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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029379
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ハンモック
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/22 20060101AFI20240228BHJP
   A63B 17/00 20060101ALI20240228BHJP
   A63B 23/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A45F3/22
A63B17/00 Z
A63B23/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131602
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 未来
(72)【発明者】
【氏名】川端 洋明
(72)【発明者】
【氏名】浅野 麻美
(72)【発明者】
【氏名】小長井 星児
(57)【要約】
【課題】使用者の筋肉に負荷をかけることができるハンモックを提供する。
【解決手段】ハンモック1は、使用者が着座可能な椅子部20と、支柱部2と、使用者が力を加えることが可能な力点部12とを備える。支柱部2は椅子部20を支持する。支柱部2は、椅子部20を吊り下げることができる吊り下げ部30を有する。椅子部20は、使用者が椅子部20に着座した状態において、使用者が力点部12に力を加えることで吊り下げ部30を中心にして揺動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な椅子部と、
前記椅子部を支持する支柱部と、
前記使用者が力を加えることが可能な力点部とを備え、
前記支柱部は、
前記椅子部を吊り下げることができる吊り下げ部を有し、
前記椅子部は、前記使用者が前記椅子部に着座した状態において、前記使用者が前記力点部に力を加えることで前記吊り下げ部を中心にして揺動可能な、ハンモック。
【請求項2】
前記吊り下げ部は、間隔をあけて配置された一対の係止部材を有し、
前記椅子部は、一対の前記係止部材の間に配置された、請求項1に記載のハンモック。
【請求項3】
前記係止部材は回転部を有し、
前記係止部材は前記回転部を中心軸として自転できる、請求項2に記載のハンモック。
【請求項4】
一対の前記係止部材を通る直線に沿って前記中心軸が伸びるように、前記回転部は配置されている、請求項3に記載のハンモック。
【請求項5】
前記椅子部は、座面部および背面部を備え、
前記座面部および前記背面部は、交差部において接続され、
前記座面部の外周は、
前記交差部と、
前記交差部と対向するように配置された脚側端部と、を含み、
前記支柱部を設置面に配置した状態において、
前記交差部は、前記座面部において最も前記設置面に近い最下点を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハンモック。
【請求項6】
前記座面部の外周は、前記交差部と前記脚側端部とをつなぐ一対の座面側部を含み、
一対の前記座面側部は、前記吊り下げ部に連結される、請求項5に記載のハンモック。
【請求項7】
前記力点部は、前記座面側部よりも前記設置面に近い位置に配置された、請求項6に記載のハンモック。
【請求項8】
前記背面部の外周は、
前記交差部と、
前記交差部と連なると共に、前記交差部を挟んで対向するように配置された一対の背面側部と、を含み、
一対の前記背面側部は、前記吊り下げ部に連結される、請求項5に記載のハンモック。
【請求項9】
前記設置面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記椅子部が揺動する方向を第1方向とした場合に、
前記第1方向において、前記力点部は、前記吊り下げ部から見て前記交差部が位置する側の領域に配置され、
前記第1方向において、前記吊り下げ部から前記最下点までの距離より、前記吊り下げ部から前記力点部までの距離が大きい、請求項5に記載のハンモック。
【請求項10】
前記設置面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記椅子部が揺動する方向を第1方向とした場合に、
前記第1方向において、前記力点部は、前記吊り下げ部から見て前記脚側端部が位置する側の領域に配置された、請求項5に記載のハンモック。
【請求項11】
前記支柱部は、前記設置面に接触する2以上の接点を有する、請求項5に記載のハンモック。
【請求項12】
前記支柱部は、
第1支持部と、
前記第1支持部と前記椅子部を挟んで対向するように配置された第2支持部と、
前記第1支持部と前記第2支持部とを接続する接続部材とを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハンモック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ハンモックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンモックは、人を乗せる布形状あるいは網目形状のハンモック本体と、ハンモック本体を吊り下げる一対の支柱によって構成される(例えば、実登3189161号公報参照)。実登3189161号公報では、一対の支柱の間にハンモック本体を設けることで、ハンモックの前後方向に揺動可能な椅子型のハンモックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3189161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の健康志向の高まりおよびコロナ渦による巣ごもり需要の高まりにより、日常生活において手軽に運動ができる器具の需要が高まっている。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、使用者の筋肉に負荷をかけることができるハンモックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従ったハンモックは、使用者が着座可能な椅子部と、支柱部と、使用者が力を加えることが可能な力点部とを備える。支柱部は椅子部を支持する。支柱部は、椅子部を吊り下げることができる吊り下げ部を有する。椅子部は、使用者が椅子部に着座した状態において、使用者が力点部に力を加えることで吊り下げ部を中心にして揺動可能である。
【発明の効果】
【0007】
上記によれば、使用者の筋肉に負荷をかけることができるハンモックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るハンモックの斜視図である。
図2】実施の形態1に係るハンモックの正面図である。
図3】実施の形態1に係るハンモックの側面図である。
図4図1の領域IVにおける部分拡大図である。
図5】実施の形態1に係るハンモックの模式図である。
図6】実施の形態1に係るハンモックの模式図である。
図7】実施の形態2に係るハンモックの斜視図である。
図8】実施の形態2に係るハンモックの平面図である。
図9】実施の形態2に係るハンモックの側面図である。
図10】実施の形態3に係るハンモックの斜視図である。
図11】実施の形態3に係るハンモックの平面図である。
図12】実施の形態3に係るハンモックの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0010】
(実施の形態1)
<ハンモックの構成>
図1は、実施の形態1に係るハンモック1の斜視図である。図2は、図1のハンモック1の正面図である。図3は、図1のハンモック1の側面図である。図4は、図1の領域IVにおけるハンモック1の部分拡大図である。
【0011】
図1から図4に示されたハンモック1は、たとえば運動ができるハンモック1であって、使用者が着座可能な椅子部20と、支柱部2と、使用者が力を加えることが可能な力点部12とを主に備える。図1に示されるように、支柱部2は、吊り下げ部30を有する。吊り下げ部30は椅子部20を吊り下げることができる。使用者が椅子部20に着座した状態において、使用者が力点部12に力を加えることで吊り下げ部30を中心にして椅子部20は揺動可能である。
【0012】
図1に示されるように、椅子部20は、座面部21および背面部25を備えている。座面部21および背面部25は交差部28において接続されている。座面部21の外周は、交差部28、脚側端部23、および一対の座面側部22を含む。脚側端部23は交差部28と対向するように配置される。一対の座面側部22は、互いに対向している。一対の座面側部22は、それぞれ脚側端部23と交差部28をつなぐ。背面部25の外周は、交差部28、頭側端部27、および一対の背面側部26を含む。頭側端部27は交差部28と対向するように配置される。一対の背面側部26は、互いに対向している。一対の背面側部26は、それぞれ頭側端部27と交差部28をつなぐ。図3に示されるように、支柱部2を設置面40(床あるいは地面)に配置した状態において、交差部28は、座面部21において最も設置面40に近い点である最下点24を有する。つまり、無負荷状態(使用者が椅子部20に着座していない状態)において、交差部28の中央部(最下点24を含む領域)が脚側端部23よりも設置面40の近くに位置するように、座面部21の中心線が設置面40に対して傾斜している。なお、座面部21の中心線とは、座面部21の脚側端部23の中点と、交差部28の中点とを接続する線分である。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、使用者の臀部が交差部28に配置され、使用者の脚の一部(たとえば大腿部)が脚側端部23上に配置される。つまり、使用者が椅子部20に着座した際に、設置面40から見て使用者の脚(大腿部)の高さが臀部の高さより高くなるように、座面部21が設置面40に対して傾いている。このため、使用者が椅子部20に着座している状態において、使用者の脚が設置面40と干渉することを避けることができる。
【0013】
図3のようにハンモック1の側面から見た側面視において、人の座高の高さを踏まえて、最下点24は、面Aと吊り下げ部30の間に配置されることが好ましい。面Aは、吊り下げ部30と設置面40との間に配置される。面Aと吊り下げ部30との間の距離である第1距離tはたとえば1000mmである。当該第1距離tは、800mm以上1200mm以下であってもよい。面Aは、設置面40と平行な面である。つまり、最下点24が、吊り下げ部30から見て設置面40側に1000mm以内の領域に収まるように、設置面40から最下点24までの距離(高さ)は、設置面40から面Aまでの距離より大きい。このように最下点24と吊り下げ部30との距離を適切に設定することで、負荷時(使用者が当該ハンモック1を使用している状態)において、椅子部20の揺動距離を確保できる。逆に、たとえば、最下点24と吊り下げ部30との距離が大きく設定されると、負荷時において、椅子部20の揺動に伴う当該椅子部20のZ方向(設置面40に対して垂直な方向)での変位量が不十分となる。その結果、使用者の筋肉に十分な負荷をかけることができなくなる。
【0014】
当該椅子部20は織布状の布で形成されている。椅子部20は、クッション性を確保する材料で形成されていることが好ましい。たとえば、椅子部20は網目状のネットで形成されていてもよい。
【0015】
図2に示されるように、支柱部2は、第1支持部2aと、第2支持部2bと、接続部材11aとを含む。設置面40に垂直な面である面Cを考えた場合、当該面Cを挟むように左右対称な位置に第1支持部2aおよび第2支持部2bが配置されている。第1支持部2aおよび第2支持部2bは、椅子部20を挟んで対向するように配置されている。接続部材11aは、第1支持部2aと第2支持部2bとを接続する。このようにすれば、接続部材11aによって、第1支持部2aおよび第2支持部2bの互いの相対位置が決定される。つまり、支柱部2は、一対の支持部である第1支持部2aおよび第2支持部2bを含む。接続部材11aを介して第1支持部2aと第2支持部2bとは接続されている。また、接続部材11aは、力点部12としての役割も有する。
【0016】
図3に示されるように、第1支持部2aおよび第2支持部2bは、それぞれ棒状部3a、3b、3c、3d、および接続部材11bから構成される第1支持部2aおよび第2支持部2bは、図3に示される側面視において多角形状の部分を有する。棒状部3aは、角部4aを介して棒状部3bと接続される。棒状部3bは、角部4bを介して棒状部3cと接続される。棒状部3cは、角部4cを介して棒状部3dと接続される。接続部材11bは、角部4dを介して棒状部3aと接続される。接続部材11bは、棒状部3aと連なる角部4dに接続されている端部と反対側の端部において、接続部材11aと接続されている。接続部材11bと接続部材11aとの接続部は、上記角部4cと接触する。つまり、第1支持部2aおよび第2支持部2bのそれぞれの接続部材11bは、互いに接続部材11aを介して接続されている。なお、以下では接続部材11a、11bをまとめて接続部材11と呼ぶことがある。
【0017】
角部4bは、第1支持部2aおよび第2支持部2bにおいて、設置面40から最も離れて配置されている。つまり、角部4bはそれぞれ第1支持部2aおよび第2支持部2bの最も高い位置に配置されている。図3に示されるように、面Bからみて、角部4aは、脚側端部23が位置する側の領域に配置される。面Bから角部4aまでの距離は、面Bから角部4dまでの距離より大きい。なお、面Bは、第1支持部2aおよび第2支持部2bにおける角部4bを含み、設置面40と垂直な面である。角部4aは、高さ方向(図3のZ方向)において角部4dと角部4bとの間に配置されている。面Bから見て、角部4cは頭側端部27が位置する側の領域に配置されている。角部4cは、高さ方向(図3のZ方向)において角部4dと角部4bとの間に配置されている。図2に示されるように、図3のY方向から見て棒状部3bと棒状部3cとは部分的に重ならないように配置されている。
【0018】
棒状部3dは、棒状部3cと連なる角部4cに接続されている端部と反対側の端部において、設置面40との接点14bを有する。接点14bは、面Bから見て、頭側端部27が位置する側の領域に配置されている。面Bから接点14bまでの距離は、面Bから角部4cまでの距離より大きい。
【0019】
角部4dは、設置面40との接点14aを有する。接点14aは、面Bから見て、脚側端部23が位置する側の領域に配置されている。なお、接点14a、14bをまとめて接点14と呼ぶことがある。このように、第1支持部2aおよび第2支持部2bはそれぞれ設置面40との接点14を2点有している。2点の接点14a、14bは、面Bを挟むように離間して配置されている。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した状態において、第1支持部2aおよび第2支持部2bと設置面40との複数の接点14に、荷重を分散して負荷することができる。支柱部2の形状は上記の限りではなく、実施の形態2で開示されるハンモック1の支柱部2の形状のように、他の任意の形状であってもよい。
【0020】
第1支持部2a、第2支持部2b、力点部12を含む接続部材11を構成する材料は、たとえば金属である。軽量化のために、第1支持部2a、第2支持部2b、接続部材11は、中空の筒状体で形成されていることが好ましいが、中実の棒状体で形成されていてもよい。使用者が椅子部20に着座したときに、第1支持部2a、第2支持部2b、接続部材11を構成する材料は、形状が維持できる剛性を有していることが好ましい。
【0021】
図2に示されるように、ハンモック1は、吊り下げ部30として、間隔をあけて配置された一対の係止部材31を有する。係止部材31は第1支持部2aおよび第2支持部2bの角部4bに接続されている。椅子部20は、一対の係止部材31の間に配置されている。つまり、第1支持部2aにおいて椅子部20に面する領域、および第2支持部2bにおいて椅子部20に面する領域に、それぞれ係止部材31が配置される。
【0022】
図4に示されるように、一対の係止部材31にはそれぞれ3本の連結部材36が接続されている。連結部材36は帯状体である。連結部材36を構成する材料としては、布、樹脂等任意の材料を用いる事ができる。3本の連結部材36において、係止部材31と接続された端部と反対側の端部は、それぞれ椅子部20の座面側部22の両端部および背面側部26と頭側端部27に接続されている。連結部材36の数は適宜変更してもよい。たとえば、椅子部20に使用者が着座した際に、連結部材36に加えられる張力を低減するために、1つの係止部材31に接続される連結部材36の数を4本以上としてもよい。ただし、椅子部20に使用者が着座した際に、椅子部20の安定性が低下することを避けるため、1つの係止部材31に接続される連結部材36の数は、2本以上とすることが好ましい。この場合、2本以上の連結部材36には、椅子部20の座面側部22に接続される連結部材36と、背面側部26に接続される連結部材36とが含まれることが好ましい。
【0023】
係止部材31は、主面32および背面33を含む平板37と、回転部34とを有する。平板37の外周形状はたとえば曲面で構成されている。一対の係止部材31の主面32は、それぞれ互いに対面している。第1支持部2aと、第1支持部2aと対向する椅子部20の座面側部22との間に配置された係止部材31において、主面32と反対の面である背面33は、第1支持部2aの角部4bに面している。当該係止部材31の回転部34は第1支持部2aの角部4bに接続されている。第2支持部2bと、第2支持部2bと対向する椅子部20の座面側部22との間に配置された係止部材31において、主面32と反対の面である背面33は、第2支持部2bの角部4bに面している。当該係止部材31の回転部34は、第2支持部2bの角部4bに接続されている。係止部材31には、2つの貫通孔35が形成されている。それぞれの貫通孔35は主面32から背面33にまで到達するように形成されている。それぞれの貫通孔35に、連結部材36が挿通した状態で、係止部材31に連結部材36が連結されている。
【0024】
係止部材31は、回転部34を通る中心軸R1を中心として自転可能である。つまり、椅子部20に使用者が座った状態である負荷時において、椅子部20の揺動方向での動きに伴って、係止部材31が回転部34を中心軸R1として自転することができる。図2に示されるように、一対の係止部材31を通る直線R2に沿って中心軸R1が伸びるように、回転部34は配置されている。なお、中心軸R1は直線R2と平行になっていてもよいし、直線R2に対して傾斜していてもよい。直線R2に対する中心軸R1の傾斜角度はたとえば20°以下であってもよく、10°以下であってもよい。
【0025】
一対の係止部材31を通る直線R2は、第1支持部2aの角部4bと第2支持部2bの角部4bとを通り、直線R2上に回転部34が配置されている。そのため、負荷時に、直線R2が回転軸となって椅子部20が揺動する。このため、椅子部20の揺動方向は直線R2に対して垂直な第1方向(図3のY方向)に決定される。第1方向は、設置面40に対して垂直な方向からみた平面視において、椅子部20が揺動する方向である。
【0026】
ここで、本実施の形態1に係るハンモック1の特徴は、図1および図2で示されるように、使用者が力を加えることが可能な力点部12を設けた点である。具体的には、図2に示されるように、力点部12は第1支持部2aと第2支持部2bとを接続する。力点部12の両端はそれぞれ第1支持部2aの接続部材11bおよび第2支持部2bの接続部材11bと接続されている。つまり、本実施の形態1では、接続部材11aが力点部12としての役割を持つ。使用者が椅子部20に着座した状態において、使用者が力点部12を把持して当該力点部12に力を加えることで、吊り下げ部30を中心にして使用者とともに椅子部20は揺動する。当該ハンモック1を使用すれば、上記の様に力点部12を使用者が把持して椅子部20を揺動させることで、使用者が自身の自重を利用して筋肉に負荷をかけることができる。つまり、椅子部20が使用者とともに揺動した距離に応じて、使用者の筋肉に負荷をかけることができる。
【0027】
使用者が椅子部20に着座した際に、使用者の肩が配置される点p3は領域V1に配置される。図2に示されるように、領域V1は、面Cを中心として面対称な位置に配置された一対の線分l1により構成される。人体の肩幅の平均値およびばらつきを考慮し、一対の線分l1は互いに465mm離間するように配置される。図3に示されるように、一対の線分l1はそれぞれ点p1と点p2とを結ぶ線分である。点p1は、図2に示された面Cを中心として面対称な位置に配置され、面Cに平行であって線分l1が含まれる面において、背面部25上で最も設置面40から離れた位置にある点である。点p2は、ハンモック1の側面からみた側面視において、最下点24と点p1とを結ぶ直線上に配置にされ、最下点24からみて点p1側に690mm離れた位置に配置された点を上記面Cに平行な面に投影した点である。図3に示された側面視において、上記点p1と点p2とを最短距離で結ぶ線分であって、図2に示す面Cからの距離が232.5mmである線分が上記一対の線分l1である。点p3は、使用者の座高の大きさに応じて、点p1から点p2までの線分l1上に配置される。人体の肩から手先までの距離の平均値およびばらつきを考慮し、力点部12は点p3を中心として半径840mmの球体の内部空間からなる領域内にあることが好ましい。
【0028】
使用者が椅子部20に着座した状態で、使用者の手が届く範囲(上記の領域)に力点部12があれば、使用者が力点部12を把持して椅子部20を揺動させることで、使用者のたとえば上半身および腕の筋肉に負荷をかけることができる。ただし、使用者が負荷をかけたい筋肉の箇所に対応して、力点部12の配置される場所を適宜変更してもよい。たとえば、図3に示されるように、力点部12は座面側部22よりも設置面40に近い位置に配置されてもよい。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した状態で使用者が力点部12を把持して力を加えることで、使用者の主に、上腕二頭筋や上腕三頭筋に負荷をかけることができる。
【0029】
図3に示されるように、第1方向(図3のY方向)において、吊り下げ部30から力点部12までの距離L1は、吊り下げ部30から最下点24までの距離L2より大きい。第1方向において、力点部12は吊り下げ部30から見て交差部28が位置する領域に配置されている。上記のように、使用者が椅子部20に着座した際に、交差部28よりも使用者の後方に力点部12が配置されているため、力点部12を使用者が把持した状態で脚を設置面40から持ち上げた状態とすることができる。この状態で力点部12に使用者が力を加えることで、脚を上げた状態で椅子部20を揺動させる運動が可能となる。
【0030】
図5は、実施の形態1に係るハンモック1において力点部12の配置可能領域V2を説明する模式図である。図5では、(5-I)としてハンモック1の側面図を示し、(5-II)としてハンモックの正面図を示している。以下、使用者が力点部12を手で把持する場合における力点部12の配置可能領域V2を説明する。図5の(5-I)においては、ハンモック1の側面視において、力点部12の配置可能領域V2を示す。図5の(5-II)においては、ハンモック1の正面視において、力点部12の配置可能領域V2を示す。力点部12の配置可能領域V2は、使用者が椅子部20に着座した状態で、当該使用者が手を伸ばして力点部12を把持できる領域である。図5に示されるように、力点部12の配置可能領域V2は、表面S1と表面S2に囲まれた領域である。表面S1は、領域V1を構成する一対の線分l1を接続してできる平坦面S3の面上を点p3が自由に動いた時に、当該点p3を中心とする半径840mmの球体の内部空間が通る領域の外周面である。つまり、表面S1は、使用者が椅子部20に着座した状態で手を伸ばして届く最大領域を示す。表面S2は、点p3が領域V1の一対の線分l1の上にある点p4をつなぐ線分l2上を自由に動いたときに、点p3を中心とする半径200mmの球体の内部空間が通る領域の外周面である。点p4は、ハンモック1の側面視において、領域V1の線分l1上に配置され、点p2からみて点p1側に100mm離れた位置に配置された点であり、人体の座高の平均寸法を考慮して決定されている。使用者の肩の近傍は、使用者の手が届きにくい領域である。そのため、点p4を含んだ表面S2で囲まれた領域は、力点部12の配置が好ましくない領域である。つまり、力点部12の配置可能領域V2は、使用者が椅子部20に着座したときに、当該使用者が手を伸ばして届く表面S1に囲まれた領域から、当該使用者の手が届きにくい表面S2に囲まれた領域を除去した領域となる。
【0031】
力点部12は、使用者が必ずしも手で把持して力を加えなくてもよい。たとえば、使用者が当該力点部12を脚で押して力を加えられるように力点部12を配置してもよい。具体的には、図6に示されるように、第1方向において、力点部12aは吊り下げ部30から見て脚側端部23が位置する側の領域に配置されてもよい。つまり、使用者が椅子部20に着座した際に、面Bから見て、当該使用者の脚側に力点部12aがあれば、当該使用者は脚で力点部12aを押すことができる。このようにすれば、当該ハンモック1で使用者は自重を利用してレッグプレスを行うことができる。
【0032】
使用者が椅子部20に着座した際に、使用者の膝が配置される点p7は領域V3に配置される。領域V3は、図2に示されるように、線分l3がX方向に一対の座面側部22の間を平行移動した時に、線分l3が通る領域である。つまり、領域V3は平坦な面となる。線分l3は、点p5と点p6を結ぶ線分である。点p5は、ハンモック1の側面からみた側面視において、脚側端部23上で最も設置面40に近い点である。点p6は、ハンモック1の側面からみた側面視において、最下点24と点p5を結ぶ直線上に配置され、最下点24から見て点p5側に530mm離れた位置にある点である。この最下点24から点p6までの距離(530mm)は、人体の大腿部の長さの平均値およびばらつきを考慮して決定されている。使用者の大腿部の長さに応じて、点p7は領域V3の任意の位置に配置される。図6に示されるように、人体の下腿部の平均値およびばらつきを考慮し、力点部12aは点p7を中心として半径450mmの扇形の面を外周面(図6の表面S4)とした領域である力点部12aの配置可能領域V4内にあることが好ましい。なお、上記の扇形の面は、線分l3を基準線として、ハンモック1の側面からみた側面視において、点p7を原点とし、点p7から最下点24と反対側に線分l3に沿って延びる基準線を含み、反時計回りに点p7を原点とした中心角130°の扇形を考え、線分l3上を点p7が移動した場合に当該扇形が移動する領域の最外周面である。以下、図6を参照しながら具体的に説明する。
【0033】
図6は、実施の形態1に係るハンモック1において力点部12aの配置可能領域V4を説明する模式図である。図6では、(6-I)としてハンモック1の側面図を示し、(6-II)としてハンモックの正面図を示している。以下、使用者がレッグプレスする場合における力点部12aの配置可能領域V4を説明する。図6の(6-I)においては、ハンモック1の側面視において、力点部12aの配置可能領域V4を示す。図6の(6-II)においては、ハンモック1の正面視において、力点部12aの配置可能領域V4を示す。力点部12aの配置可能領域V4は、使用者が椅子部20に着座した状態で、当該使用者が力点部12aを脚で押して力を加えられる領域である。図6に示されるように、力点部12aの配置可能領域V4は、表面S4に囲まれた領域である。表面S4は、点p7が領域V3からなる面上を自由に動いた時に、前述した半径450mmで中心角130°の扇形が通る領域の外周面である。つまり、表面S4は、使用者が椅子部20に着座した状態で脚を伸ばして届く最大領域を示す。
【0034】
<作用効果>
本開示に従ったハンモック1は、使用者が着座可能な椅子部20と、支柱部2と、使用者が力を加えることが可能な力点部12とを備える。支柱部2は椅子部20を支持する。支柱部2は、椅子部20を吊り下げることができる吊り下げ部30を有する。椅子部20は、使用者が椅子部20に着座した状態において、使用者が力点部12に力を加えることで吊り下げ部30を中心にして揺動可能である。
【0035】
このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した状態で、力点部12に力を加えることで、吊り下げ部30を中心にして椅子部20が使用者とともに揺動できる。当該ハンモック1を使用すれば、使用者は自身の自重を利用して、筋肉に負荷をかけることができる。すなわち、椅子部20が使用者とともに揺動した距離に応じて、使用者の筋肉に負荷がかかる。このように、ハンモック1に着座した状態で、使用者は自重を利用した運動を行うことができるので、使用者は日常生活において気軽に運動することができる。
【0036】
上記ハンモック1において、吊り下げ部30は、間隔をあけて配置された一対の係止部材31を有する。椅子部20は、一対の係止部材31の間に配置される。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、使用者が椅子部20に着座したことで吊り下げ部30に加えられる荷重が、一対の係止部材31に分散して負荷される。
【0037】
上記ハンモック1において、係止部材31は回転部34を有する。係止部材31は回転部34を中心軸R1として自転できる。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、使用者が力点部12に力を加えることで係止部材31が回転部34を中心にして自転するため、椅子部20が係止部材31の自転と共に揺動することができる。
【0038】
上記ハンモック1において、一対の係止部材31を通る直線R2に沿って中心軸R1が伸びるように、回転部34が配置されている。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、使用者が力点部12に力を加えることで、一対の係止部材31を通る直線R2を回転中心として椅子部20が揺動することができる。
【0039】
上記ハンモック1において、椅子部20は座面部21および背面部25を備える。座面部21および背面部25は、交差部28において接続される。座面部21の外周は、交差部28と、交差部28と対向するように配置された脚側端部23とを含む。支柱部2を設置面40に配置した状態において、交差部28は座面部21において最も設置面40に近い最下点24を有する。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、使用者が力点部12に力を加えることで、一対の係止部材31を通る直線R2を回転軸として椅子部20が揺動することができる。また、使用者が椅子部20に着座した際に、使用者の臀部が交差部28に配置され、使用者の脚が脚側端部23側に配置される。つまり、設置面40から臀部までの高さより、脚側端部23に接触する使用者の脚の部分まで高さが高くなるように、座面部21が設置面40に対して傾いている。このため、使用者が椅子部20に着座している状態において、使用者の脚が設置面40と干渉することを避けることができる。
【0040】
上記ハンモック1において、座面部21の外周は交差部28と脚側端部23とをつなぐ一対の座面側部22を含む。一対の座面側部22は吊り下げ部30に連結される。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に座面部21の座面側部22が吊り下げ部30によって支持されるため、吊り下げ部30が使用者の落下を防止するための効果を発揮する。
【0041】
上記ハンモック1において、力点部12は、座面側部22よりも設置面40に近い位置に配置される。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した状態で使用者が力点部12を把持して力を加えることで、使用者の主に、上腕二頭筋や上腕三頭筋に負荷がかかる。
【0042】
上記ハンモック1において、背面部25の外周は、交差部28と、交差部28と連なると共に、交差部28を挟んで対向するように配置された一対の背面側部26とを含む。一対の背面側部26は吊り下げ部30に連結される。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、背面部25が背面側部26を介して吊り下げ部30により支持される。このため、使用者は背面部25に寄りかかることができる。そのため、使用者は快適に当該ハンモック1を使用することができる。
【0043】
上記ハンモック1では、設置面40に対して垂直な方向から見た平面視において、椅子部20が揺動する方向を第1方向とした場合に、第1方向において、力点部12は、吊り下げ部30から見て交差部28が位置する側の領域に配置される。第1方向において、吊り下げ部30から最下点24までの距離L2より、吊り下げ部30から力点部12までの距離L1が大きい。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、交差部28の最下点24よりも使用者の後方に力点部12が配置された状態となる。このため、使用者は背面部25に背中を押し当てた状態で、力点部12に力を加えることになる。この結果、使用者は脚を上げた状態での運動を行うことができる。
【0044】
上記ハンモック1では、第1方向において、力点部12は吊り下げ部30から見て脚側端部23が位置する側の領域に配置される。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した際に、当該使用者は脚で力点部12を押し、椅子部20を揺動させることができる。そのため、使用者は自重を利用してレッグプレスができる。
【0045】
上記ハンモック1において、支柱部2は、設置面40に接触する2以上の接点14を有する。このようにすれば、使用者が椅子部20に着座した状態において、支柱部2が支持する荷重を、複数の接点14に対して分散して負荷することができる。このため、複数の接点14それぞれにかかる荷重を低減することができる。
【0046】
上記ハンモック1において、支柱部2は、第1支持部2aと、第2支持部2bと、接続部材11とを含む。第2支持部2bは第1支持部2aと椅子部20を挟んで対向するように配置される。接続部材11は、第1支持部2aと第2支持部2bとを接続する。このようにすれば、接続部材11によって、第1支持部2aおよび第2支持部2bの互いの相対位置が決定される。
【0047】
(実施の形態2)
<ハンモックの構成および作用効果>
図7は、実施の形態2に係るハンモック1の斜視図である。図7は、図1に対応する。図8は、実施の形態2に係るハンモック1を上から見た平面図である。図9は、実施の形態2に係るハンモック1の側面図である。図9図3に対応する。図7から図9に示されるハンモック1は、基本的には図1から図3に示されたハンモック1と同様の構成を備えるが、支柱部2の形状および力点部12の配置箇所が図1から図3に示されたハンモック1と異なっている。具体的には、第1支持部2aおよび第2支持部2bは、それぞれ棒状部3a、3b、3c、3d、および接続部材11bから構成される。
【0048】
図8に示されるように、力点部12の両端はそれぞれ第1支持部2aの棒状部3dおよび第2支持部2bの棒状部3dと接続されている。棒状部3aは、図9に示されるように角部4aを介して接続部材11bの中央部と接続される。棒状部3bは、角部4bを介して接続部材11bの一方の端部と接続される。棒状部3cは、角部4cを介して接続部材11bの他方の端部と接続される。棒状部3dは、角部4cを介して接続部材11bおよび棒状部3cと接続される。図9に示されるように、ハンモック1の側面視において、面B上に棒状部3aおよび角部4aが配置される。棒状部3aは、接続部材11bと接続されている角部4a側と反対側(上側)の他端において、椅子部20を吊り下げる吊り下げ部30を有している。接続部材11bは、面Bに対して垂直に配置されている。角部4bは、面Bから見て、脚側端部23が位置する側の領域に配置される。角部4cは、面Bからみて、頭側端部27が位置する側の領域に配置される。棒状部3bは、接続部材11bと接続されている角部4b側と反対側の他端において、設置面40との接点14aを有する。棒状部3cは、接続部材11bと接続されている角部4c側と反対側の他端において、設置面40との接点14bを有する。接点14aは、面Bから見て、脚側端部23が位置する側の領域に配置される。接点14aは、面Bから見て第1方向(図9のY方向)に角部4bより離れた位置に配置されている。接点14bは、面Bから見て、頭側端部27が位置する側の領域に配置される。接点14bは、面Bから見て第1方向に角部4cより離れた位置に配置されている。つまり、棒状部3b、3cは設置面40に対して傾きを持つように配置されている。
【0049】
棒状部3dは、接続部材11bおよび棒状部3cと接続されている角部4c側と反対側の他端において、力点部12と接続されている。ハンモック1の側面視において、力点部12は、面Bから見て頭側端部27が位置する領域に配置されている。第1方向(図9のY方向)において、面Bから頭側端部27までの距離より、面Bから力点部12までの距離が大きい。図9のZ方向において、設置面40から力点部12までの距離は、設置面40から頭側端部27までの距離より小さい。
【0050】
このような構成のハンモック1によっても、図1から図3に示されたハンモック1と同様の効果を得ることができる。また、図7から図9に示されたハンモック1では、力点部12が椅子部20の頭側端部27より後側(面Bから見て頭側端部27より遠い位置)に配置されているので、図1から図3に示されたハンモック1において力点部12を把持する場合と異なる姿勢で力点部12を把持できる。このため、図1から図3に示されたハンモック1を用いる場合と異なる筋肉に負荷をかけることができる。
【0051】
(実施の形態3)
<ハンモックの構成および作用効果>
図10は、実施の形態3に係るハンモック1の斜視図である。図10は、図6に対応する。図11は、実施の形態3に係るハンモック1を上から見た平面図である。図11図8に対応する。図12は、実施の形態3に係るハンモック1の側面図である。図12図9に対応する。図10から図12に示されるハンモック1は、基本的には図7から図9に示されたハンモック1と同様の構成を備えるが、支柱部2の形状および力点部12の配置箇所が図7から図9に示されたハンモック1と異なっている。
【0052】
具体的には、支柱部2は、接続部材11cを備える。接続部材11cの両端が、それぞれ第1支持部2aおよび第2支持部2bの角部4aを介して接続部材11bと接続されている。接続部材11cは、椅子部20の下方側に配置される。また、棒状部3dは、接続部材11bと接続されている角部4cから離れるほど、図11に示される平面視において椅子部20から離れるように、接続部材11bに対して傾斜している。このため、力点部12の長さは接続部材11cの長さより長くなっている。また、棒状部3dは、角部4cから離れるほど、吊り下げ部30側(上側)に向かうように伸びている。このため、図12のZ方向において、設置面40から力点部12までの距離は、設置面40から頭側端部27までの距離より大きい。
【0053】
このような構成のハンモック1によっても、図7から図9に示されたハンモック1と同様の効果を得ることができる。また、図10から図12に示されたハンモック1では、力点部12が椅子部20の頭側端部27より後側(面Bから見て頭側端部27より遠い位置)であって、頭側端部27より上方に配置されているので、図7から図9に示されたハンモック1において力点部12を把持する場合と異なる姿勢で力点部12を把持できる。このため、図7から図9に示されたハンモック1を用いる場合と異なる筋肉に負荷をかけることができる。
【0054】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態の少なくとも2つ以上を組み合わせてもよい。本開示の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均衡の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【0055】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
使用者が着座可能な椅子部と、
前記椅子部を支持する支柱部と、
前記使用者が力を加えることが可能な力点部とを備え、
前記支柱部は、
前記椅子部を吊り下げることができる吊り下げ部を有し、
前記椅子部は、前記使用者が前記椅子部に着座した状態において、前記使用者が前記力点部に力を加えることで前記吊り下げ部を中心にして揺動可能な、ハンモック。
(付記2)
前記吊り下げ部は、間隔をあけて配置された一対の係止部材を有し、
前記椅子部は、一対の前記係止部材の間に配置された、付記1に記載のハンモック。
(付記3)
前記係止部材は回転部を有し、
前記係止部材は前記回転部を中心軸として自転できる、付記2に記載のハンモック。
(付記4)
一対の前記係止部材を通る直線に沿って前記中心軸が伸びるように、前記回転部は配置されている、付記3に記載のハンモック。
(付記5)
前記椅子部は、座面部および背面部を備え、
前記座面部および前記背面部は、交差部において接続され、
前記座面部の外周は、
前記交差部と、
前記交差部と対向するように配置された脚側端部と、を含み、
前記支柱部を設置面に配置した状態において、
前記交差部は、前記座面部において最も前記設置面に近い最下点を有する、付記1から付記4のいずれか1項に記載のハンモック。
(付記6)
前記座面部の前記外周は、前記交差部と前記脚側端部とをつなぐ一対の座面側部を含み、
一対の前記座面側部は、前記吊り下げ部に連結される、付記5に記載のハンモック。
(付記7)
前記力点部は、前記座面側部よりも前記設置面に近い位置に配置された、付記6に記載のハンモック。
(付記8)
前記背面部の外周は、
前記交差部と、
前記交差部と連なると共に、前記交差部を挟んで対向するように配置された一対の背面側部と、を含み、
一対の前記背面側部は、前記吊り下げ部に連結される、付記5から付記7のいずれか1項に記載のハンモック。
(付記9)
前記設置面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記椅子部が揺動する方向を第1方向とした場合に、
前記第1方向において、前記力点部は、前記吊り下げ部から見て前記交差部が位置する側の領域に配置され、
前記第1方向において、前記吊り下げ部から前記最下点までの距離より、前記吊り下げ部から前記力点部までの距離が大きい、付記5から付記8のいずれか1項に記載のハンモック。
(付記10)
前記座面部の前記外周は、前記交差部と対向するように配置された前記脚側端部を含み、
前記設置面に対して垂直な方向から見た平面視において、前記椅子部が揺動する方向を第1方向とした場合に、
前記第1方向において、前記力点部は、前記吊り下げ部から見て前記脚側端部が位置する側の領域に配置された、付記5から付記8のいずれか1項に記載のハンモック。
(付記11)
前記支柱部は、前記設置面に接触する2以上の接点を有する、付記5から付記10のいずれか1項に記載のハンモック。
(付記12)
前記支柱部は、
第1支持部と、
前記第1支持部と前記椅子部を挟んで対向するように配置された第2支持部と、
前記第1支持部と前記第2支持部とを接続する接続部材とを含む、付記1から付記11のいずれか1項に記載のハンモック。
【符号の説明】
【0056】
1 ハンモック、2 支柱部、2a 第1支持部、2b 第2支持部、3a,3b,3c,3d 棒状部、4a,4b,4c,4d 角部、11,11a,11b,11c 接続部材、12,12a 力点部、14,14a,14b 接点、20 椅子部、21 座面部、22 座面側部、23 脚側端部、24 最下点、25 背面部、26 背面側部、27 頭側端部、28 交差部、30 吊り下げ部、31 係止部材、32 主面、33 背面、34 回転部、35 貫通孔、36 連結部材、37 平板、A,B,C 面、V1,V3 領域、V2,V4 配置可能領域、L1,L2 距離、R1 中心軸、R2 直線、S1,S2,S4 表面、S3 平坦面、t 第1距離、l1,l2,l3 線分、p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7 点。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12