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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029234
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】衣服構造
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20240227BHJP
   A41B 9/06 20060101ALI20240227BHJP
   A41D 27/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A41D13/00 115
A41B9/06 D
A41D27/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024003142
(22)【出願日】2024-01-12
(62)【分割の表示】P 2020539802の分割
【原出願日】2019-01-16
(31)【優先権主張番号】102018000001151
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】521223863
【氏名又は名称】トレレ・イノベーション・エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジーニ,ファビオ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】拘束又は締め付けなく制限のない自由な動きを許すジャージーを作るのに特に適した衣服構造を提供する。
【解決手段】衣服構造は、胴の前ゾーンと後ゾーンの両方に対応する第1の管状要素(2)と、第2の要素(3)であって、第2の要素(3)も、管状であり、腕と、肩と、胴の一部とに影響する第2の要素(3)と、から実質的になり、第1の要素(2)と第2(3)の両方は、環状機械によって得られて、編み生地であって、機能的及び構造的特徴が編み生地に、及び衣服に与えられることを可能にするそれぞれ異なる加工を提供する編み生地を作る。特に、第1の管状要素(2)は、ジャージーの長さを制限する下縁を有する円筒状の形態と、一対の輪郭に分割された上端と、を有する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ活動のためのベース層又は中間層のジャージーとして使用される衣服構造であって、
前記衣服構造の胴の前ゾーンと後ゾーンを有する第1の管状要素(2)であって、前記衣服構造の長さを制限する下縁(20)を有する円筒状の形態を有する前記第1の管状要素(2)と、
第2の管状要素(3)であって、着用者の腕と、肩と、前記胴の上部分とに着用されるよう構成された前記第2の管状要素(3)と、
を備え、
前記第1の管状要素(2)と前記第2の管状要素(3)は、編み生地及び衣服に機能的及び構造的特徴を付与可能な異なる加工を提供する、編み生地を作成するための環状機械によって得られるものであり、
前記第1の管状要素(2)は、2つのサイドを有する上端を有し、
前記上端は、第1の輪郭(22)と、第2の輪郭(23)とに分割されており、
前記第1の輪郭(22)は、横方向に、アーチ状であるが前記下縁(20)に平行な上縁(22a)と共に、サイドのラインによって画定されており、
前記第2の輪郭(23)は、トラペジウム構成で、及び中央に位置付けられたネックライン(24)で、前記第1の輪郭を延長してサイドのラインからつながっていくものであり、
前記第2の管状要素(3)は、成形された中央部分(32)から2つの袖が横方向に延びる円筒状の形態を有し、各袖は、対応する袖口に向けて延び、
前記衣服構造は、縫い又は編みの単一の接合ライン(5)のみを含み、前記第1の管状要素(2)は、前記単一の接合ライン(5)に沿って前記第2の管状要素(3)に接合されており、
前記単一の接合ライン(5)は、該単一の接合ライン(5)が着用者の腋窩の下又は肩のいずれの部分にも沿って延びないように、前記成形された中央部分の下縁に沿って形成されており、
前記衣服構造は、ユーザの頭が通過するための開口部が設けられており、
前記開口部は、前記ネックライン(24)の一部分を画定する前記第2の輪郭(23)の窪みと、前記ネックライン(24)の他の部分を画定する前記第2の管状要素(3)の窪みによって形成されている
ことを特徴とする、衣服構造。
【請求項2】
前記成形された中央部分(32)は、
1つのサイドには、前記第1の輪郭(22)のアーチ状の縁(22a)と連結されることができるようになるために、凹状の第1輪郭(33)を有し、
他方のサイドには、前記第1の管状要素(2)の前記第2の輪郭(23)の前記トラペジウム構成と連結する態様で構成された第2輪郭(34)を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項3】
前記第2の輪郭(23)の前記構成は、
サイドのラインから始まって、前記ネックライン(24)の一部を画定する窪みに達する第1の部分(23b)と、
前記ネックラインから始まって、他方のサイドのラインに達する第2の部分(23a)と、
を有する、ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項4】
前記第2輪郭(34)は、前記第2の輪郭(23)の第1の部分(23b)に接合されるように準備された第1のセグメント(34b)と、前記第2の輪郭(23)の第2の部分(23a)を有する第2のセグメント(34a)と、を含み、
前記第1のセグメント(34b)及び前記第2のセグメント(34a)の間には、窪み(35)があり、
前記窪み(35)は、前記ネックラインを完成して、前記ユーザの頭が通過するための開口部を形成する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の衣服構造。
【請求項5】
前記成形された中央部分(32)の形状は、不要な部分を前記第2の管状要素(3)から切り取ることによって得られ、次に、前記成形された中央部分は、接合される必要がある部分がぴったり合うまで、折り曲げられて、点の縫い又は編みのラインによって、前記第1の管状要素(2)の対応する部分に拘束される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項6】
スポーツ活動のためのベース層又は中間層のジャージーとして使用される衣服構造であって、
前記衣服構造の胴の前ゾーンと後ゾーンを有する第1の管状要素(2)であって、前記衣服構造の長さを制限する下縁(20)を有する円筒状の形態を有する前記第1の管状要素(2)と、
第2の管状要素(3)であって、着用者の腕と、肩と、前記胴の上部分とに着用されるよう構成された前記第2の管状要素(3)と、
を備え、
前記第1の管状要素(2)と前記第2の管状要素(3)は、編み生地及び衣服に機能的及び構造的特徴を付与可能な異なる加工を提供する、編み生地を作成するための環状機械によって得られるものであり、
前記第1の管状要素(2)は、2つのサイドを有する上端を有し、
前記上端は、第1の輪郭(22)と、第2の輪郭(23)とに分割されており、
前記第1の輪郭(22)は、横方向に、アーチ状であるが前記下縁(20)に平行な上縁(22a)と共に、サイドのラインによって画定されており、
前記第2の輪郭(23)は、前記第1の輪郭を延長してサイドのラインからつながっていくものであり、
前記第2の管状要素(3)は、成形された中央部分(32)から2つの袖が横方向に延びる円筒状の形態を有し、各袖は、対応する袖口に向けて延び、
前記衣服構造は、縫い又は編みの単一の接合ライン(5)のみを含み、前記第1の管状要素(2)は、前記単一の接合ライン(5)に沿って前記第2の管状要素(3)に接合されており、
前記単一の接合ライン(5)は、該単一の接合ライン(5)が着用者の腋窩の下又は肩のいずれの部分にも沿って延びないように、前記成形された中央部分の下縁に沿って形成されており、
前記衣服構造は、ユーザの頭が通過するための開口部が設けられており、
前記衣服構造は、上部輪郭が常に一対の輪郭に分割されている前記第1の管状要素(2)を有し、
前記第1の輪郭(22)は、後ろに位置付けられているのに対して、前記第2の輪郭(23)は、前に位置付けられていて上部(23a)を有し、
前記上部(23a)は、後部の前記第1の輪郭(22)の構成と完全に同様な態様で、アーチ状でありかつ前記下縁(20)に平行であり、
この構成で、前記成形された中央部分(32)は、ユーザの頭が通過するための開口部(35)を有する、
ことを特徴とする、衣服構造。
【請求項7】
スポーツ活動のためのベース層又は中間層のジャージーとして使用される衣服構造であって、
前記衣服構造の胴の前ゾーンと後ゾーンを有する第1の管状要素(2)であって、前記衣服構造の長さを制限する下縁(20)を有する円筒状の形態を有する前記第1の管状要素(2)と、
第2の管状要素(3)であって、着用者の腕と、肩と、前記胴の上部分とに着用されるよう構成された前記第2の管状要素(3)と、
を備え、
前記第1の管状要素(2)と前記第2の管状要素(3)は、編み生地及び衣服に機能的及び構造的特徴を付与可能な異なる加工を提供する、編み生地を作成するための環状機械によって得られるものであり、
前記第1の管状要素(2)は、2つのサイドを有する上端を有し、
前記上端は、第1の輪郭(22)と、第2の輪郭(23)とに分割されており、
前記第2の輪郭(23)は、前記第1の輪郭を延長してサイドのラインからつながっていくものであり、
前記第2の管状要素(3)は、成形された中央部分(32)から2つの袖が横方向に延びる円筒状の形態を有し、各袖は、対応する袖口に向けて延び、
前記衣服構造は、縫い又は編みの単一の接合ライン(5)のみを含み、前記第1の管状要素(2)は、前記単一の接合ライン(5)に沿って前記第2の管状要素(3)に接合されており、
前記単一の接合ライン(5)は、該単一の接合ライン(5)が着用者の腋窩の下又は肩のいずれの部分にも沿って延びないように、前記成形された中央部分の下縁に沿って形成されており、
前記衣服構造は、ユーザの頭が通過するための開口部が設けられており、
前記衣服構造は、一対の輪郭に分割された前記上縁を有する前記第1の管状要素(2)を有し、
前記第1の輪郭(22)が、後ろに位置付けられており、サイドのラインによって横方向に境界付けられており、トラペジウム構成を有し、
ネックライン(24)が、中央に配置されているのに対して、前記第2の輪郭(23)が、上縁を有し、
前記上縁が、アーチ状でありかつ前記下縁(20)に平行である、ことを意味する
ことを特徴とする、衣服構造。
【請求項8】
前記第2の管状要素(3)の前記形態は、前記第2の管状要素(3)全体でシームレスなデザイン及び/又は加工が得られることを、可能にしており、パターン及び装飾的な飾りが得られること並びに/又はシームレスな編みのレベルでの加工を、可能にしている、ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項9】
前記生地が及ぼすことができる張力が、前記肩を含み背中/チェストの上部分も含む単一のピースで、上肢の長さ全体にわたってシームレスかつ均一に分散されることが理由となって、前記衣服構造の構成は、前記ジャージーの後部分/前部分に、より大きな調整された張りが与えられることを可能にして、肩及び腕の自由な動きを改善して、よりサポートされている、したがってより適正な前記肩及び前記背中の姿勢を、ユーザに獲得させるように寄与し、
前記衣服構造及びニットウェアの張力は、ユーザに適正な姿勢を取り入れさせるように寄与する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項10】
前記衣服構造によって、特定の糸によって前記肩のサポートを管理することが、可能であり、それぞれ異なる伸縮性及び張力付与を有する適切な張りゾーンを、編成によって前記ジャージーに作り出し、
前記編成は、前記編成のプロセスによって、機能的特徴が得られることを可能にし、
したがって、前記ジャージーの上部分に、構成されている通りの前記第2の管状要素を有するシームレスな生地があるから、縫い目によって何ら遮断されることもなく、前記部分の全体において、シームレスな力のラインが得られ、
したがって、前記力のラインを、意のままに、かつ必要性に基づいて、境界付けられたジャージーのセクションに前記生地を制限するように強制されることなく増強し、徐々に変化を付け、分散することが可能である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拘束又は締め付けなく制限のない自由な動きを許すジャージーを作るのに特に適した衣服構造に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、いっそう専門的な性能をもった衣服を有する必要性が、汎用性、快適性、及び自由な動きへの、極めて具体的なニーズに応えられるようになるためにいっそう高性能で的を絞った製造のプロセス及び方法を開発するための研究を導いてきた。
【0003】
知られているように、スポーツ活動のために、またスポーツ活動のためだけでなく、ユーザは、明確に定義された要件を満たすことができる衣類(clothing)を求める。実際、衣服は、着用が容易でなければならず、動きの自由と自然さとをいっそう高めなければならず、拘束され(restricted)又は制約されている(constrained)とユーザに感じさせてはならない。さらに、衣服は、心地よく魅力的な格別の外観を有することに加えて、着用されているときに、優れた健康感を提供しなければならない。
【0004】
ベース層と中間層のアンダーウェアの両方の大部分は、縫い目がないべきであり、柔らかく滑らかでなければならず、第2の皮膚のように体に理想的に適合しなければならないが、しかし何よりも外側の衣類の下でそれ自体が人目についてはならず、縫い目は、持ち上げられる故に、目に留まり、生地の他の部分よりも硬く厚い故に、不快である。
【0005】
現在、衣服は、その衣服を非常にしなやかで伸張性のあるものにする、伸縮性があるか又は伸縮性を与えられた糸を、編みの中に有するものが作られており、その衣服のそれぞれ異なる部分を接合する縫い目の存在により、伸縮性がより低く、柔らかさがより低く、かつ皮膚に触れると不快で、かつほとんど伸張性がほとんどないためユーザの動きを制約し制限するゾーンが、作り出される。
【0006】
知られているように、アンダーウェア及びスポーツウェアにおいて、縫い目は、もはや美感上許容できないものである。それは、これらの衣服が、非常にぴっちりとしていて、皮膚に触れるものであり、縫い目が、不快感、刺激、美感上の欠点につながるものだからこそである。それ故、ユーザによる着用性を改善することと、不快な張りゾーンを低減することとの両方のために、縫い目の量が最少となる衣服を作ることに重点が置かれる。
【0007】
さらに、考慮される別の面は、加工ステップを減らすことが、機械の量がより少ないということによって結果的にエネルギーコストがより安くなるということのほか、生産コストに著しく影響するため、縫い目を減らすことが、衣服の仕上げコストがより安くなることを意味する、ということから生じる。衣服の縫い目を減らすことの別の面によって、より速いサンプリングによって生産を直ちに準備することが、可能になる。
【0008】
前述のように、ベース層と中間層の両方のアンダーウェアのユーザは、体への最適な密着性及び軽さと、高い快適性を保証する特徴とを有し、機能的であり、かつプロフェッショナルとアマチュアの両方のユーザに、最大の動きの余裕及び健康を保証する衣服の必要性を強く感じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここまでに説明されてきたものに加えて、市場が感じてきた必要性の1つは、様々なスポーツ分野に利用可能な、いっそう人間工学的なアンダーウェアを有することができ、一連の過激な動きさえも、最も完全な快適性をもって、何らの締め付け(constriction)若しくは制限(limitation)又は重量の感覚もなく、同時に理想的な蒸発及び熱調節並びにその衣服が接触する体の部分の良好な保護を促進しながら、ユーザが行えるようにし、しかしまた、その衣服は、心地よくかつ魅力的な美的外観を有し、とりわけ軽く柔らかく、かつ確実にかさばらないしボリュームあるものでないものでもある、ということへの必要性である。
【0010】
本発明の目的は、実質的には、着用時に、何らの締め付け又は制限の感覚もなく最大の自由な動きをユーザに提供し、かつ最適な快適性を有する衣服構造によって、上記の欠点を克服することによって、従来技術の問題を解決することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、衣服構造を作ることである。この衣服構造は、衣服に構造的特徴を与える、この構造的特徴は、縫い目によって腕及び肩の動きに課される不快感及び制限を取り除くことができるようになるために、機能的特徴に変換される。
【0012】
本発明の第3の目的は、肩及び袖のゾーン全体でシームレスなグラフィックデザイン及び/又は加工が得られることを可能にする衣服構造を作ることである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、肩のサポートを管理及び調整することができる可能性を与える衣服構造を作ることである。
【0014】
最後に重要なことだが、本発明の目的は、作ることが容易でありかつ良好な機能性を有する衣服構造を作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この説明の過程でより明確になるであろう、これらの目的及びさらなる他の目的は、以下の特許請求の範囲に記載されるように、衣服構造(garment structure)によって実質的に達成される。
【0016】
さらなる特徴及び利点は、単に例示的な、したがって非限定的な目的のために提供される添付の図面を参照して、以下で与えられる本発明による衣服構造の詳細な説明によって、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明による衣服の正面図である。
図1B】本発明による衣服の背面図である。
図2A図1の衣服の一バージョンの正面図である。
図2B図1の衣服の一バージョンの背面図である。
図3A】本件の構造に従って作られた衣服の別のバージョンの正面図である。
図3B】本件の構造に従って作られた衣服の別のバージョンの背面図である。
図4図1の衣服の広がりを概略的に示す図である。
図5A】本発明による衣服構造の第1の組立てステップを示す図である。
図5B】本発明による衣服構造の第1の組立てステップを示す図である。
図6A図5の衣服構造の第2の組立てステップを示す図である。
図6B図5の衣服構造の第2の組立てステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
挙げられている図を参照すると、本発明による構造で作られた衣服(garment)が、全体として1で示されている。
【0019】
本件の衣服は、実質的に前部、後部、及び袖からなるプロフェッショナルとアマチュアの両方のスポーツ活動のための、ベース層(base layer)又は中間層(midlayer)タイプのジャージー(jersey)である。
【0020】
本発明によれば、ジャージーを作るための本件の衣服構造1は、第1の管状要素2と、第2の要素3とから実質的になる。第1の管状要素2は、前胴と後胴の両方のゾーンに対応する。第2の要素3も、管状であり、縫うか又は編むことによって、単一の接合ラインによって一緒に接合される腕と、肩と、胴の一部とに影響する。
【0021】
より詳細には、同じ出願人の特許出願第102017000151111号明細書に示されているものと同様に、第1の要素2と第2の要素3の両方は、環状機械によって得られて、機能的及び構造的特徴が編み生地(knitted fabric)に、したがって衣服に与えられることを可能にするそれぞれ異なるプロセスを提供する編成体(knitted weave)を作る。
【0022】
この実施形態によれば、第1の管状要素2は、ジャージーの長さを制限する下縁20を有する円筒状の形態と、一対の輪郭(profiles)に分割された上端と、を有する。一対の輪郭は、図5Bに示されているように、横方向に、わずかにアーチ状であるが下縁20に実質的に平行な上縁22aと共に、サイドのラインによって画定された第1の後部輪郭(first rear profile)22と、図5Aに示されているように、トラペジウム構成(trapezium configuration,台形構成)で、及び中央に位置付けられたネックライン24で、第1の輪郭を延長してサイドのラインからつながっていく、第2の前部輪郭(second front profile)23と、である。より詳細には、第2の輪郭23の構成は、サイドのラインから始まって、ネックライン24の一部を画定する窪みに達する第1の部分23bと、そのネックラインから始まって、他方のサイドのラインに達する第2の部分23aと、を有する。
【0023】
特に、第2の管状要素3は、その広がりで図4に示されており、円筒状の形態を有する。円筒状の形態において、各横方向端30a及び30bは、袖31a及び31bの袖口に対応している。袖31a及び31bは、成形された中央部分32によって、互いに接続されている。
【0024】
成形された部分32は、後部分には、図6Bに示されているように、第1の輪郭(first profile)22のアーチ状縁22aと連結されることができるようにわずかに凹状の、輪郭(contour)33を有するのに対して、前部分には、第1の要素2の前部第2の輪郭(front second profile)23のトラペジウム構成と連結するように構成された輪郭(contour)34を有する。
【0025】
本実施形態では、輪郭34は、第1の管状要素2の第1の部分23bに接合されるように準備された第1のセグメント34bと、第1の管状要素2の第2の部分23aに接合されるように準備された第2のセグメント34aと、を含む。
【0026】
特に、セグメント34bと34aの間には、窪み35がある。窪み35は、ネックラインを完成して、ユーザの頭が通過するための開口部を形成する。
【0027】
本発明によれば、中央部分32の形状は、管状要素から不要な部分を切り取ることによって得られ、次に、中央部分32の形状は、図5A図5B図6A及び図6Bの一連の図に示されているように、点を縫うか又は編むことによって、第1の管状要素の対応する部分に接合される。
【0028】
より詳細には、述べたように、第2の管状要素3は、一旦作られると、図5Aに示されているように、中央で切断されて中央部分32を作って、成形され、それから、図6A及び6Bに示されているように、接合される必要がある部分がぴったり合うまで、折り曲げられる。
【0029】
本発明によれば、本件の衣服構造では、第1の要素2を第2の要素3に接合するためには、単一の縫いラインで十分である。
【0030】
図2A及び図2Bに示されているように、本件の構造の1つのバージョンは、上部輪郭(upper profile)が常に一対の輪郭に分割されている第1の要素を提供し、この場合、第1の後部輪郭22は、先の輪郭と同じであり、第2の前部輪郭23は、上部23aを有し、上部23aは、後部輪郭の構成と完全に同様な態様で、わずかにアーチ状であり、かつ下縁20に実質的に平行である。この構成では、中央部分32は、ユーザの頭のための開口部35を有する。この構成でも、2つの要素を互いに接合するために、単一の縫いライン5が、必要である。
【0031】
図3A及び図3Bに示されている別のバージョンは、上部輪郭が一対の輪郭に分割されている第1の管状要素2を提供する。ここで、一対の輪郭は、それらの間で交換されている。
【0032】
実際、第1の後部輪郭22は、図3Bに示されているように、サイドのラインによって横方向に境界付けられており、トラペジウム構成と中央に配置されたネックライン24とを有するのに対して、第2の輪郭23は、図3Aに示されているように、わずかにアーチ状でありかつ下縁20に実質的に平行である上縁を有する。
【0033】
この場合でも、2つの要素2及び3を接合するために、単一の縫いラインが、必要である。
【0034】
本衣服構造は、それが構成される方法が理由で、腕及び肩の、非常に広い自由な動きを許している。自由な動きは、腋窩(armpit)の下及び/又はアームホール(arm hole)内のより硬く伸縮性のより低い生地の部分によって、制限又は制約されることがない。自由な動きが、腋窩の下及び/又はアームホール内のより硬く伸縮性のより低い生地の部分によって、制限又は制約されることは、現在のジャージーにおいて、これらのゾーン内の縫い目の存在が理由で起こるようなものである。さらに、この形態では、袖がユーザの腕の長さに依存してより長く又はより短くなることがない。袖がユーザの腕の長さに依存してより長く又はより短くなることは、アームホール内に縫いラインが存在することによって袖の長さが決まり制限されるのが理由で、現在起こるようなものである。
【0035】
特に、まさに縫い目の位置が理由で、ユーザは、いずれの方向への腕及び肩の動きにも、何らの制限及び/又は不快感も被らない。これは、スポーツパーソンが、スポーツの動きを最適な効果へと、締め付け又は制限なしに管理することを可能にする。
【0036】
ここまでに説明されてきたものに加えて、第2の要素3の特定の形態は、すべての部分(腕、肩、チェスト(chest))にわたってシームレスなパターンが得られることを、可能にする。従来技術のパッケージングシステムでは考えられない実現不可能なものであったパターン並びに装飾的な飾り及び/又は加工が、シームレスな編みのレベルで得られることを、可能にする状況である。
【0037】
本発明によれば、本件の衣服構造の構成は、ジャージーの後部分に、より大きな調整された張りが与えられることを可能にして、肩及び腕の自由な動きを改善する。生地(fabric)が及ぼすことができる張力が、肩を含み背中の上部分も含む単一のピースで、上肢の長さ全体にわたってシームレスかつ均一に分散されるからである。さらに、縫い目は、アームホールのような、不快感をもたらす可能性のあるゾーン内にはない。
【0038】
先にちょうど説明したように、管状要素の面全体にわたって、又はプリセットされたセクターで特定の均一な伸縮性があるか又は伸縮性を与えられた糸及び編みを使用して、シームレスかつ均一な加工を得ることができるのであるから、よりサポートされている、したがってより適正な肩及び背中の姿勢をユーザに獲得させることに寄与する生地の硬さ(fabric consistency)を得ることが可能である。
【0039】
実際、本件の衣服構造では、特定の糸によって肩のサポートを意のままに管理することが可能であり、編成によって可能にされるそれぞれ異なる伸縮性及び張力付与を有する適切な張りゾーンをジャージーに作り出すことが可能である。ここで、編成(knitting)は、編成の構造によって、機能的特徴が得られることを可能にする。ジャージーの上部分に、構成されている通りの第2の管状要素を有するシームレスな生地があるから、シームレスな生地を、意のままに、かつ必要性に基づいて、そのシームレスな生地を限られたジャージーのセクションに制限するように強制されることなく増強し、徐々に変化を付け、分散することが可能となるように、縫い目によって何ら遮断されることもなく、その部分の全体において、シームレスな力のラインが得られる。
【0040】
さらに、後部分について開示されているように、本構造の構成は、衣服が、例えばサイクリストが閉じたコンパクトなチェストの姿勢を維持することを、支援できるように、前部分が張力付与されることも可能にする。この姿勢は、サイクリストが、より空力的になることを可能にする。このようにして、ジャージーの構造、及び生地の張りは、より少ない労力でこの姿勢を取り入れて維持するための助けを提供する。
【0041】
前述のように、それぞれ異なるニーズを満たすことができるようになるために、プリセットされたゾーンでそれぞれ異なる加工が得られていて、編み生地の構成によって所望の機能的特性が与えられることを、可能にしている。
【0042】
実際、糸の組み合わせ、太さの組み合わせ、及びジャージーの形成の選択は、編成のプロセスについての先のセッティングが、得られることとなる組織化された生地をもたらすように、その糸で構成されることとなる構造に基づいた結果をもたらす。組織化された生地は、断熱及び保護を得るための、厚いか若しくはより目の粗い編みを通して、又はユーザに適正な姿勢を取り入れさせるように寄与するジャージーへのプリセットされた張力付与によって、通気性と熱調節と汗の排出とを促進する。
【0043】
実際、あらゆるスポーツにおいて、そのスポーツに固有の動きをトレーニングする傾向があり、そのため、それが、最良のスポーツパフォーマンスを得るための唯一のシステムである。
【0044】
スポーツに固有の動きを行うということは、単に一定の筋肉の集まりによる筋肉収縮の結果なのではなく、筋肉の動きの、順番になったいくつかの連鎖の集合である。
【0045】
この連鎖内のあらゆる不均衡又はストレスは、表される筋力とパフォーマンスの持続時間との両方に影響する。
【0046】
このベースコンディションを有することができるようになるために、動きの全継続期間中に骨レバー(bone levers)を向き付けして安定させる一連の筋肉の事前活性化が必要である。
【0047】
生地の形態と一緒に構成されている通りの衣服構造で、労力を減らし抵抗力を高めることによって、パフォーマンスのために適切な姿勢になるようにスポーツパーソンを調整することによって、スポーツパーソンを支援することによって、この構造が、どのようにして機械的に準備され適正な位置合わせを促進してスポーツパーソンに利益をもたらすのかが分かっている。実際、スポーツの動きの実行中、様々な筋肉構造、被膜(capsular)構造、及び腱の構造は、様々な骨セグメントの、力、張力、及び空間内の位置に関する情報を、リアルタイムで脳に送るのであり、そのため、衣服の構造及び生地が、固有受容作用を行う、姿勢への刺激を与える可能性は、良好な筋力の蓄えを有している必要性と同じくらい、根本に関わることである。
【0048】
さらにこのタイプの促通(facilitation)が、筋肉の集まりの自然な向きに従い、制約する要素(constraining elements)(縫い目,stitching)が構造にないために筋肉の集まりに対して制限とならない場合、衣服の下の、感覚機能と筋肉の集まりの滑動との両方が、改善する。
【0049】
それらが改善する場合、パフォーマンスがより良好に、エネルギー支出がより少なく、持久力がより高くなるように、同じ動きが、より正確に、より少ない労力で行われる。
【0050】
最後に、自由な動きが可能であることは、過負荷の繰り返しから生じるプロフェッショナルの者にとっては摩擦を減らすし、例えばウォーミングアップなどの、予防策に入念でないことが多いアマチュアの者の外傷の発生を減らすことができる。
【0051】
主に構造的な意味で開示してきたものに続き、本件の発明の動作は、以下の通りとなっている。
【0052】
ユーザが、一連の反復的な動きが行われかつ労力を必要とするスポーツ活動に携わることを意図するとき、そのユーザは、制限のない自由な動き、動きにおける快適性と健康の感覚、しかしまた適正かつ適切な熱調節、及びその結果としての、皮膚の心地よい感覚を確かなものにする良好な蒸発を得るために、スポーツ活動のタイプ専用の、本発明による衣服を着用することだけが必要である。
【0053】
さらに、衣服は、ユーザが、様々な動き及び努力の中で保護され、打撃にさらされる可能性のあるゾーンで保護され、かつ、常に乾いた生地を皮膚に触れさせていることを、可能にする。
【0054】
さらに、より優れた着用性(wearability,耐久性)及びサポートを有する体の様々な部分のための調整された伸縮性があることに加えて、ユーザは、腕の動きと肩の動きとの両方において、締め付け又は制限を感じず、ユーザは、腋窩の下又はアームホール内において、それらのゾーンに縫い目がないため不快感を有しない。
【0055】
このようにして、本発明は、提示されている目的を達成する。
【0056】
本件の衣服構造は、何らの締め付け又は制限の感覚もなく、着用時の優れた快適性と共に、最大の自由な動きをユーザに保証する。
【0057】
有利には、衣服の構造、及び衣服の生地を作るプロセスは、Inizio modulo構造的特徴が、衣服に割り当てられることを可能にする。この構造的特徴は、縫い目によって腕及び肩の動きに課される不快感及び制限を取り除くことができるようになるために、機能的特徴に変換される。
【0058】
さらに、本衣服構造は、肩及び袖のゾーン全体でシームレスなグラフィックデザイン及び/又は加工が得られることを可能にする。従来技術のジャージーの構成では考えられなかった美的構成が作り出されることを、可能にする状況である。特に、縫い目によって遮断されることなく、その部分の全体にわたってシームレスな力のラインを有する構成である。
【0059】
本発明による衣服構造で強調される別の利点は、サポートがチェストの前部分にある場合に、自然な姿勢のための支援及びサポートと、一定の姿勢を取り入れる際の促通と、を提供する肩のためのサポートを管理及び調整できる可能性である。
【0060】
さらに、本衣服構造は、衣服が作り出されることを可能にする。その衣服は、ユーザの体の生理学的特徴及び形態に適応することによって第2の皮膚となり、優れた通気性、筋肉のレベルでの良好な密着性、及び問題が起きる可能性がある体の部分への保護を忘れることなく、最適な快適性、着用時の健康感、及び制限のない自由な動きを提供する。
【0061】
有利なことに、本構造で得られる衣服は、非常に軽く薄く、そのためベース層として使用されるときと中間層として使用されるときの両方において空間を占めず、この衣服を着用している人に、最適な、自由な動きを与える。
【0062】
この衣服で得られる1つの利点は、縫い目による邪魔で不快な要素並びに制限及び締め付けの感覚が取り除かれるから、ユーザのパフォーマンスが促進及び支援されることを可能にするということである。
【0063】
さらに、縫い目を減らすことが、加工ステップの減少を伴う、衣服のより低い仕上げコストにつながるということによって、本衣服構造の別の面が生じる。ここで、加工ステップの減少を伴う、衣服のより低い仕上げコストは、生産コストに大きな影響を与えるものであり、かつ、結果的なエネルギーの節約を伴って、機械の数を減少させる。特に、衣服の縫い目を減らすことは、より迅速なサンプリングによって、直ちに準備される製品を得ることを可能にして、従来技術の構造では容易に実現できない、衣服のより広い選択肢及びパーソナライゼーションを公衆に提供することを可能にする。
【0064】
さらなる利点は、本件の衣服構造が、作るのが簡単であり、かつ良好な機能性を有するということによる。
【0065】
当然のことであるが、すべて本発明を特徴付ける発明概念の範囲内にある多数の修正及び変形が、本発明に対してなされることができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ活動のためのベース層又は中間層のジャージーとして使用される衣服構造であって、
前記衣服構造の胴の前ゾーンと後ゾーンを有する第1の管状要素(2)であって、前記衣服構造の長さを制限する下縁(20)を有する円筒状の形態を有する前記第1の管状要素(2)と、
第2の管状要素(3)であって、着用者の腕と、肩と、前記胴の上部分とに着用されるよう構成された前記第2の管状要素(3)と、
を備え、
前記第1の管状要素(2)と前記第2の管状要素(3)は、丸編み機により作成された編み生地で形成されており
前記第1の管状要素(2)は、2つのサイドを有する上端を有し、
前記上端は、第1の輪郭(22)と、第2の輪郭(23)とに分割されており、
前記第1の輪郭(22)は、横方向に、前記第1の管状要素の前記上端の上縁(22a)と共に、サイドのラインによって画定されており、前記上縁は、アーチ状であるが前記下縁(20)に平行であり、
前記第2の輪郭(23)は、トラペジウム構成で、及び該トラペジウム構成の中央に位置付けられたネックライン(24)で、前記第1の輪郭を延長して2つのサイドのラインからつながっていくものであり、
前記第2の管状要素(3)は、円筒状の形態を有し、前記編み生地のシームレスな部分で形成されており、
前記第2の管状要素(3)は、着用者の前記胴の上部分に着用されるよう構成された胴領域と、前記胴領域の対向する側端部にそれぞれ設けられた2つの中間肩領域と、2つの袖とを含み、
各袖は、近位端から遠位端まで延び、前記遠位端において袖口を有すると共に、前記近位端においてアームホール開口部を有し、
各袖の前記近位端は、前記胴領域が前記中間肩領域によって前記袖から間隔が空けられるように、前記中間肩領域のそれぞれの1つに隣接しており、
記第1の管状要素(2)は、縫い又は編みの単一の接合ライン(5)によって、前記第2の管状要素(3)に接合されており、
前記単一の接合ライン(5)は、前記第1の管状要素の前記第1の輪郭及び前記第2の輪郭の全ての縁と、前記第2の管状要素の前記胴領域及び前記中間肩領域の全ての下縁に沿って連続的に形成されており、
前記第2の管状要素の前記胴領域及び前記中間肩領域の全ての下縁は、前記衣服構造が直立構成にあるときに、前記衣服構造の鉛直中間点よりも上方に位置し、
前記衣服構造は、前記単一の接合ラインが2つの前記袖から間隔が空けられるように、前記単一の接合ラインが各アームホール開口部まで延びないように構成されており、
前記衣服構造は、ユーザの頭が通過するための開口部が設けられており、
前記開口部は、前記ネックライン(24)の一部分を画定する前記第2の輪郭(23)の窪みと、前記ネックライン(24)の他の部分を画定する前記第2の管状要素(3)の窪みによって形成されている
ことを特徴とする、衣服構造。
【請求項2】
前記成形された中央部分(32)は、
1つのサイドには、前記第1の輪郭(22)のアーチ状の縁(22a)と連結されることができるようになるために、凹状の第1輪郭(33)を有し、
他方のサイドには、前記第1の管状要素(2)の前記第2の輪郭(23)の前記トラペジウム構成と連結する態様で構成された第2輪郭(34)を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項3】
前記第2の輪郭(23)の前記構成は、
サイドのラインから始まって、前記ネックライン(24)の一部を画定する窪みに達する第1の部分(23b)と、
前記ネックラインから始まって、他方のサイドのラインに達する第2の部分(23a)と、
を有する、ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項4】
前記第2輪郭(34)は、前記第2の輪郭(23)の第1の部分(23b)に接合されるように準備された第1のセグメント(34b)と、前記第2の輪郭(23)の第2の部分(23a)を有する第2のセグメント(34a)と、を含み、
前記第1のセグメント(34b)及び前記第2のセグメント(34a)の間には、窪み(35)があり、
前記窪み(35)は、前記ネックラインを完成して、前記ユーザの頭が通過するための開口部を形成する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の衣服構造。
【請求項5】
前記成形された中央部分(32)の形状は、不要な部分を前記第2の管状要素(3)から切り取ることによって得られ、次に、前記成形された中央部分は、接合される必要がある部分がぴったり合うまで、折り曲げられて、点の縫い又は編みのラインによって、前記第1の管状要素(2)の対応する部分に拘束される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項6】
スポーツ活動のためのベース層又は中間層のジャージーとして使用される衣服構造であって、
前記衣服構造の胴の前ゾーンと後ゾーンを有する第1の管状要素(2)であって、前記衣服構造の長さを制限する下縁(20)を有する円筒状の形態を有する前記第1の管状要素(2)と、
第2の管状要素(3)であって、着用者の腕と、肩と、前記胴の上部分とに着用されるよう構成された前記第2の管状要素(3)と、
を備え、
前記第1の管状要素(2)と前記第2の管状要素(3)は、丸編み機により作成された編み生地で形成されており
前記第1の管状要素(2)は、2つのサイドを有する上端を有し、
前記上端は、第1の輪郭(22)と、第2の輪郭(23)とに分割されており、
前記第1の輪郭(22)は、横方向に、前記第1の管状要素の前記上端の上縁(22a)と共に、サイドのラインによって画定されており、前記上縁は、アーチ状であるが前記下縁(20)に平行であり、
前記第2の輪郭(23)は、前記第1の輪郭を延長して2つのサイドのラインからつながっていくものであり、
前記第2の管状要素(3)は、成形された中央部分(32)から2つの袖が横方向に延びる円筒状の形態を有し、各袖は、対応する袖口に向けて延び、
前記衣服構造は、縫い又は編みの単一の接合ライン(5)のみを含み、前記第1の管状要素(2)は、前記単一の接合ライン(5)に沿って前記第2の管状要素(3)に接合されており、
前記単一の接合ライン(5)は、該単一の接合ライン(5)が着用者の腋窩の下又は肩のいずれの部分にも沿って延びないように、前記成形された中央部分の下縁に沿って形成されており、
前記衣服構造は、ユーザの頭が通過するための開口部が設けられており、
前記衣服構造は、前記上端が常に一対の輪郭に分割されている前記第1の管状要素(2)を有し、
前記第1の輪郭(22)は、後ろに位置付けられているのに対して、前記第2の輪郭(23)は、前に位置付けられていて上部(23a)を有し、
前記上部(23a)は、後部の前記第1の輪郭(22)の構成と完全に同様な態様で、アーチ状でありかつ前記下縁(20)に平行であり、
この構成で、前記成形された中央部分(32)は、ユーザの頭が通過するための開口部(35)を有する、
ことを特徴とする、衣服構造。
【請求項7】
スポーツ活動のためのベース層又は中間層のジャージーとして使用される衣服構造であって、
前記衣服構造の胴の前ゾーンと後ゾーンを有する第1の管状要素(2)であって、前記衣服構造の長さを制限する下縁(20)を有する円筒状の形態を有する前記第1の管状要素(2)と、
第2の管状要素(3)であって、着用者の腕と、肩と、前記胴の上部分とに着用されるよう構成された前記第2の管状要素(3)と、
を備え、
前記第1の管状要素(2)と前記第2の管状要素(3)は、丸編み機により作成された編み生地で形成されており
前記第1の管状要素(2)は、2つのサイドを有する上端を有し、
前記上端は、第1の輪郭(22)と、第2の輪郭(23)とに分割されており、
前記第2の輪郭(23)は、前記第1の輪郭を延長してサイドのラインからつながっていくものであり、
前記第2の管状要素(3)は、成形された中央部分(32)から2つの袖が横方向に延びる円筒状の形態を有し、各袖は、対応する袖口に向けて延び、
前記衣服構造は、縫い又は編みの単一の接合ライン(5)のみを含み、前記第1の管状要素(2)は、前記単一の接合ライン(5)に沿って前記第2の管状要素(3)に接合されており、
前記単一の接合ライン(5)は、該単一の接合ライン(5)が着用者の腋窩の下又は肩のいずれの部分にも沿って延びないように、前記成形された中央部分の下縁に沿って形成されており、
前記衣服構造は、ユーザの頭が通過するための開口部が設けられており、
前記衣服構造は、一対の輪郭に分割された前記上を有する前記第1の管状要素(2)を有し、
前記第1の輪郭(22)が、後ろに位置付けられており、サイドのラインによって横方向に境界付けられており、トラペジウム構成を有し、
ネックライン(24)が、中央に配置されているのに対して、前記第2の輪郭(23)が、上縁を有し、
前記上縁が、アーチ状でありかつ前記下縁(20)に平行である、ことを意味する
ことを特徴とする、衣服構造。
【請求項8】
前記第2の管状要素(3)の前記形態は、前記第2の管状要素(3)全体でシームレスなデザイン及び/又は加工が得られることを、可能にしており、パターン及び装飾的な飾りが得られること並びに/又はシームレスな編みのレベルでの加工を、可能にしている、ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項9】
前記生地が及ぼすことができる張力が、前記肩を含み背中/チェストの上部分も含む単一のピースで、上肢の長さ全体にわたってシームレスかつ均一に分散されることが理由となって、前記衣服構造の構成は、前記ジャージーの後部分/前部分に、より大きな調整された張りが与えられることを可能にして、肩及び腕の自由な動きを改善して、よりサポートされている、したがってより適正な前記肩及び前記背中の姿勢を、ユーザに獲得させるように寄与し、
前記衣服構造及びニットウェアの張力は、ユーザに適正な姿勢を取り入れさせるように寄与する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。
【請求項10】
前記衣服構造によって、特定の糸によって前記肩のサポートを管理することが、可能であり、それぞれ異なる伸縮性及び張力付与を有する適切な張りゾーンを、編成によって前記ジャージーに作り出し、
前記編成は、前記編成のプロセスによって、機能的特徴が得られることを可能にし、
したがって、前記ジャージーの上部分に、構成されている通りの前記第2の管状要素を有するシームレスな生地があるから、縫い目によって何ら遮断されることもなく、前記部分の全体において、シームレスな力のラインが得られ、
したがって、前記力のラインを、意のままに、かつ必要性に基づいて、境界付けられたジャージーのセクションに前記生地を制限するように強制されることなく増強し、徐々に変化を付け、分散することが可能である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の衣服構造。