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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029189
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】変換アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20240227BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240227BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20240227BHJP
   A61B 5/022 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61B5/01 100
A61B5/00 G
A61B5/1455
A61B5/022 400F
A61B5/00 102A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024000728
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2022517006の分割
【原出願日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2020075300
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100122770
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕章
(72)【発明者】
【氏名】上垣 英聖
(72)【発明者】
【氏名】柴田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】江尻 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】浅井 清孝
(72)【発明者】
【氏名】土基 博史
(72)【発明者】
【氏名】田中 功二
(72)【発明者】
【氏名】椿坂 公太
(72)【発明者】
【氏名】木村 宗斗
(57)【要約】
【課題】生体センサとの接続が有線式の生体情報モニタを、簡便に、かつ、低コストで、無線式の生体情報モニタとして用いること(すなわち無線機能を付加すること)を可能とする変換アダプタを提供することを目的とする。
【解決手段】変換アダプタ1は、外部の生体センサ700から無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報を受信する無線通信部10と、無線通信部10により受信されたデジタルデータの生体情報をデータ処理する情報処理部20と、情報処理部20により処理されたデジタルデータの生体情報をアナログデータの生体情報に変換する変換部30と、外部の生体情報モニタ800と有線で接続可能に構成され、変換部30により変換されたアナログデータの生体情報を出力する接続部50とを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報を受信する無線通信部と、
前記無線通信部により受信されたデジタルデータの生体情報をデータ処理する情報処理部と、
前記情報処理部により処理されたデジタルデータの生体情報を対応する抵抗値に変換する変換部と、
外部の生体情報処理装置と接続可能に構成され、前記変換部により変換された抵抗値を、前記生体情報処理装置に出力する接続部と、を備え、
前記無線通信部は、外部の生体センサから無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報として複数の温度情報を受信し、
前記情報処理部は、前記デジタルデータの生体情報のアルゴリズム処理として、前記生体センサの特性ばらつきを補正するキャリブレーション処理を行うとともに、前記複数の温度情報に基づいて、深部体温を推定することを特徴とする変換アダプタ。
【請求項2】
外部から無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報を受信する無線通信部と、
前記無線通信部により受信されたデジタルデータの生体情報をデータ処理する情報処理部と、
前記情報処理部により処理されたデジタルデータの生体情報を対応する抵抗値に変換する変換部と、
外部の生体情報処理装置と接続可能に構成され、前記変換部により変換された抵抗値を、前記生体情報処理装置に出力する接続部と、を備え、
前記無線通信部は、外部の生体センサから無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報として光電脈波情報を受信し、
前記情報処理部は、前記デジタルデータの生体情報のアルゴリズム処理として、前記生体センサの特性ばらつきを補正するキャリブレーション処理を行うとともに、前記光電脈波情報に基づいて、血圧値、血糖値の一方又は両方を推定することを特徴とする変換アダプタ。
【請求項3】
前記変換部は、直列に接続された複数の抵抗器と、該複数の抵抗器それぞれをオン・オフするスイッチング素子と、を有し、
前記複数の抵抗器それぞれの抵抗値は、2~2(nは自然数)に設定されており、
前記直列に接続された複数の抵抗器それぞれは、単一の抵抗器、又は、直列若しくは並列に接続された複数の抵抗器からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の変換アダプタ。
【請求項4】
前記無線通信部は、前記生体センサ、外部の医療機器の一方又は両方に対し、無線通信を用いて情報を送信することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項5】
前記情報は、前記生体センサ、前記外部の医療機器の一方又は両方との接続確認情報であることを特徴とする請求項4に記載の変換アダプタ。
【請求項6】
前記無線通信部は、複数の異なる無線通信方式の無線通信に対応可能に構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項7】
操作入力、及び、デジタルデータ入力がなくなった後、所定時間が経過したときに、電源をオフする電源制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項8】
前記情報処理部は、任意の入力温度データに対する出力抵抗値を測定し、該任意の入力温度データに対する理想的な出力抵抗値と、測定した抵抗値を比較して、差分をオフセット補正することにより、前記変換部を構成する前記複数の抵抗器の抵抗値ばらつきを補正するキャリブレーション処理を行うことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項9】
前記情報処理部は、前記変換部を構成する直列に接続された複数の抵抗器の一方の端部と他方の端部との間に所定の電圧を印加し、前記複数の抵抗器それぞれに印加される電圧値が所定の範囲から外れているか否かにより、前記変換部の故障診断処理を行うことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項10】
前記無線通信部は、受信された電波の電波強度が最も強い生体センサを、接続を確立する生体センサとして選択することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項11】
前記無線通信部は、受信された電波の電波強度が、所定幅以上に変動した場合、又は、所定値以下に低下した場合に、電波強度が所定幅以上に変動した旨、又は、電波強度が所定値以下に低下した旨を示す情報を出力することを特徴とする請求項10に記載の変換アダプタ。
【請求項12】
前記生体センサとの接続を確立するための接続スイッチをさらに有し、前記無線通信部は、該接続スイッチが押下されているときに前記生体センサとの接続を確立することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項13】
接続が確立された前記生体センサを記憶する記憶部を備え、
前記無線通信部は、前記生体センサとの接続が切断された場合、前記記憶部に記憶されている前記生体センサとの接続を、再度、試みることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の変換アダプタ。
【請求項14】
前記電源制御部は、接続されていた前記生体センサの電源がオフされた場合に、電源をオフすることを特徴とする請求項7に記載の変換アダプタ。
【請求項15】
外部から無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報を受信する無線通信部と、
前記無線通信部により受信されたデジタルデータの生体情報をデータ処理する情報処理部と、
前記情報処理部により処理されたデジタルデータの生体情報をアナログデータの生体情報に変換する変換部と、
外部の生体情報処理装置と接続可能に構成され、前記変換部により変換されたアナログデータの生体情報を、前記生体情報処理装置に出力する接続部と、を備え、
前記情報処理部は、前記デジタルデータの生体情報をアルゴリズム処理することを特徴とする変換アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変換アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、病院(病室)等では、患者の状態を監視するために生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)が用いられている。生体情報モニタでは、センサを患者に取り付けることにより、例えば、該患者の血圧、体温、呼吸、脈拍数等の生体情報(バイタルサイン)がモニタされる。
【0003】
ここで、特許文献1には、生体センサと生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)とがケーブル(有線)で接続される有線式の生体情報モニタが開示されている。より具体的には、生体情報モニタには、表示部と、その表示部の下部に設けられた複数のコネクタが備えられており、複数のコネクタそれぞれには、生体情報をモニタするために、センサが取り付けられたケーブルが接続されている。
【0004】
また、特許文献2には、生体情報を生体情報モニタにワイヤレスで伝送する患者着用ワイヤレスセンサ(生体センサ)を備え、該ワイヤレスセンサと生体情報モニタとがワイヤレス(無線)で接続される無線式の生体情報モニタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-215582号公報
【特許文献2】特表2018-527996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載の生体情報モニタでは、患者に取り付けられた生体センサと生体情報モニタとがケーブル(有線)で接続されるため、ケーブルによって患者の動きが制約されるなどの問題がある。
【0007】
一方、特許文献2に記載された無線式の生体情報モニタによれば、上述した問題を解消することはできる。しかしながら、例えば、有線式の生体情報モニタを使用している病院等が、該有線式の生体情報モニタを、比較的高価な無線式の生体情報モニタに買い替えることは、コスト的に大きな負担になる。
【0008】
そのため、既存の機器、すなわち、有線式の生体情報処理装置(生体情報モニタ等)を買い替えることなく、無線機能を付加したいという要望があった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、生体センサ等との接続が有線式の生体情報処理装置(生体情報モニタ等)を、簡便に、かつ、低コストで、無線式の生体情報処理装置として用いること(すなわち無線機能を付加すること)を可能とする変換アダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る変換アダプタは、外部から無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報を受信する無線通信部と、無線通信部により受信されたデジタルデータの生体情報をデータ処理する情報処理部と、情報処理部により処理されたデジタルデータの生体情報をアナログデータの生体情報に変換する変換部と、外部の生体情報処理装置と接続可能に構成され、変換部により変換されたアナログデータの生体情報を、生体情報処理装置に出力する接続部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る変換アダプタによれば、外部から送信されるデジタルデータの生体情報が無線通信で受信される。そして、受信された生体情報が、データ処理されるとともに、外部の生体情報処理装置に適合したアナログデータに変換された後、接続部を介して出力される。
【発明の効果】
【0012】
その結果、本発明によれば、生体センサ等との接続が有線式の生体情報処理装置(生体情報モニタ等)を、簡便に、かつ、低コストで、無線式の生体情報処理装置として用いること(すなわち無線機能を付加すること)が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る変換アダプタ、及び、該変換アダプタが適用された生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る変換アダプタの外観を示す図である。
図3】実施形態に係る変換アダプタの機能構成を示すブロック図である。
図4】キャリブレーション前の温度出力特性と、キャリブレーション後の温度出力特性を示す図である。
図5】深部体温の推定処理を説明するための図である。
図6】光電容積脈波の一例を示す図である。
図7】血糖値(血圧変動量)の計算方法を説明するための図である。
図8】実施形態に係る変換アダプタの変換部の構成を示す図である。
図9】変換部を構成する複数のスイッチング素子のスイッチング抵抗の分布を示す図(スイッチ総抵抗値分布図)である。
図10】第1変形例に係る変換アダプタの構成を示すブロック図である。
図11】第2変形例に係る変換アダプタの構成を示すブロック図である。
図12】接続確認(ペアリング確認)の方法を説明するための図である。
図13】第3変形例に係る変換アダプタの構成を示すブロック図である。
図14】実施形態に係る変換アダプタによる変換部の故障診断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0015】
まず、図1図9を併せて用いて、実施形態に係る変換アダプタ1の構成について説明する。図1は、変換アダプタ1、及び、該変換アダプタ1が適用された生体情報モニタ800の一例を示す図である。図2は、変換アダプタ1の外観を示す図である。図3は、変換アダプタ1の機能構成を示すブロック図である。図8は、変換アダプタ1の変換部30の構成を示す図である。
【0016】
変換アダプタ1は、無線式の生体センサ700を、有線式の生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)800に接続するために用いられる変換装置である。変換アダプタ1は、無線式の生体センサ700と、有線式の生体情報モニタ800との間の規格や電圧などの差異を吸収することにより双方の接続を可能とする。なお、詳細は後述する。
【0017】
生体センサ700は、測定対象(例えば入院患者)に取り付けられ、該測定対象から生体情報を検出する貼付型の生体センサである。ここで、生体情報としては、例えば、体温、血圧、血糖値、酸素飽和度、心拍数、脈拍数、ECG、PPGなどを挙げることができる。すなわち、生体センサ700としては、これらの生体情報を検出(取得)する各種生体センサ(例えば、体温センサ、光電脈波センサ、圧力センサ、血糖値センサ、酸素飽和度センサ、脈波センサ、心電電極など)が用いられる。なお、本実施形態では、生体センサ700として、温度によって抵抗値が変化するサーミスタを用いた温度センサ、及び、発光素子および受光素子を有し、血中ヘモグロビンの吸光特性を利用して、光電脈波信号を光学的に検出する光電脈波センサが用いられた場合を例にして説明する。
【0018】
生体センサ700は、アナログ信号(生体信号)をデジタルデータに変換するADコンバータを備えており、検出した生体信号をデジタルデータ(生体情報)に変換する。また、生体センサ700は、無線通信モジュールを備え、AD変換したデジタルデータ(生体情報)を、無線で送信する。なお、デジタルデータ(生体情報)は、温度や圧力等の物理量であっても、心電等の波形データであってもよい。ここで、無線通信には、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、WiFi、LTE(Long Term Evolution)、サブギガ(900MHz帯)などの無線通信方式(無線通信規格)が用いられる。また、例えば、NFC(Near Field Communication)(ISO/IEC 18092)や、MIFARE(登録商標)(ISO/IEC 14443)などの無線通信方式(無線通信規格)を用いてもよい。
【0019】
生体情報モニタ(特許請求の範囲に記載の生体情報処理装置に相当)800には、公知の有線式・アナログ入力式の生体情報モニタを用いることができる。生体情報モニタ800は、表示画面を備えており、生体センサ700により検出・変換・送信され、後述する変換アダプタ1を介して受信・変換・中継された生体情報を入力して表示する。
【0020】
上述したように、変換アダプタ1は、無線式の生体センサ700を、有線式の生体情報モニタ800にワイヤレスで接続するために用いられる変換装置である。変換アダプタ1は、無線式の生体センサ700と、有線式の生体情報モニタ800との間の規格や電圧などの差異を吸収することにより双方の接続を可能とする。特に、変換アダプタ1は、有線式の生体情報モニタ800を、簡便に、かつ、低コストで、無線式の生体情報モニタとして用いること(すなわち無線機能を付加すること)を可能とする機能を備えている。
【0021】
そのため、変換アダプタ1は、主として、無線通信部10、情報処理部20、変換部30、電源制御部40、及び、接続部50を備えている。
【0022】
無線通信部10は、外部の生体センサ700から、無線通信を用いて送信されるデジタルデータの生体情報を受信する。例えば、無線通信部10は、生体情報として複数の温度情報や、光電脈波情報等を受信する。無線通信部10では、上述した生体センサ700の無線通信方式に合わせて、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、WiFi、LTE(Long Term Evolution)、サブギガ(900MHz帯)などの無線通信方式(無線通信規格)が用いられる。また、例えば、NFC(Near Field Communication)(ISO/IEC 18092)や、MIFARE(登録商標)(ISO/IEC 14443)などの無線通信方式(無線通信規格)を用いてもよい。なお、無線通信部10により受信された生体情報は、情報処理部20に出力される。
【0023】
無線通信部10は、例えば、受信された電波の電波強度が最も強い生体センサ700を、接続を確立(ペアリング)する生体センサ700として選択する。すなわち、生体センサ700が複数検出された場合、無線通信部10は、最も電波強度の高い生体センサ700と接続する。この場合、変換アダプタ1と生体センサ700との間に接続のためのUI(ユーザインターフェース)はなく、自動的に接続される。なお、無線通信部10は、受信された電波(検出された生体センサ700)の電波強度が、所定幅以上に大きく変動した場合に、電波強度が所定幅以上に大きく変動したことを示す情報を出力し、ユーザに表示や音などで通知することが好ましい。同様に、無線通信部10は、ペアリングの確立前もしくは確立後に電波強度が所定値以下に低下した場合(受信感度点を下回った場合)に、電波強度が所定値以下に低下した(受信感度点を下回った)ことを示す情報を出力し、ユーザに表示や音などで通知することが好ましい。
【0024】
なお、上述した接続方法に代えて、生体センサ700との接続を確立するための接続スイッチ1bを押すことにより、生体センサ700と接続(ペアリング)する構成としてもよい。
【0025】
また、変換アダプタ1は、接続が確立された生体センサ700を記憶する記憶部(メモリ)を備えており、無線通信部10は、生体センサ700との接続が切断された場合、記憶部(メモリ)に記憶されている生体センサ700との接続を、再度、試みることが好ましい。接続が切れた後の誤接続を防止するためである。
【0026】
情報処理部20は、MCU(Micro Control Unit)やメモリ(特許請求の範囲に記載の記憶部に相当)等を有して構成されており、無線通信部10により受信されたデジタルデータの生体情報をデータ処理して、生体情報モニタ800で表示・利用される有意なデータを生成する。
【0027】
特に、情報処理部20は、デジタルデータの生体情報をアルゴリズム処理する。該アルゴリズム処理として、本実施形態では、例えば、生体センサ700の個体ばらつきを補正するキャリブレーション処理、複数の温度情報に基づいて、深部体温を推定する深部体温推定処理、生体センサ700(温度センサ)が熱的に平衡状態(熱流量の変動がない状態)であるか否かを判定する平衡判定処理、光電脈波情報に基づいて、血圧値、及び、血糖値を推定する血圧値等推定処理などの処理を行う。ここで、各処理について説明する。
【0028】
まず、情報処理部20は、図4に示されるように、「Y=ax+bx+c」のフィッティングカーブでデジタル値xを温度データYに変換する。その際に、サーミスタの特性ばらつき(個体ばらつき)等の影響により、温度ごとの電圧出力はオフセット差として出力される。そこで、情報処理部20は、生体センサ700の特性ばらつき(個体ばらつき)を補正するキャリブレーション処理を行う。より具体的には、図4に示されるように、上記フィッティングカーブのc定数を個体毎にキャリブレーションすることで個体差によるばらつきの影響を低減させる。なお、図4は、キャリブレーション前の温度出力特性(左側)と、キャリブレーション後の温度出力特性(右側)を示す図である。図4の横軸は温度(℃)であり、縦軸は生体センサ700(サーミスタ)の出力電圧(分圧値)をデジタル変換した値(デジタル値)である。当該キャリブレーションでは、DC電源による給電によりUART出力でのデジタル出力値のばらつきを抑えた状態で温度特性(温度-デジタル出力)を測定して多項式を算出し、37℃でのデジタル値が実測温度と一致するようにc定数を求めた。その際に、例えば、5個(CH1~CH5)の温度センサの傾きa、bの平均値を使用してc定数を求めた。このようにして得られた、曲線近似と個体別オフセット値(c定数)をキャリブレーション情報としてEEPRROM等に記憶させることで、リファレンス(白金温度計)と比較して狭偏差(±0・05℃以内)の温度出力が得られた(図4の右側のグラフを参照)。
【0029】
また、情報処理部20は、複数の温度情報に基づいて、深部体温を推定する。ここで、図5は、深部体温の推定処理を説明するための図である。情報処理部20は、予め記憶されている熱抵抗体715の熱抵抗値RpA、第1温度センサ711の検出温度T1、並びに第2温度センサ712の検出温度T2、及び、予め記憶されている熱抵抗体716の熱抵抗値RpB、第3温度センサ713の検出温度T3、並びに第4温度センサ714の検出温度T4に基づいて、体温データ(深部体温)を求める。
【0030】
より具体的には、情報処理部20は、次式(1)(2)を用いて、熱抵抗体(熱抵抗)が異なる2つの系の熱流比較により、未知の熱抵抗RBを消去し、当該未知の熱抵抗RBを持つ使用者(人体)の体温データ候補Tbを算出(推定)する。
熱流IpA=(T1-T2)/RpA=(Tb-T1)/RB ・・・(1)
熱流IpB=(T3-T4)/RpB=(Tb-T3)/RB ・・・(2)
ただし、RpA,RpBは、熱抵抗体715,716の熱抵抗(既知)である。
【0031】
なお、使用者(人体)の熱抵抗RBが既知の場合には、一方のセンシング部701a(又は701b)により体温データ候補を算出(推定)可能である。より詳細には、人体の体温データ候補をTb、第1温度センサ711の検出温度をT1、第2温度センサ712の検出温度をT2とし、人体深部から体表面までの等価的な熱抵抗をRB、熱抵抗体715の厚さ方向の等価的な熱抵抗をRpAとした場合、熱平衡状態に達した状態での体温データ候補Tbは、次式(3)のように表現することができる。
Tb=T2+{RpA/(RB+RpA)}(T1-T2) ・・・(3)
【0032】
よって、人体の熱抵抗RBが既知の場合、又は人体の熱抵抗RBとして例えば一般的な(標準的な)熱抵抗値を設定することにより、第1温度センサ711で検出された温度T1、及び第2温度センサ712で検出された温度T2から深部体温Tbを求めることができる。
【0033】
深部体温Tbを求める際に、情報処理部20は、生体センサ700が熱的平衡状態にあると判定されたときに検出された温度データに基づいて体温データを取得する。情報処理部20は、平衡状態判別式を用いて生体センサ700(温度センサ)が熱的に平衡状態(熱流量の変動がない状態)であるか否かを判定する。より具体的には、情報処理部20は、次の平衡状態判別式(4)を用いて、生体センサ700(温度センサ)が熱的に平衡状態であるか否かを判定する。すなわち、第1温度センサ711により検出された温度データをT1、第2温度センサ712により検出された温度データをT2、第3温度センサ713により検出された温度データをT3、第4温度センサ714により検出された温度データをT4とした場合、情報処理部20は、平衡状態判別式(4)が満足された場合には、生体センサ700が熱的に平衡状態であると判定する。一方、情報処理部20は、平衡状態判別式(4)が満足されない場合には、生体センサ700が熱的に平衡状態ではない(非平衡状態である)と判定する。
T3-T4>T1-T2, T3>T1 ・・・(4)
【0034】
なお、病院内の気温Taを例えば電子カルテシステム(又は感染管理システム)から取得できる場合には、次の平衡状態判別式(5)(6)(7)をさらに考慮して、温度検出部701(4つの温度センサ711~714)が熱的に平衡状態であるか否かを判定してもよい。その場合、上記平衡状態判別式(4)に加えて、平衡状態判別式(5)(6)(7)が全て満足された場合には、生体センサ700が熱的に平衡状態であると判定される。一方、いずれかの平衡状態判別式(4)~(7)又はすべての平衡状態判別式(4)~(7)が満足されない場合には、生体センサ700が熱的に平衡状態ではない(非平衡状態である)と判定される。
dTa>dT4 ・・・(5)
K(T1-T2)-(T3-T4)>0(Ta>Tbのとき) ・・・(6)
K(T1-T2)-(T3-T4)≦0(Ta≦Tbのとき) ・・・(7)
ただし、定数Kは2つの熱流における熱抵抗の比である。
【0035】
また、情報処理部20は、光電脈波情報に基づいて血圧値を推定する。より詳細には、情報処理部20は、次式(8)から血圧(絶対値)を推定する。
血圧(絶対値)=血圧平常値+血圧変動量 ・・・(8)
また、血圧変動量は、次式から求められる。
血圧変動量=A・Δ脈拍数+b
=c・ΔRI+d
=e・ΔT+f
なお、a,b,c,d,e,fは、脈拍装置特有の係数(固定値)である。
また、Δ脈拍数は、脈拍数(1分間に脈波が波打つ回数)の増減値である。
ΔRI(Reflection Index)は、RIの増減値である。RIは、末梢における脈波反射の強さであり、光電容積脈波の駆出波(=振幅A)と反射波(=振幅B)との比により定められる(図6参照)。ここで、図6は、光電容積脈波の一例を示す図である。
Δ(ΔT)は、ΔT(駆出波と反射波の間の時間(図6参照))の増減値である。
【0036】
さらに、情報処理部20は、光電脈波情報に基づいて、血糖値を推定する。ここで、図7は、血糖値(血糖変動量)の計算方法を説明するための図である。より詳細には、情報処理部20は、次式(9)から血糖値(絶対値)を推定する。
血糖(絶対値)=血糖値平常値+血糖変動量 ・・・(9)
また、血糖変動量は、次式から求められる。
血糖変動量=g・ΔPTT+h
なお、g,hは、脈拍装置、測定箇所特有の係数(固定値)である。
【0037】
その後(すなわち、上述した各処理の後)、情報処理部20は、上記各処理により求めた生体情報(データ)を、生体情報モニタ800のアナログ量に対応したデジタル値に変換する。この変換は、例えば、変換式や、参照テーブル等に基づいて行うことができる。情報処理部20により処理されたデジタルデータの生体情報は変換部30に出力される。
【0038】
変換部30は、情報処理部20により処理されたデジタルデータの生体情報をアナログデータの生体情報(信号)に変換する。例えば、変換部30は、生体情報(デジタル値)を、サーミスタ(生体センサ700)の抵抗値(アナログデータ)に相当する抵抗値に変換する。なお、アナログ量は、抵抗値に限られることなく、例えば、電流値や電圧値などであってもよい。
【0039】
ここで、抵抗値に変換する場合を例にして説明する。この場合、変換部30は、図8に示されるように、直列に接続された複数(図8に示された例では11個)の抵抗器3101~3111と、該複数の抵抗器3101~3111それぞれと並列に接続され、該複数の抵抗器3101~3111それぞれをオン(有効)・オフ(無効)するスイッチング素子3201~3212とを有して構成されている。また、複数(11個)の抵抗器3101~3111それぞれの抵抗値は、2~2Ω(nは自然数)に設定されている。すなわち、複数(11個)の抵抗器3101~3111それぞれは、2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024、2048(Ω)に設定されている。なお、抵抗器3101~3111それぞれは、単一の抵抗器でもよく、直列若しくは並列に接続された複数の抵抗器から構成されていてもよい。
【0040】
そして、変換部30は、生体情報(デジタル値)に対して、それに対応するサーミスタの抵抗値(アナログ値)を求めるとともに、求めた生体情報に対応するサーミスタの抵抗値と一致する直列合成抵抗値となるように複数(11個)の抵抗器3101~3111の組み合わせを求め、求めた抵抗器3101~3111の組み合わせを実現するようにスイッチング素子3201~3212のオン/オフの組み合わせを決定し、各スイッチング素子3201~3212をオン/オフする。なお、これらの処理・制御はMCUにより実行される。ここで、抵抗値が12個のスイッチング素子3201~3212で制御される場合に、深部体温が37.0℃の場合には、例えば、「スイッチング素子3201:ON、スイッチング素子3202:OFF、・・・、スイッチング素子3212:ON」となり、37.5℃の場合には、例えば、「スイッチング素子3201:OFF、スイッチング素子3202:ON、・・・、スイッチング素子3212:ON」となる。
【0041】
なお、その際に、変換部30は、図9に示されるように、スイッチング素子3201~3212のスイッチング抵抗の中央値(図9の例では1.5Ω)を補正値として、抵抗値を補正する(減算する)ことが好ましい。変換部30により変換された抵抗値(直列抵合成抵抗値)は、接続部50に出力される。
【0042】
変換部30は2~2Ωの抵抗値を組み合わせて温度データ(生体情報)に対応する抵抗値を出力するが、各抵抗器3101~3111やスイッチング素子3201~3212のオン抵抗のばらつきによって理想的な抵抗値を出力できないおそれがある。そのため、情報処理部20は、複数の抵抗器3101~3111の抵抗値ばらつきを補正するキャリブレーション処理(抵抗キャリブレーション)を行う。より具体的には、情報処理部20は、任意の入力温度データに対する出力抵抗値を(内部若しくは外部測定器で)測定し、任意の入力温度データに対する理想的な出力抵抗値と、測定した抵抗値を比較して、差分をMCU(メモリ)に記憶させてオフセット補正する。
【0043】
さらに、情報処理部20は、複数の抵抗器3101~3111を有する変換部30の故障診断(セルフチェック)処理を行う。すなわち、情報処理部20は、生体情報モニタ800へ出力する抵抗値が正常かどうかをチェックし、異常がある場合はユーザに通知する。より具体的には、情報処理部20は、変換アダプタ1の電源がオンされたときに、Phone+、Phone-間(図8参照)に所定の電圧を印加する。そして、2~2Ωの抵抗器3101~3111それぞれに印加される電圧値(分圧電圧)を読み取り、電圧値があらかじめ設定した範囲(基準値)から外れている場合に故障と判定する。
【0044】
ここで、図14は、変換アダプタ1による変換部30の故障診断処理の処理手順を示すフローチャートである。変換アダプタ1の電源がオンされて、変換アダプタ1が起動されたとき(ステップS100)に、自動的にセルフチェック機能の動作が開始され、セルフチェックが実行される(ステップS102)。そして、上述したように、2~2Ωの抵抗器3101~3111それぞれに印加される電圧値が所定の範囲から外れているか否かについての判断が行われ(ステップS104)、電圧値が所定の範囲内の場合(正常である場合)には、通常起動が行われる(ステップS108)。一方、異常であると判定された場合には、表示部でエラーが表示される(ステップS106)。
【0045】
電源制御部40は、電源スイッチ1aの切り忘れを防止するため、操作入力、及び、デジタルデータ入力・受信等がなくなってからの経過時間を計時するタイマを有し、操作入力、及び、デジタルデータ入力・受信等がなくなった後、所定時間(例えば10分)が経過したときに、電源回路に対して電源回路をオフする電源オフ信号を出力する。
【0046】
また、電源制御部40は、接続されている生体センサ700の電源がオフされたことが検出された場合に、電源をオフすることが好ましい。接続されていた生体センサ700が変換アダプタ1側で記憶されているため、当該生体センサ700の電源が切られた場合、その後、他の生体センサ700との接続が阻害されることを防止するためである。なお、電源をオフすることに代えて、接続されていた生体センサ700の情報を廃棄する構成としてもよい。
【0047】
接続部50は、外部の生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)800と有線で接続可能に構成され、変換部30により変換されたアナログデータの生体情報(例えば直列合成抵抗値)を、生体情報モニタ800に出力する。接続部50には、例えば、YSI400シリーズ・サーミスタプローブに使用されるφ6.3mmのモノラルタイプのフォーンプラグが好適に用いられる。すなわち、接続部50には、適用する有線式の生体情報モニタ800の端子又はコネクタと同じ規格(タイプ)の端子又はコネクタが用いられる。
【0048】
上述したように構成されることにより、外部の生体センサ700から無線で送信されるデジタルデータの生体情報が受信され、受信された生体情報が、データ処理されるとともに、外部の生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)800に適合したアナログデータに変換される。そして、接続部50を介して有線で出力される。
【0049】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、生体センサ700との接続が有線式の生体情報モニタ(ベッドサイドモニタ)800を、簡便に、かつ、低コストで、無線式の生体情報モニタ800として用いること(すなわち無線機能を付加すること)が可能となる。また、生体センサ700からの生体情報を、デジタルデータで送受信する構成としたため、アナログデータで送受信する場合と比較して、無線通信情報の品質を高く維持しつつ、既存の生体情報モニタ800に簡便に無線機能を付加することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、変換アダプタ1側において、デジタルデータの生体情報がアルゴリズム処理(例えば、キャリブレーション処理、深部体温推定処理、平衡状態判定処理、血圧値・血糖値推定処理等)される。そのため、生体センサ700側の処理負荷を低減して、消費電力を低減することにより、バッテリの寿命を延ばすことが可能となる。また、このようにすれば、例えば、アルゴリズムを変更した場合、変更に伴うファームウェアアップデートの手間を少なくすることができる(変換アダプタ1の数が生体センサ700の数より少ない場合)。
【0051】
また、本実施形態によれば、直列に接続された複数の抵抗器3101~3111と、該複数の抵抗器3101~3111それぞれをオン(有効)・オフ(無効)するスイッチング素子3201~3212とを有し、複数の抵抗器3101~3111それぞれの抵抗値が、2~2(nは自然数)に設定されている。そのため、計算アルゴリズムを簡素化でき、動作速度の向上やソフトウェア開発工数の低減が可能となる。また、スイッチング素子3201~3212の総抵抗値の平均値や、中央値、最頻値を事前に補正値として求めておくことで、精度を高める複数回の施行を省くことができる。
【0052】
さらに、本実施形態によれば、操作入力、及び、デジタルデータ入力がなくなった後、所定時間が経過したときに、電源がオフされるため、電源スイッチ1aによる電源オフが行われなかったとしても、バッテリの浪費を防止することができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、生体センサ700として、温度センサや光電脈波センサを用いた場合を例にして説明したが、これらのセンサに代えて、他の生体センサを用いることもできる。また、アルゴリズム処理の種類は、上記実施形態には限られない。すなわち、キャリブレーション、深部体温推定、血圧値推定、血糖値推定以外の処理を行う構成としてもよい。また、血圧値や血糖値に代えて、又は、加えて、例えば、心電図、血圧、呼吸、脳波、CO2分圧曲線、脈波、心拍数、VPC数、呼吸数、脈拍数、血圧(最高、最低、平均)、非観血血圧(最高、最低、平均)、体温または差温または血液温、ETCO2、tcPO2、tcPCO2、SpO2、STレベル等を取得(測定)する構成としてもよい。
【0054】
(第1変形例)
上記実施形態の構成に加えて、例えば、図10に示されるように、無線通信部10Bが、外部の医療機器に対し、無線通信を用いて情報を送信する構成としてもよい。より具体的には、例えば、情報処理部20で処理・生成された生体情報を、無線送信部10Bを経由して、無線受信機能を有する他の医療機器(例えば、電子カルテシステム等)に送ることが可能な構成としてもよい。本変形例によれば、変換アダプタ1Bで処理・生成された生体情報を、他の医療機器に送信することができる。
【0055】
(第2変形例)
また、図11に示されるように、無線通信部10Cが、生体センサ700に対し、無線通信を用いて情報(例えば、生体センサ700との接続確認情報)を送信する構成としてもよい。この場合、例えば、図12に示されるように、接続スイッチ(プッシュスイッチ)1bを押すことにより、接続確認コマンドが送信され、無線で接続されている(ペアリングされている)生体センサ700のLED702が点灯又は点滅する。なお、LED702の点灯又は点滅に代えて、振動したり、ブザーがなるようにしてもよい。本変形例によれば、複数の生体センサ700が存在する場合に、接続確認情報を受けて、生体センサ700側が発光すること、又は、音を出すことなどによって、接続対象を確認することができる。
【0056】
(第3変形例)
さらに、図13に示されるように、無線通信部10Dが、複数の異なる無線通信方式の無線通信に対応可能に構成されていてもよい。より具体的には、例えば、複数(図13の例では3個)の無線通信部(無線通信ドライバ)10D1~10D3を備える構成としてもよい。この場合、複数(図13の例では3個)の無線通信部(無線通信ドライバ)10D1~10D3は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、WiFi、LTE(Long Term Evolution)、サブギガ(900MHz帯)などの無線通信方式(無線通信規格)、及び、NFC(Near Field Communication)(ISO/IEC 18092)や、MIFARE(登録商標)(ISO/IEC 14443)などの無線通信方式(無線通信規格)を採用することが好ましい。本変形例によれば、一つの変換アダプタ1Dで、様々な異なる通信ドライバを持つ生体センサ700と接続することができるため、汎用的に様々なセンサ情報を媒介することが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
1,1B,1C,1D 変換アダプタ
10,10B,10C,10D 無線通信部
10D1~10D3 無線通信部
20 情報処理部
30 変換部
3101~3111 抵抗器
3201~3212 スイッチング素子
40 電源制御部
50 接続部
700 生体センサ
800 生体情報モニタ
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