(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029285
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】抱っこ紐
(51)【国際特許分類】
A47D 13/02 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
A47D13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131462
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】515353763
【氏名又は名称】医療法人社団mint
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】矢作 尚久
(57)【要約】
【課題】装着する際に乳幼児が転落してしまう可能性を低減させる抱っこ紐を提供する。
【解決手段】抱っこ紐1は、乳幼児を抱っこするために使用者によって用いられるものであって、乳幼児の臀部に当接する座面11、及び、乳幼児を挟んで使用者とは反対側から乳幼児を保持する背もたれ部12を有し、自立可能な剛性を有して構成された本体部10と、本体部10に対して設けられ、乳幼児を本体部10に固定する固定具20と、本体部10に対して設けられ、使用者に装着される装着ベルト30とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児を抱っこするために使用者によって用いられる抱っこ紐であって、
乳幼児の臀部に当接する座面、及び、乳幼児を挟んで使用者とは反対側から乳幼児を保持する保持部を有し、自立可能な剛性を有して構成された本体部と、
前記本体部に対して設けられ、乳幼児を前記本体部に固定する固定具と、
前記本体部及び前記固定具の少なくとも一方に対して設けられ、使用者に装着される装着ベルトと、
を備えることを特徴とする抱っこ紐。
【請求項2】
前記本体部は、前記座面と前記保持部とが為す角度を調整する調整機構を有し、乳幼児が仰向けで寝た状態となるよう、前記角度を前記調整機構により調整可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の抱っこ紐。
【請求項3】
前記保持部は、高さ方向に伸縮可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の抱っこ紐。
【請求項4】
前記保持部は、乳幼児の側方を覆う方向に湾曲する湾曲構造である
ことを特徴とする請求項1に記載の抱っこ紐。
【請求項5】
前記固定具は、乳幼児の腕のみ、又は脚のみを通す通し輪を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の抱っこ紐。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抱っこ紐に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抱っこ紐を利用して乳幼児を抱っこすることが行われている。このような抱っこ紐は、近年乳幼児を正面側で抱っこするものが多く、柔軟性を有した布材を主として構成されている。この抱っこ紐は、乳幼児を包み込む本体部と、本体部から延びて保護者等の抱っこする者に装着される装着ベルトとを備えるものとなっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、抱っこ紐を使用する際の事故については、抱っこ紐を装着する際に乳幼児が転落してしまうケースが多く、特許文献1に記載のものでは乳幼児を転落から守る点について充分とはいえない。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、装着する際に乳幼児が転落してしまう可能性を低減させることができる抱っこ紐を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る抱っこ紐は、乳幼児を抱っこするために使用者によって用いられる抱っこ紐であって、乳幼児の臀部に当接する座面、及び、乳幼児を挟んで使用者とは反対側から乳幼児を保持する保持部を有し、自立可能な剛性を有して構成された本体部と、前記本体部に対して設けられ、乳幼児を前記本体部に固定する固定具と、前記本体部及び前記固定具の少なくとも一方に対して設けられ、使用者に装着される装着ベルトと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装着する際に乳幼児が転落してしまう可能性を低減させる抱っこ紐を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る抱っこ紐を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る抱っこ紐の側方を示す概略図であり、(a)は前方(背もたれ部の後方)への角度調整の様子を示し、(b)は後方(背もたれ部の前方)への角度調整の様子を示している。
【
図3】本実施形態に係る抱っこ紐の一部構成を示す概略正面図である。
【
図4】第2実施形態に係る抱っこ紐を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態に係る抱っこ紐を示す斜視図である。
図1に示す抱っこ紐1は、抱っこ紐1の使用者が例えば対面式で乳幼児を抱っこするために用いられるものである。なお、本実施形態に係る抱っこ紐1は縦抱きのものを想定しているが特にこれに限らず横抱き等のものであってもよい。この抱っこ紐1は、本体部10と、固定具20と、装着ベルト30とを備えて構成されている。
【0011】
本体部10は、座面11と背もたれ部(保持部)12とを備えて構成されている。座面11は、乳幼児の臀部が当接するものである。背もたれ部12は、乳幼児を挟んで使用者とは反対側から乳幼児を保持するものであって、本実施形態のように対面式の抱っこ紐1においては乳幼児の背中が当接するものとなる。
【0012】
このような座面11と背もたれ部12とを有する本体部10は所定の剛性を有して自立可能となっている。すなわち、本体部10は、座面11を床等に置いた場合に、背もたれ部12が高さ方向(上下方向)に起立した状態となる。具体例を挙げると、本実施形態に係る抱っこ紐1は、座面11と背もたれ部12との為す角度が110°~120°程度の状態において、10kgの乳幼児が座面11に着座して背もたれ部12に寄り掛かっても起立状態を保てるだけの剛性を有している。
【0013】
さらに、本実施形態において背もたれ部12は、左右両端付近から使用者側の方向に突出する側壁13を備えている。この側壁13を備える結果、背もたれ部12は、乳幼児の側方を覆う方向に湾曲した湾曲構造となる。
【0014】
また、座面11は、使用者側の先端部の中央が乳幼児側に凹んだ凹み部14を構成している。抱っこ紐1は凹み部14を有することで使用者への装着時に使用者にフィットする形状とされる。
【0015】
固定具20は、本体部10に対して設けられ、乳幼児を本体部10に固定するためのものである。この固定具20は、使用者に装着される装着ベルト30とは別に設けられている。乳幼児は、本体部10の座面11に着座させられた状態で固定具20が取り付けられる。これにより、本体部10は、乳幼児を固定具20によって固定した状態で自立状態とすることができる。
【0016】
本実施形態において固定具20は、乳幼児の両肩付近から股間まで固定するための3点式ベルトである。この固定具20は、バックル21と、2本の固定ベルト(固定具)22とを備えている。
【0017】
バックル21は、2本の固定ベルト22を装着するための装着部となるものであって、座面11に埋め込まれて設けられている。なお、バックル21は、前後方向に移動可能なアジャスタ機能を備えることが好ましい。2本の固定ベルト22は、背もたれ部12のうち乳幼児を座面11に着座させたときに肩付近となる位置に一端が接続されている。2本の固定ベルト22の他端は、バックル21に対して装着するためのタング等の装着部材(不図示)が設けられている。なお、本実施形態において固定ベルト22は、上記肩付近となる位置からバックル21に至るまでの長さ程度とされており、抱っこ紐1の装着時において床付近まで垂れ下がるものではない。このため、抱っこ紐1を装着する前又は乳幼児を降ろす際に固定ベルト22を踏んで転倒等してしまう可能性が低減されている。
【0018】
ここで、本実施形態においてバックル21は、座面11の先端面から距離L(具体的には2cm程度以上)だけ離れた位置に設けられている。すなわち、本実施形態に係る抱っこ紐1は剛性を有する座面11の先端から奥まった位置(距離Lだけ離れた位置)にバックル21を設けることで、抱っこ時に使用者と乳幼児とを離間させることが可能となる。これにより、例えば使用者と乳幼児とが常時接触することを避け夏場等には乳幼児の熱中症予防に寄与することができる。
【0019】
図2は、本実施形態に係る抱っこ紐1の側方を示す概略図であり、(a)は前方(背もたれ部12の後方)への角度調整の様子を示している。
図2(a)に示すように、本体部10は座面11と背もたれ部12とが為す背もたれ角度を調整するための調整機構15を備えることが好ましい。特に、本実施形態においては乳幼児を仰向けで寝た状態とできる程度の背もたれ角度まで調整可能となっていることが好ましい。これにより、例えば新生児についても使用し易くできるからである。例えば新生児については座面11に着座させることが困難である。このため、調整機構15により背もたれ角度を大きくする。具体的には符号θ3,θ4に示す程度まで背もたれ角度を大きくする。これにより、新生児を本体部10に寝かせることができる角度とする。そして、この状態から固定具20(
図1参照)を使って新生児を本体部10に固定し、固定後に調整機構15により背もたれ角度を例えば符号θ1,θ2に示す程度まで変化させる。これにより、着座困難な新生児であっても使用し易い抱っこ紐1とすることができる。
【0020】
図2(b)は後方(背もたれ部12の前方)への角度調整の様子を示している。
図2(b)に示すように、調整機構15は、背もたれ部12が座面11に接触又は近接する背もたれ角度(符号θ5であって、例えば20°以下)まで調整可能となっていることが好ましい。このような角度まで調整することで本体部10をコンパクト化することができ、持ち運びの利便性が向上するからである。
【0021】
図3は、本実施形態に係る抱っこ紐1の一部構成を示す概略正面図である。
図3に示すように、背もたれ部12は、骨格部12aと、柔軟部材12bとを備えて構成されている。
【0022】
図3に示すように、骨格部12aは、金属又は樹脂によって高剛性に構成されており、基部12a1と、伸縮部材12a2とを備えている。基部12a1は、例えば伸縮部材12a2の一部が挿入される筒状部材である。この基部12a1は、伸縮部材12a2の挿入量が調整可能であると共に、調整された挿入量で伸縮部材12a2の位置を維持可能とされている。伸縮部材12a2は、正面視してY字形状となる部材であって、Yの下端側が基部12a1に挿入される構成となっている。柔軟部材12bは、骨格部12aを覆う部材であって、例えば硬質ウレタンフォーム等によって構成されている。
【0023】
このような構成であるため、背もたれ部12は、高さ方向に調整可能となっている。すなわち、基部12a1に対する伸縮部材12a2の挿入量を調整することで背もたれ部12を高さ方向に調整できることとなる。
【0024】
なお、本実施形態において骨格部12aは正面視してY字形状となっているが、特にこれに限らず、T字形状となっていてもよいし、逆向きのU字形状やJ字形状等、他の形状であってもよい。さらに、Y字形状の伸縮部材12a2が形状変形可能となっており、例えばT字形状に変形するようになっていてもよい。また、固定ベルト22(
図1参照)の一端は柔軟部材12bではなく骨格部12aに取り付けられていることが好ましい。固定ベルト22が高剛性の骨格部12aに取り付けられることで、乳幼児の保持効果をより高めることができるためである。
【0025】
再度
図1を参照する。装着ベルト30は、抱っこ紐1を使用者に装着するためのベルト部材である。この装着ベルト30は、乳幼児を本体部10に固定するための固定具20とは別に、本体部10(座面11)に対して設けられている。
【0026】
本実施形態において装着ベルト30は、使用者の腰部に取り付けるためのものである。この装着ベルト30は、強力マグネットMによる磁力によって腰部に取り付け可能となっている。マグネットM同士の接続箇所は、使用者の操作性を考慮して使用者背面側ではなく側方となるようにされている。
【0027】
なお、本実施形態に係る装着ベルト30は腰部に取り付けられるものであるが、これに代えて又は加えて、使用者の肩に掛けられる肩掛けベルトが設けられていてもよい。さらに、可能であれば、他の装着ベルト30が設けられていてもよい。
【0028】
また、装着ベルト30は、本体部10に設けられる場合に限らない。例えば装着ベルト30は、例えば固定ベルト22から分岐して設けられる等、本体部10ではなく固定具20に設けられていてもよい。
【0029】
次に、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る抱っこ紐1の使用方法の一例を説明する。まず、新生児を抱っこする場合を想定する。この場合、使用者は、まず調整機構15により背もたれ角度を大きくする。次いで、使用者は、本体部10に対して新生児を寝かせる。
【0030】
次に、使用者は、固定具20により新生児を本体部10に固定する。この際、本体部10が自立することから、使用者は、両手を使って新生児を本体部10に固定することができる。なお、新生児を本体部10に固定する際、背もたれ角度は床面と平行等とされることがある。この状態から新生児を背もたれ部12に寝かせた際に、背もたれ部12が床面に接するようになってもよい。すなわち、本体部10の自立とは、本体部10に乳幼児を固定するにあたり、座面11と背もたれ部12とが為す背もたれ角度を略維持でき、且つ、背もたれ角度が所定角度(例えば150°)以上に大きくならない限りは背もたれ部12が座面11と共に倒れ込んで床面に接することがない状態であればよい。
【0031】
次いで、使用者は調整機構15により背もたれ部12を起立状態とする。なお、抱っこ対象が新生児であることから首が据わっていないことを考慮し、背もたれ角度は、例えば符号θ2に示す程度とすることが好ましい。また、新生児用の別部品等を使用して新生児の首を保護するようにしてもよい。この場合、背もたれ角度は、符号θ1程度としてもよい。
【0032】
その後、使用者は、装着ベルト30を自己に取り付ける。このとき、新生児が本体部10に固定済みであることから、使用者は両手を使って装着ベルト30を装着することができる。例えば、使用者がソファー等に座っている場合、新生児を固定した抱っこ紐1を使用者に対して横向きに置き、装着ベルト30を使用者に横向き状態で装着した後に使用者の前側に移動させる。また、使用者が床に座っている場合は、使用者が脚を伸ばした状態で、新生児を固定した抱っこ紐1を大腿部に置き、装着ベルト30を使用者に装着する。
【0033】
以上のように、新生児の固定及び装着ベルト30の装着については、それぞれ両手で行うことができ、新生児を片手で抑えながら、残りの手で装着ベルト30を装着する必要がない。よって、新生児(乳幼児も同様)の転落の可能性が低減されることとなる。
【0034】
以上のようにして、第1実施形態に係る抱っこ紐1によれば、座面11と背もたれ部12とを有し自立可能な本体部10と、乳幼児を本体部10に固定する固定具20とを備えるため、使用者は、まず乳幼児を座面11に着座させる等して固定具20により本体部10に固定することができる。使用者は、この固定状態から装着ベルト30により抱っこ紐1を装着することができる。すなわち、従来の肩掛け型の抱っこ紐と比較して、使用者は、片手で乳幼児を支えながら残りの手で装着ベルト30を装着する必要がなく、両手を使って装着ベルト30を装着することができる。これにより、片手で支える乳幼児を落としてしまったり、残りの手で行う装着ベルト30の装着が不充分となってしまい、抱っこ紐1ごと乳幼児を落としてしまったりする可能性が低減される。従って、抱っこ紐1を装着する際に乳幼児が転落してしまう可能性を低減させることができる。
【0035】
また、乳幼児が仰向けで寝た状態となるよう調整機構15により背もたれ角度を調整可能であるため、例えば自分で着座することが困難な新生児等については、寝かせた状態で固定具20により固定し、その後調整機構15により角度を90°に近づけ、装着ベルト30を装着することができる。従って、新生児等にも使用し易い抱っこ紐1とすることができる。
【0036】
また、背もたれ部12は、高さ方向に伸縮可能であるため、背もたれ部12を月齢に応じた高さとすることができる。また、適切な高さとすることにより剛性を有する背もたれ部12によって乳幼児の頭部を保護することもでき、使用者の転倒時等における乳幼児の怪我の防止を図ることができる。
【0037】
また、背もたれ部12は、乳幼児の側方を覆う方向に湾曲する湾曲構造であるため、乳幼児を側方からも保護することができ、一層怪我の可能性を減じることができる。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る抱っこ紐は第1実施形態のものと同様であるが、一部構成が異なっている。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0039】
図4は、第2実施形態に係る抱っこ紐を示す斜視図である。第2実施形態に係る抱っこ紐2は、第1実施形態のものと固定具20の構造が異なっている。すなわち、第2実施形態に係る固定具20は、3点式のベルトではなく、通し輪(固定具)23によって構成されている。
【0040】
通し輪23は、第1実施形態に示した固定ベルト22(
図1参照)のように上半身を全体的に固定するものではなく、乳幼児の腕のみを通すものである。この通し輪23は、両腕を通すように、乳幼児の両脇付近となる位置にそれぞれ設けられている。また、通し輪23は、乳幼児の両腕の太さに合わせて径を調整可能とされている。
【0041】
なお、本実施形態において通し輪23は、乳幼児の腕のみを通すものであるが、これに限らず、脚のみを通すものであってもよい。この場合、例えば通し輪23は、座面11に設けられていてもよい。さらに、第2実施形態に係る抱っこ紐2は固定具20として通し輪23のみを備えているが、さらに第1実施形態に示した固定ベルト22等を備えていてもよい。
【0042】
このようにして、第2実施形態に係る抱っこ紐2によれば、第1実施形態と同様に、抱っこ紐2を装着する際に乳幼児が転落してしまう可能性を低減させることができる。
【0043】
加えて、第2実施形態によれば、固定具20は、乳幼児の腕のみを通す通し輪23を含むため、腕が通し輪23によって固定されることとなり、固定ベルト22のような上半身全体を固定しようとする構造と比較すると、固定効果の向上を図ることができる。加えて、通し輪23のみを備える場合には、第1実施形態に示した固定ベルト22と同様に、抱っこ紐2を装着する前又は乳幼児を降ろす際に長尺の固定具が床面付近まで垂れ下がるような構成ではなく、長尺の固定具を踏んで転倒等してしまう可能性が低減されている。
【0044】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。さらには、公知又は周知の技術を組み合わせてもよい。
【0045】
例えば、上記実施形態において抱っこ紐1,2は、対面式のものを例に説明したが、特にこれに限らず、乳幼児が前方を向く前抱き式のものであってもよいし、背中側に抱くおんぶ式のものであってもよい。また、可能であれば乳幼児を側方に抱くものであってもよい。さらに、上記実施形態に係る抱っこ紐1,2は縦抱きではなく、横抱き等するためのものであってもよい。
【0046】
また、上記実施形態において装着ベルト30は強力マグネットMによって装着されるものであるが、特にこれに限らず、バックルとタングとを有するものであってもよい。さらに、本実施形態において骨格部12aは、基部12a1に対して伸縮部材12a2に一部が挿入されるが、これに限らず、伸縮部材12a2に対して基部12a1の一部が挿入される構造であってもよい。
【0047】
さらに、第2実施形態において通し輪23は、腕のみを通すものと脚のみを通すものとの双方が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,2 :抱っこ紐
10 :本体部
11 :座面
12 :背もたれ部(保持部)
12a :骨格部
12a1 :基部
12a2 :伸縮部材
12b :柔軟部材
13 :側壁
14 :凹み部
15 :調整機構
20 :固定具
21 :バックル
22 :固定ベルト(固定具)
23 :通し輪(固定具)
30 :装着ベルト
M :強力マグネット