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特開2024-29276稼働状態判定装置、稼働状態判定方法、及び稼働状態判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029276
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】稼働状態判定装置、稼働状態判定方法、及び稼働状態判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240228BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131441
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】品川 宗介
(72)【発明者】
【氏名】宮原 浩二
【テーマコード(参考)】
3C100
3C223
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA59
3C100BB13
3C100BB34
3C223AA11
3C223BA01
3C223BB08
3C223CC01
3C223FF22
3C223FF26
3C223FF35
3C223FF53
3C223GG01
3C223HH02
(57)【要約】
【課題】表示機の点灯パターンが示す装置の稼働状態の定義が変更される場合でも、学習済みモデルの再学習が不要な稼働状態判定装置を提供する。
【解決手段】稼働状態判定装置100は、装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得する画像取得部101と、画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論する点灯パターン推論部105と、点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、装置の稼働状態を判定する稼働状態判定部106と、を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論する点灯パターン推論部と、
前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め前記表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、前記装置の稼働状態を判定する稼働状態判定部と、
を備えた稼働状態判定装置。
【請求項2】
前記点灯パターン推論部は、前記表示機の点灯パターンの推論に際し、推論した点灯パターンの信頼度を示すスコアを取得し、
前記点灯パターン推論部により取得されたスコアが閾値未満であるとき、前記表示機が劣化又は故障している旨の判定を行う劣化判定部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の稼働状態判定装置。
【請求項3】
前記画像取得部は、互いに異なる複数の装置の稼働状態を点灯パターンで示す複数の前記表示機を含む画像を撮像した画像データを取得し、
前記画像取得部により取得された画像データから、前記複数の表示機のそれぞれが撮像されている箇所のデータを切り出し、当該切り出したデータを表示機画像データとして生成する画像切り出し部を備え、
前記点灯パターン推論部は、前記画像切り出し部により生成された複数の表示機画像データと、前記第1機械学習モデルとに基づいて、当該複数の表示機画像データのそれぞれが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論し、
前記稼働状態判定部は、前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、前記対応情報とに基づいて、前記複数の装置のそれぞれの稼働状態を判定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の稼働状態判定装置。
【請求項4】
前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像における前記複数の表示機のそれぞれの位置を示す情報を推論した結果を出力する第2機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像における前記複数の表示機のそれぞれの位置を推論する位置推論部を備え、
前記画像切り出し部は、前記位置推論部により推論された前記複数の表示機のそれぞれの位置に基づいて、前記画像取得部により取得された画像データから、前記それぞれの表示機が撮像されている箇所のデータを切り出し、当該切り出したデータを表示機画像データとして生成する
ことを特徴とする請求項3記載の稼働状態判定装置。
【請求項5】
前記稼働状態判定部による判定結果を示す情報を出力する稼働情報出力部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の稼働状態判定装置。
【請求項6】
画像取得部が、装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得するステップと、
点灯パターン推論部が、前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論するステップと、
稼働状態判定部が、前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め前記表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、前記装置の稼働状態を判定するステップと、
を有する稼働状態判定方法。
【請求項7】
コンピュータを、
装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論する点灯パターン推論部と、
前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め前記表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、前記装置の稼働状態を判定する稼働状態判定部として機能させるための稼働状態判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、稼働状態判定装置、稼働状態判定方法、及び稼働状態判定プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、機械部品等を製造する工場では、複数の装置が設置される。これらの装置には、自装置の稼働状態(例えば稼働中、停止中、異常等)をライトの点灯パターンで表すことが可能な表示機が付設されており、工場の管理者等は、当該表示機を目視することで各装置の稼働状態を把握することが可能となっている。
【0003】
ただし、工場の管理者等は、個々の装置を直接見て表示機を確認する必要があるため、複数の装置の稼働状態を一度に確認することは困難である。そこで、従来、各装置に付設されている表示機を撮像装置(カメラ)で撮像した画像から、表示機の点灯パターンを認識することで、複数の装置の稼働状態を認識する技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、撮像装置により撮像された画像データの入力に対し、当該画像データに含まれた表示機(状態ライト)の位置と、当該表示機が表す各装置の稼働状態とを出力するよう機械学習により学習された学習済みモデルに対し、上記画像データを入力することで、状態ライトの位置及び各装置の稼働状態を効率よく認識する稼働監視装置(以下、「従来装置」ともいう。)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-198047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来装置では、装置の稼働状態の判定に際し、1つの学習済みモデルを用いているが、この学習済みモデルは、画像データに含まれた状態ライトの位置と、当該状態ライトが表す装置の稼働状態との関係を学習させたものであった。したがって、従来装置では、状態ランプが示す装置の稼働状態の定義が変更された場合、当該変更後の新たな定義にしたがって学習済みモデルを再学習しなければならないという課題があった。
【0007】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、表示機の点灯パターンが示す装置の稼働状態の定義が変更される場合でも、学習済みモデルの再学習が不要な稼働状態判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る稼働状態判定装置は、装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得する画像取得部と、画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論する点灯パターン推論部と、点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、装置の稼働状態を判定する稼働状態判定部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、表示機の点灯パターンが示す装置の稼働状態の定義が変更される場合でも、学習済みモデルの再学習が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る稼働状態判定装置の構成例を示す図である。
図2】実施の形態1におけるカメラの設置例を説明するための図である。
図3】実施の形態1における警告表示灯(積層灯)の一例を説明するための図である。
図4】実施の形態1における信号機の一例を説明するための図である。
図5】実施の形態1における画像データが示す画像の例を示す図である。
図6】実施の形態1における表示機画像データが示す画像の例を示す図である。
図7】実施の形態1における稼働状態判定テーブルの一例を示す図である。
図8】実施の形態1に係る稼働状態判定装置の他の構成例を示す図である。
図9】実施の形態1に係る稼働状態判定装置の運用開始前における動作例を説明するためのフローチャートである。
図10】実施の形態1における位置推論部の処理の一例を示す図である。
図11】実施の形態1に係る稼働状態判定装置の運用開始後における動作例を説明するためのフローチャートである。
図12】実施の形態1における画像切り出し部から点灯パターン推論部までの処理の一例を示す図である。
図13】実施の形態1における稼働状態判定部及び劣化判定部から稼働情報出力部までの処理の一例を示す図である。
図14図14A図14B,及び図14Cは、実施の形態1に係る稼働状態判定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図15】実施の形態1に係る学習装置の構成例を示す図である。
図16】実施の形態1に係る学習装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図17】実施の形態1における位置情報特定モデル生成部の処理の一例を示す図である。
図18】実施の形態1における位置推論部から画像切り出し部までの処理の一例を示す図である。
図19】実施の形態1における点灯パターン判別モデル生成部の処理の一例を示す図である。
図20図20A図20B,及び図20Cは、実施の形態1に係る学習装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
【0012】
<稼働状態判定装置>
図1は、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100の構成例を示す図である。
稼働状態判定装置100は、工場に設置された装置の稼働状態を、当該装置に付設された表示機の点灯パターンに基づいて判定する装置である。稼働状態判定装置100は、図1に示すように、撮像装置150、操作入力装置200及び表示装置300と有線又は無線により接続される。
なお、図1では、稼働状態判定装置100が撮像装置150、操作入力装置200及び表示装置300と有線又は無線により直接接続された例を示している。しかしながら、稼働状態判定装置100はこれに限らず、例えば有線又は無線による不図示のネットワークを介して、撮像装置150、操作入力装置200及び表示装置300と間接的に接続されていてもよい。
【0013】
撮像装置150は、例えば、工場に設置された定点カメラ(以下、単に「カメラ」ともいう。)151を備える。カメラ151は、例えば図2に示すように、工場に設置された複数の装置のうち、稼働状態判定装置100が稼働状態を判定する対象となる装置Mと、当該装置Mに付設された表示機Lとを同時に撮影することが可能な箇所に、例えば工場の管理者等(以下、「ユーザ」ともいう。)により予め設置される。なお、図2において、点線はカメラ151の撮像範囲を示している。
【0014】
実施の形態1において、装置Mに付設される表示機Lとは、例えばユーザが視覚により装置Mの稼働状態を認識することができるように、当該装置Mの稼働状態を色の情報(点灯パターン)で表すことが可能な表示機器全般を意味する。実施の形態1において、表示機Lは、例えば警告表示灯(積層灯)及び信号機により構成される。
【0015】
警告表示灯(積層灯)は、例えば図3に示すように、発光色が相違する複数(ここでは5つ)のライトL1~L5を上下方向に並べて配設したものである。警告表示灯は、装置Mと協働することで、装置Mの稼働状態に応じた発光色のライトを点灯させる。例えば、警告表示灯は、装置Mが稼働中である場合、青色のライトL1を点灯させる。また、例えば、警告表示灯は、装置Mが停止中である場合、黄色のライトL2を点灯させる。また、例えば、警告表示灯は、装置Mが異常状態にある場合、赤色のライトL3を点灯させる。
【0016】
なお、稼働状態の区分及び稼働状態に応じた警告表示灯の点灯パターンは上記例に限らないものとする。例えば、警告表示灯は、複数色のライトを組み合わせて点灯させることで装置Mの稼働状態を表してもよい。また、警告表示灯は、ライトの消灯によって装置Mの稼働状態を表してもよいし、ライトの点滅等によって装置Mの稼働状態を表してもよい。
【0017】
また、信号機は、例えば図4に示すように、発光色が相違する複数(ここでは3つ)のライトL6~L8を左右方向に並べて配設したものである。信号機も、警告表示灯と同様に、装置Mと協働することで、装置Mの稼働状態に応じた発光色のライトを点灯させる。例えば、信号機は、装置Mが稼働中である場合、青色のライトL6を点灯させる。また、例えば、信号機は、装置Mが停止中である場合、黄色のライトL7を点灯させる。また、例えば、信号機は、装置Mが異常状態にある場合、赤色のライトL8を点灯させる。
【0018】
なお、信号機についても、稼働状態の区分及び稼働状態に応じた点灯パターンは上記例に限らないものとする。例えば、信号機は、複数色のライトを組み合わせて点灯させることで装置Mの稼働状態を表してもよい。また、信号機は、ライトの消灯によって装置Mの稼働状態を表してもよいし、ライトの点滅等によって装置Mの稼働状態を表してもよい。
【0019】
カメラ151は、例えばユーザによる操作、又は予めユーザにより設定されたスケジュールにしたがって、上記表示機Lが付設された装置Mを、当該表示機Lとともに撮像し、画像データを得る。
【0020】
なお、カメラ151が得る画像データは、静止画による画像データ1と、動画による画像データ10とを含む。すなわち、カメラ151は、表示機L及び装置Mの静止画による画像データ1を得ることができるほか、表示機L及び装置Mをリアルタイムで撮像した動画による画像データ10を得ることもできる。なお、ここでは、動画による画像データ10は、時間的に連続した静止画による複数の画像データ1(フレーム)により構成されるものとする。よって、カメラ151は、動画による1回の撮像毎に、時間的に連続した静止画による画像データ1を1つ以上取得する。また、カメラ151は、取得した静止画による画像データ1を記録可能な記録部(図示省略)を備えている。カメラ151は、取得した静止画による画像データ1を当該記録部に記録する。
【0021】
画像データ1が示す画像の例を図5に示す。画像データ1が示す画像は、例えば図5に示すように、稼働状態判定装置100が稼働状態を判定する対象となる装置Mと、当該装置Mに付設された表示機Lとが撮像された画像である。なお、図5の例では、4台の装置M及び表示機Lが撮像された画像の例を示しているが、装置M及び表示機Lの台数はこれに限られない。
【0022】
実施の形態1では、カメラ151は、稼働状態判定装置100の運用が開始される前の段階(以下、単に「運用開始前」ともいう。)において、例えばユーザによる操作、又は予めユーザにより設定されたスケジュールにしたがって、静止画による撮像を少なくとも1回行い、静止画による画像データ1を取得して、記録部に記録する。なお、運用開始前における撮像は、稼働状態判定装置100の運用開始に先立ち、装置Mに付設された表示機Lの位置情報を取得することを目的として行われる。そのため、この段階では、表示機Lは必ずしもいずれかのライトが点灯している必要はなく、例えばすべてのライトが消灯していてもよい。
【0023】
また、カメラ151は、稼働状態判定装置100の運用が開始された後の段階(以下、単に「運用開始後」ともいう。)において、例えばユーザによる操作、又は予めユーザにより設定されたスケジュールにしたがって、動画による撮像を開始し、動画による画像データ10、すなわち時間的に連続した静止画による複数の画像データ1(フレーム)を取得して、記録部に記録する。なお、運用開始後における撮像は、装置Mの稼働状態を判定することを目的として行われる。そのため、この段階では、画像データ1に含まれる装置Mのうちの少なくとも1台は稼働しており、かつ当該稼働している装置Mの表示機Lは、いずれかのライトが点灯していることが望ましい。
【0024】
操作入力装置200は、例えば、キーボード201及びマウス202を備える。
【0025】
表示装置300は、ディスプレイ301を備える。ディスプレイ301は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。表示装置300は、操作入力装置200に搭載されていてもよい。
【0026】
操作入力装置200は、ユーザによる稼働状態判定装置100に対する操作を受け付ける。
【0027】
例えば、ユーザは、操作入力装置200が備えるキーボード201及びマウス202を操作して、稼働状態判定装置100に対して情報を入力する。具体的には、ユーザは、キーボード201及びマウス202を操作して、例えば、画像データ1の一覧を表示装置300のディスプレイ301に表示させ、その中から任意の画像データ1を選択する。
【0028】
より具体的には、例えばユーザは、キーボード201またはマウス202を操作して、稼働状態判定装置100に対して、ディスプレイ301に、カメラ151の記録部に記録されている複数の画像データ1の一覧を表示させる。そして、ユーザは、例えばキーボード201及びマウス202を操作して、表示させた画像データ1の一覧から所望の画像データ1を選択し、選択した画像データ1をディスプレイ301に表示させる。また、ユーザは、例えばキーボード201及びマウス202を操作して、選択した画像データ1を稼働状態判定装置100に入力させる(取り込む)。
【0029】
なお、上記の例では、ユーザが画像データ1の一覧をディスプレイ301に表示させ、当該一覧の中からキーボード201及びマウス202を操作して所望の画像データ1を選択し、選択した画像データ1を稼働状態判定装置100に入力させる例を説明した。しかしながら、例えば運用開始前及び運用開始後において、カメラ151から稼働状態判定装置100に入力させる(取り込む)画像データ1が予め決定されており、ユーザによる画像データ1の選択等の操作が不要である場合は、操作入力装置200及び表示装置300は省略されていてもよい。
【0030】
稼働状態判定装置100は、入力された画像データ1に基づいて、当該画像データ1が示す画像に含まれる装置Mの稼働状態を判定する。
【0031】
稼働状態判定装置100は、例えば図1に示すように、画像取得部101、位置推論部102、推論器格納部103、画像切り出し部104、点灯パターン推論部105、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107を備える。
【0032】
推論器格納部103は、位置情報特定モデル131(第2機械学習モデル)、及び、点灯パターン判別モデル132(第1機械学習モデル)を格納している。また、推論器格納部103は、稼働状態判定テーブル133を格納している。
【0033】
位置情報特定モデル131は、画像データ1を入力として、当該画像データ1が示す画像に含まれるそれぞれの表示機Lの位置を示す情報(以下、単に「位置情報」ともいう。)を推論した結果を出力するよう機械学習により学習された学習済みモデルである。すなわち、実施の形態1において、位置情報特定モデル131は、画像データ1が示す画像における表示機Lの位置情報推論用の機械学習モデルである。
【0034】
また、点灯パターン判別モデル132は、画像データ1に基づいて当該画像データ1から生成された、表示機Lのみが撮像された画像データ1c(以下、「表示機画像データ」ともいう。)を入力として、当該表示機画像データ1cが示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターンを示す情報(以下、単に「点灯パターン情報」ともいう。)を推論した結果を出力するよう機械学習により学習された学習済みモデルである。すなわち、実施の形態1において、点灯パターン判別モデル132は、表示機画像データ1cにおける表示機Lの点灯パターン情報推論用の機械学習モデルである。
【0035】
なお、表示機画像データ1cは、上述した画像データ1から、表示機Lが写されている箇所のデータのみを切り出して生成された画像データである。表示機画像データ1cは、例えば後述する画像切り出し部104が、上述した画像データ1から、表示機Lが写されている箇所のデータを切り出し、切り出したデータを表示機画像データ1cとして保存することにより生成される。表示機画像データ1cの具体例、及び詳しい生成方法については後述する。
【0036】
なお、実施の形態1において、位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132をまとめて「機械学習モデル」ともいう。機械学習モデルは、学習装置400(後述の図15参照)による機械学習により生成され、推論器格納部103に格納される。学習装置400の詳細については後述する。
【0037】
稼働状態判定テーブル133は、表示機Lの点灯パターン情報と、装置Mの稼働状態を示す情報(以下、「稼働状態情報」ともいう。)とを対応付けて構成されたテーブル(対応情報)である。稼働状態判定テーブル133は、予めユーザにより作成され、推論器格納部103に格納される。稼働状態判定テーブル133の詳細については後述する。
【0038】
画像取得部101は、カメラ151から画像データ1を取得する。
【0039】
具体的には、画像取得部101は、稼働状態判定装置100の運用が開始される前の段階(運用開始前)において、カメラ151の記録部から静止画による画像データ1を取得する。画像取得部101は、運用開始前においてカメラ151の記録部から取得した静止画による画像データ1を、位置推論部102に出力する。
【0040】
また、画像取得部101は、稼働状態判定装置100の運用が開始された後の段階(運用開始後)において、カメラ151の記録部から、動画による画像データ10、すなわち時間的に連続した静止画による複数の画像データ1(フレーム)をリアルタイムで取得する。画像取得部101は、運用開始後においてカメラ151の記録部からリアルタイムで取得した動画による画像データ10、すなわち時間的に連続した静止画による複数の画像データ1(フレーム)を、画像切り出し部104に順次出力する。
【0041】
位置推論部102は、画像取得部101から出力された画像データ1に基づき、推論器格納部103に格納されている位置情報特定モデル131を用いた推論を行うことで、画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの位置情報を取得する。位置推論部102は、取得した表示機Lの位置情報を画像切り出し部104に出力する。
【0042】
なお、位置推論部102は、位置情報特定モデル131を用いることによる表示機Lの位置情報の取得を、稼働状態判定装置100の運用開始前に少なくとも1回行う。また、位置推論部102は、画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの台数分だけ、位置情報を取得する。例えば、位置推論部102は、画像データ1が示す画像に表示機Lが4台含まれている場合、4つの位置情報を取得する。
【0043】
画像切り出し部104は、運用開始前に位置推論部102から出力された表示機Lの位置情報に基づいて、運用開始後に画像取得部101から順次出力されてくる、時間的に連続した静止画による画像データ1のそれぞれから、表示機Lが写されている箇所のデータを切り出す。そして、画像切り出し部104は、切り出したデータを上述した表示機画像データ1cとして保存する。これにより、画像切り出し部104は、時間的に連続した静止画による画像データ1のそれぞれから、表示機画像データ1cを生成する。画像切り出し部104は、生成した表示機画像データ1cを、当該生成に用いた表示機Lの位置情報とともに点灯パターン推論部105に出力する。
【0044】
表示機画像データ1cが示す画像の例を図6に示す。図6に示すように、1つの表示機画像データ1cが示す画像には、1台の表示機Lが含まれている。画像切り出し部104は、1つの画像データ1から、表示機Lの位置情報の台数分だけ表示機画像データ1cを生成する。例えば、画像切り出し部104は、表示機Lの位置情報が4台分ある場合、1つの画像データ1から、4つの表示機画像データ1cを生成する。
【0045】
なお、カメラ151による撮像範囲が変更された場合、あるいは、当該撮像範囲に変更はないが当該撮像範囲内で表示機Lの位置が変更された場合、ユーザはカメラ151による撮像をやり直す。また、カメラ151による撮像がやり直された後、画像取得部101は、カメラ151から画像データ1を再取得し、位置推論部102は表示機Lの位置情報を再取得して、当該再取得した表示機Lの位置情報を画像切り出し部104に再出力する。そして、画像切り出し部104は、位置推論部102から再出力された表示機Lの位置情報に基づいて、画像取得部101から順次出力されてくる、時間的に連続した静止画による画像データ1のそれぞれから、表示機Lが写されている箇所のデータを切り出す。
【0046】
点灯パターン推論部105は、画像切り出し部104から、表示機画像データ1cと、表示機Lの位置情報とを取得する。また、点灯パターン推論部105は、当該取得した表示機画像データ1cに基づき、推論器格納部103に格納されている点灯パターン判別モデル132を用いた推論を行うことで、表示機画像データ1cが示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターン情報を取得する。また、このとき、点灯パターン推論部105は、上記推論した結果である点灯パターン情報の信頼度を示す信頼度スコアSを取得する。点灯パターン推論部105は、上記取得した表示機Lの点灯パターン情報及び信頼度スコアSと、表示機Lの位置情報とを、稼働状態判定部106に出力する。
【0047】
ここで、点灯パターン推論部105が取得する表示機Lの点灯パターン情報は、例えば点灯しているライトを示す情報(例えば「1」)と、消灯しているライトを示す情報(例えば「0」)との組み合わせで表される。
【0048】
例えば、表示機Lが図3に示した5つのライトL1~L5からなる警告表示灯(積層灯)であり、ライトL1が青色、ライトL2が黄色、ライトL3が赤色、ライトL4が緑色、ライトL5が白色である場合において、青色のライトL1のみが点灯している場合、この表示機Lの点灯パターン情報は「1、0、0、0、0」と表される。また、上記の例において、黄色のライトL2のみが点灯している場合、この表示機Lの点灯パターン情報は「0、1、0、0、0」と表される。
【0049】
同様に、上記の例において、赤色のライトL3と白色のライトL5とが点灯している場合、この表示機Lの点灯パターン情報は「0、0、1、0、1」と表される。また、上記の例において、すべてのライトが消灯している場合、この表示機Lの点灯パターン情報は「0、0、0、0、0」と表される。
【0050】
なお、上記の説明では、点灯パターン推論部105が取得する表示機Lの点灯パターン情報が、点灯しているライトを示す情報である「1」と、消灯しているライトを示す情報である「0」との組み合わせで表される例を説明した。しかしながら、表示機Lの点灯パターン情報はこれに限らず、例えば点灯しているライトを示す情報を「0」とし、消灯しているライトを示す情報を「1」としてもよい。
【0051】
また、点灯パターン推論部105が取得する表示機Lの点灯パターン情報は、上記点灯又は消灯しているライトを示す情報に加えて、点滅しているライトを示す情報が付加されていてもよい。
【0052】
例えば、ある表示機Lにおいて、青色のライトL1が点滅している場合、この表示機Lが含まれる画像データ1から生成された表示機画像データ1cは、青色のライトL1が点灯している状態の画像を示すデータと、すべてのライトが消灯している状態の画像を示すデータとが交互に繰り返されることが想定される。この場合、点灯パターン判別モデル132は、青色のライトL1が点灯している旨の推論結果と、すべてのライトが消灯している旨の推論結果とを繰り返し出力することが想定される。そこで、点灯パターン推論部105は、例えば青色のライトL1が点灯している旨の推論結果と、すべてのライトが消灯している旨の推論結果とが、所定時間内に所定回数以上、点灯パターン判別モデル132から繰り返し出力された場合に、当該青色のライトL1が点滅している旨の点灯パターン情報を取得する。
【0053】
稼働状態判定部106は、点灯パターン推論部105から、表示機Lの点灯パターン情報及び信頼度スコアSと、表示機Lの位置情報とを取得する。また、稼働状態判定部106は、当該取得した表示機Lの点灯パターン情報に基づき、推論器格納部103に格納されている稼働状態判定テーブル133を参照することで、表示機Lが付設された装置Mの稼働状態を判定する。
【0054】
稼働状態判定テーブル133の一例を図7に示す。稼働状態判定テーブル133は、図7に示すように、表示機Lの点灯パターン情報と、装置Mの稼働状態を示す情報(以下、「稼働状態情報」ともいう。)とが対応付けられて構成されたテーブルである。なお、図7に示す稼働状態判定テーブル133は、図3で説明した5つのライトL1~L5を備えた警告表示灯(積層灯)に対応するものである。
【0055】
例えば、図7の例では、表示機Lの点灯パターン情報「1、0、0、0、0」に対し、稼働状態情報として「稼働中」が対応付けられている。これは、表示機Lの青色のライトL1のみが点灯している場合、当該表示機Lが付設された装置Mは正常に稼働していることを表している。
【0056】
同様に、図7の例では、表示機Lの点灯パターン情報「0、1、0、0、0」に対し、稼働状態情報として「停止中」が対応付けられている。これは、表示機Lの黄色のライトL2のみが点灯している場合、当該表示機Lが付設された装置Mは停止していることを表している。
【0057】
同様に、図7の例では、表示機Lの点灯パターン情報「0、0、1、0、0」に対し、稼働状態情報として「異常」が対応付けられている。これは、表示機Lの赤色のライトL3のみが点灯している場合、当該表示機Lが付設された装置Mには異常が発生していることを表している。
【0058】
同様に、図7の例では、表示機Lの点灯パターン情報「0、0、1、0、1」に対し、稼働状態情報として「異常(緊急度低)」が対応付けられている。これは、表示機Lの赤色のライトL3と白色のライトL5とが点灯している場合、当該表示機Lが付設された装置Mには緊急度の低い異常が発生していることを表している。
【0059】
なお、図7の例では、説明を分かり易くするため、表示機Lの点灯パターン情報が、ライトの点灯及び消灯を示す情報の組み合わせで構成される例を説明した。しかしながら、表示機Lの点灯パターン情報にはこれに加えて、上述したライトの点滅に関する情報が付加されていてもよい。
【0060】
稼働状態判定部106は、点灯パターン推論部105から取得した表示機Lの点灯パターン情報に基づき、稼働状態判定テーブル133を参照し、当該点灯パターン情報に対応付けられている稼働状態情報を稼働状態判定テーブル133から取得する。これにより、稼働状態判定部106は、装置Mの稼働状態を判定する。稼働状態判定部106は、装置Mの稼働状態を判定した結果を示す情報を、当該装置Mに付設された表示機Lの位置情報とともに、稼働情報出力部107に出力する。
【0061】
稼働情報出力部107は、稼働状態判定部106から出力された、装置Mの稼働状態を判定した結果を示す情報と、当該装置Mに付設された表示機Lの位置情報とを、稼働情報として出力する。
【0062】
稼働情報出力部107による稼働情報の出力態様は特に限定されない。例えば、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を表示装置300のディスプレイ301に表示する。また、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を、不図示のネットワークを経由して、外部の装置に送信する。また、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を、不図示のプリンタに送信し、文字情報として印刷したり、不図示のスピーカに送信し、音声情報として出力する。なお、これらの出力態様は、いずれかの態様が単独で採用されてもよいし、任意の態様が選択的に組み合わせられてもよい。例えば、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を不図示のネットワークを経由して外部の装置に送信するだけでもよい。また、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を表示装置300のディスプレイ301に表示するとともに、不図示のネットワークを経由して外部の装置に送信し、かつ、不図示のプリンタに送信し、文字情報として印刷してもよい。
【0063】
このように、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、点灯パターン判別モデル132を用いた表示機Lの点灯パターンの推論、及び点灯パターン情報の取得は点灯パターン推論部105が行い、当該取得した点灯パターン情報に基づく装置Mの稼働状態の判定は、稼働状態判定部106が稼働状態判定テーブル133を用いて行う。
【0064】
すなわち、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、機械学習モデル(位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132)を、表示機Lの位置情報の取得及び点灯パターンの推論にのみ用いる一方、装置Mの稼働状態の判定には機械学習モデルを用いずに、稼働状態判定テーブル133を用いて当該稼働状態の判定を行うようにする。これにより、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、仮に表示機Lの点灯パターンに基づく装置Mの稼働状態の定義が変更された場合でも、機械学習モデル(位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132)の再学習を行うことなく、稼働状態判定テーブル133の内容を変更するだけで、当該変更後の新たな定義に基づく稼働状態の判定を行うことができる。したがって、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、従来装置に対してユーザの作業負荷が大幅に軽減される。
【0065】
また、例えば、表示機Lの点灯パターンに基づく装置Mの稼働状態の定義は、装置Mが設置される工場あるいは施設等によって異なることも少なくない。例えば、ある工場では、黄色のライトのみが点灯している場合、装置Mの停止を表しているのに対し、別の工場では、黄色のライトのみが点灯している場合、装置Mの異常を表している場合などである。その場合、従来装置では、当該従来装置を設置する工場等で採用されている稼働状態の定義に合わせて予め機械学習を行い、学習済みモデルを生成しておく必要があった。
【0066】
一方、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、上記のように、装置Mの稼働状態の定義を稼働状態判定テーブル133に持たせているため、当該テーブルの内容を変更するだけで、工場等における稼働状態の定義に応じた柔軟な判定が可能となる。すなわち、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、工場等による装置の稼働状態の定義の違いをきわめて容易に吸収することができる。
【0067】
なお、上記の説明では、表示機Lが、稼働状態を表す対象の装置Mに付設されている例を説明したが、表示機Lは必ずしも装置Mに付設されていなくともよい。例えば、表示機Lが、どの装置Mの稼働状態を表すのかをユーザが認識可能であれば、表示機Lは対象の装置Mから離れた箇所に設置されていてもよい。
【0068】
また、上記の説明では、図5に示したように、画像データ1が示す画像に4台の装置M及び表示機Lが含まれている例を説明した。しかしながら、上述のように、表示機Lが対象の装置Mから離れた箇所に設置されている場合、画像データ1が示す画像には、4台の表示機Lのみが含まれていてもよい。
【0069】
また、上記の説明では、図5に示したように、画像データ1が示す画像に4台の装置M及び表示機Lが含まれている例を説明した。しかしながら、例えば1台の表示機Lに対して1台のカメラ151を準備できる場合、画像データ1が示す画像には、1台の表示機Lのみが含まれていてもよい。その場合、稼働状態判定装置100は、画像データ1から表示機Lが写されている箇所のデータを切り出す必要がないため、位置推論部102及び画像切り出し部104は省略されていてもよい。
【0070】
また、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100は、図8に示すように、稼働状態判定テーブル133を用いて装置Mの稼働状態を判定する稼働状態判定部106に加えて、さらに劣化判定部108を備えていてもよい。
【0071】
この場合、例えば点灯パターン推論部105は、点灯パターン判別モデル132を用いた推論の際に取得した上述の信頼度スコアSを、予めユーザにより設定された信頼度スコアの閾値Srと比較する。その結果、推論の際に取得した信頼度スコアSが閾値Sr以上であれば、点灯パターン推論部105は、取得した表示機Lの点灯パターン情報を稼働状態判定部106に出力する。一方、推論の際に取得した信頼度スコアSが閾値Sr未満であれば、点灯パターン推論部105は、取得した表示機Lの点灯パターン情報を劣化判定部108に出力する。
【0072】
稼働状態判定部106は、点灯パターン推論部105から表示機Lの点灯パターン情報を取得すると、上記と同様に、稼働状態判定テーブル133を用いて、当該取得した点灯パターン情報に基づき、装置Mの稼働状態を判定する。
【0073】
劣化判定部108は、点灯パターン推論部105から表示機Lの点灯パターン情報を取得すると、当該表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定を行う。このとき、劣化判定部108は、例えば上述の閾値Sr未満であった信頼度スコアSに基づいて、表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定を行ってもよい。
【0074】
例えば、劣化判定部108は、上述の閾値Sr未満であった信頼度スコアSと、上述の閾値Srとは異なる閾値であって、予めユーザにより設定された故障閾値Sqとを比較する。その結果、信頼度スコアSが故障閾値Sq以上であれば、劣化判定部108は、表示機Lが劣化している可能性が高い旨の判定を行う。一方、信頼度スコアSが故障閾値Sq未満であれば、劣化判定部108は、表示機Lが故障している可能性が高い旨の判定を行う。
【0075】
なお、上記の例はあくまで一例であり、劣化判定部108は、上述の信頼度スコアSが閾値Sr未満であれば、単に表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定を行うだけでもよい。
【0076】
劣化判定部108は、表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定結果を示す情報を、当該表示機Lの位置情報とともに、稼働情報出力部107に出力する。
【0077】
稼働情報出力部107は、劣化判定部108から出力された、表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定結果を示す情報と、当該表示機Lの位置情報とを、稼働情報として出力する。
【0078】
稼働情報出力部107による稼働情報の出力態様は特に限定されない。例えば、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を表示装置300のディスプレイ301に表示する。また、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を、不図示のネットワークを経由して、外部の装置に送信する。また、稼働情報出力部107は、上述の稼働情報を、不図示のプリンタに送信し、文字情報として印刷したり、不図示のスピーカに送信し、音声情報として出力する。
【0079】
これにより、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、例えば点灯パターン推論部105が点灯パターン判別モデル132を用いた推論を行った際、当該推論結果の信頼度を示す信頼度スコアSとして値の低いスコアが出力された場合に、装置Mに異常が発生しているのか、あるいは、表示機Lに異常が発生しているのかの判断がつかないといった問題が生じるおそれを低減することができる。
【0080】
例えば、点灯パターン推論部105が点灯パターン判別モデル132を用いた推論を行った際、当該推論結果の信頼度を示す信頼度スコアSとして値の低いスコアが出力された場合に、稼働状態判定部106がそのまま点灯パターン情報に基づいて稼働状態判定テーブル133を参照すると、当該点灯パターン情報が稼働状態判定テーブル133に定義されていないというケースがあることが想定される。その場合、稼働状態判定部106は、判定結果として、例えば「点灯パターン情報に対応する稼働状態が稼働状態判定テーブル133に定義されていない」旨を出力する。この場合、ユーザは、装置Mに異常が発生しているのか、あるいは、表示機Lに異常が発生しているのかの判断がつかないといった問題が生じ得る。
【0081】
この点、上記のように、稼働状態判定装置100が劣化判定部108を備えるように構成した場合、稼働状態判定装置100は、例えば、推論結果の信頼度を示す信頼度スコアSが閾値Sr以上である場合には、点灯パターン推論部105による推論の確度(確からしさ)が比較的高く、出力された点灯パターン情報が稼働状態判定テーブル133に定義されている可能性が高いものとみなして、稼働状態判定部106による稼働状態判定テーブル133を用いた稼働状態の判定を行う。一方、推論結果の信頼度を示す信頼度スコアSが閾値Sr未満である場合には、点灯パターン推論部105による推論の確度(確からしさ)が比較的低く、出力された点灯パターン情報が稼働状態判定テーブル133に定義されていない可能性があるものとして、稼働状態判定部106による判定ではなく、劣化判定部108による表示機Lの劣化又は故障の判定を行う。これにより、稼働状態判定装置100では、点灯パターン推論部105が点灯パターン判別モデル132を用いた推論を行った際、当該推論結果の信頼度を示す信頼度スコアSとして値の低いスコアが出力された場合に、装置Mに異常が発生しているのか、あるいは、表示機Lに異常が発生しているのかの判断がつかないといった問題が生じるおそれを低減することができる。
【0082】
次に、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100の動作例について説明する。まず、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100の運用開始前における動作例について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0083】
まず、画像取得部101は、カメラ151の記録部から静止画による画像データ1を取得する(ステップST901)。画像取得部101は、カメラ151の記録部から取得した静止画による画像データ1を位置推論部102に出力する。
【0084】
次に、位置推論部102は、画像取得部101から出力された画像データ1に基づき、推論器格納部103に格納されている位置情報特定モデル131を用いた推論を行うことで、画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの位置情報を取得する(ステップST902)。位置推論部102は、取得した表示機Lの位置情報を画像切り出し部104に出力する。この場合の処理の一例を図10に示す。
【0085】
なお、上述のように、カメラ151による撮像範囲が変更された場合、あるいは、当該撮像範囲に変更はないが当該撮像範囲内で表示機Lの位置が変更された場合、ユーザはカメラ151による撮像をやり直す。その場合、稼働状態判定装置100は、上述したステップST901~ST902を再度実行する。
【0086】
次に、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100の運用開始後における動作例について説明する。図11は、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100の運用開始後における動作例を説明するためのフローチャートである。なお、ここでは、稼働状態判定装置100が上述した劣化判定部108を備える場合の動作例について説明する。
【0087】
まず、画像取得部101は、カメラ151の記録部から、動画による画像データ10、すなわち時間的に連続した静止画による複数の画像データ1(フレーム)を取得する(ステップST1101)。画像取得部101は、取得した静止画による複数の画像データ1(フレーム)を、画像切り出し部104に順次出力する。
【0088】
次に、画像切り出し部104は、運用開始前において位置推論部102から出力された表示機Lの位置情報に基づいて、画像取得部101から順次出力された、時間的に連続した静止画による画像データ1のそれぞれから、表示機Lが写されている箇所のデータを切り出す。これにより、画像切り出し部104は、静止画による画像データ1のそれぞれから、表示機画像データ1cを生成する(ステップST1102)。画像切り出し部104は、生成した表示機画像データ1cを、当該生成に用いた表示機Lの位置情報とともに点灯パターン推論部105に出力する。
【0089】
次に、点灯パターン推論部105は、画像切り出し部104から出力された表示機画像データ1cに基づき、推論器格納部103に格納されている点灯パターン判別モデル132を用いた推論を行うことで、表示機画像データ1cが示す画像に写された表示機Lの点灯パターン情報を取得する(ステップST1103)。また、このとき、点灯パターン推論部105は、上記推論した結果の信頼度を示す信頼度スコアSを取得する。この画像切り出し部104から点灯パターン推論部105までの処理の一例を図12に示す。なお、図12において、画像切り出し部104及び点灯パターン推論部105により実行される処理を「処理A」とする。
【0090】
次に、点灯パターン推論部105は、処理Aにより得られた信頼度スコアSと、予め設定された信頼度スコアの閾値Srとを比較し、信頼度スコアSが閾値Sr以上であるか否かを確認する(ステップST1104)。その結果、信頼度スコアSが閾値Sr以上であれば(ステップST1104;YES)、点灯パターン推論部105は、取得した表示機Lの点灯パターン情報を稼働状態判定部106に出力する。
【0091】
稼働状態判定部106は、点灯パターン推論部105から出力された表示機Lの点灯パターン情報に基づき、稼働状態判定テーブル133を参照し、当該点灯パターン情報に対応付けられている稼働状態情報を稼働状態判定テーブル133から取得する。これにより、稼働状態判定部106は、表示機Lが付設された装置Mの稼働状態を判定する(ステップST1105)。稼働状態判定部106は、装置Mの稼働状態を判定した結果を示す情報を、当該装置Mに付設された表示機Lの位置情報とともに、稼働情報出力部107に出力する。
【0092】
一方、ステップST1104において、信頼度スコアSが閾値Sr未満であれば(ステップST1104;NO)、点灯パターン推論部105は、取得した表示機Lの点灯パターン情報を劣化判定部108に出力する。
【0093】
劣化判定部108は、点灯パターン推論部105から出力された表示機Lの点灯パターン情報に基づき、表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定を行う(ステップST1106)。劣化判定部108は、表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定結果を示す情報を、当該表示機Lの位置情報とともに、稼働情報出力部107に出力する。
【0094】
次に、稼働情報出力部107は、稼働状態判定部106から出力された、装置Mの稼働状態を判定した結果を示す情報及び当該装置Mに付設された表示機Lの位置情報、又は、劣化判定部108から出力された、表示機Lが劣化又は故障している可能性が高い旨の判定結果を示す情報及び当該表示機Lの位置情報を、稼働情報として出力する(ステップST1107)。この稼働状態判定部106及び劣化判定部108から稼働情報出力部107までの処理の一例を図13に示す。
【0095】
なお、以上の実施の形態1では、推論器格納部103は、稼働状態判定装置100に備えられるものとしたが、これは一例に過ぎない。推論器格納部103は、稼働状態判定装置100の外部の、稼働状態判定装置100が参照可能な場所に備えられるようにしてもよい。具体的には、例えば、通信ネットワーク上に配置された単数または複数のネットワークストレージ装置(図示省略)が推論器格納部103の機能を有するものとし、位置情報特定モデル131、点灯パターン判別モデル132、及び、稼働状態判定テーブル133を記憶するようにしてもよい。稼働状態判定装置100は、上記ネットワークストレージ装置にアクセスする。これにより、外部のネットワークストレージ装置は位置情報特定モデル131、点灯パターン判別モデル132、及び、稼働状態判定テーブル133を蓄積し、稼働状態判定装置100の外部にデータベースを構築することができる。
【0096】
図14A図14B,及び図14Cは、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
実施の形態1において、画像取得部101、位置推論部102、画像切り出し部104、点灯パターン推論部105、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107の機能は、処理回路1401により実現される。すなわち、稼働状態判定装置100は、入力された画像データ1に基づく装置Mの稼働状態の判定を行うための処理回路1401を備える。
処理回路1401は、図14Aに示すように専用のハードウェアであっても、図14Bに示すようにメモリ1405に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1404であってもよい。また、処理回路1401は、図14Cに示すように、メモリ1405に格納されるプログラムをそれぞれ実行する、CPU1404及びGPU(Graphics Processing Unit)1406の組み合わせで構成されてもよい。
【0097】
処理回路1401が専用のハードウェアである場合、処理回路1401は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0098】
処理回路1401がCPU1404の場合、画像取得部101、位置推論部102、画像切り出し部104、点灯パターン推論部105、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1405に記憶される。処理回路1401(CPU1404)は、メモリ1405に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像取得部101、位置推論部102、画像切り出し部104、点灯パターン推論部105、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107の機能を実行する。
また、処理回路1401がCPU1404及びGPU1406の組み合わせで構成される場合、例えばCPU1404は、メモリ1405に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像取得部101、位置推論部102、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107の機能を実行し、GPU1406は、メモリ1405に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像切り出し部104、及び、点灯パターン推論部105の機能を実行する。ただし、上記はあくまで一例であり、CPU1404及びGPU1406がいずれの機能を実行するかについては、ユーザが任意に設定可能である。
すなわち、稼働状態判定装置100は、処理回路1401により実行されるときに、上述の図9のステップST901~ステップST902、及び、図11のステップST1101~ステップST1107が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1405を備える。また、メモリ1405に記憶されたプログラムは、画像取得部101、位置推論部102、画像切り出し部104、点灯パターン推論部105、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ1405とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、または、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0099】
なお、画像取得部101、位置推論部102、画像切り出し部104、点灯パターン推論部105、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、画像取得部101については専用のハードウェアとしての処理回路1401でその機能を実現し、位置推論部102、画像切り出し部104、点灯パターン推論部105、稼働状態判定部106、及び、稼働情報出力部107については処理回路1401がメモリ1405に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
また、推論器格納部103は、例えば、HDDを使用する。なお、これは一例であって、推論器格納部103は、メモリ1405、SSD(Solid State Drive)、または、DVD等によって構成されるものであってもよい。
また、稼働状態判定装置100は、操作入力装置200、または、表示装置300等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1402及び出力インタフェース装置1403を備える。
【0100】
<学習装置>
次に、実施の形態1に係る学習装置400について説明する。学習装置400は、教師あり学習を行うことにより、位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132を生成する。
【0101】
図15は、実施の形態1に係る学習装置400の構成例を示す図である。学習装置400は、不図示のネットワークを介して稼働状態判定装置100及び撮像装置150と接続される。学習装置400は、当該学習装置400に入力された画像データ1及び1bと、ユーザにより与えられる教師ラベルとに基づき、位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132を生成する。
【0102】
なお、学習装置400に入力される画像データ1及び1bは、表示機L及び当該表示機Lが付設された装置Mが撮像された、静止画による画像データである。この学習装置400に入力される、静止画による画像データ1及び1bは、例えば上述した撮像装置150が備えるカメラ151により撮像される。
【0103】
また、画像データ1及び1bは、例題データとして、教師ラベルとともに学習装置400に入力される。学習装置400は、いわゆる教師あり学習により、ニューラルネットワークで構成された機械学習モデルを学習させる。教師ラベルは、画像データ1及び1bが示す画像における表示機Lの位置を示す情報(位置情報)、及び、当該表示機Lの点灯パターンを示す情報(点灯パターン情報)である。
【0104】
教師ラベルについて、例えば、表示機Lの位置に関するする教師ラベルは、画像データ1が示す画像における表示機Lの位置を示す座標と、当該表示機Lを特定可能な情報とが対応付けられたテキストデータである。表示機Lの位置は、例えば、当該表示機を矩形にて囲った際の当該矩形の四隅の画像データ1上の座標であらわされる。表示機Lを特定可能な情報は、例えば、表示機Lに付与された識別子(ID)でよい。
【0105】
表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルも、表示機Lの位置に関する教師ラベルと同様、画像データ1bが示す画像における表示機Lの点灯パターンを示す情報と当該表示機Lを特定可能な情報とが対応付けられたテキストデータである。なお、教師ラベルは、予め画像データ1及び1b毎に、例えばユーザによって生成される。
【0106】
学習装置400は、生成した位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132を、稼働状態判定装置100の推論器格納部103に格納する。
【0107】
なお、図15では、説明を簡単にするため、稼働状態判定装置100の構成部として、推論器格納部103のみを図示しているが、稼働状態判定装置100の構成例は、図1を用いて説明した稼働状態判定装置100の構成例と同じである。
【0108】
また、ここでは、図15に示すように、学習装置400は稼働状態判定装置100とは別個の装置とし、稼働状態判定装置100と接続されるものとするが、これは一例に過ぎない。例えば、学習装置400は、稼働状態判定装置100に搭載されるようにしてもよい。
【0109】
学習装置400は、図15に示すように第1取得部401、位置情報特定モデル生成部402、第2取得部403、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406を備える。
【0110】
第1取得部401は、表示機Lの位置情報を学習するための画像データ1の取得処理を行う。
【0111】
具体的には、第1取得部401は、表示機Lの位置に関する教師ラベルが付与された、複数の画像データ1を取得する。表示機Lの位置に関する教師ラベルは、例えば、上述したようなテキストデータである。
【0112】
なお、教師ラベルが付与された複数の画像データ1は、例えばユーザによって学習装置400に入力される。例えば、学習装置400は操作入力装置200(図1参照)と接続され、ユーザは、操作入力装置200のキーボード201及びマウス202を操作することにより、教師ラベルが付与された複数の画像データ1を入力する。第1取得部401は、上記のように入力された複数の画像データ1を取得する。
【0113】
なお、第1取得部401は、例題データとなる複数の画像データ1についてはカメラ151から直接取得し、表示機Lの位置に関する教師ラベルについては、ユーザから操作入力装置200を介して取得してもよい。
【0114】
また、このとき第1取得部401が取得する画像データ1は、装置Mに付設された表示機Lの位置情報を学習することを目的として取得される。そのため、この段階では、表示機Lは必ずしもいずれかのライトが点灯している必要はなく、例えばすべてのライトが消灯していてもよい。
【0115】
第1取得部401は、上記のように取得した、表示機Lの位置に関する教師ラベルが付与された複数の画像データ1を、位置学習用データとして、位置情報特定モデル生成部402に出力する。
【0116】
位置情報特定モデル生成部402は、第1取得部401から位置学習用データを取得すると、当該位置学習用データに基づいて、画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの位置を学習する。これにより、位置情報特定モデル生成部402は、表示機L及び当該表示機Lが付設された装置Mが撮像された画像データ1を入力として、当該画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの位置情報を推論した結果を出力する位置情報特定モデル131を生成する。
【0117】
位置情報特定モデル生成部402は、生成した位置情報特定モデル131を、稼働状態判定装置100の推論器格納部103に格納する。
【0118】
第2取得部403は、表示機Lの点灯パターン情報を学習するための画像データ1bの取得処理を行う。
【0119】
具体的には、第2取得部403は、少なくとも何らかの点灯パターンにて点灯している表示機L及び装置Mが撮像された画像データを含む、複数の静止画による画像データ1bを取得する。なお、この複数の画像データ1bには、すべての表示機Lが消灯している状態の画像データがいくつか含まれていると、点灯パターン判別モデル生成部406が、すべての表示機Lが消灯している状態を学習して判別できるようになるため好適である。
【0120】
なお、上記複数の画像データ1bは、例えばユーザによって学習装置400に入力される。例えば、ユーザは、操作入力装置200のキーボード201及びマウス202を操作することにより、上記複数の画像データ1bを入力する。第2取得部403は、ユーザから操作入力装置200を介して入力された上記複数の画像データ1bを取得する。第2取得部403は、上記取得した複数の画像データ1bを、位置推論部404及び画像切り出し部405に出力する。
【0121】
位置推論部404は、基本的には稼働状態判定装置100の位置推論部102と同様の機能を有する。例えば、位置推論部404は、第2取得部403が出力した複数の画像データ1bのそれぞれを、位置情報特定モデル生成部402が生成した位置情報特定モデル131に入力する。位置情報特定モデル131は、入力された画像データ1bが示す画像に含まれる表示機Lの位置情報を推論した結果を出力する。これにより、位置推論部404は、入力した複数の画像データ1bが示すそれぞれの画像データ1b毎に、表示機Lの位置情報を推論した結果を得る。位置推論部404は、このようにして得た表示機Lの位置情報の推論結果を、画像切り出し部405に順次出力する。
【0122】
画像切り出し部405は、基本的には稼働状態判定装置100の画像切り出し部104と同様の機能を有する。例えば、画像切り出し部405は、位置推論部404が順次出力した表示機Lの位置情報の推論結果に基づき、第2取得部403が出力した複数の画像データ1bのそれぞれから、画像データ1b毎に、表示機Lのみが撮像された画像データを切り出す。
【0123】
例えば、画像切り出し部405は、上記画像データ1bのそれぞれから、表示機Lの位置情報が示す位置に該当する部分のデータを切り出し、切り出したデータを表示機Lのみが撮像された画像データ(表示機画像データ)1cとして保存する。1つの画像データ1bに複数の表示機Lが写っている場合、画像切り出し部405は、1つの画像データ1bから複数の表示機画像データ1cを生成する。画像切り出し部405は、上記のようにして生成した表示機画像データ1cを、点灯パターン学習用データとして、点灯パターン判別モデル生成部406に出力する。なお、ここで生成される表示機画像データ1cは、例えば図6で説明した画像データと同様の画像データである。
【0124】
また、第2取得部403は、表示機Lの点灯パターン情報を学習するための教師ラベルの取得処理を行う。
【0125】
具体的には、第2取得部403は、表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルを取得する。表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルは、例えば、表示機画像データ1c毎に作成された、上述したようなテキストデータである。
【0126】
なお、表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルは、例えばユーザによって作成され、学習装置400に入力される。例えば、ユーザは、操作入力装置200のキーボード201及びマウス202を操作することにより、表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルを入力する。第2取得部403は、ユーザから操作入力装置200を介して入力された表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルを取得する。第2取得部403は、上記のように取得した、表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルを、点灯パターン判別モデル生成部406に出力する。
【0127】
ここで、表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルは、例えば点灯しているライトを示す情報(例えば「1」)と、消灯しているライトを示す情報(例えば「0」)との組み合わせで表される。
【0128】
例えば、表示機Lが図3に示した5つのライトL1~L5からなる警告表示灯(積層灯)であり、ライトL1が青色、ライトL2が黄色、ライトL3が赤色、ライトL4が緑色、ライトL5が白色である場合において、青色のライトL1のみが点灯している場合、この表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルは「1、0、0、0、0」と表される。また、上記の例において、黄色のライトL2のみが点灯している場合、この表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルは「0、1、0、0、0」と表される。
【0129】
同様に、上記の例において、赤色のライトL3と白色のライトL5とが点灯している場合、この表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルは「0、0、1、0、1」と表される。また、上記の例において、すべてのライトが消灯している場合、この表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルは「0、0、0、0、0」と表される。
【0130】
なお、上記の説明では、表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルが、点灯しているライトを示す情報である「1」と、消灯しているライトを示す情報である「0」との組み合わせで表される例を説明した。しかしながら、表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルはこれに限らず、例えば点灯しているライトを示す情報を「0」とし、消灯しているライトを示す情報を「1」としてもよい。
【0131】
点灯パターン判別モデル生成部406は、画像切り出し部405が出力した表示機画像データ1cと、第2取得部403が出力した表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルとに基づいて、表示機画像データ1cが示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターンを学習する。これにより、点灯パターン判別モデル生成部406は、表示機画像データ1cを入力として、当該表示機画像データ1cが示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターンを推論した結果を出力する点灯パターン判別モデル132を生成する。
【0132】
点灯パターン判別モデル生成部406は、生成した点灯パターン判別モデル132を、稼働状態判定装置100の推論器格納部103に格納する。
【0133】
次に、実施の形態1に係る学習装置400の動作例について説明する。図16は、実施の形態1に係る学習装置400の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0134】
まず、第1取得部401は、表示機Lの位置情報を学習するための画像データ1の取得処理を行う(ステップST1601)。具体的には、第1取得部401は、表示機Lの位置に関する教師ラベルが付与された、複数の画像データ1を取得する。第1取得部401は、表示機Lの位置に関する教師ラベルが付与された複数の画像データ1を、位置学習用データとして、位置情報特定モデル生成部402に出力する。
【0135】
次に、位置情報特定モデル生成部402は、ステップST1601にて第1取得部401が出力した位置学習用データに基づいて、画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの位置を学習する。これにより、位置情報特定モデル生成部402は、表示機L及び当該表示機Lが付設された装置Mが撮像された画像データ1を入力として、当該画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの位置情報を推論した結果を出力する位置情報特定モデル131を生成する(ステップST1602)。この場合の処理の一例を図17に示す。
【0136】
位置情報特定モデル生成部402は、生成した位置情報特定モデル131を、稼働状態判定装置100の推論器格納部103に格納する。
【0137】
次に、第2取得部403は、表示機Lの点灯パターン情報を学習するための複数の画像データ1bの取得処理を行う(ステップST1603)。この複数の画像データ1bには、少なくともいずれかの点灯パターンで点灯している表示機Lが含まれる。なお、この複数の画像データ1bには、なお、この複数の画像データ1bには、すべての表示機Lが消灯している状態の画像データがいくつか含まれているのが望ましい。第2取得部403は、上記取得した複数の画像データ1bを、位置推論部404及び画像切り出し部405に出力する。
【0138】
次に、位置推論部404は、第2取得部403が出力した複数の画像データ1bを、位置情報特定モデル生成部402が生成した位置情報特定モデル131に入力する。これにより、位置推論部404は、入力した複数の画像データ1bが示すそれぞれの画像データ1b毎に、表示機Lの位置情報を推論した結果を得る(ステップST1604)。位置推論部404は、このようにして得た表示機Lの位置情報の推論結果を、画像切り出し部405に出力する。
【0139】
次に、画像切り出し部405は、位置推論部404が出力した表示機Lの位置情報の推論結果に基づき、第2取得部403が出力した複数の画像データ1bのそれぞれから、画像データ1b毎に、表示機Lの画像データを切り出し、切り出したデータを表示機Lのみが撮像された画像データ(表示機画像データ)1cとして保存する。これにより、画像切り出し部405は、表示機画像データ1cを生成する(ステップST1605)。画像切り出し部405は、生成した表示機画像データ1cを、点灯パターン学習用データとして、点灯パターン判別モデル生成部406に出力する。この位置推論部404から画像切り出し部405までの処理の一例を図18に示す。
【0140】
次に、第2取得部403は、表示機Lの点灯パターン情報を学習するための教師ラベルの取得処理を行う(ステップST1606)。第2取得部403は、取得した教師ラベルを、点灯パターン判別モデル生成部406に出力する。
【0141】
次に、点灯パターン判別モデル生成部406は、画像切り出し部405が出力した表示機画像データ1cと、第2取得部403が出力した表示機Lの点灯パターンに関する教師ラベルとに基づいて、表示機画像データ1cが示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターンを学習する。これにより、点灯パターン判別モデル生成部406は、表示機画像データ1cを入力として、当該表示機画像データ1cが示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターン情報を推論した結果を出力する点灯パターン判別モデル132を生成する(ステップST1607)。この場合の処理の一例を図19に示す。点灯パターン判別モデル生成部406は、生成した点灯パターン判別モデル132を、稼働状態判定装置100の推論器格納部103に格納する。
【0142】
このように、学習装置400は、いわゆる教師あり学習により、稼働状態の判定対象となる装置Mと、当該装置Mに付設された表示機Lとが撮像された画像データ1及び1bに基づいて、位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132を生成することができる。
【0143】
図20A図20B,及び図20Cは、実施の形態1に係る学習装置400のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0144】
実施の形態1において、第1取得部401、位置情報特定モデル生成部402、第2取得部403、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406の機能は、処理回路2001により実現される。すなわち、学習装置400は、画像データ1に基づき、位置情報特定モデル131及び点灯パターン判別モデル132を生成するための処理回路2001を備える。
処理回路2001は、図20Aに示すように専用のハードウェアであっても、図20Bに示すようにメモリ2005に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)2004であってもよい。また、処理回路2001は、図20Cに示すように、メモリ2005に格納されるプログラムをそれぞれ実行する、CPU2004及びGPU(Graphics Processing Unit)2006の組み合わせで構成されてもよい。
【0145】
処理回路2001が専用のハードウェアである場合、処理回路2001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0146】
処理回路2001がCPU2004の場合、第1取得部401、位置情報特定モデル生成部402、第2取得部403、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ2005に記憶される。処理回路2001(CPU2004)は、メモリ2005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、第1取得部401、位置情報特定モデル生成部402、第2取得部403、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406の機能を実行する。
また、処理回路2001がCPU2004及びGPU2006の組み合わせで構成される場合、例えばCPU2004は、メモリ2005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、第1取得部401、及び、第2取得部403の機能を実行し、GPU2006は、メモリ2005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、位置情報特定モデル生成部402、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406の機能を実行する。ただし、上記はあくまで一例であり、CPU2004及びGPU2006がいずれの機能を実行するかについては、ユーザが任意に設定可能である。
すなわち、学習装置400は、処理回路2001により実行されるときに、上述の図16のステップST1601~ステップST1607が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ2005を備える。また、メモリ2005に記憶されたプログラムは、第1取得部401、位置情報特定モデル生成部402、第2取得部403、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ2005とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、または、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0147】
なお、第1取得部401、位置情報特定モデル生成部402、第2取得部403、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、第1取得部401については専用のハードウェアとしての処理回路2001でその機能を実現し、位置情報特定モデル生成部402、第2取得部403、位置推論部404、画像切り出し部405、及び点灯パターン判別モデル生成部406については処理回路2001がメモリ2005に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
また、学習装置400は、稼働状態判定装置100等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置2002及び出力インタフェース装置2003を備える。
【0148】
以上のように、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100は、装置Mの稼働状態を点灯パターンで表す表示機Lを含む画像を撮像した画像データ1を取得する画像取得部101と、画像取得部101により取得された画像データ1と、当該画像データ1を入力とし当該画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する点灯パターン判別モデル(第1機械学習モデル)132とに基づいて、当該画像データ1が示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターンを推論する点灯パターン推論部105と、点灯パターン推論部105により推論された点灯パターンと、予め表示機Lの点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた稼働状態判定テーブル(対応情報)133とに基づいて、装置Mの稼働状態を判定する稼働状態判定部106と、を備えた。これにより、稼働状態判定装置100は、表示機Lの点灯パターンが示す装置Mの稼働状態の定義が変更される場合でも、学習済みモデルの再学習が不要となる。
【0149】
また、点灯パターン推論部105は、表示機Lの点灯パターンの推論に際し、推論した点灯パターンの信頼度を示すスコアSを取得し、点灯パターン推論部105により取得されたスコアSが閾値未満であるとき、表示機Lが劣化又は故障している旨の判定を行う劣化判定部108を備えた。これにより、稼働状態判定装置100は、点灯パターン推論部105が点灯パターン判別モデル132を用いた推論を行った際、当該推論結果の信頼度を示す信頼度スコアSとして値の低いスコアが出力された場合に、装置Mに異常が発生しているのか、あるいは、表示機Lに異常が発生しているのかの判断がつかないといった問題が生じるおそれを低減することができる。
【0150】
また、画像取得部101は、互いに異なる複数の装置Mの稼働状態を点灯パターンで示す複数の表示機Lを含む画像を撮像した画像データ1を取得し、画像取得部101により取得された画像データ1から、複数の表示機Lのそれぞれが撮像されている箇所のデータを切り出し、当該切り出したデータを表示機画像データ1cとして生成する画像切り出し部104を備え、点灯パターン推論部105は、画像切り出し部104により生成された複数の表示機画像データ1cと、点灯パターン判別モデル(第1機械学習モデル)132とに基づいて、当該複数の表示機画像データ1cのそれぞれが示す画像に含まれる表示機Lの点灯パターンを推論し、稼働状態判定部106は、点灯パターン推論部105により推論された点灯パターンと、稼働状態判定テーブル(対応情報)133とに基づいて、複数の装置Mのそれぞれの稼働状態を判定する。これにより、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、画像データ1が示す画像に複数の表示機Lが含まれている場合でも、当該画像データ1から表示機画像データ1cを適切に生成して、複数の装置Mのそれぞれの稼働状態を判定することができる。
【0151】
また、稼働状態判定装置100は、画像取得部101により取得された画像データ1と、当該画像データ1を入力とし当該画像データ1が示す画像における複数の表示機Lのそれぞれの位置を示す情報を推論した結果を出力する位置情報特定モデル(第2機械学習モデル)131とに基づいて、当該画像データ1が示す画像における複数の表示機Lのそれぞれの位置を推論する位置推論部102を備え、画像切り出し部104は、位置推論部102により推論された複数の表示機Lのそれぞれの位置に基づいて、画像取得部101により取得された画像データ1から、それぞれの表示機Lが撮像されている箇所のデータを切り出し、当該切り出したデータを表示機画像データ1cとして生成する。これにより、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100では、画像データ1が示す画像に複数の表示機Lが含まれている場合でも、当該画像データ1から複数の表示機Lのそれぞれの位置を推論し、表示機画像データ1cを適切に生成することができる。
【0152】
また、稼働状態判定装置100は、稼働状態判定部106による判定結果を示す情報を出力する稼働情報出力部107を備える。これにより、実施の形態1に係る稼働状態判定装置100は、稼働状態判定部106による装置Mの稼働状態の判定結果を示す情報を出力することができる。
【0153】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限される
ことはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態
等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0154】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0155】
(付記1)
装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論する点灯パターン推論部と、
前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め前記表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、前記装置の稼働状態を判定する稼働状態判定部と、
を備えた稼働状態判定装置。
(付記2)
前記点灯パターン推論部は、前記表示機の点灯パターンの推論に際し、推論した点灯パターンの信頼度を示すスコアを取得し、
前記点灯パターン推論部により取得されたスコアが閾値未満であるとき、前記表示機が劣化又は故障している旨の判定を行う劣化判定部を備えた
ことを特徴とする付記1記載の稼働状態判定装置。
(付記3)
前記画像取得部は、互いに異なる複数の装置の稼働状態を点灯パターンで示す複数の前記表示機を含む画像を撮像した画像データを取得し、
前記画像取得部により取得された画像データから、前記複数の表示機のそれぞれが撮像されている箇所のデータを切り出し、当該切り出したデータを表示機画像データとして生成する画像切り出し部を備え、
前記点灯パターン推論部は、前記画像切り出し部により生成された複数の表示機画像データと、前記第1機械学習モデルとに基づいて、当該複数の表示機画像データのそれぞれが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論し、
前記稼働状態判定部は、前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、前記対応情報とに基づいて、前記複数の装置のそれぞれの稼働状態を判定する
ことを特徴とする付記1又は付記2に記載の稼働状態判定装置。
(付記4)
前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像における前記複数の表示機のそれぞれの位置を示す情報を推論した結果を出力する第2機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像における前記複数の表示機のそれぞれの位置を推論する位置推論部を備え、
前記画像切り出し部は、前記位置推論部により推論された前記複数の表示機のそれぞれの位置に基づいて、前記画像取得部により取得された画像データから、前記それぞれの表示機が撮像されている箇所のデータを切り出し、当該切り出したデータを表示機画像データとして生成する
ことを特徴とする付記3記載の稼働状態判定装置。
(付記5)
前記稼働状態判定部による判定結果を示す情報を出力する稼働情報出力部を備える
ことを特徴とする付記1から付記4のうちのいずれか1項に記載の稼働状態判定装置。
(付記6)
画像取得部が、装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得するステップと、
点灯パターン推論部が、前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論するステップと、
稼働状態判定部が、前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め前記表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、前記装置の稼働状態を判定するステップと、
を有する稼働状態判定方法。
(付記7)
コンピュータを、
装置の稼働状態を点灯パターンで表す表示機を含む画像を撮像した画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像データと、当該画像データを入力とし当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを示す情報を推論した結果を出力する第1機械学習モデルとに基づいて、当該画像データが示す画像に含まれる表示機の点灯パターンを推論する点灯パターン推論部と、
前記点灯パターン推論部により推論された点灯パターンと、予め前記表示機の点灯パターンと稼働状態とが対応付けられた対応情報とに基づいて、前記装置の稼働状態を判定する稼働状態判定部として機能させるための稼働状態判定プログラム。
【0156】
なお、本開示は、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0157】
1 画像データ、1b 画像データ、1c 表示機画像データ、100 稼働状態判定装置、101 画像取得部、102 位置推論部、103 推論器格納部、104 画像切り出し部、105 点灯パターン推論部、106 稼働状態判定部、107 稼働情報出力部、108 劣化判定部、131 位置情報特定モデル(第2機械学習モデル)、132 点灯パターン判別モデル(第1機械学習モデル)、133 稼働状態判定テーブル(対応情報)、150 撮像装置、151 カメラ、200 操作入力装置、201 キーボード、202 マウス、300 表示装置、301 ディスプレイ、400 学習装置、401 第1取得部、402 位置情報特定モデル生成部、403 第2取得部、404 位置推論部、405 画像切り出し部、406 点灯パターン判別モデル生成部、1401 処理回路、1402 入力インタフェース装置、1403 出力インタフェース装置、1404 CPU、1405 メモリ、1406 GPU、2001 処理回路、2002 入力インタフェース装置、2003 出力インタフェース装置、2004 CPU、2005 メモリ、2006 GPU、A 処理、L 表示機、L1~L8 ライト、M 装置。
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