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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029256
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】支柱連結具
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/34 20060101AFI20240227BHJP
   E04G 1/04 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
E04G7/34 303A
E04G1/04
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006410
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2020087526の分割
【原出願日】2020-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】395002098
【氏名又は名称】平和技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(72)【発明者】
【氏名】内橋 幹雄
(57)【要約】
【課題】連結される支柱間の距離を選択でき、支柱の設置位置に制限を受け難く、様々な形状の建築物に対応して、建築物の外周に沿うように確実に足場を設置できる汎用性及び施工性に優れた支柱連結具を提供する。
【解決手段】第1のパイプ部12の一側と第2のパイプ部13の他側が回動連結手段14を介して鉛直回動軸15を中心に水平面内で回動可能に連結された連結パイプ材16を備え、第1のパイプ部12の他端及び第2のパイプ部13の一端には、隣り合う各支柱11の側部に設けられた平面視してコ字状の係止部20に挿抜可能に装着される垂直楔材21がそれぞれ取り付けられ、回動連結手段14は、第1のパイプ部12の一側に取り付けられ第2のパイプ部13の他側を上下から挟持する連結保持部17と、連結保持部17及び第2のパイプ部13を貫通し鉛直回動軸15となるボルトと、ボルトに螺着されるナット18とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立足場の隣り合う支柱同士を水平方向に連結する支柱連結具であって、
直列に配置された第1、第2のパイプ部と、前記第1のパイプ部の一側と前記第2のパイプ部の他側を連結する回動連結手段とを有し、前記第1のパイプ部と前記第2のパイプ部が前記回動連結手段の鉛直回動軸を中心に水平面内で回動可能な連結パイプ材を備え、
前記第1のパイプ部の他端及び前記第2のパイプ部の一端には、隣り合う前記各支柱の側部に設けられた平面視してコ字状の係止部に挿抜可能に装着される垂直楔材がそれぞれ取り付けられ、
前記回動連結手段は、前記第1のパイプ部の一側に取り付けられ前記第2のパイプ部の他側を上下から挟持する連結保持部と、該連結保持部及び前記第2のパイプ部を貫通し前記鉛直回動軸となるボルトと、該ボルトに螺着されるナットとを有することを特徴とする支柱連結具。
【請求項2】
組立足場の隣り合う支柱同士を水平方向に連結する支柱連結具であって、
第1のパイプ部と、該第1のパイプ部の一側に直列に配置された中間パイプ部と、該中間パイプ部の一側に直列に配置された第2のパイプ部と、前記第1のパイプ部の一側と前記中間パイプ部の他側を連結する第1の回動連結手段と、前記中間パイプ部の一側と前記第2のパイプ部の他側を連結する第2の回動連結手段とを有し、前記第1のパイプ部と前記中間パイプ部が、前記第1の回動連結手段の鉛直回動軸を中心に水平面内で回動可能で、前記中間パイプ部と前記第2のパイプ部が、前記第2の回動連結手段の鉛直回動軸を中心に水平面内で回動可能な連結パイプ材を備え、
前記第1のパイプ部の他端及び前記第2のパイプ部の一端には、隣り合う前記各支柱の側部に設けられた平面視してコ字状の係止部に挿抜可能に装着される垂直楔材がそれぞれ取り付けられ、
前記第1の回動連結手段は、前記第1のパイプ部の一側に取り付けられ前記中間パイプ部の他側を上下から挟持する連結保持部と、該連結保持部及び前記中間パイプ部を貫通し前記第1の回動連結手段の前記鉛直回動軸となるボルトと、該ボルトに螺着されるナットとを有し、
前記第2の回動連結手段は、前記第2のパイプ部の他側に取り付けられ前記中間パイプ部の一側を上下から挟持する連結保持部と、該連結保持部及び前記中間パイプ部を貫通し前記第2の回動連結手段の前記鉛直回動軸となるボルトと、該ボルトに螺着されるナットとを有することを特徴とする支柱連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場等において、組立足場の支柱同士の連結に用いられる支柱連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に建築現場等では、組立足場を組立てて作業を行うが、その際に、隣り合う支柱同士を連結し固定する必要がある。そして、通常、組立足場は建築物(建設物)の外周に沿うように設置されるが、建築物の外周面(周壁)は、必ずしも直線状ではなく、外周面全体が湾曲していることや外周面の一部に湾曲部又は凹凸部が存在していることがあり、その場合、組立足場の構造及び配置が複雑になり、部品点数も増加し、組立作業に手間がかかるという問題がある。また、外周面の形状によっては、部分的に、組立足場を設置できないことや周壁と組立足場との間に他の場所よりも大きな隙間が発生することもあり、設置自在性に欠けるという問題がある。
これらの問題に対し、例えば、特許文献1には、建設物の外周の曲率半径にマッチするようにその両端部を回動自在に曲げて架設できる足場の補強部材を構成する足場用手摺りが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7-45703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の足場用手摺りは、パイプ材からなる手摺り本体の両端部に、水平面に直交する回動中心軸を中心に水平方向に回動自在の結合金具を枢着し、結合金具の先端部にくさび形の係止部材を垂設したものである。そのため、両端部の結合金具を回動させてパイプ材と係止部材のなす角度を変化させることはできても、両端部の係止部材間の水平方向距離が大きく変化することはなく、連結される支柱間の距離も、ほぼ一定となる。つまり、この足場用手摺りで連結される支柱間の距離は、ほとんどパイプ材の長さで制限されてしまい、支柱の設置位置を自在に選択することができず、汎用性及び施工性に欠けるため、建築物の形状によっては、必ずしも建築物の外周に沿うように足場を設置することができないという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、連結される支柱間の距離の選択自在性が高く、支柱の設置位置に制限を受け難く、様々な形状の建築物に対応して、建築物の外周に沿うように確実に足場を設置することができる汎用性及び施工性に優れた支柱連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係る支柱連結具は、組立足場の隣り合う支柱同士を水平方向に連結する支柱連結具であって、
直列に配置された第1、第2のパイプ部と、前記第1のパイプ部の一側と前記第2のパイプ部の他側を連結する回動連結手段とを有し、前記第1のパイプ部と前記第2のパイプ部が前記回動連結手段の鉛直回動軸を中心に水平面内で回動可能な連結パイプ材を備え、
前記第1のパイプ部の他端及び前記第2のパイプ部の一端には、隣り合う前記各支柱の側部に設けられた平面視してコ字状の係止部に挿抜可能に装着される垂直楔材がそれぞれ取り付けられ、
前記各垂直楔材は、前記各支柱の外周面に当接する端面部と該端面部の周囲から立設する周縁部で一体成形されており、上部に、前記第1のパイプ部の他端及び前記第2のパイプ部の一端にそれぞれ装着固定されるパイプ装着部を有する。
【0006】
第1の発明に係る支柱連結具において、前記第2のパイプ部の一端側に取り付けられる前記垂直楔材の前記端面部から前記回動連結手段の鉛直回動軸の中心までの距離L2は、前記第1のパイプ部の他端側に取り付けられる前記垂直楔材の前記端面部から前記回動連結手段の鉛直回動軸の中心までの距離L1の1~15倍の範囲にあることが好ましい。
【0007】
前記目的に沿う第2の発明に係る支柱連結具は、組立足場の隣り合う支柱同士を水平方向に連結する支柱連結具であって、
第1のパイプ部と、該第1のパイプ部の一側に直列に配置された中間パイプ部と、該中間パイプ部の一側に直列に配置された第2のパイプ部と、前記第1のパイプ部の一側と前記中間パイプ部の他側を連結する第1の回動連結手段と、前記中間パイプ部の一側と前記第2のパイプ部の他側を連結する第2の回動連結手段とを有し、前記第1のパイプ部と前記中間パイプ部が、前記第1の回動連結手段の鉛直回動軸を中心に水平面内で回動可能で、前記中間パイプ部と前記第2のパイプ部が、前記第2の回動連結手段の鉛直回動軸を中心に水平面内で回動可能な連結パイプ材を備え、
前記第1のパイプ部の他端及び前記第2のパイプ部の一端には、隣り合う前記各支柱の側部に設けられた平面視してコ字状の係止部に挿抜可能に装着される垂直楔材がそれぞれ取り付けられ、
前記各垂直楔材は、前記各支柱の外周面に当接する端面部と該端面部の周囲から立設する周縁部で一体成形されており、上部に、前記第1のパイプ部の他端及び前記第2のパイプ部の一端にそれぞれ装着固定されるパイプ装着部を有する。
【0008】
第2の発明に係る支柱連結具において、前記第1の回動連結手段の鉛直回動軸から前記第2の回動連結手段の鉛直回動軸までの距離L3は、前記第1のパイプ部の他端側に取り付けられる前記垂直楔材の前記端面部から前記第1の回動連結手段の鉛直回動軸までの距離L4の1~15倍の範囲にあり、前記第2のパイプ部の一端側に取り付けられる前記垂直楔材の前記端面部から前記第2の回動連結手段の鉛直回動軸の中心までの距離L5の1~15倍の範囲にあることが好ましい。
【0009】
第1、第2の発明に係る支柱連結具において、前記第1のパイプ部の他端側底部及び前記第2のパイプ部の一端側底部にはそれぞれ補強部を設けてもよい。
【0010】
第1、第2の発明に係る支柱連結具において、前記各垂直楔材は、前記各パイプ装着部の位置で前記端面部を貫通する貫通孔を有することができる。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明に係る支柱連結具は、回動連結手段を介して連結された第1、第2のパイプ部を水平面内で回動させることにより、第1のパイプ部と第2のパイプ部のなす角度と共に、連結される支柱間の距離を広範囲で選択することができ、支柱の設置自在性に優れる。その結果、支柱の数が増加することを抑え、足場の構造及び配置が複雑になることを防ぎながら、建築物の外周に沿うように足場を効率的に設置することができ、汎用性及び施工性を向上させることができる。
【0012】
第1の発明に係る支柱連結具において、第2のパイプ部の一端側に取り付けられる垂直楔材の端面部から回動連結手段の鉛直回動軸の中心までの距離L2が、第1のパイプ部の他端側に取り付けられる垂直楔材の端面部から回動連結手段の鉛直回動軸の中心までの距離L1の1~15倍の範囲にある場合、寸法(距離L1、L2)の異なる支柱連結具を選択し、組み合わせることにより、様々な形状の建築物に対応して足場を設置することができ、足場の設置自在性に優れる。
【0013】
第2の発明に係る支柱連結具は、中間パイプ部の両側に、第1、第2の回動連結手段を介して連結された第1、第2のパイプ部を水平面内で回動させることにより、第1のパイプ部と第2のパイプ部のなす角度と共に、連結される支柱間の距離を広範囲で選択することができ、支柱の設置自在性に優れる。
【0014】
第2の発明に係る支柱連結具において、第1の回動連結手段の鉛直回動軸から第2の回動連結手段の鉛直回動軸までの距離L3が、第1のパイプ部の他端側に取り付けられる垂直楔材の端面部から第1の回動連結手段の鉛直回動軸までの距離L4の1~15倍の範囲にあり、第2のパイプ部の一端側に取り付けられる垂直楔材の端面部から第2の回動連結手段の鉛直回動軸の中心までの距離L5の1~15倍の範囲にある場合、寸法(距離L3、L4、L5)の異なる支柱連結具を選択し、組み合わせることにより、より複雑な形状の建築物に対応して足場を設置することができ、足場の設置自在性が向上する。
【0015】
第1、第2の発明に係る支柱連結具において、第1のパイプ部の他端側底部及び第2のパイプ部の一端側底部にそれぞれ補強部が設けられている場合、第1のパイプ部の他端側底部及び第2のパイプ部の一端側底部をハンマー等で叩いて各支柱の係止部から垂直楔材を抜く際に、衝撃による第1、第2のパイプ部の変形を防止することができ、形状安定性及び耐久性に優れる。
【0016】
第1、第2の発明に係る支柱連結具において、各垂直楔材が、各パイプ装着部の位置で端面部を貫通する貫通孔を有する場合、垂直楔材を取り付けた第1、第2のパイプ部を溶融亜鉛メッキ(どぶ漬けメッキ)処理する際に、第1のパイプ部の他端側及び第2のパイプ部の一端側が、パイプ装着部で閉塞されることを防止し、内部に溶融亜鉛が溜まることがなく、効率的にメッキ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る支柱連結具の正面図である。
図2】(A)は同支柱連結具の平面図であり、(B)は同支柱連結具の底面図である。
図3】(A)は同支柱連結具の左側面図であり、(B)は同支柱連結具の右側面図である。
図4】(A)は同支柱連結具の使用状態を示す正面図であり、(B)は同支柱連結具の使用状態を示す平面図である。
図5】同支柱連結具の動作を説明する平面図である。
図6図4(B)のA-A線断面図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る支柱連結具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
以下、図1図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る支柱連結具10について説明する。
図4(A)、(B)に示すように、支柱連結具10は、建築現場等において、組立足場の隣り合う支柱11同士を水平方向に連結するものである。
支柱連結具10は、図1図2(A)、(B)、図4(A)、(B)、図5図6に示すように、直列に配置された第1、第2のパイプ部12、13と、第1のパイプ部12の一側と第2のパイプ部13の他側を連結する回動連結手段14とを有し、第1のパイプ部12と第2のパイプ部13が回動連結手段14の鉛直回動軸15を中心に水平面内で回動可能な連結パイプ材16を備えている。本実施の形態では、回動連結手段14として、第1のパイプ部12の一側に正面視してコ字型の連結保持部17を取り付け、その連結保持部17で第2のパイプ部13の他側を上下から挟持し、鉛直回動軸15となるボルトを連結保持部17及び第2のパイプ部13に貫通させてナット18を螺着した。これにより、回動連結手段14を介して連結された第1、第2のパイプ部12、13を水平面内で回動させることができ、第1のパイプ部12と第2のパイプ部13のなす角度と共に、連結される支柱11間の距離を広範囲で選択することができる。なお、連結保持部は第2のパイプ部の他側に取り付けてもよいし、鉛直回動軸としてボルトの代わりにピン(棒材)を貫通させて、その上下を連結保持部に固定してもよい。
【0019】
また、第1のパイプ部12の他端及び第2のパイプ部13の一端には、隣り合う各支柱11の側部に設けられた平面視してコ字状の係止部20(図4(A)、(B)参照)に挿抜可能に装着される垂直楔材21がそれぞれ取り付けられている。そして、各垂直楔材21は、各支柱11の外周面に当接する端面部22と端面部22の周囲から立設する周縁部23で一体成形されている。ここで、端面部22には、図2(A)、(B)、図4(B)、図5に示すように、支柱11の外径に合わせて円弧状の湾曲面24が形成されており、支柱11と垂直楔材21(端面部22)を密着させて、支柱連結具10の固定安定性を高めることができる。また、垂直楔材21の上部には、第1のパイプ部12の他端及び第2のパイプ部13の一端にそれぞれ装着固定されるパイプ装着部25が形成されている。各パイプ装着部25は、それぞれの垂直楔材21の一部であり、各垂直楔材21の上部に、周縁部23によって略円筒状に形成されて、第1のパイプ部12の他端及び第2のパイプ部13の一端にそれぞれ外挿(嵌着)され、外周が溶接部26で溶接されて固定される。
【0020】
また、図1図2(B)、図6に示すように、第1のパイプ部12の他端側底部及び第2のパイプ部14の一端側底部にはそれぞれ補強部28が設けられている。この補強部28は、第1、第2のパイプ部12、13の肉厚を補強するものであり、足場の分解時に、第1のパイプ部12の他端側底部及び第2のパイプ部13の一端側底部をハンマー等で叩いて各支柱11の係止部20から垂直楔材21を抜く際に、衝撃によって第1、第2のパイプ部12、13が変形することを防止する。なお、補強部28は補強溶接部29により第1、第2のパイプ部12、13に固定されているが、それぞれの溶接部26と補強溶接部29を連続的に形成することにより、各垂直楔材21(各パイプ装着部25)と各補強部28を一体化して、第1、第2のパイプ部12、13への固定安定性を向上させることができる。
【0021】
支柱連結具10には、防錆のために溶融亜鉛メッキ(どぶ漬けメッキ)処理を施すことが好ましい。その場合、第1、第2のパイプ部12、13に連結保持部17や垂直楔材21を取り付けた状態でメッキ処理を行ってから鉛直回動軸15で連結するが、第1のパイプ部12の他端側及び第2のパイプ部13の一端側が垂直楔材21(パイプ装着部25)で閉塞されていると、第1、第2のパイプ部12、13の内部にメッキ液が溜まってしまう。そこで、本実施の形態では、図3(A)、(B)、図6に示すように、各垂直楔材21に、各パイプ装着部25の位置で端面部22を貫通する貫通孔30を形成した。これにより、第1、第2のパイプ部12、13の内部にメッキ液が溜まることがなく、効率的かつ均一にメッキ処理を施すことができる。なお、貫通孔の形状、大きさ、配置及び数は、適宜、選択することができる。
【0022】
第1のパイプ部12の他端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から鉛直回動軸15の中心までの距離L1と、第2のパイプ部13の一端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から鉛直回動軸15の中心までの距離L2は、適宜、選択することができるが、第2のパイプ部13の一端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から鉛直回動軸15の中心までの距離L2は、第1のパイプ部12の他端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から鉛直回動軸15の中心までの距離L1の1~15倍の範囲にあるものが好適に用いられる(図1参照)。そして、寸法(距離L1、L2)の異なる支柱連結具を選択し、組み合わせることにより、第1のパイプ部と第2のパイプ部のなす角度に加え、連結される支柱間の距離及び配置の自在性を向上させることができ、円形だけでなく、部分的に湾曲部や凹凸部等を有する複雑な形状の建築物の外周に沿うように足場を設置することが可能となる。
【0023】
続いて、図7に示す本発明の第2の実施の形態に係る支柱連結具32について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
支柱連結具32が支柱連結具10と異なる点は、図7に示すように、連結パイプ材33が中間パイプ部34を有し、中間パイプ部34の両側(他側及び一側)に、第1、第2の回動連結手段35、36を介して、第1、第2のパイプ部38、39が直列に連結されている点である。これにより、第1のパイプ部38と中間パイプ部34が、第1の回動連結手段35の鉛直回動軸40を中心に水平面内で回動可能で、中間パイプ部34と第2のパイプ部39が、第2の回動連結手段36の鉛直回動軸41を中心に水平面内で回動可能となっている。
【0024】
本実施の形態では、第1の回動連結手段35として、第1のパイプ部38の一側に正面視してコ字型の連結保持部43を取り付け、その連結保持部43で中間パイプ部34の他側を上下から挟持し、鉛直回動軸40となるボルトを連結保持部43及び中間パイプ部34に貫通させてナット44を螺着した。また、第2の回動連結手段36として、第2のパイプ部39の他側に正面視してコ字型の連結保持部45を取り付け、その連結保持部45で中間パイプ部34の一側を上下から挟持し、鉛直回動軸41となるボルトを連結保持部45及び中間パイプ部34に貫通させてナット46を螺着した。以上により、第1、第2の回動連結手段35、36を介して中間パイプ部34に連結された第1、第2のパイプ部38、39を水平面内で回動させることができ、支柱連結具10と同様に、第1のパイプ部38と第2のパイプ部39のなす角度と共に、連結される支柱間の距離を広範囲で選択することができる。特に、中間パイプ部34に対して第1、第2のパイプ部38、39を回動させることにより、より複雑な形状の建築物に対応して足場を効率的に設置することができる。なお、それぞれの連結保持部は中間パイプ部の両側(他側及び一側)に取り付けてもよいし、鉛直回動軸としてボルトの代わりにピン(棒材)を貫通させて、その上下を連結保持部に固定してもよい。
【0025】
第1の回動連結手段35の鉛直回動軸40から第2の回動連結手段36の鉛直回動軸41までの距離L3、第1のパイプ部38の他端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から第1の回動連結手段35の鉛直回動軸40までの距離L4及び第2のパイプ部39の一端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から第2の回動連結手段36の鉛直回動軸41の中心までの距離L5は、適宜、選択することができる。但し、第1の回動連結手段35の鉛直回動軸40から第2の回動連結手段36の鉛直回動軸41までの距離L3は、第1のパイプ部38の他端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から第1の回動連結手段35の鉛直回動軸40までの距離L4の1~15倍の範囲にあり、第2のパイプ部39の一端側に取り付けられる垂直楔材21の端面部22から第2の回動連結手段36の鉛直回動軸41の中心までの距離L5の1~15倍の範囲にあるものが好適に用いられる。そして、寸法(距離L3、L4、L5)の異なる支柱連結具を選択し、組み合わせることにより、第1のパイプ部と第2のパイプ部のなす角度に加え、連結される支柱間の距離及び配置の自在性がさらに向上し、多様性に優れる。なお、距離L4とL5は等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0027】
10:支柱連結具、11:支柱、12:第1のパイプ部、13:第2のパイプ部、14:回動連結手段、15:鉛直回動軸、16:連結パイプ材、17:連結保持部、18:ナット、20:係止部、21:垂直楔材、22:端面部、23:周縁部、24:湾曲面、25:パイプ装着部、26:溶接部、28:補強部、29:補強溶接部、30:貫通孔、32:支柱連結具、33:連結パイプ材、34:中間パイプ部、35:第1の回動連結手段、36:第2の回動連結手段、38:第1のパイプ部、39:第2のパイプ部、40、41:鉛直回動軸、43:連結保持部、44:ナット、45:連結保持部、46:ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7