(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029268
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】操作入力装置及びキャリブレーション方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0346 20130101AFI20240228BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240228BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240228BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G06F3/0346 421
G06F3/0488
G06F3/041 580
G06F3/042 470
G06F3/041 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212714
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000148689
【氏名又は名称】株式会社村上開明堂
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】有江 巧
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA02
5B087AA07
5B087AB16
5B087AD02
5B087CC09
5B087CC33
5B087DD09
5B087DE02
5B087DJ03
5E555AA15
5E555AA71
5E555BA32
5E555BB32
5E555BC13
5E555BE08
5E555BE16
5E555CA13
5E555CA41
5E555CB33
5E555CC05
5E555DA03
5E555DB20
5E555DC43
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】複数の使用者のそれぞれの特性に合わせて高精度にキャリブレーションを行うことができる操作入力装置及びキャリブレーション方法を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る操作入力装置において、計算部は、第1ボタンが押されたときにおける第1論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第1位置、第2ボタンが押されたときにおける第2論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第2位置、及び、第3ボタンが押されたときにおける第3論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第3位置、から対象物の基準位置を計算する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射して情報を画像として表示する表示装置と、
前記画像に接近する対象物の位置を検出するセンサと、
前記センサによって検出された対象物の位置から前記対象物の基準位置を計算する計算部と、
を備え、
前記表示装置は、
前記センサが前記画像における前記対象物の位置を検出するための第1論理エリアに含まれる第1ボタンを表示し、
前記センサが前記画像における前記対象物の位置を検出するための第2論理エリアに含まれる第2ボタンを前記第1論理エリアとは異なる場所に表示し、
前記センサが前記画像における前記対象物の位置を検出するための第3論理エリアに含まれる第3ボタンを前記第1論理エリア及び前記第2論理エリアとは異なる場所に表示し、
前記計算部は、
前記第1ボタンが押されたときにおける前記第1論理エリアの所定位置に対する前記対象物の位置である第1位置、前記第2ボタンが押されたときにおける前記第2論理エリアの所定位置に対する前記対象物の位置である第2位置、及び、前記第3ボタンが押されたときにおける前記第3論理エリアの所定位置に対する前記対象物の位置である第3位置、から前記対象物の基準位置を計算する、
操作入力装置。
【請求項2】
前記表示装置からの光を複数回反射させて前記画像を表示する空中結像デバイスを備え、
前記空中結像デバイスは、空中に虚像として前記画像を表示する、
請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
前記表示装置によって表示される前記画像は、複数の領域に分割されており、
前記第1ボタンが表示される前記領域、前記第2ボタンが表示される前記領域、及び、前記第3ボタンが表示される前記領域、が互いに異なる、
請求項1又は2に記載の操作入力装置。
【請求項4】
前記操作入力装置の外部の機器に制御信号を出力して前記機器の動作を制御する信号出力部を備え、
前記信号出力部は、前記第1ボタンが押されたとき、前記第2ボタンが押されたとき、及び、前記第3ボタンが押されたとき、のそれぞれにおいて前記機器に制御信号を出力する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項5】
表示装置によって表示された画像に接近する対象物の位置から前記対象物の基準位置を計算するキャリブレーション方法であって、
前記表示装置が前記画像として第1論理エリアに含まれる第1ボタンを表示する工程と、
前記対象物によって前記第1ボタンが押されたときにおける前記第1論理エリアの所定位置に対する前記対象物の位置である第1位置を計算する工程と、
前記表示装置が前記画像として第2論理エリアに含まれる第2ボタンを前記第1論理エリアとは異なる場所に表示する工程と、
前記対象物によって前記第2ボタンが押されたときにおける前記第2論理エリアの所定位置に対する前記対象物の位置である第2位置を計算する工程と、
前記表示装置が前記画像として第3論理エリアに含まれる第3ボタンを前記第1論理エリア及び前記第2論理エリアとは異なる場所に表示する工程と、
前記対象物によって前記第3ボタンが押されたときにおける前記第3論理エリアの所定位置に対する前記対象物の位置である第3位置を計算する工程と、
前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置から前記対象物の基準位置を計算する工程と、を備える、
キャリブレーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作入力装置及びキャリブレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-16516号公報には、キャリブレーション操作を行う入力装置が記載されている。入力装置は、表示部と、タッチパネルと、制御部と、処理部とを備える。処理部は、座標変換部と、判定部と、表示制御部と、キャリブレーション処理部と、設定部と、出力部とを備える。表示部は操作をタッチ入力するための操作画面であり、複数のボタン画像を含む。タッチパネルは、抵抗膜式とされており、表示部に重ねて配置される。タッチパネルは、表示部に対するユーザのタッチ位置を検出する。
【0003】
キャリブレーション処理部は、表示部に対するユーザのタッチ入力に基づいて、タッチ位置と対応位置との間の位置ずれ量を検出する。そして、キャリブレーション処理部は、その検出した位置ずれ量を相殺するように、座標変換部が座標変換の際に参照する所定の変換規則を補正する。
【0004】
表示画面は、複数のボタン画像を有する。複数のボタン画像のうちの特定のボタン画像は基準位置を含む。ユーザが特定のボタン画像をタッチすると、タッチパネルがそのタッチに対するタッチ位置として検出位置を定める。そして、座標変換部が所定の変換規則を参照して当該検出位置を対応位置に座標変換する。当該対応位置が特定のボタン画像に含まれると、判定部は当該特定のボタンに対してタッチ入力が行われたと判定する。
【0005】
また、キャリブレーション処理部は、特定のボタン画像に対してタッチ入力が行われると、そのタッチ入力をキャリブレーション操作として利用して位置ずれ補正を行う。キャリブレーション処理部は、特定のボタン画像に対するタッチ位置に対する対応位置と基準位置との差分を求める。そして、キャリブレーション処理部は、求めた差分を相殺するように、座標変換部が座標変換で参照する所定の変換規則を補正する。従って、基準位置と対応位置との間の位置ずれが補正される。その結果、タッチ位置と対応位置との間の位置ずれが補正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、指等の対象物で画像を押して操作を実行する操作入力装置の場合、画像に表示されたボタンの位置と、指等の対象物によって押される位置とを合わせる処理であるキャリブレーションが必要となりうる。また、操作入力装置は、複数の使用者によって使用されることがある。この場合、例えば、指の太さ又はボタンに対する指の角度等が使用者によって異なるので、使用者によってボタンの押される位置が変わりうる。
【0008】
操作する使用者ごとにキャリブレーションを行えば、使用者によってボタンの押される位置が変わっても、複数の使用者に対して高精度な操作を実現できる。しかしながら、前述したように、求めた差分を相殺するように座標変換で参照する所定の変換規則を補正するだけでは、高精度なキャリブレーションを実現できない場合がある。従って、複数の使用者のそれぞれの特性に合わせて高精度にキャリブレーションを行うことが求められる。
【0009】
本開示は、複数の使用者のそれぞれの特性に合わせて高精度にキャリブレーションを行うことができる操作入力装置及びキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る操作入力装置は、光を照射して情報を画像として表示する表示装置と、画像に接近する対象物の位置を検出するセンサと、センサによって検出された対象物の位置から対象物の基準位置を計算する計算部と、を備え、表示装置は、センサが画像における対象物の位置を検出するための第1論理エリアに含まれる第1ボタンを表示し、センサが画像における対象物の位置を検出するための第2論理エリアに含まれる第2ボタンを第1論理エリアとは異なる場所に表示し、センサが画像における対象物の位置を検出するための第3論理エリアに含まれる第3ボタンを第1論理エリア及び第2論理エリアとは異なる場所に表示し、計算部は、第1ボタンが押されたときにおける第1論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第1位置、第2ボタンが押されたときにおける第2論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第2位置、及び、第3ボタンが押されたときにおける第3論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第3位置、から対象物の基準位置を計算する。
【0011】
この操作入力装置では、表示装置が光を照射して情報を画像として表示し、画像に接近する指等の対象物の位置をセンサが検出する。操作入力装置は計算部を備え、計算部はセンサによって検出された対象物の位置から対象物の基準位置を計算する。このように計算部が対象物の基準位置を計算することにより、画像に表示されたボタンに対する対象物の押下位置を基準位置としてキャリブレーションすることができる。従って、対象物で操作する使用者ごとにキャリブレーションを行うことができるので、複数の使用者に対して高精度な操作を実現できる。また、表示装置は、第1論理エリアに含まれる第1ボタンを表示し、第2論理エリアに含まれる第2ボタンを第1論理エリアとは異なる場所に表示し、第3論理エリアに含まれる第3ボタンを第1論理エリア及び第2論理エリアとは異なる場所に表示する。計算部は、第1論理エリアの所定位置に対する対象物の第1位置、第2論理エリアの所定位置に対する対象物の第2位置、及び、第3論理エリアの所定位置に対する対象物の第3位置、から対象物の基準位置を計算する。計算部は、対象物による画像の押下位置である第1位置、第2位置及び第3位置から基準位置を計算するので、3点の位置を基に高精度にキャリブレーションを行うことができる。従って、複数の使用者の特性に合わせて高精度にキャリブレーションを行うことができる。
【0012】
前述した操作入力装置は、表示装置からの光を複数回反射させて画像を表示する空中結像デバイスを備え、空中結像デバイスは、空中に虚像として画像を表示してもよい。この場合、空中に虚像として表示される画像に対しても高精度にキャリブレーションを行うことができる。従って、虚像として浮き出たように表示される表示面に対する操作性を向上させることができる。
【0013】
表示装置によって表示される画像は、複数の領域に分割されていてもよく、第1ボタンが表示される領域、第2ボタンが表示される領域、及び、第3ボタンが表示される領域、が互いに異なってもよい。この場合、第1ボタンが表示される領域、第2ボタンが表示される領域、及び第3ボタンが表示される領域、を互いに離間させることができるので、3点の位置からより高精度にキャリブレーションを行うことができる。
【0014】
前述した操作入力装置は、操作入力装置の外部の機器に制御信号を出力して機器の動作を制御する信号出力部を備えてもよく、信号出力部は、第1ボタンが押されたとき、第2ボタンが押されたとき、及び、第3ボタンが押されたとき、のそれぞれにおいて機器に制御信号を出力してもよい。この場合、第1ボタン、第2ボタン及び第3ボタンのそれぞれを押すたびに信号出力部が機器に制御信号を出力するので、使用者による機器の操作と同時にキャリブレーションを行うことができる。従って、更なる操作性の向上に寄与する。
【0015】
本開示に係るキャリブレーション方法は、表示装置によって表示された画像に接近する対象物の位置から対象物の基準位置を計算するキャリブレーション方法であって、表示装置が画像として第1論理エリアに含まれる第1ボタンを表示する工程と、対象物によって第1ボタンが押されたときにおける第1論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第1位置を計算する工程と、表示装置が画像として第2論理エリアに含まれる第2ボタンを第1論理エリアとは異なる場所に表示する工程と、対象物によって第2ボタンが押されたときにおける第2論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第2位置を計算する工程と、表示装置が画像として第3論理エリアに含まれる第3ボタンを第1論理エリア及び第2論理エリアとは異なる場所に表示する工程と、対象物によって第3ボタンが押されたときにおける第3論理エリアの所定位置に対する対象物の位置である第3位置を計算する工程と、第1位置、第2位置、及び第3位置から対象物の基準位置を計算する工程と、を備える。
【0016】
このキャリブレーション方法では、表示装置が第1論理エリアに含まれる第1ボタンを表示し、計算部が第1論理エリアの所定位置に対する対象物の第1位置を計算する。表示装置が第2論理エリアに含まれる第2ボタンを表示し、計算部が第2論理エリアの所定位置に対する対象物の第2位置を計算する。表示装置が第3論理エリアに含まれる第3ボタンを表示し、計算部が第3論理エリアの所定位置に対する対象物の第3位置を計算する。そして、計算部は、対象物の第1位置、第2位置及び第3位置から対象物の基準位置を計算する。従って、前述した操作入力装置と同様、計算部が、対象物による画像の押下位置である第1位置、第2位置及び第3位置から基準位置を計算するので、3点の位置を基に高精度にキャリブレーションを行うことができる。その結果、複数の使用者の特性に合わせて高精度にキャリブレーションを行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、複数の使用者のそれぞれの特性に合わせて高精度にキャリブレーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る操作入力装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る操作入力装置の内部構造を模式的に示す断面図である。
【
図3】実施形態に係る操作入力装置の機能を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係るキャリブレーション方法の工程を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係るキャリブレーション方法の一工程を示す図である。
【
図6】(a)、(b)及び(c)は、実施形態に係るキャリブレーション方法で用いられる論理エリア及びボタンを示す図である。
【
図7】実施形態に係るキャリブレーション方法の一工程を示す図である。
【
図8】実施形態に係るキャリブレーション方法の一工程を示す図である。
【
図9】実施形態に係るキャリブレーション方法の一工程を示す図である。
【
図10】実施形態に係るキャリブレーション方法の一工程を示す図である。
【
図11】実施形態に係るキャリブレーション方法の一工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本開示に係る操作入力装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。
【0020】
図1は、実施形態に係る一例としての操作入力装置1を示す斜視図である。一例としての操作入力装置1は、現金自動預け払い機(ATM:Automated teller Machine)に付属して設けられる。操作入力装置1は、空中に表示される虚像の表示面である画像10を使用者に向けて表示する。画像10は操作入力装置1における機器の操作画面である。一例としての操作入力装置1は、柱状を呈する。操作入力装置1は、第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3に延在する。
【0021】
第1方向D1は操作入力装置1の奥行方向(前後方向)に相当し、第2方向D2は操作入力装置1の幅方向に相当し、第3方向D3は操作入力装置1の高さ方向に相当する。一例として、操作入力装置1の第3方向D3の長さ(高さ)は、操作入力装置1の第1方向D1の長さ(奥行)、及び操作入力装置1の第2方向D2の長さ(幅)よりも長い。これにより使用者に対する画像10の視認性を一層高めることが可能となる。しかしながら、操作入力装置1の第1方向D1の長さ、操作入力装置1の第2方向D2の長さ、及び操作入力装置1の第3方向D3の長さ、の関係は上記の例に限られず特に限定されない。
【0022】
以降では、説明の便宜のため、操作入力装置1から見て使用者側に向けられる方向を前又は前側、操作入力装置1から見て使用者の反対側に向けられる方向を後又は後側と称することがある。しかしながら、これらの方向は、説明の便宜上のものであり、部品の配置等を限定するものではない。
【0023】
図2は、操作入力装置1の内部構造の例を示す縦断面図である。
図1及び
図2に示されるように、操作入力装置1は、操作入力装置1の外面を構成する筐体2を備える。筐体2は、例えば、鉛直上方を向く上面2bと、第2方向D2に沿って並ぶ一対の側面2cと、第1方向D1の一方側を向く前面2dと、第1方向D1の他方側を向く背面2fと、鉛直下方を向く下面2gとを有する。更に、筐体2は、前面2dの上側に位置する傾斜面2hを有する。
【0024】
傾斜面2hには、例えば、後に詳述する空中結像デバイス14が露出する矩形状の開口が形成されている。傾斜面2hは、例えば、斜め上方に向けられている。空中結像デバイス14によって結像される画像10は、傾斜面2hよりも使用者寄りの位置に表示されるので、画像10の視認性を高めることができる。
【0025】
操作入力装置1は、空中にボタン11付きの画像10を表示する。例えば、画像10のボタン11は、現金自動預け払い機を操作するためのボタンである。ボタン11付きの画像10は、空中に浮き出るように表示される空中浮遊像である。すなわち、ボタン11付きの画像10は、空中に虚像として表示される。よって、操作入力装置1の使用者は、直接タッチパネル等に触れなくて済むため衛生的に現金自動預け払い機を操作することが可能である。
【0026】
例えば、画像10には複数回ボタン11が表示され、使用者がボタン11を複数回操作することによって現金自動預け払い機を操作することが可能である。具体例として、ボタン11を押すことによって、現金自動預け払い機に対して引き落としの金額、預け入れの金額、振込金額又は暗証番号を指定することが可能となる。筐体2には、例えば、ボタン11に接近する対象物Fを検出するセンサ3が埋め込まれている。本開示において、「対象物」とは、ボタン11を操作して現金自動預け払い機等の機器を動作させるものを示しており、例えば、使用者の指を示している。
【0027】
センサ3は、例えば、ボタン11に対応して設けられており、ボタン11はセンサ3の斜め上方に表示される。ボタン11及びセンサ3の数は、単数であってもよいし、複数のであってもよい。画像10は、空中結像デバイス14よりも使用者寄りの位置に表示され、且つ空中結像デバイス14の斜め上方に表示される。これにより、使用者にとって画像10を視認しやすく表示することができる。
【0028】
例えば、画像10は光って表示されてもよく、この場合、周囲の明るさにかかわらず容易に画像10を視認することができる。画像10は、例えば、縦に長く延びる形状を呈する。一例として、画像10は矩形状に表示され、画像10の縦方向の長さは画像10の横方向の長さよりも長い。しかしながら、画像10の形状及び大きさは上記の例に限られず特に限定されない。画像10は、ボタン11以外のものを表示してもよい。例えば、画像10は、複数のボタン11と文字情報とを含んでもよい。文字情報は、一例として、ボタン11の操作に関する情報、日付情報及び時刻情報の少なくともいずれかを含んでもよい。ボタン11の形状は、例えば、四角形状である。しかしながら、ボタン11の形状は、円形状、長円形状、又は多角形状であってもよく、特に限定されない。
【0029】
操作入力装置1は、ボタン11付きの画像10を虚像として表示する空中結像デバイス14と、筐体2の内部に配置された表示装置15と、制御部20とを備える。空中結像デバイス14及び表示装置15は、画像10を虚像として空中に表示する虚像表示部に相当する。空中結像デバイス14は、例えば、筐体2の傾斜面2hに形成された開口に固定されている再帰反射部材(再帰反射鏡)である。
【0030】
表示装置15は、空中結像デバイス14に対して斜めに配置されている。一例として、表示装置15は液晶ディスプレイ(LCD)である。表示装置15は、筐体2の内部における空中結像デバイス14の後方位置に配置されている。表示装置15は、画像を表示するスクリーンを有する。表示装置15のスクリーンは、例えば、空中結像デバイス14に向けて斜め下方に画像としての光Cを照射する。空中結像デバイス14は、表示装置15からの光Cを空中結像デバイス14の内部において複数回(例えば2回)反射し、使用者から見て空中結像デバイス14よりも手前側の空間に画像10を結像する。
【0031】
センサ3は、例えば、筐体2の傾斜面2hにおいて斜め上方を向くように露出していてもよい。一例として、センサ3は、深度センサである。例えば、センサ3は、ボタン11から延びる仮想直線上、すなわち、虚像であるボタン11に対して正面位置に設けられる。センサ3は、当該仮想直線に対して垂直な面における対象物Fの位置(2次元位置)の情報と、センサ3から対象物Fまでの距離Kの情報とを含む距離画像データを取得する。
【0032】
センサ3は、例えば、取得した距離画像データを所定の周期(例えば1/30秒)で制御部20に出力する。具体例として、センサ3は、対象物Fを含む撮影領域内に存在する物体上の各点に光線(又は赤外線)を照射し、物体上の各点から反射した光線を受光する。そして、センサ3は、受光した光線に基づいてセンサ3と物体上の各点との距離を測定し、測定した距離を画素毎に出力する。センサ3と物体上の各点との距離は、例えばLight Coding方式によって測定されてもよい。
【0033】
Light Coding方式では、センサ3は、対象物Fを含む撮影領域内に存在する物体上の各点にランダムドットパターンで光線を照射する。そして、センサ3は、物体上の各点から反射した光線を受光し、反射した光線のパターンの歪みを検出することによって、センサ3と物体上の各点との距離を測定する。センサ3は、物体上の各点の2次元位置の情報と、センサ3から物体上の各点までの距離の情報とを複数の画素として検出し、検出した複数の画素を制御部20に出力する。
【0034】
制御部20は、センサ3及び表示装置15のそれぞれと通信可能とされている。制御部20は、例えば、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read OnlyMemory)及びRAM(Random Access Memory)を含む記憶部と、入出力部と、ドライバとを含む。制御部20の各機能は、CPUの制御の下で入出力部を動作させ、記憶部におけるデータの読み出し又は書き込みを行うことによって実現される。制御部20の形態及び配置場所については特に限定されない。
【0035】
図3は、制御部20の機能ブロック図である。
図2及び
図3に示されるように、制御部20は、機能的構成要素として、画像出力部21と、対象物検出部22と、認識部23と、信号出力部24と、通知部25と、計算部26とを有する。画像出力部21は、表示装置15に表示させる画像の画像データの制御信号を表示装置15に出力する。表示装置15は、画像出力部21からの画像データの制御信号に基づいて、様々な種類の画像を表示することが可能である。
【0036】
対象物検出部22は、センサ3から出力される距離画像データに基づいて対象物Fを検出する。対象物検出部22は、対象物Fを検出すると、対象物Fの位置を示す位置データを認識部23に出力する。認識部23は、対象物検出部22から出力された位置データに基づいて、対象物Fによってボタン11が押されたことを認識する。
【0037】
認識部23は、対象物検出部22によって検出された対象物Fの位置に基づいて、対象物Fによってボタン11が押されたかどうかを判定する。具体的には、認識部23は、センサ3と対象物Fとの距離Kが閾値Y以下であるか否かを判定する。そして、認識部23は、距離Kが閾値Y以下であると判定したときに、対象物Fが仮想の押下判定面Zに到達し、ボタン11が押されたと判定する。
【0038】
押下判定面Zは、センサ3からの距離が一定である部位に形成された仮想の面である。例えば、押下判定面Zは、ボタン11の近接位置に設けられる。押下判定面Zの位置は、ボタン11の位置と一致していてもよいし、ボタン11から所定距離だけ離間した位置であってもよい。
【0039】
通知部25は、ボタン11が押されたと認識部23が認識したときに認識部23から操作信号を受信する。通知部25は、ボタン11が操作されたと認識部23が認識したときに、ボタン11が操作されたことを操作入力装置1の使用者に通知する通知手段である。通知部25は、例えば、音声出力部25bと、色彩変更部25cとを有する。
【0040】
一例として、音声出力部25bは、スピーカであり、認識部23から操作信号を受信したときに音声を出力する。音声出力部25bからの音声を使用者が聞くことにより、使用者はボタン11が操作された旨を把握可能となる。色彩変更部25cは、例えば、認識部23から操作信号を受信したときに色彩変更信号を生成し、色彩変更信号を表示装置15に出力する。
【0041】
表示装置15は、色彩変更部25cから色彩変更信号を受信すると、例えば、使用者が押下したボタン11の色彩を変更する。ボタン11の色彩が変更されたことを使用者が視認することにより、使用者はボタン11が操作された旨を把握可能となる。なお、表示装置15は、色彩変更部25cから色彩変更信号を受信したときに、ボタン11以外の箇所の色彩を変更してもよい。
【0042】
以上の通知部25を備えることにより、使用者はボタン11が操作された旨を把握できる。しかしながら、通知部25では、音声出力部25b及び色彩変更部25cの少なくともいずれかが省略されてもよい。また、通知部25は、音声出力部25bによる音声出力、又は色彩変更部25cによる色彩変更、とは異なる態様でボタン11が操作された旨を使用者に通知してもよい。
【0043】
信号出力部24は、ボタン11が押されたと認識部23が認識したときに、ボタン11の押下操作に基づく制御信号を生成する。信号出力部24は、生成した制御信号を操作入力装置1の外部の機器(例えば前述した現金自動預け払い機)に送信し、制御信号を機器に送信することによって機器を動作させる。機器が現金自動預け払い機である場合には、現金の引き落とし、現金の預け入れ、振り込み、又は暗証番号の指定操作が実行される。
【0044】
計算部26は、対象物Fの基準位置を計算する。本開示において、「対象物の基準位置」とは、操作入力装置の使用者ごとに定められる対象物の押下傾向位置(ボタンのどの部分を押す傾向があるか)を示している。計算部26が対象物Fの基準位置を計算することにより、複数の使用者におけるボタン11が押される位置の個人差を補正することが可能となる。すなわち、ボタン11の押下位置のキャリブレーションを使用者ごとに行うことが可能となる。
【0045】
以下では、本実施形態に係るキャリブレーション方法の例について
図4を参照しながら説明する。
図4は、計算部26の計算によって対象物Fの基準位置を計算する方法の各工程の例を示すフローチャートである。初期動作として、まず
図5に示されるように、制御部20は表示装置15に領域A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7、A8,A9に分割された画像10を表示させる。このように、表示装置15は画像10を9つの領域に分けて表示する。なお、分割された領域A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7、A8,A9は使用者には視認されない。
【0046】
また、操作入力装置1では、計算部26による対象物Fの基準位置の計算にあたり、
図6(a)に示されるように、論理エリア12に含まれたボタン11がGUIパーツとして用いられる。論理エリア12は、画像10における対象物Fの位置を検出するための領域であり、例えば、ボタン11を囲むように形成されている。
【0047】
図6(b)に示されるように、例えば、論理エリア12は、四角形状とされており、2本の対角線Lが交わる点である所定位置11b(後述する所定位置PX1、所定位置PX2、所定位置PX3に相当)を備える。所定位置11bは、例えば、ボタン11の中心位置を示している。また、
図6(c)に示されるように、論理エリア12は、操作入力装置の使用者には視認されない。
【0048】
以上のボタン11及び論理エリア12を用いて、制御部20は、
図7及び
図8に示されるように、表示装置15に第1論理エリア12Aに含まれる第1ボタン11Aを表示させる(第1ボタンを表示する工程、ステップS1)。例えば、表示装置15は、文字情報13と共に、領域A8に第1論理エリア12Aに含まれる第1ボタン11Aを表示する。このとき、第1論理エリア12Aも領域A8の内部に配置される。また、第1ボタン11Aは、例えば、操作開始ボタンである。
【0049】
続いて、
図9に示されるように、対象物Fによって第1ボタン11Aが押されたときに、第1論理エリア12Aの所定位置PX1に対する対象物Fの位置である第1位置P1を計算部26が計算する(第1位置を計算する工程、ステップS2)。なお、対象物Fによって第1ボタン11Aが押されなくても第1論理エリア12Aの範囲内の領域が押された場合には、計算部26が計算を行うが、第1論理エリア12Aよりも外側が押された場合には、この押下操作は無効な操作として扱われる。一例として、計算部26は、所定位置PX1よりも右下の位置を対象物Fによって押された第1位置P1として計算し、制御部20の記憶部が第1位置P1を記憶する。
【0050】
次に、
図10に示されるように、制御部20は、表示装置15に第2論理エリア12Bに含まれる第2ボタン11B1,11B2を表示させる(第2ボタンを表示する工程、ステップS3)。
図10の例のように、表示装置15は複数の第2ボタンを表示してもよい。例えば、表示装置15は、文字情報17と共に、領域A6に第2論理エリア12Bに含まれる第2ボタン11B1,11B2を表示する。なお、表示装置15が第2ボタン11B1,11B2を表示する領域は、前述した領域A8以外の領域であればよいが、領域A8と同一の行又は同一の列でない領域(例えば領域A1、領域A4、領域A3又は領域A6)であることがより好ましい。
【0051】
例えば、第2ボタン11B1が押されたときに、信号出力部24が操作入力装置1の外部の機器に第2ボタン11B1に応じた制御信号を出力し、操作入力装置1の外部の機器が操作される。また、第2ボタン11B1が押されたときに、第2論理エリア12Bの所定位置PX2に対する対象物Fの位置である第2位置P2を計算部26が計算する(第2位置を計算する工程、ステップS4)。
【0052】
例えば、計算部26は、所定位置PX2よりも右上の位置を対象物Fによって押された第2位置P2として計算し、制御部20の記憶部が第2位置P2を記憶する。また、対象物Fによって第2ボタン11B1,11B2が押されなくても第2論理エリア12Bの範囲内の領域が押された場合には、計算部26が計算を行うが、第2論理エリア12Bよりも外側が押された場合には、この押下操作は無効な操作として扱われる。
【0053】
続いて、
図11に示されるように、制御部20は、表示装置15に第3論理エリア12Cに含まれる第3ボタン11C1,11C2を表示させる(第3ボタンを表示する工程、ステップS5)。例えば、表示装置15は、文字情報16と共に、領域A1に第3論理エリア12Cに含まれる第3ボタン11C1,11C2を表示する。表示装置15が第3ボタン11C1,11C2を表示する領域は、前述した領域A8又は領域A6以外の領域であればよいが、領域A8又は領域A6と同一の行又は同一の列でない領域であることがより好ましい。
【0054】
例えば、第3ボタン11C2が押されたときに、信号出力部24が操作入力装置1の外部の機器に第3ボタン11C2に応じた制御信号を出力し、操作入力装置1の外部の機器が操作される。信号出力部24が操作入力装置1の外部の機器に第3ボタン11C2に応じた制御信号が出力され、操作入力装置1の外部の機器が操作される。
【0055】
また、第3ボタン11C2が押されたときに、第3論理エリア12Cの所定位置PX3に対する対象物Fの位置である第3位置P3を計算部26が計算する(第3位置を計算する工程、ステップS6)。例えば、計算部26は、所定位置PX3よりも右下の位置を対象物Fによって押された第3位置P3として計算し、制御部20の記憶部が第3位置P3を記憶する。なお、対象物Fによって第3ボタン11C1,11C2が押されなくても第3論理エリア12Cの範囲内の領域が押された場合には、計算部26が計算を行うが、第3論理エリア12Cよりも外側が押された場合には、この押下操作は無効な操作として扱われる。
【0056】
その後、計算部26は、制御部20の記憶部に記憶されている第1位置P1、第2位置P2及び第3位置P3から対象物Fの基準位置を計算する。一例として、計算部26は、所定位置PX1よりも右下の第1位置P1、所定位置PX2よりも右上の第2位置P2、及び所定位置PX3よりも右下の第3位置P3から、論理エリア12の所定位置11bの右側部分を基準位置として計算する。その後、一連の工程が完了し、例えば、所定位置11bの右側部分を基準位置としてその後の対象物Fによるボタン11の押下操作が実行される。
【0057】
次に、本実施形態に係る操作入力装置1及びキャリブレーション方法から得られる作用効果について説明する。本実施形態に係る操作入力装置1及びキャリブレーション方法では、表示装置15が光Cを照射して情報を画像10として表示し、画像10に接近する指等の対象物Fの位置をセンサ3が検出する。操作入力装置1は計算部26を備え、計算部26はセンサ3によって検出された対象物Fの位置から対象物Fの基準位置を計算する。このように計算部26が対象物Fの基準位置を計算することにより、画像10に表示されたボタン11に対する対象物Fの押下位置を基準位置としてキャリブレーションすることができる。
【0058】
従って、対象物Fで操作する使用者ごとにキャリブレーションを行うことができるので、複数の使用者に対して高精度な操作を実現できる。また、表示装置15は、第1論理エリア12Aに含まれる第1ボタン11Aを表示し、第2論理エリア12Bに含まれる第2ボタン11B1,11B2を第1論理エリア12Aとは異なる場所に表示し、第3論理エリア12Cに含まれる第3ボタン11C1,11C2を第1論理エリア12A及び第2論理エリア12Bとは異なる場所に表示する。
【0059】
計算部26は、第1論理エリア12Aの所定位置PX1に対する対象物Fの第1位置P1、第2論理エリア12Bの所定位置PX2に対する対象物Fの第2位置P2、及び、第3論理エリア12Cの所定位置PX3に対する対象物Fの第3位置P3、から対象物Fの基準位置を計算する。計算部26は、対象物Fによる画像10の実際の押下位置である第1位置P1、第2位置P2及び第3位置P3から基準位置を計算するので、3点の位置を基に高精度にキャリブレーションを行うことができる。従って、複数の使用者の特性に合わせて高精度にキャリブレーションを行うことができる。
【0060】
本実施形態に係る操作入力装置1は、表示装置15からの光Cを複数回反射させて画像10を表示する空中結像デバイス14を備え、空中結像デバイス14は、空中に虚像として画像10を表示してもよい。よって、空中に虚像として表示される画像10に対しても高精度にキャリブレーションを行うことができる。従って、虚像として浮き出たように表示される表示面である画像10に対する操作性を向上させることができる。
【0061】
表示装置15によって表示される画像10は、領域A1~A9に分割されており、第1ボタン11Aが表示される領域A8、第2ボタン11B1,11B2が表示される領域A6、及び、第3ボタン11C1,11C2が表示される領域A1、が互いに異なる。よって、第1ボタン11Aが表示される領域A8、第2ボタン11B1,11B2が表示される領域A6、及び第3ボタン11C1,11C2が表示される領域A1、を互いに離間させることができるので、3点の位置からより高精度にキャリブレーションを行うことができる。
【0062】
本実施形態に係る操作入力装置1は、操作入力装置1の外部の機器に制御信号を出力して機器の動作を制御する信号出力部24を備えてもよく、信号出力部24は、第1ボタン11Aが押されたとき、第2ボタン11B1,11B2が押されたとき、及び、第3ボタン11C1,11C2が押されたとき、のそれぞれにおいて機器に制御信号を出力する。よって、第1ボタン11A、第2ボタン11B1,11B2及び第3ボタン11C1,11C2のそれぞれを押すたびに信号出力部24が機器に制御信号を出力するので、使用者による機器の操作と同時にキャリブレーションを行うことができる。従って、更なる操作性の向上に寄与する。
【0063】
以上、本開示に係る操作入力装置の実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る操作入力装置は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、操作入力装置の各部の構成、形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、前述した要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0064】
例えば、前述の実施形態では、センサ3は、センサ3と物体上の各点との距離をLight Coding方式によって測定する例について説明したが、この方式に限定されない。例えば、センサ3は、センサ3と物体上の各点との距離を、TOF(Time Of Flight)方式によって測定してもよい。TOF方式では、センサ3は、光線が物体上の各点で反射してセンサ3に到達するまでの光線の飛行時間(遅れ時間)を算出し、算出した飛行時間と光の速度とから、センサ3と物体上の各点との距離を測定する。このような形態であっても、前述した実施形態と同様の効果を奏する。更に、センサの種類は深度センサに限定されない。すなわち、深度センサであるセンサ3に代えて、赤外線センサ又は超音波センサ等を備えていてもよく、センサの種類は適宜変更可能である。
【0065】
また、前述の実施形態では、現金自動預け払い機に設けられる操作入力装置1について例示した。しかしながら、本開示に係る空中操作装置は、キッチン、トイレ、水回り、病院、公共機関、駅又は空港等に設けられていてもよい。例えば、キッチンに設けられる空中操作装置では、ボタン付きの表示面が空中に虚像として表示されることにより、食材が付着した指等でディスプレイに直接触れなくても、料理アプリを操作可能となる。すなわち、従来は携帯端末等のディスプレイを触るために、わざわざ手を洗ってからディスプレイに表示される料理アプリを操作していたが、本開示に係る空中操作装置では、ボタン付きの表示面が空中に虚像として表示されるので、空中のボタンを操作することによって料理アプリを操作できる。従って、わざわざ手を洗わなくても料理アプリを操作できるので、操作性が高い空中操作装置とすることができる。
【0066】
例えば、ATM、病院、公共機関、駅又は空港に設けられる空中操作装置では、ボタン付きの表示面が空中に虚像として表示されることにより、共用のディスプレイを直接触らなくても、ATM、又は、病院若しくは空港の受付機等の操作を行うことが可能である。従って、共用のディスプレイへの指の接触を不要とすることができるので、衛生的に操作を行うことができる。
【0067】
また、前述の実施形態では、領域を9分割(領域A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9に分割)して表示する表示装置15について説明した。しかしながら、本開示に係る表示装置は、領域を2分割以上且つ8分割以下、又は10分割以上に分けて画像を表示してもよい。更に、表示装置が4回以上ボタンを表示し、計算部が4回以上所定位置に対する対象物の位置を計算してもよい。この場合、キャリブレーションの精度を更に高めることができる。また、前述の実施形態では、虚像を表示する空中結像デバイス14及び表示装置15が空中に画像10を表示する例について説明した。しかしながら、本開示に係る操作入力装置は、空中結像デバイス14及び表示装置15に代えて、ディスプレイ上に画像を表示する表示装置を備えていてもよい。そして、ディスプレイの表示画面上の操作において前述したキャリブレーションが実行されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…操作入力装置、2…筐体、2b…上面、2c…側面、2d…前面、2f…背面、2g…下面、2h…傾斜面、3…センサ、10…画像、11…ボタン、11A…第1ボタン、11b…所定位置、11B1,11B2…第2ボタン、11C1,11C2…第3ボタン、12…論理エリア、12A…第1論理エリア、12B…第2論理エリア、12C…第3論理エリア、13,16,17…文字情報、14…空中結像デバイス、15…表示装置、20…制御部、21…画像出力部、22…対象物検出部、23…認識部、24…信号出力部、25…通知部、25b…音声出力部、25c…色彩変更部、26…計算部、A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9…領域、C…光、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、F…対象物、K…距離、L…対角線、P1…第1位置、P2…第2位置、P3…第3位置、PX1,PX2,PX3…所定位置、Y…閾値、Z…押下判定面。