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  • 特開-空気渦輪発生機 図1
  • 特開-空気渦輪発生機 図2
  • 特開-空気渦輪発生機 図3
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  • 特開-空気渦輪発生機 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029317
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】空気渦輪発生機
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240228BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G06F3/01 560
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131509
(22)【出願日】2022-08-22
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】517182918
【氏名又は名称】ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 凌勢
(72)【発明者】
【氏名】伏見 龍樹
(72)【発明者】
【氏名】落合 陽一
【テーマコード(参考)】
5D220
5E555
【Fターム(参考)】
5D220AA50
5E555BA08
5E555BB08
5E555BC04
5E555BE05
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 空気渦輪発生機の静音化
【解決手段】 本発明では、空気渦輪発生機の動作源となるスピーカへの駆動波形になまりを加えることで従来空気渦輪の射出時に発生していた可聴音の静音化される.
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気渦輪発生機の動作源となるスピーカへの駆動波形になまりを加えることで従来空気渦輪の射出時に発生していた可聴音を静音化する、空気渦輪発生機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,空気渦輪発生機に関わる。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として,空気渦輪によって身体に対して非接触で触覚を提示するデバイスが公知である.(特許文献1,非特許文献1)そこでは物体を撃ったような視覚的な表現(例えばビデオゲームや映画など)に対応する触覚を提供し現実を増強される.空気渦輪の発生のためには筐体に取り付けられたアクチュエータによって中の容積を変化させる.
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,619,027号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Rajinder Sodhi, Ivan Poupyrev, Matthew Glisson, and Ali Israr. 2013. AIREAL: interactive tactile experiences in free air. ACM Transactions on Graphics (TOG) 32, 4 (2013), 1?10.
【非特許文献2】意匠登録第1640713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の空気渦輪発生の技術によれば,矩形波形をスピーカに入力することで最大で約8mmの変位を生成している.しかし低周波数の物理的なノック音が生成されることが報告されている.
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、空気渦輪発生機の動作源となるスピーカへの駆動波形になまりを加えることで従来空気渦輪の射出時に発生していた可聴音の静音化される.具体的には、図3のオレンジ色の波形のようにスピーカに駆動する矩形波形になまりを加えることで発生される音の音圧を78.1dBから55.1dBまで低減する.
【発明の効果】
【0007】
これまで病院や図書館などの静かな空間での使用や視覚的な表現に合わせて触覚情報を提示し人間とのインタラクションを測る応用に大きく阻害を与えていたが,本発明によって発生される音は55dBほどであり日常会話レベルまで低減され,その応用可能性は広がった.
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】空気渦輪発生機システムの全体図
図2】空気渦輪発生機の全体図
図3】矩形波形となまりのかかった矩形波形
図4】矩形波形を駆動したときの振動板の中心の振動
図5】なまりのかかった矩形波形を駆動したときの振動板の中心の振動
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る空気渦輪発生機のシステムは図1のようにPC,波形を生成させるためのUSBオシロスコープ(Handyscope HS5,TiePie),波形を増幅させるための高速バイポーラ電源(HSA42014,エヌエフ回路設計ブロック),空気渦輪発生機から成る.それぞれの間をUSBケーブル,BNCケーブル,BNC⇔バラ線ケーブルで接続させる.図2に示す空気渦輪発生機の筐体は3Dプリントで製作し,周りに中の空気を押し出すための動作源となる3インチスピーカ(NS3-193-8A,AURA SOUND)を5個配置する.高速バイポーラから伸びたバラ線ケーブルからスピーカ5つを直列に接続する.空気砲の排出口となる開口部直径は30mmとした.
【0010】
高速バイポーラを通し電圧を増幅させた状態の矩形波の波形と矩形波になまりをかけた波形を図3に示す.これはスピーカ一つ駆動する場合の波形であり,直列に繋がれている5個のスピーカを駆動する場合さらにゲインを5倍に設定する.
なまりを加える方法についてはMATLABで矩形波を生成した後,filter関数を用い次の有理伝達関数を使用してフィルター処理を行う.
【数1】
【0011】
また実際の矩形波となまりのかかった矩形波をスピーカに駆動したときの振動板の中心での振動の様子を図4図5に示す.
【0012】
図3に示したそれぞれの波形をスピーカ一つ,空気渦輪発生機の場合で駆動させ,マイクを50mm離した位置に設置しdB値を計測した.空気渦輪発生機の場合空気渦輪がマイクに影響を与えないように開口部の向く方向に対して90°左に回転させた位置にマイクを設置した.得られた結果を表1に示す.
【0013】
【表1】
図1
図2
図3
図4
図5