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  • 特開-ブース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029303
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20240228BHJP
   E04B 9/34 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
E04B9/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131488
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】509318723
【氏名又は名称】天翔ビルディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119758
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 保宏
(72)【発明者】
【氏名】藤田 武志
(57)【要約】
【課題】簡単な構成にて、利用者の用途に応じたブースを提供する。
【解決手段】床面に対して立設された壁(支柱2、右壁3R、左壁3L、後壁3B、扉4)と、壁部の上端に設けられた天井(支柱2、天井壁3U)と、を備えて、内部空間を形成するブース1は、天井に開口10が形成され、開口10を開閉自在なシャッター5を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に対して立設された壁と、該壁の上端に設けられた天井と、を備えて、内部空間を形成するブースであって、
前記天井には、開口部が形成され、
前記開口部を開閉自在なシャッターを備える、
ことを特徴とするブース。
【請求項2】
前記シャッターは、透明又は透光性を有する部材で構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のブース。
【請求項3】
前記シャッターの一端には、前記内部空間から前記シャッターの開閉操作が可能な把持部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載のブース。
【請求項4】
前記シャッターは、前記内部空間から前記シャッターを施錠可能な鍵部を備える、
ことを特徴とする請求項3記載のブース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブースに関し、特にオフィス内に設けられるブースに好適に適用できる。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスやその他の場所においてワークスペースとして用いられるブースが知られている。例えば、特許文献1では、テレワークに用いられる折り畳み式ブースが開示されている。また、特許文献2では、ブース空間に対して使用者が出入りしやすいブースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3229932号公報
【特許文献2】特開2018-135722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オフィスに設けられるブースは、利用者の使い方に応じて異なる役割が要求される。例えば、周囲から隔離されて一人集中できる空間としてブースを使いたい利用者もいるし、また、他人の目線を遮断する必要はあるが、或る程度、周囲の雰囲気も感じられ、開放感が感じられる空間としてブースを使いたい利用者もいる。この点、簡単な構成にて、利用者の用途に応じた機能を提供できるブースが望まれていた。
【0005】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、簡単な構成にて、利用者の用途に応じたブースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るブースは、その一態様として、
床面に対して立設された壁と、該壁の上端に設けられた天井と、を備えて、内部空間を形成するブースであって、
前記天井には、開口部が形成され、
前記開口部を開閉自在なシャッターを備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構成にて、利用者の用途に応じたブースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態に係るブースのシャッターが全開している場合のブースの外観斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態に係るブースのシャッターが半開している場合のブースの外観斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態に係るブースのシャッターが全閉している場合のブースの外観斜視図である。
図4】(A)は、本発明の一実施の形態に係るブースのシャッターが全開している場合のブースの上面図であり、(B)は、本発明の一実施の形態に係るブースのシャッターが半開している場合のブースの上面図であり、(C)は、本発明の一実施の形態に係るブースのシャッターが全閉している場合のブースの上面図である。
図5】(A)は、図1のA-A断面図であり、(B)は、図2のA-A断面図であり、(C)は、図3のA-A断面図である。
図6】本発明の一実施の形態に係るブースのシャッターの把持部を詳しく示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
<ブースの構成>
図1図3は、本発明の実施の形態に係るブース1の外観斜視図である。ブース1は、オフィスの床面上に設置される組み立て式の箱型ブースであり、ブース1の内部空間は、ワークスペースとして機能する。ブース1は、天井に開閉可能なシャッター5が設けられていることを特徴としている。図1図3は、ブース1のこの特徴を示す図であり、詳しくは、図1は、シャッター5を全開している状態(以下、全開状態という)のブース1の外観斜視図であり、図2は、シャッター5を半分程開けている状態(以下、半開状態という)のブース1の外観斜視図であり、図3は、シャッター5を閉じている(以下、全閉状態という)のブース1の外観斜視図である。なお、本実施の形態では、一人の利用者が作業するブース1として図示するが、これに限定されず、複数の利用者が作業可能な、広めのワークスペースを有するブース1としてもよい。
【0011】
ブース1は、図1図3に示すように、主たる構成として、複数の支柱2と、複数の壁3と、扉4と、シャッター5と、を備えている。以下、本実施の形態では、図1に示す方向、つまり、扉4を前、扉4と対向する壁を後、天井を上、床面を下、扉4と正対する利用者の右手側を右、左手側を左とする方向を用いて説明する。
【0012】
支柱2は、具体的には、床面に垂直な4本の支柱2と、床面に平行な7本の支柱2と、を具備する構成となっている。床面に垂直な支柱2と床面に平行な支柱2をお互いにその一端又は他端にて接続することにより、箱型の骨組みが形成される。
【0013】
壁3は、複数の支柱2により形成された矩形状の空間にそれぞれ配置され、複数の支柱2と接続される。壁3は、具体的には、右壁3Rと、左壁3Lと、後壁3Bと、天井壁3Uと、を具備する構成となっている。
【0014】
扉4は、前方の支柱2に軸支されており、ヒンジを介して回動可能に構成されている。扉4には、利用者が扉4を開閉するための取手であるドアノブ41が設けられている。扉4は、利用者がブース1に入室するための出入口であり、前壁としての機能を有する。壁3(正確には、天井壁3U以外の壁)及び扉4は、床面に対して立設されており、ブース1の側壁としての機能を有している。なお、図示しないが、扉4は、施錠可能に構成されている。
【0015】
シャッター5は、ブース1の天井を移動可能に設置されたプラスチック素材のシャッターである。すなわち、シャッター5は、ブース1の天井の一部を構成する。なお、本実施の形態のシャッター5は、透明又は透光性を有しているため、シャッター5を閉じた状態においても、ブース1の内部空間には光が届くようになっている。
【0016】
ブース1の天井は、図3に示すように、全閉状態では、シャッター5の一端と天井壁3Uが当接するように構成されているので、ブース1は、全閉状態においては、外部空間から遮断された内部空間を形成する。一方、ブース1の天井は、図1及び図2に示すように、全開状態又は半開状態では、開口10が形成されるので、ブース1の内部空間は、外部空間と連通する。なお、ブース1には、シャッター5を収納可能なシャッター収納部6が後壁3Bに設置されている。
【0017】
<シャッターの開閉状態>
次に、図4及び図5を用いて、シャッター5の開閉状態について説明する。図4は、シャッター5の開閉の様子を示す上面図であり、詳しくは、図4(A)は、シャッター5が全開状態にある場合のブース1の上面図、図4(B)は、シャッター5が半開状態にある場合のブース1の上面図、図4(C)は、シャッター5が全閉状態にある場合のブース1の上面図である。図5は、シャッター5の開閉状態とともにシャッター収納部6に収納されるシャッター5の様子を示す図である。詳しくは、図5(A)は、図1のA-A断面図、つまりシャッター5が全開状態にある場合の断面図であり、図5(B)は、図2のA-A断面図、つまりシャッター5が半開状態にある場合の断面図であり、図5(C)は、図3のA-A断面図、つまりシャッター5が全閉状態にある場合の断面図である。
【0018】
シャッター5は、図4及び図5に示すように、その一端(天井壁3Uと当接する側の一端)に把持部51が形成されている。図6は、把持部51をブース1の内部空間から見た外観図である。把持部51には、図6に示すように、突出片52が形成されているので、利用者は、ブース1の内部空間から、突出片52を把持してシャッター5を移動させることにより、シャッター5を開閉させることができる。なお、把持部51には、図6に示すように、フック式の回動可能な鍵53が設けられており、鍵53は天井壁3Uの内側に設けられたフック孔に嵌合可能に形成されている。これにより、利用者は、シャッター5が全閉状態において、ブース1の内部空間から鍵53を施錠することが可能となっているので、ブース1のセキュリティを高めることができる。
【0019】
なお、鍵53の構成はこれに限定されず、他の構成を採用してもよい。例えば、把持部51に設けられた鍵穴に鍵を差し込むことにより施錠され、シャッター5が天井壁3Uと一体化されるような構成を採用してもよい。
【0020】
本実施の形態では、図5(A)~(C)に示すように、シャッター5は、巻き取られてボックス型のシャッター収納部6に収納される。そのため、本実施の形態では、シャッター5をコンパクトに収納することが可能となっている。なお、本実施の形態のシャッター収納部6は、ボックスを備え、ボックス内にシャッター5を収納する構成を採用するが、ボックスはなくてもよい。この場合には、巻き取られたシャッター5が後扉3Bに露出した状態で収納される。
【0021】
図1図4(A)及び図5(A)に示すように、シャッター5が全開状態にある場合、ブース1の天井には、開口10が形成されるので、ブース1の内部空間は、開口10を介して外部空間とつながっている。このため、ブース1は、オフィス内の空調を利用することが可能であり、また、オフィス内の採光を取り入れることが可能である。この結果、シャッター5が全開状態にある場合、利用者は、(1)側壁の存在により、他人の目線を遮断できるので、外部との遮断を一定程度達成することができる、(2)天井が開放されているため、ブースの閉塞感を解消でき、開放感を感じることができる、(3)開口10の存在により、周囲の音は聞こえる状態にあるので、利用者は、周囲の雰囲気を一定程度感じることができる。
【0022】
また、図2図4(B)及び図5(B)に示すように、シャッター5が半開状態にある場合、ブース1の天井には、図4(A)及び図5(A)と同様に、開口10が形成されるので、ブース1の内部空間は、開口10を介して外部空間とつながっている。したがって、シャッター5が半開状態にある場合、シャッター5が全開状態にある場合と同様に上記効果(1)~(3)を達成することができる。しかしながら、シャッター5が半開状態にある場合、全開状態よりも開口10の大きさが小さく形成されるので、上記効果(1)~(3)は、全開状態より減少する。つまり、本実施の形態のブース1では、シャッター5の開放割合に応じて、外部との遮断性、開放感及び周囲との一体感を調整することができる。
【0023】
一方、図3図4(C)及び図5(C)に示すように、シャッター5が全閉状態にある場合、ブース1の天井は、シャッター5に閉鎖されるので、ブース1の内部空間は、外部空間と遮断された空間となっている。このため、ブース1は、オフィス内の空調を利用することができないが、シャッター5の透明性又は透光性により、オフィス内の採光を一定程度取り入れることが可能である。この結果、シャッター5が全閉状態にある場合、利用者は、(1)ワークスペースを外部から遮断された空間とできるので、周囲から隔離されて一人作業に集中することができる、(2)セキュリティを確保することができる、(3)防音性を高めることができる。
【0024】
以上、本実施の形態のブース1によれば、シャッター5を全開状態から全閉状態まで開放割合を調整することができるので、利用者の用途に応じたブースを提供することができる。すなわち、時には防音性を高めてセキュリティを確保することもできるし、時には開放感を感じることができる。
【0025】
<その他の変形例>
本実施の形態では、ブース1の天井に天井壁3Uが存在する構成を説明したが、天井壁3Uは存在しなくてもよい。例えば、シャッター5が全閉状態の場合、シャッター5は前方の支柱2に当接するように構成してもよい。この場合には、シャッター5だけでブース1の天井全体を覆うことができる。また、これとは別に、例えば、シャッター5が全閉状態の場合、シャッター5は前方の支柱2の手前までしか到達できないように構成し、ブース1の天井に開口状態が生じるようにしてもよい。この場合には、シャッター5でブース1の天井全体を覆うことはできない。
【0026】
また、天井壁3Uには、通気口などの孔が設けられてもよく、また、壁3のいずれかに換気扇が設けられてもよい。これにより、シャッター5が全閉状態であっても、ブース1の内部空間の通気が可能となる。また、本実施の形態のブース1は、略直方体の形状であったが、ブース1の形状は、これに限定されない。種々の形状を採用することができる。
【0027】
<実施の形態のまとめ>
以上に述べた本実施の形態に係るブース1は、床面に対して立設された壁と、該壁の上端に設けられた天井と、を備えて、内部空間を形成するブースである。そして、天井には、開口部が形成され、開口部には開閉自在なシャッター5が備えられている。ここで、壁は、例えば、支柱2、右壁3R、左壁3L、後壁3B及び扉4であり、天井は、例えば、支柱2及び天井壁3Uであり、開口部は、例えば、開口10である。
【0028】
本実施の形態に係るブース1は、上記構成を採用することにより、簡単な構成にて、利用者の用途に応じたブースを提供することができる。すなわち、シャッター5を全閉状態とすれば、防音性を高めてセキュリティを確保することができる。これにより、ブース1を、周囲から隔離されて一人集中できるワークスペースとして使いたい利用者のニーズを満たすことができる。一方、シャッター5を全開状態又は半開状態とすれば、採光も十分であり周囲の音も把握可能となり、開放感を感じることができる。これにより、他人の目線を遮断しつつ、或る程度、周囲の雰囲気も感じられワークスペースとしてブース1を使いたい利用者のニーズを満たすことができる。
【0029】
また、本実施の形態に係るシャッター5は、透明又は透光性を有する部材で構成されていることが好ましい。
【0030】
本実施の形態に係るブース1は、上記構成を採用することにより、シャッター5が半開状態又は全閉状態であっても、ワークスペース内を明るくすることができる。
【0031】
また、本実施の形態に係るシャッター5の一端には、シャッター5の開閉操作が可能な把持部51が設けられていることが好ましい。ここで、シャッター5の一端とは、例えば、シャッター5が天井壁3Uに当接する側の一端である。また、把持部51とは、例えば、突出片52を備える把持部51が一例であるが、把持部51の形状及び設置位置は、特に限定されない。利用者の手により、内部空間からシャッター5を移動可能とする形状及び設置位置であれば特に限定されない。
【0032】
本実施の形態に係るブース1は、上記構成を採用することにより、ワークスペース内にいる利用者が容易にシャッター5を開閉することができる。
【0033】
また、本実施の形態に係るシャッター5は、内部空間からシャッター5を施錠可能な鍵部53を備えることが好ましい。ここで、鍵部53とは、例えば、把持部51に設けられたフック式の鍵53が一例であるが、フック式の鍵53でなくてもよく、また、把持部51に設けられていなくてもよい。シャッター5が全閉状態において内部空間から施錠可能であればいずれの方式でもよく、いずれの位置に設けられていてもよい。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
1 ブース
2 支柱
3 壁部
4 扉
5 シャッター
6 シャッター収納部
41 ドアノブ
51 把持部
52 突出片
53 鍵
図1
図2
図3
図4
図5
図6