(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029219
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】改善されたポンプ効率、自動圧力インジケータおよび自動圧力リミッタを有する手動操作式陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20240227BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61M27/00
A61M1/00 137
A61M1/00 150
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024002272
(22)【出願日】2024-01-11
(62)【分割の表示】P 2020529125の分割
【原出願日】2018-12-06
(31)【優先権主張番号】62/611,227
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/595,398
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508298488
【氏名又は名称】コーネル ユニヴァーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】アルバート,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】トートリエロ,デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ソト,オーランド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単純で、安価で、使用が容易であり、サイズが小さく(低プロファイルを有することを含む)、使用中に創傷を傷つけないNPWT包帯を提供する。
【解決手段】改善されたポンプ効率を有し、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータを組み込み、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタを提供する、新規の改善されたNPWT包帯。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
前記膜によって担持されるポンプアセンブリであって、前記ポンプアセンブリは、
ポンプチャンバの周りに配置された壁構造を備えるポンプ本体であって、前記壁構造の少なくとも一部分が弾性である、ポンプ本体と、
前記壁構造を通って延び、前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、創傷側の通路と、
前記創傷側の通路内に配置された創傷側の一方向弁であって、前記創傷側の一方向弁は、前記創傷側の通路を通って前記創傷チャンバから前記ポンプチャンバへ流体が流れることを可能にするが、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバから前記創傷チャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、創傷側の一方向弁と、
前記壁構造を通って延び、前記ポンプチャンバおよび大気を接続する、大気側の通路と、
前記大気側の通路内に配置された大気側の一方向弁であって、前記大気側の一方向弁は、前記大気側の通路を通って前記ポンプチャンバから大気へ流体が流れることを可能にするが、前記大気側の通路を通って大気から前記ポンプチャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、大気側の一方向弁と、
を備える、ポンプアセンブリと、
を備え、
前記ポンプ本体の前記壁構造に圧迫力が印加されると、前記ポンプチャンバ内の流体が、前記大気側の通路を介して前記ポンプチャンバから押し出され、前記ポンプ本体の前記壁構造に印加された前記圧迫力がその後低減されると、前記創傷チャンバ内の流体が、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバ内に引き込まれるようになっている、NPWT包帯。
【請求項2】
前記膜は複数の層を含む、請求項1に記載のNPWT包帯。
【請求項3】
前記膜は、実質的に空気不透過性の層と、吸収剤層とを備え、前記吸収剤層は、前記実質的に空気不透過性の層の前記創傷側に配置される、請求項2に記載のNPWT包帯。
【請求項4】
追加の層を更に含み、前記吸収剤層は、前記実質的に空気不透過性の層と前記追加の層との間に配置される、請求項3に記載のNPWT包帯。
【請求項5】
前記ポンプアセンブリの一部分は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる、請求項1に記載のNPWT包帯。
【請求項6】
前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを含み、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる、請求項5に記載のNPWT包帯。
【請求項7】
前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される、請求項6に記載のNPWT包帯。
【請求項8】
前記ポンプ本体と前記フランジとの間に首部が形成され、更に、一対の凹部が前記ポンプ本体と前記フランジとの間を内方に延びる、請求項7に記載のNPWT包帯。
【請求項9】
前記ポンプアセンブリは、一対の台座によって前記膜に装着され、更に、前記台座のうちの1つは前記創傷側の通路を含む、請求項1に記載のNPWT包帯。
【請求項10】
前記ポンプ本体は、前記一対の台座間に懸架され、前記膜から離間される、請求項9に記載のNPWT包帯。
【請求項11】
前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む、請求項1に記載のNPWT包帯。
【請求項12】
前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む、請求項1に記載のNPWT包帯。
【請求項13】
前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に剥離ライナが配置される、請求項12に記載のNPWT包帯。
【請求項14】
前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される、請求項1に記載のNPWT包帯。
【請求項15】
前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所定の閾値未満であるとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に展開された構成を想定し、前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を上回っているとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に折り畳まれた構成を想定する、請求項1に記載のNPWT包帯。
【請求項16】
前記ポンプ本体は、前記圧力差が前記所定の閾値をまたぐ際、前記実質的に完全に展開された構成と前記実質的に完全に折り畳まれた構成との間、および実質的に完全に折り畳まれた構成と前記実質的に完全に展開された構成との間で急に状態を変更し、実質的に「バイナリ状態」のデバイスを効果的に構築するようにする、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項17】
前記所定の閾値は、約8.00kPa(60mmHg)~約24.00kPa(180mmHg)である、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項18】
前記ポンプ本体は、「オーバーセンター」変形特性をもたらすように構成される、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項19】
前記ポンプ本体は、実質的に円形の断面を含む、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項20】
前記ポンプ本体は、実質的に円筒形の構成を含む、請求項19に記載のNPWT包帯。
【請求項21】
(i)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値未満であるとき、前記ポンプ本体の前記壁構造および前記ポンプチャンバは実質的に円形の断面を含み、(ii)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を超えているとき、前記ポンプ本体の前記壁構造は内方に撓む、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項22】
前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項23】
前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項24】
剥離ライナは、前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に配置される、請求項23に記載のNPWT包帯。
【請求項25】
前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項26】
前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを備え、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項27】
前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される、請求項26に記載のNPWT包帯。
【請求項28】
実質的に「バイナリ状態」の挙動を容易にするために、前記ポンプ本体の前記壁構造にノッチが形成される、請求項15に記載のNPWT包帯。
【請求項29】
創傷に負圧を印加するための方法であって、
陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯を準備するステップであって、前記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
前記膜によって担持されるポンプアセンブリであって、前記ポンプアセンブリは、
ポンプチャンバの周りに配置された壁構造を備えるポンプ本体であって、前記壁構造の少なくとも一部分が弾性である、ポンプ本体と、
前記壁構造を通って延び、前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、創傷側の通路と、
前記創傷側の通路内に配置された創傷側の一方向弁であって、前記創傷側の一方向弁は、前記創傷側の通路を通って前記創傷チャンバから前記ポンプチャンバへ流体が流れることを可能にするが、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバから前記創傷チャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、創傷側の一方向弁と、
前記壁構造を通って延び、前記ポンプチャンバおよび前記大気を接続する、大気側の通路と、
前記大気側の通路内に配置された大気側の一方向弁であって、前記大気側の一方向弁は、前記大気側の通路を通って前記ポンプチャンバから大気へ流体が流れることを可能にするが、前記大気側の通路を通って大気から前記ポンプチャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、大気側の一方向弁と、
を備える、ポンプアセンブリと、
を備え、
前記ポンプ本体の前記壁構造に圧迫力が印加されると、前記ポンプチャンバ内の流体が、前記大気側の通路を介して前記ポンプチャンバから押し出され、前記ポンプ本体の前記壁構造に印加された前記圧迫力がその後低減されると、前記創傷チャンバ内の流体が、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバ内に引き込まれるようになっている、ステップと、
前記陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯を前記創傷の上に位置決めし、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにするステップと、
前記ポンプ本体の前記壁構造に圧迫力を印加し、その後、前記ポンプ本体の前記壁構造に印加される前記圧迫力を低減し、前記創傷に負圧を印加するようにするステップと、
を含む、方法。
【請求項30】
前記膜は複数の層を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記膜は、実質的に空気不透過性の層および吸収剤層を含み、前記吸収剤層は、前記実質的に空気不透過性の層の前記創傷側に配置される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
追加の層を更に含み、前記吸収剤層は前記実質的に空気不透過性の層と前記追加の層との間に配置される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ポンプアセンブリの一部分は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを含み、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ポンプ本体と前記フランジとの間に首部が形成され、更に、一対の凹部が前記ポンプ本体と前記フランジとの間を内方に延びる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ポンプアセンブリは、一対の台座によって前記膜に装着され、更に、前記台座のうちの1つは前記創傷側の通路を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記ポンプ本体は、前記一対の台座間に懸架され、前記膜から離間される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に剥離ライナが配置される、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所定の閾値未満であるとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に展開された構成を想定し、前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を上回っているとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に折り畳まれた構成を想定する、請求項29に記載の方法。
【請求項44】
前記ポンプ本体は、前記圧力差が前記所定の閾値をまたぐ際、前記実質的に完全に展開された構成と前記実質的に完全に折り畳まれた構成との間、および前記実質的に完全に折り畳まれた構成と前記実質的に完全に展開された構成との間で急に状態を変更し、実質的に「バイナリ状態」のデバイスを効果的に構築するようにする、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記所定の閾値は、約8.00kPa(60mmHg)~約24.00kPa(180mmHg)である、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記ポンプ本体は、「オーバーセンター」変形特性をもたらすように構成される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記ポンプ本体は、実質的に円形の断面を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項48】
前記ポンプ本体は、実質的に円筒形の構成を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
(i)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値未満であるとき、前記ポンプ本体の前記壁構造および前記ポンプチャンバは実質的に円形の断面を含み、(ii)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を超えているとき、前記ポンプ本体の前記壁構造は内方に撓む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
剥離ライナは、前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に配置される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される、請求項43に記載の方法。
【請求項54】
前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを備え、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる、請求項43に記載の方法。
【請求項55】
前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
実質的に「バイナリ状態」の挙動を容易にするために、前記ポンプ本体の前記壁構造にノッチが形成される、請求項43に記載の方法。
【請求項57】
創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
前記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、前記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、前記ポンプチャンバは前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、
前記ポンプチャンバのいずれの部分も前記創傷によって画定されない、NPWT包帯。
【請求項58】
創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
前記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、前記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、前記ポンプチャンバは前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、
前記ポンプは前記創傷に正圧を印加しない、NPWT包帯。
【請求項59】
創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
前記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、前記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、前記ポンプチャンバは前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、
前記ポンプは、前記ポンプチャンバの容積の低減により前記創傷チャンバの圧力の変化が生じないように前記創傷チャンバに接続される、NPWT包帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願人
コーネル大学
発明者
Timothy Johnson
Charles Sears
Sean Albert
David Tortoriello
Orlando Soto
係属中の先行する特許出願の参照
本出願は、
(1)コーネル大学およびTimothy Johnson他によって2017年12月6日に出願された係属中の先行する米国仮特許出願第62/595,398号「MANUALLY-OPERATED NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY(NPWT) BANDAGE WITH IMPROVED PUMP EFFICIENCY, AUTOMATIC PRESSURE INDICATOR
AND AUTOMATIC PRESSURE LIMITER」(代理人整理番号CORN-50PROV)、および、
(2)コーネル大学およびTimothy Johnson他によって2017年12月28日に出願された係属中の先行する米国仮特許出願第62/611,227号「MANUALLY-OPERATED NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY(NPWT) BANDAGE WITH IMPROVED PUMP
EFFICIENCY, AUTOMATIC PRESSURE INDICATOR AND AUTOMATIC PRESSURE LIMITER」(代理人整理番号CORN-55PROV)、
の利益を主張する。
【0002】
2つの上記で特定した特許出願は、参照により本明細書に援用される。
本出願は、包括的には包帯に関し、より詳細には、陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯に関する。
【背景技術】
【0003】
包帯は、治癒中に創傷の手当てを提供するために用いられる。より詳細には、包帯は通常、治癒中に汚染物質および微生物から創傷を保護するように、創傷のための被覆を提供する。ほとんどの包帯は、治癒中に創傷の縁部同士を接近させて保持するのに役立つ閉鎖機能も提供する。包帯はまた、多くの場合に、治癒中に創傷から出る滲出物を受けるガーゼ等を含む。
【0004】
陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯は、治癒中に創傷に負圧を印加する。この負圧は、治癒中に汚染物質および微生物が創傷に入る尤度を低減するのに役立ち、治癒中に創傷から滲出物を引き出すのに役立ち、創傷部位における有益な生体応答を促進することができる。より具体的には、NPWT包帯は通常、(i)創傷の周辺の周りに完全に封止されたチャンバ(「創傷チャンバ」)を作製するように構成された吸収剤ドレッシングと、(ii)負圧源と、(iii)完全に封止された創傷チャンバと負圧源との間で延びる導管とを備える。この構造の結果として、創傷の周辺の周りに完全に封止されたチャンバを生成するように吸収剤ドレッシングを創傷に施すことができ、負圧源が完全に封止された創傷チャ
ンバに負圧を印加することができ、それによって、創傷部位に存在する任意の汚染物質および微生物が創傷から引き離され、滲出物が創傷から引き出され、創傷部位における有益な生体応答が促進される。
【0005】
ほとんどのNPWT包帯は、(i)吸収剤ドレッシングが通常かなり大きく(例えば、大きな開いた創傷を覆うような大きさである)、(ii)負圧源が、通常かなり大きく、吸収剤ドレッシングと別個に形成および配置され(例えば、負圧源は、通常、電動吸引ポンプまたは真空キャニスタを含む)、(iii)NPWTシステムは通常、使用するためにかなりのトレーニングを要する、という意味で、大きく複雑なNPWTシステムの一部である。これらのNPWTシステムは、かなり高価になる傾向もある。
【0006】
負圧源が吸収剤ドレッシングと一体化された、小さく、単純化され、より安価なNPWT包帯を提供する努力がなされてきた。限定ではなく例として、手動操作式吸引ポンプが吸収剤ドレッシングに一体化されたNPWT包帯を提供する努力がなされてきた。
【0007】
不都合なことに、吸引ポンプを吸収剤ドレッシングと一体化する現在のNPWT包帯は、多岐にわたる欠点を被る傾向にある。例えば、これらは複雑な設計を有し、かつ/または高価であり、かつ/または使用が複雑であり、かつ/または嵩張り(高プロファイルを有することを含む)、かつ/または使用中に創傷に追加的外傷を引き起こし、かつ/またはポンプ効率が不良であり、かつ/または生成された負圧レベルを示す方法が欠如し、かつ/または生成される負圧レベルを制限する方法が欠如している等である。この後者に関して、過度に高レベルの負圧が生成される場合、NPWT包帯が患者に外傷、例えば、水疱形成、毛細血管漏出等を引き起こす可能性があることが理解されるべきである。
【0008】
このため、単純で、安価で、使用が容易であり、サイズが小さく(低プロファイルを有することを含む)、使用中に創傷を傷つけず、改善されたポンプ効率を有し、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータを組み込み、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタを提供する、新規の改善されたNPWT包帯が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明のこれらの目的および他の目的は、単純で、安価で、使用が容易であり、サイズが小さく(低プロファイルを有することを含む)、使用中に創傷を傷つけず、改善されたポンプ効率を有し、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータを組み込み、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタを提供する、新規の改善されたNPWT包帯の提供および使用により対処される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの好ましい形式において、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、上記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、上記膜と上記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、上記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、上記膜を通って上記創傷側の表面から上記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
上記膜によって担持されるポンプアセンブリであって、上記ポンプアセンブリは、
ポンプチャンバの周りに配置された壁構造を備えるポンプ本体であって、上記壁構造の少なくとも一部分が弾性である、ポンプ本体と、
上記壁構造を通って延び、上記膜内に形成された上記開口部を通じて上記創傷チャンバと連通する、創傷側の通路と、
上記創傷側の通路内に配置された創傷側の一方向弁であって、上記創傷側の一方向弁
は、上記創傷側の通路を通って上記創傷チャンバから上記ポンプチャンバへ流体が流れることを可能にするが、上記創傷側の通路を通って上記ポンプチャンバから上記創傷チャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、創傷側の一方向弁と、
上記壁構造を通って延び、上記ポンプチャンバおよび大気を接続する、大気側の通路と、
上記大気側の通路内に配置された大気側の一方向弁であって、上記大気側の一方向弁は、上記大気側の通路を通って上記ポンプチャンバから大気へ流体が流れることを可能にするが、上記大気側の通路を通って大気から上記ポンプチャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、大気側の一方向弁と、
を備える、ポンプアセンブリと、
を備え、
上記ポンプ本体の上記壁構造に圧迫力が印加されると、上記ポンプチャンバ内の流体が、上記大気側の通路を介して上記ポンプチャンバから押し出され、上記ポンプ本体の上記壁構造に印加された上記圧迫力がその後低減されると、上記創傷チャンバ内の流体が、上記創傷側の通路を通って上記ポンプチャンバ内に引き込まれるようになっている、NPWT包帯が提供される。
【0011】
好ましくは、NPWT包帯は、上記ポンプチャンバ内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所定の閾値未満であるとき、上記ポンプアセンブリの上記ポンプ本体が、実質的に完全に展開された構成を想定し、上記ポンプチャンバ内の流体の圧力と大気圧との間の上記圧力差が上記所定の閾値を上回っているとき、上記ポンプアセンブリの上記ポンプ本体が、実質的に完全に折り畳まれた構成を想定するように構成される。
【0012】
更により好ましくは、NPWT包帯は、上記ポンプ本体が、上記圧力差が上記所定の閾値をまたぐ際、上記実質的に完全に展開された構成と上記実質的に完全に折り畳まれた構成との間、および上記実質的に完全に折り畳まれた構成と上記実質的に完全に展開された構成との間で急に状態を変更し、実質的に「バイナリ状態」のデバイスを効果的に構築するように構成される。
【0013】
本発明の別の好ましい形態では、創傷に負圧を印加するための方法であって、
陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯を準備するステップであって、NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、上記膜と上記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、上記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、上記膜を通って上記創傷側の表面から上記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
上記膜によって担持されるポンプアセンブリであって、上記ポンプアセンブリは、
ポンプチャンバの周りに配置された壁構造を備えるポンプ本体であって、上記壁構造の少なくとも一部分が弾性である、ポンプ本体と、
上記壁構造を通って延び、上記膜内に形成された上記開口部を通じて上記創傷チャンバと連通する、創傷側の通路と、
上記創傷側の通路内に配置された創傷側の一方向弁であって、上記創傷側の一方向弁は、上記創傷側の通路を通って上記創傷チャンバから上記ポンプチャンバへ流体が流れることを可能にするが、上記創傷側の通路を通って上記ポンプチャンバから上記創傷チャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、創傷側の一方向弁と、
上記壁構造を通って延び、上記ポンプチャンバおよび大気を接続する、大気側の通路と、
上記大気側の通路内に配置された大気側の一方向弁であって、上記大気側の一方向弁は、上記大気側の通路を通って上記ポンプチャンバから大気へ流体が流れることを可能にするが、上記大気側の通路を通って大気から上記ポンプチャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、大気側の一方向弁と、
を備える、ポンプアセンブリと、
を備え、
上記ポンプ本体の上記壁構造に圧迫力が印加されると、上記ポンプチャンバ内の流体が、上記大気側の通路を介して上記ポンプチャンバから押し出され、上記ポンプ本体の上記壁構造に印加された上記圧迫力がその後低減されると、上記創傷チャンバ内の流体が、上記創傷側の通路を通って上記ポンプチャンバ内に引き込まれるようになっている、ステップと、
上記陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯を創傷の上に位置決めし、上記膜と上記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにするステップと、
上記ポンプ本体の壁構造に圧迫力を印加し、その後、上記ポンプ本体の上記壁構造に印加される上記圧迫力を低減し、上記創傷に負圧を印加するようにするステップと、
を含む、方法が提供される。
【0014】
本発明の別の好ましい形態では、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、上記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、上記膜と上記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、上記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、上記膜を通って上記創傷側の表面から上記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
上記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、上記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、上記ポンプチャンバは上記膜内に形成された上記開口部を通じて上記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、
上記ポンプチャンバのいずれの部分も上記創傷によって画定されない、NPWT包帯が提供される。
【0015】
本発明の別の好ましい形態では、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、上記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、上記膜と上記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、上記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、上記膜を通って上記創傷側の表面から上記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
上記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、上記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、上記ポンプチャンバは上記膜内に形成された上記開口部を通じて上記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、
上記ポンプは上記創傷に正圧を印加しない、NPWT包帯が提供される。
【0016】
本発明の別の好ましい形態では、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、上記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、上記膜と上記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、上記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、上記膜を通って上記創傷側の表面から上記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
上記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、上記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、上記ポンプチャンバは上記膜内に形成された上記開口部を通じて上記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、
上記ポンプは、ポンプチャンバの容積の低減により上記創傷チャンバの圧力の変化が生じないように上記創傷チャンバに接続される、NPWT包帯が提供される。
【0017】
本発明のこれらのおよび他の目的および特徴は、類似の番号が類似の部品を指す添付図面と共に考慮されるべきである本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明によって、より完全に開示されるかまたは明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に従って形成される新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図2】本発明に従って形成される新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図の展開図である。
【
図3】本発明に従って形成される新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図の展開図である。
【
図4】本発明に従って形成される新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図4A】2つの異なるサイズの創傷チャンバ(すなわち、7.5mL創傷チャンバおよび15mL創傷チャンバ)について、(i)2つの一方向弁(変形可能なポンプ本体の両側に1つの一方向弁が配置されている)を有する変形可能なポンプ本体と、(ii)単一の一方向弁を有する変形可能なポンプ本体(注記:
図4Aに示す比較において、1つの一方向弁を有する変形可能なポンプ本体のポンプチャンバの容積は、2つの一方向弁を有する変形可能なポンプ本体のポンプチャンバの容積と同じである)と、を用いて確立することができる最大の負圧を示す概略図である。
【
図5】
図1~
図4に示すNPWT包帯のポンプアセンブリのポンプ本体を、実質的に完全に展開された構成で示す概略図である。
【
図6】
図1~
図4に示すNPWT包帯のポンプアセンブリのポンプ本体を、実質的に完全に折り畳まれた構成で示す概略図である。
【
図7】
図1~
図4に示すNPWT包帯のポンプアセンブリのポンプ本体が、その実質的に完全に展開された構成と、その実質的に完全に折り畳まれた構成との間でどのように急に状態を変更するかを示す概略図である。
【
図8】従来技術のNPWT包帯のポンプアセンブリのポンプ本体が、その実質的に完全に展開された構成と、その実質的に完全に折り畳まれた構成との間でどのように徐々に状態を変更するかを示す概略図である。
【
図9】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図10】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図11】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図12】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図13】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図14】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図15】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図16】
図1~
図4に示す新規の改善されたNPWT包帯の例示的な使用を示す概略図である(
図11および
図14~
図16において、取外し可能なキャップ100(以下を参照)が説明を明確にするために図面から除かれていることに留意されたい)。
【
図17】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図18】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図19】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図20】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図21】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図22】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図23】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図24】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【
図25】本発明に従って形成される別の新規の改善されたNPWT包帯を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、単純で、安価で、使用が容易であり、サイズが小さく(低プロファイルを有することを含む)、使用中に創傷を傷つけず、改善されたポンプ効率を有し、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータを組み込み、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタを提供する、新規の改善されたNPWT包帯の提供および使用を含む。
一般的な手動操作式陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯
より具体的には、まず
図1~
図4を参照すると、改善されたポンプ効率と、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータと、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタとを有する手動操作式陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯5が示されている。
【0020】
NPWT包帯5は、一般に、膜(またはシート)10とポンプアセンブリ15とを備える。
後に論考されるように、膜10は、創傷の周辺の周りに完全に封止されたチャンバを作製し、それによって創傷チャンバを画定するように構成される。
【0021】
そして後に論考されるように、ポンプアセンブリ15は、完全に封止された創傷チャンバに負圧を印加し、それによって、創傷部位に存在する任意の汚染物質および微生物が創傷から引き離され、滲出物が創傷から引き出され、創傷部位における有益な生体応答が促進される。重要なことには、後に論考されるように、ポンプアセンブリ15は、改善されたポンプ効率と、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータと、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタとを提供するように設計される。
膜
より具体的には、膜10は、可撓性で実質的に空気不透過性の材料、例えば、3M Company(Minnesota Mining and Manufacturing Companyとしても知られている)からのTegadermから形成された平坦な平面シート20を含み、それによって、膜10は、身体の輪郭に一致し、創傷の周辺の周りに実質的に気密のチャンバ(すなわち、創傷チャンバ)を形成することができる。膜10は、創傷側の表面25および大気側の表面30によって特徴付けられる。膜10は、
外縁35および内側開口部40によっても特徴付けられる。
【0022】
接着剤45は、好ましくは膜10の創傷側の表面25上に配置される。剥離ライナ50は、好ましくは、接着剤45を使用まで覆われたままに保持するために、接着剤45の上の創傷側の表面25に配置される。
【0023】
取外し可能な補強材55は、好ましくは膜10の大気側の表面30に配置される。取外し可能な補強材55は、NPWT包帯をその滅菌包装から取り外す間、およびNPWT包帯を創傷の周りに位置決めする間、NPWT包帯5(および特に膜10)の操作を容易にする役割を果たす。取外し可能な補強材55は、NPWT包帯5が創傷部位の周りに固定されると、膜10から取り外されるように意図される。取外し可能な補強材55は、単一の要素として提供することができ、より好ましくは、取外し可能な補強材55は、NPWT包帯5が創傷部位の周りに固定された後の、膜10からの取外しを容易にするための一対の要素として提供される。
ポンプアセンブリ
ポンプアセンブリ15は、概ね円筒形の形状を有し、側壁65および内側チャンバ70を備えるポンプ本体60を備える。ポンプ本体60は、弾性材料、例えばシリコーンから形成され、それによって、側壁65は、外力(例えば、使用者の親指および人差し指による搾り)の印加によって内方に圧迫され得、次に、外力が除去されると、元の圧迫されていない状態に戻ろうとする。ポンプフランジ75は、好ましくはポンプ本体60の一方の側に形成される。以下で更に詳細に論考されるように、ポンプ本体60は、膜10の内側開口部40を通って延び、ポンプフランジ75の上面は、膜10の創傷側の表面25に固定され、それによってポンプアセンブリ15は膜10に固定され、膜10によって担持される。ポンプフランジ75は、好ましくは、可撓性材料から形成され、それによって身体の輪郭に(少なくとも限られた程度まで)一致することができる。本発明の1つの形態では、ポンプ本体60およびポンプフランジ75は、同じ材料、例えばシリコーンから互いに一体形成される。本発明の1つの好ましい形態では、ポンプ本体60の側壁65とポンプフランジ75とが首部77(
図5)において合わさる。そして、本発明の1つの好ましい形態では、首部77は、ポンプ本体60の全直径に対し、比較的小さな幅を有し、凹部78が膜10とポンプ本体60との間を内方に延び、それによって、ポンプ本体60はポンプフランジ75に装着されるが、依然として、ポンプフランジ75からの最小限の干渉で、自由に径方向に圧縮/径方向に展開する。創傷側の通路80がポンプ本体60内に形成され、内側チャンバ70と連通する。創傷側の通路80は、創傷側のポート82においてポンプ本体60の外側に開く。大気側の通路85がポンプ本体60内に形成され、同様に内側チャンバ70と連通する。大気側の通路85は、大気側のポート87においてポンプ本体60の外側に開く。
【0024】
創傷側一方向弁90は、創傷側の通路80内に配置され、流体が創傷側の通路80を通って内側チャンバ70に入ることを可能にするが、流体が創傷側の通路80を通って内側チャンバ70を出ることを阻止するように構成される。
【0025】
大気側の一方向弁95は、大気側の通路85に配置され、流体が大気側の通路85を通って内側チャンバ70を出ることを可能にするが、流体が大気側の通路85を通って内側チャンバ70に入ることを阻止するように構成される。
【0026】
この構築の結果として、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が(例えば、使用者の親指および人差し指を用いてポンプ本体60の側壁65に圧迫力を印加することによって)手動で搾られると、内側チャンバ70内の流体(例えば、空気、液体等)が、大気側の通路85を介して内側チャンバ70から押し出され、その後、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が(例えば、使用者の親指および人差し指によってポンプ本体60の側壁6
5に印加される圧迫力を緩和することによって)解放されると、ポンプ本体の弾性側壁がその圧迫されていない状態に戻る際、膜10の創傷側の表面25の下の流体(例えば、空気、液体等)(例えば、創傷チャンバ内の空気、液体等)が、創傷側の通路85を通って内側チャンバ70内に引き込まれる。
【0027】
ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が手動で搾られるとき、内側チャンバ70内の流体(例えば、空気、液体等)は、創傷側の一方向弁90の一方向動作に起因して、創傷側の通路80を通って内側チャンバ70を出ることを阻止され、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60がその後解放されるとき、大気からの空気は大気側の一方向弁95の一方向動作に起因して、大気側の通路85を通って内側チャンバ70内に引き込まれることを阻止されることに留意されたい。
【0028】
このため、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60を手動で搾り、解放することを繰り返すことにより、膜10の創傷側の表面25の下に配置された創傷チャンバに吸引力が印加され、それによって創傷部位において負圧が生成されることが理解されよう。
【0029】
変形可能なポンプ本体の両側にインライン構成で配置された2つの一方向弁(すなわち、変形可能なポンプ本体60の両側に配置された創傷側の一方向弁90および大気側の一方向弁95)を利用してポンプアセンブリを準備する本発明の手法は、単一の一方向弁を利用して変形可能なポンプ本体を準備する従来技術の手法では達成可能でない、複数の大きな利点をもたらすことが理解されるべきである。
【0030】
より具体的には、以下で論考されるように、変形可能なポンプ本体の両側にインライン構成で配置された2つの一方向弁(すなわち、変形可能なポンプ本体60の両側に配置された創傷側の一方向弁90および大気側の一方向弁95)を利用してポンプアセンブリを準備する本発明の手法により、創傷チャンバのサイズにかかわらず、創傷部位において実質的に同じ最大負圧が確立されることが可能になる。これは、単一の一方向弁を利用して変形可能なポンプ本体を準備する従来技術の手法では達成可能でない。
【0031】
加えて、変形可能なポンプ本体の両側にインライン構成で配置された2つの一方向弁(すなわち、変形可能なポンプ本体60の両側に配置された創傷側の一方向弁90および大気側の一方向弁95)を利用してポンプアセンブリを準備する本発明の手法は、単一の一方向弁を有する変形可能なポンプ本体(従来技術の手法を反映する)を用いて創傷部位において達成可能であるよりも大きな一定の選択された最大負圧が創傷部位において達成されることを可能にする。
【0032】
より具体的には、
図4Aは、2つの異なるサイズの創傷チャンバ(すなわち、7.5mL創傷チャンバおよび15mL創傷チャンバ)について、(i)2つの一方向弁(変形可能なポンプ本体の両側に1つの一方向弁が配置されている)を有する変形可能なポンプ本体と、(ii)単一の一方向弁を有する変形可能なポンプ本体(注記:
図4Aに示す比較において、1つの一方向弁を有する変形可能なポンプ本体のポンプチャンバの容積は、2つの一方向弁を有する変形可能なポンプ本体のポンプチャンバの容積と同じである)と、を用いて確立することができる最大の負圧を示す。
【0033】
図4Aには、本発明の複数の重要な態様が備わっている。
第1に、
図4Aは、2つの一方向弁(変形可能なポンプ本体の両側に1つの一方向弁が配置されている)を有する変形可能なポンプ本体を用いて創傷チャンバを排気することにより、創傷チャンバのサイズにかかわらず、創傷チャンバ内に実質的に同じ最大負圧(すなわち、7.5mL創傷チャンバの場合に約-20.00kPa(-150.0mmHg)、および15mL創傷チャンバの場合に約-20.00kPa(-150.0mmHg
)が得られる)を確立することになるのに対し、単一の一方向弁を有する変形可能なポンプ本体を用いるとそうならない(すなわち、7.5mL創傷チャンバの場合に約-10.67kPa(-80.0mmHg)、および15mL創傷チャンバの場合に約-6.67kPa(-50.0mmHg)が得られる)。このため、本発明のNPWT包帯は、創傷チャンバのサイズにかかわらず、創傷部位において実質的に同じ最大負圧が確立されることを可能にするのに対し、従来技術のNPWT包帯はこれを可能にしない。
【0034】
本発明のこの独自の特徴は、(i)創傷部位において選択された最大負圧(例えば、約8.00kPa(60mmHg)~約24.00kPa(180mmHg))を確立することが通常望ましく、(ii)(例えば、医療用途のバリエーションおよび患者の解剖学的構造のバリエーション等に起因して)創傷チャンバの容積を予め知ることが通常困難であるため、臨床的に重要である。このため、本発明のNPWT包帯は、創傷チャンバのサイズにかかわらず、創傷部位において実質的に同じ最大負圧が確立されることを可能にするため、本発明は、NPWT包帯が予め(例えば製造時に)、創傷部位における選択された最大負圧を確立するように設計されることを可能にするのに対し、従来技術のNPWT包帯はこれを可能にしない。
【0035】
第2に、
図4Aは、2つの一方向弁(変形可能なポンプ本体の両側に1つの一方向弁が配置されている)を有する変形可能なポンプ本体を用いて創傷チャンバを排気することによって、創傷チャンバ内に、単一の一方向弁を有する変形可能なポンプ本体を用いて確立することができる最大負圧(すなわち、7.5mL創傷チャンバの場合に約-10.67kPa(-80.0mmHg)、および15mL創傷チャンバの場合に約-6.67kPa(-50.0mmHg)が得られる)よりも実質的に高い最大負圧(すなわち、7.5mL創傷チャンバの場合に約-20.00kPa(-150mmHg)、および15mL創傷チャンバの場合に約-20.00kPa(-150mmHg)が得られる)を確立することになる。このため、本発明のNPWT包帯は、創傷部位において実質的により高い最大負圧が確立されることを可能にする。
【0036】
また、ポンプ本体60の内側チャンバ70内の圧力は、通常、膜10の創傷側の表面25の下の圧力に等しいことにも留意されたい(すなわち、ポンプ本体60の内側チャンバ70内の圧力は、通常、創傷チャンバ内の圧力と等しい)。
【0037】
本発明の1つの好ましい形態では、ポンプアセンブリ15は取外し可能なキャップ100も備える。取外し可能なキャップ100は、取外し可能なキャップ100が大気側のポート87を閉じるように大気側の通路85に挿入されると、流体の流れに対し大気側の通路85を選択的に閉じるように構成される。
【0038】
ポンプアセンブリ15は、ポンプアセンブリ15が膜10によって担持されるように膜10に装着される。より具体的には、ポンプアセンブリ15は、(i)ポンプアセンブリ15のポンプ本体60に、膜10の内側開口部40を通過させ、(ii)ポンプフランジ75を膜10の創傷側の表面25に対面させ、次に(iii)ポンプフランジ75を(例えば、接着、糊付け等によって)膜10の創傷側の表面25に付着させることによって、膜10に装着される。ポンプアセンブリ15および膜10は実質的に気密接続を成すことに留意されたい。
【0039】
重要なことには、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60は、以下で論考されるように、(i)改善されたポンプ効率と、(ii)生成された負圧レベルを示す自動圧力インジケータと、(iii)生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタとを提供するように慎重に構成される。
【0040】
より具体的には、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60は、ポンプ本体が、(i)内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所与の閾値未満であるときに、ポンプ本体60の側壁65およびポンプ本体60の内側チャンバ70が実質的に円形の断面を有する(
図5を参照)、実質的に完全に展開された構成と、(ii)内側チャンバ70内の流体の圧力と、大気圧との圧力差が所与の閾値を超えているときに、ポンプ本体60の側壁65が内方に撓んでいる(
図6を参照)、実質的に完全に展開された構成と、の間で急に状態を変更する。
【0041】
詳細には、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所与の閾値未満であるとき、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60は、実質的に完全に展開された構成(
図5)を想定し、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所定の閾値を上回っているとき、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60は、実質的に完全に折り畳まれた構成(
図6)を想定する。
【0042】
重要なことに、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60は、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が上述の所与の閾値をまたがるとき、実質的に完全に展開された構成(
図5)と、実質的に完全に折り畳まれた構成(
図6)との間で急に状態を変更するように構成される。ポンプ本体60の側壁65の直径と、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差との間の関係を示すグラフである
図7を参照されたい。このように、ポンプアセンブリ15は、詳細には、実質的に「バイナリ状態」のデバイスとして本質的に挙動するように構成され、すなわち、実質的に完全に展開されている(
図5)かまたは実質的に完全に折り畳まれている(
図6)。これに関して、本明細書において用いられるとき、「実質的に「バイナリ状態」のデバイス」という用語は、実質的に完全に展開された状態または実質的に完全に折り畳まれた状態のいずれかを想定する傾向にあるデバイスを指すことが意図され、本明細書において用いられるとき、「実質的に「バイナリ状態」の挙動」という用語は、デバイスが実質的に完全に展開された状態または実質的に完全に折り畳まれた状態のいずれかを想定する傾向を指すように意図される。
【0043】
ポンプ本体60の実質的に「バイナリ状態」の挙動は、ポンプ本体に「オーバーセンター」変形特性を与える、実質的に円形の断面を有する側壁65を用いてポンプ本体を形成した結果であることに留意されたい。すなわち、ポンプ本体60の側壁は、実質的に完全に展開された構成から実質的に完全に折り畳まれた構成に急に遷移する「決壊」モードと、実質的に完全に折り畳まれた構成から実質的に完全に展開された構成に急に遷移する「復元」モードとを有する。
図7を参照されたい。ポンプ本体60の側壁65とポンプフランジ75とが首部77において合わさり(
図5)、首部77がポンプ本体60の全直径に対し比較的小さな幅を有し、凹部78が膜10とポンプ本体60との間を内方に延びるようにポンプアセンブリ15を形成することによって、ポンプ本体60は、実質的にその円周全体にわたって実質的に円形の断面を有し、ポンプ本体60は、ポンプフランジ75からの最小限の干渉で径方向に圧縮/径方向に展開し、それによって、ポンプ本体60は実質的に「バイナリ状態」の挙動を呈することができる。
【0044】
また、ドーム状のまたは正方形のポンプ構成を用いてポンプ本体を形成する従来技術の手法は、状態の急な変化をポンプ本体にもたらさず、むしろ、これらの従来技術のドーム状のまたは正方形のポンプ構成は、内側チャンバ内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が変化するとき、展開された構成と折り畳まれた構成との間のより緩やかな状態変更をポンプ本体にもたらす。ドーム状のまたは正方形の構成を有するポンプ本体の側壁の直径と、ポンプ本体の内側チャンバ内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差との間の関係を示すグラフである
図8を参照されたい。
【0045】
ポンプアセンブリ15のポンプ本体60の側壁65を、この急な状態変更を呈するよう
に慎重に構成した結果として、ポンプアセンブリ15は、改善されたポンプ効率と、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータと、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタとを提供することが可能である。
【0046】
より具体的には、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所与の閾値をまたがるときに、実質的に完全に展開された構成と実質的に完全に折り畳まれた構成との間で状態を急に変更するようにポンプアセンブリ15のポンプ本体60を構成することによって、ポンプアセンブリ15は、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所与の閾値未満である限り、実質的に完全に展開された構成に効果的に戻る。結果として、内側チャンバ70内の流体と大気圧との間の圧力差が所与の閾値未満である限り、ポンプアセンブリ15は、圧迫(すなわち、搾り)間に、実質的に完全に展開された構成に戻り、このため、創傷チャンバに負圧を印加する際に完全に効果的な状態を保つ。これは、ポンプアセンブリの内側チャンバ内の流体の圧力間の圧力差が変化するときに、ポンプ本体が、展開された構成と折り畳まれた構成との間の緩やかな状態変更を呈し、これにより創傷チャンバ内の圧力が低減するためポンプアセンブリの効率が漸進的に低下する従来技術のデバイスの性能と対照的である。この理由は、創傷チャンバ内に負圧が生成されるにつれ、ポンプ本体は、完全に展開された構成に漸進的により僅かに戻り、それによって、ポンプ本体を搾る度にポンプアセンブリが排出可能な流体がより僅かになるためである。換言すれば、従来技術のデバイスでは、創傷チャンバ内に負圧が生成されるにつれ、ポンプアセンブリの効率はより低くなる。
【0047】
関連した方式では、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所与の閾値をまたがるときに、実質的に完全に展開された構成と実質的に完全に折り畳まれた構成との間で状態を急に変更するようにポンプ本体60を構成することによって、ポンプアセンブリ15は、生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータとして機能することができ、すなわち、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が搾り間に実質的に完全に展開された構成に戻る限り、観察者には、内側チャンバ70内の圧力(このため、創傷チャンバ内の圧力)が所与のレベル未満となることが容易に明らかとなる。これは、ポンプアセンブリの内側チャンバ内の流体の圧力間の圧力差が変化するときに、ポンプ本体60が、展開された構成と折り畳まれた構成との間の緩やかな状態変更をもたらし、この場合、ポンプアセンブリが生成された負圧レベルを示すための自動圧力インジケータとして機能することができない、従来技術のデバイスの性能と著しく対照的である。
【0048】
また関連した方式では、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所与の閾値をまたがるとき、実質的に完全に展開された構成と、実質的に完全に折り畳まれた構成との間で急に状態を変更するようにポンプ本体60を構成することによって、ポンプアセンブリ15は、生成される負圧レベルを制限するための自動圧力リミッタとして機能することができる。なぜなら、ポンプ本体60が実質的に完全に折り畳まれた構成を想定するやいなや、ポンプアセンブリ15はもはや創傷チャンバから流体をポンピングすることができず、本質的にポンプアセンブリをディアクティベートするためである。これは、ポンプアセンブリが所与の圧力差において効果的にディアクティベートされないために、内側チャンバ内の流体の圧力間の圧力差が変化するときに、ポンプ本体が、展開された構成と折り畳まれた構成との間の緩やかな状態変更をもたらす従来技術の性能と著しく対照的である。
【0049】
ポンプ本体60を実質的に完全に展開された構成と、実質的に完全に折り畳まれた構成との間で遷移させるのに必要な圧力差(すなわち、上述した「所与の閾値」)は、ポンプ本体60の1つ以上の特性を変動させることによって、例えば、特定の硬度計(durometer)を有する材料からポンプ本体60の側壁65を形成すること、ポンプ本体60の側壁65の厚みを調節すること、ポンプ本体60の内側チャンバ70の直径を調節す
ること等によって、特定のレベルに「チューニングする」(すなわち、調整する)ことができることが理解されるべきである。
【0050】
一般に、ポンプ本体を実質的に完全に展開された構成と、実質的に完全に折り畳まれた構成との間で遷移させるのに必要な圧力差(すなわち、上述した「所与の閾値」)が、約8.00kPa(60mmHg)~約24.00kPa(180mmHg)であるとき、優れた治療結果を達成することができることがわかっている。換言すれば、ポンプ本体60が、約8.00kPa(60mmHg)~約24.00kPa(180mmHg)の負圧で、実質的に完全に展開された構成(
図5)と、実質的に完全に折り畳まれた構成(
図6)との間で遷移する場合、優れた治療結果を達成することができることがわかっている。ポンプ本体60が2つの状態間をより低い圧力で遷移する場合(すなわち、ポンプ本体60が約8.00kPa(60mmHg)よりも低い負圧で遷移する場合)、汚染物質および微生物を創傷部位から効果的に引き出し、かつ/または滲出物を創傷部位から効果的に引き出し、かつ/または創傷部位における有益な生体応答を促進するのに十分な吸引力が創傷部位において提供されないと考えられる。また、ポンプ本体60が2つの状態間をより高い圧力で遷移する場合(すなわち、ポンプ本体60が約24.00kPa(180mmHg)よりも高い負圧で遷移する場合)、創傷部位において提供される吸引力は、組織に外傷(例えば、水疱形成、毛細血管漏出等)を引き起こす場合があると考えられる。
【0051】
本発明の1つの好ましい形態では、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60は、内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が10.67kPa(80mmHg)を超えているとき、実質的に完全に展開された構成と実質的に完全に折り畳まれた構成との間で急に遷移するように構成される。このため、本発明のこの形態では、創傷チャンバ内の負圧が(大気圧が101.33kPa(760mmHg)であると想定して)90.66kPa(680mmHg)未満である限り、ポンプアセンブリ15は、ポンプ本体の搾り間に実質的に完全に展開された構成に戻り、創傷チャンバに吸引力を印加する際のポンプ効率を維持し、創傷チャンバ内の負圧が(大気圧が101.33kPa(760mmHg)であると想定して)90.66kPa(680mmHg)を超えるやいなや、ポンプアセンブリ15は実質的に完全に折り畳まれた構成を想定し、創傷部位において生成された負圧レベルが10.67kPa(80mmHg)を超えたことを示す自動圧力インジケータとして動作し、創傷部位において生成される負圧レベルが10.67kPa(80mmHg)を超え得ないようにポンプアセンブリ15を自動的にディアクティベートする。
【0052】
ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が実質的に円筒形の構成を有する限り、NPWT包帯5は低プロファイルを有することに留意されたい。
ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が使用者の親指と人差し指との間で搾られるように構成される限り、ポンプ本体60に印加される圧迫力は、皮膚に表面に並行に印加され、使用中(すなわち、ポンプアセンブリ15のポンピング中)に創傷に外傷が加えられないようにされることにも留意されたい。これは、ドーム状の構成を用い、創傷に向けて圧迫力が印加されることを必要とする従来技術のNPWT包帯と著しく対照的である。
例示的な使用
本発明の1つの好ましい形態において、ここで
図9~
図16を参照すると、NPWT包帯5は以下のように用いられることが意図される。
【0053】
第1に、NPWT包帯5がボックスから取り外される。本発明の1つの形態では、各個々のNPWT包帯5は、別個の滅菌包装内に収容され、複数の滅菌包装がボックス内に収容される。
図9を参照されたい。
【0054】
次に、NPWT包帯5が、使用の準備ができた状態(
図11)になるように、滅菌包装
から取り外される(
図10)。
創傷部位にNPWT包帯5を施すために、剥離ライナ50が膜10の創傷側の表面25から取り外される。
図12を参照されたい。次に、NPWT包帯5が患者の肌に対し位置決めされ、それによって、膜10の創傷側の表面25が創傷に対し位置決めされ、接着剤45によりNPWT包帯5を患者の皮膚に固定し、それによって、創傷チャンバの周辺の周りで患者の皮膚と実質的に気密の封止を形成する。
図13を参照されたい。
【0055】
NPWT包帯5が患者の皮膚に施されるとき、ポンプアセンブリ15の創傷側の通路80の創傷側のポート82は創傷チャンバに対し開かれていることに留意されたい。
患者の皮膚の上にNPWT包帯5を配置する前に、ガーゼ(または他の吸収剤創傷ドレッシング)の層102を創傷部位に配置し、ガーゼ(または他の吸収剤創傷ドレッシング)の層が創傷とポンプアセンブリ15の創傷側の通路80との間に介在するようにすることができることにも留意されたい。結果として、創傷から出る滲出物が、ガーゼ(または他の吸収剤創傷ドレッシング)によって吸収される。所望の場合、ガーゼ(または他の吸収剤創傷ドレッシング)の層102は、例えば製造時等に、膜10の創傷側の表面に装着(すなわち、固定)されてもよく、それによって、ガーゼ(または他の吸収剤創傷ドレッシング)の層102は、NPWT包帯5によって創傷部位に担持され、NPWT包帯5と同時に創傷に施されることに留意されたい。
【0056】
次に、NPWT包帯5が患者の皮膚に固定された状態で、取外し可能な補強材55が膜10の大気側の表面30から取り外される。
図14を参照されたい。
この時点において、NPWT包帯5を用いて、創傷チャンバに負圧を印加することができる。これは、使用者の親指と人差し指との間でポンプ本体60の側壁65を搾り、ポンプ本体60を圧迫して実質的に完全に折り畳まれた構成にすることによって達成され、それによって流体(例えば、空気、液体等)が大気側の通路85および大気側の一方向弁95を介してポンプ本体60の内側チャンバ70から出る。
図15を参照されたい。ポンプ本体60の内側チャンバ70内の流体は、創傷側一方向弁90の存在に起因して、創傷側の通路80を通って内側チャンバ70を出ることを阻止される。次に、ポンプ本体60の側壁65が解放され、弾性ポンプ本体60が実質的に完全に展開された構成に戻り、それによって内側チャンバ70および創傷側の通路80内に負圧を生成することを可能にし、膜10の創傷側の表面25の下の流体(例えば、創傷チャンバ内の流体)が創傷側の通路85および創傷側の一方向弁90を通って内側チャンバ70内に引き込まれるようにする。大気側の一方向弁95の存在に起因して、大気における空気は、大気側の通路85を通って内側チャンバ70に入ることを阻止されることに留意されたい。
【0057】
ポンプ本体60の側壁65を搾り、解放するこのプロセスは、ポンプ本体60の側壁65が手動で圧迫されていないときであっても、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が実質的に完全に折り畳まれた構成(すなわちポンプ本体60の側壁65が内方に撓む)に留まるまで繰り返される。
図16を参照されたい。ポンプ本体60の側壁65が手動で圧迫されていないときであっても、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が実質的に完全に折り畳まれた構成に留まっているとき、観察者は、内側チャンバ70(および創傷チャンバ)内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所望の閾値を超えており、創傷部位において所望の負圧レベルが達成されたことを示すことを知る。ポンプ本体60の側壁65が手動で圧迫されていないときであっても、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60が実質的に完全に折り畳まれた構成に留まっているとき、ポンプアセンブリ15は効果的にディアクティベートされていることに留意されたい。なぜなら、側壁65が実質的に完全に折り畳まれた構成にある状態でポンプアセンブリの使用を継続することは不可能であるためである。
【0058】
この時点において、取外し可能なキャップ100を用いて、大気側の通路85の大気側
のポート87を封止することができる。
NPWT包帯5は、治癒中に汚染物質および微生物から創傷を保護し、創傷から滲出物を引き出し、創傷部位における有益な生体応答を促進するために、適切な期間(例えば数日)にわたって創傷の上の適所に残される。漏れにより創傷チャンバ内に生成された負圧が所与の閾値未満に降下する場合(これは、ポンプ本体60の側壁65が実質的に完全に展開された構成に戻ることにより観察者に明らかとなる)、大気通路85の大気側ポート87が封止を解かれ(すなわち、取外し可能なキャップ100を取り外すことによる)、次に、ポンプアセンブリ15を上記で論考したように用いて、創傷チャンバ内の所望の負圧を再確立することができる(すなわち、ポンプ本体60の側壁65の搾りおよび解放を繰り返すことによる)。
【0059】
適宜、単に患者の皮膚から膜10を剥離することによって、NPWT包帯5を患者の皮膚から除去してもよい。
ポンプ本体の実質的に「バイナリ状態」の挙動を向上させるためのノッチを有するポンプ本体
上述したように、ポンプアセンブリ15のポンプ本体60は、好ましくは、詳細には、ポンプ本体が、(i)内側チャンバ70内の流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所与の閾値未満であるときに、ポンプ本体60の側壁65およびポンプ本体60の内側チャンバ70が実質的に円形の断面を有する(
図5を参照)、実質的に完全に展開された構成と、(ii)内側チャンバ70内の流体の圧力と、大気圧との圧力差が所与の閾値を超えているときに、ポンプ本体60の側壁65が内方に撓んでいる(
図6を参照)、実質的に完全に展開された構成と、の間で急に状態を変更するように構成される。
【0060】
また、上述したように、ポンプ本体60のこの実質的に「バイナリ状態」の挙動は、「オーバーセンター」変形特性を本体に与える実質的に円形の断面を有するポンプ本体を形成することにより達成されることに留意されたい。すなわち、ポンプ本体60の側壁は、実質的に完全に展開された構成から実質的に完全に折り畳まれた構成に急に遷移する「決壊」モードと、実質的に完全に折り畳まれた構成から実質的に完全に展開された構成に急に遷移する「復元」モードとを有するようになっている。
図7を参照されたい。上述したように、ポンプ本体60の側壁65とポンプフランジ75とが首部77において合わさり(
図5)、首部77が、ポンプ本体60の全直径に対し、比較的小さな幅を有し、凹部78が膜10とポンプ本体60との間を内方に延びるようにポンプアセンブリ15を形成することによって、ポンプ本体60は、実質的に円周全体にわたって実質的に円形の断面を有し、ポンプ本体60はポンプフランジ75からの最小限の干渉で、自由に径方向に圧縮/径方向に展開し、ポンプ本体60が実質的に「バイナリ状態」の挙動を呈することができるようになっている。
【0061】
所望の場合、ポンプ本体60は、ポンプ本体の実質的に「バイナリ状態」の挙動を向上させるように変更することができる。
限定ではなく例として、ここで
図17~
図20を参照すると、実質的に完全に展開された構成または実質的に完全に折り畳まれた構成のみを想定するようにポンプ本体60を更に誘導することによってポンプ本体の実質的に「バイナリ状態」の挙動を向上させるために、ポンプ本体60内に(例えば、「9時」、「12時」および「3時」の位置に)ノッチ105を形成することができる。ポンプ本体60が真の「バイナリ状態」の挙動を呈するほど、ポンプ効率は改善し、ポンプアセンブリ15はより良好に自動圧力インジケータおよび自動圧力リミッタとしての役割を果たすことに留意されたい。
ガーゼ(または他の吸収剤創傷ドレッシング)を組み込み、改善されたポンプアセンブリを利用するNPWT包帯
次に
図21~
図25を参照すると、本発明に従って形成された別の陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯5が示されている。
図21~
図25に示されるNPWT包帯5は、実質的に、
図1~
図16に示すNPWT包帯5および
図17~
図20に示すNPWT包帯5と同じであるが、(i)
図21~
図25に示す構造において、膜10が、ガーゼ(または他の吸収剤創傷ドレッシング)を組み込んだ複数の層を備え、(ii)
図21~
図25に示す構造において、ポンプアセンブリ15が変更された構造を有し、異なる手法を用いて膜10に固定される点が異なる。
【0062】
より詳細には、本発明のこの形態において、膜10は、中心開口部115を有する下位皮膚接触ポリウレタン層110と、下位皮膚接触ポリウレタン層110の中心開口部115の上に配置するための中間発泡体(またはガーゼもしくは他の吸収剤創傷ドレッシング)層120と、中間発泡体層120および下位皮膚接触ポリウレタン層110の上に配置するための上位ポリウレタン層125とを備える。本発明の好ましい形態では、上位ポリウレタン層125は、実質的に空気不透過性の材料から形成される。そして、本発明の好ましい形態では、上位ポリウレタン層125および下位皮膚接触ポリウレタン層110は、同じサイズの外周を有し、それによって、上位ポリウレタン層125は患者の皮膚と接触しない。上位ポリウレタン層125および下位皮膚接触ポリウレタン層110の外周は互いに固定され、間に中間発泡体層120が捕捉される。中間発泡体層120は、(i)下位皮膚接触ポリウレタン層110の中心開口部115の周辺よりも大きく、(ii)下位皮膚接触ポリウレタン層110および上位ポリウレタン層125の外周よりも小さい。このようにして、NPWT包帯5が下位皮膚接触ポリウレタン層110の中心開口部115を創傷の上に位置決めすると、創傷からの流体は、下位皮膚接触ポリウレタン層110の中心開口部115を通過して中間発泡体層120に達することができる。接着剤45は、下位皮膚接触ポリウレタン層110の創傷側の表面上に位置決めされ、創傷の周辺の周りにNPWT包帯5によって実質的に気密の封止を確立する(すなわち、上述した創傷チャンバを形成する)ことができるようになっていることが理解されよう。開口部130が上位ポリウレタン層125に形成され、下位皮膚接触ポリウレタン層110の中心開口部115に重なり、ポンプアセンブリ15の創傷側の通路80が、ポンプアセンブリ15のポンピング中に排出するために創傷チャンバ内の流体(例えば、空気、液体等)に(すなわち、上位ポリウレタン層125における開口部130、中間発泡体層120における開口部、および下位皮膚接触ポリウレタン層110における中心開口部115を介して)アクセスすることができるようになっている。
【0063】
図21~
図25のNPWT包帯5において利用されるポンプアセンブリ15は、上記のポンプアセンブリ15と概ね類似しているが、ポンプアセンブリ15を膜10に装着するための一対の台座135A、135Bを備える点が異なる。より詳細には、台座135Aは、ポンプ本体60の一端を含み、膜10の上面に(すなわち、上位ポリウレタン層125の上面に)(例えば、接着剤137によって)付着され、創傷側の通路80および創傷側一方向弁90が、上位ポリウレタン層125における開口部130と整列される(このため、創傷チャンバと流体連通する)ようになっている。台座135Bは、ポンプ本体60の他端を含み、膜10の上面に(すなわち、上位ポリウレタン層125の上面に)(例えば、接着剤138によって)付着される。ポンプ本体60の介在部分140は、膜10の上位ポリウレタン層125の上に持ち上げられ、台座135Aと台座135Bとの間に懸架されて着座し、それによって、ポンプ本体60の介在部分140と膜10の上位ポリウレタン層135との間に空間145が形成される。ポンプ本体60の介在部分140は膜10に直接装着されるのではなく、台座135Aおよび135Bによって膜10の上に懸架されるため、ポンプ本体60の介在部分140を真の円形断面で形成し、それによってNPWT包帯の実質的に「バイナリ状態」の挙動を向上させることができる。ポンプ本体60は、NPWT包帯の実質的に「バイナリ状態」の挙動を更に向上させるために、上述したノッチ105のうちの1つ以上を組み込むことができることが理解されよう。
好ましい実施形態の変更形態
本発明の本質を説明する目的で本明細書において説明および例証されてきた、詳細、材
料、ステップおよび部品の配置における多くの追加的変更を当業者が行うことができ、依然として、本発明の原理および範囲内に留まることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、
創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、
前記膜によって担持されるポンプアセンブリであって、前記ポンプアセンブリは、
ポンプチャンバの周りに配置された壁構造を備えるポンプ本体であって、前記壁構造の少なくとも一部分が弾性である、ポンプ本体と、
前記壁構造を通って延び、前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、創傷側の通路と、
前記創傷側の通路内に配置された創傷側の一方向弁であって、前記創傷側の一方向弁は、前記創傷側の通路を通って前記創傷チャンバから前記ポンプチャンバへ流体が流れることを可能にするが、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバから前記創傷チャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、創傷側の一方向弁と、
前記壁構造を通って延び、前記ポンプチャンバおよび大気を接続する、大気側の通路と、
前記大気側の通路内に配置された大気側の一方向弁であって、前記大気側の一方向弁は、前記大気側の通路を通って前記ポンプチャンバから大気へ流体が流れることを可能にするが、前記大気側の通路を通って大気から前記ポンプチャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、大気側の一方向弁と、
を備える、ポンプアセンブリと、
を備え、
前記ポンプ本体の前記壁構造に圧迫力が印加されると、前記ポンプチャンバ内の流体が、前記大気側の通路を介して前記ポンプチャンバから押し出され、前記ポンプ本体の前記壁構造に印加された前記圧迫力がその後低減されると、前記創傷チャンバ内の流体が、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバ内に引き込まれるようになっている、NPWT包帯。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
図21~
図25のNPWT包帯5において利用されるポンプアセンブリ15は、上記のポンプアセンブリ15と概ね類似しているが、ポンプアセンブリ15を膜10に装着するための一対の台座135A、135Bを備える点が異なる。より詳細には、台座135Aは、ポンプ本体60の一端を含み、膜10の上面に(すなわち、上位ポリウレタン層125の上面に)(例えば、接着剤137によって)付着され、創傷側の通路80および創傷側一方向弁90が、上位ポリウレタン層125における開口部130と整列される(このため、創傷チャンバと流体連通する)ようになっている。台座135Bは、ポンプ本体60の他端を含み、膜10の上面に(すなわち、上位ポリウレタン層125の上面に)(例えば、接着剤138によって)付着される。ポンプ本体60の介在部分140は、膜10の上位ポリウレタン層125の上に持ち上げられ、台座135Aと台座135Bとの間に懸架されて着座し、それによって、ポンプ本体60の介在部分140と膜10の上位ポリウレタン層135との間に空間145が形成される。ポンプ本体60の介在部分140は膜10に直接装着されるのではなく、台座135Aおよび135Bによって膜10の上に懸架されるため、ポンプ本体60の介在部分140を真の円形断面で形成し、それによってNPWT包帯の実質的に「バイナリ状態」の挙動を向上させることができる。ポンプ本体60は、NPWT包帯の実質的に「バイナリ状態」の挙動を更に向上させるために、上述したノッチ105のうちの1つ以上を組み込むことができることが理解されよう。
好ましい実施形態の変更形態
本発明の本質を説明する目的で本明細書において説明および例証されてきた、詳細、材料、ステップおよび部品の配置における多くの追加的変更を当業者が行うことができ、依然として、本発明の原理および範囲内に留まることが理解されるべきである。
(1)本発明の第1の態様のNPWT包帯は、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、前記膜によって担持されるポンプアセンブリであって、前記ポンプアセンブリは、ポンプチャンバの周りに配置された壁構造を備えるポンプ本体であって、前記壁構造の少なくとも一部分が弾性である、ポンプ本体と、前記壁構造を通って延び、前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、創傷側の通路と、前記創傷側の通路内に配置された創傷側の一方向弁であって、前記創傷側の一方向弁は、前記創傷側の通路を通って前記創傷チャンバから前記ポンプチャンバへ流体が流れることを可能にするが、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバから前記創傷チャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、創傷側の一方向弁と、前記壁構造を通って延び、前記ポンプチャンバおよび大気を接続する、大気側の通路と、前記大気側の通路内に配置された大気側の一方向弁であって、前記大気側の一方向弁は、前記大気側の通路を通って前記ポンプチャンバから大気へ流体が流れることを可能にするが、前記大気側の通路を通って大気から前記ポンプチャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、大気側の一方向弁と、を備える、ポンプアセンブリと、を備え、前記ポンプ本体の前記壁構造に圧迫力が印加されると、前記ポンプチャンバ内の流体が、前記大気側の通路を介して前記ポンプチャンバから押し出され、前記ポンプ本体の前記壁構造に印加された前記圧迫力がその後低減されると、前記創傷チャンバ内の流体が、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバ内に引き込まれるようになっている。
(2)本発明の第2の態様では、第1の態様において、前記膜は複数の層を含む。
(3)本発明の第3の態様では、第2の態様において、前記膜は、実質的に空気不透過性の層と、吸収剤層とを備え、前記吸収剤層は、前記実質的に空気不透過性の層の前記創傷側に配置される。
(4)本発明の第4の態様では、第3の態様において、追加の層を更に含み、前記吸収剤層は、前記実質的に空気不透過性の層と前記追加の層との間に配置される。
(5)本発明の第5の態様では、第1の態様において、前記ポンプアセンブリの一部分は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる。
(6)本発明の第6の態様では、第5の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを含み、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる。
(7)本発明の第7の態様では、第6の態様において、前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される。
(8)本発明の第8の態様では、第7の態様において、前記ポンプ本体と前記フランジとの間に首部が形成され、更に、一対の凹部が前記ポンプ本体と前記フランジとの間を内方に延びる。
(9)本発明の第9の態様では、第1の態様において、前記ポンプアセンブリは、一対の台座によって前記膜に装着され、更に、前記台座のうちの1つは前記創傷側の通路を含む。
(10)本発明の第10の態様では、第9の態様において、前記ポンプ本体は、前記一対の台座間に懸架され、前記膜から離間される。
(11)本発明の第11の態様では、第1の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む。
(12)本発明の第12の態様では、第1の態様において、前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む。
(13)本発明の第13の態様では、第12の態様において、前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に剥離ライナが配置される。
(14)本発明の第14の態様では、第1の態様において、前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される。
(15)本発明の第15の態様では、第1の態様において、前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所定の閾値未満であるとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に展開された構成を想定し、前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を上回っているとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に折り畳まれた構成を想定する。
(16)本発明の第16の態様では、第15の態様において、前記ポンプ本体は、前記圧力差が前記所定の閾値をまたぐ際、前記実質的に完全に展開された構成と前記実質的に完全に折り畳まれた構成との間、および実質的に完全に折り畳まれた構成と前記実質的に完全に展開された構成との間で急に状態を変更し、実質的に「バイナリ状態」のデバイスを効果的に構築するようにする。
(17)本発明の第17の態様では、第15の態様において、前記所定の閾値は、約8.00kPa(60mmHg)~約24.00kPa(180mmHg)である。
(18)本発明の第18の態様では、第15の態様において、前記ポンプ本体は、「オーバーセンター」変形特性をもたらすように構成される。
(19)本発明の第19の態様では、第15の態様において、前記ポンプ本体は、実質的に円形の断面を含む。
(20)本発明の第20の態様では、第19の態様において、前記ポンプ本体は、実質的に円筒形の構成を含む。
(21)本発明の第21の態様では、第15の態様において、(i)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値未満であるとき、前記ポンプ本体の前記壁構造および前記ポンプチャンバは実質的に円形の断面を含み、(ii)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を超えているとき、前記ポンプ本体の前記壁構造は内方に撓む。
(22)本発明の第22の態様では、第15の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む。
(23)本発明の第23の態様では、第15の態様において、前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む。
(24)本発明の第24の態様では、第23の態様において、剥離ライナは、前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に配置される。
(25)本発明の第25の態様では、第15の態様において、前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される。
(26)本発明の第26の態様では、第15の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを備え、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる。
(27)本発明の第27の態様では、第26の態様において、前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される。
(28)本発明の第28の態様では、第15の態様において、実質的に「バイナリ状態」の挙動を容易にするために、前記ポンプ本体の前記壁構造にノッチが形成される。
(29)本発明の第29の態様は、創傷に負圧を印加するための方法であって、陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯を準備するステップであって、前記NPWT包帯は、創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、前記膜によって担持されるポンプアセンブリであって、前記ポンプアセンブリは、ポンプチャンバの周りに配置された壁構造を備えるポンプ本体であって、前記壁構造の少なくとも一部分が弾性である、ポンプ本体と、前記壁構造を通って延び、前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、創傷側の通路と、前記創傷側の通路内に配置された創傷側の一方向弁であって、前記創傷側の一方向弁は、前記創傷側の通路を通って前記創傷チャンバから前記ポンプチャンバへ流体が流れることを可能にするが、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバから前記創傷チャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、創傷側の一方向弁と、前記壁構造を通って延び、前記ポンプチャンバおよび前記大気を接続する、大気側の通路と、前記大気側の通路内に配置された大気側の一方向弁であって、前記大気側の一方向弁は、前記大気側の通路を通って前記ポンプチャンバから大気へ流体が流れることを可能にするが、前記大気側の通路を通って大気から前記ポンプチャンバへ流体が流れることを阻止するように構成される、大気側の一方向弁と、を備える、ポンプアセンブリと、を備え、前記ポンプ本体の前記壁構造に圧迫力が印加されると、前記ポンプチャンバ内の流体が、前記大気側の通路を介して前記ポンプチャンバから押し出され、前記ポンプ本体の前記壁構造に印加された前記圧迫力がその後低減されると、前記創傷チャンバ内の流体が、前記創傷側の通路を通って前記ポンプチャンバ内に引き込まれるようになっている、ステップと、前記陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯を前記創傷の上に位置決めし、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにするステップと、前記ポンプ本体の前記壁構造に圧迫力を印加し、その後、前記ポンプ本体の前記壁構造に印加される前記圧迫力を低減し、前記創傷に負圧を印加するようにするステップと、を含む。
(30)本発明の第30の態様では、第29の態様において、前記膜は複数の層を含む。
(31)本発明の第31の態様では、第30の態様において、前記膜は、実質的に空気不透過性の層および吸収剤層を含み、前記吸収剤層は、前記実質的に空気不透過性の層の前記創傷側に配置される。
(32)本発明の第32の態様では、第31の態様において、追加の層を更に含み、前記吸収剤層は前記実質的に空気不透過性の層と前記追加の層との間に配置される。
(33)本発明の第33の態様では、第29の態様において、前記ポンプアセンブリの一部分は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる。
(34)本発明の第34の態様では、第33の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを含み、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる。
(35)本発明の第35の態様では、第34の態様において、前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される。
(36)本発明の第36の態様では、第35の態様において、前記ポンプ本体と前記フランジとの間に首部が形成され、更に、一対の凹部が前記ポンプ本体と前記フランジとの間を内方に延びる。
(37)本発明の第37の態様では、第29の態様において、前記ポンプアセンブリは、一対の台座によって前記膜に装着され、更に、前記台座のうちの1つは前記創傷側の通路を含む。
(38)本発明の第38の態様では、第37の態様において、前記ポンプ本体は、前記一対の台座間に懸架され、前記膜から離間される。
(39)本発明の第39の態様では、第29の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む。
(40)本発明の第40の態様では、第29の態様において、前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む。
(41)本発明の第41の態様では、第29の態様において、前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に剥離ライナが配置される。
(42)本発明の第42の態様では、第29の態様において、前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される。
(43)本発明の第43の態様では、第29の態様において、前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の圧力差が所定の閾値未満であるとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に展開された構成を想定し、前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を上回っているとき、前記ポンプアセンブリの前記ポンプ本体は、実質的に完全に折り畳まれた構成を想定する。
(44)本発明の第44の態様では、第43の態様において、前記ポンプ本体は、前記圧力差が前記所定の閾値をまたぐ際、前記実質的に完全に展開された構成と前記実質的に完全に折り畳まれた構成との間、および前記実質的に完全に折り畳まれた構成と前記実質的に完全に展開された構成との間で急に状態を変更し、実質的に「バイナリ状態」のデバイスを効果的に構築するようにする。
(45)本発明の第45の態様では、第43の態様において、前記所定の閾値は、約8.00kPa(60mmHg)~約24.00kPa(180mmHg)である。
(46)本発明の第46の態様では、第43の態様において、前記ポンプ本体は、「オーバーセンター」変形特性をもたらすように構成される。
(47)本発明の第47の態様では、第29の態様において、前記ポンプ本体は、実質的に円形の断面を含む。
(48)本発明の第48の態様では、第47の態様において、前記ポンプ本体は、実質的に円筒形の構成を含む。
(49)本発明の第49の態様では、第43の態様において、(i)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値未満であるとき、前記ポンプ本体の前記壁構造および前記ポンプチャンバは実質的に円形の断面を含み、(ii)前記ポンプチャンバ内の前記流体の圧力と大気圧との間の前記圧力差が前記所定の閾値を超えているとき、前記ポンプ本体の前記壁構造は内方に撓む。
(50)本発明の第50の態様では、第43の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記大気側の通路を選択的に閉じるための取外し可能なキャップを含む。
(51)本発明の第51の態様では、第43の態様において、前記膜の前記創傷側の表面は接着剤を含む。
(52)本発明の第52の態様では、第51の態様において、剥離ライナは、前記接着剤の上の前記膜の前記創傷側の表面に配置される。
(53)本発明の第53の態様では、第43の態様において、前記膜の前記大気側の表面に、取外し可能な補強材が配置される。
(54)本発明の第54の態様では、第43の態様において、前記ポンプアセンブリは、前記ポンプ本体に接続されたフランジを備え、更に、前記フランジは、前記膜の前記創傷側の表面に固定され、前記ポンプ本体は、前記膜内に形成された前記開口部を通って延びる。
(55)本発明の第55の態様では、第54の態様において、前記フランジは、前記ポンプ本体と一体形成される。
(56)本発明の第56の態様では、第43の態様において、実質的に「バイナリ状態」の挙動を容易にするために、前記ポンプ本体の前記壁構造にノッチが形成される。
(57)本発明の第57の態様は、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、前記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、前記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、前記ポンプチャンバは前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、前記ポンプチャンバのいずれの部分も前記創傷によって画定されない。
(58)本発明の第58の態様は、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、前記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、前記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、前記ポンプチャンバは前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、前記ポンプは前記創傷に正圧を印加しない。
(59)本発明の第59の態様は、創傷に負圧を印加するための陰圧閉鎖療法(NPWT)包帯であって、前記NPWT包帯は、創傷の上に配置するように構成される膜であって、前記膜と前記創傷との間に創傷チャンバを形成するようにし、前記膜は、創傷側の表面と、大気側の表面と、前記膜を通って前記創傷側の表面から前記大気側の表面まで延びる開口部とを含む、膜と、前記膜によって担持されるポンプであって、ポンプチャンバの周りに配置された壁チャンバを備え、前記壁チャンバの少なくとも一部分が弾性であり、更に、前記ポンプチャンバは前記膜内に形成された前記開口部を通じて前記創傷チャンバと連通する、ポンプと、を備え、前記ポンプは、前記ポンプチャンバの容積の低減により前記創傷チャンバの圧力の変化が生じないように前記創傷チャンバに接続される。
【外国語明細書】