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特開2024-29284作業管理装置、作業管理方法、及び、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029284
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】作業管理装置、作業管理方法、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131461
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】比嘉 恭太
(72)【発明者】
【氏名】馬場崎 康敬
(72)【発明者】
【氏名】安藤 隆平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】作業者の作業能力を適切に管理することが可能な作業管理装置等を提供する。
【解決手段】作業管理装置において、特定手段は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する。認識手段は、映像及び作業者の特定結果に基づき、作業者が作業現場において作業を行っているか否かを認識する。計測手段は、作業者が作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を作業者の作業時間として計測する。推定手段は、作業現場において作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、作業時間と、に基づき、作業現場における作業者の作業能力を推定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する特定手段と、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識する認識手段と、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測する計測手段と、
前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する推定手段と、
を有する作業管理装置。
【請求項2】
前記計測手段は、前記作業者が前記作業現場における作業を開始した時刻から前記作業者が前記作業現場における作業を終了した時刻までの間において計測した前記作業時間の合計である実働時間を取得し、
前記推定手段は、前記予定作業時間と、前記実働時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する請求項1に記載の作業管理装置。
【請求項3】
前記推定手段は、前記予定作業時間と、前記実働時間と、前記作業現場において前記作業者により行われた作業の品質に係る評価結果と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する請求項2に記載の作業管理装置。
【請求項4】
前記推定手段は、最新の作業現場における前記作業者の作業能力と、過去の1つのまたは複数の作業現場における前記作業者の作業能力と、に基づき、前記作業者の総合的な作業能力を取得する請求項1に記載の作業管理装置。
【請求項5】
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する特定手段と、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識する認識手段と、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測する計測手段と、
前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する推定手段と、
を有する作業管理装置。
【請求項6】
前記推定手段は、前記グループに属しかつ前記作業現場において実際に作業を行った各作業者の作業能力を、前記グループの作業能力と同じ作業能力として推定する請求項5に記載の作業管理装置。
【請求項7】
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する作業管理方法。
【請求項8】
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する作業管理方法。
【請求項9】
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【請求項10】
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場において作業者により行われる作業の管理に利用可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
作業者により行われる作業の管理に利用可能な技術が従来知られている。
【0003】
具体的には、例えば、特許文献1には、画像情報を解析することにより作業者を認識し、当該認識した作業者の作業時間を計測し、当該認識した作業者と当該作業時間とを含む作業情報を表示する技術が開示されている。また、特許文献1には、作業者についての単位時間あたりの出来高を含む歩掛情報を参照して、当該作業者の作業量を計算する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-201074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術によれば、作業者が作業時間または作業量に比例する作業能力を必ずしも有しているとは限らないという観点について考慮されていないため、当該作業者の作業能力を把握することが困難である、という問題点がある。
【0006】
すなわち、特許文献1に開示された手法によれば、作業者の作業能力を適切に管理することができない、という上記の問題点に応じた課題が生じている。
【0007】
本開示の1つの目的は、作業者の作業能力を適切に管理することが可能な作業管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一つの観点では、作業管理装置は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する特定手段と、前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識する認識手段と、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測する計測手段と、前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する推定手段と、を有する
【0009】
本開示の他の観点では、作業管理装置は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する特定手段と、前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識する認識手段と、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測する計測手段と、前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する推定手段と、を有する。
【0010】
本開示のさらに他の観点では、作業管理方法は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する。
【0011】
本開示のさらに他の観点では、作業管理方法は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する。
【0012】
本開示のさらに他の観点では、記録媒体は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【0013】
本開示のさらに他の観点では、記憶媒体は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、作業者の作業能力を適切に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る作業管理装置を含む作業管理システムの概略構成を示す図。
図2】第1実施形態に係る作業管理装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態に係る作業管理装置の機能構成を示すブロック図。
図4】第1実施形態に係る作業管理装置の情報格納部に格納されている情報の具体例を説明するための図。
図5】第1実施形態に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図。
図6】第1実施形態に係る作業管理装置において行われる処理の一例を示すフローチャート。
図7】第1実施形態の変形例に係る作業管理装置の情報格納部に格納されている情報の具体例を説明するための図。
図8】第1実施形態の変形例に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図。
図9】第1実施形態の変形例に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図。
図10】第1実施形態の変形例に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図。
図11】第1実施形態の変形例に係る作業管理装置による作業能力の算出に用いられる予定作業時間及び実働時間の例を示す図。
図12】第2実施形態に係る作業管理装置の機能構成を示すブロック図。
図13】第2実施形態に係る作業管理装置において行われる処理を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示の好適な実施形態について説明する。
【0017】
<第1実施形態>
[概略構成]
図1は、第1実施形態に係る作業管理装置を含む作業管理システムの概略構成を示す図である。作業管理システム1は、図1に示すように、映像取得部10と、作業管理装置100と、を有している。
【0018】
映像取得部10は、工事現場等の作業現場に設置された1つのまたは複数のカメラCAを有している。また、映像取得部10は、作業現場と、当該作業現場に存在する1人のまたは複数人の作業者と、を撮影した映像を作業管理装置100へ出力する。なお、以降においては、特に言及のない限り、1つのまたは複数のカメラCAが一の作業現場に設置されているとともに、当該一の作業現場と、当該一の作業現場に存在する1人のまたは複数人の作業者と、を撮影した映像が作業管理装置100へ出力される場合を例に挙げて説明を行う。
【0019】
作業管理装置100は、映像取得部10から出力される映像に基づき、作業現場において作業を行った作業者毎に作業能力を推定するための処理を行う。また、作業管理装置100は、前述の処理により得られた作業者の作業能力等を表示するための表示情報の生成に係る処理を行う。また、作業管理装置100は、映像取得部10から出力される映像、及び、作業者毎の作業能力の推定結果等を蓄積する。
【0020】
[ハードウェア構成]
図2は、第1実施形態に係る作業管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。作業管理装置100は、図2に示すように、インタフェース(IF)111と、プロセッサ112と、メモリ113と、記録媒体114と、データベース(DB)115と、表示装置116と、入力装置117と、を有している。
【0021】
IF111は、外部装置との間でデータの入出力を行う。例えば、映像取得部10により得られた映像は、IF111を通じて作業管理装置100に入力される。
【0022】
プロセッサ112は、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータであり、予め用意されたプログラムを実行することにより、作業管理装置100の全体を制御する。具体的には、プロセッサ112は、作業者毎の作業能力を推定するための処理を行う。
【0023】
メモリ113は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。メモリ113は、プロセッサ112による各種の処理の実行中に作業メモリとしても使用される。
【0024】
記録媒体114は、ディスク状記録媒体、半導体メモリなどの不揮発性で非一時的な記録媒体であり、作業管理装置100に対して着脱可能に構成される。記録媒体114は、プロセッサ112が実行する各種のプログラムを記録している。作業管理装置100が各種の処理を実行する際には、記録媒体114に記録されているプログラムがメモリ113にロードされ、プロセッサ112により実行される。
【0025】
DB115には、例えば、IF111を通じて入力された映像、及び、プロセッサ112の処理により得られた処理結果等が格納される。
【0026】
表示装置116は、例えば、液晶モニタ等を有している。また、表示装置116は、必要に応じ、作業者の作業能力等の情報を表示する。
【0027】
入力装置117は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネル等を有している。また、入力装置117は、ユーザの操作に応じた指示をプロセッサ112に対して行う。
【0028】
[機能構成]
図3は、第1実施形態に係る作業管理装置の機能構成を示すブロック図である。作業管理装置100は、図3に示すように、情報格納部11と、作業者特定部12と、作業認識部13と、作業時間計測部14と、作業能力推定部15と、表示情報生成部16と、を有している。
【0029】
図4は、第1実施形態に係る作業管理装置の情報格納部に格納されている情報の具体例を説明するための図である。情報格納部11には、作業者情報SJと、予定作業情報YSJと、が予め格納されている。また、図4には図示しないが、情報格納部11には、後述の作業時間計測情報SKJ及び作業能力情報SNJが格納される。
【0030】
作業者情報SJには、作業現場において作業を行う作業者を個別に特定可能な情報が含まれている。具体的には、作業者情報SJには、例えば、作業者個人を識別するための情報である識別情報と、当該作業者の顔を撮影することにより得られた顔画像と、が含まれている。識別情報及び顔画像は、作業者情報SJにおいて、作業者毎に関連付けられている。また、識別情報には、例えば、作業者の個人名及び所属組織名を示す情報が含まれていればよい。
【0031】
予定作業情報YSJには、作業現場において行われる作業の予定に係る情報が含まれている。具体的には、予定作業情報YSJには、例えば、作業現場における作業者の予定作業時間を示す情報が含まれている。予定作業時間は、例えば、1日分のまたは複数日分の作業に要すると予想される時間として、作業者毎にかつ作業現場毎に設定されていればよい。すなわち、一の作業者の予定作業時間は、作業現場において当該一の作業者により行われる作業に要すると予想される時間として設定されていればよい。また、本実施形態によれば、例えば、一の作業現場において一の作業者の作業が予定されていない場合には、当該一の作業現場における当該一の作業者の予定作業時間が0に設定されていればよい。
【0032】
作業者特定部12は、特定手段としての機能を有している。また、作業者特定部12は、映像取得部10により得られた映像VDと、情報格納部11から読み込んだ作業者情報SJと、に基づき、当該映像VDに含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する。具体的には、作業者特定部12は、例えば、映像VDに含まれる作業者の顔と、作業者情報SJに含まれる顔画像と、を照合した結果に基づき、当該顔画像に関連付けられた当該作業者の識別情報を当該作業者情報SJから取得することにより、当該映像VDに含まれる作業者を特定する。そして、作業者特定部12は、映像VDに含まれる1人のまたは複数人の作業者の特定結果を示す情報である作業者特定情報STJを作業認識部13へ出力する。作業者特定情報STJには、例えば、映像取得部10により得られた映像において一の作業者が存在する位置と、作業者情報SJから得られた当該一の作業者の個人名と、の対応関係を示す情報が含まれていればよい。なお、作業者特定情報STJには、作業者情報SJから得られた作業者の所属組織名が含まれていてもよい。
【0033】
作業認識部13は、認識手段としての機能を有している。また、作業認識部13は、映像取得部10により得られた映像VDと、作業者特定部12により得られた作業者特定情報STJと、に基づき、当該作業者特定情報STJにより示される作業者が作業現場において作業を行っているか否かを認識する。具体的には、作業認識部13は、例えば、映像VDに含まれる作業者と作業用具との間の位置関係に基づき、当該作業者が作業を行っているか否かを認識する。このような認識方法によれば、例えば、作業者の位置と作業用具の位置との間の距離が所定の距離以下である場合、または、作業者の位置と作業用具の位置とが重複している場合のいずれかの場合に、作業者が作業現場において作業を行っていることを認識することができる。また、前述の認識方法によれば、例えば、作業者の位置と作業用具の位置との間の距離が所定の距離より大きい場合に、作業者が作業現場において作業を行っていないことを認識することができる。なお、本実施形態によれば、作業認識部13は、例えば、映像VDに含まれる作業者の動作が所定の動作に該当するか否かを判定することにより、作業者が作業現場において作業用具を用いずに作業を行っているか否かを認識するようにしてもよい。そして、作業認識部13は、作業者特定情報STJと、作業者が作業現場において作業を行っているか否かに係る認識結果を示す情報である作業状態情報SSJと、を作業時間計測部14へ出力する。
【0034】
作業時間計測部14は、計測手段としての機能を有している。また、作業時間計測部14は、作業者特定情報STJと、作業認識部13により得られた作業状態情報SSJと、に基づき、当該作業者特定情報STJにより示される作業者の作業時間を計測する。具体的には、作業時間計測部14は、例えば、作業者特定情報STJにより示される一の作業者が作業現場において作業を行っているとの認識結果を含む作業状態情報SSJが作業認識部13により得られている期間を、当該一の作業者の作業時間として計測する。なお、作業者特定情報により示される一の作業者が作業現場において作業を行っていないとの認識結果を含む作業状態情報SSJが作業認識部13により得られている期間は、当該一の作業者の作業時間としては計測されない。また、作業時間計測部14は、作業者特定情報STJにより示される作業者の作業時間の計測結果に基づき、当該作業者に対応する作業時間計測情報SKJを生成する。作業時間計測情報SKJには、例えば、作業者特定情報STJにより示される作業者が作業現場において作業を行った日付(以降、作業日とも称する)と、当該作業者が当該作業現場における作業を開始した時刻である作業開始時刻と、当該作業者が当該作業現場における作業を終了した時刻である作業終了時刻と、当該作業開始時刻から当該作業終了時刻までの間において計測された当該作業者の作業時間の合計である実働時間と、が含まれていればよい。また、作業日、作業開始時刻及び作業終了時刻は、例えば、IF111を通じて入力された情報から得られるものであってもよく、または、入力装置117の操作により入力された情報から得られるものであってもよい。そして、作業時間計測部14は、作業者特定情報STJと、作業時間計測情報SKJと、を作業能力推定部15へ出力する。
【0035】
作業能力推定部15は、推定手段としての機能を有している。また、作業能力推定部15は、作業者特定情報STJと、作業時間計測部14により得られた作業時間計測情報SKJと、情報格納部11から読み込んだ予定作業情報YSJと、に基づき、当該作業者特定情報STJにより示される作業者の作業能力を推定する。具体的には、作業能力推定部15は、例えば、予定作業情報YSJにおいて設定されている一の作業者の予定作業時間を、作業時間計測情報SKJに含まれる当該一の作業者の実働時間で除することにより得られた計算結果に基づき、当該一の作業者の作業能力を推定する。このような推定方法によれば、例えば、一の作業者における予定作業時間と実働時間とが等しい場合には、当該一の作業者の作業能力を100%として推定することができる。また、前述の推定方法によれば、例えば、一の作業者における予定作業時間が8時間であり、かつ、当該一の作業者の実働時間が6.4時間である場合には、当該一の作業者の作業能力を125%として推定することができる。また、前述の推定方法によれば、例えば、一の作業者における予定作業時間が8時間であり、かつ、当該一の作業者の実働時間が10時間である場合には、当該一の作業者の作業能力を80%として推定することができる。すなわち、作業能力推定部15は、一の作業現場において一の作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、当該一の作業者の作業時間と、に基づき、当該一の作業現場における当該一の作業者の作業能力を推定する。そして、作業能力推定部15は、作業時間計測情報SKJと、作業者特定情報STJにより示される作業者の作業能力の推定結果を示す情報である作業能力情報SNJと、を情報格納部11へ出力する。情報格納部11においては、例えば、作業時間計測情報SKJと、作業能力情報SNJと、が作業者毎に関連付けられた状態で格納される。
【0036】
表示情報生成部16は、例えば、現場監督等のユーザによる入力装置117の操作に応じて所定の指示が行われた際に、情報格納部11に格納されている作業能力情報SNJ等の情報に基づいて表示情報HJを生成し、当該生成した表示情報HJを表示装置116へ出力する。
【0037】
表示情報HJには、作業者情報SJから得られた一の作業者の個人名と、作業能力情報SNJから得られた当該一の作業者の作業能力を視覚的に把握可能な情報と、が含まれていればよい。具体的には、例えば、作業者情報SJから得られた個人名が「作業者WA」及び「作業者WB」であり、作業能力情報SNJから得られた作業者WAの作業能力が100%であり、かつ、当該作業能力情報SNJから得られた作業者WBの作業能力が125%である場合において、「作業者WA:100%」という文字列と、「作業者WB:125%」という文字列と、を含む表示情報HJが生成されるようにしてもよい。
【0038】
また、前述のような作業者の個人名及び作業能力が得られた場合において、作業者WA及び作業者WBの作業能力を段階評価により評価した評価結果を含む表示情報HJが生成されるようにしてもよい。具体的には、表示情報HJとして、例えば、作業者WAの作業能力(100%)を5段階評価により評価した評価結果に相当する「作業者WA:レベル3(平均的)」という文字列と、作業者WBの作業能力(125%)を5段階評価により評価した評価結果に相当する「作業者WB:レベル5(優秀)」という文字列と、を含む情報が生成されるようにしてもよい。または、表示情報HJとして、例えば、図5に示すように、作業者WAの作業能力(100%)を5段階評価により評価した評価結果を表すマーク(3つの星印)と、作業者WBの作業能力(125%)を5段階評価により評価した評価結果を表すマーク(5つの星印)と、を含む情報が生成されるようにしてもよい。図5は、第1実施形態に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図である。
【0039】
[処理フロー]
続いて、第1実施形態に係る作業管理装置において行われる処理の流れについて説明する。図6は、第1実施形態に係る作業管理装置において行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
まず、作業管理装置100は、作業現場に存在する1人のまたは複数人の作業者を撮影した映像を取得する(ステップS11)。
【0041】
次に、作業管理装置100は、ステップS11により得られた映像と、作業者情報SJと、に基づき、当該映像に含まれる作業者を特定する(ステップS12)。
【0042】
続いて、作業管理装置100は、ステップS11により得られた映像と、ステップS12の処理により得られた作業者特定情報STJと、に基づき、当該作業者特定情報STJにより示される作業者が作業を行っているか否かを認識する(ステップS13)。
【0043】
続いて、作業管理装置100は、作業者特定情報STJと、ステップS13の処理により得られた作業状態情報SSJと、に基づき、当該作業者特定情報STJにより示される作業者の作業時間を計測する(ステップS14)。
【0044】
続いて、作業管理装置100は、作業者特定情報STJと、ステップS14の処理により得られた作業時間計測情報SKJと、予定作業情報YSJと、に基づき、当該作業者特定情報STJにより示される作業者の作業能力を推定する(ステップS15)。ステップS15の処理により得られた作業能力情報SNJは、作業時間計測情報SKJとともに、作業者毎に関連付けられた状態で蓄積される。また、作業能力情報SNJは、作業者の作業能力を視覚的に把握可能な情報を含む表示情報HJの生成に用いられる。
【0045】
以上に述べたように、本実施形態によれば、作業者の予定作業時間及び実働時間に基づき、当該作業者の作業能力を算出することができる。そのため、本実施形態によれば、作業者の作業能力を適切に管理することができる。
【0046】
[変形例]
以下、上記の実施形態に対する変形例を説明する。なお、以降においては、簡単のため、既述の処理等を適用可能な部分に関する具体的な説明を適宜省略するものとする。
【0047】
(変形例1)
図7は、第1実施形態の変形例に係る作業管理装置の情報格納部に格納されている情報の具体例を説明するための図である。本実施形態によれば、例えば、図7に示すように、作業者情報SJ及び予定作業情報YSJに加え、作業品質情報SHJが情報格納部11に予め格納されていてもよい。
【0048】
作業品質情報SHJには、作業者特定情報STJにより示される作業者における作業品質の評価結果に係る情報が含まれている。作業品質の評価結果は、例えば、作業管理装置100に蓄積された映像を確認したユーザの主観に基づく段階評価により得られるものであってもよい。また、作業品質情報SHJには、例えば、作業者特定情報STJにより示される作業者における作業品質を5段階評価により評価した評価結果として、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク及びEランクのうちのいずれかを示す情報が含まれていてもよい。
【0049】
また、本変形例によれば、作業能力推定部15が、作業品質情報SHJに含まれる作業者の作業品質の評価結果をさらに用い、作業者特定情報STJにより示される作業者の作業能力を推定するようにしてもよい。具体的には、作業能力推定部15は、例えば、一の作業者の予定作業時間を当該一の作業者の実働時間で除して得られた値に対し、作業品質情報SHJに含まれる当該一の作業者の作業品質の評価結果に応じて予め設定された補正係数を乗じることにより得られた計算結果に基づき、当該一の作業者の作業能力を推定するようにしてもよい。また、例えば、前述のような5段階評価が行われた場合には、Aランクの評価結果に対応する補正係数として1.2が設定され、Bランクの評価結果に対応する補正係数として1.1が設定され、Cランクの評価結果に対応する補正係数として1.0が設定され、Dランクの評価結果に対応する補正係数として0.9が設定され、Eランクの評価結果に対応する補正係数として0.8が設定されていればよい。
【0050】
すなわち、本変形例に係る作業能力推定部15は、一の作業現場における一の作業者の予定作業時間と、当該一の作業者の実働時間と、当該一の作業現場において当該一の作業者により行われた作業の品質に係る評価結果と、に基づき、当該一の作業現場における当該一の作業者の作業能力を推定することができる。
【0051】
また、本変形例によれば、表示情報生成部16が、作業能力情報SNJに含まれる作業者の作業能力と、作業品質情報SHJに含まれる当該作業者の作業品質と、を視覚的に把握可能な情報を含む表示情報HJAを生成するようにしてもよい。具体的には、表示情報HJAとして、例えば、図8に示すように、横軸に作業能力を設定しかつ縦軸に作業品質を設定した座標系と、当該座標系における一の作業者の該当箇所を示すマーク(星印)と、当該座標系における平均値を示す情報(「平均的」の文字列及び点線)と、を含む情報が生成されるようにしてもよい。図8は、第1実施形態の変形例に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図である。
【0052】
以上に述べたように、本変形例によれば、作業者の予定作業時間及び実働時間と、当該作業者により行われた作業の品質に係る評価結果と、に基づき、当該作業者の作業能力を算出することができる。そのため、本変形例によれば、作業者の作業能力を適切に管理することができる。
【0053】
(変形例2)
本実施形態によれば、例えば、作業能力推定部15が、最新の作業現場における作業者の作業能力と、過去の1つのまたは複数の作業現場における当該作業者の作業能力と、に基づき、当該作業者の総合的な作業能力を取得するようにしてもよい。
【0054】
具体的には、作業能力推定部15は、例えば、作業者WCについて、最新の作業現場SGAにおける作業能力が96%であり、かつ、過去の作業現場SGCにおける作業能力が100%である場合には、これら2つの作業能力の平均に相当する98%を当該作業者WCの総合的な作業能力として取得する。また、作業能力推定部15は、例えば、作業者WDについて、最新の作業現場SGAにおける作業能力が101%であり、過去の作業現場SGBにおける作業能力が110%であり、かつ、過去の作業現場SGCにおける作業能力が110%である場合には、これら3つの作業能力の平均に相当する107%を当該作業者WDの総合的な作業能力として取得する。
【0055】
すなわち、以上に述べた処理によれば、作業者が実際に作業を行った(実働時間が得られた)各作業現場における作業能力の平均を、当該作業者の総合的な作業能力として取得することができる。
【0056】
以上に述べたように、本変形例によれば、最新の作業現場における作業者の作業能力と、過去の1つのまたは複数の作業現場における当該作業者の作業能力と、に基づき、当該作業者の総合的な作業能力を取得することができる。そのため、本変形例によれば、作業者の作業能力を適切に管理することができる。
【0057】
(変形例3)
本実施形態によれば、予定作業情報YSJにおける予定作業時間が、作業者毎ではなく、作業者の所属組織(以降、グループとも称する)毎に設定されるようにしてもよい。また、本実施形態によれば、作業能力推定部15が、一のグループの作業予定時間と、当該一のグループに属する複数の作業者の実働時間と、に基づき、当該一のグループの作業能力を推定するようにしてもよい。具体的には、作業能力推定部15は、例えば、予定作業情報YSJにおいて設定されている一のグループの予定作業時間を、当該一のグループに属する各作業者の実働時間の合計で除することにより得られた計算結果に基づき、当該一のグループの作業能力を推定するようにしてもよい。なお、一のグループの作業予定時間は、例えば、当該一のグループに属する各作業者による1日分のまたは複数日分の作業に要すると予想される時間として、作業現場毎に設定されていればよい。すなわち、一のグループの予定作業時間は、作業現場において当該一のグループにより行われる作業に要すると予想される時間として設定されていればよい。
【0058】
前述の作業能力の推定方法によれば、例えば、作業者WE及び作業者WFが属するグループGRAについて、当該グループGRAの予定作業時間が12時間に設定されており、当該作業者WEの実働時間が6時間であり、かつ、当該作業者WFの実働時間が4時間である場合に、当該グループGRAの作業能力を120%として推定することができる。また、前述の作業能力の推定方法によれば、一のグループの作業能力の推定結果を示す情報である作業能力情報SGJが情報格納部11に格納される。また、前述の作業能力の推定方法によれば、作業者WE及び作業者WFの作業能力として、グループGRAの作業能力と等しい値(120%)を得ることができる。
【0059】
すなわち、本変形例に係る作業能力推定部15は、一の作業現場において一の作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、当該グループに属する作業者毎に計測された作業時間の計測結果と、に基づき、当該一の作業現場における当該グループの作業能力を推定することができる。また、本変形例に係る作業能力推定部15は、一のグループに属しかつ一の作業現場において実際に作業を行った各作業者の作業能力を、当該一のグループの作業能力と同じ作業能力として推定することができる。
【0060】
本変形例によれば、表示情報生成部16が情報格納部11に格納されている作業能力情報SNJ及び作業能力情報SGJ等に基づく処理を行うことにより、例えば、図9に示すような表示情報HJBを生成することができる。図9は、第1実施形態の変形例に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図である。
【0061】
表示情報HJBには、グループGRAに属する4人の作業者(作業者WE、WF、WG及びWH)が、7つの作業現場(作業現場SGA、SGB、SGC、SGD、SGE、SGF及びSGG)のうちの少なくとも1つの作業現場で作業を行った際の作業能力に係る情報を確認可能な一覧表が含まれている。なお、図9の表示情報HJBにおいて斜線が付されている欄は、作業能力を未算出であるまたは算出不要であることを示している。
【0062】
表示情報HJBには、7つの作業現場(作業現場SGA、SGB、SGC、SGD、SGE、SGF及びSGG)各々における、グループGRAの作業能力を示す情報が含まれている。図9の表示情報HJBによれば、例えば、作業現場SGAにおけるグループGRAの作業能力が120%であることを把握することができる。
【0063】
表示情報HJBには、7つの作業現場各々における、グループGRAに属する4人の作業者(作業者WE、WF、WG及びWH)各々の作業能力を示す情報と、当該4人の作業者の作業の有無を示す情報と、が含まれている。図9の表示情報HJBによれば、例えば、作業現場SGAにおける作業者WE及び作業者WFの作業能力が120%であることを把握することができる。また、図9の表示情報HJBによれば、例えば、作業現場SGAにおいて、作業者WE及びWFが作業を行ったこと、及び、作業者WG及びWGが作業を行わなかったことを把握することができる。
【0064】
表示情報HJBには、グループGRAに属する4人の作業者各々の総合的な作業能力を示す情報が含まれている。表示情報HJBに含まれる総合的な作業能力は、変形例2において述べたように、作業者による作業が実際に行われた(実働時間が得られた)各作業現場における作業能力の平均として取得される。そのため、図9の表示情報HJBによれば、例えば、作業者WEの総合的な作業能力が、作業現場SGA、SGB、SGE、SGF及びSGGの5つの作業現場における作業能力の平均(109%)であることを把握することができる。また、図9の表示情報HJBによれば、グループGRAに属する4人の作業者各々の総合的な作業能力について、作業者WE及びWFが優秀であること、作業者WGが平均的であること、及び、作業者WHが非優秀であることを把握することができる。
【0065】
本変形例によれば、表示情報HJBの生成に際し、総合的な作業能力が100%から離れた値になるような補正が行われるようにしてもよい。具体的には、例えば、図9の表示情報HJBの生成に際し、作業者WGの総合的な作業能力(101%)を所定量増加させ、かつ、作業者WHの総合的な作業能力(99%)を所定量減少させるような補正が行われるようにしてもよい。このような補正によれば、作業者の総合的な作業能力が優秀または非優秀のいずれに該当するかを把握しやすくすることができる。
【0066】
本変形例によれば、例えば、ユーザによる入力装置117の操作に応じ、図9の表示情報HJBにおける所望の欄が選択された際に、当該所望の欄における作業能力の推定の根拠に係る映像が表示装置116に表示されるようにしてもよい。
【0067】
本変形例によれば、例えば、ユーザによる入力装置117の操作に応じ、図9の表示情報HJBにおける所望の欄が選択された際に、図10の表示情報HJCとして示すような、当該所望の欄に表示されている作業能力の推定の根拠に係る情報が表示装置116に表示されるようにしてもよい。図10の表示情報HJCは、例えば、図9の表示情報HJBにおける「作業現場SGA」の列に属するいずれかの欄が選択された際に表示される。また、図10の表示情報HJCによれば、例えば、作業現場SGAにおけるグループGRAの予定作業時間が12時間に設定されていること、当該作業現場SGAにおける作業者WEの実働時間が6時間であること、及び、当該作業現場SGAにおける作業者WFの実働時間が4時間であることを把握することができる。図10は、第1実施形態の変形例に係る作業管理装置により生成される表示情報の具体例を示す図である。
【0068】
本変形例によれば、例えば、作業能力の推定の根拠に係る映像または情報を確認したユーザによる入力装置117の操作に応じ、表示情報HJBにおける所望の欄に表示されている作業能力の値が変更されるとともに、変更後の作業能力の値が情報格納部11に書き込まれるようにしてもよい。
【0069】
以上に述べたように、本変形例によれば、複数の作業者が属するグループの作業能力と、当該複数の作業者各々の総合的な作業能力と、を取得することができる。そのため、本変形例によれば、作業者の作業能力を適切に管理することができる。
【0070】
(変形例4)
本実施形態によれば、例えば、一のグループに属する複数の作業者各々の作業能力が、複数の作業現場各々における当該一のグループの作業予定時間と、当該複数の作業現場各々における当該複数の作業者の実働時間と、に基づいて算出されるものであってもよい。
【0071】
ここで、図11に示すような予定作業時間及び実働時間が得られた場合における、作業者各々の作業能力の算出方法について説明する。図11は、第1実施形態の変形例に係る作業管理装置による作業能力の算出に用いられる予定作業時間及び実働時間の例を示す図である。
【0072】
図11の例によれば、4つの作業現場(作業現場SGW、SGX、SGY及びSGZ)各々におけるグループGRAの予定作業時間が示されている。また、図11の例によれば、4つの作業現場各々における、グループGRAに属する4人の作業者(作業者WE、WF、WG及びWH)の実働時間が示されている。なお、図11において斜線が付されている欄は、実働時間が0であることを示している。そして、図11の例によれば、例えば、下記数式(1)のような行列式として表される連立方程式を解くことにより、4人の作業者各々の作業能力を算出することができる。なお、下記数式(1)において、NEは作業者WEの作業能力を表し、NFは作業者WFの作業能力を表し、NGは作業者WGの作業能力を表し、NHは作業者WHの作業能力を表している。
【0073】
【数1】
【0074】
なお、例えば、P(3≦P)個の作業現場各々におけるQ(2≦Q<P)人の作業者の実働時間が得られた場合、すなわち、作業現場の数よりも作業者の数が少ない場合には、上記数式(1)の行列式として表した連立方程式を解く代わりに、最小二乗法を用いて最適解を求めることにより、当該Q人の作業者各々の作業能力を算出するようにすればよい。
【0075】
<第2実施形態>
図12は、第2実施形態に係る作業管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0076】
本実施形態に係る作業管理装置500は、作業管理装置100と同様のハードウェア構成を有している。また、作業管理装置500は、特定手段511と、認識手段512と、計測手段513と、推定手段514と、を有している。
【0077】
図13は、第2実施形態に係る作業管理装置において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【0078】
特定手段511は、作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する(ステップS51)。
【0079】
認識手段512は、映像及び前記作業者の特定結果に基づき、作業者が作業現場において作業を行っているか否かを認識する(ステップS52)。
【0080】
計測手段513は、作業者が作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を当該作業者の作業時間として計測する(ステップS53)。
【0081】
推定手段514は、作業現場において作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、作業時間と、に基づき、当該作業現場における当該作業者の作業能力を推定する(ステップS54)。
【0082】
本実施形態によれば、作業者の作業能力を適切に管理することができる。
【0083】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0084】
(付記1)
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する特定手段と、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識する認識手段と、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測する計測手段と、
前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する推定手段と、
を有する作業管理装置。
【0085】
(付記2)
前記計測手段は、前記作業者が前記作業現場における作業を開始した時刻から前記作業者が前記作業現場における作業を終了した時刻までの間において計測した前記作業時間の合計である実働時間を取得し、
前記推定手段は、前記予定作業時間と、前記実働時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する付記1の作業管理装置。
【0086】
(付記3)
前記推定手段は、前記予定作業時間と、前記実働時間と、前記作業現場において前記作業者により行われた作業の品質に係る評価結果と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する付記2の作業管理装置。
【0087】
(付記4)
前記推定手段は、最新の作業現場における前記作業者の作業能力と、過去の1つのまたは複数の作業現場における前記作業者の作業能力と、に基づき、前記作業者の総合的な作業能力を取得する付記1の作業管理装置。
【0088】
(付記5)
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定する特定手段と、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識する認識手段と、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測する計測手段と、
前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する推定手段と、
を有する作業管理装置。
【0089】
(付記6)
前記推定手段は、前記グループに属しかつ前記作業現場において実際に作業を行った各作業者の作業能力を、前記グループの作業能力と同じ作業能力として推定する付記5の作業管理装置。
【0090】
(付記7)
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する作業管理方法。
【0091】
(付記8)
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する作業管理方法。
【0092】
(付記9)
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者により行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記作業時間と、に基づき、前記作業現場における前記作業者の作業能力を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0093】
(付記10)
作業現場を撮影することにより得られた映像に含まれる1人のまたは複数人の作業者を特定し、
前記映像及び前記作業者の特定結果に基づき、前記作業者が前記作業現場において作業を行っているか否かを認識し、
前記作業者が前記作業現場において作業を行っているとの認識結果が得られている期間を前記作業者の作業時間として計測し、
前記作業現場において前記作業者が属するグループにより行われる作業に要すると予想される時間である予定作業時間と、前記グループに属する作業者毎に計測された前記作業時間の計測結果と、に基づき、前記作業現場における前記グループの作業能力を推定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0094】
以上、実施形態及び実施例を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0095】
12 作業者特定部
13 作業認識部
14 作業時間計測部
15 作業能力推定部
100 作業管理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13