(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029378
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 33/18 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
H02K33/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131600
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木内 博之
(72)【発明者】
【氏名】河田 周作
【テーマコード(参考)】
5H633
【Fターム(参考)】
5H633BB07
5H633GG02
5H633GG09
5H633HH02
5H633HH13
5H633HH20
(57)【要約】
【課題】非通電時にプランジャの停止位置を保持する。
【解決手段】アクチュエータ10は、第1端部31aおよび第2端部32aを備えるケース33と、ケース33の内側に往復動可能に設けられるプランジャ13と、ケース33の内側に設けられるコイルユニット36と、ケース33の内側に設けられる第1磁石ユニット37と、ケース33の内側に設けられる第2磁石ユニット38と、を有する。第1磁石ユニット37は、コイルユニット36と第1端部31aとの間に位置する第1永久磁石51と、コイルユニット36と第1永久磁石51との間に位置する第2永久磁石52と、を備える。第2磁石ユニット38は、コイルユニット36と第2端部32aとの間に位置する第3永久磁石53と、コイルユニット36と第3永久磁石53との間に位置する第4永久磁石54と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部および第2端部を備えるケースと、
前記ケースの内側に往復動可能に設けられ、本体部と、前記本体部よりも磁気吸引力の強い第1吸引部および第2吸引部と、を備えるプランジャと、
前記ケースの内側に設けられ、前記プランジャの径方向外側に位置するコイルユニットと、
前記ケースの内側に設けられ、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置し、かつ前記プランジャの径方向外側に位置する第1磁石ユニットと、
前記ケースの内側に設けられ、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置し、かつ前記プランジャの径方向外側に位置する第2磁石ユニットと、
を有し、
前記第1磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置する第1永久磁石と、前記コイルユニットと前記第1永久磁石との間に位置する第2永久磁石と、を備え、
前記第2磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置する第3永久磁石と、前記コイルユニットと前記第3永久磁石との間に位置する第4永久磁石と、を備え、
前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、
前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、
前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されている、
アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1吸引部は、前記プランジャの径方向外側に突出する第1突起部であり、
前記第2吸引部は、前記プランジャの径方向外側に突出する第2突起部である、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1吸引部と前記第2吸引部とのピッチと、前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とのピッチと、前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とのピッチとは、互いに同一である、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記コイルユニットの通電によって前記プランジャに第1磁極を発生させると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて第1位置に移動し、
前記プランジャが前記第1位置に移動した後に、前記コイルユニットの通電によって前記プランジャに前記第1磁極とは逆極性の第2磁極を発生させると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて第2位置に移動する、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記プランジャが前記第1位置に移動した状態のもとで、前記コイルユニットの通電遮断によって前記プランジャの前記第1磁極が解消されると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて前記第1位置を保持し、
前記プランジャが前記第2位置に移動した状態のもとで、前記コイルユニットの通電遮断によって前記プランジャの前記第2磁極が解消されると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて前記第2位置を保持する、
請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置する第1永久磁石と、前記コイルユニットと前記第1永久磁石との間に位置する第2永久磁石と、前記コイルユニットと前記第2永久磁石との間に位置する第5永久磁石と、を備え、
前記第2磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置する第3永久磁石と、前記コイルユニットと前記第3永久磁石との間に位置する第4永久磁石と、前記第2端部と前記第3永久磁石との間に位置する第6永久磁石と、を備え、
前記第2永久磁石と前記第5永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、
前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されている、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第1吸引部と前記第2吸引部とのピッチと、前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とのピッチと、前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とのピッチと、前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とのピッチとは、互いに同一である、
請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記コイルユニットは、互いに隣接する第1コイルおよび第2コイルを備える、
請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記第1コイルに通電して前記プランジャに第1磁極を発生させると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて第1位置に移動し、
前記プランジャが前記第1位置に移動した後に、前記第1コイルおよび前記第2コイルの双方に通電して前記プランジャに前記第1磁極とは逆極性の第2磁極を発生させると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて第2位置に移動し、
前記プランジャが前記第2位置に移動した後に、前記第2コイルに通電して前記プランジャに前記第1磁極を発生させると、前記プランジャは前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とに吸引されて第3位置に移動する、
請求項8に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記プランジャが前記第1位置に移動した状態のもとで、前記第1コイルの通電遮断によって前記プランジャの前記第1磁極が解消されると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて前記第1位置を保持し、
前記プランジャが前記第2位置に移動した状態のもとで、前記第1コイルおよび前記第2コイルの通電遮断によって前記プランジャの前記第2磁極が解消されると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて前記第2位置を保持し、
前記プランジャが前記第3位置に移動した状態のもとで、前記第2コイルの通電遮断によって前記プランジャの前記第1磁極が解消されると、前記プランジャは前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とに吸引されて前記第3位置を保持する、
請求項9に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランジャを備えるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータとして、永久磁石を備えた可動子、およびコイルを備えたヨークからなるリニアアクチュエータが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されるアクチュエータにおいては、コイルに対する通電が遮断されると、可動子が所定の停止位置に戻される構造となっている。しかしながら、アクチュエータの使用状況によっては、コイルに対する通電が遮断される非通電時においても、可動子であるプランジャの停止位置を保持することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、非通電時にプランジャの停止位置を保持することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態のアクチュエータは、第1端部および第2端部を備えるケースと、前記ケースの内側に往復動可能に設けられ、本体部と、前記本体部よりも磁気吸引力の強い第1吸引部および第2吸引部と、を備えるプランジャと、前記ケースの内側に設けられ、前記プランジャの径方向外側に位置するコイルユニットと、前記ケースの内側に設けられ、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置し、かつ前記プランジャの径方向外側に位置する第1磁石ユニットと、前記ケースの内側に設けられ、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置し、かつ前記プランジャの径方向外側に位置する第2磁石ユニットと、を有し、前記第1磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置する第1永久磁石と、前記コイルユニットと前記第1永久磁石との間に位置する第2永久磁石と、を備え、前記第2磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置する第3永久磁石と、前記コイルユニットと前記第3永久磁石との間に位置する第4永久磁石と、を備え、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、コイルユニットの非通電時にプランジャの停止位置を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態であるアクチュエータが組み込まれた電磁バルブを示す断面図である。
【
図2】アクチュエータが組み込まれた電磁バルブの分解状態を示す断面図である。
【
図3】プランジャが連通位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図4】プランジャが遮断位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図5】プランジャが連通位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図6】プランジャが連通位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図7】プランジャが遮断位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図8】プランジャが遮断位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態であるアクチュエータが組み込まれた電磁バルブを示す断面図である。
【
図10】アクチュエータが組み込まれた電磁バルブの分解状態を示す断面図である。
【
図11】プランジャが連通位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図12】プランジャが遮断位置Aに移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図13】プランジャが連通位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図14】プランジャが連通位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図15】コイルユニットの通電状態毎にプランジャの移動状態を示す図である。
【
図16】プランジャが遮断位置Aに移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図17】プランジャが遮断位置Aに移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図18】プランジャが連通位置に移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図19】プランジャが遮断位置Bに移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【
図20】プランジャが遮断位置Bに移動した状態の電磁バルブを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一または実質的に同一の構成や要素については、同一の符号を付して繰り返しの説明を省略する。
【0010】
<実施形態1>
[全体構造]
図1は、本発明の一実施形態であるアクチュエータ10が組み込まれた電磁バルブ11を示す断面図である。
図2は、アクチュエータ10が組み込まれた電磁バルブ11の分解状態を示す断面図である。なお、図示する例では、電磁バルブ11に対してアクチュエータ10を組み込んでいるが、これに限られることはなく、他の装置に動力源としてアクチュエータ10を組み込んでも良い。
図1および
図2に示すように、電磁バルブ11は、ケース組立体12およびこれに収容されるプランジャ13からなるアクチュエータ10と、ケース組立体12の端部に設けられる弁座ユニット14と、を有している。また、アクチュエータ10の可動子であるプランジャ13は、ケース組立体12に対して往復動可能に設けられている。
【0011】
[プランジャ]
図2に示すように、アクチュエータ10のプランジャ13は、互いに組み付けられる一対のベーススリーブ20,21と、ベーススリーブ20,21の外周部に取り付けられる樹脂スリーブ22と、ベーススリーブ20の端部に取り付けられる筒状の弁体部材23と、を有している。ベーススリーブ20,21には径方向外側に突出する環状のフランジ20a,21aが形成されており、一対のフランジ20a,21aによって樹脂スリーブ22が挟まれている。また、フランジ20a,21aの外径と、樹脂スリーブ22の外径とは、互いにほぼ同一である。さらに、プランジャ13には、軸方向に貫通するとともに流路として機能する貫通孔24が形成されている。なお、プランジャ13の弁体部材23には、ゴム製のOリング25が取り付けられている。
【0012】
前述したように、プランジャ13は、ベーススリーブ20,21、樹脂スリーブ22および弁体部材23によって構成されている。ベーススリーブ20,21は鉄等の磁性材料を用いて形成されており、樹脂スリーブ22は合成樹脂等の非磁性材料を用いて形成されており、弁体部材23は非磁性鋼等の非磁性材料を用いて形成されている。つまり、プランジャ13は、磁性体であるベーススリーブ20,21によって構成されるとともに、非磁性体である樹脂スリーブ22および弁体部材23によって構成されている。また、プランジャ13の外周面13aには、樹脂スリーブ22および弁体部材23が露出するだけでなく、ベーススリーブ20,21のフランジ20a,21aが露出している。
【0013】
すなわち、プランジャ13には、外周面13aに非磁性体の樹脂スリーブ22が露出する本体部26と、外周面13aに磁性体のフランジ20aが露出する第1吸引部(第1突起部)27と、外周面13aに磁性体のフランジ21aが露出する第2吸引部(第2突起部)28と、が設けられている。このようなプランジャ13において、磁性体からなる第1吸引部27および第2吸引部28の磁気吸引力は、非磁性体からなる本体部26の磁気吸引力よりも強くなっている。また、磁性体からなる第1吸引部27および第2吸引部28の磁気反発力は、非磁性体からなる本体部26の磁気反発力よりも強くなっている。なお、磁性材料とは、磁性を示し易い材料つまり磁化され易い材料であり、非磁性材料とは、磁性を示し難い材料つまり磁化され難い材料である。
【0014】
[ケース組立体]
図2に示すように、アクチュエータ10のケース組立体12は、外装スリーブ30および磁石保持部材31,32からなるケース33を有している。つまり、ケース33は、外装スリーブ30と、外装スリーブ30の内側に取り付けられる磁石保持部材31と、外装スリーブ30の内側に取り付けられる磁石保持部材32と、を有している。また、磁石保持部材31の端部31aはケース33の第1端部31aとなっており、磁石保持部材32の端部32aはケース33の第2端部32aとなっている。また、磁石保持部材31には、プランジャ13の弁体部材23を摺動可能に支持する摺動孔34が形成されており、磁石保持部材32には、流路として機能する貫通孔35が形成されている。さらに、ケース組立体12は、前述したケース33の他に、磁石保持部材32の内側に設けられるコイルユニット36と、磁石保持部材31の内側に設けられる第1磁石ユニット37と、磁石保持部材32の内側に設けられる第2磁石ユニット38と、を有している。
【0015】
コイルユニット36は、環状のボビン40と、ボビン40に巻き付けられるコイル41と、を有している。なお、コイル41の引き出し線42a,42bには、コイルユニット36の通電状態を制御するため、マイクロコントローラおよび駆動回路等を備えた制御ユニット43が接続されている。また、第1磁石ユニット37は、環状のマグネット(第1永久磁石)51と、マグネット51よりもコイルユニット36側に位置する環状のマグネット(第2永久磁石)52と、マグネット51,52間に配置されるスペーサ55と、を有している。つまり、第1磁石ユニット37は、コイルユニット36と第1端部31aとの間に位置するマグネット51と、コイルユニット36とマグネット51との間に位置するマグネット52と、を有している。さらに、第2磁石ユニット38は、環状のマグネット(第3永久磁石)53と、マグネット53よりもコイルユニット36側に位置する環状のマグネット(第4永久磁石)54と、マグネット53,54間に配置されるスペーサ56と、を有している。つまり、第2磁石ユニット38は、コイルユニット36と第2端部32aとの間に位置するマグネット53と、コイルユニット36とマグネット53との間に位置するマグネット54と、を有している。
【0016】
図1に示すように、コイルユニット36は、プランジャ13の径方向外側に位置している。また、第1磁石ユニット37は、プランジャ13の径方向外側に位置しており、第2磁石ユニット38は、プランジャ13の径方向外側に位置している。また、
図1の拡大部分に示すように、マグネット51は、内周面51aにS極が現れるように着磁されており、マグネット52は、内周面52aにN極が現れるように着磁されている。さらに、マグネット53は、内周面53aにS極が現れるように着磁されており、マグネット54は、内周面54aにN極が現れるように着磁されている。つまり、マグネット51とマグネット52とは、互いに逆極性に着磁されている。また、マグネット51とマグネット54とは、互いに逆極性に着磁されており、マグネット52とマグネット53とは、互いに逆極性に着磁されている。
【0017】
図2に示すように、第1吸引部27と第2吸引部28とのピッチを「P1a」とし、マグネット51とマグネット54とのピッチを「P2a」とし、マグネット52とマグネット53とのピッチを「P3a」とする。このとき、各ピッチP1a,P2a,P3aは、互いに同一に設定されている。なお、各ピッチP1a,P2a,P3aが互いに同一であるということは、ピッチの長さが完全に同一である場合だけでなく、ピッチの長さがほぼ同一である場合を含む意味である。つまり、ピッチの長さが実質的に同一であれば良く、製造誤差等によるピッチの長さ違いは許容される。
【0018】
[弁座ユニット]
図1および
図2に示すように、ケース組立体12の端部には、プランジャ13に対向する弁座ユニット14が組み付けられている。弁座ユニット14は、外装スリーブ30に取り付けられる固定リング57と、固定リング57と磁石保持部材31との間に挟まれる弁座プレート58と、を有している。また、弁座プレート58は、複数の貫通孔59が形成されるプレート部60と、プレート部60の中央に取り付けられるゴム製のシール部61と、を有している。プランジャ13の弁体部材23と弁座ユニット14のシール部61とは互いに対向しており、シール部61の外径は弁体部材23の外径よりも大きく設定されている。
【0019】
[プランジャの連通位置および遮断位置]
プランジャ13の連通位置および遮断位置について説明する。
図3はプランジャ13が連通位置に移動した状態の電磁バルブ11を示す断面図であり、
図4はプランジャ13が遮断位置に移動した状態の電磁バルブ11を示す断面図である。なお、後述するように、制御ユニット43によってコイルユニット36の通電状態を制御することにより、プランジャ13を連通位置や遮断位置に移動させることが可能となっている。
【0020】
図3に示すように、プランジャ13を弁座プレート58から離れる連通位置(第1位置)に移動させた場合には、弁体部材23が弁座プレート58のシール部61から離れることから、弁座プレート58の貫通孔59とプランジャ13の貫通孔24とが互いに連通する。これにより、矢印FL1で示すように、弁座プレート58の貫通孔59と磁石保持部材32の貫通孔35との間においては、空気等の流体流れが許容される。つまり、プランジャ13を連通位置に移動させることにより、流体流れを許容する連通状態に電磁バルブ11を作動させることができる。
【0021】
一方、
図4に示すように、プランジャ13を弁座プレート58に接触させる遮断位置(第2位置)に移動させた場合には、弁体部材23が弁座プレート58のシール部61に接触することから、弁座プレート58の貫通孔59とプランジャ13の貫通孔24とが互いに遮断される。これにより、弁座プレート58の貫通孔59と磁石保持部材32の貫通孔35との間においては、空気等の流体流れが遮断される。つまり、プランジャ13を遮断位置に移動させることにより、流体流れを遮断する遮断状態に電磁バルブ11を作動させることができる。
【0022】
[コイルユニットの通電状態]
続いて、コイルユニット36の通電状態について説明する。
図5および
図6は、プランジャ13が連通位置に移動した状態の電磁バルブ11を示す断面図であり、
図7および
図8は、プランジャ13が遮断位置に移動した状態の電磁バルブ11を示す断面図である。
【0023】
図5に示すように、プランジャ13を連通位置に移動させた状態のもとで、コイルユニット36に対する通電が遮断されると、プランジャ13は連通位置を保持する。つまり、
図5の拡大部分に示すように、プランジャ13を連通位置に移動させた場合には、第1吸引部27がマグネット52の近傍に配置されるとともに、第2吸引部28がマグネット53の近傍に配置される。これにより、矢印x1aで示すように、第1吸引部27はマグネット52に吸引され、矢印x1bで示すように、第2吸引部28はマグネット53に吸引されるため、プランジャ13は磁気吸引力によって連通位置を保持することになる。
【0024】
図6に示すように、プランジャ13を連通位置に移動させた状態のもとで、コイルユニット36の通電によってプランジャ13に第1磁極を発生、つまり第1吸引部27にN極を発生させて第2吸引部28にS極を発生させると、プランジャ13は遮断位置に向けて移動する。つまり、
図6の拡大部分に示すように、第1吸引部27にN極を発生させると、矢印x2aで示すように、第1吸引部27は、マグネット52に対して反発するとともに、マグネット51に対して吸引される。また、第2吸引部28にS極を発生させると、矢印x2bで示すように、第2吸引部28は、マグネット53に対して反発するとともに、マグネット54に対して吸引される。これにより、矢印x2cで示すように、プランジャ13を連通位置から遮断位置に向けて移動させることができる。
【0025】
図7に示すように、プランジャ13を遮断位置に移動させた状態のもとで、コイルユニット36に対する通電が遮断されると、プランジャ13は遮断位置を保持する。つまり、
図7の拡大部分に示すように、プランジャ13を遮断位置に移動させた場合には、第1吸引部27がマグネット51の近傍に配置されるとともに、第2吸引部28がマグネット54の近傍に配置される。これにより、矢印x3aで示すように、第1吸引部27はマグネット51に吸引され、矢印x3bで示すように、第2吸引部28はマグネット54に吸引されるため、プランジャ13は磁気吸引力によって遮断位置を保持することになる。
【0026】
図8に示すように、プランジャ13を遮断位置に移動させた状態のもとで、コイルユニット36の通電によってプランジャ13に第1磁極とは逆極性の第2磁極を発生、つまり第1吸引部27にS極を発生させて第2吸引部28にN極を発生させると、プランジャ13は連通位置に向けて移動する。つまり、
図8の拡大部分に示すように、第1吸引部27にS極を発生させると、矢印x4aで示すように、第1吸引部27は、マグネット51に対して反発するとともに、マグネット52に対して吸引される。また、第2吸引部28にN極を発生させると、矢印x4bで示すように、第2吸引部28は、マグネット54に対して反発するとともに、マグネット53に対して吸引される。これにより、矢印x4cで示すように、プランジャ13を遮断位置から連通位置に向けて移動させることができる。
【0027】
これまで説明したように、コイルユニット36の通電によってプランジャ13に第1磁極を発生させると、プランジャ13はマグネット51とマグネット54とに吸引されて遮断位置に移動する。また、プランジャ13が遮断位置に移動した後に、コイルユニット36の通電によってプランジャ13に第1磁極とは逆極性の第2磁極を発生させると、プランジャ13はマグネット52とマグネット53とに吸引されて連通位置に移動する。このように、コイルユニット36の通電方向を切り替えてプランジャ13の極性を切り替えることにより、プランジャ13を遮断位置と連通位置とに移動させることができる。
【0028】
また、プランジャ13が遮断位置に移動した状態のもとで、コイルユニット36の通電遮断によってプランジャ13の第1磁極が解消されると、プランジャ13はマグネット51とマグネット54とに吸引されて遮断位置を保持する。さらに、プランジャ13が連通位置に移動した状態のもとで、コイルユニット36の通電遮断によってプランジャ13の第2磁極が解消されると、プランジャ13はマグネット52とマグネット53とに吸引されて連通位置を保持する。このように、コイルユニット36に対する通電が遮断される非通電時においては、直近の停止位置である遮断位置や連通位置にプランジャ13を保持することができる。これにより、コイルユニット36に対する通電を行うことなく、電磁バルブ11を直近の作動状態である遮断状態や連通状態に保持することができる。
【0029】
しかも、第1吸引部27と第2吸引部28とのピッチP1aと、マグネット51とマグネット54とのピッチP2aと、マグネット52とマグネット53とのピッチP3aとは、互いに同一である。これにより、プランジャ13が遮断位置や連通位置に移動した場合には、第1吸引部27に対するマグネット51,52の位置関係と、第2吸引部28に対するマグネット53,54の位置関係とを、ほぼ等しくすることができる。これにより、第1吸引部27および第2吸引部28に作用する磁気吸引力をほぼ等しくすることができ、プランジャ13を遮断位置や連通位置に適切に保持することができる。また、第1吸引部27および第2吸引部28に作用する磁気吸引力や磁気反発力をほぼ等しくすることができ、プランジャ13を遮断位置や連通位置に適切に移動させることができる。
【0030】
<実施形態2>
[全体構造]
図9は、本発明の一実施形態であるアクチュエータ70が組み込まれた電磁バルブ71を示す断面図である。
図10は、アクチュエータ70が組み込まれた電磁バルブ71の分解状態を示す断面図である。なお、図示する例では、電磁バルブ71に対してアクチュエータ70を組み込んでいるが、これに限られることはなく、他の装置に動力源としてアクチュエータ70を組み込んでも良い。
図9および
図10に示すように、電磁バルブ71は、ケース組立体72およびこれに収容されるプランジャ73からなるアクチュエータ70と、ケース組立体72の両端部に設けられる弁座ユニット74,75と、を有している。また、アクチュエータ70の可動子であるプランジャ73は、ケース組立体72に対して往復動可能に設けられている。
【0031】
[プランジャ]
図10に示すように、アクチュエータ70のプランジャ73は、互いに組み付けられる一対のベーススリーブ80,81と、ベーススリーブ80,81の外周部に取り付けられる樹脂スリーブ82と、を有している。また、プランジャ73は、ベーススリーブ80の端部に取り付けられる筒状の弁体部材83と、ベーススリーブ81の端部に取り付けられる筒状の弁体部材84と、を有している。ベーススリーブ80,81には径方向外側に突出する環状のフランジ80a,81aが形成されており、一対のフランジ80a,81aによって樹脂スリーブ82が挟まれている。また、フランジ80a,81aの外径と、樹脂スリーブ82の外径とは、互いにほぼ同一である。さらに、プランジャ73には、軸方向に貫通するとともに流路として機能する貫通孔85が形成されている。なお、プランジャ73の弁体部材83,84には、ゴム製のOリング83a,84aが取り付けられている。
【0032】
前述したように、プランジャ73は、ベーススリーブ80,81、樹脂スリーブ82および弁体部材83,84によって構成されている。ベーススリーブ80,81は鉄等の磁性材料を用いて形成されており、樹脂スリーブ82は合成樹脂等の非磁性材料を用いて形成されており、弁体部材83,84は非磁性鋼等の非磁性材料を用いて形成されている。つまり、プランジャ73は、磁性体であるベーススリーブ80,81によって構成されるとともに、非磁性体である樹脂スリーブ82および弁体部材83,84によって構成されている。また、プランジャ73の外周面73aには、樹脂スリーブ82および弁体部材83,84が露出するだけでなく、ベーススリーブ80,81のフランジ80a,81aが露出している。
【0033】
すなわち、プランジャ73には、外周面73aに非磁性体の樹脂スリーブ82が露出する本体部86と、外周面73aに磁性体のフランジ80aが露出する第1吸引部(第1突起部)87と、外周面73aに磁性体のフランジ81aが露出する第2吸引部(第2突起部)88と、が設けられている。このようなプランジャ73において、磁性体からなる第1吸引部87および第2吸引部88の磁気吸引力は、非磁性体からなる本体部86の磁気吸引力よりも強くなっている。また、磁性体からなる第1吸引部87および第2吸引部88の磁気反発力は、非磁性体からなる本体部86の磁気反発力よりも強くなっている。なお、磁性材料とは、磁性を示し易い材料つまり磁化され易い材料であり、非磁性材料とは、磁性を示し難い材料つまり磁化され難い材料である。
【0034】
[ケース組立体]
図10に示すように、アクチュエータ70のケース組立体72は、外装スリーブ90および磁石保持部材91,92からなるケース93を有している。つまり、ケース93は、外装スリーブ90と、外装スリーブ90の内側に取り付けられる磁石保持部材91と、外装スリーブ90の内側に取り付けられる磁石保持部材92と、を有している。また、磁石保持部材91の端部91aはケース93の第1端部91aとなっており、磁石保持部材92の端部92aはケース93の第2端部92aとなっている。また、磁石保持部材91には、プランジャ73の弁体部材83を摺動可能に支持する摺動孔94が形成されており、磁石保持部材92には、プランジャ73の弁体部材84を摺動可能に支持する摺動孔95が形成されており、さらに、ケース組立体72は、前述したケース93の他に、磁石保持部材91,92の内側に設けられるコイルユニット96と、磁石保持部材91の内側に設けられる第1磁石ユニット97と、磁石保持部材92の内側に設けられる第2磁石ユニット98と、を有している。
【0035】
コイルユニット96は、環状のボビン100aに巻き付けられる第1コイル101と、環状のボビン100bに巻き付けられる第2コイル102と、を有している。また、第1コイル101と第2コイル102とは、互いに隣接して配置されている。なお、第1コイル101の引き出し線101a,101b、および第2コイル102の引き出し線102a,102bには、コイルユニット96の通電状態を制御するため、マイクロコントローラおよび駆動回路等を備えた制御ユニット104が接続されている。
【0036】
また、第1磁石ユニット97は、環状のマグネット(第1永久磁石)111と、マグネット111よりもコイルユニット96側に位置する環状のマグネット(第2永久磁石)112と、マグネット112よりもコイルユニット96側に位置する環状のマグネット(第5永久磁石)115と、を有している。また、マグネット111,112間にはスペーサ117が配置されており、マグネット112,115間にはスペーサ118が配置されている。つまり、第1磁石ユニット97は、コイルユニット96と第1端部91aとの間に位置するマグネット111と、コイルユニット96とマグネット111との間に位置するマグネット112と、コイルユニット96とマグネット112との間に位置するマグネット115と、を有している。
【0037】
さらに、第2磁石ユニット98は、環状のマグネット(第3永久磁石)113と、マグネット113よりもコイルユニット96側に位置する環状のマグネット(第4永久磁石)114と、マグネット113よりも第2端部92a側に位置する環状のマグネット(第6永久磁石)116と、を有している。また、マグネット113,114間にはスペーサ119が配置されており、マグネット113,116間にはスペーサ120が配置されている。つまり、第2磁石ユニット98は、コイルユニット96と第2端部92aとの間に位置するマグネット113と、コイルユニット96とマグネット113との間に位置するマグネット114と、第2端部92aとマグネット113との間に位置するマグネット116と、を有している。
【0038】
図9に示すように、コイルユニット96は、プランジャ73の径方向外側に位置している。また、第1磁石ユニット97は、プランジャ73の径方向外側に位置しており、第2磁石ユニット98は、プランジャ73の径方向外側に位置している。また、
図9の拡大部分に示すように、マグネット111は、内周面111aにS極が現れるように着磁されており、マグネット112は、内周面112aにN極が現れるように着磁されており、マグネット115は、内周面115aにS極が現れるように着磁されている。さらに、マグネット113は、内周面113aにS極が現れるように着磁されており、マグネット114は、内周面114aにN極が現れるように着磁されており、マグネット116は、内周面116aにN極が現れるように着磁されている。つまり、マグネット111とマグネット112とは、互いに逆極性に着磁されており、マグネット111とマグネット114とは、互いに逆極性に着磁されており、マグネット112とマグネット113とは、互いに逆極性に着磁されている。また、マグネット112とマグネット115とは、互いに逆極性に着磁されており、マグネット115とマグネット116とは、互いに逆極性に着磁されている。
【0039】
図10に示すように、第1吸引部87と第2吸引部88とのピッチを「P1b」とし、マグネット111とマグネット114とのピッチを「P2b」とし、マグネット112とマグネット113とのピッチを「P3b」とし、マグネット115とマグネット116とのピッチを「P4b」とする。このとき、各ピッチP1b,P2b,P3b,P4bは、互いに同一に設定されている。なお、各ピッチP1b,P2b,P3b,P4bが互いに同一であるということは、ピッチの長さが完全に同一である場合だけでなく、ピッチの長さがほぼ同一である場合を含む意味である。つまり、ピッチの長さが実質的に同一であれば良く、製造誤差等によるピッチの長さ違いは許容される。
【0040】
[弁座ユニット]
図9および
図10に示すように、ケース組立体72の両端部には、プランジャ73に対向する弁座ユニット74,75が組み付けられている。弁座ユニット74は、外装スリーブ90に取り付けられる固定リング130と、固定リング130と磁石保持部材91との間に挟まれる弁座プレート131と、を有している。また、弁座プレート131は、複数の貫通孔132が形成されるプレート部133と、プレート部133の中央に取り付けられるゴム製のシール部134と、を有している。さらに、プランジャ73の弁体部材83と弁座ユニット74のシール部134とは互いに対向しており、シール部134の外径は弁体部材83の外径よりも大きく設定されている。
【0041】
同様に、弁座ユニット75は、外装スリーブ90に取り付けられる固定リング140と、固定リング140と磁石保持部材92との間に挟まれる弁座プレート141と、を有している。また、弁座プレート141は、複数の貫通孔142が形成されるプレート部143と、プレート部143の中央に取り付けられるゴム製のシール部144と、を有している。さらに、プランジャ73の弁体部材84と弁座ユニット75のシール部144とは互いに対向しており、シール部144の外径は弁体部材84の外径よりも大きく設定されている。
【0042】
[プランジャの連通位置および遮断位置]
プランジャ73の連通位置および遮断位置について説明する。
図11はプランジャ73が連通位置に移動した状態の電磁バルブ71を示す断面図であり、
図12はプランジャ73が遮断位置Aに移動した状態の電磁バルブ71を示す断面図である。なお、後述するように、制御ユニット104によってコイルユニット96の通電状態を制御することにより、プランジャ73を連通位置や遮断位置A,Bに移動させることが可能となっている。
【0043】
図11に示すように、プランジャ73を弁座プレート131,141の双方から離れる連通位置(第2位置)に移動させた場合には、弁体部材83,84が弁座プレート131,141のシール部134,144から離れた状態となる。つまり、弁座プレート131の貫通孔132とプランジャ73の貫通孔85とが互いに連通し、弁座プレート141の貫通孔142とプランジャ73の貫通孔85とが互いに連通する。これにより、矢印FL2で示すように、弁座プレート131の貫通孔132と弁座プレート141の貫通孔142との間においては、空気等の流体流れが許容される。すなわち、プランジャ73を連通位置に移動させることにより、流体流れを許容する連通状態に電磁バルブ71を作動させることができる。
【0044】
一方、
図12に示すように、プランジャ73を弁座プレート131に接触させる遮断位置A(第1位置)に移動させた場合には、弁体部材83が弁座プレート131のシール部134に接触することから、弁座プレート131の貫通孔132とプランジャ73の貫通孔85とが互いに遮断される。これにより、弁座プレート131の貫通孔132と弁座プレート141の貫通孔142との間においては、空気等の流体流れが遮断される。また、
図12に符号βで示すように、プランジャ73を弁座プレート141に接触させる遮断位置B(第3位置)に移動させた場合には、弁体部材84が弁座プレート141のシール部144に接触することから、弁座プレート141の貫通孔142とプランジャ73の貫通孔85とが互いに遮断される。これにより、弁座プレート131の貫通孔132と弁座プレート141の貫通孔142との間においては、空気等の流体流れが遮断される。すなわち、プランジャ73を遮断位置A,Bに移動させることにより、流体流れを遮断する遮断状態に電磁バルブ71を作動させることができる。
【0045】
[コイルユニットの通電状態]
続いて、コイルユニット96の通電状態について説明する。
図13および
図14は、プランジャ73が連通位置に移動した状態の電磁バルブ71を示す断面図であり、
図15はコイルユニット96の通電状態毎にプランジャ73の移動状態を示す図である。なお、コイルユニット96の通電状態として、第1コイル101のみに通電する第1シングル通電と、第2コイル102のみに通電する第2シングル通電と、第1コイル101と第2コイル102との双方に通電するダブル通電と、が設定されている。また、第1シングル通電と第2シングル通電とではコイル通電方向が同一であり、第1シングル通電とダブル通電とではコイル通電方向が逆向きであり、第2シングル通電とダブル通電とではコイル通電方向が逆向きである。さらに、
図15において、「ON」とはコイル通電状態を意味しており、「OFF」とはコイル非通電状態を意味している。
【0046】
図13に示すように、プランジャ73を連通位置に移動させた状態のもとで、コイル101,102に対する通電が遮断されると、プランジャ73は連通位置を保持する。つまり、
図13の拡大部分に示すように、プランジャ73を連通位置に移動させた場合には、第1吸引部87がマグネット112の近傍に配置されるとともに、第2吸引部88がマグネット113の近傍に配置される。これにより、矢印y1aで示すように、第1吸引部87はマグネット112に吸引され、矢印y1bで示すように、第2吸引部88はマグネット113に吸引されるため、プランジャ73は磁気吸引力によって連通位置を保持することになる。
【0047】
図14に示すように、プランジャ73を連通位置に移動させた状態のもとで、コイルユニット96の通電状態を第1シングル通電に制御すると、プランジャ73は連通位置から遮断位置Aに向けて移動する。つまり、第1シングル通電として第1コイル101に通電した場合には、第1磁極として第1吸引部87にN極が発生して第2吸引部88にS極が発生する。
図14の拡大部分に示すように、第1吸引部87にN極を発生させると、矢印y2aで示すように、第1吸引部87は、マグネット112に対して反発するとともに、マグネット111に対して吸引される。また、第2吸引部88にS極を発生させると、矢印y2bで示すように、第2吸引部88は、マグネット113に対して反発するとともに、マグネット114に対して吸引される。これにより、矢印y2cで示すように、プランジャ73は連通位置から遮断位置Aに向けて移動することになる。
【0048】
ここで、
図15に示すように、第1シングル通電つまりコイルユニット96の第1コイル101のみに通電した場合には、コイル通電に伴って生じる磁界を安定させるようにプランジャ73に推力が作用するため、矢印z1aで示すように、プランジャ73が軸方向に移動する。つまり、プランジャ73を構成するベーススリーブ80,81の長さ方向の中心位置Cpと、通電対象である第1コイル101の長さ方向の中心位置Cc1とが互いに一致するように、プランジャ73が軸方向に移動することになる。ところで、
図14の拡大部分に示すように、プランジャ73の連通位置は、第1吸引部87がマグネット111だけでなくマグネット115にも吸引される位置であり、第2吸引部88がマグネット114だけでなくマグネット116にも吸引される位置である。しかしながら、第1シングル通電によってプランジャ73に作用する推力により、プランジャ73はマグネット111,114側に付勢されることから、マグネット111,114に吸引されてプランジャ73は遮断位置Aに向かうことになる。
【0049】
図16および
図17は、プランジャ73が遮断位置Aに移動した状態の電磁バルブ71を示す断面図である。
図16に示すように、プランジャ73を遮断位置Aに移動させた状態のもとで、コイルユニット96に対する通電が遮断されると、プランジャ73は遮断位置Aを保持する。つまり、
図16の拡大部分に示すように、プランジャ73を遮断位置Aに移動させた場合には、第1吸引部87がマグネット111の近傍に配置されるとともに、第2吸引部88がマグネット114の近傍に配置される。これにより、矢印y3aで示すように、第1吸引部87はマグネット111に吸引され、矢印y3bで示すように、第2吸引部88はマグネット114に吸引されるため、プランジャ73は磁気吸引力によって遮断位置Aを保持することになる。
【0050】
図17に示すように、プランジャ73を遮断位置Aに移動させた状態のもとで、コイルユニット96の通電状態をダブル通電に制御すると、プランジャ73は遮断位置Aから連通位置に向けて移動する。つまり、ダブル通電として第1コイル101および第2コイル102に通電した場合には、第1磁極とは逆極性の第2磁極として、第1吸引部87にS極が発生して第2吸引部88にN極が発生する。
図17の拡大部分に示すように、第1吸引部87にS極を発生させると、矢印y4aで示すように、第1吸引部87は、マグネット111に対して反発するとともに、マグネット112に対して吸引される。また、第2吸引部88にN極を発生させると、矢印y4bで示すように、第2吸引部88は、マグネット114に対して反発するとともに、マグネット113に対して吸引される。これにより、矢印y4cで示すように、プランジャ73は遮断位置Aから連通位置に向けて移動することになる。
【0051】
ここで、
図15に示すように、ダブル通電つまり第1コイル101および第2コイル102に通電した場合には、コイル通電に伴って生じる磁界を安定させるようにプランジャ73に推力が作用するため、矢印z1cで示すように、プランジャ73が軸方向に移動する。つまり、プランジャ73を構成するベーススリーブ80,81の長さ方向の中心位置Cpと、通電対象である第1コイル101および第2コイル102の長さ方向の中心位置Cc3とが互いに一致するように、プランジャ73が軸方向に移動することになる。このように、プランジャ73に作用する推力によっても、プランジャ73は遮断位置Aから連通位置に向けて移動することになる。
【0052】
図18は、プランジャ73が連通位置に移動した状態の電磁バルブ71を示す断面図である。
図18に示すように、プランジャ73を連通位置に移動させた状態のもとで、コイルユニット96の通電状態を第2シングル通電に制御すると、プランジャ73は連通位置から遮断位置Bに向けて移動する。つまり、第2シングル通電として第2コイル102に通電した場合には、第1磁極として第1吸引部87にN極が発生して第2吸引部88にS極が発生する。
図18の拡大部分に示すように、第1吸引部87にN極を発生させると、矢印y5aで示すように、第1吸引部87は、マグネット112に対して反発するとともに、マグネット115に対して吸引される。また、第2吸引部88にS極を発生させると、矢印y5bで示すように、第2吸引部88は、マグネット113に対して反発するとともに、マグネット116に対して吸引される。これにより、矢印y5cで示すように、プランジャ73は連通位置から遮断位置Bに向けて移動することになる。
【0053】
ここで、
図15に示すように、第2シングル通電つまりコイルユニット96の第2コイル102のみに通電した場合には、コイル通電に伴って生じる磁界を安定させるようにプランジャ73に推力が作用するため、矢印z1bで示すように、プランジャ73が軸方向に移動する。つまり、プランジャ73を構成するベーススリーブ80,81の長さ方向の中心位置Cpと、通電対象である第2コイル102の長さ方向の中心位置Cc2とが互いに一致するように、プランジャ73が軸方向に移動することになる。ところで、
図18の拡大部分に示すように、プランジャ73の連通位置は、第1吸引部87がマグネット115だけでなくマグネット111にも吸引される位置であり、第2吸引部88がマグネット116だけでなくマグネット114にも吸引される位置である。しかしながら、第2シングル通電によってプランジャ73に作用する推力により、プランジャ73はマグネット115,116側に付勢されることから、マグネット115,116に吸引されてプランジャ73は遮断位置Bに向かうことになる。
【0054】
図19および
図20は、プランジャ73が遮断位置Bに移動した状態の電磁バルブ71を示す断面図である。
図19に示すように、プランジャ73を遮断位置Bに移動させた状態のもとで、コイルユニット96に対する通電が遮断されると、プランジャ73は遮断位置Bを保持する。つまり、
図19の拡大部分に示すように、プランジャ73を遮断位置Bに移動させた場合には、第1吸引部87がマグネット115の近傍に配置されるとともに、第2吸引部88がマグネット116の近傍に配置される。これにより、矢印y6aで示すように、第1吸引部87はマグネット115に吸引され、矢印y6bで示すように、第2吸引部88はマグネット116に吸引されるため、プランジャ73は磁気吸引力によって遮断位置Bを保持することになる。
【0055】
図20に示すように、プランジャ73を遮断位置Bに移動させた状態のもとで、コイルユニット96の通電状態をダブル通電に制御すると、プランジャ73は遮断位置Bから連通位置に向けて移動する。つまり、ダブル通電として第1コイル101および第2コイル102に通電した場合には、第1磁極とは逆極性の第2磁極として、第1吸引部87にS極が発生して第2吸引部88にN極が発生する。
図20の拡大部分に示すように、第1吸引部87にS極を発生させると、矢印y7aで示すように、プランジャ73の第1吸引部87は、マグネット115に対して反発するとともに、マグネット112に対して吸引される。また、第2吸引部88にN極を発生させると、矢印y7bで示すように、プランジャ73の第2吸引部88は、マグネット116に対して反発するとともに、マグネット113に対して吸引される。これにより、矢印y7cで示すように、プランジャ73は遮断位置Bから連通位置に向けて移動することになる。
【0056】
ここで、
図15に示すように、ダブル通電つまり第1コイル101および第2コイル102に通電した場合には、コイル通電に伴って生じる磁界を安定させるようにプランジャ73に推力が作用するため、矢印z1dで示すように、プランジャ73が軸方向に移動する。つまり、プランジャ73を構成するベーススリーブ80,81の長さ方向の中心位置Cpと、通電対象である第1コイル101および第2コイル102の長さ方向の中心位置Cc3とが互いに一致するように、プランジャ73が軸方向に移動することになる。このように、プランジャ73に作用する推力によっても、プランジャ73は遮断位置Bから連通位置に向けて移動することになる。
【0057】
これまで説明したように、第1コイル101に通電してプランジャ73に第1磁極を発生させると、プランジャ73はマグネット111とマグネット114とに吸引されて遮断位置Aに移動する。また、プランジャ73が遮断位置Aに移動した後に、第1コイル101および第2コイル102の双方に通電してプランジャ73に第1磁極とは逆極性の第2磁極を発生させると、プランジャ73はマグネット112とマグネット113とに吸引されて連通位置に移動する。さらに、プランジャ73が連通位置に移動した後に、第2コイル102に通電してプランジャ73に第1磁極を発生させると、プランジャ73はマグネット115とマグネット116とに吸引されて遮断位置Bに移動する。このように、コイルユニット96の通電状態を切り替えてプランジャ73の極性を切り替えることにより、プランジャ73を遮断位置A、連通位置および遮断位置Bに移動させることができる。
【0058】
また、プランジャ73が遮断位置Aに移動した状態のもとで、第1コイル101の通電遮断によってプランジャ73の第1磁極が解消されると、プランジャ73はマグネット111とマグネット114とに吸引されて遮断位置Aを保持する。また、プランジャ73が連通位置に移動した状態のもとで、第1コイル101および第2コイル102の通電遮断によってプランジャ73の第2磁極が解消されると、プランジャ73はマグネット112とマグネット113とに吸引されて連通位置を保持する。さらに、プランジャ73が遮断位置Bに移動した状態のもとで、第2コイル102の通電遮断によってプランジャ73の第1磁極が解消されると、プランジャ73はマグネット115とマグネット116とに吸引されて遮断位置Bを保持する。このように、コイルユニット96に対する通電が遮断される非通電時においては、直近の停止位置である遮断位置A、遮断位置Bおよび連通位置にプランジャ73を保持することができる。これにより、コイルユニット96に対する通電を行うことなく、電磁バルブ71を直近の作動状態である遮断状態や連通状態に保持することができる。
【0059】
しかも、第1吸引部87と第2吸引部88とのピッチP1bと、マグネット111とマグネット114とのピッチP2bと、マグネット112とマグネット113とのピッチP3bと、マグネット115とマグネット116とのピッチP4bとは、互いに同一である。これにより、プランジャ73が遮断位置A,Bや連通位置に移動した場合には、第1吸引部87に対するマグネット111,112,115の位置関係と、第2吸引部88に対するマグネット113,114,116の位置関係とを、ほぼ等しくすることができる。これにより、第1吸引部87および第2吸引部88に作用する磁気吸引力をほぼ等しくすることができ、プランジャ73を遮断位置A,Bや連通位置に適切に保持することができる。また、第1吸引部87および第2吸引部88に作用する磁気吸引力や磁気反発力をほぼ等しくすることができ、プランジャ73を遮断位置A,Bや連通位置に適切に移動させることができる。
【0060】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。前述の説明では、プランジャ13に樹脂スリーブ22を設けているが、これに限られることはなく、プランジャ13から樹脂スリーブ22を削減しても良い。このように、樹脂スリーブ22を削減した場合であっても、フランジ20aを第1吸引部27として機能させることができ、フランジ21aを第2吸引部28として機能させることができる。同様に、プランジャ73に樹脂スリーブ82を設けているが、これに限られることはなく、プランジャ73から樹脂スリーブ82を削減しても良い。このように、樹脂スリーブ82を削減した場合であっても、フランジ80aを第1吸引部87として機能させることができ、フランジ81aを第2吸引部88として機能させることができる。また、前述の説明では、アクチュエータ10のコイルユニット36を1つのコイル41によって構成しているが、これに限られることはなく、コイルユニット36を複数のコイルによって構成しても良い。また、前述の説明では、アクチュエータ70のコイルユニット96を2つのコイル101,102によって構成しているが、これに限られることはなく、コイルユニット96を1つのコイルによって構成しても良く、コイルユニット96を3つ以上のコイルによって構成しても良い。
【0061】
なお、本技術は、以下のような構成をとることが可能である。
[1]
第1端部および第2端部を備えるケースと、
前記ケースの内側に往復動可能に設けられ、本体部と、前記本体部よりも磁気吸引力の強い第1吸引部および第2吸引部と、を備えるプランジャと、
前記ケースの内側に設けられ、前記プランジャの径方向外側に位置するコイルユニットと、
前記ケースの内側に設けられ、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置し、かつ前記プランジャの径方向外側に位置する第1磁石ユニットと、
前記ケースの内側に設けられ、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置し、かつ前記プランジャの径方向外側に位置する第2磁石ユニットと、
を有し、
前記第1磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置する第1永久磁石と、前記コイルユニットと前記第1永久磁石との間に位置する第2永久磁石と、を備え、
前記第2磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置する第3永久磁石と、前記コイルユニットと前記第3永久磁石との間に位置する第4永久磁石と、を備え、
前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、
前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、
前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されている、
アクチュエータ。
[2]
前記第1吸引部は、前記プランジャの径方向外側に突出する第1突起部であり、
前記第2吸引部は、前記プランジャの径方向外側に突出する第2突起部である、
前記[1]に記載のアクチュエータ。
[3]
前記第1吸引部と前記第2吸引部とのピッチと、前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とのピッチと、前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とのピッチとは、互いに同一である、
前記[1]または[2]に記載のアクチュエータ。
[4]
前記コイルユニットの通電によって前記プランジャに第1磁極を発生させると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて第1位置に移動し、
前記プランジャが前記第1位置に移動した後に、前記コイルユニットの通電によって前記プランジャに前記第1磁極とは逆極性の第2磁極を発生させると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて第2位置に移動する、
前記[1]~[3]の何れか1つに記載のアクチュエータ。
[5]
前記プランジャが前記第1位置に移動した状態のもとで、前記コイルユニットの通電遮断によって前記プランジャの前記第1磁極が解消されると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて前記第1位置を保持し、
前記プランジャが前記第2位置に移動した状態のもとで、前記コイルユニットの通電遮断によって前記プランジャの前記第2磁極が解消されると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて前記第2位置を保持する、
前記[4]に記載のアクチュエータ。
[6]
前記第1磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第1端部との間に位置する第1永久磁石と、前記コイルユニットと前記第1永久磁石との間に位置する第2永久磁石と、前記コイルユニットと前記第2永久磁石との間に位置する第5永久磁石と、を備え、
前記第2磁石ユニットは、前記コイルユニットと前記第2端部との間に位置する第3永久磁石と、前記コイルユニットと前記第3永久磁石との間に位置する第4永久磁石と、前記第2端部と前記第3永久磁石との間に位置する第6永久磁石と、を備え、
前記第2永久磁石と前記第5永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されており、
前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とは、互いに逆極性に着磁されている、
前記[1]に記載のアクチュエータ。
[7]
前記第1吸引部と前記第2吸引部とのピッチと、前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とのピッチと、前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とのピッチと、前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とのピッチとは、互いに同一である、
前記[6]に記載のアクチュエータ。
[8]
前記コイルユニットは、互いに隣接する第1コイルおよび第2コイルを備える、
前記[6]または[7]に記載のアクチュエータ。
[9]
前記第1コイルに通電して前記プランジャに第1磁極を発生させると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて第1位置に移動し、
前記プランジャが前記第1位置に移動した後に、前記第1コイルおよび前記第2コイルの双方に通電して前記プランジャに前記第1磁極とは逆極性の第2磁極を発生させると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて第2位置に移動し、
前記プランジャが前記第2位置に移動した後に、前記第2コイルに通電して前記プランジャに前記第1磁極を発生させると、前記プランジャは前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とに吸引されて第3位置に移動する、
前記[6]~[8]の何れか1つに記載のアクチュエータ。
[10]
前記プランジャが前記第1位置に移動した状態のもとで、前記第1コイルの通電遮断によって前記プランジャの前記第1磁極が解消されると、前記プランジャは前記第1永久磁石と前記第4永久磁石とに吸引されて前記第1位置を保持し、
前記プランジャが前記第2位置に移動した状態のもとで、前記第1コイルおよび前記第2コイルの通電遮断によって前記プランジャの前記第2磁極が解消されると、前記プランジャは前記第2永久磁石と前記第3永久磁石とに吸引されて前記第2位置を保持し、
前記プランジャが前記第3位置に移動した状態のもとで、前記第2コイルの通電遮断によって前記プランジャの前記第1磁極が解消されると、前記プランジャは前記第5永久磁石と前記第6永久磁石とに吸引されて前記第3位置を保持する、
前記[9]に記載のアクチュエータ。
【符号の説明】
【0062】
10…アクチュエータ、11…電磁バルブ、12…ケース組立体、13…プランジャ、13a…外周面、14…弁座ユニット、20,21…ベーススリーブ、20a,21a…フランジ、22…樹脂スリーブ、23…弁体部材、24…貫通孔、25…Oリング、26…本体部、27…第1吸引部(第1突起部)、28…第2吸引部(第2突起部)、30…外装スリーブ、31…磁石保持部材、31a…端部(第1端部)、32…磁石保持部材、32a…端部(第2端部)、33…ケース、34…摺動孔、35…貫通孔、36…コイルユニット、37…第1磁石ユニット、38…第2磁石ユニット、40…ボビン、41…コイル、42a,42b…引き出し線、43…制御ユニット、51…マグネット(第1永久磁石)、52…マグネット(第2永久磁石)、53…マグネット(第3永久磁石)、54…マグネット(第4永久磁石)、51a~54a…内周面、55,56…スペーサ、57…固定リング、58…弁座プレート、59…貫通孔、60…プレート部、61…シール部、70…アクチュエータ、71…電磁バルブ、72…ケース組立体、73…プランジャ、73a…外周面、74,75…弁座ユニット、80,81…ベーススリーブ、80a,81a…フランジ、82…樹脂スリーブ、83,84…弁体部材、83a,84a…Oリング、85…貫通孔、86…本体部、87…第1吸引部(第1突起部)、88…第2吸引部(第2突起部)、90…外装スリーブ、91…磁石保持部材、91a…端部(第1端部)、92…磁石保持部材、92a…端部(第2端部)、93…ケース、94,95…摺動孔、96…コイルユニット、97…第1磁石ユニット、98…第2磁石ユニット、100a,100b…ボビン、101…第1コイル、102…第2コイル、101a,101b,102a,102b…引き出し線、104…制御ユニット、111…マグネット(第1永久磁石)、112…マグネット(第2永久磁石)、113…マグネット(第3永久磁石)、114…マグネット(第4永久磁石)、115…マグネット(第5永久磁石)、116…マグネット(第6永久磁石)、111a~116a…内周面、117,118,119,120…スペーサ、130…固定リング、131…弁座プレート、132…貫通孔、133…プレート部、134…シール部、140…固定リング、141…弁座プレート、142…貫通孔、143…プレート部、144…シール部、P1a,P2a,P3a…ピッチ、P1b,P2b,P3b,P4b…ピッチ