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特開2024-29377ネスティング装置、加工スケジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029377
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ネスティング装置、加工スケジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 41/08 20060101AFI20240228BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240228BHJP
【FI】
B23Q41/08 A
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131598
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門谷 吾郎
【テーマコード(参考)】
3C042
5L049
【Fターム(参考)】
3C042RA29
3C042RH01
3C042RJ02
3C042RK05
3C042RL13
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】ネスティングの工数を低減することができるネスティング装置、加工スケ
ジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラム。
【解決手段】一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理とを実行可能に構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
を実行可能に構成されている
ネスティング装置。
【請求項2】
前記シートデータ特定処理で前記利用可能シートデータを特定出来なかった前記部品の新規シートデータを作成するシートデータ作成処理を実行可能に構成されており、
前記加工スケジュール情報作成処理は、前記新規シートデータに関する前記加工スケジュール情報を作成する
請求項1に記載のネスティング装置。
【請求項3】
前記シートデータ選択処理は、複数の前記利用可能シートデータを組み合わせて前記採用シートデータとして選択するよう構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項4】
前記シートデータ選択処理は、複数の前記利用可能シートデータの組み合わせが複数ある場合、前記利用可能シートデータの合計数が最も少ない組み合わせを前記採用シートデータとして選択するよう構成されている
請求項3に記載のネスティング装置。
【請求項5】
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、シートの歩留まりが高い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項6】
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、加工の歩留まりが高い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項7】
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、使用回数が多い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項8】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得工程と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得工程で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定工程と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択工程と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成工程と
を備える
加工スケジュール情報作成方法。
【請求項9】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
をネスティング装置に実行させる
加工スケジュール情報作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネスティング装置、加工スケジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製作指示によりネスティングして得られるシート加工データに基づく加工スケジュールを生成して、当該加工スケジュールを材料シート1枚ごとに管理する生産管理装置と、生産管理装置と通信ネットワークを介して相互接続され、当該生産管理装置から受信した加工スケジュールを実行する板金加工設備とを備えた板金加工システムがある(特許文献1等)。
【0003】
従来の板金加工システムにおいて、生産管理装置は、生産管理部と、工程スケジューラ(進捗管理)と、ダイナミックネスティング&CAM処理部と、ジョブコントローラとを備えている。工程スケジューラ(進捗管理)は、生産管理部による製作指示に基づいて、板金加工設備に実行させる加工スケジュールを生成し、それを管理する。ダイナミックネスティング&CAM処理部は、工程スケジューラ(進捗管理)による加工スケジュールの生成に際して、材料シートに部品データをネスティングする板取り処理及びその材料シートの加工データを生成するCAM処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2005/047998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の板金加工システムでは、加工機1台につき作業者1人がネスティングを担当し、ネスティングする製作指示の選択を手動で行っている場合が多い。そのため、加工機が多いとネスティング作業に拘束される作業者の数が多くなり、また、製作指示が増えるほど工数も増えてしまうという問題がある。
【0006】
さらに、過去のシートデータを再使用することで、新たにネスティングを行う製作指示の数を軽減することができるが、新たにネスティングを行うか、過去にネスティングしたシートデータを再使用するかについても作業者が判断するため、ネスティングに工数がかかってしまう。また、過去のシートデータを再使用するためには、過去のシートデータを管理する手間もかかるという問題がある。
【0007】
本発明の一態様は、ネスティングの工数を低減することができるネスティング装置、加工スケジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラムである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るネスティング装置は、一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理とを実行可能に構成されている。
【0009】
本発明の一態様に係る加工スケジュール情報作成方法は、一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得工程と、過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得工程で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定工程と、前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択工程と、選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成工程とを備える。
【0010】
本発明の一態様に係る加工スケジュール情報作成プログラムは、一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理とをネスティング装置に実行させる。
【0011】
本発明の一態様に係るネスティング装置、加工スケジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラムによれば、過去のシートデータ群の中から製作手配情報に含まれる部品の利用可能シートデータを特定し、加工スケジュール情報を作成するため、ネスティングの工数を低減できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係るネスティング装置、加工スケジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラムによれば、ネスティングの工数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態に係る製造支援システムを示す概略図である。
図2図2は、本実施形態のネスティング装置を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本実施形態の製作手配情報の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態の利用可能シートデータの一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態の製作手配情報の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の優先選択の一例を示す図である
図13図13は、本実施形態の製造支援方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
[本実施形態に係る製造支援システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る製造支援システムを示す概略図である。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る製造支援システム1を概説する。本実施形態に係る製造支援システム1は、1枚の定尺の金属板(以下、本実施形態においてシート)を任意の形状に切り出すブランク加工機70を管理する製造支援システムである。製造支援システム1は、概略的には、図1に示すように、設計支援部として機能するネスティング装置100を備える。また、製造支援システム1は、生産管理部として機能する生産管理装置10と、サーバ50と、ブランク加工機70とを備える。これらの装置は、相互に通信可能に接続されている。
【0016】
生産管理装置10は、デスクトップパソコン(desktop personal computer)やノートパソコン(laptop computer)、タブレット(tablet)端末等の電子計算機である。生産管理装置10は、受注情報、一又は複数の部品を含む製品情報、製品及び部品の製造工程情報及び各工程の進捗情報の管理と、製品の製作手配とを行う。また、生産管理装置10は、製品の製作手配を行う際に、その製品に関する製作手配情報12を作成する。生産管理装置10は、作成した製作手配情報12をサーバ50に保存する。
【0017】
製作手配情報12は、取引先、製品及び部品の情報、部品の加工プログラム等を含む。製品及び部品の情報は、例えば、製品名、部品名、製品及び部品の生産納期、製品及び部品の加工予定日、製品及び部品の製造工程情報、製品及び部品の数量、製品及び部品の製造番号、材料に関する情報等を含む。製品工程情報は、例えば、ブランク加工後の曲げ加工の工程や、バリ取り等を行う二次工程、溶接、ねじ止め、検査等の組み立て工程等の製品が完成するまでの工程を示す情報である。材料に関する情報は、例えば、材料の種類、板厚等である。
【0018】
さらに、生産管理装置10は、作成した製作手配情報12の製作手配書16を出力可能に構成されている。製作手配書16は、製作手配情報12の内容と、バーコードとを含む。ユーザは、例えば、ネスティング装置100等でバーコードを読み込むことで、製作手配書16に係る製作手配情報12を確認することができる。
【0019】
図2は、本実施形態のネスティング装置100を示す機能ブロック図である。
ネスティング装置100は、デスクトップパソコンやノートパソコン、タブレット端末等の電子計算機であり、図2に示すように、入力部110と、表示部120と、制御部130と、記憶部140とを含む。また、ネスティング装置100は、CAD(コンピュータ支援設計:computer-aided design)/CAM(コンピュータ支援製造:computer-aided manufacturing)ソフトを有する。
【0020】
入力部110は、例えば、キーボード(Keyboard)、マウス(Mouse)、タッチパッド(Touchpad)、ジョイスティック(Joystick)等の入力機器により構成されており、入力部110を操作することにより、ネスティング装置100において通常必要とされる情報入力の機能に加え、例えば、後述する採用シートデータUSの選択や後述する新規シートデータNSのネスティング等の操作をすることができる。このような構成を備えることにより、ネスティング装置100は、入力部110を介して手動により採用シートデータUSの選択や新規シートデータNSのネスティング等の操作ができる。
【0021】
表示部120は、表示装置としてのディスプレイ(Display)を有しており、ネスティング装置100において通常必要とされる画面表示の機能に加え、例えば、採用シートデータUSの選択画面やネスティング画面等を表示する。また、表示部120は、入力部110の機能を有するタッチパネル(Touch screen)で構成され得る。表示部120がタッチパネルで構成された場合は、ユーザは、例えば表示部120を操作することにより、採用シートデータUSの選択や新規シートデータNSのネスティング等の各種の情報をネスティング装置100に対して入力可能となる。
【0022】
なお、入力部110及び表示部120の構成は、上述した構成に限定されず、これら入力部110及び表示部120に代わり、同等の機能を有する構成であれば(例えば、遠隔から利用可能な表示手段や入力手段等)、これに限定されるものではない。
【0023】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)を有する統合型演算処理装置により構成される。制御部130は、図2に示すように、製作手配情報取得部131と、利用可能シートデータ特定部132と、採用シートデータ選択部133と、加工スケジュール情報作成部134と、ネスティング部135とを含む。
【0024】
製作手配情報取得部131は、生産管理装置10が作成した製作手配情報12を取得する製作手配情報取得処理を実行可能に構成されている。本実施形態において、製作手配情報取得部131は、サーバ50に保存された製作手配情報12を取得するが、これに限定されず、生産管理装置10から直接製作手配情報12を取得してもよい。また、製作手配情報取得部131は、生産管理装置10が製作手配情報12を作成するたびに都度製作手配情報12を取得してもよいし、複数の製作手配情報12をまとめて取得してもよい。なお、本実施形態において、製作手配情報取得部131は、自動的に製作手配情報12を取得するが、これに限定されない。ユーザがネスティング装置100に製作手配書16を読み込ませたり、入力部110を介して製作手配情報12を選択したりすることで、手動により製作手配情報取得部131に製作手配情報12を取得させることも可能である。
【0025】
利用可能シートデータ特定部132は、後述するシートデータリストLの中から製作手配情報取得部131が製作手配情報取得処理で取得した製作手配情報12に含まれる部品がネスティングされた利用可能シートデータASを特定するシートデータ特定処理を実行可能に構成されている。具体的には、利用可能シートデータ特定部132は、製作手配情報12に含まれる部品名や部品の数量等の部品の情報を基に、シートデータリストLから同一の部品を含む利用可能シートデータASを特定する。
【0026】
なお、利用可能シートデータ特定部132は、製作手配情報12内の全ての部品を含むシートデータを利用可能シートデータASとして特定するだけでなく、製作手配情報12内の一部の部品のみを含むシートデータも利用可能シートデータASとして特定する。
【0027】
採用シートデータ選択部133は、利用可能シートデータ特定部132がシートデータ特定処理で特定した利用可能シートデータASの中から加工に使用する採用シートデータUSを選択するシートデータ選択処理を実行可能に構成されている。
【0028】
なお、採用シートデータ選択部133は、利用可能シートデータASが1個の場合、その利用可能シートデータASを採用シートデータUSとして選択するため、シートデータ特定処理とシートデータ選択処理は一つの処理として実行され得る。
【0029】
図3は、本実施形態の製作手配情報の一例を示す図である。
シートデータ選択処理の一例として、図3に示す製作手配情報12のシートデータ選択処理について説明する。図3に示す製作手配情報12(製作手配情報A)は、製品PT00Aと、その部品である部品PT00X、部品PT00Y及び部品PT00Zを含む。1個の製品PT00Aは、5個の部品PT00Xと、3個の部品PT00Yと、2個の部品PT00Zで構成されており、製作手配されている製品PT00Aの数量は、5個である。したがって、製作手配情報Aは、25個の部品PT00Xと、15個の部品PT00Yと、10個の部品PT00Zが必要となる。
【0030】
図4は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
例えば、利用可能シートデータ特定部132が、図4に示すシートデータ1を利用可能シートデータASとして特定した場合、シートデータ1は、部品PT00X、部品PT00Y及びPT00Zを含むと共に、それぞれの部品の数量が製作手配情報Aと一致しているため、採用シートデータ選択部133は、シートデータ1を採用シートデータUSとして選択する。
【0031】
図5は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
なお、採用シートデータ選択部133は、製作手配情報12の部品を含む利用可能シートデータASであれば、部品の数量が製作手配情報12の数量より多い場合でも採用シートデータUSとして選択し得る。例えば、図5に示すシートデータ2は、25個の部品PT00Xと、20個の部品PT00Yと、12個の部品PT00Zとを含んでいる。シートデータ2は、部品PT00Xと部品PT00Yの数量が製作手配情報Aの数量よりも多いが、採用シートデータ選択部133は、シートデータ2を採用シートデータUSとして選択する。
【0032】
図6は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
また、採用シートデータ選択部133は、製作手配情報12の部品を含む利用可能シートデータASであれば、製作手配情報12で手配されていない部品を含む場合でも採用シートデータUSとして選択し得る。例えば、図6に示すシートデータ3は、5個の部品PT00Wと、20個の部品PT00Xと、15個の部品PT00Yと、10個の部品PT00Zとを含んでいる。シートデータ3は、製作手配情報Aにはない部品PT00Wを含んでいるが、採用シートデータ選択部133は、シートデータ3を採用シートデータUSとして選択する。
【0033】
図7は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
さらに、採用シートデータ選択部133は、複数の利用可能シートデータASを組み合わせて採用シートデータUSとして選択するよう構成されている。例えば、図7に示すシートデータ4は、15個の部品PT00Xと、15個の部品PT00Yとを含んでいる。また、シートデータ5は、10個の部品PT00Xと、10個の部品PT00Zとを含んでいる。利用可能シートデータ特定部132が、シートデータ4及びシートデータ5を利用可能シートデータASとして特定した場合、シートデータ4とシートデータ5を組み合わせることで、製作手配情報Aで手配されている各部品の数量を満たすため、採用シートデータ選択部133は、シートデータ4及びシートデータ5を組み合わせて採用シートデータUSとして選択する。
【0034】
図8は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
またさらに、採用シートデータ選択部133は、同一の利用可能シートデータASを複数回採用シートデータUSとして選択してもよい。例えば、図8に示すシートデータ6は、15個の部品PT00Xと、10個の部品PT00Yと、5個の部品PT00Zとを含んでいる。利用可能シートデータ特定部132がシートデータ6を利用可能シートデータASとして特定した場合、シートデータ6を2回選択することで、製作手配情報Aで手配されている各部品の数量を満たすため、採用シートデータ選択部133は、シートデータ6を2回採用シートデータUSとして選択する。
【0035】
図9は、本実施形態の利用可能シートデータの一例を示す図である。
なお、採用シートデータ選択部133は、複数の利用可能シートデータASを組み合わせて選択することと、同一の利用可能シートデータASを複数回選択することを組み合わせることも可能である。また、採用シートデータ選択部133は、利用可能シートデータASの組み合わせが複数ある場合、利用可能シートデータASの合計数が最も少ない組み合わせを採用シートデータUSとして選択するよう構成されている。例えば、図9に示すシートデータ7は、10個の部品PT00Xと、5個の部品PT00Yと、5個の部品PT00Zとを含んでいる。利用可能シートデータ特定部132がシートデータ7を利用可能シートデータASとして特定した場合、シートデータ7を3回選択することで、製作手配情報Aで手配されている各部品の数量を満たすことも可能である。しかし、シートデータの合計数が3枚となるため、採用シートデータ選択部133は、シートデータ4~6も利用可能シートデータASとして特定されていた場合、シートデータの合計数が2枚となるシートデータ4及びシートデータ5の組み合わせ、又はシートデータ6の2回選択のいずれかを選択する。なお、シートデータの合計枚数が同じ場合の組み合わせの選択は、後述する選択の優先順位の設定に基づいて決められてもよいし、別の優先順位設定で決められてもよい。
【0036】
図10は、本実施形態の製作手配情報の一例を示す図である。
さらに、利用可能シートデータ特定部132及び採用シートデータ選択部133は、複数の製作手配情報12を一纏めにして利用可能シートデータASを特定すると共に、利用可能シートデータASから採用シートデータUSを選択してもよい。例えば、製作手配情報Aの他に、製作手配情報取得部131が図10に示す製作手配情報Bを取得したとする。製作手配情報Bは、製品PT00Bと、その部品である部品PT00W、部品PT00X及び部品PT00Yを含む。1個の製品PT00Bは、1個の部品PT00Wと、2個の部品PT00Xと、3個の部品PT00Yで構成されており、製作手配されている製品PT00Bの数量は、5個である。したがって、製作手配情報Bは、5個の部品PT00Wと、10個の部品PT00Xと、15個の部品PT00Yが必要となる。
【0037】
図11は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の一例を示す図である。
この場合、製作手配情報Aと製作手配情報Bを合わせると、各部品の手配数量は、部品PT00Wが5個、部品PT00Xが35個、部品PT00Yが30個、部品PT00Zが10個となる。この場合、採用シートデータ選択部133は、手配数量とシートデータに含まれる各部品の数量が一致するため、製作手配情報A及び製作手配情報Bの採用シートデータUSとしてシートデータ3及びシートデータ4を組み合わせて選択する。
【0038】
本実施形態に係る採用シートデータ選択部133は、利用可能シートデータASが複数ある場合に選択の優先順位を設定することができる。例えば、シートの歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に採用シートデータUSとして選択可能に構成されている。本実施形態において、「シートの歩留まりが高い」とは、ネスティングされている部品の数量が多く、シートを実際に加工した際に端材となる部分が少ないことを意味する。
【0039】
図12は、本実施形態の採用シートデータ選択処理の優先選択の一例を示す図である。
例えば、図12に示すように、製作手配情報Aの利用可能シートデータASとしてシートデータ8とシートデータ9が特定されたとする。シートデータ8のシート歩留まり率は、85%であり、シートデータ9のシート歩留まり率は、90%である。このような状況下において、採用シートデータ選択部133は、シートの歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に採用シートデータUSとして選択する条件の場合には、シートの歩留まりが高いシートデータ9を採用シートデータUSとして選択する。
【0040】
また、採用シートデータ選択部133は、加工の歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に採用シートデータUSとして選択可能に構成されてもよい。本実施形態において、「加工の歩留まりが高い」とは、実際に得られた製品生産数の良品数が多く不良率が低いことを意味するだけでなく、例えば、部品を搬送するロボットの吸着ミス等が少なく、一連のブランク工程の途中で加工が止まる可能性が低いことも含む。
【0041】
例えば、図12に示すように、製作手配情報Aの利用可能シートデータASとしてシートデータ8とシートデータ9が特定されたとする。シートデータ8の加工歩留まり率は、96%であり、シートデータ9の加工歩留まり率は91%である。このような状況下において、採用シートデータ選択部133は、加工の歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に採用シートデータUSとして選択する条件の場合には、加工の歩留まりが高いシートデータ8を採用シートデータUSとして選択する。
【0042】
さらに、採用シートデータ選択部133は、使用回数が多い利用可能シートデータASを優先的に採用シートデータUSとして選択可能に構成されてもよい。例えば、図12に示すように、製作手配情報Aの利用可能シートデータASとしてシートデータ8とシートデータ9が特定されたとする。シートデータ8の使用回数は、1回であり、シートデータ9の使用回数は3回である。このような状況下において、採用シートデータ選択部133は、使用回数が多い利用可能シートデータASを優先的に採用シートデータUSとして選択する条件の場合には、シートデータの使用回数が多いシートデータ9を採用シートデータUSとして選択する。
【0043】
例えば、上述したシートの歩留まり、加工の歩留まり、シートの使用回数等の情報は、ブランク加工機70から生産管理装置10に引き渡される後述する加工実績から取得可能であり、シートデータリストLと加工実績が紐づけられていることが好ましい。
【0044】
なお、採用シートデータ選択部133による選択の優先順位設定は、上述したものに限定されず、種々の項目で優先順位を設定可能である。例えば、シートの在庫状況を加味して優先順位を設定してもよい。採用シートデータ選択部133は、在庫が多いシートを加工する利用可能シートデータASを優先的に採用シートデータUSとして選択する。また、優先順位設定は、いずれかの項目のみで優先順位を設定するだけでなく、複数の項目を組み合わせて複合的に優先順位を設定することも可能である。
【0045】
加工スケジュール情報作成部134は、採用シートデータ選択部133が選択した採用シートデータUSに関する加工スケジュール情報Iを作成する加工スケジュール情報作成処理を実行可能に構成されている。また、加工スケジュール情報作成部134は、後述する新規シートデータNSに関する加工スケジュール情報Iを作成するよう構成されている。加工スケジュール情報作成部134は、作成した加工スケジュール情報Iをサーバ50に保存する。
【0046】
加工スケジュール情報Iは、加工スケジュール情報Iのスケジュール作成日、スケジュール名、加工予定日、予定加工機、シート名、シートに含まれる部品一覧及び部品の情報等を含む。本実施形態において、加工スケジュール情報Iは、複数のシートデータに関する加工スケジュール情報をまとめたものと、単一のシートデータに関する加工スケジュール情報との双方を含む概念でもよいし、いずれか一方でもよい。
【0047】
また、ネスティング装置100は、作成した加工スケジュール情報Iのスケジュール指示書36を出力可能に構成されている。スケジュール指示書36は、加工スケジュール情報Iの内容と、バーコードとを含む。ユーザは、例えば、ブランク加工機70でバーコードを読み込むことで、スケジュール指示書36に係る加工スケジュール情報Iを確認し、NC制御プログラムを読み込むことができる。また、スケジュール指示書36は、複数のプログラム指示書38を有する。プログラム指示書38は、スケジュール作成日、シート名、シートデータ、シートに含まれる部品一覧、部品の数量、及び加工予定日等を含む。
【0048】
ネスティング部135は、生産管理装置10から出力された製作手配情報12を基に製作手配情報12に含まれる同じ板厚の部品を選択してその部品の加工プログラムを隙間なく配置するネスティングを行う。ネスティング部135は、利用可能シートデータ特定部132がシートデータ特定処理で利用可能シートデータASを特定出来なかった部品の新規シートデータNSを作成するシートデータ作成処理を実行可能に構成されている。
【0049】
記憶部140は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有すると共に、様々なデータを読み書き可能に記憶する。記憶部140は、図2に示すように、加工スケジュール情報作成プログラム142を格納する。また、記憶部140は、ネスティング装置100の各部の制御に必要なプログラムを格納する。
【0050】
加工スケジュール情報作成プログラム142は、製作手配情報12を取得する製作手配情報取得処理と、シートデータリストLの中から製作手配情報取得処理で取得した製作手配情報12に含まれる部品がネスティングされた利用可能シートデータASを特定するシートデータ特定処理と、利用可能シートデータASの中から加工に使用する採用シートデータUSを選択するシートデータ選択処理と、選択した採用シートデータUSに関する加工スケジュール情報Iを作成する加工スケジュール情報作成処理とをネスティング装置100に実行させる。
【0051】
サーバ50は、HDD、SSD等の記憶媒体を有し、生産技術管理データベースと、過去のシートデータ群として機能するデータベース化されたシートデータリストLとを格納する。生産技術管理データベースは、生産管理装置10で作成された製作手配情報12と、ネスティング装置100で作成された加工スケジュール情報Iとを含む。生産技術管理データベースに保存されたデータは生産管理装置10、ネスティング装置100及びブランク加工機70から参照される。サーバ50は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0052】
ブランク加工機70は、NC制御によってシートを加工する装置、例えば、レーザ加工機、タレットパンチプレス(turret punch press)、プラズマ加工機、ウォータージェット加工機等である。ブランク加工機70は、生産管理装置10、サーバ50、及びネスティング装置100と通信可能に構成されている。
【0053】
ブランク加工機70は、サーバ50の生産技術管理データベースに格納された加工スケジュール情報Iのシートデータを読み込むことでブランク加工を行う。また、ブランク加工機70は、ブランク加工開始時、ブランク加工中断時、及びブランク加工完了時に加工実績を生産管理装置10に送信する。加工実績は、シート毎の加工開始時、加工中断時、及び加工完了時のそれぞれに対応する時刻等の情報を含む。
【0054】
[本実施形態に係る加工スケジュール情報作成方法]
次に、本実施形態に係るネスティング装置100による加工スケジュール情報作成方法について説明する。本実施形態に係る加工スケジュール情報作成方法は、概略的には、製作手配情報12を取得する製作手配情報取得工程と、シートデータリストLの中から製作手配情報取得工程で取得した製作手配情報12に含まれる部品がネスティングされた利用可能シートデータASを特定するシートデータ特定工程と、利用可能シートデータASの中から加工に使用する採用シートデータUSを選択するシートデータ選択工程と、選択した採用シートデータUSに関する加工スケジュール情報Iを作成する加工スケジュール情報作成工程とを備える。
【0055】
また、加工スケジュール情報作成方法は、シートデータ特定工程で利用可能シートデータASを特定出来なかった部品の新規シートデータNSを作成するシートデータ作成工程を備える。加工スケジュール情報作成工程は、新規シートデータNSに関する加工スケジュール情報Iを作成する。さらに、加工スケジュール情報作成方法は、シートデータ作成工程で作成した新規シートデータNSのシートの歩留まりが所定の値以上であるか否かを判定する歩留まり判定工程を備える。
【0056】
図13は、本実施形態の製造支援方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る加工スケジュール情報作成方法を含む製造支援方法について図13を参照して詳述する。まず、生産管理装置10は、製作手配情報12を作成する(図13のS1)。生産管理装置10は、作成した製作手配情報12をサーバ50の生産技術管理データベースに保存する。また、生産管理装置10は、作成した製作手配情報12の製作手配書16を出力する。その後、生産管理装置10は、製作手配書16をネスティング装置100に引き渡す。
【0057】
ネスティング装置100の制御部130の製作手配情報取得部131は、製作手配書16の製作手配情報12をサーバ50の生産技術管理データベースから取得する(図13のS10:製作手配情報取得工程)。そして、ネスティング装置100の制御部130の利用可能シートデータ特定部132は、サーバ50のシートデータリストLの中から製作手配情報取得部131が取得した製作手配情報12に含まれる部品がネスティングされた利用可能シートデータASを特定する(図13のS11:シートデータ特定工程)。
【0058】
次に、ネスティング装置100の制御部130の採用シートデータ選択部133は、制御部130の利用可能シートデータ特定部132が特定した利用可能シートデータASの中から加工に使用する採用シートデータUSを選択する(図13のS12:シートデータ選択工程)。制御部130の製作手配情報取得部131が取得した製作手配情報12に含まれる部品の中に制御部130の利用可能シートデータ特定部132が利用可能シートデータASを特定できない部品があった場合(図13のS13にてYES)、シートデータ選択工程後、若しくはそれと同時に、制御部130のネスティング部135は、その部品をネスティングして新規シートデータNSを作成する(図13のS14:シートデータ作成工程)。
【0059】
ネスティング装置100の制御部130のネスティング部135作成した新規シートデータNSの歩留まりが所定の値以上出なかった場合(図13のS15にてNO:歩留まり判定工程)、再ネスティング指示が出される(図13のS16)。再ネスティングは、ネスティング部135が自動で行ってもよいし、作業者がネスティング装置100の入力部110を介して手動で行ってもよい。
【0060】
その後、ネスティング装置100の制御部130の加工スケジュール情報作成部134は、採用シートデータUSと新規シートデータNSの加工スケジュール情報Iを作成する(図13のS17:加工スケジュール情報作成工程)。一方、製作手配情報取得部131が取得した製作手配情報12に含まれる部品の中に制御部130の利用可能シートデータ特定部132が利用可能シートデータASを特定できない部品がなかった場合(図13のS13にてNO)、加工スケジュール情報作成部134は、採用シートデータUSの加工スケジュール情報Iのみを作成する。
【0061】
ネスティング装置100の制御部130の加工スケジュール情報作成部134は、作成した加工スケジュール情報Iをサーバ50の生産技術管理データベースに保存する。そして、加工スケジュール情報作成部134は、作成した加工スケジュール情報Iのスケジュール指示書36を出力する。なお、新規シートデータNSは、新たにサーバ50のシートデータリストLに登録される。
【0062】
加工スケジュール情報Iの作成後、ブランク加工機70は、加工スケジュール情報Iをサーバ50の生産技術管理データベースから呼び出してブランク加工を行う(図13のS20)。また、ブランク加工機70は、ブランク加工開始時、ブランク加工中断時、及びブランク加工完了時に加工実績を生産管理装置10に渡す(図13のS21)。生産管理装置10は、ブランク加工機70から渡された加工実績を保存する。以上の工程により、本実施形態に係る製造支援システム1による一連の製造支援方法が実行される。
【0063】
[本実施形態に係るネスティング装置、加工スケジュール情報作成方法、及び加工スケジュール情報作成プログラムの利点]
以上説明したように、本実施形態に係るネスティング装置100は、一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報12を取得する製作手配情報取得処理と、過去のシートデータ群(シートデータリストL)の中から製作手配情報取得処理で取得した製作手配情報12に含まれる部品がネスティングされた利用可能シートデータASを特定するシートデータ特定処理と、利用可能シートデータASの中から加工に使用する採用シートデータUSを選択するシートデータ選択処理と、選択した採用シートデータUSに関する加工スケジュール情報Iを作成する加工スケジュール情報作成処理とを実行可能に構成されている。
【0064】
そして、本実施形態に係るネスティング装置100は、このような構成を備えることにより、製作手配情報12から自動的に過去のシートデータを再使用して加工スケジュール情報Iを作成できるため、ネスティングの工数を低減できるという利点を有している。
【0065】
また、本実施形態に係るネスティング装置100は、シートデータ特定処理で利用可能シートデータASを特定出来なかった部品の新規シートデータNSを作成するシートデータ作成処理を実行可能に構成されており、加工スケジュール情報作成処理は、新規シートデータNSに関する加工スケジュール情報Iを作成する。このような構成を備えることにより、利用可能シートデータASが見つからない場合でも自動でネスティングをして加工スケジュール情報Iを作成できるため、ネスティングの工数を更に低減できるという利点を有している。
【0066】
さらに、本実施形態に係るネスティング装置100において、シートデータ選択処理は、複数の利用可能シートデータASを組み合わせて採用シートデータUSとして選択するよう構成されている。このような構成を備えることにより、1枚の利用可能シートデータASでは製作手配情報12に含まれる全ての部品や、各部品の数量を満たさない場合であっても自動的に過去のシートデータを再使用して加工スケジュール情報Iを作成できるため、ネスティングの工数をより低減できるという利点を有している。
【0067】
またさらに、本実施形態に係るネスティング装置100において、シートデータ選択処理は、複数の利用可能シートデータASの組み合わせが複数ある場合、利用可能シートデータASの合計数が最も少ない組み合わせを採用シートデータUSとして選択するよう構成されている。このような構成を備えることにより、進捗を管理する採用シートデータUS、ひいては加工スケジュール情報Iの数が少なくなり、進捗管理の負担を軽減することができるという利点を有している。また、加工に使用するシート(材料)の数が少なくなり、製品の製造コストを抑えることができるという利点を有している。
【0068】
また、本実施形態に係るネスティング装置100において、シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、シートの歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に選択可能に構成されている。このような構成を備えることにより、ブランク加工で発生するシートの端材を少なくすることができ、材料の無駄を抑えられるという利点を有している。
【0069】
さらに、本実施形態に係るネスティング装置100において、シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、加工の歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に選択可能に構成されている。このような構成を備えることにより、自動的に製品ロスが少ない利用可能シートデータASを選択することができるという利点を有している。
【0070】
またさらに、本実施形態に係るネスティング装置100において、シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、使用回数が多い利用可能シートデータASを優先的に選択可能に構成されている。このような構成を備えることにより、実績のある利用可能シートデータASが採用シートデータUSとして積極的に使用されるため、製造トラブルを低減できるという利点を有している。
【0071】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0072】
例えば、上述した実施形態において、ネスティング装置100は、シートデータ特定処理で利用可能シートデータASを特定出来なかった部品の新規シートデータNSを作成するシートデータ作成処理を実行可能に構成されており、加工スケジュール情報作成処理は、新規シートデータNSに関する加工スケジュール情報Iを作成するものとして説明が、これに限定されない。ネスティング装置100は、シートデータ特定処理で利用可能シートデータASを特定出来なかった部品の新規シートデータNSを作成するシートデータ作成処理を実行せず、代わりに作業者が手動で利用可能シートデータASを特定出来なかった部品をネスティングし、新規シートデータNSを作成してもよい。
【0073】
上述した実施形態において、シートデータ選択処理は、複数の利用可能シートデータASを組み合わせて採用シートデータUSとして選択するよう構成されているものとして説明したが、これに限定されない。シートデータ選択処理は、単一の利用可能シートデータASのみを採用シートデータUSとして選択するよう構成されてもよい。
【0074】
上述した実施形態において、シートデータ選択処理は、複数の利用可能シートデータASの組み合わせが複数ある場合、利用可能シートデータASの合計数が最も少ない組み合わせを採用シートデータUSとして選択するよう構成されているものとして説明したが、これに限定されない。シートデータ選択処理は、複数の利用可能シートデータASの組み合わせが複数ある場合、利用可能シートデータASの合計数が最も少ない組み合わせを採用シートデータUSとして選択しなくてもよい。
【0075】
上述した実施形態において、シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、シートの歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に選択可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、シートの歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に選択できなくてもよい。
【0076】
上述した実施形態において、シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、加工の歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に選択可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、加工の歩留まりが高い利用可能シートデータASを優先的に選択できなくてもよい。
【0077】
上述した実施形態において、シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、使用回数が多い利用可能シートデータASを優先的に選択可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。シートデータ選択処理は、利用可能シートデータASが複数ある場合、使用回数が多い利用可能シートデータASを優先的に選択できなくてもよい。
【0078】
上述した実施形態において、製造支援システム1は、ネスティング装置100と、生産管理装置10と、サーバ50と、ブランク加工機70とを備えるものとして説明したが、これに限定されず、上述の装置の一部又は全部が一体となって構成されてもよい。
【0079】
上述した実施形態において、過去のシートデータ群は、データベース化されたシートデータリストLであるものとして説明したが、これに限定されず、過去のシートデータ群は、データベースのように体系的に纏められたものでなくてもよい。例えば、過去のシートデータが乱雑に格納されていてもよい。
【0080】
上述した実施形態において、製造支援システム1は、サーバ50を備え、サーバ50内に生産技術管理データベースが格納されているものとして説明したが、これに限定されない。製造支援システム1は、サーバ50を備えず、生産管理装置10及びネスティング装置100で作成されたデータは、各装置に保存されてもよい。また、シートデータリストLは、ネスティング装置100の記憶部140に格納されてもよい。さらに、生産管理装置10及びネスティング装置100は、サーバ50を介さずに直接作成したデータのやり取りをしてもよい。
【0081】
上述した実施形態において、ブランク加工機70は、生産管理装置10、ネスティング装置100、及びサーバ50と通信可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、ブランク加工機70は、生産管理装置10、ネスティング装置100、及びサーバ50と通信できなくてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 製造支援システム
10 生産管理装置
12 製作手配情報
16 製作手配書
36 スケジュール指示書
38 プログラム指示書
50 サーバ
70 ブランク加工機
100 ネスティング装置
110 入力部
120 表示部
130 制御部
131 製作手配情報取得部
132 利用可能シートデータ特定部
133 採用シートデータ選択部
134 加工スケジュール情報作成部
135 ネスティング部
140 記憶部
142 加工スケジュール情報作成プログラム
AS 利用可能シートデータ
I 加工スケジュール情報
L シートデータリスト
NS 新規シートデータ
US 採用シートデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
を実行可能に構成されている
ネスティング装置。
【請求項2】
前記シートデータ特定処理で前記利用可能シートデータを特定出来なかった前記部品の新規シートデータを作成するシートデータ作成処理を実行可能に構成されており、
前記加工スケジュール情報作成処理は、前記新規シートデータに関する前記加工スケジュール情報を作成する
請求項1に記載のネスティング装置。
【請求項3】
前記シートデータ選択処理は、複数の前記利用可能シートデータを組み合わせて前記採用シートデータとして選択するよう構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項4】
前記シートデータ選択処理は、複数の前記利用可能シートデータの組み合わせが複数ある場合、前記利用可能シートデータの合計数が最も少ない組み合わせを前記採用シートデータとして選択するよう構成されている
請求項3に記載のネスティング装置。
【請求項5】
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、シートの歩留まりが高い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項6】
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、加工の歩留まりが高い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項7】
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、使用回数が多い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
請求項1又は2に記載のネスティング装置。
【請求項8】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得工程と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得工程で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定工程と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択工程と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成工程と
を備える
加工スケジュール情報作成方法。
【請求項9】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
をネスティング装置に実行させる
加工スケジュール情報作成プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から、少なくとも部品名又は部品数量の情報を基に、前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
を実行可能に構成されている
ネスティング装置。
【請求項2】
前記シートデータ特定処理で前記利用可能シートデータを特定出来なかった前記部品の新規シートデータを作成するシートデータ作成処理を実行可能に構成されており、
前記加工スケジュール情報作成処理は、前記新規シートデータに関する前記加工スケジュール情報を作成する
請求項1に記載のネスティング装置。
【請求項3】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
を実行可能に構成されており、
前記シートデータ選択処理は、複数の前記利用可能シートデータを組み合わせて前記採用シートデータとして選択するよう構成されている
スティング装置。
【請求項4】
前記シートデータ選択処理は、複数の前記利用可能シートデータの組み合わせが複数ある場合、前記利用可能シートデータの合計数が最も少ない組み合わせを前記採用シートデータとして選択するよう構成されている
請求項3に記載のネスティング装置。
【請求項5】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
を実行可能に構成されており、
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、シートの歩留まりが高い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
スティング装置。
【請求項6】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
を実行可能に構成されており、
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、加工の歩留まりが高い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
スティング装置。
【請求項7】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
を実行可能に構成されており、
前記シートデータ選択処理は、前記利用可能シートデータが複数ある場合、使用回数が多い前記利用可能シートデータを優先的に選択可能に構成されている
スティング装置。
【請求項8】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得工程と、
過去のシートデータ群の中から、少なくとも部品名又は部品数量の情報を基に、前記製作手配情報取得工程で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定工程と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択工程と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成工程と
を備える
加工スケジュール情報作成方法。
【請求項9】
一又は複数の部品を含む製品に関する製作手配情報を取得する製作手配情報取得処理と、
過去のシートデータ群の中から、少なくとも部品名又は部品数量の情報を基に、前記製作手配情報取得処理で取得した前記製作手配情報に含まれる前記部品の一部又は全部がネスティングされた利用可能シートデータを特定するシートデータ特定処理と、
前記利用可能シートデータの中から加工に使用する採用シートデータを選択するシートデータ選択処理と、
選択した前記採用シートデータに関する加工スケジュール情報を作成する加工スケジュール情報作成処理と
をネスティング装置に実行させる
加工スケジュール情報作成プログラム。