(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029375
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】フレキシブル基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240228BHJP
G02F 1/1345 20060101ALN20240228BHJP
【FI】
H05K1/02 C
G02F1/1345
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131596
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 隆祥
(72)【発明者】
【氏名】椎名 啓介
【テーマコード(参考)】
2H092
5E338
【Fターム(参考)】
2H092GA50
2H092GA53
2H092HA24
2H092NA01
2H092NA25
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB13
5E338BB17
5E338BB56
5E338BB75
5E338CC01
5E338EE22
(57)【要約】
【課題】折り曲げ箇所を小型化する。
【解決手段】フレキシブル基板20は、可撓性を有する基板部21と、基板部21の主面21Fに設けられる配線23と、を備え、基板部21は、主面21Fに沿う第1方向の一方の端部であって表示パネル11に取り付けられる第1端部21Aと、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど主面21Fに沿い且つ第1方向と交差する第2方向の寸法が小さい窄み部21Bと、を有し、窄み部21Bには、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど第2方向の寸法が小さい第1開口24が設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する基板部と、
前記基板部の主面に設けられる配線と、を備え、
前記基板部は、前記主面に沿う第1方向の一方の端部であって表示パネルに取り付けられる第1端部と、前記第1端部からの前記主面上の距離が大きくなるほど前記主面に沿い且つ前記第1方向と交差する第2方向の寸法が小さい窄み部と、を有し、
前記窄み部には、前記第1端部からの前記主面上の距離が大きくなるほど前記第2方向の寸法が小さい第1開口が設けられるフレキシブル基板。
【請求項2】
前記窄み部は、前記第2方向の縁部であって前記第1方向に対して傾いた第1縁部を含むとともに、前記第1開口の開口周縁に、前記第1方向に対して傾いていて前記第1縁部に並行する第1開口縁を含む請求項1記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
前記窄み部には、前記第1開口が前記配線とは非重畳の位置に配される請求項1または請求項2記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
前記配線は、前記第1方向に対して傾く第1配線部を含み、
前記窄み部は、前記第1開口の開口周縁に、前記第1方向に対して傾いていて前記第1配線部に並行する第1開口縁を含む請求項3記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
前記窄み部のうち、前記第1開口よりも前記第1端部からの前記主面上の距離が大きい位置には、前記第1端部からの前記主面上の距離が大きくなるほど前記第2方向の寸法が小さい第2開口が設けられる請求項1または請求項2記載のフレキシブル基板。
【請求項6】
前記第2開口は、前記第1開口に比べて、前記第2方向の最大寸法及び最小寸法が共に小さい請求項5記載のフレキシブル基板。
【請求項7】
前記窄み部は、折り返されることで、第1折り曲げ箇所と、前記第1折り曲げ箇所と間隔を空けた位置にある第2折り曲げ箇所と、を含み、
前記窄み部には、前記第1開口が、前記第1折り曲げ箇所と前記第2折り曲げ箇所とに跨がる範囲で設けられる請求項1または請求項2記載のフレキシブル基板。
【請求項8】
前記基板部のうち、前記第1端部との間に前記第1開口を挟む位置にドライバが取り付けられており、
前記配線は、前記ドライバに接続される請求項1または請求項2記載のフレキシブル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、フレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置に取り付けられるフレキシブル基板の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のフレキシブル基板は、パネルの電極を駆動するICチップとICチップの出力を電極に伝達するための導線とを有し、導線を横断する方向に折り曲げ溝を有するとともに、導線を横断しない方向に複数のスリットを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載のフレキシブル基板は、取り付けられる表示パネルから遠ざかるほど幅寸法が小さくなる窄み部を有する。フレキシブル基板が窄み部にて折り曲げられると、その折り曲げ箇所は、スリットに沿う方向の位置に応じて幅寸法が変化することになる。このため、折り曲げ箇所の剛性も、スリットに沿う方向の位置に応じて変化し、結果として折り曲げ箇所の形状がいびつになるおそれがある。折り曲げ箇所の形状がいびつになると、折り曲げ箇所が大型化し、その結果表示装置の額縁が大きくなる、という問題が生じることが懸念される。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、折り曲げ箇所を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わるフレキシブル基板は、可撓性を有する基板部と、前記基板部の主面に設けられる配線と、を備え、前記基板部は、前記主面に沿う第1方向の一方の端部であって表示パネルに取り付けられる第1端部と、前記第1端部からの前記主面上の距離が大きくなるほど前記主面に沿い且つ前記第1方向と交差する第2方向の寸法が小さい窄み部と、を有し、前記窄み部には、前記第1端部からの前記主面上の距離が大きくなるほど前記第2方向の寸法が小さい第1開口が設けられる。
【0007】
(2)また、上記フレキシブル基板は、上記(1)に加え、前記窄み部は、前記第2方向の縁部であって前記第1方向に対して傾いた第1縁部を含むとともに、前記第1開口の開口周縁に、前記第1方向に対して傾いていて前記第1縁部に並行する第1開口縁を含んでもよい。
【0008】
(3)また、上記フレキシブル基板は、上記(1)または上記(2)に加え、前記窄み部には、前記第1開口が前記配線とは非重畳の位置に配されてもよい。
【0009】
(4)また、上記フレキシブル基板は、上記(3)に加え、前記配線は、前記第1方向に対して傾く第1配線部を含み、前記窄み部は、前記第1開口の開口周縁に、前記第1方向に対して傾いていて前記第1配線部に並行する第1開口縁を含んでもよい。
【0010】
(5)また、上記フレキシブル基板は、上記(1)から上記(4)のいずれかに加え、前記窄み部のうち、前記第1開口よりも前記第1端部からの前記主面上の距離が大きい位置には、前記第1端部からの前記主面上の距離が大きくなるほど前記第2方向の寸法が小さい第2開口が設けられてもよい。
【0011】
(6)また、上記フレキシブル基板は、上記(5)に加え、前記第2開口は、前記第1開口に比べて、前記第2方向の最大寸法及び最小寸法が共に小さくてもよい。
【0012】
(7)また、上記フレキシブル基板は、上記(1)から上記(4)のいずれかに加え、前記窄み部は、折り返されることで、第1折り曲げ箇所と、前記第1折り曲げ箇所と間隔を空けた位置にある第2折り曲げ箇所と、を含み、前記窄み部には、前記第1開口が、前記第1折り曲げ箇所と前記第2折り曲げ箇所とに跨がる範囲で設けられてもよい。
【0013】
(8)また、上記フレキシブル基板は、上記(1)から上記(7)のいずれかに加え、前記基板部のうち、前記第1端部との間に前記第1開口を挟む位置にドライバが取り付けられており、前記配線は、前記ドライバに接続されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本明細書に記載の技術によれば、折り曲げ箇所を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1に係る液晶表示装置に備わる液晶パネル及び展開状態のフレキシブル基板を示す平面図
【
図2】実施形態1に係る液晶表示装置においてフレキシブル基板を折り返した状態を示す概略的な断面図
【
図3】実施形態1に係る展開状態のフレキシブル基板の平面図
【
図4】実施形態1に係る展開状態のフレキシブル基板の一部を拡大した平面図
【
図5】実施形態1に係る液晶表示装置のうちの折り返し状態のフレキシブル基板付近を拡大した断面図
【
図6】実施形態2に係る展開状態のフレキシブル基板の平面図
【
図7】実施形態2に係る展開状態のフレキシブル基板の一部を拡大した平面図
【
図8】実施形態2に係る液晶表示装置のうちの折り返し状態のフレキシブル基板付近を拡大した断面図
【
図9】実施形態3に係る展開状態のフレキシブル基板の一部を拡大した平面図
【
図10】実施形態4に係る展開状態のフレキシブル基板の一部を拡大した平面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図5によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置10に備わるフレキシブル基板20について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、
図2及び
図5の上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
図1では、展開状態のフレキシブル基板20を図示し、
図2では、折り返し状態のフレキシブル基板20を図示している。
【0017】
液晶表示装置10は、
図1及び
図2に示すように、横長の方形状をなしていて画像を表示可能な液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11に対して表示に利用するための光を照射する外部光源であるバックライト装置(照明装置)12と、を少なくとも備える。液晶パネル11は、平面に視て横長の方形状とされる。液晶パネル11は、主面の長辺方向がX軸方向と一致し、主面の短辺方向がY軸方向と一致し、厚さ方向(主面の法線方向)がZ軸方向と一致する。液晶パネル11は、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域AAとされる。液晶パネル11の画面における表示領域AAを取り囲む額縁状の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。液晶パネル11は、画面サイズが例えば6インチ程度(具体的には6.1インチ)とされ、解像度が例えば828×1792程度とされる。液晶パネル11の厚みは、例えば0.3mm程度とされる。
【0018】
バックライト装置12は、液晶パネル11に対して裏側(背面側)に配置され、白色の光(白色光)を発する光源(例えばLEDなど)や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材などを有する。バックライト装置12の厚みは、例えば0.64mm程度とされる。また、バックライト装置12の裏側(液晶パネル11とは反対側)には、板金13が積層配置されている。板金13の厚みは、例えば0.25mm程度とされる。液晶表示装置10の厚みは、例えば1.19mm程度とされる。
【0019】
液晶パネル11に関して詳しく説明する。液晶パネル11は、
図1及び
図2に示すように、液晶パネル11は、一対のほぼ透明な(透光性を有する)ガラス製の基板11A,11B間に、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層を挟持した構成とされる。一対の基板11A,11Bのうち表側(正面側)が対向基板(CF基板)11Aとされ、裏側(背面側)がアレイ基板(配線基板、アクティブマトリクス基板)11Bとされる。対向基板11A及びアレイ基板11Bは、いずれもガラス基板の内面側に各種の膜が積層形成されてなる。対向基板11A及びアレイ基板11Bの厚みは、それぞれ例えば0.15mm程度ずつとされる。なお、両基板11A,11Bの外面側には、それぞれ偏光板が貼り付けられている。
【0020】
アレイ基板11Bのうち、対向基板11Aに対して側方に突き出す部分は、露出する露出部11B1である。この露出部11B1は、全域が非表示領域NAAであり、次述するフレキシブル基板20が実装されている。
【0021】
フレキシブル基板20は、
図1に示すように、絶縁性及び可撓性を有する基板部21を備える。基板部21は、合成樹脂材料(例えばポリイミド系樹脂等)からなるフィルムからなる。基板部21は、単一材料からなり、単層構造となっている。基板部21の厚みは、例えば0.04mm程度とされる。基板部21の主面21Fは、展開状態(非屈曲状態)では、X軸方向及びY軸方向に並行している。展開状態の基板部21は、主面21Fに沿うY軸方向(第1方向)に沿って延在しており、展開状態の基板部21の長さ方向がY軸方向と一致し、展開状態の基板部21の幅方向が主面21Fに沿うX軸方向(第2方向)と一致している。基板部21のY軸方向の一方の端部である第1端部21Aは、アレイ基板11Bの露出部11B1に取り付けられる。基板部21のY軸方向の他方の端部である第2端部21Dは、プリント基板(コントロール基板)14に取り付けられる。基板部21には、ドライバ(信号供給部)22がCOF(Chip On Film)実装されている。ドライバ22は、平面形状が横長の方形状とされる。ドライバ22は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなる。ドライバ22は、プリント基板14からフレキシブル基板20に供給される各種信号を処理する。
【0022】
基板部21は、
図3に示すように、窄み部21Bを有する。窄み部21Bは、平面形状が台形状とされる。窄み部21Bは、Y軸方向の位置が第1端部21Aから遠くなるほど、X軸方向(第2方向)の寸法(幅寸法)が小さい。窄み部21Bは、第1端部21Aに直接連なる。窄み部21Bは、一対の側縁部(斜辺)のそれぞれが、Y軸方向及びX軸方向の双方に対して傾いた斜め方向に沿って延在する第1縁部(傾斜縁部)21B1となっている。一対の第1縁部21B1は、Y軸方向またはX軸方向に対する傾斜角度が等しい。窄み部21BのX軸方向の寸法の最大値は、第1端部21AのX軸方向の寸法と同じであり、例えば46.9mm程度とされる。窄み部21BのX軸方向の寸法の最小値は、例えば29.5mm程度とされる。また、窄み部21BのY軸方向の寸法(長さ寸法)は、例えば9.12mm程度とされる。
【0023】
基板部21は、
図3に示すように、第1端部21Aよりも幅狭な幅狭部21Cを有する。幅狭部21Cは、窄み部21Bのうち、Y軸方向についての第1端部21A側とは反対側(
図3では下側)の端部に連なる。幅狭部21Cは、X軸方向の寸法が全長にわたってほぼ一定とされる。幅狭部21CのX軸方向の寸法は、窄み部21BのX軸方向の寸法の最小値と同じである。幅狭部21Cには、ドライバ22が実装されている。ドライバ22は、幅狭部21Cのうち、Y軸方向についての窄み部21B側(
図3では上側)の端部付近に配される。
【0024】
基板部21の主面21Fには、
図3に示すように、複数の配線(出力配線)23が設けられている。配線23は、第1端部21Aからドライバ22に至るまで主面21Fに沿って延在しており、その両端部を除いた大部分が窄み部21Bに配されている。複数の配線23は、ドライバ22に接続され、ドライバ22から出力される信号を第1端部21Aまで伝送することができる。複数の配線23は、X軸方向に沿って間隔を空けて並んでいて、それぞれドライバ22側から第1端部21A側に向けて扇状に広がるよう引き回されている。複数の配線23の殆どは、X軸方向及びY軸方向の双方に対して傾いた斜め方向に沿って延在する第1配線部(傾斜配線部)23Aを有する。なお、X軸方向に沿って並ぶ複数の配線23のうち、基板部21におけるX軸方向についての中央(
図3に示される一点鎖線付近)に位置する配線23は、概ね全長にわたってY軸方向に沿って直線的に延在しており、第1配線部23Aを有さない。複数の配線23に備わる各第1配線部23Aは、基板部21におけるX軸方向についての位置に応じてY軸方向に対する傾斜角度が変化しており、基板部21におけるX軸方向についての位置が端側から中央側に近づくほど、Y軸方向に対する傾斜角度が小さくなる傾向にある。具体的には、複数の配線23のうち、基板部21におけるX軸方向の両端に位置する一対の配線23の各第1配線部23Aは、Y軸方向に対してなす傾斜角度が最大であり、窄み部21Bの一対の第1縁部21B1にそれぞれ並行している。複数の配線23のうち、基板部21におけるX軸方向についての中央に位置する配線23に隣り合う配線23の第1配線部23Aは、Y軸方向に対してなす傾斜角度が最小である。第1配線部23Aの幅寸法は、例えば6μm程度とされ、X軸方向に隣り合う2つの第1配線部23Aの間の間隔は、例えば6μm程度とされる。
【0025】
なお、基板部21の主面21Fには、ドライバ22から第2端部21Dに至るまで主面21Fに沿って延在する第2の配線(入力配線)も設けられている。第2の配線は、ドライバ22に接続され、プリント基板14から供給される信号をドライバ22に供給することができる。第2の配線は、基板部21のうち、専ら幅狭部21Cに配されている。配線23の設置数は、第2の配線の設置数よりも多い。
【0026】
ここで、液晶表示装置10は、
図2に示すように、液晶パネル11がバックライト装置12の表側に位置するとともに、プリント基板14が板金13の裏側に位置する構成である。つまり、フレキシブル基板20の接続対象物である液晶パネル11及びプリント基板14の間には、バックライト装置12及び板金13が介在している。従って、フレキシブル基板20を構成する基板部21は、
図2に示すように、第1端部21Aと第2端部21Dとの間にある部分が折り返されている。折り返された基板部21には、相対的に表側に位置していて第1端部21Aに近い第1折り曲げ箇所21R1と、相対的に裏側に位置していて第2端部21Dに近い第2折り曲げ箇所21R2と、が生じる。第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2は、断面形状がそれぞれ円弧状とされる。つまり、第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2は、基板部21のうち、基板部21を折り返すのに伴って曲率を有する部分のことである。また、基板部21を折り返した状態では、ドライバ22は、板金13の裏側に位置する。
【0027】
上記のように折り返された状態のフレキシブル基板20は、第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2が、基板部21のうちの窄み部21Bに位置する。このため、第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2は、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど幅寸法が次第に小さくなる。従って、第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2は、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど次第に剛性が低下することになる。
【0028】
本実施形態に係るフレキシブル基板20に備わる基板部21のうちの窄み部21Bには、
図4に示すように、第1開口24が設けられる。第1開口24は、窄み部21Bを、主面21Fの法線方向である厚さ方向に貫通する貫通孔である。第1開口24は、平面形状が台形状とされ、詳しくは等脚台形状とされる。第1開口24は、展開状態の窄み部21Bのうち、Y軸方向に第1端部21Aとドライバ22との間に挟まれる位置に配されている。第1開口24は、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほどX軸方向の寸法が小さくなり、逆に第1端部21Aからの主面21F上の距離が小さくなるほどX軸方向の寸法が大きくなっている。つまり、窄み部21B及び第1開口24のX軸方向の各寸法は、第1端部21Aからの主面21F上の距離に応じて同様に変化し、上記距離が大きくなればX軸方向の各寸法が共に小さくなり、上記距離が小さくなればX軸方向の各寸法が共に大きくなる。従って、
図5に示すように、フレキシブル基板20を折り返す際に、窄み部21Bのうちの第1開口24の位置に第1折り曲げ箇所21R1を生じさせれば、窄み部21Bの第1折り曲げ箇所21R1の剛性(X軸方向に沿って切断した断面積)を、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず均等化することができる。これにより、窄み部21Bの折り曲げ易さを担保することができるとともに、第1折り曲げ箇所21R1がいびつにならずに小型になる。窄み部21Bの第1折り曲げ箇所21R1が小型化されれば、液晶パネル11の狭額縁化を図る上で好適となる。
【0029】
窄み部21Bのうち、
図4に示すように、第1開口24よりも第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きい位置には、第2開口25が設けられる。第2開口25は、窄み部21Bを、主面21Fの法線方向である厚さ方向に貫通する貫通孔である。第2開口25は、平面形状が台形状とされ、詳しくは等脚台形状とされる。第2開口25は、展開状態の窄み部21Bのうち、Y軸方向に第1開口24とドライバ22との間に挟まれる位置に配されている。第2開口25は、X軸方向についての中央位置が、第1開口24におけるX軸方向についての中央位置とほぼ同じになる配置とされる。つまり、展開状態とした窄み部21Bにおいて、第1開口24及び第2開口25は、Y軸方向に沿って直線的に並ぶ配列とされる。第2開口25は、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほどX軸方向の寸法が小さくなり、逆に第1端部21Aからの主面21F上の距離が小さくなるほどX軸方向の寸法が大きくなっている。つまり、第2開口25のX軸方向の寸法は、第1端部21Aからの主面21F上の距離に応じて窄み部21B及び第1開口24のX軸方向の各寸法と同様に変化する。従って、
図5に示すように、フレキシブル基板20を折り返す際に、窄み部21Bのうちの第1開口24の位置に第1折り曲げ箇所21R1を生じさせるとともに、第2開口25の位置に第2折り曲げ箇所21R2を生じさせれば、窄み部21Bの第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2の剛性を、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらずそれぞれ均等化することができる。これにより、窄み部21Bの折り曲げ易さを担保することができるとともに、第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2がいずれもいびつにならずに小型になる。具体的には、第1開口24及び第2開口25が設けられることで、基板部21の折り返しに要するスペースは、例えば0.5mm程度で済む。この数値は、仮に第1開口24及び第2開口25が非設置の場合において基板部21の折り返しに要するスペースが0.9mm程度であるのに比べると、半分程度となる。窄み部21Bの第1折り曲げ箇所21R1及び第2折り曲げ箇所21R2が共に小型化されれば、液晶パネル11の狭額縁化を図る上でより好適となる。しかも、窄み部21Bには、第1開口24と第2開口25とが間隔を空けて並んで設けられるから、仮に第1開口24と第2開口25とに跨がる大型の開口を設けた場合に比べると、基板部21の機械的な強度を高く保つことができる。
【0030】
第2開口25は、
図4に示すように、第1開口24に比べて、X軸方向の最大寸法及び最小寸法が共に小さい。具体的には、第1開口24は、X軸方向の最大寸法が例えば1800μm程度とされ、X軸方向の最小寸法が例えば600μm程度とされる。これに対し、第2開口25は、X軸方向の最大寸法が例えば1500μm程度とされ、X軸方向の最小寸法が例えば500μm程度とされる。なお、展開状態とした基板部21における第1開口24のY軸方向の寸法は、例えば400μm程度とされる。同様に展開状態とした基板部21における第2開口25のY軸方向の寸法は、例えば400μm程度とされる。また、第1開口24と第2開口25との間の間隔は、例えば1000μm程度とされる。以上のように、窄み部21BのX軸方向の寸法に応じて、第1開口24及び第2開口25の最大寸法及び最小寸法が適切に設定されているので、窄み部21Bを折り返したときに生じる2つの折り曲げ箇所21R1,21R2がいずれもいびつにならずに小型になる。
【0031】
第1開口24の開口周縁には、
図3及び
図4に示すように、Y軸方向に対して傾いていて窄み部21Bの第1縁部21B1に並行する第1開口縁(第1傾斜開口縁)24Aが含まれている。詳しくは、平面形状が台形状とされる第1開口24の開口周縁のうち、上底及び下底がX軸方向に並行であり、一対の斜辺がY軸方向に対して傾いている。第1開口24の開口周縁を構成する一対の斜辺には、第1縁部21B1に並行する第1開口縁24Aが含まれる。本実施形態では、第1開口24の開口周縁を構成する一対の斜辺が、共に第1開口縁24Aとされる。第1開口縁24AがY軸方向に対してなす傾斜角度は、第1縁部21B1がY軸方向に対してなす傾斜角度とほぼ同じとされる。このようにすれば、第1端部21Aからの主面21F上の距離に応じて変化する第1開口24のX軸方向の寸法の変化率が、第1端部21Aからの主面21F上の距離に応じて変化する窄み部21BのX軸方向の寸法の変化率とほぼ同じとなる。従って、第1開口24の形成範囲において、窄み部21BをX軸方向に沿って切断した断面積が、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず一層均等化される。これにより、窄み部21Bにおける第1折り曲げ箇所21R1の剛性が、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず一層均等化されるので、窄み部21Bをより折り曲げ易くなるとともに、第1折り曲げ箇所21R1をより小型にすることができる。
【0032】
第2開口25の開口周縁には、
図3及び
図4に示すように、Y軸方向に対して傾いていて窄み部21Bの第1縁部21B1に並行する第2開口縁(第2傾斜開口縁)25Aが含まれている。詳しくは、平面形状が台形状とされる第2開口25の開口周縁のうち、上底及び下底がX軸方向に並行であり、一対の斜辺がY軸方向に対して傾いている。第2開口25の開口周縁を構成する一対の斜辺には、第1縁部21B1に並行する第2開口縁25Aが含まれる。本実施形態では、第2開口25の開口周縁を構成する一対の斜辺が、共に第2開口縁25Aとされる。第2開口縁25AがY軸方向に対してなす傾斜角度は、第1縁部21B1がY軸方向に対してなす傾斜角度とほぼ同じとされる。このようにすれば、第1端部21Aからの主面21F上の距離に応じて変化する第2開口25のX軸方向の寸法の変化率が、第1端部21Aからの主面21F上の距離に応じて変化する窄み部21BのX軸方向の寸法の変化率とほぼ同じとなる。従って、第2開口25の形成範囲において、窄み部21BをX軸方向に沿って切断した断面積が、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず一層均等化される。これにより、窄み部21Bにおける第2折り曲げ箇所21R2の剛性が、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず一層均等化されるので、窄み部21Bをより折り曲げ易くなるとともに、第2折り曲げ箇所21R2をより小型にすることができる。
【0033】
第1開口24及び第2開口25は、
図4に示すように、窄み部21Bのうち、各配線23とは非重畳の位置に配されている。つまり、各配線23は、第1開口24及び第2開口25を避けるよう引き回されている。詳しくは、複数の配線23のうち、第1端部21Aに位置する端部23Cが第1開口24及び第2開口25に近い配置とされる配線23は、第1開口24及び第2開口25を回り込むよう形成される第2配線部23Bを有する。第2配線部23Bは、斜め方向に沿って延在する第1配線部23Aに対して屈曲されている。具体的には、第1開口24及び第2開口25に対して
図4の右側に位置する第2配線部23Bは、第1配線部23Aに対して屈曲されてY軸方向に沿ってほぼ真っ直ぐに延在する部分と、
図4の左側に向けて斜めに延在して端部23Cに連なる部分と、を含む。第1開口24及び第2開口25に対して
図4の左側に位置する第2配線部23Bは、第1配線部23Aに対して屈曲されて
図4の左側に向けて斜めに延在する部分と、Y軸方向に沿ってほぼ真っ直ぐに延在する部分と、
図4の右側に向けて斜めに延在して端部23Cに連なる部分と、を含む。なお、複数の配線23のうち、第1端部21Aに位置する端部23Cが第1開口24及び第2開口25から十分に遠い配置とされる配線23は、第1開口24及び第2開口25を回り込む必要がないので、第2配線部23Bを有さない。以上のように、第1開口24及び第2開口25が、各配線23とは非重畳の位置に配されているので、フレキシブル基板20の製造に際し、例えば基板部21を打ち抜き加工することで、第1開口24及び第2開口25を容易に設けることが可能となる。従来のように、基板部21を二層構造とする必要がないので、製造が容易となり、例えば製造コストを低下させる上で好適となる。
【0034】
第1開口24の第1開口縁24Aは、
図4に示すように、複数の配線23に含まれる配線23の第1配線部23Aに並行する。本実施形態では、第1開口縁24Aは、複数の配線23のうち、窄み部21BにおけるX軸方向についての端付近(
図4では右端付近)に位置する複数の配線23に備わる各第1配線部23Aに並行している。第1開口縁24AがY軸方向に対してなす傾斜角度は、上記した第1配線部23AがY軸方向に対してなす傾斜角度とほぼ同じとされる。同様に、第2開口25の第2開口縁25Aは、複数の配線23に含まれる配線23の第1配線部23Aに並行する。本実施形態では、第2開口縁25Aは、複数の配線23のうち、窄み部21BにおけるX軸方向についての端付近(
図4では右端付近)に位置する複数の配線23に備わる各第1配線部23Aに並行している。第2開口縁25AがY軸方向に対してなす傾斜角度は、上記した第1配線部23AがY軸方向に対してなす傾斜角度とほぼ同じとされる。このように、配線23の第1配線部23Aと、第1開口24の第1開口縁24Aと、第2開口25の第2開口縁25Aと、が互いに並行することで、互いに非重畳とされる第1開口24と第2開口25と配線23とを効率的に配置することができる。詳しくは、第1開口24及び第2開口25と配線23との間に生じ得るデッドスペースが最小化される。これにより、基板部21における配線23の分布密度を高くすることができ、液晶パネル11の高精細化を図る上で好適となる。
【0035】
また、第1開口24及び第2開口24は、
図3に示すように、X軸方向に間隔を空けて複数ずつ並んで配されている。従って、複数の配線23のうち、第1端部21Aに位置する端部23Cが複数ずつの第1開口24及び第2開口25に近い配置とされる複数の配線23は、第1開口24及び第2開口24を避けるよう引き回される第2配線部23Bをそれぞれ有する。
【0036】
以上説明したように本実施形態のフレキシブル基板20は、可撓性を有する基板部21と、基板部21の主面21Fに設けられる配線23と、を備え、基板部21は、主面21Fに沿う第1方向(Y軸方向)の一方の端部であって液晶パネル(表示パネル)11に取り付けられる第1端部21Aと、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど主面21Fに沿い且つ第1方向と交差する第2方向(X軸方向)の寸法が小さい窄み部21Bと、を有し、窄み部21Bには、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど第2方向の寸法が小さい第1開口24が設けられる。
【0037】
基板部21の第1端部21Aが液晶パネル11に取り付けられることで、配線23により伝送される信号を液晶パネル11に供給することができる。基板部21は、第1端部21Aが液晶パネル11に取り付けられた状態で、窄み部21B付近が折り曲げられる場合がある。基板部21の剛性は、断面積に比例する傾向にあることから、窄み部21Bが折り曲げられると、第1折り曲げ箇所(折り曲げ箇所)21R1の剛性が、第1端部21Aからの主面21F上の距離に応じて変化することになる。窄み部21Bには、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど第2方向の寸法が小さい第1開口24が設けられているから、窄み部21Bの第1折り曲げ箇所21R1の剛性を、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず均等化することができる。これにより、窄み部21Bの折り曲げ易さを担保することができるとともに、第1折り曲げ箇所21R1がいびつにならずに小型になる。窄み部21Bの第1折り曲げ箇所21R1が小型化されれば、液晶パネル11の狭額縁化を図る上で好適となる。
【0038】
また、窄み部21Bは、第2方向の縁部であって第1方向に対して傾いた第1縁部21B1を含むとともに、第1開口24の開口周縁に、第1方向に対して傾いていて第1縁部21B1に並行する第1開口縁24Aを含む。第1開口24の形成範囲において、窄み部21Bを第2方向に沿って切断した断面積が、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず均等化される。これにより、窄み部21Bにおける第1折り曲げ箇所21R1の剛性が、第1端部21Aからの主面21F上の距離によらず均等化されるので、窄み部21Bをより折り曲げ易くなるとともに、第1折り曲げ箇所21R1をより小型にすることができる。
【0039】
また、窄み部21Bには、第1開口24が配線23とは非重畳の位置に配される。当該フレキシブル基板20の製造に際し、例えば基板部21を打ち抜き加工することで、第1開口24を容易に設けることが可能となる。従来のように、基板部21を二層構造とする必要がないので、製造が容易となり、例えば製造コストを低下させる上で好適となる。
【0040】
また、配線23は、第1方向に対して傾く第1配線部23Aを含み、窄み部21Bは、第1開口24の開口周縁に、第1方向に対して傾いていて第1配線部23Aに並行する第1開口縁24Aを含む。配線23の第1配線部23Aと、第1開口24の第1開口縁24Aと、が互いに並行することで、互いに非重畳とされる第1開口24と配線23とを効率的に配置することができる。これにより、基板部21における配線23の分布密度を高くすることができ、液晶パネル11の高精細化を図る上で好適となる。
【0041】
また、窄み部21Bのうち、第1開口24よりも第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きい位置には、第1端部21Aからの主面21F上の距離が大きくなるほど第2方向の寸法が小さい第2開口25が設けられる。窄み部21Bが折り返されると、折り曲げ箇所21R1,21R2が2つ生じる。2つの折り曲げ箇所21R1,21R2が第1開口24及び第2開口25と整合するよう窄み部21Bが折り返されれば、2つの折り曲げ箇所21R1,21R2がいずれもいびつにならずに小型になる。窄み部21Bには、第1開口24と第2開口25とが間隔を空けて並んで設けられるから、仮に第1開口24と第2開口25とに跨がる大型の開口を設けた場合に比べると、基板部21の機械的な強度を高く保つことができる。
【0042】
また、第2開口25は、第1開口24に比べて、第2方向の最大寸法及び最小寸法が共に小さい。窄み部21Bは、第2開口25の位置では、第1開口24の位置よりも、第2方向の寸法が小さい。窄み部21Bの第2方向の寸法に応じて、第1開口24及び第2開口25の最大寸法及び最小寸法が適切に設定されているので、窄み部21Bを折り返したときに生じる2つの折り曲げ箇所21R1,21R2がいずれもいびつにならずに小型になる。
【0043】
また、基板部21のうち、第1端部21Aとの間に第1開口24を挟む位置にドライバ22が取り付けられており、配線23は、ドライバ22に接続される。ドライバ22にて処理された信号が配線23に伝送され、第1端部21Aが取り付けられた液晶パネル11へと供給される。ドライバ22が基板部21に取り付けられるので、仮にドライバ22を液晶パネル11に取り付ける場合に比べると、液晶パネル11の狭額縁化を図ることができる。その上で、基板部21の窄み部21Bに第1開口24が設けられることで、窄み部21Bの第1折り曲げ箇所21R1がいびつにならずに小型になるので、液晶パネル11の狭額縁化を図る上でより好適となる。
【0044】
<実施形態2>
実施形態2を
図6から
図8によって説明する。この実施形態2では、窄み部121Bの構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0045】
本実施形態に係る窄み部121Bは、
図6及び
図7に示すように、実施形態1に記載した第2開口25(
図4を参照)を有さず、実施形態1よりも形成範囲が拡張された第1開口124を有する。詳しくは、第1開口124は、実施形態1に記載した第1開口24に比べると、ドライバ122に近づく向きに延長されており、実施形態1に記載した第2開口25と重なるまで形成範囲が拡張されている。具体的には、第1開口124は、X軸方向の最大寸法が例えば1800μm程度とされ、X軸方向の最小寸法が例えば500μm程度とされる。展開状態とした基板部121における第1開口124のY軸方向の寸法は、例えば1800μm程度とされる。つまり、展開状態とした基板部121における第1開口124のY軸方向の寸法は、実施形態1に記載した第1開口24のY軸方向の寸法(例えば400μm程度)と、第2開口25のY軸方向の寸法(例えば400μm程度)と、第1開口24と第2開口25との間の間隔(例えば1000μm程度)と、の和と等しい。第1開口124の第1開口縁124AがY軸方向に対してなす傾斜角度は、実施形態1に記載した第1開口24の第1開口縁24AがY軸方向に対してなす傾斜角度よりも小さい。つまり、本実施形態に係る第1開口縁124Aは、窄み部121Bの第1縁部121B1及び配線123の第1配線部123Aとは並行しない関係とされる。
【0046】
第1開口124は、
図8に示すように、基板部121を折り返した状態において、第1折り曲げ箇所121R1と第2折り曲げ箇所121R2とに跨がる範囲になるよう設けられている。このようにすれば、第1開口124によって第1折り曲げ箇所121R1から第2折り曲げ箇所121R2にわたる部分に生じる応力を良好に緩和することができる。特に、窄み部121Bに作用するX軸方向の応力を緩和する上で好適となる。これにより、第1折り曲げ箇所121R1及び第2折り曲げ箇所121R2がいずれもいびつにならずに小型になる。また、実施形態1のように、第1折り曲げ箇所21R1と第2折り曲げ箇所21R2とに個別に開口24,25を設ける場合に比べると、窄み部121Bに第1開口124を容易に形成することができる。特に、第1折り曲げ箇所121R1と第2折り曲げ箇所121R2との間の間隔が小さい場合に有効である。
【0047】
以上説明したように本実施形態によれば、窄み部121Bは、折り返されることで、第1折り曲げ箇所121R1と、第1折り曲げ箇所121R1と間隔を空けた位置にある第2折り曲げ箇所121R2と、を含み、窄み部121Bには、第1開口124が、第1折り曲げ箇所121R1と第2折り曲げ箇所121R2とに跨がる範囲で設けられる。窄み部121Bを折り返すことで第1折り曲げ箇所121R1及び第2折り曲げ箇所121R2が生じても、第1折り曲げ箇所121R1と第2折り曲げ箇所121R2とに跨がる範囲にわたって設けられる第1開口124によって第1折り曲げ箇所121R1及び第2折り曲げ箇所121R2に生じる応力を良好に緩和することができる。特に、窄み部121Bに作用する第2方向の応力を緩和する上で好適となる。これにより、第1折り曲げ箇所121R1及び第2折り曲げ箇所121R2がいずれもいびつにならずに小型になる。また、仮に第1折り曲げ箇所121R1と第2折り曲げ箇所121R2とに個別に開口を設ける場合に比べると、窄み部121Bに第1開口124を容易に形成することができる。特に、第1折り曲げ箇所121R1と第2折り曲げ箇所121R2との間の間隔が小さい場合に有効である。
【0048】
<実施形態3>
実施形態3を
図9によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2から窄み部221B及び配線223の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0049】
本実施形態に係る窄み部221Bは、
図9に示すように、第1縁部221B1が、第1開口224の第1開口縁224Aに並行するよう設けられている。このようにすれば、第1端部221Aからの主面221F上の距離に応じて変化する第1開口224のX軸方向の寸法の変化率が、第1端部221Aからの主面221F上の距離に応じて変化する窄み部221BのX軸方向の寸法の変化率とほぼ同じとなる。従って、第1開口224の形成範囲において、窄み部221BをX軸方向に沿って切断した断面積が、第1端部221Aからの主面221F上の距離によらず一層均等化される。これにより、窄み部221Bにおける第1折り曲げ箇所及び第2折り曲げ箇所の剛性が、第1端部221Aからの主面221F上の距離によらず一層均等化されるので、窄み部221Bをより折り曲げ易くなるとともに、第1折り曲げ箇所及び第2折り曲げ箇所をより小型にすることができる。
【0050】
配線223は、第1配線部223Aが第1開口224の第1開口縁224Aに並行するよう設けられている。このようにすれば、互いに非重畳とされる第1開口224と配線223とを効率的に配置することができ、第1開口224と配線223との間に生じ得るデッドスペースが最小化される。これにより、基板部221における配線223の分布密度を高くすることができ、液晶パネルの高精細化を図る上で好適となる。
【0051】
<実施形態4>
実施形態4を
図10によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から窄み部321Bの構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0052】
本実施形態に係る窄み部321Bは、
図10に示すように、第1開口324及び第2開口325の平面形状が、それぞれ非等脚台形状とされる。第1開口324の開口周縁のうち、
図10の右側の辺部が第1開口縁324Aとされる。第1開口324の開口周縁のうち、
図10の左側に位置する辺部は、上底及び下底とほぼ直角をなしており、展開状態とした窄み部321BにおいてY軸方向に並行している。このような構成であっても、第1開口324の開口周縁には、第1縁部321B1に並行する第1開口縁324Aが含まれているので、窄み部321B及び第1開口324のX軸方向の各寸法は、第1端部321Aからの主面321F上の距離に応じて同様に変化する。窄み部321B及び第1開口324のX軸方向の各寸法に係る変化率及び変化量は、実施形態1に比べると、半分程度となる。第2開口325の開口周縁のうち、
図10の右側の辺部が第2開口縁325Aとされる。第2開口325の開口周縁のうち、
図10の左側に位置する辺部は、上底及び下底とほぼ直角をなしており、展開状態とした窄み部321BにおいてY軸方向に並行している。このような構成であっても、第2開口325の開口周縁には、第1縁部321B1に並行する第2開口縁325Aが含まれているので、窄み部321B及び第2開口325のX軸方向の各寸法は、第1端部321Aからの主面321F上の距離に応じて同様に変化する。窄み部321B及び第2開口325のX軸方向の各寸法に係る変化率及び変化量は、実施形態1に比べると、半分程度となる。また、第1開口縁324A及び第2開口縁325Aは、配線323の第1配線部323Aに並行する。
【0053】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0054】
(1)実施形態1,4の構成において、第1開口24,324の第1開口縁24A,324Aと、第2開口25,325の第2開口縁25A,325Aと、が、窄み部21B,321Bの第1縁部21B1,321B1とは並行しない関係であってもよい。同様に、第1開口24,324の第1開口縁24A,324Aと、第2開口25,325の第2開口縁25A,325Aと、が、配線23,323の第1配線部23A,323Aとは並行しない関係であってもよい。
【0055】
(2)実施形態1,4の構成において、第1開口24,324の第1開口縁24A,324Aと、第2開口25,325の第2開口縁25A,325Aと、が、窄み部21B,321Bの第1縁部21B1,321B1とは並行するものの、配線23,323の第1配線部23A,323Aとは並行しない関係であってもよい。逆に、第1開口24,324の第1開口縁24A,324Aと、第2開口25,325の第2開口縁25A,325Aと、が、配線23,323の第1配線部23A,323Aとは並行するものの、窄み部21B,321Bの第1縁部21B1,321B1とは並行とは並行しない関係であってもよい。
【0056】
(3)実施形態1,4の構成において、第1開口24,324の第1開口縁24A,324Aと、第2開口25,325の第2開口縁25A,325Aと、が、互いに並行しない関係であってもよい。
【0057】
(4)実施形態1,4の構成において、第1開口24,324及び第2開口25,325の平面形状が異なっていてもよい。
【0058】
(5)実施形態1,4の構成において、第1開口24,324におけるX軸方向についての中央位置と、第2開口25,325におけるX軸方向についての中央位置と、が不一致であってもよい。
【0059】
(6)実施形態2,3の構成において、第1開口124,224の第1開口縁124A,224Aが、窄み部121B,221Bの第1縁部121B1,221B1とは並行するものの、配線123,223の第1配線部123A,223Aとは並行しない関係であってもよい。逆に、第1開口124,224の第1開口縁124A,224Aが、配線123,223の第1配線部123A,223Aとは並行するものの、窄み部121B,221Bの第1縁部121B1,221B1とは並行とは並行しない関係であってもよい。
【0060】
(7)第1開口24,124,224,324の平面形状は、台形以外であってもよく、例えば三角形、平行四辺形、菱形、楕円形、長円形等であってもよい。同様に、第2開口25,325の平面形状は、台形以外であってもよく、例えば三角形、平行四辺形、菱形、楕円形、長円形等であってもよい。
【0061】
(8)基板部21,121,221における配線23,123,223,323の具体的な引き回し経路は、図示以外にも適宜に変更可能である。また、基板部21,121,221における配線23,123,223,323の具体的な設置数は、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0062】
(9)基板部21,121,221におけるドライバ22,122の具体的な配置は、図示以外にも適宜に変更可能である。例えば、ドライバ22,122が、幅狭部21Cのうちの窄み部21B,121B,221B,321Bよりもプリント基板14に近い位置に配されてもよい。また、例えば、ドライバ22,122が、窄み部21B,121B,221B,321Bに配されてもよい。
【0063】
(10)展開状態の窄み部21B,121B,221B,321Bにおける第1開口24,124,224,324の具体的な各寸法は、上記以外にも適宜に変更可能である。同様に、実施形態1,4に記載した第2開口25,325の具体的な各寸法や第1開口24,324と第2開口25,325との間の間隔の具体的な寸法は、上記以外にも適宜に変更可能である。
【0064】
(11)液晶表示装置10を構成する液晶パネル11、バックライト装置12、板金13及びフレキシブル基板20等の具体的な厚さ寸法は、上記以外にも適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0065】
11…液晶パネル(表示パネル)、20…フレキシブル基板、21,121,221…基板部、21A,221A,321A…第1端部、21B,121B,221B,321B…窄み部、21B1,221B1,321B1…第1縁部、21F,221F,321F…主面、21R1,121R1…第1折り曲げ箇所(折り曲げ箇所)、21R2,121R2…第2折り曲げ箇所、22,122…ドライバ、23,123,223,323…配線、23A,123A,223A,323A…第1配線部、24,124,224,324…第1開口24A,124A,224A,324A、…第1開口縁、25,325…第2開口