(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002934
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ケーブル処理装置およびケーブル処理装置を設定するための方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/048 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
H01R43/048 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023095344
(22)【出願日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】22180740
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ビビロリ
(72)【発明者】
【氏名】クリス・シュネルマン
【テーマコード(参考)】
5E063
【Fターム(参考)】
5E063CB03
5E063CB19
5E063CC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ケーブル処理装置の設定に関して容易で安全なケーブル処理装置を提供する。
【解決手段】ケーブル処理装置1は処理ステーション3、4とケーブルグリッパを備える供給ユニット5と機械コントローラ8とを有する。供給ユニットは設定モードにおいてケーブルグリッパが処理ステーションの内の1つに手動で移動されて所望の位置になることが可能な様に設定される。所望の位置が確立された後この位置はその後ケーブルグリッパを通常動作モードで自動的にこの位置にすることができる様に機械コントローラ8に記憶される。通常動作モードでケーブルグリッパを移動させるために供給ユニットはエンコーダを装備したサーボまたはステッパモータを有する。さらにケーブル処理装置は保護フード9を有する。機械コントローラは保護フードが開位置にあり設定モードにあるときに処理ステーション及び供給ユニットを動作させる為のアクチュエータを通電停止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを組み立てるためのケーブル処理装置(1)であって、少なくとも1つ、好ましくは複数の処理ステーション(2、3、4)と、ケーブルのケーブル端を処理ステーション(2、3、4)のうちの1つに供給するための、ケーブルグリッパ(6)を具備する供給ユニット(5)と、ケーブル処理装置(1)を制御するための機械コントローラ(8)とを備え、供給ユニット(5)は、設定モードでは、ケーブルグリッパ(6)は、処理ステーション(2、3、4)のうちの1つに、所望の位置になるように手動で移動されることができるように設定され、機械コントローラ(8)は、所望の位置が手動で確立された後、この位置が機械コントローラ(8)内に記憶され得るか、または機械コントローラ(8)内に記憶されるように設計されることを特徴とする、ケーブル処理装置(1)。
【請求項2】
通常動作モードでケーブルグリッパ(6)を移動させるために、供給ユニット(5)はエンコーダを装備するサーボまたはステッパモータ(14、15)を有し、サーボまたはステッパモータ(14、15)は、それによってケーブルグリッパ(6)を処理ステーション(2、3、4)のうちの1つに移動されることができ、エンコーダは、設定モードでの手動移動後のケーブルグリッパ(6)の位置がエンコーダによって確認されることができるように機械コントローラ(8)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項3】
ケーブル処理装置(1)は保護フード(9)を有し、保護フード(9)は、閉位置と開位置との間で移動することができ、閉位置において、少なくとも1つの処理ステーション(2、3、4)とケーブルグリッパ(6)を有する供給ユニット(5)とを覆い、開位置では、ケーブルグリッパ(6)を移動させるための手作業のために処理ステーション(2、3、4)および供給ユニット(5)がアクセス可能となる自由空間を形成し、機械コントローラ(8)は、保護フード(9)が開位置にあるとき、少なくとも1つの処理ステーション(2、3、4)と供給ユニット(5)とが停止され、いかなる処理プロセスをも許可しないように、または機械コントローラ(8)が、少なくとも1つの処理ステーション(2、3、4)と供給ユニット(5)とを動作させるためのアクチュエータを通電停止するように設計されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項4】
保護フード(9)を動作させるためのフードボタン(16)を有する動作ユニット(10、11、12)を備え、フードボタン(16)は、フードボタン(16)の作動の最中または後に設定モードが自動的に確立されることができるように、機械コントローラ(8)に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項5】
保護フード(9)を動作させるためのフードボタン(16)に加えて、動作ユニット(10、11、12)は、保護フード(9)が開位置から閉位置にもたらされることを確認することができるさらなるボタン(19)を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項6】
フードボタン(16)およびフード閉鎖プロセスを確認するためのボタン(19)は、両方のボタンが同時に押されたときにのみ保護フード(9)を開位置から閉位置に移行されることができるように機械コントローラ(10)に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項7】
手動移動後に到達したケーブルグリッパ(6)の位置を記憶するための保存ボタン(17)を有する動作ユニット(10、11、12)を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項8】
各々が保存ボタン(17)を有する複数の動作ユニット(10、11、12)を備えることを特徴とする、請求項7に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項9】
2つのグループの処理ステーション(2、3、4;2’、3’、4’)を有し、第1のグループは前側ケーブル端に割り当てられ、第2のグループはケーブル(20)の後側ケーブル端に割り当てられ、少なくとも1つの動作ユニット(10、11、12)は、2つのグループの各々に割り当てられていることを特徴とする、請求項8に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項10】
設定モードにおいてケーブルグリッパ(6)を手動で移動させることができる処理ステーションとして圧着ステーション(4、4’)を備えることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項11】
ケーブル処理装置(1)を設定するための方法であって、ケーブルを、少なくとも1つの処理ステーション(2、3、4)と、ケーブル(20)のケーブル端を少なくとも1つの処理ステーション(2、3、4)に供給するための、ケーブルグリッパ(6)を備える供給ユニット(5)と共に組み立てるためのケーブル処理装置、特に請求項1~10のいずれか一項に記載のケーブル処理装置(1)を設定するための方法において、
ケーブル処理装置(1)を設定モードにするステップと、
ケーブルグリッパ(6)を有する供給ユニット(5)を手動で移動させるステップであって、ケーブルグリッパ(6)が処理ステーション(2、3、4)内の所望の位置に到達するまで供給ユニット(5)を移動させるステップと、
ケーブルグリッパ(6)の位置を記憶するステップであって、記憶された位置は通常動作モードのために使用されるステップと、
を備える方法。
【請求項12】
ケーブルグリッパ(6)の位置が記憶された後、試験目的のために単一の処理プロセスが実行され、このようにして、ケーブルグリッパ(6)を有する供給ユニット(5)がユーザに向かって移動されたときに、処理されたケーブル(20)のケーブル端が視覚的にチェックされることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ケーブル処理装置(1)は、少なくとも1つの処理ステーション(2、3、4)と、ケーブルグリッパ(6)を有する供給ユニット(5)とを覆う保護フード(9)が開いているときに設定モードになることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に従ってケーブルを組み立てるためのケーブル処理装置に関する。さらに、本発明は、このようなケーブル処理装置を設定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルを組み立てるとき、ケーブルのケーブル端は、圧着されるかまたは別の方法で処理される。「圧着」とは、導体と圧着接点との間の塑性変形による取り外し不可能な電気的および機械的接続(圧着接続)の製造を意味すると理解される。気密性に関するより高い要件のために、剥離されたケーブル端には、圧着の前にスリーブステーション内でスリーブを装備することができる。
【0003】
一般的な同等のケーブル処理装置は、欧州特許出願公開第1447888号明細書から知られている。欧州特許出願公開第1447888号明細書は、剥離ユニットと、圧着プレスを有する2つの圧着ステーションとを有するケーブル処理装置を示している。装置はまた、長手方向機械軸線に沿ってケーブルを移動させるためのテープ駆動部として設計されたケーブル供給部も有する。決まった長さに切断してケーブル端を剥離するための剥離ユニットは、機械の長手方向軸線上に配置される。2つの圧着ステーションが長手方向機械軸線と並んで配置されるので、ケーブルは、グリッパが設けられたピボットアームによって、ピボットユニットから圧着ステーションのそれぞれの圧着プレスに案内される必要があり、このため、この種のケーブル処理装置はまた、「ピボット機械」と呼ばれて当業者に知られ、有名である。ケーブルグリッパを備える供給ユニットは、この場合、いわゆる「ピボットユニット」である。第1の圧着ステーションでは、前側ケーブル端は圧着接点を装備し、第2の圧着ステーションでは、後側ケーブル端は圧着接点を装備している。ケーブル処理装置は、機械コントローラおよび中央動作ユニットを介して監視および制御されることができる。
【0004】
既知のケーブル処理装置は、製造動作に関して成功したことが証明されている。プロセスパラメータは、機械コントローラおよび中央動作ユニットを用いて比較的容易に監視および構成されることができる。しかしながら、組立ケーブルの大量生産の前に、個々の処理ステーションを設定しなければならない。処理されるケーブル、圧着接点、および/またはスリーブに応じて、機械設定は、異なる要件に適合しなければならない。処理されるケーブル端は、圧着ステーションの圧着プレス上の圧着工具内に可能な鍵値正確に位置決めされなければならないので、この設定プロセスは、具体的には、圧着ステーションに関して特に重要である。設定は、圧着工具が交換された後も必要となり得る。
【0005】
設定プロセスが機械の中央制御コンソールから実行されるケーブル処理装置が知られている。例えば、圧着のために、ユーザまたは機械オペレータは、圧着ステーションに対してケーブルグリッパを位置決めするために、一段階操作で制御コンソールを操作する。その際、ユーザは、進捗を視覚的にチェックするために、制御コンソールと処理ステーションとの間を行き来しなければならない場合が多い。欧州特許出願公開第3024099号明細書は、個々の処理ステーションに動作ユニットが設けられたケーブル処理装置を開示している。これらの動作ユニットによって、それぞれの処理ステーションを局所的に設定することができる。しかしながら、個人の安全のために、ケーブル処理装置は保護フードを有し、保護フードが開いているときに設定を実行しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1447888号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3024099号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の機能は、従来技術の欠点を回避することであり、具体的には、ケーブル処理装置の設定に関して容易で安全なケーブル処理装置を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有するケーブル処理装置を用いて本発明によって達成される。ケーブル処理装置は、ケーブルを組み立てるのに役立ち、ケーブルのケーブル端を処理するための1つ以上の処理ステーションを備える。処理ステーションの例は、剥離ステーション、スリーブステーション、および圧着ステーションを含む。さらに、ケーブル処理装置は、処理ステーションのうちの少なくとも1つにケーブルのケーブル端を供給するためのケーブルグリッパを備える供給ユニットと、ケーブル処理装置を制御するための機械コントローラとを有する。これにより、供給ユニットは、設定モードでは、ケーブルグリッパが、少なくとも処理ステーションのうちの1つに、例えば圧着ステーションに、所望の位置になるように手動で移動されることができるように設定され、機械コントローラは、所望の位置が手動で確立された後、この位置または関連する制御変数が機械コントローラ内に記憶され得るかまたは記憶され、その後ケーブルグリッパが通常動作モードでこの位置にあるか、または自動的にこの位置にもたらされるか、もしくは移動されるように設計され、設定に関して有利なケーブル処理装置が作成される。ケーブル処理装置は、効率的であるにもかかわらず安全に設定することができる。設定のための直感的なユーザガイダンスのおかげで、誤った機械設定を実質的に排除することができる。ケーブル処理装置の設定はまた、低レベルの訓練を受けた個人によって、または短時間の学習後に、容易かつ確実に実行することも可能である。本文献において、「設定」とは、組み立てられたケーブル端の大量生産のための製造プロセスを開始する前にケーブルのケーブル端を処理するための、それぞれの処理ステーションのためのパラメータの設定を意味すると理解される。言い換えると、これは、製造プロセスが開始される前にパラメータを新たに設定、修正、または変更することに関する。設定中、特に、製造プロセスに割り当てられた通常動作モードで、ケーブルグリッパが正しい位置に、例えば圧着ステーションに、または別の処理ステーションに移動することを保証する設定に適用することが可能である。以下では、設定のこの態様、すなわち、ケーブルグリッパの位置決めは、前景にある。設定モードは、処理ステーションに対するケーブルグリッパの位置を変更および設定することができる設定プロセスが実行されるモードである。ケーブル処理装置がいくつかの処理ステーション、特に同じタイプのいくつかの処理ステーション(例えば、圧着ステーション)を備える場合、一般に、いくつかの設定プロセスがこれに対応して実行される。
【0009】
圧着ステーションの例では、ケーブルグリッパが手動で移動されなければならない位置は、圧着ステーションでの実際の圧着プロセス(または処理ステーション内の他の処理プロセス)の開始時のケーブルグリッパの開始位置に対応する。例えば、ケーブルグリッパによって保持されたケーブル端は、圧着ステーションの圧着プレス内の言及された位置、好ましくは2つの圧着工具(アンビルおよび圧着ダイ)の間にある。ケーブル端は今や、そこから圧着工具が互いに向かって移動して閉じられ、その結果圧着接点がケーブル端に適用される、所望のまたは正しい位置(したがって開始位置)にある。
【0010】
所望の位置へのケーブルグリッパの手動移動では、ケーブル処理装置のための供給ユニットは、好ましくは、人によって片手で動作させることができるように設計されることができる。設定プロセスは、好ましくは、ケーブルを保持するケーブルグリッパによって実行される。このようにして、ケーブルグリッパの位置、ひいてはケーブルグリッパによって保持されたケーブル端の位置は、手動移動によって到達した位置が所望のまたは正しい位置に対応するか否かにかかわらず、ユーザによって認識されることができる。これが該当するとすぐに、ユーザはケーブルグリッパを解放することができ、危険領域から手を取り除くことができる。
【0011】
ケーブルグリッパを手動で移動させるために、関係者は、片手で、または場合によっては両手でも、ケーブルグリッパまたは供給ユニットの別の領域を把持する。供給ユニットが、例えばグリッパジョーを有するグリッパヘッドによって設けられた前側を有する場合、人が少なくとも手動移動の最終段階において前側に供給ユニットを保持することが有利となる可能性があり、これにより、正確な位置決めが容易になる。しかしながら、供給ユニットはまた、ケーブルグリッパの手動移動のために把持することができる他の領域を有してもよい。これらの背面または裏面領域は、所望の位置を確立するための第1の移動段階で把持され、手動移動のために保持されることが可能である。
【0012】
一実施形態では、通常動作モードでケーブルグリッパを移動させるために、ケーブル処理装置のための供給ユニットは、エンコーダを備えたサーボまたはステッパモータを有することができ、このモータによって、ケーブルグリッパを少なくとも処理ステーションのうちの1つに移動させることができる。エンコーダは機械コントローラに接続され、機械コントローラは、設定モードでの手動移動後のケーブルグリッパの位置がエンコーダによって確認および記憶されるように、または確認および記憶が可能なように構成される。
【0013】
安全性の観点から、ケーブル処理装置は、閉位置と開位置との間で移動することができる保護フードを有することが有利となり得る。閉位置では、保護フードは、少なくとも1つの処理ステーションとケーブルグリッパを有する供給ユニットとを覆い、開位置では、保護フードは、少なくとも1つの処理ステーションおよび供給ユニットがケーブルグリッパを移動させるための手作業のためにアクセス可能となる自由空間を形成する。この開位置では、ケーブル処理装置は設定モードとすることができる。機械コントローラは、保護フードが開位置、すなわち設定モードにあるとき、ケーブル処理装置および供給ユニットのための少なくとも1つの処理ステーション、好ましくはすべての重要な処理ステーション、特に好ましくはすべての処理ステーションが停止され、いかなる処理プロセスまたは他の自動移動も許可しないように、設計されることができる。したがって、部品を移動させることによる人の手の負傷を排除することができる。この構成のさらなる利点は、保護フードが開いているときに、さらなる人がケーブル処理装置に対して安全に作業することができることである。
【0014】
機械コントローラは、保護フードが開位置、すなわち設定モードにあるとき、機械コントローラが、少なくとも1つの処理ステーションおよび/または供給ユニットを動作させるための電動アクチュエータ(例えば、サーボまたはステッパモータ)を通電停止するように設計されることができる。したがって、ケーブルグリッパは、手動で安全に所望の位置に移動させることができる。サーボまたはステッパモータが、供給ユニットを、および該当する場合には、個々のまたはすべての処理ステーションを動作させるためのアクチュエータとして存在する場合、これらのアクチュエータは、ノブまたはスイッチの意図しないまたは誤った作動の場合でも、ケーブル処理装置内の部品、特にその時点で設定されるべきケーブル処理装置の関連する構成要素の自動移動が行われてユーザを危険にさらす可能性がないことを保証するように、例えば開位置が確立されたとき、または他の何らかの方法で、通電停止されることができる。この通電停止を通して、ケーブルグリッパを移動させるためのサーボまたはステッパモータは、サーボまたはステッパモータは停止しているがエンコーダはまだ以前と同様に機能している状態に有利に入ることができ、通電停止状態が終了した後、エンコーダは、位置データを機械コントローラに報告することができるか、または後者によって取得することができる。
【0015】
機械コントローラは、設定すべきケーブルグリッパを有する供給ユニットおよびケーブル処理装置のための処理ステーションを試験モードにすることができるように、さらに構成することができる。保護フードが閉じているときに、試験目的のために単一の処理ステップ(例えば、ケーブル端の圧着)が実行される試験モードを提供することができる。試験モードでは、ケーブル処理装置のための関与する構成要素の移動は、好ましくは低速で、またはクリープ速度、例えば半分の速度で行われる。試験モードでは、好ましくはそれぞれの処理ステップのみが実行される。試験モードは、処理ステップの簡単な観察を可能にする。試験目的のために処理ステップが実行された後、保護フードを再び開くことができる。保護フードが開位置にあり、設定モードがこうして確立されると、ケーブルグリッパを再び手動で移動させることができるが、ケーブル端がユーザの近傍にあり、ユーザによって容易に見られることができるように、ユーザに向かって観察位置に移動させることができるので、以前実行された試験がどのように行われたかをチェックすることができる。視覚的チェックが肯定的な結果を有する場合、設定プロセスは、少なくともそれぞれの処理ステーションに対して実質的に完了する。結果が否定的である場合、すなわち、ケーブル端の視覚的チェックが定性的に不十分な結果となったとき、上記の設定プロセスを繰り返さなくてはならない。
【0016】
ケーブル処理装置は、保護フードを動作させるためのフードボタンを有する動作ユニットを備えることが有利となる可能性があり、フードボタンは、保護フードの開位置を確立するためのフードボタンの作動の最中または後に、設定モードが自動的に確立されるように、機械コントローラに接続される。フードボタンによって、ケーブル処理装置を簡単に設定モードにすることができる。あるいは、設定モードを確立するために使用することができる、例えばこの目的のために設けられた特殊なボタンまたはスイッチなど、別の入力手段も考えられる。
【0017】
保護フードを動作させるためのフードボタンは、その時点で保護フードがある位置に応じて、開放および閉鎖の両方のための共通のボタンとすることができ、すなわち、保護フードが閉位置にあるとき、保護フードはフードボタンの作動後に開位置になり、その逆も同様であり、保護フードが開位置にあるとき、保護フードはフードボタンの作動後に閉位置になる。保護フードを開位置にのみ移動させることができる特殊なボタン(「開フードボタン」)も考えられる。フードボタンはまた、機械コントローラに、保護フードを開閉したいという要望を伝達するために使用することができるように設計し、機械コントローラに組み込むこともできる。
【0018】
ケーブル処理装置は、保護フードを動作させるためのフードボタンを有する動作ユニットを備えることができ、フードボタンは、フードボタンの作動の最中または後に、保護フードを自動的に閉位置に設定することができるように、機械コントローラに接続される。このフードボタンは、好ましくは、フードボタンの作動の最中または後に、保護フードの開位置を自動的に確立し、ケーブル処理装置を有利に設定モードにすることができる、前述のフードボタンと同じボタンである。フードボタンに加えて、動作ユニットはさらなるボタンを有することができ、これは、保護フードが開位置から閉位置に移行されることを確認するために使用されることができる。よりよく理解するために、このさらなるボタンは、簡単にするために、以下では「閉フードボタン」とも呼ばれる。したがって、フードボタンの作動は、間接的にのみ、すなわち、前述の閉フードボタンと組み合わせて、開位置から閉位置への保護フードの自動移動をトリガすることができ、これにより、ユーザの安全性をさらに向上させる。
【0019】
特に好ましくは、フードボタンおよびフード閉鎖プロセスを確認するためのボタン(閉フードボタン)は、機械コントローラに接続され、機械コントローラは、両方のボタンが同時に押された場合にのみ保護フードを開位置から閉位置にすることができるように構成される。好ましくは、フードボタンおよびフード閉鎖プロセスを確認するためのボタンは、この場合、両手で操作するように設計されており、この目的のために、例えば、少なくとも27cmだけ互いに離間している。この構成は、保護フードが閉じているとき、ユーザのいずれの手も危険領域内に残り得ないことを保証することができる。2つのボタンを局所的に分離することで、保護フードの閉鎖プロセスをトリガすることに関して片手操作が防止されることを保証する。
【0020】
好適な実施形態では、ケーブル処理装置は、手動移動後に到達したケーブルグリッパの位置を記憶するための保存ボタンを有する動作ユニットを有する。保存ボタンは、ダクタイルボタンとして設計することができ、タッチ感知制御パネルのための仮想ボタンも考えられる。当然ながら、記憶のために、ケーブルグリッパの位置を記憶するためのコマンドを機械コントローラに伝達することができる、他の入力手段を提供することもできる。例えば、ケーブル処理装置のための動作ユニットは、フードボタンと、適用可能であれば、追加的または代替的に閉フードボタンを有することができ、閉フードボタンの好ましくは同時の作動は、ケーブルグリッパの所望のまたは正しい位置が定義されているそれぞれの設定プロセスが完了したこと、およびケーブルグリッパの現在の位置が記憶されていることを確認する。
【0021】
この保存ボタンは、ユーザが、ケーブルグリッパを有する供給ユニットを片手で保持することができ、ケーブルグリッパの現在の位置を記憶するためにもう一方の手で保存ボタンを作動させることができるように、ケーブル処理装置内に、および好ましくは保護フードの外側に配置されることができる。
【0022】
上述の保存ボタンは、好ましくは、フードボタン、および適用可能であれば、フード閉鎖プロセスを確認するためのボタン、ならびに適用可能であれば、さらなるボタンを備える同じ動作ユニットに割り当てることができる。
【0023】
ケーブル処理装置は、各々が保存ボタンを具備する複数の動作ユニットを備えることができる。複数の動作ユニットは、ケーブル処理装置のための複数の処理ステーションを容易に設定することができることを保証することができる。動作ユニットの各々は、保存ボタン、フードボタン、および適用可能であれば、フード閉鎖プロセスを確認するためのボタンを備えることができる。
【0024】
例えば、ケーブル処理装置は、2つのグループの処理ステーションを備えることができ、第1のグループは前側ケーブル端に割り当てられ、第2のグループはケーブルの後側ケーブル端に割り当てられ、少なくとも1つの動作ユニットは、2つのグループの各々に割り当てられる。これは、長手方向機械軸線に対してケーブル処理装置の両側に配置された2つの動作ユニットを有することができる。
【0025】
例えば、ケーブル処理装置は、ケーブルグリッパが設定モードで手動で移動できる処理ステーションとして圧着ステーションを備えることができる。ケーブルグリッパを有する供給ユニットは、例えば、ピボットユニットとして設計することができる。
【0026】
本発明のさらなる態様は、ケーブルを、少なくとも1つの処理ステーションと、少なくとも1つの処理ステーションに、特に上述のケーブル処理装置にケーブルのケーブル端を供給するための、ケーブルグリッパを備える供給ユニットと共に組み立てるためのケーブル処理装置を、設定するための方法に関する。本方法は、以下のステップを含む。すなわち、まず、ケーブル処理装置を設定モードにし、この設定モードで、供給ユニットおよび少なくとも1つの処理ステーションが好ましくは停止され、いかなる処理プロセスも許可しない。その後、ユーザは、供給ユニットを片手で把持することができる。ユーザは、ケーブルグリッパが処理ステーション内の所望の位置に到達するまで、ケーブルグリッパを有する供給ユニットを手動で移動させる。次いで、ケーブルグリッパの位置は、好ましくは機械コントローラに記憶され、記憶された位置は、ケーブルグリッパが処理ステーションに自動的に移動されて記憶された位置になる通常動作モードのために、機械コントローラによって使用される。ケーブル処理装置を設定するための新規な方法は、容易かつ直感的に実行することができる、有利なティーチイン手順に従って行われる。
【0027】
ケーブルグリッパの位置が記憶された後、試験目的のために、それぞれの処理ステーションに対する単一の処理プロセスを実行することができ、このようにして試験目的のために処理されたケーブルのケーブル端は、ケーブルグリッパを有する供給ユニットが手動で、すなわちこれを片手で把持して移動させる(引っ張る、押す、枢動する、下げる)ことによって、ユーザに向かって移動されるという点で、視覚的にチェックされる。最後に言及した手動移動は、供給ユニットおよび少なくとも1つの処理ステーションが停止され、いかなる処理プロセスも許可しないモードで有利に実行することもできる。
【0028】
ケーブル処理装置が複数の処理ステーションを備えるとき、上記の設定プロセスは、1つ以上のさらなる処理ステーションにおいて同様に実行されることができる。
【0029】
少なくとも1つの処理ステーションとケーブルグリッパを有する供給ユニットとを覆う保護フードが開いているとき、ケーブル処理装置は、好ましくは設定モードに、または供給ユニットおよび少なくとも1つの処理ステーションが停止され、いかなる処理プロセスも許可しないモードになる。このようにして、人を巻き込む事故を事実上排除することができる。
【0030】
本発明のさらなる個別の特徴および利点は、実施形態の以下の説明および図面から導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】
図1のケーブル処理装置のための供給ユニットの斜視図である。
【
図3】
図1のケーブル処理装置のための動作ユニットの図である。
【
図4】閉じた保護フードを有する、
図1によるケーブル処理装置の斜視図である。
【
図5】開いた保護フードを有するケーブル処理装置の図である。
【
図6】
図1によるケーブル処理装置の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、ケーブル(図示せず)を組み立てるための、全体として符号1で表記され、ピボット機械として設計されたケーブル処理装置を示す。ケーブル処理装置1は、ベルトコンベヤとして設計されたケーブルコンベヤ13を備え、これは、ケーブルを長手方向機械軸線21に沿ってピボットユニットとして設計された供給ユニット5へ運ぶ。ピボットユニット5は、ケーブルを保持するための(保護フード9によって覆われ、したがってここでは図示されない)ケーブルグリッパを有する(
図2:ケーブルグリッパ6参照)。見てわかるように、決まった長さに切断してケーブルを剥離するための剥離ステーション2が、長手方向機械軸線21上に配置されている。一方、さらなる処理ステーション3および4が、長手方向機械軸線21の隣に配置されている。ケーブル端をこれらの処理ステーションに供給するために、ピボットユニット5は、垂直軸線の周りで回転しなければならない。符号3で表記される処理ステーションはスリーブステーションであり、符号4で表記される処理ステーションは圧着ステーションである。処理ステーション3および4は前側ケーブル端に割り当てられ、処理ステーション3’および4’は後側ケーブル端を組み立てるのに役立つ。符号5’で表記され、ピボットユニットとして設計された第2の供給ユニットは、
図1の枢動位置にある。追加的または代替的に、ケーブル端にプラグハウジングを装備するための装備ステーションもまた、処理ステーションとして考えられる。
【0033】
さらに、ケーブル処理装置1は保護フード9を有し、これは、閉位置と開位置との間で移動されることができ、閉位置において、処理ステーション2、3、4および2’、3’、4’、ならびにケーブルグリッパを有する供給ユニット5、5’を覆う。開位置では、ケーブルグリッパを移動させるための手作業のために処理ステーション2、3、4および2’、3’、4ならびに供給ユニット5、5’がアクセス可能となる自由空間が形成される。ここで示されるケーブル処理装置1は、設定に関して新規な設計によって特徴付けられ、前記設計は、圧着ステーション4を参照して以下で詳細に説明される。10で表記される動作ユニットは、圧着ステーション4のための設定プロセスを実行するのに役立つ。
【0034】
図1からわかるように、ケーブル処理装置1は、さらなる動作ユニット11および12を有する。剥離ステーション2は動作ユニット11を使用して設定されることができ、動作ユニット11は、機械長手方向軸線21に対して動作ユニット10とは反対側のケーブル処理装置1の側に配置されている。しかしながら、必要に応じて、圧着ステーション4を設定するために使用することもできる。圧着ステーション4’、および適用可能であれば後側ケーブル端に割り当てられたさらなる処理ステーションは、動作ユニット12を使用して設定されることができる。
【0035】
圧着ステーション4は、ケーブル端を圧着接点に接続するための圧着プレスを含む。それ自体が既知の圧着プレスを有する圧着ステーション4は、工具ホルダを有し、これはモータによって垂直方向で上下に駆動および移動することができる。圧着工具は、工具ホルダと圧着プレスのコンソールとの間に挿入される。圧着工具は、アンビルと、圧着接続を確立するための圧着ダイとを含む。このような、または同等の圧着プレスおよび圧着工具は、それ自体当業者に知られている。圧着プレスおよび圧着工具の設計および動作モードについては、例として、欧州特許出願公開第1341269号明細書を参照されたい。
【0036】
圧着のために、処理され、ケーブルグリッパによって保持されるケーブル端が、圧着ステーションに、またはより正確には、アンビルと圧着ダイとの間で圧着プレス内に、可能な限り正確に位置決めされることが重要である。この位置決めは、通常は圧着工具が変更された後、または新しいアイテム(ケーブルと圧着接点との新しい組合せ)を設定するために、ケーブル処理装置が圧着ステーションで設定されるときに実行されなければならない。ここに提示された設定では、言い換えると、製造のための通常の動作において、ケーブルグリッパが正しい位置に移動され、その位置からケーブルのケーブル端が圧着ステーション4内の圧着接点を装備するように、実際の製造プロセスの開始前に圧着ステーション4を有するケーブル処理装置1を最初に設定することがポイントである。
【0037】
供給ユニット5は、設定モードにおいて、ケーブルグリッパがユーザによって圧着ステーション4に手動で移動されて所望の位置になることが可能なように設定される。ケーブル処理装置1を制御するための機械コントローラ8は、所望の位置が手動で確立された後、この位置または関連する制御変数が、ユーザによる確認後に機械コントローラ8に記憶されることができるように設計される。通常動作モードでは、ケーブルグリッパは、機械コントローラ8によって制御されるように、この位置に自動的に導入され、ケーブルグリッパによって保持されたケーブル端は、圧着ステーション4内で圧着される。
【0038】
この設定プロセスは、保護フード9が開いているときに行われる。機械コントローラ8は、保護フード9が開位置にあるときに、圧着ステーション4および供給ユニット5が停止され、いかなる処理プロセスも許可しないように設計されている。このようにして、人を巻き込む事故を排除することができる。
【0039】
ケーブルグリッパを有する供給ユニット5は、供給ユニットを引っ張る、押す、枢動する、および/または下げることによって手動で移動されることができ、ケーブル処理装置1は、移動が片手のみで、または片手で実行できるように設計されている。所望の位置が手動で確立された後、この位置は、確認後に機械コントローラ8に記憶されなければならない。保存ボタンは、位置を記憶するために使用することができる。ケーブル処理装置1のために
図3に示される動作ユニット10は、このような保存ボタンを有し、前記保存ボタンは、そこでは符号17で表記されている。
【0040】
保存ボタン17は、機械上の複数の場所に配置され、オペレータが片手でケーブルグリッパを位置決めおよび保持し、もう一方の手で保存ボタン17を押すことを可能にすることが、最も好都合である。この場合、3つの動作ユニット10、11、12の各々がこのような保存ボタン17を有し、これにより、必要な異なる設定プロセスに関する処理を大幅に容易にする(後続の
図3参照:この場合の動作ユニット11および12は動作ユニット10と同様の設計を有する)。
【0041】
図2は、ケーブル処理装置1のための供給ユニット5を示す。ケーブルグリッパ6を移動させるために、供給ユニットは、エンコーダを装備したサーボまたはステッパモータ14および15を備える。エンコーダは、エンコーダによって、ケーブルグリッパ6の位置を設定モードでの手動移動後に確認することができるように、機械コントローラ8に接続されている。
【0042】
保護フード9が開いているときにオペレータがケーブルグリッパ6を手で移動させるという点で、処理ステーションに対してケーブル端の正しい位置をオペレータが設定するので、機械コントローラ8は、この移動中にケーブルグリッパ6の位置を検出することができるはずである。この目的のために必要なセンサシステムは、ピボットユニット5が通常動作で自動的に移動されたときの位置調整または位置制御にも必要なので、既に存在している。具体的には、例として、供給ユニット5は第1のモータ14を有することができ、これは、ラックピニオン装置23を介してキャリッジ22を移動させ、ケーブルグリッパ6のための極座標の半径をもたらす。ケーブルグリッパ6は、グリッパアーム27の前端に配置され、グリッパアーム27はキャリッジ22に取り付けられている。歯付きベルト24を有する第2のモータ15は、ターンテーブルを枢動させ、こうしてケーブルグリッパ6の極座標の角度を決定する。両方のモータ14および15はエンコーダを有し、その角度位置からケーブルグリッパの位置を計算することができる。
【0043】
ケーブルグリッパ6の正しい位置を設定するための手動移動は、ケーブルグリッパのための他の移動機構に基づいて実現されてもよく、駆動部が(ねじスピンドルの場合など)自動係止するように有利に設計されていない場合、位置を確認するために他の測定システムが使用されてもよい。上述した概念は、いわゆる移載機のために使用することもできる。これらは、他の既知のタイプのケーブル処理装置である。いわゆる「移載機」または「リニア機械」は、それぞれのケーブル処理ステーションが主機械軸線に沿った線上に配置されたケーブル処理機である。このような移載機タイプのケーブル処理装置は、例えば、欧州特許出願公開第1073163号明細書から知られている。
【0044】
少なくとも、ケーブルグリッパ6を有するピボットユニット5および5’の移動のためのモータ14および15と、圧着ステーション4および4’での圧着プレスのためのモータと、有利には、剥離ステーション2での切断ヘッド上の駆動部のためのモータとを含む重要なアクチュエータ、特に有利には、ケーブル処理装置1のためのすべてのアクチュエータは、保護フードが開いている(モータにトルクがかかっていない)ときに機械コントローラ8によって通電停止される。その結果、保護フード9が開いているとき、枢動アーム、切断ヘッド、および圧着プレスによる移動は、クリープ速度であっても実行することができない。危険として分類された空気圧移動がプロセスモジュール内に存在する場合、これらのアクチュエータを同様にオフにすることができる(切替弁に圧力がかからない)。
【0045】
図3は動作ユニット10を示しており、これは、手動移動後に到達したケーブルグリッパの位置を記憶するための保存ボタン17の他に、複数のさらなるボタンを有する。動作ユニット10は、保護フード9を動作させるためのフードボタン16を備え、これにより、保護フード9を開閉することができる。フードボタン16の場合、保護フード9が閉位置から開位置に移動させられ、プロセス中に設定モードが確立されるように、フードボタン16は、機械コントローラ8に接続される。保護フード9を移動させるために、適切な駆動部(ここでは図示せず)が設けられる。危険の可能性がより高いため、保護フード9を閉じるための追加の安全機能が設けられる。フードボタン16に加えて、さらなるボタン19が設けられ、これにより、保護フード9が開位置から閉位置にもたらされることを確認することができる。したがって、ボタン19は、以下では「閉フードボタン」と呼ばれる。フードボタン16および閉フードボタン19は機械コントローラ10に接続され、機械コントローラ10は、ボタン16および19の両方が同時に押されたときにのみ保護フード9を開位置から閉位置にすることができるように構成される。両手操作のために、フードボタン16および閉フードボタン19は、少なくとも27cmだけ互いに離間しており、これにより、ユーザの手が保護フード内の危険領域内に残ることを防止する。
【0046】
本例示的な実施形態では、設定中にケーブルグリッパの位置を記憶することは、保護フード9の外側の保存ボタン17によって達成される。しかしながら、このような保存ボタンを、供給ユニット上または処理ステーションに局所的に配置することも考えられる。しかしながら、ボタンの代わりに、他の手段を使用して、例えばいずれにせよ既に存在し得る機械コントローラ用のオペレータインターフェース(例えば、コンピュータマウス、キーボード、またはタッチ機能)を介して、手動によるケーブルグリッパの下降を検出するセンサを使用して、または音声認識を通して音響的に、ケーブルまたはグリッパ位置を記憶することもできる。
【0047】
図4および
図5は、保護フード9が閉位置にある状態(
図4)および保護フード9が開位置にある状態(
図5)のケーブル処理装置1を示す。ケーブル処理装置1を設定するための方法は、圧着ステーション4に対して以下のように進行する。すなわち、オペレータは、ケーブルが圧着プレス7によって圧着ステーション4に供給されることを機械コントローラ8に示すことができる。この目的のために、オペレータは、例えば、いわゆるケーブル呼び出しボタンを押し、その際に、ケーブルは圧着ステーション4に向かって案内される。供給プロセスの作動後に、ケーブルは決まった長さに切断され、必要に応じて剥離される。供給ユニット5は、ケーブル端を圧着ステーション4のための圧着プレスの前に運び、所定のまたは最後に記憶された位置で停止する。ここで、少なくとも部分的に上述された、実際の設定プロセスを開始することができる。オペレータは、保護フード9を開くためにフードボタン16を使用し、その結果、ケーブル処理装置1が設定モードになり、機械コントローラ10は、ケーブル処理装置1のための電動アクチュエータを通電停止し、および/またはケーブル処理装置1のための空気圧アクチュエータを減圧する。その後、オペレータは、ケーブル端が圧着ステーションまたは他の処理ステーションに対して所望の位置になるまで、手でケーブルグリッパ6を用いて供給ユニット5を移動させる。必要に応じて、オペレータは、ケーブルグリッパ6を手で下げることができる。この手動位置決めプロセス中に、機械コントローラ8は、エンコーダデータから、グリッパ位置またはケーブル端の位置の極座標を連続的に計算し、該当する場合、動作ユニット10、11、12、または制御コンソール25のための画面または別のディスプレイ上にケーブルグリッパ6の位置を表す。位置決めプロセスを完了するために、オペレータは保存ボタン17を押す。その後、オペレータは、ボタンを押すことによって保護フード9を閉じることができる。その後、圧着プロセス、または処理ステーション設定に応じて他の処理プロセスも、試験目的のために実行することができ、または組み立てケーブルの通常の製造を直接開始することさえできる。このような試験運転は、例えば、保護フード9が閉じられるとすぐに自動で開始することができ、または試験運転は、開始ボタン26などの入力手段によって開始することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ケーブル処理装置
2 剥離ステーション、処理ステーション
2’、3、3’ 処理ステーション
4、4’ 圧着ステーション、処理ステーション
5、5’ ピボットユニット、供給ユニット
6 ケーブルグリッパ
7 圧着プレス
8 機械コントローラ
9 保護フード
10 機械コントローラ、動作ユニット
11 動作ユニット
12 動作ユニット
13 ケーブルコンベヤ
14、15 サーボまたはステッパモータ
16 フードボタン
17 保存ボタン
19 閉フードボタン
20 ケーブル
21 長手方向機械軸線
22 キャリッジ
23 ラックピニオン装置
24 歯付きベルト
25 制御コンソール
26 開始ボタン
27 グリッパアーム
【外国語明細書】