(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029308
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】拍車、拍車カートリッジ及び乗馬用ブーツ
(51)【国際特許分類】
A43C 17/00 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
A43C17/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131494
(22)【出願日】2022-08-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】596053426
【氏名又は名称】中野 要一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】中野 要一郎
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050GA30
4F050JA20
4F050MA90
(57)【要約】
【課題】拍車の取付け、取外し、交換を簡単に行うことができる拍車、拍車用カートリッジ及び乗馬用ブーツを提供する。
【解決手段】乗馬用ブーツ1に固定される拍車本体20と、拍車本体20に着脱自在に取り付けられ、拍車10における馬に当てる部位である先端部32を備えた拍車カートリッジ30とを有し、拍車本体20には、乗馬用ブーツ1のかかと部分3に位置する箇所に、拍車カートリッジ30を着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部21を備えた拍車10とした。また、ブーツ本体2A,2Bと、そのかかと部分3A,3Bに設けられ、拍車カートリッジ30を着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部21A,21Bとを有する乗馬用ブーツ1A,1Bとした。また、拍車10の先端部32,32A~32Jを備え、拍車カートリッジ取付部21,21A,21Bに対して着脱自在に取り付けられる拍車カートリッジ30,30A~30Jとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗馬用ブーツに固定される拍車本体と、
前記拍車本体に着脱自在に取り付けられ、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えた拍車カートリッジと、
を有し、
前記拍車本体には、前記乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に、前記拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部を備えていることを特徴とする拍車。
【請求項2】
ブーツ本体と、
前記ブーツ本体のかかと部分に設けられ、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えた拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部と、
を有することを特徴とする乗馬用ブーツ。
【請求項3】
拍車における馬に当てる部位である先端部を備えており、
前記拍車を乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に設けられた拍車カートリッジ取付部、または、乗馬用ブーツにおけるブーツ本体のかかと部分に設けられた拍車カートリッジ取付部に対して着脱自在に取り付けられるように構成されたことを特徴とする拍車カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗馬に使用する拍車、拍車用カートリッジ及び乗馬用ブーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乗馬の際に乗馬用ブーツに取り付けて用いる馬具として、拍車が知られている。この拍車には、馬に当たる側である先端部が円盤状に形成された輪拍や、先端部が突起状に形成された棒拍等の種類がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、乗る馬によって馬の腹部への指示に対する反応が異なるため、馬に合わせて拍車を取り付けたり取り外したりすることもあり、また、馬毎に拍車を当たりの強いものや弱いものに交換することもあった。それに対し、拍車は乗馬用ブーツにベルト等で取り付ける構造になっているため、取り付けや取り外し、交換等に煩雑な作業が必要となり、時間も労力も掛かるため、不具合が生じていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、拍車の取り付け、取り外し、交換を簡単に行うことができる拍車、拍車用カートリッジ及び乗馬用ブーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、乗馬用ブーツに固定される拍車本体と、前記拍車本体に着脱自在に取り付けられ、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えた拍車カートリッジと、を有し、前記拍車本体には、前記乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に、前記拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部を備えている拍車としたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ブーツ本体と、前記ブーツ本体のかかと部分に設けられ、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えた拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部と、を有する乗馬用ブーツとしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えており、前記拍車を乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に設けられた拍車カートリッジ取付部、または、乗馬用ブーツにおけるブーツ本体のかかと部分に設けられた拍車カートリッジ取付部に対して着脱自在に取り付けられるように構成された拍車カートリッジとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えた部分が、拍車カートリッジとして拍車本体に対して着脱自在に取り付けられるようになっているため、拍車本体を乗馬用ブーツに取り付けておき、拍車が必要な馬に乗るときには拍車本体に拍車カートリッジを取り付け、拍車が不要な馬に乗るときには拍車本体から拍車カートリッジを取り外すことで、簡単に馬に合わせて拍車の有無を使い分けることができ、拍車の取り付け取り外しに掛かる時間も労力も大幅に削減することができる。
【0010】
また、本発明によれば、乗馬用ブーツに、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えた拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部を備えているため、拍車カートリッジを取り付け取り外すだけで、簡単に拍車の有無を使い分けることができ、拍車の取り付け取り外しに掛かる時間も労力も大幅に削減することができる。さらに乗馬用ブーツに拍車本体に相当する部分が予め取り付けられているため、拍車本体を乗馬用ブーツに取り付ける手間も掛からず、より拍車の取り付け取り外しの時間も労力も削減することができる。
【0011】
また、本発明によれば、拍車カートリッジ取付部に着脱自在で、拍車における馬に当てる部位である先端部を備えた拍車カートリッジとなっているため、この拍車カートリッジの種類を複数用意しておけば、馬に合わせて拍車カートリッジを交換するだけで、簡単に拍車を交換する場合と同様の効果を得ることができ、これにより拍車の交換に要する時間も労力も大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る拍車を示す斜視図である。
【
図2】同実施の形態に係る拍車から拍車カートリッジを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図3】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図4】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図5】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す側面図である。
【
図6】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す側面図である。
【
図7】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す側面図である。
【
図8】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図9】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図10】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図11】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図12】同実施の形態に係る拍車カートリッジの例を示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態2に係る乗馬用ブーツを示す側面図である。
【
図14】同実施の形態に係る乗馬用ブーツの別例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[本発明の実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1に係る拍車10と乗馬用ブーツ1について、
図1~
図12を用いて説明する。
【0014】
本実施の形態の乗馬用ブーツ1は、
図1に示すように、乗馬に用いる一般的なブーツ(靴)である。この乗馬用ブーツ1に、本発明の実施の形態1に係る拍車10が取り付けられている。
【0015】
従来の拍車は乗馬用ブーツに取り付ける部位(略U字状の部位)と馬に当てる部位(突起状や円盤状等の部位)とが一体に形成されているが、本実施の形態の拍車10は、
図2に示すように、乗馬用ブーツ1に固定される拍車本体20(例えば、略U字状の部位)と、その拍車本体20に着脱自在に取り付けられる拍車カートリッジ30(馬に当てる部位を含む部材)と、を有する構成となっている。なお、拍車本体20は、SUS等の金属で構成されていても良いし、樹脂で構成されていても良いし、これらを組み合わせて形成されていても良い。また、拍車カートリッジ30については、SUS等の金属で構成されていても良いし、樹脂で構成されていても良いし、ゴム等で構成されていても良いし、これらを組み合わせて形成されていても良い。
【0016】
このうち、拍車本体20は、板状のブーツ取付部26,27が左右に設けられ、その中央に拍車カートリッジを取り付けるための拍車カートリッジ取付部21を有している。
【0017】
また、拍車カートリッジ30は、拍車本体20に取り付ける略板状のカートリッジ本体31と、当該カートリッジ本体31から突出形成された先端部32と、を有する構成となっている。また、拍車本体20には、当該拍車本体20を乗馬用ブーツ1に固定した際に丁度かかと部分3に位置する箇所(ここでは中央)に、拍車カートリッジ30を着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部21を備えている。拍車カートリッジ取付部21は、拍車カートリッジ本体31を挿入する挿入部22を有している。
【0018】
拍車カートリッジ30と拍車カートリッジ取付部21について、さらに詳述する。拍車カートリッジ30は、
図2に示すように、略板状のカートリッジ本体31の一方の板面の上部側の略中央部から略垂直に先端部32が突出形成されている。この先端部32は、拍車10において馬に当てる部位であり、ここでは、棒形状(所謂棒拍の形状)となっている。この先端部32は、拍車カートリッジ取付部21の挿入部22の上部側の略中央部の上端から下方に向けて形成されたスリット23に挿入されて拍車本体20のかかと部分に位置する箇所で乗馬用ブーツ1の後方に突出するようになっている。
【0019】
また、カートリッジ本体31の下部側は3つの棒状部に分かれており、中央にガイド部33が形成され、左右にロック部34,35が形成されている。このガイド部33を拍車カートリッジ取付部21の挿入部22の下部側の略中央部(スリット23の下方)に設けられた被ガイド部(図示省略)に沿うように挿入し、ロック部34,35を拍車カートリッジ取付部21の挿入部22の下部側の左右に設けられたロック用開口部24,25に嵌めることで、拍車カートリッジ30を拍車カートリッジ取付部21に固定するようになっている。
【0020】
なお、拍車カートリッジとしては、種々の形状のものを使用可能であり、前記した拍車カートリッジ30の他、
図3に示すように、丸みを帯びた先端部32Aを備えた拍車カートリッジ30Aを用いても良い。また、
図4に示すように、円盤状(所謂輪拍の形状)の先端部32Bを備えた拍車カートリッジ30Bを用いても良い。その他適宜の形状の拍車カートリッジを用いても良い。このように種々の形状の拍車カートリッジを馬に合わせて交換することで、拍車自体を交換するよりも簡単に拍車の種類を変えることができ、拍車の取り付け取り外し、交換に掛かる時間も労力的も削減することができる。
【0021】
また、拍車カートリッジとして、先端部に装飾が施されているように構成されていても良い。装飾としては、拍車10の使用目的に適合した上で、美観、ファッション性を向上させるものであれば、適宜のものが施されていれば良い。例えば、
図5に示す拍車カートリッジ30Cのように、先端部32Cが馬の全身を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。
【0022】
また、
図6に示す拍車カートリッジ30Dのように、先端部32Dが馬の下半身を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。さらに、
図7に示す拍車カートリッジ30Eのように、先端部32Eが馬の頭部を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。
【0023】
またさらに、
図8に示す拍車カートリッジ30Fのように、先端部32Fが豚の鼻を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。また、
図9に示す拍車カートリッジ30Gのように、先端部32Gが花を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。
【0024】
また、
図10に示す拍車カートリッジ30Hのように、先端32Hがグー状態(握った状態)の手を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。また、
図11に示す拍車カートリッジ30Iのように、先端部32Iがパー状態(開いた状態)の手を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。また、
図12に示す拍車カートリッジ30Jのように、先端部32Jが足を模した形状の装飾を有する構成となっていても良い。
【0025】
その他、馬を含む種々の動物、虫、人間の全身、上半身、下半身、頭部、足、手、翼等を模したものの形、植物(花、葉、種、実、幹、枝、つる、根、全体等)を模したものの形、食べ物(食材、料理したもの、盛り付けたもの等)を模したものの形、家具、カトラリー、乗り物、建物、マークやエンブレム等、適宜の形状が考えられる。
【0026】
なお、拍車カートリッジ30,30A~30Jの特に先端部32,32A~32Jを、ゴム、シリコン等の比較的柔らかい素材で形成すれば、馬に当てる部位を柔らかくすることができ、金属、硬質樹脂等の比較的硬い素材で形成すれば、馬に当てる部位を硬めに構成することができる。このように、拍車カートリッジ30,30A~30Jを交換することで、拍車10の馬への当て方を変化させることができる。
【0027】
なお、
図3~
図12に示す拍車カートリッジ30A~30Jにおいて、前記した拍車カートリッジ30と同様の構成に対しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0028】
以上のように、本実施の形態の拍車10によれば、拍車10における馬に当てる部位である先端部32,32A~32Jを備えた部分が、拍車カートリッジ30,30A~30Jとして拍車本体20に対して着脱自在に取り付けられるようになっているため、拍車本体20を乗馬用ブーツ1に取り付けておき、拍車10が必要な馬に乗るときには拍車本体20に拍車カートリッジ30,30A~30Jを取り付け、拍車10が不要な馬に乗るときには拍車本体20から拍車カートリッジ30,30A~30Jを取り外すことで、簡単に馬に合わせて拍車10の有無を使い分けることができ、拍車10の取り付け取り外しに掛かる時間も労力も大幅に削減することができる。
【0029】
また、本実施の形態の拍車カートリッジ30,30A~30Jによれば、拍車カートリッジ取付部21に着脱自在で、拍車10における馬に当てる部位である先端部32,32A~32Jを備えた拍車カートリッジ30,30A~30Jとなっているため、この拍車カートリッジ30,30A~30Jの種類を複数用意しておけば、馬に合わせて拍車カートリッジ30,30A~30Jを交換するだけで、簡単に拍車10を交換する場合と同様の効果を得ることができ、これにより拍車10の交換に要する時間も労力も大幅に削減することができる。
[本発明の実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る乗馬用ブーツ1Aについて、
図13~
図14を用いて説明する。
【0030】
本実施の形態の乗馬用ブーツ1Aは、
図13に示すように、乗馬に用いる一般的なブーツ本体2Aに、拍車の馬に当てる部位である先端部32を備えた拍車カートリッジ30が取り付けられるようにしたものである。以下、詳述する。
【0031】
本実施の形態の乗馬用ブーツ1Aには、
図13に示すように、乗馬用ブーツ1Aのブーツ本体2Aのかかと部分3Aに、前記した実施の形態1で用いられた拍車カートリッジ30を取り付けるための拍車カートリッジ取付部21Aが設けられている。この拍車カートリッジ取付部21Aは、ブーツ本体2Aとは別部材で構成されており、リベットや接着剤等の適宜の手段でかかと部分3Aに固定されるようになっている。なお、拍車カートリッジ取付部21Aは、SUS等の金属で構成されていても良いし、樹脂で構成されていても良いし、これらを組み合わせて形成されていても良い。
【0032】
なお、本実施の形態では、
図13に示す乗馬用ブーツ1Aのように、ブーツ本体2Aに対して拍車カートリッジ取付部21Aのみが取り付けられるように構成されているが、これに限るものではなく、例えば、
図14に示す乗馬用ブーツ1Bのように、ブーツ本体2Bに対して、拍車カートリッジ取付部21Bの左右に前記した拍車10のブーツ取付部26,27に相当するブーツ固定部26B,27Bが設けられており、これを介してブーツ本体2Bに取り付けられるようになっていても良い。この場合は、ブーツ本体2Bに対して、ブーツ固定部26B,27Bをリベットや接着剤等で固定して全体を固定するようになっていても良いし、ブーツ固定部26B,27Bと共に拍車カートリッジ取付部21Bもリベットや接着剤等で固定するようになっていても良い。
【0033】
拍車カートリッジ30と拍車カートリッジ取付部21A(21B)について、さらに詳述する。拍車カートリッジ30は、
図2に示すように、略板状のカートリッジ本体31の一方の板面の上部側の略中央部から略垂直に先端部32が突出形成されている。この先端部32は、拍車において馬に当てる部位に相当するものであり、ここでは、棒形状(所謂棒拍の形状)となっている。この先端部32は、拍車カートリッジ取付部21A(21B)の挿入部22A(22B)の上部側の略中央部の上端から下方に向けて形成されたスリット23A(23B)に挿入されて乗馬用ブーツ1のかかと部分3A(3B)から後方に突出するようになっている。
【0034】
また、カートリッジ本体31の下部側は3つの棒状部に分かれており、中央にガイド部33が形成され、左右にロック部34,35が形成されている。このガイド部33を拍車カートリッジ取付部21A(21B)の挿入部22A(22B)の下部側の略中央部(スリット23A(23B)の下方)に設けられた被ガイド部(図示省略)に沿うように挿入し、ロック部34,35を拍車カートリッジ取付部21A(21B)の挿入部22A(22B)の下部側の左右に設けられたロック用開口部24A,25A(24B,25B)に嵌めることで、拍車カートリッジ30を拍車カートリッジ取付部21A(21B)に固定するようになっている。
【0035】
なお、拍車カートリッジとしては、前記した実施の形態と同様に、
図3に示す丸みを帯びた先端部32Aを備えた拍車カートリッジ30Aや、
図4に示す円盤状(所謂輪拍の形状)の先端部32Bを備えた拍車カートリッジ30Bや、その他適宜の形状の拍車カートリッジを用いても良い。このように種々の形状の拍車カートリッジを馬に合わせて交換することで、拍車自体を交換するよりも簡単に拍車の種類を変えることができ、拍車の取り付け取り外し、交換に掛かる時間も労力的も削減することができる。
【0036】
また、拍車カートリッジとして、前記した
図5~
図12に示すように、先端部に装飾が施されているように構成されていても良い。装飾としては、拍車(本実施の形態では拍車機能を有する乗馬用ブーツ1A(1B)として)の使用目的に適合した上で、美観、ファッション性を向上させるものであれば、
図5~
図12に示す例のように、適宜のものが施されていれば良い。
【0037】
その他、馬を含む種々の動物、虫、人間の全身、上半身、下半身、頭部、足、手、翼等を模したものの形、植物(花、葉、種、実、幹、枝、つる、根、全体等)を模したものの形、食べ物(食材、料理したもの、盛り付けたもの等)を模したものの形、家具、カトラリー、乗り物、建物、マークやエンブレム等、適宜の形状が考えられる。
【0038】
なお、拍車カートリッジの特に先端部を、ゴム、シリコン等の比較的柔らかい素材で形成すれば、馬に当てる部位を柔らかくすることができ、金属、硬質樹脂等の比較的硬い素材で形成すれば、馬に当てる部位を硬めに構成することができる。このように、拍車カートリッジを交換することで、拍車(本実施の形態では乗馬用ブーツ1A(1B)における拍車機能部分)の馬への当て方を変化させることができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態の乗馬用ブーツ1Aによれば、乗馬用ブーツ1Aに、拍車における馬に当てる部位である先端部32,32A~32Jを備えた拍車カートリッジ30,30A~30Jを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部21A(21B)を備えているため、拍車カートリッジ21A(21B)を取り付け取り外すだけで、簡単に拍車の有無を使い分けることができ、拍車の取り付け取り外しに掛かる時間も労力も大幅に削減することができる。さらに乗馬用ブーツ1A(1B)に拍車本体20に相当する部分が予め取り付けられているため、拍車本体20を乗馬用ブーツ1A(1B)に取り付ける手間も掛からず、より拍車の取り付け取り外しの時間も労力も削減することができる。
【0040】
また、本実施の形態の拍車カートリッジ30,30A~30Jによれば、拍車カートリッジ取付部21A(21B)に着脱自在で、拍車における馬に当てる部位に相当する先端部32,32A~32Jを備えた拍車カートリッジ30,30A~30Jとなっているため、この拍車カートリッジ30,30A~30Jの種類を複数用意しておけば、馬に合わせて拍車カートリッジ30,30A~30Jを交換するだけで、簡単に拍車を交換する場合と同様の効果を得ることができ、これにより拍車の交換に要する時間も労力も大幅に削減することができる。
【0041】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0042】
例えば、前記した各実施の形態では、拍車はかかとから数センチ程度突出するように構成されたものを想定していたが、これに限るものではなく、乗馬や歩行に支障がないようになっていれば、もっと小さくてももっと大きくても良い。
【0043】
また、拍車本体や拍車カートリッジ取付部の形状、大きさ、デザイン等は、前記したものに限るものではなく、適宜変更して使用すれば良い。
【0044】
また、拍車カートリッジを拍車カートリッジ取付部に取り付ける手段としては、前記した各実施の形態で説明したものに限らず、適宜の取付手段で取り付けられるようになっていれば良い。例えば、取付手段として、挿入部に圧入するだけで固定可能な形状、材質となっていても良いし、ねじ止め等で固定するようになっていても良い。さらに、拍車カートリッジを拍車カートリッジ取付部の挿入部に挿入して取り付けるという取り付け方についても、適宜の取り付け方で取り付けられるようになっていれば良く、例えば、強力な磁石で取り付けられるようになっている等、他の手段で拍車カートリッジを拍車カートリッジ取付部に取り付けるようになっていても良い。
【符号の説明】
【0045】
1 乗馬用ブーツ(靴)
1A 乗馬用ブーツ(靴)
1B 乗馬用ブーツ(靴)
2A ブーツ本体
2B ブーツ本体
3 かかと部分
3A かかと部分
3B かかと部分
10 拍車
20 拍車本体
21 拍車カートリッジ取付部
21A 拍車カートリッジ取付部
21B 拍車カートリッジ取付部
22 挿入部
22A 挿入部
22B 挿入部
23 スリット
23A スリット
23B スリット
24 ロック用開口部
24A ロック用開口部
24B ロック用開口部
25 ロック用開口部
25A ロック用開口部
25B ロック用開口部
26 ブーツ取付部
26B ブーツ固定部
27 ブーツ取付部
27B ブーツ固定部
30 拍車カートリッジ
30A 拍車カートリッジ
30B 拍車カートリッジ
30C 拍車カートリッジ
30D 拍車カートリッジ
30E 拍車カートリッジ
30F 拍車カートリッジ
30G 拍車カートリッジ
30H 拍車カートリッジ
30I 拍車カートリッジ
30J 拍車カートリッジ
31 カートリッジ本体
32 先端部
32A 先端部
32B 先端部
32C 先端部
32D 先端部
32E 先端部
32F 先端部
32G 先端部
32H 先端部
32I 先端部
32J 先端部
33 ガイド部
34 ロック部
35 ロック部
【手続補正書】
【提出日】2022-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗馬用ブーツに固定される拍車本体と、
前記拍車本体に着脱自在に取り付けられ、拍車における馬に当てる部位であって前記乗馬用ブーツのかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えた拍車カートリッジと、
を有し、
前記拍車本体には、前記乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に、前記拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部を備えており、
前記拍車カートリッジは、上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部と、前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部と、前記ガイド部の左右に設けられたロック部とを有しており、
前記拍車カートリッジ取付部は、前記拍車カートリッジ本体が挿入されて保持される挿入部と、前記挿入部の下部側の中央部に設けられて前記ガイド部をガイドする被ガイド部と、前記挿入部の下部側の左右に設けられて前記ロック部を嵌めるロック用開口部と、前記挿入部の上端が開放されて下方に向けて形成され前記突出部が挿入されて前記かかと部分から後方に突出するように保持されるスリットとを有していることを特徴とする拍車。
【請求項2】
ブーツ本体と、
前記ブーツ本体のかかと部分に設けられ、拍車における馬に当てる部位であって前記ブーツ本体のかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えた拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部と、
を有し、
前記拍車カートリッジ取付部は、前記拍車カートリッジにおける上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体が挿入されて保持される挿入部と、前記挿入部の下部側の中央部に設けられて前記拍車カートリッジにおける前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部をガイドする被ガイド部と、前記挿入部の下部側の左右に設けられて前記拍車カートリッジにおける前記ガイド部の左右に設けられたロック部を嵌めるロック用開口部と、前記挿入部の上端が開放されて下方に向けて形成され前記拍車カートリッジにおける前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部が挿入されて前記かかと部分から後方に突出するように保持されるスリットとを有していることを特徴とする乗馬用ブーツ。
【請求項3】
拍車における馬に当てる部位であって乗馬用ブーツのかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えており、
前記拍車を乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に設けられた拍車カートリッジ取付部、または、乗馬用ブーツにおけるブーツ本体のかかと部分に設けられた拍車カートリッジ取付部に対して着脱自在に取り付けられるように構成されており、
上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部と、前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部と、前記ガイド部の左右に設けられたロック部とを有していることを特徴とする拍車カートリッジ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、乗馬に使用する拍車、拍車カートリッジ及び乗馬用ブーツに関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、拍車の取り付け、取り外し、交換を簡単に行うことができる拍車、拍車カートリッジ及び乗馬用ブーツを提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、乗馬用ブーツに固定される拍車本体と、前記拍車本体に着脱自在に取り付けられ、拍車における馬に当てる部位であって前記乗馬用ブーツのかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えた拍車カートリッジと、を有し、前記拍車本体には、前記乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に、前記拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部を備えており、前記拍車カートリッジは、上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部と、前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部と、前記ガイド部の左右に設けられたロック部とを有しており、前記拍車カートリッジ取付部は、前記拍車カートリッジ本体が挿入されて保持される挿入部と、前記挿入部の下部側の中央部に設けられて前記ガイド部をガイドする被ガイド部と、前記挿入部の下部側の左右に設けられて前記ロック部を嵌めるロック用開口部と、前記挿入部の上端が開放されて下方に向けて形成され前記突出部が挿入されて前記かかと部分から後方に突出するように保持されるスリットとを有している拍車としたことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明は、ブーツ本体と、前記ブーツ本体のかかと部分に設けられ、拍車における馬に当てる部位であって前記ブーツ本体のかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えた拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部と、を有し、前記拍車カートリッジ取付部は、前記拍車カートリッジにおける上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体が挿入されて保持される挿入部と、前記挿入部の下部側の中央部に設けられて前記拍車カートリッジにおける前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部をガイドする被ガイド部と、前記挿入部の下部側の左右に設けられて前記拍車カートリッジにおける前記ガイド部の左右に設けられたロック部を嵌めるロック用開口部と、前記挿入部の上端が開放されて下方に向けて形成され前記拍車カートリッジにおける前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部が挿入されて前記かかと部分から後方に突出するように保持されるスリットとを有している乗馬用ブーツとしたことを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明は、拍車における馬に当てる部位であって乗馬用ブーツのかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えており、前記拍車を乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に設けられた拍車カートリッジ取付部、または、乗馬用ブーツにおけるブーツ本体のかかと部分に設けられた拍車カートリッジ取付部に対して着脱自在に取り付けられるように構成されており、上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部と、前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部と、前記ガイド部の左右に設けられたロック部とを有している拍車カートリッジとしたことを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、拍車カートリッジ30は、拍車本体20に取り付ける略板状のカートリッジ本体31と、当該カートリッジ本体31から突出形成された先端部(突出部)32と、を有する構成となっている。また、拍車本体20には、当該拍車本体20を乗馬用ブーツ1に固定した際に丁度かかと部分3に位置する箇所(ここでは中央)に、拍車カートリッジ30を着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部21を備えている。拍車カートリッジ取付部21は、拍車カートリッジ本体31を挿入する挿入部22を有している。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
乗馬用ブーツに固定される拍車本体と、
前記拍車本体に着脱自在に取り付けられ、拍車における馬に当てる部位であって前記乗馬用ブーツのかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えた拍車カートリッジと、
を有し、
前記拍車本体には、前記乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に、前記拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部を備えており、
前記拍車カートリッジは、上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部と、前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部と、前記ガイド部の左右に設けられたロック部とを有しており、
前記拍車カートリッジ取付部は、前記カートリッジ本体が挿入されて保持される挿入部と、前記挿入部の下部側の中央部に設けられて前記ガイド部をガイドする被ガイド部と、前記挿入部の下部側の左右に設けられて前記ロック部を嵌めるロック用開口部と、前記挿入部の上端が開放されて下方に向けて形成され前記突出部が挿入されて前記かかと部分から後方に突出するように保持されるスリットとを有していることを特徴とする拍車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、乗馬用ブーツに固定される拍車本体と、前記拍車本体に着脱自在に取り付けられ、拍車における馬に当てる部位であって前記乗馬用ブーツのかかと部分から後方に突出するように配置される突出部を備えた拍車カートリッジと、を有し、前記拍車本体には、前記乗馬用ブーツに固定した際にかかと部分に位置する箇所に、前記拍車カートリッジを着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部を備えており、前記拍車カートリッジは、上下方向に沿った板面を有する板状のカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の一方の前記板面から突出形成された前記突出部と、前記カートリッジ本体の下部側に形成された中央のガイド部と、前記ガイド部の左右に設けられたロック部とを有しており、前記拍車カートリッジ取付部は、前記カートリッジ本体が挿入されて保持される挿入部と、前記挿入部の下部側の中央部に設けられて前記ガイド部をガイドする被ガイド部と、前記挿入部の下部側の左右に設けられて前記ロック部を嵌めるロック用開口部と、前記挿入部の上端が開放されて下方に向けて形成され前記突出部が挿入されて前記かかと部分から後方に突出するように保持されるスリットとを有している拍車としたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、拍車カートリッジ30は、拍車本体20に取り付ける略板状のカートリッジ本体31と、当該カートリッジ本体31から突出形成された先端部(突出部)32と、を有する構成となっている。また、拍車本体20には、当該拍車本体20を乗馬用ブーツ1に固定した際に丁度かかと部分3に位置する箇所(ここでは中央)に、拍車カートリッジ30を着脱自在に取付可能な拍車カートリッジ取付部21を備えている。拍車カートリッジ取付部21は、カートリッジ本体31を挿入する挿入部22を有している。