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特開2024-29223管板用プロファイル、管板及び自動車空気調和システム用冷却器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029223
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】管板用プロファイル、管板及び自動車空気調和システム用冷却器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20240227BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20240227BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
F28F9/02 301Z
F28F9/02 G
F28F21/08 A
F28D1/053 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002455
(22)【出願日】2024-01-11
(62)【分割の表示】P 2021570262の分割
【原出願日】2020-04-13
(31)【優先権主張番号】102019207905.9
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビレック,マーチン
(72)【発明者】
【氏名】コルマズニック,ミラン
(72)【発明者】
【氏名】プロチャズカ,ルーカス
(57)【要約】
【課題】熱衝撃にさらに強い管板用プロファイル、管板及び冷却器を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも2つのウェブトラフ(12)を有するチューブのスロット間で断面形状を有する冷却器の管板用プロファイル(10)及びこのようなプロファイルを有する管板そして前記管板を備える冷却器に関し、この時、前記冷却器は多数の平行するチューブをさらに備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却器の管板(tube sheet)用プロファイル(10)として、前記冷却器は多数の平行する管をさらに含み、前記管板が少なくとも2つのウェブトラフ(12)を有する管のスロット間で断面形状を有し、
少なくとも3つのウェブピーク(14)がさらに提供され、
外部から内部に第1ウェブピーク(14.1)の外側半径(R1)、前記第1ウェブピーク(14.1)の内側半径(R2)、第1ウェブトラフ(12.1)の外側半径(R3)、前記第1ウェブトラフ(12.1)の内側半径(R4)及び/または第2ウェブピーク(14.2)の半径(R5)が下記のように
R1=1.5~3.5mm、
R2=2~4mm、
R3=1.9~5mm、
R4=1.9~40mm、
R5=3~50に測定されたことを特徴とする管板用プロファイル。
【請求項2】
少なくとも1つのウェブピーク(14)またはトラフ(12)が少なくても1つのフラットニング部を有することを特徴とする請求項1に記載の管板用プロファイル。
【請求項3】
外部から内部に第1ウェブピーク(14.1)上にある少なくとも1つのフラットニング部(W1)、前記第1ウェブピーク(14.1)と第1ウェブトラフ(12.1)間少なくとも1つのフラットニング部(W2)、前記第1ウェブトラフ(12.1)内にある少なくとも1つのフラットニング部(W3)及び/または前記第1ウェブトラフ(12.1)と第2ウェブピーク(14.2)間少なくとも1つのフラットニング部(W4)に対して次の式が適用され、
この時、アルファ(α)は第1ウェブトラフ(12.1)の接線と関連して前記第1ウェブトラフ(12.1)と前記第2ウェブピーク(14.2)の角度であり、また、Twidthは管の幅であり、また、R1~R5は、第1ウェブピーク(14.1)の外側半径(R1)、第1ウェブピーク(14.1)の内側半径(R2)、第1ウェブトラフ(12.1)の外側半径(R3)、第1ウェブトラフ(12.1)の内側半径(R4)および第2ウェブピーク(14.2)の半径(R5)であることを特徴とする請求項2に記載の管板用プロファイル。
【請求項4】
前記管板用プロファイルがアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の管板用プロファイル。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうち何れか一項による少なくとも1つの管板用プロファイルを有することを特徴とする管板。
【請求項6】
請求項5による少なくとも1つの管板を有することを特徴とする自動車空気調和システム用冷却器。
【請求項7】
前記管がアルミニウムまたはアルミニウム合金で製造されて少なくとも1つの管板用プロファイルにハンダ付けされたことを特徴とする請求項6に記載の自動車空気調和システム用冷却器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却器の管板(tube sheet)用プロファイル、このようなプロファイルを有する管板及び少なくとも1つの管板を有する、特に自動車空気調和システム用冷却器に関する。
【0002】
自動車用冷却器は典型的に多数の平行する管、特に平板管(flat tube)を備え、これら平板管内部では冷却剤が流れる。このような流れは特に、2つのいわゆる管板間で発生し、前記管板は多数の管が挿入される適したスロットを有し、前記多数の管は管板にハンダ付けされている。
【0003】
前記のような連結位置は特に、冷却剤温度が急激に変わる時に特有の荷重を受ける。この場合、個別管の間で相当な温度差が発生することにより前記管が異なるように膨脹されて、これは管と管板間連結位置で相当な負荷を招く。従って、このような領域で発生する損傷はいわゆる熱衝撃に起因する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景から、本発明の課題は、熱衝撃にさらに強いプロファイル、管板及び冷却器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は一方では請求項1に記載されるプロファイルにより解決される。これにより前記プロファイルは少なくとも2つのウェブトラフ(wave trough)を有する管のスロット間で断面形状を有する。結果的に熱衝撃に対する耐性が顕著に向上するように、上述の負荷の場合に応力分布が改善される。初期テストの結果、2乃至3倍ほど向上した熱衝撃耐性を示した。
【0006】
好ましい実施形態は追加請求項に記述されている。
【0007】
2つのウェブトラフがその間に置かれるウェブピーク(wave peak)を有する場合、たとえ前記2つのウェブトラフにより管をほぼ「二重で」固定するのに十分であり、管のスロットが前記2つのウェブトラフ間で延長されても、少なくとも3つのウェブピークが提供されることが好ましい。即ち、これは各ウェブトラフに追加ウェブピークが連結されるということを意味する。ここではウェブトラフが管の方向に延長され、そしてウェブピークは管板または管板が提供された冷却器タンクの内部方向に延長されるという点が言及されなければならない。3つのウェブピークが提供される場合、管のスロットが2つの外側面から少なくとも外部ウェブピークの最も高い地点まで延長される。
【0008】
幅広いテストを通じてウェブの個別半径の設計によって変わることが分かった。下記に与えられた値は14乃至37mmの平板管の幅及び/または1乃至2mm、特に、約1.5mmの本発明によるプロファイルの材料厚さ及び/または約4乃至6mmのウェブトラフ及びピークの接線の間隔に適用される。従って、半径と関しては、請求項3及び4による値が好ましく、この場合、本発明によるプロファイルを有する管板と平板管間で特に堅固な連結でつながるということが明らかになった。相違する半径を考慮して、このような半径は常にプロファイルの内側で、即ち、チューブの反対側で測定され、そして外側が(プロファイルを横切って進行する)ウェブが始まる位置を意味する場合、外側または外部半径がプロファイルの外側に近い半径を示すことが言及されなければならない。ここではプロファイルの断面形状が典型的に言及したウェブ進行方向の中心と関連して対称であることが言及されなければならない。
【0009】
また、研究範囲で少なくとも1つのウェブピークまたはトラフに少なくとも1つのフラットニング部がある場合、熱衝撃に耐える持続的な耐性にさらに有利である事実が明らかになった。
【0010】
広範囲な研究範囲ではこのようなフラットニング部の幅に対して請求項6による一般式が決定された。この場合、W1乃至W4の値のうち1つだけが満たされるべきであり、これは同様にR1乃至R5のうち1つ以上の半径にも適用されるという点が強調されなければならない。
【0011】
言及された方式で、本発明によるプロファイルはアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることができる。
【0012】
これは好ましくは少なくとも1つのプロファイルとハンダ付けされた多数の管、特に平板管にも同様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の本発明によるプロファイルの斜視図である。
図2図1に示されるプロファイルの断面図の細部拡大図である。
図3】本発明によるプロファイルの追加実施形態の図2に相応する図面である。
図4】本発明によるプロファイルの追加実施形態の図2に相応する図面である。
図5】本発明によるプロファイルの追加実施形態の図2に相応する図面である。
図6図2に示されるプロファイルの追加断面図である。
図7図2に示されるプロファイルの部分断面図である。
図8図4に示されるプロファイルの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示すように、冷却器の管板のための本発明のプロファイル(10)は長く延長された長方形状及び丸い角及びエッジを有するフラットシェルの形態を有する。図1による上部面で、図示されるプロファイル(10)は追加プロファイルにより閉鎖されて、その結果、作動中に典型的に垂直に整列される管板が製造される。図示されるプロファイル(10)の下で図1の方向設定によって、そして典型的に水平方向に装着状態でプロファイル(10)の「底部」に形成されたスロット(16)に多数の扁平管が挿入されている。本発明はほとんどスロット(16)間で維持される底部の断面形状と関連がある。図1による左側下部から右側上部方向に維持される底セクションの寸法は同じ方向にスロット(16)の寸法より若干大きいが、特に1.5乃至2.5倍大きい。
【0015】
図2では、底部のウェブ形態だけではなく追加で周辺を囲むウェブ(18)が示され、この時、前記ウェブはそれぞれのスロット(16)を囲み基本的に挿入される平板管の形態に相応する形態を有する。図6でさらに分かりやすいが、ウェブ(18)は相当な、好ましくは円周にわたって一定の高さ(H)を有し、このような高さは挿入される平板管とのハンダ連結を確実に保障する。スロット(16)とウェブ(18)は典型的にバーリング(burring)工法により形成されている。
【0016】
図2には、既にスロット(16)間でプロファイル(10)の本発明のウェブ形態が示され、前記ウェブ形態は図示される例では平板管(図示しない)側を向かう2つのウェブトラフ(12)と3つのウェブピーク(14)を有する。スロット(16)は大体2つの外側ウェブピーク(14)の最も高い地点まで延長される。
【0017】
図2には、18.5mmの幅(図2において左側から右側に測定される)を有する平板管に対するプロファイルが図示され、図3は14mmの幅に対するプロファイルを図示し、図4は25.2mmの平板管の幅に対するプロファイルを図示し、そして図5は36.4mmの平板管の幅に対するプロファイルを図示する。図3に示すように、ここでウェブは若干より平らで、図4及び図5による実施形態でウェブピークは下記と同様に図7及び図8を参照してさらに詳細に分解して説明される。
【0018】
図6には、半径(R1乃至R5)が示されるが、この場合は先ず前記半径が常に(図示しない)平板管の反対側に測定されたという点が強調されなければならない。この点で外側または外部半径は(側面)外側、即ち、図6で第1ウェブピーク(14.1)と関連して左側で測定される半径を意味する。これと異なって内側または内部半径は、第1ウェブピーク(14.1)の場合のように、例えば、R2のように、そして第1ウェブトラフ(12.1)の場合、R4のように、継続して内部に(図6においては継続して右側に)置かれた位置で測定される。また、図6に示される本発明によるプロファイル断面形態は第2の中央ウェブピーク(14.2)の中央に対称的であり、その結果、記述した方向表示とは反対に、図6によればプロファイルの右側半分に適用される。幅が18.5mmである平板管の好ましい値はR1=2.3mm、R2=2.6mm、R=1.9mm、R4=R5=1.9mm及びR5=4mmである。
【0019】
図7には、請求項6に提示されたフラットニング部が図示され、そして図6のプロファイルに対して図示されている。
【0020】
図8のプロファイルは、図4のプロファイルに相応して、この場合、好ましい設計に相応するようにさらに広い平面セクション(W3)が与えられる。
【符号の説明】
【0021】
10 プロファイル
12 ウェブトラフ
12.1 第1ウェブトラフ
12.2 第2ウェブピーク
14 ウェブピーク
14.1 第1ウェブピーク
14.2 第2の中央ウェブピーク
14.3 第3ウェブピーク
16 スロット
18 ウェブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8