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特開2024-29166蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029166
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
B65D77/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223827
(22)【出願日】2023-12-29
(62)【分割の表示】P 2023101452の分割
【原出願日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】63/354,278
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(72)【発明者】
【氏名】林 裕義
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、蓋体を容器に接合した蓋体付き容器を形成した後で蓋体を開封することや蓋体に開口部を形成した場合に、蓋体付き容器の形状を安定化することが可能な蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ、及び蓋体の製造方法を提供する
【解決手段】蓋体が、開口部を有する容器に対して前記開口部を被覆した状態を形成し且つ前記容器を接合することが可能となるように形成され、容器と接合される領域に対応する部分で構成される接合領域対応部50Aと、接合領域対応部の内側の部分で構成される蓋領域対応部50Bと、を有し、蓋領域対応部は、接合領域対応部を基端13として蓋領域対応部の中央まで容器の開口部に向かい合う対向面から対向面に背反する面側に向かう方向に隆起する凸状部11を形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する容器に対して前記開口部を被覆した状態を形成し且つ前記容器を接合することが可能となるように形成され、
前記容器と接合される領域に対応する部分で構成される接合領域対応部と、
前記接合領域対応部の内側の部分で構成される蓋領域対応部と、を有し、
前記蓋領域対応部は、前記接合領域対応部を基端として前記蓋領域対応部の中央まで前記容器の前記開口部に向かい合う対向面から該対向面に背反する面側に向かう方向に隆起する凸状部を形成している、
蓋体。
【請求項2】
前記凸状部は、前記容器に対向する内側壁面と、前記内側壁面に対して背反する外側壁面を有し、
前記外側壁面は、凸状湾曲面を有し、前記内側壁面は、凹状湾曲面を有する、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記凸状部は、前記容器に対向する内側壁面と、前記内側壁面に対して背反する外側壁面を有し、
前記内側壁面の基端は前記接合領域対応部から外れており、前記外側壁面の基端は前記接合領域対応部に位置する、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項4】
前記凸状部に、貫通部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項5】
前記凸状部に、前記凸状部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、複数の前記貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも一つの連続部とを有する、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
前記脆弱化部は、前記連続部の周囲に放射状に複数の前記貫通部を形成している、
請求項5に記載の蓋体。
【請求項7】
前記凸状部に、前記凸状部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、ハーフカット構造を有する、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項8】
前記凸状部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の開口縁との境界位置は、前記凸状部の内側又は前記凸状部の基端に位置しており、
少なくとも一部の前記貫通部が、前記境界位置に形成されている、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項9】
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
請求項8に記載の蓋体。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有する、
蓋体と容器の組み合わせ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
上端に開口部を形成した容器に飲食料品等(以下においては「内容物」とも言う。)を収容して蓋体を取り付けることで容器内を閉じた状態で提供することが広く行われている。
【0003】
容器に取り付けられる蓋体としては、環境負荷軽減の観点から、紙系素材を用いたものを用いることが求められている。容器に蓋体を取り付ける方法としては、特許文献1には、ヒートシール等の方法を用いて蓋体を容器の上端の開口部の外周を形成する縁部に接合する方法(シール法)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007-530372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器や蓋体では、環境負荷軽減の観点から、蓋体が紙系素材で形成されているとともに、紙系素材の使用量(坪量)を抑えることが要請されており、坪量が抑制されると容器や蓋体の剛性が低下しやすくなり、使用者が蓋体付き容器を把持した場合に形状が変形しやすくなる。蓋体に開口部を形成した場合には蓋体付き容器により変形が生じやすくなる。また、蓋体が蒸気等の水分を吸収した場合についても蓋体付き容器に変形が生じやすくなる。そこで、蓋体が紙系素材で形成されている場合においては、蓋体を容器に接合した蓋体付き容器を形成した後で蓋体を開封することや蓋体に開口部を形成した場合に、蓋体付き容器の形状を安定化する点で改善が要請されている。蓋体と容器が接合によって一体的な構造を形成している場合には、容器を変形させる応力が蓋体に伝わりやすく、蓋体の開口部から内容物を摂取する場合の摂取容易性に影響を及ぼす可能性があるため、蓋体付き容器の形状を安定化させることは特に重要となる。
本発明は、蓋体を容器に接合した蓋体付き容器を形成した後で蓋体を開封することや蓋体に開口部を形成した場合に、蓋体付き容器の形状を安定化することが可能な蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ、及び蓋体の製造方法を提供することを、目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次の(1)から(11)にかかる発明を要旨としている。
【0007】
(1)開口部を有する容器に対して前記開口部を被覆した状態を形成し且つ前記容器を接合することが可能となるように形成され、
前記容器と接合される領域に対応する部分で構成される接合領域対応部と、
前記接合領域対応部の内側の部分で構成される蓋領域対応部と、を有し、
前記蓋領域対応部は、前記接合領域対応部を基端として前記蓋領域対応部の中央まで前記容器の前記開口部に向かい合う対向面から該対向面に背反する面側に向かう方向に隆起する凸状部を形成している。
蓋体。
(2)前記凸状部は、前記容器に対向する内側壁面と、前記内側壁面に対して背反する外側壁面を有し、
前記外側壁面は、凸状湾曲面を有し、前記内側壁面は、凹状湾曲面を有する、
上記(1)に記載の蓋体。
(3)前記凸状部は、前記容器に対向する内側壁面と、前記内側壁面に対して背反する外側壁面を有し、
前記内側壁面の基端は前記接合領域対応部から外れており、前記外側壁面の基端は前記接合領域対応部に位置する、
上記(1)に記載の蓋体。
(4)前記凸状部に、貫通部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(5)前記凸状部に、前記凸状部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、複数の前記貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも一つの連続部とを有する、
上記(4)に記載の蓋体。
(6)前記脆弱化部は、前記連続部の周囲に放射状に複数の前記貫通部を形成している、
上記(5)に記載の蓋体。
(7)前記凸状部に、前記凸状部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、ハーフカット構造を有する、
上記(1)に記載の蓋体。
(8)前記凸状部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁との境界位置は、前記凸状部の内側又は前記凸状部の基端に位置しており、
少なくとも一部の前記貫通部が、前記境界位置に形成されている、
上記(4)に記載の蓋体。
(9)前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記(8)に記載の蓋体。
(10)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
(11)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓋体が紙系素材で形成されている場合にあって、蓋体を容器に接合した蓋体付き容器を形成した後で蓋体を開封することや蓋体に開口部を形成した場合に、蓋体付き容器の形状を安定化することが可能な蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ、及び蓋体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図1Bは、図1AのA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図2図2Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図2Bは、図2AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図3図3Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図3Bは、図3AのC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図4図4Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図4Bは、図4AのD-D線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図5図5Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図5Bは、図5AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図6図6A図6B図6C及び図6Dは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図7図7Aは、蓋体付き容器の一実施例を表す斜視図である、平面図である。図7Bは、図7AのF-F線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図8図8A図8B及び図8Cは、蓋体付き容器の一実施例を表す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る蓋体について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明に係る蓋体は、コーヒーカップのような各種の飲料物を入れる容器(カップ)に対して用いられる蓋体を例として挙げて説明するが、飲料物を入れる容器の蓋体に限定されるものではなく、飲料物以外の食料品を収容する容器の蓋体としても適用することが可能である。また、本発明に係る蓋体は、飲食物以外の各種物品、例えばボルトやナット等といった部品や、上記した以外の物品を収容することのできる容器にも適用することができる。さらに、本発明に係る蓋体は、平面視したときの形状が円形状であるものの例を用いて以下においては説明するが、蓋体の形状は平面視したときに円形状であるものに限定されることはなく、楕円形状、矩形状、三角形状などの多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等、円形状以外の各種の形状にも適用することができる。
【0011】
以下、本発明に関係した第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及び適用例について、順次、図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。図1から図8の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(後側が+X方向、前側が-X方向)であるものとし、Z軸方向を法線とする平面上に定められた互いに直交するX軸及びY軸に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、さらにX軸とY軸で貼られた平面であるXY平面が水平面であるものとし、これらに基づき説明を行う。図1から図8の各図に示す大きさ等の相対的な大小比率は便宜上の記載であり、特に限定しない限り、実際の大小比率を限定するものではない。
【0013】
[1 第1の実施形態]
[1-1. 構造]
第1の実施形態にかかる蓋体10は、開口部502を有する容器501に対して開口部502を被覆した状態を形成し且つ容器501を接合することが可能となるように形成される。蓋体10は、図7A図7B等を用いて後述するように、上端に形成された開口部502と開口部502の外周を形成する上端縁部となる縁部503とを有する容器501に接合可能に形成されている。図7A図7Bは、図1A図1Bに示す蓋体10を容器501に接合した蓋体付き容器500の例を示す斜視図、断面図である。蓋体10は、縁部503に沿って接合されて用いることができるものである。蓋体10において、図1A等に示すように、蓋体10の平面視上、縁部503に接合される領域を接合領域Rと称呼する。図1Aは、蓋体10の一実施例を示す平面図である。なお、容器501としては、開口部502の縁部503に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器501が、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。なお、蓋体10と容器501との接合は、接着又は粘着による蓋体10と容器501との接続を示すものとする。
【0014】
蓋体10の面のうち蓋体付き容器500の状態で、容器501の開口部502側に向けられる方の面を対向面73と称呼し、対向面73とは背反する面で外側に露出させる方の面を露出面72と称呼する。
【0015】
接合領域Rは、図1Aの例では、容器501の開口部502に応じた形状で開口部502に沿っておおむね環状に形成される領域(図1Aではハッチングを付した領域(図2から図7についても同様である))に対応している。接合領域Rの幅(蓋領域対応部50Bの中心CTから放射状にのびる直線のうち接合領域Rに交差する部分の長さ)は、蓋体10の凸状部11の基端13における蓋体10の厚みよりも大きく、凸状部11の基端13から外側に延び出た部分が存在し、その部分の少なくとも一部は接合領域Rの形成する(接合領域対応部50Aを形成する)。
【0016】
蓋体10は、紙系素材を含むことが好適である。
【0017】
(紙系素材)
紙系素材としては、パルプだけからなるもののほか、非パルプ系の天然繊維や合成繊維、再生繊維等の繊維を含むものであっても良いが、パルプを50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、更に80質量%以上含むものが好ましいが、特にパルプ100質量%からなるものが好ましい。紙系素材は、不織布、木箔等の木質系素材等、さらにはアルミ箔等の素材との複合材料も用いることができるが、複合材料とする場合、複合材料全体としてパルプを50質量%以上含有することが好ましく、特に80質量%以上のパルプを含むものが好ましい。パルプ含有分の高いほど、紙系素材が生分解されやすくなるため好ましい。
【0018】
なお、蓋体と容器の両方が紙系素材を使用されている場合、蓋体は、容器よりも繊維密度が大きいことが好ましい。蓋体のほうが容器よりもコシの強い状態を形成しやすくなり、容器に変形させる力が加わっても、より効果的に蓋体10の変形を規制することができる。
【0019】
蓋体10は、図1Aに示すように、蓋領域対応部50Bと外側領域対応部50Cと、を有している。蓋体付き容器500の状態で、蓋体10は、蓋領域対応部50Bによって開口部502を被覆する。外側領域対応部50Cには接合領域対応部50Aが定められる。
【0020】
(接合領域対応部)
接合領域対応部50Aは、蓋体10のうち容器501の縁部503に沿って容器501に接合される領域に対応する部分である。すなわち、接合領域対応部50Aは、接合領域R(容器501の縁部503に向かい合う領域且つ容器501に接合される領域)に対応した蓋体10の部分である。接合領域対応部50Aは、蓋体付き容器500においては、蓋体10のうち蓋体10と容器501との接合部651を形成する部分である。具体的には、蓋体10の平面視上(図1の例では上下方向を視線方向とした場合)、接合領域Rを形成する部分が接合領域対応部50Aとして定められる。接合領域対応部50Aは、通常、図1Aに示すように環状に形成されている。特に、図1Aに示すように、容器501の縁部503がおおむね円環状に形成されている場合には、接合領域Rが円環状となり、接合領域対応部50Aについても蓋体10の平面視上、おおむね円環状となる。接合領域対応部50Aの外縁は、接合領域Rの外縁の位置に応じて定められる。接合領域対応部50Aの外縁は、蓋体10の外周縁75に位置していてもよいし、図1A図1Bの例に示すように蓋体10の外周縁75よりも内側に位置してもよい。蓋体10と容器501との接合領域Rが連続的に形成されていない場合には、隣り合う接合領域Rで挟まれた部分且つ縁部503に向かい合う部分についても後述する接合領域対応部50Aに含まれるものとする。なお、蓋体10における縁部503に向かい合う部分に、後述する凸状部11の基端13(立ち上がり開始端)よりも内側の部分が存在する場合には、凸状部11の基端13(立ち上がり開始端)よりも内側の部分は、接合領域対応部50Aに含めずに、後述する蓋領域対応部50Bに含める(第2被覆部50Eとして定められる)ものとする。
【0021】
(蓋領域対応部)
蓋領域対応部50Bは、蓋体10のうち接合領域対応部50Aから内側の部分である。蓋領域対応部50Bは、蓋体付き容器500において開口部502を覆う部分となっている。なお、開口部502を覆う部分とは、開口部502の少なくとも一部を覆う部分であり、一部に容器501の内部を視認可能とするように窓部が形成されている場合及び開口形成部30を有する場合等が含まれる。窓部は、蓋領域対応部50Bに開口を形成して開口を塞ぐように光透過性を有する部材(例えば透明なフィルム等)を取付けた(例えば接着した)構造部分を例示することができる。
【0022】
図1A図1Bの例に示す蓋領域対応部50Bでは、第1被覆部50Dと、第1被覆部50Dの外側に形成された第2被覆部50Eを備える。第1被覆部50Dは、容器開口被覆部に対応し、第2被覆部50Eは、容器上端縁被覆部に対応する。ここに、容器開口被覆部は、蓋領域対応部50Bのうち開口部502の直上を覆う部分である。容器上端縁被覆部は、蓋領域対応部50Bのうち縁部503の直上を覆い、凸状部11の一部を構成する部分となっている。図1の例では、蓋体10の平面視上、第2被覆部50Eとなる容器上端縁被覆部は、第1被覆部50Dとなる容器開口被覆部を取り巻くように形成されている。第2の被覆部50Eは、凸状部11の基端13の位置に応じて省略されてもよい。
【0023】
(外側領域対応部)
なお、図1A図1Bの例に示すように、蓋体10の蓋領域対応部50Bの外側の部分は、外側領域対応部50Cである。外側領域対応部50Cは、接合領域対応部50Aと同じ部分又は接合領域対応部50Aから外側に対応する部分で構成される。
【0024】
(凸状部)
蓋体10では、図1Bに示すように、蓋領域対応部50Bは、凸状部11を形成している。凸状部11は、接合領域対応部50Aを基端13(凸状部11の基端)として容器501の開口部502に向かい合う対向面73からその逆面となる露出面72側(対向面73に背反する面)に向かう方向に蓋領域対応部50Bの中心CTまで隆起した部分となっている。
【0025】
(外側壁面と内側壁面)
凸状部11は、内側壁面14と外側壁面12を有する。凸状部11の外側壁面12は、露出面72側に形成され、内側壁面14に背反し、接合領域対応部50Aの内端を基端13として蓋領域対応部50Bに向かって立ちあがる。外側壁面12は、蓋体10を容器501に接合した状態で露出面72を形成する。外側壁面12は、接合領域対応部50Aを基端(外側壁面12の立ち上がり開始位置)として斜めに立ち上がってもよいし垂直に立ち上がってもよい。凸状部11の内側壁面14は、凸状部11の面のうち容器501に対向する面となっており、蓋体10において対向面73側に形成され、外側壁面12に背反する。内側壁面14は、蓋体10を容器501に接合した状態で対向面73を形成する。
外側壁面12と内側壁面14は互いに対応する形状に形成されている。
【0026】
図1A図1Bの例では、凸状部11は、ドーム状に形成されている。凸状部11の外
側壁面12は凸状湾曲面となっている。内側壁面14は、凹状湾曲面となっている。図1Bの例では、内側壁面14を形成する凹状湾曲面は、外側壁面12に対応する形状となっている。すなわち、蓋体10では、露出面72側に突出した凸状部11と、対向面73側に凸状部11に対応する凹状部15を形成している。蓋体10の内側壁面14に水滴が付着した場合についても蓋体10の内側壁面14に沿って水滴が下方向に流れ落ちやすくなる観点(蓋体10に多くの水滴が付着した状態が継続されにくい観点)では、凸状部11は、ドーム状に形成されていることが好ましい。
【0027】
図1Aの例では、凸状部11の基端13のうち内側壁面14側の端部は、接合領域対応部50Aの内端に位置している。この場合、蓋体10を容器501に接合した状態では、図8Aに示すように容器501の縁部503の内端503Aよりもやや外側に凸状部11の基端13が位置しており、基端13が、縁部503の直上に位置している。このため、蓋体10を容器に接合した状態で接合部651の構造を強固にすることができ、蓋体付き容器の形状をより安定化させることができる。すなわち、蓋体10は、容器501に接合した部分を起点として横方向及び上下方向に立体的に拡がり、容器501に横方向に変形する力が加わっても、容器501に上下方向に変形する力が加わっても、蓋体10の変形を規制することができる。なお、縁部503の内端503Aは、縁部503の上側を向いた面が容器の内面側に向かって下降し始める位置とする。
【0028】
[1-2. 製造方法]
蓋体10の材質に応じた材料で形成されたシート材料(原反シート)を蓋体10の形状に応じて打ち抜き形成されたブランク材を用いて形成される。
【0029】
なお、蓋体10がブランク材で形成されるとは、蓋体10がブランク材のみで形成されている場合に限定されず、蓋体10がブランク材にタブ部材41等の部材を取り付けられた構造を有している場合を含み、また、蓋体10がブランク材に賦形処理(エンボス処理等)といった各種の加工処理が施される場合も含まれるものとする。
【0030】
原反シートは、紙系素材を含む繊維シートで構成されていることが好適である。
【0031】
(紙系素材を含む繊維シート)
紙系素材を含む繊維シートとしては、繊維原料のスラリーを網上に抄き取り、乾燥ないし押圧乾燥、抄紙してシート状にして得られる、いわゆる紙や、パルプ系繊維等からなる原料シートを粉砕機で粉砕して得られる粉砕パルプ等の開繊繊維原料を空気流によって積繊し、積繊体の繊維相互をバインダーで固定して得られるいわゆるエアレイドシート等、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される所謂紙類を挙げることができる。また、紙系素材を含む繊維シートには、上記したような紙類を複数枚積層した積層構造を有するものが含まれる。また、繊維シートには、紙系素材の他、化学繊維や、耐水性等の機能を付与された繊維、金属繊維、ガラス繊維等のパルプ以外の繊維を有するシート材料が含まれる。
【0032】
繊維シートは、繊維のみで構成されていてもよいし、複数の繊維を架橋剤等で架橋した構造を有していてもよく、後述する樹脂材料を除く他の添加物を含むものでもよい。繊維シートにおいて、複数の繊維が架橋剤で相互に架橋されていることで、繊維シートの形状が安定化し、解繊された状態が形成されにくくなる。
【0033】
(繊維)
繊維シートを構成する繊維は、1つの単位繊維で構成されてもよいし、複数の単位繊維を交絡させた構造を有してもよく、いずれの構造を有する繊維についても繊維シートに含まれてよい。繊維シートは、このような構造を有する複数の繊維がさらに交絡した状態で形成されていることが好適である。
【0034】
[1-3. 変形例]
(変形例1)
第1の実施形態の蓋体10においては、図4A図4Bに示すように、凸状部11の内側壁面14の基端は接合領域対応部50Aから外れていてもよい(変形例1)。図4A図4Bの例では、凸状部11の内側壁面14の基端は、接合領域対応部50Aよりも内側に位置し、凸状部11の外側壁面12の基端は、接合領域対応部50Aの内縁に位置している。なお、図4A図4Bに示す第1の実施形態の変形例1の例において、蓋体10を容器501に接合した状態では、図8Bに示すように、容器501と蓋体10との接合部651の内端が凸状部11の外側壁面12の基端で形成されることになる。なお、図4A図4Bの例では、第2被覆部50Eは省略されている。また、図4A図4Bの例は一例であり、凸状部11の外側壁面12の基端が、接合領域対応部50Aの内部に位置し、凸状部11の内側壁面14の基端と凸状部の外側壁面12の基端の間に、接合領域対応部50Aの内縁が位置してもよい。この場合、蓋体10を容器501に接合した状態では、図8Cに示すように、容器501と蓋体10との接合部651の内端が凸状部11の外側壁面12の基端と内側壁面14の基端との間の位置で形成されることになる。図8Cに示すような第1の実施形態の蓋体10によれば、蓋体付き容器500の状態で容器501から蓋体10を押しつぶすように変形力が負荷されても、凸状部11の基端から蓋体10を形成する紙系素材のシートのような部材が面状に拡がっているため、変形力のうち水平方向及び上下方向のいずれの方向の力の成分にも抵抗しやすくなる。
【0035】
(変形例2)
第1の実施形態の蓋体においては、凸状部11の形状は、ドーム状に限定されない。例えば、図5A図5Bに示すように、凸状部は、円錐台形状に形成されてもよい。そのほかにも、例えば、凸状部11は、上方に頂部を有する錐体状に形成されてもよい。
【0036】
[2 第2の実施形態]
第2の実施形態にかかる蓋体10は、第1の実施形態にかかる蓋体10にさらに、図6Aに示すように、凸状部11に、貫通部20を有する。このような形態を第2の実施形態と称呼する。図6Aは、第2の実施形態にかかる蓋体10の一実施例を模式的に示す平面図である。第2の実施形態は、貫通部20を除く他の構成については、第1の実施形態と同様であるから、他の構成(凸状部11等)の詳細な説明を省略する。
【0037】
貫通部20は、蓋体10の一方面から他方面まで(露出面72から対向面73まで)上下方向(厚み方向)に切り込まれた構造(貫通させた構造)を有しており、いわゆる切り込み部である。貫通部20の形状は、特に限定されず、図6Aに示すような十字形状でもよいし、図6Cに示すようなC字状でもよい。これらは、一例であり、貫通部20の形状を限定するものではない。図6Cは、第2の実施形態にかかる蓋体10の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0038】
貫通部20は、外部からストローなどを差し込む差し込み口21として機能させることができる。
【0039】
第2の実施形態の蓋体10においては、差し込み口21として機能する部分は、貫通部20のみで形成されている場合(全部を貫通部20で形成されている場合)に限定されない。第2の実施形態の蓋体10においては、図6Bに示すように、凸状部11に、蓋領域対応部50Bにおける分断位置を案内する脆弱化部22が設けられてもよい。脆弱化部22は、複数の貫通部20と、少なくとも2つの貫通部20の間に形成された少なくとも一つの連続部23とを有してもよい。この場合、蓋体10は、差し込み口21を形成する構造の一部として貫通部20を有することになる。脆弱化部22は、貫通部20と連続部23との組み合わせに変えてハーフカット構造で形成されてもよい。例えば、図6A図6Bに示すような十字状(クロス状)に差し込み口21を形成する場合、脆弱化部22として、差し込み口21を形成する際に蓋領域対応部50Bを形成する部材がクロス状に分断されるようにハーフカット構造が形成されてよい。
【0040】
また、脆弱化部22を有する場合において、脆弱化部22は、図6Bに示すように、連続部23の周囲に放射状に複数の貫通部20を形成していてもよい。また、これは一例であり、図6Dに示すように、Cの文字を構成する軌跡上に、貫通部20と連続部23が交互に並ぶように形成されてもよい。図6Dの例では、4つの貫通部20と3つの連続部23が交互に並ぶ。図6Bの例において、脆弱化部22の上側から下方向に外部からストローなどを差し込むと、3つの連続部23が破壊され、C字を構成する基端を結ぶ直線部分を回転軸(破線で示す回転軸P)として脆弱化部22と回転軸Pで囲まれた部分が回動する。
【0041】
第2の実施形態の蓋体10では、ストローの出し入れ等で蓋体10に応力が負荷され、またその際に使用者が容器を掴む等によって容器501にも応力が負荷されることがある。このような場合にあっても、特定の構成を有する凸状部11が形成されていることで、蓋体付き容器500の形状変形を抑制することができる。
【0042】
[3 第3の実施形態]
第3の実施形態にかかる蓋体10は、第1の実施形態にかかる蓋体にさらに、図2A図2Bに示すように、凸状部11に、開口形成部30が形成されてもよい。このような形態を第3の実施形態と称呼する。図2A図2Bは、第3の実施形態にかかる蓋体10の一実施例を模式的に示す平面図及び断面図である。第3の実施形態は、開口形成部30を除く他の構成については、第1の実施形態と同様であるから、他の構成(凸状部11等)の詳細な説明を省略する。なお、図2Bでは、小蓋部33を開いた状態を破線で示す。
【0043】
第3の実施形態においては、開口形成部30は、蓋領域対応部50Bの所定の位置に設けられ容器501の開口部502よりも小さな開口面積を有する小開口部32と、小開口部32を開閉する小蓋部33と、小蓋部33の開閉時における回転軸となるヒンジ部34とを備える。蓋領域対応部50Bは、ヒンジ部34を介して小蓋部33を繋げられている部分としてベース部35を有する。ベース部35には、小開口部32が形成されている。小蓋部33は、ヒンジ部34を軸としてベース部35に対して回動可能に構成されており、小蓋部33が回動方向(図2Bにおいて矢印で示される方向(回動方向RD))に引き上げられる(開けられる)ことで小開口部32が開かれた状態となっている。
【0044】
開口形成部30は、貫通部31を有している。図2Aの例では、小蓋部33の外周縁37と小開口部32の開口縁36との境界位置にそった少なくとも一部(図2Aでは、境界位置の全体)に、貫通部31が形成されている。
【0045】
小蓋部33の外周縁37と小開口部32の開口縁36との境界位置は、凸状部11の内側及び/又は凸状部11の基端13に位置している。図2Aの例は、小蓋部33の外周縁37と小開口部32の開口縁36との境界位置は、凸状部11の内側に形成されている。また、境界位置とヒンジ部34とを合わせた部分が環状に形成されている。すなわち境界位置は、ヒンジ部34と組み合わせて、凸状部11の内側の所定の部分とその外側の部分とで区分するように配置されている。また、境界位置で小蓋部33を、ヒンジ部34を軸として回動方向RDで示す方向に引き上げた場合に、凸状部11の半分以上又はおおむね全体を引き上げた状態とすることが可能である。なお、ヒンジ部34を軸として小蓋部33を引き上げた場合に、小開口部32の内側に蓋体10の蓋領域対応部50Bの中心CTが存在するように、小蓋部33と小開口部32が形成されていることが好適である。図2Aの例では、境界位置とヒンジ部34とを合わせた部分(環状部分)のうち、境界位置が占める部分が環状部分の全体よりもやや短い部分を占める(おおむね環状部分の全体に近い範囲を占める)。
【0046】
第3の実施形態の蓋体10では、開口形成部30等の操作で蓋体10に応力が負荷され、またその際に使用者が容器を掴む等によって容器501にも応力が負荷されることがある。このような場合にあっても、特定の構成を有する凸状部11が形成されていることで、蓋体付き容器500の形状変形を抑制することができる。
【0047】
(変形例)
第2の実施形態の蓋体10においては、図3A図3Bに示すように、小蓋部33の上面側に摘み部40が設けられていてもよい。図3A図3Bの例では、小蓋部33で小開口部32を閉鎖した状態において、小蓋部33の露出面(蓋体10の露出面72)側である上面側に摘み部40が設けられている。摘み部40の構造は、ヒンジ部34を軸として小蓋部33を持ち上げるように小蓋部33を回動させることができるものであれば特に限定されないが、図3Aの例では、摘み部40としてタブ部材41が設けられている。
【0048】
[4 適用例]
第1の実施形態にかかる蓋体10は、図7A図7Bに示すように蓋体付き容器500に用いることができる。図7A図7Bは、第1の実施形態にかかる蓋体10を、上端に形成された開口部502を有する容器501の開口部502の外周(上端縁部)を形成する縁部503に接合させた実施例を示す斜視図である。図7Bは、図7Aの線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図7A図7Bを用いて蓋体付き容器500について説明を続ける。
【0049】
(蓋体付き容器)
蓋体付き容器500は、容器501と蓋体10とが接合する接合部651を有しており、接合部651を形成する蓋体10の領域が接合領域Rとなる。蓋体10と容器501との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。以下では第1の実施形態にかかる蓋体10を蓋体付き容器500に使用した場合を例として説明する。
【0050】
容器501は、上方向にむかって径が太くなるような(下方向に向かって先細りするような)筒状の側壁504と底部507を有し内部に空間部505を形成する容器本体510と、容器本体510の上端(側壁504の上端)で開口した開口部502を有する。図示しないが、容器501の開口部502は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器501は一例であり、容器501の構成を限定するものではない。たとえば、容器501は開口部502を矩形状に形成されてもよい。容器501は、蓋体10で開口部502を被覆できるものであればよい。また、容器501の内部(空間部505)に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0051】
図7A等に示す容器では、開口部502の縁部503は、フランジ部を有している。フランジ部は、容器本体510を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部508であってもよいし、外側方向に平面上に延びる部分(つば部)として形成されてもよい。
【0052】
また、第1実施形態にかかる蓋体10は、開口部502を有する容器501との組み合わせとされてもよい。
【0053】
上記した[4 適用例]で示したことは、第1実施形態にかかる蓋体10を用いる場合に限定されない。第2の実施形態から第3の実施形態についても、第1の実施形態にかかる蓋体10と同様に容器501に接合した蓋体付き容器500に用いることができる(図示せず)。
【0054】
これまで説明したように、本発明に係る蓋体10は、このような多くの態様の蓋体10に対して適用することができる。また、上記した以外の態様の蓋体10に対しても適用することが可能である。以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明係る蓋体を例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してよい。また、上記した蓋体の構成は、それぞれの例の蓋体の構成を独立して用いてもよいし、それぞれの例の蓋体の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0055】
以下の本明細書の発明に基づき、本発明は、次の[E1]から[E11]に示す構成を採用されてよい。
[E1]開口部を有する容器に対して前記開口部を被覆した状態を形成し且つ前記容器を接合することが可能となるように形成され、
前記容器と接合される領域に対応する部分で構成される接合領域対応部と、
前記接合領域対応部の内側の部分で構成される蓋領域対応部と、を有し、
前記蓋領域対応部は、前記接合領域対応部を基端として前記蓋領域対応部の中央まで前記容器の前記開口部に向かい合う対向面から該対向面に背反する面側に向かう方向に隆起する凸状部を形成している。
蓋体。
[E2]前記凸状部は、前記容器に対向する内側壁面と、前記内側壁面に対して背反する外側壁面を有し、
前記外側壁面は、凸状湾曲面を有し、前記内側壁面は、凹状湾曲面を有する、
上記[E1]に記載の蓋体。
[E3]前記凸状部は、前記容器に対向する内側壁面と、前記内側壁面に対して背反する外側壁面を有し、
前記内側壁面の基端は前記接合領域対応部から外れており、前記外側壁面の基端は前記接合領域対応部に位置する、
[E1]に記載の蓋体。
[E4]前記凸状部に、貫通部が形成されている、
上記[E1]から[E3]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E5]前記凸状部に、前記凸状部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、複数の前記貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも一つの連続部とを有する、
上記[E4]に記載の蓋体。
[E6]前記脆弱化部は、前記連続部の周囲に放射状に複数の前記貫通部を形成している、
上記[E5]に記載の蓋体。
[E7]前記凸状部に、前記凸状部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、ハーフカット構造を有する、
上記[E1]から[E3]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E8]前記凸状部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁との境界位置は、前記凸状部の内側又は前記凸状部の基端に位置しており、
少なくとも一部の前記貫通部が、前記境界位置に形成されている、
上記[E4]に記載の蓋体。
[E9]前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記[E8]に記載の蓋体。
[E10]上記[E1]から[E9]のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
[E11]上記[E1]から[E9]のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【符号の説明】
【0056】
10 :蓋体
11 :凸状部
12 :外側壁面
13 :基端
14 :内側壁面
20 :貫通部
21 :込み口
22 :脆弱化部
23 :連続部
30 :開口形成部
31 :貫通部
32 :小開口部
33 :小蓋部
34 :ヒンジ部
35 :ベース部
36 :開口縁
37 :外周縁
40 :摘み部
41 :タブ部材
50 :容器上端縁被覆部
50A :接合領域対応部
50B :蓋領域対応部
50C :外側領域対応部
50D :第1被覆部
50E :第2被覆部
72 :露出面
73 :対向面
75 :外周縁
500 :蓋体付き容器
501 :容器
502 :開口部
503 :縁部
503A :内端
504 :側壁
505 :空間部
507 :底部
508 :カール部
510 :容器本体
651 :接合部
CT :中心
P :回転軸
R :接合領域
RD :回動方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8