローラを介して接続することができる。このように、本開示内容の種々の側面は、多くの異なる態様で実施することができ、それらの態様はすべて本開示内容の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
10 健康状態推定装置
11 健康状態推定システム
12 便臭計測装置
13 端末装置
14 便器
15 便器ボウル
16 便座
17 センサ部
18 供給部
19 入力部
20 通信部
21 記憶部
22 制御部
23 センサ
24 チャンバ
25 第1供給路
26 第2供給路
27 第3供給路
28 排気路
29 三方弁
30 第1吸入口
31 第2吸入口
32 送気部
33 排気口
35 通信部
36 入力部
37 表示部
38 記憶部
39 制御部
40 取得部
41 記憶部
42 制御部
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ部を有する計測装置と、取得部と、制御部とを備える推定システムであって、
前記センサ部は、特定のガスの濃度に対する感度が異なる複数のセンサを有し、
前記取得部は、少なくとも前記特定のガスを含む第1ガスが前記センサ部に供給されている期間において出力される第1信号に基づくガス情報を取得し、
前記制御部は、前記ガス情報を用いて、健康情報を作成し、
前記ガス情報は、前記複数のセンサのそれぞれが出力する信号に基づいて算出された前記第1ガスに含まれる前記特定のガスの濃度に関する情報を含む
推定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の推定システムにおいて、
前記ガス情報は、前記第1信号と、第2ガスが前記センサ部に供給されている期間において前記センサ部が出力する信号と、に基づく情報である
推定システム。
【請求項3】
請求項2に記載の推定システムにおいて、
前記第1ガスと前記第2ガスとは、取得位置および取得時期の少なくともいずれかが異なる
推定システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の推定システムにおいて、
前記制御部は、被験者の身体情報にも基づいて、前記健康情報を作成する
推定システム。
【請求項5】
請求項4に記載の推定システムにおいて、
前記身体情報は、性別、年齢、身長、体重、および体脂肪率の少なくとも1つを含む
推定システム。
【請求項6】
請求項4に記載の推定システムにおいて、
前記取得部は、前記身体情報を取得する
推定システム。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の推定システムにおいて、
前記制御部は、被験者の摂取食品情報にも基づいて、前記健康情報を作成する
推定システム。
【請求項8】
請求項7に記載の推定システムにおいて、
前記摂取食品情報は、被験者が摂取した食品および摂取食品が含有する栄養素の少なくとも1つを含む
推定システム。
【請求項9】
請求項7に記載の推定システムにおいて、
前記取得部は、前記摂取食品情報を取得する
推定システム。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか1項に記載の推定システムにおいて、
前記健康情報は、腸内細菌の割合、腸内細菌を区分けした区分の割合、および腸内細菌の状況に基づく健康助言の少なくとも1つを含む
推定システム。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか1項に記載の推定システムにおいて、
前記制御部は、記憶部に記憶された推定式に基づいて健康情報を作成する
推定システム。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか1項に記載の推定システムにおいて、
前記第1ガスは被験者の便に起因するガスを含む
推定システム。
【請求項13】
請求項1から3のいずれか1項に記載の推定システムにおいて、
前記特定のガスは、水素、二酸化炭素、メタン、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド、カルボン酸、およびアミンの少なくとも1つを含む
推定システム。
【請求項14】
請求項1から3のいずれか1項に記載の推定システムにおいて、
前記健康情報を表示する表示部を有する
推定システム。
【請求項15】
請求項14に記載の推定システムにおいて、
推定装置を更に備え、
前記推定装置と接続された端末装置を有し、前記表示部は前記端末装置が備える
推定システム。
【請求項16】
特定のガスの濃度に対する感度が異なる複数のセンサを有するセンサ部から、少なくとも前記特定のガスを含む第1ガスが前記センサ部に供給されている期間において出力される第1信号に基づくガス情報を取得する取得部と、
前記ガス情報を用いて、健康情報を作成する制御部と、を備え、
前記ガス情報は、前記複数のセンサのそれぞれが出力する信号に基づいて算出された前記第1ガスに含まれる前記特定のガスの濃度に関する情報を含む
推定装置。
【請求項17】
特定のガスの濃度に対する感度の異なる複数のセンサを有し、特定のガスの濃度に応じた前記信号値の信号を出力するセンサ部に、第1ガスを供給し、
少なくとも前記第1ガスを前記センサ部に供給させている期間において前記センサ部が出力する信号に基づくガス情報を用いて健康情報を作成する、健康状態推定方法であって、
前記ガス情報は、前記複数のセンサのそれぞれが出力する信号に基づいて算出された前記第1ガスに含まれる前記特定のガスの濃度に関する情報を含む
推定方法。