(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029351
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/46 20140101AFI20240228BHJP
【FI】
A63F13/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131554
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】522333039
【氏名又は名称】日下 大器
(74)【代理人】
【識別番号】110003465
【氏名又は名称】弁理士法人OHSHIMA&ASSOCIATES
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(72)【発明者】
【氏名】日下 大器
(57)【要約】
【課題】対戦して獲得した点数を有効に利用して、最終的な勝敗を決めることができるゲームを提供する。
【解決手段】ゲーム管理装置1は、2つのチームの対戦終了時に両チームが獲得した点数を取得する点数取得部11と、ゲームの点数差に基づいて決まる留め置き点数を点数が多いチームに付与する留め置き点数管理部12と、ユーザが所持する端末装置2を通じてゲームの勝敗に対するユーザの希望する勝利確率を受け付ける受付部13と、端末装置2から勝利確率を受け付けたとき、蓄積された留め置き点数から最終的な勝敗を決めるために獲得した点数に加える取り崩し点数を算出して、勝利確率に応じた取り崩し点数を決める点数決定部14と、それぞれのチームが獲得した点数に決定された取り崩し点数を加えた合計点数を端末装置2に提示して、自チームの合計点数と相手チームの合計点数により最終的な勝敗を決定する勝敗決定部15とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのチームが対戦して獲得した点数により勝敗を決めるゲームにおいて、各チームが獲得した点数を有効に利用して、ゲームの勝敗を最終的に決定するゲーム管理装置と、各チームに関係するユーザがそれぞれ所持し、ゲーム管理装置と通信可能な複数の端末装置とを有するゲームシステムであって、
ゲーム管理装置は、2つのチームの対戦終了時に両チームが獲得した点数を取得する点数取得部と、ゲームの点数差に基づいて決まる留め置き点数を点数が多いチームに付与する留め置き点数管理部と、端末装置を通じてゲームの勝敗に対するユーザの希望する勝利確率を受け付ける受付部と、端末装置から勝利確率を受け付けたとき、蓄積された留め置き点数から最終的な勝敗を決めるために獲得した点数に加える取り崩し点数を算出して、勝利確率に応じた取り崩し点数を決める点数決定部と、両チームが獲得した点数に決定された取り崩し点数を加えた合計点数を端末装置に提示して、自チームの合計点数と相手チームの合計点数により最終的な勝敗を決定する勝敗決定部とを備えたことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
点数決定部は、自チームが獲得した点数に取り崩し点数を加えた合計点数を算出するとともに、相手チームが獲得した点数に相手チームの蓄積された留め置き点数から予想される取り崩し点数を加えた合計点数を算出して、両チームそれぞれの合計点数から勝敗をシミュレーションして、勝利確率に合う取り崩し点数を決定し、勝敗決定部は、自チームの合計点数と相手チームの合計点数を各ユーザの端末装置に提示することを特徴とする請求項1記載のゲームシステム。
【請求項3】
勝敗決定部が自チームの合計点数と相手チームの合計点数を各ユーザの端末装置に最初の提示を行った後、点数決定部は、最初の決定された取り崩し点数を引いた留め置き点数に基づいて再度シミュレーションを行って、取り崩し点数を決定し、勝敗決定部は、決定された取り崩し点数に基づく合計点数によって最終的に勝敗を決定することを特徴とする請求項1記載のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのチームが対戦するゲームで獲得した点数を有効に利用して、ゲームの勝敗を最終的に決定するゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
野球の試合では、2つのチームが対戦して、獲得した点数によりチームの勝敗が決まる。ここで、興趣性の高いゲームを実現するために、特許文献1に記載のゲームでは、プレイキャラクタの個別の対戦結果がプレイヤにとって有利な結果であるとき、自動実行される味方のチームと敵のチームとの対戦試合の結果が味方のチームに有利な結果、すなわち勝利となるように決定される。これによって、プレイヤにとって理不尽な結果を生じさせることがなくなり、興趣性の高いゲームを実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現実のプロ野球のゲームでは、獲得点数の多いチームがそのゲームで勝ちとなる。大差がついていても、ゲームは続行され、最後まで行われる。そのため、勝敗に無関係な点数の獲得に努力を費やしている。しかも、獲得した点数の大半は勝ち負けには無関係だからと、無視、放置されている。しかし、点数の獲得には、日々の練習、体調管理や様々な器具の使用などが必要であり、このようにして獲得した点数は産業上の成果物であるといえるので、この点数を放置等するのは、産業上の損失となる。ここで、特許文献1に記載のゲームでは、キャラクタのレベルを基準として、勝敗を決しており、獲得した点数を利用して、勝敗を決するものではない。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑み、対戦して獲得した点数を有効に利用して、ゲームの最終的な勝敗を決めるゲームシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、2つのチームが対戦して獲得した点数により勝敗を決めるゲームにおいて、各チームが獲得した点数を有効に利用して、ゲームの勝敗を最終的に決定するゲーム管理装置と、各チームに関係するユーザがそれぞれ所持し、ゲーム管理装置と通信可能な複数の端末装置とを有する。そして、ゲーム管理装置は、2つのチームの対戦終了時に両チームが獲得した点数を取得する点数取得部と、ゲームの点数差に基づいて決まる留め置き点数を点数が多いチームに付与する留め置き点数管理部と、端末装置を通じてゲームの勝敗に対するユーザの希望する勝利確率を受け付ける受付部と、端末装置から勝利確率を受け付けたとき、蓄積された留め置き点数から最終的な勝敗を決めるために獲得した点数に加える取り崩し点数を算出して、勝利確率に応じた取り崩し点数を決める点数決定部と、両チームが獲得した点数に決定された取り崩し点数を加えた合計点数を端末装置に提示して、自チームの合計点数と相手チームの合計点数により最終的な勝敗を決定する勝敗決定部とを備えている。
【0007】
点数決定部は、自チームが獲得した点数に取り崩し点数を加えた合計点数を算出するとともに、相手チームが獲得した点数に相手チームの蓄積された留め置き点数から予想される取り崩し点数を加えた合計点数を算出して、両チームそれぞれの合計点数から勝敗をシミュレーションして、勝利確率に合う取り崩し点数を決定し、勝敗決定部は、自チームの合計点数と相手チームの合計点数を各ユーザの端末装置に提示する。
【0008】
勝敗決定部が自チームの合計点数と相手チームの合計点数を各ユーザの端末装置に最初の提示を行った後、点数決定部は、最初の決定された取り崩し点数を引いた留め置き点数に基づいて再度シミュレーションを行って、取り崩し点数を決定し、勝敗決定部は、決定された取り崩し点数に基づく合計点数によって最終的に勝敗を決定する
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、2つのチームが対戦して獲得した点数を留め置き点数として蓄積しておき、留め置き点数を最終的な勝敗を決めるために利用することにより、ユーザが所望する勝利を実現することができるゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの概略構成図
【
図2】ゲーム管理装置および端末装置の機能ブロック図
【
図4】ゲームの最終的な勝敗を決めるときのフローチャート
【
図5】他の実施形態のゲームの最終的な勝敗を決めるときのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るゲームシステムでは、2つのチームが対戦して獲得した点数により勝敗を決めるゲームにおいて、コンピュータを使用して、各チームが獲得した点数を有効に利用し、ゲームの最終的な勝敗を決める。ここでのゲームは野球とされ、複数のチームがそれぞれ対戦する。
図1に示すように、ゲームシステムは、各チームが獲得した点数を利用して、ゲームの勝敗を最終的に決定するゲーム管理装置1と、ゲーム管理装置1と通信可能な複数の端末装置2とを有する。サーバからなるゲーム管理装置1と各チームに関係するユーザが所持するスマートフォン、タブレット、PC等の端末装置2とはインターネット網やLANなどのネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。なお、ゲームに参加するユーザは、チームのオーナー、監督、ファンなどであるが、チームを応援する人であれば特に限定されない。
【0012】
図2に示すように、ゲーム管理装置1は、プログラムを実行して、ゲームの勝敗を決めるための各種処理を行う制御部3と、プログラムおよびデータを記憶する記憶部4と、ネットワークを介して端末装置2と双方向の通信を行う通信部5とを備えている。端末装置2は、ゲーム管理装置1と同様の制御部6、記憶部7、通信部8を備えるとともに、ユーザが操作する入力部9と、ゲーム管理装置1から受信した情報を出力する出力部10とを備えている。入力部9は、キーボード、タッチパネル、音声入力のためのマイクなどとされる。出力部10は、ディスプレイ、音声出力のためのスピーカなどとされる。
【0013】
ゲーム管理装置1の制御部3は、2つのチームの対戦終了時に両チームが獲得した点数を取得する点数取得部11と、ゲームの点数差に基づいて決まる留め置き点数を点数が多いチームに付与して、複数のチームの留め置き点数を管理する留め置き点数管理部12と、端末装置2を通じてゲームの勝敗に対するユーザの希望する勝利確率を受け付ける受付部13と、端末装置2から勝利確率を受け付けたとき、蓄積された留め置き点数から最終的な勝敗を決めるために獲得した点数に加える取り崩し点数を算出して、勝利確率に応じた取り崩し点数を決める点数決定部14と、決定された取り崩し点数をチームが獲得した点数に加えた合計点数を端末装置2に提示して、自チームの合計点数と相手チームの合計点数により最終的な勝敗を決定する勝敗決定部15とを有する。
【0014】
点数取得部11は、野球のゲームにおいて対戦が終了したときのスコアを外部のメディアから通信部5を通じて取得する。留め置き点数管理部12は、両チームが獲得した点数に基づいて留め置き点数を算出する。Aチームが獲得した点数X、Bチームが獲得した点数Y(X>Y)とした場合、留め置き点数はX-Y-1(式1)となる。すなわち、自チームが勝つために必要な点数は相手チームが獲得した点数+1であればよく、これ以上の点数(X-Y-1)は勝敗に無関係とされていた点数である。このような無関係とされる点数が留め置き点数とされる。
【0015】
そして、留め置き点数管理部12は、このゲームにおいて獲得した点数の多いAチームにこの留め置き点数を付与し、今まで蓄積されていた留め置き点数に今回の留め置き点数を加えて、最新の留め置き点数として記憶部4に記憶させる。留め置き点数管理部12は、チームごとに留め置き点数を管理するとともに、対戦チームごとに留め置き点数を管理する。すなわち、
図3に示すように、複数のチームA~Dの留め置き点数が記憶され、各チームにおいて、対戦したチームごとに留め置き点数が記憶される。例えばチームAにおいて、チームBに対する留め置き点数は13点、チームCに対する留め置き点数は10点、チームDに対する留め置き点数は3点である。チームB、チームC、チームDについても
図3に示す通りである。
【0016】
受付部13は、端末装置2から勝利確率を受け取る。ユーザが端末2を操作して、勝利確率を入力すると、端末装置2がゲーム管理装置1に送信し、受付部13は、通信部5を通じて勝利確率を受け取り、点数決定部14に出力する。ここで、勝利確率は、ゲームに対するユーザが望む勝敗の結果を表すものであり、ユーザの望みにおいて設定される。例えば、ユーザが絶対に勝ちたいとき、勝利確率は100%とする。負けてもよい場合、0%とする。勝てれば勝ちたいとき、51%~99%とする。引き分けのとき、50%とする。勝ちを望まないが、相手をできるだけ消耗させたいとき、1%~49%とする。
【0017】
点数決定部14は、自チームが獲得した点数に取り崩し点数を加えた合計点数を算出するとともに、相手チームが獲得した点数に相手チームの蓄積された留め置き点数から予想される取り崩し点数を加えた合計点数を算出して、両チームそれぞれの合計点数から勝敗を判定するシミュレーションを行い、受け付けた勝利確率に見合う取り崩し点数を決定する。取り崩し点数は、ゲームの勝敗を決めるためにゲームで獲得した点数に加算する点数であり、蓄積された留め置き点数以下の点数とされる。点数決定部14は、相手ユーザが望む勝利確率に応じた取り崩し点数を予想しながら、勝利確率に応じた必要最小限の取り崩し点数を決める。
【0018】
また、受付部13は、ユーザから勝利確率を受け取ると、相手チームのユーザの端末装置2に勝利確率の受付を報知する。相手チームのユーザの端末装置2が勝利確率を入力したとき、受付部2が相手チームのユーザからの勝利確率を受け付けると、点数決定部14は、同様にして相手チームのユーザが望む勝利確率に応じた必要最小限の取り崩し点数を決める。このとき、受け付けられた相手の勝利確率は互いにわからない。自チームにおける取り崩し点数の決定と相手チームにおける取り崩し点数の決定は互いに独立して行われる。点数決定部14は、自チームの取り崩し点数と相手チームの取り崩し点数を決定すると、両取り崩し点数を勝敗決定部15に出力する。
【0019】
勝敗決定部15は、決定された2つの取り崩し点数に基づいて、自チームの合計点数と相手チームの合計点数を算出して、2つの合計点数に基づいて最終的な勝敗を決め、これらの結果を各ユーザの端末装置2に同時に提示する。各端末装置2は、提示された合計点数および勝敗の結果を出力部10を介して出力する。そして、勝敗決定部15は、最終的な勝敗を決めるために消費された取り崩し点数を留め置き点数管理部12に出力する。留め置き点数管理部12は、蓄積された留め置き点数から消費された取り崩し点数を引いた残りの留め置き点数を最新の留め置き点数として記憶部4のデータを更新する。
【0020】
次に、具体的にゲームの最終的な勝敗を決めるステップを
図4にしたがって説明する。AチームとBチームが対戦し、Aチームが6点、Bチームが1点を獲得したとする。点数取得部11は、各チームが獲得した点数を取得する(ステップ1)。留め置き点数管理部12は、式1により(6-1-1=)4点を留め置き点数に加えて蓄積する(ステップ2)。ここで、点数の低いBチームのユーザがこのゲームを勝ちたいと望んだとき、端末装置2を通じて勝利確率を入力する。ゲーム管理装置1の受付部13は、この勝利確率を受け付けると、Aチームのユーザの端末装置2にこの受付を報知する(ステップ3)。これを受けたAチームのユーザが端末装置2を通じて勝利確率を入力すると、受付部13がAチームのユーザからの勝利確率を受け付ける(ステップ4)。なお、Aチームのユーザが勝利確率を入力しない場合、すなわち最終的な勝敗の決定を無視あるいは棄権した場合、ゲーム管理装置1は、Aチームのユーザが望む勝利確率が0%であるとみなして、以降のステップを続行する。
【0021】
ゲーム管理装置1では、両チームのユーザから勝利確率を受け付けると、点数決定部14はチームごとに取り崩し点数を決めるために勝敗のシミュレーションを行う(ステップ5)。まず、自チームの獲得した点数と相手チームに対する蓄積されている留め置き点数に基づいて合計点数を算出し、相手チームの獲得した点数と自チームに対する蓄積されている留め置き点数に基づいて合計点数を算出し、両チームそれぞれの合計点数を比較して、取り崩し点数を決定する(ステップ6)。自チームの合計点数がP点のとき、相手チームの合計点数を上回る確率がQ%であることを導き出し、受け付けた勝利確率R%に一致あるいは近い確率Q%を抽出する。この確率Q%より合計点数を特定すると、勝利確率に応じた合計点数が判明するので、この合計点数から取り崩し点数を決定する。ここで、点数決定部14が、外部のメディアから相手チームに関する情報を収集し、相手チームの現状を分析する。そして、点数決定部14は、勝ちを望んでいるのか、留め置き点数をできるだけ消費したくないといった相手チームの戦略を判断して、予測される相手の合計点数を修正して、取り崩し点数を決めると、無駄な留め置き点数の消費を少なくできる。
【0022】
例えば、A,Bチームの対戦の結果、Aチームが1点、Bチームが0点を獲得して、1点差とする。AチームのBチームに対する留め置き点数がTa、BチームのAチームに対する留め置き点数がTbのとき、Bチームの合計点数が(1+Ta+1=)Ta+2を上回るとき、Bチームの勝つ確率は100%となる。この場合、Bチームの必要最小限の取り崩し点数はTa+2となる。留め置き点数Taのn%に対応する点数がNのとき、Bチームの合計点数がN+2となるようにすれば、Bチームはn%の確率で勝てる。この場合、必要最小限の取り崩し点数はN+2となる。なお、AチームとBチームの点差が2点差の場合、Bチームの必要最小限の取り崩し点数はN+3となる。すなわち、獲得点数の点差がm点差の場合、必要最小限の取り崩し点数はN+m+1となる。
【0023】
このように両チームの取り崩し点数が決まると、勝敗決定部15は、両チームの獲得した点数に決まった取り崩し点数を加えて合計点数を算出し、合計点数の多いチームを勝ちと決定する(ステップ7)。そして、それぞれチームのユーザの端末装置2に合計点数と勝敗の結果を同時に提示する(ステップ8)。それぞれチームのユーザは、提示された情報により勝敗の結果を認識する。
【0024】
留め置き点数管理部12は、最終的な結果に基づいて取り崩し点数が確定されると、蓄積されている留め置き点数から消費された取り崩し点数を引いた留め置き点数を算出して、記憶部4に記憶されているそれぞれのチームの留め置き点数を最新のものに更新する(ステップ9)。
【0025】
このように、チームの対戦により獲得された点数をゲームの最終的な勝敗を決定するために利用することにより、過剰とされていた点数を有効に利用することができ、点数を獲得するために費やした労力が報いられ、産業上有益となる。そして、獲得した点数を最終的な勝敗を決めるために利用することにより、ユーザが所望する勝利を実現することができるゲームを提供することができる
【0026】
上記の実施形態では、1回の勝負で勝敗を決定したが、他の実施形態として、複数回の勝負で勝敗を決定してもよい。すなわち、勝敗決定部15が自チームの合計点数と相手チームの合計点数をそれぞれのユーザの端末装置2に最初の提示を行った後、点数決定部14は、最初の決定された取り崩し点数を引いた留め置き点数に基づいて再度シミュレーションを行って、取り崩し点数を決定し、勝敗決定部15は、決定された取り崩し点数に基づく合計点数によって最終的に勝敗を決定する。
【0027】
2回勝負を行う場合、
図5に示すように、ステップ6において、点数決定部14が、取り崩し点数を決定すると、勝敗決定部15が、それぞれの合計点数を算出して、それぞれのユーザの端末装置2に合計点数を提示する(ステップ10)。それぞれのユーザは、提示された情報を確認して、勝負を継続するか否かを判断する(ステップ11)。ユーザが現状の勝敗の結果に満足できる場合(YESの場合)、端末装置2からゲームの終了の指示を出す。勝敗決定部15は、それぞれのユーザからゲーム終了の指示を受けると、最終的な勝敗を決め、留め置き点数を最新のものに更新する(ステップ9)。両ユーザあるいはいずれか一方のユーザが引き続きゲームを進めることを選択した場合(NOの場合)、ステップ5に戻る。
【0028】
点数決定部15は、自チームの獲得した点数と最初に決定された取り崩し点数を引いた残りの留め置き点数に基づいて合計点数を算出し、相手チームの獲得した点数と同じく取り崩し点数を引いた留め置き点数に基づいて合計点数を算出し、両チームそれぞれの合計点数を比較して、取り崩し点数を決める(ステップ6)。以後は、ステップ7~9が実行される。このように、提示された相手チームの合計点数を確認することにより、相手の意思を見極めることができるので、それを考慮して取り崩し点数を決めることにより、留め置き点数を無駄なく利用することができる。
【0029】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。対戦するゲームは、野球に限らず、サッカー、バスケットボール、ラグビーなどの獲得する点数に上限のないゲームであればよい。
【0030】
勝敗決定部15が各端末装置2に同時に提示する代わりに、タイミングをずらして、順に提示するようにしてもよい。先にAチームのユーザの端末装置2に、Bチームの合計点数が提示され、次にBチームのユーザの端末装置2に、Aチームの合計点数が提示される。これにより、相手の動きを把握することができるので、自チームの取り崩し点数を修正できるようにする。ここで、修正回数はそれぞれ1回ずつといったように制限を設けておくとよい。
【0031】
留め置き点数管理部12は対戦するチームごとに留め置き点数を管理しているが、他のチームとの対戦によって得た留め置き点数を一括して管理してもよい。これにより、留め置き点数が0といった事態をなくすことができ、最終的な勝利を得る機会が増える。
【0032】
留め置き点数を貸借できるようにしてもよい。留め置き点数管理部12は、Aチームから借り入れの要求を受けると、他のチームが所有する留め置き点数をAチームに貸し付ける。そして、Aチームは、借りた留め置き点数を返すとき、利子をつけて返す。これにより、退蔵される留め置き点数を減らすことができ、留め置き点数の活用を図れる。
【符号の説明】
【0033】
1 ゲーム管理装置
2 端末装置
3 ゲーム管理装置の制御部
4 ゲーム管理装置の記憶部
5 ゲーム管理装置の通信部
6 端末装置の制御部
7 端末装置の記憶部
8 端末装置の通信部
9 入力部
10 出力部
11 点数取得部
12 留め置き点数管理部
13 受付部
14 点数決定部
15 勝敗決定部